JP2021143603A - オイルセパレータ - Google Patents

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Abstract

【課題】オイルセパレータより下流のPCV通路等でブローバイガスに含まれる水分が凝縮することを抑制できるオイルセパレータを提供する。【解決手段】オイルセパレータ1は、一端が塞がれ他端が開放された筒状に形成されるハウジング部材10と、ハウジング部材10の他端に着脱自在に取り付けられる蓋部材11と、ハウジング部材10内及び蓋部材11内に設けられブローバイガスに含まれる油分を捕集する第2捕集部13と、蓋部材11に設けられハウジング部材10及び蓋部材11を外側から覆うカバー部14とを備える。【選択図】図1

Description

本開示は、内燃機関のPCV(Positive Crankcase Ventilation)通路に設けられるオイルセパレータに関する。
内燃機関のPCV通路は、クランクケース内の燃料や水分等を含むガス(ブローバイガス)を吸気通路へと還流させる。
PCV通路には、オイルセパレータが設けられる場合がある。オイルセパレータは、ブローバイガスに含まれる油分を捕集し、捕集した油分をオイルパン等に戻す。
特開2005−279629号公報 特開2017−082591号公報
ところで、内燃機関の周囲が低温である場合、オイルセパレータより下流のPCV通路等でブローバイガスに含まれる水分が凝縮した後、氷結する場合がある。この場合、吸気通路に接続されるPCV通路の出口部が氷で閉塞する虞がある。また、吸気通路において、PCV通路の出口部より下流側にターボチャージャのコンプレッサが接続される場合、出口部から剥がれた氷が高速回転するコンプレッサの翼車に衝突し、翼車が破損する可能性がある。
そこで本開示は、かかる事情に鑑みて創案され、その目的は、オイルセパレータより下流のPCV通路等でブローバイガスに含まれる水分が凝縮することを抑制できるオイルセパレータを提供することにある。
本開示の一の態様によれば、
一端が塞がれ他端が開放された筒状に形成されるハウジング部材と、
前記ハウジング部材の他端に着脱自在に取り付けられる蓋部材と
前記ハウジング部材及び前記蓋部材で区画される空間内に設けられブローバイガスに含まれる油分を捕集する捕集部と、
前記蓋部材に設けられ前記ハウジング部材及び前記蓋部材を外側から覆うカバー部とを備えた
ことを特徴とするオイルセパレータが提供される。
好ましくは、前記カバー部には、断熱用の中空部が形成される。
好ましくは、前記中空部には、断熱材が設けられる。
好ましくは、前記蓋部材は、前記ハウジング部材にその中心軸回りに回転されて螺合され、前記ハウジング部材には、径方向外方に延出する延出部が設けられ、前記カバー部には、前記延出部との干渉を回避するための切り欠きが形成され、前記カバー部は、前記蓋部材に対して前記中心軸回りに回転自在に設けられる。
上記の態様によれば、オイルセパレータより下流のPCV通路等でブローバイガスに含まれる水分が凝縮することを抑制できる。
オイルセパレータを備える内燃機関の概略説明図である。 本開示の一実施の形態に係るオイルセパレータの正面断面図である。 オイルセパレータの側面図である。
以下、添付図面を参照して本開示の実施形態を説明する。なお、後述する実施の形態における前後左右上下の各方向は、車両の各方向をいうものとする。ただし、本実施の形態における各方向は、説明の便宜のために用いるものであり、後述する部材間の相対的な位置関係を表す。
図1は、オイルセパレータ1を備える内燃機関2の概略説明図である。図2はオイルセパレータ1の正面断面図である。
図1に示すように、内燃機関2は、車両に搭載された多気筒の圧縮着火式内燃機関、すなわちディーゼルエンジンである。内燃機関2は、エンジン本体3と、エンジン本体3に接続される吸気通路4と、吸気通路4に設けられるエアフィルタ5と、エアフィルタ5より下流の吸気通路4に設けられるターボチャージャ6のコンプレッサ7と、エンジン本体3内のブローバイガスを吸気通路4に還流させるPCV通路8と、PCV通路8に設けられたオイルセパレータ1と、オイルセパレータ1で分離された油分をエンジン本体3のオイルパン3aに戻すオイル戻し通路9とを備える。なお、内燃機関は、排気通路等の排気系部品(図示せず)を備えるが、ここでは説明を省略する。また、内燃機関2は軽油以外の燃料で作動する他のエンジン、例えば、ガソリンエンジン等であってもよい。また、内燃機関2は、車両に搭載されるものであっても良いし、機械装置や発電装置に搭載されても良く、また、定置式であっても良い。
PCV通路8は、エンジン本体3に接続されると共に、エアフィルタ5及びコンプレッサ7間の吸気通路4に接続される。具体的には、PCV通路8は、エンジン本体3及びオイルセパレータ1間に配管される上流側PCV通路8aと、オイルセパレータ1及び吸気通路4間に配管される下流側PCV通路8bとを備える。また、PCV通路8には、図示しないPCVバルブが設けられる。オイルセパレータ1は、ブローバイガスに含まれる油分を捕集し、液化させる。
図2に示すように、オイルセパレータ1は、一端(下端)が塞がれた円筒状に形成されるハウジング部材10と、ハウジング部材10の他端(上端)に着脱自在に取り付けられる蓋部材11と、ハウジング部材10内に設けられる第1捕集部12と、蓋部材11内及びハウジング部材10内に跨がって設けられる第2捕集部13と、蓋部材11に設けられるカバー部14とを備える。
第1捕集部12は、ろ網で構成される。第1捕集部12は、上下方向に貫通する縦孔12aを中心部に有するリング状に形成される。
第2捕集部13は、ろ紙で構成される。第2捕集部13は、上下方向に延びる円筒状に形成される。第2捕集部13の下部はハウジング部材10内に収容され、第2捕集部13の上部は蓋部材11内に収容される。第2捕集部13は、ハウジング部材10と同軸に配置される。また、第2捕集部13の下端はハウジング部材10に係脱自在に保持され、第2捕集部13の上端は蓋部材11に係脱自在に保持される。すなわち、第2捕集部13は、ハウジング部材10及び蓋部材11の中に交換可能に設けられる。
ハウジング部材10は、上下方向に延びて形成される。ハウジング部材10の下端は閉じられ、ハウジング部材10の上端は開放される。すなわち、ハウジング部材10は、有底筒体状に形成される。また、ハウジング部材10内には、ブローバイガスを第1捕集部12及び第2捕集部13に流すためのハウジング内ガス流路15が形成される。
ハウジング内ガス流路15は、上流側PCV通路8a及び第1捕集部12間に形成される入口ガス流路部16と、第1捕集部12及び第2捕集部13間に形成される中間ガス流路部17と、第2捕集部13及び下流側PCV通路8b間に形成される出口ガス流路部18とを備える。
入口ガス流路部16は、ハウジング部材10の外周に沿う環状に形成されると共に、第1捕集部12の上面に隣接して形成される。また、入口ガス流路部16には、上流側PCV通路8aが接線方向に接続される。これにより、入口ガス流路部16内では、上流側PCV通路8aから流入するブローバイガスが旋回しつつ下方の第1捕集部12に案内される。ブローバイガスに含まれる油分の一部は、入口ガス流路部16内で旋回されることでブローバイガスから遠心分離される。また、上流側PCV通路8aは、ハウジング部材10に径方向外方に延出して設けられる。
中間ガス流路部17は、第1捕集部12の下面に隣接して形成される下端ガス流路部17aと、第1捕集部12を上下方向に貫通して第2捕集部13の中心孔に接続される上延ガス流路部17bとを備える。上延ガス流路部17bは、第1捕集部12の縦孔12a内に形成される。
出口ガス流路部18は、第2捕集部13の径方向外方に形成される。すなわち、出口ガス流路部18は、第2捕集部13とハウジング部材10との間に形成されると共に、第2捕集部13と蓋部材11との間に形成される。また、出口ガス流路部18には、下流側PCV通路8bが接線方向に接続される。下流側PCV通路8bは、ハウジング部材10に径方向外方に延出して設けられる。また、下流側PCV通路8bは、上流側PCV通路8aに対して上方に離間して配置されると共に、ハウジング部材10の周方向に離間して配置される。
また、ハウジング部材10の底部には、捕集された油分を排出するためのオイル出口19が形成される。オイル出口19には、オイル戻し通路9が接続される。また、ハウジング部材10の上部内周には、後述する蓋部材11の雄ねじ20bと螺合される雌ねじ20aが形成される。
蓋部材11は、上下方向に延びる円筒状に形成される筒蓋部21と、筒蓋部21の上端を塞ぐ上蓋部22とを備える。筒蓋部21の下部外周には、ハウジング部材10の雌ねじ20aと螺合される雄ねじ20bが形成される。すなわち、蓋部材11は、ハウジング部材10にその中心軸C回りに回転されることで螺合される。また、雄ねじ20bより上方の筒蓋部21の外周には、筒蓋部21及びハウジング部材10間を液密に塞ぐシール部材23が設けられる。筒蓋部21は、ハウジング部材10より上方に延びる。
ところで、内燃機関2の周囲が低温である場合、オイルセパレータ1より下流のPCV通路8等でブローバイガスに含まれる水分が凝縮した後、氷結する場合がある。この場合、吸気通路4(図1参照)に接続されるPCV通路8の出口部8cが氷で閉塞する虞がある。また、PCV通路8の出口部8cに付着した氷の一部が出口部8cから剥がれた場合、その剥がれた氷が吸気の流れに乗って下流側に飛び、コンプレッサ7の翼車に衝突し、その翼車が破損する可能性がある。
そこで、本実施の形態にあっては、図2及び図3に示すように、蓋部材11に設けられハウジング部材10及び蓋部材11を外側から覆うカバー部14を備える。
カバー部14は、蓋部材11の上端部からハウジング部材10の上下方向の中央部まで下方に延びる筒状に形成される。カバー部14の上端部は、蓋部材11に回転自在に設けられる。具体的には、蓋部材11の上端部外周には、径方向外方に突出すると共に周方向に延びるガイドレール24が設けられており、カバー部14の内周面には、ガイドレール24と遊嵌される係合溝25が環状に形成されている。これにより、カバー部14は、蓋部材11に対してその中心軸C回りに回転自在に、かつ、軸方向に移動不能に設けられる。
また、カバー部14は、上部に形成される肉厚部26と、下部に形成される肉薄部27とを備える。肉厚部26には、断熱用の中空部28が形成される。肉厚部26は、下流側PCV通路8bより上方のカバー部14に形成される。具体的には、肉厚部26は、筒蓋部21の外周に沿う円筒状に形成される内筒部26aと、内筒部26aの外周を間隔を隔てて覆う外筒部26bと、内筒部26a及び外筒部26bの上端間を気密に塞ぐ環状蓋部26cと、内筒部26a及び外筒部26bの下端間を気密に塞ぐ環状底部26dとを備える。中空部28は、内筒部26a、外筒部26b、環状蓋部26c及び環状底部26dによって区画される。
肉薄部27は、外筒部26bを下方に延長させた形状に形成される。肉薄部27には、上流側PCV通路8aとの干渉を回避するための第1切り欠き29が形成されると共に、下流側PCV通路8bとの干渉を回避するための第2切り欠き30(図2参照)が形成される。第1切り欠き29及び第2切り欠き30は、肉薄部27の下端から上方に、かつ、平行に延びて形成される。
図1及び図2に示すように、上蓋部22には、断熱用の中空部31が形成される。具体的には、上蓋部22は、筒蓋部21の上端を塞ぐ外蓋部22aと、外蓋部22aの下方に間隔を隔てて設けられる内蓋部22bとを備える。中空部31は、外蓋部22a、内蓋部22b及び筒蓋部21によって区画される。上蓋部22の上面には、ハウジング部材10に対して蓋部材11を回転させるとき、作業者の指を掛けるための凸部32が複数放射状に設けられている。
次に本実施の形態の作用について述べる。
吸気通路4内の圧力がエンジン本体3内の圧力より低いとき、図示しないPCVバルブは開き、エンジン本体3内のブローバイガスが上流側PCV通路8a、オイルセパレータ1及び下流側PCV通路8bを通って吸気通路4に流れる。このとき、ブローバイガスは、上流側PCV通路8aからオイルセパレータ1の入口ガス流路部16に流れる。入口ガス流路部16に入ったブローバイガスは、入口ガス流路部16の形状に沿って旋回されつつ下方の第1捕集部12に流れる。これにより、ブローバイガスに含まれる油分の一部が遠心分離されて液化される。また、第1捕集部12はろ網で構成されているため、第1捕集部12に入ったブローバイガスは、第1捕集部12を通過して中間ガス流路部17に流れる。このとき、ブローバイガスに含まれる油分は、第1捕集部12に捕集されて液化される。そして、液化された油分は、下方に流れ、オイル出口19から排出される。オイル出口19から排出された油分は、オイル戻し通路9を通ってエンジン本体3内に戻る。
また、中間ガス流路部17に至ったブローバイガスは、第2捕集部13の中心孔13a内に流れ、第2捕集部13を通過して出口ガス流路部18に流れる。出口ガス流路部18に流れたブローバイガスは、下流側PCV通路8bを通って吸気通路4に還流される。オイルセパレータ1に走行風が当たっていたり、内燃機関2の周囲が低温である場合、オイルセパレータ1は冷やされることとなり、オイルセパレータ1内で流れるブローバイガスも冷やされる。
しかし、オイルセパレータ1は、ハウジング部材10及び蓋部材11を外側から覆うカバー部14を備える。このため、オイルセパレータ1内を流れるブローバイガスの温度低下を抑制でき、吸気通路4に合流されるまでのブローバイガスを比較的高い温度に保つことができる。
また、第2捕集部13を交換する場合、ハウジング部材10に対して蓋部材11を中心軸C回りに回転させて雄ねじ20bと雌ねじ20aの締結を解き、ハウジング部材10から蓋部材11を取り外す。このとき、ハウジング部材10から径方向外方に延出する上流側PCV通路8a及び下流側PCV通路8bがカバー部14の回転を阻む。しかし、カバー部14は、蓋部材11に対して中心軸回りに回転自在に設けられている。このため、蓋部材11の回転がカバー部14によって阻害されることはない。よって、ハウジング部材10からカバー部14を容易に取り外すことができる。
このように、本実施の形態に係るオイルセパレータ1は、ハウジング部材10及び蓋部材11を外側から覆うカバー部14を備える。このため、オイルセパレータ1内を流れるブローバイガスの温度低下を抑制でき、吸気通路4に合流されるまでのブローバイガスを比較的高い温度に保つことができる。これにより、オイルセパレータ1より下流のPCV通路8等でブローバイガスに含まれる水分が凝縮するのを抑制でき、PCV通路8の出口部8c等で氷結が発生するのを抑制できる。そして、PCV通路8の出口部8c等からコンプレッサ7に向けて氷が飛ぶのを抑制でき、コンプレッサ7の翼車が氷との衝突で破損する可能性を低減できる。
また、カバー部14には、断熱用の中空部28が形成されるため、簡易な構造でブローバイガスの保温効果をさらに高めることができる。
以上、本開示の実施形態を詳細に述べたが、本開示は以下のような他の実施形態も可能である。
(1)ハウジング部材10は、下端が塞がれた円筒状に形成されるものとしたが、これに限られない。ハウジング部材10の断面形状は、例えば、矩形、三角形、多角形等の他の形状であってもよい。
(2)第1捕集部12がハウジング部材10内に設けられ、第2捕集部13が蓋部材11内及びハウジング部材10内に跨がって設けられるオイルセパレータ1について説明したが、これに限られない。オイルセパレータ1は、ハウジング部材10及び蓋部材11で区画される空間内に、ブローバイガスに含まれる油分を捕集する捕集部が設けられるものであればよい。
(3)中空部28、31には、断熱材(図示せず)が設けられてもよい。この場合、断熱材は、例えば発泡樹脂等の軽量かつ断熱効果が高い材料で構成されるとよい。また、中空部28、31は、真空としてもよい。
(4)カバー部14の下部は、肉薄部27で構成され、断熱用の中空部28を有しないものとしたが、これに限られない。カバー部14の下部は、中空部28を有するもの、すなわち、肉厚部26で構成されてもよい。
(5)上述の実施の形態では、ハウジング部材10には、上流側PCV通路8a及び下流側PCV通路8bが径方向外方に延出して設けられる。しかし、ハウジング部材10から径方向外方に延出して設けられる延出部はこれらに限られない。延出部(図示せず)は、他の用途のものであってもよい。この場合、その延出部との干渉を回避するための切り欠き部(図示せず)がカバー部14に形成されるとよい。
(6)ハウジング部材10から径方向外方に延出する延出部が存在しない場合、カバー部14は蓋部材11に一体に設けられてもよい。
(7)蓋部材11の上蓋部22には、断熱用の中空部31が形成されるものとしたが、これに限られない。例えば、カバー部14のみでブローバイガスの温度低下を十分抑制できる場合、蓋部材11の中空部31は省略されてもよい。
(8)カバー部14には、断熱用の中空部28が形成されるものとしたが、これに限られない。例えば、中空部28を有しないカバー部14でブローバイガスの温度低下を十分抑制できる場合、カバー部14の中空部28は省略されてもよい。
1 オイルセパレータ
10 ハウジング部材
11 蓋部材
12 第1捕集部(捕集部)
13 第2捕集部(捕集部)
14 カバー部

Claims (4)

  1. 一端が塞がれ他端が開放された筒状に形成されるハウジング部材と、
    前記ハウジング部材の他端に着脱自在に取り付けられる蓋部材と
    前記ハウジング部材及び前記蓋部材で区画される空間内に設けられブローバイガスに含まれる油分を捕集する捕集部と、
    前記蓋部材に設けられ前記ハウジング部材及び前記蓋部材を外側から覆うカバー部とを備えた
    ことを特徴とするオイルセパレータ。
  2. 前記カバー部には、断熱用の中空部が形成された
    請求項1に記載のオイルセパレータ。
  3. 前記中空部には、断熱材が設けられた
    請求項2に記載のオイルセパレータ。
  4. 前記蓋部材は、前記ハウジング部材にその中心軸回りに回転されて螺合され、
    前記ハウジング部材には、径方向外方に延出する延出部が設けられ、
    前記カバー部には、前記延出部との干渉を回避するための切り欠きが形成され、
    前記カバー部は、前記蓋部材に対して前記中心軸回りに回転自在に設けられた
    請求項1から3のいずれか一項に記載のオイルセパレータ。
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