JP2021143231A - タイヤ用ゴム組成物及びタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】氷上性能及び耐摩耗性の総合性能が改善されるタイヤ用ゴム組成物、及びこれを用いたタイヤを提供する。【解決手段】ゴム成分と、水溶性粒子とを含み、前記水溶性粒子は、下記式(1)を満たし、かつ2つ以上のピークが存在する粒度分布を持つタイヤ用ゴム組成物。D50<50μm (1)(式(1)中、D50は水溶性粒子の中央値粒度を表す。)【選択図】なし

Description

本発明は、タイヤ用ゴム組成物及びこれを用いたタイヤに関する。
氷雪路面走行用としてスパイクタイヤの使用やタイヤへのチェーンの装着がされてきたが、粉塵問題等の環境問題が発生するため、これに代わるものとしてスタッドレスタイヤが提案されている。スタッドレスタイヤは、一般路面に比べて路面凹凸が大きい雪氷上路面で使用されるため、材料面及び設計面での工夫がなされており、低温特性に優れたジエン系ゴムを配合したゴム組成物、軟化効果を高めるために軟化剤を多量に配合したゴム組成物、等が開発されている(特許文献1等参照)。
例えば、スタッドレスタイヤの氷上性能を向上させる手段として、ブタジエンゴムの増量が考えられるが、増量し過ぎると、ゴム中のモビリティが高くなり、種々の薬品のブルーミングが発生するため、ブタジエンゴムの増量には限度がある。また、ブタジエンゴムを増量した場合、それに伴って天然ゴム比率が下がるため、ゴムの強度が不足し、耐摩耗性が悪化するという問題もある。
他の手法として、酸化亜鉛ウィスカ等のフィラーを添加する方法(特許文献2参照)や短繊維を添加する方法(特許文献3参照)なども提案されているが、耐摩耗性の低下が懸念され、氷上性能を向上させる方法として十分な方法とはいえず、未だ改善の余地を残している。このように、良好な耐摩耗性を維持しつつ、氷上性能を向上し、これらの総合性能を改善することが望まれている。
特開2009−091482号公報 特開2005−53977号公報 特開2002−249619号公報
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、氷上性能及び耐摩耗性の総合性能が改善されるタイヤ用ゴム組成物、及びこれを用いたタイヤを提供することを目的とする。
本発明は、ゴム成分と、水溶性粒子とを含み、
前記水溶性粒子は、下記式(1)を満たし、かつ2つ以上のピークが存在する粒度分布を持つタイヤ用ゴム組成物に関する。
D50<50μm (1)
(式(1)中、D50は水溶性粒子の中央値粒度を表す。)
前記粒度分布は、少なくとも粒子径50μm未満及び50μm以上にピークが存在することが好ましい。
前記ゴム成分100質量部に対する前記水溶性粒子の含有量が1〜40質量部であることが好ましい。
前記粒度分布は、少なくとも粒子径1μm以上50μm未満にピークが存在することが好ましい。
前記粒度分布は、少なくとも粒子径50μm以上130μm以下にピークが存在することが好ましい。
前記ゴム成分100質量部に対するイソプレン系ゴムの含有量Ci(質量部)及びブタジエンゴムの含有量Cb(質量部)が下記式(2)を満たすことが好ましい。
|Ci−Cb|≦20質量部 (2)
前記水溶性粒子及び樹脂の配合比率が30/70〜95/5であることが好ましい。
本発明はまた、前記ゴム組成物を用いて作製したトレッドを有するタイヤに関する。
前記タイヤは、冬用タイヤであることが好ましい。
本発明は、ゴム成分と、水溶性粒子とを含み、前記水溶性粒子は、前記式(1)を満たし、かつ2つ以上のピークが存在する粒度分布を持つタイヤ用ゴム組成物であるので、氷上性能及び耐摩耗性の総合性能を改善できる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、ゴム成分と、水溶性粒子とを含み、前記水溶性粒子は、前記式(1)を満たし、かつ2つ以上のピークが存在する粒度分布を持つ。これにより、氷上性能及び耐摩耗性の総合性能を改善できる。
このような作用効果が得られるメカニズムは明らかではないが、以下のように推察される。
式(1)を満たすD50の小さい水溶性粒子を用いているため、水溶性粒子が路面上の水分で溶解して形成される空隙のエッジ量が増え、エッジ効果、水膜の除去効果が大きくなる。そのため、氷上でのロバスト性が向上し、氷上性能(氷上グリップ性能)が顕著に改善される。また、式(1)を満たす中央値粒度の小さい水溶性粒子を用いると、水溶性粒子が破壊の起点となりづらくなり、耐摩耗性の低下が抑制される。加えて、2つ以上のピークが存在する粒度分布を持つ水溶性粒子を用いているため、低温〜高温の広い温度域において、氷路面での氷上性能が改善される。よって、式(1)を満たし、かつ2つ以上のピークが存在する粒度分布を持つ水溶性粒子を用いることで、良好な耐摩耗性を維持しつつ、氷上性能が向上し、これらの総合性能が顕著に改善されると推察される。
このように、本発明は、D50<50μmを満たし、かつ2つ以上のピークが存在する粒度分布を持つ水溶性粒子を含むタイヤ用ゴム組成物の構成にすることにより、氷上性能及び耐摩耗性の総合性能の改善という課題(目的)を解決するものである。すなわち、D50<50μm、2つ以上のピークが存在する粒度分布の特性は課題(目的)を規定したものではなく、本願の課題は、氷上性能及び耐摩耗性の総合性能の改善であり、そのための解決手段として当該特性を満たすような構成にしたものである。
(ゴム成分)
ゴム組成物に使用可能なゴム成分としては特に限定されず、タイヤ分野で使用されているゴム等を使用できる。例えば、イソプレン系ゴム、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)、スチレン−イソプレン−ブタジエン共重合ゴム(SIBR)等のジエン系ゴム等が挙げられる。なかでも、氷上性能及び耐摩耗性の総合性能の観点から、イソプレン系ゴム、BRが好ましい。
ゴム成分100質量%中のイソプレン系ゴムの含有量は、氷上性能と耐摩耗性の総合性能の観点から、好ましくは20質量%以上、より好ましくは30質量%以上である。該含有量の上限は特に限定されないが、好ましくは80質量%以下、より好ましくは60質量%以下、更に好ましくは50質量%以下である。
イソプレン系ゴムとしては、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、改質NR、変性NR、変性IR等が挙げられる。NRは、SIR20、RSS♯3、TSR20等、IRは、IR2200等、タイヤ工業で一般的なものを使用できる。改質NRは、脱タンパク質天然ゴム(DPNR)、高純度天然ゴム(UPNR)等、変性NRは、エポキシ化天然ゴム(ENR)、水素添加天然ゴム(HNR)、グラフト化天然ゴム等、変性IRは、エポキシ化イソプレンゴム、水素添加イソプレンゴム、グラフト化イソプレンゴム等、が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
BRのシス含量は、氷上性能の観点から、好ましくは80質量%以上、より好ましくは85質量%以上、更に好ましくは90質量%以上、特に好ましくは95質量%以上である。なお、本明細書において、シス含量(シス−1,4−結合量)は、赤外吸収スペクトル分析や、NMR分析により測定されるシグナル強度から算出される値である。
ゴム成分100質量%中のBRの含有量は、氷上性能と耐摩耗性の総合性能の観点から、好ましくは10質量%以上、より好ましくは30質量%以上、更に好ましくは40質量%以上である。また、該含有量の上限は特に限定されないが、好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下、更に好ましくは70質量%以下である。
BRとしては特に限定されず、例えば、高シス含量のBR、1,2−シンジオタクチックポリブタジエン結晶を含有するBR(SPB含有BR)、希土類元素系触媒を用いて合成されたブタジエンゴム(希土類系BR)、スズ化合物により変性されたスズ変性ブタジエンゴム(スズ変性BR)等、タイヤ工業において一般的なものが挙げられる。BRは、市販品としては、宇部興産(株)、JSR(株)、旭化成(株)、日本ゼオン(株)等の製品を使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
BRは、非変性BR、変性BRのいずれも使用可能である。
変性BRとしては、シリカ等の充填剤と相互作用する官能基を有する変性BR等を使用できる。例えば、変性BRの少なくとも一方の末端を官能基を有する化合物(変性剤)で変性された末端変性BR(末端に官能基を有する末端変性BR)、主鎖に官能基を有する主鎖変性BR、主鎖及び末端に官能基を有する主鎖末端変性BR(例えば、主鎖に官能基を有し、少なくとも一方の末端を変性剤で変性された主鎖末端BR)、分子中に2個以上のエポキシ基を有する多官能化合物により変性(カップリング)され、水酸基やエポキシ基が導入された末端変性BR等が挙げられる。
上記官能基としては、例えば、アミノ基、アミド基、シリル基、アルコキシシリル基、イソシアネート基、イミノ基、イミダゾール基、ウレア基、エーテル基、カルボニル基、オキシカルボニル基、メルカプト基、スルフィド基、ジスルフィド基、スルホニル基、スルフィニル基、チオカルボニル基、アンモニウム基、イミド基、ヒドラゾ基、アゾ基、ジアゾ基、カルボキシル基、ニトリル基、ピリジル基、アルコキシ基、水酸基、オキシ基、エポキシ基等が挙げられる。なお、これらの官能基は、置換基を有していてもよい。なかでも、アミノ基(好ましくはアミノ基が有する水素原子が炭素数1〜6のアルキル基に置換されたアミノ基)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜6のアルコキシ基)、アルコキシシリル基(好ましくは炭素数1〜6のアルコキシシリル基)が好ましい。
例えば、変性BRとして、下記式で表される化合物(変性剤)により変性されたBR等を好適に使用できる。
Figure 2021143231
(式中、R、R及びRは、同一又は異なって、アルキル基、アルコキシ基、シリルオキシ基、アセタール基、カルボキシル基(−COOH)、メルカプト基(−SH)又はこれらの誘導体を表す。R及びRは、同一又は異なって、水素原子又はアルキル基を表す。R及びRは結合して窒素原子と共に環構造を形成してもよい。nは整数を表す。)
、R及びRとしてはアルコキシ基が好適である(好ましくは炭素数1〜8、より好ましくは炭素数1〜4のアルコキシ基)。R及びRとしてはアルキル基(好ましくは炭素数1〜3のアルキル基)が好適である。nは、好ましくは1〜5、より好ましくは2〜4、更に好ましくは3である。また、R及びRが結合して窒素原子と共に環構造を形成する場合、4〜8員環であることが好ましい。なお、アルコキシ基には、シクロアルコキシ基(シクロヘキシルオキシ基等)、アリールオキシ基(フェノキシ基、ベンジルオキシ基等)も含まれる。
前記式で表される化合物(変性剤)の具体例としては、2−ジメチルアミノエチルトリメトキシシラン、3−ジメチルアミノプロピルトリメトキシシラン、2−ジメチルアミノエチルトリエトキシシラン、3−ジメチルアミノプロピルトリエトキシシラン、2−ジエチルアミノエチルトリメトキシシラン、3−ジエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、2−ジエチルアミノエチルトリエトキシシラン、3−ジエチルアミノプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。なかでも、3−ジメチルアミノプロピルトリメトキシシラン、3−ジメチルアミノプロピルトリエトキシシラン、3−ジエチルアミノプロピルトリメトキシシランが好ましい。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
変性BRとしては、以下の化合物(変性剤)により変性された変性BRも好適に使用できる。変性剤としては、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールエタントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル等の多価アルコールのポリグリシジルエーテル;ジグリシジル化ビスフェノールA等の2個以上のフェノール基を有する芳香族化合物のポリグリシジルエーテル;1,4−ジグリシジルベンゼン、1,3,5−トリグリシジルベンゼン、ポリエポキシ化液状ポリブタジエン等のポリエポキシ化合物;4,4’−ジグリシジル−ジフェニルメチルアミン、4,4’−ジグリシジル−ジベンジルメチルアミン等のエポキシ基含有3級アミン;ジグリシジルアニリン、N,N’−ジグリシジル−4−グリシジルオキシアニリン、ジグリシジルオルソトルイジン、テトラグリシジルメタキシレンジアミン、テトラグリシジルアミノジフェニルメタン、テトラグリシジル−p−フェニレンジアミン、ジグリシジルアミノメチルシクロヘキサン、テトラグリシジル−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン等のジグリシジルアミノ化合物;
ビス−(1−メチルプロピル)カルバミン酸クロリド、4−モルホリンカルボニルクロリド、1−ピロリジンカルボニルクロリド、N,N−ジメチルカルバミド酸クロリド、N,N−ジエチルカルバミド酸クロリド等のアミノ基含有酸クロリド;1,3−ビス−(グリシジルオキシプロピル)−テトラメチルジシロキサン、(3−グリシジルオキシプロピル)−ペンタメチルジシロキサン等のエポキシ基含有シラン化合物;
(トリメチルシリル)[3−(トリメトキシシリル)プロピル]スルフィド、(トリメチルシリル)[3−(トリエトキシシリル)プロピル]スルフィド、(トリメチルシリル)[3−(トリプロポキシシリル)プロピル]スルフィド、(トリメチルシリル)[3−(トリブトキシシリル)プロピル]スルフィド、(トリメチルシリル)[3−(メチルジメトキシシリル)プロピル]スルフィド、(トリメチルシリル)[3−(メチルジエトキシシリル)プロピル]スルフィド、(トリメチルシリル)[3−(メチルジプロポキシシリル)プロピル]スルフィド、(トリメチルシリル)[3−(メチルジブトキシシリル)プロピル]スルフィド等のスルフィド基含有シラン化合物;
エチレンイミン、プロピレンイミン等のN−置換アジリジン化合物;メチルトリエトキシシラン等のアルコキシシラン;4−N,N−ジメチルアミノベンゾフェノン、4−N,N−ジ−t−ブチルアミノベンゾフェノン、4−N,N−ジフェニルアミノベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジフェニルアミノ)ベンゾフェノン、N,N,N’,N’−ビス−(テトラエチルアミノ)ベンゾフェノン等のアミノ基及び/又は置換アミノ基を有する(チオ)ベンゾフェノン化合物;4−N,N−ジメチルアミノベンズアルデヒド、4−N,N−ジフェニルアミノベンズアルデヒド、4−N,N−ジビニルアミノベンズアルデヒド等のアミノ基及び/又は置換アミノ基を有するベンズアルデヒド化合物;N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン、N−フェニル−2−ピロリドン、N−t−ブチル−2−ピロリドン、N−メチル−5−メチル−2−ピロリドン等のN−置換ピロリドンN−メチル−2−ピペリドン、N−ビニル−2−ピペリドン、N−フェニル−2−ピペリドン等のN−置換ピペリドン;N−メチル−ε−カプロラクタム、N−フェニル−ε−カプロラクタム、N−メチル−ω−ラウリロラクタム、N−ビニル−ω−ラウリロラクタム、N−メチル−β−プロピオラクタム、N−フェニル−β−プロピオラクタム等のN−置換ラクタム類;の他、
N,N−ビス−(2,3−エポキシプロポキシ)−アニリン、4,4−メチレン−ビス−(N,N−グリシジルアニリン)、トリス−(2,3−エポキシプロピル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリオン類、N,N−ジエチルアセトアミド、N−メチルマレイミド、N,N−ジエチル尿素、1,3−ジメチルエチレン尿素、1,3−ジビニルエチレン尿素、1,3−ジエチル−2−イミダゾリジノン、1−メチル−3−エチル−2−イミダゾリジノン、4−N,N−ジメチルアミノアセトフェン、4−N,N−ジエチルアミノアセトフェノン、1,3−ビス(ジフェニルアミノ)−2−プロパノン、1,7−ビス(メチルエチルアミノ)−4−ヘプタノン等を挙げることができる。なかでも、アルコキシシランにより変性された変性BRが好ましい。
なお、上記式で表される化合物(変性剤)により変性された変性BRとしては、例えば、溶液重合のブタジエンゴムの重合末端(活性末端)を上記式で表される化合物により変性されたBR等が好適に用いられる。上記化合物(変性剤)による変性は公知の方法で実施可能である。
ゴム組成物において、氷上性能及び耐摩耗性の総合性能の観点から、ゴム成分100質量部に対するイソプレン系ゴムの含有量Ci(質量部)及びブタジエンゴムの含有量Cb(質量部)は、下記式(2)を満たすことが好ましい。
|Ci−Cb|≦20質量部 (2)
ここで、|Ci−Cb|≦18質量部がより好ましく、|Ci−Cb|≦15質量部が更に好ましい。
氷上性能及び耐摩耗性の総合性能の観点から、ゴム成分100質量%中のイソプレン系ゴム及びBRの合計含有量は、好ましくは30質量%以上、より好ましくは60質量%以上、更に好ましくは80質量%以上であり、100質量%でもよい。
(水溶性粒子)
水溶性粒子は、水への溶解性を有する粒子であれば特に限定されることなく使用可能であり、例えば、常温(20℃)の水への溶解度が1g/100g水以上の材料を使用できる。
水溶性粒子は、下記式(1)、すなわち、D50(中央値粒度)が50μm未満である。
D50<50μm (1)
(式(1)中、D50は水溶性粒子の中央値粒度を表す。)
水溶性粒子のD50(中央値粒度、メジアン径)は、氷上性能、耐摩耗性の観点から、45μm以下が好ましく、40μm以下がより好ましく、35μm以下が更に好ましい。一方、該D50の下限は特に限定されないが、氷上性能と耐摩耗性の総合性能の観点から、3μm以上が好ましく、5μm以上がより好ましく、10μm以上が更に好ましい。
前記水溶性粒子は、2つ以上のピーク(ピークトップ)が存在する粒度分布を持っている。粒度分布のピークは2つ以上であれば特に限定されず、例えば、ピークが2〜10個、2〜5個、2〜3個のケース等が挙げられる。
水溶性粒子の粒度分布は、2つ以上のピークが存在する分布であればよいが、少なくとも、粒子径50μm未満の領域にピーク(ピークトップ)が存在し、かつ粒子径50μm以上の領域にピーク(ピークトップ)が存在することが好ましい。粒子径50μm未満の領域にピークが存在することで、空隙形成時のエッジが増えるため、水膜の多い高温路面での性能が向上し、粒子径50μm以上の領域にピークが存在することで、ゴム表面の柔軟性が増し、接触面積が増えるため、低温時の氷上性能が向上する傾向がある。従って、このような2つのピークが存在することで、低温氷路面での氷上性能と、高温氷路面での氷上性能とを両立できる傾向がある。
前記粒子径50μm未満の領域のピーク(ピークトップ)は、高温氷路面での氷上性能の観点から、粒子径1μm以上50μm未満のピークであることが好ましく、粒子径1μm以上40μm以下のピークであることがより好ましく、粒子径3μm以上25μm以下のピークであることが更に好ましい。
前記粒子径50μm以上の領域のピーク(ピークトップ)は、低温氷路面での氷上性能の観点から、粒子径50μm以上130μm以下のピークであることが好ましく、粒子径80μm以上120μm以下のピークであることがより好ましく、粒子径85μm以上115μm以下のピークであることが更に好ましい。
また、水溶性粒子の粒度分布は、2つ以上のピーク(ピークトップ)が存在する分布であるが、低温氷路面及び高温氷路面での氷上性能の両立の観点から、粒子径の差が10μm以上である2つ以上のピーク(ピークトップ)を有することが好ましく、より好ましくは50μm以上、更に好ましくは70μm以上である。該粒子径の差の上限は限定されないが、300μm以下である2つ以上のピーク(ピークトップ)を有することが好ましく、より好ましくは200μm以下、更に好ましくは130μm以上である。例えば、粒度分布が粒子径10μm及び100μmの2つのピークを持つ場合、粒子径の差が90μm(=100μm−10μm)である2つのピークを有する。粒度分布が粒子径10μm、100μm及び200μmの3つのピークを持つ場合、粒子径の差が90μm(=100μm−10μm)、100μm(=200μm−100μm)、及び190μm(=200μm−10μm)である3つのピークを有し、少なくともいずれかの粒子径の差が10μm以上であるピークを有する場合、良好に低温氷路面及び高温氷路面での氷上性能を両立できる。
なお、本明細書において、レーザー回折法を用いて粒度分布(粒子径分布曲線)を測定し、得られた粒子径分布曲線から2つ以上のピーク(ピークトップ)の存在を確認できる。また、D50(中央値粒度)は、レーザー回折法を用いた粒径分布測定により求めた粒子径分布曲線の積算質量値50%の粒子径である。これらは、具体的には後述する実施例に記載の方法により測定できる。
式(1)を満たし、かつ2つ以上のピークが存在する粒度分布を持つ水溶性粒子は、例えば、(i)式(1)を満たし、かつ2つ以上のピークが存在する粒度分布を有する水溶性粒子自体を用いる方法、(ii)D50が50μm未満の水溶性粒子AとD50が50μm以上の水溶性粒子Bとの混合物を用いる方法(例えば、1μm≦D50≦40μmの水溶性粒子Aと80μm≦D50≦120μmの水溶性粒子Bとの混合物を用いる方法等)、等により作製可能である。
水溶性粒子のアスペクト比は、氷上性能、耐摩耗性の観点から、1:1〜25が好ましく、1:1〜20がより好ましく、1:1〜15が更に好ましく、1:1〜10がより更に好ましく、1:1〜5がより更に好ましく、1:1〜2.5が特に好ましい。
なお、本明細書において、アスペクト比は、透過型電子顕微鏡観察により測定することができる。
水溶性粒子の含有量(水溶性粒子の総量)は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは5質量部以上、更に好ましくは10質量部以上、より更に好ましくは15質量部以上である。下限以上にすることで、エッジ効果に寄与する成分量が増え、良好な氷上性能が得られる傾向がある。該含有量は、好ましくは60質量部以下、より好ましくは40質量部以下、更に好ましくは35質量部以下である。上限以下にすることで、良好な破壊強度、耐摩耗性等のゴム物性が得られる傾向がある。
ゴム組成物において、水溶性粒子として、D50が50μm未満の水溶性粒子A(例えば、D50が1μm以上40μm以下の水溶性粒子等)と、D50が50μm以上の水溶性粒子B(例えば、D50が80μm以上120μm以下の水溶性粒子等)との混合物をゴム組成物に配合する場合、該水溶性粒子A及び該水溶性粒子Bの配合比率(ゴム組成物中のゴム成分100質量部に対するAの含有量(質量部)/ゴム組成物中のゴム成分100質量部に対するBの含有量(質量部))は、氷上性能及び耐摩耗性の総合性能の観点から、20/80〜90/10が好ましく、40/60〜80/20がより好ましく、45/55〜70/30が更に好ましい。
水溶性粒子としては、例えば、水溶性無機塩、水溶性有機物等が挙げられる。なかでも、氷上性能及び耐摩耗性の総合性能の観点から、水溶性無機塩が好ましい。これらの水溶性粒子は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
水溶性無機塩としては、硫酸マグネシウム、硫酸カリウム等の金属硫酸塩;塩化カリウム、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム等の金属塩化物;水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等の金属水酸化物;炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等の炭酸塩;リン酸水素ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム等のリン酸塩;等が挙げられる。なかでも、氷上性能及び耐摩耗性の総合性能の観点から、金属硫酸塩が好ましく、硫酸マグネシウムがより好ましい。
水溶性有機物としては、リグニン誘導体、糖類等が挙げられる。
リグニン誘導体としては、リグニンスルホン酸、リグニンスルホン酸塩、等が好適である。リグニン誘導体は、サルファイトパルプ法、クラフトパルプ法のいずれにより得られたものでもよい。
リグニンスルホン酸塩としては、リグニンスルホン酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アルコールアミン塩等が挙げられる。なかでも、リグニンスルホン酸のアルカリ金属塩(カリウム塩、ナトリウム塩等)、アルカリ土類金属塩(カルシウム塩、マグネシウム塩、リチウム塩、バリウム塩等)が好ましい。
リグニン誘導体は、スルホン化度がスルホン化度1.5〜8.0/OCHであることが好ましい。この場合、リグニン誘導体は、リグニン及び/又はその分解物の少なくとも一部がスルホ基(スルホン基)で置換されているリグニンスルホン酸及び/又はリグニンスルホン酸塩を含むものであり、リグニンスルホン酸のスルホ基は、電離していない状態でもよいし、スルホ基の水素が金属イオン等のイオンに置換されていてもよい。該スルホン化度は、より好ましくは3.0〜6.0/OCHである。
なお、リグニン誘導体粒子(該粒子を構成するリグニン誘導体)のスルホン化度は、スルホ基の導入率であり、下記式で求められる。
スルホン化度(/OCH)=
リグニン誘導体中のスルホン基中のS(モル)/リグニン誘導体中のメトキシル基(モル)
糖類は、構成する炭素数に特に制限はなく、単糖、少糖、多糖のいずれでもよい。単糖としては、アルドトリオース、ケトトリオースなどの三炭糖;エリトロース、トレオースなどの四炭糖;キシロース、リボースなどの五炭糖;マンノース、アロース、アルトロース、グルコースなどの六炭糖;セドヘプツロースなどの七炭糖などが挙げられる。少糖としては、スクロース、ラクトースなどの二糖;ラフィノース、メレジトースなどの三糖;アカルボース、スタキオースなどの四糖;キシロオリゴ糖、セロオリゴ糖などのオリゴ糖、等が挙げられる。多糖としては、グリコーゲン、でんぷん(アミロース、アミロペクチン)、セルロース、ヘミセルロース、デキストリン、グルカン等が挙げられる。
(シリカ)
上記ゴム組成物は、前記総合性能の観点から、充填剤としてシリカを含むことが好ましい。シリカとしては、乾式法シリカ(無水シリカ)、湿式法シリカ(含水シリカ)などが挙げられる。なかでも、シラノール基が多いという理由から、湿式法シリカが好ましい。市販品としては、エボニックデグッサ社、ローディア社、東ソー・シリカ(株)、ソルベイジャパン(株)、(株)トクヤマ等の製品を使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ゴム組成物において、水溶性粒子及び充填剤の配合比率(水溶性粒子の含有量(質量部)/充填剤の含有量(質量部(総充填剤量))は、氷上性能及び耐摩耗性の総合性能の観点から、5/95〜50/50が好ましく、15/85〜40/60がより好ましく、20/80〜35/65が更に好ましい。
シリカの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは25質量部以上、より好ましくは50質量部以上、更に好ましくは60質量部以上である。下限以上にすることで、良好な耐摩耗性が得られる傾向がある。該含有量の上限は特に限定されないが、好ましくは300質量部以下、より好ましくは150質量部以下、更に好ましくは100質量部以下である。上限以下にすることで、良好な分散性が得られる傾向がある。
シリカの窒素吸着比表面積(NSA)は、好ましくは70m/g以上、より好ましくは140m/g以上、更に好ましくは160m/g以上である。下限以上にすることで、良好な耐摩耗性、破壊強度が得られる傾向がある。また、シリカのNSAの上限は特に限定されないが、好ましくは500m/g以下、より好ましくは300m/g以下、更に好ましくは250m/g以下である。上限以下にすることで、良好な分散性が得られる傾向がある。
なお、シリカのNSAは、ASTM D3037−93に準じてBET法で測定される値である。
ゴム組成物において、水溶性粒子及びシリカの配合比率(水溶性粒子の含有量(質量部)/シリカの含有量(質量部)は、氷上性能及び耐摩耗性の総合性能の観点から、5/95〜50/50が好ましく、15/85〜40/60がより好ましく、20/80〜35/65が更に好ましい。
ゴム組成物において、シリカ及びカーボンブラックの合計含有量100質量%中のシリカ含有率は、氷上性能及び耐摩耗性の総合性能の観点から、50質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、90質量%以上が更に好ましい。
(シランカップリング剤)
ゴム組成物がシリカを含む場合、更にシランカップリング剤を含むことが好ましい。
シランカップリング剤としては、特に限定されず、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)トリスルフィド、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)ジスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)ジスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリエトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、などのスルフィド系、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシラン、Momentive社製のNXT、NXT−Zなどのメルカプト系、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシランなどのビニル系、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノ系、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、などのグリシドキシ系、3−ニトロプロピルトリメトキシシラン、3−ニトロプロピルトリエトキシシランなどのニトロ系、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシランなどのクロロ系などがあげられる。市販品としては、デグッサ社、Momentive社、信越シリコーン(株)、東京化成工業(株)、アヅマックス(株)、東レ・ダウコーニング(株)等の製品を使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
シランカップリング剤の含有量は、シリカ100質量部に対して、3質量部以上が好ましく、6質量部以上がより好ましい。下限以上であると、良好な破壊強度等が得られる傾向がある。また、上記含有量は、20質量部以下が好ましく、15質量部以下がより好ましい。上限以下であると、配合量に見合った効果が得られる傾向がある。
(カーボンブラック)
ゴム組成物は、前記総合性能の観点から、充填剤としてカーボンブラックを含むことが好ましい。カーボンブラックとしては、特に限定されないが、N134、N110、N220、N234、N219、N339、N330、N326、N351、N550、N762等が挙げられる。市販品としては、旭カーボン(株)、キャボットジャパン(株)、東海カーボン(株)、三菱ケミカル(株)、ライオン(株)、新日化カーボン(株)、コロンビアカーボン社等の製品を使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは3質量部以上である。下限以上にすることで、良好な耐摩耗性、氷上性能(氷上グリップ性能)等が得られる傾向がある。また、上記含有量は、好ましくは10質量部以下、より好ましくは7質量部以下である。上限以下にすることで、ゴム組成物の良好な加工性が得られる傾向がある。
カーボンブラックの窒素吸着比表面積(NSA)は、50m/g以上が好ましく、80m/g以上がより好ましく、100m/g以上が更に好ましい。下限以上にすることで、良好な耐摩耗性、氷上性能が得られる傾向がある。また、上記NSAは、200m/g以下が好ましく、150m/g以下がより好ましく、130m/g以下が更に好ましい。上限以下にすることで、カーボンブラックの良好な分散性が得られる傾向がある。
なお、カーボンブラックの窒素吸着比表面積は、JIS K6217−2:2001によって求められる。
なお、ゴム組成物において、シリカ及びカーボンブラックの合計含有量は、氷上性能及び耐摩耗性の総合性能の観点から、ゴム成分100質量部に対して、50〜120質量部であることが好ましい。下限は、55質量部以上がより好ましく、60質量部以上が更に好ましい。上限は、100質量部以下がより好ましく、80質量部以下が更に好ましい。
(液体可塑剤)
ゴム組成物は、液体可塑剤を含んでもよい。
液体可塑剤としては、20℃で液体状態の可塑剤であれば特に限定されず、オイル、液状樹脂、液状ジエン系ポリマー等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
オイルとしては、例えば、プロセスオイル、植物油、又はその混合物が挙げられる。プロセスオイルとしては、例えば、パラフィン系プロセスオイル、アロマ系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイルなどを用いることができる。植物油としては、ひまし油、綿実油、あまに油、なたね油、大豆油、パーム油、やし油、落花生油、ロジン、パインオイル、パインタール、トール油、コーン油、こめ油、べに花油、ごま油、オリーブ油、ひまわり油、パーム核油、椿油、ホホバ油、マカデミアナッツ油、桐油等が挙げられる。市販品としては、出光興産(株)、三共油化工業(株)、(株)ジャパンエナジー、オリソイ社、H&R社、豊国製油(株)、昭和シェル石油(株)、富士興産(株)、日清オイリオグループ(株)等の製品を使用できる。
液状樹脂としては、20℃で液体状態のテルペン系樹脂(テルペンフェノール樹脂、芳香族変性テルペン樹脂を含む)、ロジン樹脂、スチレン系樹脂、C5系樹脂、C9系樹脂、C5/C9系樹脂、ジシクロペンタジエン(DCPD)樹脂、クマロンインデン系樹脂(クマロン、インデン単体樹脂を含む)、フェノール樹脂、オレフィン系樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂等が挙げられる。
液状ジエン系ポリマーとしては、20℃で液体状態の液状スチレンブタジエン共重合体(液状SBR)、液状ブタジエン重合体(液状BR)、液状イソプレン重合体(液状IR)、液状スチレンイソプレン共重合体(液状SIR)、液状スチレンブタジエンスチレンブロック共重合体(液状SBSブロックポリマー)、液状スチレンイソプレンスチレンブロック共重合体(液状SISブロックポリマー)、液状ファルネセン重合体、液状ファルネセンブタジエン共重合体等が挙げられる。これらは、末端や主鎖が極性基で変性されていても構わない。
液体可塑剤の含有量(液体可塑剤の総量)は、氷上性能の点から、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは3質量部以上、更に好ましくは5質量部以上である。上限は、氷上性能及び耐摩耗性の総合性能の観点から、好ましくは50質量部以下、より好ましくは40質量部以下、更に好ましくは35質量部以下である。
ゴム組成物は、樹脂を含んでもよい。樹脂とは、常温(25℃)で固体状態の樹脂を指す。
樹脂としては、例えば、芳香族ビニル重合体、クマロンインデン樹脂、クマロン樹脂、インデン樹脂、フェノール樹脂、ロジン樹脂、石油樹脂、テルペン系樹脂、アクリル系樹脂などが挙げられる。市販品としては、丸善石油化学(株)、住友ベークライト(株)、ヤスハラケミカル(株)、東ソー(株)、Rutgers Chemicals社、BASF社、アリゾナケミカル社、日塗化学(株)、(株)日本触媒、JXTGエネルギー(株)、荒川化学工業(株)、田岡化学工業(株)、東亞合成(株)等の製品を使用できる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
芳香族ビニル重合体とは、α−メチルスチレン及び/又はスチレンを重合して得られる樹脂であり、スチレンの単独重合体(スチレン樹脂)、α−メチルスチレンの単独重合体(α−メチルスチレン樹脂)、α−メチルスチレンとスチレンとの共重合体、スチレンと他のモノマーの共重合体などが挙げられる。
クマロンインデン樹脂とは、樹脂の骨格(主鎖)を構成する主なモノマー成分として、クマロン及びインデンを含む樹脂であり、クマロン、インデン以外に骨格に含まれるモノマー成分としては、スチレン、α−メチルスチレン、メチルインデン、ビニルトルエンなどが挙げられる。
クマロン樹脂とは、樹脂の骨格(主鎖)を構成する主なモノマー成分として、クマロンを含む樹脂である。
インデン樹脂とは、樹脂の骨格(主鎖)を構成する主なモノマー成分として、インデンを含む樹脂である。
フェノール樹脂としては、例えば、フェノールと、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、フルフラールなどのアルデヒド類とを酸又はアルカリ触媒で反応させることにより得られるものなどが挙げられる。なかでも、酸触媒で反応させることにより得られるもの(ノボラック型フェノール樹脂など)が好ましい。
ロジン樹脂としては、天然ロジン、重合ロジン、変性ロジン、これらのエステル化合物、これらの水素添加物に代表されるロジン系樹脂等が挙げられる。
石油樹脂としては、C5系樹脂、C9系樹脂、C5/C9系樹脂、ジシクロペンタジエン(DCPD)樹脂などが挙げられる。
テルペン系樹脂としては、テルペン化合物を重合して得られるポリテルペン樹脂や、テルペン化合物と芳香族化合物とを重合して得られる芳香族変性テルペン樹脂などを使用できる。また、これらの水素添加物を使用することもできる。
ポリテルペン樹脂は、テルペン化合物を重合して得られる樹脂である。該テルペン化合物は、(Cの組成で表される炭化水素及びその含酸素誘導体で、モノテルペン(C1016)、セスキテルペン(C1524)、ジテルペン(C2032)などに分類されるテルペンを基本骨格とする化合物であり、例えば、α−ピネン、β−ピネン、ジペンテン、リモネン、ミルセン、アロオシメン、オシメン、α−フェランドレン、α−テルピネン、γ−テルピネン、テルピノレン、1,8−シネオール、1,4−シネオール、α−テルピネオール、β−テルピネオール、γ−テルピネオールなどが挙げられる。
ポリテルペン樹脂としては、上述したテルペン化合物を原料とするピネン樹脂、リモネン樹脂、ジペンテン樹脂、ピネン/リモネン樹脂などが挙げられる。なかでも、重合反応が容易である点、天然松脂が原料のため、安価であるという点から、ピネン樹脂が好ましい。ピネン樹脂は、通常、異性体の関係にあるα−ピネン及びβ−ピネンの両方を含んでいるが、含有する成分の違いにより、β−ピネンを主成分とするβ−ピネン樹脂と、α−ピネンを主成分とするα−ピネン樹脂とに分類される。
芳香族変性テルペン樹脂としては、上記テルペン化合物及びフェノール系化合物を原料とするテルペンフェノール樹脂や、上記テルペン化合物及びスチレン系化合物を原料とするテルペンスチレン樹脂などが挙げられる。また、上記テルペン化合物、フェノール系化合物及びスチレン系化合物を原料とするテルペンフェノールスチレン樹脂を使用することもできる。なお、フェノール系化合物としては、例えば、フェノール、ビスフェノールA、クレゾール、キシレノールなどが挙げられる。また、スチレン系化合物としては、スチレン、α−メチルスチレンなどが挙げられる。
アクリル系樹脂としては、カルボキシル基を有し、芳香族ビニルモノマー成分とアクリル系モノマー成分とを共重合して得られる、スチレンアクリル樹脂等のスチレンアクリル系樹脂などを使用できる。なかでも、無溶剤型カルボキシル基含有スチレンアクリル系樹脂を好適に使用できる。
無溶剤型カルボキシル基含有スチレンアクリル系樹脂とは、副原料となる重合開始剤、連鎖移動剤、有機溶媒などを極力使用せずに、高温連続重合法(高温連続塊重合法)(米国特許第4,414,370号明細書、特開昭59−6207号公報、特公平5−58005号公報、特開平1−313522号公報、米国特許第5,010,166号明細書、東亜合成研究年報TREND2000第3号p42−45等に記載の方法)により合成された(メタ)アクリル系樹脂(重合体)である。なお、本明細書において、(メタ)アクリルは、メタクリル及びアクリルを意味する。
アクリル系樹脂を構成するアクリル系モノマー成分としては、例えば、(メタ)アクリル酸や、(メタ)アクリル酸エステル(2エチルヘキシルアクリレート等のアルキルエステル、アリールエステル、アラルキルエステルなど)、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアミド誘導体などの(メタ)アクリル酸誘導体が挙げられる。なお、(メタ)アクリル酸は、アクリル酸及びメタクリル酸の総称である。
アクリル系樹脂を構成する芳香族ビニルモノマー成分としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルナフタレン、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン、ジビニルナフタレンなどの芳香族ビニルが挙げられる。
また、アクリル系樹脂を構成するモノマー成分として、(メタ)アクリル酸や(メタ)アクリル酸誘導体、芳香族ビニルと共に、他のモノマー成分を使用してもよい。
ゴム組成物において、水溶性粒子及び樹脂の配合比率(水溶性粒子の含有量(質量部)/樹脂の含有量(質量部))は、氷上性能及び耐摩耗性の総合性能の観点から、30/70〜95/5が好ましく、40/60〜90/10がより好ましく、45/55〜90/10が更に好ましい。
ゴム組成物において、樹脂及び液体可塑剤の合計含有量(樹脂及び液体可塑剤の総量)は、氷上性能の点から、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは3質量部以上、更に好ましくは5質量部以上である。上限は、氷上性能及び耐摩耗性の総合性能の観点から、好ましくは50質量部以下、より好ましくは40質量部以下、更に好ましくは35質量部以下である。
ゴム組成物において、水溶性粒子と、樹脂及び液体可塑剤の合計含有量(樹脂及び液体可塑剤の総量)との配合比率(水溶性粒子の含有量(質量部)/樹脂及び液体可塑剤の総量(質量部))は、氷上性能及び耐摩耗性の総合性能の観点から、10/90〜70/30が好ましく、15/85〜60/40がより好ましく、20/80〜50/50が更に好ましい。
(他の材料)
上記ゴム組成物は、耐クラック性、耐オゾン性等の観点から、老化防止剤を含有することが好ましい。
老化防止剤としては特に限定されないが、フェニル−α−ナフチルアミン等のナフチルアミン系老化防止剤;オクチル化ジフェニルアミン、4,4’−ビス(α,α’−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン等のジフェニルアミン系老化防止剤;N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン等のp−フェニレンジアミン系老化防止剤;2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリンの重合物等のキノリン系老化防止剤;2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、スチレン化フェノール等のモノフェノール系老化防止剤;テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン等のビス、トリス、ポリフェノール系老化防止剤などが挙げられる。なかでも、p−フェニレンジアミン系老化防止剤、キノリン系老化防止剤が好ましく、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリンの重合物がより好ましい。市販品としては、例えば、精工化学(株)、住友化学(株)、大内新興化学工業(株)、フレクシス社等の製品を使用できる。
老化防止剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.2質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上である。下限以上にすることで、充分な耐オゾン性が得られる傾向がある。該含有量は、好ましくは7.0質量部以下、より好ましくは4.0質量部以下である。上限以下にすることで、良好なタイヤの外観が得られる傾向がある。
ゴム組成物は、ステアリン酸を含むことが好ましい。ステアリン酸の含有量は、前記総合性能の観点から、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5〜10質量部以上、より好ましくは0.5〜5質量部である。
なお、ステアリン酸としては、従来公知のものを使用でき、例えば、日油(株)、NOF社、花王(株)、富士フイルム和光純薬(株)、千葉脂肪酸(株)等の製品を使用できる。
ゴム組成物は、酸化亜鉛を含むことが好ましい。酸化亜鉛の含有量は、前記総合性能の観点から、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5〜10.0質量部、より好ましくは1.0〜5.0質量部である。
なお、酸化亜鉛としては、従来公知のものを使用でき、例えば、三井金属鉱業(株)、東邦亜鉛(株)、ハクスイテック(株)、正同化学工業(株)、堺化学工業(株)等の製品を使用できる。
ゴム組成物には、ワックスを配合してもよい。ワックスの含有量は、前記総合性能の観点から、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.1〜5.0質量部、より好ましくは0.5〜3.0質量部である。
ワックスとしては特に限定されず、石油系ワックス、天然系ワックスなどが挙げられ、また、複数のワックスを精製又は化学処理した合成ワックスも使用可能である。これらのワックスは、単独で使用しても、2種類以上を併用してもよい。石油系ワックスとしては、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等が挙げられる。天然系ワックスとしては、石油外資源由来のワックスであれば特に限定されず、例えば、キャンデリラワックス、カルナバワックス、木ろう、ライスワックス、ホホバろうなどの植物系ワックス;ミツロウ、ラノリン、鯨ろうなどの動物系ワックス;オゾケライト、セレシン、ペトロラクタムなどの鉱物系ワックス;及びこれらの精製物などが挙げられる。市販品としては、例えば、大内新興化学工業(株)、日本精蝋(株)、精工化学(株)等の製品を使用できる。なお、ワックスの含有量は、耐オゾン性、コストの点から、適宜設定すれば良い。
ゴム組成物には、ポリマー鎖に適度な架橋鎖を形成し、良好な前記総合性能を付与するという点で、硫黄を配合することが好ましい。
硫黄の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上、更に好ましくは0.7質量部以上である。該含有量は、好ましくは6.0質量部以下、より好ましくは4.0質量部以下、更に好ましくは3.0質量部以下である。上記範囲内にすることで、良好な前記総合性能が得られる傾向がある。
硫黄としては、ゴム工業において一般的に用いられる粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄、可溶性硫黄などが挙げられる。市販品としては、鶴見化学工業(株)、軽井沢硫黄(株)、四国化成工業(株)、フレクシス社、日本乾溜工業(株)、細井化学工業(株)等の製品を使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ゴム組成物は、加硫促進剤を含むことが好ましい。
加硫促進剤の含有量は特に制限はなく、要望する加硫速度や架橋密度に合わせて自由に決定すれば良いが、ゴム成分100質量部に対して、通常、0.3〜10質量部、好ましくは0.5〜7質量部である。
加硫促進剤の種類は特に制限はなく、通常用いられているものを使用可能である。加硫促進剤としては、2−メルカプトベンゾチアゾール、ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド等のチアゾール系加硫促進剤;テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)、テトラベンジルチウラムジスルフィド(TBzTD)、テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィド(TOT−N)等のチウラム系加硫促進剤;N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−オキシエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−オキシエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N,N’−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド等のスルフェンアミド系加硫促進剤;ジフェニルグアニジン、ジオルトトリルグアニジン、オルトトリルビグアニジン等のグアニジン系加硫促進剤を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、スルフェンアミド系加硫促進剤、グアニジン系加硫促進剤が好ましい。
ゴム組成物には、前記成分以外にも、タイヤ工業において一般的に用いられている配合剤、例えば、離型剤等の材料を適宜配合してもよい。
ゴム組成物の製造方法としては、公知の方法を用いることができ、例えば、前記各成分をオープンロール、バンバリーミキサーなどのゴム混練装置を用いて混練し、その後加硫する方法などにより製造できる。
混練条件としては、加硫剤及び加硫促進剤以外の添加剤を混練するベース練り工程では、混練温度は、通常50〜200℃、好ましくは80〜190℃であり、混練時間は、通常30秒〜30分、好ましくは1分〜30分である。加硫剤、加硫促進剤を混練する仕上げ練り工程では、混練温度は、通常100℃以下、好ましくは室温〜80℃である。また、加硫剤、加硫促進剤を混練した組成物は、通常、プレス加硫などの加硫処理が施される。加硫温度としては、通常120〜200℃、好ましくは140〜180℃である。
ゴム組成物は、サイドウォール、ベーストレッド、ビードエイペックス、クリンチエイペックス、インナーライナー、アンダートレッド、ブレーカートッピング、プライトッピング、トレッド(単層トレッド、多層トレッドのキャップトレッドなど)等のタイヤの各部材に好適に用いることができ、特にトレッドに好適である。
(タイヤ)
前記タイヤは、前述のゴム組成物を用いて通常の方法により製造される。すなわち、各成分を配合したゴム組成物を、未加硫の段階で上記各部材(トレッドなど)の形状に合わせて押し出し加工し、他のタイヤ部材とともに、タイヤ成型機上にて通常の方法で成形することにより、未加硫タイヤを形成する。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧することで、タイヤが得られる。
タイヤとしては、空気入りタイヤ、エアレス(ソリッド)タイヤなどが挙げられるが、なかでも、空気入りタイヤが好ましい。特に冬用タイヤ(スタッドレスタイヤ、スノータイヤ、スタッドタイヤなど)として好適に使用できる。タイヤは、乗用車用タイヤ、大型乗用車用、大型SUV用タイヤ、トラック、バスなどの重荷重用タイヤ、ライトトラック用タイヤ、二輪自動車用タイヤ、レース用タイヤ(高性能タイヤ)などに使用可能である。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
以下に、実施例及び比較例で用いた各種薬品について説明する。
NR:RSS#3
BR:宇部興産製のBR150B(シス95質量%以上)
カーボンブラック:三菱ケミカル(株)製のシーストN220(NSA114m/g)
シリカ:エボニックデグッサ社製のウラトシルVN3(NSA172m/g)
シランカップリング剤:エボニックデグッサ社製のSi266
水溶性粒子A1:馬居化成工業(株)製のMN−00を適宜篩にかけて製造(硫酸マグネシウム、D50(中央値粒度)10μm)
水溶性粒子A2:馬居化成工業(株)製のMN−00を適宜篩にかけて製造(硫酸マグネシウム、D50(中央値粒度)30μm)
水溶性粒子A3:東京化成工業(株)製のリグニンスルホン酸ナトリウム(D50(中央値粒度)10μm)
水溶性粒子B1:馬居化成工業(株)製のMN−00を適宜篩にかけて製造(硫酸マグネシウム、D50(中央値粒度)100μm)
水溶性粒子B2:馬居化成工業(株)製のMN−00を適宜篩にかけて製造(硫酸マグネシウム、D50(中央値粒度)110μm)
水溶性粒子B3:馬居化成工業(株)製のMN−00を適宜篩にかけて製造(硫酸マグネシウム、D50(中央値粒度)200μm)
ワックス:日本精鑞(株)製のオゾエースワックス
老化防止剤:大内新興化学工業(株)製のノクラック6C
オイル:出光興産(株)製のPS−32(パラフィン系プロセスオイル)
樹脂1:ポリテルペン樹脂(ヤスハラケミカル(株)製のYSレジンPX1250)
樹脂2:ジシクロペンタジエン樹脂(DCPD樹脂)(日本ゼオン(株)製「クイントン1325」)
ステアリン酸:日油(株)製の椿
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の酸化亜鉛2種
硫黄:鶴見化学工業(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS
〔水溶性粒子の粒度分布(粒子径分布)、D50(中央値粒度、メジアン径)の測定〕
各実施例、比較例に用いた水溶性粒子(混合物等)について、(株)島津製作所製SALD−2000J型を用い、レーザー回折法(測定操作は下記のとおり)により、粒子径分布曲線を得、曲線中の各ピーク(各ピークトップ(μm))を確認し、更に粒子径分布曲線の積算質量値50%の粒子径(D50(μm))を測定した。結果を各表に示した。
<測定操作>
水溶性粒子を、分散溶媒(トルエン)と分散剤(10質量%スルホこはく酸ジー2−エチルヘキシルナトリウム/トルエン溶液)との混合溶液に室温で分散させ、得られた分散液に超音波を照射しながら、該分散液を5分間撹拌して試験液を得た。該試験液を回分セルに移し、1分後に測定した。(屈折率:1.70−0.20i)
<実施例及び比較例>
各表に示す配合処方に従い、1.7Lバンバリーミキサーを用いて、NRとシリカ、BRとシリカを添加し、それぞれ150℃の条件下で3分間混練りし、混練り物(マスターバッチ)を得た。次に、得られたマスターバッチに、硫黄及び加硫促進剤以外の材料を添加し、150℃の条件下で2分間混練りし、混練り物を得た。更に、硫黄及び加硫促進剤を添加し、オープンロールを用いて、80℃の条件下で5分間練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。
得られた未加硫ゴム組成物を170℃で12分間、0.5mm厚の金型でプレス加硫し、加硫ゴム組成物を得た。
また、得られた各未加硫ゴム組成物をそれぞれキャップトレッドの形状に成型し、他のタイヤ部材とともに貼り合わせて170℃で15分間加硫することにより、冬用試験タイヤ(タイヤサイズ:195/65R15)を製造した。
得られた加硫ゴム組成物、冬用試験タイヤについて、室温暗所で三ヶ月保管した後、下記の評価を行った。結果を各表に示した。なお、表1、2の基準比較例は、それぞれ比較例1−1、2−1である。
<氷上性能>
冬用試験タイヤを用いて、下記の条件で氷上での実車性能を評価した。試験場所は、住友ゴム工業株式会社の北海道名寄テストコースで行い、気温−1℃(高温時の氷上性能)及び−5℃(低温時の氷上性能)でそれぞれ評価した。そして、試験用タイヤを国産2000ccのFR車に装着し、時速30km/hでロックブレーキを踏み停止させるまでに要した氷上の停止距離を測定した。基準比較例の停止距離を100とし、下記式から算出した。指数が大きいほど、氷上性能に優れることを示す。
(氷上性能)=(基準比較例の制動停止距離)/(各配合の停止距離)×100
<耐摩耗性>
加硫ゴム組成物について、(株)岩本製作所製のランボーン摩耗試験機を用い、表面回転速度50m/分、付加荷重3.0kg、落砂量15g/分でスリップ率20%の条件下にて、摩耗量を測定し、該摩耗量の逆数を算出した。基準比較例の摩耗量の逆数を100とし、各配合の摩耗量の逆数を指数で表した。指数が大きいほど、耐摩耗性に優れることを示す。
<総合性能>
氷上性能(−1℃)、氷上性能(−5℃)及び耐摩耗性の総合性能について、氷上性能(−1℃、指数)氷上性能(−5℃、指数)及び耐摩耗性(指数)の和をこれらの総合性能として評価した。
Figure 2021143231
Figure 2021143231
各表より、ゴム成分と、式(1)を満たし、かつ2つ以上のピークが存在する粒度分布を持つ水溶性粒子とを含む実施例では、氷上性能(−1℃)、氷上性能(−5℃)及び耐摩耗性の総合性能が改善された。

Claims (9)

  1. ゴム成分と、水溶性粒子とを含み、
    前記水溶性粒子は、下記式(1)を満たし、かつ2つ以上のピークが存在する粒度分布を持つタイヤ用ゴム組成物。
    D50<50μm (1)
    (式(1)中、D50は水溶性粒子の中央値粒度を表す。)
  2. 前記粒度分布は、少なくとも粒子径50μm未満及び50μm以上にピークが存在する請求項1記載のタイヤ用ゴム組成物。
  3. 前記ゴム成分100質量部に対する前記水溶性粒子の含有量が1〜40質量部である請求項1又は2記載のタイヤ用ゴム組成物。
  4. 前記粒度分布は、少なくとも粒子径1μm以上50μm未満にピークが存在する請求項1〜3のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
  5. 前記粒度分布は、少なくとも粒子径50μm以上130μm以下にピークが存在する請求項1〜4のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
  6. 前記ゴム成分100質量部に対するイソプレン系ゴムの含有量Ci(質量部)及びブタジエンゴムの含有量Cb(質量部)が下記式(2)を満たす請求項1〜5のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
    |Ci−Cb|≦20質量部 (2)
  7. 前記水溶性粒子及び樹脂の配合比率が30/70〜95/5である請求項1〜6のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載のゴム組成物を用いて作製したトレッドを有するタイヤ。
  9. 冬用タイヤである請求項8記載のタイヤ。
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