JP2021142686A - 積層体及び包装体 - Google Patents

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Abstract

【課題】高いリサイクル適性、ガスバリア性、及び紫外線バリア性を有する積層体の提供。【解決手段】本開示の積層体は、基材と、バリア性接着剤層と、シーラント層と、を備え、前記基材と前記バリア性接着剤層との間、及び前記バリア性接着剤層と前記シーラント層との間の少なくとも一方の層間に、蒸着膜をさらに備え、任意の箇所に紫外線バリア層をさらに備え、前記バリア性接着剤層が、1分子中に水酸基を2個以上有する樹脂と、1分子中にイソシアネート基を2個以上有するイソシアネート化合物を含む、樹脂組成物の硬化物により構成され、前記基材及び前記シーラント層が同一のポリオレフィンを含み、波長280nm〜320nmの透過率が、1%以下であることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本開示は、積層体及び該積層体から構成される包装体に関する。
従来より、包装体の構成材料として、樹脂材料からなる樹脂フィルムが使用されている。
例えば、基材としてポリエチレンテレフタレートフィルム、及びシーラント層としてポリエチレンフィルムを備える、異種の樹脂フィルムから構成される積層体が包装体の作製に使用されている。
また、包装体には、充填する内容物に応じて、ガスバリア性(酸素バリア性や水蒸気バリア性)等の様々な機能が求められる。このような場合には、上記した積層体の中間層として、ポリアミドフィルム等がさらに設けられる。
ところで、近年、循環型社会の構築を求める声の高まりとともに、包装体をリサイクルして使用することが試みられている。しかしながら、複数の異なる樹脂フィルムを貼り合わせた積層フィルムにより作製された包装体は、それぞれの層に分離することが困難であり、使用後に回収した包装体はリサイクルに適しておらず、より環境負荷の少ない包装体を使用したいという要求があった。
ここで、スナック菓子等を充填する包装体の作製に用いられる積層体として、延伸ポリプロピレンフィルム、2液硬化型ウレタン接着剤からなる接着剤層、アルミニウム蒸着膜及び未延伸ポリプロピレンフィルムを備える積層体が広く知られている。このような積層体は、各層を分離する必要がなく、そのままリサイクルを行うことができる。
上記積層体により構成される包装体は、紫外線に対するバリア性が十分ではなく、充填する内容物によっては、品質、味、香りの劣化を引き起こしてしまうという新たな問題を見出した。
本開示は、上記問題に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、高いリサイクル適性、ガスバリア性、及び紫外線バリア性を有する積層体を提供することである。
また、本開示の解決しようとする課題は、該積層体により構成される包装体を提供することである。
本開示の積層体は、基材と、バリア性接着剤層と、シーラント層と、を備え、
前記基材と前記バリア性接着剤層との間、及び前記バリア性接着剤層と前記シーラント層との間の少なくとも一方の層間に、蒸着膜をさらに備え、
任意の箇所に紫外線バリア層をさらに備え、
前記バリア性接着剤層が、1分子中に水酸基を2個以上有する樹脂と、1分子中にイソシアネート基を2個以上有するイソシアネート化合物を含む、樹脂組成物の硬化物により構成され、
前記基材及び前記シーラント層が同一のポリオレフィンを含み、
波長280nm〜320nmの透過率が、1%以下であることを特徴とする。
一実施形態において、前記基材及び前記シーラント層に含まれる前記同一のポリオレフィンが、ポリエチレン又はポリプロピレンである。
一実施形態において、前記積層体における前記同一のポリオレフィンの含有量が、90質量%以上である。
一実施形態において、前記紫外線バリア層が、前記基材のバリア性接着剤層側表面に形成されたものである。
一実施形態において、前記紫外線バリア層の厚さが、0.3μm以上5μm以下である。
一実施形態において、前記紫外線バリア層が、紫外線散乱粒子を含む。
一実施形態において、前記紫外線散乱粒子の一次平均粒子径が、5nm以上50nm以下である。
一実施形態において、前記紫外線バリア層における前記紫外線散乱粒子の含有量が、3質量%以上35質量%以下である。
一実施形態において、前記紫外線バリア層が、有機紫外線吸収剤を含む。
一実施形態において、前記蒸着膜が、無機酸化物により構成される透明蒸着膜であり、前記基材と前記バリア性接着剤層との間に設けられる。
一実施形態において、前記蒸着膜が、金属により構成され、前記バリア性接着剤層と前記シーラント層との間に設けられる。
本開示の包装体は、上記積層体から構成されることを特徴とする。
一実施形態において、包装体は、ピロー袋である。
本開示によれば、高いリサイクル適性、ガスバリア性、及び紫外線バリア性を有する、積層体を提供することができる。
また、本開示によれば、該積層体により構成される包装体を提供することができる。
本開示の積層体の一実施形態を示す断面概略図である。 本開示の積層体の一実施形態を示す断面概略図である。 本開示の積層体を用いて作製した包装体(ピロー袋)の一実施形態を表す正面図である。 本開示の積層体を用いて作製した包装体(ピロー袋)の一実施形態を表す正面図である。 ジッパーテープの構成を説明するための断面概略図である。 本開示の積層体を用いて作製した包装体(スタンドパウチ)の一実施形態を表す斜視図である。 実施例及び比較例において得られた積層体の、波長280nm〜320nmの透過率を示す図である。 実施例及び比較例において得られた積層体の、波長280nm〜320nmの透過率を示す図である。 実施例及び比較例において得られた積層体の、波長280nm〜320nmの透過率を示す図である。
本開示の積層体10は、図1に示すように、基材11と、バリア性接着剤層12と、シーラント層13と、
基材11とバリア性接着剤層12との間、及びバリア性接着剤層12とシーラント層13の少なくとも一方の層間に、蒸着膜14(図1においては、バリア性接着剤層12とシーラント層13との間)と、
任意の箇所に、紫外線バリア層15と、
を備える。
紫外線バリア層15は、任意の箇所に形成することができ、例えば、基材11の最表面(バリア性接着剤層側とは反対側)、基材11のバリア性接着剤層12側表面、シーラント層13の最表面、シーラント層13のバリア性接着剤層12側表面又は蒸着膜14表面に形成することができる。
好ましい態様においては、紫外線バリア層15は、図1に示すように、基材11のバリア性接着剤層12側表面に設けられる。また、紫外線バリア層は、印刷層16が形成された基材表面に設けることができる(図2参照)。
また、積層体10は、任意の層間に、ガスバリア層を備えていてもよい(図示せず)。
本開示の積層体が備える基材と、シーラント層とは、同一のポリオレフィンを含み、これにより、本開示の積層体を用いて作製される包装体のリサイクル適性を向上することができる。
本開示において、「同一のポリオレフィン」とは、ポリオレフィンを主として構成するモノマーが同一であるものを指す。
また、本開示において、「ポリオレフィンを主として構成するモノマー」とは、ポリオレフィンにおける含有量が、50モル%以上のモノマーを指し、リサイクル適性の観点からは、60モル%以上であることがより好ましく、80モル%以上であることがさらに好ましく、90モル%以上であることが特に好ましい。
主として構成するモノマーとしては、エチレン又はプロピレンが好ましい。
本開示の積層体において、上記同一ポリオレフィンの含有量は、リサイクル適性という観点からは、90質量%以上であることが好ましく、93質量%以上であることがより好ましく、95質量%以上であることがさらに好ましい。
本開示の積層体は、波長280nm〜320nmの透過率が、1%以下であり、0.5%以下であることが好ましく、0.1%以下であることがより好ましい。これにより、本開示の積層体を用いて作製する包装袋の内容物保存性を向上させることが出来る。
本開示において、積層体の波長280nm〜320nmの透過率は、JIS K7361−1に準拠して、積分球付き可視紫外吸光光度計(JASCO V−660 Spectrometer)又は同程度の性能を有する測定機器を用いて、測定する。
本開示の積層体は、23℃、相対湿度90%環境下における酸素透過度が、0.05cc/m・day・atm以上20cc/m・day・atm以下であることが好ましく、0.05cc/m・day・atm以上10cc/m・day・atm以下であることが好ましい。
なお、本開示において酸素透過度の測定は、JIS K 7126に準拠して行う。
本開示の積層体は、40℃、相対湿度90%環境下における水蒸気透過度が、0.01g/m・day以上2.0g/m・day以下であることが好ましく、0.01g/m・day以上1.0g/m・day以下であることが好ましい。
なお、本開示において酸素透過度の測定は、JIS K 7129に準拠して行う。
(基材)
基材は、シーラント層に含まれるポリオレフィンと同一のポリオレフィンを含む(以下、場合により同一ポリオレフィンという)。これにより、積層体のリサイクル適性を向上できる。
ポリオレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1ペンテン及びヘキセン等のオレフィンモノマー同士の重合体、並びにオレフィンモノマーとその他のモノマーとの共重合体等が挙げられる。
具体的には、ポリエチレン、ポリプロプレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−4−メチル−1ペンテン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メチル(メタ)アクリレート共重合体及びアイオノマー樹脂等が挙げられる。
これらの中でも、ポリエチレン及びポリプロプレンが好ましい。
また、基材は、同一ポリオレフィンを2種以上含んでいてもよい。
基材における同一ポリオレフィンの含有量は、80質量%以下であることが好ましく、90質量%以下であることがより好ましい。これにより、本開示の積層体のリサイクル適性をより向上することができる。
本開示の特性を損なわない範囲において、基材は、同一ポリオレフィン以外の樹脂材料(以下、場合により、その他の樹脂材料という)を含み、例えば、シーラント層に含まれるポリオレフィンとは異なるポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、1,4−ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、テレフタル酸−シクロヘキサンジメタノール−エチレングリコール共重合体等のポリエステル、ナイロン6及びナイロン6,6等のポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール及びポリビニルピロリドン(PVP)等のビニル樹脂、ポリアクリレート、ポリメタアクリレート及びポリメチルメタアクリレート等の(メタ)アクリル樹脂、セロファン、セルロースアセテート、ニトロセルロース、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)及びセルロースアセテートブチレート(CAB)等のセルロース樹脂、ポリスチレン(PS)等のスチレン樹脂及びこれらの塩素化樹脂等が挙げられる。
なお、本開示において、「(メタ)アクリル」とは「アクリル」と「メタアクリル」の両方を包含することを意味する。また、「(メタ)アクリレート」とは「アクレート」と「メタアクレート」の両方を包含することを意味する。
基材におけるその他の樹脂材料の含有量は、特に限定されるものではないが、上記リサイクル適性の観点からは、10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましく、3質量%以下であることがさらに好ましい。
本開示の特性を損なわない範囲において、基材は、充填剤、可塑剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、無機粒子、有機粒子、離型剤及び分散剤等の添加剤を含んでいてもよい。
一実施形態において、基材は、上記樹脂材料を含む樹脂フィルムであり、該樹脂フィルムは、延伸フィルムであっても、未延伸フィルムであってもよいが、強度という観点からは、一軸方向又は二軸方向に延伸された延伸フィルムが好ましい。
また、上記した樹脂フィルムの積層体を基材として使用できる。樹脂フィルムの積層体は、ドライラミネーション法、ウェットラミネーション法及びエクストリュージョン法等を利用して作製することができる。
基材の厚さは、機械的強度及び加工適性という観点から、5μm以上300μm以下であることが好ましく、7μm以上100μm以下であることがより好ましい。
また、基材は、表面処理が施されていることが好ましい。これにより、隣接する層との密着性を向上することができる。表面処理の方法は特に限定されず、例えば、コロナ放電処理、オゾン処理、酸素ガス及び/又は窒素ガス等を用いた低温プラズマ処理、グロー放電処理等の物理的処理、並びに化学薬品を用いた酸化処理等の化学的処理が挙げられる。
また、本開示の特性を損なわない範囲において、基材表面に従来公知のアンカーコート剤を用いて、アンカーコート層を形成してもよい。
さらに、基材は、その表面に印刷層が形成されていてもよい。形成された印刷層の外気との接触を防止できるため、基材のバリア性接着剤層側表面に印刷層を形成することが好ましい。また、印刷層は、基材表面の一部に設けられていてもよく、その全面に設けられていてもよい。
また、印刷層により形成される画像は、特に限定されず、文字、柄、記号及びこれらの組み合わせ等が表される。
印刷層形成は、従来公知のインキを用いて形成することができるが、バイオマス由来のインキを用いて行われることが好ましい。これにより本開示の積層体を用いて、環境負荷のより少ない包装体を作製することができる。
印刷層の形成方法は、特に限定されるものではなく、グラビア印刷法、オフセット印刷法、フレキソ印刷法等の従来公知の印刷法を挙げることができる。これらの中でも、環境負荷の観点から、フレキソ印刷法が好ましい。
後述するように、基材表面に、紫外線バリア層が設けられる場合、基材に形成された印刷層上に、紫外線バリア層が設けられていてもよく、該紫外線バリア層上に印刷層が形成されていてもよい。
一実施形態において、印刷層は、紫外線散乱粒子を含む。これにより、積層体の紫外線バリア性をより向上できる。このような構成の印刷層は、基材の全面に形成されていることが好ましい。
紫外線散乱粒子としては、酸化チタン、酸化亜鉛、オクチルトリメトキシシラン被覆酸化チタン及び酸化セリウム、酸化鉄、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム等が挙げられる。これらの中でも、紫外線バリア性という観点から、酸化チタン及び酸化亜鉛が好ましい。
紫外線散乱粒子の一次粒子径は、100nm以上600nm以下であることが好ましく、200nm以上400nm以下であることがより好ましい。これにより、紫外線バリア性をより向上することができる。
印刷層における紫外線散乱粒子の含有量は、15質量%以上60質量%以下であることが好ましく、20質量%以上50質量%以下であることがより好ましい。これにより、紫外線バリア性をより向上することができる。
一実施形態において、印刷層は、少なくとも1種の樹脂材料を含む。樹脂材料としては、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ビニル樹脂、セルロース樹脂、スチレン樹脂等が挙げられる。
紫外線散乱粒子を含む印刷層の厚さは、0.5μm以上5μm以下であることが好ましく、0.8μm以上3μm以下であることがより好ましい。これにより、積層体のリサイクル適性を維持しつつ、紫外線バリア性をより向上することができる。
(バリア性接着剤層)
バリア性接着剤層は、酸素及び水蒸気の透過を抑制するガスバリア性を有する接着剤により構成される層である。
該バリア性接着剤層は、蒸着膜では完全に抑制することのできない、酸素及び水蒸気の積層体の通過を抑制するために設けられた層である。より詳細には、蒸着膜表面には、微細な凹凸形状が形成されているため、蒸着膜の厚みは完全には均一ではなく、相対的に薄くなってしまった部分のバリア性が低くなってしまう。蒸着膜と隣接するように該バリア性接着剤層を設けることにより、蒸着膜の凹凸形状が平坦化され、バリア性の均一化ができる。
バリア性接着剤層は、1分子中に水酸基を2個以上有する樹脂(ポリオール樹脂)と、1分子中にイソシアネート基を2個以上有するイソシアネート化合物(ポリイソシアネート)を含む、樹脂組成物の硬化物により構成される。
ポリオール樹脂は、主骨格として、例えばポリエステル構造、又はポリエステルポリウレタン構造又はポリエステルポリウレタン構造を有することが好ましい。
官能基として1分子中に水酸基を2個以上有するポリオール樹脂としては、例えば下記の〔第1例〕〜〔第3例〕を用いることができる。
〔第1例〕多価カルボン酸又はその無水物と、多価アルコールとを重縮合して得られるポリオール樹脂
〔第2例〕グリセロール骨格を有するポリオール樹脂
〔第3例〕イソシアヌル環を有するポリオール樹脂
以下、各ポリエステルポリオールについて説明する。
以下、第1例について説明する。
第1例において、主骨格のポリエステル部分は、多価カルボン酸と、多価アルコールとを胡内慣用の方法により重縮合反応させることにより得ることができる。
多価カルボン酸としては、脂肪族多価カルボン酸及び芳香族多価カルボン酸等が挙げられる。
脂肪族多価カルボン酸としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸及び1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等が挙げられる。
芳香族多価カルボン酸としては、例えば、オルトフタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、1,2−ナフタレンジカルボン酸、1,8−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ナフタル酸、ビフェニルジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−p,p’−ジカルボン酸、これらジカルボン酸の無水物;p−ヒドロキシ安息香酸、p−(2−ヒドロキシエトキシ)安息香酸等の多塩基酸等が挙げられる。
上記した多価カルボン酸の中でも、オルト配向芳香族ジカルボン酸又はその無水物が好ましい。具体的には、オルトフタル酸、1,2−ナフタレンジカルボン酸、1,8−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸及びこれらの無水物等が挙げられる。
なお、多価カルボン酸を2種以上使用してもよい。
多価アルコールとしては、脂肪族多価アルコール及び芳香族多価アルコールが挙げられる。
脂肪族多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、メチルペンタンジオール、ジメチルブタンジオール、ブチルエチルプロパンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール及びトリプロピレングリコール等が挙げられる。
芳香族多価アルコールとしては、例えば、ヒドロキノン、レゾルシノール、カテコール、ナフタレンジオール、ビフェノール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、テトラメチルビフェノール、これらのエチレンオキサイド伸長物及びこれらの水添加脂肪族化合物等が挙げられる。
以下、第2例について説明する。
第2例に係るポリオール樹脂として、一般式(1)で表されるグリセロール骨格を有するポリエステルポリオールを挙げることができる。
Figure 2021142686
一般式(1)において、R、R、Rは、各々独立に、H(水素原子)又は下記の一般式(2)で表される基である。
Figure 2021142686
式(2)において、nは1〜5の整数を表し、Xは、置換基を有してもよい1,2−フェニレン基、1,2−ナフチレン基、2,3−ナフチレン基、2,3−アントラキノンジイル基、及び2,3−アントラセンジイル基から成る群から選ばれるアリーレン基を表し、Yは炭素原子数2〜6のアルキレン基を表す)で表される基を表す。
但し、R、R、Rのうち少なくとも一つは、一般式(2)で表される基を表す。
一般式(1)において、R、R、Rの少なくとも1つは一般式(2)で表される基である必要がある。中でも、R、R、R全てが一般式(2)で表される基であることが好ましい。
また、R、R、Rのいずれか1つが一般式(2)で表される基である化合物と、R、R、Rのいずれか2つが一般式(2)で表される基である化合物と、R、R、Rの全てが一般式(2)で表される基である化合物の、いずれか2つ以上の化合物が混合物となっていてもよい。
Xは、1,2−フェニレン基、1,2−ナフチレン基、2,3−ナフチレン基、2,3−アントラキノンジイル基及び2,3−アントラセンジイル基から成る群から選ばれ、置換基を有していてもよいアリーレン基を表す。
Xが置換基によって置換されている場合、1又は複数の置換基で置換されていてもよく、該置換基は、X上の、遊離基とは異なる任意の炭素原子に結合している。該置換基としては、クロロ基、ブロモ基、メチル基、エチル基、i−プロピル基、ヒドロキシル基、メトキシ基、エトキシ基、フェノキシ基、メチルチオ基、フェニルチオ基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、フタルイミド基、カルボキシル基、カルバモイル基、N−エチルカルバモイル基、フェニル基及びナフチル基等が挙げられる。
一般式(2)において、Yは、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ネオペンチレン基、1,5−ペンチレン基、3−メチル−1,5−ペンチレン基、1,6−ヘキシレン基、メチルペンチレン基及びジメチルブチレン基等の炭素原子数2〜6のアルキレン基を表す。Yは、中でも、プロピレン基及びエチレン基が好ましくエチレン基が最も好ましい。
一般式(1)で表されるグリセロール骨格を有するポリエステル樹脂化合物は、グリセロールと、カルボン酸がオルト位に置換された芳香族多価カルボン酸又はその無水物と、多価アルコール成分とを必須成分として反応させることにより合成することができる。
カルボン酸がオルト位に置換された芳香族多価カルボン酸又はその無水物としては、オルトフタル酸又はその無水物、ナフタレン2,3−ジカルボン酸又はその無水物、ナフタレン1,2−ジカルボン酸又はその無水物、アントラキノン2,3−ジカルボン酸又はその無水物、及び2,3−アントラセンカルボン酸又はその無水物等が挙げられる。
これらの化合物は、芳香環の任意の炭素原子に置換基を有していても良い。該置換基としては、クロロ基、ブロモ基、メチル基、エチル基、i−プロピル基、ヒドロキシル基、メトキシ基、エトキシ基、フェノキシ基、メチルチオ基、フェニルチオ基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、フタルイミド基、カルボキシル基、カルバモイル基、N−エチルカルバモイル基、フェニル基及びナフチル基等が挙げられる。
また、多価アルコール成分としては炭素原子数2〜6のアルキレンジオールが挙げられる。例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、メチルペンタンジオール及びジメチルブタンジオール等のジオールを例示することができる。
以下、第3例について説明する。
第3例に係るポリオール樹脂は、下記一般式(3)で表されるイソシアヌル環を有するポリエステルポリオールである。
Figure 2021142686
一般式(3)において、R、R、Rは、各々独立に、「−(CH)n1−OH(但しn1は2〜4の整数を表す)」、又は、一般式(4)の構造を表す。
Figure 2021142686
一般式(4)中、n2は2〜4の整数を表し、n3は1〜5の整数を表し、Xは1,2−フェニレン基、1,2−ナフチレン基、2,3−ナフチレン基、2,3−アントラキノンジイル基及び2,3−アントラセンジイル基から成る群から選ばれ、置換基を有していてもよいアリーレン基を表し、Yは炭素原子数2〜6のアルキレン基を表す)で表される基を表す。但しR、R、Rの少なくとも1つは一般式(4)で表される基である。
一般式(3)において、−(CH)n1−で表されるアルキレン基は、直鎖状であっても分岐状でもよい。n1は、中でも2又は3が好ましく、2が最も好ましい。
一般式(4)において、n2は2〜4の整数を表し、n3は1〜5の整数を表す。
Xは1,2−フェニレン基、1,2−ナフチレン基、2,3−ナフチレン基、2,3−アントラキノンジイル基、及び2,3−アントラセンジイル基から成る群から選ばれ、置換基を有していてもよいアリーレン基を表す。
Xが置換基によって置換されている場合、1又は複数の置換基で置換されていてもよく、該置換基は、X上の、遊離基とは異なる任意の炭素原子に結合している。該置換基としては、クロロ基、ブロモ基、メチル基、エチル基、i−プロピル基、ヒドロキシル基、メトキシ基、エトキシ基、フェノキシ基、メチルチオ基、フェニルチオ基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、フタルイミド基、カルボキシル基、カルバモイル基、N−エチルカルバモイル基、フェニル基及びナフチル基等が挙げられる。
Xの置換基は、中でもヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、フタルイミド基、カルバモイル基、N−エチルカルバモイル基及びフェニル基が好ましくヒドロキシル基、フェノキシ基、シアノ基、ニトロ基、フタルイミド基及びフェニル基が最も好ましい。
一般式(4)において、Yは、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ネオペンチレン基、1,5−ペンチレン基、3−メチル−1,5−ペンチレン基、1,6−ヘキシレン基、メチルペンチレン基及びジメチルブチレン基等の炭素原子数2〜6のアルキレン基を表す。Yは、中でも、プロピレン基及びエチレン基が好ましくエチレン基が最も好ましい。
一般式(3)において、R、R、Rの少なくとも1つは一般式(4)で表される基である。中でも、R、R、R全てが一般式(4)で表される基であることが好ましい。
また、R、R、Rのいずれか1つが一般式(4)で表される基である化合物と、R、R、Rのいずれか2つが一般式(4)で表される基である化合物と、R、R、Rの全てが一般式(4)で表される基である化合物の、いずれか2つ以上の化合物が混合物となっていてもよい。
一般式(3)で表されるイソシアヌル環を有するポリエステルポリオールは、イソシアヌル環を有するトリオールと、カルボン酸がオルト位に置換された芳香族多価カルボン酸又はその無水物と、多価アルコール成分とを必須成分として反応させることにより合成することができる
イソシアヌル環を有するトリオールとしては、例えば、1,3,5−トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌル酸及び1,3,5−トリス(2−ヒドロキシプロピル)イソシアヌル酸等のイソシアヌル酸のアルキレンオキサイド付加物等が挙げられる。
また、カルボン酸がオルト位に置換された芳香族多価カルボン酸又はその無水物としては、オルトフタル酸又はその無水物、ナフタレン2,3−ジカルボン酸又はその無水物、ナフタレン1,2−ジカルボン酸又はその無水物、アントラキノン2,3−ジカルボン酸又はその無水物、及び2,3−アントラセンカルボン酸又はその無水物等が挙げられる。
これらの化合物は、芳香環の任意の炭素原子に置換基を有していても良い。
該置換基としては、クロロ基、ブロモ基、メチル基、エチル基、i−プロピル基、ヒドロキシル基、メトキシ基、エトキシ基、フェノキシ基、メチルチオ基、フェニルチオ基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、フタルイミド基、カルボキシル基、カルバモイル基、N−エチルカルバモイル基、フェニル基及びナフチル基等が挙げられる。
また、多価アルコール成分としては炭素原子数2〜6のアルキレンジオールが挙げられる。例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、メチルペンタンジオール及びジメチルブタンジオール等のジオールが挙げられる。
中でも、イソシアヌル環を有するトリオール化合物として1,3,5−トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌル酸、又は1,3,5−トリス(2−ヒドロキシプロピル)イソシアヌル酸を使用し、カルボン酸がオルト位に置換された芳香族多価カルボン酸又はその無水物としてオルトフタル酸無水物を使用し、多価アルコールとしてエチレングリコールを使用したイソシアヌル環を有するポリエステルポリオール化合物が、酸素バリア性や接着性に特に優れ好ましい。
イソシアヌル環は高極性であり且つ3官能であり、系全体の極性を高めることができ、且つ、架橋密度を高めることができる。このような観点からイソシアヌル環を接着剤樹脂全固形分に対し5質量%以上含有することが好ましい。
イソシアネート化合物としては、酸素バリア性の観点からは、芳香族イソシアネート化合物が好ましく、メタキシレン骨格を有するイソシアネート化合物がより好ましい。
具体的には、イソシアネート化合物としては、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水素化ジフェニルメタンジイソシアネート、メタキシリレンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、これらのイソシアネート化合物の3量体、並びにこれらのイソシアネート化合物と、低分子活性水素化合物若しくはそのアルキレンオキシド付加物、又は高分子活性水素化合物とを反応させて得られるアダクト体、ビュレット体及びアロファネート体等が挙げられる。
低分子活性水素化合物としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、メタキシリレンアルコール、1,3−ビスヒドロキシエチルベンゼン、1,4−ビスヒドロキシエチルベンゼン、トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリスリトール、エリスリトール、ソルビトール、エチレンジアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン及びメタキシリレンジアミン等が挙げられ、分子活性水素化合物としては、各種ポリエステル樹脂、ポリエーテルポリオール及びポリアミドの高分子活性水素化合物等が挙げられる。
一実施形態において、バリア性接着剤層を構成する樹脂組成物の硬化物は、リン酸変性化合物を含むことができる。これにより、接着強度を向上できる。
リン酸変性化合物は、例えば下記の一般式(5)又は(6)で表される化合物である。
Figure 2021142686
一般式(5)において、R、R、Rは、水素原子、炭素数1〜30のアルキル基、(メタ)アクリロイル基、置換基を有してもよいフェニル基及び(メタ)アクリロイルオキシ基を有する炭素数1〜4のアルキル基から選ばれる基であるが、少なくとも一つは水素原子であり、nは、1〜4の整数を表す。
Figure 2021142686
式中、R、Rは、水素原子、炭素数1〜30のアルキル基、(メタ)アクリロイル基、置換基を有してもよいフェニル基及び(メタ)アクリロイルオキシ基を有する炭素数1〜4のアルキル基から選ばれる基であり、nは1〜4の整数、xは0〜30の整数、yは0〜30の整数を表すが、xとyが共に0である場合を除く。
より具体的には、リン酸、ピロリン酸、トリリン酸、メチルアシッドホスフェート、エチルアシッドホスフェート、ブチルアシッドホスフェート、ジブチルホスフェート、2−エチルヘキシルアシッドホスフェート、ビス(2-エチルヘキシル)ホスフェート、イソドデシルアシッドホスフェート、ブトキシエチルアシッドホスフェート、オレイルアシッドホスフェート、テトラコシルアシッドホスフェート、2−ヒドロキシエチルメタクリレートアシッドホスフェート及びポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
バリア性接着剤層を構成する樹脂組成物の硬化物は、板状無機化合物を含むことができる。これにより、接着強度及びガスバリア性をより向上できる。
板状無機化合物としては、例えば、カオリナイト−蛇紋族粘土鉱物(ハロイサイト、カオリナイト、エンデライト、ディッカイト、ナクライト、アンチゴライト、クリソタイル等)及びパイロフィライト−タルク族(パイロフィライト、タルク、ケロライ等)等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
バリア性接着剤層を構成する樹脂組成物の硬化物は、カップリング剤を含んでいてもよい。
カップリング剤としては、例えば、下記一般式(7)であらわされるシラン系カップリング剤、チタン系カップリング剤、又はアルミニウム系カップリング剤が挙げられる。なお、これらのカップリング剤は、単独でも、2種類以上組み合わせてもよい。
Figure 2021142686
シラン系カップリング剤としては、例えば、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン及び3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)等が挙げられる。
また、チタン系カップリング剤としては、例えば、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチル−アミノエチル)チタネート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、テトラオクチルビス(ジドデシルホスファイト)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート、イソプロピルトリオクタイノルチタネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネート、ジイソステアロイルエチレンチタネート、イソプロピルトリ(ジオクチルホスフェート)チタネート、イソプロピルトリクミルフェニルチタネート及びジクミルフェニルオキシアセテートチタネート等が挙げられる。
また、アルミニウム系カップリング剤の具体例としては、例えば、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート、ジイソプロポキシアルミニウムエチルアセトアセテート、ジイソプロポキシアルミニウムモノメタクリレート、イソプロポキシアルミニウムアルキルアセトアセテートモノ(ジオクチルホスフェート)、アルミニウム−2−エチルヘキサノエートオキサイドトリマー、アルミニウムステアレートオキサイドトリマー及びアルキルアセトアセテートアルミニウムオキサイドトリマー等が挙げられる。
バリア性接着剤層を構成する樹脂組成物の硬化物は、シクロデキストリン及び/又はその誘導体を含むことができる。
具体的には例えば、シクロデキストリン、アルキル化シクロデキストリン、アセチル化シクロデキストリン及びヒドロキシアルキル化シクロデキストリン等のシクロデキストリンのグルコース単位の水酸基の水素原子を他の官能基で置換したもの等を用いることができる。また、分岐環状デキストリンも用いることができる。
また、シクロデキストリン及びシクロデキストリン誘導体におけるシクロデキストリン骨格は、6個のグルコース単位からなるα−シクロデキストリン、7個のグルコース単位からなるβ−シクロデキストリン、8個のグルコース単位からなるγ−シクロデキストリンのいずれであってもよい。
これらの化合物は単独で用いても2種以上を併用してもよい。また、これらシクロデキストリン及び/又はその誘導体を以降、デキストリン化合物と総称する場合がある。
樹脂組成物への相溶性及び分散性の観点から、シクロデキストリン化合物としては、シクロデキストリン誘導体を用いることが好ましい。
置換度としては上記各種樹脂の極性の観点から、0.1個以上14個以下/グルコースの範囲であることが好ましく、0.3個以上8個以下/グルコースの範囲であることがより好ましい。
アルキル化シクロデキストリンとしては、例えば、メチル−α−シクロデキストリン、メチル−β−シクロデキストリン及びメチル−γ−シクロデキストリン等が挙げられる。
これらの化合物は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
アセチル化シクロデキストリンとしては、例えば、モノアセチル−α−シクロデキストリン、モノアセチル−β−シクロデキストリン及びモノアセチル−γ−シクロデキストリン等が挙げられる。これらの化合物は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
ヒドロキシアルキル化シクロデキストリンとしては、例えば、ヒドロキシプロピル−α−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン及びヒドロキシプロピル−γ−シクロデキストリン等が挙げられる。これらの化合物は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
バリア性接着剤層の厚さは、0.5μm以上8μm以下であることが好ましく、0.8μm以上5μm以下であることがより好ましく、1μm以上4.5μm以下であることがさらに好ましい。これにより、ガスバリア性をより向上できる。また、耐折り曲げ性を向上することができ、折り曲げ後のガスバリア性の低下を抑制することができる。
バリア性接着剤層を構成する樹脂組成物は、溶剤を含んでいてもよく、含まなくともよい。
本開示の積層体が備えるバリア性接着剤層は、市販される接着剤を用いても形成することができる。
溶剤を含む接着剤としては、DIC株式会社から販売されている、パスリム(PASLIM)VM001/108CPを使用することができる。
溶剤を含まない接着剤(ノンソルベント系接着剤)としては、DIC株式会社から販売されている、パスリム(PASLIM)NS−680A/HA−680B使用することができる。
また、これらに限定されるものではなく、例えば、特開2003−300271号公報及び特開2010−012769号公報において開示される、非ビスフェノールA系ポリエポキシ樹脂を主剤とし、ポリアミンを硬化剤とする接着剤であって、三菱ガス化学株式会社から上市される「マクシーブ(登録商標)」を使用することができる。
(シーラント層)
シーラント層は、上記同一ポリオレフィンを含み、その含有量は、80質量%以上であることが好ましく、90質量%以下であることがより好ましい。これにより、本開示の積層体のリサイクル適性をより向上することができる。
また、シーラント層は、同一ポリオレフィンを2種以上含んでいてもよい。
本開示の特性を損なわない範囲において、シーラント層は、上記したその他の樹脂材料を含んでいてもよい。シーラント層におけるその他の樹脂材料の含有量は、特に限定されるものではないが、上記リサイクル適性の観点からは、10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましく、3質量%以下であることがさらに好ましい。
本開示の特性を損なわない範囲において、シーラント層は、充填剤、可塑剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、無機粒子、有機粒子、離型剤及び分散剤等の添加剤を含んでいてもよい。
シーラント層は、上記した表面処理が施されていることが好ましい。これにより、隣接する層との密着性を向上することができる。
シーラント層の厚さは、15μm以上500μm以下であることが好ましく、20μm以上250μm以下であることがより好ましく、30μm以上100μm以下であることがさらに好ましい。これにより、シーラント層のヒートシール性を維持しつつ、本開示の積層体の加工適性及び耐突き刺し性を向上することができる。
(蒸着膜)
本開示の積層体は、基材とバリア性接着剤層との間、及びバリア性接着剤層とシーラント層との間の少なくとも一方に、蒸着膜を備える。
蒸着膜としては、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛及びスズ等の金属や酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化マグシウム、酸化カルシウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化ホウ素、酸化ハフニウム、酸化バリウム等の無機酸化物から構成される蒸着膜が挙げられる。
蒸着膜が、基材とバリア性接着剤層との間に設けられる場合、蒸着膜は、無機酸化物により構成される透明蒸着膜であることが好ましい。
また、蒸着膜が、バリア性接着剤層とシーラント層との間に設けられる場合、蒸着膜は、金属により構成されるものであることが好ましい。
蒸着膜形成方法としては、従来公知の方法を採用でき、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法及びイオンプレーティング法等の物理気相成長法(Physical Vapor Deposition法、PVD法)並びに、プラズマ化学気相成長法、熱化学気相成長法及び光化学気相成長法等の化学気相成長法(Chemical Vapor Deposition法、CVD法)等を挙げることができる。
また、蒸着膜の膜厚は、アルミニウム蒸着膜の場合には、1nm以上100nm以下であることが好ましく、15nm以上60nm以下であることがより好ましく、10nm以上40nm以下であることがさらに好ましい。
珪素酸化物又は酸化アルミニウム蒸着膜の場合には、1nm以上140nm以下であることが好ましく、5nm以上30nm以下であることがより好ましく、5nm以上20nm以下であることがさらに好ましい。
蒸着膜の厚みを上記数値範囲内とすることにより、酸素バリア性及び水蒸気バリア性を維持しつつ、蒸着膜におけるクラック等の発生を防止することができる。
また、例えば、物理気相成長法と化学気相成長法の両者を併用して異種の無機酸化物の蒸着膜の2層以上からなる複合膜を形成して使用することもできる。蒸着チャンバーの真空度としては、酸素導入前においては、10−2〜10−8mbar程度が好ましく、酸素導入後においては、10−1〜10−6mbar程度が好ましい。なお、酸素導入量等は、蒸着機の大きさ等によって異なる。導入する酸素には、キャリヤーガスとしてアルゴンガス、ヘリウムガス、窒素ガス等の不活性ガスを支障のない範囲で使用してもよい。フィルムの搬送速度としては、10〜800m/min程度、特に50〜600m/min程度が好ましい。
(紫外線バリア層)
本開示の積層体は、任意の箇所に紫外線バリア層を備える。
好ましい態様において、紫外線バリア層は、基材のバリア性接着剤層側表面に設けられる。基材に印刷層が設けられている場合には、印刷層表面に紫外線バリア層は設けられる。
一実施形態において、紫外線バリア層は、紫外線散乱粒子を含む。紫外線散乱粒子としては、酸化チタン、酸化亜鉛、オクチルトリメトキシシラン被覆酸化チタン及び酸化セリウム、酸化鉄、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム等が挙げられる。
これらの中でも、紫外線バリア性という観点から、酸化チタン及び酸化亜鉛が好ましい。
紫外線散乱粒子の一次粒子径は、5nm以上50nm以下であることが好ましく、8nm以上40nm以下であることがより好ましい。これにより、紫外線バリア性をより向上することができる。
紫外線バリア層における紫外線散乱粒子の含有量は、3質量%以上35質量%以下であることが好ましく、5質量%以上30質量%以下であることがより好ましい。これにより、紫外線バリア性をより向上することができる。
一実施形態において、紫外線バリア層は、有機紫外線吸収剤を含む。有機紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線、ベンゾエート系紫外線吸収剤、ベンゾオキサジノン系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、ベンゾオキサゾール系紫外線吸収剤、メロシアニン系紫外線吸収剤、サリシレート系紫外線吸収剤、ホルムアミジン系紫外線吸収剤、オキザニリド系紫外線吸収剤などが挙げられる。
紫外線バリア層における有機紫外線吸収剤の含有量は、10質量%以上90質量%以下であることが好ましく、20質量%以上80質量%以下であることがより好ましい。これにより、紫外線バリア性をより向上することができる。
一実施形態において、紫外線バリア層は、少なくとも1種の樹脂材料を含む。樹脂材料としては、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ビニル樹脂、セルロース樹脂、スチレン樹脂等が挙げられる。
本開示の特性を損なわない範囲において、紫外線バリア層は、充填剤、可塑剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、無機粒子、有機粒子、離型剤及び分散剤等の添加剤を含んでいてもよい。
紫外線バリア層の厚さは、0.3μm以上5μm以下であることが好ましく、0.4μm以上4μm以下であることがより好ましく、0.5μm以上3μm以下であることがさらに好ましい。これにより、積層体のリサイクル適性を維持しつつ、積層体の紫外線バリア性を向上することができる。
紫外線バリア層は、上記材料を水又は適当な溶媒へ分散して、あるいは上記材料を水又は適当な溶媒へ溶解して、塗工液を作成し、基材等の上に塗布して塗膜を形成し、これを乾燥することにより形成できる。塗布手段としては、ロールコート法、リバースロールコート法、グラビアコート法、リバースグラビアコート法、バーコート法又はロッドコート法等の公知の手段を使用できる。
また、紫外線バリア層の形成には、市販されるインクを使用してもよく、例えば、大日精化工業(株)製のラミックF220UVレヂウサーや、NB300UVレヂウサー(NT)を使用することができる。
(ガスバリア層)
本開示の積層体は、任意の層間にガスバリア層を備えていてもよい。これにより、本開示の積層体の酸素バリア性及び水蒸気バリア性をより向上することができる。
一実施形態において、ガスバリア層は、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリビニルアルコール、ポリアクリロニトリル、ナイロン6、ナイロン6,6及びポリメタキシリレンアジパミド(MXD6)等のポリアミド、ポリエステル、ポリウレタン、並びに(メタ)アクリル樹脂等のガスバリア性樹脂を含む。
ガスバリア層におけるガスバリア性樹脂の含有量は、50質量%以上95質量%以下であることが好ましく、75質量%以上90質量%以下であることがより好ましい。ガスバリア層におけるガスバリア性樹脂の含有量を50質量%以上とすることにより、積層体の酸素バリア性及び水蒸気バリア性をより向上することができる。
ガスバリア層は、本開示の特性を損なわない範囲において、添加剤を含むことができる。添加剤としては、例えば、架橋剤、酸化防止剤、アンチブロッキング剤、滑(スリップ)剤、紫外線吸収剤、光安定剤、充填剤、補強剤、帯電防止剤、相溶化剤及び顔料等が挙げられる。
ガスバリア層の厚さは、0.01μm以上10μm以下であることが好ましく、0.1μm以上5μm以下であることがより好ましい。
ガスバリア層の厚さを0.01μm以上とすることにより、積層体の酸素バリア性及び水蒸気バリア性をより向上することができる。ガスバリア層の厚さを10μm以下とすることにより、積層体のリサイクル適性を向上することができる。
ガスバリア層は、上記材料を水又は適当な溶剤に、溶解又は分散させ、基材等の上に塗布、乾燥することにより形成することができる。
一実施形態において、ガスバリア層は、金属アルコキシドと水溶性高分子との混合物を、ゾルゲル法触媒、水及び有機溶剤等の存在下で、ゾルゲル法によって重縮合して得られる金属アルコキシドの加水分解物又は金属アルコキシドの加水分解縮合物等の樹脂組成物を少なくとも1種含む。
該形態のガスバリア層を、無機酸化物により構成される蒸着膜と隣接するように設けることにより、該蒸着膜におけるクラックの発生を効果的に防止することができる。
一実施形態において、金属アルコキシドは、下記一般式で表される。
M(OR
(ただし、式中、R、Rは、それぞれ、炭素数1〜8の有機基を表し、Mは金属原子を表し、nは0以上の整数を表し、mは1以上の整数を表し、n+mはMの原子価を表す。)
金属原子Mとしては、例えば、珪素、ジルコニウム、チタン及びアルミニウム等を使用することができる。
また、R及びRで表される有機基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基及びi−ブチル基等のアルキル基を挙げることができる。
上記一般式を満たす金属アルコキシドとしては、例えば、テトラメトキシシラン(Si(OCH)、テトラエトキシシラン(質量%)Si(OC)、テトラプロポキシシラン(Si(OC)、テトラブトキシシラン(Si(OC)等が挙げられる。
また、上記金属アルコキシドと共に、シランカップリング剤が使用されることが好ましい。
シランカップリング剤としては、既知の有機反応性基含有オルガノアルコキシシランを用いることができるが、特に、エポキシ基を有するオルガノアルコキシシランが好ましい。エポキシ基を有するオルガノアルコキシシランとしては、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン及びβ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等が挙げられる。
上記のようなシランカップリング剤は、2種以上を使用してもよく、シランカップリング剤は、上記アルコキシドの合計量100質量部に対して、1〜20質量部程度の範囲内で使用することが好ましい。
水溶性高分子としては、ポリビニルアルコール及びエチレン−ビニルアルコール共重合体が好ましく、酸素バリア性、水蒸気バリア性、耐水性及び耐候性という観点からは、これらを併用することが好ましい。
ガスバリア層における水溶性高分子の含有量は、金属アルコキシド100質量部に対して5質量部以上500質量部以下であることが好ましい。これにより、ガスバリア層の酸素バリア性、水蒸気バリア性及び強度をより向上することができる。
ガスバリア層の厚さは、0.01μm以上100μm以下であることが好ましく、0.1μm以上50μm以下であることがより好ましい。これにより、ガスバリア層におけるクラックの発生を効果的に防止しつつ、その酸素バリア性及び水蒸気バリア性をより向上することができる。
ガスバリア層は、上位材料を含む組成物を、グラビアロールコーター等のロールコート、スプレーコート、スピンコート、ディッピング、刷毛、バーコード、アプリケータ等の従来公知の手段により、基材上に塗布し、その組成物をゾルゲル法により重縮合することにより形成させることができる。
ゾルゲル法触媒としては、酸又はアミン系化合物が好適である。アミン系化合物としては、水に実質的に不溶であり、且つ有機溶媒に可溶な第3級アミンが好適であり、例えば、N,N−ジメチルベンジルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン等が挙げられる。これらの中でも、N,N−ジメチルべンジルアミンが好ましい。
ゾルゲル法触媒は、金属アルコキシド100質量部当り、0.01質量部以上1.0質量部以下の範囲で使用することが好ましく、0.03質量部以上0.3質量部以下の範囲で使用することがより好ましい。これにより、形成されるガスバリア層の厚さを均一にすることができると共に、触媒効果をより向上することができる。
上記組成物は、さらに酸を含んでいてもよい。酸は、ゾル−ゲル法の触媒、主としてアルコキシドやシランカップリング剤等の加水分解のための触媒として用いられる。
酸としては、硫酸、塩酸、硝酸等の鉱酸、ならびに酢酸、酒石酸等の有機酸が用いられる。酸の使用量は、アルコキシド及びシランカップリング剤のアルコキシド分(例えばシリケート部分)の総モル量に対して、0.001モル以上0.05モル以下であることが好ましい。これにより、形成されるガスバリア層の厚さを均一にすることができると共に、触媒効果をより向上することができる。
また、上記組成物は、アルコキシドの合計モル量1モルに対して、好ましくは0.1モル以上100モル以下、より好ましくは0.8モル以上2モル以下の割合の水を含んでなることが好ましい。これにより、ガスバリア層の酸素バリア性及び水蒸気バリア性を向上することができると共に、加水分解反応を速やかに行うことができる。
また、上記組成物は、有機溶剤を含んでいてもよい。有機溶剤としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール等を用いることができる。
以下、ガスバリア層の形成方法の一実施形態について以下に説明する。
まず、金属アルコキシド、水溶性高分子、ゾルゲル法触媒、水、有機溶媒及び必要に応じてシランカップリング剤等を混合し、組成物を調製する。該組成物中では次第に重縮合反応が進行する。
次いで、基材上に、上記従来公知の方法により、該組成物を塗布、乾燥する。
この乾燥により、アルコキシド及び水溶性高分子(組成物が、シランカップリング剤を含む場合は、シランカップリング剤も)の重縮合反応がさらに進行し、複合ポリマーの層が形成される。
最後に、該組成物を20〜250℃、好ましくは50〜220℃の温度で、1秒〜10分間加熱することにより、ガスバリア層を形成することができる。
(包装体)
本開示の包装体は、上記積層体から構成されていることを特徴とする。
包装体の形状は、特に限定されるものではなく、袋状の形状とすることができる。
例えば、ピロー袋(合掌貼りシール型袋)、スタンディングパウチ、二方シール型袋、三方シール型袋、四方シール型袋、側面シール型袋、封筒貼りシール型袋、ひだ付シール型袋、平底シール型袋、角底シール型袋、ガセット付袋等が挙げられる。
図3に示すように、本開示の包装体100は、上記積層体から構成されるピロー袋である。
ピロー袋は、1枚の上記積層体を準備し、この両端を、シーラント層が内側となるように、ヒートシールし、背シール部101を形成することにより筒状とし、この上下の開口部をヒートシールし、上側シール部102及び下側シール部103を形成することにより作製することができる。なお、一端のヒートシールは、内容物充填後に行う。
一実施形態において、包装体は、図4に示すように、ジッパーテープ104を備えることができる。
図5に示すように、ジッパーテープ104は、包装体の一方の内面に取り付けられた雄型105と、包装体の他方の内面に、雄型105に対向するように取り付けられた雌型106と、を備える。
雄型105及び雌型106は、互いに嵌合可能に構成されている。この場合、雄型105と雌型106とを嵌合させることにより、開封後の包装体100を再び封止することができる。また、雄型105と雌型106との嵌合を外すことにより、内容物を再び取り出すことができる。
一実施形態において、包装体は、ヒートシール部の任意の箇所に、貫通孔107を備える。これにより、包装体に内容物を充填した、商品を吊し販売することが可能となる。
ヒートシールの方法は、特に限定されるものではなく、例えば、バーシール、回転ロールシール、ベルトシール、インパルスシール、高周波シール、超音波シール等の公知の方法で行うことができる。
また、一実施形態において、包装体は、図6に示すように、胴部及び底部を備えるスタンドパウチ状の形状を有する。
スタンドパウチ状の包装体は、上記積層体のシーラント層が内側となるように、筒状にヒートシールすることにより、胴部を形成し、次いで、さらにもう1枚の積層体をシーラント層が内側となるように、V字状に折り、胴部の一端から挟み込み、ヒートシールすることにより底部を形成し、製造することができる。
包装体に充填される内容物は、特に限定されるものではなく、内容物は、液体、粉体及びゲル体であってもよい。また、食品であっても、非食品であってもよい。
次に実施例を挙げて、本開示をさらに詳細に説明するが、本開示は、これら実施例に限定されるものではない。
実施例1−1
基材として、一方の面がコロナ処理された、厚さ25μmの2軸延伸ポリプロピレン(PP)フィルム(フタムラ化学(株)製、商品名:FOR)を準備した。
該基材のコロナ処理面に、グラビア印刷法により、印刷層を形成した。
基材の印刷層形成面に、紫外線カットインクA(大日精化工業(株)製、ラミックF220 UVレヂウサー、一次粒子径15nmの酸化チタン粒子含有(5〜10質量%))をグラビア印刷法により、塗布、乾燥し、厚さ1μmの紫外線バリア層を形成した。
一方の面に厚さ25nmのアルミニウム蒸着膜を備える未延伸PPフィルム(東レ加工フィルム(株)製、商品名:2703、厚さ:25μm)を準備した。
上記紫外線バリア層と、上記未延伸PPフィルムの蒸着面とを、2液硬化型接着剤(DIC(株)製、商品名:PASLIM NS−680A/HA−680B)を介して積層した。なお、該2液硬化型接着剤により形成されたバリア性接着剤層の厚さは、2μmであった。積層後、40℃で2日間エージング処理し、積層体を得た。このようにして得られた積層体におけるPPの割合は、94質量%であった。
実施例1−2
紫外線バリア層の形成に使用した紫外線カットインクAを、紫外線カットインクB(大日精化工業(株)製、NB300 UVレヂウサー(NT)、一次粒子径25nmの酸化亜鉛粒子含有(15〜25質量%))に変更した以外は、実施例1−1と同様にして、積層体を得た。
実施例1−3
紫外線バリア層の形成に使用した紫外線カットインクAを、紫外線カットインクC(大日精化工業(株)製、SP−V AP−UVコート剤、有機紫外線吸収剤含有)に変更した以外は、実施例1−1と同様にして、積層体を得た。
比較例1−1
紫外線バリア層を設けなかった以外は、実施例1−1と同様にして積層体を作製した。
<<波長280nm〜320nmの透過率測定>>
上記実施例及び比較例において得られた積層体の波長280nm〜320nmの透過率を、JIS K7361−1に準拠して、積分球付き可視紫外吸光光度計(JASCO V−660 Spectrometer)を用いて測定した。測定結果を図7に示す。図7に示されるように、本発明の積層体の波長280nm〜320nmの透過率は1%以下であることがわかる。
<<酸素バリア性試験>>
上記実施例及び比較例において得られた積層体をA4サイズにカットし、米国MOCON社製OXTRAN2/20を使用し、23℃、相対湿度90%の環境下での酸素透過度(cc/m2・day・atm)を測定した。測定結果を表1にまとめた。
<<水蒸気バリア性試験>>
上記実施例及び比較例において得られた積層体をA4サイズにカットし、米国MOCON社製PERMATRAN3/31を使用し、40℃、相対湿度90%の環境下での水蒸気透過度(g/m2・day)を測定した。測定結果を表1にまとめた。
Figure 2021142686
実施例2−1
基材として、一方の面がコロナ処理された、厚さ25μmの2軸延伸ポリプロピレン(PP)フィルム(フタムラ化学(株)製、商品名:FOR)を準備した。
該基材のコロナ処理面に、大日精化(株)製のラミックFB701シロ(一次粒子径200〜400nmの酸化チタン粒子含有(25〜35質量%))を用いてグラビア印刷法により、印刷層を形成した。
印刷層は基材の全面に形成し、その厚さは1μmであった。
基材の印刷層形成面に、紫外線カットインクA(大日精化工業(株)製、ラミックF220 UVレヂウサー、一次粒子径15nmの酸化チタン粒子含有(5〜10質量%))をグラビア印刷法により、塗布、乾燥し、厚さ1μmの紫外線バリア層を形成した。
一方の面に厚さ40nmのアルミニウム蒸着膜を備える未延伸PPフィルム(東レ加工フィルム(株)製、商品名:2703、厚さ:25μm)を準備した。
上記紫外線バリア層と、上記未延伸PPフィルムの蒸着面とを、2液硬化型接着剤(DIC(株)製、商品名:PASLIM NS−680A/HA−680B)を介して積層した。なお、該2液硬化型接着剤により形成されたバリア性接着剤層の厚さは、2μmであった。積層後、40℃で2日間エージング処理し、積層体を得た。このようにして得られた積層体におけるPPの割合は、92質量%であった。
実施例2−2
紫外線バリア層の形成に使用した紫外線カットインクAを、紫外線カットインクB(大日精化工業(株)製、NB300 UVレヂウサー(NT)、一次粒子径25nmの酸化亜鉛粒子含有(15〜25質量%))に変更した以外は、実施例2−1と同様にして、積層体を得た。
<<波長280nm〜320nmの透過率測定>>
上記実施例及び比較例において得られた積層体の波長280nm〜320nmの透過率を、JIS K7361−1に準拠して、積分球付き可視紫外吸光光度計(JASCO V−660 Spectrometer)を用いて測定した。測定結果を図8および9に示す。図8および9に示されるように、本発明の積層体の波長280nm〜320nmの透過率は1%以下であることがわかる。
また、紫外線バリア層に加え、紫外線散乱粒子を含む印刷層を設けた実施例2−1及び2−1は、実施例1−1及び1−2に比べ、紫外線バリア性がより向上していることがわかる。
<<酸素バリア性試験>>
上記実施例及び比較例において得られた積層体をA4サイズにカットし、米国MOCON社製OXTRAN2/20を使用し、23℃、相対湿度90%の環境下での酸素透過度(cc/m2・day・atm)を測定した。測定結果を表1にまとめた。
<<水蒸気バリア性試験>>
上記実施例及び比較例において得られた積層体をA4サイズにカットし、米国MOCON社製PERMATRAN3/31を使用し、40℃、相対湿度90%の環境下での水蒸気透過度(g/m2・day)を測定した。測定結果を表2にまとめた。
Figure 2021142686
10:積層体、11:基材、12:バリア性接着剤層、13:シーラント層、14:蒸着膜、15:紫外線バリア層、16:印刷層、100:包装体、101:背シール部、102:上側シール部、103:下側シール部、104:ジッパーテープ、105:雄型、106:雌型、107:貫通孔

Claims (13)

  1. 基材と、バリア性接着剤層と、シーラント層と、を備える積層体であって、
    前記基材と前記バリア性接着剤層との間、及び前記バリア性接着剤層と前記シーラント層との間の少なくとも一方の層間に、蒸着膜をさらに備え、
    任意の箇所に紫外線バリア層をさらに備え、
    前記バリア性接着剤層が、1分子中に水酸基を2個以上有する樹脂と、1分子中にイソシアネート基を2個以上有するイソシアネート化合物を含む、樹脂組成物の硬化物により構成され、
    前記基材及び前記シーラント層が同一のポリオレフィンを含み、
    波長280nm〜320nmの透過率が、1%以下である、積層体。
  2. 前記基材及び前記シーラント層に含まれる前記同一のポリオレフィンが、ポリエチレン又はポリプロピレンである、請求項1に記載の積層体。
  3. 前記積層体における前記同一のポリオレフィンの含有量が、90質量%以上である、請求項1又は2に記載の積層体。
  4. 前記紫外線バリア層が、前記基材のバリア性接着剤層側表面に形成されたものである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の積層体。
  5. 前記紫外線バリア層の厚さが、0.3μm以上5μm以下である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の積層体。
  6. 前記紫外線バリア層が、紫外線散乱粒子を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の積層体。
  7. 前記紫外線散乱粒子の一次平均粒子径が、5nm以上50nm以下である、請求項6に記載の積層体。
  8. 前記紫外線バリア層における前記紫外線散乱粒子の含有量が、3質量%以上35質量%以下である、請求項6または7に記載の積層体。
  9. 前記紫外線バリア層が、有機紫外線吸収剤を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の積層体。
  10. 前記蒸着膜が、無機酸化物により構成される透明蒸着膜であり、前記基材と前記バリア性接着剤層との間に設けられる、請求項1〜9のいずれか一項に記載の積層体。
  11. 前記蒸着膜が、金属により構成され、前記バリア性接着剤層と前記シーラント層との間に設けられる、請求項1〜9のいずれか一項に記載の積層体。
  12. 請求項1〜11のいずれか一項に記載の積層体から構成される、包装体。
  13. ピロー袋である、請求項12に記載の包装体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2022071248A1 (ja) * 2020-09-29 2022-04-07 凸版印刷株式会社 包装材、包装袋及び包装体

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