JP2021142238A - 医療器具、医療器具セットおよび医療器具の操作方法 - Google Patents

医療器具、医療器具セットおよび医療器具の操作方法 Download PDF

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Abstract

【課題】病変部等への通過性が良好な医療器具を提供する。【解決手段】本発明に係る医療器具100は、先端部11を備え、生体管腔に挿入可能な第1シャフト部材10と、第1シャフト部材を収容し、第1シャフト部材に対して相対的に進退移動可能に構成されるとともに長手方向Xにおける基端側に先端部21を備える第2シャフト部材20と、先端部11と先端部21に取り付けられ、第1シャフト部材に対する第2シャフト部材の長手方向における位置に応じて径方向rに拡張収縮可能なワイヤ状の拡張部材30と、を有し、拡張部材は長手方向における先端側に鋭利なエッジE1を備え、エッジは収縮状態において拡張部材に対して径方向外側に向かって尖っている。【選択図】図1

Description

本発明は、医療器具、医療器具セットおよび医療器具の操作方法に関する。
静脈瘤や動脈硬化等の症状に対する手技において病変部に存在する物質を取り除いたり、亀裂等を形成したりして病変部にダメージを与えるように構成された医療器具がある。
病変部にダメージを与える従来の医療器具には、一例として病変部にダメージを与える剥離バーが膨張状態と非膨張状態に変化しうる高分子バルーンを備えることが開示されている(特許文献1参照)。
特表2003−504090号公報
本発明者は、特許文献1のような技術に関連した病変部に亀裂等を形成する医療器具において、バルーン部分が硬くなったり、器具のプロファイルが比較的大きくなったりする事項等が病変部への通過性に与える影響について鋭意検討している。
そこで本発明は、病変部等への通過性が良好な医療器具を提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明の一態様に係る医療器具は、第1シャフト部材と、第2シャフト部材と、拡張部材と、を有する。第1シャフト部材は、第1先端部を備え、生体管腔に挿入可能に構成している。第2シャフト部材は、第1シャフト部材を収容し、第1シャフト部材に対して相対的に進退移動可能に構成されると共に第1先端部よりも長手方向における基端側に位置する第2先端部を備えるように構成している。拡張部材は、第1先端部と第2先端部に取り付けられ、第1シャフト部材に対する第2シャフト部材の長手方向における位置に応じて径方向に拡張収縮可能であってワイヤ状に構成している。拡張部材は、長手方向における先端側に鋭利なエッジを備える。当該エッジは、収縮状態において拡張部材に対して径方向外側に向かって尖るように構成している。
また、本発明の一態様は上記医療器具と上記医療器具を生体管腔に送達させるデリバリーカテーテルとを含む医療器具セットである。
さらに、本発明の一態様は上記医療器具の操作方法であって、上記医療器具の拡張部材を生体管腔における目的部位に移動させる。そして、第1先端部と第2先端部とを離間した状態から接近した状態となるように第1シャフト部材と第2シャフト部材を長手方向に相対的に接近させて拡張部材を径方向における外方に拡張させる。そして、目的部位に対して拡張部材のエッジを当接させて、押し込む。
本発明に係る医療器具および医療器具セットは、上記のように構成しているため、病変部等への通過性を良好にすることができる。
本発明の一実施形態に係る医療器具とデリバリーカテーテルとを示す斜視図である。 図1の側面図である。 医療器具を構成する拡張部材の先端側において長手方向と交差する断面図である。 医療器具を構成する拡張部材の基端側において長手方向と交差する断面図である。 図1に示すデリバリーカテーテルを長手方向から見た図である。 医療器具を用いた手技について示すフローチャートである。 医療器具をデリバリーカテーテルとともに病変部の近傍まで移動させる(デリバリーする)様子を示す図である。 図7に示す状態からデリバリーカテーテルを医療器具に対して相対的に基端側に移動させた状態を示す図である。 図8に示す状態から第2シャフト部材を第1シャフト部材に対して先端側に移動させた状態を示す図である。 図9に示す状態から第2シャフト部材を第1シャフト部材に対してさらに先端側に移動させた状態を示す図である。 図10に示す状態から第2シャフト部材を第1シャフト部材に対してさらに先端側に移動させた状態を示す図である。 図11に示す状態からデリバリーカテーテルを医療器具に対して先端側に移動させた状態を示す図である。 図12に示す状態からデリバリーカテーテルの第2ルーメンにガイドワイヤを挿通させた状態を示す図である。 図13に示す状態からデリバリーカテーテルの第2ルーメンにバルーンカテーテルを挿通させた状態を示す図である。 図14に示す状態からデリバリーカテーテルの第2ルーメンに配置したバルーンカテーテルのバルーンを拡張させた状態を示す図である。 医療器具の変形例を示す斜視図である。 図16に係る医療器具を構成する拡張部材を先端側から見た図である。 医療器具の変形例に係る拡張部材の先端側を長手方向と交差する位置にて切断した断面図である。 医療器具の変形例に係る拡張部材を示す斜視図である。
以下、添付した図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。なお、以下の記載は特許請求の範囲に記載される技術的範囲や用語の意義を限定するものではない。また、図面の寸法比率は説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
なお、以下では図面に座標系を示す。直交座標系のXは医療器具の長手方向に沿い、長手方向Xと称する。Y、Zは長手方向Xと交差する面であって、平面方向YZと称する。
円筒座標系のrは、平面方向YZに沿い、医療器具の第1シャフト部材等の中心から径方向または放射方向に延びる方向であって、径方向rと称する。θは第1シャフト部材等の長手方向Xと交差する平面方向YZにおいて第1シャフト部材等の周方向または角度方向に沿い、周方向θと称する。
本実施形態に係る医療器具セット1は、動脈硬化等のように血管等の少なくとも一部が石灰化してできた病変部に対する処置等の際に使用することができる。
図1を参照して医療器具セット1は、医療器具100と、デリバリーカテーテル200と、を有する。
(医療器具)
医療器具100は、図1に示すように第1シャフト部材10と、第2シャフト部材20と、拡張部材30と、膜部材40と、を備える。
(第1シャフト部材)
第1シャフト部材10は先端部11(第1先端部に相当)を備え、長尺状に構成している。第1シャフト部材10は、長手方向Xにおける先端部11を生体管腔に挿入可能に構成している。ここで、先端部とは長尺状の部材において生体管腔に挿入される側のことを意味し、基端部とは長手方向Xにおいて先端と反対の部位を意味する。
第1シャフト部材10の先端部11には拡張部材30の先端側を固定している。第1シャフト部材10は、図2に示すように基端部12を医療従事者等が把持する把持部として構成している。また、第1シャフト部材10は、後述するようにガイドワイヤによって生体管腔にデリバリーする際のガイドワイヤを挿通可能な内部ルーメンを備えるように中空に構成することができる。第1シャフト部材10は、本実施形態において金属等の部材を長手方向Xにらせん状に延在するように構成しているが、これに限定されない。
(第2シャフト部材)
第2シャフト部材20は、第1シャフト部材10と同様に長尺状に構成している。第2シャフト部材20は、中空状に構成し、第2シャフト部材20の内部ルーメンに第1シャフト部材10を収容(挿通)可能に構成している。
第2シャフト部材20の先端部21(第2先端部に相当)は、第2シャフト部材20の内部ルーメンに第1シャフト部材10を配置した状態において先端部11よりも長手方向Xの基端側に配置している。第2シャフト部材20は、第1シャフト部材10に対して長手方向Xに相対的に進退移動ができるように構成している。
第2シャフト部材20の先端部21には、図2に示すように拡張部材30の基端側を固定している。第2シャフト部材20の基端部22は、医療従事者等が把持する把持部として構成している。
(拡張部材)
拡張部材30は、第1シャフト部材10の先端部11と第2シャフト部材20の先端部21に取り付けて構成している。拡張部材30は、図1等に示すように周方向θに間隔をあけて配置した複数のワイヤを備える。
拡張部材30のワイヤは、第1シャフト部材10の先端部11と第2シャフト部材20の先端部21の位置に応じて径方向rに拡張収縮可能に変位する。すなわち、第1シャフト部材10の先端部11と第2シャフト部材20の先端部21が図8に示すように拡張部材30のワイヤの全長程度に離間している場合、拡張部材30のワイヤは第1シャフト部材10とほぼ同様に延在するように位置する。
一方、先端部11と先端部21とが離間した状態から接近した状態となるように第2シャフト部材20を第1シャフト部材10に対して移動させることによって、拡張部材30は径方向rの外方に拡張するように変形する。すなわち、先端部11と先端部21の距離が拡張部材30のワイヤの全長よりも短い場合、少なくとも拡張部材30のワイヤは所定の距離までは先端部11と先端部21が近づくほど、図1等に示すように径方向rの外方に広がるように変形する。
拡張部材30のワイヤは、本実施形態において図2に示すように先端側ワイヤ31と、長手方向Xに交差する断面形状が先端側ワイヤ31と異なる基端側ワイヤ32と、を備えるように構成している。
先端側ワイヤ31は、拡張部材30のワイヤの中でも第1シャフト部材10の先端部11から中間部Mにかけての部位に相当する。拡張部材30のワイヤは、図2等に示すように先端部11と先端部21とを接近させると、長手方向Xにおいて先端部11と先端部21の間の部位が径方向rの外方に変位するように変形する。
ここで中間部Mとは、第1シャフト部材10の先端部11と第2シャフト部材20の先端部21との間において拡張部材30のワイヤが特に径方向rの外方に変位する部位を意味する。中間部Mは特に限定されないが、先端部11から先端部21までの距離の略半分に相当する位置と構成できるが、これに限定されない。拡張部材30は中間部Mを境界として長手方向Xにおいて先端側と基端側とに区別しうる。
先端側ワイヤ31は、図3に示すように長手方向Xと交差する断面形状を多角形、具体的には三角形、さらに具体的に言えば正三角形として構成している。
三角形を構成する頂点の一つは、生体管腔に導入した際に石灰化した病変部Lに当接し、押し込まれる等することによって病変部L等に亀裂またはひびを形成しうる鋭利なエッジE1として使用することができる。
エッジE1は、拡張部材30の長手方向Xにおいて中間部Mよりも先端側に位置する先端側ワイヤ31に設けている。エッジE1は、図3に示すように拡張状態において径方向rの外方に位置するように配置している。
ここでエッジE1が「径方向rにおける外方に位置する」とは、三角形の頂点に相当するエッジE1が三角形(多角形)の頂点の中でも第1シャフト部材10の中心CL(図3参照)から最も近い頂点以外の頂点であることを意味する。
言い換えれば、エッジE1は必ずしも図3に示す長手方向Xに交差する断面において中心CLを通過して径方向rの外方を向いていなくてもよく、エッジE1が多角形の頂点の中で中心CLから最も近い頂点でさえなければよい。このように構成することによって、後述する病変部Lに対する処置において拡張部材30を病変部Lに当接させて押し込むことによって病変部Lに亀裂またはひびを形成しうる。また、エッジE1は収縮状態において拡張部材30に対して径方向rの外側に向かって尖るように構成している(図7、図8参照)。
基端側ワイヤ32は、拡張部材30のワイヤの中でも第2シャフト部材20の先端部21から拡張部材30のワイヤの中間部Mにかけての部位に相当する。基端側ワイヤ32は、図4に示すように長手方向Xと交差する断面形状を円形状、具体的には楕円状に構成している。ただし、基端側ワイヤ32の形状は楕円に限定されず、上記以外にも真円であったり、円以外の曲線によって構成してもよい。
このように構成することによって、後述するように病変部Lの処置の際にバルーンカテーテルのバルーンBを近傍に配置してもバルーンBを傷つけないようにすることができる。
また、先端側ワイヤ31と基端側ワイヤ32の断面形状は、本実施形態において連続的に正三角形から楕円形状に変化するように構成している。ただし、拡張部材30によって病変部Lに傷またはひびを形成することができ、バルーンカテーテルと接触しうる部位が楕円等の角を有さない形状であれば、断面形状の変化は上記に限定されない。上記以外にも断面形状の変化はある一か所において三角形等の角を含む形状から楕円等の角を含まない形状に急に変化してもよいし、段階的に変化するように構成してもよい。
拡張部材30のワイヤは、本実施形態において螺旋を描くように延在する。ここで、本明細書における「螺旋」とは、拡張部材30のワイヤの各部位が拡張時において長手方向Xに移動するにつれて周方向θと径方向rの位置が変位するような形状を意味する。
拡張部材30の材料は特に限定されないが、形状記憶合金等を挙げることができる。具体的に言えば、Ni−Ti合金、Cu−Al−Ni合金、Cu−Zn−Al合金等を挙げることができる。
(膜部材)
膜部材40は、拡張部材30の基端側から長手方向Xにおいて拡張部材30の中間部Mの途中にかけて取り付けるように構成している。膜部材40は、本実施形態において拡張部材30における基端側ワイヤ32に設けられる。
膜部材40は、基端側ワイヤ32の径方向rの比較的内方に配置するように構成している。膜部材40は、基端側ワイヤ32に取り付けるように構成することによって拡張部材30を径方向rの外方に拡張させやすくするように拡張部材30のワイヤを基端側から支持する。
ただし、膜部材40は、拡張部材30が径方向rに変位する際に拡張部材30の径方向rへの拡張を支持でき、後述するバルーンカテーテルのガイドワイヤGの配置を妨げなければ上記に限定されない。上記以外にも膜部材40は、基端側ワイヤ32だけでなく、先端側ワイヤ31においてエッジE1が露出するように径方向rの内側に配置してもよい。また、膜部材40は先端側ワイヤ31にのみ配置してもよい。膜部材40は、例えば透明な樹脂等の材料によって構成することができる。
(デリバリーカテーテル)
デリバリーカテーテル200は、医療器具100を生体管腔に送達させる際に使用される。デリバリーカテーテル200は、図1に示すように長尺状に構成し、図5に示すように第1ルーメン210と、第2ルーメン220と、を備えるように構成している。第1ルーメン210と第2ルーメン220は平面方向YZにおいて軸が異なり、連通しないように設けている。
第1ルーメン210と第2ルーメン220には一方に医療器具100等の治療デバイスを挿通させ、他方に拡張流体の給排によってバルーンBを拡張収縮可能なバルーンカテーテル等の他の医療器具を挿通させることができる。バルーンカテーテル等の他の医療器具を用いない場合、デリバリーカテーテル200のルーメンは、1つでもよい。
(操作方法)
次に本実施形態に係る医療器具100の操作方法について説明する。図6は医療器具100の操作方法について説明するフローチャート、図7から図15は医療器具100の操作方法の説明に供する図である。医療器具100の操作方法は石灰化した病変部Lに亀裂またはひびを形成する際等に利用することができる。
医療器具100の操作方法は、図6に係るフローチャートを用いて概説すれば、まず医療器具100の拡張部材30を生体管腔の病変部Lまで移動させる(S1)。そして、拡張部材30を拡張させる(S2)。そして、拡張部材30を病変部Lに当接させ、押し込む(S3)。以下、詳述する。
医療従事者等の使用者は、セルジンガ−法等により図示しないイントロデューサー等を経皮的に生体血管に穿刺する。そして、イントロデューサーからガイドワイヤーとガイディングカテーテルを生体管腔に挿入し、病変部Lまで移動させる(S1)。
次に、医療従事者は医療器具100をデリバリーカテーテル200の第1ルーメン210に挿入し、その状態で医療器具100の第1シャフト部材10の内部ルーメンにガイドワイヤの後端を挿通させる。そして、医療従事者は、医療器具100をガイドワイヤに沿わせ、ガイディングカテーテル内をデリバリーカテーテル200とともに移動させ、第1シャフト部材10の先端部11を病変部Lの近傍に移動させる(図7参照)。これにより、医療器具100の拡張部材30が生体管腔における目的部位の近傍に配置され得る。
第1シャフト部材10の先端部11が病変部Lの近傍に到達したことを確認できたら、医療従事者はデリバリーカテーテル200を医療器具100に対して基端側に移動させる。これにより、デリバリーカテーテル200によって包囲されていた拡張部材30が生体管腔に露出される(図8参照)。
拡張部材30が生体管腔に露出した状態となったら、医療従事者は第2シャフト部材20を第1シャフト部材10に対して相対的に離間した状態から接近させるように移動させる。本実施形態では第2シャフト部材20を第1シャフト部材10に対して遠位側に移動させる。
これにより、第2シャフト部材20の先端部21が第1シャフト部材10の先端部11に対して離間した状態から接近した状態となる。その結果、拡張部材30のワイヤの形状が図9、図10に示すように変形して拡張部材30の中間部Mの付近の形状が径方向rの外方に変位するように拡張する(S2)。
医療従事者は、拡張部材30のワイヤのエッジE1によって病変部Lに亀裂またはひびを形成できるように、図11に示すように第2シャフト部材20を第1シャフト部材10に対して十分に遠位側に移動させる。この状態において拡張部材30は、特に先端部11および先端部21近傍における拡張部材30の内表面同士が接触するか、またはほぼ接触する状態まで拡張し得る。
第2シャフト部材20に対して第1シャフト部材10を十分に押しこんだら、医療従事者は拡張部材30のワイヤのエッジE1を病変部Lに当接させ、押し込むように操作する。拡張部材30のエッジE1は比較的鋭利に形成されているため、この動作によって病変部Lに亀裂またはひびが形成され得る(S3)。
なお、拡張部材30を病変部Lに当接させる際にエッジE1と病変部Lとの周方向θにおける位置を調整するために拡張部材30を回転させたうえで拡張部材30を病変部Lに当接させて押し込んでもよい。
上記動作によっても病変部Lに亀裂またはひびを形成できない場合(S4:NO)、医療従事者は拡張部材30の支持力を増大させたうえで拡張部材30を病変部Lに当接させて押し込む(S5)。
具体的な方法として、医療従事者は図12に示すようにデリバリーカテーテル200を遠位側に押し込んだ状態において医療器具100をデリバリーカテーテル200とともに遠位側に押し込むように操作する。
これにより、デリバリーカテーテル200の押し込みが拡張部材30の支持力を増大させ、拡張部材30が病変部Lに押し込まれても拡張部材30の形状がさらに変形しにくくなり、病変部Lに亀裂やひびがより形成されやすくなりうる。
デリバリーカテーテル200とともに医療器具100を押し込んでも病変部Lに亀裂またはひびを形成できない場合(S4:NO)、医療従事者は拡張部材30の支持力を増大させる別の方法があれば試みる。
具体的には、医療従事者は図13に示すようにデリバリーカテーテル200の第2ルーメン220にガイドワイヤGを挿通させる。このとき、ガイドワイヤGは拡張した拡張部材30の中でも膜部材40の配置されていない径方向rの外方を狙うことで拡張部材30を通過し、病変部Lの近傍まで配置することができる。
ガイドワイヤGを病変部Lの近傍に配置したら、図14に示すようにガイドワイヤGに沿って公知のバルーンカテーテルを拡張部材30の基端側まで移動させる。バルーンカテーテルのバルーンBを基端側に配置したら、バルーンカテーテルのバルーンBに拡張流体を供給してバルーンBを図15に示すように拡張させる。
これにより、バルーンBは拡張部材30の基端側ワイヤ32に当接しうる。拡張部材30の基端側ワイヤ32がバルーンBに当接することによって拡張部材30を病変部Lに当接させても拡張部材30が拡張した形状をさらに維持しやすくすることができる。これにより、病変部Lに亀裂やひびを形成する可能性をより向上させることができる。
上記操作によっても病変部Lに亀裂またはひびを形成できた場合(S4:YES)、医療従事者は第2シャフト部材20を第1シャフト部材10に対して相対的に近位側に牽引する。これにより、第1シャフト部材10の先端部11と第2シャフト部材20の先端部21とを長手方向Xに離間させる。
その結果、拡張部材30が径方向rに拡張した状態から図8に示すように第1シャフト部材10等の軸に向かって径方向rの内方に変位するように縮径する。医療器具100は拡張部材30を図7に示すようにデリバリーカテーテル200の第1ルーメン210に収納した状態で生体管腔から抜去してもよいし、第1ルーメン210に収納しない状態で生体管腔から抜去してもよい。
以上説明したように本実施形態に係る医療器具100は第1シャフト部材10と第2シャフト部材20と、拡張部材30と、を有する。
第1シャフト部材10は先端部11を備え、生体管腔に挿入可能に構成している。第2シャフト部材20は、第1シャフト部材10を収容し、第1シャフト部材10に対して相対的に進退移動可能に構成すると共に、先端部11よりも長手方向Xにおける基端側に位置する先端部21を備えるように構成している。
拡張部材30は、先端部11と先端部21に取り付けられ、第1シャフト部材10に対する第2シャフト部材20の位置に応じて径方向rに拡張収縮可能なワイヤを有するように構成している。
拡張部材30は、長手方向Xにおける先端側に鋭利なエッジE1を備え、エッジE1は収縮状態において拡張部材30に対して径方向rの外側に向かって尖るように構成している。
このように構成することによって拡張部材30の外形を比較的小さくして医療器具100の生体管腔に対する通過性を良好にすることができる。また、拡張部材30はバルーン等の部材を備えていないため、生体管腔における屈曲部への追従性を良好にしたり、医療器具100の特に先端側におけるプロファイルを小さくしたりすることができる。
また、拡張部材30の基端側ワイヤ32には膜状の膜部材40を取り付けるように構成している。このように構成することによって、第2シャフト部材20を第1シャフト部材10に対して遠位側に移動させた際に拡張部材30の中間部Mが径方向rの外方に向かって変位するように拡張部材30の基端側を支持することができる。
また、拡張部材30は長手方向Xにおいて螺旋を描くように延在している。このように構成することによって、拡張部材30を病変部Lに当接させて石灰化した病変部L等に亀裂またはひびを形成しやすくしうる。
また、拡張部材30は、拡張部材30の内表面同士が接触するか、またはほぼ接触する状態まで拡張する。このように構成することによって、拡張部材30を病変部Lに当接させても拡張部材30が病変部Lの剛性によって後退することを防止または抑制し、病変部Lに亀裂またはひびを形成しうる。
拡張部材30は先端側ワイヤ31における長手方向Xに交差する断面形状が三角形となるように構成している。このように構成することによって、拡張部材30に鋭利なエッジE1を形成して病変部L等に亀裂またはひびを形成しうる。
また、拡張部材30は、先端側ワイヤ31の断面形状を正三角形に構成している。このように構成することによって、拡張部材30に鋭利なエッジE1を形成して病変部L等に亀裂またはひびを形成しうる。
また、拡張部材30は、基端側ワイヤ32の長手方向Xに交差する断面形状を楕円形状に構成している。このように構成することによって、拡張部材30が拡張した状態の支持にバルーンカテーテルを利用する際にバルーンカテーテルのバルーンBと接し得る部位でバルーンBがラプチャー等することを防止することができる。
また、医療器具セット1は、医療器具100と、デリバリーカテーテル200と、を含む。デリバリーカテーテル200は、長尺状に構成し、医療器具100を挿入可能な第1ルーメン210と、流体の給排によって拡張収縮可能なバルーンカテーテルを挿通可能な第2ルーメン220とを設けるように構成している。
このように構成することによって、仮に拡張部材30による病変部Lへの押し込み力が不足していた際にも拡張部材30の近傍にバルーンカテーテルのバルーンBを配置して拡張部材30が拡張した状態を支持しうる。
また、本実施形態に係る医療器具100を用いる手技では医療器具100の拡張部材30を生体管腔における目的部位である病変部Lの近傍に移動させる。そして、先端部11と先端部21とが離間した状態から接近した状態となるように第1シャフト部材10と第2シャフト部材20を長手方向Xに相対的に接近させて拡張部材30を径方向rの外方に拡張させる。そして、目的部位である病変部Lに対して拡張部材30のエッジE1を当接させて押し込むように構成している。
このように構成することによって、生体管腔の病変部L等を通過しやすい拡張部材30を病変部Lに押し当てて病変部L等に亀裂またはひびを形成することができる。
なお、本発明は上述した実施形態にのみ限定されず、特許請求の範囲において種々の変更が可能である。図16、図17は変形例に係る医療器具セット1aを示す斜視図、正面図である。なお、デリバリーカテーテル200は上記と同様であるため、説明を省略する。
上記では拡張部材30が拡張時に径方向r、周方向θに変位しつつ長手方向Xに変位する、いわゆる螺旋形状を備えると説明したが、これに限定されない。
上記以外にも医療器具100aの拡張部材30aは、図16、図17に示すように拡張時に中間部が径方向rに変位するが、周方向θには変位しないように長手方向Xに延在させてもよい。拡張部材30aは、拡張部材30と同様に先端側の断面形状を、エッジE2を備える三角形で構成し、基端側の断面形状を円形状によって構成している。
このように構成することによっても石灰化した病変部Lに亀裂またはひびを形成しうる。
また、上記では拡張部材30のワイヤ形状の断面が先端側と基端側とで異なると説明したが、これに限定されない。
上記以外にも医療器具100bは、断面形状が先端側から中間部を超えて基端側にかけて真円または楕円等の円形状である第1部材30bに鋭利なエッジE3を設けた第2部材33を少なくとも先端側において接合または取り付けるように構成してもよい。
すなわち、本明細書における「拡張部材」とは図3、図4に示すように一部材で構成する場合だけでなく、図18、図19に示す第1部材30bと第2部材33、34のように複数の部材によって構成する場合をも含む。
図18に示す第1部材30bとエッジE3を備える第2部材33とは、接着剤を使用したり、溶接や融着を利用したりして接合することができる。
また、図19の医療器具100cにおいてエッジE4を備える第2部材34は第1部材30bを挿通可能な穴部34aを設けることによって第1部材30bに取り付けることができる。
また、上記では拡張部材30が長手方向Xにおける先端側と基端側とで断面形状が異なると説明したが、これに限定されない。病変部L等に亀裂またはひびを形成する際にバルーンカテーテルのバルーン等のようにラプチャーしうる医療器具を使用しなければエッジE1等は先端側から中間部Mまでだけでなく、基端側まで設けてもよい。
また、上記では拡張部材30を拡張させる際に第1シャフト部材10に対して第2シャフト部材20を先端側に移動させると説明したが、これに限定されない。
上記以外にも第2シャフト部材20に対して第1シャフト部材10を近位側に移動させることによって拡張部材30を径方向rの外方に拡張させ、その状態において病変部Lに医療器具100を押し込むように構成してもよい。
また、上記では医療器具100に加えてデリバリーカテーテル200を使用して病変部Lに処置を行う実施形態について説明したが、これに限定されない。上記以外にもデリバリーカテーテル200を使用せずに医療器具100、100a、100b、100c等を使用する場合も本発明の一実施形態に含まれる。その際にはバルーンカテーテルを使用してもよく、使用しなくてもよい。
1、1a 医療器具セット、
10 第1シャフト部材、
11 先端部(第1先端部)、
20 第2シャフト部材、
21 先端部(第2先端部)、
30、30a 拡張部材、
40 膜部材、
100 医療器具、
200 デリバリーカテーテル、
210 第1ルーメン、
220 第2ルーメン、
r 径方向、
X 長手方向、

Claims (9)

  1. 第1先端部を備え、生体管腔に挿入可能な第1シャフト部材と、
    前記第1シャフト部材を収容し、前記第1シャフト部材に対して相対的に進退移動可能に構成されると共に、前記第1先端部よりも長手方向における基端側に位置する第2先端部を備えた第2シャフト部材と、
    前記第1先端部と前記第2先端部に取り付けられ、前記第1シャフト部材に対する前記第2シャフト部材の前記長手方向における位置に応じて径方向に拡張収縮可能なワイヤ状の拡張部材と、を有し、
    前記拡張部材は、前記長手方向における先端側に、鋭利なエッジを備え、
    前記エッジは、収縮状態において前記拡張部材に対して径方向外側に向かって尖っている医療器具。
  2. 前記拡張部材の前記基端側に取り付けられる膜部材をさらに有する請求項1に記載の医療器具。
  3. 前記拡張部材は、前記長手方向において螺旋を描くように延在する請求項1または2に記載の医療器具。
  4. 前記拡張部材は、前記拡張部材の内表面同士が接触する又はほぼ接触する状態まで拡張する請求項1〜3のいずれか1項に記載の医療器具。
  5. 前記拡張部材は、前記長手方向に交差する断面形状が変化し、先端側の断面形状が三角形に形成される請求項1〜4のいずれか1項に記載の医療器具。
  6. 前記三角形は、正三角形である請求項5に記載の医療器具。
  7. 前記拡張部材は、前記長手方向に交差する断面形状が変化し、基端側の断面形状が楕円状に形成されている請求項1〜6のいずれか1項に記載の医療器具。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の医療器具と、前記医療器具を生体管腔に送達させるデリバリーカテーテルと、を含む医療器具セットであって、
    前記デリバリーカテーテルは、長尺状に構成され、前記医療器具を挿通可能な第1ルーメンと、流体の給排によって拡張収縮可能なバルーンを備えるバルーンカテーテルを挿通可能な第2ルーメンとが設けられる医療器具セット。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の医療器具の前記拡張部材を生体管腔における目的部位に移動させ、
    前記第1先端部と前記第2先端部とが離間した状態から接近した状態となるように前記第1シャフト部材と前記第2シャフト部材を前記長手方向に相対的に接近させて前記拡張部材を前記径方向における外方に拡張させ、
    前記目的部位に対して前記拡張部材の前記エッジを当接させて押し込む医療器具の操作方法。
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