JP2021139790A - 探傷方法及び探傷システム - Google Patents

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Abstract

【課題】被検体である鋼材を精度高く検査可能な探傷方法を提供すること。【解決手段】棒状の鋼材3に超音波信号を作用したときの反射波信号の強度分布を表す探傷信号を利用して鋼材3を検査する探傷方法は、超音波信号を作用する位置が鋼材3の断面において異なる複数の探傷信号を取得する処理と、複数の探傷信号が並列して含まれるマルチチャンネル信号を生成する処理と、マルチチャンネル信号に処理を施して鋼材3の欠陥を判定する処理と、を含み、学習済みの畳込みニューラルネットワークにマルチチャンネル信号を入力して鋼材3の欠陥を判定する探傷方法である。【選択図】図1

Description

本発明は、鋼材の探傷方法及び探傷システムに関する。
従来より、超音波を用いて鋼材の内部の欠陥を非破壊検査する探傷方法が実用されている。そして、この探傷方法を実現するための装置として、超音波を送信する探傷子を備える探傷装置が知られている(例えば特許文献1参照。)。空気などの気体中を伝搬する超音波は、鋼材の内部に入射することができない。そこで、下記の特許文献1に記載された探傷装置では、探傷子と鋼材とのカップリングのため、探傷子と鋼材との間隙に水などの液体が充填されている。
例えば下記の特許文献2には、被検体である鋼材に超音波信号を作用したときの反射波信号である探傷信号に閾値処理を施して鋼材の欠陥を判定する探傷方法が記載されている。この探傷方法では、探傷信号が予め設定された閾値を超える場合、鋼材に欠陥が存在すると判定される。
特開2019−194533号公報 特開2013−11526号公報
しかしながら、前記従来の探傷方法では、次のような問題がある。すなわち、探傷信号に閾値処理を施すのみでは、鋼材の欠陥の判定精度を十分に確保できないおそれがあるという問題がある。
本発明は、前記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、被検体である鋼材を精度高く検査可能な探傷方法及び探傷システムを提供しようとするものである。
本発明の一態様は、棒状の鋼材に超音波信号を作用したときの該鋼材の長手方向における反射波信号の強度分布を表す探傷信号を利用して鋼材を検査する探傷方法において、
超音波信号を作用する位置が鋼材の断面において異なる複数の探傷信号を取得する処理と、
複数の探傷信号が並列して含まれるマルチチャンネル信号を生成する処理と、
該マルチチャンネル信号に処理を施して鋼材の欠陥を判定する処理と、を含み
当該判定する処理は、学習済みの畳込みニューラルネットワークに前記マルチチャンネル信号を入力して鋼材の欠陥を判定する処理である探傷方法にある。
本発明の一態様は、棒状の鋼材に対して探傷子から超音波信号を作用したときの該鋼材の長手方向における反射波信号の強度分布を表す探傷信号を利用して鋼材を検査する探傷システムにおいて、
超音波信号を作用する位置が鋼材の断面において異なる複数の探傷信号を取得する探傷信号取得部と、
複数の探傷信号が並列して含まれるマルチチャンネル信号を生成する検査信号生成部と、
該マルチチャンネル信号に処理を施して鋼材の欠陥を判定する判定部と、
畳込みニューラルネットワークの学習値を記憶する記憶部と、を含み、
前記判定部は、前記記憶部が記憶する学習値がセットされた学習済みの畳込みニューラルネットワークに前記マルチチャンネル信号を入力して鋼材の欠陥を判定する探傷システムにある。
本発明の技術的特徴のひとつは、複数の探傷信号が並列するマルチチャンネル信号を生成し、学習済みの畳込みニューラルネットワークに入力することにある。複数の探傷信号を含むマルチチャンネル信号を学習済みの畳込みニューラルネットワークにより処理すれば、鋼材の欠陥を精度高く判定できる。
探傷システムの構成図。 鋼材を介して対向する探傷子を示す説明図。 鋼材を介して水平方向及び鉛直方向に対向する芯振れ計測部を示す説明図。 探傷信号取得部の構成図。 判定部の構成図。 探傷方法の手順を説明するフロー図。 探傷信号及び芯振れ信号を例示する図。 マルチチャンネル信号の構成信号の説明図。 マルチチャンネル信号の説明図。 畳込みニューラルネットワークによる処理手順の説明図。
本発明の実施の形態につき、以下の実施例を用いて具体的に説明する。
(実施例1)
本例は、棒状の鋼材3を検査するための探傷システム1S及び探傷方法に関する例である。この内容について、図1〜図10を用いて説明する。
探傷システム1Sは、図1の探傷装置1を利用して棒状の鋼材3を検査するシステムである。なお、本例の鋼材3は、鋳造された鋼片を圧延して製造される丸棒である。以下、被検体としての鋼材を丸棒3という。
図1に例示する探傷装置1は、複数の振動素子111(図2参照。)が配列された探傷子11を備えるフェーズドアレイ探傷用の装置である。この探傷装置1は、丸棒3を長手方向に送りながら探傷子11から超音波を作用して丸棒3を検査する。探傷子11と丸棒3との間隙には、カップリングのための水が充填されている。
探傷装置1は、丸棒3に超音波信号を作用する探傷子11に加えて、丸棒3の芯振れを計測する芯振れ計測部120、丸棒3を長手方向に進退可能に支持する架台121、丸棒3を長手方向に駆動する送り機構123、探傷信号取得部13、検査信号生成部15、判定部17、表示部18、及び制御部10を主たる構成要素として備えている。探傷装置1の各構成は、制御部10による制御により動作する。
架台121は、長手方向に進退可能な状態で、断面方向における丸棒3の位置を規制する支持部である。架台121は、丸棒3の長手方向において、探傷子11の両側に配設されている。送り機構123は、丸棒3を長手方向に前進させるための駆動力を作用する機構である。送り機構123としては、例えば、丸棒3の外周面に接触し、図示しないモータにより回転駆動されるゴムローラ123Rを含む機構を例示できる。
探傷装置1では、図2のごとく、被検体である丸棒3を挟んで対面するよう、共通仕様の2つの探傷子11が対向配置されている。探傷子11は、丸棒3の外周面に面する断面円弧状の内周面を有している。探傷子11では、この内周面に沿って複数の振動素子111が配列されている。
探傷子11は、一部の振動素子111が発信する超音波を合成して超音波ビームを形成する。探傷子11では、振動素子111の組合せや、各振動素子111の送信遅延や受信遅延など、の設定に応じて、超音波ビームの方向及び収束点を制御可能である。探傷装置1では、超音波ビームの方向及び収束点の制御により、超音波ビームを作用する位置を丸棒3の断面内で変更できる。丸棒3の外周面に対して直交する方向から超音波ビームを照射すれば、垂直探傷により丸棒3の内部の探傷が可能である。また、丸棒3の外周面に対して斜め方向から超音波ビームを照射すれば、斜角探傷により丸棒3の表層部分の探傷が可能である。
芯振れ計測部120(図3)は、丸棒3の芯振れ(位置ずれ)の度合いの計測手段である。芯振れ計測部120は、水平方向の芯振れを計測するセンサ120Hと、鉛直方向の芯振れを計測するセンサ120Vと、を含んでいる。センサ120Hは、基準位置に対する丸棒3の水平方向のずれを表す芯振れを計測する。センサ120Vは、基準位置に対する丸棒3の鉛直方向のずれを表す芯振れを計測する。芯振れ計測部120は、水平方向及び鉛直方向の2系統の芯振れ信号を出力する。芯振れ信号は、丸棒3の長手方向の各位置での芯振れの度合いを表す1次元の離散データ列である。
探傷信号取得部13(図4)は、パルサー131、レシーバー132、A/Dコンバータ134、及び信号キャプチャ部136を含めて構成されている。パルサー131は、振動素子111の制御信号であるパルス信号を発生する回路である。レシーバー132は、探傷子11を介して反射波信号を受信する回路である。A/Dコンバータ134は、アナログ信号である反射波信号の強度をA/D変換によりデジタルデータに変換する回路である。信号キャプチャ部136は、被検体である丸棒3の長手方向の各位置における反射波信号の強度分布を表す1次元信号(1次元の離散データ列)を、探傷信号としてキャプチャする回路である。
探傷信号取得部13は、丸棒3の表層部の探傷信号(2系統)、丸棒3の中心部の探傷信号、丸棒3の中間部の探傷信号を取得する。表層部については、丸棒3の外周面近傍の水泡の影響を受け易い。そこで本例では、丸棒3の中心部を挟んだ両側で、表層部の探傷信号をそれぞれ取得している。丸棒3の内部に皮下われや介在物などの欠陥がある場合、反射波信号である探傷信号の強度が大きくなる。
検査信号生成部15(図1)は、4系統の探傷信号と、2系統の芯振れ信号と、を組み合わせて6チャンネルのマルチチャンネル信号を生成する回路である。
判定部17(図5)は、被検体である丸棒3の欠陥を判定する回路である。判定部17は、丸棒3の欠陥を判定するための処理を実行する演算処理部170と、畳込みニューラルネットワークの学習値を記憶する記憶部172と、を含んで構成されている。演算処理部170では、畳込みニューラルネットワークがソフトウェア的に構築されている。この畳込みニューラルネットワークは、記憶部172が記憶する学習値が設定された学習済みの畳込みニューラルネットワークであり、検査信号生成部15が生成するマルチチャンネル信号に対応している。
記憶部172は、良品・欠陥品を含む多数の丸棒3に関する供試データを、畳込みニューラルネットワークに適用して得られた学習値を予め記憶している。供試データは、入力データである丸棒3のマルチチャンネル信号と、欠陥の判定結果と、の組合せを含む学習用のデータである。欠陥の判定結果には、欠陥無し(良品)の判定のほか、皮下われや皮下介在物などの欠陥有りの判定結果がある。
表示部18(図1)は、判定部17による判定結果を表示するための構成である。例えば液晶ディスプレイなどの表示部18は、生産工程を管理するための図示しないオペレーション室に設置される。生産工程の管理者等は、皮下われや介在物などの欠陥が表示部18に表示されたとき、検査中の丸棒3の抜き取りなどの措置をとると良い。なお、表示部18は、液晶ディスプレイに変えて、欠陥発生時に点灯する欠陥報知ランプであっても良い。視覚的に欠陥の発生を報知する表示部に代えて、欠陥の発生を報知する警報ブザーなどの報知手段を採用しても良い。
次に、以上のように構成された探傷システム1Sによるマルチチャンネル信号の生成手順、畳込みニューラルネットワークによる処理、について説明する。
(マルチチャンネル信号の生成手順)
マルチチャンネル信号の生成手順について、図6のフロー図を参照しながら説明する。検査信号生成部15は、探傷信号取得部13から上記4系統の探傷信号を取得すると共に(S101)、芯振れ計測部120から上記2系統の芯振れ信号を取得する(S102)。検査信号生成部15は、次の手順により、これら6系統の信号が並列するマルチチャンネル信号を生成する。
検査信号生成部15は、まず、上記の4系統の探傷信号、2系統の芯振れ信号を同期させる(S103)。図7は、同期状態の探傷信号及び芯振れ信号の例示である。同図の横軸は、丸棒3の長手方向を示している。横軸に付された数値の単位は、所定長さである。例えば数値ゼロは、丸棒の先端の位置を示している。また例えば数値600は、丸棒3の先端を基準として、所定長さの600倍の長さの分、長手方向にオフセットした位置を示している。同図は、所定長さの約930倍の長さの丸棒3について実測された探傷信号、芯振れ信号の例示である。
図7中のNo.1〜4の信号は、探傷信号であり、No.5、No.6の信号は、芯振れ信号である。同図中の縦軸は、信号種類によって異なる。探傷信号の縦軸は、信号の強度の度合いを表している。芯振れ信号の縦軸は、芯振れの大きさの度合いを表している。No.1、No.2の探傷信号は、丸棒3の表層部(外周面近傍)の欠陥に対応する探傷信号である。No.3の探傷信号は、丸棒3の中心部の欠陥に対応する探傷信号である。No.4の探傷信号は、丸棒3の表層部と中心部との中間部の欠陥に対応する探傷信号である。No.5の芯振れ信号は、基準位置からの水平方向のずれを表す芯振れ信号である。No.6の芯振れ信号は、基準位置からの鉛直方向のずれを表す芯振れ信号である。
検査信号生成部15は、図7のごとく、丸棒3の長手方向の対応位置が一致する同期状態で4系統の探傷信号を組み合わせる。また、丸棒3の長手方向の対応位置が一致する同期状態となるよう、探傷信号に対して2系統の芯振れ信号を組み合わせる。なお、探傷信号と芯振れ信号とで丸棒3の長手方向におけるサンプリング間隔が相違する場合、離散データ列からなる探傷信号を構成するデータ数と、同様の芯振れ信号を構成するデータ数と、が異なってくる。検査信号生成部15は、信号間でデータ数が不一致の場合、データ補間等により各信号のデータ数を一致させた上で、探傷信号と芯振れ信号を同期させる。
さらに、検査信号生成部15は、マルチチャンネル信号を生成する際の前処理として、探傷信号取得部13によって実測された探傷信号、及び芯振れ計測部120によって実測された芯振れ信号を加工している。具体的には、仮想区間設定部としての検査信号生成部15は、図8のごとく、丸棒3を長手方向に仮想的に延長した範囲に対応する仮想区間を、実測信号が占有する実測区間の両外側に設けている(S104)。詳しくは後述するが、この仮想区間は、畳込みニューラルネットワークに対するマルチチャンネル信号の親和性を高めるために有効に作用する。
ここで、図8は、離散データ列からなる信号の強度分布(大きさの分布)を例示する図である。同図中の実測区間は、探傷信号あるいは芯振れ信号の実測信号の区間である。実測区間は、被検体である丸棒3の長手方向の範囲に対応している。
仮想区間が設定された加工後の探傷信号及び芯振れ信号の全区間の長さは、被検体である丸棒3の全長(長手方向の長さ)に依らず一定である。一方、仮想区間の長さは、丸棒3の長手方向の長さに応じて異なる。丸棒3の全長が短いほど、仮想区間が長くなり、丸棒3の全長が長いほど、仮想区間が短くなる。つまり、本例の構成では、丸棒3の長さに依らず探傷信号及び芯振れ信号の全区間の長さが一定となるように、仮想区間の長さが調節される。仮想区間は、実測区間と仮想区間の境界に当たる鋼材の端部の位置を、畳込み演算により認識できるために十分な長さである必要がある。実測区間と仮想区間とを合わせた全区間の長さは、最も長い丸棒を検査する際にも、十分な長さの仮想区間を確保できるように設定すると良い。
検査信号生成部15は、4系統の探傷信号及び2系統の芯振れ信号にそれぞれ上記のように仮想区間を設定した後、丸棒3の長手方向の対応位置が一致する同期状態で並列する各信号を組み合わせることでマルチチャンネル信号を生成する(S105、図9)。このマルチチャンネル信号は、判定部17に入力され、丸棒3の欠陥が判定される(S106)。
(畳込みニューラルネットワークによる処理)
判定部17は、上記のように、検査信号生成部15が生成したマルチチャンネル信号を、畳込みニューラルネットワークが構築された演算処理部170に入力する。上記のごとく、演算処理部170による畳込みニューラルネットワークは、多数の丸棒3の供試データに基づく学習値が予め設定された学習済みの畳込みニューラルネットワークである。
演算処理部170による畳込みニューラルネットワークによる処理は、図10のごとく、入力されたマルチチャンネル信号MSから特徴量を抽出するステップS201と、抽出された特徴量を分類するステップS202と、分類結果を出力するステップS203と、に区分されている。特徴量抽出ステップS201では、畳込み演算とプーリング処理とが実行される。畳込み演算は、マルチチャンネル信号MSを構成するデータ列に対して、所定長のフィルタを適用して特徴を抽出するための演算である。プーリング処理は、特徴が抽出されたデータ列を集約して、データ列をサイズダウンする処理である。データ列をサイズダウンすることで、次の畳込み演算により、より広い範囲の特徴を捉えることができるようになる。
分類ステップS202は、データ列をいずれかの欠陥種別に分類するための処理手順である。分類ステップS202では、特徴量が抽出されると共にサイズダウンされたデータ列が、全結合型のネットワークによっていずれかの欠陥種別に分類される。欠陥種別には、欠陥無しのほか、皮下われ、皮下介在物などの種別がある。
以上のように、本例の探傷システム1Sは、少なくとも探傷信号を含むマルチチャンネル信号を畳込みニューラルネットワークに適用して鋼材3を検査するシステムである。この探傷システム1Sによれば、複数の探傷信号を含むマルチチャンネル信号を畳込みニューラルネットワークに入力することで、被検体である鋼材3の欠陥を精度高く判定できる。鋼材3の欠陥を精度高く判定すれば、製品の歩留まりを高め、生産コストを低減できる。さらに、畳込みニューラルネットワークの判定結果は、欠陥の発生原因に対する対策の策定に活用できる。欠陥の発生原因に対して対策を講じれば、製品の歩留まり向上、および生産コストの低減を図ることができる。
本例の探傷方法において、マルチチャンネル信号における芯振れ信号は必須の構成ではない。複数の探傷信号よりなるマルチチャンネル信号であれば、畳込みニューラルネットワークに入力することで被検体である鋼材3の欠陥を判定可能である。探傷信号に対して芯振れ信号を組み合わせたマルチチャンネル信号を利用すれば、鋼材3の芯振れに起因する欠陥の誤判定を低減でき、一層の効果がある。例えば鋼材に反りがあると、探傷子11と鋼材3の外周面との距離が変動し、探傷信号に変化が生じるおそれがある。芯振れ信号がマルチチャンネル信号に含まれていれば、探傷子11と鋼材3の外周面との距離変動の影響を排除して欠陥を精度高く判定できる。
さらに、本例の構成では、鋼材3の全長に対応する実測区間の両外側に、ゼロ値が連続する仮想区間(図8参照。)を仮想的に設けている。この仮想区間は、少なくとも、次の2つの重要な効果を奏する。第1の効果は、緩衝区間として機能する仮想区間を設けることで、畳込みニューラルネットワークによる畳込み演算やプーリング処理の際、有限長さのマルチチャンネル信号の端部の影響が演算結果に及ぶ影響を低減できるという効果である。なお、仮想区間の値はゼロ値でなくても良い。仮想区間と実測空間とを区別できれば良く、仮想区間の値はゼロ値を含めて一定の値であれば良い。
第2の効果は、実測区間と仮想区間の境界に当たる鋼材の端部の位置を、畳込みニューラルネットワークに教示できるという効果である。鋼材の端部では、反りなどの影響によって探傷信号に乱れが生じ易く、欠陥の判定難易度が高くなる傾向にある。鋼材の端部の位置を畳込みニューラルネットワークに教示できれば、鋼材の端部での誤判定を未然に低減できる。
第3の効果は、畳込みニューラルネットワークに入力する信号のサイズ(信号長)の統一を図ることにより、畳込みニューラルネットワークに要求される構造的な制約を低減あるいは回避できるという効果である。実測信号のサイズ(実測区間の長さ)は、製品毎に異なる検査対象の鋼材の長さに依存して異なる。さまざまなサイズの信号を入力可能な畳込みニューラルネットワークを実現するには、例えば、全結合型のネットワークの前にGlobal Max PoolingやGlobal Average Poolingを配置する必要が生じる等、畳込みニューラルネットワークの構造に制約がかかる可能性が高い。実測信号のサイズが統一されていれば、畳込みニューラルネットワークに要求されるこのような構造的な制約を回避、低減できる。
なお、本例では、マルチチャンネル信号の構成信号のひとつとして、超音波信号を鋼材3に作用したときの反射波信号の長手方向の強度分布を表す1次元の探傷信号を採用している。これに変えて、反射波信号の周波数と、長手方向の位置と、により規定される2次元平面の反射波信号の強度分布であるメルスペクトグラムを探傷信号として採用しても良い。あるいは、周方向の位置と、長手方向の位置と、により規定される2次元平面内の反射波信号の強度分布に基づく2次元の探傷信号を採用しても良い。2次元の探傷信号を採用した場合、2次元のマルチチャンネル信号を形成すると良い。2次元のマルチチャンネル信号は、データ構造が2次元画像と似ており、畳込みニューラルネットワークでの取り扱いに適している。
以上、実施例のごとく本発明の具体例を詳細に説明したが、これらの具体例は、特許請求の範囲に包含される技術の一例を開示しているにすぎない。言うまでもなく、具体例の構成や数値等によって、特許請求の範囲が限定的に解釈されるべきではない。特許請求の範囲は、公知技術や当業者の知識等を利用して前記具体例を多様に変形、変更あるいは適宜組み合わせた技術を包含している。
1 探傷装置
1S 探傷システム
10 制御部
11 探傷子
111 振動素子
120 芯振れ計測部
121 架台
13 探傷信号取得部
136 信号キャプチャ部
15 検査信号生成部(仮想区間設定部)
17 判定部
170 演算処理部
172 記憶部
18 表示部
3 鋼材(丸棒)

Claims (8)

  1. 棒状の鋼材に超音波信号を作用したときの該鋼材の長手方向における反射波信号の強度分布を表す探傷信号を利用して鋼材を検査する探傷方法において、
    超音波信号を作用する位置が鋼材の断面において異なる複数の探傷信号を取得する処理と、
    複数の探傷信号が並列して含まれるマルチチャンネル信号を生成する処理と、
    該マルチチャンネル信号に処理を施して鋼材の欠陥を判定する処理と、を含み
    当該判定する処理は、学習済みの畳込みニューラルネットワークに前記マルチチャンネル信号を入力して鋼材の欠陥を判定する処理であることを特徴とする探傷方法。
  2. 請求項1において、前記棒状の鋼材の長手方向の各位置の芯振れの度合いを表す芯振れ信号を取得する処理を含み、
    前記マルチチャンネル信号を生成する処理では、前記複数の探傷信号と並列して前記芯振れ信号を含むマルチチャンネル信号を生成する探傷方法。
  3. 請求項1または2において、棒状の鋼材を長手方向に仮想的に延長した範囲に対応する仮想区間を前記マルチチャンネル信号の各構成信号に設ける処理を含み、
    該仮想区間は、ゼロ値を含む一定値が連続する区間である探傷方法。
  4. 請求項3において、前記マルチチャンネル信号の長さは、棒状の鋼材の長手方向の長さに依らず一定である一方、前記仮想区間の長さは、棒状の鋼材の長手方向の長さに応じて異なる探傷方法。
  5. 棒状の鋼材に対して探傷子から超音波信号を作用したときの該鋼材の長手方向における反射波信号の強度分布を表す探傷信号を利用して鋼材を検査する探傷システムにおいて、
    超音波信号を作用する位置が鋼材の断面において異なる複数の探傷信号を取得する探傷信号取得部と、
    複数の探傷信号が並列して含まれるマルチチャンネル信号を生成する検査信号生成部と、
    該マルチチャンネル信号に処理を施して鋼材の欠陥を判定する判定部と、
    畳込みニューラルネットワークの学習値を記憶する記憶部と、を含み、
    前記判定部は、前記記憶部が記憶する学習値がセットされた学習済みの畳込みニューラルネットワークに前記マルチチャンネル信号を入力して鋼材の欠陥を判定するように構成されていることを特徴とする探傷システム。
  6. 請求項5において、前記棒状の鋼材の長手方向の各位置の芯振れの度合いを表す芯振れ信号を取得する芯振れ計測部を含み、
    前記検査信号生成部は、前記複数の探傷信号と並列して前記芯振れ信号が含まれるマルチチャンネル信号を生成するように構成されている探傷システム。
  7. 請求項5または6において、棒状の鋼材を長手方向に仮想的に延長した範囲に対応する仮想区間を前記マルチチャンネル信号の各構成信号に設ける仮想区間設定部を含み、
    該仮想区間は、ゼロ値を含む一定値が連続する区間である探傷システム。
  8. 請求項7において、前記マルチチャンネル信号の長さは、棒状の鋼材の長手方向の長さに依らず一定である一方、前記仮想区間の長さは、棒状の鋼材の長手方向の長さに応じて異なる探傷システム。
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