JP2021139690A - 計測装置 - Google Patents

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明 柳澤
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Abstract

【課題】ICタグから計測条件を自動的に取得してこの計測条件で計測処理を実行し、この計測処理後、待避した初期計測条件を自動的に復元する。【解決手段】リーダライタ部3を備え、処理部6は、リーダライタ部3を介してICタグ9との通信が成功してICタグ9から特定計測条件MCnsを受信したときに計測条件領域の計測条件MCm,MCnを初期計測条件MCmi,MCniとして待避領域に待避させる待避処理、および特定計測条件MCnsを新たな計測条件MCnとして計測条件領域に記憶させる計測条件変更処理を実行し、ICタグ9との通信が成功している期間にのみ特定計測条件MCnsに従って動作し、ICタグ9との通信が基準長さの期間に亘って不成功のときに、待避領域の初期計測条件MCmi,MCniを特定計測条件MCnsに代えて計測条件MCm,MCnとして計測条件領域に記憶させる復元処理を実行する。【選択図】図2

Description

本発明は、非接触式のICタグから計測装置自身に関する計測条件情報を読み取ると共に、この計測条件情報に基づき計測条件を設定して動作する計測装置に関するものである。
この種の計測装置として、下記の特許文献1に開示された設備機器点検システムを構成する計測器が知られている。この設備機器点検システムは、プラント設備機器等の被点検機器に設けられ被点検機器に対応した固有の識別情報とともに被点検機器に関する点検条件情報を記録した非接触ICタグからなる記録素子と、識別情報および点検条件情報をこの記憶素子から取得するための点検用端末と、点検用端末に接続される計測器とを備えて構成されている。この設備機器点検システムでは、計測器は、点検用端末により被点検機器に対応する点検条件情報(計測器に関する計測条件情報)を記録素子から取得し、記録素子から取得した点検条件情報に基づき点検条件(計測器に関する計測条件)を設定して被点検機器に対する点検動作(計測動作)を実行するように構成されている。
この設備機器点検システムでは、記録素子から取得した点検条件情報に基づき計測器に点検条件(計測条件)を設定するようにしたことにより、計測器がこの設定された点検条件(計測条件)によって点検目的を的確に遂行することが可能となっている。
特開2007−156670号公報(第4−5頁、第1図)
ところで、この種の計測装置(計測器)のユーザは、計測装置の計測精度を良好な状態に維持するために、例えば計測装置の製造メーカにおけるアフターサービス部門に計測装置を定期的に送って検査・校正を依頼する。この場合、このアフターサービス部門は、通常、計測装置に対する検査・校正を効率よく、かつ確実に実施し得るように、計測装置用の自動検査システムを備えている。
この自動検査システムでは、計測装置が接続された状態(例えば、自動検査システム側のネットワークを介して自動検査システムに接続された状態)において、自動検査システムを構成するコンピュータがネットワークを介して計測装置に各種のコマンド(測定レンジ切り替えのコマンド、測定指示のコマンド、測定値の送信指示のコマンド、および校正値を変更するコマンドなど)を送って動作させることで、検査・校正を行う。
具体的には、自動検査システムでは、コンピュータが、ネットワークに接続された計測装置に対して、上記のように各種のコマンドを送信して、例えば計測装置の計測条件としての測定レンジ設定を種々変更しつつ、設定した各測定レンジでの動作を確認しながら、各測定レンジにおいて正常に動作するように計測装置を校正する(例えば、基準試験信号を計測装置に測定させたときに、測定した結果が、この基準試験信号に合致した測定結果になるように、計測装置に記憶されている各測定レンジでの補正値を変更することで、校正する)。
ただし、自動検査システム側のネットワークへの計測装置の接続については、アフターサービス部門では、ユーザーから預かった当初に計測装置に記憶されているユーザー側での計測条件としてのネットワーク設定を、自動検査システム側での計測条件としてのネットワーク設定に手動で変更する作業を実施することで行っていた。
また、アフターサービス部門では、この計測装置に対する点検・校正が完了したときには、点検・校正の完了した計測装置を受け取ったユーザーがこの計測装置をそのままの状態で(ユーザーが計測装置に対して計測条件を改めて設定することなく)ユーザー側のネットワークに接続して、点検・校正の以前と同じ計測条件で使用できるように、点検・校正のために計測装置に記憶させたすべての計測条件を、ユーザーから預かった当初の計測条件に戻して計測装置をユーザーに送り返している。
したがって、アフターサービス部門では、ユーザーから預かった当初の計測条件を計測装置に記憶させ得るように、
(a)校正を行う前に、計測装置に記憶されている計測条件(ユーザーから預かった当初の計測条件。初期計測条件)を手動で保存する作業と、
(b)校正が終わった場合に、(a)で保存しておいた計測条件(初期計測条件)を計測装置に手動で記憶させる作業とを実行していた。
アフターサービス部門で手動にて実行していた上記の作業のうちの自動検査システム側のネットワークへの計測装置の接続については、上記の特許文献1に開示された技術を上記の自動検査システムに適用することで、自動化は可能である。例えば、自動検査システムにおける計測装置の載置台(点検・校正のための作業台)の近傍に、自動検査システム側での計測条件としてのネットワーク設定を予め記憶させたICタグを付けておくことで、計測装置が自動的にICタグからこの自動検査システム側でのネットワーク設定(計測条件)を取得して、ユーザー側での計測条件としてのネットワーク設定に代えて記憶することで、自動化を図ることができる。
しかしながら、上記の(a)のような作業、つまり、計測装置を使用する計測作業の開始前に、計測装置に記憶されている計測条件を初期計測条件として保存(待避)する作業と、上記の(b)のような作業、つまり、計測装置を使用した計測作業の終了後に、保存(待避)しておいた初期計測条件を計測装置にその後の計測条件として記憶させる作業とについては、手作業で行う必要があることから、この改善(この2つの作業の自動化)が望まれている。
本発明は、かかる改善すべき課題に鑑みてなされたものであり、ICタグから計測条件を自動的に取得(受信)して、この計測条件での計測処理を実行し得ると共に、この計測処理の実行前に予め記憶されている計測条件(初期計測条件)を自動的に待避し、かつこの計測処理の終了後に、待避しておいた計測条件(初期計測条件)をその後の計測条件として自動的に記憶し(戻し)得る計測装置を提供することを主目的とする。
上記目的を達成すべく請求項1記載の計測装置は、計測対象の物理量を計測する計測部と、設定された計測条件および前記計測された物理量を記憶する記憶部と、前記記憶部の計測条件領域に記憶されている前記計測条件に従って動作して、前記計測部に対して前記物理量を計測させる計測処理および当該計測された物理量を記憶部に記憶させる記憶処理を実行する処理部とを備えている計測装置であって、ICタグ用のリーダライタ部を備え、前記処理部は、前記リーダライタ部を介して前記ICタグとの通信を試みるリトライ処理を実行しつつ、前記リトライ処理において前記ICタグとの通信の試みが成功して当該ICタグから特定計測条件を受信したときには、前記計測条件領域に記憶されている前記計測条件を初期計測条件として前記記憶部の待避領域に待避させる待避処理、および前記特定計測条件を新たな前記計測条件として前記計測条件領域に記憶させる計測条件変更処理を実行すると共に、前記リトライ処理において前記試みが成功している期間においてのみ、前記新たな計測条件に従って動作して、前記計測処理および前記記憶処理を実行し、前記リトライ処理において前記試みが予め規定された基準長さの期間に亘って不成功であったときには、前記待避領域に待避されている前記初期計測条件を前記特定計測条件に代えて前記計測条件として前記計測条件領域に記憶させる復元処理を実行する。
また、請求項2記載の計測装置は、計測対象の物理量を計測する計測部と、設定された計測条件および前記計測された物理量を記憶する記憶部と、前記記憶部の計測条件領域に記憶されている前記計測条件に従って動作して、前記計測部に対して前記物理量を計測させる計測処理および当該計測された物理量を記憶部に記憶させる記憶処理を実行する処理部とを備えている計測装置であって、ICタグ用のリーダライタ部を備え、前記処理部は、前記リーダライタ部を介して前記ICタグとの通信を試みるリトライ処理を実行し、前記リトライ処理において前記ICタグとの通信の試みが成功して当該ICタグから特定計測条件を受信したときには、前記計測条件領域に記憶されている前記計測条件を初期計測条件として前記記憶部の待避領域に待避させる待避処理、および前記特定計測条件を新たな前記計測条件として前記計測条件領域に記憶させる計測条件変更処理を実行すると共に、前記試みの最初の成功から予め規定された特定長さの特定期間においてのみ、前記新たな計測条件に従って動作して、前記計測処理および前記記憶処理を実行し、前記特定期間が終了したときには、前記待避領域に待避されている前記初期計測条件を前記特定計測条件に代えて前記計測条件として前記計測条件領域に記憶させる復元処理を実行する。
また、請求項3記載の計測装置は、請求項1または2記載の計測装置において、ネットワークインターフェース部を備え、前記計測条件には、前記ネットワークインターフェース部を目的のネットワークに接続するための設定条件が含まれ、前記処理部は、前記ICタグから前記特定計測条件を受信したときには、前記待避処理において、前記計測条件領域に記憶されている前記計測条件に含まれる前記設定条件であって前記目的のネットワークとしての第1ネットワークに接続するための設定条件を初期設定条件として前記初期計測条件に含めて前記待避領域に待避させ、前記計測条件変更処理において、前記特定計測条件に含まれる特定設定条件であって新たな前記目的のネットワークとしての第2ネットワークに接続するための前記設定条件を新たな前記設定条件として前記計測条件領域に記憶させる。
請求項1記載の計測装置によれば、ICタグとの通信の試みが成功しているときにのみICタグから取得した特定計測条件に従って動作し、処理部がリトライ処理においてICタグとの通信の試みが基準長さの期間に亘って不成功であったときには、待避処理において待避領域に待避させた初期計測条件としての計測条件(計測条件領域に元々、記憶されていた計測条件)を特定計測条件に代えて計測条件領域に記憶させる復元処理を実行する。したがって、この計測装置によれば、計測装置をICタグに近づけているときにはICタグから取得して計測条件領域に記憶されている特定計測条件に従って動作し、一方、計測装置をICタグから離したときには、計測条件領域の計測条件をICタグとの通信の試みが成功する前の初期計測条件に自動的に復元できることから、作業者が手動で計測条件領域に記憶されている計測条件を元の初期計測条件に変更する手間を省いて、復元された計測条件(初期計測条件)に従って定常作業を確実に実行することができる。
また、請求項2記載の計測装置によれば、ICタグとの通信の試みの最初の成功から予め規定された特定長さの特定期間においてのみ、ICタグから取得した特定計測条件に従って動作し、この特定期間が終了したときには、待避処理において待避領域に待避させた初期計測条件としての計測条件(計測条件領域に元々、記憶されていた計測条件)を特定計測条件に代えて計測条件領域に記憶させる復元処理を実行する。したがって、この計測装置によれば、計測装置をICタグに近づけてICタグとの通信が一旦成功した後には、ICタグとの通信の試みの成功・不成功に拘わらず、上記の特定期間に亘ってICタグから取得して計測条件領域に記憶されている特定計測条件に従って動作し、この特定期間の終了に伴い計測条件領域に記憶されている計測条件をリトライ処理においてICタグとの通信の試みが最初に成功する前の初期計測条件に自動的に復元できる。このことから、この計測装置1では、例えばICタグとの通信が一旦成功した後に、通信状態が不安定になった場合でも特定計測条件に従う動作を特定期間に亘って確実に実行することができ、またこの特定期間の終了後は、作業者が手動で計測条件領域に記憶されている計測条件を元の初期計測条件に変更する手間を省いて、復元された計測条件(初期計測条件)に従って定常作業を確実に実行することができる。
また、請求項3記載の計測装置によれば、計測装置をICタグに近づけてICタグとの通信が成功して、ICタグから特定計測条件を受信したときには、計測条件領域に記憶されている第1ネットワークに接続するための設定条件を初期設定条件として待避領域に待避させ、ICタグから受信した特定計測条件に含まれる第2ネットワークに接続するための設定条件を新たな設定条件として計測条件領域に記憶させるため、計測装置を第2ネットワークに自動的に接続することができる。また、この計測装置によれば、計測装置をICタグから離したときや、上記の特定期間が終了したときには、第2ネットワークに接続するための設定条件に代えて、初期計測条件としての第1ネットワークに接続するための設定条件が計測条件領域に自動的に復元されるため、作業者が手動で計測条件領域に記憶されている計測条件を元の初期計測条件に変更する手間を省いて、計測装置を第1ネットワークに自動的に接続して定常作業を確実に実行することができる。計測装置の各ネットワークへの接続に際しては、有線接続の場合であっても、また無線接続の場合であっても、複数の設定条件をネットワークインターフェース部に入力しなければならないため、その手間を省けることは極めて便利である。
計測動作50を実行するときの計測装置1の構成図である。 校正動作70を実行するときの計測装置1の構成図である。 計測動作50を説明するためのフローチャートである。 校正動作70を説明するためのフローチャートである。 他の校正動作70を説明するためのフローチャートである。
以下、計測装置の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
まず、計測装置としての計測装置1の構成について、図1を参照して説明する。
計測装置1は、計測部2、リーダライタ部3、ネットワークインターフェース部4(以下、ネットI/F部4ともいう)、操作部5、処理部6、記憶部7および出力部8を備えて、リーダライタ部3を介して非接触式のICタグ9(図2参照)から取得(受信)した計測条件(後述する特定計測条件)、ネットI/F部4を介して入力した計測条件、および操作部5を介して入力された計測条件のうちの少なくとも一つの計測条件に従って計測対象DUTの物理量Qを計測すると共に、計測した物理量Qを記憶可能に構成されている。また、本例では、計測装置1は、計測した物理量Qを出力部8において出力したり、ネットI/F部4を介して接続された外部のネットワークNETに出力(送信)したりすることが可能となっている。
計測部2は、計測対象DUTの物理量Qに対応した計測器(例えば、物理量Qが電圧のときには電圧計、物理量Qが電流のときには電流計、物理量Qが抵抗のときには抵抗計など)で構成されて、処理部6の制御下で動作して、計測対象DUTの物理量Qを計測すると共に計測した物理量Qを処理部6に出力する。また、計測部2は、計測対象DUTの物理量Qを計測する際には、処理部6によって設定された計測条件MC(後述するネットI/F部4についての計測条件と区別するために、以下では、計測部2についての計測条件MCを計測条件(計測部設定条件)MCmともいう)に従って動作して、物理量Qを計測する。この計測部2についての計測条件MCmとしては、例えば、物理量Qを計測する際に使用する計測レンジや、この計測レンジのためのゼロアジャスト補正値などである。
リーダライタ部3は、NFC(Near Field Communication)などのRFID(Radio Frequency Identification)の技術(非接触無線通信技術)を使って、計測装置1の外部に配設されたICタグ9(図2参照)と通信可能に構成されている。また、リーダライタ部3は、処理部6の制御下で動作して、ICタグ9と通信することで、ICタグ9に記憶されている情報をICタグ9から受信して処理部6に出力したり、処理部6から入力した情報をICタグ9に送信して記憶させたりすることが可能となっている。なお、リーダライタ部3と処理部6との間の情報の伝送路は、有線であっても、無線であってもよい。無線の場合には、RFID機能を備えたスマートフォンやタブレットなどの携帯端末でリーダライタ部3を構成することもできる。
また、このリーダライタ部3と通信可能なICタグ9は、アンテナおよびICチップ(例えば、マイクロコンピュータおよび不揮発性の書き換え可能なメモリ(例えば、EEPROM))を備えて、リーダライタ部3と通信可能に構成されている。また、ICタグ9には、計測装置1での後述の計測条件MCの一種である特定計測条件(本例では一例として、ネットI/F部4に対して設定する特定計測条件MCns)が予め記憶されている。この特定計測条件MCnsは、計測装置1を後述するアフターサービス部門側の第2ネットワークNET2に接続する(具体的には、処理部6をネットI/F部4を介してこの第2ネットワークNET2に接続する)ためのネットワークの設定条件(ネットワーク設定条件)である。
ネットI/F部4は、計測装置1を外部のネットワークNETに有線または無線で接続するためのものであり、ネットワークインターフェースカードやネットワークアダプタで構成されている。また、ネットI/F部4には、処理部6により、有線接続の場合には、例えば、使用する伝送プロトコルの種類とこの伝送プロトコルでのアドレス(これらは有線接続でのネットワーク設定条件)とが計測条件の1つとして設定され、また無線接続の場合には、例えば、使用するネットワークのSSID(Service Set Identifier:無線LANにおけるアクセスポイントの識別名)と暗号化モードと暗号化キー(これらは無線接続でのネットワーク設定条件)とが計測条件MCの1つとして設定される。また、以下では、有線接続の場合および無線接続の場合のいずれの場合についても、ネットI/F部4をネットワークNETに接続するために、ネットI/F部4に対して設定するネットワーク設定条件としての計測条件MCを、上記の計測部2についての計測条件MCmと区別するために、計測条件MCnというものとする。
操作部5は、例えば、計測部2に対する動作指示(計測レンジの指定や計測実行の指示を含む)や計測された物理量QのネットワークNETへの出力指示を含む処理部6に対する動作指示のための各種コマンドを手動で入力するための操作キーや、上記のゼロアジャスト補正値や上記のネットワーク設定条件などを手動で入力するための文字や数字の入力キーなどを備えて、ユーザの操作によって入力された種々の情報(上記の各種コマンドや計測条件MCm,MCnを示す情報)を処理部6に出力可能に構成されている。
処理部6は、CPUなどを用いて構成されて、記憶部7に予め記憶されている動作プログラムに基づいて動作することにより、計測装置1を構成する他の構成要素(計測部2、リーダライタ部3、ネットI/F部4および出力部8など)を統括制御する。また、処理部6は、計測部2に対して計測対象DUTの物理量Qを計測させる計測処理、計測された物理量Qを記憶部7に記憶させる記憶処理、後述するリトライ処理、後述する待避処理、後述する計測条件変更処理、および後述する復元処理を実行する。
記憶部7は、例えば、ROMやRAMや不揮発性の書き換え可能なEEPROMなどの半導体メモリで構成されている。この記憶部7では、ROMには、処理部6の動作プログラムが予め記憶され、EEPROMには、計測部2で使用可能なすべての計測レンジの情報および各計測レンジでのゼロアジャスト補正値が予め記憶され、またEEPROMの一部の記憶領域は計測条件領域として機能して、この計測条件領域には計測条件MCm(各計測レンジのうちの実際に計測部2で使用される1つの計測レンジおよびそのゼロアジャスト補正値)および計測条件MCnが記憶され、RAMには、計測された物理量Qが記憶される。また、RAMは、処理部6のワークメモリとして機能すると共に、その一部の記憶領域が待避領域として機能する。この待避領域には、計測条件領域に記憶されている計測条件MCm,MCnが処理部6によって読み出されて、初期計測条件MCmi,MCni(図2参照)として待避(一時記憶)される。
出力部8は、一例として、表示装置で構成されて、計測部2で計測された物理量Qや点検結果などを画面上に表示する(出力する)。なお、出力部52は、表示装置に代えて種々のインターフェース回路で構成することもでき、媒体用インターフェース回路で構成されたときには、この媒体用インターフェース回路に接続された記憶媒体に、計測された物理量を記憶させる。
次に、計測装置1の使用方法と併せて、その動作について図面を参照して説明する。
最初に、計測装置1のユーザ側での使用方法と動作(計測動作)について、図1,3を参照して説明する。なお、計測装置1は、ユーザ側のネットワークNET(以下、区別のため、第1ネットワークNET1ともいう)に接続されて、計測した物理量Qをこの第1ネットワークNET1を介して接続された不図示の管理装置(コンピュータで構成された装置)に送信するものとする。
計測装置1のユーザは、まず、計測装置1に計測対象DUTを接続して、計測動作モードで起動する。この計測動作モードでは、計測装置1の処理部6は、記憶部7に記憶されている動作プログラムに従い、図3に示す計測動作50を開始する。
この場合、処理部6は、まず、記憶部7の計測条件領域に計測条件MCm,MCnが記憶されているか否かを検出する(ステップ51)。処理部6は、この検出の結果、計測条件領域に計測条件MCm(接続した計測対象DUTの計測に際して計測部2で使用する計測レンジおよびそのゼロアジャスト補正値)および計測条件MCnが記憶されていないときには、接続した計測対象DUTに対応する計測条件MCmおよび第1ネットワークNET1に対応する計測条件MCnが記憶されていない旨を示す情報(または、計測装置1のユーザに対して、計測条件MCm,MCnの操作部5からの入力を促す旨を示す情報)を出力部8に表示させる出力処理を実行する(ステップ52)。
ユーザは、この出力部8の表示に基づき、操作部5を手動で操作することで、接続した計測対象DUTに対応する計測条件MCm,MCnを示す情報を操作部5から処理部6に出力する。ユーザは、この計測条件MCmについては、操作部5を操作して、接続した計測対象DUTの計測に際して計測部2で使用する計測レンジを示す情報を処理部6に出力する。また、ユーザは、この計測条件MCnについては、操作部5を操作して、計測装置1を第1ネットワークNET1に接続するためにネットI/F部4に対して設定するネットワーク設定条件を示す情報を処理部6に出力する。処理部6は、上記の出力処理の実行後に、操作部5から計測条件MCm,MCnを示す情報が出力されるか否かを検出する処理を、計測条件MCm,MCnの出力を検出するまで実行する(ステップ53)。
このステップ53において、処理部6は、計測条件MCm,MCnを示す情報の出力を検出したときには、この計測条件MCm,MCnを取得して記憶部7の計測条件領域に記憶させ(ステップ54)、ステップ51に移行する。この場合、処理部6は、計測条件MCmを示す情報として上記したように計測部2で使用する計測レンジを示す情報を取得することから、この情報で指定された計測レンジに対応するゼロアジャスト補正値を記憶部7から読み出して、この計測レンジの情報と共に計測条件MCmとして計測条件領域に記憶させる。
このときのステップ51では、処理部6は、記憶部7の計測条件領域に計測条件MCm,MCnが記憶されていることを検出する。このため、処理部6は、次に、ステップ55に移行して、計測条件領域からこの計測条件MCm,MCnを読み出すと共に、計測部2に対して計測条件MCm(物理量Qを計測する際に実際に使用する1つの計測レンジと、この計測レンジでのゼロアジャスト補正値)を設定する。この計測部2への計測条件MCmの設定により、計測部2は、ゼロアジャスト補正値が設定された計測レンジにおいて、物理量Qの正確な測定が可能な状態となる。また、処理部6は、ネットI/F部4に対して計測条件MCnを設定する。このネットI/F部4への計測条件MCnの設定により、計測装置1(具体的には処理部6)は、ネットI/F部4を介して第1ネットワークNET1に接続されて、不図示の管理装置と通信可能な状態となる。
また、このステップ55では、処理部6は、例えば、計測条件領域から読み出した計測条件MCm,MCnが計測部2およびネットI/F部4に対して既に設定した計測条件MCm,MCnと同じときには、この読み出した計測条件MCm,MCnの計測部2およびネットI/F部4に対する新たな設定は実行しない。一方、処理部6は、計測条件領域から読み出した計測条件MCm,MCnが計測部2およびネットI/F部4に対して既に設定した計測条件MCm,MCnと異なるとき(後述するステップ58において操作部5から入力された新たな計測条件MCm,MCnによって計測条件領域に記憶されていた元の計測条件MCm,MCnが更新されたとき)には、この読み出した計測条件MCm,MCnの計測部2およびネットI/F部4に対する新たな設定を実行する。この構成により、計測部2による計測動作の実行中での計測条件MCmの変更や、接続する第1ネットワークNET1の変更が可能となっている。なお、本例では、理解の容易のため、ユーザ側のネットワークNETは第1ネットワークNET1の1つだけであり(つまり、ネットI/F部4についての計測条件MCnは変更されず)、計測部2についての計測条件MCmのみが変更可能であるものとして、ステップ58では操作部5からは新たな計測条件MCmのみ(具体的には、計測部2で使用する計測レンジを示す情報のみ)が出力されるものとする。
なお、処理部6は、計測条件領域に記憶されていた元の計測条件MCmをこの新たな計測条件MCmで更新する際には、操作部5から出力された新たな計測レンジを示す情報で示される計測レンジに対応するゼロアジャスト補正値を記憶部7から読み出して、この新たな計測レンジの情報と共に計測条件MCmとして計測条件領域に記憶させる。
次いで、処理部6は、ユーザの操作部5に対する操作により、計測部2に対するコマンド(計測対象DUTの物理量Qを計測する際の計測レンジを指定するコマンドや、計測対象DUTの物理量Qを計測させるコマンドなど)や処理部6に対するコマンド(計測された物理量QをネットワークNET(この場合には、第1ネットワークNET1)に出力させるコマンドなど)が操作部5から出力されたか否かを検出する(ステップ56)。
処理部6は、ステップ56においてこのコマンドの出力を検出したときには、コマンドを取得すると共にステップ57に移行して、このコマンドで指示される動作を実行する(ステップ57)。具体的には、処理部6は、計測レンジを指定するコマンドを取得したときには、計測対象DUTの物理量Qを計測する際の計測レンジをこのコマンドで指定された計測レンジに切り替える動作を実行する。また、処理部6は、この指定された計測レンジに対応するゼロアジャスト補正値を記憶部7から読み出して、この指定された計測レンジの情報と共に計測条件MCmとして計測条件領域に記憶させる。また、処理部6は、計測条件領域に記憶させた計測レンジの情報とそのゼロアジャスト補正値とを計測部2に新たな計測条件MCmとして出力して設定する。
また、処理部6は、計測対象DUTの物理量Qを計測させるコマンドを取得したときには、設定されている計測条件MCmに従って計測対象DUTの物理量Qを計測してこの物理量Qを処理部6へ出力させる動作を計測部2に実行させる。また、処理部6は、計測部2から出力された物理量Qを取得して、この物理量Qをこの計測対象DUTの識別情報に関連付けて記憶部7に記憶させると共に、この物理量Qをこの計測対象DUTの識別情報に関連付けて出力部8に表示させる。
また、処理部6は、計測された物理量QのネットワークNETへの出力指示のコマンドを取得したときには、記憶部7に記憶されている1または2以上の計測対象DUTについての物理量Qをその識別情報と共に読み出して、ネットI/F部4を介して第1ネットワークNET1に出力する。これにより、計測装置1で計測された物理量Qが、対応する計測対象DUTの識別情報と共に、第1ネットワークNET1を経由して上記の管理装置に送信される。
続いて、処理部6は、ステップ56において操作部5からのコマンドの出力が検出されなかったとき、またステップ57において計測部2または処理部6がコマンドで示される動作の実行を完了したときには、ユーザの操作部5に対する操作により、この計測対象DUTに対応する新たな計測条件MCmを示す情報(本例では、計測部2で使用する計測レンジを示す情報のみ)が操作部5から出力されたか否かを検出する処理を実行する(ステップ58)。処理部6は、このステップ58において新たな計測条件MCmを示す情報の出力を検出したときには、ステップ54に移行して、この新たな計測条件MCmを取得すると共に、この計測条件MCmを示す情報(つまり、計測レンジを示す情報)で示される計測レンジに対応するゼロアジャスト補正値を記憶部7から読み出して、この新たな計測レンジの情報と共に新たな計測条件MCmとして計測条件領域に記憶(計測条件領域に記憶されていた元の計測条件MCmをこの新たな計測条件MCmで更新して記憶)させる。処理部6は、その後にステップ51に移行する。一方、処理部6は、ステップ58において、新たな計測条件MCmを示す情報の出力を検出しなかったときには、ステップ54を実行することなく、ステップ51に移行する。
計測装置1では処理部6がこのようにしてステップ51〜ステップ58までの各動作を繰り返し実行することにより、ユーザは、計測装置1に接続した所望の計測対象DUTについて、所望の計測レンジおよび適正なゼロアジャスト補正値を使用して、その物理量Qを計測することが可能となっている。
また、この計測装置1では、起動後に、計測対象DUTの物理量Qを1度でも計測したときには、直前の計測において使用された計測条件MCm,MCnが記憶部7の計測条件領域に記憶される。このため、この計測条件MCm,MCnをそのまま使用し続けてもよいとき(例えば、直前の起動状態において接続されていたネットワークNETと同じネットワークNETに接続して、直前の起動状態において計測で使用していた計測レンジと同じ計測レンジを、同じゼロアジャスト補正値と共に計測部2で使用するとき)には、ユーザによる操作部5に対する操作(計測条件MCm,MCnを示す情報を処理部6に出力するための操作)を省くことが可能となっている。これにより、ユーザは、決まった同じ種類の計測対象DUTの物理量Qを、決まった計測レンジで、かつ決まったゼロアジャスト補正値を使用して計測すると共に、計測した物理量Qを決まったネットワークNETを介して管理装置に送信するという定常作業については、この計測装置1を使用することで、計測装置1の起動直後からすぐに実施することが可能となっている。
なお、計測装置1では、リーダライタ部3は、処理部6の制御下で動作しているが、上記したユーザが計測対象DUTの物理量Qを計測する状況下では、対応するICタグ9が存在しないことから、対応するICタグ9との通信は行っていない。このため、ICタグ9からの特定計測条件MCnsの取得に伴って処理部6が実行する後述の待避処理(計測条件領域に記憶されている計測条件MCm,MCnを初期計測条件MCmi,MCniとして記憶部7の待避領域に待避させる処理)は実行されていないため、この待避領域には初期計測条件MCmi,MCniは記憶されていない状態となっている。
この計測装置1のユーザは、計測装置1のメンテナンス(点検・校正)を例えば定期的に計測装置1の製造メーカに依頼する。依頼を受けた製造メーカでは、ユーザから送られてきた計測装置1について、例えばアフターサービス部門において点検・校正を行う。
以下では、計測装置1のアフターサービス部門での使用方法と動作(校正動作)について、図2,4を参照して説明する。なお、アフターサービス部門では、計測装置1は、図2に示すように、点検・校正のための作業台11に載置され、アフターサービス部門側のネットワークNET(以下、区別のため、第2ネットワークNET2ともいう)に接続され、かつ計測部2がアフターサービス部門の校正装置12に接続された状態で点検・校正がされるものとする。また、作業台11自体または作業台11の近傍(計測装置1を作業台11に載置した状態でのリーダライタ部3の通信可能エリア内)には、ICタグ9が予め配置されると共に、ICタグ9には、作業台11において計測装置1を点検・校正するために、計測装置1に対して設定すべき計測条件MCm,MCnが特定計測条件(区別するために、以下では、特定計測条件MCms,MCnsともいう)が予め記憶されているものとする。なお、本例では一例として、ICタグ9には、計測装置1を第2ネットワークNET2に接続するためにネットI/F部4に対して設定するネットワーク設定条件のみが特定計測条件MCnsとして記憶されている。
また、校正装置12については、第2ネットワークNET2に予め接続されているものとする。また、校正装置12は、一例として、図示はしないが、点検・校正のために接続された計測装置1に対して種々の擬似的な計測対象DUTとして機能し得る擬似回路部と、コンピュータとを備えているものとする。擬似回路部は、例えば、計測部2が計測対象DUTの物理量Qである電圧を計測する電圧計であるときには、既知の電圧値の電圧を発生させる電圧源で構成され、また計測部2が計測対象DUTの物理量Qである電流を計測する電流計であるときには、既知の電流値の電流を発生させる電流源で構成され、計測部2が計測対象DUTの物理量Qである抵抗を計測する抵抗計であるときには、既知の抵抗値の抵抗体で構成されている。つまり、擬似回路部は、計測装置1に対して既知の物理量Qを計測させることが可能に構成されている。また、このコンピュータは、この擬似回路部の動作を制御すると共に、第2ネットワークNET2を介して接続された計測装置1の動作(具体的には計測装置1内の処理部6の動作)を制御可能に構成されている。
アフターサービス部門では、作業者は、まず、点検・校正すべき計測装置1を校正動作モードで起動した状態において作業台11に近づけて作業台11に載置し、計測装置1の計測部2を校正装置12に接続する(具体的には、計測部2に接続されている計測用のプローブを校正装置12に接続する)。この校正動作モードでは、計測装置1の処理部6は、記憶部7に記憶されている動作プログラムに従い、図4に示す校正動作70を実行する。
この場合、処理部6は、まず、リーダライタ部3に対する制御を実行して、リーダライタ部3を介してICタグ9との通信を試みるリトライ処理を実行する(ステップ71,72,73)。このリトライ処理では、処理部6は、上記の非接触無線通信技術を使ってICタグ9と通信する通信処理を実行して、ICタグ9との通信を試みる(ステップ71)。また、処理部6は、この通信処理では、ICタグ9との通信の試みを開始した時点からの経過時間の計測を実行する。また、処理部6は、ICタグ9との通信の試みが成功したか否かを検出しつつ(ステップ72)、この試みが不成功のときには、計測している経過時間が予め規定された基準時間を超えたか否か(つまり、ICタグ9との通信の試みを開始した時点からこの基準時間と同じ基準長さの期間が経過したか否か)を検出して(ステップ73)、計測している経過時間がこの基準時間を超えていないこと(つまり、ICタグ9との通信の試みを開始した時点から上記の基準長さの期間が経過していないこと)を検出したときには、ステップ71に移行する。一方、処理部6は、ステップ73において、計測している経過時間がこの基準時間を超えたこと(基準長さの期間が経過したこと)を検出したときには、後述する復元処理(ステップ87)を実行する。
作業者が計測装置1を校正動作モードで起動してから作業台11に載置するまでに要する時間は、例えば、長くても十数秒程度であり、またリーダライタ部3が自らの通信可能エリア内に存在するICタグ9との通信を成功させる(通信を確立させる)までに要する時間は上記の載置に要する時間に比べて極めて短時間(1秒未満)であることから、上記の基準時間(上記期間の基準長さ)はこの載置に要する時間よりも若干長い時間(例えば、30秒程度)に規定されている。このため、作業台11に載置された計測装置1では、処理部6は、計測している経過時間が上記の基準時間を超える前(基準長さの期間が経過する前)に、ICタグ9との通信の試みが成功したことをステップ72において検出して、ステップ74に移行する。
このステップ74では、処理部6は、ICタグ9との通信により、ICタグ9に記憶されている情報(例えば、ICタグ9の識別情報や特定計測条件MCns)を取得する。次いで、処理部6は、取得した特定計測条件MCnsが既に取得済みのものであるか否かを検出して(ステップ75)、未取得のものであるときには、この取得した特定計測条件MCnsを記憶部7の計測条件領域に記憶されている計測条件MCnに代えてこの計測条件領域に記憶させるべく、まず、待避処理を実行する(ステップ76)。
この待避処理では、処理部6は、記憶部7の計測条件領域に記憶されている計測条件MCm,MCnを初期計測条件MCmi,MCniとして記憶部7の待避領域に待避(記憶)させる。続いて、処理部6は、ICタグ9から取得した特定計測条件MCnsを、記憶部7の計測条件領域に記憶されている計測条件MCnに代えてこの計測条件領域に記憶させる計測条件変更処理を実行する(ステップ77)。本例では、計測条件領域に記憶されている計測条件MCmについては、計測条件領域に元の内容のままで残ることになる。
次いで、処理部6は、ステップ77での処理が完了したとき、またステップ75においてICタグ9から取得した特定計測条件MCnsが既に取得済みのものであると判別したときには、計測装置1が校正装置12によって点検・校正済みか否かを検出する(ステップ78)。この検出の結果、処理部6は、点検・校正済みであることを検出したときにはステップ71に移行することで、更なる点検・校正のための処理の実行を回避する。一方、処理部6は、点検・校正済みではないことを検出したときには、ネットI/F部4に対する特定計測条件MCnsの設定が済んでいるか否かを検出する(ステップ79)。
処理部6は、このステップ79での検出の結果、ネットI/F部4に対する特定計測条件MCnsの設定が済んでいないことを検出したときには、記憶部7の計測条件領域に記憶されている特定計測条件MCnsを読み出して、ネットI/F部4に対して設定する(ステップ80)。これにより、処理部6はネットI/F部4を介して第2ネットワークNET2に自動的に接続される。つまり、計測装置1(具体的には計測装置1の処理部6)は、第2ネットワークNET2に接続されて、この第2ネットワークNET2を介して校正装置12と通信可能な状態、すなわち、校正装置12による点検・校正が可能な状態に自動的に移行する。
処理部6は、上記ステップ79での検出の結果、ネットI/F部4に対する特定計測条件MCnsの設定が済んでいることを検出したとき、またステップ80での処理を実行したときには、続いて、処理部6に対するコマンドが校正装置12から出力されたか否かの検出を、このコマンドの出力を検出するまで実行する(ステップ81)。このステップ81での検出の結果、処理部6は、コマンドの出力を検出したときには、コマンドを取得すると共に、このコマンドで指示される動作を実行する。
具体的には、処理部6は、計測指示のコマンドを取得したときには、計測部2に対して計測処理を実行させる(ステップ82)。この計測処理では、処理部6は、まず、このコマンドと共に校正装置12から出力される計測の際の条件(計測部2で使用する計測レンジの情報)を取得して、この計測レンジに切り替える動作を計測部2に実行させる。この場合、処理部6は、校正装置12から取得した情報で指定された計測レンジに対応するゼロアジャスト補正値を記憶部7から読み出して、この計測レンジの情報と共に計測条件MCmとして計測条件領域に記憶させる。また、処理部6は、計測条件領域からこの計測条件MCm,MCnを読み出すと共に、計測部2に対して計測条件MCm(物理量Qを計測する際に実際に使用する1つの計測レンジと、この計測レンジでのゼロアジャスト補正値)を設定する。
次いで、処理部6は、計測部2に対して、切り替え後の計測レンジで校正装置12の既知の物理量Qを計測させると共に、この物理量Qを出力させる。続いて、処理部6は、計測部2から出力された物理量Qを取得すると共に、この計測レンジの識別情報に関連付けて記憶部7に記憶させる記憶処理を実行して(ステップ83)、ステップ71に移行する。
上記したように、計測装置1が作業台11に載置されており(つまり、リーダライタ部3の通信可能エリア内にICタグ9が存在していて、ICタグ9との通信が成功している状態であって)、ICタグ9に記憶されている特定計測条件MCnsを取得済みであり、点検・校正が済んでいないときであって、かつネットI/F部4に対する特定計測条件MCnsの設定が済んでいるとき(つまり、第2ネットワークNET2に接続されているとき)には、処理部6は、ステップ71への移行後、ステップ81に直ちに移行して、校正装置12からのコマンドの出力を検出する。
この状態において処理部6は、再度、計測指示のコマンドを取得したときには、上記したステップ82,83での動作を実行して、例えば、このコマンドと共に校正装置12から出力される計測の際の条件で示される他の計測レンジを使用して計測部2において計測された物理量Qを取得すると共に、この他の計測レンジの識別情報に関連付けて記憶部7に記憶させる。
このようにして校正装置12は、点検・校正の際には、まず、計測装置1の計測部2に対して、点検・校正の必要な1または2以上の計測レンジで物理量Qを計測させる。
次いで、校正装置12は、計測装置1に対して、計測した物理量Qを校正装置12に出力(送信)させる。この場合、校正装置12は、ステップ81において校正装置12からのコマンドの出力を検出している処理部6に対して、計測した物理量Qを校正装置12に出力(送信)させる出力指示のコマンドを出力する。
計測装置1では、処理部6が、ステップ81においてこの出力指示のコマンドを取得したときには、記憶部7に記憶されている1または2以上の計測レンジでの物理量Qを、対応する計測レンジの識別情報と共に記憶部7から読み出して、ネットI/F部4から第2ネットワークNET2を介して校正装置12に出力する(ステップ84)。また、処理部6は、このステップ84の実行後にステップ81に移行して、校正装置12からのコマンドの出力を検出する。
校正装置12は、計測装置1から計測レンジでの物理量Qを、対応する計測レンジの識別情報と共に受信したときには、計測装置1の計測部2に対して、すべての計測レンジで計測させた既知の物理量Qと、計測装置1から受信した物理量Q(計測装置1の計測部2で実測された物理量)との差分に基づいて、すべての計測レンジでの計測が正常に実行されているか否かを点検する点検処理と、すべての計測レンジでのゼロアジャスト補正値を算出する校正処理とを実行する。校正装置12では、点検処理において、上記の差分が予め規定された許容範囲に含まれているか否かに基づき、許容範囲に含まれているときにはその計測レンジでの計測については正常であると判別し、一方、許容範囲に含まれていないときにはその計測レンジでの計測については異常であると判別する。また、校正装置12は、この点検処理での判別結果を、アフターサービス部門の作業者に報知する。これにより、アフターサービス部門の作業者は、点検処理において異常と判別された計測装置1については、修理工程に送って修理する。
また、校正装置12では、点検処理においてすべての計測レンジが正常であると判別したときには、校正処理を実行して、すべての計測レンジでのゼロアジャスト補正値を算出する。また、校正装置12は、算出したすべての計測レンジでのゼロアジャスト補正値と、対応する計測レンジの識別情報とを、入力指示のコマンドと共に計測装置1に送信(出力)する。
計測装置1では、処理部6が、ステップ81においてこの入力指示のコマンドを取得したときには、この入力指示のコマンドと共に校正装置12から出力されている計測レンジでのゼロアジャスト補正値と、対応する計測レンジの識別情報とを入力(取得)する(ステップ85)。また、処理部6は、この校正装置12から入力した計測レンジでの新たなゼロアジャスト補正値で、記憶部7に記憶されているこの計測レンジでの元のゼロアジャスト補正値(計測条件領域および待避領域に記憶されている計測レンジでの元のゼロアジャスト補正値も含む)を更新する(ステップ86)。これにより、アフターサービス部門での計測装置1についての点検・校正が完了する。一例として、処理部6が、ステップ86において、点検・校正が完了した旨を出力部8に表示させることで、アフターサービス部門の作業者に報知する。その後、処理部6は、ステップ71に移行する。
この場合、上記したように計測装置1が作業台11に載置された状態であって(つまり、ICタグ9との通信が成功している状態であって)、ICタグ9に記憶されている特定計測条件MCnsを取得済みであり、かつ点検・校正が済んでいることから、処理部6は、ステップ71から、ステップ72、ステップ74、ステップ75、ステップ78と進んで、再度ステップ71に戻るループを繰り返す。
アフターサービス部門の作業者は、上記した計測装置1による報知に基づき計測装置1に対する点検・校正の完了を知得する。このため、作業者は、計測装置1と校正装置12とを切り離して、この計測装置1を起動状態のまま作業台11から移動させる。この移動により、ICタグ9がリーダライタ部3の通信可能エリアの外側に位置した状態に移行して、計測装置1(具体的には、リーダライタ部3)とICタグ9との通信が不成功の状態となる。この場合、処理部6は、ステップ71の通信処理において、上記したようにICタグ9との通信の試みを開始すると共にこの通信の試みを開始した時点からの経過時間の計測を実行する。
処理部6は、ステップ72において、このICタグ9との通信が不成功の状態となっていることを検出して、ステップ73に移行する。このステップ73では、処理部6は、ステップ71の通信処理において計測を開始した経過時間が予め規定された基準時間を超えたか否か(つまり、ICタグ9との通信の試みを開始した時点からこの基準時間と同じ基準長さの期間が経過したか否か)を検出して、計測している経過時間がこの基準時間を超えていないこと(つまり、ICタグ9との通信の試みを開始した時点から上記の基準長さの期間が経過していないこと)を検出したときにはステップ71に移行する。この場合、処理部6は、計測している経過時間がこの基準時間を超えたこと(つまり、ICタグ9との通信の試みを開始した時点から上記の基準長さの期間が経過したこと)を検出するまで、ステップ71から、ステップ72、ステップ73と進んで、再度ステップ71に戻るループを繰り返す(つまり、上記したリトライ処理を繰り返し実行する)。計測装置1は、作業者によって作業台11から移動させられていること(すなわち、計測装置1に対する点検・校正作業が完了していること)から、処理部6は、その後、計測している経過時間が上記の基準時間を超えたこと(つまり、ICタグ9との通信の試みを開始した時点から上記の基準長さの期間が経過したこと)を検出して、復元処理を実行する(ステップ87)。
この復元処理では、処理部6は、待避処理において記憶部7の待避領域に初期計測条件MCmi,MCniとして待避させた計測条件MCm,MCn(作業台11への載置以前に記憶部7の計測条件領域に記憶されていた計測条件であるが、上記のステップ86での処理により、ゼロアジャスト補正値については更新されていることがある)を、特定計測条件に代えて計測条件MCm,MCnとして計測条件領域に記憶させる。
このように、この計測装置1では、処理部6が、ICタグ9との通信を試みるリトライ処理を実行しつつ、ICタグ9との通信の試みが成功してICタグ9から計測条件(本例では、特定計測条件MCns)を取得(受信)したときには、記憶部7の計測条件領域に記憶されている計測条件MCm,MCnを初期計測条件として記憶部7の待避領域に待避させる待避処理、および取得した計測条件(特定計測条件MCns)を新たな計測条件として計測条件領域に記憶させる計測条件変更処理を実行する。このため、この計測装置1によれば、処理部6が、計測条件領域に記憶されている新たな計測条件(特定計測条件MCns)をネットI/F部4に対して設定することから、計測装置1を第2ネットワークNET2に自動的に接続することができる。つまり、この計測装置1によれば、作業者が手動でネットI/F部4に対する設定を実行して計測装置1を第2ネットワークNET2に接続するという手間を省いて、第2ネットワークNET2に接続されているという計測条件で計測部2に対して計測処理を実行させることができる。
また、この計測装置1では、処理部6が、ICタグ9との通信の試みが成功しているときにのみICタグ9から取得した特定計測条件MCnsに従って動作し(第2ネットワークNET2に接続されているという計測条件で計測部2に対して計測処理を実行し)、リトライ処理においてICタグ9との通信の試みが予め規定された基準長さの期間に亘って不成功であったとき(つまり、計測装置1に対する点検・校正作業が完了して、計測装置1が作業台11から移動させられているとき)には、待避処理において待避領域に待避させた初期計測条件としての計測条件MCm,MCn(元々、計測条件領域に記憶されていた計測条件MCm,MCn)を特定計測条件MCnsに代えて計測条件領域に記憶させる復元処理を実行する。したがって、この計測装置1によれば、計測装置1をICタグ9から離すだけで、計測条件領域に記憶されている計測条件をリトライ処理においてICタグ9との通信の試みが成功する前の初期計測条件に自動的に戻す(復元)できることから、作業者が手動で計測条件領域に記憶されている計測条件を元の初期計測条件に変更する手間を省いて、例えば、第1ネットワークNET1に接続されているという計測条件で計測部2に対して計測処理を実行させる定常作業を確実に実行することができる。つまり、計測装置1のユーザは、点検・校正から戻ってきた計測装置1についてその計測条件を設定し直すことなく、点検・校正に出す前の計測条件で計測装置1を使用することができる。計測装置1のネットワークNET1,NET2への接続に際しては、有線接続の場合であっても、また無線接続の場合であっても、複数の設定条件をネットI/F部4に入力しなければならないため、その手間を省けることは極めて便利である。
なお、上記の計測装置1では、処理部6が、計測条件領域に記憶されている特定計測条件を初期計測条件としての元の計測条件に変更する復元処理を実行する条件として、リトライ処理においてICタグ9との通信の試みが予め規定された基準長さの期間に亘って不成功であったことと規定しているが、復元処理を実行する条件はこれに限定されるものではない。例えば、上記した校正装置12によって実行される計測装置1に対する点検・校正の処理の開始(上記のリトライ処理においてICタグ9との通信の試みが最初に成功したとき)から完了(上記のステップ86の処理の完了)までに要する時間が予め分かっているとき(この時間が既知の長さであるとき)には、計測装置1は、処理部6が図5に示すフローチャートに従って復元処理を実行する構成を採用することもできる。以下、図5を参照してこの構成について説明する。
なお、図5のフローチャートでのステップ71,72,74,75,76およびステップ87については、図4に示すフローチャートの対応するステップと処理内容が同一であり、また図5のフローチャートでは図示を省略しているステップ77〜ステップ86についても、図4に示すフローチャートの対応するステップと処理内容が同一であることから、以下では、図4に示す校正動作70と相違する動作について主として説明し、同じ動作については説明を省略する。
図5に示す校正動作70では、処理部6は、ステップ71およびステップ72を繰り返すことで、リーダライタ部3を介してICタグ9との通信を試みるリトライ処理を実行する。また、処理部6は、このリトライ処理においてICタグ9との通信の試みが成功したとき(最初に成功したとき)には、ICタグ9との通信によってICタグ9に記憶されている情報(例えば、ICタグ9の識別情報や特定計測条件MCns)を取得する処理(ステップ74)を実行するが、この処理の実行後、取得した特定計測条件MCnsが既に取得済みのものであるか否かを検出する処理(ステップ75)を実行するまでの間において、経過時間の計測を開始する処理(ステップ91)と、計測している経過時間が後述する特定長さに達したか(この特定長さの期間である特定期間が終了したか)否かを検出する処理(ステップ92)とを連続して実行する。また、処理部6は、ステップ92での検出の結果、経過時間が特定長さに達していない(特定期間が終了していない)ことを検出したときには、ステップ75に移行して、物理量Qの計測処理および記憶処理(図4参照)などを実行する。一方、処理部6は、ステップ92での検出の結果、経過時間が特定長さに達したこと(特定期間が終了したこと)を検出したときには、復元処理(ステップ87)を実行する。つまり、処理部6は、ICタグ9との通信の試みが成功したとき(最初に成功したとき)から復元処理(ステップ87)の実行を開始するまでの上記の特定期間においてのみ上記の物理量Qの計測処理および記憶処理(図4参照)などを実行する。
また、図5に示す校正動作70では、処理部6は、ステップ78において点検・校正済みであることを検出したとき、ステップ83の処理を実行したとき、およびステップ86での処理を実行したときには、ステップ92に移行する。
この図5に示す校正動作70では、ステップ92において計測している経過時間と比較する特定長さ(特定時間)として、上記した校正装置12によって実行される計測装置1に対する点検・校正の処理の開始から完了までに要する既知の時間よりも若干長い時間が規定されている。このため、図5に示す校正動作70において、処理部6がステップ92で経過時間が特定長さに達したこと(特定期間が終了したこと)を検出したときには、校正装置12によって実行される計測装置1に対する点検・校正の処理は常に完了していることになる。これにより、処理部6が、経過時間が特定長さに達したこと(特定期間が終了したこと)を検出したときに復元処理(ステップ87)を実行する構成でも、校正装置12による計測装置1に対する点検・校正の処理への影響はなく、この点検・構成の処理は正常に実行される。
したがって、図5に示す校正動作70を処理部6が実行する構成の計測装置1においても、図4に示す校正動作70を処理部6が実行する構成の上記の計測装置1と同様の効果を奏することができる。
また、計測装置1の特徴的な機能、つまり、リーダライタ部3を介してICタグ9との通信を試みるリトライ処理を実行しつつ、リトライ処理においてICタグ9との通信の試みが成功してICタグ9から特定計測条件MCms,MCns(上記の例では一例として、特定計測条件MCns)を受信したときには、記憶部7の計測条件領域に記憶されている計測条件MCm,MCnを初期計測条件MCmi,MCniとして記憶部7の待避領域に待避させる待避処理、および特定計測条件MCms,MCnsを新たな計測条件MCm,MCnとして計測条件領域に記憶させる計測条件変更処理を実行すると共に、リトライ処理において試みが成功している期間においてのみ(または、特定長さの特定期間においてのみ)、新たな計測条件MCm,MCn(つまり、特定計測条件MCms,MCns)に従って動作し、リトライ処理において試みが予め規定された基準長さの期間に亘って不成功であったとき(上記の特定期間が終了したとき)には、待避領域に待避されている初期計測条件MCmi,MCniを特定計測条件MCms,MCnsに代えて計測条件MCm,MCnとして計測条件領域に記憶させる復元処理を実行するという機能の利点に関して、計測装置1を点検・校正に出したときの例を挙げて説明したが、この計測装置1の機能の利点は、この例に限定されるものではない。
例えば、ユーザが携帯する社員証カードケース内に、ユーザ毎の特定計測条件MCms,MCnsが予め記憶されたICタグ9が収納されている状況では、上記の計測装置1は、この計測装置1を使用しようとするユーザが手にしているとき(つまり、リーダライタ部3の通信可能エリア内にこのユーザの社員証カードケースが入っているとき)には、このユーザについての特定計測条件MCms,MCnsをユーザの社員証カードケース内のICタグ9から自動的に読み取って、読み取った特定計測条件MCms,MCnsに従って動作することができる。これにより、ユーザは、ユーザに固有の計測条件MCm,MCn(つまり、特定計測条件MCms,MCns)をいちいち計測装置1に設定することなく、計測装置1を固有の計測条件MCm,MCn(特定計測条件MCms,MCns)で使用することができる。
ところで、この計測装置1が例えば特定のユーザが主として使用するものであるときには、この特定のユーザは、ICタグ9が収納された上記のような社員証カードケースを持っていないときでも、計測装置1を自身の特定計測条件MCms,MCnsで使用し得るように、計測装置1の記憶部7における計測条件領域に記憶させておくことがある。この計測装置1は、この特定のユーザから他のユーザに貸し出されて、この他のユーザが手にしているときには、この他のユーザの社員証カードケース内に収納されているICタグ9からこの他のユーザについての特定計測条件MCms,MCnsを自動的に読み取って、読み取った特定計測条件MCms,MCnsに従って動作する。一方、計測装置1は、他のユーザが手放したとき(リーダライタ部3の通信可能エリアからこの他のユーザの社員証カードケースが出たとき)には、待避領域に初期計測条件MCmi,MCniとして待避されていた特定のユーザの特定計測条件MCms,MCnsを計測条件領域に記憶させる(復元する)。したがって、特定のユーザは、他のユーザから返却された計測装置1に対して、自身の特定計測条件MCms,MCnsをいちいち設定することなく、計測装置1を自身の特定計測条件MCms,MCnsで使用することができる。
また、ICタグ9が上記の社員証カードケース内ではなく、計測対象DUTに取り付けられていて、このICタグ9に計測対象DUT毎の特定計測条件MCms,MCnsが予め記憶されている状況では、上記の計測装置1は、この計測装置1で計測しようとする計測対象DUTについての特定計測条件MCms,MCnsを、この計測対象DUTに取り付けられているICタグ9から自動的に読み取って、読み取った特定計測条件MCms,MCnsに従って動作することができる。これにより、ユーザは、計測対象DUTに固有の計測条件MCm,MCn(つまり、特定計測条件MCms,MCns)をいちいち計測装置1に設定することなく、計測対象DUTに固有の計測条件MCm,MCn(特定計測条件MCms,MCns)に設定された計測装置1でこの計測対象DUTを計測することができる。
ところで、この計測装置1が例えば特定の計測対象DUTについて主として使用されるものであるときには、この特定の計測対象DUTについて、わざわざICタグ9を取り付けなくてもこの特定の計測対象DUTについての特定計測条件MCms,MCnsで計測し得るように、ユーザは、この特定計測条件MCms,MCnsを計測装置1の記憶部7における計測条件領域に記憶させておくことがある。この計測装置1は、この特定の計測対象DUTとは異なる他の計測対象DUTの計測時には、この他の計測対象DUTに取り付けられたICタグ9からこの他の計測対象DUTについての特定計測条件MCms,MCnsを自動的に読み取って、読み取った特定計測条件MCms,MCnsに従って動作する。一方、計測装置1は、この他の計測対象DUTの計測が完了して、この他の計測対象DUTから離されたとき(リーダライタ部3の通信可能エリアからこの他の計測対象DUTに取り付けられたICタグ9が出たとき)には、待避領域に初期計測条件MCmi,MCniとして待避されていた特定の計測対象DUTの特定計測条件MCms,MCnsを計測条件領域に記憶させる(復元する)。したがって、ユーザは、計測装置1に対して、特定の計測対象DUTについての特定計測条件MCms,MCnsをいちいち設定することなく、この特定計測条件MCms,MCnsで計測装置1を使用して、この特定の計測対象DUTを計測することができる。
1 計測装置
2 計測部
3 リーダライタ部
4 ネットI/F部
6 処理部
7 記憶部
9 ICタグ
DUT 計測対象
MCm,MCn 計測条件
MCms,MCns 特定計測条件
NET ネットワーク
NET1 第1ネットワーク
NET2 第2ネットワーク
Q 物理量

Claims (3)

  1. 計測対象の物理量を計測する計測部と、設定された計測条件および前記計測された物理量を記憶する記憶部と、前記記憶部の計測条件領域に記憶されている前記計測条件に従って動作して、前記計測部に対して前記物理量を計測させる計測処理および当該計測された物理量を記憶部に記憶させる記憶処理を実行する処理部とを備えている計測装置であって、
    ICタグ用のリーダライタ部を備え、
    前記処理部は、
    前記リーダライタ部を介して前記ICタグとの通信を試みるリトライ処理を実行しつつ、
    前記リトライ処理において前記ICタグとの通信の試みが成功して当該ICタグから特定計測条件を受信したときには、前記計測条件領域に記憶されている前記計測条件を初期計測条件として前記記憶部の待避領域に待避させる待避処理、および前記特定計測条件を新たな前記計測条件として前記計測条件領域に記憶させる計測条件変更処理を実行すると共に、前記リトライ処理において前記試みが成功している期間においてのみ、前記新たな計測条件に従って動作して、前記計測処理および前記記憶処理を実行し、
    前記リトライ処理において前記試みが予め規定された基準長さの期間に亘って不成功であったときには、前記待避領域に待避されている前記初期計測条件を前記特定計測条件に代えて前記計測条件として前記計測条件領域に記憶させる復元処理を実行する計測装置。
  2. 計測対象の物理量を計測する計測部と、設定された計測条件および前記計測された物理量を記憶する記憶部と、前記記憶部の計測条件領域に記憶されている前記計測条件に従って動作して、前記計測部に対して前記物理量を計測させる計測処理および当該計測された物理量を記憶部に記憶させる記憶処理を実行する処理部とを備えている計測装置であって、
    ICタグ用のリーダライタ部を備え、
    前記処理部は、
    前記リーダライタ部を介して前記ICタグとの通信を試みるリトライ処理を実行し、
    前記リトライ処理において前記ICタグとの通信の試みが成功して当該ICタグから特定計測条件を受信したときには、前記計測条件領域に記憶されている前記計測条件を初期計測条件として前記記憶部の待避領域に待避させる待避処理、および前記特定計測条件を新たな前記計測条件として前記計測条件領域に記憶させる計測条件変更処理を実行すると共に、前記試みの最初の成功から予め規定された特定長さの特定期間においてのみ、前記新たな計測条件に従って動作して、前記計測処理および前記記憶処理を実行し、
    前記特定期間が終了したときには、前記待避領域に待避されている前記初期計測条件を前記特定計測条件に代えて前記計測条件として前記計測条件領域に記憶させる復元処理を実行する計測装置。
  3. ネットワークインターフェース部を備え、
    前記計測条件には、前記ネットワークインターフェース部を目的のネットワークに接続するための設定条件が含まれ、
    前記処理部は、前記ICタグから前記特定計測条件を受信したときには、前記待避処理において、前記計測条件領域に記憶されている前記計測条件に含まれる前記設定条件であって前記目的のネットワークとしての第1ネットワークに接続するための設定条件を初期設定条件として前記初期計測条件に含めて前記待避領域に待避させ、前記計測条件変更処理において、前記特定計測条件に含まれる特定設定条件であって新たな前記目的のネットワークとしての第2ネットワークに接続するための前記設定条件を新たな前記設定条件として前記計測条件領域に記憶させる請求項1または2記載の計測装置。
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