JP2021139347A - エンジンオイル劣化判定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】エンジンオイルの劣化の判定精度を向上できるエンジンオイル劣化判定装置を提供する。【解決手段】エンジンオイル劣化判定装置100は、エンジンでの総燃料流量とエンジンオイルの全酸価との関係を示す全酸価推定マップ21、及び更油後からの経過時間とエンジンオイルの全塩基価との関係を示す全塩基価推定マップ22を取得する情報取得部12を有する。劣化判定部16は、全酸価推定マップ21及びカウントされた総燃料流量に基づく第1の判定結果、及び全塩基価推定マップ22及びカウントされた経過時間に基づく第2の判定結果の少なくとも一方に基づいてエンジンオイルの劣化を判定する。ユーザーが低い負荷頻度で車両を使用する場合には、劣化判定部16は、経過時間が長くなることによる全塩基価の変化に基づいて劣化を適切なタイミングで判定することができる。【選択図】図1

Description

本発明は、エンジンオイル劣化判定装置に関する。
特許文献1には、エンジンオイルの劣化を判定するエンジンオイル劣化判定装置が記載されている。このエンジンオイル劣化判定装置は、走行時間を時間積分して、劣化指標をし、当該検出結果に基づいて判定をおこなっている。
特開2008−95562号公報
上述のエンジンオイル劣化判定装置では、ユーザーの車両の使用態様によっては、エンジンオイルの劣化判定の精度が低下する場合があった。従って、ユーザーの使用態様に左右されずに、エンジンオイルの劣化の判定精度を高めることが要求されている。
本発明は、エンジンオイルの劣化の判定精度を向上できるエンジンオイル劣化判定装置を提供することを目的とする。
ここで、本発明者らは、鋭意研究の結果、エンジンでの総燃料流量とエンジンオイルの全酸価との間には高い相関関係があり、更油後からの経過時間とエンジンオイルの全塩基価との間には高い相関関係があることを見出した。
そこで、本発明に係るエンジンオイル劣化判定装置は、エンジンオイルの劣化を判定するエンジンオイル劣化判定装置であって、エンジンでの総燃料流量とエンジンオイルの全酸価との関係を示す全酸価推定情報、及び更油後からの経過時間とエンジンオイルの全塩基価との関係を示す全塩基価推定情報を取得する情報取得部と、エンジンでの総燃料流量、及び更油後からの経過時間をカウントするカウント部と、全酸価推定情報及びカウント部でカウントされた総燃料流量に基づく第1の判定結果、及び全塩基価推定情報及びカウント部でカウントされた経過時間に基づく第2の判定結果の少なくとも一方に基づいてエンジンオイルの劣化を判定する劣化判定部と、を備える。
本発明に係るエンジンオイル劣化判定装置は、エンジンでの総燃料流量とエンジンオイルの全酸価との関係を示す全酸価推定情報、及び更油後からの経過時間とエンジンオイルの全塩基価との関係を示す全塩基価推定情報を取得する情報取得部と、エンジンでの総燃料流量、及び更油後からの経過時間をカウントするカウント部と、を有する。全酸価推定情報を用いれば、カウントされた総燃料流量から全酸価を推定することができると共に、当該全酸価の値から、エンジンオイルの劣化がどの程度進行しているのかを判定することが可能となる。また、全塩基価推定情報を用いれば、カウントされた経過時間から全塩基価を推定することができると共に、当該全塩基価の値から、エンジンオイルの劣化がどの程度進行しているのかを判定することが可能となる。従って、劣化判定部は、全酸価推定情報及びカウント部でカウントされた総燃料流量に基づく第1の判定結果、及び全塩基価推定情報及びカウント部でカウントされた経過時間に基づく第2の判定結果の少なくとも一方に基づいてエンジンオイルの劣化を判定する。これにより、例えば、ユーザーが高負荷頻度で車両を使用する場合には、劣化判定部は、総燃料流量が多くなることによる全酸価の変化に基づいて劣化を適切なタイミングで判定することができる。一方、ユーザーが低い負荷頻度で車両を使用する場合には、劣化判定部は、総燃料流量に対応する全酸価の変化に基づいて劣化を判定できないようなときでも、経過時間が長くなることによる全塩基価の変化に基づいて劣化を適切なタイミングで判定することができる。以上より、エンジンオイルの劣化の判定精度を向上できる。
全酸価推定情報及び全塩基価推定情報は、複数の油種に応じて複数準備され、劣化判定部は、判定対象となるエンジンオイルの油種に対応する全酸価推定情報及び全塩基価推定情報を用いて判定を行ってよい。この場合、劣化判定部は、油種に応じて、適切にエンジンオイルの劣化の判定を行うことができる。
劣化判定部は、全酸価推定情報において全酸価に対して定められた全酸価閾値、及び全塩基価推定情報において全塩基価に対して定められた全塩基価閾値を用いて判定を行い、全酸価閾値及び全塩基価閾値は、複数段階に設定されてよい。この場合、劣化判定部は、劣化のレベルを段階的に判定することができるため、劣化のレベルに応じて適切な強度でユーザーに対してエンジンオイルの交換の注意喚起を行うことができる。
劣化判定部は、全酸価推定情報において全酸価に対して定められた全酸価閾値、及び全塩基価推定情報において全塩基価に対して定められた全塩基価閾値を用いて判定を行い、全酸価閾値及び全塩基価閾値を更新する更新部を更に備えてよい。この場合、ユーザーの使用状況に応じて、閾値を調整することができるため、適切な態様でエンジンオイルの交換の注意喚起を行うことができる。
本発明によれば、エンジンオイルの劣化の判定精度を向上できるエンジンオイル劣化判定装置を提供することができる。
本発明の実施形態に係るエンジンオイル劣化判定装置のブロック構成を示すブロック図である。 全酸価推定マップ及び全塩基価推定マップの一例を示すグラフである。 エンジンオイル劣化判定装置の制御部における処理内容を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、図面において、同一または同等の要素には同じ符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、本発明の実施形態に係るエンジンオイル劣化判定装置100のブロック構成を示すブロック図である。このエンジンオイル劣化判定装置100は、車両に搭載される装置である。エンジンオイル劣化判定装置100は、車両のエンジンオイルの劣化を判定すると共に、ユーザーに対して交換時期を通知する装置である。
図1に示すように、制御部1と、出力部2と、入力部3と、センサ4と、を備える。出力部2は、ユーザーに対して情報を出力する。出力部2として、情報を表示するモニタが例示される。当該モニタには、判定結果に基づいて、エンジンオイルの交換に対する注意喚起を行う情報が出力される。なお、出力部2は、音声によって情報を通知してもよい。入力部3は、ユーザーからの情報の入力を受け付ける部分である。センサ4は、車両内の各箇所に設けられ、所定の情報を検出する。
制御部1は、車両を統括的に管理するECU[ElectronicControl Unit]を備えている。ECUは、CPU[Central Processing Unit]、ROM[Read Only Memory]、RAM[Random Access Memory]、CAN[Controller Area Network]通信回路等を有する電子制御ユニットである。ECUでは、例えば、ROMに記憶されているプログラムをRAMにロードし、RAMにロードされたプログラムをCPUで実行することにより各種の機能を実現する。ECUは、複数の電子ユニットから構成されていてもよい。図1に示すように、記憶部11と、情報取得部12と、総燃料流量カウント部13(カウント部)と、経過時間カウント部14(カウント部)と、劣化判定部16と、報知制御部17と、更新部18と、を備える。
記憶部11は、各種情報を記憶する部分である。記憶部11は、予め準備された全酸価推定マップ21(全酸価推定情報)、及び全塩基価推定マップ22(全塩基価推定情報)を有している。全酸価推定マップ21は、エンジンでの総燃料流量とエンジンオイルの全酸価との関係を示すグラフである。また、全酸価推定マップ21は、更油後からの経過時間とエンジンオイルの全塩基価との関係を示すグラフである。全酸価推定マップ21及び全塩基価推定マップ22は、事前に行われた計測実験の結果に基づいて作成されるグラフである。
図2は、全酸価推定マップ21及び全塩基価推定マップ22の一例を示すグラフである。図2に示すように、記憶部11は、油種に応じて複数の全酸価推定マップ21及び全塩基価推定マップ22を記憶している。このように、全酸価推定マップ21及び全塩基価推定マップ22は、複数の油種に応じて複数準備されている。図2(a)は、油種Aに対応する全酸価推定マップ21及び全塩基価推定マップ22を示す。図2(b)は、油種Bに対応する全酸価推定マップ21及び全塩基価推定マップ22を示す。図2(c)は、油種Cに対応する全酸価推定マップ21及び全塩基価推定マップ22を示す。図2(a)〜(c)の左側のグラフが、全酸価推定マップ21に対応するグラフである。当該グラフの横軸は、更油後のエンジンでの総燃料流量を示し、縦軸は、全酸価を示す。全酸価の値が高いほど、エンジンオイルが劣化していることを示す。また、当該全酸価推定マップ21のグラフには、複数段階の閾値が設定されている。ここでは3段階の全酸価閾値が設定されており、劣化の進行度が低いものから順にレベル1の全酸価閾値L1a、レベル2の全酸価閾値L2a、レベル3の全酸価閾値L3aとする。
図2(a)〜(c)の右側のグラフが、全塩基価推定マップ22に対応するグラフである。当該グラフの横軸は、更油後の経過時間を示し、縦軸は、全塩基価を示す。全塩基価の値が低いほど、エンジンオイルが劣化していることを示す。また、当該全塩基価推定マップ22のグラフには、複数段階の全塩基価閾値が設定されている。ここでは3段階の全塩基価閾値が設定されており、劣化の進行度が低いものから順にレベル1の全塩基価閾値L1b、レベル2の全塩基価閾値L2b、レベル3の全塩基価閾値L3bとする。
情報取得部12は、記憶部11から読み出すことによって、全酸価推定マップ21及び全塩基価推定マップ22を取得する。情報取得部12は、車両で用いられている油種を判定し、当該油種に対応する全酸価推定マップ21及び全塩基価推定マップ22を取得する。なお、油種の判定は、予め入力部3でユーザーから入力された情報に基づいて行われてよい。
総燃料流量カウント部13は、エンジンにて消費される燃料の総流量をカウントする。総燃料流量カウント部13が燃料の総流量をカウントする方法は特に限定されないが、例えば、燃料の指示噴射量をカウントし、累積で燃料の総流量を算出してよい。あるいは、燃料タンクからエンジンに入るまでの燃料の経路に流量センサ(行きの流量を測定)を設け、エンジンから燃料タンクに戻るまでの経路に流量センサ(戻りの流量を測定)を設けてよい。この場合、総燃料流量カウント部13は、エンジン始動から停止までの1サイクル毎に、「行きの流量−戻りの流量=実燃料流量」として、累積カウントを行うことで、燃料の総量をカウントしてよい。経過時間カウント部14は、更油後からの経過時間をカウントする。経過時間カウント部14は、エンジンが動いているときの時間のみならず、エンジンが止まっているときの時間も含めてカウントすることができる。経過時間カウント部14は、タイマーを用いて時間を測定することによって時間をカウントする。総燃料流量カウント部13及び経過時間カウント部14は、エンジンオイルを交換したときには、カウントをリセットする。
劣化判定部16は、全酸価推定マップ21及び総燃料流量カウント部13でカウントされた総燃料流量に基づく第1の判定結果、及び全塩基価推定マップ22及び経過時間カウント部14でカウントされた経過時間に基づく第2の判定結果の少なくとも一方に基づいてエンジンオイルの劣化を判定する。劣化判定部16は、判定対象となるエンジンオイルの油種に対応する全酸価推定マップ21及び全塩基価推定マップ22を用いて判定を行う。
劣化判定部16は、全酸価推定マップ21において全酸価に対して定められた全酸価閾値、及び全塩基価推定マップ22において全塩基価に対して定められた全塩基価閾値を用いて判定を行う。すなわち、劣化判定部16は、総燃料流量カウント部13でカウントされた総燃料流量に対応する全酸価の値と、レベル1の全酸価閾値L1a、レベル2の全酸価閾値L2a、及びレベル3の全酸価閾値L3aと、を比較する。劣化判定部16は、総燃料流量に対応する全酸価の値がレベル1の全酸価閾値L1a以上であり、レベル2の全酸価閾値L2aより低い場合、劣化レベル1であると判定する。劣化判定部16は、総燃料流量に対応する全酸価の値がレベル2の全酸価閾値L2a以上であり、レベル3の全酸価閾値L3aより低い場合、劣化レベル2であると判定する。劣化判定部16は、総燃料流量に対応する全酸価の値がレベル3の全酸価閾値L3a以上の場合、劣化レベル3であると判定する。以上により、第1の判定結果が取得される。
劣化判定部16は、経過時間カウント部14でカウントされた経過時間に対応する全塩基価の値と、レベル1の全塩基価閾値L1b、レベル2の全塩基価閾値L2b、及びレベル3の全塩基価閾値L3bと、を比較する。劣化判定部16は、経過時間に対応する全塩基価の値がレベル1の全塩基価閾値L1b以下であり、レベル2の全塩基価閾値L2bより高い場合、劣化レベル1であると判定する。劣化判定部16は、経過時間に対応する全塩基価の値がレベル2の全塩基価閾値L2b以下であり、レベル3の全塩基価閾値L3bより高い場合、劣化レベル2であると判定する。劣化判定部16は、経過時間に対応する全塩基価の値がレベル3の全塩基価閾値L3b以下の場合、劣化レベル3であると判定する。
ここで、劣化判定部16は、全酸価の第1の判定結果、及び全塩基価の第2の判定結果をどのように用いてもよい。総燃料流量に対応する全酸価の値、及び経過時間に対応する全塩基価の値のうちの一方が先に高い劣化レベルに係る閾値に到達した場合、劣化判定部16は、他方の判定結果に関わらずに、劣化レベルを判定してよい。例えば、総燃料流量に対応する全酸価の値がレベル3の全酸価閾値L3aに先に到達した場合、経過時間に対応する全塩基価の値がレベル1かレベル2であるかに関わらず、劣化判定部16は、全酸価の第1の判定結果に基づいて、エンジンオイルの劣化レベルは3であると判定する。
または、劣化判定部16は、全酸価の第1の判定結果、及び全塩基価の第2の判定結果を総合的に判断して、劣化を判定してもよい。すなわち、劣化判定部16は、総燃料流量に対応する全酸価の値、及び経過時間に対応する全塩基価の値のうちの一方が先に高い劣化レベルに係る閾値に到達した場合、劣化判定部16は、他方の判定結果も考慮した上で、劣化レベルを判定してよい。例えば、総燃料流量に対応する全酸価の値がレベル3の全酸価閾値L3aに先に到達した場合、経過時間に対応する全塩基価の値がレベル1であるか、レベル2であるかよって、劣化のレベルに差を設ける。すなわち、劣化判定部16は、全酸価の値がレベル3であり全塩基価の値がレベル1の場合と、全酸価の値がレベル3であり全塩基価の値がレベル2の場合とでは、後者の方が劣化レベルが高いものとして判定する。
報知制御部17は、劣化判定部16による劣化の判定結果に基づいて、出力部2で出力する報知レベルを制御する。報知制御部17は、劣化レベルが高いと判定されるほど、報知レベルを高くする。報知制御部17は、劣化レベルが高い場合は「エンジンオイルを交換してください」などのように、エンジンオイルの交換を促すメッセージを出力部2に表示する。また、報知制御部17は、劣化レベルが低い場合は「エンジンオイルの劣化が進行しています」などのように、エンジンオイルの劣化状況を伝えるだけのメッセージを出力部2に表示する。あるいは、報知制御部17は、劣化レベルが低い場合は、推奨される交換時期の目安を報知してもよい。なお、報知制御部17は、報知を行うタイミングを制御してもよい。例えば、エンジンオイルが何れかの劣化レベルであると判定されているときには、運転開始時などに、毎回報知を行ってもよい。あるいは、報知制御部17は、劣化レベルが低い段階では、劣化レベルが一段階上がったタイミングだけで報知を行い、劣化レベルが高く速やかな交換が必要な段階では、高い頻度で報知を行ってよい。
更新部18は、全酸価閾値及び全塩基価閾値を更新する。例えば、車両の用いられ方や使用環境は、ユーザーによって様々である。従って、エンジンオイルの劣化を早い段階で伝える方が適切なユーザーも居れば、劣化レベルが高くなってきたときにだけ注意喚起をすればよいユーザーも居る。従って、更新部18は、ユーザーの車両の使用状況に応じて、全酸価閾値及び全塩基価閾値をデフォルト値から、ユーザーに適した値に更新することができる。具体的には、更新部18は、全酸価閾値L1a,L2a,L3a、及び全塩基価閾値L1b,L2b,L3bの少なくともいずれかの閾値を更新する。なお、更新部18は、車両点検のタイミングや、エンジンオイルの交換のタイミングなどで、ユーザーや点検者の入力に基づいて、閾値を更新する。
次に、図3を参照して、エンジンオイル劣化判定装置100による処理内容について説明する。図3は、エンジンオイル劣化判定装置100の処理内容を示すフローチャートである。なお、図3に示す処理が行われる前段階では、情報取得部12は、車両で用いられている油種に対応する全酸価推定マップ21及び全塩基価推定マップ22を取得しておく。
図3に示すように、総燃料流量カウント部13は、エンジンにて消費される燃料の総流量をカウントする(ステップS10)。なお、エンジンが停止中などの場合は、カウントは行われない。次に、経過時間カウント部14は、更油後からの経過時間をカウントする(ステップS20)。次に、劣化判定部16は、エンジンオイルの劣化判定を行う(ステップS30)。ステップS30では、劣化判定部16は、全酸価推定マップ21とステップS10でカウントされた総燃料流量と照らし合わせることで全酸価の値を取得し、当該値と全酸価閾値L1a,L2a,L3aとを比較して、劣化レベルを判定して第1の判定結果を得る。劣化判定部16は、全塩基価推定マップ22とステップS20でカウントされた経過時間と照らし合わせることで全塩基価の値を取得し、当該値と全塩基価閾値L1b,L2b,L3bとを比較して、劣化レベルを判定して第2の判定結果を得る。劣化判定部16は、第1の判定結果及び第2の判定結果に基づいて、エンジンオイルが劣化したか否かを判定する。このとき、劣化判定部16は、劣化レベルも判定する。
ステップS30において、エンジンオイルは劣化していないと判定された場合、図3に示す処理は終了し、再びステップS10から処理が繰り返される。一方、ステップS30において、エンジンオイルが劣化していると判定された場合、報知制御部17は、劣化レベルに応じてユーザーに対して報知を行う(ステップS40)。ステップS40の報知の後、図3に示す処理は終了し、再びステップS10から処理が繰り返される。なお、報知の後にエンジンオイルが交換された場合、ステップS10,S20でのカウントがなされる前に、カウントがリセットされる。
次に、エンジンオイル劣化判定装置100の作用・効果について説明する。
本実施形態に係るエンジンオイル劣化判定装置100は、エンジンでの総燃料流量とエンジンオイルの全酸価との関係を示す全酸価推定マップ21、及び更油後からの経過時間とエンジンオイルの全塩基価との関係を示す全塩基価推定マップ22を取得する情報取得部12と、エンジンでの総燃料流量、及び更油後からの経過時間をカウントするカウント部13,14と、を有する。全酸価推定マップ21を用いれば、カウントされた総燃料流量から全酸価を推定することができると共に、当該全酸価の値から、エンジンオイルの劣化がどの程度進行しているのかを判定することが可能となる。また、全塩基価推定マップ22を用いれば、カウントされた経過時間から全塩基価を推定することができると共に、当該全塩基価の値から、エンジンオイルの劣化がどの程度進行しているのかを判定することが可能となる。従って、劣化判定部16は、全酸価推定マップ21及び総燃料流量カウント部13でカウントされた総燃料流量に基づく第1の判定結果、及び全塩基価推定マップ22及び経過時間カウント部14でカウントされた経過時間に基づく第2の判定結果の少なくとも一方に基づいてエンジンオイルの劣化を判定する。これにより、例えば、ユーザーが高負荷頻度で車両を使用する場合、定置で使用されるPTO、消防等の車両が用いられる場合などには、劣化判定部は、総燃料流量が多くなることによる全酸価の変化に基づいて劣化を適切なタイミングで判定することができる。一方、ユーザーが低い負荷頻度で車両を使用する場合には、劣化判定部16は、総燃料流量に対応する全酸価の変化に基づいて劣化を判定できないようなときでも、経過時間が長くなることによる全塩基価の変化に基づいて劣化を適切なタイミングで判定することができる。以上より、エンジンオイルの劣化の判定精度を向上できる。
なお、従来技術として、車両の走行時間をエンジンオイルの経時変化の判定に用いる技術が挙げられるが、本実施形態の劣化判定部16は、走行時間のように車両が動いていることを示す情報だけではなく、停止時間も含んだ経過時間に基づいて劣化を判定できる。すなわち、従来技術では、走行時間が極端に短い場合などでは、実際には更油してから長時間が経過することでエンジンオイルの劣化が生じているにもかかわらず、劣化を判定することができない。これに対し、本実施形態では、劣化判定部16は、そのような場合であっても、(全酸価の変化では劣化を判定できなくとも)全塩基価の変化から劣化を判定することができる。
また、従来技術として、走行時間という一つのパラメータに基づいて、全塩基価という劣化指標と不溶解分解という劣化指標を判定するものが挙げられる。これに対し、本実施形態では、全酸価という劣化指標は総燃料流量というパラメータが対応し、全塩基価という劣化指標は経過時間というパラメータが対応している。このように、一つのパラメータに対して一つの劣化指標が対応付けられており、そのような劣化指標を二つ用いる場合、一つのパラメータに同時に二つの劣化指標が対応付けられる場合に比して、一つあたりの劣化指標をより直接的に、正確に判定することができる。
全酸価推定マップ21及び全塩基価推定マップ22は、複数の油種に応じて複数準備され、劣化判定部16は、判定対象となるエンジンオイルの油種に対応する全酸価推定マップ21及び全塩基価推定マップ22を用いて判定を行う。この場合、劣化判定部16は、油種(粘度の違いなど)に応じて、適切にエンジンオイルの劣化の判定を行うことができる。
劣化判定部16は、全酸価推定マップ21において全酸価に対して定められた全酸価閾値、及び全塩基価推定マップ22において全塩基価に対して定められた全塩基価閾値を用いて判定を行い、全酸価閾値及び全塩基価閾値は、複数段階に設定される。この場合、劣化判定部16は、劣化のレベルを段階的に判定することができるため、劣化のレベルに応じて適切な強度でユーザーに対してエンジンオイルの交換の注意喚起を行うことができる。
劣化判定部16は、全酸価推定マップ21において全酸価に対して定められた全酸価閾値、及び全塩基価推定マップ22において全塩基価に対して定められた全塩基価閾値を用いて判定を行い、全酸価閾値及び全塩基価閾値を更新する更新部18を更に備える。この場合、ユーザーの使用状況に応じて、閾値を調整することができるため、適切な態様でエンジンオイルの交換の注意喚起を行うことができる。
本発明は、上述の実施形態に限定されない。
例えば、上述の実施形態では、情報取得部12は、記憶部11から各マップを取得していた。しかし、情報取得部12は、どこから推定マップを取得してもよく、例えばサーバーなどからダウンロードすることで推定マップを取得してよい。
また、上述の実施形態では、全酸価推定情報及び全塩基価推定情報として、全酸価推定マップ21及び全塩基価推定マップ22が採用された。全酸価推定マップ21及び全塩基価推定マップ22は、所定の計算式に基づいて予め作成されたものであり、推定マップの値を読むことによって閾値判定が可能となるものである。これに対し、全酸価推定情報及び全塩基価推定情報として、計算式によって構成される推定モデルが採用されてもよい。推定モデルを用いる場合、より正確な推定が可能となる。なお、推定モデルを反映させる場合、新規の車両・エンジンに対しては、ロジックの新規追加によって反映させることができるが、既存の車両・エンジンに対しては改良による反映の手間がかかる。これに対し、推定マップは、既存の車両に容易に反映させることができる。
12…情報取得部、13…総燃料流量カウント部(カウント部)、14…経過時間カウント部(カウント部)、16…劣化判定部、18…更新部、100…エンジンオイル劣化判定装置。

Claims (4)

  1. エンジンオイルの劣化を判定するエンジンオイル劣化判定装置であって、
    エンジンでの総燃料流量と前記エンジンオイルの全酸価との関係を示す全酸価推定情報、及び更油後からの経過時間と前記エンジンオイルの全塩基価との関係を示す全塩基価推定情報を取得する情報取得部と、
    エンジンでの前記総燃料流量、及び更油後からの前記経過時間をカウントするカウント部と、
    前記全酸価推定情報及び前記カウント部でカウントされた前記総燃料流量に基づく第1の判定結果、及び前記全塩基価推定情報及び前記カウント部でカウントされた前記経過時間に基づく第2の判定結果の少なくとも一方に基づいて前記エンジンオイルの劣化を判定する劣化判定部と、を備える、エンジンオイル劣化判定装置。
  2. 前記全酸価推定情報及び前記全塩基価推定情報は、複数の油種に応じて複数準備され、
    前記劣化判定部は、判定対象となる前記エンジンオイルの油種に対応する前記全酸価推定情報及び前記全塩基価推定情報を用いて判定を行う、請求項1に記載のエンジンオイル劣化判定装置。
  3. 前記劣化判定部は、前記全酸価推定情報において全酸価に対して定められた全酸価閾値、及び前記全塩基価推定情報において全塩基価に対して定められた全塩基価閾値を用いて判定を行い、
    前記全酸価閾値及び前記全塩基価閾値は、複数段階に設定されている、請求項1又は2に記載のエンジンオイル劣化判定装置。
  4. 前記劣化判定部は、前記全酸価推定情報において全酸価に対して定められた全酸価閾値、及び前記全塩基価推定情報において全塩基価に対して定められた全塩基価閾値を用いて判定を行い、
    前記全酸価閾値及び前記全塩基価閾値を更新する更新部を更に備える、請求項1〜3の何れか一項に記載のエンジンオイル劣化判定装置。
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