(第1の実施形態)
以下、第1の実施形態について、図面を参照して説明する。
図2において、VCは電気掃除機である。電気掃除機VCは、使用者が把持して動作させ、被掃除部の塵埃を掃除する。本実施形態では、電気掃除機VCとして、スティック型の電気掃除機を例に挙げて説明する。
電気掃除機VCは、掃除機本体1を備えている。掃除機本体1には、ホース2が接続されている。ホース2には、吸気管3が接続されている。吸気管3には、吸込口体4が着脱可能に接続される。また、吸気管3は、保持部5によって掃除機本体1に対し着脱可能に保持される。以下、掃除機本体1において、ホース2が接続されている側を前側、その反対側を後側として説明する。つまり、本実施形態においては、図1における左側を矢印FRに示す前側、右側を矢印RRに示す後側として説明する。前側及び後側は、電気掃除機VCの使用状態で使用者から見た前側及び後側に相当する。また、前後方向を第一基準方向とし、図1における矢印Uに示す上側及び矢印Dに示す下側を第二基準方向である上下方向とする。上側は、電気掃除機VCの使用状態で使用者から見える側に相当する。さらに、これら第一基準方向及び第二基準方向に対して交差又は直交する方向を第三基準方向である左右方向とする。左右方向は、図1において紙面と交差又は直交する方向である。なお、スティック型の電気掃除機VCは、様々な姿勢で使用されるものであるから、以下の説明における前後、上下、左右は、あくまでも構成及び配置の説明を明確にするために図1の姿勢を基準としているに過ぎず、実施形態の構成及び配置をこれらの方向に限定することを意図するものではない。
掃除機本体1は、概略として、長手状に形成されている。掃除機本体1は、前後方向に長手状となっている。つまり、掃除機本体1の長手方向の一端側にホース2が接続されている。掃除機本体1の外郭は、合成樹脂等の硬質の部材により覆われた筐体部10となっている。
掃除機本体1は、吸引パイプ11を備える。吸引パイプ11は、ホース2と連通し、含塵空気を吸い込む部分である。吸引パイプ11は、掃除機本体1の長手方向に沿って配置されている。吸引パイプ11は、掃除機本体1において、上部及び前部に位置する。本実施形態において、吸引パイプ11は、掃除機本体1の第一本体部12に配置されている。第一本体部12は、吸引パイプ収容部である。第一本体部12は、前後方向に長手状に形成されている。図示される例では、第一本体部12は、掃除機本体1の上部を構成している。
また、吸引パイプ11は、吸引部110と、連通部111と、を一体的に有する。吸引部110は、吸引パイプ11の上流部分を構成する。吸引部110は、直管状に形成されている。吸引部110は、前後方向に延びている。つまり、吸引部110は、掃除機本体1の長手方向に沿って配置されている。吸引部110は、図1における左右方向に延びている。連通部111は、吸引パイプ11の下流部分を構成する。連通部111は、吸引部110の一端側である下流側に連なっている。連通部111は、任意の形状としてよいが、好ましくは直管状に形成されている。連通部111は、吸引部110に対し交差又は直交する方向に延びている。連通部111は、上下方向に延びている。本実施形態において、連通部111は、吸引部110に対し、下側に延びている。連通部111は、図1における上下方向に延びている。したがって、吸引パイプ11は、吸引部110と連通部111とが連なる位置でL字状に屈曲されている。本実施形態において、吸引部110は長管部であり、連通部111は短管部である。つまり、図示される例においては、吸引部110が連通部111よりも長く形成されている。
吸引パイプ11の上流端は、本体吸込口112となっている。吸引部110において連通部111とは反対側の端部が本体吸込口112である。本体吸込口112は、掃除機本体1の前端部に位置する。本実施形態において、本体吸込口112は、前後方向に沿って開口方向を有する。また、吸引パイプ11の下流端は、本体連通口113となっている。連通部111において、吸引部110とは反対側の端部が本体連通口113である。本実施形態において、本体連通口113は、上下方向に沿って開口方向を有する。
本体連通口113には、分離部13が連通されている。つまり、吸引部110の一端側が、連通部111又は本体連通口113を介して分離部13と連通している。分離部13は、掃除機本体1に備えられる。本実施形態において、分離部13は、掃除機本体1に対し着脱可能となっている。図示される例では、分離部13は、掃除機本体1の分離部装着部14に着脱可能に取り付けられる。分離部装着部14は、第一本体部12の下側に形成されている。つまり、分離部13は、吸引パイプ11及び第一本体部12の下側に隣接して配置される。
また、分離部13は、含塵空気が導入される導入口130を有する。導入口130は、本体連通口113と連通する。導入口130は、分離部13の側部に位置する。分離部13は、導入口130を介して導入された含塵空気から塵埃を分離する。分離部13は、フィルタや集塵袋等でもよいが、好ましくは遠心分離部である。つまり、分離部13は、含塵空気を旋回させ、塵埃を遠心分離する。分離部13は、多段の遠心分離部により構成されていてもよいし、一段の遠心分離部により構成されていてもよい。また、分離部13は、遠心分離部とフィルタ等とを組み合わせたものでもよい。すなわち、本実施形態において、分離部13は、少なくとも遠心分離部を有する構成となっていればよい。
また、分離部13は、塵埃が分離された空気を分離部13の外部へと排出する排出口131を有する。排出口131は、分離部13の端部に位置する。本実施形態では、さらに、分離部13は、分離された塵埃を集積する集積部132を有する。
そして、本実施形態において、分離部13は、長手状に形成されている。分離部13は、好ましくは円筒状に形成されている。図示される例では、分離部13は、中心軸が長手方向に沿っている。分離部13の中心軸とは、円筒状の分離部13の外形の中心軸とする。本実施形態において、この中心軸は、分離部13の遠心分離の旋回軸と平行又は略平行であり、好ましくは分離部13の遠心分離の旋回軸と一致又は略一致している。分離部13は、中心軸を前後方向に沿わせて配置されている。すなわち、図1に示す左右方向に沿って分離部13の中心軸が配置される。この配置状態で、分離部13は、導入口130が上側に開口し、排出口131が後側に開口し、集積部132が前側に位置する。
本実施形態において、分離部13は、塵埃を溜める容器であるカップ部134を備えている。また、分離部13は、カップ部134に取り付けられる取付部135を備えている。本実施形態において、取付部135は、含塵空気の旋回流の中心となる筒部や、含塵空気を内周面で旋回させる遠心分離用の円筒部等を含む構造物である。カップ部134と取付部135とは、分離部13の中心軸に沿って互いに着脱される。カップ部134は、分離部13の長手方向の一端部を構成する。取付部135は、分離部13の長手方向の他端部を構成する。カップ部134の側面に導入口130が形成されている。取付部135のカップ部134とは反対側の端部に排出口131が形成されている。
排出口131には、電動送風機15が連通される。電動送風機15は、掃除機本体1に備えられる。電動送風機15は、掃除機本体1において、後部に位置する。本実施形態において、電動送風機15は、掃除機本体1の第二本体部16に配置されている。第二本体部16は、電動送風機収容部である。図示される例では、第二本体部16は、第一本体部12の下側に隣接して位置している。また、第二本体部16は、分離部装着部14の後側に隣接して位置している。つまり、第二本体部16は、第一本体部12の下側及び後側に位置している。図示される例では、第二本体部16は、掃除機本体1の後部を構成している。そのため、電動送風機15は、吸引パイプ11よりも下側に位置し、分離部13に対して後側に位置する。
また、電動送風機15は、吸込側が排出口131と連通し、排気側が図示しない本体排気口と連通する。電動送風機15は、ファン及びこのファンを回転させる電動機を備え、ファンの回転により負圧を生じさせて吸い込んだ空気を、電動機を通して本体排気口から排出するようになっている。
電動送風機15は、前後方向に中心軸を沿わせて配置されている。つまり、電動送風機15の中心軸は、吸引パイプ11の吸引部110及び分離部13の中心軸と並行又は略並行に配置されている。本実施形態において、電動送風機15の中心軸は、吸引パイプ11の吸引部110、及び、分離部13の軸と平行又は略平行となっている。電動送風機15の中心軸は、電動機又はファンの回転軸の中心である。本実施形態において、電動送風機15は、中心軸が分離部13の中心軸上に配置される。これに限られず、電動送風機15は、中心軸が分離部13の中心軸上にない位置に配置されていてもよいし、中心軸が分離部13の中心軸に対して傾いていてもよい。さらに、本実施形態において、電動送風機15は、電動機を前側、ファンを後側として配置されている。つまり、電動送風機15は、吸込側を前側、排気側を後側として配置されている。
電動送風機15の動作は、制御手段により制御される。制御手段は、掃除機本体1に備えられる。制御手段は、掃除機本体1の任意の位置に配置されていてよい。例えば、制御手段は、掃除機本体1の第一本体部12に配置されている。制御手段は、吸引パイプ11の後側に配置されている。制御手段には、好ましくはマイコン等が用いられる。
電動送風機15及び制御手段は、電源部17により給電される。電源部17は、掃除機本体1に備えられる。電源部17は、掃除機本体1において、後部に位置する。本実施形態において、電源部17は、掃除機本体1の第三本体部18に配置されている。第三本体部18は、電源部収容部である。図示される例では、第三本体部18は、第二本体部16の後側に隣接して位置している。したがって、本実施形態において、電源部17は、電動送風機15の後側に位置している。また、電源部17は、電動送風機15の排気側に位置している。図示される例では、電源部17、電動送風機15、及び分離部13が前後方向、つまり図1における左右方向に並んで配置されている。第三本体部18と第二本体部16とは一体的に形成されていてもよい。つまり、電動送風機15と電源部17とが、掃除機本体1における同一の収容部に配置されていてもよい。
本実施形態において、電源部17は、電池、好ましくは二次電池が用いられる。これに限らず、電源部17は、商用電源から電力を取るコードリール装置等でもよい。電源部17は、前後方向に長手状に配置されている。また、電源部17は、電動送風機15の排気により、又は、電動送風機15の駆動により生じる負圧によって吸引される外気により、冷却されるようになっている。
さらに、掃除機本体1は、本体把持部19により把持される。本体把持部19は、被掃除部の掃除の際に電気掃除機VCを操作又は把持する、掃除操作用の清掃用把持部である。本体把持部19は、掃除機本体1における後部に位置する。つまり、本体把持部19は、掃除機本体1において、ホース2又は本体吸込口112とは反対側の端部に位置する。図示される例では、本体把持部19は、掃除機本体1の長手方向の端部に位置する。本体把持部19は、掃除機本体1の長手方向に対し交差する方向に配置されている。本実施形態において、本体把持部19は、上下方向に沿って配置されている。本体把持部19は、少なくとも一端部が掃除機本体1の筐体部10に対し接続されている。本実施形態において、本体把持部19は、両端部がそれぞれ筐体部10に対し接続されている。本体把持部19は、任意の形状に形成されていてよい。本実施形態において、本体把持部19は、屈曲状又は湾曲状に形成されている。図示される例では、本体把持部19は、第三本体部18と接続される第一本体把持部190と、第一本体部12と接続される第二本体把持部191と、を一体的に備えている。
本実施形態において、第一本体把持部190は、使用者が主として把持する主把持部である。第一本体把持部190は、上下方向に沿って掃除機本体1の後部に突設されている。また、本実施形態において、第一本体把持部190は、上側に向かい前側に傾斜されている。
第二本体把持部191は、前後方向に沿って掃除機本体1の後部に突設されている。第一本体把持部190の上部と第二本体把持部191の後部とが連なって形成されている。つまり、本体把持部19は、第一本体把持部190と第二本体把持部191とが連なる位置で屈曲して形成されている。これに限らず、本体把持部19は、第一本体把持部190から第二本体把持部191に亘り、滑らかに連なるように湾曲されていてもよい。
好ましくは、本体把持部19には、少なくとも電動送風機15のオンオフを設定するボタンあるいはスイッチ等の設定手段が配置されている。設定手段は、制御手段に対し、設定に応じた信号を送出する。これに限られず、設定手段は、掃除機本体1の上部等、使用者が操作しやすい任意の位置に配置されていてよい。
ホース2は、一端側である下流端側が掃除機本体1に接続される。ホース2は、一端側が吸引パイプ11に接続される。ホース2は、一端側が吸引部110の他端側である前側又は上流端側に接続されて吸引部110に連通される。つまり、ホース2は、一端側が本体吸込口112に接続されて本体吸込口112に連通される。ホース2の一端側は、吸引パイプ11の吸引部110又は本体吸込口112と同軸状に配置されている。本実施形態において、ホース2は、長さ方向に伸縮自在のホースである。ホース2は、可撓性を有する部材により形成されている。また、ホース2は、蛇腹状に形成されている。
本実施形態において、ホース2には、配線20が配置されている。配線20は、ホース2の両端間に亘り配置されている。配線20により、ホース2の一端側である掃除機本体1側と、ホース2の他端側である吸気管3側と、が互いに電気的に接続される。配線20は、図面においては説明を明確にするために簡易に直線状に図示しているが、ホース2の伸縮に応じて伸縮できるように、例えばホース2の軸を中心とする螺旋状等に配置されている。配線20は、電源部17と電気的に接続され、電源部17から吸気管3及び/又は図2に示す吸込口体4の電動部に対し給電可能となるように配置されている。また、図1に示す配線20は、設定手段と電気的に接続され、設定手段から吸気管3及び/又は図2に示す吸込口体4に対し信号を送出可能となるように配置されている。なお、図1において、配線20は、説明を明確にするため一本のみ図示しているが、配線20の本数は必要に応じて適宜設定されていてよい。
吸気管3は、延長管とも呼ばれる。吸気管3は、硬質の合成樹脂等の部材により形成されている。また、吸気管3は、直管状に形成されている。吸気管3は、長手状に形成されている。吸気管3は、一端側である下流端側がホース2の他端側である上流端側に接続されてホース2と連通される。吸気管3の一端側は、ホース2の他端側と同軸状に配置されている。
図2に示す吸込口体4は、床面等の下方の被掃除部を掃除する際の含塵空気の吸い込みを補助する。吸込口体4は、任意の構成としてよい。図示される例では、吸込口体4は、吸込口を有するケース体40、及び、吸気管3に接続される接続管41を備える床ブラシである。本実施形態において、吸込口には、回転清掃体が配置されている。回転清掃体は、被掃除部の種類等、必要に応じて電動機等の電動部である駆動部により駆動される。駆動部は、配線20を介して電源部17から給電され、設定手段の操作に応じて動作される。好ましくは、吸込口体4は、吸気管3に対して着脱可能となっている。さらに好ましくは、吸込口体4は、複数種類の互いに態様が異なるものを備え、被掃除部の種類等に応じていずれかが選択的に吸気管3に対して取り付けられるようになっている。
図1に示す保持部5は、吸気管3をホース2に連通した状態で掃除機本体1に着脱自在に保持する。すなわち、保持部5は、ホース2と吸気管3との連通又は接続を維持したまま、掃除機本体1に対して装着又は離脱可能となっている。本実施形態において、保持部5は、掃除機本体1に対してクランプ等の着脱手段により着脱されるようになっている。着脱手段は、保持部5及び/又は掃除機本体1の任意の位置に設けてよい。
保持部5は、ホース2及び吸気管3と接続される保持接続部50を有する。保持接続部50は、ホース2の他端側である上流端側と、吸気管3の一端側である下流端側と、の接続位置に形成されている。本実施形態において、保持接続部50は、円筒状に形成されている。保持接続部50には、ホース2の上流端側が内部に同軸状に嵌着されているとともに、吸気管3の下流端側が同軸状に取り付けられている。図示される例では、保持接続部50には、後側からホース2の上流端側が同軸状に嵌着され、その反対側の前側に吸気管3の下流端側が同軸状に取り付けられている。
また、保持部5は、被覆部51を有する。被覆部51は、少なくとも保持部5が掃除機本体1に装着された状態でホース2の少なくとも一部を覆うように形成されたホースカバー部である。なお、本実施形態において、「覆う」とは、単に部材の外部に対向して位置するだけでなく、部材に近接して、又は、部材に被さって、その部材の少なくとも一部を内包する状態を言うものとする。被覆部51は、保持部5が掃除機本体1に装着された状態で、少なくともホース2における上部を覆って位置する。すなわち、被覆部51は、保持部5が掃除機本体1に装着された状態で、ホース2の上部に重ねられるように配置される。図示される例では、被覆部51は、ホース2の少なくとも一部を覆う部分において、ホース2に対向する位置がホース2の外周に沿って湾曲するように形成されている。つまり、被覆部51は、ホース2に対向する下側の部分が上側に凸となるように湾曲されている。被覆部51は、保持部5が掃除機本体1に装着された状態で、左右方向から見て、ホース2の少なくとも上側半分に重なって位置している。
また、本実施形態において、被覆部51は、保持部5が掃除機本体1に装着された状態でホース2の少なくとも一部と、掃除機本体1の少なくとも一部と、を覆うようになっている。被覆部51は、保持部5が掃除機本体1に装着された状態でホース2の上部から掃除機本体1の上部に亘り位置する。また、被覆部51は、ホース2よりも僅かに左右方向の幅が大きく形成されている。そのため、保持部5が掃除機本体1に装着された状態で、ホース2が上方から見えない、又は見えにくい。また、被覆部51は、保持接続部50から後側に延びて形成されている。本実施形態において、被覆部51は、長手状に形成されている。また、被覆部51における上部は、保持接続部50から後側に向かい、徐々に上側に傾斜されるように形成されている。なお、被覆部51には、ホース2の一部及び/又は掃除機本体1の一部を露出させる開口部等が形成されていてもよい。
さらに、本実施形態において、保持部5は、ホース保持部52を有する。ホース保持部52は、保持部5が掃除機本体1に装着された状態でホース2の少なくとも一部を重力に抗して保持する。ホース保持部52は、ホース2の外形のうち、少なくとも上側半分を保持する。図3(a)、あるいは図3(b)に示すように、ホース保持部52は、ホース2の軸を含み重力方向、つまり図中の下方向に対して直交する仮想平面Pと二箇所で交差する。図3(a)に一例を示すように、ホース保持部52は、ホース2の外周に向かってホース2の径方向に沿って突出する爪状に形成されていてもよいし、図3(b)に他の例を示すように、ホース2の外形よりも小さい間隙を有してホース2を両側から支持するように形成されていてもよい。ホース保持部52は、被覆部51の下端部に配置されている。なお、ホース保持部52は、保持部5全体に亘り連なって形成されていてもよいし、ホース2の軸に沿って一箇所以上の位置に断続的に形成されていてもよい。好ましくは、ホース保持部52は、ホース2の少なくとも一部を着脱可能に保持する。ホース保持部52によるホース2の保持は、図4及び図5に示すように、保持部5が掃除機本体1から離脱された状態で解除可能である。つまり、掃除操作に応じてホース2を伸縮させる際には、ホース2はホース保持部52から取り外されていることが好ましい。
さらに、本実施形態において、保持部5は、把持部53を有する。把持部53は、被掃除部の掃除の際に吸気管3及び/又は図2に示す吸込口体4を操作する、掃除操作用の清掃用把持部である。図1に示すように、把持部53は、保持部5において、被覆部51の端部に連なって配置されている。把持部53は、保持部5において、保持接続部50とは反対側の端部に位置する。本実施形態において、把持部53は被覆部51から後側に突出して形成されている。把持部53は、使用者により把持可能な任意の形状に形成されていてよい。本実施形態において、把持部53は、屈曲状又は湾曲状に形成され、保持部5が掃除機本体1に装着された状態で本体把持部19に重ねられて、本体把持部19の少なくとも一部を覆うように形成されている。図示される例では、把持部53は、第一把持部530と、第二把持部531と、を一体的に備えている。
本実施形態において、第一把持部530は、上下方向に沿って形成されている。すなわち、第一把持部530は、保持部5の長手方向に対し交差する方向に形成されている。第一把持部530は、本体把持部19の第一本体把持部190と同様の形状に形成されている。なお、第一把持部530は、必須の構成ではない。
第二把持部531は、前後方向に沿って形成されている。すなわち、第二把持部531は、保持部5の長手方向に沿って形成されている。第二把持部531は、本体把持部19の第二本体把持部191と同様の形状に形成されている。つまり、把持部53は、第一把持部530と第二把持部531とが連なる位置で屈曲して形成されている。これに限らず、把持部53は、第一把持部530から第二把持部531に亘り、滑らかに連なるように湾曲されていてもよい。
なお、把持部53には、本体把持部19と同様に、設定手段が配置されていてもよい。設定手段は、把持部53と本体把持部19との少なくともいずれか一方にあればよい。
次に、第1の実施形態による掃除動作を説明する。
電気掃除機VCは、図1及び図2に示すように、保持部5を掃除機本体1に装着して吸気管3をホース2に連通した状態で掃除機本体1に保持する状態と、図4及び図5に示すように、保持部5を掃除機本体1から離脱して吸気管3をホース2に連通した状態で掃除機本体1から取り外す状態と、のいずれかで掃除をすることが可能である。電気掃除機VCは、図1及び図2に示す状態において、主として床面等の下方の被掃除部を掃除する際に好適に用いられる。また、電気掃除機VCは、図4及び図5に示す状態において床面以外の被掃除部、例えば階段、あるいは、カーテンや上方の壁面等の床面よりも上方の被掃除部を掃除する際に好適に用いられる。
図1及び図2に示す状態では、保持部5が掃除機本体1に対し着脱手段により装着されることで、吸引パイプ11の吸引部110とホース2と吸気管3とが直線状に配置され、吸引部110、ホース2、及び、吸気管3が同軸に位置した状態で掃除機本体1に保持固定される。すなわち、吸引部110、ホース2、及び、吸気管3の軸が同一の軸線L上に配置される。また、この状態で、ホース2は、保持部5に沿って収まっている。つまり、ホース2は、保持部5に沿う位置に設置される。また、ホース2は、保持部5に沿って、保持部5に対し固定された所定の位置に配置される。ホース2は、保持部5に沿って収まっている状態で、少なくとも一部が保持部5及び/又は掃除機本体1等の内部に収納されていてもよいし、保持部5及び/又は掃除機本体1に対して露出していてもよい。本実施形態において、ホース2は、保持部5の被覆部51によって少なくとも一部、本実施形態では少なくとも上側半分が覆われ、かつ、ホース保持部52によって、被覆部51の下側又は背面側に保持収納された状態となる。すなわち、ホース2は、保持部5に少なくとも一部が収納された状態となっている。ホース2は、少なくとも一部が圧縮されていてもよいし、自然長となっていてもよいが、掃除操作によって伸縮されないように配置される。また、本体把持部19に対して、把持部53が一体的に重ねられた位置で固定される。さらに、本体把持部19、本実施形態では本体把持部19及び把持部53が、軸線Lと交差する位置にある。図示される例では、第一本体把持部190及び第一把持部530が軸線Lと交差する位置にあって、軸線Lに対し一側である上側と他側である下側とに亘り延びている。また、把持部53の少なくとも一部、本実施形態では第二把持部531が、吸引部110と略平行に位置する。つまり、第二把持部531が、軸線Lに対して略平行に位置する。図示される例では、第二把持部531が軸線Lに対し上側に離れて位置する。また、本実施形態では、本体把持部19の少なくとも一部である第二本体把持部191が、吸引部110と略平行に位置する。そして、使用者が本体把持部19、あるいは本体把持部19に重ねられる把持部53を把持し、設定手段を操作すると、この設定手段の操作に応じて制御手段が電動送風機15を動作させる。使用者は、本体把持部19、あるいは本体把持部19に重ねられる把持部53により電気掃除機VC全体を操作して、吸気管3、あるいは吸込口体4から含塵空気を吸い込む。
また、図4及び図5に示す状態では、保持部5の掃除機本体1に対する着脱手段による装着が解除されることで、吸気管3がホース2を介してのみ掃除機本体1に接続された状態となる。つまり、この状態で、ホース2は、保持部5による固定が解除され、伸縮自在となっている。好ましくは、ホース2は、ホース保持部52の保持から離脱可能である。使用者が本体把持部19を把持し、かつ、把持部53を把持して、設定手段を操作すると、この設定手段の操作に応じて制御手段が電動送風機15を動作させる。使用者は、把持部53によって吸気管3、あるいは吸込口体4を操作して、吸気管3、あるいは吸込口体4から含塵空気を吸い込む。ホース2は、使用者の吸気管3、あるいは吸込口体4の操作による吸気管3と掃除機本体1との距離に応じて適宜伸縮される。
吸い込まれた含塵空気は、吸気管3、ホース2、吸引パイプ11を介して導入口130から分離部13へと吸い込まれる。分離部13は、含塵空気中の塵埃を分離して集積部132に集積し、塵埃が分離された空気を排出口131から排出する。分離部13から排出された空気は、電動送風機15に吸い込まれ、電動送風機15を冷却した後、本体排気口から掃除機本体1の外部に排気される。
このように、第1の実施形態によれば、保持部5を掃除機本体1に装着した状態で、吸引部110とホース2と吸気管3とが直線状に配置されるため、電気掃除機VCを吸引部110、ホース2、及び、吸気管3と交差する方向、つまり図1に示す上下方向にスリム化でき、電気掃除機VCを、保持部5を掃除機本体1に装着した状態でコンパクト化できる。そのため、保持部5を掃除機本体1に装着した状態で掃除をする際、電気掃除機VCの取り回しが良好であるとともに、非使用時にも電気掃除機VCを省スペースで配置又は収納しておくことができる。
また、保持部5を掃除機本体1に装着した状態で、吸引部110とホース2と吸気管3とが直線状に配置されるため、吸気管3から、ホース2、吸引部110に亘り、含塵空気の吸込風路が直線状に形成されることになる。そのため、圧力損失が少なく、吸込効率が良好である。
ホース2が伸縮自在に形成され、保持部5を掃除機本体1に装着した状態で保持部5に沿って収まっているため、ホース2の長さを十分に取っていても、ホース2をコンパクトに配置することができるとともに、保持部5を掃除機本体1に対して着脱したときにホース2が伸縮されたとしても、また、掃除動作に応じてホース2が伸縮されたとしても、ホース2の径寸法、つまり断面積が大きく変化しにくい。そのため、ホース2の伸縮、つまり使用者や電気掃除機VCの掃除姿勢の変化に伴う吸い込み負荷の変化が少ない。
保持部5を掃除機本体1に装着した状態でホース2の少なくとも一部を覆っているため、保持部5とホース2の少なくとも一部とが重なって配置され、電気掃除機VCを、保持部5を掃除機本体1に装着した状態でコンパクト化できるとともに、ホース2のうち外部に露出する部分が抑制され、見栄えがよい。
保持部5を掃除機本体1に装着した状態でホース2の少なくとも一部を保持しているため、保持部5を掃除機本体1から離脱したときにホース2が収まった状態から飛び出しにくくなる。特に、ホース2が伸縮自在であり、保持部5を掃除機本体1に装着した状態でホース2が収縮されている場合、保持部5を掃除機本体1から離脱すると、ホース2が弾性によって復帰変形するため、保持部5がホース2の少なくとも一部を保持することで、ホース2の弾性による復帰変形に起因する飛び出しを確実に防止できる。
保持部5が掃除操作用の把持部53を有するため、保持部5を掃除機本体1から離脱した状態で把持部53を把持して、吸気管3及び/又は吸込口体4を容易に操作できる。そのため、使用者の上方あるいは側方の被掃除部、あるいは、階段等を掃除する際に、掃除機本体1を上方等に持ち上げることなく、軽量な吸気管3及び/又は吸込口体4のみを操作できるので、掃除時の使用者の手への負担が少ない。
また、把持部53の少なくとも一部は、保持部5を掃除機本体1に装着した状態で吸引部110と略平行であるため、掃除機本体1に装着した保持部5において、把持部53が掃除機本体1から吸引部110の方向と交差する方向に大きく突出しないため、掃除機本体1及び電気掃除機VCをコンパクトに構成することが可能になる。
分離部13が遠心分離部であって、その中心軸が吸引部110と略平行に配置されているため、掃除機本体1を吸引部110の方向と交差する方向にスリム化でき、掃除機本体1及び電気掃除機VCをコンパクトに構成することが可能になる。
掃除機本体1が掃除操作用の本体把持部19を有するので、掃除機本体1を本体把持部19によって把持して容易に操作でき、掃除動作が容易になる。
また、保持部5を掃除機本体1に装着した状態で本体把持部19が吸気管3の軸線Lと交差する位置にあるため、保持部5が掃除機本体1に装着された状態で本体把持部19を把持した使用者の手の延長上に吸気管3が位置することとなる。そのため、掃除の際に吸気管3をより容易に操作することが可能になる。
ホース2に配線20が配置されているため、吸気管3、あるいは吸込口体4に電動部を配置し、その電動部を電源部17からの給電によって動作させることが可能になる。例えば、吸込口体4に回転清掃体を回転させる駆動部を配置した場合には、被掃除部の種類等に応じて回転清掃体を回転させ、塵埃をより確実に取ることが可能になる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について、図6ないし図8を参照して説明する。なお、上記の第1の実施形態と同様の構成および作用については、同一符号を付してその説明を省略する。
本実施形態において、電気掃除機VCは、保持部5の把持部53が直線状に形成されているものである。つまり、把持部53は、被覆部51の端部から、保持部5の長手方向に沿って直線状に突設されている。把持部53は、保持部5が掃除機本体1に装着された状態で、掃除機本体1の上部に重ねられ、かつ、本体把持部19の前側に位置する。
このように、把持部53を直線状に形成したとしても、保持部5を掃除機本体1に装着した状態で、吸引部110とホース2と吸気管3とが直線状に配置される等、上記の第1の実施形態と同様の構成を有することで、電気掃除機VCを、保持部5を掃除機本体1に装着した状態でコンパクト化できる等、上記の第1の実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲をこれらの実施形態に限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。