JP2021135350A - ヘッドアップディスプレイ装置 - Google Patents

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泰行 飯田
Yasuyuki Iida
泰行 飯田
初彦 西村
Hatsuhiko Nishimura
初彦 西村
勝大 田中
Katsuhiro Tanaka
勝大 田中
亮介 加藤
Ryosuke Kato
亮介 加藤
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【課題】表示ユニットを移動可能としつつも、迷光の発生を抑制することができるヘッドアップディスプレイ(HUD)装置を提供する。【解決手段】HUD装置100は、表示ユニット10、筐体30、弾性部40及び位置調整部50を備える。表示ユニット10は、画像を表す表示光Lを第1開口部H1から放射する。筐体30は、第1開口部H1と対向する第2開口部H2から内部に入射した表示光Lを外部の透光部材に向けて反射させる反射部20を収容する。筒状の弾性部40は、中空部分において第1開口部H1から第2開口部H2へと通過する表示光Lの光路を確保する。位置調整部50は、表示ユニット10を可動範囲R内で移動させる。弾性部40は、表示ユニット10が可動範囲R内で移動しても、第1開口部H1と第2開口部H2とを接続した状態を維持する。【選択図】図3

Description

本発明は、ヘッドアップディスプレイ装置に関する。
画像を表す表示光を透光部材(例えば、車両のフロントガラス等)に向けて放射し、当該画像の虚像を表示するヘッドアップディスプレイ(HUD:Head-Up Display)装置が知られている。
例えば、特許文献1には、光源が発した光に基づいて表示光を放射する液晶パネルを表示部として備えるHUD装置が記載されている。特許文献1に記載のHUD装置は、虚像の表示位置を調整するために表示部を移動させ、表示光の光軸方向における表示部の位置を調整可能に構成されている。
特許第4941070号公報
特許文献1に記載のHUD装置のように、虚像の表示位置を調整する際に表示部だけを移動させた場合、光源と表示部の相対位置が変化するため、表示部の位置によって照明仕様が変化してしまう。これを回避するには、例えば、表示部及び光源を含む表示ユニット全体を、表示光を反射させて外部の透光部材へと導く反射部を収容する筐体に対して移動させる構成を採用すればよい。しかしながら、当該構成では、表示ユニットの可動範囲を確保するために、表示ユニットと筐体との間に生じる隙間から表示光が漏れ出し、HUD装置により表示を行う上で不要な光(以下、「迷光」と呼ぶ。)が生じる虞がある。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、表示ユニットを移動可能としつつも、迷光の発生を抑制することができるヘッドアップディスプレイ装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係るヘッドアップディスプレイ装置は、
画像を表す表示光を第1開口部から放射する表示ユニットと、
前記第1開口部と対向する第2開口部を有し、前記第2開口部から内部に入射した前記表示光を外部の透光部材に向けて反射させる反射部を収容する筐体と、
前記第1開口部と前記第2開口部とを接続する筒状の弾性部であって、その中空部分において前記第1開口部から前記第2開口部へと通過する前記表示光の光路を確保する弾性部と、
前記表示ユニットを可動範囲内で移動させることで、前記筐体に対する前記表示ユニットの位置を調整する位置調整部と、を備え、
前記表示ユニットは、光源と、前記光源が発した光に基づいて前記表示光を放射する表示部と、前記第1開口部が形成され、前記光源及び前記表示部を収容する収容部と、を有し、
前記弾性部は、前記表示ユニットが前記可動範囲内で移動しても、前記第1開口部と前記第2開口部とを接続した状態を維持する。
本発明によれば、表示ユニットを移動可能としつつも、迷光の発生を抑制することができる。
本発明の一実施形態に係るヘッドアップディスプレイ(HUD)装置の虚像表示の態様を示す模式図である。 同上実施形態に係るHUD装置の概略斜視図である。 同上実施形態に係るHUD装置の図2に示すA−A線概略断面図を含む構成図である。 同上実施形態に係るHUD装置の弾性部及び表示ユニットの平面図である。
本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
図1に示すように、本実施形態に係るヘッドアップディスプレイ(HUD:Head-Up Display)装置100は、例えば、車両1のダッシュボード2内に配設される。HUD装置100は、表示光Lをフロントガラス3(ウインドシールド)に向けて放射する。フロントガラス3で反射した表示光Lは、ユーザ4(主に車両1の運転者)に表示光Lが表す画像を虚像Vとして視認させる。虚像Vは、フロントガラス3を介して車両1の前方に表示される。これにより、ユーザ4は、前方風景に重畳して表示される虚像Vを視認することができる。虚像Vは、車両1に関する各種情報(以下、車両情報と言う。)を表示する。なお、車両情報は、車両1自体の情報のみならず、車両1の外部情報も含んでいてもよい。
以下では、車両1の左右、上下、及び前後方向を用いて各構成を説明する場合がある。適宜の図において、左右方向に沿うX軸、上下方向に沿うY軸、前後方向に沿うZ軸を示した。また、X、Y、Zの各軸を示す矢印の向く方向を「+」方向、その反対側を「−」方向と呼ぶ場合がある。
HUD装置100は、主に図3に示すように、表示ユニット10と、反射部20と、反射部20を収容する筐体30と、弾性部40と、位置調整部50と、制御部60と、を備える。
なお、図3は、HUD装置100の図2に示すA−A線に概略断面図と、位置調整部50及び制御部60のブロック図とを表したものである。図3の概略断面図では、見易さを考慮して適宜構成の断面を示すハッチングを省略した。また、図2は、反射部20と後述のカバーガラス33を省略して表したHUD装置100の概略斜視図である。図2では、表示ユニット10が有する第1開口部H1を点線で、筐体30が有する第2開口部H2を破線で示した。
表示ユニット10は、表示部11と、表示部11を下方から照明する照明部12と、表示部11及び照明部12を収容する収容部13と、を有する。
表示部11は、例えば、TFT(Thin Film Transistor)型の液晶パネルから構成されている。照明部12は、例えばLED(Light Emitting Diode)からなる光源12aと、レンズ12bと、ライトボックス12cと、を有する。光源12aが発した光は、例えばコンデンサレンズからなるレンズ12bに集光され、ライトボックス12cを通過して表示部11を照明する。表示部11は、照明部12によって照明されることで画像M(図4参照)を表示面11aに表示する。これにより、画像Mを表す表示光Lが表示部11から放射される。表示部11は、制御部60によって画像Mの表示動作が制御される。光源12aは、光源用基板14に実装され、制御部60によって発光動作が制御される。
収容部13は、箱状に形成された表示ユニット10の筐体であり、その内部に表示部11及び照明部12を収容する。収容部13には、図3に示すように、上方に向かって開口した第1開口部H1が形成されている。第1開口部H1は、図4に示すように、平面視で矩形状に形成されている。表示ユニット10は、表示部11で生成された表示光Lを、第1開口部H1から上方へ放射する。
反射部20は、平面鏡21と、凹面鏡22と、を有する。平面鏡21は、表示ユニット10からの表示光Lを凹面鏡22に向けて反射させる。凹面鏡22は、平面鏡21からの表示光Lをフロントガラス3(筐体30外部の透光部材の一例)に向けて反射させる。凹面鏡22で反射した表示光Lにより、ユーザ4に視認される虚像Vは、表示部11に表示されている画像Mよりも拡大されたものとなる。なお、平面鏡21及び凹面鏡22の少なくともいずれかを、自由曲面鏡に代えて構成してもよい。また、反射部20を構成する鏡の枚数は、設計に応じて任意に変更可能である。
筐体30は、反射部20を上記の機能を満たす適宜の位置に収容するものであり、下ケース31と、上ケース32と、カバーガラス33と、を有する。
下ケース31は、上方に向かって開口した箱状をなしている。下ケース31の底部31aには、第2開口部H2が形成されている。第2開口部H2は、Y方向(上下方向)で表示ユニット10の第1開口部H1と対向する位置に設けられている。第2開口部H2は、図2に破線で示すように、矩形状に形成されている。表示ユニット10の第1開口部H1から放射された表示光Lは、第2開口部H2を通過して筐体30の内部に至り、平面鏡21に入射する。
上ケース32は、下方に向かって開口した箱状をなし、その下端が下ケース31の上端と連結される。上ケース32の上方には、凹面鏡22で反射した表示光Lを、図1に示すフロントガラス3へと通過させる第3開口部H3が設けられている。上ケース32には、図3に示すように、後方の上端部から前方に延びるとともに、下方に向かって斜めに形成された遮光壁32aが設けられている。遮光壁32aは、第3開口部H3からフロントガラス3に向かって放射される表示光Lの通過を妨げない位置に設けられ、外光が筐体30内へ進入することを抑制する。
カバーガラス33は、上ケース32の上端に固定される透光性を有する板材であり、上方から第3開口部H3を覆う。カバーガラス33は、湾曲した板状をなし、有機ガラス、無機ガラス等から構成されている。凹面鏡22で反射した表示光Lは、第3開口部H3を介して、カバーガラス33を透過してフロントガラス3に向かう。
弾性部40は、第1開口部H1と第2開口部H2とを接続する筒状の部材である。弾性部40については、後に詳述する。
位置調整部50は、筐体30に対する表示ユニット10の位置を調整するための構成である。この実施形態では、位置調整部50は、下ケース31に対する表示ユニット10のY方向(上下方向)の位置を調整する。具体的に、位置調整部50は、図3に示すように、Y方向に沿う可動範囲R内で、下ケース31に対して表示ユニット10を移動させる。位置調整部50は、例えば、制御部60の制御により駆動されるモータと、モータの動作に応じて表示ユニット10をY方向にスライドさせるスライド機構と、を有する公知の機構により構成することができる。スライド機構は、Y方向に延びるねじ軸とねじ軸に組み合わされたナットを有するボールねじ、モータの回転に応じてねじ軸を回転させるギア機構、表示ユニット10をY方向に案内するガイドレール等から構成することができる。このようなスライド機構を採用した場合、ボールねじのナットに表示ユニット10の収容部13を固定することで、ねじ軸の回転に応じてナット及び表示ユニット10をY方向へ移動させる構成とすればよい。また、ガイドレールを摺動するスライダを収容部13に設けることで、表示ユニット10のY方向への移動を案内することができる。なお、位置調整部50は、下ケース31に対して表示ユニット10を移動させることができればよく、公知の構成を適宜採用することができる。
位置調整部50による表示ユニット10の可動範囲Rにおいて、表示ユニット10が筐体30の下ケース31と最も接近する位置(以下、最接近位置と言う。)にある場合であっても、表示ユニット10の上端は下ケース31に接触しない。また、可動範囲Rにおいて、表示ユニット10が筐体30の下ケース31と最も離反する位置(以下、最離反位置と言う。)は、最接近位置よりも下方に予め定めた距離(例えば15mm)だけ移動した位置として定められている。つまり、この実施形態の可動範囲Rは、Y方向における最接近位置から最離反位置までの表示ユニット10の移動範囲である。
なお、この実施形態では、表示ユニット10の移動方向であるY方向は、表示部11から平面鏡21に向かって放射される表示光Lの中心光線の向きと一致する。図2等においては、表示光Lの代表的な光線を模式的に示しているが、実際には、表示光Lは、HUD装置100における光学系を通過する光束であり、当該光束の中心光線に対して様々な角度の光線を含む。表示光Lの中心光線は、表示面11aの中心と、ユーザ4が虚像Vを視認可能な範囲として規定されるアイボックスの中心とを結ぶ光線として定義することができる。
制御部60は、HUD装置100の全体動作を制御するものであり、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を有するマイクロコンピュータから構成される。ROMには、HUD装置100の全体動作を制御するための動作プログラムや、表示部11が表示する画像M(つまり、虚像Vとして視認される画像)を構成するために必要な画像パーツデータ等の固定データが記憶されている。なお、制御部60は、画像記憶専用のビデオメモリを有していてもよい。また、制御部60の機能は、複数のマイクロコンピュータが協働することで実現されてもよい。制御部60は、例えば、筐体30の任意の位置に設けられている。
具体的に、制御部60は、図示しない表示用の駆動回路を介して、表示部11による画像Mの表示動作を制御する。例えば、制御部60は、フロントガラス3で反射してユーザ4に到達する表示光Lにより、虚像Vが矩形に視認されるように、フロントガラス3による像歪みを考慮した形状の画像Mを表示することができる。この実施形態では、制御部60は、図4に示すように、表示部11の表示面11aに−Z方向に向かって凸となる円弧状の画像Mを表示させることで、フロントガラス3による像歪みを補正し、ユーザ4に矩形の虚像Vを視認させる。なお、矩形の虚像Vとは、虚像Vの表示領域が矩形であることを示し、当該表示領域内に表示される各画像パーツは矩形に限定されない。虚像Vの表示領域内に表示される画像パーツは、文字、図形、アイコン等で構成され、その形状は任意である。
また、制御部60は、図示しない位置調整用の駆動回路を介して位置調整部50を駆動し、筐体30(具体的には、下ケース31)に対する表示ユニット10の位置を調整する。所定位置にある表示ユニット10が筐体30に近づくと、虚像Vは、表示ユニット10が当該所定位置にあった場合よりもユーザ4の近くに表示される。一方、所定位置にある表示ユニット10が筐体30から遠ざかると、虚像Vは、表示ユニット10が当該所定位置にあった場合よりもユーザ4から遠くに表示される。
また、制御部60は、操作部、ECU(Electronic Control Unit)等の車両1内で構成される図示しない各種のシステムと公知の手法により通信を行う。操作部は、ボタン、タッチパッド、タッチパネル等の入力装置からなる。操作部は、ユーザ4による操作を受け付け、受け付けた内容を示す信号を制御部60に供給する。ユーザ4は、操作部を介して、HUD装置100に対する指令を入力することができる。例えば、ユーザ4は、操作部を介して、自身の視点に合った虚像Vの表示位置を調整すべく、表示ユニット10の位置調整操作が可能である。ECUは、車両1の各部の動作を制御するものである。例えば、制御部60は、ECUから、車速等の計測量を含む車両1の状態を示す車両情報を取得する。そして、制御部60は、ECUから取得した車両情報を示す画像Mを虚像Vとして表示させることが可能となっている。
(弾性部40について)
ここからは、弾性部40について詳細に説明する。
弾性部40は、第1開口部H1と第2開口部H2とを接続する筒状の部材であって、その中空部分において第1開口部H1から第2開口部H2へと通過する表示光Lの光路を確保する。弾性部40は、表示ユニット10が可動範囲R内で移動しても、第1開口部H1と第2開口部H2とを接続した状態を維持する。これにより、表示ユニット10と筐体30との間に生じる隙間から表示光Lが漏れ出し、迷光が生じることを抑制することができる。また、弾性部40は、第1開口部H1と第2開口部H2とを接続した状態を維持していることにより、HUD装置100の外部からの塵埃の侵入を抑制することができる。
この実施形態では、弾性部40は、発泡ウレタンから形成され、図4に平面視で示すように、断面の外周が略四角形となる角筒状に形成されている。角筒状の弾性部40は、それぞれ板状に形成された第1壁部41、第2壁部42、第3壁部43、及び第4壁部44の組み合わせにより構成されている。
第1〜第4壁部41〜44の各々は、筐体30の下ケース31に固定されている。具体的に、第1〜第4壁部41〜44の上面は、図3に示すように、下ケース31の底部31aのうち第2開口部H2を取り囲む外底面31bに、両面テープTを介して接着されている。一方、第1〜第4壁部41〜44の下面は表示ユニット10の収容部13には固定されていない。ただし、弾性部40は、筐体30及び収容部13の両者によってY方向に圧縮された状態で当該両者の間に位置する。したがって、第1〜第4壁部41〜44の下面は、収容部13の上端と接触している。ここで、HUD装置100の製造時においては、図3に示す姿勢と上下逆さにした筐体30に対して、表示ユニット10を組み付ける手法が採用される場合がある。第1〜第4壁部41〜44からなる弾性部40を筐体30に固定する構造によれば、前述のように上下逆さにした筐体30に対して弾性部40を接着した後に、表示ユニット10を筐体30に対してセットすることができるため、上記手法を採用した際のHUD装置100の組み付け性が向上する。
以上のように筐体30に接着された第1〜第4壁部41〜44は、図4に示すように、表示ユニット10の第1開口部H1を囲んで位置する。
第1壁部41は、第1開口部H1の後方に位置し、X方向に延びている。第1壁部41は、図3に示すように、断面(図2のA−A線に沿う断面)が台形状をなし、第2開口部H2から第1開口部H1に向かって先細りに形成されている。つまり、第1壁部41は、第2開口部H2から第1開口部H1に向かって厚さが薄くなっている。これにより、表示ユニット10が筐体30に対して近付いて移動し、弾性部40が圧縮される際に、位置調整部50にかかる負荷を低減することができる。また、第1壁部41の内側壁面はY方向に沿う一方で、第1壁部41の外側壁面は、弾性部40の外径が下方に向かって縮んでいくように斜めに形成されている。これにより、表示ユニット10が第1壁部41と接触するスペースを小さくすることができるため、収容部13をコンパクトにすることができる。また、第1壁部41の体積を減らせるため、コストを低減することもできる。
第2壁部42は、第1壁部41とZ方向で対向し、X方向に延びている。第2壁部42は、第1壁部41とは異なり、断面が矩形状に形成されている。この実施形態では、第2壁部42は、図4に示すように、第1開口部H1から離れる方向に向かって凸となって湾曲して設けられている。この湾曲形状は、直方体状の第2壁部42を湾曲させた状態で筐体30に接着することにより実現される。なお、第2壁部42自体が湾曲して成形されていてもよい。湾曲形状の第2壁部42は、図4に示すように、表示面11aのうち、像歪みを考慮した形状で表示面11aに表示される画像Mよりも−Z側の領域である画像非表示領域11bをY方向で覆うように設けられている。この第2壁部42により、表示ユニット10内に外光が入り込んだ場合に、外光が画像非表示領域11bで反射することを防止することができる。
第3壁部43及び第4壁部44は、図4に示すように、Z方向に延びるとともに、互いにX方向において対向している。第3壁部43は、第1壁部41の一端(+X側の端)と第2壁部42の一端(+X側の端)とを連結するように設けられている。第4壁部44は、第1壁部42の他端(−X側の端)と第2壁部42の他端(−X側の端)とを連結するように設けられている。第3壁部43及び第4壁部44の各々は、図示しない断面が第1壁部41と同様に台形状をなし、第2開口部H2から第1開口部H1に向かって先細りに形成されている。つまり、第3壁部43及び第4壁部44の各々は、第2開口部H2から第1開口部H1に向かって厚さが薄くなっている。これにより、表示ユニット10が筐体30に対して近付いて移動し、弾性部40が圧縮される際に、位置調整部50にかかる負荷を低減することができる。また、第3壁部43、第4壁部44の体積を減らせるため、コストを低減することもできる。
以上のように構成される弾性部40は、表示ユニット10が可動範囲内で移動しても、第1開口部H1と第2開口部H2とを接続した状態を維持する。弾性部40が第1開口部H1と第2開口部H2とを接続した状態を維持するとは、具体的には、弾性部40の上端が筐体30と離れず、且つ、弾性部40の下端が表示ユニット10の収容部13と離れない状態が保たれることを指す。これは、表示ユニット10が可動範囲R内のいずれに位置しても、発泡ウレタンからなる弾性部40が筐体30及び収容部13の両者によってY方向に圧縮された状態で当該両者の間に位置することによって実現される。つまり、非圧縮状態における筒状の弾性部40のY方向の高さは、可動範囲Rよりも大きく設定される。この場合、弾性部40と収容部13との間に隙間が生じないように、弾性部40のY方向における復元速度が、表示ユニット10が筐体30から離れてY方向に移動する移動速度よりも速くなるように定めることが好ましい。これら復元速度と移動速度の関係は、弾性部40の材質の選定と、制御部60及び位置調整部50による表示ユニット10の移動速度との少なくともいずれかを調整することにより実現することができる。また、弾性部40は、表示ユニット10が前述した最接近位置から最離反位置へ移動した際に、弾性部40と収容部13との間に隙間が生じないように、復元率が高い材料を選定することが好ましい。
なお、本発明は以上の実施形態及び図面によって限定されるものではない。本発明の要旨を変更しない範囲で、適宜、変更(構成要素の削除も含む)を加えることが可能である。
以上では、弾性部40が角筒状の例を示したが、弾性部40は、筒状であればその形状は任意であり、円筒や他の角筒の形状であってもよい。なお、弾性部40は単一の部材により構成されていてもよい。また、弾性部40が複数の部材で構成される場合、迷光を低減することができる限りにおいては、複数の部材間に多少の隙間が生じてもよい。
以上では、弾性部40のうち、第2〜第4壁部42〜44を第2開口部H2から第1開口部H1に向かって厚さが薄くなる特定部分とした例を示したが、第1壁部41も当該特定部分としてもよい。また、当該特定部分を、第1開口部H1から第2開口部H2に向かって厚さが薄くなるように構成してもよい。また、弾性部40は、当該特定部分を含まない態様で構成されていてもよい。また、第1壁部41は、湾曲していなくともよく、表示面11aの一部を覆っていなくともよい。
以上では、弾性部40を筐体30に固定する例を示したが、弾性部40の固定態様は任意である。弾性部40は、筐体30と表示ユニット10との少なくともいずれかに固定されていればよい。また、弾性部40を対象に固定する手法は、接着に限られず任意であり、溶着、螺着、嵌合など公知の固定手法を採用してもよい。
以上では、弾性部40が発泡ウレタンから形成された例を示したが、表示ユニット10が可動範囲R内で移動しても、第1開口部H1と第2開口部H2とを接続した状態を維持することができる限りにおいては、弾性部40の構成は任意である。例えば、第1開口部H1と第2開口部H2とを接続する筒状の弾性部40は、発泡ウレタン以外のスポンジ材、蛇腹部材、ゴムを含むエラストマー等から構成されていてもよい。
HUD装置100内における光学系の構成は、表示ユニット10からの表示光Lを反射部20によって、外部の透光部材の一例であるフロントガラス3に向けて反射させることができれば任意である。例えば以上では、位置調整部50が表示ユニット10を筐体30に対して上下方向(Y方向)に移動させる例を示したが、位置調整部50による表示ユニット10の移動方向は任意である。当該移動方向は、左右方向(X方向)、前後方向(Z方向)であってもよいし、X、Y及びZ軸のうち、少なくとも一つ軸に対して斜めの方向であってもよい。この場合、筐体30の第2開口部H2と表示ユニット10の第1開口部H1は、表示ユニット10の移動方向において互いに対向していればよい。また、表示ユニット10の移動方向は、表示ユニット10から反射部20(上記実施形態の例では平面鏡21)へ向かう表示光Lの中心光線の向きと一致していることが好ましい。また、表示ユニット10の内部へ入り込んだ外光が表示部11の表示面11aで反射することを低減するため、表示ユニット10の移動方向や、表示光Lの中心光線の向きに対して表示面11aを斜めに設定してもよい。
以上では、表示ユニット10の表示部11が液晶パネルからなる例を示したが、表示部11及び表示ユニット10の構成は限定されるものでなく任意である。例えば、表示ユニット10が備える表示部11は、OLED(Organic Light-Emitting Diode)から構成されていてもよい。また、表示ユニット10は、DMD(Digital Micromirror Device)と、DMDによる反射光を受けて画像を表示する透過型スクリーンからなる表示部11と、を備えて構成されていてもよい。
HUD装置100をユーザ4に向けて反射する透光部材は、車両1のフロントガラス3に限定されず、板状のハーフミラー、ホログラム素子等により構成されるコンバイナであってもよい。
HUD装置100が搭載される車両1の種類は限定されず、自動四輪車や、自動二輪車など様々な車両に適用可能である。また、HUD装置100は、航空機、船舶、スノーモービル等、車両1以外の乗り物に搭載されてもよい。
(1)以上に説明したHUD装置100は、第1開口部H1と第2開口部H2とを接続する筒状の弾性部40であって、その中空部分において第1開口部H1から第2開口部H2へと通過する表示光Lの光路を確保する弾性部40を備える。弾性部40は、表示ユニット10が可動範囲R内で移動しても、第1開口部H1と第2開口部H2とを接続した状態を維持する。この構成によれば、表示ユニット10を移動可能としつつも、表示ユニット10と筐体30との間に生じる隙間から表示光Lが漏れ出すことを抑制することができ、迷光の発生を抑制することができる。
(2)具体的に、第1開口部H1と第2開口部H2とは、Y方向(所定方向の一例)において対向し、位置調整部50は、Y方向に沿う可動範囲R内で表示ユニット10を移動させる。
(3)また、弾性部40は、筐体30及び収容部13の両者によってY方向(所定方向の一例)に圧縮された状態で当該両者の間に位置する。この構成により、可動範囲R内で表示ユニット10が移動しても、弾性部40と筐体30の間、及び、弾性部40と収容部13の間に隙間が生じることが抑制することができる。
(4)また、弾性部40は、第1開口部H1と第2開口部H2の一方から他方へ向かって厚さが薄くなる特定部分を含んでいてもよい。こうすれば、表示ユニット10が筐体30に対して近付いて移動し、弾性部40が圧縮される際に、位置調整部50にかかる負荷を低減することができる。
(5)また、特定部分は、第2開口部H2から第1開口部H1に向かって厚さが薄くなる部分であり、弾性部40は、第2開口部H2に向く端部が筐体30に固定されていてもよい。こうすれば、前述のように、HUD装置100の組み付け性を向上させることができる。
(6)また、弾性部40は、発泡ウレタンから形成されていてもよい。
以上の説明では、本発明の理解を容易にするために、公知の技術的事項の説明を適宜省略した。
100…ヘッドアップディスプレイ(HUD)装置
10…表示ユニット
11…表示部
12…照明部、12a…光源、12b…レンズ、12c…ライトボックス
13…収容部、H1…第1開口部
20…反射部、21…平面鏡、22…凹面鏡
30…筐体
31…下ケース、H2…第2開口部
32…上ケース、H3…第3開口部
33…カバーガラス
40…弾性部
41〜44…第1〜第4壁部
50…位置調整部
60…制御部
1…車両、2…ダッシュボード、3…フロントガラス、4…ユーザ
L…表示光、M…画像、V…虚像

Claims (6)

  1. 画像を表す表示光を第1開口部から放射する表示ユニットと、
    前記第1開口部と対向する第2開口部を有し、前記第2開口部から内部に入射した前記表示光を外部の透光部材に向けて反射させる反射部を収容する筐体と、
    前記第1開口部と前記第2開口部とを接続する筒状の弾性部であって、その中空部分において前記第1開口部から前記第2開口部へと通過する前記表示光の光路を確保する弾性部と、
    前記表示ユニットを可動範囲内で移動させることで、前記筐体に対する前記表示ユニットの位置を調整する位置調整部と、を備え、
    前記表示ユニットは、光源と、前記光源が発した光に基づいて前記表示光を放射する表示部と、前記第1開口部が形成され、前記光源及び前記表示部を収容する収容部と、を有し、
    前記弾性部は、前記表示ユニットが前記可動範囲内で移動しても、前記第1開口部と前記第2開口部とを接続した状態を維持する、
    ヘッドアップディスプレイ装置。
  2. 前記第1開口部と前記第2開口部とは、所定方向において対向し、
    前記位置調整部は、前記所定方向に沿う前記可動範囲内で前記表示ユニットを移動させる、
    請求項1に記載のヘッドアップディスプレイ装置。
  3. 前記弾性部は、前記筐体及び前記収容部の両者によって前記所定方向に圧縮された状態で当該両者の間に位置する、
    請求項2に記載のヘッドアップディスプレイ装置。
  4. 前記弾性部は、前記第1開口部と前記第2開口部の一方から他方へ向かって厚さが薄くなる特定部分を含む、
    請求項1乃至3のいずれか1項に記載のヘッドアップディスプレイ装置。
  5. 前記特定部分は、前記第2開口部から前記第1開口部に向かって厚さが薄くなる部分であり、
    前記弾性部は、前記第2開口部に向く端部が前記筐体に固定されている、
    請求項4に記載のヘッドアップディスプレイ装置。
  6. 前記弾性部は、発泡ウレタンから形成されている、
    請求項1乃至5のいずれか1項に記載のヘッドアップディスプレイ装置。
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