JP2021110894A - ヘッドアップディスプレイ装置 - Google Patents

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翔太 小池
Shota Koike
翔太 小池
秀樹 五十嵐
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秀樹 五十嵐
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【課題】迷光を低減することができるヘッドアップディスプレイ(HUD)装置を提供する。【解決手段】HUD装置100は、車両1に搭載され、投射光を射出口から被投射部材に向けて射出することで投射光の虚像を表示する。HUD装置100は、射出口を覆い、透光性を有するカバーと、第1ルーバー部71と、表示部とを備える。第1ルーバー部71は、カバーに設けられ、車両1の上下方向に沿って入射する光よりも、当該上下方向に対して車両1の左右方向に傾いて入射する光の透過率を低減させる。表示部は、投射光の基となる表示光を射出する。表示部から射出された後に、第1ルーバー部71を通過した表示光が投射光としてHUD装置100から射出される。【選択図】図5

Description

本発明は、ヘッドアップディスプレイ装置に関する。
投射光を射出口から外部の被投射部材(例えば、車両のフロントガラス等)に向けて射出し、投射光の虚像を表示するヘッドアップディスプレイ(HUD:Head-Up Display)装置が知られている。例えば、特許文献1には、表示部が射出した表示光を、凹面鏡を含む反射光学系で反射させた後の光を投射光として車両のフロントガラスに射出するHUD装置が開示されている。
特開2019−8203号公報
上記のようなHUD装置では、装置内部に入り込んだ太陽光等の外光が、反射光学系で反射した後に投射光と同様の光路を辿ってユーザの眼に到達する場合がある。当該光路を辿ってユーザの眼に到達する外光は、HUD装置により表示を行う上で不要な光(以下、「迷光」と呼ぶ。)となってしまう。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、迷光を低減することができるヘッドアップディスプレイ装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係るヘッドアップディスプレイ装置は、
乗り物に搭載され、投射光を射出口から被投射部材に向けて射出することで前記投射光の虚像を表示するヘッドアップディスプレイ装置であって、
前記射出口を覆い、透光性を有するカバーと、
前記カバーに設けられ、前記乗り物の上下方向に沿って入射する光よりも、当該上下方向に対して前記乗り物の左右方向に傾いて入射する光の透過率を低減させるルーバー部と、
前記投射光の基となる表示光を射出する表示部と、を備え、
前記表示部から射出された後に、前記ルーバー部を通過した前記表示光が前記投射光となる。
本発明によれば、迷光を低減することができる。
本発明の一実施形態に係るヘッドアップディスプレイ(HUD)装置の虚像表示の態様を示す模式図である。 同上実施形態に係るHUD装置の概略構成図である。 同上実施形態に係るHUD装置の制御構成を主に示すブロック図である。 同上実施形態に係る表示部及びカバーの各々に設けられた偏光板を説明するための概略斜視図である。 同上実施形態に係るルーバーの拡大図を含む模式図である。 同上実施形態に係る凹面鏡の第1位置を説明するための模式図である。 同上実施形態に係る凹面鏡の第2位置を説明するための模式図である。 同上実施形態に係るHUD装置における表示光の遷移を説明するための図である。 同上実施形態に係るHUD装置における外光の遷移を説明するための図である。 ルーバーに対する光線の入射角と透過率の関係を示すグラフの図である。
本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
図1に示すように、本実施形態に係るヘッドアップディスプレイ(HUD:Head-Up Display)装置100は、例えば、車両1のダッシュボード2内に配設される。HUD装置100は、投射光Pを射出口41から被投射部材の一例であるフロントガラス3(ウインドシールド)に向けて射出する。フロントガラス3で反射した投射光Pは、ユーザ4(主に車両1の運転者)に投射光Pが表す画像を虚像Vとして視認させる。虚像Vは、フロントガラス3を介して車両1の前方に表示される。これにより、ユーザ4は、前方風景に重畳して表示される虚像Vを視認することができる。虚像Vは、車両1に関する各種情報(以下、車両情報と言う。)を表示する。なお、車両情報は、車両1自体の情報のみならず、車両1の外部情報も含む。
以下では、車両1の左右、上下、及び前後方向を用いて各構成を説明する場合がある。適宜の図において、左右方向に沿うX軸、上下方向に沿うY軸、前後方向に沿うZ軸を示した。
HUD装置100は、図2に示すように、表示部10と、位相差反射部20と、凹面鏡30と、ケース40と、カバー50と、偏光板60と、ルーバー70と、を備える。また、HUD装置100は、図3に示すように、位置調整機構80と、制御部90と、を備える。
表示部10は、制御部90の制御により、投射光Pの基となる表示光Lを生成し、位相差反射部20に向けて射出する。表示部10は、例えば、TFT(Thin Film Transistor)型のLCD(Liquid Crystal Display)から構成され、液晶パネル11と、液晶パネル11を背後から照明する図示しないバックライトとを有する。なお、投射光Pは、表示部10から射出される表示光Lと同じ光であるが、以下では、表示光Lの成分がどのように変遷するかの理解を容易にすべく、投射光Pと表示光Lとを区別して呼ぶ場合がある。この場合、投射光Pという用語は、カバー50からHUD装置100の外部へ射出される光を指す。また、表示光Lという用語は、投射光PとしてHUD装置100の外部へ射出される前段階の光を示す。
液晶パネル11は、図4に示すように、液晶セル110と、液晶セル110を挟んで互いに対向する一対の偏光板111,112と、を有する。液晶セル110は、透明電極が設けられた一対の透明基板の間に液晶層が封入されて構成されている。偏光板111,112は、一方の面側から入射した光を、吸収軸に直交する透過軸に沿った直線偏光として他方の面側から射出する。特に、一対の偏光板111,112のうち、液晶セル110の前方に位置する偏光板111は、Y方向(つまり、車両1の上下方向)に沿う透過軸111a(以下、表示部10の透過軸111aとも言う。)を有する。したがって、表示部10からは、表示光Lとして、透過軸111aに沿った直線偏光が射出される。以下、表示部10から射出される直線偏光を、第1の直線偏光L1(図2参照)と言う。なお、液晶セル110の後方に位置する偏光板112の透過軸(図示せず)の向きは、液晶の種類に応じて設定される。この実施形態では、液晶パネル11における偏光板111の前面が、表示光Lによる画像が表示される画像表示面11aとして機能する。画像表示面11aは、図4に示すように、X方向に長尺の矩形状に形成されている。
位相差反射部20は、入射した光を反射させるとともに、反射前の光に対して反射後の光の偏光方向に位相差を与える。この実施形態では、位相差反射部20は、表示部10のY方向における高さと概ね同じ高さに位置し、且つ、表示部10からZ方向に沿って射出された表示光Lを凹面鏡30に向かって反射させるように斜めに配置されている。位相差反射部20は、平面鏡21と、平面鏡21の反射面21aと対向するλ/4板22(1/4波長板とも呼ばれる。)と、を有する。
λ/4板22は、その進相軸(fast軸)又は遅相軸(slow軸)に対して、45°の角度で入射した直線偏光を円偏光に変換して射出するとともに、これとは逆に、入射した円偏光を直線偏光に変換して射出する。λ/4板22は、その進相軸が、表示部10から射出される第1の直線偏光の偏光方向に対して45°の角度をなして配置されている。
位相差反射部20に入射した第1の直線偏光L1は、λ/4板22を透過することにより円偏光に変換される。その後、平面鏡21の反射面21aで反射した円偏光の光は、再びλ/4板22を透過することにより、第1の直線偏光L1と偏光方向が90°異なる第2の直線偏光L2(図2参照)として位相差反射部20から射出される。つまり、位相差反射部20からは、表示光Lが第2の直線偏光L2として射出される。
凹面鏡30は、位相差反射部20で反射した表示光L(位相差反射部20によって第2の直線偏光L2に変換された光)を受けることが可能な位置に設けられている。この実施形態では、凹面鏡30は、位相差反射部20の下方に配置されている。凹面鏡20は、位相差反射部20からの表示光Lを拡大するとともに、フロントガラス3に向けて反射させる。
ケース40は、合成樹脂や金属により遮光性を有して箱状に形成され、表示部10、位相差反射部20、及び凹面鏡30の各々を上記の機能を満たす位置に収容する。ケース40には、凹面鏡30で反射した表示光Lを通過させる開口部である射出口41が形成されている。なお、ケース40は、複数の部材を組み合わせることにより構成されていてもよい。
カバー50は、透明性を有する部材であり、射出口41を覆う態様でケース40に固定される。カバー50は、湾曲した板状をなし、有機ガラス、無機ガラス等から構成されている。
偏光板60は、カバー50に設けられた吸収型の偏光板からなる。偏光板60は、一方の面側から入射した光を、図示しない吸収軸に直交する透過軸60a(図4参照)に沿った直線偏光として他方の面側から射出する。偏光板60における透過軸60aは、X方向(つまり、車両1の左右方向)に沿って設定されている。偏光板60は、例えば、カバー50の背面に貼り付けられており、位相差反射部20から第2の直線偏光L2として射出され、凹面鏡30で反射した表示光Lが到達する。偏光板60の透過軸60aは、表示部10の透過軸111aと直交関係にあるため、表示部10から第1の直線偏光L1として射出され、位相差反射部20で第2の直線偏光L2に変換された表示光Lは、偏光板60を透過して、フロントガラス3に投射される投射光Pとなる。
ルーバー70は、例えば、マイクロルーバーフィルムの表裏の各々に透明樹脂フィルムを貼り合わせて構成されるフィルム状の部材であり、カバー50に設けられている。マイクロルーバーフィルムは、交互に配置された透明シリコーンゴムと黒色シリコーンゴムとを有する。この実施形態では、ルーバー70は、偏光板60の下面に貼り付けられていることで、偏光板60を介してカバー50の下側に設けられている。
ルーバー70は、図5に拡大して示すように、第1ルーバー部71と、第2ルーバー部72と、を有する。第1ルーバー部71は、Y方向(車両1の上下方向)に沿って入射する光よりも、Y方向に対してX方向(車両1の左右方向)に傾いて入射する光の透過率を低減させる。具体的に、第1ルーバー部71は、Z方向(車両1の前後方向)に延びる羽板状の遮光部71aがX方向に複数配列されて構成されている。第2ルーバー部72は、Y方向に沿って入射する光よりも、Y方向に対してZ方向に傾いて入射する光の透過率を低減させる。具体的に、第2ルーバー部72は、X方向に延びる羽板状の遮光部72aがZ方向に複数配列されて構成されている。遮光部71a,72aは、例えば、黒色シリコーンゴムから形成されている。また、ルーバー70における、隣り合う遮光部71aの間、及び、隣り合う遮光部72aの間は、透光部(符号は省略。)となっている。この透光部は、例えば、透明シリコーンゴムから形成されている。ルーバー70については、後に詳述する。
図3に示す位置調整機構80は、凹面鏡30の位置を調整するための機構であり、ケース40の任意の位置に設けられている。この実施形態における位置調整機構80は、X軸に沿う軸線AX(図2、図6A,B参照)を中心に凹面鏡30を回転可能に支持するとともに、制御部90の制御の下で凹面鏡30を軸線AX周りに回転駆動することで、凹面鏡30の回転位置を調整する。このような位置調整機構80は、例えば、制御部90の制御により駆動されるモータや、ギアを有する公知の機構により構成することができる。
制御部90は、HUD装置100の全体動作を制御するものであり、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を有するマイクロコンピュータから構成される。ROMには、HUD装置100の全体動作を制御するための動作プログラムや、表示部10が表示する画像(つまり、虚像Vとして視認される画像)を構成するために必要な画像パーツデータ等の固定データが記憶されている。なお、制御部90は、画像記憶専用のビデオメモリを有していてもよい。また、制御部90の機能は、複数のマイクロコンピュータが協働することで実現されてもよい。制御部90は、例えば、ケース40の任意の位置に設けられている。
具体的に、制御部90は、図示しない表示用の駆動回路を介して、表示部10による画像の表示動作を制御する。また、制御部90は、図示しない位置調整用の駆動回路を介して位置調整機構80を駆動し、凹面鏡30の軸線AXを中心とした回転位置を調整する。また、制御部90は、図3に示すように、操作部200、ECU(Electronic Control Unit)300等の車両1内で構成される各種のシステムと公知の手法により通信を行う。
操作部200は、ボタン、タッチパッド、タッチパネル等の入力装置からなる。操作部200は、ユーザ4による操作を受け付け、受け付けた内容を示す信号を制御部90に供給する。ユーザ4は、操作部200を介して、HUD装置100に対する指令を入力することができる。例えば、ユーザ4は、操作部200を介して、自身の視点に合った虚像Vの表示位置を調整すべく、凹面鏡30の位置調整操作が可能である。なお、操作部200は、HUD装置100の電源をオン又はオフするためのスイッチも含む。
ECU300は、車両1の各部の動作を制御するものである。例えば、制御部90は、ECU300から、車速等の計測量を含む車両1の状態を示す車両情報を取得する。そして、制御部90は、ECU300から取得した車両情報を示す画像を虚像Vとして表示させることが可能となっている。
ここで、制御部90は、操作部200からHUD装置100の電源をオンする指令があった場合や、ECU300から原動機(エンジン、電気自動車の場合はモータ)の始動を示す情報を取得した場合、図6Aに示すように、凹面鏡30を第1位置P1に移動させる。第1位置P1は、表示部10からの表示光Lを、ユーザ4に到達する投射光PとしてHUD装置100から射出可能とする凹面鏡30の位置である。つまり、第1位置P1は、虚像Vを表示可能な凹面鏡30の位置である。
一方、制御部90は、操作部200からHUD装置100の電源をオフする指令があった場合や、ECU300から原動機の停止を示す情報を取得した場合、凹面鏡30を第1位置P1から、図6Bに示す第2位置P2に移動させる。第2位置P2は、HUD装置100の外部からカバー50を透過して凹面鏡30に到達する外光Nを表示部10へと到達させない凹面鏡30の位置である。このように、凹面鏡30を第2位置P2に移動させることにより、外光Nから表示部10を保護することができるとともに、HUD装置100により表示を行う上で不要な迷光を抑制することができる。
この実施形態では、第1位置P1及び第2位置P2は、軸線AXを中心とした凹面鏡30の回転位置として設定されている。第2位置P2は、第1位置P1の凹面鏡30に対して、軸線AXを中心として、図6Aでの反時計方向に所定角度(例えば、20°)だけ回転した位置である。なお、当該所定角度は、限定されるものでなく任意であり、HUD装置100の光学系の構成に応じた適切な角度であればよい。また、図6A,Bでは、HUD装置100における適宜の構成を省略している。
以上のように、この実施形態のHUD装置100は、虚像Vの表示が不要である場合は、凹面鏡30を第2位置P2に位置させることにより、迷光の発生を抑制している。しかしながら、凹面鏡30の第1位置P1及び第2位置P2の一方から他方への移動過程においては、迷光の発生が懸念される。また、凹面鏡30が第1位置P1に位置している際にも迷光が発生する虞もある。このような事情を考慮して、HUD装置100には、より良好に迷光を低減すべく、偏光板60及びルーバー70が設けられている。ここからは、偏光板60及びルーバー70の作用について順に説明する。
(偏光板60の作用について)
まず、表示部10から射出された表示光Lがどのように偏光板60に到達するかを、主に図7Aを参照して説明する。表示部10から射出された第1の直線偏光L1の表示光Lは、前述したように、位相差反射部20のλ/4板22の機能により、第1の直線偏光L1と偏光方向が90°異なる第2の直線偏光L2に変換されて凹面鏡30へと向かう。第2の直線偏光L2となった表示光Lは、凹面鏡30で反射し、偏光板60に到達する。偏光板60の透過軸60aと表示部10の透過軸111aとは互いに直交関係にあるため、第2の直線偏光L2の表示光Lは、偏光板60を透過することができる。これにより、偏光板60を透過した表示光Lは、カバー50を透過し、フロントガラス3に投射される投射光Pとなる。
続いて、太陽光等の外光NがHUD装置100のケース40内部に入り込んでしまった場合に、外光Nに対して偏光板60がどのように作用するかを、主に図7Bを参照して説明する。なお、以下では、前述の第1の直線偏光L1、第2の直線偏光L2の偏光方向の定義と同様に、外光Nに基づく光のうち、偏光方向がY方向の直線偏光を第1の直線偏光N1とし、偏光方向がX方向の直線偏光を第2の直線偏光N2とする。
フロントガラス3及びカバー50(図2参照)を透過し、偏光板60に入射した外光Nは、偏光板60の透過軸60aに沿った第2の直線偏光N2として、凹面鏡30に到達する。凹面鏡30で反射した第2の直線偏光N2は、位相差反射部20のλ/4板22の機能により、第2の直線偏光N2と偏光方向が90°異なる第1の直線偏光N1に変換される。位相差反射部20で反射した後に第1の直線偏光N1となった外光Nのうち、再び凹面鏡30で反射してカバー50に向かう光は、偏光板60に到達する。しかしながら、第1の直線偏光N1は、偏光板60の透過軸60aと直交する偏光方向を有するため、偏光板60を透過できない。つまり、ケース40内部にカバー50から入り込み、反射した後に、再びカバー50に向かう外光Nは、偏光板60を透過できない。したがって、偏光板60によれば、迷光を低減することができる。
ここで、フロントガラス3の光の反射率は、S波(S偏光)反射率がP波(P偏光)反射率よりも高いことが知られている。したがって、外光Nが車両1の上方からフロントガラス3を透過すると、フロントガラス3に対するP波成分がS波成分よりも多い部分偏光となる。このようにフロントガラス3を透過した外光Nがカバー50を介して偏光板60に入射する場合も、外光Nは、偏光板60に対するP波成分が多い光、つまり、Z方向(車両1の前後方向)に振動する偏光成分が多い光として偏光板60に入射する。この実施形態では、Z方向と直交するX方向(車両1の左右方向)に沿って偏光板60の透過軸60aが設定されているため、偏光板60に対するP波成分の光は、偏光板60を透過することができない。したがって、フロントガラス3を透過した後に、偏光板60を透過してケース40内に入り込む外光N自体を低減することができる。そのため、迷光をより良好に低減することができる。
(ルーバー70の作用について)
ルーバー70は、特定の角度で入射する光線(以下、最大光線と言う。)の透過率を最大としつつ、最大光線に対して傾斜して入射する光線の透過率を最大光線よりも低くする。マイクロルーバーフィルムを用いたルーバー70は、図8に示すように、光線の入射角と透過率の特性を目的に応じて公知の手法で定めることができる。図8に示すグラフの横軸にとった入射角は、ルーバー70に垂直に入射する光線に対して、所定方向に傾いて入射する光線の角度を示している。当該グラフの縦軸は、入射角に対応したルーバー70の光の透過率を示している。図8に示すルーバーLV1は、最大光線の入射角が0°、視野角30°(つまり、入射角が−15°〜+15°の光線が透過可能)に設定された例であり、ルーバーLV2は、最大光線の入射角が0°、視野角60°(つまり、入射角が−30°〜+30°の光線が透過可能)に設定された例である。
なお、マイクロルーバーフィルムを用いたルーバー70において、最大光線の入射角を0°以外に設定することもできる。最大光線の入射角をどのように設定するかは、ルーバー70が設けられたカバー50に対する表示光Lの入射角を勘案して定めればよい。また、マイクロルーバーフィルムにおいて、第1ルーバー部71を構成するZ方向に延びる遮光部71aは、例えば、0.1mm程度のピッチでX方向に複数配列される。また、複数の遮光部71aの各々の傾きは、得たい入射角−透過率の特性に応じて設定される。同様に、第2ルーバー部72を構成するX方向に延びる遮光部72aは、例えば、0.1mm程度のピッチでZ方向に複数配列される。また、複数の遮光部72aの各々の傾きは、得たい入射角−透過率の特性に応じて設定される。
ここで、図2等においては、表示光L(投射光Pも同義)の代表的な光線を模式的に示しているが、実際には、表示光Lは、HUD装置100における光学系を通過する光束であり、当該光束の光軸(以下、ガットレイ(Gut ray)と言う。)に対して様々な角度の光線を含む。なお、ガットレイは、画像表示面11aの中心と、ユーザ4が虚像Vを視認可能な範囲として規定されるアイボックスの中心とを結ぶ光線として定義することができる。
虚像Vとして視認される表示光Lの射出角度は、ガットレイに対する角度の絶対値が10°の範囲内に収まる。一方、HUD装置100に入り込む外光Nの入射角度は、ガットレイに対する角度の絶対値が10°以上のものも多分に含まれる。したがって、ルーバー70として、ガットレイの透過率を最大とし(つまり、ガットレイを最大光線とし)、ガットレイに対する角度の絶対値が10°より大きい光線の透過率を低減する構成を採用すれば、表示光Lを充分に通過させつつも、入射、あるいはケース40内で反射を繰り返した後に射出される外光Nを低減することができる。つまり、迷光を低減することができる。具体的には、ルーバー70は、ガットレイに対する角度の絶対値が10°以内の光線の透過率が、ガットレイの透過率に対して90%以上となるように設定されることが好ましい。
以下、ルーバー70について具体的に考察する。まず、ルーバー70を第1ルーバー部71のみから構成した場合のシミュレーション結果について述べる。このシミュレーションは、上記HUD装置100における光学系において、ルーバー70を平面とし、凹面鏡30を迷光(HUD装置100内に入り込み、反射した後にアイボックスに到達する外光N)が発生しやすい所定位置に設定して行ったものである。当該所定位置は、凹面鏡30が第1位置P1から第2位置P2に至る途中の位置であり、第1位置P1の凹面鏡30に対して、軸線AXを中心として、図6Aでの反時計方向に16°だけ回転した位置である。このような設定で、外光Nを構成する光束が含む光線の本数を「1000万本」とした場合の迷光の本数をソフトウェアにより計算した。以下にシミュレーション結果を挙げる。
・比較例として、ルーバー70を設けない場合の迷光の本数は「4221本」となった。
・第1ルーバー71の視野角(つまり、Y軸からX軸に傾く光線の角度範囲)を60°に設定した場合、迷光の本数は「1697本」であった。
・第1ルーバー71の視野角を30°に設定した場合、迷光の本数は「602本」であった。
以上の結果により、表示光Lの通過を妨げない限りにおいては、第1ルーバー71の視野角は狭いほうが良いことが確認された。なお、第1ルーバー71の視野角を30°に設定した場合であって、第1ルーバー71を構成する遮光部71aを、Z方向に対して斜め(Z軸に対する角度の絶対値が5°)に設定した場合に、上記と同様の条件でシミュレーションを行うと、迷光の本数は、620本程度となった。つまり、遮光部71aをZ方向に一致させた場合(迷光の本数:602本)に比べ、遮光部71aをZ方向に対して傾けた場合は、迷光の本数はやや増加するものの、充分に迷光を低減できることが分かった。
さらに、ルーバー70を第1ルーバー部71及び第2ルーバー部72から構成した場合のシミュレーション結果について述べる。このシミュレーションは、上記と同様に、HUD装置100における光学系において、ルーバー70を平面とし、外光Nを構成する光束が含む光線の本数を1000万本とした場合の迷光の本数を計算したものである。この場合のシミュレーション結果を挙げる。
・第1ルーバー部71の視野角(つまり、Y軸からX軸に傾く光線の角度範囲)及び第2ルーバー部72の視野角(つまり、Y軸からZ軸に傾く光線の角度範囲)の各々を25°に設定した場合、迷光の本数は「396本」であった。
この結果により、表示光Lの通過を妨げない限りにおいては、ルーバー70は、第1ルーバー部71のみならず、第2ルーバー部72を有していたほうが好ましいことが分かる。
以上の考察を踏まえ、ルーバー70について纏めると、ルーバー70は、少なくとも第1ルーバー部71を有し、併せて第2ルーバー部72を有することが好ましい。また、ルーバー70の視野角は、表示光Lの通過を妨げない限りにおいては、狭いほうが好ましい。そして、ルーバー70は、ガットレイに対する角度の絶対値が10°以内の光線の透過率が、ガットレイの透過率に対して90%以上となるように設定されることが好ましい。
なお、本発明は以上の実施形態及び図面によって限定されるものではない。本発明の要旨を変更しない範囲で、適宜、変更(構成要素の削除も含む)を加えることが可能である。
以上では、位相差反射部20が平面鏡21とλ/4板22とから構成される例を示したが、位相差反射部20は、入射光に対して、射出光の偏光方向を90°変換することができれば、その構成は任意であり、例えば、λ/4板22以外の公知の位相差板を用いてもよい。また、例えば、位相差反射部20は、凹面鏡30と、凹面鏡30と対向するλ/4板22とから構成されていてもよい。
また、HUD装置100内における光学系の構成は、表示部10からの表示光Lを反射させた後に、射出口41から投射光Pとして外部に射出することができれば任意である。表示部10、平面鏡21及び凹面鏡30の各々の配置は図示例に限られず変更可能である。
以上では、ルーバー70を偏光板60よりも表示光Lの入射側に配置した例を示したが、ルーバー70と偏光板60の配置関係は任意であり、偏光板60をルーバー70よりも表示光Lの入射側に配置してもよい。また、偏光板60とルーバー70の少なくともいずれかを、カバー50の下面側でなく上面側に設けてもよいし、カバー50の内部に埋め込んでもよい。さらには、偏光板60を、位相差反射部20とカバー50との間の光路上に設けてもよく、例えば、凹面鏡30に設けることも可能である。
以上では、HUD装置100が偏光板60及びルーバー70の双方を備える例を示したが、偏光板60を省略してもよい。また、表示部10は、LCDを用いたものに限られず、OLED(Organic Light-Emitting Diode)を用いたものを採用してもよい。また、表示部10は、例えば、DMD(Digital Micro mirror Device)やLCOS(Liquid Crystal On Silicon)などの反射型表示デバイスを用いたものであってもよい。なお、偏光板60を省略した場合、表示部10は、表示光Lとして第1の直線偏光L1を射出しなくともよい。
ルーバー70が備える第1ルーバー部71と第2ルーバー部72のいずれを表示光Lの入射側に設けるかは任意である。また、ルーバー70から第2ルーバー部72を省略してもよい。第1ルーバー部71における遮光部71aは、Y方向から見てZ軸と平行なものに限られず、Z軸に対して傾斜していてもよい、遮光部71aのZ軸に対する角度は、5°以内であることが好ましいが、45°未満であってもよい。このように遮光部71aのZ軸に対する角度が45°未満である場合も、第1ルーバー部71において遮光部71aが車両1の前後方向に延びる態様に含まれる。同様に、第2ルーバー部72における遮光部72aは、Y方向から見てX軸と平行なものに限られず、X軸に対して傾斜していてもよい、遮光部72aのX軸に対する角度は、5°以内であることが好ましいが、45°未満であってもよい。このように遮光部72aのX軸に対する角度が45°未満である場合も、第2ルーバー部72において遮光部72aが車両1の左右方向に延びる態様に含まれる。
以上では、凹面鏡30の第1位置P1及び第2位置P2を、軸線AXを中心とした回転位置としたが、これに限られない。第1位置P1及び第2位置P2は、一方から他方へ凹面鏡30が平行移動した際の位置であってもよい。つまり、凹面鏡30に到達する外光Nが表示部10へ到達しない第2位置P2は、虚像Vを表示可能な第1位置P1から凹面鏡30を平行移動した位置であってもよい。
表示光Lの投射対象である被投射部材は、車両1のフロントガラス3に限定されず、板状のハーフミラー、ホログラム素子等により構成されるコンバイナであってもよい。
HUD装置100が搭載される車両1の種類は限定されず、自動四輪車や、自動二輪車など様々な車両に適用可能である。また、HUD装置100は、航空機、船舶、スノーモービル等、車両1以外の乗り物に搭載されてもよい。
以上の説明では、本発明の理解を容易にするために、公知の技術的事項の説明を適宜省略した。
100…ヘッドアップディスプレイ(HUD)装置
10…表示部
11…液晶パネル、111,112…偏光板
20…位相差反射部、21…平面鏡、22…λ/4板
30…凹面鏡
40…ケース、41…射出口
50…カバー
60…偏光板
70…ルーバー
71…第1ルーバー部、71a…遮光部
72…第2ルーバー部、72a…遮光部
80…位置調整機構、90…制御部
1…車両、2…ダッシュボード、3…フロントガラス、4…ユーザ
L…表示光、P…投射光、V…虚像

Claims (5)

  1. 乗り物に搭載され、投射光を射出口から被投射部材に向けて射出することで前記投射光の虚像を表示するヘッドアップディスプレイ装置であって、
    前記射出口を覆い、透光性を有するカバーと、
    前記カバーに設けられ、前記乗り物の上下方向に沿って入射する光よりも、当該上下方向に対して前記乗り物の左右方向に傾いて入射する光の透過率を低減させるルーバー部と、
    前記投射光の基となる表示光を射出する表示部と、を備え、
    前記表示部から射出された後に、前記ルーバー部を通過した前記表示光が前記投射光となる、
    ヘッドアップディスプレイ装置。
  2. 前記表示部から射出された前記表示光を前記被投射部材に向かって反射させるとともに、位置調整可能に設けられた凹面鏡と、
    前記凹面鏡を、前記虚像を表示可能な第1位置と、前記カバーを透過して前記凹面鏡に到達する外光が前記表示部へ到達しない第2位置とに制御可能な制御部と、を備える、
    請求項1に記載のヘッドアップディスプレイ装置。
  3. 前記ルーバー部は、前記乗り物の前後方向に延びるとともに、前記乗り物の左右方向に複数配列された遮光部を有する、
    請求項1又は2に記載のヘッドアップディスプレイ装置。
  4. 前記ルーバー部である第1ルーバー部に加え、
    前記カバーに設けられ、前記乗り物の上下方向に沿って入射する光よりも、当該上下方向に対して前記乗り物の前後方向に傾いて入射する光の透過率を低減させる第2ルーバー部を備え、
    前記表示部から射出された後に、前記第1ルーバー部及び前記第2ルーバー部を通過した前記表示光が前記投射光となる、
    請求項1乃至3のいずれか1項に記載のヘッドアップディスプレイ装置。
  5. 前記第2ルーバー部は、前記乗り物の左右方向に延びるとともに、前記乗り物の前後方向に複数配列された遮光部を有する、
    請求項4に記載のヘッドアップディスプレイ装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2023090092A1 (ja) * 2021-11-19 2023-05-25 株式会社小糸製作所 画像投影装置

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