JP2021135301A - 静電気センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】静電気に対して安定して動作する、繰り返し使用することが可能な、小型の静電気センサを実現する。【解決手段】静電気センサ(101)は、励起光を発する励起光源(1)と、シリコン基板に形成された非線形光学媒質を有し、当該非線形光学媒質に、前記励起光によって励起され、かつ励起波長で共振することにより、前記励起波長を有する光または前記励起波長とは異なる波長を有する光を発生する微小共振器(31)が設けられている発光素子(3)と、発光素子(3)から出射された光を検出する受光素子(5)と、を備えている。【選択図】図1

Description

本発明は、電荷により発光状態が変化する現象を利用した静電気センサに関する。
静電気は、様々な要因によって、いたるところに発生する。特に、電子機器は、静電気の影響を受けやすく、動作不良を生じたり、故障したりすることがある。また、工場などの、粉塵や粉体が飛散する環境下、揮発物質の漂う雰囲気下などにおいては、静電気による爆発を誘発する虞がある。このような不具合を回避するためには、帯電物の静電気を検出して除電を行うことが求められる。
従来、静電気の検出には、ハンディ型の検出器が用いられていたが、製造ラインに配置できるように、さらに小型化された検出器も用いられている。しかしながら、半導体デバイスの内部などの狭所に発生した静電気を検出するには、検出器のさらなる小型化が求められる。
このような要求に対する技術として、例えば、特許文献1には、シリコン基板と、シリコン基板上に形成された絶縁膜とを備えた半導体静電気センサが開示されている。この半導体静電気センサにおいて、絶縁膜の電極に電荷が注入されることで電極の電位が絶縁膜の静電耐圧を超えたとき、絶縁膜が絶縁破壊され、絶縁破壊が生じたときの電極の電位から、電荷量がわかる。このような半導体静電気センサは、シリコンチップに形成できることから、十分な小型化が可能である。
特開平4−15566号公報(1992年1月20日公開)
上記の半導体静電気センサは、静電気を検出する原理にセンサ破壊を用いているため、繰り返し静電気を測定することができない。また、上記の半導体静電気センサは、半導体静電気センサによって検出された電荷量を出力するための他の回路とともにシリコン基板上に形成されることで計測器を構成する。このため、電気によって動作する計測器において、上記の回路を構成する素子は静電気によって破壊されやすいという問題がある。
本発明の一態様は、静電気に対して安定して動作する、繰り返し使用することが可能な、小型の静電気センサを実現することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る静電気センサは、励起光を発する励起光源と、半導体基板に形成された非線形光学媒質を有し、当該非線形光学媒質に、前記励起光によって励起され、かつ励起波長で共振することにより、前記励起波長を有する光または前記励起波長とは異なる波長を有する光を発生する共振器が設けられている発光素子と、前記発光素子から出射された光を検出する光検出器と、を備えている。
上記の構成によれば、レーザのような強い電場を有する光が非線形光学媒質に入射すると、共振器では、入射した励起光の波長を有する光または前記励起波長とは異なる波長を有する光が発生する。発光素子に電荷を与えると、非線形光学媒質が現す非線形光学効果が低下する。これにより、発光素子が発光を停止したり(無発光)、発光素子が発する光が微弱になったりする。このように、電荷の無い通常の発光時と電荷付与時とで発光素子の発光状態が異なることによって、静電気を検知することができる。また、発光素子は、励起光の入射によって動作するデバイスであって、電気駆動型のデバイスではない。したがって、静電気の影響を受けて破壊されることはない。しかも、非線形光学媒質は、電荷が除去されると、通常の非線形光学効果を現すようになるため、繰り返して静電気を検知することができる。
前記静電気センサにおいて、前記半導体基板には、多数の空孔が形成されたフォトニック結晶構造体が形成され、前記共振器は、前記フォトニック結晶構造体に設けられ、前記励起光により生じたラマン散乱光に対するラマン共振モードを有していてもよい。
上記の構成によれば、共振器において3次の非線形光学効果である誘導ラマン散乱が生じる。共振器は、この誘導ラマン散乱によって得られるラマン利得を利用して、ラマン散乱光を生じさせることができる。ラマン利得は、共振器に入射する光の光密度に対し、線形に変化する。また、共振器の損失は、光密度に依存せずに一定となる。さらに、発生した光は、自由キャリア吸収によって吸収される。このときに生じる自由キャリア損失は、光密度に対して非線形に変化する。共振器は、利得が共振器の損失と自由キャリア損失との和(損失和)を超えると発振する。
発光素子に電荷を与えると、共振器の損失が高くなる。これにより、利得が損失和以下になると、共振器の発振が停止するか、あるいは共振器の共振が微弱になる。それゆえ、発光素子が光を発生しなくなったり、発光素子が発する光が微弱になったりする。このようにして発光素子が発光を停止するか、あるいは発光を弱めることによって、静電気を検知することができる。
前記静電気センサにおいて、前記共振器は、前記励起光を励起光共振モードで閉じ込め、前記ラマン散乱光をラマン散乱光共振モードで閉じ込め、前記励起光共振モードのQ値として10000以上の第1Q値を有するとともに、前記ラマン散乱光共振モードのQ値として100000以上の第2Q値を有していてもよい。
上記の構成によれば、共振器のQ値が高いので、共振器の損失が大幅に低下する。これにより、発振器の発光域を広くすることができる。それゆえ、発光時における共振器の損失と、電荷が与えられたときに上昇する共振器の損失との差が大きくなる。したがって、発光素子の静電気検知のレンジを広げることができる。
上記の課題を解決するために、本発明の他の態様に係る静電気センサは、励起光を発する励起光源と、半導体基板に形成された非線形光学媒質を有し、当該非線形光学媒質に、前記励起光を通過させるか、または前記励起光を励起波長とは異なる波長を有する光に変換する導波路が設けられている発光素子と、前記発光素子から出射された光を検出する光検出器と、を備えている。
上記の構成によれば、発光素子に電荷を与えると、非線形光学媒質が現す非線形光学効果が低下する。これにより、発光素子が発光を停止したり(無発光)、発光素子が発する光が微弱になったりする。このように、電荷の無い通常の発光時と電荷付与時とで発光素子の発光状態が異なることによって、静電気を検知することができる。また、発光素子は、励起光の入射によって動作するデバイスであって、電気駆動型のデバイスではない。したがって、静電気の影響を受けて破壊されることはない。しかも、非線形光学媒質は、電荷が除去されると、通常の非線形光学効果を現すようになるため、繰り返して静電気を検知することができる。
前記静電気センサは、前記励起光源からの前記励起光を前記発光素子に導く第1光ファイバと、前記発光素子からの光を前記光検出器に導く第2光ファイバと、をさらに備えていてもよい。
上記の構成によれば、発光素子は、第1光ファイバによって励起光源に接続されるとともに、第2光ファイバによって光検出器に接続される。これにより、発光素子を励起光源および光検出器から離れた位置に配置することができる。それゆえ、人が立ち入れない狭所、微小空間などの静電気を検知することができる。
前記静電気センサは、前記励起光源に接続された単一の前記第1光ファイバを複数の前記第1光ファイバに分岐する光分岐器をさらに備え、前記発光素子、前記第2光ファイバおよび光検出器は、それぞれ複数設けられており、分岐した複数の前記第1光ファイバは、複数の前記発光素子に個々に接続され、複数の前記第2光ファイバは、複数の前記発光素子と複数の前記光検出器とを個々に接続していてもよい。
上記の構成によれば、励起光源からの励起光は、光分岐器によって単一の第1光ファイバから分岐した複数の第1光ファイバを介してそれぞれの発光素子に伝送される。これにより、単一の励起光源によって、複数箇所の静電気を検知することができる。
本発明の一態様によれば、静電気に対して安定して動作する、繰り返し使用することが可能な、小型の静電気センサを実現することができる。
本発明の実施形態1および2に係る静電気センサの構成を示すブロック図である。 上記静電気センサにおける発光素子の構成を示す平面図である。 上記発光素子を構成するフォトニック結晶の構造を微小共振器を中心に拡大して示す平面図、および上記フォトニック結晶における空孔の間隔が異なる領域に対応するエネルギー準位を示す図である。 上記発光素子におけるラマンレーザの発振および停止のメカニズムを表す、上記微小共振器内のポンプ光密度とラマン利得および損失和との関係を示す図である。 上記発光素子のサンプルが静電気によって発振を停止することを検証する実験を行うための実験装置の構成を示す図である。 上記実験装置におけるサンプルが帯電するメカニズムを説明するための図である。 本発明の実施形態2に係る静電気センサにおける発光素子の構成を示す平面図である。 本発明の実施形態3に係る静電気センサの構成を示すブロック図である。
〔実施形態1〕
本発明の実施形態1について図1〜図6に基づいて説明すれば、以下の通りである。
図1は、実施形態1に係る静電気センサ101の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、静電気センサ101は、励起光源1と、入射光ファイバ2(第1光ファイバ)と、発光素子3と、出射光ファイバ4(第2光ファイバ)と、受光素子5(光検出器)とを備えている。
励起光源1は、発光素子3に含まれる微小共振器31(共振器)を励起する励起光を発する光源である。励起光源1としては、半導体レーザ、スーパールミネッセントダイオード(Super Luminescent Diode)などの光源素子が用いられる。スーパールミネッセントダイオード(以降、「SLD」と称する)は、LEDのようにブロードなスペクトルを有し、かつ半導体レーザのように高輝度の光を発光する光源素子である。
入射光ファイバ2は、励起光源1から出射された励起光を発光素子3に導く導光路である。
発光素子3は、入射光ファイバ2から入射した励起光を、励起光の波長(励起波長)と異なる波長を有する光に変換して出力する波長変換器として動作する。発光素子3については、後に詳しく説明する。なお、発光素子3は、入射光ファイバ2から入射した励起光を、その波長を変えずにそのまま出射してもよい。
出射光ファイバ4は、発光素子3から出力された光を受光素子5に導く導光路である。
受光素子5は、出射光ファイバ4によって導かれた発光素子3の光を受けて検出する素子である。受光素子5は、例えば、フォトダイオードによって構成されている。
続いて、発光素子3について、詳細に説明する。図2は、静電気センサ101における発光素子3の構成を示す平面図である。図3は、発光素子3を構成するフォトニック結晶の構造を微小共振器31を中心に拡大して示す平面図、およびフォトニック結晶における空孔3bの間隔が異なる領域に対応するエネルギー準位を示す図である。
図2に示すように、発光素子3は、2次元フォトニック結晶構造体(フォトニック結晶構造体)を備えるフォトニック結晶光回路である。2次元フォトニック結晶構造体は、例えば厚さ約200nmのシリコン基板3a(半導体基板)に多数の空孔3bが周期的に配列されることで2次元フォトニック結晶が形成された構造体である。2次元フォトニック結晶は、非線形光学媒質である。なお、半導体基板としては、シリコン基板3a以外にも、ガラス基板、サファイア基板などを用いることができる。
2次元フォトニック結晶構造体には、入射部3cと、出射部3dとが設けられている。入射部3cは、入射光ファイバ2からの励起光が入射する部分であり、出射部3dは、出射光ファイバ4に微小導波路33で発生した光を出射する部分である。
2次元フォトニック結晶構造体には、入射部3cからx方向に伸びるように続く空孔3bが塞がれた部分(以降、線欠陥と称する)が形成されている。この部分は、微小導波路32として機能する。2次元フォトニック結晶構造体には、出射部3dから逆x方向に伸びるように続く線欠陥が形成されている。この部分は、微小導波路33として機能する。
また、2次元フォトニック結晶構造体のフォトニックバンドの構造は、空孔3bの直径、間隔(フォトニック結晶の格子定数)、形状等により制御される。本実施形態では、空孔3bの間隔を2段階に異ならせることにより、2段階の異なるフォトニックバンド構造を得ている。
具体的には、空孔3bのy方向の間隔は一律710nmであり、空孔3bのx方向の間隔は、それぞれ410nm,420nmと異なっている。また、空孔3bの直径は260nmである。なお、微小導波路32は、空孔3bのy方向の間隔781nmの幅を有し、波長λ(E)の入射光を透過する導波路として形成されている。微小導波路33は、空孔3bのy方向の間隔625nmの幅を有し、波長λ(R)の出射光を透過する導波路として形成されている。
シリコン基板3aの面内には、微小導波路32,33のそれぞれからy方向(発光素子3の幅方向)に数個の空孔3bを隔てた位置に、x方向に隣接する数個の空孔3bを埋めた点欠陥領域が設けられている。その点欠陥領域は、微小共振器31として機能する。微小共振器31は、特定の波長λ(R)(励起波長)で共振する。
微小共振器31は、励起光の波長λ(E)に対する共振モード(励起共振モード)と、微小共振器31が発するラマン散乱光に対する共振モード(ラマン共振モード)とを有している。これにより、微小共振器31は、波長λ(E)によって励起されて、波長λ(R)のラマン散乱光を発する。
なお、微小共振器31は、点欠陥が連なることにより、短い線状となっている。ここでも、微小導波路32,33を形成する上述の「線欠陥」と明確に区別するため、微小共振器31を構成する点欠陥が連なった短い線状の欠陥部分を敢えて「点欠陥」と表現する。
ここで、発光素子3における空孔3bの間隔を部分的に異ならせることの効果について説明する。図3は、発光素子3を構成するフォトニック結晶の構造を微小共振器31(点欠陥領域)を中心に拡大して示す平面図と、フォトニック結晶における空孔3bの間隔が異なる領域に対応するエネルギー準位を示す図とを含んでいる。
図3の上段に示すように、フォトニック結晶において、上述の点欠陥による微小共振器31が形成される範囲を、中央の中央範囲A0と、中央範囲A0の図中左側の第1範囲A1と、中央範囲A0の図中右側の第2範囲A2とに区分されているものとする。
点欠陥領域の中央範囲A0では、モードギャップ差を利用した光閉じ込めが実現される。これは、点欠陥領域内の中央範囲A0において、伝搬波長の帯域をずらすように周囲の構造を変化させることで生じるフォトニックバンドギャップによって、一対の光反射面を形成することにより実現される。具体的には、光反射面の領域のフォトニック結晶の空孔3bの大きさを変化させたり、空孔3bの位置や間隔を僅かに変化させたりする(例えば、導波路に近づけたり、遠ざけたりする)ことにより、周囲のフォトニック結晶の構造を変化させることができる。
図3の上段に示すように、第1範囲A1および第2範囲A2における隣り合う2つの空孔3bの間は、間隔dで隔てられている。これに対し、中央範囲A0における隣り合う2つの空孔3bの間は、間隔dよりΔd広い間隔d+Δdで隔てられている。このように、点欠陥領域では、空孔3bの間隔(格子間隔)が、中央範囲A0と第1範囲A1および第2範囲A2とで異なっている。中央範囲A0における空孔3bの間隔のみがΔdだけ広いことにより、ヘテロ構造が形成される。
フォトニックバンドは、図3の下段に示すように設計されている。具体的には、上記のヘテロ構造が形成された領域内には、第1ナノ共振モード(第1共振モード)および第2ナノ共振モード(第2共振モード)が存在する。第2ナノ共振モードは、より高いエネルギー準位に存在し、第1ナノ共振モードは、第2ナノ共振モードが存在するエネルギー準位から15.6THz(シリコンのラマンシフト周波数)だけ低くなったエネルギー準位に存在する。それぞれのエネルギー準位において、井戸型ポテンシャルが形成されている。
この井戸型ポテンシャルによって、光の閉じ込めが生じる。そして、格子間隔がΔdだけ広げられた中央範囲A0における点欠陥領域が、2つの上記共振モードによって光を閉じ込める共振器として作用する。ここで、第2ナノ共振モード(励起光共振モード)に対応する励起光が点欠陥領域に入射すると、励起光に対するラマン散乱光が第1ナノ共振モード(ラマン散乱光共振モード)にて閉じ込められ、ラマン散乱光がレーザ発振に至るようになる。
このような構成では、励起光とラマン散乱光との空間的重なりが大きくなる。これにより、励起光(ポンプ光)を閉じ込めるナノ共振モードのQ値(第1Q値)と、ラマン散乱光(ストークス光)を閉じ込めるナノ共振モードのQ値(第2Q値)とを、それぞれ10万以上、100万以上という非常に高い値にすることが可能となる。さらに、このような構造は、15.6THzの周波数差を、上記利点を損なわずに、光通信波長帯(1.3〜1.6μm)の全てにおいて容易に実現できるという利点、すなわち波長設計自由度の高さを備えている。
このようにして形成される微小共振器31は、励起光源1としてSLDを用いた場合、非レーザ光を出射する。また、微小共振器31は、励起光源1として半導体レーザを用いた場合、ラマン散乱光増強装置またはラマンレーザ光源として機能する。
続いて、発光素子3による光の取り出しについて説明する。
図1に示すように、発光素子3には、励起光源1から出射された光が、入射光ファイバ2を介して入射部3cから微小導波路32へと入射する。この励起光が微小導波路32から微小共振器31に達すると、図2に示すように、微小共振器31において、エバネッセント光結合により、第2ナノ共振モード(波長λ(E)に対応)が励起される。これにより、波長λ(E)の光が微小共振器31に閉じ込められる。
そして、微小共振器31において、ラマンシフト周波数だけ低いエネルギーを有するラマン散乱光(波長λ(R))が生じて閉じ込められる。励起光の強度が一定レベルを超えると、ラマン散乱光がレーザ発振に至ることから、微小共振器31において、波長λ(R)でのレーザ発振が生じる。ここでは、例えば間隔dを410nmとし、Δdを10nmとしたとき、1500nm〜1600nmの波長λ(R)でレーザ発振が生じる。
なお、励起光の強度が一定レベルに至らず、レーザ発振に至らない場合においても、発光素子3はラマン散乱光増強装置として波長変換された強いラマン散乱光を得ることができる。
上記のようにして微小共振器31によって生じた光は、発光素子3の出射部3dから出射される。この光は、出射光ファイバ4を介して受光素子5に導かれる。受光素子5は、入射する光を電気信号に変換して、光を検出する。
引き続き、静電気センサ101による静電気の検知動作について説明する。図4は、発光素子3におけるラマンレーザの発振および停止のメカニズムを表す、微小共振器31内のポンプ光密度とラマン利得および損失和との関係を示す図である。
微小共振器31は、ラマン増幅器として機能する。ラマン増幅器は、誘導ラマン散乱の効果により生じるラマン利得に基づく光増幅器である。図4に示すように、微小共振器31の利得(ラマン利得)は、微小共振器31に入射する励起光の光密度(ポンプ光子密度)に対し、線形に変化する。
一方、微小共振器31に生じる損失は、ポンプ光子密度に依存せずに一定となる。また、発生した光は、自由キャリア吸収によって吸収される。このときに微小共振器31において生じる自由キャリア損失は、ポンプ光子密度に対して非線形に変化する。
微小共振器31は、図4において、ラマン利得が微小共振器31の損失と自由キャリア損失との和(一点鎖線にて示す「損失和」)を超える実線にて示す範囲で発振する。一方、微小共振器31は、図4において、ラマン利得が損失和以下となる破線にて示す範囲で停止する。
また、発光素子3に電荷を与えると、微小共振器31の損失が高くなるので、損失和が高くなる。これにより、ラマン利得が損失和以下になると、微小共振器31の発振が停止するので、発光素子3が光を発生しなくなるか、あるいは発光素子3が発する光が微弱になる。それゆえ、受光素子5が光を検出しなくなるか、あるいは微弱な光を検出するので、静電気の存在がわかる。すなわち、電荷が存在しない通常の発光時と、電荷存在時とで、発光素子3の発光状態が異なることにより、静電気を検知することができる。
なお、発光素子3に電荷を与えると、微小共振器31のすべての共振モードの損失が高くなる。そのため、第2ナノ共振モードを介して発せられる、励起光と同じ波長を有する光の強度も、電荷が存在しない通常時と、電荷存在時とで変化する。したがって、この変化を捉えることにより、静電気を検知することができる。
なお、励起光が波長を固定されたレーザ光である場合、励起に用いる共振モードの共鳴波長がわずかにシフトすることでも、微小共振器31に励起光が導入されなくなるので、微小共振器31は発振を停止する。微小共振器31に電荷を付与すると、共鳴波長はわずかに動くので、微小共振器31の発振が停止する。したがって、固定波長のレーザ光を励起光として用いた場合、上記の原理によっても静電気を検知することができる。もちろん、励起光の波長をシフトに合わせて動かせば、微小共振器31の発振が回復するので、静電気センサ101を繰り返し使用することができる。
微小共振器31のQ値が高いと、微小共振器31の損失が低下する。これにより、ラマン利得が損失和を超える範囲(図4の実線にて示す範囲)を広くすることができる。これは、Q値が高いほど検知できる静電気のレンジが広くなることを意味している。また、微小共振器31の発振時と停止時とでは、微小共振器31の出力に1桁から3桁程度の差が生じる。そのため、信頼性の高い静電気検出を行うことができる。
次に、静電気センサ101による静電気の検知について検証する。図5は、発光素子3のサンプル18が静電気によって発振を停止することを検証する実験を行うための実験装置の構成を示す図である。図6は、実験装置におけるサンプル18が帯電するメカニズムを説明するための図である。
図5に示すように、実験装置は、波長可変レーザ11と、入射光学系12と、出射光学系13と、ランプ14と、カメラ15(光検出器)と、静電気発生装置16と、メタルチップ17とを備えている。
サンプル18は、発光素子3と類似した構造が形成されたシリコンチップである。入射したレーザ光によってラマン散乱光を出射する。このサンプル18は、発光素子3の微小導波路33を有していない。このため、微小共振器は、図2に示すz方向にラマン散乱光を出射する。また、微小共振器の励起波長は1429mmであり、微小共振器が出射するラマン散乱光の波長は1544mmである。また、微小共振器の発振閾値は0.5μWである。
入射光学系12は、コリメートレンズ121と、偏光子122と、集光レンズ123とを有している。入射光学系12は、波長可変レーザ11から出射されたレーザ光(励起光)を、コリメートレンズ121によって平行光に変換し、偏光子122によって特定の偏光を通過させた後、集光レンズ123によって絞り込み、サンプル18の入射部に入射させる。
出射光学系13は、コリメートレンズ131と、ビームスプリッタ132と、ミラー133と、集光レンズ134と、ロングパスフィルタ135とを有している。出射光学系13は、サンプル18からのラマン散乱光を、コリメートレンズ131によって平行光に変換し、ランプ14からの光とともにビームスプリッタ132を通過させ、ミラー133で方向転換させた後、集光レンズ134によって絞り込む。また、出射光学系13は、集光レンズ134によって絞り込まれたラマン散乱光のうち、ロングパスフィルタ135によって所定の波長より長い波長の成分のみを通過させる。
カメラ15は、例えば、近赤外線(NIR)カメラであり、低光量の画像でも鮮明に撮像することができる。これにより、ロングパスフィルタ135を経た微小な光を観測(検出)することができる。
メタルチップ17は、円錐形を成す微小な金属構造体であり、先端の直径は1mmである。メタルチップ17は、その先端がサンプル18から1cm離れた位置に配置されている。静電気発生装置16は、数kVの電圧をメタルチップ17に出力する。これにより、メタルチップ17は、負の電荷または正の電荷をサンプル18に照射する。
静電気をサンプル18に照射することにより、カメラ15による観測画像に光は見られず、サンプル18の微小共振器が発振を停止したことが確認された。
静電気によって微小共振器の発振が停止する原理について説明する。図6に示すように、メタルチップ17の先端から電荷が放出されることにより、コロナ放電が生じる。コロナ放電により発生した電荷で、空気中の窒素ガス、酸素ガスなどの分子Mをイオン化する。サンプル18のシリコンチップは、その表面でイオンIから電荷Eを受け取る。電荷Eは、シリコンチップにおける空孔18bを除く部分に入り込むことにより、微小共振器のレーザ発振を停止させる。
以上のように、本実施形態に係る静電気センサ101は、励起光を発する励起光源1と、入射する励起光と異なる波長の光を発する発光素子3と、発光素子3から出射された光を検出する受光素子5とを備えている。発光素子3は、シリコン基板に形成された非線形光学媒質を有している。また、発光素子3は、非線形光学媒質に、励起光源1からの励起光によって励起され、かつ励起波長で共振することにより、励起波長を有する光を発生する微小共振器31が設けられている。
上記の構成によれば、発光素子3に電荷が与えられると、レーザのような強い電場を有する光が非線形光学媒質に入射すると、微小共振器31では、入射した励起光の波長と異なる励起波長を有する光が発生する。発光素子3に電荷を与えると、非線形光学媒質が現す非線形光学効果が低下する。これにより、発光素子3が発光を停止したり(無発光)、発光素子3が発する光が微弱になったりする。このように、電荷の無い通常の発光時と電荷付与時とで発光素子3の発光状態が異なることによって、静電気を検知することができる。
また、発光素子3は、半導体基板としてのシリコン基板3aに形成されるので、シリコンプロセス技術のような半導体プロセス技術によって製作される半導体デバイスの内部にも組み込むことが可能となる。これにより、半導体デバイス内に生じた静電気を検知することができる。しかも、非線形光学媒質は、電荷が除去されると、通常の非線形光学効果を現すようになる。これにより、静電気センサ101は、繰り返して静電気を検知することができる。したがって、静電気に対して安定して動作する、繰り返し使用することが可能な、小型の静電気センサを実現することが可能になる。
また、発光素子3は、励起光の入射によって動作するデバイスであって、電気駆動型のデバイスではない。したがって、静電気の影響を受けて破壊されることはない。また、発光素子3の駆動に電気が用いられないことから、発火しやすい環境下での発光素子3の使用が可能であり、爆発を誘引することがほとんどない。さらに、発光素子3は、可動部分を有していないので、振動環境下においても振動の影響を受けることなく正常に動作する。
除電を目的とする場合など、静電気の存在が確認できればよい。そこで、静電気センサ101は、静電気を検知するようにしている。
また、静電気センサ101において、シリコン基板3aには、多数の空孔が形成されたフォトニック結晶構造体が形成されている。微小共振器31は、フォトニック結晶構造体に設けられ、励起光により生じたラマン散乱光に対するラマン共振モードを有している。
上記の構成によれば、微小共振器31において3次の非線形光学効果である誘導ラマン散乱が生じる。微小共振器31は、このラマン散乱によって得られるラマン利得を利用して、ラマン散乱光を生じさせることができる。また、上述したように、微小共振器31は、損失が高くなることで、ラマン利得が損失和以下になると、発振を停止するか、あるいは微小共振器31の共振が微弱になる。これにより、発光素子3が発光を停止したり、発光素子3が発する光が微弱になったりすると、受光素子5が光を検出しなくなったり、受光素子5が微弱な光を検出したりするので、静電気を検知することができる。
また、微小共振器31は、10000以上かつ3000000以下の第1Q値を有するとともに、100000以上かつ10000000以下の第2Q値を有する。また、微小共振器31は、好ましくは、数万程度の第1Q値を有するとともに、数十万程度の第2Q値を有していてもよい。
上記の構成によれば、微小共振器31の第1Q値および第2Q値が高いので、微小共振器31の損失が大幅に低下する。これにより、微小共振器31の発光域を広くすることができる。それゆえ、励起光の強度を調整することで、幅広い範囲の強さをもつ静電気を検知することが可能となる。つまり、静電気検知感度を調整することができる。
また、静電気センサ101は、励起光源1からの励起光を発光素子3に導く入射光ファイバ2と、発光素子3からの光を受光素子5に導く出射光ファイバ4とを備えている。
上記の構成によれば、発光素子3が、入射光ファイバ2によって励起光源1と接続されるとともに、出射光ファイバ4によって受光素子5と接続される。これにより、発光素子3を励起光源1および受光素子5から離れた位置に配置することができる。それゆえ、遠隔地における静電気を検知することができる。例えば、これまでは困難であった、ロケット、海底ケーブルなどにおいて、静電気のリモートセンシングが可能になる。
また、半導体製造の分野では、帯電したシリコン基板を除電するために、除電器(イオナイザなど)によって、シリコン基板の帯電の極性と逆極性に帯電したイオンを帯電箇所に照射する。これにより、シリコン基板の帯電箇所は電気的に中和されることで除電される。従来、除電の前には、シリコン基板における帯電状況を検知するが、その検知の空間分解能が低いために、イオンの照射範囲を特定することが難しい。このため、十分に除電を行えないという不都合が生じることがある。これに対し、静電気センサ101を用いることにより、空間電荷を計測することができる。したがって、シリコン基板の表面の帯電状況も容易に検知することができる。
なお、上記のように構成される実験装置は、本発明の静電気センサとして適用できる。
ここで、本実施形態の変形例について説明する。
本実施形態に係る静電気センサ101において、発光素子3は、誘導ラマン散乱として3次の非線形光学効果を現す微小共振器31を有している。本発明に係る静電気センサは、このような微小共振器31に限らず、他の非線形光学効果を現す共振器を有する発光素子を含んでいてもよい。
例えば、静電気センサは、誘導ブリルアン錯乱という非線形光学効果を表す微小共振器を有する発光素子を含んでいてもよい。また、静電気センサは、テーパファイバ結合微小球共振器を有する発光素子を含んでいてもよい。テーパファイバ結合微小球共振器は、テーパファイバによってガラス製などの透明な微小球に入射した光を、微小球の内面での全反射により微小球内を周回させて、位相の揃う波長の光のみを高いQ値で閉じ込める。また、静電気センサは、単一周波数のレーザ光が入射すると位相変調を加えることで測帯波が発生して、櫛状の周波数スペクトルの光(光周波数コム)を出射するレーザ共振器を有する発光素子を含んでいてもよい。これらの静電気センサについても、電荷が付与されることによって、非線形光学効果が低下する。
〔実施形態2〕
本発明の実施形態2について、図1および図7に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態1にて説明した構成要素と同じ機能を有する構成要素については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
図7は、静電気センサ102における発光素子3Aの構成を示す平面図である。
図1に示すように、本実施形態に係る静電気センサ102は、上述した静電気センサ10と同じく、励起光源1と、入射光ファイバ2と、出射光ファイバ4と、受光素子5とを備えている。また、静電気センサ102は、静電気センサ101における発光素子3に代えて発光素子3Aを備えている。
ここで、図1には示さないが、発光素子3Aは、発光素子3と異なり、微小共振器31を有していない。図7に示すように、発光素子3Aは、発光素子3と同じく2次元フォトニック結晶構造体(フォトニック結晶構造体)を備えるフォトニック結晶光回路である。
2次元フォトニック結晶構造体には、入射部3cと、出射部3dとが設けられている。2次元フォトニック結晶構造体には、入射部3cから出射部3dまでにx方向に伸びるように続く線欠陥が形成されている。この部分は、微小導波路34(導波路)として機能する。
このように構成される静電気センサ102において、発光素子3Aには、励起光源1から出射された光が、入射光ファイバ2を介して入射部3cから微小導波路34へと入射する。この励起光は、微小導波路34を通過して出射部3dから出射される。
また、発光素子3Aに電荷を与えると、微小導波路34を通過する光の損失が増えるか、または非線形光学媒質が現す非線形光学効果が低下する。これにより、発光素子3Aが発光を停止したり(無発光)、発光素子3Aが発する光が微弱になったりする。このように、電荷の無い通常の発光時と電荷付与時とで発光素子3Aの発光状態が異なることによって、静電気を検知することができる。
なお、発光素子3は、微小共振器31を有することで感度を高くすることができる。これに対し、発光素子3Aは、微小共振器31を有していないので、発光素子3ほど高い感度を得ることができない。しかしながら、発光素子3Aは、励起光の光量を増やしたり、微小導波路34を長く形成したりすることにより、感度をある程度高めることができる。
また、励起光が微小導波路34に入射すると、同じ波長の励起光がそのまま出射される。これに対し、非線形光学効果を用いた光導波路による光の波長変換はすでに実現されている。特に、ラマン散乱光を光導波路で発生することについては、研究が行われており、原理的には可能である。したがって、発光素子3Aは、入射した励起光を励起波長と異なる波長を有する光に変換して出射してもよい。
〔実施形態3〕
本発明の実施形態3について、図8に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態1および2にて説明した構成要素と同じ機能を有する構成要素については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
図8は、実施形態2に係る静電気センサ103の構成を示すブロック図である。
図8に示すように、静電気センサ103は、実施形態1の静電気センサ101および実施形態2の静電気センサ102と同じく、励起光源1を備えている。また、静電気センサ103は、入射光ファイバ2と、発光素子3(または発光素子3A)と、出射光ファイバ4と、受光素子5とを、それぞれ複数備えている。さらに、静電気センサ103は、光分岐器6を備えている。なお、以降の説明では、発光素子3Aについての記載を省略するが、静電気センサ103は、発光素子3Aを備える場合についても、発光素子3を備える場合と同等に動作する。
励起光源1と光分岐器6との間は、単一の入射光ファイバ2によって接続されている。光分岐器6と複数の発光素子3との間は、発光素子3と同数の入射光ファイバ2によって接続されている。光分岐器6は、励起光源1に接続された単一の入射光ファイバ2を複数の入射光ファイバ2に分岐する光学機器である。
発光素子3は、静電気の検知を行う各所に配置される。複数の発光素子3と複数の受光素子5との間は、複数の出射光ファイバ4によって個々に接続されている。複数の受光素子5は、複数の発光素子3の発光状態を1箇所で確認できるように、集約して配置されることが好ましい。
上記のように構成される静電気センサ103によれば、励起光源1からの励起光は、光分岐器6によって単一の入射光ファイバ2から分岐した複数の入射光ファイバ2を介してそれぞれの発光素子3に伝送される。これにより、単一の励起光源1によって、複数箇所の静電気を検知することができる。
例えば、製造ラインなどの静電気が発生しやすい複数の箇所に発光素子3を配置することにより、それぞれの発光素子3の発光状況を受光素子5によって確認することができる。これにより、複数箇所の静電気の発生状況を一度に確認することができる。したがって、多数に及ぶ箇所で生じる静電気について、除去、解析などを容易に行うことができる。
また、ロケットにおいては、マトリクス状に配置された発光素子3を入射光ファイバ2および出射光ファイバ4で接続した静電気センサ103を、帯電の可能性がある内壁などに配置しておく。静電気センサ103の配置箇所が帯電すると、静電気センサ103からの発光状態が変化することにより、モニタ側(管制室など)で帯電発生箇所を把握することができる。これにより、ロケットの打ち上げ前に確認された帯電箇所を除電することにより、ロケットの打ち上げ失敗を未然に回避することができる。
〔付記事項〕
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
1 励起光源
2 入射光ファイバ(第1光ファイバ)
3 発光素子
3a シリコン基板
3b 空孔
4 出射光ファイバ(第2光ファイバ)
5 受光素子(光検出器)
6 光分岐器
15 カメラ(光検出器)
31 微小共振器(共振器)
34 微小導波路(導波路)
101〜103 静電気センサ

Claims (6)

  1. 励起光を発する励起光源と、
    半導体基板に形成された非線形光学媒質を有し、当該非線形光学媒質に、前記励起光によって励起され、かつ励起波長で共振することにより、前記励起波長を有する光または前記励起波長とは異なる波長を有する光を発生する共振器が設けられている発光素子と、
    前記発光素子から出射された光を検出する光検出器と、を備えていることを特徴とする静電気センサ。
  2. 前記半導体基板には、多数の空孔が形成されたフォトニック結晶構造体が形成され、
    前記共振器は、前記フォトニック結晶構造体に設けられ、前記励起光により生じたラマン散乱光に対するラマン共振モードを有することを特徴とする請求項1に記載の静電気センサ。
  3. 前記共振器は、前記励起光を励起光共振モードで閉じ込め、前記ラマン散乱光をラマン散乱光共振モードで閉じ込め、前記励起光共振モードのQ値として10000以上の第1Q値を有するとともに、前記ラマン散乱光共振モードのQ値として100000以上の第2Q値を有することを特徴とする請求項2に記載の静電気センサ。
  4. 励起光を発する励起光源と、
    半導体基板に形成された非線形光学媒質を有し、当該非線形光学媒質に、前記励起光を通過させるか、または前記励起光を励起波長とは異なる波長を有する光に変換する導波路が設けられている発光素子と、
    前記発光素子から出射された光を検出する光検出器と、を備えていることを特徴とする静電気センサ。
  5. 前記励起光源からの前記励起光を前記発光素子に導く第1光ファイバと、
    前記発光素子からの光を前記光検出器に導く第2光ファイバと、をさらに備えていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の静電気センサ。
  6. 前記励起光源に接続された単一の前記第1光ファイバを複数の前記第1光ファイバに分岐する光分岐器をさらに備え、
    前記発光素子、前記第2光ファイバおよび光検出器は、それぞれ複数設けられており、
    分岐した複数の前記第1光ファイバは、複数の前記発光素子に個々に接続され、
    複数の前記第2光ファイバは、複数の前記発光素子と複数の前記光検出器とを個々に接続していることを特徴とする請求項5に記載の静電気センサ。
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