JP2021134714A - 産業ユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】温熱供給装置が作動しているか停止しているかによって影響されることなくバイナリ発電装置が発電するように構成された産業ユニットを提供することを目的とする。【解決手段】本出願は、熱源媒体が流れる熱源流路と、前記熱源流路から分岐した供給管路と、を有している熱源系と、バイナリ発電装置と、熱提供流路において供給ポンプを用いて熱提供媒体を流動させるとともに前記熱提供媒体を用いて温熱を需要先に供給するように構成された温熱供給装置と、前記供給管路に流入した前記熱源媒体を前記熱提供媒体と熱交換させるように構成された熱交換器と、を備えている産業ユニットを開示する。【選択図】図1

Description

本発明は、バイナリ発電装置と温熱供給装置とを有している産業ユニットに関する。
バイナリ発電装置は、ランキンサイクルの下で熱源媒体から熱を回収し、回収された熱を用いて発電するように構成されている。詳細には、バイナリ発電装置は、熱源媒体からの熱の回収及び発電機の駆動に用いられる作動媒体が流れる媒体循環路上に配置された媒体ポンプ、蒸発器、膨張機及び凝縮器を備えている。発電機は、膨張機に接続されている。媒体ポンプ、蒸発器、膨張機及び凝縮器は、媒体ポンプから吐出された作動媒体が蒸発器、膨張機及び凝縮器を順に流れるように媒体循環路上に配置されている。
蒸発器は、上述の媒体循環路と熱源媒体が流れる熱源流路とに接続されている。熱源媒体の熱は、蒸発器での作動媒体及び熱源媒体の熱交換の下で作動媒体によって回収される。この結果、作動媒体は、過熱状態で蒸発器から流出する。一方、熱源媒体は降温される。蒸発器から流出した作動媒体は、膨張機によって吸い込まれる。吸い込まれた作動媒体は、膨張機において膨張し、膨張機及び発電機を駆動する。この結果、バイナリ発電装置から電力が出力される。膨張機で仕事をした作動媒体は、凝縮器において凝縮する。凝縮した作動媒体は、媒体ポンプによって蒸発器へ再度送り出される。
熱源媒体の熱は、上述の如く発電に利用される。熱源媒体は、蒸発器での熱交換の結果低温化するけれども、他の用途に利用可能な熱をなお有している。特許文献1は、作動媒体との熱交換の後の熱源媒体の熱を二次的に利用することを提案している。
特開2013−181398号公報
熱源媒体の熱を二次的に利用する装置として、温風や温水を供給する温熱供給装置が考えられる。温熱供給装置に熱源媒体を供給するために、熱源媒体が流れる熱源流路から分岐する供給管路を設け、この供給管路を温熱供給装置に延設させることが考えられる。この結果、熱源媒体の熱は、発電に用いられる作動媒体だけでなく温熱供給装置にも提供される。
供給管路に供給ポンプが配置されると、バイナリ発電装置の作動及び停止に合わせて熱源媒体の流動及び停止を切り替えることが可能になる。供給ポンプが作動すると、供給ポンプの吸い込み圧の影響の下で蒸発器内における熱源媒体の圧力が下がる。蒸発器内における熱源媒体の圧力降下に伴い、蒸発器内の熱源媒体の温度も蒸発器での熱交換量が低下する。この結果、バイナリ発電装置の発電量が低下する。すなわち、バイナリ発電装置の発電量は、温熱供給装置が作動しているか停止しているかによって影響される。
本発明は、温熱供給装置が作動しているか停止しているかによって影響されることなくバイナリ発電装置に発電させるように構成された産業ユニットを提供することを目的とする。
本発明の一の局面に係る産業ユニットは、熱源媒体が流れる熱源流路と、前記熱源流路から分岐した供給管路と、を有している熱源系と、作動媒体を循環させる媒体ポンプが配置された媒体循環路と、前記媒体循環路上に配置されているとともに前記熱源媒体からの前記熱の回収のために前記熱源流路を流れる前記熱源媒体と前記作動媒体と熱交換させるように構成された蒸発器と、前記蒸発器で得られた気相の前記作動媒体を吸い込むように前記媒体循環路上に配置され、前記吸い込まれた作動媒体の膨張によって発電機を駆動する膨張機と、前記膨張機で膨張した前記作動媒体の蒸気を液体に凝縮する凝縮器と、を有しているバイナリ発電装置と、熱提供流路において供給ポンプを用いて熱提供媒体を流動させるとともに前記熱提供媒体を用いて温熱を需要先に供給するように構成された温熱供給装置と、前記供給管路に流入した前記熱源媒体を前記熱提供媒体と熱交換させるように構成された熱交換器と、を備えている。
上記の構成によれば、熱源流路を流れる熱源媒体は、熱源流路から分岐した供給管路を通じて熱交換器に流入し、熱交換器において熱提供媒体と熱交換する。熱交換器における熱提供媒体との熱交換の結果、熱源媒体の熱は、熱提供媒体に伝達される。熱交換器において熱源媒体と熱交換した熱提供媒体は、供給ポンプによって熱提供流路を流動し温熱の提供に利用される。すなわち、熱源媒体の熱は、熱提供媒体を介して温熱供給装置による温熱の提供に利用される。
熱交換器内における熱源媒体が流れる流路は、熱提供媒体が流れる流路から独立しているので、供給ポンプが熱提供媒体を循環させているか否かは、熱源媒体の圧力に影響しない。したがって、供給ポンプの作動及び停止が発電量に与える影響が抑制される。
上記の構成に関して、前記熱源系は、前記供給管路を通じて前記熱交換器に流入する前記熱源媒体の流量を調整可能に前記熱源流路に設けられた分配調整弁と、前記熱交換器で前記熱源媒体及び前記熱提供媒体と熱交換された後の前記熱源媒体を前記熱源流路に戻すように前記熱交換器と前記熱源流路とを接続する戻管路と、を含んでいてもよい。前記熱源流路は、前記熱源媒体用の循環路を構成していてもよい。
上記の構成によれば、熱源流路が循環路を構成しているとともに熱交換器で熱提供媒体と熱交換した熱源が戻管路を通じて熱源流路に戻るので、熱源媒体を継続的に利用可能である。熱源媒体の熱は、発電用の作動媒体に提供されるだけでなく、温熱提供装置用の熱提供媒体にも提供される。供給管路が熱源流路から分岐しているので、熱源媒体全部ではなく、一部を熱交換器に供給することが可能になる。熱提供媒体へ提供すべき熱量に応じて分配調整弁を調整することにより、循環する熱源媒体のうち熱提供媒体の供給すべき熱量を調整することが可能になる。
熱交換器への熱源媒体の流入量が増えるように分配調整弁が操作されると、熱交換器での熱交換量が増える。この場合、熱提供媒体を介して温熱供給装置に供給される熱量が増えるけれども、熱交換器で降温された後に戻管路を通じて熱源流路に戻る比較的低温の熱源媒体も増える。この結果、熱源流路を流れる熱源媒体(すなわち、蒸発器に流入する熱源媒体)の温度が下がり、発電量が低下する。逆に、分配調整弁によって熱交換器への熱源媒体の流入量が減らされると、温熱供給装置への供給熱量が減る一方で、発電量が増える。したがって、分配調整弁によって、発電量及び温熱供給装置への供給熱量の調整が可能になる。
上記の構成に関して、産業ユニットは、前記分配調整弁の開度を調整する弁制御部と、前記媒体ポンプの周波数を調整するポンプ制御部とを更に備えていてもよい。前記バイナリ発電装置は、前記発電機が生成した電力を検出する電力計を含んでいてもよい。前記温熱供給装置は、前記温熱供給装置において前記熱提供媒体と熱交換した後に前記温熱供給装置から出力された温熱媒体又は前記温熱供給装置に供給される前記熱提供媒体の温度を検出する温度センサを含んでいてもよい。前記弁制御部は、前記電力及び前記温度に対する検出値が前記電力及び前記温度に対する要求値に近づくように前記分配調整弁の開度を調整するように構成されていてもよい。前記ポンプ制御部は、前記電力及び前記温度に対する検出値が前記電力及び前記温度に対する要求値に近づくように前記媒体ポンプの周波数を調整するように構成されていてもよい。
上記の構成によれば、バイナリ発電装置及び温熱供給装置が電力計及び温度センサをそれぞれ有しているので、弁制御部及びポンプ制御部は、現状の電力及び温度がこれらに対する要求値からどのくらい離れているかが分かる。弁制御部は、現状の電力及び温度とこれらに対する要求値とに基づいて、現状の電力及び温度のうち少なくとも一方が対応する要求値に近づくように分配調整弁の開度を調整することができる。この場合において、現状の温度が要求値に近づけられる結果、現状の電力が要求値から離れてしまう場合には、ポンプ制御部が媒体ポンプの周波数を調整することによって、現状の電力を要求値に近づけることができる。
上記の構成に関して、前記電力計の前記検出値が前記電力の前記要求値を上回っている一方で、前記温度センサの前記検出値が前記温度の前記要求値未満であれば、前記弁制御部は、前記熱交換器への前記熱源媒体の流入量が増えるように前記分配調整弁を制御する一方で、前記ポンプ制御部は、前記媒体ポンプの周波数が低減するように前記媒体ポンプを制御してもよい。
上記の構成によれば、電力計の検出値が電力の要求値を上回っているときに温度センサの検出値が温度の要求値未満ならば、熱交換器への熱源媒体の流入量が増やされるので、熱提供媒体の温度が上昇する。熱提供媒体の温度上昇に伴って、熱提供媒体と熱交換した温熱媒体の温度も上昇する。したがって、温熱媒体の温度を温熱媒体の要求値に近づけることができる。
熱交換器への熱源媒体の流入量が増加する結果、蒸発器への熱源媒体の流入温度が低下する。このとき、媒体ポンプの周波数は、ポンプ制御部によって低減されるので、蒸発器から流出した作動媒体の過熱度の低下が抑制される。媒体ポンプの周波数の低減の結果、蒸発器への作動媒体の流入量(ひいては、発電量)が減るけれども、分配調整弁の開度の変更前において、発電量は要求値を上回っているので、発電量も要求値に近づく。
上記の構成に関して、前記電力計の前記検出値が前記電力の前記要求値未満である一方で、前記温度センサの前記検出値が前記温度の前記要求値を上回っていれば、前記弁制御部は、前記熱交換器への前記熱源媒体の流入量が減るように前記分配調整弁を制御する一方で、前記ポンプ制御部は、前記媒体ポンプの周波数が増加するように前記媒体ポンプを制御してもよい。
上記の構成によれば、電力計の検出値が電力の要求値未満であるときに温度センサの検出値が温度の要求値を上回っていれば、熱交換器への熱源媒体の流入量が減らされる。この場合、蒸発器への熱源媒体の流入温度が上がる。このとき、媒体ポンプの周波数がポンプ制御部によって増加されるので、蒸発器から流出した作動媒体の過熱度の増加が抑制される。媒体ポンプの周波数の増加の結果、蒸発器への作動媒体の流入量が増えるので、バイナリ発電装置が生成する電力が増え、バイナリ発電装置は、電力の要求値を達成することができる。
供給管路を通じて熱交換器に流入する熱源媒体の流量が減る結果、熱源媒体から熱提供媒体へ伝わる熱量(ひいては、温熱媒体の温度)が低下する。分配調整弁の開度の変更前において、温熱媒体の温度は要求値を上回っているので、温熱媒体の温度も要求値に近づく。
上記の構成に関して、産業ユニットは、前記媒体ポンプが停止されたことに基づいて、前記熱源媒体の流れモードを制御する弁制御部を更に備えていてもよい。前記熱源系は、前記熱源媒体が前記蒸発器に前記熱源媒体が流入する第1流れモードと前記蒸発器への前記熱源媒体の流入が遮断される一方で前記供給管路への前記熱源媒体の流入が許容される第2流れモードとの間で前記熱源媒体の流れモードを切り替えるように前記熱源流路に設けられた切替弁を含んでいてもよい。前記弁制御部は、前記媒体ポンプが停止されたことに基づいて、前記流れモードを前記第1流れモードから前記第2流れモードに切り替えるように構成されていてもよい。
上記の構成によれば、媒体ポンプが停止されたことに基づいて、切替弁は、蒸発器への熱源媒体の流れを遮断するので、蒸発器から流出した気相の作動媒体の圧力上昇が抑制される。一方、切替弁は、熱交換器への熱源媒体の流入を許容するので、温熱供給装置は、温熱の供給を継続することができる。
上記の構成に関して、前記温熱供給装置は、前記熱提供流路に配置されているとともに大気に開放された大気開放タンクを含んでいてもよい。
上記の構成によれば、熱提供媒体の圧力は、大気開放タンクにおいて大気圧に等しくなる。したがって、熱提供媒体の温度変化に伴う熱提供流路の管内圧力の変動が抑制される。
上述の産業ユニットは、温熱供給装置が作動しているか停止しているかによって影響されることなくバイナリ発電装置に発電させることができる。
第1実施形態の産業ユニットの概略図である。 第2実施形態の産業ユニットの概略図である。 第2実施形態の他の産業ユニットの概略図である。 第3実施形態の産業ユニットの概略図である。 産業ユニットの熱源系の分配調整弁の開度の調整に用いられる制御関連部分の概略的な機能構成を表すブロック図である。 産業ユニットの制御部の制御動作を表す概略的なフローチャートである。 制御部の停止制御を表す概略的なフローチャートである。 第4実施形態の産業ユニットの概略図である。 産業ユニットの制御動作を表す概略的なフローチャートである。 産業ユニットの制御動作を表す概略的なフローチャートである。 産業ユニットの制御動作を表す概略的なフローチャートである。 産業ユニットの制御動作を表す概略的なフローチャートである。
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態の産業ユニット100の概略図である。図1を参照して、産業ユニット100が説明される。
産業ユニット100は、バイナリ発電装置300と、温熱供給装置200とを含んでいる。バイナリ発電装置300は、排熱などの加熱源と熱源媒体との熱交換の下で熱源媒体を加熱する熱源部101で加熱された熱源媒体の熱を発電に利用するように構成されている。温熱供給装置200は、熱源媒体から取得された温熱を需要先に提供するように構成されている。加えて、産業ユニット100は、バイナリ発電装置300及び温熱供給装置200に熱源媒体の熱を提供するように熱源媒体を流動させる熱源系400を含んでいる。熱源系400の熱源媒体の熱を温熱供給装置200に与えるために、産業ユニット100は、熱交換器130を更に備えている。
発電のために利用される媒体は、以下の説明において「作動媒体」と称される。熱源媒体の熱を温熱供給装置200内で受け取るために利用される媒体は、以下の説明において「熱提供媒体」と称される。温熱を需要先に供給するために利用される媒体は、以下の説明において「温熱媒体」と称される。
バイナリ発電装置300は、作動媒体が流れる媒体循環路110と、媒体循環路110上に配置された媒体ポンプ111、蒸発器112、膨張機113及び凝縮器114と、膨張機113の内部ロータに接続された発電機115とを備えている。媒体循環路110は、媒体ポンプ111の吐出口及び吸込口に接続されている。蒸発器112、膨張機113及び凝縮器114は、媒体ポンプ111から吐出された作動媒体がこれらを順次通過するように配置されている。
蒸発器112は、熱源媒体及び作動媒体の熱交換の下で作動媒体を蒸発させるように構成されている。膨張機113は、蒸発器112から流出した作動媒体を吸い込み、吸い込まれた作動媒体の膨張作用の下で内部ロータを回転させるように構成されている。発電機115は、膨張機113の内部ロータに接続され、内部ロータの回転の下で発電するように構成されている。凝縮器114は、膨張機113で仕事をした後の作動媒体を、凝縮器114に外部から供給された冷却水(たとえば、海水又は工水)と熱交換させるように構成されている。媒体ポンプ111は、凝縮器114での熱交換によって凝縮した作動媒体を吸い込み、吸い込まれた作動媒体を蒸発器112へ吐出するように構成されている。
熱源系400は、蒸発器112へ熱源媒体を供給するために熱源流路120及び熱源ポンプ121を備えている。熱源流路120は、熱源部101と蒸発器112との間で熱源媒体が循環するように構成されている。詳細には、熱源流路120は、熱源媒体が熱源部101から蒸発器112に向けて流れる第1熱源路123と、熱源媒体が蒸発器112から熱源部101に向けて流れる第2熱源路124とを含んでいる。熱源ポンプ121は、第2熱源路124に取り付けられている。
熱源系400は、温熱供給装置200に熱源媒体の熱を供給するために、熱源流路120を流れている熱源媒体を熱交換器130へ分配する分配管部134を備えている。分配管部134は、熱源流路120から分岐しているとともに熱交換器130に接続された一対の管路を含んでいる。これらの管路のうち一方は、以下の説明において「供給管路131」と称される。他方の管路は、以下の説明において「戻管路132」と称される。供給管路131は、熱源媒体を熱交換器130に流入させるために配管されている。戻管路132は、熱交換器130での熱交換の後の熱源媒体を熱源流路120へ戻すために配管されている。戻管路132は、供給管路131から熱源ポンプ121側に離間した位置において第2熱源路124から分岐している。
熱源系400は、第2熱源路124からの供給管路131及び戻管路132の分岐部位間において、第2熱源路124に取り付けられた分配調整弁141を備えている。分配調整弁141は、開度を調整可能に構成されている。分配調整弁141は、熱交換器130へ供給される熱源媒体と熱交換器130を通過することなく熱源部101に流入する熱源媒体との間での流量比を調整するために用いられる。
熱源系400は、第2熱源路124に流入した熱源媒体の逆流を防止するために逆止弁142を備えている。逆止弁142は、蒸発器112と第2熱源路124からの供給管路131の分岐部位との間の流路区間において第2熱源路124に取り付けられている。
熱源系400は、バイナリ発電装置300の停止時に温熱供給装置200の温熱供給の継続を可能にするために、第1熱源路123に取り付けられた切替弁143及び切替弁143から第2熱源路124へ延設されたバイパス管路133を備えている。バイパス管路133は、逆止弁142(蒸発器112)と第2熱源路124からの供給管路131の分岐部位との間の流路区間において第2熱源路124に接続されている。すなわち、バイパス管路133は、熱源媒体の流れ方向において、供給管路131の分岐部位より上流側において第2熱源路124に接続されている。切替弁143は、蒸発器112への熱源媒体の流入を許容したり蒸発器112への熱源媒体の流入を遮断したりするように構成されている。切替弁143は、蒸発器112への熱源媒体の流入を遮断している間、バイパス管路133への熱源媒体の流入を許容する。切替弁143として、三方弁が好適に利用可能である。以下の説明において、切替弁143が蒸発器112への熱源媒体の流入を許容しているときの熱源媒体の流れモードは、「第1流れモード」と称される。切替弁143が蒸発器112への熱源媒体の流入を遮断しているときの熱源媒体の流れモードは、「第2流れモード」と称される。
熱交換器130は、上述の熱提供媒体と分配管部134を通じて分配された熱源媒体とを熱交換させるように構成されている。
温熱供給装置200は、上述の熱提供媒体が流れる熱提供流路210と、熱提供流路210上に配置された供給ポンプ211及び大気開放タンク213と、温熱を需要先に供給するように構成された温熱供給部220とを備えている。熱提供流路210は、温熱供給部220と熱交換器130との間で熱提供媒体が循環するように構成されている。供給ポンプ211は、熱交換器130で熱交換した熱提供媒体を吸い込み、吸い込まれた熱提供媒体を温熱供給部220へ吐出するように熱交換器130と温熱供給部220との間に流路区間において熱提供流路210に取り付けられている。大気開放タンク213は、熱交換器130と供給ポンプ211との間の流路区間において熱提供流路210上に設置されている。大気開放タンク213は、熱交換器130での熱交換の下で昇温された熱提供媒体を一時的に貯留するように構成されている。大気開放タンク213は、大気に開放されており、大気開放タンク213内の圧力は、大気圧に保たれている。大気開放タンク213は、熱提供媒体の熱膨張に起因する熱提供流路210への負荷を緩和するために設置されている。
温熱供給部220は、供給ポンプ211から吐出された熱提供媒体と外部から供給された温熱媒体とを熱交換させるとともに熱交換によって加熱された温熱媒体を需要先に提供するように構成されている。温熱媒体として、空気が用いられてもよいし、水が用いられてもよい。空気が、温熱媒体として用いられる場合、温熱供給部220から温風が噴出される。温風は、ビニールハウスの昇温に用いられてもよい。水が、温熱媒体として用いられる場合、温熱供給部220から温水が提供される。温水は、洗浄の用途に利用されてもよい。
バイナリ発電装置300及び温熱供給装置200の動作が以下に説明される。バイナリ発電装置300及び温熱供給装置200が作動しているとき、媒体ポンプ111は、作動媒体を循環させている。このとき、供給ポンプ211は、熱提供媒体を循環させている。熱源ポンプ121は、熱源媒体を循環させている。このとき、切替弁143は、熱源媒体の流れモードを第1流れモードに設定し、蒸発器112への熱源媒体の流入を許容している。分配調整弁141の開度は、第2熱源路124に流入した熱源媒体の一部が供給管路131を通じて熱交換器130に流入するとともに残りの熱源媒体が供給管路131に流入することなく熱源部101に向けて流れるように調整されている。
媒体ポンプ111から吐出された作動媒体は、蒸発器112に流入し、熱源媒体と熱交換する。この結果、作動媒体は、過熱状態で蒸発器112から流出する一方で、熱源媒体は降温され第2熱源路124に流入する。
蒸発器112から流出した作動媒体は、膨張機113に吸い込まれる。作動媒体は、膨張機113内で膨張し、膨張機113の内部ロータを回転させる。この結果、内部ロータに接続された発電機115が駆動される。
膨張機113で仕事をした作動媒体は、凝縮器114に流入する。作動媒体は、凝縮器114に供給された冷却水と熱交換し凝縮状態になる。一方、冷却水は、熱交換の結果昇温される。
凝縮器114で凝縮した作動媒体は、媒体ポンプ111に吸い込まれ、蒸発器112へ再度供給される。
蒸発器112で降温された熱源媒体の一部は、供給管路131に流入する一方で、残りの熱源媒体は、分配調整弁141を通過する。供給管路131に流入した熱源媒体は、熱交換器130に供給される。熱交換器130において、熱源媒体は、温熱供給装置200の熱提供流路210を流れる熱提供媒体と熱交換する。この結果、熱源媒体の温度が下がる一方で、熱提供媒体は昇温される。熱提供媒体との熱交換の後、熱源媒体は、戻管路132を通じて第2熱源路124に流入し、分配調整弁141を通過した熱源媒体と合流する。熱源媒体は、その後、熱源ポンプ121に吸い込まれ、熱源部101へ吐出される。熱源部101において、熱源媒体は排熱と熱交換し、熱源媒体は加熱される。一方、排熱の温度は低下する。排熱によって加熱された熱源媒体は、切替弁143を通過し蒸発器112に流入する。
熱源媒体と熱交換器130で熱交換した熱提供媒体は、液相の状態で大気開放タンク213に流入し、大気開放タンク213内で一時的に貯留される。大気開放タンク213内の熱提供媒体は、供給ポンプ211によって吸い出され、温熱供給部220に向けて吐出される。熱提供媒体は、温熱供給部220に供給された温熱媒体と熱交換する。熱交換の結果、熱提供媒体の温度が下がる一方で、温熱媒体の温度が上がる。昇温された温熱媒体は、需要先に供給される。温熱媒体と熱交換した熱提供媒体は、その後、熱交換器130に供給され、熱交換器130で熱源媒体と熱交換する。
分配調整弁141の開度が下げられると、供給管路131を通じて熱交換器130に流入する熱源媒体が増える一方で、供給管路131に流入することなく分配調整弁141を通過する熱源媒体が減る。熱交換器130に流入する熱源媒体が増える結果、熱交換器130における熱交換量が増える。この結果、熱交換器130における熱提供媒体の昇温幅も増える。比較的高温の熱提供媒体が温熱供給部220に流入するので、温熱供給部220から需要先に提供される温熱媒体の温度も上昇する。すなわち、分配調整弁141の開度を下げることによって、温熱媒体の温度が上昇する。
熱交換器130に流入する熱源媒体が増えると、熱交換の後に戻管路132に戻る熱源媒体が増える。熱交換器130で熱交換した熱源媒体の温度は、熱交換器130を通過することなく熱源流路120を循環する熱源媒体の温度よりも低い。したがって、戻管路132を通じて熱源流路120に戻る熱源媒体が増えれば増えるほど、熱源部101に流入する熱源媒体の温度が低くなる。この結果、熱源部101から蒸発器112へ流入する熱源媒体の温度が低くなる。蒸発器112への熱源媒体の流入温度の低下に合わせて、媒体ポンプ111からの作動媒体の吐出量を減らせば、蒸発器112から流出する作動媒体の過熱度の低下は抑制される。この場合、蒸発器112への作動媒体の流入量が減るので、発電機115での発電量が低下する。したがって、分配調整弁141の開度を下げることによって、温熱媒体の温度が上昇させることができるが発電量は低下する。逆に、分配調整弁141の開度を上げることにより温熱媒体の温度が低下する一方で、媒体ポンプ111の周波数を上げることにより過熱度の増加を抑制しつつ発電量を増加させることができる。
バイナリ発電装置300が停止している間、蒸発器112への熱源媒体の流入が継続していると、蒸発器112内の作動媒体の蒸発が継続する。この結果、蒸発器112と膨張機113との間の流路区間における媒体循環路110の管内圧力が増加する。この圧力増加を抑制するために、切替弁143は、バイナリ発電装置300の停止に応じて操作され、熱源媒体の流れモードを第1流れモードから第2流れモードに切り替える。この結果、熱源媒体は、蒸発器112へ流入することなく、バイパス管路133へ流入する。この場合、バイパス管路133に流入した熱源媒体の一部は、供給管路131を通じて熱交換器130に流入し、熱提供媒体及び熱源媒体の熱交換が継続される。すなわち、バイナリ発電装置300が停止している間においても、温熱供給部220は温熱媒体の昇温を継続することができる。
上述の実施形態によれば、熱源媒体の熱は、熱交換器130での熱交換を介して、熱提供媒体に伝達される。熱交換器130が用いられるので、熱源媒体は、熱提供流路210に流入することなく、熱源流路120、供給管路131及び戻管路132内で循環することができる。熱交換器130は、以下のような問題の解消に役立つ。
熱交換器130が用いられることなく、熱提供媒体が温熱供給部220に流入する場合には、供給ポンプ211の吸い込み動作が蒸発器112内の熱源媒体の圧力を低下させる。一方、供給ポンプ211が停止している間は、このような熱源媒体の圧力降下は生じない。蒸発器112内の熱源媒体の圧力が高ければ、蒸発器112内の熱源媒体の温度は高く、熱源媒体から作動媒体への伝達熱量は高くなる。逆に、蒸発器112内の熱源媒体の圧力が低ければ、蒸発器112内の熱源媒体の温度は低く、熱源媒体から作動媒体への伝達熱量は低くなる。熱源媒体から作動媒体への伝達熱量の増減は、発電量の増減に帰結する。
一方、熱交換器130が用いられる場合には、上述の如く、熱源媒体は、熱提供流路210に流入することなく、熱源流路120、供給管路131及び戻管路132内で循環することができる。供給管路131に接続された熱交換器130内の熱源媒体の流路は、熱提供媒体の流路から独立しているので、供給ポンプ211の状態(すなわち、供給ポンプ211が停止しているか作動しているか)は、熱源媒体の圧力に影響しない。したがって、熱源媒体の圧力に対する供給ポンプ211の運転状態の影響は、熱交換器130で遮断される。バイナリ発電装置300の発電量及び温熱媒体の温度は、供給ポンプ211の運転状態の影響を排除した上で、分配調整弁141の開度によって調整され得る。発電量への影響因子(すなわち、供給ポンプ211の運転状態)が削減されているので、バイナリ発電装置300からの発電量の変動が抑制される。
上述の実施形態では、熱交換器130に接続された供給管路131及び戻管路132は、熱源媒体の循環路として構成された熱源流路120から分岐している。この場合、熱源媒体は、外部に流出しないので、熱源媒体の継続的な利用が可能になる。代替的に、バイナリ発電装置300は、戻管路132を有していなくてもよい。この場合、熱交換器130で熱提供媒体と熱交換をした後の熱源媒体は、外部に排出されてもよい。
上述の実施形態では、バイナリ発電装置300は、熱源流路120から分岐した供給管路131を用いて、熱源媒体の一部を熱交換器130に供給している。代替的に、熱源流路120は、熱源媒体が熱源部101、蒸発器112及び熱交換器130を順次通過するように構成された循環路であってもよい。この場合、蒸発器112への熱源媒体の流入量及び熱交換器130への熱源媒体の流入量を相違させることはできないが、熱交換器130が用いられているので、供給ポンプ211の運転状態の影響を排除した上での発電は可能である。
上述の実施形態では、熱提供流路210は、熱提供媒体用の循環路を構成している。この場合、熱提供媒体の継続的な利用が許容される。代替的に、熱提供流路210は、循環路でなくてもよい。この場合、温熱供給部220で温熱媒体と熱交換した後の熱提供媒体は、外部に排出されてもよい。
<第2実施形態>
第1実施形態の産業ユニット100は、蒸発器112での熱交換後の熱源媒体の熱を温熱供給装置200へ供給するように構成されている。温熱供給装置200が、より高い熱を必要としている場合には、産業ユニット100は、蒸発器112での熱交換前の熱源媒体の熱を温熱供給装置200へ供給するように構成されていてもよい。第2実施形態において、より高い熱を温熱供給装置200へ供給可能に構成された産業ユニット100が図2を参照して説明される。図2は、産業ユニット100の概略図である。
第2実施形態の産業ユニット100は、熱源媒体の流動経路においてのみ第1実施形態の産業ユニット100とは相違している。詳細には、第2実施形態の産業ユニット100は、供給管路131の分岐位置及び分配調整弁141の配置位置において第1実施形態の産業ユニット100とは相違している。
供給管路131は、第2熱源路124ではなく、熱源部101と切替弁143との間の流路区間において第1熱源路123から分岐し、熱交換器130に接続されている。分配調整弁141は、第1熱源路123からの供給管路131の分岐部位と切替弁143との間の流路区間において第1熱源路123に取り付けられている。分配調整弁141は、蒸発器112に流入する熱源媒体と、蒸発器112に流入することなく供給管路131を通じて熱交換器130へ供給される熱源媒体との間での流量比の調整に用いられる。分配調整弁141の開度が大きな値に設定されると、供給管路131を通じて熱交換器130に流入する熱源媒体が減るため、蒸発器112への熱源媒体の流入温度が上がる。逆に、分配調整弁141の開度が小さな値に設定されると、熱交換器130への熱源媒体の流入量が増えるため、蒸発器112への熱源媒体の流入温度が下がる。
第2実施形態の産業ユニット100は、蒸発器112で熱交換が行われる前の熱源媒体を熱交換器130へ供給するので、熱源媒体は、蒸発器112で降温されることなく熱交換器130で熱提供媒体と熱交換する。この結果、熱交換器130での熱交換量が増え、熱提供媒体の昇温幅は、第1実施形態の産業ユニット100の熱交換器130での熱提供媒体の昇温幅より大きくなる。したがって、温熱供給部220は、より高温の温熱媒体を需要先に提供することができる。
上述の実施形態に関して、分配調整弁141は、第1熱源路123からの供給管路131の分岐部位と切替弁143との間の流路区間において第1熱源路123に取り付けられている。図3に示されるように、分配調整弁141は、第1熱源路123からの供給管路131の分岐部位に取り付けられていてもよい。この場合においても、熱提供媒体の昇温幅を、第1実施形態の産業ユニット100の熱交換器130での熱提供媒体の昇温幅より大きくすることができる。
上述の実施形態に関して、産業ユニット100は、媒体ポンプ111が停止している間においても分配調整弁141を用いて熱交換器130への熱源媒体の流入量を調整している。媒体ポンプ111が停止している間において、熱源媒体全量が熱交換器130に流入することが許容される場合には、産業ユニット100は、バイパス管路133及び切替弁143を有さなくてもよい。この場合、媒体ポンプ111が停止している間、分配調整弁141は、蒸発器112への熱源媒体の流路を完全に閉じるように操作される。この結果、蒸発器112への熱源媒体の流入が停止する一方で、熱交換器130への熱源媒体の流入は継続される。したがって、媒体ポンプ111が停止している間においても温熱供給装置200の運転が許容される。また、バイパス管路133及び切替弁143が省略されるので、産業ユニット100は、簡素な構造を有する。
<第3実施形態>
分配調整弁141の開度は、発電量及び温熱媒体の温度に対する要求値及び検出値に基づいて自動的に調整されてもよい。第3実施形態において、分配調整弁141の開度を自動的に調整するように構成された産業ユニット100が図4及び図5を参照して説明される。図4は、産業ユニット100の概略図である。図5は、分配調整弁141の開度の調整に用いられる制御関連部分の概略的な機能構成を表すブロック図である。
第3実施形態の産業ユニット100は、電力計151、温度センサ152,158、圧力センサ159及び制御部153を有している点においてのみ第1実施形態の産業ユニット100とは相違している。電力計151は、バイナリ発電装置300の構成要素として設けられている。温度センサ152,158は、温熱供給装置200の構成要素として設けられている。
電力計151は、発電機115と制御部153とに電気的に接続され、発電機115の発電量を検出するように構成されている。電力計151は、電力計151の検出値を表す検出信号を生成するように構成されている。検出信号は、電力計151から制御部153へ出力される。
温度センサ152は、温熱供給部220によって生成された温熱媒体の温度を検出するように配置されている。温度センサ152は、温度センサ152の検出値を表す検出信号を生成するように構成されている。温度センサ152は、制御部153に電気的に接続され、検出信号は、温度センサ152から制御部153へ出力される。
温度センサ158及び圧力センサ159は、蒸発器112と膨張機113との間の流路区間において媒体循環路110に取り付けられている。温度センサ158は、蒸発器112から流出した作動媒体の温度を検出するとともに検出された温度を表す検出信号を生成するように構成されている。圧力センサ159は、蒸発器112から流出した作動媒体の圧力を検出するとともに検出された圧力を表す検出信号を生成するように構成されている。温度センサ158及び圧力センサ159は、これらの検出信号を制御部153に伝達するように制御部153に電気的に接続されている。
制御部153は、電力計151、温度センサ152,158及び圧力センサ159だけでなく、分配調整弁141、切替弁143及び媒体ポンプ111にも接続されている。加えて、制御部153は、バイナリ発電装置300の停止を要求する停止信号を受信するように構成されている。停止信号は、作業者の手動操作を受ける停止ボタンやバイナリ発電装置300の異常を検出する検出設備によって生成されてもよい。
制御部153は、電力計151及び温度センサ152の検出値に基づいて所定の判定処理を行い、判定処理の結果に応じて分配調整弁141、切替弁143及び媒体ポンプ111を制御するように構成されている。
制御部153は、電力計151の検出値に基づく判定処理を行う部分として、電力計151から検出信号を受信する電力判定部154を有している。電力判定部154は、電力計151の検出値に対する要求値を格納している。電力判定部154は、電力計151の検出値及び要求値を比較し、比較結果を生成するように構成されている。
制御部153は、温熱媒体の温度に対する検出値に基づく判定処理を行う部分として、温度センサ152から検出信号を受信する温度判定部155を有している。温度判定部155は、温度センサ152からの検出信号だけでなく、電力判定部154の比較結果を受け取るように構成されている。温度判定部155は、温度センサ152の検出値に対する要求値を格納している。温度判定部155は、温度センサ152の検出値、温度の要求値及び電力判定部154からの比較結果に基づいて所定の判定処理を行い、分配調整弁141及び媒体ポンプ111に対する制御の内容を判定処理の結果に基づいて決定する。
制御部153は、分配調整弁141に対して決定された制御内容を受け取る弁制御部156と、媒体ポンプ111に対して決定された制御内容を受け取るポンプ制御部157とを有している。弁制御部156は、決定された制御内容に従って分配調整弁141を制御する制御信号を生成するように構成されている。制御信号は、弁制御部156から分配調整弁141へ出力され、分配調整弁141は、制御信号に応じて開度を調整する。ポンプ制御部157は、決定された制御内容に従って媒体ポンプ111を制御する制御信号を生成するように構成されている。制御信号は、ポンプ制御部157から媒体ポンプ111へ出力され、媒体ポンプ111は、制御信号に応じて周波数を調整する。
弁制御部156及びポンプ制御部157は、分配調整弁141及び媒体ポンプ111に対する制御内容だけでなく上述の停止信号をも受け取る。弁制御部156は、停止信号の受信に応じて切替弁143を作動させる切替信号を生成するように構成されている。切替信号は、弁制御部156から切替弁143へ出力され、切替弁143は、切替信号に応じて熱源媒体の流動経路を切り替える。ポンプ制御部157は、停止信号の受信に応じて媒体ポンプ111を停止させるための制御信号を生成する。制御信号は、ポンプ制御部157から媒体ポンプ111に出力され、媒体ポンプ111は制御信号の受信に応じて停止する。
ポンプ制御部157は、温度センサ158及び圧力センサ159からの検出信号を更に受け取るように構成されている。ポンプ制御部157は、電力判定部154及び温度判定部155が発電量及び温熱媒体の温度がこれらに対する要求値を上回っていると判定したときに、これらの検出信号から算出された過熱度に基づいて媒体ポンプ111を制御するように構成されている。
媒体ポンプ111及び分配調整弁141に対する制御が図6を参照して説明される。図6は、制御部153の制御動作を表す概略的なフローチャートである。
電力判定部154及び温度判定部155は、電力計151及び温度センサ152からの検出信号が表す検出値を要求値と比較する(ステップS110〜ステップS130)。これらの検出値がこれらの要求値をそれぞれ上回っているという比較結果が得られると(ステップS110,S120:Yes)、得られた比較結果は、温度判定部155からポンプ制御部157及び弁制御部156へ伝達される。
弁制御部156は、温度判定部155から受け取った比較結果に基づいて、分配調整弁141の開度が所定の値となるように制御信号を生成する(ステップS140)。制御信号は、弁制御部156から分配調整弁141へ出力される。分配調整弁141は、制御信号の受信に応じて、制御信号によって指定された開度が得られるように動作する。
このとき、ポンプ制御部157は、温度判定部155から受け取った比較結果に基づいて、作動媒体の過熱度が所定の目標値に近づくように媒体ポンプ111を制御する(ステップS150)。詳細には、ポンプ制御部157は、温度センサ158及び圧力センサ159からの検出信号に基づいて作動媒体の過熱度を算出する。算出された過熱度が目標値未満であれば、ポンプ制御部157は、媒体ポンプ111の周波数(すなわち、媒体ポンプ111からの作動媒体の吐出量)を低減させる制御信号を生成する。制御信号に応じて媒体ポンプ111の周波数が低下すると、蒸発器112への作動媒体の流入量が減り、作動媒体の過熱度が増加する(すなわち、作動媒体の過熱度が目標値に近づく)。算出された過熱度が目標値を上回っていれば、ポンプ制御部157は、媒体ポンプ111の周波数(すなわち、媒体ポンプ111からの作動媒体の吐出量)を増加させる制御信号を生成する。制御信号に応じて媒体ポンプ111の周波数が増加すると、蒸発器112への作動媒体の流入量が増え、作動媒体の過熱度が低下する(すなわち、作動媒体の過熱度が目標値に近づく)。
電力計151及び温度センサ152の検出値がこれらの要求値未満であるとの比較結果が得られても(ステップS110,S120:No)、弁制御部156は、温度判定部155の比較結果に基づき分配調整弁141を所定の開度に設定する(ステップS140)。このとき、ポンプ制御部157は、作動媒体の過熱度に基づく制御を実行する(ステップS150)。
電力計151の検出値が要求値を上回っている一方で温度センサ152の検出値が要求値未満であるとの比較結果が得られると(ステップS110:Yes,ステップS120:No)、この比較結果は、ポンプ制御部157及び弁制御部156へ伝達される。当該比較結果が得られた場合には、温度センサ152の検出値を上昇させる必要がある一方で、電力計151の検出値の低下が許容される。
弁制御部156は、温度判定部155から受け取った比較結果に応じて、分配調整弁141の開度を所定量だけ低減させる(ステップS160)。この場合、供給管路131を通じて熱交換器130に流入する熱源媒体が増える一方で、分配調整弁141を通過する熱源媒体が減る。熱交換器130に流入する熱源媒体が増加するので、温熱媒体の温度が上がる。すなわち、温熱媒体の温度は、要求値に近づく。
ポンプ制御部157は、温度判定部155から受け取った比較結果に応じて、媒体ポンプ111の周波数を所定量だけ低減させる(ステップS160)。この結果、蒸発器112への作動媒体の流入量が低下する。このとき、分配調整弁141の開度が低減されているので、蒸発器112への熱源媒体の流入温度も下がっている。分配調整弁141の開度及び媒体ポンプ111の周波数の低減量は、これらが低減された後において蒸発器112から流出した作動媒体の過熱度が大きく変化しないように設定されている。
蒸発器112への作動媒体の流入量が低下しているので、発電機115の発電量も減る。蒸発器112への作動媒体の流入量を低減する制御が行われる前において、発電量は要求値を上回っているので、蒸発器112への作動媒体の流入量の低下の結果、発電量は要求値に近づく。
電力計151の検出値が要求値未満である一方で温度センサ152の検出値が要求値を上回っているとの比較結果が得られると(ステップS110:No,ステップS130:Yes)、得られた比較結果は、ポンプ制御部157及び弁制御部156へ伝達される。当該比較結果が得られた場合には、温度センサ152の検出値を低下させる必要がある一方で、電力計151の検出値を増加させる必要がある。
弁制御部156は、温度判定部155から受け取った比較結果に応じて、分配調整弁141の開度を所定量だけ増加させる。この場合、供給管路131を通じて熱交換器130に流入する熱源媒体が減る一方で、分配調整弁141を通過する熱源媒体が増える。熱交換器130に流入する熱源媒体が減るので、温熱媒体の温度が下がり、温熱媒体の温度に対する要求値に近づく。
ポンプ制御部157は、温度判定部155から受け取った比較結果に応じて、媒体ポンプ111の周波数を所定量だけ増加させる。この結果、蒸発器112への作動媒体の流入量が増加する。このとき、分配調整弁141の開度が増加されているので、蒸発器112への熱源媒体の流入温度が上がっている。分配調整弁141の開度及び媒体ポンプ111の周波数の増加量は、これらが増加された後において蒸発器112から流出した作動媒体の過熱度が大きく変化しないように設定されている。蒸発器112への熱源媒体の流入温度の上昇の結果、発電量が増え、発電量に対する要求値に近づく。
媒体ポンプ111の周波数及び分配調整弁141の開度の調整処理(ステップS150〜S170)の後、ステップS110〜ステップS130の比較処理又は停止制御が実行される。すなわち、ポンプ制御部157及び弁制御部156に停止信号が出力されていないならば(ステップS180:No)、比較処理(ステップS110〜S130)が再度実行される。ポンプ制御部157及び弁制御部156に停止信号が出力されている場合には(ステップS180:Yes)、バイナリ発電装置300を停止させるための停止制御が実行される。
停止制御が、図7を参照して説明される。図7は、制御部153の停止制御を表す概略的なフローチャートである。
弁制御部156は、停止信号の受信に応じて切替弁143の制御し、蒸発器112への熱源媒体の流入経路を遮断する一方で、バイパス管路133への熱源媒体の流入経路を開く(ステップS210)。この結果、熱源媒体は、蒸発器112へ流入することなく第2熱源路124に流入する。その後、熱源媒体の一部は熱交換器130に流入し、温熱供給部220の熱提供媒体への熱の供給を継続する。残りの熱源媒体は、分配調整弁141を通過し熱源部101に流入する。
停止信号は、弁制御部156だけでなくポンプ制御部157にも入力される。ポンプ制御部157は、停止信号の受信に応じて媒体ポンプ111を停止する。この結果、蒸発器112への作動媒体の流入も停止する。
第3実施形態の産業ユニット100は、発電量及び温熱媒体の温度のうち一方が要求値を上回っている一方で他方が要求値未満である場合には、これらをともに要求値に自動的に近づけることができる。
第3実施形態の制御技術は、第2実施形態の産業ユニット100にも同様に適用可能である。
第3実施形態の産業ユニット100は、温度センサ152を用いて温熱媒体の温度を測定している。代替的に、温度センサ152は、温熱供給部220に流入する熱提供媒体の温度を測定してもよい。この場合、温度センサ152は、温熱供給部220に流入する直前の熱提供媒体の温度を測定するように熱提供流路210に取り付けられてもよい。
<第4実施形態>
熱源媒体以外に温熱供給装置200の熱提供媒体に熱を供給する追加的な熱源媒体が利用可能である場合には、産業ユニット100は、追加的な熱源媒体から温熱供給装置200への熱の供給量を調整可能に構成されていてもよい。この場合、熱提供媒体は、熱交換器130に流入した熱源媒体に加えて、追加的な熱源媒体によっても加熱されるので、熱提供媒体の温度が、熱交換器130に流入した熱源媒体の温度を上回ることもある。追加的な熱源媒体から温熱供給装置200への熱の供給量は、熱交換器130に流入した熱源媒体及び熱提供媒体の間での温度の大小関係に基づいて調整されてもよい。第4実施形態において、温熱供給装置200への追加的な熱源媒体の供給量を調整可能な産業ユニット100が図8を参照して説明される。図8は、第4実施形態の産業ユニット100の概略図である。本実施形態において、追加的な熱源媒体として蒸気が用いられる。代替的に、熱提供媒体よりも高温の他の媒体が追加的な熱源媒体として利用されてもよい。
蒸気を熱提供媒体と熱交換させるために、産業ユニット100は、追加的な熱交換器214を有している点において第3実施形態の産業ユニット100とは相違している。熱交換器214は、熱交換器130と大気開放タンク213との間の流路区間において熱提供流路210上に配置されている。熱交換器214は、蒸気を熱交換器214に流入させるように構成された供給管102に接続されている。
産業ユニット100は、温度センサ152の配置位置並びに追加的な調整弁144及び追加的な温度センサ161を有している点においても第3実施形態の産業ユニット100とは相違している。温度センサ152は、温熱供給部220に流入する熱提供媒体の温度を測定するように、供給ポンプ211と温熱供給部220との間の流路区間において熱提供流路210に取り付けられている。温度センサ161は、供給管路131に取り付けられている。温度センサ161は、熱交換器130に流入する熱源媒体の温度を検出し、検出された温度を表す検出信号を生成するように構成されている。温度センサ161は、制御部153の温度判定部155に接続され、温度判定部155は、温度センサ161からの検出信号を所定の判定処理に利用する。調整弁144は、供給管102に取り付けられているとともに、制御部153の弁制御部156(図5を参照)に電気的に接続されている。調整弁144は、調整弁144の開度が弁制御部156の制御下で調整されるように構成されている。
産業ユニット100の制御動作が図9を参照して説明される。図9は、電力及び熱提供媒体の温度に対する検出値と要求値との比較処理(図6のステップS110〜S130)において、これらの検出値がともに要求値を上回っているときの制御動作を表す概略的なフローチャートである。この場合、熱提供媒体の温度を低下させる必要がある一方で、電力の低下は許容される。
温度判定部155は、温度センサ152,161の検出信号が表している検出値を比較する。熱源媒体の温度を検出している温度センサ161の検出値が、熱提供媒体の温度を検出している温度センサ152の検出値を上回っている場合(ステップS131:Yes)、熱交換器130での熱提供媒体の温度上昇を抑制する必要がある。したがって、弁制御部156は、分配調整弁141の開度を増加し(ステップS132)、熱交換器130への熱源媒体の流入量を減らす。このとき、分配調整弁141の開度の増加の結果、蒸発器112への熱源媒体の流入温度が上がる。熱交換器130への熱源媒体の流入量が減るので、熱提供媒体の温度は下がり、要求値に近づく。蒸発器112への熱源媒体の流入温度の上昇に合わせて、ポンプ制御部157は、媒体ポンプ111の周波数を上げ、蒸発器112への作動媒体の流入量を増やす(ステップS132)。この結果、蒸発器112から流出した作動媒体の過熱度の上昇が抑制される。
熱源媒体の温度を検出している温度センサ161の検出値が、熱提供媒体の温度を検出している温度センサ152の検出値未満であれば(ステップS131:No)、熱交換器130へ流入した熱源媒体を用いて熱提供媒体を降温させることが可能である。この場合、弁制御部156は、分配調整弁141の開度を低減する(ステップS133)。なお、低減された開度は、媒体ポンプ111が最低の周波数で運転しているときでも作動媒体が過熱状態で蒸発器112から流出することが保証されるように設定されている。分配調整弁141の開度が低減されると、熱交換器130への熱源媒体の流入量が多くなる一方で、蒸発器112への熱源媒体の流入温度が下がる。熱提供媒体の温度未満の熱源媒体が熱交換器130に多く流入するので、熱提供媒体の温度が下がり、要求値に近づく。このとき、弁制御部156は、調整弁144の開度も下げる。この結果、熱交換器214における熱交換量も減り、熱交換器214における熱提供媒体の昇温幅も低下する。
熱源媒体の温度を検出している温度センサ161の検出値が、熱提供媒体の温度を検出している温度センサ152の検出値未満である場合(ステップS131:No)、上述の如く、蒸発器112への熱源媒体の流入温度が下がる。このとき、ポンプ制御部157は、媒体ポンプ111の周波数を増やし、蒸発器112への作動媒体の流入量を増やす。蒸発器112に流入した熱源媒体の温度が下がっており、且つ、蒸発器112への作動媒体の流入量が増やされるので、蒸発器112から流出する作動媒体の過熱度が低下し、過熱度の目標値を下回る。この結果、発電量が減り、要求値に近づく。
これらの処理の後、停止信号が受信されていなければ(ステップS134:No)、検出値と要求値との比較処理(ステップS110〜S130)が実行される。他の場合には(ステップS134:Yes)、停止制御(図7を参照)が実行される。
ステップS110〜S130の比較処理において、電力が要求値を上回っている一方で、熱提供媒体の温度が要求値未満であるとの結果が得られた場合、図10に示される制御が実行される。この場合、熱提供媒体の昇温が必要とされる一方で、電力の低下は許容される。
図10に示される制御は、図9のステップS132及びステップS133に代えて、ステップS132a及びステップS133aが行われる点においてのみ相違する。ステップS132aは、熱源媒体の温度が熱提供媒体の温度を上回っているときに実行される(ステップS131:Yes)。この場合、熱交換器130への熱源媒体への供給量が増えれば増えるほど、熱提供媒体の昇温幅が増加する。
したがって、弁制御部156は、分配調整弁141の開度を下げる。このとき、ポンプ制御部157は、媒体ポンプ111の周波数を低減する(ステップS132a)。分配調整弁141の開度の低下の結果、熱交換器130への熱源媒体の流入量が増える一方で、蒸発器112への熱源媒体の流入温度が下がる。熱交換器130への熱源媒体の流入量が増える結果、熱提供媒体の温度が増加し、要求値に近づく。
このとき、ポンプ制御部157は、媒体ポンプ111の周波数を下げ、蒸発器112への作動媒体の流入量を減らす。蒸発器112に流入した熱源媒体の温度が下がっているけれども、蒸発器112への作動媒体の流入量が減らされるので、蒸発器112から流出する作動媒体の過熱度の過度の低下が防止される。
ステップS133aは、熱源媒体の温度が熱提供媒体の温度を下回っているときに実行される(ステップS131:No)。ステップS133aにおいて、分配調整弁141の開度が低減されている点及び媒体ポンプ111の周波数が増加されている点は、ステップS133と共通している。これらの調整動作は、発電量を下げ、要求値に近づけるために実行される。
分配調整弁141の開度が低減される結果、熱提供媒体は、熱提供媒体の温度未満の温度を有している熱源媒体によって冷却されるけれども、このとき弁制御部156は調整弁144の開度を増加させ、熱提供媒体を昇温する。この結果、熱提供媒体の温度は、要求値に近づく。
ステップS110〜S130の比較処理において、電力が要求値未満である一方で、熱提供媒体の温度が要求値を上回っているとの結果が得られた場合、図11に示される制御が実行される。この場合、電力の増加が望まれる一方で、熱提供媒体を降温させる必要がある。
図11に示される制御は、図9のステップS132及びステップS133に代えて、ステップS132b及びステップS133bが行われる点においてのみ相違する。ステップS132bは、熱源媒体の温度が熱提供媒体の温度を上回っているときに実行される(ステップS131:Yes)。この場合、熱提供媒体を降温させるためには熱交換器130への熱源媒体の供給量が減らされることが好ましい。したがって、弁制御部156は、分配調整弁141の開度を上げる(ステップS132b)。一方、ポンプ制御部157は、媒体ポンプ111の周波数を低減する(ステップS132b)。分配調整弁141の開度の増加の結果、熱交換器130への熱源媒体の流入量が減る一方で、蒸発器112への熱源媒体の流入温度が上がる。熱交換器130への熱源媒体の流入量が減る結果、熱提供媒体の温度が低下し、要求値に近づく。
ステップS132bが実行されているとき、電力は要求値を下回っているので、蒸発器112から流出した作動媒体の過熱度は、目標値を下回っている。このとき、ポンプ制御部157は、媒体ポンプ111の周波数を下げ、蒸発器112への作動媒体の流入量を下げる。蒸発器112への作動媒体の流入量が減る一方で、蒸発器112への熱源媒体の流入温度が上がっているので、蒸発器112から流出する作動媒体の過熱度が上がり、目標値に近づく。この結果、発電量は、要求値に近づく。
ステップS133bは、熱源媒体の温度が熱提供媒体の温度未満であるときに実行される(ステップS131:No)。ステップS133bにおいて、熱提供媒体の温度未満の温度の熱源媒体を用いて熱提供媒体を冷却するために、弁制御部156は、分配調整弁141の開度を低減し、熱交換器130への熱源媒体の流入量を増やす。同時に、弁制御部156は、調整弁144の開度を減らし、蒸気による熱提供媒体の昇温を抑制する。この結果、熱提供媒体の温度は下がり、要求値に近づく。
分配調整弁141の開度が低減される結果、蒸発器112への熱源媒体の流入温度が下がる。このとき、ポンプ制御部157は、媒体ポンプ111の周波数を下げ、蒸発器112への作動媒体の流入量を減らし、蒸発器112から流出した作動媒体の過熱度の低下を抑制する。
ステップS110〜S130の比較処理において、電力及び熱提供媒体の温度がともに要求値未満であるとの結果が得られた場合、図12に示される制御が実行される。この場合、電力及び熱提供媒体の温度がともに上昇することが望まれる。
図12に示される制御は、図9のステップS132及びステップS133に代えて、ステップS132c及びステップS133cが行われる点においてのみ相違する。ステップS132cは、熱源媒体の温度が熱提供媒体の温度を上回っているときに実行される(ステップS131:Yes)。この場合、熱交換器130において熱源媒体を用いて熱提供媒体を昇温させることが好ましい。したがって、弁制御部156は、分配調整弁141の開度を低減し、熱交換器130への熱源媒体の流入量を増やす(ステップS132c)。分配調整弁141の開度の低減の結果、熱交換器130への熱源媒体の流入量が増える一方で、蒸発器112への熱源媒体の流入温度が下がる。熱交換器130への熱源媒体の流入量が増える結果、熱提供媒体の温度が増加し、要求値に近づく。
このとき、ポンプ制御部157は、媒体ポンプ111の周波数を下げ、蒸発器112への作動媒体の流入量を下げる(ステップS132c)。この結果、蒸発器112から流出した作動媒体の過熱度の低下が抑制される。
ステップS133cは、熱源媒体の温度が熱提供媒体の温度未満であるときに実行される(ステップS131:No)。ステップS133cにおいて、弁制御部156は、分配調整弁141の開度を増加する。分配調整弁141の開度が増加される結果、熱交換器130への熱源媒体の流入量が減る。熱提供媒体の温度未満の温度の熱源媒体の流入量が減る結果、熱交換器130から流出した熱提供媒体の温度は高くなる。加えて、弁制御部156は、調整弁144の開度を増加するので、熱交換器214において熱提供媒体は昇温される。この結果、熱提供媒体の温度は、要求値に近づく。
分配調整弁141の開度が増加されると、蒸発器112への熱源媒体の流入温度が上がる。このとき、ポンプ制御部157は、媒体ポンプ111の周波数を上げ、蒸発器112への作動媒体の流入量を増やし、蒸発器112から流出した作動媒体の過熱度の増加を抑制する。
第4実施形態の産業ユニット100は、追加的な熱源媒体を用いて熱提供媒体を熱交換器214において加熱するとともに、熱交換器130に流入した熱源媒体を熱提供媒体の加熱又は冷却に利用することを可能にする。
上述の実施形態の技術は、電力の生成が必要とされる様々な技術分野に好適に利用される。
100・・・・・・・・・・産業ユニット
110・・・・・・・・・・媒体循環路
111・・・・・・・・・・媒体ポンプ
112・・・・・・・・・・蒸発器
113・・・・・・・・・・膨張機
115・・・・・・・・・・発電機
120・・・・・・・・・・熱源流路
130・・・・・・・・・・熱交換器
131・・・・・・・・・・供給管路
132・・・・・・・・・・戻管路
141・・・・・・・・・・分配調整弁
143・・・・・・・・・・切替弁
151・・・・・・・・・・電力計
152・・・・・・・・・・温度センサ
156・・・・・・・・・・弁制御部
157・・・・・・・・・・ポンプ制御部
200・・・・・・・・・・温熱供給装置
210・・・・・・・・・・熱提供流路
211・・・・・・・・・・供給ポンプ
213・・・・・・・・・・大気開放タンク
300・・・・・・・・・・バイナリ発電装置
400・・・・・・・・・・熱源系

Claims (7)

  1. 熱源媒体が流れる熱源流路と、前記熱源流路から分岐した供給管路と、を有している熱源系と、
    作動媒体を循環させる媒体ポンプが配置された媒体循環路と、前記媒体循環路上に配置されているとともに前記熱源媒体からの前記熱の回収のために前記熱源流路を流れる前記熱源媒体と前記作動媒体と熱交換させるように構成された蒸発器と、前記蒸発器で得られた気相の前記作動媒体を吸い込むように前記媒体循環路上に配置され、前記吸い込まれた作動媒体の膨張によって発電機を駆動する膨張機と、前記膨張機で膨張した前記作動媒体の蒸気を液体に凝縮する凝縮器と、を有しているバイナリ発電装置と、
    熱提供流路において供給ポンプを用いて熱提供媒体を流動させるとともに前記熱提供媒体を用いて温熱を需要先に供給するように構成された温熱供給装置と、
    前記供給管路に流入した前記熱源媒体を前記熱提供媒体と熱交換させるように構成された熱交換器と、を備えている
    産業ユニット。
  2. 前記熱源系は、前記供給管路を通じて前記熱交換器に流入する前記熱源媒体の流量を調整可能に前記熱源流路に設けられた分配調整弁と、前記熱交換器で前記熱源媒体及び前記熱提供媒体と熱交換された後の前記熱源媒体を前記熱源流路に戻すように前記熱交換器と前記熱源流路とを接続する戻管路と、を含み、
    前記熱源流路は、前記熱源媒体用の循環路を構成している
    請求項1に記載の産業ユニット。
  3. 前記分配調整弁の開度を調整する弁制御部と、
    前記媒体ポンプの周波数を調整するポンプ制御部と、を更に備え、
    前記バイナリ発電装置は、前記発電機が生成した電力を検出する電力計を含み、
    前記温熱供給装置は、前記温熱供給装置において前記熱提供媒体と熱交換した後に前記温熱供給装置から出力された温熱媒体又は前記温熱供給装置に供給される前記熱提供媒体の温度を検出する温度センサを含み、
    前記弁制御部は、前記電力及び前記温度に対する検出値が前記電力及び前記温度に対する要求値に近づくように前記分配調整弁の開度を調整するように構成され、
    前記ポンプ制御部は、前記電力及び前記温度に対する検出値が前記電力及び前記温度に対する要求値に近づくように前記媒体ポンプの周波数を調整するように構成されている
    請求項2に記載の産業ユニット。
  4. 前記電力計の前記検出値が前記電力の前記要求値を上回っている一方で、前記温度センサの前記検出値が前記温度の前記要求値未満であれば、前記弁制御部は、前記熱交換器への前記熱源媒体の流入量が増えるように前記分配調整弁を制御する一方で、前記ポンプ制御部は、前記媒体ポンプの周波数が低減するように前記媒体ポンプを制御する
    請求項3に記載の産業ユニット。
  5. 前記電力計の前記検出値が前記電力の前記要求値未満である一方で、前記温度センサの前記検出値が前記温度の前記要求値を上回っていれば、前記弁制御部は、前記熱交換器への前記熱源媒体の流入量が減るように前記分配調整弁を制御する一方で、前記ポンプ制御部は、前記媒体ポンプの周波数が増加するように前記媒体ポンプを制御する
    請求項4に記載の産業ユニット。
  6. 前記媒体ポンプが停止されたことに基づいて、前記熱源媒体の流れモードを制御する弁制御部を更に備え、
    前記熱源系は、前記熱源媒体が前記蒸発器に前記熱源媒体が流入する第1流れモードと前記蒸発器への前記熱源媒体の流入が遮断される一方で前記供給管路への前記熱源媒体の流入が許容される第2流れモードとの間で前記熱源媒体の流れモードを切り替えるように前記熱源流路に設けられた切替弁を含み、
    前記弁制御部は、前記媒体ポンプが停止されたことに基づいて、前記流れモードを前記第1流れモードから前記第2流れモードに切り替えるように構成されている
    請求項1に記載の産業ユニット。
  7. 前記温熱供給装置は、前記熱提供流路に配置されているとともに大気に開放された大気開放タンクを含んでいる
    請求項1乃至6のいずれか1項に記載の産業ユニット。
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