JP2021133542A - 予備成形装置及び予備成形方法、並びに樹脂成形システム及び樹脂成形方法 - Google Patents
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Abstract
Description
鉛直上側に開口部を有する枠形状に形成されたステージ枠と、
前記ステージ枠の内側に配置されるとともに、前記ステージ枠に対して鉛直方向に沿って相対的に昇降し、かつ、最大外形が0.5〜5mmの範囲内の、樹脂を含有する粒状物が、粒状物層として規定厚みの範囲内に繰り返し層状に敷き詰められるステージと、
前記鉛直方向に対して直交する水平方向に平面形状を描くよう、前記ステージに対して相対的に収束光を移動させながら、前記ステージにおける前記粒状物層に前記収束光を照射する光照射源と、
前記ステージへの前記粒状物層の積層と、前記光照射源による前記収束光の照射とを繰り返し交互に行うよう制御する制御機器と、を備え、
前記制御機器は、前記粒状物層における前記粒状物の表面部位が溶融し、前記表面部位同士が接触する界面が互いに固着して、前記予備成形体としての粒状物結合体が成形されるよう、前記粒状物層への前記収束光の照射状態を制御するよう構成されている、予備成形装置にある。
前記予備成形体から前記樹脂成形品が成形されるキャビティを有する絶縁性の成形型と、
前記成形型に照射又は印加される電磁波によって、前記成形型を介して前記キャビティ内の前記予備成形体を加熱して溶融させる電磁波発生装置と、を備える、樹脂成形システムにある。
ステージ枠の内側に配置されたステージに、最大外形が0.5〜5mmの範囲内の、樹脂を含有する粒状物が、規定厚みの範囲内に層状に敷き詰められた粒状物層が形成される粒状物層形成工程と、
前記ステージに対して光照射源による収束光が平面形状を描くように相対的に移動しながら、前記ステージにおける前記粒状物層に前記収束光が照射される光照射工程と、を含み、
前記粒状物層形成工程による前記粒状物層の積層と、前記光照射工程による前記収束光の照射とが繰り返し行われ、前記粒状物層における前記粒状物の表面部位が溶融し、前記表面部位同士が接触する界面が互いに固着して、前記予備成形体としての粒状物結合体が成形される、予備成形方法にある。
成形型内に前記予備成形体が配置される配置工程と、
前記成形型を透過した電磁波、又は一対の電極によって印加される電磁波としての交番電界によって前記予備成形体が加熱されて溶融し、前記予備成形体を構成する前記粒状物によって前記成形型内に形成された隙間がなくなるように、溶融した材料が前記成形型内に充填される充填工程と、
前記溶融した材料が前記成形型内において冷却されて固化し、前記材料が一体化された樹脂成形品が前記成形型内に成形される冷却工程と、を含む樹脂成形方法にある。
前記第1態様の予備成形装置は、樹脂成形品の成形に用いられる予備成形体を成形するためのものである。予備成形体は、樹脂成形品を本成形するための材料として用いられるものであり、予備成形体の表面形状に精度は要求されない。一方、予備成形体には、成形が容易であり、成形できる樹脂の種類の制約が少ないことが求められる。予備成形装置は、粉末焼結積層造形法:SLS(Selective Laser Sintering)に用いられる装置と類似するものの、粉末焼結積層造形法とは成形対象及び成形原理が異なるものである。
前記第2態様の樹脂成形システムにおいては、前記第1態様の予備成形装置の他に、成形型及び電磁波発生装置を備える。前記第2態様の樹脂成形システムによれば、前記第1態様の予備成形装置による作用効果が得られる他に、予備成形装置によって成形された予備成形体を用いて、意匠外観性に優れるとともに強度等の機械的特性に優れる樹脂成形品を得ることができる。
前記第3態様の予備成形方法においては、前記第1態様の予備成形装置と同様に、最大外形が0.5〜5mmの範囲内の、樹脂を含有するペレットとしての粒状物が用いられ、粒状物層における粒状物の表面部位のみが溶融して互いに結合する。前記第3態様の予備成形方法によれば、前記第1態様の予備成形装置と同様に、予備成形体の成形が容易であり、成形できる樹脂の種類の制約を少なくすることができる。
前記第4態様の樹脂成形方法においては、前記第3態様の予備成形方法の粒状物層形成工程及び光照射工程の他に、配置工程、充填工程及び冷却工程が含まれる。前記第4態様の樹脂成形方法によれば、前記第3態様の予備成形方法による作用効果が得られる他に、予備成形方法によって成形された予備成形体を用いて、意匠外観性に優れるとともに強度等の機械的特性に優れる樹脂成形品を得ることができる。
<実施形態1>
本形態の予備成形装置5は、図1〜図7に示すように、樹脂成形品1の成形に用いられる予備成形体2を成形するものである。予備成形装置5は、ステージ枠51、ステージ52、光照射源53及び予備成形用の制御機器6を備える。ステージ枠51は、鉛直上側に上端開口部512を有する枠形状に形成されている。ステージ52は、ステージ枠51の内側に配置されるとともに、ステージ枠51に対して鉛直方向に沿って相対的に昇降するよう構成されている。ステージ52には、粒状物211としてのペレットが、粒状物層21として規定厚みの範囲内に繰り返し層状に敷き詰められる。粒状物211は、樹脂を含有するものであり、0.5〜5mmの範囲内の最大外形を有する。
(予備成形装置5)
図7及び図11に示すように、予備成形装置5は、樹脂成形品1の本成形に用いられる予備成形体2を成形するものである。図12に示すように、樹脂成形品1の本成形は、成形型3のキャビティ33内に配置された予備成形体2に、電磁波Eが照射又は印加され、予備成形体2が溶融するとともに冷却されて行われる。予備成形体2は、仮の樹脂成形品であり、表面に粒状物211の形状に応じた大きな凹凸を有する。電磁波E及び成形型3を用いた本成形が行われることにより、予備成形体2における凹凸はなくなり、表面が平滑な樹脂成形品1が得られる。
図1及び図5に示すように、ステージ枠51は、ステージ52の外縁に配置される枠形状を有し、ステージ52上に載置される粒状物211を囲んで、粒状物211がステージ52上に維持されるようにするものである。本形態のステージ枠51は固定されており、ステージ枠51に対してステージ52が昇降可能である。具体的には、ステージ52上に粒状物層21が積層されるごとに、粒状物層21の厚みに応じた高さだけステージ枠51に対してステージ52が下降する。ステージ枠51の上端面511は、ステージ52の上面525から、ステージ52上に形成される粒状物層21の厚み分だけ突出する。そして、ステージ52の上面525から突出する、ステージ枠51の上端部の内側に粒状物層21が繰り返し形成される。
図1、図7及び図8に示すように、ステージ52の上面525は、ステージ52上に均一な厚みの粒状物層21を形成するために、平坦面として形成されている。ステージ52は、ステージ52を鉛直方向としてのZ方向に昇降させるための昇降機構521を有する。昇降機構521は、ステージ52の昇降を案内する昇降案内部材522、及び制御機器6による制御を受けて駆動される昇降用モータ523を有する。ステージ52は、制御機器6によって昇降用モータ523が駆動されることにより、昇降案内部材522によって案内されて、目標とする、粒状物層21の厚み分だけ、逐次下降するよう構成されている。ステージ52は、制御機器6による制御を受けて、目標とする量だけ昇降することが可能である。本形態のステージ52は、四角形の平面形状に形成されている。
図1、図4及び図5に示すように、予備成形装置5は、ステージ枠51によって囲まれたステージ52上に粒状物211を供給する粒状物供給体55を備える。粒状物供給体55は、粒状物211を貯留するためのタンク部551と、タンク部551に連通して形成され、ステージ52の幅に合った幅を有する供給口552と、供給口552を開閉する開閉弁553とを有する。粒状物供給体55がステージ枠51によって囲まれたステージ52上を移動する際には、開閉弁553によって供給口552が開かれ、供給口552から流下する粒状物211がステージ52の上面525又はステージ52上の粒状物層21の表面に供給される。ステージ52上の粒状物層21の一部は、光照射源53から収束光Gが照射された後にスライス部22を形成する。
図2及び図6に示すように、本形態の光照射源53は、収束光Gとして、0.78〜2μmの波長領域を含む近赤外線を、直径が1〜10mmの範囲内のスポット光として、粒状物層21の粒状物211に照射するよう構成されている。光照射源53には、集光タイプのハロゲンランプが用いられる。光照射源53においては、ハロゲンランプの光源531から発せられる近赤外線が集光部材532によって集光されて、粒状物層21にスポット光として照射される。
図8に示すように、予備成形用の制御機器6は、ステージ52の昇降機構521の昇降用モータ523、光照射源53による照射のオン・オフ、光照射源53の平面移動機構54におけるX軸モータ542及びY軸モータ544、粒状物供給体55の移動、及び開閉弁553による供給口552の開閉の各動作を制御するよう構成されている。制御機器6は、コンピュータを用いて構成されている。制御機器6による制御を受けて、粒状物供給体55が移動してステージ52に粒状物層21を積層する動作と、光照射源53による収束光Gが粒状物層21に照射されて粒状物層21における粒状物211を半溶融させて固着させる動作とが、繰り返し交互に行われる。
図2、図3及び図6に示すように、本形態においては、光照射源53による収束光Gが、ステージ52に形成された粒状物層21における、樹脂成形品1の輪郭形状Kの内側領域Rの全体に照射される。換言すれば、光照射源53による収束光Gが、ステージ52に形成された粒状物層21における、目標形状に対して中実状に照射される。図10に示すように、粒状物層21においては、輪郭形状Kの内側領域Rの全体の粒状物211の表面部位212が溶融したスライス部22が形成され、粒状物211の表面部位212同士が固着される。また、粒状物層21のスライス部22同士も、粒状物211の表面部位212同士によって固着される。そして、成形される予備成形体2は、粒状物211の表面部位212同士が固着したものである。
図9に示すように、粒状物211を構成するペレットは、熱可塑性樹脂の原料が押出成形機から押し出されるときに、ストランド状に所定の長さに切断されて形成される。粒状物211を構成するペレットのサイズは、最大外形としての最大長さが0.5〜5mmの範囲内のものである。最大長さが0.5〜5mmの範囲内のペレットを用いることにより、ペレットの大きさが適切であり、予備成形体2の成形が容易になる。最大外形とは、例えば対角状に測る場合等、ペレットにおける最も長い部分の寸法のことをいう。最大外形が0.5mmのペレットにおいては、0.5mm未満の長さの部分が存在する。
ところで、粒状物211は、熱可塑性樹脂から構成されている。熱溶解積層法(FDM)等によって予備成形体2を成形する場合には、熱可塑性樹脂の長尺状のフィラメントの全体を溶融させてから積層することになる。そのため、溶融時の粘度が低い樹脂、硬度が低い樹脂、融点が存在する結晶性樹脂等の熱可塑性樹脂については、フィラメントの形状を保つことが難しく、熱溶解積層法によって予備成形体2を成形することが難しいといった課題がある。
図8に示すように、本形態の予備成形装置5は、成形型3及び電磁波発生器42を備える電磁波成形装置4とともに、樹脂成形システム10を構成する。成形型3は、予備成形体2から樹脂成形品1が成形されるキャビティ33を有する絶縁性のものである。電磁波発生器42は、成形型3に照射又は印加される電磁波Eによって、成形型3を介してキャビティ33内の予備成形体2を加熱して溶融させるものである。
図12に示すように、予備成形装置5によって成形された予備成形体2は、電磁波成形装置4によって樹脂成形品1に成形される。電磁波成形装置4は、成形型3、真空ポンプ41及び電磁波発生器42を備える。成形型3は、製品としての樹脂成形品1の形状が反転されたキャビティ33を有する。真空ポンプ41は、成形型3のキャビティ33内を真空状態にするためのものである。電磁波発生器42は、成形型3に照射する電磁波Eを発生させるものである。図8に示すように、真空ポンプ41による成形型3のキャビティ33内の真空引き、及び電磁波発生器42による成形型3への電磁波Eの照射は、本成形用の制御機器43の制御を受けて行われる。
図12及び図13に示すように、本形態の成形型3は、ゴム材料によるゴム型によって構成されている。ゴム材料には、シリコーンゴムの他、種々のゴムが用いられる。成形型3は、複数に分割された型部31,32の組み合わせによって構成されている。本形態の成形型3は、一対の型部31,32に分割されており、一対の型部31,32としての第1型部31と第2型部32との間には、樹脂成形品1を成形するためのキャビティ33が形成されている。
図13に示すように、ゴム型による成形型3は、成形しようとする製品である樹脂成形品1のマスターモデルを転写させて製造することができる。より具体的には、型枠内にマスターモデルを配置し、この型枠内の隙間にゴム材料を注型して、このゴム材料を固化させる。その後、固化したゴム材料を切開して、その内部からマスターモデルを取り出し、ゴム材料による一対の型部31,32が形成される。また、ゴム材料が切開された位置が、一対の型部31,32の間の分割面(パーティングライン)332となる。
図12に示すように、電磁波発生器42において使用する電磁波Eは、0.78〜2μmの波長領域を含む電磁波(近赤外線)E、0.01〜1mの波長領域を含む電磁波(マイクロ波)E、又は1〜100mの波長領域を含む電磁波(高周波)Eである。近赤外線を使用する場合には、成形型3には、近赤外線を透過しやすい透明又は半透明のゴム型等を用い、成形型3を透過した近赤外線によって、成形型3内の熱可塑性樹脂の予備成形体2を加熱し、溶融させてもよい。この場合には、成形型3における、近赤外線の透過率を、予備成形体2における、近赤外線の透過率よりも高くすることが好ましい。換言すれば、成形型3における、近赤外線の吸収率を、予備成形体2における、近赤外線の吸収率よりも低くすることが好ましい。
図15に示すように、電磁波発生器42を用いる代わりに誘電加熱器44を用いてもよい。誘電加熱器44は、一対の電極441に印加される高周波の交流電圧によって、成形型3のキャビティ33内の樹脂材料20及び成形型3に交番電界を印加するものである。より具体的には、誘電加熱器44は、成形型3の両側に配置された一対の電極441の間に加わる交流電圧によって、キャビティ33内の樹脂材料20及び成形型3に交番電界を印加するものである。誘電加熱器44は、一対の電極441によって交番電界を発生させる、電磁波Eとしての高周波を用いたものとする。誘電加熱器44による交流電圧の周波数は、1m〜100mの波長領域を含む電磁波Eとしての高周波とする。
次に、予備成形方法及び電磁波成形方法による樹脂成形方法について詳説する。
樹脂成形方法は、図16のフローチャートに示すように、粒状物層形成工程S101及び光照射工程S102を含む予備成形方法と、配置工程S104、充填工程S105及び冷却工程S106を含む電磁波成形方法とによって構成される。
本形態の予備成形方法においては、予備成形装置5を用いて、樹脂成形品1の成形に用いられる予備成形体2を成形する。予備成形方法においては、粒状物層形成工程S101及び光照射工程S102が繰り返し行われて、予備成形体2が成形される。
予備成形方法によって成形された予備成形体2は、電磁波成形方法によって樹脂成形品1を成形する際の樹脂材料20として使用される。図16に示すように、電磁波成形方法においては、予備成形体2を用いた、配置工程S104、充填工程S105及び冷却工程S106が行われて、熱可塑性樹脂の樹脂成形品1が製造される。
本形態の予備成形装置5及び予備成形方法は、樹脂成形品1の成形に用いられる予備成形体2を成形するためのものである。予備成形体2は、樹脂成形品1を本成形するための樹脂材料20として用いられるものであり、予備成形体2の表面形状に精度は要求されない。一方、予備成形体2には、成形が容易であり、成形できる樹脂の種類の制約が少ないことが求められる。予備成形方法及び予備成形装置5は、粉末焼結積層造形法:SLS(Selective Laser Sintering)及び粉末焼結積層造形法に用いられる装置と類似するものの、粉末焼結積層造形法とは成形対象及び成形原理が異なるものである。
本形態の樹脂成形システム10及び樹脂成形方法において用いられる成形型3は、ゴム材料、硬化性樹脂材料、セメント材料、石膏材料等の非金属材料を用いて製造されている。金属材料の成形型3を製造する場合には切削加工等が必要になることに比べて、非金属材料を用いた成形型3の製造は、切削加工等が不要となって、容易である。また、本形態の樹脂成形方法は、成形型3の製造が容易であるため、小ロット(少量)の生産にも適している。
本形態は、収束光Gの照射の仕方が実施形態1の場合と異なる、予備成形装置5及び予備成形方法について示す。
図20及び図21に示すように、本形態の光照射源53による収束光Gは、ステージ52に形成された粒状物層21における、成形する予備成形体2の輪郭形状Kに沿って照射される。換言すれば、本形態においては、光照射源53による収束光Gが、ステージ52に形成された粒状物層21における、目標形状に対して中空状に照射される。より具体的には、制御機器6は、光照射源53の収束光Gを、ステージ52における粒状物層21に、成形する予備成形体2の輪郭形状Kに沿って照射し、粒状物211の表面部位212同士が環形状に固着された環固着部220を形成するとともに、環固着部220の内側に粒状物211が内包された粒状物結合体を成形するよう構成されている。
本形態の予備成形方法の光照射工程S102においては、光照射源53の収束光Gが、ステージ52における粒状物層21に、成形する予備成形体2の輪郭形状Kに沿って照射される。そして、粒状物層21に、粒状物211の表面部位212同士が環形状に固着されたスライス部22としての環固着部220が形成され、環固着部220における粒状物211の表面部位212が、他の環固着部220における粒状物211の表面部位212と固着される。また、粒状物層形成工程S101による粒状物層21の積層と、光照射工程S102による収束光Gの照射とが繰り返し行われたときには、環固着部220の内側に粒状物211が内包された粒状物結合体が成形される。
本形態は、予備成形装置5及び予備成形方法において用いる均し部材56に更なる工夫をした場合について示す。
図23及び図24に示すように、本形態の予備成形装置5は、ステージ52上又はステージ52上の粒状物層21の表面に載置された粒状物211を均して、粒状物層21を形成するための均し部材56としての可撓性の均しシート560を備えている。均しシート560がステージ枠51の上端開口部512を覆うように配置されるときに、規定厚みの範囲内の粒状物層21が形成される。より具体的には、粒状物層21は、ステージ枠51の上端開口部512及び均しシート560と、ステージ52の上面525又は粒状物層21の表面との間に形成されるスペースに粒状物211が充填されることにより、規定厚みの範囲内に形成される。
図24に示すように、本形態の予備成形装置5は、均しシート560によって形成される閉空間50内を減圧する減圧ポンプ57を備える。減圧ポンプ57は、粒状物211同士の間に形成される隙間、並びに粒状物211と、ステージ52、ステージ枠51及び均しシート560との間に形成される隙間を利用して、閉空間50内を減圧する。減圧ポンプ57は、均しシート560によって粒状物層21及び閉空間50が形成されるごとに、閉空間50内を繰り返し減圧するよう構成されている。
本形態の予備成形方法の粒状物層形成工程S101においては、図23に示すように、粒状物供給体55から、ステージ52の上面525又はステージ52上の粒状物層21の表面に粒状物211が供給された後に、図24に示すように、ステージ52及びステージ枠51から退避した均しシート560が、ステージ枠51の上端開口部512を覆うように配置される。このとき、均しシート560は、ロール状に巻かれた状態から平坦状に展開され、ステージ枠51の上端開口部512の上に載置される。
10 樹脂成形システム
2 予備成形体(粒状物結合体)
21 粒状物層
211 粒状物
22 スライス部
3 成形型
31,32 一対の型部
33 キャビティ
4 電磁波成形装置
41 真空ポンプ
42 電磁波発生器
44 誘電加熱器
5 予備成形装置
50 閉空間
51 ステージ枠
52 ステージ
53 光照射源
55 粒状物供給体
56 均し部材
560 均しシート
6 制御機器
Claims (18)
- 樹脂成形品の成形に用いられる予備成形体を成形する予備成形装置であって、
鉛直上側に開口部を有する枠形状に形成されたステージ枠と、
前記ステージ枠の内側に配置されるとともに、前記ステージ枠に対して鉛直方向に沿って相対的に昇降し、かつ、最大外形が0.5〜5mmの範囲内の、樹脂を含有する粒状物が、粒状物層として規定厚みの範囲内に繰り返し層状に敷き詰められるステージと、
前記鉛直方向に対して直交する水平方向に平面形状を描くよう、前記ステージに対して相対的に収束光を移動させながら、前記ステージにおける前記粒状物層に前記収束光を照射する光照射源と、
前記ステージへの前記粒状物層の積層と、前記光照射源による前記収束光の照射とを繰り返し交互に行うよう制御する制御機器と、を備え、
前記制御機器は、前記粒状物層における前記粒状物の表面部位が溶融し、前記表面部位同士が接触する界面が互いに固着して、前記予備成形体としての粒状物結合体が成形されるよう、前記粒状物層への前記収束光の照射状態を制御するよう構成されている、予備成形装置。 - 前記制御機器は、前記光照射源の前記収束光によって前記粒状物層に与えられるエネルギーを、前記粒状物の表面部位のみが溶融する大きさになるよう制御する、請求項1に記載の予備成形装置。
- 前記制御機器は、前記光照射源の前記収束光を、前記ステージにおける前記粒状物層に、成形する前記予備成形体の輪郭形状に沿って照射し、前記粒状物の前記表面部位同士が環形状に固着された環固着部を形成するとともに、前記環固着部の内側に前記粒状物が内包された前記粒状物結合体を成形するよう構成されている、請求項1又は2に記載の予備成形装置。
- 前記予備成形装置は、前記ステージ枠によって囲まれた前記ステージ上に前記粒状物を供給する粒状物供給体と、前記ステージ上に載置された前記粒状物を均して、粒状物層を形成するための均し部材とをさらに備える、請求項1〜3のいずれか1項に記載の予備成形装置。
- 前記均し部材は、可撓性の均しシートによって構成されており、
前記均しシートが前記ステージ枠の上端開口部を覆うように配置されるときに、前記粒状物層が形成される、請求項4に記載の予備成形装置。 - 前記均しシートは、前記収束光を透過させる性質を有するとともに、前記ステージ枠の上端開口部を閉口して、前記粒状物層が内部に配置された、前記均しシート、前記ステージ枠及び前記ステージによって囲まれた閉空間を形成するよう構成されており、
前記閉空間が減圧された状態において、前記光照射源による前記収束光が、前記均しシートを介して前記粒状物層に照射される、請求項4又は5に記載の予備成形装置。 - 前記光照射源は、前記収束光として、0.78〜2μmの波長領域を含む近赤外線を、直径が1〜10mmの範囲内のスポット光として、前記粒状物層の前記粒状物に照射するよう構成されている、請求項1〜6のいずれか1項に記載の予備成形装置。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載された予備成形装置を含み、
前記予備成形体から前記樹脂成形品が成形されるキャビティを有する絶縁性の成形型と、
前記成形型に照射又は印加される電磁波によって、前記成形型を介して前記キャビティ内の前記予備成形体を加熱して溶融させる電磁波発生装置と、を備える、樹脂成形システム。 - 樹脂成形品の成形に用いられる予備成形体を成形する予備成形方法であって、
ステージ枠の内側に配置されたステージに、最大外形が0.5〜5mmの範囲内の、樹脂を含有する粒状物が、規定厚みの範囲内に層状に敷き詰められた粒状物層が形成される粒状物層形成工程と、
前記ステージに対して光照射源による収束光が平面形状を描くように相対的に移動しながら、前記ステージにおける前記粒状物層に前記収束光が照射される光照射工程と、を含み、
前記粒状物層形成工程による前記粒状物層の積層と、前記光照射工程による前記収束光の照射とが繰り返し行われ、前記粒状物層における前記粒状物の表面部位が溶融し、前記表面部位同士が接触する界面が互いに固着して、前記予備成形体としての粒状物結合体が成形される、予備成形方法。 - 前記光照射工程においては、前記光照射源の前記収束光によって前記粒状物に与えられるエネルギーが、前記粒状物の表面部位のみが溶融する大きさに設定される、請求項9に記載の予備成形方法。
- 前記光照射工程においては、前記光照射源の前記収束光が、前記ステージにおける前記粒状物層に、成形する前記予備成形体の輪郭形状に沿って照射され、前記粒状物の前記表面部位同士が環形状に固着された環固着部が形成され、
前記粒状物層形成工程による前記粒状物層の積層と、前記光照射工程による前記収束光の照射とが繰り返し行われたときには、前記環固着部の内側に前記粒状物が内包された前記粒状物結合体が成形される、請求項9又は10に記載の予備成形方法。 - 前記粒状物層形成工程においては、均し部材によって、前記ステージ上又は前記ステージ上の前記粒状物層の表面に載置された前記粒状物が均されて、前記粒状物層が形成される、請求項9〜11のいずれか1項に記載の予備成形方法。
- 前記均し部材は、可撓性の均しシートによって構成されており、
前記粒状物層形成工程においては、前記均しシートが前記ステージ枠の上端開口部を覆うように配置されるときに、前記粒状物層が形成される、請求項12に記載の予備成形方法。 - 前記均しシートは、前記収束光を透過させる性質を有しており、
前記光照射工程においては、前記均しシートを介して、前記ステージにおける前記粒状物層に前記収束光が照射される、請求項13に記載の予備成形方法。 - 前記粒状物層形成工程においては、前記均しシートが、記ステージ枠の上端開口部を閉口するよう配置されて、前記粒状物層が内部に配置された、前記均しシート、前記ステージ枠及び前記ステージによって囲まれた閉空間が形成され、
前記粒状物層形成工程の後であって前記光照射工程の前には、前記閉空間内の真空引きが行われることにより、前記均しシートが前記ステージ枠の上端面に引き寄せられて、減圧状態の前記閉空間が形成される減圧工程が行われる、請求項13又は14に記載の予備成形方法。 - 前記光照射工程においては、前記光照射源による前記収束光は、0.78〜2μmの波長領域を含む近赤外線によって構成された、直径が1〜10mmの範囲内のスポット光として、前記粒状物層の前記粒状物に照射される、請求項9〜15のいずれか1項に記載の予備成形方法。
- 前記粒状物は、融点が存在する結晶性樹脂によって構成されている、請求項9〜16のいずれか1項に記載の予備成形方法。
- 請求項9〜17のいずれか1項に記載された予備成形方法を含み、
成形型内に前記予備成形体が配置される配置工程と、
前記成形型を透過した電磁波、又は一対の電極によって印加される電磁波としての交番電界によって前記予備成形体が加熱されて溶融し、前記予備成形体を構成する前記粒状物によって前記成形型内に形成された隙間がなくなるように、溶融した材料が前記成形型内に充填される充填工程と、
前記溶融した材料が前記成形型内において冷却されて固化し、前記材料が一体化された樹脂成形品が前記成形型内に成形される冷却工程と、を含む樹脂成形方法。
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