JP2021133326A - 光触媒粒子及びその製造方法、並びに光触媒粒子を用いた水素と酸素の製造方法 - Google Patents

光触媒粒子及びその製造方法、並びに光触媒粒子を用いた水素と酸素の製造方法 Download PDF

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能之 阿部
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Abstract

【課題】改良された触媒性能を示す光触媒粒子及びその製造方法、並びに前記光触媒粒子を用いた水素及び酸素の製造方法を提供すること。【解決手段】半導体粒子と、前記半導体粒子の表面に担持された金属含有ナノ粒子と、を備え、前記金属含有ナノ粒子が、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、オスミニウム(Os)、イリジウム(Ir)からなる群から選択される少なくとも1種の金属を含み、且つ平均粒子径が5.0〜50.0nmである、光触媒粒子。【選択図】図1

Description

本発明は、光触媒粒子及びその製造方法、並びに光触媒粒子を用いた水素と酸素の製造方法に関する。
現代文明を維持するために人類は膨大なエネルギーを常に使っている。そしてこのエネルギーの大半を石油、石炭及び天然ガスといった化石燃料に頼っている。しかしながら化石燃料には資源枯渇の問題がある。また化石燃料の使用時に、二酸化炭素等の温室効果ガスの生成、あるいはNO及びSO等のガス排出といった環境問題がある。このような問題は近年懸念されており、その解決策が求められている。
また燃料電池自動車に代表される水素エネルギー社会の早期実現が目されており、水素を大規模に製造する技術の開発への期待が高まっている。水素を製造する方法として、化石燃料を水蒸気改質する手法と、水を電気分解する手法が知られている。しかしながら水蒸気改質による手法は、化石燃料枯渇の問題への根本的な解決策にはならない。また水の電気分解には多量の電力が必要であり、再生可能電力を多量に得られない現状では、この手法も根本的な解決策にはなり得ない。したがって化石燃料を用いずに水素を製造する技術が強く望まれている。
このような背景のもとで、太陽光を活用したクリーンエネルギーを創出する技術の開発への期待が高く、特に太陽エネルギーを使って水を水素と酸素とに分解する水分解光触媒が着目されている。光触媒による水分解では、無尽蔵に存在する太陽光エネルギーを直接用いて水素を製造することができる。そのため化石燃料に頼らない持続可能なエネルギー社会の実現に大きく寄与すると考えられている。また光触媒は、水分解以外の幅広い用途、例えば、空気清浄、水浄化、抗菌、脱臭、防汚、防曇等の用途で実用に供されており、その性能向上が求められている。
光触媒は、通常は半導体材料で構成されている。半導体に、そのバンドギャップエネルギーEgに相当する波長の光より短波長の光を照射すると、価電子帯を充填している電子が伝導帯に励起され、価電子帯に正孔が生じる。伝導帯の下端が他物質の酸化還元電位より負である場合には、伝導帯の励起電子が他物質に移動して還元反応を引き起こす。一方で価電子帯の上端が他物質の酸化還元電位よりも正である場合には、価電子帯の正孔が他物質から電子を奪い取って他物質を酸化させる。このような酸化及び/又は還元が進行して光触媒反応が起こる。
多くの光触媒では助触媒の担持が不可欠である。助触媒は電子と正孔の分離及び蓄積を促進する機能を有しており、これを担持することで、電子と正孔の再結合を抑制することが可能になる。そして良質な助触媒を担持することが、光触媒性能を高める上で重要である。助触媒としては、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)、金(Au)などの貴金属の他に、酸化イリジウム、酸化ルテニウム、酸化ロジウム、酸化ニッケル、酸化コバルト、酸化クロムなどの遷移金属の酸化物も用いられる。またこれらの混合物、積層体又は固溶体も有用である。
助触媒の担持方法として、含浸法、光電着法(光電析法)、電気泳動法、スパッタリング法又は蒸着法などの手法が用いられる。含侵法では、水や有機溶媒に溶解する貴金属ハロゲン化物やアンミン錯体等の化合物を用い、これを含む溶液に光触媒を含浸した後、水素等の還元剤を用いて金属に還元する。用いた水や溶媒は、熱的又は減圧下での操作によって除去する。スパッタ法では、助触媒成分を有するターゲット板に不活性ガスのイオン又はクラスターを衝突させ、飛び出してくる金属を光触媒の表面に付着させる。物理蒸着法では、助触媒成分を有する金属や金属酸化物を熱して蒸発させ、光触媒の表面に凝結・固化させる。化学蒸着法では、助触媒金属を含む揮発性化合物を気化させて光触媒上に堆積させ、適切な還元剤を用いて堆積した化合物を還元する。
助触媒を担持させた光触媒やその製造方法を開示するものとして、特許文献1〜3が挙げられる。特許文献1には炭酸塩水溶液に金属を担持した半導体を入れ、光を照射することによって触媒的に水を分解し水素と酸素を製造する方法に関して、担持する金属としては、Pt、Rh、Ni、Cuなど炭酸塩水溶液中で光照射しても金属として安定であれば如何なる元素でもよい旨、金属担持法としては含浸法や光電着法、イオン交換法、物理的混合法など任意の方法を採用できる旨、実施例においてPt(0.3%)−TiOなどを触媒として用いる旨が記載されている(特許文献1の請求項1、[0012]、[0013]及び表1)。
特許文献2には二酸化炭素を光触媒反応により還元し、蟻酸、ホルムアルデヒド、メタノール等の二酸化炭素還元生成物を生成させて二酸化炭素を固定化する装置及びその方法に関して、二酸化チタンに、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、プラチナ、銅、銀、金等の助触媒としての働きをする金属を担持させることによって、二酸化チタンの光触媒活性を更に高めることができる旨が記載されている(特許文献2の[0001]及び[0044])。
特許文献3には窒素からアンモニアを合成するための触媒に関して、触媒粒子は、光触媒機能を有する無機物からなり、例えば酸化チタン(TiO)、酸化タングステン(WO)、酸化スズ(SnO)、酸化銅(CuO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ガリウム(Ga)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化タンタル(Ta)、酸化ニオブ(Nb)、酸化モリブデン(MoO)、及び酸化バナジウム(V)等のうちの少なくとも1種を用いる旨、触媒粒子の表面には金属が担持されていてもよく、合成触媒の触媒活性をより向上させることができる旨、このような金属としては、例えばPd、Ag、Ru、Rh、Pt、Au、Ir、Ni、Fe、Cu、Cr、Co、Ir等から選ばれる少なくとも1種を用いる旨が記載されている(特許文献3の[0001]、[0012]及び[0015])。
特開平5−51201号公報 国際公開第2010/001437号 特開2015−120118号公報
このように、貴金属を始めとする金属やその化合物からなる助触媒を担持した光触媒は従来から提案されている。しかしながら本発明者らが調べたところ、従来の手法で作製した光触媒には改良の余地があることが分かった。例えば含侵法や光電着法を始めとする従来の担持法では、担持する貴金属粒子が粗大化し、微細な助触媒を均一に担持させることが困難であった。また従来の手法で作製された光触媒は性能が不十分であり、性能向上を図るために高価な貴金属粒子の担持量を多くする必要があった。さらに含浸法や光電着法では溶液に溶解する貴金属原料を用いる必要があり、このような貴金属原料は高価という問題もあった。
ところで貴金属粒子を合成する際に、原料濃度を低くするとともに多量の有機保護剤を用いて均一且つ微細なナノ粒子を合成する手法が知られている。しかしながらこのような手法で作製したナノ粒子を光触媒粒子に担持させても、光触媒粒子の収率が低いとともに有機保護剤が粒子表面に付着するという問題がある。付着した有機保護剤は触媒活性を低下させるため、触媒粒子を高温焼成して付着有機保護剤を分解除去する必要がある。焼成を経た触媒粒子では、担持ナノ粒子が粗大化する。そのため従来の手法で微細なナノ粒子を高分散且つ高担持量で担持させることは困難であり、触媒性能に優れた光触媒粒子を効率的に製造する上で限界があった。
本発明者らは、このような従来の問題に鑑みて検討を行い、半導体粒子と金属供給源とに超音波を照射するという簡易な手法で、助触媒たる金属含有ナノ粒子を高分散且つ高担持率で析出させることができ、それにより改良された触媒性能を有する光触媒粒子を得ることができるとの知見を得た。
本発明は、このような知見に基づき完成されたものであり、改良された触媒性能を示す光触媒粒子及びその製造方法、並びに前記光触媒粒子を用いた水素及び酸素の製造方法の提供を課題とする。
本発明は、下記の態様を包含する。なお本明細書において「〜」なる表現は、その両端の数値を含む。すなわち「X〜Y」は「X以上Y以下」と同義である。
本発明の一態様によれば、半導体粒子と、前記半導体粒子の表面に担持された金属含有ナノ粒子と、を備え、
前記金属含有ナノ粒子が、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、オスミニウム(Os)、イリジウム(Ir)からなる群から選択される少なくとも1種の金属を含み、且つ前記金属含有ナノ粒子の平均粒子径が5.0〜50.0nmである、光触媒粒子が提供される。
本発明の別の一態様によれば、半導体粒子と金属供給源とを準備する工程、
前記半導体粒子と金属供給源とを還元液に加えて反応液を作製する工程、及び
前記反応液に超音波を照射して、金属含有ナノ粒子が担持した半導体粒子を作製する工程
を備える、前記光触媒粒子の製造方法が提供される。
本発明の更に別の一態様によれば、前記光触媒粒子に紫外光及び/又は可視光を照射しつつ、光触媒粒子に水を接触させて水を分解する、水素(H)及び酸素(O)の製造方法が提供される。
本発明によれば、改良された触媒性能を示す光触媒粒子及びその製造方法、並びに前記光触媒粒子を用いた水素及び酸素の製造方法が提供される。
光触媒粒子による水分解反応のメカニズムを示す。 水分解反応装置の一例を示す。
本発明の具体的な実施形態(以下、「本実施形態」という)について以下に説明する。ただし本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において種々の変更が可能である。
光触媒粒子
本実施形態の光触媒粒子は、半導体粒子と、この半導体粒子の表面に担持された金属含有ナノ粒子と、を備える。金属含有ナノ粒子は、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、オスミニウム(Os)、イリジウム(Ir)からなる群から選択される少なくとも1種の金属を含む。また金属含有ナノ粒子の均粒子径は5.0〜50.0nmである。このような光触媒粒子は触媒性能に優れている。
光触媒粒子を構成する一方の成分である半導体粒子は、主触媒として機能する。この半導体粒子は光触媒性能を有する半導体材料から構成される限り、特に限定されない。半導体材料に、そのバンドギャップエネルギーEgに相当する波長の光より短波長の光を照射すると、価電子帯を充填している電子が伝導帯に励起され、価電子帯に正孔が生じる。伝導帯の下端が他物質の酸化還元電位より負である場合には、伝導帯の励起電子が他物質に移動して還元反応を引き起こす。一方で価電子帯の上端が他物質の酸化還元電位よりも正である場合には、価電子帯の正孔が他物質から電子を奪い取って他物質を酸化させる。このような酸化及び/又は還元が進行して光触媒反応が起こる。換言するに、半導体材料は、そのバンドギャップEgが入射光の光エネルギーhνより小さく、且つ伝導帯の下端が他物質の酸化還元電位より負であり、価電子帯の上端が他物質の酸化還元電位よりも正であるというバンド構造を有している。したがって半導体材料の材質は、入射光の波長や他物質の種類に依存し、一概には決められない。しかしながら光触媒性能を示す半導体材料は公知である。
半導体粒子は、好ましくは、酸化物、酸窒化物、窒化物、酸硫化物、酸塩化物又はこれらの混合物からなる半導体材料から構成される。また半導体材料は、好ましくは、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、ニオブ(Nb)、ハフニウム(Hf)、ジルコニウム(Zr)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、亜鉛(Zn)、インジウム(In)、スズ(Sn)、ガリウム(Ga)及び鉄(Fe)からなる群から選択される1種類以上の元素を含む。より具体的には、半導体粒子は、酸化チタン(TiO)、酸化タンタル(Ta)、酸化ニオブ(Nb)、酸化ハフニウム(HfO)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化タングステン(WO)、酸化モリブデン(MoO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウム(In)、チタン酸ランタン(LaTi)、タンタル酸ナトリウム(NaTaO)、ニオブ酸ナトリウム(NaNbO)、タンタル酸カリウム(KTaO)、酸化亜鉛−酸化ガリウム(ZnO−Ga)、ランタンチタン酸窒化物(LaTiON)、ランタンタンタル酸窒化物(LaTaON)、タンタル酸窒化物(TaON)及び/又はタンタル窒化物(Ta)などの化合物を含んでもよい。しかしながらこれらの化合物には限定されない。またこれらの化合物を含む混合物や固溶体であってもよい。半導体粒子はZ−スキーム型であってもよい。
半導体粒子は酸化チタン(TiO)であってもよい。酸化チタンには正方晶たるアナターゼ型やルチル型などが知られている。このうちアナターゼ型が好ましい。アナターゼ型酸化チタンは、そのフラットバンド電位がルチル型より負であり、例えば水素生成に有利である。またアナターゼ型酸化チタンはバンドギャップが3.2eVと広い。そのため紫外光領域で良好な光触媒性能を発揮する。半導体粒子は、酸化チタン以外の化合物であってもよい。酸化チタンよりバンドギャップの狭い化合物を用いることで、可視光領域での光触媒性能を発揮させることが可能になる。
半導体粒子の作製手法は特に限定されない。例えば半導体粒子が複合酸化物から構成される場合には、酸化物や炭酸塩などの公知の原料を用いて固相反応により作製してもよい。あるいは共沈法、水熱合成法、錯体重合法又はゾルゲル法などの手法で作製してもよい。
半導体粒子の形状も特に限定されない。例えば球状、不定形状、異方形状(ロッド又は板状等)が挙げられる。一方で半導体粒子の粒子径(一次粒子径)は過度に大きくないことが好ましい。粒子径が過度に大きい場合には、光照射により粒子内部で生成した電子と正孔とが表面に到達するまでの移動距離が長くなる。移動距離が長くなると、電子と正孔とが再結合する確率が増え、粒子表面で酸化還元反応を引き起こす電子と正孔の数が減る。また半導体粒子の粒子径は過度に小さくないことが好ましい。粒子径が過度に小さい半導体粒子は、結晶性に劣り、格子欠陥を多量に含む傾向にある。格子欠陥が多量に存在すると、この欠陥に電子と正孔とがトラップされて再結合し易くなる。また粒子径が過度に小さい半導体粒子は凝集し易く、ハンドリングが困難という問題もある。半導体粒子の平均粒子径は0.1〜50.0μmが好ましく、1.0〜10.0μmがより好ましく、2.0〜5.0μmがさらに好ましい。
半導体粒子は、ドナー元素やアクセプター元素を含んでもよい。また半導体粒子に含まれる酸素の一部を他のアニオン元素で置換してもよい。このようなアニオン元素として窒素や硫黄を挙げることができる。ドナー元素、アクセプター元素及び/又はアニオン元素を含ませることで、半導体粒子のバンド構造を制御することが可能である。一方で半導体粒子は、ドナー元素、アクセプター元素及びアニオン元素を含まず、純度が高くてもよい。半導体粒子が多くの不純物を含むと、この不純物が、好ましくない電子と正孔との再結合を促す準位を形成することがある。半導体粒子の純度は99.0質量%以上であってよく、99.9質量%以上であってよい。
光触媒粒子を構成する他方の成分である金属含有ナノ粒子は、半導体粒子の表面に担持されて助触媒として機能する。金属含有ナノ粒子で担持(表面修飾)することで、光触媒粒子の触媒性能を顕著に高めることが可能になる。上述したように、光照射によって電子と正孔とが生じ、この電子と正孔とが触媒機能を発現させる。しかしながら電子と正孔が再結合して消失すると、触媒機能が発現しない。金属含有ナノ粒子は、電子と正孔の再結合を抑制する効果がある。金属含有ナノ粒子で担持することで、電子と正孔の分離及び蓄積が促進され、その結果、光触媒性能が向上する。
金属含有ナノ粒子は、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、オスミニウム(Os)、イリジウム(Ir)からなる群から選択される少なくとも1種の金属を含む。これらの金属は、いずれも周期律表第8〜10族に位置する白金族元素であり、安定であるとともに活性である。これらの金属で半導体粒子表面を修飾(担持)することで、安定且つ触媒性能に優れた光触媒粒子を得ることができる。ナノ粒子は一種類の金属を含んでもよく、あるいは複数種の金属を含んでもよい。複数種の金属を含む場合には、混合物、合金及び金属間化合物のいずれの形態で金属を含んでもよい。またナノ粒子は上述した金属及び酸素以外の成分を含んでもよい。さらにナノ粒子は金属状態及び酸化状態のいずれであってもよい。すなわちナノ粒子が金属及び金属酸化物のいずれか一方又は両方からなっていてもよい。いずれの状態であっても、上述した金属が助触媒機能を示すことは知られている。
金属含有ナノ粒子は、その平均粒子径が5.0〜50.0nmである。平均粒子径5.0nm未満のナノ粒子を得るためには、金属濃度を低くしたり有機表面保護剤を添加する必要がある。そのため触媒性能に優れた光触媒粒子を作製することが困難になる。平均粒子径は10.0nm以上であってよく、15.0nm以上であってよく、20.0nm以上であってもよく、25.0nm以上であってよい。一方で平均粒子径50.0nm超のナノ粒子では助触媒としての機能が失われるとともに、ナノ粒子が担持される半導体粒子の表面活性点が少なくなってしまう。平均粒子径は35.0nm以下であってよく、30.0nm以下であってよく、25.0nm以下であってよく、20.0nm以下であってよく、15.0nm以下であってもよい。なお平均粒子径は、走査型電子顕微鏡(SEM)又は透過型電子顕微鏡(TEM)を用いた観察により求めることができる。例えば、これらの顕微鏡でナノ粒子を観察し、得られた画像を目視又は画像解析ソフトウエアで解析して粒子径分布を求め、この粒子径分布から平均値を算出すればよい。
金属含有ナノ粒子の担持量は、半導体粒子に対して0.3〜10.0質量%が好ましい。担持量が過度に少ないと、助触媒の機能を十分に発揮させることが困難になる。そのため光触媒粒子の触媒性能が低下する恐れがある。担持量は0.5質量%以上であってよく、1.0質量%以上であってもよい。一方で担持量が過度に多いと、半導体粒子の表面活性点が少なくなり、やはり触媒性能が低下する恐れがある。担持量は6.0質量%以下であってよく、3.0質量%以下であってもよい。
光触媒粒子は半導体粒子と金属含有ナノ粒子以外の他の成分を含んでいてもよい。このような他の成分として、酸化ニッケル、酸化コバルト、酸化クロムなどの酸化物が挙げられる。また他の成分の存在状態も特に限定されない。例えばナノ粒子表面に存在してもよく、半導体粒子とナノ粒子との間に存在してもよい。あるいはナノ粒子とは別の場所で半導体粒子の表面に担持されていてもよい。他の成分の担持方法も限定されない。
本実施形態の光触媒粒子は、光触媒性能に優れる。この光触媒粒子は、水分解による水素及び酸素生成の用途に好適である。また二酸化炭素(CO)光還元によるC化合物(CO、メタン、ギ酸等)生成、窒素(N)を原料としたアンモニア生成、または有機物分解による抗菌・殺菌・水浄化・脱臭の用途にも好適である。
光触媒粒子の製造方法
光触媒粒子は、半導体粒子と金属供給源とに還元溶液中で超音波を照射して得られたものであることが好ましい。好ましい製造方法の具体的態様について以下に説明する。
本実施形態の光触媒粒子の製造方法は、半導体粒子と金属供給源とを準備する工程(準備工程)、この半導体粒子と金属供給源とを還元液に加えて反応液を作製する工程(混合工程)、及びこの反応液に超音波を照射して金属含有ナノ粒子が担持した半導体粒子を作製する工程(超音波処理工程)を含む。
<準備工程>
準備工程では、半導体粒子と金属供給源とを準備する。半導体粒子は触媒性能を有する粒子であれば特に限定されない。その詳細は先述したとおりである。すなわち半導体粒子は、好ましくは、酸化物、酸窒化物、窒化物、酸硫化物、酸塩化物又はこれらの混合物からなる半導体材料から構成される。半導体材料は、好ましくは、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、ニオブ(Nb)、ハフニウム(Hf)、ジルコニウム(Zr)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、亜鉛(Zn)、インジウム(In)、スズ(Sn)、ガリウム(Ga)及び鉄(Fe)からなる群から選択される1種類以上の元素を含む。また半導体粒子の平均粒子径は0.1〜50.0μmが好ましく、1.0〜10.0μmがより好ましく、2.0〜5.0μmがさらに好ましい。
金属供給源は、金属を供給できるものであれば特に限定されない。例えば、酸化物、無機金属塩及び/又は有機金属化合物が挙げられる。無機金属塩として硝酸塩、塩化物及び/又は硫酸塩などが挙げられる。金属供給源は、後述する還元液に溶解するものであってもよいし、あるいは溶解しないものであってもよい。例えば白金供給源として、酸化白金(PtO、Pt、PtO)、ヘキサクロリド白金(IV)酸(HPtCl)、テトラクロリド白金(II)酸(HPtCl)、テトラクロロ白金(II)酸アンモニウム((NH[PtCl])、塩化白金(PtCl)が挙げられる。パラジウム供給源として、酸化パラジウム(PdO)、水やアルコールに可溶な塩が挙げられる。ロジウム供給源として、酸化ロジウム(Rh)、塩化ロジウム(RhCl)、水やアルコールに可溶な塩が挙げられる。供給源の大きさも特に限定されない。例えばその一次粒子の平均粒子径は0.3〜3.0μmである。
金属供給源は金属酸化物を含むことが好ましい。金属酸化物は安価である。また金属イオンと酸素イオンのみで構成され、有害なアニオン等の成分を含まない。そのためハンドリングが容易である。また金属酸化物は還元液に溶解しない。そのため光触媒粒子製造後に排出される廃液は金属成分やアニオン等の有害成分を殆ど含まない。コストのかかる廃液処理が不要になり、全体の製造コスト低減を図ることが可能になる。
<混合工程>
混合工程では、準備した半導体粒子と金属供給源とを還元液に加えて反応液を作製する。半導体粒子と金属供給源の配合割合は、最終的に得られる光触媒粒子中の金属含有ナノ粒子の担持量が所望の値になるように調整すればよい。担持量が過度に少ないと、助触媒の効果を十分に発揮させることが困難になり触媒性能が低下する。一方で担持量が過度に多いと、半導体粒子の表面活性点が少なくなり触媒性能が低下する。
還元液は、還元性を有する液体である限り限定されない。それ自体が還元性を有する液体であってもよく、あるいは還元性を有しない液体に還元剤を溶解させたものであってもよい。しかしながらそれ自体が還元性を有する液体であることが好ましい。また別個の還元剤を含まなくともよい。このような還元液として、毒性が低く入手が容易なエタノールやプロパノールなどのアルコール類が好ましい。またアルコール類と水との混合液も使用できる。ただし混合液を用いる場合には、水の含有量が過度に多いと十分な還元作用を発揮させることが困難になる。したがって還元液中の水の含有量は、50容積%以下が好ましく、25容積%以下がより好ましい。水の含有量の下限値は特に限定されるものではなく、0容量%であってもよい。
<超音波処理工程>
超音波処理工程では、得られた反応液に超音波を照射して、金属含有ナノ粒子が担持した半導体粒子を作製する。この際、反応液中の金属供給源の表面部が超音波還元されて、金属含有ナノ粒子になり、これが光触媒粒子の表面に担持される。この段階ではナノ粒子は金属状態である。
金属含有ナノ粒子担持のメカニズムを以下に説明する。超音波が照射されると反応液中に粗密波が生じ、この粗密波により正負の繰り返し圧力が生じる。負圧サイクル時には蒸発により無数の微細気泡が反応液中に生じる。この気泡は正圧サイクル時に圧壊して強力な衝撃力を周囲に与える。この現象を超音波キャビテーションという。キャビテーションにより反応液中の半導体粒子と金属供給源とが均一に分散されるとともに、その表面が清浄化される。またキャビテーションにより微小で高温且つ高圧のホットスポットが生成する。生成したホットスポットは、金属供給源を分解還元するとともに、反応液に作用してラジカルを発生させ、このラジカルが金属供給源の分解還元を促進する。このようにして金属供給源からナノ粒子が生成する。
例えば固体である金属酸化物を供給源に用いた場合には、金属酸化物にホットスポットやラジカルが作用し、金属酸化物が表面で分解及び還元されてナノ粒子が析出する。このナノ粒子は徐々に成長し、ある程度の大きさにまで成長すると金属酸化物とナノ粒子の界面応力が限界になり脱離する。あるいは超音波の作用により金属酸化物から中間生成物が生成し、この中間生成物にホットスポットやラジカルが作用してナノ粒子が反応液中に生成する。脱離又は生成したナノ粒子は、超音波の物理的な作用により半導体粒子表面に移動し、そこに吸着する。このようにしてナノ粒子が担持した半導体粒子が得られる。超音波還元により生成したナノ粒子は微小である。また有機保護剤や高温焼成が不要である。そのため、ナノ粒子を微細な状態で担持させた半導体粒子(光触媒粒子)の作製が可能である。
超音波処理には特別な装置を用いる必要はなく、通常の超音波発振源を備えた装置を用いればよい。例えば市販の超音波洗浄機を使用することができる。処理も通常の条件で行えばよい。例えば超音波の周波数は20〜100kHzであってよく、28〜45kHzであってよい。超音波処理を同一の周波数で継続して行ってもよく、あるいは周波数発振切替モードを用いて処理の途中で周波数を切り替えてもよい。周波数切り替えの回数は1回でもよく、あるいは複数回であってもよい。周波数発振切替モード(例えば28kHz/45kHzの2周波切替発振モード)で処理することで、半導体粒子の液中での分散性をより一層に向上させることが可能になる。また超音波の出力は10〜500Wであってよく、50〜200Wであってよい。さらに処理時間は1〜10時間であってよい。処理時間を長くすることで、金属供給源の全てをナノ粒子に変換させて半導体粒子に担持させることが可能である。一方で処理時間を短くすることで、ナノ粒子の担持量を調整することが可能である。超音波処理時の温度は0〜100℃であってよい。
超音波処理により得られた生成物は反応液中に分散又は沈殿した状態で存在する。したがって反応液から生成物を回収して、これを乾燥すればよい。回収は、ろ過や遠心分離等の公知の分離手段を用いればよい。また乾燥は、ナノ粒子が過度の粒成長を起こさない条件、例えば100℃以下で行えばよい。このようにして金属含有ナノ粒子を担持した半導体粒子を得ることができる。
<酸化工程>
必要に応じて、金属含有ナノ粒子が担持した半導体粒子を酸化雰囲気中で加熱処理する工程(酸化工程)を超音波処理工程後に設けてもよい。この酸化工程では金属含有ナノ粒子が金属状態から酸化状態に変化する。そのため酸化工程を設けることで、酸化物状態の金属含有ナノ粒子が担持した半導体粒子を得ることができる。加熱処理の条件は、金属の種類に応じて適宜決めればよい。例えば、300〜1000℃の温度で1〜20時間の条件で行えばよい。また雰囲気も、金属が酸化される雰囲気である限り、限定されない。例えば大気雰囲気あるいは酸素富化雰囲気が挙げられる。
このようにして、金属含有ナノ粒子が担持した半導体粒子を光触媒粒子として得ることができる。本実施形態の製造方法によれば、触媒性能に優れた光触媒粒子を得ることができる。その詳細な理由は不明であるが、超音波還元により生成した担持ナノ粒子が微細で特有の電子遷移状態を有し、さらに表面酸化層の形成が抑制されているためではないかと推測している。すなわち超音波還元処理で生成した金属含有ナノ粒子(助触媒)はサイズが小さい。また超音波処理時に発生した高温且つ高圧のホットスポットやラジカルの作用によって特有の電子遷移状態になっていると考えられる。実際、超音波により生じたホットスポットは5000℃近くの高温であるとの報告があり、このような高温のホットスポットが瞬間的にでも作用することで、電子遷移状態が変化することは容易に予想される。さらに超音波還元により生成したナノ粒子は、超音波の物理的作用により表面酸化層の形成が抑制されていると考えられる。そしてこの微細な粒子サイズ、特有の電子遷移状態及び表面酸化の抑制が複合的に作用して優れた触媒性能をもたらすと推測している。
またこのような製造方法によれば、金属含有ナノ粒子を高分散且つ高担持率で析出させることが可能になる。実際、金属含有ナノ粒子を6.0質量%もの高濃度で担持でき、それにより触媒性能に優れた光触媒粒子が得られることが確認されている。これに対して、従来から提案されている含浸法や光電着法などの手法ではナノ粒子を高分散且つ高担持率で担持させることは困難である。例えば、特許文献1では助触媒Ptを担持させたTiO2等の触媒を作製しているが、助触媒担持量は最大でも3wt%に過ぎず、また助触媒粒子の粒子径は開示されていない(特許文献1の表1)。
さらに本実施形態の製造方法によれば、半導体粒子と金属供給源を含む反応液に超音波を照射するという簡易な手法で金属含有ナノ粒子を担持させた光触媒粒子を得ることが可能である。この製造方法では還元雰囲気中での加熱処理を行うことは必ずしも必要ではない。そのため製造コスト低減の効果がある。これに対して、含浸法で金属粒子を担持させる手法では、水素などの還元雰囲気中で加熱する必要がある。
その上、本実施形態の製造方法では、液体(反応液)に溶解しない酸化物などの金属供給源を用いることが可能である。金属酸化物などの金属供給源は、それ自体が安価であるとともに、ハンドリングが容易である。またこのような金属供給源を用いた場合には、光触媒粒子製造後に排出される反応液が有害物を含んでおらず、廃液処理が容易である。これに対して含浸法や光電着法では、塩化白金酸などの水に溶解する供給源を用いる必要があり、廃液処理が不可欠である。ただし本実施形態の製造方法は、反応液に溶解する化合物を用いることを排除するものではない。そのような場合であっても、金属含有ナノ粒子を高分散且つ高担持率で析出させる効果が得られる。
本実施形態の光触媒粒子は光触媒性能に優れる。そのため、この光触媒粒子は、二酸化炭素(CO)光還元によるC化合物(CO、メタン、ギ酸等)生成、窒素(N)を原料としたアンモニア生成、または有機物分解による抗菌・殺菌・水浄化・脱臭の用途に好適である。特にこの光触媒粒子は水分解性能に優れており、水分解による水素と酸素の生成に好適である。
水素と酸素の製造方法
光触媒粒子による水分解反応のメカニズムを図1を用いて説明する。半導体粒子を含む光触媒粒子に、半導体粒子のバンドギャップ以上のエネルギーhνを有する光が照射されると、半導体粒子がこの光エネルギーを吸収する。そして価電子帯の電子(e)が伝導帯に励起され、その結果として価電子帯に正孔(h;ホール)が生じる。発生した電子と正孔は、その一部が粒子内で再結合して消失する。再結合しなかった正孔は半導体粒子表面に移動する。半導体粒子の価電子帯の上端が水素化電位(E(O/HO))よりも正である場合には、正孔が水(HO)を酸化して酸素(O)を発生させる。一方で電子は半導体粒子表面を経て、さらに助触媒(金属含有ナノ粒子)表面に移動する。半導体粒子の伝導帯の下端がプロトン還元電位(E(H/H))よりも負である場合には、電子はプロトン(H)を還元して水素(H)を発生させる。このような光触媒反応(水分解反応)を通じて水素と酸素とが発生する。これらの反応をまとめると、下記(1)式に示す反応になる。
Figure 2021133326
半導体粒子の表面を助触媒たる金属含有ナノ粒子で担持することで、光触媒粒子の水分解性能を顕著に高めることができる。上述したように、金属含有ナノ粒子で担持することで、半導体粒子での電子と正孔の分離及び蓄積が促進される。また光触媒粒子を水分解の用途に用いた場合、電子による水の酸化反応と正孔によるプロトンの還元反応が起こるものの、半導体粒子表面で還元反応は起こり難い。金属含有ナノ粒子は、還元反応の活性に優れており、これを担持することで還元反応が促進される。そのため還元反応による水素の生成及び酸化反応による酸素の発生が効率的に行われる。
本実施形態の水素(H)及び酸素(O)の製造方法では、上記光触媒粒子に紫外光及び/又は可視光を照射しつつ、前記光触媒粒子に水を接触させて水を分解する。照射する光として、半導体粒子のバンドギャップより大きなエネルギーをもつものを選択すればよい。光源として、太陽光といった自然光源の他に、高圧水銀灯、キセノンランプ、タングステンランプなどの人工光源を用いることができる。
光触媒と水を接触させる手法は特に限定されない。例えば水中に光触媒粒子を分散させ、得られた懸濁液に光を照射する手法が挙げられる。この場合には光触媒粒子が光を効率的に吸収するよう、光触媒粒子の量を調整することが好ましい。またスポンジなどの吸収材料の上に光触媒粒子を散布し、スポンジに水を供給するとともに光触媒粒子に光を照射するという手法が挙げられる。いずれにしても光を吸収した光触媒粒子に水が接触して分解する限り、その手法は限定されない。
光触媒粒子に接触する水は、炭酸塩水溶液を用いることが好ましい。炭酸塩水溶液を用いることで、水分解により発生する水素と酸素の量が多くなる。炭酸塩水溶液としては、例えば、炭酸ナトリウム(NaCO)や炭酸カリウム(KCO)などの炭酸塩を溶解させた水溶液を用いることができる。あるいは水に二酸化炭素(CO)を吹き込む手法で作製したものであってもよい。
水素と酸素の発生は公知の水分解装置を用いて行うことができる。その一例として、閉鎖循環系の反応装置を図2に示す。反応装置の本体は、石英製内部照射型反応管(1)と反応溶液(2)と400W高圧水銀灯(3)とマグネチックスターラー(4)とマグネチックスターラー用撹拌子(5)と冷却水管(11)とから構成されている。ここで反応溶液(2)は水と光触媒粒子とを含んでいる。またこの本体にはガス導入管とガス排出管とが設けられており、これらの管の途中には循環器(7)、リービッヒ冷却管(8)及び圧力計(9)が設けられている。さらにこれらの管の末端は真空ライン(6)とガスクロマトグラフ(10)とつながっている。
水分解の際には、光触媒粒子を水に分散させて反応溶液(2)を作製する。用いる水として炭酸塩水溶液を用いてもよい。得られた反応溶液(2)を水分解装置の反応管(1)に入れて、マグネチックスターラー用撹拌子(5)を用いて撹拌する。その後、高圧水銀灯(3)から光を照射し、反応溶液(2)中にて水分解反応を起こさせる。水分解により発生した水素と酸素とをガス排出管から排出する。排出された水素と酸素を、キャリアガスとともにガスクロマトグラフ(10)に導入し、そこで定量分析する。
本実施形態を、以下の例によってさらに具体的に説明する。しかしながら本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実験例A]
(1)白金ナノ粒子担持酸化チタン粒子の作製
実施例A1
超音波処理により還元生成した白金(Pt)ナノ粒子を酸化チタン粒子に担持させて光触媒粒子(金属白金ナノ粒子担持酸化チタン粒子)を作製した。この際、酸化チタンに対する白金濃度(担持量)を0.5質量%にした。具体的には以下の手順でサンプルを作製した。
<準備工程>
アナターゼ型酸化チタン粒子(TiO;株式会社高純度化学研究所)と酸化白金(PtO;富士フィルム和光純薬株式会社)とを準備した。酸化チタン粒子は、純度が99.99%であり、平均粒子径が約3μmであった。また酸化白金は、純度が99%であり、1次粒子径約2μmの1次粒子からなる凝集体であった。
<混合工程>
準備した酸化チタン粒子(1g)と酸化白金(5mg)とを還元液(50mL)に添加した。還元液としてエタノール(富士フィルム和光純薬株式会社)を用いた。これにより反応液を作製した。
<超音波処理工程>
得られた反応液を超音波装置(本多電子株式会社、WT−100−M)に入れて超音波処理を施した。超音波処理は、28kHzと45kHzの2周波切替発振で行った。また出力を100W、処理時間を3時間にした。この際、反応液の温度を40℃に維持した。この処理により、反応液中の酸化白金(PtO)を還元して金属白金(Pt)に変化させた。処理により得られた生成物をろ過した後、エタノール(10mL)を用いて洗浄し、大気中60℃で0.5時間の条件で乾燥して、金属白金ナノ粒子担持酸化チタン粒子を光触媒粒子として得た。
実施例A2
混合工程で添加する酸化白金量を10mgに変えた以外は、実施例A1と同様にして光触媒粒子を作製した。酸化チタンに対する白金濃度は1.0質量%であった。
実施例A3
混合工程で添加する酸化白金量を30mgに変えた以外は、実施例A1と同様にして光触媒粒子を作製した。酸化チタンに対する白金濃度は3.0質量%であった。
実施例A4
混合工程で添加する酸化白金量を60mgに変えた以外は、実施例A1と同様にして光触媒粒子を作製した。酸化チタンに対する白金濃度は6.0質量%であった。
比較例A1
含浸法により白金助触媒を酸化チタン粒子に担持して光触媒粒子を合成した。また酸化チタンに対する白金濃度(担持量)を0.5質量%にした。具体的には以下の手順でサンプルを作製した。
酸化チタン粒子(0.4g)をイオン交換水(40mL)に添加した後、10分間超音波を付与して分散させた。酸化チタン粒子は実施例A1と同じものを用いた。得られた分散液に塩化白金(IV)酸(ヘキサクロリド白金(IV)酸(HPtCl);富士フイルム和光純薬株式会社)を添加した。この際、酸化チタンに対する白金量が0.5質量%になるように塩化白金(IV)酸の添加量を調整した。塩化白金(IV)酸を添加した分散液を100℃で加熱して水分を蒸発させてから、500℃で30分間焼成して、白金助触媒を担持した酸化チタン粒子を得た。
比較例A2
酸化チタンに対する白金量が1.0質量%になるように塩化白金(IV)酸の添加量を調整した以外は、比較例A1と同様にして白金助触媒を担持した酸化チタン粒子を得た。
比較例A3
酸化チタンに対する白金量が3.0質量%になるように塩化白金(IV)酸の添加量を調整した以外は、比較例A1と同様にして白金助触媒を担持した酸化チタン粒子を得た。
比較例A4
酸化チタンに対する白金量が6.0質量%になるように塩化白金(IV)酸の添加量を調整した以外は、比較例A1と同様にして白金助触媒を担持した酸化チタン粒子を得た。
比較例A5
助触媒の担持を行わず、酸化チタン粒子を単独で光触媒粒子とした。
(2)光触媒粒子の特性評価
実施例A1〜A4及び比較例A1〜A5につき、各種特性の評価を以下のようにして行った。
<光触媒性能>
図3に示される閉鎖循環系の反応装置を用いてサンプルの光触媒性能を評価した。具体的には以下の手順で評価を行った。
光触媒粒子0.5gをイオン交換水350mL中に投入し、炭酸ナトリウム(NaCO;関東化学製)0.1gを添加し、超音波によって懸濁して光触媒分散液を調製した。この光触媒分散液を、反応装置における石英製内部照射型反応管(1)の反応管本体内に仕込み、さらに、この反応管本体内に、光源として400Wの高圧水銀灯(3)が収容された石英管を挿入した。そして、この高圧水銀灯(3)を点灯することにより、当該高圧水銀灯からの光を光触媒分散液に3時間照射した。そして光照射中に発生する水素(H)、酸素(O)及び窒素(N)を、Arキャリアーを用いてガスクロマトグラフ(島津製作所、GC−8A)(10)に導入し、その発生量を定量した。
<ナノ粒子の粒子径>
サンプルを走査型電子顕微鏡(SEM;Carl ZEISS社、ULTRA55)を用いて観察し、担持された白金ナノ粒子の粒子径を求めた。観察は加速電圧1kVの条件で行った。また白金ナノ粒子100個に対してその粒子径を求め、粒子径分布(最小粒子径と最大粒子径)と平均値を算出した。
(3)評価結果
<光触媒性能>
実施例A1〜A4及び比較例A1〜A4について、水素(H)及び酸素(O)の生成量(発生量)を表1に示す。いずれのサンプルでも水素と酸素の生成量の比は概ね2:1であった。これより光触媒粒子への光照射により水分解が起こっていることが分かった。また実施例A1〜A4は、水素及び酸素の生成量が多かった。特に白金濃度3.0質量%である実施例A3は生成量が最も多かった。これに対して比較例A1〜A4は、水素及び酸素の生成量が実施例A1〜A4に比べて少なかった。さらに助触媒の担持を行わなかった比較例A5は、表1には示していないが、水素及び酸素がともに発生しなかった。この結果より、超音波処理によって白金ナノ粒子を担持した光触媒粒子は水分解性能に優れることが分かった。
Figure 2021133326
<ナノ粒子の粒子径>
実施例A1〜A4及び比較例A1〜A4について、担持させた白金ナノ粒子の粒子径分布及び平均粒子径を表2に示す。実施例A1〜A4ではナノ粒子の粒子径が小さく粒子径分布の幅が狭かった。これに対して比較例A1〜A4ではナノ粒子の粒子径が大きく粒子径分布の幅が広かった。
Figure 2021133326
[実験例B]
(1)パラジウムナノ粒子担持酸化チタン粒子の作製
実施例B1
超音波処理により還元生成したパラジウム(Pd)ナノ粒子を酸化チタン粒子に担持させて光触媒粒子(金属パラジウムナノ粒子担持酸化チタン粒子)を作製した。この際、酸化チタンに対するパラジウム濃度(担持量)を0.5質量%にした。具体的には以下の手順でサンプルを作製した。
<準備工程>
アナターゼ型酸化チタン粒子(TiO;株式会社高純度化学研究所)と酸化パラジウム(PdO;富士フィルム和光純薬株式会社)とを準備した。酸化チタン粒子は、純度が99.99%であり、平均粒子径が約3μmであった。また酸化パラジウムは、純度が99%であり、1次粒子径約2μmの1次粒子からなる凝集体であった。
<混合工程>
準備した酸化チタン粒子(1g)と酸化パラジウム(5mg)とを還元液(50mL)に添加した。還元液としてエタノール(富士フィルム和光純薬株式会社)を用いた。これにより反応液を作製した。
<超音波処理工程>
得られた反応液を超音波装置(本多電子株式会社、WT―100―M)に入れて超音波処理を施した。超音波処理は、28kHzと45kHzの2周波切替発振で行った。また出力を100W、処理時間を3時間にした。この際、反応液の温度を40℃に維持した。この処理により、反応液中の酸化パラジウム(PdO)を還元して金属パラジウム(Pd)に変化させた。処理により得られた生成物をろ過した後、エタノール(10mL)を用いて洗浄し、大気中60℃で0.5時間の条件で乾燥して、金属パラジウムナノ粒子担持酸化チタン粒子を光触媒粒子として得た。
実施例B2
混合工程で添加する酸化パラジウム量を10mgに変えた以外は、実施例B1と同様にして光触媒粒子を作製した。酸化チタン粒子に対するパラジウム濃度は1.0質量%であった。
実施例B3
混合工程で添加する酸化パラジウム量を30mgに変えた以外は、実施例B1と同様にして光触媒粒子を作製した。酸化チタン粒子に対するパラジウム濃度は3.0質量%であった。
実施例B4
混合工程で添加する酸化量を60mgに変えた以外は、実施例B1と同様にして光触媒粒子を作製した。酸化チタン粒子に対するパラジウム濃度は6.0質量%であった。
比較例B1
含浸法によりパラジウム助触媒を酸化チタン粒子に担持して光触媒粒子を合成した。また酸化チタンに対するパラジウム濃度(担持量)を0.5質量%にした。具体的には以下の手順でサンプルを作製した。
酸化チタン粒子0.4gをイオン交換水40mLに添加した後、10分間超音波を付与して分散させた。酸化チタン粒子は実施例B1と同じものを用いた。得られた分散液に塩化パラジウム(IV)酸(PdCl;関東化学株式会社)を添加した。この際、酸化チタンに対するパラジウム量が0.5質量%になるように塩化パラジウム(IV)酸の添加量を調整した。その後、塩化パラジウム(IV)酸を添加した分散液を100℃で加熱して水分を蒸発させてから、500℃で30分間焼成して、パラジウム助触媒を担持した酸化チタン粒子を得た。
比較例B2
酸化チタンに対するパラジウム量が1.0質量%になるように塩化パラジウム(IV)酸の添加量を調整した以外は、比較例B1と同様にしてパラジウム助触媒を担持した酸化チタン粒子を得た。
比較例B3
酸化チタンに対するパラジウム量が3.0質量%になるように、塩化パラジウム(IV)酸の添加量を調整した以外は、比較例B1と同様にしてパラジウム助触媒を担持した酸化チタン粒子を得た。
比較例B4
酸化チタンに対するパラジウム量が6.0質量%になるように、塩化パラジウム(IV)酸の添加量を調整した以外は、比較例B1と同様にしてパラジウム助触媒を担持した酸化チタン粒子を得た。
(2)光触媒粒子の特性評価
実施例B1〜B4及び比較例B1〜B4につき、各種特性(光触媒性能、ナノ粒子の粒子径)の評価を実験例Aと同様にして行った。
(3)評価結果
<光触媒性能>
実施例B1〜B4及び比較例B1〜B4について、水素(H)及び酸素(O)の生成量(発生量)を表3に示す。いずれのサンプルでも水素と酸素の生成量の比は概ね2:1であった。これより光触媒粒子への光照射により水分解が起こっていることが分かった。また実施例B1〜B4は、水素及び酸素の生成量が多かった。特にパラジウム濃度3.0質量%である実施例B3は生成量が最も多かった。これに対して比較例B1〜B4は、水素及び酸素の生成量が実施例B1〜B4に比べて少なかった。この結果より、超音波処理によってパラジウムナノ粒子を担持した光触媒粒子は水分解性能に優れることが分かった。
Figure 2021133326
<ナノ粒子の粒子径>
実施例B1〜B4及び比較例B1〜B4について、担持させたパラジウムナノ粒子の粒子径分布及び平均粒子径を表4に示す。実施例B1〜B4ではナノ粒子の粒子径が小さく粒子径分布の幅が狭かった。これに対して比較例B1〜B4ではナノ粒子の粒子径が大きく粒子径分布の幅が広かった。
Figure 2021133326
[実験例C]
(1)ロジウムナノ粒子担持酸化チタン粒子の作製
実施例C1
超音波処理により還元生成したロジウム(Rh)ナノ粒子を酸化チタン粒子に担持させて光触媒粒子(金属ロジウムナノ粒子担持酸化チタン粒子)を作製した。この際、酸化チタンに対するロジウム濃度(担持量)を0.5質量%にした。具体的には以下の手順でサンプルを作製した。
<準備工程>
アナターゼ型酸化チタン粒子(TiO;株式会社高純度化学研究所)と酸化ロジウム(Rh;富士フィルム和光純薬株式会社)とを準備した。酸化チタン粒子は、純度が99.99%であり、平均粒子径が約3μmであった。また酸化ロジウムは、純度が99%であり、1次粒子径約2μmの1次粒子からなる凝集体であった。
<混合工程>
準備した酸化チタン粒子(1g)と酸化ロジウム(5mg)とを還元液(50mL)に添加した。還元液としてエタノール(富士フィルム和光純薬株式会社)を用いた。これにより反応液を作製した。
<超音波処理工程>
得られた反応液を超音波装置(本多電子株式会社、WT―100―M)に入れて超音波処理を施した。超音波処理は、28kHzと45kHzの2周波切替発振で行った。また出力を100W、処理時間を3時間にした。この際、反応液の温度を40℃に維持した。この処理により、反応液中の酸化ロジウム(Rh)を還元して金属ロジウム(Rh)に変化させた。処理により得られた生成物をろ過した後、エタノール(10mL)を用いて洗浄し、大気中60℃で0.5時間の条件で乾燥して、金属ロジウムナノ粒子担持酸化チタン粒子を光触媒粒子として得た。
実施例C2
混合工程で添加する酸化ロジウム量を10mgに変えた以外は、実施例C1と同様にして光触媒粒子を作製した。酸化チタンに対するロジウム濃度は1.0質量%であった。
実施例C3
混合工程で添加する酸化ロジウム量を30mgに変えた以外は、実施例C1と同様にして光触媒粒子を作製した。酸化チタンに対するロジウム濃度は3.0質量%であった。
実施例C4
混合工程で添加する酸化ロジウム量を60mgに変えた以外は、実施例C1と同様にして光触媒粒子を作製した。酸化チタンに対するロジウム濃度は6.0質量%であった。
比較例C1
含浸法によりロジウム助触媒を酸化チタン粒子に担持して光触媒粒子を合成した。また酸化チタンに対するロジウム濃度(担持量)を0.5質量%にした。具体的には以下の手順でサンプルを作製した。
酸化チタン粒子(0.4g)をイオン交換水(40mL)に添加した後、10分間超音波を付与して分散させた。酸化チタン粒子は実施例A1と同じものを用いた。得られた分散液に塩化ロジウム(III)酸(RhCl・3HO;富士フィルム和光純薬株式会社)を添加した。この際、酸化チタンに対するロジウム量が0.5質量%になるように塩化ロジウム(III)酸の添加量を調整した。塩化ロジウム(III)酸を添加した分散液を100℃で加熱して水分を蒸発させてから、500℃で30分間焼成して、ロジウム助触媒を担持した酸化チタン粒子を得た。
比較例C2
酸化チタンに対するロジウム量が1.0質量%になるように塩化ロジウム(IV)酸の添加量を調整した以外は、比較例C1と同様にしてロジウム助触媒を担持した酸化チタン粒子を得た。
比較例C3
酸化チタンに対するロジウム量が3.0質量%になるように塩化ロジウム(IV)酸の添加量を調整した以外は、比較例C1と同様にしてロジウム助触媒を担持した酸化チタン粒子を得た。
比較例C4
酸化チタンに対するロジウム量が6.0質量%になるように、塩化ロジウム(IV)酸の添加量を調整した以外は、比較例C1と同様にしてロジウム助触媒を担持した酸化チタン粒子を得た。
(2)光触媒粒子の特性評価
実施例C1〜C4及び比較例C1〜C4につき、各種特性(光触媒性能、ナノ粒子の粒子径)の評価を実験例Aと同様にして行った。
(3)評価結果
<光触媒性能>
実施例C1〜C4及び比較例C1〜C4について、水素(H)及び酸素(O)の生成量(発生量)を表5に示す。いずれのサンプルでも水素と酸素の生成量の比は概ね2:1であった。これより光触媒粒子への光照射により水分解が起こっていることが分かった。また実施例C1〜C4は、水素及び酸素の生成量が多かった。特にロジウム濃度1.0質量%である実施例C2は生成量が最も多かった。これに対して比較例C1〜C4は、水素及び酸素の生成量が実施例C1〜C4に比べて少なかった。この結果より、超音波処理によってロジウムナノ粒子を担持した光触媒粒子は水分解性能に優れることが分かった。
Figure 2021133326
<ナノ粒子の粒子径>
実施例C1〜C4及び比較例C1〜C4について、担持させたロジウムナノ粒子の粒子径分布及び平均粒子径を表6に示す。実施例C1〜C4ではナノ粒子の粒子径が小さく粒子径分布の幅が狭かった。これに対して比較例C1〜C4ではナノ粒子の粒子径が大きく粒子径分布の幅が広かった。
Figure 2021133326
1 石英製内部照射型反応管
2 反応溶液
3 400W高圧水銀灯
4 マグネチックスターラー
5 マグネチックスターラー用撹拌子
6 真空ライン
7 循環器
8 リービッヒ冷却管
9 圧力計
10 ガスクロマトグラフ
11 冷却水管

Claims (16)

  1. 半導体粒子と、前記半導体粒子の表面に担持された金属含有ナノ粒子と、を備え、
    前記金属含有ナノ粒子が、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、オスミニウム(Os)、イリジウム(Ir)からなる群から選択される少なくとも1種の金属を含み、且つ前記金属含有ナノ粒子の平均粒子径が5.0〜50.0nmである、光触媒粒子。
  2. 前記金属含有ナノ粒子の平均粒子径が10.0〜30.0nmである、請求項1に記載の光触媒粒子。
  3. 前記金属含有ナノ粒子が金属状態である、請求項1又は2に記載の光触媒粒子。
  4. 前記金属含有ナノ粒子が酸化物状態である、請求項1又は2に記載の光触媒粒子。
  5. 前記半導体粒子が、酸化物、酸窒化物、窒化物、酸硫化物、酸塩化物又はこれらの混合物からなる半導体材料から構成され、
    前記半導体材料が、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、ニオブ(Nb)、ハフニウム(Hf)、ジルコニウム(Zr)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、亜鉛(Zn)、インジウム(In)、スズ(Sn)、ガリウム(Ga)及び鉄(Fe)からなる群から選択される1種以上の元素を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の光触媒粒子。
  6. 前記金属含有ナノ粒子の担持量が半導体粒子に対して0.3〜10.0質量%である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の光触媒粒子。
  7. 前記金属含有ナノ粒子の担持量が半導体粒子に対して1.0〜3.0質量%である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の光触媒粒子。
  8. 前記光触媒粒子が、半導体粒子と金属供給源とに還元溶液中で超音波を照射して得られたものである、請求項1〜7のいずれか一項に記載の光触媒粒子。
  9. 前記光触媒粒子が、水分解による水素及び酸素生成、二酸化炭素(CO)光還元によるC化合物生成、窒素(N)を原料としたアンモニア生成、または有機物分解による抗菌・殺菌・水浄化・脱臭の用途に用いられる触媒粒子である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の光触媒粒子。
  10. 半導体粒子と金属供給源とを準備する工程、
    前記半導体粒子と金属供給源とを還元液に加えて反応液を作製する工程、及び
    前記反応液に超音波を照射して、金属含有ナノ粒子が担持した半導体粒子を作製する工程
    を備える、請求項1〜3及び5〜9のいずれか一項に記載の光触媒粒子の製造方法。
  11. 半導体粒子と金属供給源とを準備する工程、
    前記半導体粒子と金属供給源とを還元液に加えて反応液を作製する工程
    前記反応液に超音波を照射して、金属含有ナノ粒子が担持した半導体粒子を作製する工程、及び
    前記金属含有ナノ粒子が担持した半導体粒子を酸化雰囲気中で加熱処理して、金属含有ナノ粒子を金属状態から酸化物状態に変化させる工程を備える、請求項4〜9のいずれか一項に記載の光触媒粒子の製造方法。
  12. 前記金属供給源が金属酸化物を含む、請求項10又は11に記載の方法。
  13. 前記還元液がアルコール類を含む、請求項10〜12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記超音波の周波数が28〜45kHzである、請求項10〜13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記超音波の照射を1〜10時間行う、請求項10〜14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の光触媒粒子に紫外光及び/又は可視光を照射しつつ、光触媒粒子に水を接触させて水を分解する、水素(H)と酸素(O)の製造方法。


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