JP2021132994A - 動態解析装置及びプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】動態画像における被写体の所定の生体機能による信号変化量を精度よく把握できるようにする。【解決手段】診断用コンソールの制御部によれば、被写体の所定の生体機能に伴う周期性を持つ動態を放射線撮影することにより得られた動態画像の全体又は部分領域の画素ごと又は小領域ごとに画像信号値の時間変化を示す信号波形を取得し、取得した信号波形の理想的な形状を有する波形を基準信号波形として取得し、取得した信号波形と基準信号波形に畳み込み処理を行って、基準信号波形と相関のある形状の信号波形の信号変化量を算出する。【選択図】図3

Description

本発明は、動態解析装置及びプログラムに関する。
従来のフィルム/スクリーンや輝尽性蛍光体プレートを用いた放射線(X線)の静止画撮影及び診断に対し、FPD(flat panel detector)等の半導体イメージセンサーを利用して診断対象の部位(対象部位という)の動態画像を撮影し、診断に応用する試みがなされるようになってきている。具体的には、半導体イメージセンサーの画像データの読取・消去の応答性の早さを利用し、半導体イメージセンサーの読取・消去のタイミングと合わせて放射源からパルス状の放射線を連続的に照射し、1秒間に複数回の撮影を行って、対象部位の動態を撮影する。撮影により取得された一連の複数枚の画像を順次表示することにより、医師は対象部位の一連の動きを観察することが可能となる。
肺の診断においては、肺の機能(換気機能や血流機能)が低下している箇所がないかを観察することは重要である。しかし、医師が動態画像を観察して目視で機能の異常個所を認識することは難しい。特に、肺の呼吸運動や心臓の拍動には個人差があり、個人差を考慮しながら換気機能や血流機能の異常箇所を視認することは困難である。
そこで、動態撮影で得られた動態画像を解析して診断支援情報を生成し、早期診断に向けて医師に提供することが提案されている。
例えば、特許文献1には、胸部の動態画像にフレーム間差分処理を行って信号変化量を抽出することで、肺野の血流情報を生成することが記載されている。
また、特許文献2には、胸部の動態画像の信号波形と基準となる拍動信号波形の相互相関係数を算出することにより肺野の血流を評価することが記載されている。
特開2012−5729号公報 特開2012−239796号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、血流の理想的な波形からはずれた信号変化(ノイズ)も区別なく抽出してしまうため、血流による信号変化量の抽出精度が低下してしまうことがある。特に、血流が欠損している箇所においてノイズをひろってしまい、ノイズを血流情報としてとらえてしまう可能性がある。
また、特許文献2に記載の技術では、相互相関係数を計算する場合に、振幅の大きさが正規化されてしまうため、信号変化量の大小関係の把握が困難である。
本発明の課題は、動態画像における被写体の所定の生体機能による信号変化量を精度よく把握できるようにすることである。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明の動態解析装置は、
被写体の所定の生体機能に伴う周期性を持つ動態を放射線撮影することにより得られた動態画像の全体又は部分領域の画素ごと又は小領域ごとに画像信号値の時間変化を示す信号波形を取得する信号波形取得手段と、
前記信号波形の理想的な形状を有する波形を基準信号波形として取得する基準信号波形取得手段と、
前記信号波形と前記基準信号波形に畳み込み処理を行って、前記基準信号波形と相関のある形状の前記信号波形の信号変化量を算出する畳み込み処理手段と、
を備える。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、
前記動態画像は、胸部動態画像であり、
前記周期性を持つ動態は、換気による動態である。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、
前記理想的な形状を有する波形は、前記動態画像における横隔膜の動きを表す波形、前記動態画像における肺野面積の時間変化を示す波形、前記動態画像において横隔膜の境界が常に含まれるように設定された関心領域の画像信号値の時間変化を示す波形、前記動態画像の撮影時に呼吸計測器により取得された波形のいずれかである。
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、
前記周期性を持つ動態は、血流による動態である。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、
前記理想的な形状を有する波形は、前記動態画像における心臓の面積の時間変化を示す波形、前記動態画像における心壁の動きを表す波形、前記動態画像の心臓領域に設定された関心領域の画像信号値の時間変化を示す波形、前記動態画像の大動脈弓に設定された関心領域の画像信号値の時間変化を示す波形、前記動態画像の撮影時に心拍計測器又は心電計測器により取得された波形のいずれかである。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の発明において、
前記畳み込み処理は、積和演算であるか、又は、フーリエ変換、コサイン変換もしくはウェーブレット変換の規定波形を前記基準信号波形とした演算である。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか一項に記載の発明において、
前記畳み込み処理手段は、前記信号波形に対して前記基準信号波形を一定時間間隔でずらしながら前記信号波形と前記基準信号波形の畳み込み処理を行うことにより得られた畳み込み値を前記基準信号波形と相関のある形状の前記信号波形の信号変化量として算出する。
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれか一項に記載の発明において、
前記畳み込み処理手段は、前記信号波形に対して前記基準信号波形を一定時間間隔でずらしながら前記信号波形と前記基準信号波形の畳み込み処理を行うことにより複数の畳み込み値を算出し、算出した前記畳み込み値のそれぞれと、当該畳み込み値と隣接する前記畳み込み値又は前記複数の畳み込み値のうち基準となる畳み込み値との差分値を算出して当該差分値を前記基準信号波形と相関のある形状の前記信号波形の信号変化量として算出する。
請求項9に記載の発明は、請求項1〜8のいずれか一項に記載の発明において、
前記畳み込み処理前に前記基準信号波形及び/又は前記信号波形を変形する変形手段を備える。
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の発明において、
前記変形手段は、前記基準信号波形の振幅の拡大又は縮小、前記基準信号波形及び/又は前記信号波形の1周期における波形の長さの拡大又は縮小、前記基準信号波形及び/又は前記信号波形の画像信号値方向への平行移動のいずれか一つ以上を行う。
請求項11に記載の発明は、請求項9又は10に記載の発明において、
前記変形手段は、前記変形の変形量を前記動態画像における位置又は前記動態画像上の所望の位置からの距離に応じて変化させる。
請求項12に記載の発明は、請求項1〜11のいずれか一項に記載の発明において、
前記動態画像内を複数の領域に分割し、前記分割された領域ごとに前記信号変化量の代表値を算出する領域代表値算出手段を備える。
請求項13に記載の発明は、請求項1〜12のいずれか一項に記載の発明において、
前記画素ごと又は前記小領域ごとに前記算出された信号変化量に応じた色を付した画像を表示する表示手段を備える。
請求項14に記載の発明の動態解析装置は、
被写体の所定の生体機能に伴う周期性を持つ動態を放射線撮影することにより得られた動態画像の全体又は部分領域の画素ごと又は小領域ごとに画像信号値の時間変化を示す信号波形を取得する信号波形取得手段と、
前記信号波形の理想的な形状を有する波形を基準信号波形として取得する基準信号波形取得手段と、
前記信号波形と前記基準信号波形に畳み込み処理を行って、前記基準信号波形と相関のある形状の前記信号波形の信号変化量を算出する畳み込み処理手段と、
前記動態画像内を複数の領域に分割し、前記分割された領域ごとに前記信号変化量の代表値を算出する領域代表値算出手段と、
を備える。
請求項15に記載の発明の動態解析装置は、
被写体の所定の生体機能に伴う周期性を持つ動態を放射線撮影することにより得られた動態画像の全体又は部分領域の画素ごと又は小領域ごとに画像信号値の時間変化を示す信号波形を取得する信号波形取得手段と、
前記信号波形の理想的な形状を有する波形を基準信号波形として取得する基準信号波形取得手段と、
前記信号波形と前記基準信号波形に畳み込み処理を行って、前記基準信号波形と相関のある形状の前記信号波形の信号変化量を算出する畳み込み処理手段と、
前記画素ごと又は前記小領域ごとに前記算出された信号変化量に応じた色を付した画像を表示する表示手段と、
を備える。
請求項16に記載の発明の動態解析装置は、
被写体の所定の生体機能に伴う周期性を持つ動態を放射線撮影することにより得られた動態画像の全体又は部分領域の画素ごと又は小領域ごとに画像信号値の時間変化を示す信号波形を取得する信号波形取得手段と、
前記信号波形の理想的な形状を有する波形を基準信号波形として取得する基準信号波形取得手段と、
前記基準信号波形と相関のある形状の前記信号波形の信号変化量を出力する出力手段と、
を備える。
請求項17に記載の発明のプログラムは、
コンピューターを、
被写体の所定の生体機能に伴う周期性を持つ動態を放射線撮影することにより得られた動態画像の全体又は部分領域の画素ごと又は小領域ごとに画像信号値の時間変化を示す信号波形を取得する信号波形取得手段、
前記信号波形の理想的な形状を有する波形を基準信号波形として取得する基準信号波形取得手段、
前記信号波形と前記基準信号波形に畳み込み処理を行って、前記基準信号波形と相関のある形状の前記信号波形の信号変化量を算出する畳み込み処理手段、
として機能させる。
本発明によれば、動態画像における被写体の所定の生体機能による信号変化量を精度よく把握することが可能となる。
本発明の実施形態における動態解析システムの全体構成を示す図である。 図1の撮影用コンソールの制御部により実行される撮影制御処理を示すフローチャートである。 図1の診断用コンソールの制御部により実行される動態解析処理を示すフローチャートである。 解析対象の機能が血流である場合の基準信号波形の取得方法を説明するための図である。 解析対象の機能が換気である場合の基準信号波形の取得方法を説明するための図である。 ステップS14の畳み込み処理を説明するための図である。 (a)は、周期及び位相が一致した2つの波形を示す図であり、(b)は、周期が一致しない2つの波形を示す図である。 振幅値の拡大/縮小を模式的に示す図である。 1周期における波形の長さの拡大/縮小を模式的に示す図である。 肺門からの距離による画像信号波形の差異を模式的に示す図である。 信号波形の信号値方向の平行移動を模式的に示す図である。 トレンドの除去を説明するための図である。 各画素に畳み込み値に応じた色を付した画像の表示例を示す図である。 肺野領域の各分割領域について算出した畳み込み値の代表値の表示例を示す図である。 従来技術のフレーム間差分処理と本実施形態の畳み込み処理による血流解析の処理結果を比較して示す図である。 従来技術の相互相関処理と本実施形態の畳み込み処理による血流解析の処理結果を比較して示す図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
〔動態解析システム100の構成〕
まず、構成を説明する。
図1に、本実施形態における動態解析システム100の全体構成を示す。
図1に示すように、動態解析システム100は、撮影装置1と、撮影用コンソール2とが通信ケーブル等により接続され、撮影用コンソール2と、診断用コンソール3とがLAN(Local Area Network)等の通信ネットワークNTを介して接続されて構成されている。動態解析システム100を構成する各装置は、DICOM(Digital Image and Communications in Medicine)規格に準じており、各装置間の通信は、DICOMに則って行われる。
〔撮影装置1の構成〕
撮影装置1は、例えば、被写体の所定の生体機能(例えば、換気機能や血流機能等)に伴う周期性(サイクル)を持つ動態(例えば、肺野の密度変化や血流)を撮影する撮影手段である。動態撮影とは、被写体に対し、X線等の放射線をパルス状にして所定時間間隔で繰り返し照射するか(パルス照射)、もしくは、低線量率にして途切れなく継続して照射する(連続照射)ことで、動態を示す複数の画像を取得することをいう。動態撮影により得られた一連の画像を動態画像と呼ぶ。また、動態画像を構成する複数の画像のそれぞれをフレーム画像と呼ぶ。なお、以下の実施形態では、パルス照射により胸部の動態撮影を行う場合を例にとり説明する。
放射線源11は、被写体Mを挟んで放射線検出部13と対向する位置に配置され、放射線照射制御装置12の制御に従って、被写体Mに対し放射線(X線)を照射する。
放射線照射制御装置12は、撮影用コンソール2に接続されており、撮影用コンソール2から入力された放射線照射条件に基づいて放射線源11を制御して放射線撮影を行う。撮影用コンソール2から入力される放射線照射条件は、例えば、パルスレート、パルス幅、パルス間隔、1撮影あたりの撮影フレーム数、X線管電流の値、X線管電圧の値、付加フィルター種等である。パルスレートは、1秒あたりの放射線照射回数であり、後述するフレームレートと一致している。パルス幅は、放射線照射1回当たりの放射線照射時間である。パルス間隔は、1回の放射線照射開始から次の放射線照射開始までの時間であり、後述するフレーム間隔と一致している。
放射線検出部13は、FPD等の半導体イメージセンサーにより構成される。FPDは、例えば、ガラス基板等を有しており、基板上の所定位置に、放射線源11から照射されて少なくとも被写体Mを透過した放射線をその強度に応じて検出し、検出した放射線を電気信号に変換して蓄積する複数の検出素子(画素)がマトリックス状に配列されている。各画素は、例えばTFT(Thin Film Transistor)等のスイッチング部を備えて構成されている。FPDにはX線をシンチレーターを介して光電変換素子により電気信号に変換する間接変換型、X線を直接的に電気信号に変換する直接変換型があるが、何れを用いてもよい。
放射線検出部13は、被写体Mを挟んで放射線源11と対向するように設けられている。
読取制御装置14は、撮影用コンソール2に接続されている。読取制御装置14は、撮影用コンソール2から入力された画像読取条件に基づいて放射線検出部13の各画素のスイッチング部を制御して、当該各画素に蓄積された電気信号の読み取りをスイッチングしていき、放射線検出部13に蓄積された電気信号を読み取ることにより、画像データを取得する。この画像データがフレーム画像である。そして、読取制御装置14は、取得したフレーム画像を撮影用コンソール2に出力する。画像読取条件は、例えば、フレームレート、フレーム間隔、画素サイズ、画像サイズ(マトリックスサイズ)等である。フレームレートは、1秒あたりに取得するフレーム画像数であり、パルスレートと一致している。フレーム間隔は、1回のフレーム画像の取得動作開始から次のフレーム画像の取得動作開始までの時間であり、パルス間隔と一致している。
ここで、放射線照射制御装置12と読取制御装置14は互いに接続され、互いに同期信号をやりとりして放射線照射動作と画像の読み取りの動作を同調させるようになっている。
〔撮影用コンソール2の構成〕
撮影用コンソール2は、放射線照射条件や画像読取条件を撮影装置1に出力して撮影装置1による放射線撮影及び放射線画像の読み取り動作を制御するとともに、撮影装置1により取得された動態画像を撮影技師等の撮影実施者によるポジショニングの確認や診断に適した画像であるか否かの確認用に表示する。
撮影用コンソール2は、図1に示すように、制御部21、記憶部22、操作部23、表示部24、通信部25を備えて構成され、各部はバス26により接続されている。
制御部21は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)等により構成される。制御部21のCPUは、操作部23の操作に応じて、記憶部22に記憶されているシステムプログラムや各種処理プログラムを読み出してRAM内に展開し、展開されたプログラムに従って後述する撮影制御処理を始めとする各種処理を実行し、撮影用コンソール2各部の動作や、撮影装置1の放射線照射動作及び読み取り動作を集中制御する。
記憶部22は、不揮発性の半導体メモリーやハードディスク等により構成される。記憶部22は、制御部21で実行される各種プログラムやプログラムにより処理の実行に必要なパラメーター、或いは処理結果等のデータを記憶する。例えば、記憶部22は、図2に示す撮影制御処理を実行するためのプログラムを記憶している。また、記憶部22は、撮影部位に対応付けて放射線照射条件及び画像読取条件を記憶している。各種プログラムは、読取可能なプログラムコードの形態で格納され、制御部21は、当該プログラムコードに従った動作を逐次実行する。
操作部23は、カーソルキー、数字入力キー、及び各種機能キー等を備えたキーボードと、マウス等のポインティングデバイスを備えて構成され、キーボードに対するキー操作やマウス操作により入力された指示信号を制御部21に出力する。また、操作部23は、表示部24の表示画面にタッチパネルを備えても良く、この場合、タッチパネルを介して入力された指示信号を制御部21に出力する。
表示部24は、LCD(Liquid Crystal Display)やCRT(Cathode Ray Tube)等のモニターにより構成され、制御部21から入力される表示信号の指示に従って、操作部23からの入力指示やデータ等を表示する。
通信部25は、LANアダプターやモデムやTA(Terminal Adapter)等を備え、通信ネットワークNTに接続された各装置との間のデータ送受信を制御する。
〔診断用コンソール3の構成〕
診断用コンソール3は、撮影用コンソール2から動態画像を取得し、取得した動態画像や動態画像の解析結果を表示して医師の診断を支援するための動態解析装置である。
診断用コンソール3は、図1に示すように、制御部31、記憶部32、操作部33、表示部34、通信部35を備えて構成され、各部はバス36により接続されている。
制御部31は、CPU、RAM等により構成される。制御部31のCPUは、操作部33の操作に応じて、記憶部32に記憶されているシステムプログラムや、各種処理プログラムを読み出してRAM内に展開し、展開されたプログラムに従って、後述する動態解析処理を始めとする各種処理を実行し、診断用コンソール3各部の動作を集中制御する。制御部31は、信号波形取得手段、基準信号波形取得手段、畳み込み処理手段、変形手段、領域代表値算出手段として機能する。
記憶部32は、不揮発性の半導体メモリーやハードディスク等により構成される。記憶部32は、制御部31で動態解析処理を実行するためのプログラムを始めとする各種プログラムやプログラムにより処理の実行に必要なパラメーター、或いは処理結果等のデータを記憶する。これらの各種プログラムは、読取可能なプログラムコードの形態で格納され、制御部31は、当該プログラムコードに従った動作を逐次実行する。
また、記憶部32は、撮影用コンソール2から取得された動態画像及び当該画像の解析結果を患者情報及び検査情報に対応付けて記憶する。
操作部33は、カーソルキー、数字入力キー、及び各種機能キー等を備えたキーボードと、マウス等のポインティングデバイスを備えて構成され、キーボードに対するキー操作やマウス操作により入力された指示信号を制御部31に出力する。また、操作部33は、表示部34の表示画面にタッチパネルを備えても良く、この場合、タッチパネルを介して入力された指示信号を制御部31に出力する。
表示部34は、LCDやCRT等のモニターにより構成され、制御部31から入力される表示信号の指示に従って、各種表示を行う。
通信部35は、LANアダプターやモデムやTA等を備え、通信ネットワークNTに接続された各装置との間のデータ送受信を制御する。
〔動態解析システム100の動作〕
次に、上記動態解析システム100における動作について説明する。
(撮影装置1、撮影用コンソール2の動作)
まず、撮影装置1、撮影用コンソール2による撮影動作について説明する。
図2に、撮影用コンソール2の制御部21において実行される撮影制御処理を示す。撮影制御処理は、制御部21と記憶部22に記憶されているプログラムとの協働により実行される。
まず、撮影実施者により撮影用コンソール2の操作部23が操作され、被検者(被写体M)の患者情報(患者の氏名、身長、体重、年齢、性別等)、検査情報(例えば、撮影部位(ここでは、胸部)、解析する機能の種類(血流、換気)等)の入力が行われる(ステップS1)。
次いで、放射線照射条件が記憶部22から読み出されて放射線照射制御装置12に設定されるとともに、画像読取条件が記憶部22から読み出されて読取制御装置14に設定される(ステップS2)。
次いで、操作部23の操作による放射線照射の指示が待機される(ステップS3)。ここで、撮影実施者は、被写体Mを放射線源11と放射線検出部13の間に配置してポジショニングを行う。また、呼吸状態(息止め、安静呼吸等)を指示する。撮影準備が整った時点で、操作部23を操作して放射線照射指示を入力する。
操作部23により放射線照射指示が入力されると(ステップS3;YES)、放射線照射制御装置12及び読取制御装置14に撮影開始指示が出力され、動態撮影が開始される(ステップS4)。即ち、放射線照射制御装置12に設定されたパルス間隔で放射線源11により放射線が照射され、放射線検出部13によりフレーム画像が取得される。
予め定められたフレーム数の撮影が終了すると、制御部21により放射線照射制御装置12及び読取制御装置14に撮影終了の指示が出力され、撮影動作が停止される。撮影されるフレーム数は、少なくとも1呼吸サイクルが撮影できる枚数である。
撮影により取得されたフレーム画像は順次撮影用コンソール2に入力され、撮影順を示す番号(フレーム番号)と対応付けて記憶部22に記憶されるとともに(ステップS5)、表示部24に表示される(ステップS6)。撮影実施者は、表示された動態画像によりポジショニング等を確認し、撮影により診断に適した画像が取得された(撮影OK)か、再撮影が必要(撮影NG)か、を判断する。そして、操作部23を操作して、判断結果を入力する。
操作部23の所定の操作により撮影OKを示す判断結果が入力されると(ステップS7;YES)、動態撮影で取得された一連のフレーム画像のそれぞれに、動態画像を識別するための識別IDや、患者情報、検査情報、放射線照射条件、画像読取条件、撮影順を示す番号(フレーム番号)等の情報が付帯され(例えば、DICOM形式で画像データのヘッダ領域に書き込まれ)、通信部25を介して診断用コンソール3に送信される(ステップS8)。そして、本処理は終了する。一方、操作部23の所定の操作により撮影NGを示す判断結果が入力されると(ステップS7;NO)、記憶部22に記憶された一連のフレーム画像が削除され(ステップS9)、本処理は終了する。この場合、再撮影が必要となる。
(診断用コンソール3の動作)
次に、診断用コンソール3における動作について説明する。
診断用コンソール3においては、通信部35を介して撮影用コンソール2から動態画像の一連のフレーム画像が受信されると、制御部31と記憶部32に記憶されているプログラムとの協働により図3に示す動態解析処理が実行される。
以下、図3を参照して動態解析処理の流れについて説明する。
まず、動態画像の画素ごとに、画像信号値(以下、信号値という)の時間変化を示す信号波形(以下、画像信号波形という)が取得される(ステップS11)。
画像信号波形は、例えば、横軸を動態画像の撮影開始からの経過時間(フレーム番号)、縦軸を信号値とした座標空間上に各フレーム画像のその画素の信号値をプロットすることにより取得することができる。
次いで、取得された画像信号波形に、時間方向のフィルタリング処理が行われる(ステップS12)。
例えば、解析対象の機能が血流である場合、取得された画像信号波形に対して時間方向のハイパスフィルター(HPF)処理(例えば、カットオフ周波数0.8Hz)が施される。これにより、画像信号波形から呼吸等による低周波成分を除去し、血流による高周波の時間周波数成分の波形を抽出することができる。なお、動態画像が息止め状態で撮影された場合については、ステップS12の処理は不要である。
一方、解析対象の機能が換気である場合、動態画像の画素ごとに、取得された画像信号波形に対して時間方向のローパスフィルター(LPF)処理(例えば、カットオフ周波数0.85Hz)が施される。これにより、画像信号波形から血流等による高周波成分を除去し、換気による低周波の時間周波数成分を抽出することができる。
次いで、基準信号波形が取得される(ステップS13)。
基準信号波形は、画像信号波形の理想的な形状を有する波形である。
解析対象の機能が血流である場合、例えば、心拍の波形を表す以下の(1)〜(4)の波形の少なくとも1周期分以上を基準信号波形として取得することができる。
(1)心臓領域に設定されたROI(関心領域)の信号値の時間変化を示す波形
心臓領域のROIの信号値の時間変化を示す波形は、例えば、上記動態画像の各フレーム画像について、図4(a)に示すように、心臓領域を抽出して心臓領域上にROI41を設定し、設定したROI41の信号値(代表値。例えば、平均値や中央値等)を算出し、横軸を動態画像の撮影開始からの経過時間(フレーム番号)、縦軸を信号値とした座標空間上に各フレーム画像のROI41の信号値をプロットすることにより取得することができる。
各フレーム画像からの心臓領域の輪郭の抽出は、例えば、特許第2796381号公報に記載の心臓輪郭決定方法等の公知の手法を用いて行うことができる。
なお、心臓領域の代わりに、大動脈弓に設定されたROIの信号値の時間変化を示す波形を基準信号波形としてもよい。
(2)心臓領域の面積の時間変化を示す波形
心臓領域の面積の時間変化を示す波形は、例えば、各フレーム画像について、図4(b)に示すように、動態画像の心臓領域42の面積を算出し、横軸を動態画像の撮影開始からの経過時間(フレーム番号)、縦軸を面積とした座標空間上に各フレーム画像から算出した心臓領域42の面積をプロットすることにより取得することができる。
(3)心壁の位置の時間変化(心壁の動き)を示す波形
心壁の位置の時間変化を示す波形は、例えば、各フレーム画像について、図4(c)に示すように、心壁に基準点43(例えば、心臓領域の下から1/3の高さの水平線と左心室の心臓輪郭との交点を基準点とする)を設定し、横軸を動態画像の撮影開始からの経過時間(フレーム番号)、縦軸を位置とした座標空間上に各フレーム画像から算出した基準点43のx座標をプロットすることにより取得することができる。
(4)心電計測器又は心拍計測器より得られた心電/心拍信号波形
動態撮影によりフレーム画像が取得されている間に同時に心電計測器又は心拍計測器により取得された信号波形である。
心電計測器としては、例えば、心電計(肺野に重ならないように腕等から計測できるもの)を用いることができる。心拍計測器としては、例えば、心拍計測バンド、心拍音計測器等を用いることができる。
一方、解析対象の機能が換気である場合、例えば、呼吸運動の波形を表す以下の(1)〜(4)の波形の少なくとも1周期分以上を基準信号波形として取得することができる。
(1)肺野領域の面積の時間変化を示す波形
肺野領域の面積の時間変化を示す波形は、例えば、各フレーム画像について、図5(a)に示すように、動態画像の肺野領域51の面積を算出し、横軸を動態画像の撮影開始からの経過時間(フレーム番号)、縦軸を面積とした座標空間上に各フレーム画像から算出した肺野領域51の面積をプロットすることにより取得することができる。
各フレーム画像からの肺野領域の抽出は、例えば、以下の手法により行うことができる。
まず、各画素の信号値のヒストグラムから判別分析によって閾値を求め、この閾値より高信号の領域を肺野領域候補として1次抽出する。次いで、1次抽出された肺野領域候補の境界付近でエッジ検出を行い、境界付近の小領域でエッジが最大となる点を境界に沿って抽出すれば肺野領域の境界を抽出することができる。
(2)横隔膜の位置の時間変化(横隔膜の動き)を示す波形
横隔膜の位置の時間変化を示す波形は、例えば、各フレーム画像について、図5(b)に示すように、横隔膜に基準点52を設定し、横軸を動態画像の撮影開始からの経過時間(フレーム番号)、縦軸を位置とした座標空間上に各フレーム画像に設定した基準点52のy座標をプロットすることにより取得することができる。
基準点52は、例えば、肺野領域の下側のエッジ部分を横隔膜境界部として抽出し、横隔膜境界部の或るx座標の位置とする。
(3)横隔膜を含むROIの信号値の時間変化を示す波形
心臓領域のROIの信号値の時間変化を示す波形は、例えば、各フレーム画像について、図5(c)に示すように、肺野領域の横隔膜境界部を含むROI53を設定し、設定したROI53の信号値(代表値。例えば、平均値や中央値等)を算出し、横軸を動態画像の撮影開始からの経過時間(フレーム番号)、縦軸を信号値とした座標空間上に各フレーム画像のROI53の信号値をプロットすることにより取得することができる。なお、ROI53を設定する際には、横隔膜が動いても常に横隔膜の境界がROI53に含まれるように設定する。
(4)呼吸計測器より得られた呼吸信号波形
動態撮影によりフレーム画像が取得されている間に同時に呼吸計測センサーにより取得された信号波形である。
呼吸計測器としては、例えば、スパイロメーター、呼吸モニターベルト、腹部の動きを撮影するカメラ、呼吸音計測器、呼吸センサー等を用いることができる。
次いで、画像信号波形に対して基準信号波形を一定時間間隔でずらしながら、基準信号波形と画像信号波形の畳み込み処理が実施される(ステップS14)。
例えば、図6に示すように、画像信号波形に対して基準信号波形を一定時間間隔でずらしながら、基準信号波形と画像信号波形が重なっている範囲で畳み込み処理が実施され、M個(Mは畳み込み回数)の畳み込み値(Conv1〜ConvM)が算出される。
畳み込み処理としては、例えば、積和演算や、フーリエ変換、コサイン変換、又はウェーブレット変換の規定波形を基準信号波形に置き換えた演算を使用することができる。
以下にそれぞれの演算式例を示す。ただし、f(x):画像信号波形、g(x):基準信号波形(x=0,1,2,3,・・・,N-1)とする。
(1)積和演算
Figure 2021132994
(2)離散フーリエ変換
離散フーリエ変換は、以下の(式2)で表される。
Figure 2021132994
ステップS14では、(式2)の規定波形cos(2πux/N)を基準信号波形g(x)に置き換え、sin(2πux/N)をg'(x)(g'(x)はg(x)の直交波形)を置換えた式を用いる。また、fr(x)は実数部、fi(x)は虚数部であり、画像信号波形は実数部だけで虚数部がないため、fr(x)=f(x)、fi(x)=0である。すなわち、ステップS14における離散フーリエ変換を用いた場合の畳み込み処理の演算式は、以下の(式3)となる。
Figure 2021132994
(3)離散コサイン変換
離散コサイン変換は、以下の(式4)で表される。
Figure 2021132994
ここで、C(u)=1/sqrt(2)(u=0)、C(u)=1(u≠0)である。ステップS14では、(式4)の規定波形cos(π(2x+1)u/(2N))をg(x)に置き換えた式を用いる。すなわち、ステップS14における離散フーリエ変換を用いた場合の畳み込み処理の演算式は、以下の(式5)となる。
Figure 2021132994
(4)離散ウェーブレット変換
離散ウェーブレット変換は、以下の(式6)で表される。
Figure 2021132994
ステップS14では、(式6)の規定波形ψ(2jx−k)をg(x)に置き換えた式を用いる。すなわち、ステップS14における離散ウェーブレット変換を用いた場合の畳み込み処理の演算式は、以下の(式7)となる。
Figure 2021132994
上述の畳み込み処理では、基準信号波形と画像信号波形の同じ点(x)同士の掛け算をしたものを足す演算が行われている。ここで、例えば、図7(a)に示すように周期及び位相が一致した2つの波形においては、一方の波形の或る点(x)の値が正であれば他方の波形の同じ点(x)の値も正であるため、両者の掛け算は正となり、一方の波形の或る点(x)の値が負であれば他方の波形の同じ点(x)の値も負であるため、両者の掛け算は正となる。すなわち、形状に相関のある2つの波形に畳み込み処理を行うと、その演算結果(畳み込み値)は正となり、波形の振幅(信号変化量)が大きいほど値が大きくなり、波形の振幅(信号変化量)が小さいほど値が小さくなる。一方、図7(b)に示すように、周期又は位相が一致しない2つの波形においては、一方の波形の或る点(x)の値が正で他方の波形の同じ点(x)の値が負の区間(掛け算をすると負となる区間)と、双方の値が正又は負の区間(掛け算をすると正となる区間)が表れる。すなわち、相関のない2つの波形に畳み込み処理を行うと、2つの波形の一致の度合いが低いほど演算結果は0に近くなる。
このように、基準信号波形と画像信号波形の畳み込み処理を行うことにより、基準信号波形と形状が相関する画像信号波形のみの信号変化量を得ることができる。例えば、解析対象が換気である場合、各画素に含まれる画像信号波形のうち、基準信号波形としての呼吸運動の波形と相関のある画像信号波形(すなわち、換気による信号値の変化を表す画像信号波形)の、ノイズを含まない信号変化量をユーザーが把握することが可能となる。また、基準信号波形としての心拍信号の波形と相関のある画像信号波形(すなわち、血流による信号値の変化を表す画像信号波形)の、ノイズを含まない信号変化量をユーザーが把握することが可能となる。
ここで、解析精度向上のため、ステップS14で畳み込み処理を実施する前に、基準信号波形又は画像信号波形を変形することとしてもよい。
例えば、図8に示すように、基準信号波形の振幅を拡大又は縮小して、基準信号波形を正規化してもよい。基準信号波形を正規化することによって、純粋に画像信号波形の振幅に依存した畳み込み値を算出することが可能となり、他の動態画像から算出された畳み込み値との数値比較が可能となる。
また、例えば、図9に示すように、基準信号波形又は画像信号波形の1周期の波形の長さを拡大又は縮小してもよい。画像信号波形が基準信号波形に対して臨床的な影響により波形が長くなるか又は短くなることが想定されるため、その影響を考慮し、基準信号波形又は画像信号波形の1周期の波形の長さを拡大又は縮小して、両者の周期を合わせることとで、解析精度が向上できる。また、拡大/縮小率を動態画像内の位置又は所望の位置(基準)からの距離に応じて可変としてもよい。例えば、図10に示すように、肺門から離れる程血流が遅くなる(血流信号波形が間延びする=時間方向に拡大する)と臨床的に想定される。そこで、解析対象の機能が血流である場合、肺門からの距離が遠くなる画素ほど基準信号波形の時間方向の拡大率を高めるようにしてもよい。これにより、解析精度をより向上させることができる。
また、例えば、図11に示すように、基準信号波形及び/又は画像信号波形を信号値方向に平行移動させることにより、解析精度を向上させることとしてもよい。
基準信号波形及び/又は画像信号波形を変形する場合、変形前に、離散的に得られたこれらの波形の点群から近似曲線を作成することが好ましい。近似曲線の数式を持つことで、変形後の信号波形の作成精度が向上するため、結果的に解析精度を向上させることができる。
近似曲線の作成には、多項式近似、B-スプライン曲線、ベジェ曲線、ガウシアンフィッティングなどを使用することができる。
一例として、多項式近似を用いた場合の近似曲線の作成について、n次の曲線を用いて近似する場合を例として説明する。
近似曲線式: y = a1×xn + a2×xn−1 ・・・ an×x + an+1 ・・・(式8)
とおく。
ここで、x:画像信号波形の横軸の値、y:画像信号波形の縦軸の値、ai:近似多項式の係数で求めたい未知の値(i=1〜n+1)、である。
下記の最小二乗法を用いて、下記の(式9)により未知数aiの値を決定する。
Ax=B ・・・(式9)
ここで、A:xi jを集めた行列、x:未知数aiを集めた行列、B:yjを集めた行列、j=1〜少なくともn+1以上である。
また、例えば、息止めで撮影した場合等には、次第に苦しくなって換気が行われ、その信号のトレンドが画像信号波形に加わってしまう場合がある。そこで、畳み込みを行う前に、画像信号波形のトレンドを推定して除去しておくこととしてもよい。
例えば、図12に示すように、最小二乗法を用いることで画像信号波形のトレンドの式を推定し、画像信号波形の各点の値から各点のトレンドによる変化量(先頭の値からの変化量)を引くことで、トレンドを除去することができる。
畳み込み処理が終了すると、畳み込み処理結果が出力され(ステップS15)、動態解析処理は終了する。
ステップS15においては、例えば、各画素のConv1の値からなるフレーム画像、各画素のConv2の値からなるフレーム画像・・・各画素のConvMの値からなるフレーム画像が作成され、作成された複数のフレーム画像からなる動画像が出力される。例えば、図13に示すように、各フレーム画像の各画素に、畳み込み値に応じた色を付けて、並べて又は順次表示部34に表示される。このように、各画素に畳み込み値に応じた色を付けて表示することで、ユーザーが被写体Mの胸部における基準信号波形と相関のある形状の画像信号波形の存在する位置やその信号変化量を把握することが可能となる。例えば、解析対象の機能が血流である場合には、血流の存在する位置や各位置の血流による信号変化量を把握することができる。解析対象の種類が換気である場合には、換気による肺の密度の変化の存在する位置や各位置の換気による信号変化量を把握することができる。なお、通信部35を介して他の端末等に上述の動画像の画像データを送信してもよい。
または、ステップS15においては、各画素の畳み込み値(Conv1〜ConvM)の代表値(Rep(Conv))が算出され、各画素の畳み込み値の代表値からなる1枚の静止画像が作成され、図13に示すように、静止画像の各画素に、畳み込み値に応じた色を付けて表示部34に表示される。代表値(Rep(Conv))としては、例えば、各畳み込み値の平均値、積算値、最大値、中央値、最小値、最頻値等が挙げられる。これにより、ユーザーが基準信号波形と相関のある形状の画像信号波形の存在する位置やその信号変化量を把握することが可能となる。例えば、解析対象の機能が血流である場合には、血流の存在する位置や各位置の血流による信号変化量を把握することができる。解析対象の種類が換気である場合には、換気による肺の密度の変化の存在する位置や各位置の換気による信号変化量を把握することができる。なお、通信部35を介して他の端末等に上述の静止画像の画像データを送信してもよい。
または、ステップS15においては、例えば、図14に示すように、動態画像の、例えば代表フレーム画像の肺野領域を分割し、分割された領域ごとに、その領域内の画素の畳み込み値(時間方向の代表値(Rep(Conv)))の代表値(例えば、平均値)を算出し、算出結果を各分割領域に表示してもよい。ここで、図14のA〜Fは、畳み込み値の代表値を表す。このように、動態画像内の分割領域ごとの畳み込み値の代表値を表示することにより、基準信号波形と相関を有する形状の信号波形の信号変化量の分布を定量的に表示することが可能となる。例えば、解析対象の機能が血流である場合、血流による信号変化量の分布を定量的に表示することができる。また、解析対象の機能が換気である場合、換気による信号変化量の分布を定量的に表示することができる。なお、通信部35を介して他の端末等に各分割領域の畳み込み値の代表値を送信してもよい。
図15は、従来技術(フレーム間差分処理)と本実施形態の畳み込み処理による血流解析の処理結果を比較した図である。図15においては、処理の結果得られた画像の各画素に、処理結果の値に応じた色を付している。図15において〇で囲んだ領域は、血流欠損部である。
図15に示すように、畳み込み処理の処理結果では、フレーム間差分処理の処理結果に比べて、血流欠損部の抜けがより顕著に表現されていることがわかる。すなわち、基準信号波形と相関のない形状の波形(ノイズ)の影響が低減されていることがわかる。
図16は、従来技術(相互相関処理)と本実施形態の畳み込み処理による血流解析の処理結果を比較した図である。図16においては、処理の結果得られた画像の各画素に、処理結果の値に応じた色を付している。
図16に示すように、相互相関処理では、相関係数がほぼ2値化に近い結果として得られるため、信号変化量の大小関係が把握しづらいが(例えば、〇で囲んだ領域)、畳み込み処理の処理結果では、信号変化量の大小関係が捉えられていることがわかる。
なお、上記説明では、画像信号波形に対して基準信号波形を一定時間間隔でずらしながら、画像信号波形と基準信号波形の畳み込み処理を行うことにより得られた畳み込み値を、基準信号波形と相関のある形状の画像信号波形の信号変化量を表す値として出力したが、畳み込み値の代わりに、算出した畳み込み値のそれぞれと、当該畳み込み値と時間的に隣接する畳み込み値又は算出した複数の畳み込み値のうち基準となる畳み込み値との差分値を算出して当該差分値を基準信号波形と相関のある形状の画像信号波形の信号変化量としてを表す値として出力してもよい。差分処理を行うことにより画素ごとに算出された畳み込み値の大小関係が強調されることが想定され、これにより、例えば血流解析では、血流量の分布(=血流量の大小関係)が強調され、結果的に血流欠損部の検出性が向上されると考えられる。
以上説明したように、動態解析システム100の診断用コンソール3の制御部31によれば、被写体の周期性を持つ動態を放射線撮影することにより得られた動態画像の画素ごとに画像信号値の時間変化を示す信号波形を取得し、取得した信号波形の理想的な形状を有する波形を基準信号波形として取得して、信号波形と基準信号波形に畳み込み処理を行うことにより、基準信号波形と相関のある形状の信号波形の信号変化量を算出する。
したがって、動態画像における被写体の所定の生体機能による信号変化量を精度よく把握することが可能となる。
なお、本実施形態における記述は、本発明に係る好適な動態解析システムの一例であり、これに限定されるものではない。
例えば、上記実施形態においては、画素ごとに畳み込み値や畳み込み値の差分値を算出して出力することとしたが、動態画像の各フレーム画像を複数画素からなる小領域に分割して小領域内の複数画素の信号値の代表値(平均値や中央値)をその小領域内の信号値として、小領域ごとに画像信号波形を取得して、基準信号波形との畳み込み値や畳み込み値の差分値を算出して出力することとしてもよい。
また、上記実施形態では、動態画像全体の画素ごと(又は小領域ごと)に畳み込み値(又は畳み込み値の差分値)を算出することとして説明したが、動態画像の一部領域(例えば、胸部動態画像であれば肺野領域等)から画素ごと又は小領域ごとに画像信号波形を取得して、基準信号波形との畳み込み値や畳み込み値の差分値を算出することとしてもよい。
また、上記実施形態では、撮影部位を胸部とした例について説明したが、撮影部位は胸部に限定されない。例えば、他の部位(例えば、手、足等)を撮影した動態画像に上述の動態解析処理の血流の解析を行い、撮影部位の血流の信号変化量を出力することとしてもよい。
また、例えば、上記の説明では、本発明に係るプログラムのコンピューター読み取り可能な媒体としてハードディスクや半導体の不揮発性メモリー等を使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピューター読み取り可能な媒体として、CD-ROM等の可搬型記録媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウエーブ(搬送波)も適用される。
その他、動態解析システム100を構成する各装置の細部構成及び細部動作に関しても、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
100 動態解析システム
1 撮影装置
11 放射線源
12 放射線照射制御装置
13 放射線検出部
14 読取制御装置
2 撮影用コンソール
21 制御部
22 記憶部
23 操作部
24 表示部
25 通信部
26 バス
3 診断用コンソール
31 制御部
32 記憶部
33 操作部
34 表示部
35 通信部
36 バス

Claims (17)

  1. 被写体の所定の生体機能に伴う周期性を持つ動態を放射線撮影することにより得られた動態画像の全体又は部分領域の画素ごと又は小領域ごとに画像信号値の時間変化を示す信号波形を取得する信号波形取得手段と、
    前記信号波形の理想的な形状を有する波形を基準信号波形として取得する基準信号波形取得手段と、
    前記信号波形と前記基準信号波形に畳み込み処理を行って、前記基準信号波形と相関のある形状の前記信号波形の信号変化量を算出する畳み込み処理手段と、
    を備える動態解析装置。
  2. 前記動態画像は、胸部動態画像であり、
    前記所定の生体機能は、換気機能である請求項1に記載の動態解析装置。
  3. 前記理想的な形状を有する波形は、前記動態画像における横隔膜の動きを表す波形、前記動態画像における肺野面積の時間変化を示す波形、前記動態画像において横隔膜の境界が常に含まれるように設定された関心領域の画像信号値の時間変化を示す波形、前記動態画像の撮影時に呼吸計測器により取得された波形のいずれかである請求項2に記載の動態解析装置。
  4. 前記所定の生体機能は、血流機能である請求項1に記載の動態解析装置。
  5. 前記理想的な形状を有する波形は、前記動態画像における心臓の面積の時間変化を示す波形、前記動態画像における心壁の動きを表す波形、前記動態画像の心臓領域に設定された関心領域の画像信号値の時間変化を示す波形、前記動態画像の大動脈弓に設定された関心領域の画像信号値の時間変化を示す波形、前記動態画像の撮影時に心拍計測器又は心電計測器により取得された波形のいずれかである請求項4に記載の動態解析装置。
  6. 前記畳み込み処理は、積和演算であるか、又は、フーリエ変換、コサイン変換もしくはウェーブレット変換の規定波形を前記基準信号波形とした演算である請求項1〜5のいずれか一項に記載の動態解析装置。
  7. 前記畳み込み処理手段は、前記信号波形に対して前記基準信号波形を一定時間間隔でずらしながら前記信号波形と前記基準信号波形の畳み込み処理を行うことにより得られた畳み込み値を前記基準信号波形と相関のある形状の前記信号波形の信号変化量として算出する請求項1〜6のいずれか一項に記載の動態解析装置。
  8. 前記畳み込み処理手段は、前記信号波形に対して前記基準信号波形を一定時間間隔でずらしながら前記信号波形と前記基準信号波形の畳み込み処理を行うことにより複数の畳み込み値を算出し、算出した前記畳み込み値のそれぞれと、当該畳み込み値と隣接する前記畳み込み値又は前記複数の畳み込み値のうち基準となる畳み込み値との差分値を算出して当該差分値を前記基準信号波形と相関のある形状の前記信号波形の信号変化量として算出する請求項1〜7のいずれか一項に記載の動態解析装置。
  9. 前記畳み込み処理前に前記基準信号波形及び/又は前記信号波形を変形する変形手段を備える請求項1〜8のいずれか一項に記載の動態解析装置。
  10. 前記変形手段は、前記基準信号波形の振幅の拡大又は縮小、前記基準信号波形及び/又は前記信号波形の1周期における波形の長さの拡大又は縮小、前記基準信号波形及び/又は前記信号波形の画像信号値方向への平行移動のいずれか一つ以上を行う請求項9に記載の動態解析装置。
  11. 前記変形手段は、前記変形の変形量を前記動態画像における位置又は前記動態画像上の所望の位置からの距離に応じて変化させる請求項9又は10に記載の動態解析装置。
  12. 前記動態画像内を複数の領域に分割し、前記分割された領域ごとに前記信号変化量の代表値を算出する領域代表値算出手段を備える請求項1〜11のいずれか一項に記載の動態解析装置。
  13. 前記画素ごと又は前記小領域ごとに前記算出された信号変化量に応じた色を付した画像を表示する表示手段を備える請求項1〜12のいずれか一項に記載の動態解析装置。
  14. 被写体の所定の生体機能に伴う周期性を持つ動態を放射線撮影することにより得られた動態画像の全体又は部分領域の画素ごと又は小領域ごとに画像信号値の時間変化を示す信号波形を取得する信号波形取得手段と、
    前記信号波形の理想的な形状を有する波形を基準信号波形として取得する基準信号波形取得手段と、
    前記信号波形と前記基準信号波形に畳み込み処理を行って、前記基準信号波形と相関のある形状の前記信号波形の信号変化量を算出する畳み込み処理手段と、
    前記動態画像内を複数の領域に分割し、前記分割された領域ごとに前記信号変化量の代表値を算出する領域代表値算出手段と、
    を備える動態解析装置。
  15. 被写体の所定の生体機能に伴う周期性を持つ動態を放射線撮影することにより得られた動態画像の全体又は部分領域の画素ごと又は小領域ごとに画像信号値の時間変化を示す信号波形を取得する信号波形取得手段と、
    前記信号波形の理想的な形状を有する波形を基準信号波形として取得する基準信号波形取得手段と、
    前記信号波形と前記基準信号波形に畳み込み処理を行って、前記基準信号波形と相関のある形状の前記信号波形の信号変化量を算出する畳み込み処理手段と、
    前記画素ごと又は前記小領域ごとに前記算出された信号変化量に応じた色を付した画像を表示する表示手段と、
    を備える動態解析装置。
  16. 被写体の所定の生体機能に伴う周期性を持つ動態を放射線撮影することにより得られた動態画像の全体又は部分領域の画素ごと又は小領域ごとに画像信号値の時間変化を示す信号波形を取得する信号波形取得手段と、
    前記信号波形の理想的な形状を有する波形を基準信号波形として取得する基準信号波形取得手段と、
    前記基準信号波形と相関のある形状の前記信号波形の信号変化量を出力する出力手段と、
    を備える動態解析装置。
  17. コンピューターを、
    被写体の所定の生体機能に伴う周期性を持つ動態を放射線撮影することにより得られた動態画像の全体又は部分領域の画素ごと又は小領域ごとに画像信号値の時間変化を示す信号波形を取得する信号波形取得手段、
    前記信号波形の理想的な形状を有する波形を基準信号波形として取得する基準信号波形取得手段、
    前記信号波形と前記基準信号波形に畳み込み処理を行って、前記基準信号波形と相関のある形状の前記信号波形の信号変化量を算出する畳み込み処理手段、
    として機能させるためのプログラム。
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