JP2021132625A - 食品製造方法、食品製造装置及び温度降下防止方法 - Google Patents

食品製造方法、食品製造装置及び温度降下防止方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2021132625A
JP2021132625A JP2020034071A JP2020034071A JP2021132625A JP 2021132625 A JP2021132625 A JP 2021132625A JP 2020034071 A JP2020034071 A JP 2020034071A JP 2020034071 A JP2020034071 A JP 2020034071A JP 2021132625 A JP2021132625 A JP 2021132625A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
moving portion
cooling
moving
temperature
food
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2020034071A
Other languages
English (en)
Inventor
卓 平山
Suguru HIRAYAMA
卓 平山
竜一 伊藤
Ryuichi Ito
竜一 伊藤
稔 間宮
Minoru Mamiya
稔 間宮
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nichirei Foods Inc
Original Assignee
Nichirei Foods Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nichirei Foods Inc filed Critical Nichirei Foods Inc
Priority to JP2020034071A priority Critical patent/JP2021132625A/ja
Publication of JP2021132625A publication Critical patent/JP2021132625A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Baking, Grill, Roasting (AREA)
  • Seeds, Soups, And Other Foods (AREA)

Abstract

【課題】加熱処理が不十分な食品の生成を防ぎつつ、食材の適切且つ安定的な加熱処理を実現するのに有利な食品製造方法、食品製造装置及び温度降下防止方法を提供する。【解決手段】食品製造方法は、加熱装置12によって無端状の移動部11を加熱しつつ冷却装置13を介して加熱装置12を冷却し、目標加熱温度域に移動部11の温度を調整する工程と、移動部11の温度が目標加熱温度域にある状態で、食材90を移動部11に付与する工程と、を含む。【選択図】図1

Description

本発明は、食品製造方法、食品製造装置及び温度降下防止方法に関する。
回転焼成ドラムを用いてバッター等のペースト状食材を加熱し、薄皮焼成食品を連続的に作り出す装置が知られている。
特許文献1の装置では、紐状体を具備する油塗布装置によって焼成用回転体の外周面に油が塗布される。これにより、油の塗布作業を機械的に行うことができ、回転体の外周面に付着した焦げ滓等を自動的に除去して外部へ排出することができる。
特開平8−332016号公報
焼成ドラムなどの加熱調理具を使って食材を加熱する場合、加熱調理具の運転を開始してから、食材の加熱を所望の状態で安定的に行うことができるようになるまでに、時間を要する。
例えばペースト状食材を焼成する場合、焼成ドラムが理想的な焼成温度に一旦達しても、ペースト状食材の付与により焼成ドラムの温度は理想的な焼成温度から降下し、結果的にペースト状食材の焼成が不十分になってしまうことがある。このような食材付与に伴う焼成ドラムの温度降下は、焼成食品の生産開始時や焼成ドラムの一時停止後の再復帰時などに生じうる。
通常、焼成が不十分な状態でしばらくの間ペースト状食材を焼成ドラムに付与して薄皮食品を作り続けることにより、焼成ドラムの蓄熱状態及び焼成ドラムの加熱コントロールが徐々に安定し、焼成ドラムを加熱する加熱機構は、ペースト状食材の付与に伴う焼成ドラムの温度降下に対して徐々に適応する。その一方で、ペースト状食材の焼成が安定的且つ適切に行われるようになるまでの間、焼成ドラムからは、焼成が不十分な薄皮食品が継続的に排出されることになる。このようにして焼成ドラムから排出される「焼成が不十分な薄皮」は、追加的な加熱処理を受けたり、他の用途に転用されたりすることによって有効活用することも可能ではあるが、現実的には廃棄せざるを得ないこともあり、フードロスにつながる。
なお特許文献1に開示されている装置及び方法は、上述のように、焼成ドラムの加熱機構の適切且つ安定的な稼働の実現とは関係のない課題を解決することを目的として提案されている。また特許文献1は、焼成が不十分な薄皮食品の生成を回避しつつ焼成ドラムの加熱機構をペースト状食材の焼成に適応させることについては教示していない。
本発明は上述の事情に鑑みてなされたものであり、加熱処理が不十分な食品の生成を防ぎつつ、食材の適切且つ安定的な加熱処理を実現するのに有利な技術を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、加熱装置によって無端状の移動部を加熱しつつ冷却装置を介して移動部を冷却し、目標加熱温度域に移動部の温度を調整する工程と、移動部の温度が目標加熱温度域にある状態で、食材を移動部に付与する工程と、を含む食品製造方法に関する。
移動部には、食材付与設定量に応じた食材が付与され、目標加熱温度域に移動部の温度を調整する工程において、移動部は、食材付与設定量に応じた程度で冷却されてもよい。
加熱装置による移動部の加熱が行われている状態で目標加熱温度域に含まれる特定目標加熱温度を有する移動部に対して冷却装置を介した冷却を開始してから、移動部が特定目標加熱温度に戻るまでの時間が、加熱装置による移動部の加熱が行われている状態で特定目標加熱温度を有する移動部に対して食材の付与が開始されてから、移動部が特定目標加熱温度に戻るまでの時間と略等しくなるように、移動部は冷却されてもよい。
移動部は、回転軸線を中心に回転移動してもよい。
本発明の他の態様は、移動部と、移動部を加熱する加熱装置と、水を含む冷却体を移動部に付与して移動部を冷却する冷却装置と、食材を移動部に付与する食材付与装置と、を備える食品製造装置に関する。
本発明の他の態様は、移動部と、移動部を加熱する加熱装置と、移動部を冷却する冷却装置と、食材付与設定量に応じた食材を移動部に付与する食材付与装置と、を備え、冷却装置は、食材付与設定量に応じた程度で移動部を冷却し、加熱装置は、冷却装置が移動部を冷却している状態で移動部を加熱して、目標加熱温度域に移動部の温度を調整し、食材付与装置は、移動部の温度が目標加熱温度域にある状態で、食材を移動部に付与する食品製造装置に関する。
移動部は、回転軸線を中心に回転移動してもよい。
本発明の他の態様は、加熱装置によって無端状の移動部を加熱しつつ冷却装置を介して移動部を冷却し、目標加熱温度域に移動部の温度を調整する工程と、移動部の温度が目標加熱温度域にある状態で、食材を移動部に付与する工程と、を含む、移動部における温度の降下を防止する温度降下防止方法に関する。
本発明によれば、加熱処理が不十分な食品の生成を防ぎつつ、食材の適切且つ安定的な加熱処理を実現するのに有利である。
図1は、食品製造装置の一例の概略を示す図である。 図2は、食品製造装置の制御構成の一例を示すブロック図である。 図3は、食品製造方法の一例を示すフローチャートである。 図4は、移動部に食材を付与した場合(実線参照)及び移動部に冷却体を付与した場合(一点鎖線参照)における、移動部の温度及び時間の関係例を示すグラフである。 図5は、第1変形例に係る冷却装置及び食材付与装置の一例の概略を示す図である。 図6は、第2変形例に係る移動部、加熱装置及び外周カバー材の一例の概略を示す断面図である。 図7は、第2変形例に係る移動部、加熱装置、外周カバー材及び冷却装置の一例の概略を示す側方図である。 図8は、第3変形例に係る移動部、加熱装置及び冷却装置の一例の概略を示す側方図である。
図1は、食品製造装置10の一例の概略を示す図である。図1には、移動部11及び加熱装置12については断面が示されている一方で、冷却装置13、食材付与装置14、食材受取装置15及び温度検出部16等は外観が示されている。
図1に示す食品製造装置10は、流動性を有する液状のバッターから非流動性の薄皮食品を焼成するための装置であり、移動部11、加熱装置12、冷却装置13、食材付与装置14、食材受取装置15及び温度検出部16を備える。以下の説明では、液状のバッターも焼成後の薄皮食品も「食材90」と称する。
移動部11は、食材90を加熱する加熱調理具として構成されている。図示の移動部11は、矢印「Dr」で示す方向に回転可能な加熱ドラムによって構成されており、加熱ドラムの外周面によって構成される無端状の加熱処理面11aを含む。移動部11は、回転軸線Axを中心に継続的に回転移動する。移動部11は、移動部11上に食材90が載せられている状態で移動部11が移動する第1エリアA1と、移動部11上に食材90が載せられていない状態で移動部11が移動する第2エリアA2と、を繰り返し通過する。
加熱装置12は発熱して移動部11を加熱し、移動部11の温度を、食材90の加熱処理に適した目標加熱温度域に調整する。目標加熱温度域は、環境温度(通常は常温(5℃〜35℃))よりも高い温度域であり、食材90に応じて適宜決められる。バッターから薄皮食品を焼成する場合には、例えば100℃以上150℃以下の温度域や110℃以上130℃以下の温度域を、目標加熱温度域としうる。目標加熱温度域には、複数の温度が含まれていてもよいし、特定の温度(すなわち特定目標加熱温度)のみが含まれていてもよい。
図示の加熱装置12は、移動部11の内側に設けられた電気ヒーターにより構成されており、移動部11を内側から加熱する。加熱装置12に用いられる電気ヒーターは限定されず、例えば、オン/オフ制御方式の電気ヒーターや、電力(電圧及び/又は電流)を無段階に制御可能な電気ヒーター(例えば、サイリスタなどの半導体を具備する交流電力調整器)を、加熱装置12に用いることが可能である。なお加熱装置12は、他の加熱手段(例えばIH:誘導加熱)を利用してもよい。
加熱装置12は、図示しない支持体に固定されて移動不能に設けられていてもよいし、移動可能に設けられていてもよく、例えば移動部11と一体的に移動可能に設けられていてもよい。なお加熱装置12の設置位置は図示の例には限定されず、例えば移動部11に埋没されていてもよい。
冷却装置13は移動部11を冷却する。本実施形態の冷却装置13は、水を含む液状の冷却体21を移動部11に付与することで、移動部11を冷却する。図示の冷却装置13は第2エリアA2において移動部11に冷却体21を付与するが、第1エリアA1において移動部11に冷却体21が付与されてもよい。図示の冷却装置13は、第2エリアA2のうち、食材90が移動部11上から離れる食材送出スポットSp2よりも、移動部11に食材90が付与される食材付与スポットSp1に近い領域で、移動部11を冷却する。
図示の冷却装置13は冷却ノズル17を具備し、冷却体21が冷却供給管19を介して冷却ノズル17に供給される。冷却ノズル17は、冷却供給管19を介して供給される冷却体21を移動部11に向けて噴出し、移動部11(特に加熱処理面11a)に付与する。本例では、冷却ノズル17からの冷却体21の噴出量は、冷却供給管19を介して冷却ノズル17に供給される冷却体21の量に応じて変動する。
液状の冷却体21としては、典型的には水(例えば自然水や水道水)を用いることができる。冷却体21として水を用いる場合、水自体の温度に基づく移動部11の冷却に加え、水の気化熱を利用して移動部11を効率的に冷却することが可能である。また水は、安価に入手可能であり、移動部11に対するダメージが非常に小さく、環境に対する影響も非常に小さい。なお、水以外の液体(例えば調理油)が冷却体21として用いられてもよく、添加物を冷却体21は含んでいてもよい。冷却体21の気化熱を利用して移動部11を効率的に冷却する観点からは、冷却装置13から移動部11に付与される冷却体21の少なくとも一部は、移動部11上で気化することが好ましい。したがって冷却体21は、例えば常温常圧下(すなわち5℃〜35℃且つ標準大気圧下)において、目標加熱温度域よりも低い沸点を有することが好ましく、例えば100℃以下の沸点を有していてもよい。
冷却ノズル17への冷却体21の供給量は、冷却供給管19に設けられた冷却レギュレーター18により調整される。例えば、冷却供給管19を介し冷却ノズル17に向けて冷却体21を送り出す冷却ポンプ31を冷却レギュレーター18が具備する場合、冷却ポンプ31は、回転数がコントロールされることによって、冷却ノズル17への冷却体21の送り出し量を調整することができる。また冷却供給管19における冷却体21の流量を調整する冷却調整弁32を冷却レギュレーター18が具備する場合、冷却調整弁32の弁開度をコントロールすることによって、冷却ノズル17に向かう冷却体21の流量を調整することができる。
移動部11に対する冷却体21の付与態様は限定されない。例えば、冷却ノズル17から冷却体21のみを吐出させてもよい。この場合、回転移動している移動部11(特に加熱処理面11a)に対し、冷却ノズル17からあふれさせた冷却体21を接触させることにより、移動部11に対して冷却体21を薄膜状に付与することができる。冷却ノズル17は、移動部11の加熱処理面11aの幅方向(すなわち図1の奥行き方向(回転軸線Axと平行な方向))に並べられる複数のスリット(開口(図示省略))を有するスリットノズルであってもよい。この場合、加熱処理面11aの幅方向の全体にわたって冷却体21を効果的に付与可能であるとともに、冷却体21の使用量を抑えることができる。冷却ノズル17としてスリットノズルを用いる場合、各スリットの開口サイズや開口形状、スリット間の距離、及びスリットの分布態様を変えることによって、移動部11に対する冷却体21の付与態様を変えることができる。
また、いわゆる2流体ノズルを冷却ノズル17に使用し、エアー供給源(図示省略)から冷却ノズル17に供給される圧縮エアーと一緒に冷却体21を冷却ノズル17から噴出させてもよい。この場合、液滴状又はミスト状の冷却体21を冷却ノズル17から移動部11に向けて吐出することができる。液滴状又はミスト状の冷却体21を移動部11に付与する場合、冷却体21が移動部11上で気化しやすいので、移動部11の冷却に冷却体21の気化熱を効果的に利用することができ、また移動部11からの冷却体21の垂れを効果的に防ぐことができる。液滴状又はミスト状の冷却体21の状態(粒形等)は、エアー及び冷却体21の混合比や混合方法を変えることによって調整可能である。
温度検出部16は、移動部11の温度を検出する。図1に示す温度検出部16は、第2エリアA2において、非接触式の温度センサ(例えば赤外線センサ)を使って移動部11の温度を検出する。温度検出部16は、図1に示す例には限定されない。例えば、温度検出部16は、第1エリアA1において移動部11の温度を検出してもよい。また温度検出部16は、移動部11の移動エリア(すなわち第1エリアA1及び第2エリアA2)の複数箇所において移動部11の温度を検出してもよく、例えば移動エリアのうち回転方向Drに関して等角度間隔の複数の箇所において移動部11の温度を検出してもよい。また温度検出部16は、接触式の温度センサを具備し、当該温度センサを移動部11に接触させることによって移動部11の温度を検出してもよい。また温度検出部16は、図1に示すように移動部11の外側から移動部11の温度を検出してもよいし、移動部11の内側から移動部11の温度を検出してもよい。なお温度検出部16は、移動部11のうち食材90が実際に載せられる部分(すなわち食材載置部分)の温度を、直接的に検出することが好ましい。ただし温度検出部16は、移動部11のうち当該食材載置部分の温度を間接的に検出可能な任意の箇所の温度を検出してもよい。
食材付与装置14は、食材付与スポットSp1において、食材付与設定量に応じた食材90を移動部11に付与する。本実施形態では、食材付与装置14によって移動部11に付与される食材90が、流動性を有するバッターにより構成されており、典型的には小麦粉、米粉及び/又は卵を含む。ただし食材90は、小麦粉、米粉及び/又は卵に加えて又は代わりに、他の材料を含んでいてもよい。本実施形態では、食材付与装置14において保持される食材90の温度及び食材付与装置14から移動部11に付与される際の食材90の温度は、環境温度(通常は常温)に等しい。
図示の食材付与装置14は、食材ホッパー34、食材レギュレーター35及び食材案内吐出ユニット36を具備する。
食材ホッパー34には機械又は人手によって食材90が投入され、食材ホッパー34は食材90を貯留することができる。食材ホッパー34は、必要に応じて攪拌器(図示省略)を有してもよく、食材ホッパー34に貯留される食材90が攪拌器によってかきまぜられてもよい。
食材レギュレーター35は、食材ホッパー34から食材案内吐出ユニット36に送り出す食材90の量を調整し、ひいては食材案内吐出ユニット36から移動部11に付与する食材90の量を調整する。食材レギュレーター35の具体的な構成は限定されず、例えば食材レギュレーター35はギアポンプを具備する。
食材案内吐出ユニット36は、食材レギュレーター35を介して食材ホッパー34からから送られてくる食材90を下流に案内する食材案内路(図示省略)を有する。食材案内吐出ユニット36は、食材案内路を介して送られてくる食材90を吐出する食材吐出部36aを有する。食材吐出部36aは、食材案内路の端部によって構成されてもよいし、食材案内路とは別体として設けられていてもよい。回転移動している移動部11(特に加熱処理面11a)に対し、食材付与スポットSp1において食材吐出部36aからあふれさせた食材90が接触させられることにより、移動部11に対して食材90が薄膜状に付与される。
食材受取装置15は、食材送出スポットSp2において移動部11から離れた食材90を受け取る。移動部11に付与された食材90は、移動部11とともに食材付与スポットSp1から食材送出スポットSp2に向けて第1エリアA1を移動する間に加熱されて焼成され、焼成後の食材90が移動部11から食材受取装置15に受け渡される。
図示の食材受取装置15は、食材送出案内部38及び送出コンベア39を具備する。食材送出案内部38は、移動部11から離れた食材90を送出コンベア39に向けて誘導する。送出コンベア39は、載せられた食材90を後段に向けて搬送する。図1に示す送出コンベア39は、ベルトコンベアによって構成されている。
図2は、食品製造装置10の制御構成の一例を示すブロック図である。
本実施形態の食品製造装置10は統合コントローラー50を備える。統合コントローラー50は、食材付与コントローラー51、加熱コントローラー52、冷却コントローラー53、移動コントローラー54及び記憶部55を含む。
食材付与コントローラー51は食材付与装置14(例えば食材レギュレーター35)の駆動を制御する。加熱コントローラー52は加熱装置12の駆動を制御する。冷却コントローラー53は冷却装置13(例えば冷却レギュレーター18)の駆動を制御する。移動コントローラー54は、移動部11に動力を与えるモーター等の移動駆動装置44を制御する。例えば、食材付与コントローラー51、加熱コントローラー52、冷却コントローラー53及び/又は移動コントローラー54はインバーターを具備し、当該インバーターによってそれぞれの制御対象に与える駆動電流の周波数を調整してもよい。
食材付与コントローラー51、加熱コントローラー52、冷却コントローラー53及び移動コントローラー54は、相互に接続され、また温度検出部16、ユーザーインターフェース20及び記憶部55に接続されている。食材付与コントローラー51、加熱コントローラー52、冷却コントローラー53及び移動コントローラー54の各々は、接続されている他のコントローラー、温度検出部16、ユーザーインターフェース20及び記憶部55と、データの送受信を行うことができる。
ユーザーインターフェース20は、ユーザーによって各種データ及びコマンドが入力されるユーザー入力部として機能し、また食品製造装置10における各種データ(例えば状態データ)を出力するユーザー出力部として機能する。ユーザーは、例えば、食材付与装置14から移動部11に付与すべき食材90の量を示す食材付与設定量を、ユーザーインターフェース20に入力してもよい。またユーザーは、ユーザーインターフェース20を介し、食品製造装置10に関する各種データを確認することができる。
記憶部55は、各種データ(プログラムを含む)等の情報が記憶されており、磁気、光学、光磁気、或いは他の任意の書き込み及び読み込み方式に基づくストレージデバイスによって構成される。記憶部55に接続されている機器は、必要に応じて、記憶部55に記憶されている情報を読み出して利用したり、記憶部55に記憶されている情報をアップデートしたり、新たな情報を記憶部55に記憶させたりすることが可能である。
本例の統合コントローラー50は、お互いに別体として設けられている食材付与コントローラー51、加熱コントローラー52、冷却コントローラー53、移動コントローラー54及び記憶部55を集合的に含み、図示されていない他のコントローラーや記憶部等を更に含んでいてもよい。なお、統合コントローラー50に含まれる任意の2以上のコントローラーは共通の制御デバイスによって実現されていてもよい。また単一の制御デバイスが、食材付与コントローラー51、加熱コントローラー52、冷却コントローラー53及び移動コントローラー54として機能してもよい。また図2に示す例では、記憶部55が他の装置とは別体として設けられているが、他の装置(例えば各種コントローラー等)の一部として記憶部55が設けられていてもよい。
なお統合コントローラー50は、図2に示されていない装置の駆動を制御してもよく、例えば食材受取装置15(例えば送出コンベア39)の駆動を制御してもよい。
次に、食品製造装置10を使った食品製造方法(特に、加熱された状態の移動部11に対して食材90の付与を開始した当初(すなわち食材90の加熱開始当初)の移動部11における温度の降下を防止する方法(温度降下防止方法)の一例について説明する。
図3は、食品製造方法及び温度降下防止方法の一例を示すフローチャートである。
食品製造装置10を使って食材90の加熱処理を開始する場合、温度検出部16による移動部11の温度の検出が開始される(図3のS1)。温度検出部16は、継続的又は断続的に移動部11の温度を検出し、検出結果を統合コントローラー50(例えば加熱コントローラー52)に送信する。
またユーザーによりユーザーインターフェース20を介して入力された食材コントロール情報が、統合コントローラー50(例えば食材付与コントローラー51、加熱コントローラー52、冷却コントローラー53及び/又は移動コントローラー54)によって取得される(S2)。食材コントロール情報は、食材付与装置14から移動部11に付与する食材90の量を直接的又は間接的に示す食材付与設定量に関する情報を含む。例えば、単位時間当たりに移動部11に付与される食材90の量、及び/又は、移動部11上に載せられる食材90の厚みを、食材付与設定量としうる。また食材コントロール情報は、食材付与設定量以外の情報を含んでいてもよく、例えば食材90の構成材料及び/又は水分量に関する情報を含んでいてもよい。
そして、冷却装置13による移動部11の冷却に関する情報(すなわち「冷却コントロール情報」)が、冷却コントローラー53によって取得される(S3)。冷却コントロール情報は、移動部11の冷却の程度を示す情報を含む。本実施形態の冷却コントロール情報には、冷却装置13から移動部11に付与される冷却体21の量に関する情報が含まれる。冷却コントローラー53は、食材付与設定量に応じて、冷却装置13から移動部11に付与すべき冷却体21の量(すなわち冷却レギュレーター18の駆動態様(例えば冷却ポンプ31の回転数や冷却調整弁32の弁開度))を決める。この際、冷却コントローラー53は、食材90と冷却体21との間の比熱等の特性の違いを考慮して移動部11に付与すべき冷却体21の量を決定することが好ましい。冷却コントローラー53は、予め準備されている「食材付与設定量」と「冷却装置13から移動部11に付与すべき冷却体21の量(すなわち冷却レギュレーター18の駆動態様)」とが対応付けられたテーブルを参照して、移動部11に付与すべき冷却体21の量を決定してもよい。
そして、移動コントローラー54が移動駆動装置44を駆動して、移動部11の回転移動が開始される(S4)。また加熱コントローラー52の制御下で、加熱装置12の駆動が開始され、移動部11は加熱装置12によって加熱される(S5)。また冷却コントローラー53の制御下で、冷却装置13の駆動が開始され、移動部11は冷却装置13によって冷却される(S6)。
移動部11の回転移動の具体的な態様は限定されない。例えば移動部11は、移動コントローラー54の制御下で、予め定められた回転速度で回転させられてもよい。また移動コントローラー54は、食材付与設定量、温度検出部16の検出結果(すなわち移動部11の温度)及び/又は他の情報に基づいて、移動部11の回転速度を適応的に決定し、このようにして決定した回転速度で移動部11を回転させるように移動駆動装置44を制御してもよい。
加熱コントローラー52は、温度検出部16により検出された移動部11の温度に応じて加熱装置12を制御し、加熱装置12による移動部11の加熱の程度を、移動部11の実際の温度に応じて変える。このように加熱装置12は、フィードバック制御方式に基づいて移動部11を加熱する。なお、加熱装置12による移動部11の加熱の具体的な態様は限定されない。例えば加熱装置12の発熱温度は、加熱装置12の全体にわたって一律的に調整されてもよいし、加熱装置12の区分された複数の領域の各々において個別的に発熱温度が調整されてもよい。
冷却コントローラー53は、冷却コントロール情報に基づいて冷却レギュレーター18を制御し、冷却装置13による移動部11の冷却の程度を、食材付与設定量に応じて変える。このように本実施形態の冷却装置13は、フィードフォーワード制御方式に基づいて移動部11を冷却する。なお、冷却装置13による移動部11の冷却の具体的な態様は限定されない。典型的には、冷却コントローラー53は、食材付与設定量に応じて、冷却装置13から移動部11に与える冷却体21の量(すなわち単位時間当たりに冷却ノズル17から吐出される冷却体21の量)を調整する。
このように、加熱装置12によって移動部11を加熱しつつ冷却装置13によって移動部11を冷却して、目標加熱温度域に移動部11の温度を調整する。本実施形態では、冷却装置13が移動部11に冷却体21を付与している状態で加熱装置12が移動部11を加熱して、目標温度域に移動部11の温度が調整される。
なお、上述の移動部11の駆動開始ステップ(S4)、加熱装置12の駆動開始ステップ(S5)及び冷却装置13の駆動開始ステップ(S6)の実行順番は、図3に示す例には限定されない。これらの駆動開始ステップ(S4〜S6)のうちの2以上が同時的に行われてもよい。移動部11の駆動開始ステップ(S4)は、食材コントロール情報がユーザーインターフェース20に入力された後の任意のタイミングで行われてもよい。加熱装置12の駆動開始ステップ(S5)は、移動部11の温度の検出開始ステップ(S1)の後の任意のタイミングで行われてもよい。冷却装置13の駆動開始ステップ(S6)は、冷却コントロール情報の取得ステップ(S3)の後の任意のタイミングで行われてもよい。
統合コントローラー50(例えば食材付与コントローラー51、加熱コントローラー52及び冷却コントローラー53)は、温度検出部16の検出結果に基づいて移動部11の温度を監視する(S7)。移動部11の温度が目標加熱温度域から外れている間は、加熱装置12による移動部11の加熱及び冷却装置13による移動部11の冷却が継続される(S7のN)。
一方、温度検出部16の検出結果から、移動部11の温度が目標加熱温度域にあることが確認された場合(例えば目標加熱温度域に含まれる特定の温度に移動部11の温度が達した場合)(S7のY)、移動部11の冷却を終了し(S8)、食材付与装置14から移動部11への食材90の付与を開始する(S9)。より具体的には、冷却コントローラー53が冷却装置13(例えば冷却レギュレーター18)を制御し、冷却装置13から移動部11への冷却体21の付与を停止させる。また食材付与コントローラー51が食材付与設定量に応じて食材付与装置14(例えば食材レギュレーター35)を制御し、食材付与設定量に対応する食材90の食材付与装置14から移動部11への付与を開始させる。
「冷却装置13が移動部11の冷却を終了するタイミング」及び「食材付与装置14が移動部11に対する食材90の付与を開始するタイミング」は、同時であってもよいし、一方が他方に先行していてもよい。移動部11に対して過大な冷却負荷がかかることを防ぐ観点からは、「冷却装置13が移動部11の冷却を終了するタイミング」が、「食材付与装置14が移動部11に対する食材90の付与を開始するタイミング」に対し、先行して行われるか同時的に行われることが好ましい。なお図1には、便宜的に、移動部11上に食材90及び冷却体21の両者が載せられている状態が示されているが、移動部11上において食材90及び冷却体21が同時的には載せられなくてもよい。
移動部11の冷却終了(S8)の後及び移動部11に対する食材90の付与開始(S9)の後も、加熱装置12は加熱コントローラー52の制御下で移動部11を加熱し続け、移動駆動装置44は移動コントローラー54の制御下で回転移動し続ける。
これにより、移動部11の温度が目標加熱温度域にある状態で、食材付与装置14によって食材90が移動部11に付与される。特に、移動部11の冷却終了(S8)及び移動部11に対する食材90の付与開始(S9)を適切なタイミングで行うことによって、移動部11に対する食材90の付与を開始した後も、移動部11の温度が目標加熱温度域から外れることを防ぐことが可能である。したがって移動部11での食材90の加熱処理が不十分になることを防ぎ、加熱処理が不十分な食材90の移動部11からの排出を低減することができる。
このように、移動部11に付与された食材90は、移動部11の回転によって食材付与スポットSp1から食材送出スポットSp2に移動する過程で必要十分な加熱処理を受けて焼成される。焼成後の食材90は、食材送出スポットSp2において移動部11上から離れ、食材受取装置15の送出コンベア39によって受け取られる。
次に、移動部11の冷却の程度の決め方について説明する。
図4は、移動部11に食材90を付与した場合(実線参照)及び移動部11に冷却体21を付与した場合(一点鎖線参照)における、移動部11の温度及び時間の関係例を示すグラフである。図4において横軸は時間を示し、縦軸は移動部11の温度を示す。
目標加熱温度域に含まれる特定目標加熱温度t0を有する移動部11に対し、特定目標加熱温度t0よりも低い温度の食材90の付与が開始されると、移動部11の温度は下がって目標加熱温度域から外れてしまうことがある。その後、加熱装置12が移動部11の加熱を継続することによって、移動部11は昇温するとともに蓄熱量が増大する。その結果、加熱装置12は、食材90の付与に伴う移動部11の温度降下に適切に対応した加熱コントロールを行うことができるようになり、移動部11の温度を特定目標加熱温度t0に戻すことができる。
上述のように食材90の代わりに冷却体21を使用して移動部11を冷却する場合、移動部11の温度の挙動を、食材90を使う場合と似せる観点からは、冷却体21の比熱が食材90の比熱に近い方が好ましい。しかしながら、ほとんどの場合、実際に使用する冷却体21(例えば水)の比熱は、食材90の比熱とは異なる。そのため冷却装置13による移動部11の冷却の程度は「特定目標加熱温度t0の移動部11に対して食材90の付与を開始してから、移動部11に対する食材90の付与を維持しつつ移動部11が特定目標加熱温度t0に戻るまでの時間」に基づいて決められてもよい。
すなわち、「加熱装置12による移動部11の加熱が行われている状態で、特定目標加熱温度t0を有する移動部11に対して冷却装置13が冷却を開始してから、移動部11が特定目標加熱温度t0に戻るまでの時間」が、「加熱装置12による移動部11の加熱が行われている状態で、特定目標加熱温度t0を有する移動部11に対して食材付与装置14が食材90の付与を開始してから、移動部11が特定目標加熱温度t0に戻るまでの時間」と略等しくなるように、冷却装置13は移動部11を冷却してもよい。ここで言う2つの時間が略等しいという意味合いは、これらの2つの時間が必ずしも厳密に完全に一致することを必要とはせず、お互いからわずかにずれていてもよい(例えば、数秒〜1分程度ずれていてもよい)。
加熱コントローラー52は、「移動部11に食材90を付与する場合」及び「冷却装置13が移動部11を冷却する場合」において共通の加熱コントロールアルゴリズムに基づき、加熱装置12の発熱制御を行ってもよい。
図4に示す例において、「移動部11の温度(図4の縦軸)」は、「移動部11に食材90を付与する場合」については移動部11のうち食材90が着地する地点(すなわち食材付与スポットSp1)の温度であり、「移動部11に冷却体21を付与する場合」については移動部11のうち冷却体21が着地する地点の温度である。そして「加熱装置12による移動部11の加熱が行われている状態で、特定目標加熱温度t0を有する移動部11に対して、食材90/冷却体21の付与が開始される時間」が「Ts」で表されている。また「加熱装置12による移動部11の加熱が行われ且つ移動部11に対する食材90/冷却体21の付与が継続している状態で、移動部11が特定目標加熱温度t0に戻る時間」が「Te」で表されている。
これらの「Ts」及び「Te」の差の絶対値(=|Te−Ts|)が、移動部11に食材90が付与される場合と移動部11に冷却体21が付与される場合との間で同じになるように、冷却コントローラー53は、冷却装置13による移動部11の冷却の程度(すなわち移動部11に対する冷却体21の付与量)を決めることができる。この場合、食材90の付与によって移動部11の温度が最も降下した際の温度(図4の符号「t1b」参照)と、冷却体21の付与によって移動部11の温度が最も降下した際の温度(図4の符号「t1w」参照)と、は必ずしも同じにはならない。
以上説明したように本実施形態の食品製造装置10、食品製造方法及び温度降下防止方法によれば、冷却装置13を利用することによって、移動部11に食材90を付与することなく、移動部11の加熱温度を目標加熱温度域において安定化させることができる。これにより加熱処理が不十分な食材90の生成を防ぐことができ、移動部11に載せられた食材90を適切且つ安定的に加熱処理することができる。
特に、移動部11は冷却装置13によって食材付与設定量に応じた程度で冷却されるので、実際の食材90の付与に伴う移動部11の温度降下に対して適切に対応した加熱コントロールを実現することができる。
また移動部11の温度が目標加熱温度域にある状態で食材90が移動部11に載せられるので、食材90が移動部11によって過度に加熱されることも有効に防げる。このように本実施形態の食品製造装置10、食品製造方法及び温度降下防止方法によれば、食材90を、移動部11において目標加熱温度域内の所望の加熱温度にて適切に加熱調理することができ、高品質の加熱調理された食材90を安定的に提供することができる。
[第1変形例]
図5は、第1変形例に係る冷却装置13及び食材付与装置14の一例の概略を示す図である。図5には、食材案内吐出ユニット36については断面が示されているが、他の要素については外観が示されている。
冷却装置13及び食材付与装置14は一体的に設けられていてもよく、冷却体21を搬送するための流路と食材90を搬送するための流路とが、少なくとも部分的に共用の流路により実現されていてもよい。
図5に示す食材案内吐出ユニット36は、第1案内路36b及び第2案内路36cを有する。第1案内路36bと第2案内路36cとの間には切換デバイス25が設けられている。
第1案内路36bは、食材レギュレーター35を介して食材ホッパー34に接続され、食材レギュレーター35から送られてくる食材90を下流に向けて(すなわち切換デバイス25に向けて)案内する。
切換デバイス25には、第1案内路36b、第2案内路36c及び冷却供給管19が接続されている。切換デバイス25は、統合コントローラー50(図2参照)の制御下で、第2案内路36cに対する第1案内路36b及び冷却供給管19の連通状態を切り換える。すなわち切換デバイス25は、第1案内路36bと第2案内路36cとを連通させる第1切換モードと、冷却供給管19と第2案内路36cとを連通させる第2切換モードとに切り換えることができる。切換デバイス25は、第1切換モードでは第1案内路36bからの食材90を第2案内路36cに導き、第2切換モードでは冷却供給管19からの冷却体21を第2案内路36cに導く。切換デバイス25は、第1切換モード及び第2切換モード以外のモードに切り換えることも可能であり、例えば第1案内路36b及び冷却供給管19のいずれも第2案内路36cに対して連通させないようにしてもよい。
切換デバイス25は、任意の装置構成を有することができ、例えば2以上の電磁弁の組み合わせ或いは三方弁を具備してもよい。
第2案内路36cは、一方の端部において切換デバイス25に接続され、他の端部において外部に開口する。第2案内路36cの他端部の開口は、食材90を吐出する食材吐出部36aとして機能するととともに、冷却体21を吐出する冷却ノズル17として機能する。すなわち第2案内路36cは、切換デバイス25を介して送られてくる食材90又は冷却体21を案内して、外方に向けて(すなわち移動部11に向けて)吐出する。このように第2案内路36cは、第1案内路36bとともに、食材レギュレーター35を介して送られてくる食材90を案内する食材案内路として機能する。また第2案内路36cは、冷却供給管19とともに、冷却レギュレーター18を介して送られてくる冷却体21を案内する冷却体案内路としても機能する。
移動部11に対向する位置に設けられる第2案内路36cは、移動部11からの輻射熱の影響を受けやすい。例えば、第2案内路36cに同じ食材90が充填されている状態が長時間にわたって続くと、第2案内路36c内の食材90が輻射熱によって意図せずに加熱されて変質してしまう懸念がある。
一方、本変形例によれば、第2案内路36cが食材案内路及び冷却体案内路として共用され、切換デバイス25の切換モードに応じて、第2案内路36cには、冷却体21又は食材90を充填することが可能である。そのため、移動部11に対する食材90及び冷却体21の付与が行われない間は、切換デバイス25を第2切換モードに切り換えて第2案内路36cに冷却体21を充填しておくことにより、輻射熱による意図しない食材90の変質を防ぐことができる。
また本変形例によれば、移動部11上の同じ位置(すなわち食材付与スポットSp1)に食材90及び冷却体21を着地させることができ、冷却体21の付与による移動部11の冷却負荷が、食材90の付与による移動部11の冷却負荷により一層近くなる。そのため、加熱装置12及び冷却装置13を使う場合の移動部11の加熱コントロールを、加熱装置12及び食材付与装置14を使う場合の移動部11の加熱コントロールに近づけることが可能である。
[第2変形例]
図6は、第2変形例に係る移動部11、加熱装置12及び外周カバー材26の一例の概略を示す断面図である。図7は、第2変形例に係る移動部11、加熱装置12、外周カバー材26及び冷却装置13の一例の概略を示す側方図である。
移動部11の加熱処理面11aは、移動部11を構成する加熱ドラムの内周面によって構成されていてもよい。また食材付与装置14から移動部11に付与される食材90は、固形物を含んでいてもよい。
図6に示す例では、筒状の移動部11の外周面を覆うように加熱装置12が設けられており、加熱装置12の外周面を覆うように外周カバー材26が設けられている。外周カバー材26は、加熱装置12からの輻射熱を低減する断熱部材によって構成されている。図7に示す冷却装置13は、加熱処理面11a(すなわち移動部11の内周面)に向けて冷却体21を吐出し、移動部11を冷却する。食材付与装置14(図1参照)は移動部11の内側に食材90を提供し、移動部11は加熱装置12によって外側から加熱される。これにより、移動部11の内周面によって構成される加熱処理面11aにおいて食材90が加熱調理される。
例えば図7に示すように、筒状の移動部11を高さ方向に傾斜させてもよい。この場合、移動部11のうち回転軸線Axの延在方向の両端部に開口が形成されていてもよい。移動部11の加熱処理面11a(すなわち内周面)のうち一方の端部開口の近傍の領域を「食材90が移動部11に付与される食材付与スポットSp1」としてもよい。また加熱処理面11aのうち他方の端部開口の近傍の領域を「加熱調理された食材90が移動部11から離れる食材送出スポットSp2」としてもよい。また加熱処理面11aから突出する凸状部(図示省略)であって、回転軸線Axを中心とした移動部11の回転に伴って食材付与スポットSp1から食材送出スポットSp2に向けて食材90を適度に案内可能な凸状部(例え螺旋状に延びる凸状部)が、加熱処理面11aに設けられていてもよい。
[第3変形例]
図8は、第3変形例に係る移動部11、加熱装置12及び冷却装置13の一例の概略を示す側方図である。
移動部11は、ベルトコンベアによって構成されていてもよい。また食材付与装置14から移動部11に付与される食材90は、固形物を含んでいてもよい。
図8に示す移動部11は、2つの駆動軸28に掛け渡された金属製の無端状ベルト(例えばワイヤーメッシュベルト)により構成されている。移動部11のうち外方に向けられた面により加熱処理面11aが構成されている。加熱装置12は、移動部11の内側に設けられている。本例の冷却装置13は、上方から加熱処理面11a(すなわち移動部11の外方露出面)に向けて冷却体21を吐出し、移動部11を冷却する。また食材付与装置14は上方から加熱処理面11aに食材90(例えば固体食材)を載せ、移動部11は加熱装置12によって内側から加熱される。
[他の変形例]
本発明は、上述の実施形態及び変形例には限定されない。上述の実施形態及び変形例の各要素に各種の変形が加えられてもよい。また上述の実施形態及び変形例の構成が、全体的に又は部分的に組み合わせられてもよい。
上述の実施形態の冷却装置13は、移動部11のうち食材90が付与される面(すなわち加熱処理面11a)と同じ面に冷却体21を付与するが、移動部11のうち食材90が付与される面とは異なる面に冷却体21を付与してもよい。例えば、図1に示す食品製造装置10において、冷却装置13(特に冷却ノズル17)は、移動部11の内周面(すなわち加熱処理面11aとは反対側の面)に冷却体21を付与しても。
食材付与装置14(例えば食材案内吐出ユニット36)と加熱装置12との間には、食材付与装置14に対する輻射熱の影響を低減する断熱部材(図示省略)が設けられていてもよい。この場合、食材付与装置14内(例えば食材案内吐出ユニット36内)の食材90の加熱を防ぎ、食材付与装置14において食材90の品質が損なわれることを効果的に回避できる。なお、断熱部材は、輻射熱を低減可能な部材全般を含みうるものであり、輻射熱を反射するいわゆる遮熱部材も含みうる。
冷却装置13による移動部11の冷却の程度は、移動部11の温度に基づいて適応的に決められてもよい。例えば上述の実施形態において、冷却コントローラー53は、食材付与設定量に加えて又は代えて、温度検出部16が検出する移動部11の温度に基づき、移動部11に対する冷却体21の付与量を決めてもよい。
上述の実施形態では、冷却装置13が液状の冷却体21を使って移動部11を冷却しているが、冷却装置13は、任意の方法で冷却装置13を冷却することができる。例えば、冷却装置13は、非液状の冷却体21を使って移動部11を冷却してもよく、冷却エアーを移動部11に吹き付けたり、固体状の冷却体21を移動部11に接触させたりすることで、移動部11を冷却してもよい。
上述の実施形態の冷却装置13は、人手が直接的に介入することなく、機械的な作動によって移動部11を冷却するが、冷却装置13を介して移動部11を冷却する際に、人手による直接的な介入があってもよい。例えば、冷却装置13が、冷却媒体(水等)を案内及び噴出する冷却媒体供給工具(ホース等)を有し、人が、当該冷却媒体供給工具を使って移動部11に冷却媒体を付与することで、移動部11の冷却が行われてもよい。
このように、本明細書で開示されている実施形態は例示に過ぎず限定的には解釈されない。したがって上述の実施形態の各要素は、省略、置換、或いは変更されうる。また上述の実施形態同士が組み合わされてもよく、また上述以外の実施形態が上述の実施形態と組み合わされてもよい。
[食品製造装置、食品製造方法及び温度降下防止方法を適用可能な食材]
上述の食品製造装置10、食品製造方法及び温度降下防止方法を適用可能な食材90は限定されない。食品製造装置10、食品製造方法及び温度降下防止方法は、任意の種類の食材90を加熱調理することが可能である。また加熱調理時の食材90の物質状態も限定されず、液状の食材90、固体状の食材90及び他の状態の食材90を、食品製造装置10、食品製造方法及び温度降下防止方法は加熱調理することが可能である。
例えば、上述の焼成薄皮食品(例えば、シュウマイ、餃子、春巻き、ブリトー、タコス、及びクレープ等に用いられる皮)の原材料となるバッターや、他の流動性を有する不定形のペースト状食材(例えばチーズ等)が、食材90として食材付与装置14から移動部11に付与されてもよい。また加熱調理される固形食材(例えばハンバーグ等)が、食材90として食材付与装置14から移動部11に付与されてもよい。
10 食品製造装置
11 移動部
11a 加熱処理面
12 加熱装置
13 冷却装置
14 食材付与装置
15 食材受取装置
16 温度検出部
17 冷却ノズル
18 冷却レギュレーター
19 冷却供給管
20 ユーザーインターフェース
21 冷却体
25 切換デバイス
26 外周カバー材
28 駆動軸
31 冷却ポンプ
32 冷却調整弁
34 食材ホッパー
35 食材レギュレーター
36 食材案内吐出ユニット
36a 食材吐出部
36b 第1案内路
36c 第2案内路
38 食材送出案内部
39 送出コンベア
44 移動駆動装置
50 統合コントローラー
51 食材付与コントローラー
52 加熱コントローラー
53 冷却コントローラー
54 移動コントローラー
55 記憶部
90 食材
t0 特定目標加熱温度
A1 第1エリア
A2 第2エリア
Ax 回転軸線
Dr 回転方向
Sp1 食材付与スポット
Sp2 食材送出スポット

Claims (8)

  1. 加熱装置によって無端状の移動部を加熱しつつ冷却装置を介して前記移動部を冷却し、目標加熱温度域に前記移動部の温度を調整する工程と、
    前記移動部の温度が前記目標加熱温度域にある状態で、食材を前記移動部に付与する工程と、を含む食品製造方法。
  2. 前記移動部には、食材付与設定量に応じた前記食材が付与され、
    前記目標加熱温度域に前記移動部の温度を調整する工程において、前記移動部は、前記食材付与設定量に応じた程度で冷却される請求項1に記載の食品製造方法。
  3. 前記加熱装置による前記移動部の加熱が行われている状態で前記目標加熱温度域に含まれる特定目標加熱温度を有する前記移動部に対して前記冷却装置を介した冷却を開始してから、前記移動部が前記特定目標加熱温度に戻るまでの時間が、前記加熱装置による前記移動部の加熱が行われている状態で前記特定目標加熱温度を有する前記移動部に対して前記食材の付与が開始されてから、前記移動部が前記特定目標加熱温度に戻るまでの時間と略等しくなるように、前記移動部は冷却される請求項1又は2に記載の食品製造方法。
  4. 前記移動部は、回転軸線を中心に回転移動する請求項1〜3のいずれか一項に記載の食品製造方法。
  5. 移動部と、
    前記移動部を加熱する加熱装置と、
    水を含む冷却体を前記移動部に付与して前記移動部を冷却する冷却装置と、
    食材を前記移動部に付与する食材付与装置と、を備える食品製造装置。
  6. 移動部と、
    前記移動部を加熱する加熱装置と、
    前記移動部を冷却する冷却装置と、
    食材付与設定量に応じた食材を前記移動部に付与する食材付与装置と、を備え、
    前記冷却装置は、前記食材付与設定量に応じた程度で前記移動部を冷却し、
    前記加熱装置は、前記冷却装置が前記移動部を冷却している状態で前記移動部を加熱して、目標加熱温度域に前記移動部の温度を調整し、
    前記食材付与装置は、前記移動部の温度が前記目標加熱温度域にある状態で、前記食材を前記移動部に付与する食品製造装置。
  7. 前記移動部は、回転軸線を中心に回転移動する請求項5又は6に記載の食品製造装置。
  8. 加熱装置によって無端状の移動部を加熱しつつ冷却装置を介して前記移動部を冷却し、目標加熱温度域に前記移動部の温度を調整する工程と、
    前記移動部の温度が前記目標加熱温度域にある状態で、食材を前記移動部に付与する工程と、を含む、前記移動部における温度の降下を防止する温度降下防止方法。
JP2020034071A 2020-02-28 2020-02-28 食品製造方法、食品製造装置及び温度降下防止方法 Pending JP2021132625A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020034071A JP2021132625A (ja) 2020-02-28 2020-02-28 食品製造方法、食品製造装置及び温度降下防止方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020034071A JP2021132625A (ja) 2020-02-28 2020-02-28 食品製造方法、食品製造装置及び温度降下防止方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2021132625A true JP2021132625A (ja) 2021-09-13

Family

ID=77659963

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020034071A Pending JP2021132625A (ja) 2020-02-28 2020-02-28 食品製造方法、食品製造装置及び温度降下防止方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2021132625A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN106388550B (zh) 用于烹饪设备的烹饪方法和对应的烹饪设备
AU728160B2 (en) Baking device and method
EP3522758B1 (en) Autonomous apparatus for cooking food and corresponding method
KR20140129198A (ko) 컨베이어 오븐
US20110059211A1 (en) Apparatus and method with individual preparation and hybrid heating for making generally flat dough based products
KR20160003707A (ko) 움직임-유도 수단을 구비한 조리 기기용 조리 방법 및 대응하는 조리 기기
AU9032491A (en) Apparatus for heating and dispensing food products
WO2008140286A1 (es) Calentador de tortillas
US20120192721A1 (en) Tortilla warmer control system for controlling the preparation and dispensing of tortillas
JP2021132625A (ja) 食品製造方法、食品製造装置及び温度降下防止方法
JP6697907B2 (ja) 調理機装置
EP2881669B1 (en) Heating cooker
US20180192656A1 (en) Heating Device For A Foodstuff Press
KR200229508Y1 (ko) 자동 부침개 요리장치
WO2022202354A1 (ja) 食品製造方法、食品温調方法、食品製造装置及びプログラム
JP2020029978A (ja) 加熱調理器
JP2019092995A (ja) 加熱調理器
US20190239554A1 (en) System for preparing or semi-preparing food
JP7515393B2 (ja) 玉子焼き製造装置及び玉子焼き製造方法
SI25670A (sl) Postopek toplotne obdelave živil in naprava za izvedbo postopka
JP6282375B1 (ja) 食品焼成機
US20230272921A1 (en) Cooking system having a coordinating device for a target cooking-time end which is applicable in common
US20240102662A1 (en) Food preparation system
EP4019848B1 (en) Method for operating a cooking oven
TW201818308A (zh) 食品處理管理系統