JP2021132443A - 車両の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】低μ路を走行可能な駆動トルクを出力するとともに、車両が走行中に低μ路から高μ路に急変する場合であっても、駆動輪から入力されるイナーシャトルクを低減すること。【解決手段】駆動輪がスリップ状態である場合に動力源から出力されるトルクを要求駆動トルクよりも小さくする制御を実行する車両の制御装置であって、車速センサにより検出された車速を駆動輪の車輪回転数に換算する換算部と、換算された回転数換算値と実際の車輪回転数との回転数差を算出する回転数差算出部と、算出された回転数差に基づいて、要求駆動トルクに対する補正量を算出する補正量算出部と、を備え、駆動輪がスリップ状態であると判定された場合に、駆動制御部は、算出された補正量に基づいて要求駆動トルクを補正する。【選択図】図4
Description
本発明は、車両の制御装置に関する。
特許文献1には、車両が走行中に駆動輪のスリップが発生した場合、駆動輪の回転数が車体の速度に近づくように動力源のモータを制御することが開示されている。
特許文献1に記載の構成では、駆動輪の回転数を車体の速度に近づけるうえで駆動輪での駆動力を低下させる際、駆動力をゼロにすることで駆動輪の回転数を低下させる。そのため、特許文献1に記載の構成では、低μ路を走行するために必要な駆動力が駆動輪で発生しなくなり、低μ路での走行性能が低下する。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、低μ路を走行可能な駆動トルクを出力するとともに、車両が走行中に低μ路から高μ路に急変する場合であっても、駆動輪から入力されるイナーシャトルクを低減することができる車両の駆動装置を提供することを目的とする。
本発明は、車体の速度を検出する車速検出手段と、車両の駆動輪における車輪回転数を検出する回転数検出手段と、前記駆動輪がスリップ状態であるか否かを判定するスリップ判定手段と、前記車両の運転者が前記車両に要求する要求駆動トルクに基づいて、前記車両の動力源から出力するトルクの大きさを制御する駆動制御手段と、を備え、前記駆動輪がスリップ状態であると判定された場合に前記駆動制御手段は、前記動力源から出力するトルクが前記要求駆動トルクよりも小さくなるように制御する車両の制御装置であって、前記車速検出手段により検出された前記車体の速度を前記駆動輪の車輪回転数に換算する換算手段と、前記換算手段により換算された車輪回転数と、前記回転数検出手段により検出された車輪回転数との回転数差を算出する回転数差算出手段と、前記回転数差算出手段により算出された回転数差に基づいて、前記要求駆動トルクに対する補正量を算出する補正量算出手段と、を備え、前記駆動輪がスリップ状態であると判定された場合に、前記駆動制御手段は、前記補正量算出手段により算出された補正量に基づいて前記要求駆動トルクを補正することを特徴とする。
本発明では、車両が走行中に駆動輪のスリップが発生したと判定された場合、運転者からの要求駆動トルクを補正することよって、駆動輪から入力されるイナーシャトルクを低減させることができる。これにより、駆動輪から駆動系に作用するイナーシャトルクを抑制しつつ、運転者からの要求駆動トルクに近いトルクを動力源から出力することができる。そのため、スリップ状態でも走行に必要な駆動力を駆動輪で発生させることができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態における車両の制御装置について具体的に説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施形態に限定されるものではない。
図1は、実施形態の車両を模式的に示すスケルトン図である。車両Veは、動力源としてモータ(MG)1を備える電動車両である。モータ1は、モータ機能と発電機能とを有するモータ・ジェネレータであり、インバータ2を介してバッテリ3と電気的に接続されている。バッテリ3の電力がインバータ2を介してモータ1に供給されることによってモータ1が駆動する。そして、モータ1から出力された動力は動力伝達装置のデファレンシャルギヤ機構4を介して左右の前輪5L,5Rに伝達される。つまり、車両Veは前輪駆動車(FF車)である。モータ1とデファレンシャルギヤ機構4との間の動力伝達経路には、変速機などの動力伝達装置が設けられてもよい。
インバータ2は、バッテリ3からの直流電力を交流電力に変換してモータ1に供給する電力変換装置である。このインバータ2が電子制御装置(以下、ECUという)10に制御されることによってモータ1が制御される。バッテリ3は、二次電池により構成され、例えばモータ1で発電した電力を蓄電することが可能な蓄電装置である。
ECU10は、モータ1を駆動制御する電子制御装置によって構成される。すなわち、ECU10は、動力源(駆動力の発生源)を制御するコントロールユニットであり、CPUと、各種プログラム等のデータが格納された記憶部と、モータ1を駆動制御するための各種の演算を行う演算処理部とを備える。
また、ECU10には、図2に示すように、車輪の回転数(車輪速)を検出する車輪速センサ21や、車体6の速度(車速)を検出する車速センサ22や、運転者によるアクセルペダルの踏み込み量を検出するアクセル開度センサ23など、各種のセンサからの信号が入力される。図1に示すように、左右の前輪5L,5Rおよび左右の後輪7L,7Rのそれぞれに車輪速センサ21a,21b,21c,21dが設けられている。また、各輪の車輪速センサ21からECU10に車輪速が入力されると、ECU5は車輪速に基づいて車両Veの車速を算出する。さらに、ECU5に入力される信号には、モータ1の回転数を検出するモータ回転数センサからのレゾルバ信号や、シフトレバーの操作位置を検出するシフトポジションセンサからのシフトポジションや、ブレーキペダルの踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサからのブレーキペダルポジションなどが含まれる。例えば、モータ回転数センサからECU10にレゾルバ信号が入力されると、ECU10はレゾルバ信号に基づいてモータ1の回転数(モータ回転数)を算出する。ECU10では、入力されたセンサ信号に基づいて演算処理部が各種処理を行い、その演算結果に応じて各種の制御を実行する際、制御対象に指令信号を出力する。
ECU10は、演算処理部として、駆動制御部11と、スリップ判定部12と、換算部13と、回転数差算出部14と、補正量算出部15とを有する。
駆動制御部11は、モータ1の回転数(モータ回転数)やトルク(モータトルク)を制御する駆動制御を実行する。モータ1を駆動制御する際にはECU10からインバータ2に指令信号を出力する。例えば、駆動制御部11は、アクセル開度センサ23からのアクセル開度信号と、車速センサ22からの車速信号とに基づいて、運転者から要求される要求駆動トルクを算出する。この場合、駆動制御部11は、アクセル開度と車速とマップとを用いて要求駆動トルクのベース値(ドライバ要求値に相当)を求め、このベース値を駆動要求トルクに設定する。そして、駆動制御部11は要求駆動トルクを満たすようにモータトルクの大きさを制御する。
スリップ判定部12は、車両Veが走行中、駆動輪のスリップが発生しているか否かを判定する。スリップ判定部12は、車輪速センサ31により検出された車輪回転数の変化率(角加速度)に基づいてスリップ発生の有無を判定する。そして、スリップ判定部12は、スリップが発生していると判定した場合にはスピン判定フラグをオンに設定する。また、スリップ判定部12は、スピン判定フラグがオンの状態からスリップが解消されたと判定した場合には、スピン判定フラグをオフに設定する。
換算部13は、車速センサ22から入力される車速信号に基づいて、車速を車輪回転数に換算する。また、換算部13は、車輪速センサ21から入力される車輪速信号に基づいて、車輪回転数を車速に換算する。
回転数差算出部14は、車輪速センサ21による車輪回転数の実測値と、換算部13による車輪回転数の計算値との差(回転数差)を算出する。例えば、車輪回転数の実測値として、駆動輪を測定対象とする車輪速センサ21a,21bから入力された車輪回転数(駆動輪の回転数)のうち最大値のものを用いる。この場合、回転数差算出部14では、実際の駆動輪の回転数(最大値)から計算値の回転数を減算することにより回転数差を求める。
補正量算出部15は、要求駆動トルクの補正量を算出する。この補正量は、要求駆動トルクのベース値を補正するものであり、補正後の要求駆動トルクが上述したベース値より低減される変化量である。つまり、上述した駆動制御部11は、所定条件が成立した場合に、要求駆動トルクを補正する。この場合、駆動制御部11は、制御ロジックの上流で求めた要求駆動トルクのベース値を、補正量算出部15で求めた補正量で補正し、その補正後の値を要求駆動トルクに設定する。
ECU10では、車両Veの駆動系機構に入力されるイナーシャトルクを抑制するために要求駆動トルクを補正するように構成されている。例えば、車両Veが氷結路等の低μ路を走行している場合に、路面状態が低μから高μに急変する場合(氷結路の一部にドライ路が露出)、このμ変化により駆動輪である前輪5L,5Rの車輪回転数が高回転側から低回転側へ急変することでイナーシャトルクが発生する。この発生したイナーシャトルクが駆動系(左右のドライブシャフト、デファレンシャルギヤ機構4と、モータ1の出力軸)へ入力される。そこで、補正量算出部15により算出された補正量に応じて要求駆動トルクを補正することにより、過大なトルク入力による駆動系機構への負荷を抑制する。
この場合、ECU10は、路面μの急変が生じて駆動系機構の故障を起こさない許容上限を用いて要求駆動トルクを補正する。この許容上限は、許容イナーシャトルクから求まる上限回転数(THDRVUPGI)である。
THDRVUPGIは、下式(1)から求まる差回転数値(車速から換算した駆動輪の回転数と実際の駆動輪の回転数との差)であり、この差回転数以下であれば、路面μが急変しても駆動系に過大なイナーシャトルクが入力されない許容上限に相当する。
THDRVUPGI=(THDRVTQ×Rdiff×EFFdiff)×DT×Iw+wveh・・・(1)
THDRVUPGI=(THDRVTQ×Rdiff×EFFdiff)×DT×Iw+wveh・・・(1)
上式(1)において、THDRVTQは、駆動輪から駆動系への入力を許容する許容上限トルクである。Rdiffは、デファレンシャルギヤ機構4のデフ比である。EFFdiffは、駆動機構から駆動輪までのトルク伝達効率である。DTは、路面μの急変時における駆動輪の車輪回転数の変化時間である。Iwは、駆動輪(ホイール+タイヤ)の慣性モーメントである。wvehは、車速(車体6の速度)から換算した車輪回転数(駆動輪の回転数)である。
そして、ECU10は、スリップ判定部12により駆動輪がスリップ状態であると判定された場合、かつ実際の車輪回転数と計算値の車輪回転数との差がTHDRVUPGIを超える場合に、駆動制御部11で算出された要求駆動トルクのベース値を、補正量算出部15で算出された補正量によって低減する補正を行う。
また、要求駆動トルクのベース値の補正量(低減量)は、下式(2)により導出される値である。
要求駆動トルクのベース値の低減量=(rotdrv−THDRVUPGI)*KP・・・(2)
要求駆動トルクのベース値の低減量=(rotdrv−THDRVUPGI)*KP・・・(2)
上式(2)において、rotdrvは、車輪速センサ21により検出される実際の車輪回転数である。KPは、トルクF/Bゲイン値である。
ECU10は、上式(2)の低減量を用いて要求駆動トルクを補正することよって、スリップ時に車輪回転数差をTHDRVUPGI以下に制限しつつ、その範囲内で運転者が要求するトルクを発生させることができる(後述する図3参照)。そして、ECU10は、計算値であるwvehと実際の車輪回転数(rotdrv)との差が所定以下となった場合にスリップ状態が解消したとみなし、上述した制御モードを終了する(後述する図4参照)。
図3は、要求駆動トルクの補正制御フローを示すフローチャート図である。図3に示す制御は、車両Veが走行中、ECU10によって繰り返し実行される。
ECU10は、スピン判定フラグがOFFであるか否かを判定する(ステップS1)。jdslipは、スピン判定フラグである。この制御ルーチンでは、前回のスピン判定フラグに応じて以降の処理を実施する。ステップS2〜S3は前回のスピン判定が不成立時に実施する処理である。なお、スピン判定成立時(スリップ状態)、スピン判定フラグはONに設定される。一方、スピン判定不成立時(スリップしていない状態)、スピン判定フラグはOFFに設定される。
スピン判定フラグがOFFである場合(ステップS1:Yes)、スリップ判定の第1条件が成立し、かつスリップ判定の第2条件が成立するか否かを判定する(ステップS2)。dwmaxは、各駆動輪の角加速度のうちの最大値である。THDWは、スピン判定閾値である。vwmaxは、各駆動輪の車輪回転数最大値である。THRSPDHは、スピン判定成立閾値である。
スリップ判定の第1条件は、車輪の角加速度が所定値よりも大きい場合に成立するスリップ判定条件である。ステップS2では、第1条件を満たすか否かとして、複数の駆動輪のうち、角加速度が最大のもの(dwmax)がスピン判定閾値(THDW)よりも大きい(dwmax>THDW)か否かが判定される。例えば、車両VeのようにFF車の場合、左右の前輪5L,5Rのうち、角加速度が最大のものを用いる。なお、車両Veとは異なり4WDで前後の駆動機構が異なる場合(変形例)は、本制御で前後輪を個別に制御実施することが望ましい。
スリップ判定の第2条件は、車速から換算した車輪回転数(wveh)と実際の車輪回転数(rotdrv)との差が所定値(THRSPDH)よりも大きい場合(rotdrv−wveh>THRSPDH)に成立するスリップ判定条件である。この第2条件で対象とする駆動輪は、上述した第1条件のものと同じである。つまり、複数の駆動輪のうち、角加速度が最大となる駆動輪の回転数(実測値)を用いる。図3に示すように、ステップS2では、第2条件を満たすか否かとして、各駆動輪の車輪回転数最大値(vwmax)と車速を駆動輪の回転数に換算した回転数換算値(wveh)との差がスピン判定成立閾値(THRSPDH)よりも大きい(vwmax−wveh>THRSPDH)か否かが判定される。
スピン判定の第1条件および第2条件がいずれも成立する場合(ステップS2:Yes)、ECU10は、スピン判定フラグをONに設定する(ステップS3)。
また、ステップS3の処理を実施後、ECU10は、駆動輪における実際の車輪回転数(rotdrv)が許容イナーシャトルクから求まる上限回転数(THDRVUPGI)よりも大きいか否かを判定する(ステップS4)。rotdrvは、車輪速センサ31により検出された車輪回転数の実測値である。
実際の車輪回転数が許容イナーシャトルクから求まる上限回転数よりも大きい場合(ステップS4:Yes)、ECU10は、要求駆動トルクのベース値(tqdrv)を低減するように、要求駆動トルク(tqdrv)を補正する(ステップS5)。tqdrvは、要求駆動トルクである。tqdrvは、要求駆動トルクのベース値である。
図3に示すように、ステップS5では「要求駆動トルク=要求駆動トルクのベース値−(実際の車輪回転数−許容イナーシャトルクから求まる上限回転数)*トルクF/Bゲイン値」の式を用いて、補正後の要求駆動トルクを求める。この「(実際の車輪回転数−許容イナーシャトルクから求まる上限回転数)*トルクF/Bゲイン値」は、上式(2)により求まる「要求駆動トルクのベース値の低減量」、すなわち補正量である。
このステップS5の処理を実施することにより、実際の車輪回転数(rotdrv)は、瞬時的にTHDRVUPGIを上回るものの、これを見越して適切なTHDRVUPGIを設定することで、路面μが急回復した場合もイナーシャトルクを許容範囲内にとどめることが可能である。ステップS5の処理を実施すると、この制御ルーチンは終了する。
また、スピン判定フラグがONである場合(ステップS1:No)、ECU10は、スピン判定を解除するか否かを判定する(ステップS6)。THRSPDLは、スピン判定解除閾値である。ステップS6は、ステップS1にて前回スピン判定成立と判定された場合に実施される。
ステップS6では、車速から換算した車輪回転数(wveh)と実際の車輪回転数(rotdrv)との差が所定値よりも大きい(rotdrv−wveh>所定値)か否かが判定される。図3に示すように、ステップS6では、各駆動輪の車輪回転数最大値(vwmax)と車速を車輪回転数に換算した回転数換算値(wveh)との差がスピン解除判定閾値(THRSPDL)よりも大きい(vwmax−wveh>THRSPDL)か否かが判定される。
車速から換算した車輪回転数と実際の車輪回転数との差が所定値よりも大きい場合(ステップS6:Yes)、この制御ルーチンは上述したステップS4へ進み、ステップS4にて必要に応じて要求駆動トルクの補正(低減)を実施する。
一方、車速から換算した車輪回転数と実際の車輪回転数との差が所定値以下である場合(ステップS6:No)、ECU10は、スピンが十分に収まったと判断し、スピン判定を不成立とし、スピン判定フラグをOFFに設定する(ステップS7)。
ECU10は、ステップS7の処理を実施すると、要求駆動トルクを補正することなく設定する(ステップS8)。ステップS8では、要求駆動トルクのベース値がそのまま要求駆動トルクに設定される。すなわち、ステップS8が実施される場合、要求駆動トルクのベース値を低減しない。ステップS8の処理を実施すると、この制御ルーチンは終了する。
ステップS8の処理は、ステップS7を実施後、すなわち前回スピン判定成立(ステップS1:No)かつ今回スピン判定不成立(ステップS6:No)の場合以外にも実施される。例えば、前回スピン判定不成立(ステップS1:Yes)かつ今回スピン判定成立(ステップS2:Yes)かつ車輪回転数がTHDRVUPGI以下(ステップS4:No)の場合、ステップS8の処理が実施される。さらに、前回スピン判定不成立(ステップS1:Yes)かつ今回スピン判定不成立(ステップS2:No)の場合、ステップS8の処理が実施される。
図4は、要求駆動トルクの補正制御が実施された際の車輪回転数の変化を説明するための図である。図4に示すマップでは、縦軸が、車速を車輪回転数に換算した回転数換算値(wveh)であり、横軸が、実際の車輪回転数(rotdrv)である。また、線L1は、回転数換算値と実際の車輪回転数との回転数差がゼロ(wveh=rotdrv)になる場合を表す。
図4に示すように、動作点P1の場合、走行中の車両Veで駆動輪がスリップしていない状態である。この走行状態から駆動輪でスリップが発生すると、動作点P2に変化する。動作点P2では、ECU10によってスリップの発生が検知される。そして、動作点P3は、駆動輪のスリップ発生後(動作点P2となった場合)に、要求駆動トルクのベース値を低減する補正制御を実行した状態である。つまり、動作点P2となった場合に、上述した要求駆動トルクの補正制御を実行することによって、回転数換算値(wveh)と実際の車輪回転数(rotdrv)との差が、許容上限のTHDRVUPGIよりも小さい状態に制御することができている。仮に、補正制御を実行していない場合には、動作点P2から動作点P5へとなりゆきで変化してしまい、車輪回転数差が許容上限のTHDRVUPGIを越えてしまう。そして、動作点P3の状態から補正制御(制御モード)が継続され、スリップが解消すると、動作点P4に示す状態に変化する。動作点P4の状態に移行すると、制御モード終了閾値よりも回転数差が小さくなるため、制御モードを終了する。
以上説明した通り、実施形態によれば、車両Veが低μ路を走行するために必要な駆動トルクを出力することができるとともに、低μ路から高μ路に変化した場合であっても駆動系に入力されるイナーシャトルクを低減させることができるので駆動系に掛かる負荷を低減することができる。これにより、路面μが急変したことにより入力されるイナーシャトルクによって駆動系が故障することを回避できる。
例えば、氷結路等の低μ路において、路面が低μから高μへ急変する場合(氷結路の一部にドライ路が露出する場合)、このμ変化により駆動輪の回転数が高回転側から低回転側へ急変することで発生するイナーシャトルクが駆動系機構へ入力される。その際、本実施形態によれば、過大なトルク入力による駆動系機構の故障を回避しつつ、低μ路の登坂可能性も高めることができる。
また、実施形態によれば、トルクリミッタ等の保護機構を必要とせずに、イナーシャトルク入力による駆動系機構の故障を回避することが可能であり、かつ駆動トルクを故障回避可能な範囲で適切にコントロールすることができる。そのため、低μ路での走破可能性を高めることができる。
また、比較例として、駆動輪と従動輪との車輪回転数差を用いてモータを駆動制御する場合には、従動輪の回転数が車体速度から乖離しやすいため、精度よくトルク補正量を算出することができない場合がある。一方、上述した実施形態では、車速から換算した回転数換算値と駆動輪の実際の車輪回転数との差を用いて要求駆動トルクの補正量を算出するため、比較例のように従動輪の車輪回転数を用いた場合と比較して、従動輪の回転数が車速から乖離する状況下においても精度よくトルク補正量を算出することができる。
なお、上述した実施形態の変形例として、動力源は、モータ1に限らず、エンジンであってもよい。また、車両は後輪側に動力源のモータを搭載したRR車であってもよい。また、車両は、前輪用の動力源としてモータ1を備え、後輪用の動力源として別のモータ(リヤモータ)を備える四輪駆動車であってもよい。さらに、動力源となるモータは、各駆動輪に設けられたインホイールモータであってもよい。インホイールモータの場合、インホイールモータの駆動軸と車軸とが直結された駆動系システムである。
1 モータ
2 インバータ
3 バッテリ
4 デファレンシャルギヤ機構
5L,5R 前輪
6 車体
7L,7R 後輪
10 ECU(電子制御装置)
11 駆動制御部
12 スリップ判定部
13 換算部
14 回転数差算出部
15 補正量算出部
21 車輪速センサ
22 車速センサ
23 アクセル開度センサ
2 インバータ
3 バッテリ
4 デファレンシャルギヤ機構
5L,5R 前輪
6 車体
7L,7R 後輪
10 ECU(電子制御装置)
11 駆動制御部
12 スリップ判定部
13 換算部
14 回転数差算出部
15 補正量算出部
21 車輪速センサ
22 車速センサ
23 アクセル開度センサ
Claims (1)
- 車体の速度を検出する車速検出手段と、
車両の駆動輪における車輪回転数を検出する回転数検出手段と、
前記駆動輪がスリップ状態であるか否かを判定するスリップ判定手段と、
前記車両の運転者が前記車両に要求する要求駆動トルクに基づいて、前記車両の動力源から出力するトルクの大きさを制御する駆動制御手段と、を備え、
前記駆動輪がスリップ状態であると判定された場合に前記駆動制御手段は、前記動力源から出力するトルクが前記要求駆動トルクよりも小さくなるように制御する車両の制御装置であって、
前記車速検出手段により検出された前記車体の速度を前記駆動輪の車輪回転数に換算する換算手段と、
前記換算手段により換算された車輪回転数と、前記回転数検出手段により検出された車輪回転数との回転数差を算出する回転数差算出手段と、
前記回転数差算出手段により算出された回転数差に基づいて、前記要求駆動トルクに対する補正量を算出する補正量算出手段と、
を備え、
前記駆動輪がスリップ状態であると判定された場合に、前記駆動制御手段は、前記補正量算出手段により算出された補正量に基づいて前記要求駆動トルクを補正する
ことを特徴とする車両の制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020025668A JP2021132443A (ja) | 2020-02-18 | 2020-02-18 | 車両の制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020025668A JP2021132443A (ja) | 2020-02-18 | 2020-02-18 | 車両の制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2021132443A true JP2021132443A (ja) | 2021-09-09 |
Family
ID=77552188
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2020025668A Pending JP2021132443A (ja) | 2020-02-18 | 2020-02-18 | 車両の制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2021132443A (ja) |
-
2020
- 2020-02-18 JP JP2020025668A patent/JP2021132443A/ja active Pending
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