JP2021131620A - 包装物トレーサビリティシステム - Google Patents
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Abstract
【課題】一般的なごみ箱のような構造が単純な回収ボックスを用いても資源物の廃棄履歴情報を取得できるようにする。【解決手段】資源物トレーサビリティシステム1は,再利用可能な資源物10,資源物10の回収ボックス11,資源物10に係る履歴情報を時系列で記憶するトレーサビリティシステム14,ユーザ15が所持する携帯端末12および回収支援サーバ13を含む。携帯端末12は,ユーザID,資源物10に付けられた資源物タグ100から読み出した資源物ID,ユーザ15が指定された場所で資源物10を廃棄したことを証明するため所在証明情報などを含ませた廃棄履歴情報を生成し,回収支援サーバ13を利用して,廃棄履歴情報をトレーサビリティシステム14に登録する。【選択図】図1
Description
本発明は,再利用可能な資源物を回収するためのシステムに関する。
これまで資源物とされていたものを資源と捉え,再利用可能な資源物を再生し続けられる経済循環を目指すサーキュラーエコノミー(循環型経済)が注目を浴びている。なお,資源物とは,再利用可能な材料(例えば,プラスチック材料)を用いて製造された容器包装や製品を意味する。
サーキュラーエコノミーのビジネスモデルの一つに循環型サプライチェーンがある。循環型サプライチェーンとは,リサイクルにより資源物を循環させる供給連鎖を意味する。循環型サプライチェーンの実現には,資源物の出荷から廃棄された資源物のリサイクルに至るまでの資源物に係る様々な履歴情報を時系列で管理し,資源物に係る履歴情報を追跡できるトレーサビリティシステム(「生産流通情報把握システム」とも称される。)が必要になる。
循環型サプライチェーンにおいて,資源物を廃棄するサプライヤーには,循環型サプライチェーンに含まれる企業に加えて,資源物を用いた商品を消費した消費者も含まれる。よって,循環型サプライチェーンで必要なトレーサビリティシステムの実現には,消費者に資源物を所定の回収拠点で廃棄してもらい,資源物の廃棄内容を記した廃棄履歴情報を取得できることが必要になる。
資源物の廃棄履歴情報には,消費者が資源物を廃棄した回収拠点の識別情報と,消費者が廃棄した資源物の識別情報と,消費者が廃棄した資源物の廃棄量が必要になる。消費者が廃棄した資源物の識別には,自動認識可能なタグを利用することが一般的に行われ,消費者が廃棄した資源物の廃棄量は,消費者が廃棄した資源物の個数や重量から把握することが一般的である。
例えば,特許文献1で開示された発明では,資源物となるPETボトルの回収履歴情報(消費者を主体とした場合は廃棄履歴情報になる。)の取得にIoT(Internet of Things)対応化した回収装置を用い,回収拠点の識別情報は,回収装置が記憶している。また,特許文献1で開示された発明では,商品情報などを記憶させたRFタグをPETボトルに付加し,消費者が廃棄したPETボトルに付加されたRFタグを読み取ることで,回収装置は消費者から回収したPETボトルに対応する商品を識別している。また,特許文献1で開示された発明では,消費者から回収したPETボトルの回収本数や回収重量をPETボトルの回収量としている。更に,特許文献1で開示された発明では,消費者がPETボトルを回収装置に入れてもらえるように,PETボトルを回収装置に入れた消費者に対してポイントを与えている。
しなしながら,資源物の廃棄履歴情報(特許文献1では回収履歴情報)を少なくとも取得する従来の発明では,資源物の回収に用いる回収ボックスをIoT対応にした構造が複雑な装置にしなければならず,一般的なごみ箱を回収ボックスに利用できない。街中に数多くの回収ボックスを設置することを考えると,すべての回収ボックスをIoT対応にした構造が複雑な装置にするのには費用が掛かり過ぎるため,一般的なごみ箱を資源物の回収ボックスに用いても資源物の廃棄履歴情報を取得できることが望ましい。
そこで,本発明は,一般的なごみ箱のような構造が単純な回収ボックスを用いても資源物の廃棄履歴情報を取得できるようにすることを目的とする。
上述した課題を解決する第1発明は,再利用可能な資源物と,前記資源物の回収に用いられる回収ボックスと,前記資源物の廃棄履歴情報を生成する廃棄履歴生成手段とユーザが指定された場所で前記資源物を廃棄したことを証明するための所在証明情報を取得する所在証明情報取得手段を備えた携帯端末と,前記資源物に係る履歴情報を時系列で記憶するトレーサビリティシステムに前記携帯端末が生成した前記廃棄履歴情報を登録する廃棄履歴登録手段を備えた回収支援サーバを含み,前記資源物を特定する資源物IDをエンコードした自動認識用のタグである資源物タグを前記資源物に付け,前記携帯端末の前記廃棄履歴生成手段は,前記携帯端末に登録されているユーザIDに加え,前記資源物タグのスキャンを指示する画面を表示してから前記携帯端末のスキャナーモジュールが前記資源物タグから読み取った前記資源物IDと,前記所在証明情報の取得を指示してから前記所在証明情報取得手段が取得した前記所在証明情報を廃棄履歴情報に含ませることを特徴とする資源物トレーサビリティシステムである。
第1発明は,本発明の課題を解決するために,前記回収ボックスではなく,ユーザが所持する前記携帯端末が前記資源物の前記廃棄履歴情報を生成できるように構成されている。
更に,第2発明は,第1発明において,前記回収ボックスを特定するボックスIDをエンコードした前記タグであるボックスタグを前記回収ボックスに付け,前記所在証明情報取得手段は,前記ボックスタグに対応するスキャナーモジュールが前記ボックスタグから読み取ったボックスIDを前記所在証明情報として取得することを特徴とする。
第2発明は,前記回収ボックスに付けた前記ボックスタグにエンコードしたボックスIDを前記所在証明情報として利用できるようにした発明である。
更に,第3発明は,第1発明において,前記所在証明情報取得手段は,位置計測モジュールが計測した現在地情報を前記所在証明情報として取得することを特徴とする。
第3発明は,ユーザの現在地情報を前記所在証明情報として利用できるようにした発明である。
更に,第4発明は,第1発明において,前記所在証明情報取得手段を,フロントカメラモジュールが撮影したセルフィ画像を前記所在証明情報として取得することを特徴とする。
第4発明は,前記回収ボックスとユーザが撮影されたセルフィ画像を前記所在証明情報として利用できるようにした発明である。
更に,第5発明は,第1発明から第4発明のいずれか一つにおいて,前記廃棄履歴情報を登録する前記トレーサビリティシステムをブロックチェーンとしたことを特徴とする。前記トレーサビリティシステムにブロックチェーンを利用することで,前記資源物に係る履歴情報の管理を容易に行える。
更に,第6発明は,第1発明から第5発明のいずれか一つにおいて,前記回収支援サーバは,前記携帯端末から受信した前記廃棄履歴情報に含まれる前記資源物IDを利用して前記資源物の廃棄量を算出し,前記資源物の廃棄量に基づくポイントの累計を前記ユーザIDごとに管理するポイント管理手段を備えていることを特徴とする。前記資源物を前記回収ボックスに廃棄したユーザに与えることで,前記資源物を前記回収ボックスに廃棄するモチベーションをユーザに与えることができる。
更に,第7発明は,商品コードが付けられた再利用可能な資源物と,少なくとも一つの前記資源物を収納する回収バッグと,前記資源物を収容した前記回収バッグの回収に用いられる回収ボックスと,前記資源物の廃棄履歴情報を生成する廃棄履歴生成手段とユーザが指定された場所で前記資源物を廃棄したことを証明するための所在証明情報を取得する所在証明情報取得手段に加えて,前記回収バッグに収容された前記資源物を管理する回収バッグ管理手段を備えた携帯端末と,前記資源物に係る履歴情報を時系列で記憶するトレーサビリティシステムに前記携帯端末が生成した前記廃棄履歴情報を登録する廃棄履歴登録手段を備えた回収支援サーバを含み,前記資源物を特定する資源物IDをエンコードした自動認識用のタグである資源物タグを前記回収バッグに付け,前記携帯端末の前記回収バッグ管理手段は,前記資源物タグのスキャンを指示する画面を表示してから前記携帯端末のスキャナーモジュールが前記資源物タグから読み取った前記資源物IDに関連付けて,商品コードの入力を指示する画面を表示してからユーザが前記携帯端末に入力した商品コードを記憶し,前記携帯端末の前記廃棄履歴生成手段は,前記携帯端末に登録されているユーザIDに加え,前記資源物タグのスキャンを指示する画面を表示してから前記携帯端末のスキャナーモジュールが前記資源物タグから読み取った前記資源物IDと,前記資源物IDに関連付けて記憶している商品コードと,前記所在証明情報の取得指示を指示してから前記所在証明情報取得手段が取得した前記所在証明情報を廃棄履歴情報に含ませることを特徴とする資源物トレーサビリティシステムである。
第7発明は,本発明の課題を解決するために,前記回収ボックスではなく,ユーザが所持する前記携帯端末が前記資源物の前記廃棄履歴情報を生成できるように構成されている。
また,第7発明は,前記資源物タグを付けられない前記資源物であっても,前記資源物を収容した前記回収バッグに付けた前記資源物タグを用いて,ユーザが前記回収ボックスに廃棄した前記資源物を追跡できるように構成されている。
更に,第8発明は,第7発明において,前記回収ボックスを特定するボックスIDをエンコードした前記タグであるボックスタグを前記回収ボックスに付け,前記所在証明情報取得手段は,前記ボックスタグに対応するスキャナーモジュールが前記ボックスタグから読み取ったボックスIDを前記所在証明情報として取得することを特徴とする。
第8発明は,前記回収ボックスに付けた前記ボックスタグにエンコードしたボックスIDを前記所在証明情報として利用できるようにした発明である。
更に,第9発明は,第7発明において,前記所在証明情報取得手段は,位置計測モジュールが計測した現在地情報を前記所在証明情報として取得することを特徴とする。
第9発明は,ユーザの現在地情報を前記所在証明情報として利用できるようにした発明である。
更に,第10発明は,第7発明において,前記所在証明情報取得手段を,フロントカメラモジュールが撮影したセルフィ画像を前記所在証明情報として取得することを特徴とする。
第10発明は,前記回収ボックスとユーザが撮影されたセルフィ画像を前記所在証明情報として利用できるようにした発明である。
更に,第11発明は,第7発明から第10発明のいずれか一つにおいて,前記回収支援サーバが前記廃棄履歴情報を登録する前記トレーサビリティシステムをブロックチェーンとしたことを特徴とする。前記トレーサビリティシステムにブロックチェーンを利用することで,前記資源物に係る履歴情報の管理を容易に行える。
更に,第12発明は,第8発明において, 前記回収ボックスは,前記回収支援サーバと接続し前記回収ボックスに係る重量を計測する重量センサを備え,前記回収支援サーバの前記廃棄履歴登録手段は,前記廃棄履歴情報を前記携帯端末から受信すると,前記廃棄履歴情報に含まれる前記ボックスIDで特定される前記回収ボックスの前記重量センサから重量情報を取得し,前記回収バッグの推定重量が所定の範囲内に収まる場合のみ,前記携帯端末から受信した前記廃棄履歴情報を前記トレーサビリティシステムに登録することを特徴とする。前記資源物を前記回収バッグに収容して前記回収ボックスに廃棄しても,前記重量センサを前記回収ボックスに設けることで,前記回収ボックスに廃棄された前記資源物を収容した前記回収バッグの重量から,前記回収ボックスに廃棄された前記資源物の廃棄量を推測でき,更に,故意的に重くするなどの前記回収バッグの不正使用を防止できる。
更に,第13発明は,第12発明において,前記回収支援サーバは,前記回収バッグに収容された前記資源物の推定重量に基づくポイントの累計を前記ユーザIDごとに管理することを特徴とする。前記資源物を収容した前記回収バッグを前記回収ボックスに廃棄したユーザに与えることで,前記資源物を前記回収ボックスに廃棄するモチベーションをユーザに与えることができる。
このように,本発明は,一般的なごみ箱を資源物の回収ボックスに用いても資源物の廃棄履歴情報を取得できるように,前記回収ボックスに前記ボックスタグを付けるだけで,ユーザが所持する携帯端末が資源物の廃棄履歴情報を生成できるように構成されている。
ここから,本発明に係る実施形態について記載する。本実施形態は,本発明の理解を容易にするためのものであり,本発明は,本実施形態に限定されるものではない。また,特に断りのない限り,図面は,本発明の理解を容易にするために描かれた模式的な図である。
<実施形態1>
図1は,実施形態1に係る資源物トレーサビリティシステム1の構成を説明する図である。実施形態1に係る資源物トレーサビリティシステム1は,再利用可能な資源物10,資源物10を回収するために設置された回収ボックス11,資源物10に係る様々な履歴情報を時系列で記憶するトレーサビリティシステム14,資源物10を廃棄するユーザ15が所持する携帯端末12,および,携帯端末12が廃棄履歴情報をトレーサビリティシステム14に登録するときにアクセスする回収支援サーバ13を含む。
図1は,実施形態1に係る資源物トレーサビリティシステム1の構成を説明する図である。実施形態1に係る資源物トレーサビリティシステム1は,再利用可能な資源物10,資源物10を回収するために設置された回収ボックス11,資源物10に係る様々な履歴情報を時系列で記憶するトレーサビリティシステム14,資源物10を廃棄するユーザ15が所持する携帯端末12,および,携帯端末12が廃棄履歴情報をトレーサビリティシステム14に登録するときにアクセスする回収支援サーバ13を含む。
トレーサビリティシステム14は,資源物10に係る様々な履歴情報を時系列で記憶し,資源物10の履歴を追跡できるように管理しているシステムで,資源物10の循環に含まれるサプライヤーが利用できるように構成されている。
図1では,資源物10の循環に含まれるサプライヤーとして,資源物10を用いた商品を製造する製造業者,資源物10を用いた商品を販売する卸売業者,および,資源物10を用いた商品を使用した後,資源物10を廃棄するユーザ15を図示している。図1では,製造業者のサーバ16,卸売業者のサーバ17および回収支援サーバ13がネットワークを介してトレーサビリティシステム14と直接接続し,携帯端末12は回収支援サーバ13を介してトレーサビリティシステム14と接続している。よって,トレーサビリティシステム14が管理する資源物10の履歴情報には,資源物10の廃棄履歴情報に加えて,資源物10を用いた商品の出荷履歴情報,および,この商品の販売履歴情報など含ませることができる。
トレーサビリティシステム14は,従来からある中央集権型の装置でもよいが,実施形態1では,複数のノードから構成されるブロックチェーンによりトレーサビリティシステム14を実現している。ブロックチェーンでは,改ざんできない形式で資源物10の履歴情報が日付順に並ぶため,資源物10の出荷からリサイクルまでの資源物10の履歴管理を簡易化できる。また,サーキュラーエコノミーでは資源物10は資源と扱われるため,廃棄する資源物10にも所有権が発生するが,仮想通貨でも利用されているブロックチェーンをトレーサビリティシステム14に利用することで,資源物10に係る所有権の移転管理も容易に行える。更に,ブロックチェーンによりトレーサビリティシステム14を実現することで,ブロックチェーンのノードとなるサーバ(ここでは,回収支援サーバ13)にアクセスすることで,ユーザ15は,ユーザ15が廃棄した資源物10の履歴情報を確認することができる。
図2は,ブロックチェーンを説明する図である。ブロックチェーンは,一定時間内に登録された一つまたは複数のデータ143をまとめたブロック140を時系列にチェーンのように繋げた構造になっている。ブロック140を時系列にチェーンのように繋げるために,ブロック140には,一つ前のブロックのハッシュ値141と,ハッシュ値を所定形式(例えば,最初のn桁が全て「0」)に合わせるためのナンス値142が含まれる。
実施形態1のブロックチェーンのブロック140に含ませるデータ143は資源物10の履歴情報になる。ブロック140に含ませる一つの資源物10の履歴情報は,製造業者のサーバ16が生成した出荷履歴情報,卸売業者のサーバ17が生成した販売履歴情報,または,携帯端末12が生成した廃棄履歴情報などになる。
図3は,実施形態1に係る資源物10と回収ボックス11を説明する図である。実施形態1において,資源物10とは,再利用可能な材料(例えば,プラスチック材料)を用いて製造された容器包装や製品を想定している。資源物10となる容器包装とは,商品を入れたり包んだりしているもので,金属缶(アルミ缶やスチール缶),紙パック,段ボール,ビン,PETボトルや食品のパッケージなどである。図2などでは,コーヒーチェーン店などで使用されるプラスチックカップを資源物10の一例として図示している。
実施形態1に係る資源物トレーサビリティシステム1では,回収ボックス11を必ずしもIoT対応にする必要はなく,図3では,ネットワーク機能を有さない構図が単純な一般的なごみ箱の形態で回収ボックス11を図示している。
図3で示したように,実施形態1に係る資源物トレーサビリティシステム1では,自動認識可能なタグが資源物10に付けられ,更に,自動認識可能なタグは回収ボックス11にも付けることができる。資源物10に少なくとも付けるタグとしては,二次元バーコードなど光学的にスキャンする光学コードや電子透かしを印刷したラベルや,無線でスキャンするRFタグを利用できる。
資源物10に付けたタグである資源物タグ100には,資源物10を特定するための資源物IDがエンコードされる。資源物10を特定するための資源物IDは,ユーザ15が廃棄した資源物10の履歴管理に利用される情報になる。実施形態1では,資源物タグ100を付加可能な資源物10として,資源物IDを資源物10ごとで異なる値にしている。資源物IDを資源物10ごとで異なる値にすれば,トレーサビリティシステム14を利用することで,ユーザ15が廃棄した資源物10を個別に追跡できる。
回収ボックス11にもタグを付ける場合,回収ボックス11に付けたタグであるボックスタグ110には,回収ボックス11ごとに個別なボックスIDがエンコードされる。資源物10を廃棄するユーザ15がボックスタグ110を携帯端末12にスキャンさせることで,ユーザ15が資源物10を廃棄した回収ボックス11から,ユーザ15が指定された場所で資源物10を廃棄したことを証明するための所在証明情報としてボックスIDを取得できる。
図4は,実施形態1に係る携帯端末12のブロック図である。資源物トレーサビリティシステム1を利用するユーザ15が所持する携帯端末12は,スマートフォンまたはタブレット端末などの携帯型の情報端末を意味する。図4で示したごとく,携帯端末12は,携帯端末12の動作に係る様々な処理を実行するプロセッサ1200,ディスプレイデバイスとタッチスクリーンが組み合わされたタッチパネル1205,LTEなどの移動体通信規格に準拠した無線通信を行う移動体通信モジュール1206,現在地情報(携帯端末12の位置情報)を計測する位置計測モジュール1204,電気的に書き換え可能な不揮発性メモリを含むメモリ1207を有している。また,携帯端末12は,自動認識用のタグのスキャンに用いるスキャナーモジュールとして,携帯端末12のリア側(背面側)を撮影するリアカメラモジュール1202と,RFタグに対応したRFリーダモジュール1203を有している。更に,携帯端末12は,携帯端末12のフロント側(前面側)を撮影するフロントカメラモジュール1201を有している。なお,本実施形態において,モジュールとは,ハードウェアとこれを制御するソフトウェアから構成されるものを意味する。
実施形態1において,リアカメラモジュール1202は,資源物タグ100やボックスタグ110を光学的にスキャンするときに利用される。また,フロントカメラモジュール1201はセルフィ写真の撮影に利用される。また,RFリーダモジュール1203は,資源物タグ100やボックスタグ110を無線によりスキャンするときに利用される。
携帯端末12のメモリ1207には,回収支援サーバ13を介して携帯端末12がトレーサビリティシステム14を利用できるように構成されたアプリケーションであるトレーサビリティアプリケーション1208が記憶される。
トレーサビリティアプリケーション1208には,資源物10の廃棄履歴情報を生成し,回収支援サーバ13を介してトレーサビリティシステム14に廃棄履歴情報を登録する処理を実行するコンピュータプログラムである廃棄履歴生成プログラム1209が含まれる。廃棄履歴生成プログラム1209が携帯端末12で起動すると,プロセッサは,資源物10の廃棄履歴情報を生成し,回収支援サーバ13を介して廃棄履歴情報をトレーサビリティシステム14に登録する廃棄履歴生成手段120として機能し,廃棄履歴生成手段120の初期設定にて,ユーザ15を識別する情報になるユーザIDが廃棄履歴生成手段120に登録される。ユーザ15が所持する携帯端末12が資源物10の廃棄履歴情報を生成することで,回収ボックス11を複雑な構造にする必要は必ずしもなくなる。例えば,図3で図示したように,ネットワーク機能を有さない一般的なごみ箱を回収ボックス11に利用できる。
ユーザ15が所持する携帯端末12が生成する資源物10の廃棄履歴情報は,ユーザ15が資源物10を回収ボックス11に廃棄した取引内容を示す情報になる。廃棄履歴情報には,日付時刻,ユーザID,所在証明情報および資源物IDが含まれる。廃棄履歴情報の日付時刻は,廃棄履歴情報を生成したときの日付時刻になる。廃棄履歴情報のユーザIDは,廃棄履歴生成手段120に登録されたユーザID,すなわち,資源物10を廃棄したユーザ15のユーザIDになる。廃棄履歴情報の所在証明情報は,ユーザ15が指定された場所で資源物10を廃棄したことを証明するための情報になる。回収ボックス11にボックスタグ110を付ける場合,ユーザ15が資源物10を廃棄した回収ボックス11に付けられたボックスタグ110にエンコードされているボックスIDを所在証明情報として利用できる。所在証明情報としては,ボックスID以外に,資源物10を廃棄するときにユーザ15が居た位置を示す現在地情報や,回収ボックス11を含ませたユーザ15のセルフィ画像を利用できる。廃棄履歴情報の資源物IDは,ユーザ15が廃棄した資源物10に付けられた資源物タグ100にエンコードされている資源物IDになる。
更に,トレーサビリティアプリケーション1208には,ユーザが指定された場所で資源物10を廃棄したことを証明するための所在証明情報を取得する処理を実行するコンピュータプログラムである所在証明情報取得プログラム1210が含まれる。所在証明情報取得プログラム1210が携帯端末12で起動すると,プロセッサ1200は,所在証明情報の取得に用いるモジュールを起動させて,所在証明情報として用いる情報を取得する処理を実行する所在証明情報取得手段121として機能する。
上述した通り,所在証明情報として用いる情報としては,回収ボックス11に付けたボックスタグ110にエンコードするボックスID,資源物10を廃棄するときにユーザ15が居た位置を示す現在地情報,また,回収ボックス11を含ませたユーザ15のセルフィ画像を利用できる。ボックスIDを所在証明情報とする場合,所在証明情報の取得に用いるモジュールは,ボックスタグ110に対応するスキャナーモジュールで,具体的には,リアカメラモジュール1202やRFリーダモジュール1203になる。資源物10を廃棄するときにユーザ15が居た位置を示す現在地情報を所在証明情報とする場合,所在証明情報の取得に用いるモジュールは,位置計測モジュール1204になる。そして,回収ボックス11を含ませたユーザ15のセルフィ画像を所在証明情報とする場合,所在証明情報の取得に用いるモジュールは,フロントカメラモジュール1201になる。
更に,トレーサビリティアプリケーション1208には,位置計測モジュール1204から携帯端末12の現在地情報を取得し,現在地情報を含ませた回収ボックス11の検索要求を回収支援サーバ13へ送信した後,回収支援サーバ13から受信したデータを表示する処理を実行するコンピュータプログラムである回収ボックス検索要求プログラム1211が記憶される。回収ボックス検索要求プログラム1211が携帯端末12で起動すると,プロセッサ1200は,位置計測モジュール1204から携帯端末12の現在地情報を取得し,現在地情報を含ませた回収ボックス11の検索要求を回収支援サーバ13へ送信した後,回収支援サーバ13から受信したデータを表示する処理を実行する回収ボックス検索要求手段122として機能する。
図5は,実施形態1に係る回収支援サーバ13のブロック図である。実施形態1に係る回収支援サーバ13は,携帯端末12から受信した廃棄履歴情報をトレーサビリティシステム14に登録する機能に加え,資源物10を廃棄したユーザ15に与えるポイントの管理機能や回収ボックス11の検索機能などを有する装置である。
回収支援サーバ13は,一つまたは複数のサーバで構成することができる。回収支援サーバ13を構成する一つのサーバは,一つ以上のプロセッサ1300と,プロセッサ1300と接続している様々なコンポーネントを有する。図5では,プロセッサ1300と接続しているコンポーネントとして,ストレージシステム1301とネットワーク通信回路1308を図示しているが,プロセッサ1300と接続しているコンポーネントはこれらに限定されない。
回収支援サーバ13のストレージシステム1301には,トレーサビリティシステム14に登録しない情報を記憶するDB(DataBase)として,ユーザ15に与えたポイントのこれまでの累計である累計ポイントをユーザIDに関連付けて記憶したポイントDB1306と,回収ボックス11ごとの所在地情報を記憶した回収ボックスDB1307が構築されている。
回収支援サーバ13のストレージシステム1301には,トレーサビリティシステム14に接続するための接続アプリケーション1302が記憶される。実施形態1では,ブロックチェーンによりトレーサビリティシステム14を実現しているため,このアプリケーションはブロックチェーンアダプタになる。
また,回収支援サーバ13のストレージシステム1301には,アプリケーションを利用して,携帯端末12から受信した廃棄履歴情報をトレーサビリティシステム14に登録する廃棄履歴登録アプリケーション1303が記憶される。この廃棄履歴登録アプリケーション1303が実行されると,プロセッサ1300は,廃棄履歴登録手段130として機能する。
また,回収支援サーバ13のストレージシステム1301には,廃棄履歴情報を送信した携帯端末12を所持するユーザ15に,資源物10の廃棄量(回収支援サーバ13からすると回収量になる)に応じたポイントを与えるポイント管理アプリケーション1304が記憶される。このポイント管理アプリケーション1304が実行されると,プロセッサ1300は,ポイント管理手段131として機能する。
また,回収支援サーバ13のストレージシステム1301には,ユーザ15が所持する携帯端末12から,携帯端末12の現在地情報を含む回収ボックス11の検索要求が送信されると,所在地情報が現在地情報の近くになる回収ボックス11を回収ボックスDB1307から検索する回収ボックス検索アプリケーション1305が記憶され,この回収ボックス検索アプリケーション1305が実行されると,プロセッサ1300は,回収ボックス検索手段132として機能する。
なお,回収支援サーバ13が備える廃棄履歴登録手段130,ポイント管理手段131および回収ボックス検索手段132の動作については後述する。
ここから,実施形態1に係る資源物トレーサビリティシステム1で実行される処理について説明する。図6は,ユーザ15が回収ボックス11に出向くまでの動作を説明する図で,図7は,廃棄履歴情報を登録するときの動作を説明する図で,図8は,ユーザ15にポイントを与えるときの動作を説明する図である。
まず,図6を参照しながら,ユーザ15が回収ボックス11に出向くまでの資源物トレーサビリティシステム1の動作について説明する。
ユーザ15が資源物10を使用した商品を購入し(S1),ユーザ15がこの商品を使用すると(S2),ユーザ15が使用した商品の資源物10が廃棄物として発生する(S3)。ユーザ15が,ユーザ15が所持する携帯端末12のタッチパネル1205を操作して,トレーサビリティアプリケーション1208の起動操作(例えば,アイコンの選択操作)を行うと(S4),トレーサビリティアプリケーション1208が携帯端末12で起動する(S5)。
携帯端末12で起動したトレーサビリティアプリケーション1208は,トレーサビリティアプリケーション1208が有する機能をユーザ15に選択させるメニュー画面をタッチパネル1205に表示する(S6)。トレーサビリティアプリケーション1208が有する機能には,最寄りの回収ボックス11を検索する機能と,廃棄履歴情報を生成して回収支援サーバ13へ送信する機能が含まれる。
ここでは,ユーザ15が最寄りの回収ボックス11をわからないものとし,ユーザ15が,最寄りの回収ボックス11を検索する機能を選択すると(S7),回収ボックス検索要求プログラム1211が実行し,回収ボックス検索要求手段122が携帯端末12で起動する(S8)。携帯端末12の回収ボックス検索要求手段122は,携帯端末12の位置計測モジュール1204から現在地情報を取得した後,現在地情報を含ませた回収ボックス11の検索要求を回収支援サーバ13の回収ボックス検索手段132へ送信する(S9)。
回収支援サーバ13の回収ボックス検索手段132は,回収ボックス11の検索要求に含まれる現在地情報を中心とする所定範囲に所在地情報がある回収ボックス11を回収ボックスDB1307から検索し(S10),検索した回収ボックス11を表示する地図データを携帯端末12へ送信し(S11),携帯端末12の回収ボックス検索要求手段122は,回収支援サーバ13から送信された地図データをタッチパネル1205に表示する(S12)。この地図データを見たユーザ15は,最寄りにある回収ボックス11まで移動する(S13)。
ここから,図7を参照しながら,廃棄履歴情報を登録するときの資源物トレーサビリティシステム1の動作について説明する。
最寄りにある回収ボックス11まで移動したユーザ15が,廃棄履歴情報を生成して回収支援サーバ13へ送信する機能をメニュー画面から選択すると(S20),廃棄履歴生成プログラム1209が実行し,廃棄履歴生成手段120が携帯端末12で起動する(S21)。
携帯端末12で起動した廃棄履歴生成手段120は,まず,資源物タグ100のスキャンを指示する画面をタッチパネル1205に表示し(S22),ユーザ15が,回収ボックス11に廃棄する資源物10に付けられた資源物タグ100をスキャンする操作を行うと(S23),携帯端末12の廃棄履歴生成手段120は,携帯端末12が有するスキャナーモジュールを利用して,この資源物タグ100にエンコードされた資源物IDを読み取る(S24)。このとき,資源物タグ100のスキャンに用いるスキャナーモジュールをユーザ15に選択させることが好適で,資源物タグ100が光学コードの場合,資源物タグ100のスキャンに用いるデバイスはリアカメラモジュール1202になり,ユーザ15の操作は,ボックスタグ110を撮影する操作になる。また,資源物タグ100がRFタグの場合,資源物タグ100のスキャンに用いるスキャナーモジュールはRFリーダモジュール1203になり,ユーザ15の操作は,携帯端末12をボックスタグ110にかざす操作になる。なお,回収ボックス11に廃棄する資源物10が複数ある場合,ユーザ15は,資源物10ごとに資源物タグ100をスキャンする操作を行うことになる。
ユーザ15が,回収ボックス11に廃棄する資源物10に付けられた資源物タグ100にエンコードされた資源物IDを取得すると,携帯端末12の廃棄履歴生成手段120は,所在証明情報取得プログラム1210を実行させ,携帯端末12の所在証明情報取得手段121が起動する(S25)。
携帯端末12の所在証明情報取得手段121が起動すると,廃棄履歴生成手段120は,携帯端末12の所在証明情報の取得を所在証明情報取得手段121に指示し(S26),携帯端末12の所在証明情報取得手段121は所在証明情報を取得する(S27)。
所在証明情報としてボックスIDを利用する場合,携帯端末12の所在証明情報取得手段121は,ボックスタグ110のスキャンを指示する画面をタッチパネル1205に表示してから,ボックスタグ110に対応する携帯端末12のスキャナーモジュール(例えば,RFリーダモジュール1203)がボックスタグ110から読み取ったボックスIDを所在証明情報として取得する。
所在証明情報として現在地情報を利用する場合,携帯端末12の所在証明情報取得手段121は,所在証明情報の取得指示を受けてから,位置計測モジュール1204が計測した現在地情報を所在証明情報として取得する。
所在証明情報としてユーザ15のセルフィ画像を利用する場合,携帯端末12の所在証明情報取得手段121は,回収ボックス11を含ませたユーザ15のセルフィ画像の撮影を指示する画面をタッチパネル1205に表示してから,フロントカメラモジュール1201が撮影したセルフィ画像を所在証明情報として取得する。
所在証明情報取得手段121が所在証明情報を取得すると,携帯端末12の廃棄履歴生成手段120は,この時点の日付時刻,廃棄履歴生成手段120が記憶しているユーザID,携帯端末12の廃棄履歴生成手段120が起動してから資源物タグ100から読み取ったすべての資源物ID,および,所在証明情報取得手段121が取得した所在証明情報を含ませた廃棄履歴情報を生成し(S28),この廃棄履歴情報を回収支援サーバ13へ送信する(S29)。
回収支援サーバ13の廃棄履歴登録手段130は,接続アプリケーション1302を利用して,携帯端末12から受信した廃棄履歴情報をトレーサビリティシステム14に登録する処理を行い(S30),携帯端末12が生成した廃棄履歴情報がトレーサビリティシステム14に登録される。
なお,実施形態1では,回収支援サーバ13とトレーサビリティシステム14を区別して記載しているが,取り扱うデータ量が少ない場合は,トレーサビリティシステム14の機能を回収支援サーバ13に備えさせることもできる。
次に,図8を参照しながら,資源物10を廃棄したユーザ15にポイントを与えるときの回収支援サーバ13の動作について説明する。携帯端末12から廃棄履歴情報が送信されると,回収支援サーバ13のポイント管理手段131は,携帯端末12が送信した廃棄履歴情報から,資源物10を回収ボックス11に廃棄したユーザ15のユーザIDと,このユーザ15が廃棄した資源物10の資源物IDを少なくとも取得する(S40)。
次に,回収支援サーバ13のポイント管理手段131は,ポイントDB1306に記憶された累計ポイントの中から,資源物10を回収ボックス11に廃棄したユーザ15のユーザIDに関連付けられた累計ポイントに,資源物10の廃棄量に基づくポイントを加算する(S41)。ユーザ15が廃棄した資源物10の廃棄量は,資源物IDから資源物10を特定すれば算出できる。また,回収支援サーバ13がユーザ15に与えるポイントは仮想通貨や電子マネーとすることが好適であるが,景品(例えば,コーヒーショップの場合はタンブラー)に交換可能なポイントでもよい。
<実施形態2>
図9は,実施形態2に係る資源物トレーサビリティシステム2の構成を説明する図である。実施形態1では,資源物タグ100を資源物10に付加可能としていたが,衣類など,資源物タグ100を付加できない資源物10も実際には存在する。よって,実施形態2に係る資源物トレーサビリティシステム2は,このケースに対応できるように構成されている。
図9は,実施形態2に係る資源物トレーサビリティシステム2の構成を説明する図である。実施形態1では,資源物タグ100を資源物10に付加可能としていたが,衣類など,資源物タグ100を付加できない資源物10も実際には存在する。よって,実施形態2に係る資源物トレーサビリティシステム2は,このケースに対応できるように構成されている。
実施形態2に係る資源物トレーサビリティシステム2は,再利用可能な資源物20,少なくとも一つの資源物20を収納する回収バッグ28と,資源物20を収容した回収バッグ28の回収に用いられる回収ボックス21,資源物20に係る様々な履歴情報を時系列で記憶するトレーサビリティシステム24,資源物20を廃棄するユーザ25が所持する携帯端末22,および,携帯端末22が廃棄履歴情報をトレーサビリティシステム24にアクセスするときに利用する回収支援サーバ23を含む。
トレーサビリティシステム24は,資源物20に係る様々な履歴情報を時系列で記憶し,資源物20の履歴を追跡できるように管理しているシステムで,資源物20の循環に含まれるサプライヤーが利用できるように構成されている。
図9では,資源物20の循環に含まれるサプライヤーとして,資源物20を用いた商品を製造する製造業者,資源物20を用いた商品を販売する卸売業者,および,資源物20を用いた商品を使用した後,資源物20を廃棄するユーザ25を図示している。図9では,製造業者のサーバ26,卸売業者のサーバ27および回収支援サーバ23がネットワークを介してトレーサビリティシステム24と直接接続し,携帯端末22は回収支援サーバ23を介してトレーサビリティシステム24と接続している。よって,トレーサビリティシステム24が管理する資源物20の履歴情報には,資源物20の廃棄履歴情報に加えて,資源物20を用いた商品の出荷履歴情報,および,この商品の販売履歴情報など含ませることができる。
トレーサビリティシステム24は,従来からある中央集権型の装置でもよいが,実施形態2では,複数のノードから構成されるブロックチェーンによりトレーサビリティシステム24を実現している。ブロックチェーンでは,改ざんできない形式で資源物20の履歴情報が日付順に並ぶため,資源物20の出荷からリサイクルまでの資源物20の履歴管理を簡易化できる。また,サーキュラーエコノミーでは資源物20は資源と扱われるため,廃棄する資源物20にも所有権が発生するが,仮想通貨でも利用されているブロックチェーンをトレーサビリティシステム24に利用することで,資源物20に係る所有権の移転管理も容易に行える。更に,ブロックチェーンによりトレーサビリティシステム24を実現することで,ブロックチェーンのノードとなるサーバ(例えば,回収支援サーバ23)を利用することで,資源物20の履歴情報を確認することができる。
図10は,ブロックチェーンを説明する図である。ブロックチェーンは,一定時間内にブロックチェーンに登録された一つまたは複数のデータ243をまとめたブロック240を時系列にチェーンのように繋げた構造になっている。ブロック240を時系列にチェーンのように繋げるために,ブロック240には,一つ前のブロック240のハッシュ値241と,ハッシュ値241を所定形式(例えば,最初のn桁が全て「0」)に合わせるためのナンス値242が含まれる。
実施形態2のブロックチェーンのブロック240に含ませるデータ243は資源物20の履歴情報になる。ブロック240に含ませる一つの資源物20の履歴情報は,製造業者のサーバ26が生成した出荷履歴情報,卸売業者のサーバ27が生成した販売履歴情報,または,携帯端末22が生成した廃棄履歴情報などになる。
図11は,実施形態2に係る資源物20,回収バッグ28および回収ボックス21を説明する図である。実施形態2において,資源物20とは,再利用可能な材料(例えば,プラスチック材料)を用いて製造された衣類をメインに想定し,資源物20には,資源物20を個品に管理するための情報ではなく,資源物20を用いた商品の種別するための情報である商品コード200が付けられている。回収バッグ28は,資源物20を収容する袋状のものである。回収バッグ28も,再利用可能な材料(例えば,プラスチック材料)を用いて製造されている。
図11で示したように,実施形態2に係る資源物トレーサビリティシステム2では,自動認識可能なタグが回収バッグ28に付けられ,更に,自動認識可能なタグは回収ボックス21にも付けることができる。回収バッグ28に少なくとも付けるタグとしては,二次元バーコードなど光学的にスキャンする光学コードや電子透かしを印刷したラベルや,無線でスキャンするRFタグを利用できる。
回収バッグ28に付けたタグである資源物タグ280には,回収バッグ28を特定するための資源物IDがエンコードされる。回収バッグ28を特定するための資源物IDは,ユーザ25が廃棄した資源物20の履歴管理に利用される情報になる。実施形態2では,資源物タグ280を付加できない資源物20とし,資源物IDを回収バッグ28ごとで異なる値にしている。資源物IDを回収バッグ28ごとで異なる値にすれば,トレーサビリティシステム24を利用することで,ユーザ25が廃棄した資源物20を回収バッグ28の単位で追跡できる。
回収ボックス21にタグを付ける場合,回収ボックス21に付けたタグであるボックスタグ210には,回収ボックス21ごとに個別なボックスIDがエンコードされる。資源物20を収容した回収バッグ28を廃棄するユーザ25がボックスタグ210を携帯端末22にスキャンさせることで,ユーザ25が回収バッグ28を廃棄した回収ボックス21から,ユーザ15が指定された場所で資源物10を廃棄したことを証明するための所在証明情報としてボックスIDを取得できる。
更に,実施形態2に係る回収ボックス21には,回収ボックス21に廃棄された回収バッグ28の重量の計測に用いる簡易的な重量センサ211が設けられている。重量センサ211はIoT対応になっており,図8で図示したように,簡易的な重量センサ211は回収支援サーバ23とネットワーク接続している。
図12は,実施形態2に係る携帯端末22のブロック図である。資源物トレーサビリティシステム2を利用するユーザ25が所持する携帯端末22は,スマートフォンまたはタブレット端末などの携帯型の情報端末を意味する。図12で示したごとく,携帯端末22は,携帯端末22の動作に係る様々な処理を実行するプロセッサ2200,ディスプレイデバイスとタッチスクリーンが組み合わされたタッチパネル2205,LTEなどの移動体通信規格に準拠した無線通信を行う移動体通信モジュール2206,現在地情報(携帯端末22の位置情報)を計測する位置計測モジュール2204,電気的に書き換え可能な不揮発性メモリを含むメモリ2207を有している。また,携帯端末22は,自動認識用のタグのスキャンに用いるスキャナーモジュールとして,携帯端末22のリア側(背面側)を撮影するリアカメラモジュール2202と,RFタグに対応したRFリーダモジュール2203を有している。更に,携帯端末22は,携帯端末22のフロント側(前面側)を撮影するフロントカメラモジュール2201を有する。なお,本実施形態において,モジュールとは,ハードウェアとこれを制御するソフトウェアから構成されるものを意味する。
実施形態2において,リアカメラモジュール2202は,資源物タグ280やボックスタグ210を光学的にスキャンするときに利用される。また,フロントカメラモジュール2201はセルフィ写真の撮影に利用される。また,RFリーダモジュール2203は,資源物タグ280やボックスタグ210を無線によりスキャンするときに利用される。
携帯端末22のメモリには,回収支援サーバ23を介して携帯端末22がトレーサビリティシステム24を利用できるように構成されたアプリケーションであるトレーサビリティアプリケーション2208が記憶される。
トレーサビリティアプリケーション2208には,携帯端末22のスキャナーモジュールが回収バッグ28の資源物タグ280から読み取った資源物IDに関連付けて,ユーザ25が携帯端末22に入力した商品コード200を記憶する処理を実行する回収バッグ管理プログラム2212が記憶される。回収バッグ管理プログラム2212が携帯端末22で起動すると,プロセッサ2200は,携帯端末22のスキャナーモジュールが回収バッグ28の資源物タグ280から読み取った資源物IDに関連付けて,ユーザ25が携帯端末22に入力した商品コード200を記憶する処理を実行する回収バッグ管理手段223として機能する。
更に,トレーサビリティアプリケーション2208には,資源物20の廃棄履歴情報を生成し,回収支援サーバ23を介してトレーサビリティシステム24に廃棄履歴情報を登録する処理を実行するコンピュータプログラムである廃棄履歴生成プログラム2209が含まれる。廃棄履歴生成プログラム2209が携帯端末22で起動すると,プロセッサ2200は,資源物20の廃棄履歴情報を生成し,回収支援サーバ23を介して廃棄履歴情報をトレーサビリティシステム24に登録する廃棄履歴生成手段220として機能し,廃棄履歴生成手段220の初期設定にて,ユーザ25を識別する情報になるユーザIDが廃棄履歴生成手段220に登録される。ユーザ25が所持する携帯端末22が資源物20の廃棄履歴情報を生成することで,実施形態2では,一般的なごみ箱に簡易的な重量センサ211を付けた単純な構造に回収ボックス21をすることができる。
ユーザ25が所持する携帯端末22が生成する資源物20の廃棄履歴情報は,ユーザ25が資源物20を回収ボックス21に廃棄した取引内容を示す情報になる。実施形態2に係る廃棄履歴情報には,日付時刻,ユーザID,所在証明情報,資源物IDおよび商品コード200が含まれる。廃棄履歴情報の日付時刻は,廃棄履歴情報を生成したときの日付時刻になる。廃棄履歴情報のユーザIDは,廃棄履歴生成手段220に登録されたユーザID,すなわち,資源物20を収容した回収バッグ28を廃棄したユーザ25のユーザIDになる。廃棄履歴情報の所在証明情報は,ユーザ15が指定された場所で資源物20を廃棄したことを証明するための情報になる。回収ボックス21にボックスタグ210を付ける場合,ユーザ25が回収バッグ28を廃棄した回収ボックス21に付けられたボックスタグ210にエンコードされているボックスIDを所在証明情報として利用できる。所在証明情報としては,ボックスID以外に,回収バッグ28を廃棄するときにユーザ25が居た位置を示す現在地情報や,回収ボックス21を含ませたユーザ25のセルフィ画像を利用できる。廃棄履歴情報の資源物IDは,ユーザ25が廃棄した回収バッグ28に付けられた資源物タグ280にエンコードされている資源物IDになる。廃棄履歴情報の商品コード200は,資源物IDに関連付けられた状態で携帯端末22に記憶されている商品コード200になる。
更に,トレーサビリティアプリケーション2208には,ユーザが指定された場所で資源物20を廃棄したことを証明するための所在証明情報を取得する処理を実行するコンピュータプログラムである所在証明情報取得プログラム2210が含まれる。所在証明情報取得プログラム2210が携帯端末22で起動すると,プロセッサ2200は,所在証明情報の取得に用いるモジュールを起動させて,所在証明情報として用いる情報を取得する処理を実行する所在証明情報取得手段221として機能する。
上述した通り,所在証明情報として用いる情報としては,回収ボックス21に付けたボックスタグ110にエンコードするボックスID,回収バッグ28を廃棄するときにユーザ25が居た位置を示す現在地情報,また,回収ボックス21を含ませたユーザ25のセルフィ画像を利用できる。ボックスIDを所在証明情報とする場合,所在証明情報の取得に用いるモジュールは,ボックスタグ210に対応するスキャナーモジュールで,具体的には,リアカメラモジュール2202やRFリーダモジュール2203になる。回収バッグ28を廃棄するときにユーザ25が居た位置を示す現在地情報を所在証明情報とする場合,所在証明情報の取得に用いるモジュールは,位置計測モジュール2204になる。そして,回収ボックス21を含ませたユーザ25のセルフィ画像を所在証明情報とする場合,所在証明情報の取得に用いるモジュールは,フロントカメラモジュール2201になる。
更に,トレーサビリティアプリケーション2208には,位置計測モジュール2204から携帯端末22の現在地情報を取得し,現在地情報を含ませた回収ボックス21の検索要求を回収支援サーバ23へ送信した後,回収支援サーバ23から受信したデータを表示する処理を実行するコンピュータプログラムである回収ボックス検索要求プログラム2211が記憶される。回収ボックス検索要求プログラム2211が携帯端末22で起動すると,プロセッサ2200は,位置計測モジュール2204から携帯端末22の現在地情報を取得し,現在地情報を含ませた回収ボックス21の検索要求を回収支援サーバ23へ送信した後,回収支援サーバ23から受信したデータを表示する処理を実行する回収ボックス検索要求手段222として機能する。
図13は,実施形態2に係る回収支援サーバ23のブロック図である。実施形態2に係る回収支援サーバ23は,携帯端末22から受信した廃棄履歴情報をトレーサビリティシステム24に登録する機能に加え,資源物20を廃棄したユーザ25に与えるポイントの管理機能や回収ボックス21の検索機能などを有する装置である。
回収支援サーバ23は,一つまたは複数のサーバで構成することができる。回収支援サーバ23を構成する一つのサーバは,一つ以上のプロセッサ2300と,プロセッサ2300と接続している様々なコンポーネントを有する。図13は,プロセッサ2300と接続しているコンポーネントとして,ストレージシステム2301とネットワーク通信回路2308を図示しているが,プロセッサ2300と接続しているコンポーネントはこれらに限定されない。
回収支援サーバ23のストレージシステム2301には,トレーサビリティシステム24に登録しない情報を記憶するDB(DataBase)として,ユーザ25に与えたポイントのこれまでの累計である累計ポイントをユーザIDに関連付けて記憶したポイントDB2306と,回収ボックス21ごとの所在地情報を記憶した回収ボックスDB2307が構築されている。
回収支援サーバ23のストレージシステム2301には,トレーサビリティシステム24に接続するための接続アプリケーション2302が記憶される。実施形態2では,ブロックチェーンによりトレーサビリティシステム24を実現しているため,このアプリケーションはブロックチェーンアダプタになる。
また,回収支援サーバ23のストレージシステム2301には,アプリケーションを利用して,携帯端末22から受信した廃棄履歴情報をトレーサビリティシステム24に登録する廃棄履歴登録アプリケーション2303が記憶される。この廃棄履歴登録アプリケーション2303が実行されると,プロセッサ2300は,廃棄履歴登録手段230として機能する。
また,回収支援サーバ23のストレージシステム2301には,廃棄履歴情報を送信した携帯端末22を所持するユーザ25に,資源物20の廃棄量(回収支援サーバ23からすると回収量になる)に応じたポイントを与えるポイント管理アプリケーション2304が記憶される。このポイント管理アプリケーション2304が実行されると,プロセッサ2300は,ポイント管理手段231として機能する。
また,回収支援サーバ23のストレージシステム2301には,ユーザ25が所持する携帯端末22から,携帯端末22の現在地情報を含む回収ボックス21の検索要求が送信されると,所在地情報が現在地情報の近くになる回収ボックス21を回収ボックスDB2307から検索する回収ボックス検索アプリケーション2305が記憶され,この回収ボックス検索アプリケーション2305が実行されると,プロセッサ2200は,回収ボックス検索手段232として機能する。
なお,回収支援サーバ23が備える廃棄履歴登録手段230,ポイント管理手段231および回収ボックス検索手段232の動作については後述する。
ここから,実施形態2に係る資源物トレーサビリティシステム2で実行される処理について説明する。図14は,実施形態2においてユーザ25が回収ボックス21に出向くまでの動作を説明する図で,図15は,実施形態2において廃棄履歴情報を登録するときの動作を説明する図で,図16は,実施形態2においてユーザ25にポイントを与えるときの動作を説明する図である。
まず,図14を参照しながら,廃棄履歴情報をトレーサビリティシステム24に登録するときの資源物トレーサビリティシステム2の動作について説明する。
ユーザ25が資源物20を使用した商品を購入し(S50),ユーザ25がこの商品を使用すると(S51),ユーザ25が使用した商品の資源物20が廃棄物として発生する(S52)。この商品を使用したユーザ25が,ユーザ25が所持する携帯端末22のタッチパネル2205を操作(例えば,アイコンを選択する操作)すると(S53),携帯端末22に記憶されているトレーサビリティアプリケーション2208が起動する(S54)。
携帯端末22で起動したトレーサビリティアプリケーション2208は,トレーサビリティアプリケーション2208が有する機能をユーザ25に選択させるメニュー画面をタッチパネル2205に表示する(S55)。トレーサビリティアプリケーション2208が有する機能には,回収バッグ28に収容する資源物20を管理する機能,最寄りの回収ボックス21を検索する機能と,廃棄履歴情報を生成して回収支援サーバ23へ送信する機能が含まれる。
ユーザ25が,回収バッグ28に収容する資源物20を管理する機能を選択すると(S56),回収バッグ管理プログラム2212が起動し,回収バッグ管理手段223が携帯端末22で起動する(S57)。携帯端末22の回収バッグ管理手段223は,資源物タグ280のスキャンを指示する画面をタッチパネル2205に表示し(S58),ユーザ25が,資源物20を収容する回収バッグ28に付けられた資源物タグ280をスキャンする操作を行うと(S59),携帯端末22の回収バッグ管理手段223は,携帯端末22が有するスキャナーモジュールを利用して,この資源物タグ280にエンコードされた資源物IDを読み取る(S60)。このとき,資源物タグ280のスキャンに用いるスキャナーモジュールをユーザ25に選択させることが好適で,資源物タグ280が光学コードの場合,資源物タグ280のスキャンに用いるデバイスはリアカメラモジュール2202になる。また,資源物タグ280がRFタグの場合,資源物タグ280のスキャンに用いるスキャナーモジュールはRFリーダモジュール2203になる。
次に,携帯端末22の回収バッグ管理手段223は,回収バッグ28に収容する資源物20の商品コード200の入力を指示する画面をタッチパネル2205に表示する(S61)。ユーザ25が,回収バッグ28に収容する資源物20に付けられた商品コード200を入力すると(S62),携帯端末22の回収バッグ管理手段223は,この資源物20の商品コード200を取得し,資源物20を収容する回収バッグ28に付けられた資源物タグ280から読み取った資源物IDに関連付けて,ユーザ25が入力した商品コード200をメモリに記憶させる(S63)。なお,回収バッグ28に収納する資源物20が複数ある場合,ユーザ25は,資源物20ごとに商品コード200を携帯端末22に入力することになる。また,商品コード200の入力には,携帯端末22が備えるスキャナーモジュールを利用することもできるが,手入力であってもよい。
廃棄する資源物20を回収バッグ28に収納したユーザ25は最寄りの回収ボックス21まで出向くことになるが,ここでは,ユーザ25が最寄りの回収ボックス21をわからないものとし,ユーザ25が,最寄りの回収ボックス21を検索する機能を選択すると(S64),回収ボックス検索要求プログラム2211が実行し,回収ボックス検索要求手段222が携帯端末22で起動する(S65)。携帯端末22の回収ボックス検索要求手段222は,携帯端末22の位置計測モジュール2204から現在地情報を取得した後,現在地情報を含ませた回収ボックス21の検索要求を回収支援サーバ23の回収ボックス検索手段232へ送信する(S66)。
回収支援サーバ23の回収ボックス検索手段232は,回収ボックス21の検索要求に含まれる現在地情報を中心とする所定範囲に所在地情報がある回収ボックス21を回収ボックスDB2307から検索し(S67),検索した回収ボックス21を表示する地図データを携帯端末22へ送信し(S68),携帯端末22の回収ボックス検索要求手段222は,回収支援サーバ23から送信された地図データをタッチパネル2205に表示する(S69)。この地図データを見たユーザ25は,最寄りにある回収ボックス21まで移動する(S70)。
ここから,図15を参照しながら,廃棄履歴情報を登録するときの資源物トレーサビリティシステム2の動作について説明する。
最寄りにある回収ボックス21まで移動したユーザ25が,廃棄履歴情報を生成して回収支援サーバ23へ送信する機能をメニュー画面から選択すると(S80),廃棄履歴生成プログラム2209が実行し,廃棄履歴生成手段220が携帯端末22で起動する(S81)。
携帯端末22で起動した廃棄履歴生成手段220は,まず, 資源物タグ280のスキャンを指示する画面をタッチパネル2205に表示し(S82),ユーザ25が,回収ボックス21に廃棄する回収バッグ28に付けられた資源物タグ280をスキャンする操作を行うと(S83),携帯端末22の廃棄履歴生成手段220は,携帯端末22が有するスキャナーモジュールを利用して,この資源物タグ280にエンコードされた資源物IDを読み取る(S84)。このとき,資源物タグ280のスキャンに用いるスキャナーモジュールをユーザ25に選択させることが好適で,資源物タグ280が光学コードの場合,資源物タグ280のスキャンに用いるデバイスはリアカメラモジュール2202になり,ユーザ25の操作は,資源物タグ280を撮影する操作になる。また,資源物タグ280がRFタグの場合,資源物タグ280のスキャンに用いるスキャナーモジュールはRFリーダモジュール2203になり,ユーザ25の操作は,携帯端末22を資源物タグ280にかざす操作になる。
ユーザ25が,回収ボックス21に廃棄する回収バッグ28に付けられた資源物タグ280にエンコードされた資源物IDを取得すると,携帯端末22の廃棄履歴生成手段220は,所在証明情報取得プログラム2210を実行させ,携帯端末12の所在証明情報取得手段221が起動する(S85)。
携帯端末22の所在証明情報取得手段221が起動すると,廃棄履歴生成手段220は,携帯端末22の所在証明情報の取得を所在証明情報取得手段221に指示し(S86),携帯端末22の所在証明情報取得手段221は所在証明情報を取得する(S87)
所在証明情報としてボックスIDを利用する場合,携帯端末22の所在証明情報取得手段221は,ボックスタグ210のスキャンを指示する画面をタッチパネル2205に表示してから,ボックスタグ210に対応する携帯端末22のスキャナーモジュール(例えば,RFリーダモジュール2203)がボックスタグ210から読み取ったボックスIDを所在証明情報として取得する。
所在証明情報としてボックスIDを利用する場合,携帯端末22の所在証明情報取得手段221は,ボックスタグ210のスキャンを指示する画面をタッチパネル2205に表示してから,ボックスタグ210に対応する携帯端末22のスキャナーモジュール(例えば,RFリーダモジュール2203)がボックスタグ210から読み取ったボックスIDを所在証明情報として取得する。
所在証明情報として現在地情報を利用する場合,携帯端末22の所在証明情報取得手段221は,所在証明情報の取得指示を受けてから,位置計測モジュール2204が計測した現在地情報を所在証明情報として取得する。
所在証明情報としてユーザ25のセルフィ画像を利用する場合,携帯端末22の所在証明情報取得手段221は,回収ボックス21を含ませたユーザ25のセルフィ画像の撮影を指示する画面をタッチパネル2205に表示してから,フロントカメラモジュール2201が撮影したセルフィ画像を所在証明情報として取得する。
所在証明情報取得手段221が所在証明情報を取得すると,携帯端末22の廃棄履歴生成手段220は,この時点の日付時刻,廃棄履歴生成手段220が記憶しているユーザID,携帯端末22の廃棄履歴生成手段220が起動してから資源物タグ280から読み取った資源物ID,この資源物IDに関連付けられて記憶しているすべての商品コード200,および,所在証明情報取得手段121が取得した所在証明情報を含ませた廃棄履歴情報を生成する(S88)。そして,携帯端末22の廃棄履歴生成手段220は,この廃棄履歴情報を回収支援サーバ23へ送信する(S89)。
回収支援サーバ23の廃棄履歴登録手段230は,携帯端末22から廃棄履歴情報を受信すると,廃棄履歴情報に含まれるボックスIDに対応する回収ボックス21が備えた重量センサ211に重量情報の要求を送信し(S90),重量センサ211は,このときの重量情報を回収支援サーバ23へ送信する(S91)。
回収支援サーバ23の廃棄履歴登録手段230は,ユーザ25が回収ボックス21に廃棄した回収バッグ28に収容された資源物20の推定重量を特定し,これが所定範囲内にあるか確認し(S92),資源物20の推定重量が所定範囲内にある場合のみ, 回収支援サーバ23の廃棄履歴登録手段230は,接続アプリケーション1302を利用して,携帯端末22から受信した廃棄履歴情報をトレーサビリティシステム24に登録する処理を行い(S93),携帯端末22が生成した廃棄履歴情報がトレーサビリティシステム24に登録される。なお,回収バッグ28に収容された資源物20の推定重量は,回収ボックス21に廃棄された回収バッグ28の重量から回収バッグ28の重量を差し引くことで算出できる。回収ボックス21に廃棄された回収バッグ28の重量を取得する方法は任意である。例えば,回収ボックス21に付ける重量センサ211を追加計量機能付きのものにし,重量センサ211から重量情報を取得した後,回収支援サーバ23の廃棄履歴登録手段230が遠隔操作で,回収ボックス21に付けた重量センサ211が計測している重量情報を「0」にすれば,次に重量センサ211から取得した重量情報は回収バッグ28の重量を示す値になる。
なお,実施形態2では,回収支援サーバ23とトレーサビリティシステム24を区別して記載しているが,取り扱うデータ量が少ない場合は,トレーサビリティシステム24の機能を回収支援サーバ23に備えさせることもできる。
次に,図16を参照しながら,資源物20を廃棄したユーザ25にポイントを与えるときの回収支援サーバ23の動作について説明する。携帯端末22から廃棄履歴情報が送信され,回収支援サーバ23の廃棄履歴登録手段230が,ユーザ25が回収ボックス21に廃棄した回収バッグ28の総重量を推定すると,回収支援サーバ23のポイント管理手段231は,ポイントDB2306に記憶された累計ポイントの中から,資源物20を回収ボックス21に廃棄したユーザ25のユーザIDに関連付けられた累計ポイントに,回収バッグ28の総重量に基づくポイントを加算する(S100)。なお,回収支援サーバ23がユーザ25に与えるポイントは仮想通貨や電子マネーとすることが好適であるが,景品(例えば,コーヒーショップの場合はタンブラー)に交換可能なポイントでもよい。
1 資源物トレーサビリティシステム
10 資源物
100 資源物タグ
11 回収ボックス
110 ボックスタグ
12 携帯端末
120 廃棄履歴生成手段
121 所在証明情報取得手段
122 回収ボックス検索要求手段
1201 フロントカメラモジュール
1202 リアカメラモジュール
1203 RFリーダモジュール
13 回収支援サーバ
130 廃棄履歴登録手段
131 ポイント管理手段
132 回収ボックス検索手段
14 トレーサビリティシステム
15 ユーザ
2 資源物トレーサビリティシステム
20 資源物
200 商品コード
21 回収ボックス
210 ボックスタグ
211 重量センサ
22 携帯端末
220 廃棄履歴生成手段
221 所在証明情報取得手段
222 回収ボックス検索要求手段
223 回収バッグ管理手段
2201 フロントカメラモジュール
2202 リアカメラモジュール
2203 RFリーダモジュール
23 回収支援サーバ
230 廃棄履歴登録手段
231 ポイント管理手段
232 回収ボックス検索手段
24 トレーサビリティシステム
25 ユーザ
28 回収バッグ
280 資源物タグ
10 資源物
100 資源物タグ
11 回収ボックス
110 ボックスタグ
12 携帯端末
120 廃棄履歴生成手段
121 所在証明情報取得手段
122 回収ボックス検索要求手段
1201 フロントカメラモジュール
1202 リアカメラモジュール
1203 RFリーダモジュール
13 回収支援サーバ
130 廃棄履歴登録手段
131 ポイント管理手段
132 回収ボックス検索手段
14 トレーサビリティシステム
15 ユーザ
2 資源物トレーサビリティシステム
20 資源物
200 商品コード
21 回収ボックス
210 ボックスタグ
211 重量センサ
22 携帯端末
220 廃棄履歴生成手段
221 所在証明情報取得手段
222 回収ボックス検索要求手段
223 回収バッグ管理手段
2201 フロントカメラモジュール
2202 リアカメラモジュール
2203 RFリーダモジュール
23 回収支援サーバ
230 廃棄履歴登録手段
231 ポイント管理手段
232 回収ボックス検索手段
24 トレーサビリティシステム
25 ユーザ
28 回収バッグ
280 資源物タグ
Claims (13)
- 再利用可能な資源物と,前記資源物の回収に用いられる回収ボックスと,前記資源物の廃棄履歴情報を生成する廃棄履歴生成手段とユーザが指定された場所で前記資源物を廃棄したことを証明するための所在証明情報を取得する所在証明情報取得手段を備えた携帯端末と,前記資源物に係る履歴情報を時系列で記憶するトレーサビリティシステムに前記携帯端末が生成した前記廃棄履歴情報を登録する廃棄履歴登録手段を備えた回収支援サーバを含み,
前記資源物を特定する資源物IDをエンコードした自動認識用のタグである資源物タグを前記資源物に付け,
前記携帯端末の前記廃棄履歴生成手段は,前記携帯端末に登録されているユーザIDに加え,前記資源物タグのスキャンを指示する画面を表示してから前記携帯端末のスキャナーモジュールが前記資源物タグから読み取った前記資源物IDと,前記所在証明情報の取得を指示してから前記所在証明情報取得手段が取得した前記所在証明情報を廃棄履歴情報に含ませる,
ことを特徴とする資源物トレーサビリティシステム。 - 前記回収ボックスを特定するボックスIDをエンコードした前記タグであるボックスタグを前記回収ボックスに付け,前記所在証明情報取得手段は,前記ボックスタグに対応するスキャナーモジュールが前記ボックスタグから読み取ったボックスIDを前記所在証明情報として取得することを特徴とする,請求項1に記載した資源物トレーサビリティシステム。
- 前記所在証明情報取得手段は,位置計測モジュールが計測した現在地情報を前記所在証明情報として取得することを特徴とする,請求項1に記載した資源物トレーサビリティシステム。
- 前記所在証明情報取得手段を,フロントカメラモジュールが撮影したセルフィ画像を前記所在証明情報として取得することを特徴とする,請求項1に記載した資源物トレーサビリティシステム。
- 前記廃棄履歴情報を登録する前記トレーサビリティシステムをブロックチェーンとしたことを特徴とする,請求項1から請求項4のいずれか一項に記載した資源物トレーサビリティシステム。
- 前記回収支援サーバは,前記携帯端末から受信した前記廃棄履歴情報に含まれる前記資源物IDを利用して前記資源物の廃棄量を算出し,前記資源物の廃棄量に基づくポイントの累計を前記ユーザIDごとに管理するポイント管理手段を備えていることを特徴とする,請求項1から請求項5のいずれか一項に記載した資源物トレーサビリティシステム。
- 商品コードが付けられた再利用可能な資源物と,少なくとも一つの前記資源物を収納する回収バッグと,前記資源物を収容した前記回収バッグの回収に用いられる回収ボックスと,前記資源物の廃棄履歴情報を生成する廃棄履歴生成手段とユーザが指定された場所で前記資源物を廃棄したことを証明するための所在証明情報を取得する所在証明情報取得手段に加えて,前記回収バッグに収容された前記資源物を管理する回収バッグ管理手段を備えた携帯端末と,前記資源物に係る履歴情報を時系列で記憶するトレーサビリティシステムに前記携帯端末が生成した前記廃棄履歴情報を登録する廃棄履歴登録手段を備えた回収支援サーバを含み,
前記資源物を特定する資源物IDをエンコードした自動認識用のタグである資源物タグを前記回収バッグに付け,
前記携帯端末の前記回収バッグ管理手段は,前記資源物タグのスキャンを指示する画面を表示してから前記携帯端末のスキャナーモジュールが前記資源物タグから読み取った前記資源物IDに関連付けて,商品コードの入力を指示する画面を表示してからユーザが前記携帯端末に入力した商品コードを記憶し,
前記携帯端末の前記廃棄履歴生成手段は,前記携帯端末に登録されているユーザIDに加え,前記資源物タグのスキャンを指示する画面を表示してから前記携帯端末のスキャナーモジュールが前記資源物タグから読み取った前記資源物IDと,前記資源物IDに関連付けて記憶している商品コードと,前記所在証明情報の取得指示を指示してから前記所在証明情報取得手段が取得した前記所在証明情報を廃棄履歴情報に含ませる,
ことを特徴とする資源物トレーサビリティシステム。 - 前記回収ボックスを特定するボックスIDをエンコードした前記タグであるボックスタグを前記回収ボックスに付け,前記所在証明情報取得手段は,前記ボックスタグに対応するスキャナーモジュールが前記ボックスタグから読み取ったボックスIDを前記所在証明情報として取得することを特徴とする,請求項7に記載した資源物トレーサビリティシステム。
- 前記所在証明情報取得手段は,位置計測モジュールが計測した現在地情報を前記所在証明情報として取得することを特徴とする,請求項7に記載した資源物トレーサビリティシステム。
- 前記所在証明情報取得手段を,フロントカメラモジュールが撮影したセルフィ画像を前記所在証明情報として取得することを特徴とする,請求項7に記載した資源物トレーサビリティシステム。
- 前記回収支援サーバが前記廃棄履歴情報を登録する前記トレーサビリティシステムをブロックチェーンとしたことを特徴とする,請求項7から請求項10のいずれか一項に記載した資源物トレーサビリティシステム。
- 前記回収ボックスは,前記回収支援サーバと接続し前記回収ボックスに係る重量を計測する重量センサを備え,
前記回収支援サーバの前記廃棄履歴登録手段は,前記廃棄履歴情報を前記携帯端末から受信すると,前記廃棄履歴情報に含まれる前記ボックスIDで特定される前記回収ボックスの前記重量センサから重量情報を取得し,前記回収バッグの推定重量が所定の範囲内に収まる場合のみ,前記携帯端末から受信した前記廃棄履歴情報を前記トレーサビリティシステムに登録することを特徴とする,請求項8に記載した資源物トレーサビリティシステム。 - 前記回収支援サーバは,前記回収バッグの推定重量に基づくポイントの累計を前記ユーザIDごとに管理することを特徴とする,請求項12に記載した資源物トレーサビリティシステム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020025436A JP2021131620A (ja) | 2020-02-18 | 2020-02-18 | 包装物トレーサビリティシステム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020025436A JP2021131620A (ja) | 2020-02-18 | 2020-02-18 | 包装物トレーサビリティシステム |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN116468371A (zh) * | 2023-06-02 | 2023-07-21 | 杭州优全供应链管理有限公司 | 一种物流循环包装资产管理系统及其数据处理方法 |
-
2020
- 2020-02-18 JP JP2020025436A patent/JP2021131620A/ja active Pending
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