<実施の形態1>
図1は、実施の形態1に係る液晶表示装置200の構成を示す図である。液晶表示装置200は、RGBW型の表示装置である。図1のように、液晶表示装置200は、液晶パネル100、表示制御部103および信号変換部104を備えている。
液晶パネル100は、複数の画素が配置された表示領域100aを有している。表示領域100aは、画像データに応じた電圧を各画素に供給するTFT(Thin Film Transistor)が形成されたTFT基板と、カラーフィルタ(CF)が形成されたCF基板との間に液晶が挟持された構造を有している。液晶パネル100における表示領域100aの外側の領域(額縁領域)には、表示領域100aのTFTのソースに接続されたソース配線に画像データを入力するソースIC101と、表示領域100aのTFTのゲートに接続されたゲート配線に駆動信号を入力するゲートIC102とが設けられている。
外部から入力されたRGBの3色のデータからなるRGB画像データは、信号変換部104に入力され、信号変換部104において、RGBWの4色のデータからなるRGBW画像データに変換される。表示制御部103は、信号変換部104が出力したRGBW画像データに基づいて、液晶パネル100のソースIC101およびゲートIC102を制御する。
例えば図2は、信号変換部104の一部を構成し、RGB画像データをRGBW画像データへと変換する画像データ変換装置である変換回路105(以下「RGB−RGBW変換回路105」という)の構成例を示す図である。RGB−RGBW変換回路105には、表示する画像の色相、彩度、明度等を調整する回路も設けられることがあるが、説明の簡単のため、図2には単純化した回路構成を示している。また、RGB−RGBW変換回路105に入力されるRGB画像データの各色のデータは8ビットのデータであるものと仮定する。すなわち、RGB−RGBW変換回路105に入力されるRGB画像データの各色のデータの最大値(最大階調)は255である。
図2のように、RGB−RGBW変換回路105は、最小データ検出回路1、W関数回路2、レジスタ3、データ変換回路4〜7およびビット数変換回路8〜11を備えている。
最小データ検出回路1は、RGB−RGBW変換回路105に入力されたRGB画像データのうち最小のデータを選択し、選択した値をW関数回路2へ出力する。つまり、RGB画像データのRデータ、GデータおよびBデータをそれぞれRIN、GINおよびBINとすると、最小データ検出回路1の出力は、Ymin=min(RIN,GIN,BIN)と表される。
W関数回路2は、最小データ検出回路1の出力Yminに応じて、Wの混ぜ度合いを、予め設定されたW関数Fに従って決定する。W関数Fは、Yminを変数とする線形または非線形の関数であり、例えば、Ymin=0のとき0の値をとり、Ymin=255のとき255の値をとる関数として設定される。この場合、RGB画像データが黒画像のデータ(各色のデータが全て0)のとき、W関数回路2の出力データは0となり、RGB画像データが白画像のデータ(各色のデータが全て255)のとき、W関数回路2の出力データは255となり、RGB画像データが黒と白以外の色のデータのとき、W関数回路2の出力データは0から255までの間の値となる。本実施の形態では、説明の簡略化のため、W関数Fは線形関数であり、W関数回路2の出力データは、W関数回路2の入力データと同じ値(Ymin)であるものとする。
レジスタ3には、変換後のRGBW画像データのRデータの上限値RW、Gデータの上限値GW、Bデータの上限値BW、およびWデータの上限値WWが記憶されている。レジスタ3に記憶されたRW、GW、BW、WWは、液晶表示装置200が白画像を表示するときにRGB−RGBW変換回路105が出力するRGBW画像データの各色のデータの値を規定するものであり、それらの値は、液晶表示装置200のホワイトバランス調整によって設定される。つまり、RGB−RGBW変換回路105が出力するRGBW画像データのRデータ、Gデータ、BデータおよびWデータをそれぞれROUT、GOUT、BOUTおよびWOUTとすると、入力されるRGB画像データがRIN/GIN/BIN=255/255/255のとき、出力されるRGBW画像データはROUT/GOUT/BOUT/WOUT=RW/GW/BW/WWとなる。
データ変換回路4〜7のうち、データ変換回路4〜6は、レジスタ3に格納されたRW、GW、BWに基づいて、入力されたRGB画像データの各色のデータRIN、GIN、BINのそれぞれを、RW、GW、BWを最大値とするRGBW画像データ用のRデータ、GデータおよびBデータに変換する。また、データ変換回路7は、レジスタ3に格納されたWWに基づいて、W関数回路2の出力データ(ここではYmin)を、WWを最大値とするRGBW画像データ用のWデータに変換する。なお、データ変換回路4〜7には、階調データと表示輝度との関係をRGBWの色ごとに補正するガンマ補正回路が含まれる場合もある。
ここで、データ変換回路4〜7の出力ビット数(出力データのビット数)が入力ビット数(入力データのビット数)と同じである場合、互いに異なる階調を表す入力データが、いわゆる数字の「丸め」によって、互いに同じ階調を表す出力データへと変換される可能性がある。この問題が生じることを防止するため、データ変換回路4〜7の出力ビット数は、入力ビット数より大きいものとする。図2のRGB−RGBW変換回路105では、データ変換回路4〜7の入力ビット数を8ビット、出力ビット数を10ビットとしている。
ただし、液晶表示装置200の液晶パネル100に搭載されるソースIC101は、一般的には8ビット入力であるため、データ変換回路4〜7が出力する10ビットの画像データをソースIC101に入力できない。そこで、RGB−RGBW変換回路105には、データ変換回路4〜7のそれぞれの出力段に、ビット数変換回路8〜11が設けられている。ビット数変換回路8〜11は、複数フレームの階調を合成することで階調数が少ない画像データを用いてより多くの階調数を疑似的に表現するフレームレートコントロールの技術により、データ変換回路4〜7が出力した10ビットのデータをソースIC101に入力可能な8ビットのデータとする。ビット数変換回路8〜11から出力される8ビットのRデータ、Gデータ、BデータおよびWデータが、RGB−RGBW変換回路105から出力されるRGBW画像データ(ROUT/GOUT/BOUT/WOUT)となる。
図1に戻り、液晶パネル100の表示領域100aには、M列×N行の解像度の画像を表示するために、M×N個の画素が配設される。各々の画素は、例えば図3のようにRGBWの4色の副画素、すなわちR副画素111、G副画素112、B副画素113およびW副画素114が一組となって構成された画素110である。図3に示す画素110では、R副画素111、G副画素112、B副画素113およびW副画素114が横方向に並んでいるが、図4のように、画素110を構成するR副画素111、G副画素112、B副画素113およびW副画素114が2×2の行列状に配置されていてもよい。また、図3および図4に示したR副画素111、G副画素112、B副画素113およびW副画素114の並び順は一例に過ぎず、どのような並び順でもよい。
副画素111〜114のそれぞれは、ソースIC101およびゲートIC102に接続されており、ソースIC101およびゲートIC102は、表示制御部103に入力されたRGBW画像データに対応した電圧を副画素111〜114に印加する。印加された電圧に応じて副画素111〜114の透過率が変化することで、液晶パネル100の背面に配置されたバックライト(図示せず)からの光の強度が変化し、それによって表示領域100aに画像が表示される。
図5、図6および図7は、実施の形態1に係る液晶表示装置200の表示領域100aに設けられるカラーフィルタ120の構成を示す図である。図5は、カラーフィルタ120における1つの画素110に対応する領域の平面図であり、図6は、図5に示すA1−A2線に沿った断面図、図7は、図5に示すB1−B2線に沿った断面図である。
図5および図6に示すように、カラーフィルタ120は、透明ガラス125上に形成されており、各副画素上に形成された開口部を有するブラックマスク126と、ブラックマスク126の各開口部上に形成された色材とを備えている。具体的には、ブラックマスク126は、1つの画素110に対応する領域において、R副画素111上に形成された開口部1261と、G副画素112上に形成された開口部1262と、B副画素113上に形成された開口部1263と、W副画素114上に形成された開口部1264とを有している。そして、図6のように、R副画素111上の開口部1261にはR色材121が形成されており、G副画素112上の開口部1262にはG色材122が形成されており、B副画素113上の開口部1263にはB色材123が形成されており、W副画素114上の開口部1264には透明色材124が形成されている。
ただし、図5および図7に示すように、W副画素114上の開口部1264には、透明色材124だけでなく、R色材、G色材およびB色材のうちのいずれか1つである有色色材124aも形成されている。本実施の形態では、W副画素114上の開口部1264に、平面視で、有色色材124aが一部の領域に形成されており、残りの領域に透明色材124が形成されている。また、本実施の形態では、有色色材124aはG色材であるものとするが、R色材またはB色材であってもよい。
R色材121、G色材122、B色材123、透明色材124および有色色材124aの上には、カラーフィルタ120の上面を平坦化する目的でオーバーコート127が形成されている。
図5〜図7に示したカラーフィルタ120の構造は、液晶パネル100がIPS(In Plane Switching)型(「IPS」は登録商標)やFFS型(Fringe Field Switching)型などの横電界駆動型である場合の例である。液晶パネル100がTN(Twisted Nematic)型などの縦電界駆動型である場合には、オーバーコート127の上に、ITO等の透明導電膜からなる対向電極が形成される。
次に、液晶表示装置200のホワイトバランス調整の方法について説明する。ホワイトバランス調整を実施するとき、図8のように、液晶表示装置200は画像入力配線202および制御配線203を通してコンピュータ201と接続され、液晶表示装置200の前に色彩輝度計204が配置される。色彩輝度計204は、コンピュータ201が液晶表示装置200に表示させた画像の輝度および色度を測定し、色彩輝度計204の測定結果は出力配線205を通じてコンピュータ201に入力される。ここで、色彩輝度計204による色度の測定結果は、CIE1931色空間のxy座標として表されるものとする。
まず、コンピュータ201が、初期状態(図2のレジスタ3に記憶されたRW、GW、BW、WWが全て初期値である最大階調255に設定された状態)の液晶表示装置200にRGBの3色を最大階調としたRGB画像データを入力することで、液晶表示装置200に白画像を表示させる。液晶表示装置200に入力されるRGB画像データのRデータ(RIN)、Gデータ(GIN)およびBデータ(BIN)のそれぞれが8ビットのデータである場合、当該RGB画像データは、RIN/GIN/BIN=255/255/255のデータである。
次に、色彩輝度計204が、液晶表示装置200に表示された白画像の輝度およびxy座標を測定する。コンピュータ201は、色彩輝度計204が測定した輝度およびxy座標に基づき、液晶表示装置200に表示された白画像のxy座標が目標値、すなわち目標とする白色のxy座標(以下「目標xy座標」という)に近づくように、液晶表示装置200に入力するRGB画像データのRデータ、GデータおよびBデータの値を調整することで、ホワイトバランスを調整する。このときコンピュータ201は、RGBの3色のうちの2色の階調、すなわち液晶表示装置200に入力するRGB画像データのRデータ、GデータおよびBデータのうちの2つの値を調整する。
その後、コンピュータ201は、ホワイトバランスを調整した白画像(以下「白調整画像」という)を液晶表示装置200に表示させ、色彩輝度計204が白調整画像の輝度およびxy座標を測定する。このとき白調整画像のxy座標と目標xy座標との間の距離が許容値を超えていれば、コンピュータ201は、白調整画像の輝度およびxy座標に基づき、再度ホワイトバランスを調整する。これを繰り返し、白調整画像のxy座標と目標xy座標との間の距離が許容値以下になると、ホワイトバランス調整が完了する。
このようにして目標xy座標を実現する白調整画像が得られると、コンピュータ201は、ホワイトバランス調整が完了したときのRGB画像データのRデータ(RIN)、Gデータ(GIN)およびBデータ(BIN)と、当該RGB画像データから図2の最小データ検出回路1およびW関数回路2と同じ手法で算出したWデータとを、制御配線203を通して液晶表示装置200へ送信する。液晶表示装置200は、制御配線203を通して受信したこれらのRデータ、Gデータ、BデータおよびWデータを、RGB−RGBW変換回路105のレジスタ3に、RW、GW、BW、WWとして記憶させる。
RGB画像データの各色のデータはその最大値(ここでは255)を超えることができないため、ホワイトバランス調整が完了したときに液晶表示装置200に入力されているRGB画像データのRデータ(RIN)、Gデータ(GIN)およびBデータ(BIN)は、例えばRIN/GIN/BIN=233/255/199などとなる。この場合、RGB−RGBW変換回路105のレジスタ3には、RW/GW/BW/WW=233/255/199/199のデータが記憶される。
以下、実施の形態1の液晶表示装置200が奏する効果について説明する。上記したホワイトバランス調整の手法から分かるように、実際のホワイトバランス調整時に色彩輝度計204が測定するxy座標は、RGBWの4色の副画素を合成した白画像のxy座標であるが、以下では説明の簡単のため、RGBWの4色の副画素の合成のxy座標と、RGBの3色の副画素の合成のxy座標と、Wの副画素のxy座標とを、それぞれシミュレーションで計算した結果を用いて説明を行う。また、以下に図示するxy座標の例において、バツ印は目標xy座標、黒四角はRGBWの4色の副画素の合成のxy座標、黒丸はRGBの3色の副画素の合成のxy座標、白丸はWの副画素のxy座標をそれぞれ示している。
まず比較例として、従来の液晶表示装置について説明する。図9および図10に、従来の液晶表示装置のカラーフィルタ120の平面図および断面図を示す。図10は、図9のA1−A2線に沿った断面である。従来の液晶表示装置のカラーフィルタ120では、W副画素114上の開口部1264に透明色材124のみが形成されており、有色色材124aは設けられていない。
図11は、初期状態の従来の液晶表示装置が表示した白画像のxy座標の例である。初期状態では、図2のレジスタ3のRW、GW、BW、WWは全て初期値である最大階調255であるので、RGB−RGBW変換回路105が出力するRGBW画像データは、ROUT/GOUT/BOUT/WOUT=255/255/255/255のデータであり、液晶表示装置の副画素111〜114はそれぞれ最大輝度となっている。図11においては、液晶表示装置が表示した白画像のxy座標と目標xy座標とに差がある。
図12は、図11の状態からホワイトバランス調整を行い、ホワイトバランス調整が完了したときに従来の液晶表示装置が表示した白画像のxy座標の例である。ホワイトバランス調整完了時に、例えばRIN/GIN/BIN=233/255/199のRGB画像データが入力されていたとすると、そのときRGB−RGBW変換回路105からは、ROUT/GOUT/BOUT/WOUT=233/255/199/199のRGBW画像データが出力されており、液晶表示装置はそれに対応した透過率で白画像(白調整画像)を表示している。この場合、ホワイトバランス調整完了後には、RGB−RGBW変換回路105のレジスタ3に、RW/GW/BW/WW=233/255/199/199のデータが格納される。
図11および図12から分かるように、RGBWの4色の副画素の合成のxy座標は、RGBの3色の副画素の合成のxy座標とWの副画素のxy座標との間に位置する。また、ホワイトバランス調整によってWOUTが変化しても、Wの副画素のxy座標は変化せず、ほぼ一定のxy座標に固定される。このため、RGBWの4色の副画素の合成のxy座標を目標xy座標に近づけるためには、RGBの3色の副画素の合成のxy座標を、目標xy座標に対してWの副画素のxy座標の反対側まで大きく移動させる必要がある。RGBの3色の副画素の合成のxy座標をこのように大きく移動させるためには、上で例示した白調整画像のRGB画像データ(RIN/GIN/BIN=233/255/199)のように、RGBの3色のいずれかの階調を大幅に小さくする必要があり、それに伴って、RGB−RGBW変換回路105で生成されるWの階調も小さくなる。
上の例のように、ホワイトバランス調整完了時のRGB画像データがRIN/GIN/BIN=233/255/199のデータであった場合、レジスタ3には、RW/GW/BW/WW=233/255/199/199のデータが格納される。よって、ホワイトバランス調整完了後の液晶表示装置にRIN/GIN/BIN=255/255/255の白画像データを入力すると、副画素111〜114は、ROUT/GOUT/BOUT/WOUT=233/255/199/199に対応した透過率で表示を行う。そのため、ホワイトバランス調整完了後の液晶表示装置の輝度は、初期状態の輝度の約74%に低下する。コントラストは、白輝度と黒輝度との比(白輝度/黒輝度)として定義され、黒輝度はホワイトバランス調整によって変化しないため、コントラストも初期状態のコントラストの約74%に低下する。
先に述べたように、RGBWの4色の副画素の合成のxy座標は、RGBの3色の副画素の合成のxy座標とWの副画素のxy座標との間に位置するため、ホワイトバランス調整による輝度の低下を抑えるためには、W副画素のxy座標を白画像の目標xy座標に近づけることが有効である。W副画素のxy座標を白画像の目標xy座標に近づけることができれば、ホワイトバランス調整においてRGBの3色の副画素の合成のxy座標を移動させる距離が小さくて済み、輝度の低下を抑制できる。
図13は、図5〜図7に示したカラーフィルタ120を備える液晶表示装置200が初期状態で表示した白画像のxy座標の例である。この液晶表示装置200のカラーフィルタ120においては、W副画素114上の開口部1261の20%の部分に有色色材124aとしてG色材が形成されている。W副画素114上の開口部1264に設けられた色材の構成を除けば、液晶パネル100およびバックライト等は、比較例の液晶表示装置と全く同じである。図13と図11との比較から分かるように、W副画素114上の開口部の一部に有色色材124aを有する液晶表示装置200では、Wの副画素のxy座標のy座標が大きくなり、Wの副画素のxy座標が比較例よりも目標xy座標に近づいている。
図14は、図13の状態からホワイトバランス調整を行い、ホワイトバランス調整が完了したときに液晶表示装置200が表示した白画像のxy座標の例である。ホワイトバランス調整が完了したときのRGB画像データはRIN/GIN/BIN=249/255/218のデータであり、比較例の白調整画像よりも高階調となった。この結果、ホワイトバランス調整完了後のレジスタ3にはRW/GW/BW/WW=249/255/218/218のデータが格納される。よって、ホワイトバランス調整完了後の液晶表示装置200にRIN/GIN/BIN=255/255/255の白画像データを入力すると、副画素111〜114は、ROUT/GOUT/BOUT/WOUT=249/255/218/218に対応した透過率で表示を行う。よって、ホワイトバランス調整完了後の液晶表示装置200の輝度は、初期状態の輝度の約83%となる。
本実施の形態の液晶表示装置200では、W副画素114上の一部に有色色材124aが設けられたことでW副画素114の透過率が低下するため、初期状態の液晶表示装置200の輝度は比較例に比べて約96%に低下するが、この輝度の低下を含めても、ホワイトバランス調整後の白画像の輝度は、比較例に比べて約108%に向上する。また、W副画素114上の一部に有色色材124aが設けられたことで黒輝度も低下するため、コントラストの初期状態からの低下は約83%に留まり、比較例と比べるとコントラストは約113%に向上する。
本実施の形態では、W副画素114上の開口部1264の20%の部分に有色色材124aを配置した例を示したが、有色色材124aを配置する面積の好ましい割合は、液晶パネル100やバックライトなどの構成によっても変わる。そのため、W副画素114上の開口部1264に占める有色色材124aの割合は、使用される構成に応じて最適な値を選択すべきである。ただし、W副画素114上の開口部1264に占める有色色材124aの割合を大きくするほどW副画素114の輝度が低下するため、有色色材124aを配置する割合は、概ねW副画素114上の開口部1264の50%以下であることが好ましい。
また、本実施の形態では、W副画素114上の開口部1264に設ける有色色材124aとしてG色材を用いた例を示したが、液晶パネル100やバックライトなどの構成によっては、有色色材124aはR色材またはB色材であってもよく、その場合も、W副画素114のxy座標を白画像の目標xy座標に近づくことによって、有色色材124aがG色材である場合と同様の効果が得られる。なお、図13および図14に示したxy座標は一例に過ぎず、液晶表示装置200の白画像のxy座標は図13および図14に示した例に限定されない。
W副画素114上の開口部1264に設ける有色色材124aの材料は、製造コストおよび製造プロセス数の増加を抑えるために、他の副画素111〜113上の開口部1261〜1263に形成されるR色材121、G色材122またはB色材123のいずれかと同じものであることが好ましい。
カラーフィルタ120は、例えば以下の手順で形成することができる。まず、透明ガラス125上にブラックマスク126を形成し、パターニングすることでブラックマスク126に開口部1261〜1264を形成する。そして、色材を透明ガラス125上の全体に塗布形成し、当該色材を所望の領域にだけ残すようにパターニングする工程を、R色材121、G色材122、B色材123および透明色材124のそれぞれで行う。このとき、R色材121はR副画素111上に配置される開口部1261上に残し、B色材123はB副画素113上に配置される開口部1263上に残す。G色材122は、G副画素112上に配置される開口部1262上に残すと共に、W副画素114上に配置される開口部1264上の一部に有色色材124aとして残す。また、透明色材124は、開口部1264上の領域のうち有色色材124aの形成領域を除く部分に残す。その後、透明ガラス125上の全体にオーバーコート127を塗布形成することで、カラーフィルタ120が完成する。
カラーフィルタ120が上記の方法で形成される場合、液晶表示装置200において、有色色材124aと同色の副画素がW副画素114に隣接して配置されるとよい。例えば、有色色材124aがG色材である場合、G副画素112とW副画素114とが隣接して配置されるとよい。カラーフィルタ120の構成は、例えば図15〜図17のようになる。図15はカラーフィルタ120の平面図、図16は図15のA1−A2に沿った断面図、図17は図15のB1−B2に沿った断面図である。G色材122上の開口部1262とW副画素114上の開口部1264とが隣り合うことで、有色色材124aをG色材122と一体的に形成できるため、有色色材124aの膜厚制御が容易となる。
<実施の形態2>
図18および図19は、実施の形態2に係る液晶表示装置200の表示領域100aに設けられるカラーフィルタ120の構成を示す図である。図18は、カラーフィルタ120における1つの画素110に対応する領域の平面図であり、図19は、図18に示すA1−A2線に沿った断面図である。
実施の形態1と同様に、実施の形態2のカラーフィルタ120も、透明ガラス125上に形成されており、各副画素上に開口部1261〜1264を有するブラックマスク126を備える。R副画素111上の開口部1261にはR色材121が形成されており、G副画素112上の開口部1262にはG色材122が形成されており、B副画素113上の開口部1263にはB色材123が形成されている。ただし、実施の形態2のカラーフィルタ120では、W副画素114上の開口部1264に、透明色材124と有色色材124aとの積層構造が形成されている。有色色材124aは、R色材、G色材およびB色材のうちのいずれか1つであり、ここではG色材としている。
W副画素114上の開口部1264に設ける有色色材124aの材料は、製造コストおよび製造プロセス数の増加を抑えるために、他の副画素111〜113上の開口部1261〜1263に形成されるR色材121、G色材122またはB色材123のいずれかと同じものであることが好ましい。また、W副画素114上の開口部1264に設ける有色色材124aの厚さは、他の副画素111〜113上の開口部1261〜1263に形成されるR色材121、G色材122またはB色材123の厚さよりも薄くする必要がある。図18および図19のように有色色材124aがG色材である場合、有色色材124aの厚さは、G副画素112上の開口部1262に形成されたG色材122の厚さよりも薄くされる。
実施の形態2のカラーフィルタ120は、例えば以下の手順で形成することができる。まず、透明ガラス125上にブラックマスク126を形成し、パターニングすることでブラックマスク126に開口部1261〜1264を形成する。そして、色材を透明ガラス125上の全体に塗布形成し、当該色材を所望の領域にだけ残すようにパターニングする工程を、R色材121、G色材122、B色材123および透明色材124のそれぞれで行う。このとき、透明色材124の形成工程をG色材122の形成工程よりも先に行い、且つ、透明色材124の厚さを、その後に形成するG色材122よりも薄くする。具体的には、透明色材124の厚さを、G色材122の厚さ(α)から、透明色材124上に形成する有色色材124aの厚さ(β)を差し引いた値(α−β)にする。また、G色材122の形成工程では、G色材122を、G副画素112上に配置される開口部1262上に残すと共に、W副画素114上に配置される開口部1264上に有色色材124aとして残す。その後、透明ガラス125上の全体にオーバーコート127を塗布形成することで、カラーフィルタ120が完成する。
カラーフィルタ120が上記の方法で形成される場合、液晶表示装置200において、有色色材124aと同色の副画素がW副画素114に隣接して配置されるとよい。図18および図19のように、有色色材124aがG色材である場合は、G副画素112とW副画素114とが隣接して配置されるとよい。G色材122上の開口部1262とW副画素114上の開口部1264とが隣り合うことで、有色色材124aをG色材122と一体的に形成できるため、有色色材124aの膜厚制御が容易となる。
図18および図19に示したカラーフィルタ120を用いた実施の形態2の液晶表示装置200においても、実施の形態1と同様の効果が得られる。
図20は、図18および図19に示したカラーフィルタ120を備える液晶表示装置200が初期状態で表示した白画像のxy座標の例である。ここでは、W副画素114上の開口部1264に設ける有色色材124aの厚さを、G副画素112上の開口部1262に設けるG色材122の厚さの1/10としている。W副画素114上の開口部1264に有色色材124aが設けられていることを除けば、液晶表示装置200の構成は実施の形態1で示した比較例と同じである。図20と図11との比較から分かるように、W副画素114上の開口部に有色色材124aを有する液晶表示装置200では、Wの副画素のxy座標のy座標が大きくなり、Wの副画素のxy座標が比較例よりも目標xy座標に近づいている。
図21は、図20の状態からホワイトバランス調整を行い、ホワイトバランス調整が完了したときに液晶表示装置200が表示した白画像のxy座標の例である。ホワイトバランス調整が完了したときのRGB画像データはRIN/GIN/BIN=255/238/236のデータであり、比較例(図12)の白調整画像よりも高階調となった。この結果、ホワイトバランス調整完了後のレジスタ3にはRW/GW/BW/WW=255/238/236/236のデータが格納される。よって、ホワイトバランス調整完了後の液晶表示装置200にRIN/GIN/BIN=255/255/255の白画像データを入力すると、副画素111〜114は、ROUT/GOUT/BOUT/WOUT=255/238/236/236に対応した透過率で表示を行う。よって、ホワイトバランス調整完了後の液晶表示装置200の輝度は、初期状態の輝度の約87%となる。
本実施の形態の液晶表示装置200では、W副画素114上に有色色材124aが設けられたことでW副画素114の透過率が低下するため、初期状態の液晶表示装置200の輝度は比較例に比べて約95%に低下するが、この輝度の低下を含めても、ホワイトバランス調整後の白画像の輝度は、比較例に比べて約112%に向上する。また、W副画素114上の一部に有色色材124aが設けられたことで黒輝度も低下するため、コントラストの初期状態からの低下は約87%に留まり、比較例と比べるとコントラストは約117%に向上する。
本実施の形態では、W副画素114上の開口部1264に設ける透明色材124の厚さを、G副画素112上の開口部1262に設けるG色材122の厚さの1/10とした例を示したが、有色色材124aの好ましい値は、液晶パネル100やバックライトなどの構成によっても変わる。そのため、W副画素114上の開口部1264に設ける有色色材124aの厚さは、使用される構成に応じて最適な値を選択すべきである。
また、本実施の形態では、W副画素114上の開口部1264に設ける有色色材124aとしてG色材を用いた例を示したが、液晶パネル100やバックライトなどの構成によっては、有色色材124aはR色材またはB色材であってもよく、その場合も、W副画素114のxy座標を白画像の目標xy座標に近づくことによって、有色色材124aがG色材である場合と同様の効果が得られる。なお、図20および図21に示したxy座標は一例に過ぎず、液晶表示装置200の白画像のxy座標は図20および図21に示した例に限定されない。
<実施の形態3>
図22は、実施の形態3に係る液晶表示装置200の信号変換部104の一部を構成し、RGB画像データをRGBW画像データへと変換する画像データ変換装置である変換回路106(以下「RGB−RGBW変換回路106」という)の構成例を示す図である。図22のRGB−RGBW変換回路106において、図2のRGB−RGBW変換回路105と同様の機能を有する要素には、それと同一の符号を付してある。そのため、以下の説明では、図2のRGB−RGBW変換回路105と同様の部分についての説明は簡略化されることもある。
RGB−RGBW変換回路106には、表示する画像の色相、彩度、明度等を調整する回路も設けられることがあるが、説明の簡単のため、図22には単純化した回路構成を示している。また、RGB−RGBW変換回路106に入力されるRGB画像データの各色のデータは8ビットのデータであるものと仮定する。すなわち、RGB−RGBW変換回路106に入力されるRGB画像データの各色のデータの最大値(最大階調)は255である。
図22のRGB−RGBW変換回路106の構成は、図2のRGB−RGBW変換回路105の構成に対し、レジスタ3を2つのレジスタ3a,3bに置き換え、データ変換回路7を2つのデータ変換回路7a,7bとWデータ切替部12とに置き換えたものである。
最小データ検出回路1は、RGB−RGBW変換回路106に入力されたRGB画像データのうち最小のデータを選択し、選択した値をW関数回路2へ出力する。つまり、RGB画像データのRデータ、GデータおよびBデータをそれぞれRIN、GINおよびBINとすると、最小データ検出回路1の出力は、Ymin=min(RIN,GIN,BIN)と表される。
W関数回路2は、最小データ検出回路1の出力Yminに応じて、Wの混ぜ度合いを、予め設定されたW関数Fに従って決定する。ここでは説明の簡単のため、W関数Fは線形関数であり、W関数回路2の出力データは、W関数回路2の入力データと同じ値(Ymin)であるものとする。
レジスタ3aは、変換後のRGBW画像データのRデータの上限値RW、Gデータの上限値GW、およびBデータの上限値BWを記憶する第1の記憶部である。レジスタ3aに記憶されたRW、GW、BWは、液晶表示装置200が白画像を表示するときにRGB−RGBW変換回路106が出力するRGBW画像データのRGBの3色のデータの値を規定するものであり、それらの値は、液晶表示装置200のホワイトバランス調整によって設定される。
レジスタ3bは、変換後のRGBW画像データのWデータの上限値WMAXを記憶する第2の記憶部である。レジスタ3bに記憶されたWMAXは、液晶表示装置200が白画像を表示するときにRGB−RGBW変換回路106が出力するRGBW画像データのWデータの値を規定するものであり、この値は、液晶表示装置200のホワイトバランス調整に関係なく一定の値に設定される。
従って、RGB−RGBW変換回路106が出力するRGBW画像データのRデータ、Gデータ、BデータおよびWデータをそれぞれROUT、GOUT、BOUTおよびWOUTとすると、入力されるRGB画像データがRIN/GIN/BIN=255/255/255のとき、出力されるRGBW画像データはROUT/GOUT/BOUT/WOUT=RW/GW/BW/WMAXとなる。
データ変換回路4,5,6,7a,7bのうち、データ変換回路4〜6は、レジスタ3aに格納されたRW、GW、BWに基づいて、入力されたRGB画像データの各色のデータRIN、GIN、BINのそれぞれを、RW、GW、BWを最大値とするRGBW画像データ用のRデータ、GデータおよびBデータに変換する第1の変換部として機能する。
また、データ変換回路7aは、レジスタ3bに格納されたWMAXに基づいて、W関数回路2の出力データ(ここではYmin)を、WMAXを最大値とするRGBW画像データ用のWデータに変換する第2の変換部として機能する。なお、データ変換回路4,5,6,7aは、階調データと表示輝度との関係をRGBWの色ごとに補正するガンマ補正回路を含んでいてもよい。
一方、データ変換回路7bは、W関数回路2の出力データに関わらず、レジスタ3bに格納されたWMAXの値をとるホワイトバランス調整用のWデータ(以下「調整用Wデータ」という)を生成する調整用Wデータ生成部として機能する。
Wデータ切替部12は、論理回路12a,12bで構成された排他的スイッチング回路であり、外部(例えば図8のコンピュータ201など)から入力されるCAL信号に応じて、データ変換回路7aが生成したWデータおよびデータ変換回路7bが生成した調整用Wデータのうちのどちらをビット数変換回路11に入力するかを切り替える。つまり、Wデータ切替部12は、RGB−RGBW変換回路106が出力するRGBW画像データのWデータを、データ変換回路7aが生成したWデータにするか、あるいはデータ変換回路7bが生成した調整用Wデータにするかを切り替えることができる。図22に示すWデータ切替部12は、CAL信号がL(Low)レベルのときはデータ変換回路7aが生成したWデータを出力し、CAL信号がH(High)レベルのときはデータ変換回路7bが生成した調整用Wデータを出力するように動作する。
RGB−RGBW変換回路106においては、数字の「丸め」によって階調数が減少することを防止するために、データ変換回路4,5,6,7a,7bの出力ビット数を、入力ビット数(8ビット)より大きい10ビットとしている。そのため、RGB−RGBW変換回路106の出力段には、フレームレートコントロールの技術により10ビットのRGBW画像データを、液晶パネル100のソースIC101に入力可能な8ビットのデータに変換するビット数変換回路8〜11が設けられている。
ビット数変換回路8〜11から出力される8ビットのRデータ、Gデータ、BデータおよびWデータが、RGB−RGBW変換回路106から出力されるRGBW画像データ(ROUT/GOUT/BOUT/WOUT)となる。上の説明から分かるように、CAL信号がLレベルに設定されているときは、ビット数変換回路11にデータ変換回路7aが生成したWデータが入力されるため、ROUT、GOUT、BOUTおよびWOUTの全てが、RGB−RGBW変換回路106に入力されるRGB画像データに応じて変化する。しかし、CAL信号がHレベルに設定されると、ビット数変換回路11にデータ変換回路7bが生成した調整用Wデータが入力されるため、ROUT、GOUT、BOUTおよびWOUTのうちのWOUTは、RGB−RGBW変換回路106に入力されるRGB画像データに関わらず、一定値であるWMAXに固定される。
なお、図22においては、変換後のRGBW画像データのRデータ、GデータおよびBデータの上限値RW、GWおよびBWを記憶するレジスタ3aと、Wデータの上限値WMAXを記憶するレジスタ3bとを別々に示したが、RW、GW、BWとWMAXとをそれぞれ異なるタイミングで書き込み可能であれば、レジスタ3a,3bは1つのレジスタとして構成されていてもよい。
次に、図22のRGB−RGBW変換回路106を備える実施の形態3の液晶表示装置200のホワイトバランス調整の方法について説明する。本実施の形態においても、ホワイトバランス調整を実施するときは、図8と同様に、液晶表示装置200は画像入力配線202および制御配線203を通してコンピュータ201と接続され、液晶表示装置200の前に色彩輝度計204が配置される。ここでも、色彩輝度計204による色度の測定結果は、CIE1931色空間のxy座標として表されるものとする。
ホワイトバランス調整に先立って、コンピュータ201が、制御配線203を通してWMAXの値を液晶表示装置200へ送信し、そのWMAXの値をRGB−RGBW変換回路106のレジスタ3bに記憶させる。例えば、輝度が最大化された液晶表示装置200を得たいのであればWMAX=255に設定される。WMAXは一定値であるので、液晶表示装置200の製造段階でレジスタ3bにWMAXを書き込んでおいてもよく、その場合はコンピュータ201がWMAXの値を設定する手順は省略できる。
続いて、コンピュータ201が、制御配線203を通してHレベルに設定されたCAL信号を液晶表示装置200へ設定する。これにより、RGB−RGBW変換回路106が出力するRGBW画像データのWデータ(WOUT)は、一定値であるWMAXに固定される。
この状態で、実施の形態1と同様の手順でホワイトバランス調整を行う。まず、コンピュータ201が、初期状態(レジスタ3aに記憶されたRW、GW、BWが全て初期値である最大階調255に設定された状態)の液晶表示装置200にRGBの3色を最大階調としたRGB画像データ(RIN/GIN/BIN=255/255/255)を入力することで、液晶表示装置200に白画像を表示させる。
次に、色彩輝度計204が、液晶表示装置200に表示された白画像の輝度およびxy座標を測定する。そして、コンピュータ201が、色彩輝度計204が測定した輝度およびxy座標に基づき、液晶表示装置200に表示された白画像のxy座標が目標とする白色のxy座標(目標xy座標)に近づくように、液晶表示装置200に入力するRGB画像データのRデータ、GデータおよびBデータの値を調整することで、ホワイトバランスを調整する。このときコンピュータ201は、RGBの3色のうちの2色の階調、すなわち液晶表示装置200に入力するRGB画像データのRデータ、GデータおよびBデータのうちの2つの値を調整する。
その後、コンピュータ201は、ホワイトバランスを調整した白画像(白調整画像)を液晶表示装置200に表示させ、色彩輝度計204が白調整画像の輝度およびxy座標を測定する。このとき白調整画像のxy座標と目標xy座標との間の距離が許容値を超えていれば、コンピュータ201は、白調整画像の輝度およびxy座標に基づき、再度ホワイトバランスを調整する。これを繰り返し、白調整画像のxy座標と目標xy座標との間の距離が許容値以下になると、ホワイトバランス調整が完了する。
このようにして目標xy座標を実現する白調整画像が得られると、コンピュータ201は、ホワイトバランス調整が完了したときのRGB画像データのRデータ(RIN)、Gデータ(GIN)およびBデータ(BIN)を、制御配線203を通して液晶表示装置200へ送信する。液晶表示装置200は、制御配線203を通して受信したこれらのRデータ、Gデータ、BデータおよびWデータを、RGB−RGBW変換回路106のレジスタ3aに、RW、GW、BWとして記憶させる。なお、レジスタ3bに記憶されたWMAXは、ホワイトバランス調整前と同じ値に維持される。
ホワイトバランス調整完了後は、CAL信号をLレベルに固定される。これにより、RGB−RGBW変換回路106が出力するRGBW画像データは、Rデータ(ROUT)、Gデータ(GOUT)、Bデータ(BOUT)およびWデータ(WOUT)の全てが、RGB−RGBW変換回路106に入力されるRGB画像データに応じて変化するようになり、液晶表示装置200は、入力されるRGB画像データに応じた正常な画像を表示できる状態になる。
実施の形態3の液晶表示装置200では、ホワイトバランス調整完了後のRGB−RGBW変換回路106が出力するWデータ(WOUT)の上限値は、ホワイトバランス調整前と同じWMAXに維持される。つまり、ホワイトバランス調整によってW副画素114の輝度が低下することが防止されるので、ホワイトバランス調整による輝度の低下は抑制される。
図23は、図22のRGB−RGBW変換回路106を備える液晶表示装置200が初期状態で表示した白画像のxy座標の例である。この液晶表示装置200のカラーフィルタ120は、図9および図10に示した従来構造のカラーフィルタであり、W副画素114上の開口部1261には透明色材124だけが形成されている。初期状態のRGB−RGBW変換回路106の動作は、図2のRGB−RGBW変換回路105の動作と同じであるため、図23は図11に示した例と同じである。
図24は、図23の状態からホワイトバランス調整を行い、ホワイトバランス調整が完了したときに液晶表示装置200が表示した白画像のxy座標の例である。ホワイトバランス調整が完了したときのRGB画像データはRIN/GIN/BIN=226/255/168のデータである。図24では、図12に示した例よりも、RGBの3色の副画素の合成のxy座標が、目標xy座標から遠く離れている。これは、ホワイトバランス調整時にRGB−RGBW変換回路106が出力するWデータ(WOUT)が、入力されたRGB画像データ(RIN、GIN、BIN)に関わらずWMAX(255)に固定されているためである。RGBホワイトバランス調整完了後のレジスタ3aには、RW/GW/BW=226/255/168が格納される。よって、ホワイトバランス調整完了後の液晶表示装置200にRIN/GIN/BIN=255/255/255の白画像データを入力すると、副画素111〜114は、ROUT/GOUT/BOUT/WOUT=226/255/168/255に対応した透過率で表示を行う。よって、ホワイトバランス調整完了後の液晶表示装置200の輝度は、初期状態の輝度の約95%となり、従来の液晶表示装置に比べて約129%へ改善することができる。コントラストも初期状態のコントラストの約95%となり、従来の液晶表示装置に比べて約129%へ改善することができる。
このように、RGB−RGBW変換回路106を備える実施の形態3の液晶表示装置200では、図2のRGB−RGBW変換回路105を用いる場合よりも、ホワイトバランス調整完了後の輝度およびコントラストが大幅に改善される。なお、図23および図24に示したxy座標は一例に過ぎず、液晶表示装置200の白画像のxy座標は図23および図24に示した例に限定されない。
上の説明では、液晶表示装置200の輝度を最大化するために、レジスタ3bに記憶させるWMAXを最大階調である255としたが、その場合、中間色を表示したときの彩度が低下する。WMAXを最大階調である255よりも小さくすれば、中間色の彩度を向上させることができるが、輝度およびコントラストが低下する。中間色の彩度を向上させる別の方法としては、ブラックマスク126においてW副画素114上の開口部1264を小さくすることが挙げられる。この方法をとれば、WMAXを最大階調である255に設定しても、W副画素114の輝度が低下するため、中間色の彩度の低下が防止される。
特に、レジスタ3bに記憶させるWMAXの値、あるいは、W副画素114上の開口部1264の大きさを、液晶表示装置200が白画像を表示したときのR副画素111、G副画素112およびB副画素113の合計の輝度とW副画素114の輝度とが等しくなるように調整すると、ホワイトバランス調整に伴う輝度およびコントラストの低下が小さく、且つ、中間色での彩度の低下が防止された、液晶表示装置200が得られる。
例えば、図9および図10に示した従来構造のカラーフィルタ120において、W副画素114上の開口部1264の大きさを縦方向に87%へ縮小すると、ホワイトバランス調整前におけるW副画素114の輝度とR副画素111、G副画素112およびB副画素113の合計の輝度とがほぼ等しくなる。このカラーフィルタ120と実施の形態3のRGB−RGBW変換回路106とを備える液晶表示装置200では、W副画素114上の開口部1264が小さくなった分、ホワイトバランス調整前の輝度は約93%に低下するが、ホワイトバランス調整完了後の輝度を、ホワイトバランス調整前の輝度の約95%に留めることができる。その結果、ホワイトバランス調整完了後の白画像の輝度は、従来の液晶表示装置に比べて約120%へ改善することができる。また、ホワイトバランス調整完了後のコントラストも初期状態のコントラストの約95%に留まり、従来の液晶表示装置に比べてホワイトバランス調整完了後のコントラストは約129%へ改善される。
さらに、製造ばらつきによる彩度のばらつきを抑えるために、ホワイトバランス調整完了後において白画像表示したときのW副画素114の輝度とR副画素111、G副画素112、B副画素113の合計の輝度とを等しくしたい場合には、ホワイトバランス調整時に、液晶表示装置200に白画像を表示させた状態で、W副画素114の輝度がR副画素111、G副画素112およびB副画素113の合計の輝度と等しくなるように、WMAXの値を変更すればよい。
実施の形態1〜3では、RGBW型表示装置が液晶表示装置である例を示したが、例えば、有機ELディスプレイなどでもよい。実施の形態1および2は、RGBW型表示装置のカラーフィルタ120の構成に関するものであり、液晶ディスプレイに限らずカラーフィルタ120を用いるRGBW型表示装置に広く適用可能である。
実施の形態3では、RGB−RGBW変換回路106がハードウェア回路により実現される例を示したが、RGB−RGBW変換回路106は、ハードウェア資源とソフトウェアとの協働により実現されてもよい。つまり、RGB−RGBW変換回路106の機能は、画像処理プログラムをコンピュータが実行することによって実現されてもよい。より具体的には、RGB−RGBW変換回路106の機能は、ROM等の記録媒体(メモリ)に記録された画像処理プログラムが主記憶装置に読み出され、プロセッサ(例えば中央処理装置(CPU))により実行されることによって実現されてもよい。
画像処理プログラムは、メモリーカードなど、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されて提供されてもよいし、インターネットなどの通信回線を介して提供されてもよい。従って、RGB−RGBW変換回路106が実施する信号変換方法、RGB−RGBW変換回路106の機能あるいは信号変換方法の各処理をコンピュータに実行させるためのプログラム、ならびに、当該プログラムが記録された記録媒体もまた、実施の形態3に含まれる。
なお、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略したりすることが可能である。