JP2021131136A - ラック・ピニオン装置および搬送装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ピニオンがラック上を円滑に移動することができるラック・ピニオン装置および搬送装置を提供する。【解決手段】ラック・ピニオン装置10は、第1ラック部材11と、第2ラック部材12と、ピニオン13とを備える。第1ラック部材11は、複数の歯が第1直線方向D1に並んで形成されている第1歯部分を有する。第2ラック部材12は、複数の歯が第2直線方向D2に並んで形成されている第2歯部分を有し、第2歯部分の複数の歯が、第1歯部分の複数の歯に対して第1直線方向D1に連続して配置される第1位置と、連続しない状態で配置される第2位置と、に移動可能に設けられていると共に、第2直線方向D2に伸縮可能に形成されている。ピニオン13は、中心軸回りに回転すると共に、第3歯部分が第1歯部分及び第2歯部分に噛み合うことで、第1ラック部材11及び第2ラック部材12の上を第1直線方向D1に進退する。【選択図】図1
Description
本開示は、ラック・ピニオン装置および搬送装置に関する。
下記特許文献1には、ラックとピニオンを備える搬送装置が開示されている。この搬送装置においては、ラックの歯とピニオンの歯との噛み合わせを向上させるために、ピニオンを磁性部材により形成すると共に、ラックに磁石を設けることで、この磁石の磁力に基づいて、ラックがピニオンを引き寄せる力を生じさせている。この引き寄せる力により、ラックの歯とピニオンの歯との噛み合わせを向上させることができる。
ラック・ピニオン装置を備えた搬送装置において、ラックが、歯が設けられている複数の分割された分割ラック部材を有し、これらの複数の分割ラック部材が組み合わされて形成された場合では、分割されたラック部材同士のつなぎ目の寸法次第で、ピニオンが、ラック部材から、それに隣接しているラック部材にスムーズに乗り移ることが困難になる問題が生じる。特許文献1に記載のものにおいては、この問題を解決することが困難である。
本開示は、上述の事情の下になされたもので、ピニオンがラック上を円滑に移動することができるラック・ピニオン装置および搬送装置を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するために、本開示に係るラック・ピニオン装置は、第1ラック部材と、第2ラック部材と、ピニオンと、を備える。第1ラック部材は、複数の歯が第1直線方向に並んで形成されている第1歯部分を有する。第2ラック部材は、複数の歯が第2直線方向に並んで形成されている第2歯部分を有し、第2歯部分の複数の歯が、第1歯部分の複数の歯に対して第1直線方向に連続して配置される第1位置と、第2歯部分の複数の歯が、第1歯部分の複数の歯に対して連続しない状態で配置される第2位置と、に移動可能に設けられていると共に、第2直線方向に伸縮可能に形成されている。ピニオンは、中心軸回りに回転すると共に、外周面に複数の歯を有する第3歯部分を有し、第3歯部分が第1歯部分及び第2歯部分に噛み合うことで、第1ラック部材及び第2ラック部材の上を第1直線方向に進退する。
本開示によれば、第2ラック部材は、第2直線方向に伸縮可能に形成されている。このため、第2ラック部材が第1位置に配置されている場合における第2ラック部材と第1ラック部材との隙間を小さくすることができる。これにより、ピニオンが、第2ラック部材から第1ラック部材に、もしくは、第1ラック部材から第2ラック部材に円滑に乗り移ることが可能になる。ひいては、ピニオンが第1ラック部材及び第2ラック部材上を円滑に移動することができる。
実施の形態1.
以下、実施の形態1に係る搬送装置及びラック・ピニオン装置について、図を用いて説明する。なお、理解を容易にするために、互いに直交するXYZ座標を設定し、適宜参照する。また、各図においては、同一符号は同一、あるいは相当部分を示す。
以下、実施の形態1に係る搬送装置及びラック・ピニオン装置について、図を用いて説明する。なお、理解を容易にするために、互いに直交するXYZ座標を設定し、適宜参照する。また、各図においては、同一符号は同一、あるいは相当部分を示す。
搬送装置1は、例えば、200〜300kg程度のペイロードが積載又は吊り下げられている搬送台車30が+Y方向及び−Y方向の双方向に移動する自走型搬送装置である。なお、本実施の形態1においては、搬送装置1は、200〜300kg程度のペイロードを有する自走型搬送装置として例示しているが、これに限定されるものではない。搬送装置1は、200〜300kg程度のペイロードが積載又は吊り下げられている自走型搬送装置以外のものであってもよい。搬送装置1は、図1に示すように、ラック・ピニオン装置10と、支持部20と、搬送台車30と、一対のガイドレール40R、40Lと、ガイドローラ50と、これらの各部材を覆うボデー60と、を備える。
ラック・ピニオン装置10は、ピニオン13を備え、このピニオン13の回転運動を、搬送台車30の直線運動に変換するために用いられる。このラック・ピニオン装置10は、ピニオン13に加えて、第1ラック部材11と、第2ラック部材12と、基端側ラック部材14と、を備える。
第1ラック部材11は、Y軸方向と同じ方向である第1直線方向D1を長手方向とする角柱形状に形成されている。第1ラック部材11は、図2及び図3に示すように、ラック部材本体11aと、ラック部材本体11aのXZ平面に平行な+Z側の上面に設けられた第1歯部分11bと、を有する。第1歯部分11bには、複数の歯11cが、第1直線方向D1に沿って、並んで形成されている。この第1ラック部材11は、搬送装置1が設置されている設置箇所に対して固定されている固定ラックである。搬送装置1の設置箇所は、例えば、工場内の床面である。また、第1ラック部材11には、ストッパS1が形成されている。ストッパS1は、ラック部材本体11aの+X側の側面に設けられている。
第2ラック部材12は、第2直線方向D2を長手方向とする角柱形状に形成されていると共に、その断面積が、第1ラック部材11の断面積と同等に形成されている。第2ラック部材12は、ラック部材本体12aと、ラック部材本体12aの+Z側の上面に設けられた第2歯部分12bと、を有する。第2歯部分12bには、複数の歯12cが第2直線方向D2に沿って、並んで形成されている。第2ラック部材12は、図2に示す第1位置と、図3に示す第2位置とに、回転方向D3に沿って、移動可能に設けられている移動ラックである。第2ラック部材12が、図2に示す第1位置に配置されている場合においては、第2直線方向D2は、第1直線方向D1及びY軸方向と同じ方向となり、第2ラック部材12は、第1ラック部材11と基端側ラック部材14との間に配置される。このとき、第2ラック部材12の複数の歯12cは、第1ラック部材11の複数の歯11cに対して、第1直線方向D1及びY軸方向に連続して配置される。第2ラック部材12が、図3に示す第2位置に配置されている場合においては、第2直線方向D2は、第1直線方向D1及びY軸方向とは異なる方向となり、第2ラック部材12は、第1ラック部材11と基端側ラック部材14との間から外れる。このとき、第2ラック部材12の複数の歯12cは、第1ラック部材11の複数の歯11cに対して連続しない状態で配置される。また、第2ラック部材12は、長手方向である第2直線方向D2に伸縮可能に形成されている。
第2ラック部材12の+Y側の突合せ面12−1は、図2及び図3に示すように、基端側ラック部材14の−Y側の突合せ面14−1に対向する端面である。突合せ面12−1は、第2ラック部材12が第1位置にある場合において、XZ平面に平行な面、又は、第2直線方向D2に直交する面に形成されている。
第2ラック部材12の−Y側の突合せ面12−2は、第1ラック部材11の+Y側の突合せ面11−1に対向する端面である。突合せ面12−2は、第2ラック部材12が第1位置にある場合において、XY平面に角度θで傾斜する傾斜面として形成されている。本実施の形態1においては、角度θは45°である。突合せ面12−2を傾斜面とすることにより、第1ラック部材11に対して、第2ラック部材12を第2位置に正確に配置することができる。
第2ラック部材12は、上述のラック部材本体12a及び第2歯部分12bに加えて、分割体12dと、バネ部材12eと、分割体用ピン12fと、ピン連結部12gと、を更に有する。
分割体12dは、歯12cがそれぞれ設けられ、互いの間隔が広がったり狭まったりする部品である。本実施の形態1において、1つの分割体12dには、歯12cが一つのみ設けられている。これにより、分割体12dは、歯12cを1つ1つ独立させることができ、歯12cを独立した独立歯として形成する。
バネ部材12eは、分割体12d同士の全ての間に配置され、第2ラック部材12を第2直線方向D2に伸縮させる。バネ部材12eは、例えば、湾曲された板バネより形成されている。しかしながら、これに限られない。バネ部材12eは、板バネ以外のものより形成されていてもよい。例えば、バネ部材12eは、弾性を有するゴムより形成されていてもよい。このバネ部材12eにおいては、分割体12d同士の隙間が、一定以上に狭くなると反力が生じる。バネ部材12eは、第2ラック部材12が、図3に示す第2位置に配置されている場合においては、第2ラック部材12に、第1ラック部材11又は基端側ラック部材14から外力が加わらないため、分割体12d同士の隙間が最大の寸法、即ち、最大のピッチとなって、分割体12d同士を保持する。一方、バネ部材12eは、第2ラック部材12が、図2に示す第1位置に配置されている場合においては、第2ラック部材12に、第1ラック部材11又は基端側ラック部材14から外力が加わるため、バネ部材12e自身が大きく変形し、分割体12d同士の隙間が最小の寸法、即ち、最小のピッチに、分割体12d同士を保持する。なお、バネ部材12eは、分割体12dにおいて、隣り合う分割体12dとの対向面に掘り込まれて形成されている凹部に収納されてもよい。
分割体用ピン12fは、分割体12dの+X側の側面から突出して形成されている。分割体用ピン12fは、分割体12dの+X側の側面に、1本ないし2本設けられている。
ピン連結部12gは、隣り合う分割体12dの分割体用ピン12fに取り付けられているピンガイドである。ピン連結部12gは、例えば、弾性の素材より形成されていると共に、円環形状に形成されている。隣り合う分割体12dの分割体用ピン12fに、ピン連結部12gが取り付けられていることにより、隣り合う分割体12d同士を狭める方向に連結する。また、ピン連結部12gは、2つの隣り合う分割体12dの分割体用ピン12fの最大ピッチを規制する。これにより、2つの隣り合う分割体12dの分割体用ピン12f同士のピッチも一定値以上は大きくなることはない。
また、第2ラック部材12には、ストッパ受けS2が形成されている。ストッパ受けS2は、ラック部材本体12aの+X側の側面に設けられている。ストッパ受けS2は、第2ラック部材12が、図3に示す第2位置から図2に示す第1位置に移動した場合、第1ラック部材11のストッパS1に当接し、第2ラック部材12のそれ以上に移動を規制する。ストッパ受けS2及びストッパS1のうち少なくとも一方は、当接時の衝撃を緩和するために、弾性の素材より形成されることが好ましい。また、本実施の形態1においては、第2ラック部材12に、ストッパ受けS2が形成され、第1ラック部材11に、ストッパS1が形成されている。しかしながら、これに限られない。第2ラック部材12に、ストッパS1が形成され、第1ラック部材11に、ストッパ受けS2が形成されていてもよい。
第2ラック部材12は、図4に示すように、更に、直動ガイド12hを有する。
直動ガイド12hは、歯12cが設けられている分割体12dを第2直線方向D2に直列に連結する。この直動ガイド12hによって、第2ラック部材12は、第2直線方向D2のみに伸縮可能に形成され、第2直線方向D2以外の方向に変形及び移動が不可能に規制されると共に、第2直線方向D2の長さが一定の範囲内に収まる。
ピニオン13は、図2に示すように、中心軸13a回りに回転すると共に、外周面に複数の歯13cを有する第3歯部分13bを有する歯車である。ピニオン13には、例えば、モーター及びエンジンなどの動力源から、予め定められた減速比で回転運動が伝達されることで回転する。
基端側ラック部材14は、図2及び図3に示すように、第2ラック部材12の+Y側に配置されているラック部材である。基端側ラック部材14は、第1ラック部材11と同様に、Y軸方向と同じ方向である第1直線方向D1を長手方向とする角柱形状に形成されている。また、基端側ラック部材14は、その断面積が、第1ラック部材11の断面積と同等に形成されている。基端側ラック部材14は、ラック部材本体14aと、ラック部材本体14aのXZ平面に平行な上面に設けられた第4歯部分14bと、を有する。第4歯部分14bには、複数の歯14cが、第1直線方向D1に沿って、並んで形成されている。この基端側ラック部材14は、搬送装置1が設置されている設置箇所に対して固定されている固定ラックである。この基端側ラック部材14において、第2ラック部材12が、図2に示す第1位置に配置されている場合においては、基端側ラック部材14の複数の歯14cは、第1ラック部材11の複数の歯11c及び第2ラック部材12の複数の歯12cに対して第1直線方向D1に連続して配置される。したがって、第1ラック部材11の複数の歯11c、第2ラック部材12の複数の歯12c、及び基端側ラック部材14の複数の歯14cの全ては、第1直線方向D1に連続して配置される。
ピニオン13において、第3歯部分13bが、第1歯部分11b、第2歯部分12b及び第4歯部分14bに噛み合うことで、第2歯部分12b及び第4歯部分14bから反力を受ける。この反力に基づいて、ピニオン13が回転することで、ピニオン13は、第1ラック部材11、第2ラック部材12、及び基端側ラック部材14上の軌道を第1直線方向D1に進退する。
一般に、ラックとピニオン13を用いた動力伝達系では、ラックとピニオン13のピッチを広げることによりバックラッシを大きくすることができる。これにより、ラックの歯のピッチが多少変化しても、ラック及びピニオン13は、相互に力を伝達させることが可能となる。本実施の形態1に係るラック・ピニオン装置10は、このような動力伝達を可能とするピッチの変動よりも、第2ラック部材12が伸縮したときの第2ラック部材12の歯12c同士のピッチの変動幅が小さく形成されている。
支持部20は、図1に示すように、ピニオン13を回転可能に支持する。支持部20は、ピニオン13と共に、第1直線方向D1に進退する。
搬送台車30は、支持部20に固定されて設けられている。この搬送台車30に、搬送対象である200〜300kg程度のペイロードが積載されたり、吊り下げられたりする。これにより、搬送台車30は、支持部20及びピニオン13と共に、第1直線方向D1に進退する。
ガイドレール40R、40Lは、図1及び図4に示すように、第1直線方向D1に延びて形成されている。ガイドレール40R、40Lは、YZ平面に対して左右対称に形成されている。ガイドレール40R、40Lには、ガイドローラ50が配置されると共に回転するための溝40aが形成されている。ガイドレール40R、40Lは、第1ガイドレール部材41と、第2ガイドレール部材42と、基端側ガイドレール部材43と、を有する。
第1ガイドレール部材41は、図5及び図6に示すように、搬送装置1が設置されている設置箇所に対して固定されて設けられている。
第2ガイドレール部材42は、第1ガイドレール部材41と基端側ガイドレール部材43との間に配置され、図5に示す第1位置と図6に示す第2位置とに移動可能に設けられている。この第2ガイドレール部材42は、第2ラック部材12と共に移動可能に形成されている。
基端側ガイドレール部材43は、第2ガイドレール部材42の+Y側に配置されているガイドレール部材である。基端側ガイドレール部材43は、第1ガイドレール部材41と同様に、搬送装置1が設置されている設置箇所に対して固定されて設けられている。
ガイドレール40R、40Lは、ピニオン13が、第2ラック部材12と第1ラック部材11との間を乗り移るときに、ガイドローラ50が、第2ガイドレール部材42と第1ガイドレール部材41との間を乗り移らない構造を有している。また、ガイドレール40R、40Lは、ピニオン13が、第2ラック部材12と基端側ラック部材14との間を乗り移るときに、ガイドローラ50が、第2ガイドレール部材42と基端側ガイドレール部材43との間を乗り移らない構造を有している。
なお、本実施の形態1においては、搬送装置1は、2本のガイドレール40R、40Lを備える。しかしながら、これに限られない。搬送装置1は、1本又は3本以上のガイドレール40R、40Lを備えていてもよい。
ガイドローラ50は、図1及び図4に示すように、搬送台車30を第1直線方向D1に移動可能に支持する。そして、ガイドローラ50は、ガイドレール40R、40Lと共に、搬送台車30の進退移動を円滑に案内するために用いられる。これにより、搬送台車30は、一定の軌跡を移動する。ガイドローラ50は、ガイドレール40R、40Lに対して、搬送台車30を第1直線方向D1に移動可能に支持して、ピニオン13と共に、搬送台車30の移動を案内する。ガイドローラ50は、例えば、ピニオン13を回転可能に支持する支持部20から起立して設けられた支持板51に、回転軸52を介して、回転可能に設けられている。ガイドローラ50は、本実施の形態1においては、ガイドレール40R側に3つ、ガイドレール40L側に3つの合計6つ設けられている。
ボデー60は、図5及び図6に示すように、ラック・ピニオン装置10、支持部20、搬送台車30、ガイドレール40R、40L、及びガイドローラ50の各部材を覆い保護する。ボデー60は、第1ボデー部材61と、第2ボデー部材62と、基端側ボデー部材63と、を備える。
第1ボデー部材61は、搬送装置1が設置されている設置箇所に対して固定されて設けられている。
第2ボデー部材62は、第1ボデー部材61と基端側ボデー部材63との間に配置され、図5に示す第1位置と図6に示す第2位置とに移動可能に設けられている。この第2ボデー部材62は、第2ラック部材12及び第2ガイドレール部材42と共に移動可能に形成されている。
基端側ボデー部材63は、第2ボデー部材62の+Y側に配置されているボデー部材である。基端側ボデー部材63は、第1ボデー部材61と同様に、搬送装置1が設置されている設置箇所に対して固定されて設けられている。
上述のような構造を有することで、図7に示すように、本実施の形態1に係る搬送装置1には、第2ラック部材12を第1位置にある場合に、ピニオン13が矢印A1の示すように通過する固定経路71、移動経路72、及び固定経路73が、+Y方向に順に直線状に形成される。
次に、上述のように形成されている搬送装置1の動作について説明する。
先ず、図7に示すように、搬送装置1を動作させる作業者は、第2ラック部材12を第2位置から第1位置に移動させる。すると、固定経路71、移動経路72、及び固定経路73が、+Y方向に順に直線状に配置される。また、図8の矢印A2、A3に示すように、第2ラック部材12が第2直線方向D2に伸びて、第2ラック部材12は、第1ラック部材11との繋ぎ目に形成される隙間C1、基端側ラック部材14との繋ぎ目に形成される隙間C2を小さくする。
続いて、作業者は、モーター及びエンジンなどの動力源を作動させて、図2の矢印A4に示すように、ピニオン13を正転させる。すると、ピニオン13の歯13cが、基端側ラック部材14の歯14cに噛み合うことで、ピニオン13は、図9(A)の矢印A1に示すように、−Y方向に移動する。
ピニオン13が、固定経路73内を−Y方向に移動していくと、ピニオン13と共に、ガイドローラ50もガイドレール40R、40Lの溝40a内を回転しつつ移動する。更に、ピニオン13が、固定経路73内を−Y方向に移動していくと、図9(B)に示すように、やがて、基端側ラック部材14と第2ラック部材12との繋ぎ目に到達する。この繋ぎ目に形成されている隙間C2は、第2ラック部材12の伸縮作用に基づいて小さくなっているため、ピニオン13は、基端側ラック部材14から第2ラック部材12に円滑に乗り移ることができる。なお、このとき、ガイドローラ50は、基端側ガイドレール部材43と第2ガイドレール部材42との繋ぎ目40−2に到達していない。ピニオン13が隙間C2を乗り越えるのと同時に、ガイドローラ50が繋ぎ目40−2を通過する場合に比べて、ピニオン13は、基端側ラック部材14から第2ラック部材12に、より円滑に乗り移ることができる。ピニオン13は、基端側ラック部材14から第2ラック部材12に乗り越えると、固定経路73内から移動経路72内に移動する。
ピニオン13が、図10(A)に示すように、更に、移動経路72内を−Y方向に移動すると、やがて、第2ラック部材12と第1ラック部材11との繋ぎ目に到達する。この繋ぎ目に形成されている隙間C1は、第2ラック部材12の伸縮作用に基づいて小さくなっているため、ピニオン13は、第2ラック部材12から第1ラック部材11に円滑に乗り移ることができる。なお、このとき、ガイドローラ50は、第2ガイドレール部材42と第1ガイドレール部材41との繋ぎ目40−1に到達していない。ピニオン13が隙間C1を乗り越えるのと同時に、ガイドローラ50が繋ぎ目40−1を通過する場合に比べて、ピニオン13は、第2ラック部材12から第1ラック部材11に、より円滑に乗り移ることができる。ピニオン13は、第2ラック部材12から第1ラック部材11に乗り越えると、やがて、図10(B)に示すように、移動経路72内から固定経路71内に移動する。以上により、ピニオン13が固定経路73から固定経路71への移動が完了する。ピニオン13が固定経路73から固定経路71に円滑に移動することにより、図1に示す搬送台車30がペイロードと共に円滑に−Y方向に移動する。
ピニオン13を固定経路71から移動経路72を経由して固定経路73に復帰させる場合には、ピニオン13を逆転させる。これにより、図1に示す搬送台車30がペイロードと共に円滑に+Y方向に移動する。
以上、説明したように、本実施の形態1に係る搬送装置1においては、第2ラック部材12は、図11の矢印A2及びA3の示すように、第2直線方向D2に伸縮可能に形成されている。このため、第2ラック部材12が第1位置に配置されている場合における第2ラック部材12と第1ラック部材11との繋ぎ目に形成される隙間C1を小さくすることができる。これにより、ピニオン13が、第2ラック部材12から第1ラック部材11に、もしくは、第1ラック部材11から第2ラック部材12に円滑に乗り移ることが可能になる。ひいては、ピニオン13が第1ラック部材11及び第2ラック部材12上を円滑に移動することができる。
例えば、図12に示す比較例に係る搬送装置1Aでは、第2ラック部材12は、第2直線方向D2に伸縮しない構造を有している。この場合、第2ラック部材12と第1ラック部材11との繋ぎ目に形成される隙間C1が大きくなるおそれがある。そうすると、ピニオン13が移動する軌跡上に、隙間C1が存在するため、ピニオン13が、第2ラック部材12から第1ラック部材11に、もしくは、第1ラック部材11から第2ラック部材12に円滑に乗り移ることが困難になるおそれがある。特に、大型の装置又は橋脚では、工作物の工作精度上または設置精度上の観点から、第2ラック部材12と第1ラック部材11との繋ぎ目、又は突き合わせ部分の隙間C1を設計上の寸法に形成することは極めて難しい。このことより、ピニオン13が、この第2ラック部材12と第1ラック部材11との隙間C1を移動する際には、ピニオン13の歯13cが、第2ラック部材12の歯12c及び第1ラック部材11の歯11cとうまく噛み合わず、この結果、ピニオン13が、第2ラック部材12と第1ラック部材11との間を円滑に乗り移ることが困難になる。
しかしながら、本実施の形態1に係る搬送装置1においては、第2ラック部材12は、図11に示すように、第2直線方向D2に伸縮可能に形成されている。このため、第2ラック部材12が第1位置に配置されている場合における第2ラック部材12と第1ラック部材11との繋ぎ目に形成される隙間C1を小さくすることができる。これにより、ピニオン13が、第2ラック部材12から第1ラック部材11に、もしくは、第1ラック部材11から第2ラック部材12に円滑に乗り移ることが可能になる。ひいては、ピニオン13が第1ラック部材11及び第2ラック部材12上を円滑に移動することができる。
なお、図1及び図7に示すように、搬送台車30が固定経路71、73を移動しているときには、ペイロードは積載又は吊り下げられているため、第1ラック部材11及び基端側ラック部材14とピニオン13とのバックラッシは出来る限り小さい方が望ましい。しかしながら、ピニオン13が、第2ラック部材12と第1ラック部材11との間を円滑に乗り移る際には、可能な限りバックラッシを多く確保して、第2ラック部材12の伸縮量を大きく設定する方が好ましい。これらを実現するため、第2ガイドレール部材42の形状により、第1ラック部材11及び基端側ラック部材14とピニオン13との間のピッチを適切に制御する必要がある。
また、本実施の形態1に係る搬送装置1においては、第2ラック部材12が第1位置に配置されている場合における第2ラック部材12と基端側ラック部材14との繋ぎ目に形成される隙間C2も小さくすることができる。これにより、ピニオン13が、第2ラック部材12から基端側ラック部材14に、もしくは、基端側ラック部材14から第2ラック部材12に円滑に乗り移ることが可能になる。ひいては、ピニオン13が第2ラック部材12及び基端側ラック部材14上を円滑に移動することができる。
以上、本実施の形態1について説明したが、本開示は上記実施の形態1によって限定されるものではない。
実施の形態1の変形例1.
本実施の形態1においては、図13(A)に示すように、ガイドレール40R、40Lは、YZ平面に対して左右対称に形成されている。これにより、ガイドレール40R、40Lの繋ぎ目40−1、40−2もYZ平面に対して左右対称に形成されている。しかしながら、これに限られない。図13(B)に示す搬送装置1Bのように、ガイドレール40Rの繋ぎ目40−1、40−2と、ガイドレール40Lの繋ぎ目40−1、40−2とがYZ平面に対して左右非対称に形成されていてもよい。これにより、ガイドレール40Rの溝40a内を回転するガイドローラ50が繋ぎ目40−1、40−2を通過するのとタイミングと、ガイドレール40Lの溝40a内を回転するガイドローラ50が繋ぎ目40−1、40−2を通過するタイミングとをずらすことができる。結果的に、図11に示すように、ピニオン13が第1ラック部材11及び第2ラック部材12上を円滑に移動することができる。なお、ピニオン13が、隙間C1、C2を乗り越えるタイミングと、ガイドレール40Rの溝40a内を回転するガイドローラ50が繋ぎ目40−1、40−2を通過するのとタイミングと、ガイドレール40Lの溝40a内を回転するガイドローラ50が繋ぎ目40−1、40−2を通過するタイミングとが、全てずれていることが最も好ましい。
本実施の形態1においては、図13(A)に示すように、ガイドレール40R、40Lは、YZ平面に対して左右対称に形成されている。これにより、ガイドレール40R、40Lの繋ぎ目40−1、40−2もYZ平面に対して左右対称に形成されている。しかしながら、これに限られない。図13(B)に示す搬送装置1Bのように、ガイドレール40Rの繋ぎ目40−1、40−2と、ガイドレール40Lの繋ぎ目40−1、40−2とがYZ平面に対して左右非対称に形成されていてもよい。これにより、ガイドレール40Rの溝40a内を回転するガイドローラ50が繋ぎ目40−1、40−2を通過するのとタイミングと、ガイドレール40Lの溝40a内を回転するガイドローラ50が繋ぎ目40−1、40−2を通過するタイミングとをずらすことができる。結果的に、図11に示すように、ピニオン13が第1ラック部材11及び第2ラック部材12上を円滑に移動することができる。なお、ピニオン13が、隙間C1、C2を乗り越えるタイミングと、ガイドレール40Rの溝40a内を回転するガイドローラ50が繋ぎ目40−1、40−2を通過するのとタイミングと、ガイドレール40Lの溝40a内を回転するガイドローラ50が繋ぎ目40−1、40−2を通過するタイミングとが、全てずれていることが最も好ましい。
実施の形態1の変形例2.
本実施の形態1に係るラック・ピニオン装置10の第2ラック部材12においては、図14に示すように、1つの分割体12dに、歯12cが1つのみ設けられている。しかしながら、これに限られない。図15(A)に示す搬送装置1Cのように、1つの分割体12dに、歯12cが2つ設けられていてもよい。また、1つの分割体12dに、歯12cが3つ以上設けられていてもよい。
本実施の形態1に係るラック・ピニオン装置10の第2ラック部材12においては、図14に示すように、1つの分割体12dに、歯12cが1つのみ設けられている。しかしながら、これに限られない。図15(A)に示す搬送装置1Cのように、1つの分割体12dに、歯12cが2つ設けられていてもよい。また、1つの分割体12dに、歯12cが3つ以上設けられていてもよい。
実施の形態1の変形例3.
また、図15(B)に示す搬送装置1Dのように、第2ラック部材12は、1つの歯12cが設けられている分割体12dと、複数の歯12cが設けられている分割体12dとが組み合わされていてもよい。
また、図15(B)に示す搬送装置1Dのように、第2ラック部材12は、1つの歯12cが設けられている分割体12dと、複数の歯12cが設けられている分割体12dとが組み合わされていてもよい。
実施の形態1の変形例4.
本実施の形態1においては、図3に示すように、第1ラック部材11には、ストッパS1が形成され、第2ラック部材12には、ストッパS1が当接するストッパ受けS2が形成されている。このストッパS1及びストッパ受けS2は、図3の形状に限定されるものではない。例えば、図16(A)に示す搬送装置1Eのように、ストッパS1には、凸部に形成される第1位置決め部81が形成され、ストッパ受けS2には、第1位置決め部81が嵌ることで、第1ラック部材11に対する第2ラック部材12の位置決めをするための凹部に形成される第2位置決め部82が形成されていてもよい。これにより、第2ラック部材12が第1位置に配置されている場合における第2ラック部材12と第1ラック部材11との繋ぎ目に形成される隙間C1を更に小さくすることができる。なお、変形例4においては、ストッパS1には、凸部に形成される第1位置決め部81が形成され、ストッパ受けS2には、凹部に形成される第2位置決め部82が形成されている。しかしながら、これに限られない。ストッパS1に、凹部に形成される第2位置決め部82が形成され、ストッパ受けS2に、凸部に形成される第1位置決め部81が形成されていてもよい。
本実施の形態1においては、図3に示すように、第1ラック部材11には、ストッパS1が形成され、第2ラック部材12には、ストッパS1が当接するストッパ受けS2が形成されている。このストッパS1及びストッパ受けS2は、図3の形状に限定されるものではない。例えば、図16(A)に示す搬送装置1Eのように、ストッパS1には、凸部に形成される第1位置決め部81が形成され、ストッパ受けS2には、第1位置決め部81が嵌ることで、第1ラック部材11に対する第2ラック部材12の位置決めをするための凹部に形成される第2位置決め部82が形成されていてもよい。これにより、第2ラック部材12が第1位置に配置されている場合における第2ラック部材12と第1ラック部材11との繋ぎ目に形成される隙間C1を更に小さくすることができる。なお、変形例4においては、ストッパS1には、凸部に形成される第1位置決め部81が形成され、ストッパ受けS2には、凹部に形成される第2位置決め部82が形成されている。しかしながら、これに限られない。ストッパS1に、凹部に形成される第2位置決め部82が形成され、ストッパ受けS2に、凸部に形成される第1位置決め部81が形成されていてもよい。
また、変形例4においては、第1位置決め部81及び第2位置決め部82は、凸部及び凹部に形成されている。しかしながら、第1位置決め部81及び第2位置決め部82の形状は、これに限られない。例えば、図16(B)に示すように、第1位置決め部81は、XZ平面に傾斜する傾斜面であり、第2位置決め部82は、第1位置決め部81に対向すると共に、第1位置決め部81と同じ角度で傾斜する傾斜面であってもよい。
実施の形態1の変形例5.
本実施の形態1においては、図3に示すように、第2ラック部材12の分割体12dの側面から突出する分割体用ピン12fに、ピン連結部12gを取り付けることにより、隣り合う分割体12d同士を連結する。したがって、隣り合う分割体12d同士を連結するための部品は、分割体12dとは別体の部品である。しかしながら、これに限られない。例えば、図17に示す搬送装置1Fのように、隣り合う一対の分割体12dの一方に、係合部91を形成し、他方に、係合部91が第2直線方向D2にスライド可能に係合する被係合部92を形成してもよい。これにより、分割体用ピン12f及びピン連結部12gを割愛でき、第2ラック部材12を配置するために確保すべきスペースを小さくすることができる。また、第2ラック部材12の部品点数を少なくすることができる。
本実施の形態1においては、図3に示すように、第2ラック部材12の分割体12dの側面から突出する分割体用ピン12fに、ピン連結部12gを取り付けることにより、隣り合う分割体12d同士を連結する。したがって、隣り合う分割体12d同士を連結するための部品は、分割体12dとは別体の部品である。しかしながら、これに限られない。例えば、図17に示す搬送装置1Fのように、隣り合う一対の分割体12dの一方に、係合部91を形成し、他方に、係合部91が第2直線方向D2にスライド可能に係合する被係合部92を形成してもよい。これにより、分割体用ピン12f及びピン連結部12gを割愛でき、第2ラック部材12を配置するために確保すべきスペースを小さくすることができる。また、第2ラック部材12の部品点数を少なくすることができる。
実施の形態1の変形例6.
本実施の形態1においては、図4に示すように、第2ラック部材12は、分割体12dを第2直線方向D2に直列に連結する直動ガイド12hを有する。しかしながら、これに限られない。第2ラック部材12は、図18に示す搬送装置1Gのように、複数の分割体12dを貫通するシャフト12jを有していてもよい。このシャフト12jは、複数の分割体12dの一軸の動き以外を規制する。なお、第2ラック部材12は、シャフト12jに代えて、スプライン軸を有していてもよい。
本実施の形態1においては、図4に示すように、第2ラック部材12は、分割体12dを第2直線方向D2に直列に連結する直動ガイド12hを有する。しかしながら、これに限られない。第2ラック部材12は、図18に示す搬送装置1Gのように、複数の分割体12dを貫通するシャフト12jを有していてもよい。このシャフト12jは、複数の分割体12dの一軸の動き以外を規制する。なお、第2ラック部材12は、シャフト12jに代えて、スプライン軸を有していてもよい。
実施の形態2.
本実施の形態1においては、分割体12dは、図14に示すように、バネ部材12eの作用により、互いの間隔が広がったり狭まったりする。しかしながら、これに限られない。図19に示す搬送装置2のように、その設置時に生じ得るずれ量成分を補正する観点から、第2ラック部材12において、少なくとも一つの分割体12d同士は、接着剤である固定手段12kによって固定されていてもよい。これにより、搬送装置2の設置時に生じ得るずれ量成分を補正でき、ピニオン13が、第2ラック部材12から他のラック部材に、もしくは、他のラック部材から第2ラック部材12に円滑に乗り移ることが可能になる。また、分割体用ピン12f及びピン連結部12gを省略することが可能になる。
本実施の形態1においては、分割体12dは、図14に示すように、バネ部材12eの作用により、互いの間隔が広がったり狭まったりする。しかしながら、これに限られない。図19に示す搬送装置2のように、その設置時に生じ得るずれ量成分を補正する観点から、第2ラック部材12において、少なくとも一つの分割体12d同士は、接着剤である固定手段12kによって固定されていてもよい。これにより、搬送装置2の設置時に生じ得るずれ量成分を補正でき、ピニオン13が、第2ラック部材12から他のラック部材に、もしくは、他のラック部材から第2ラック部材12に円滑に乗り移ることが可能になる。また、分割体用ピン12f及びピン連結部12gを省略することが可能になる。
なお、実施の形態2においては、固定手段12kは接着剤である。しかしながら、分割体12d同士が固定できれば、これに限られない。固定手段12kは、ネジなどによる機械的な締結手段であってもよい。
実施の形態3.
本実施の形態1においては、第2ラック部材12は、図14に示すように、バネ部材12eと、分割体用ピン12fと、ピン連結部12gと、に有する。しかしながら、これに限られない。第2ラック部材12は、バネ部材12e、分割体用ピン12f、及びピン連結部12gに代わる機構部分を有していてもよい。以下、バネ部材12e、分割体用ピン12f、及びピン連結部12gに代わる機構部分として、カム機構部が用いられている搬送装置3を、図20を参照して説明する。
本実施の形態1においては、第2ラック部材12は、図14に示すように、バネ部材12eと、分割体用ピン12fと、ピン連結部12gと、に有する。しかしながら、これに限られない。第2ラック部材12は、バネ部材12e、分割体用ピン12f、及びピン連結部12gに代わる機構部分を有していてもよい。以下、バネ部材12e、分割体用ピン12f、及びピン連結部12gに代わる機構部分として、カム機構部が用いられている搬送装置3を、図20を参照して説明する。
図20に示すように、搬送装置3の第2ラック部材12は、バネ部材12e、分割体用ピン12f、及びピン連結部12gに代わり、カムシャフト12mとカムピン12nとを有する。
カムシャフト12mは、回転方向D4、D5に回転することにより、分割体12d同士の間隔を広げたり狭めたりするものである。カムシャフト12mには、減速器及びモーターを含むアクチュエータが連結されている。カムシャフト12mの外周面上には、カム溝12pが設けられている。このカム溝12pには、分割体12dから突出して設けられたカムピン12nの端部が配置されている。
このカムシャフト12mを回転方向D4に正転させる。これにより、カムピン12nの端部がカム溝12pに沿って移動し、その結果、矢印A5に示すように、分割体12d同士の間隔が狭まる。
次に、カムシャフト12mを回転方向D5に逆転させる。これにより、カムピン12nの端部がカム溝12pに沿って移動し、その結果、矢印A6に示すように、分割体12d同士の間隔が広がる。
カムシャフト12m及びカムピン12nを有するカム機構部の動作に基づいて、分割体12d同士の間隔が広がったり、狭まったりするため、第2ラック部材12は、第2直線方向D2に伸縮可能に形成される。このため、第2ラック部材12と第1ラック部材11との繋ぎ目に形成される隙間C1を小さくすることができる。これにより、ピニオン13が、第2ラック部材12から第1ラック部材11に、もしくは、第1ラック部材11から第2ラック部材12に円滑に乗り移ることが可能になる。ひいては、ピニオン13が第1ラック部材11及び第2ラック部材12上を円滑に移動することができる。
その他の実施の形態
上記実施の形態では、第2ラック部材12は、図3に示すように、回転方向D3に沿って移動可能に設けられている。しかしながら、これに限られない。第2ラック部材12は、例えば、上方向である+Z方向又は下方向である−Z方向に移動可能に設けられていてもよいし、X軸方向である左右方向に移動可能、並進可能に設けられていてもよい。
上記実施の形態では、第2ラック部材12は、図3に示すように、回転方向D3に沿って移動可能に設けられている。しかしながら、これに限られない。第2ラック部材12は、例えば、上方向である+Z方向又は下方向である−Z方向に移動可能に設けられていてもよいし、X軸方向である左右方向に移動可能、並進可能に設けられていてもよい。
上記実施の形態では、移動ラックである第2ラック部材12は、移動可能に設けられた第2ボデー部材62に配置されている。しかしながら、これに限られない。第2ラック部材12は、第1ボデー部材61又は基端側ボデー部材63に配置されていてもよい。
本開示は、本開示の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施の形態は、この開示を説明するためのものであり、本開示の範囲を限定するものではない。すなわち、本開示の範囲は、実施の形態ではなく、請求の範囲によって示される。そして請求の範囲内及びそれと同等の開示の意義の範囲内で施される様々な変形が、この開示の範囲内とみなされる。
1,1A,1B,1C,1D,1E,1F,1G,2,3:搬送装置、10:ラック・ピニオン装置、11:第1ラック部材、11−1:突合せ面、11a:ラック部材本体、11b:第1歯部分、11c:歯、12:第2ラック部材、12−1,12−2:突合せ面、12a:ラック部材本体、12b:第2歯部分、12c:歯、12d:分割体、12e:バネ部材、12f:分割体用ピン、12g:ピン連結部、12h:直動ガイド、12j:シャフト、12k:固定手段、12m:カムシャフト、12n:カムピン、12p:カム溝、13:ピニオン、13a:中心軸、13b:第3歯部分、13c:歯、14:基端側ラック部材、14−1:突合せ面、14a:ラック部材本体、14b:第4歯部分、14c:歯、20:支持部、30:搬送台車、40−1,40−2:繋ぎ目、40R,40L:ガイドレール、40a:溝、41:第1ガイドレール部材、42:第2ガイドレール部材、43:基端側ガイドレール部材、50:ガイドローラ、51:支持板、52:回転軸、60:ボデー、61:第1ボデー部材、62:第2ボデー部材、63:基端側ボデー部材、71,73:固定経路、72:移動経路、81:第1位置決め部、82:第2位置決め部、91:係合部、92:被係合部、A1,A2,A3,A4,A5,A6:矢印、C1,C2:隙間、D1:第1直線方向、D2:第2直線方向、D3,D4,D5:回転方向、S1:ストッパ、S2:ストッパ受け、θ:角度。
Claims (17)
- 複数の歯が第1直線方向に並んで形成されている第1歯部分を有する第1ラック部材と、
複数の歯が第2直線方向に並んで形成されている第2歯部分を有し、前記第2歯部分の複数の歯が、前記第1歯部分の複数の歯に対して前記第1直線方向に連続して配置される第1位置と、前記第2歯部分の複数の歯が、前記第1歯部分の複数の歯に対して連続しない状態で配置される第2位置と、に移動可能に設けられていると共に、前記第2直線方向に伸縮可能に形成されている第2ラック部材と、
中心軸回りに回転すると共に、外周面に複数の歯を有する第3歯部分を有し、前記第3歯部分が前記第1歯部分及び前記第2歯部分に噛み合うことで、前記第1ラック部材及び前記第2ラック部材の上を前記第1直線方向に進退するピニオンと、
を備える、ラック・ピニオン装置。 - 前記第2ラック部材は、前記第2歯部分の歯が設けられ、互いの間隔が広がったり狭まったりする複数の分割体を有する、請求項1に記載のラック・ピニオン装置。
- 前記第2ラック部材は、前記分割体同士の間に配置され、前記第2ラック部材を前記第2直線方向に伸縮させるバネ部材を有する、請求項2に記載のラック・ピニオン装置。
- 前記第2ラック部材において、少なくとも1つの前記分割体同士は、接着剤によって固定されている、請求項2又は3に記載のラック・ピニオン装置。
- 1つの前記分割体には、前記第2歯部分の一つの歯が設けられている、請求項2から4のいずれか一項に記載のラック・ピニオン装置。
- 1つの前記分割体には、前記第2歯部分の複数の歯が設けられている、請求項2から4のいずれか一項に記載のラック・ピニオン装置。
- 前記第2ラック部材は、前記分割体から突出して形成されている分割体用ピンと、隣り合う前記分割体の前記分割体用ピンに取り付けられているピンガイドと、を有する、請求項2から6のいずれか一項に記載のラック・ピニオン装置。
- 隣り合う一対の前記分割体の一方には、係合部が一体的に形成され、
隣り合う一対の前記分割体の他方には、前記係合部が前記第2直線方向にスライド可能に係合する被係合部が一体的に形成されている、請求項2から7のいずれか一項に記載のラック・ピニオン装置。 - 前記第2ラック部材は、複数の前記分割体を前記第2直線方向に連結し、前記第2直線方向以外の方向に移動不可能に規制する直動ガイドを有する、請求項2から8のいずれか一項に記載のラック・ピニオン装置。
- 前記第2ラック部材は、複数の前記分割体を前記第2直線方向に貫通し、前記第2直線方向以外の方向に移動不可能に規制するシャフトを有する、請求項2から8のいずれか一項に記載のラック・ピニオン装置。
- 前記分割体同士の間隔を広げたり狭めたりするカム機構部を備える、請求項2から10のいずれか一項に記載のラック・ピニオン装置。
- 前記第1ラック部材及び前記第2ラック部材の一方には、ストッパが形成され、
前記第1ラック部材及び前記第2ラック部材の他方には、前記第2ラック部材が前記第1位置に移動した時に前記ストッパが当接するストッパ受けが形成されている、請求項1から11のいずれか一項に記載のラック・ピニオン装置。 - 前記ストッパ及び前記ストッパ受けの一方には、第1位置決め部が形成され、
前記ストッパ及び前記ストッパ受けの他方には、前記第1位置決め部と接触することにより、前記第1ラック部材に対する前記第2ラック部材の位置決めをする第2位置決め部が形成されている、請求項12に記載のラック・ピニオン装置。 - 前記第1位置決め部及び前記第2位置決め部の一方は、凸部に形成され、
前記第1位置決め部及び前記第2位置決め部の他方は、前記凸部が嵌る凹部に形成されている、請求項13に記載のラック・ピニオン装置。 - 請求項1から14のいずれか一項に記載のラック・ピニオン装置と、
前記ピニオンを回転可能に支持する支持部と、
前記支持部に設けられている搬送台車と、
を備える、搬送装置。 - 前記第1直線方向に延びるガイドレールと、
前記ガイドレールに対して、前記搬送台車を前記第1直線方向に移動可能に支持して、前記ピニオンと共に前記搬送台車の移動を案内するガイドローラと、
を備える、請求項15に記載の搬送装置。 - 前記ガイドレールは、第1ガイドレール部材と、前記第2ラック部材と共に、前記第1位置と前記第2位置とに移動可能に設けられている第2ガイドレール部材と、を有し、
前記ガイドレールは、前記ピニオンが、前記第2ラック部材と前記第1ラック部材との間を乗り移るときに、前記ガイドローラが、前記第2ガイドレール部材と前記第1ガイドレール部材との間を乗り移らない構造を有する、請求項16に記載の搬送装置。
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