JP2021130085A - 流動分別型孔拡散膜分離モジュールを用いた気相系での浮遊微粒子除去した気体の回収方法 - Google Patents

流動分別型孔拡散膜分離モジュールを用いた気相系での浮遊微粒子除去した気体の回収方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2021130085A
JP2021130085A JP2020026354A JP2020026354A JP2021130085A JP 2021130085 A JP2021130085 A JP 2021130085A JP 2020026354 A JP2020026354 A JP 2020026354A JP 2020026354 A JP2020026354 A JP 2020026354A JP 2021130085 A JP2021130085 A JP 2021130085A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
flow
membrane
gas
film
module
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2020026354A
Other languages
English (en)
Inventor
征一 真鍋
Seiichi Manabe
征一 真鍋
健児 佐々木
Kenji Sasaki
健児 佐々木
保武 中川
Yasutake Nakagawa
保武 中川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nihon Special Membrane Development Co Ltd
Original Assignee
Nihon Special Membrane Development Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nihon Special Membrane Development Co Ltd filed Critical Nihon Special Membrane Development Co Ltd
Priority to JP2020026354A priority Critical patent/JP2021130085A/ja
Publication of JP2021130085A publication Critical patent/JP2021130085A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)

Abstract

【課題】空気中に分散する0.02μm以上の微粒子を膜中の孔を目詰まりさせることなく除去しつつ清浄な空気を回収する膜分離技術を提供する。【解決方法】処理対象の外気の成分を、孔拡散膜分離モジュルを用い、特定された平膜の表面に沿って粘性流れで流しつつ、その一部を該平膜を介した膜の孔中拡散流れで通過させさせることによって二つの流れに分離させ、それらの流れの中で拡散流れの成分のみの気体を回収する。【選択図】 図1

Description

本発明は大気中に浮遊する直径(頻度分布での平均直径)0.02μm以下の微粒子を除
去するのに際し、膜分離技術を利用するのに適する平膜と該技術の特定する運転条件に関
する。すなわち、特定の構造を持つ平膜を装填した孔拡散膜分離モジュールとそれの運転件
件を特定することにより該微粒子を除去することが可能となる膜分離技術に関する。
本発明での除去対象となる大気中の微粒子としては液体及び固体粒子がある。液体
粒子の場合には粒子径が0.02μm以下ではその粒子の表面張力のために大気中での安定性が低下する。そのため粒子として大気中に存在出来るには、気体系からの相分離現象で生じる核生成過程の短時間のみである。この粒子の膜除去には膜素材高分子との衝突の際に起る粒子の大粒子化と吸着を利用することが従来より提案されている。例えば、高温状態の油から気体状の油粒子が発生している場合に、この気体をポリエステル繊維の不織布を通すことによって気体状の粒子を除去することが可能である。ただし、この場合には油の粒子は不織布に収着後、液体状油となって油の蒸気としてまた一部は液体として不織布を通過する。すなわち液体または気体として油成分は膜を結果的には通過する。
除去対象が液体状の粒子の場合には、上述の油の例のように微粒子の形状のまま除
去することは出来ない。粒子を液体あるいは気体状態に変化させる過程において分離媒体
(例えば膜)と粒子成分とが接触する。接触を介して粒子の形状は変化する。すなわち粒子
としての形態状の特徴は除去の機構には反映しない。液体状の粒子の除去方法として膜間
差圧を駆動力としたとした膜濾過法を利用する限りは液体状粒子を液体へ変化した状態の
輸送を想定することになる。
除去対象が大気中の固体状の粒子の場合には、膜として不織布状の平膜を利用する膜濾過法が採用されている。大気中に浮遊する粒子の大きさが0.4μm以上であれば該粒子の大部分は膜濾過法で除去できる。但し第1図に示した1次流体および二次流体中の該粒子の除去はいずれも達成される。該粒子自体は膜中あるいは一次流体に接する膜表面に捕捉されている。粒子の膜中の捕捉は膜の孔の目詰まりをもたらす。この場合の粒子の捕捉に関しては、(1)膜素材と粒子成分との間に働く静電力と化学的親和力、(2)粒子成分に働く慣性力に原因した膜素材高分子との力学的な衝突に原因した力学的因子、(3)粒子と膜との間に働く篩効果が挙げられる。これらの因子の中で、水分子が共存することにより(1)の因子の寄与が特に大きく働くため湿度の高い場合での粒子の除去性能は低下する。膜の孔への目詰まりは粒子の除去性能の低下をもたらす。
膜の孔に目詰まりしない技術として孔拡散膜分離技術が提案されている(特許文献
1)。多孔膜の内部の孔が物質の拡散現象を支配し、この現象を介して膜による物質分離を行う技術である。この技術については現在までは液体中の微粒子除去技術として提案されている。液体流路の一次側流路の入口側あるいは出口側にポンプあるいは流速調整機構を有し、一次側流路内の液体の膜表面でのひずみ速度が2/秒以上であること、また一次側流路を形成する膜の表面の平滑度を高くすることが重要である。また膜間差圧を特に低くする点に特徴がある。
孔拡散膜モジュールとしての構成は、引用文献2〜5を整理すると、(イ)多孔膜とそれを力学的に支える支持体、(ロ)被処理流体を層流で供給するための一次流路と送液機構と、(ハ)膜間差圧を与える機構と、(ニ)膜を主として拡散機構で透過した成分を回収する回路(二次流路)で構成される。特に流動分別型孔拡散膜分離モジュールでは一次流体の流れが層流で、この流れの中にある微粒子には流れを構成する分子の粘性力による揚力の発生が不可欠である。但し孔拡散膜分離技術での従来までの技術では処理対象は液体系であった。この技術が気体系でも適用できるかどうか不明であった。また揚力の発生も液体系と同様に考えられるかどうかの確認が必要であった。
液体中に分散した粒子が存在する場合に膜の濾過機構によって溶液の濾過が実施される場合に非特許文献2による理論計算によると粒子径の5倍程度の孔径を持つ多孔膜でも一次液体の流れ速度(膜表面での歪速度で表示)が100/秒以上であれは粒子の除去は理論的には可能である。この膜による粒子除去が液体の粒子においても可能なのかについての実証例はまだない。
特許公告6277341 特許公告6343589 特許公告6422032 特許公告6452049 特許公告6534068 真鍋征一、尾池哲郎 著、"濾過スケールアップの正しい進め方と成功事例集"、(株)技術情報協会、 2011年8月、485頁 K.Kamide, S.Manabe, Polymer J.,13(No.5), pp459-479(1981)
大気中に分散している微粒子は人体に有害な影響を及ぼすものが多い。特に粒子径が小さくなるほど人体への有害性が強くなる。大気中の有害な微粒子として近年注目されているのはアレルゲン等の有機性微生物や有機性微粒子、ウイルスや細菌などの感染性微生物などがその例である。ナノサイズの微粒子の発生は産業界でも起こっている。ナノテクノロジの発展もナノサイズの微粒子の発生の一因をなす。有機性微粒子は空気中の水分子との共存あるいは接触し、微粒子として無定形状態で安定化していることが想定される。この場合には粒子間の衝突によって起る静電気の発生が抑えられる。この場合、粒子の除去に静電気力を利用することが出来ない。粒子除去を目的とする場合には、除去性能の再現性の視点からは静電気力による効果を前提としないことが必要である。本発明では粒子の除去性能の発現としてこの静電気力を事実上零との前提でも成立する効果を利用する。
大気中には液体系の微粒子も共存する。気体状で分子として存在していた成分分子が冷却等の物理的条件の変化あるいは大気の組成変化に伴なって液体系の粒子を発生させる。液体系の微粒子の粒子径は粒子の凝集に伴なって経時的に大きくなったりあるいは微粒子が蒸発等のよって消滅する。すなわち粒子の核として存在するがその存続時間は短時間である。粒子径の変化に伴って粒子の表面特性および粒子の内部組成も変化する。そのため粒子除去の機構が親和力に関連する物性(吸着特性など)に関連する場合には粒子除去の定量性が消失しやすい。そのため粒子除去の定量性には粒子およびその除去素材の化学構造に依存しない除去機構に基づく必要がある。
大気中の微粒子の除去に際し、除去性能の再現性および除去性能の予測性を持つことにより、その技術の信頼性は高まる。その技術により大気に対する確実な感染性防止対策が可能となる。大気が物の生産現場の一部を構成する工場(例、クリーン現場での生産でバイオ医薬品や再生医療等の製品の生産現場など)では大気中の微粒子の作用が無視出来ない。そのため生産現場での微粒子の濃度も一定範囲内で制御および管理すべき項目である。大気中の微粒子を除去する技術としてはその性能が長く継続する必要がある。従来のヘパフィルタ等の膜濾過による除去性能ではこの性能の継続性に問題を残す。
本発明では大気中の微粒子を(1)その微粒子が液体状かあるいは固体状に関係なく、(2)粒子径が0.02μm以上の粒径で(3)粒子径のみに応じて、(4)一定の確率で、(5)粒子除去機能を低下させることなく長期に継続させることが可能な粒子除去法を提供する。
本発明に到達出来たのは下記に示す二種の実験事実を確認したからである。まずその一つは大気圧下で気体分子の流れを形づくる一次流体の壁部を形成する素材高分子の種類によって影響を受ける。すなわち一次流体の流れの大きさが0.02μmx0.02μm程度であれば気体分子は自由分子流れ(分子同士の衝突の頻度が分子と壁との衝突の頻度より大の流れ)が起り気体分子間の衝突が支配し、拡散流れが中心となる。流れの大きさがその断面形状で1μm平方以上になれば一次流体である気体の流れは粘性流れとなる。
もう一つの実験事実は、自由分子流れが平均孔径0.02μm以上で1μm未満の空隙部で起き、その際の気体分子の流れは拡散流れであるが壁との相互作用が起る点である。この流れは表面拡散流れに分類される流れで、有機溶媒の気体分子の選択的な拡散が可能なことが予想される。また拡散流れの特徴は膜内部の孔への微粒子の目詰まりが起らない点にある。多孔性の平膜を用いて平膜の膜面に沿って大気を流すと流れ方向には粘性流れが起り粒子成分のみがこの流れに乗ることが予測された。
本発明の最大の特徴は大気中に分散する除去すべき粒子の大きさが0.02μm以
上であるとする点にある。この粒子径の設定には粒子の除去機構と粒子の安定性との関連
で設定される。除去すべき粒子として大気中に浮遊し分散する粒子、例えば単分子分散する
気相状態の分子は含まれていない。粒子としての大きさが0.02μm以上であればこの粒
子が数秒間にわたって大気中にその存在が確認できる。粒子の大きさが0.02μm以下に
なるとその運動性は分子と区別つかなくなり、高分子鎖の場合にはミクロブラウン運動を
行い粒子としての界面がなくなる。粒子の大きさが0.02μm〜0.1μmの粒子は粒子と
しての寿命は短く、それより大きな粒子へ成長する場合かあるいは蒸気となって気相中の
気体分子へと変化する。
分散している粒子の大きさが0.02μm以下になると粒子としての界面相が不明瞭となり、蒸発により気相内に拡散する。そのため固定した界面の存在によって捕捉や分離回収が不可能となる。本発明方法での粒子の除去には粒子としての界面相の存在は不可欠である。本発明では0.02μm〜0.2μm径の粒子は膜中へ拡散流れ(全体としては孔拡散流れと定義される流れで大粒子は粘性流れに乗った一次側の流れ)を構成する。一方、0.2μm以上の粒子は粘性流れに乗って孔拡散膜モジュールでは一次側流れによって一次側回路を通る。本発明は膜モジュールとして見ると小粒子は拡散流れである二次流れを大粒子は粘性流れである一次側流れに乗る特徴を持つ。すなわち二種の流れに乗った膜分離であることを特徴としている。
本発明技術は、外気より直径0.02μmの微粒子を含まない気体を回収するのに際し、高分子多孔膜を介して外気側の気体の流れの大部分を粘性流れ機構で該多孔膜表面を流し(これを一次側流れと略称)、残部の気体を該膜の内部を拡散流れで流す(これを二次側流れと略称)ことによって該微粒子を含まない気体を回収する方法である。ここで外気とは気温は0℃〜40℃、気圧は0.8〜1.2気圧のほぼ常温常圧の気体を意味する。
本発明方法での基本技術の特徴は上述の2種の流れを流動分別型孔拡散膜分離モジュールを利用することによって実現する点にある。該モジュールは流体として液体の場合に粒子に働く揚力の作用に注目している。この揚力が気体の場合にも発生するかどうかも不明である。大気中の粒子にも同様な揚力の発生を認められる実験事実として下記の現象が観察された。
水の濾過速法で評価した平均孔径10μmのセルロース製の濾紙を特許文献3と類似の流動分別型孔拡散モジュールに装着し、膜間差圧0.0005気圧で2次側流体として回収された気体10リットル中には0.02μm以上の径の粒子は0.04mg以下であった。これに対し、該モジュールを介しない大気中では24mgであった。すなわち平均孔径が除去対象粒子の径の500倍の平膜を装填しても粒子除去性能は高い。例えば、対数除去性能(LRV)で3である。この除去性能は同一の膜で1週間継続し、膜中の孔の目詰まりはみとめられなかった。
本発明技術において処理対象が気体である限り、装填すべき平膜の必要条件は、液体系の流動分別型孔拡散膜分離モジュールの場合の条件より緩い。すなわち、該モジュールに装填される平膜の構造上の特徴は、下記の(イ)、(ロ)、(ハ)、(ニ)の4条件にまとめられる。(イ)親水性高分子で構成される。高分子膜素材が親水性でなくてはならないのは大気の湿度が変動しても膜素材が帯電するのを防止するためである。大気の湿度によって膜素材の帯電性が変化し、膜の気体分子の吸着性が変化する。湿度が低くなると膜の分子の吸着性能は一般に増加するが吸着後には膜の吸着性能や膜の表面特性が変化する。この吸着性能の変化が粒子の除去性能の予測性を低める。
親水性高分子を用いて平膜を作製する方法としてミクロ相分離法が最も適用しやすい。大気中の水分子との吸着性を制御するために親水性高分子としてセルロース誘導体を素材として選択すれば親水性のみでなくミクロ相分離法での製膜も容易である。その例として酢酸セルロースを利用する。セルロースの水酸基を酢酸基に置換することにより、親水性をセルロースから3酢酸セルロースまでほぼ任意にセルロースのエステル反応によって
本発明の特徴は平膜の処理対象が大気を構成する気体状の分子であるために利用できる平膜については下記に特定する孔特性の条件を満足する必要がある。すなわち(ロ)平均孔径は0.1μm以上で1μm以下、空孔率が60%以上で膜厚として100μm以下の貫通孔を有する多孔膜で、膜表面の少なくとも一面の平滑度が膜の平均孔径の2倍以下である。平均孔径が0.1μmより小さい場合には平膜を介しての拡散が溶解・拡散流れとなり膜を介した大気の流れ速度は孔拡散の場合の1/1000以下となる。平均孔径が逆に1μmを越えたり膜厚を極端に薄くすると膜を介した気体の流れで拡散によって移動する大きな粒子の数が増加する。本来除去すべきウイルス粒子やプリオン粒子あるいはナノテクノロジーの副産物であるナノ粒子の拡散が予想される。感染性微粒子の場合には安全性の観点から移動の可能性を極端にへらさなくてはならない。安全性の観点からはウイルス粒子の10倍の孔の存在を否定する必要がある。
流動分別型孔拡散膜分離モジュールに装填される平膜の表面には外気が流れる。外気の流れの様子が該膜モジュールの特徴的な流れを実現するには膜表面での平滑度は重要な因子である。この構造上の因子に加えて該膜モジュールの運転条件が重要な操作条件である。すなわち一次側流体の流れとして粘性流れが主流であるためには該流体の静水圧力が1気圧程度であることおよび膜表面に沿った一次側流体の圧力差をモジュールの入口部と出口部との圧力差で表現すると1/1万気圧以上1/100気圧以下である。この運転条件によって大気中の粒子成分は平膜の表面に沿って流れる。
膜表面に沿った大気の流れが一次元あるいは二次元層流を形成することも必要である。それを実現するためには本発明用のモジュール内での該平膜の表面が滑らかな表面を形成しなくてはならない。すなわち一次側流体の流路を形成する平行な対面の厚さ(流路の厚さ)として1mm以上で1cm未満であり流路の長さは10 cm以上になるように膜表面は配置される。
大気中の粒子を除去する孔拡散膜分離モジュールが有効に機能を発揮するには、その運転条件に平膜を介した気体成分の拡散、特に膜中の孔を介した拡散が起ることが必要である。この種の拡散が気体系の場合には液体の場合に比較して拡散の寄与が大きいことが分かっている。例えば、無次元量であるシュミット数を比較する。シュミット数は動粘度(η/ρ)を拡散係数(D)で除した値として定義されている。この値の実測値として、気体では0.2、液体の場合で1000〜10000が報告されている。これらの値より気体系では拡散係数が粘性係数との比較において相対的に大きい。この相対値より気体系では液体系に比較して、より流動分別型孔拡散膜分離モジュールの特徴が現われる。
要求される運転条件として不可欠な部分は、平膜に負荷される膜間差圧である。この膜間差圧が大きくなると、膜を介しての粘性流れが起り粒子が二次流体中へ漏れてくる。処理対象の大気の圧力(一次側流体の圧力)と膜を介して拡散した気体分子の圧力(二次側流体の圧力に等しい)との差が0.01気圧以内になるように拡散した気体の静水圧を制御する必要がある。拡散した気体の圧力は一次流体の圧力と拡散した気体量や速度とによって制御できる。
上述した運転条件が局所的にも成立していることが望ましい。例えばモジュール全体としての平均値としての圧力項目や流れ速度等の条件が前述のように満足されていても、この条件が局所的にも満足されていなくてはならない。ここで定義される局所的な値とは気体系の場合には気体分子の平均自由行程の10倍程度の距離を意味する。例えば1気圧の気体の成分として窒素を例にとると68nm x 10の距離での値を意味する。すなわち運転条件は約1μm立方の空間でも成立していることが望ましい。
本発明方法により、大気中の微粒子の存在をほぼ皆無にすることが可能となった。我々の居住空間において空気の取り入れ口より新鮮な空気を取り入れる際に、本発明の方法を採用すれば粒径が0.02μm以上の粒子成分を含む大気成分は一次側流体のみに混在する。一次側流体に混在する粒子成分は該流体を不織布等に衝突させて流体としての流れ速度を低下させることにより系外へ除去することもできる。二次側流体を構成する拡散流れをした気体中には0.02μm以上の粒子成分は皆無である。
大気中に浮遊する直径0.02μm以上の微粒子を含む未処理の気体を本発明技術のなかで一次側流体とみなすことができる。この流体には感染性微粒子として細菌、ウイルス、アレルゲンを含む生物由来物質などがあり、微量に存在しても重大な影響を与える場合もある。人体への影響が大きな感染性微粒子の存在を否定しなくてはならない空間がある。例えば、手術室などの集中治療室やバイオ実験室などである。これらの室内の空気の供給には本発明の装置を用いることにより感染性微生物をほぼ完全に除去できる。感染性微粒子の除去性能を予測することができる。すなわち、本発明方法では温度をほぼ一定に設定し一次流体の圧力を設定すると気体分子の平均自由行程が定まる。この行程の値が定まれば一次流体の流れの厚さと平膜の平均孔径とを指定すれば気体の流れ機構を指定できる。流れ機構を定めれば本装置で微粒子を定量的に再現性良く除去できる。
平膜の膜表面に沿った流れと平膜の厚さ方向の流れと分離した流れとを任意に設定できる本発明方法を利用することにより平膜による粒子除去性能が予想され、さらにその性能の再現性が特定した孔特性を持つ平膜を採用することにより確保できる。気体系から粒子の除去性能の予測性と再現性とを持つ本発明技術は微生物除去技術として信頼性のある技術に位置付けられる。大気中からの感染性微生物除去手段として本発明は細胞等を取り扱う再生医療等の製品の製造工程で今後採用されるであろう。
第一図に本発明方法で中心となる平膜表面上の流れ(この流れは本特許では粘性流れとなっている)および平膜内部の孔内での流れ(拡散流れ)の二種を実現するモジュールの典型例を示す。液体系の場合の流動分別型孔拡散膜分離モジュールと類似の構成で本発明モジュールが作製される。すなわち、第二図の(A)に横型モジュールを用いて解説する。表面の凹凸の少ない膜表面(すなわち表面)側に一次側流体を流す。一次側流体の流れ厚さを3mmに設定し一次側流路を一対の膜表面で作製する。一対の膜表面で作られた流路は」流路幅を数ミリメートルに設定するとこの流路を流れる空気は層流状態になる。例えば水および空気の動粘度はそれぞれ0.89 (mm2/s)および16.0 (mm2/s)であり気体相の方が液体相より層流になりやすい。大気に流れがあればこの流れを一次側流体として利用すれば二次側流体は拡散流れになる。
モジュールに装填される平膜は酢酸セルロースのアセトン溶液を乾式のこの流延法で製膜することで作製される。ミクロ相分離法で多孔膜とした後、苛性ソーダで再生セルロースへ鹸化する。この製膜時の蒸発面側が平滑度の高い面となる。流延用溶液組成を変化させることによって、多孔膜の平均孔径を3nm 〜3μm、空孔率を67%以上に設定できる。平均孔径を100 nm、空孔率を75%、膜厚を80μmとした平膜を30cm平方の大きさで切り出し、平膜2枚を対にして一次側流路を作製する。第2図(B)のタテ型モジュールを組み立てるためにこの平膜を15cm x 30 cmに切り出し、段ボール状の枠(第3図中の波状の部分)上に平膜を接着ささる。一次側流路の厚みを3mm、二次側流路の厚みについて特に定めるべき理由はない。接着の容易さより二次側流路の厚みと一次側流路の厚みを等しくしている。
本発明モジュール中に装填されている平膜を支持する枠の材質は、平膜との接着の容易さ、軽量、乾湿の寸法安定性、力学的強度が大、安全性の観点から選定される。例えばセルロース、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニール等の汎用性高分子、さらにアルミニウムがある。これらの枠を用いると平膜を縦型(一次流体の流れ方向が垂直方向)と横型(一次流体の流れ方向が水平方向)のモジュール内に多数枚充填できる。セルロース製の段ボール紙(厚さ5mm)より10 cm x 20 cmを切り出す。この長方形の板状物より8 cm x18 cmの長方形の板状物を打ち抜くことによって枠幅1cmの四角形枠を作製する。10 cm x 20 cmの板状物を構成している波上状物の配向方向を該板状物の長軸方向と短軸方向との2種類の枠を作製する。平膜の平滑度の高い面の法線ベクトルmp方向が2枚の平膜で相互に反対方向になるように平膜を設置する。枠の面としての法線方向ベクトルを直列的にそろえるモジュールと並列的に揃えるモジュールの二通りがある。
第4図に示す縦型の本発明モジュールの典型例を示す。平膜として市販のろ紙(セルロース製、アドバンテック東洋社製、No.5A,厚さ約200μm)を採用した。平膜の大きさとして、10 cm x 20 cmを切り出しこれを枠に接着する。ろ紙を接着した枠33枚(有効膜面積が1平方メートル)を積層し、第4図に示した縦型の気相系孔拡散膜分離モジュールを作製する。
二階建ての研究所(北九州市若松区片山一丁目2−43)の屋上にプレハブ小屋を建て浮遊粒子除去実験室1.8m x 3.6m x 高さ2mの実験室とした。容積13立方メートルの部屋に換気扇1台を設置し常時運転状態にした。室内の圧力と外気圧との差(減圧状態で0.5ミリバール)が維持されているのを確認した。実験室の室外で外気の流れがあり、一次流体としての流路が確保される場所に本発明の縦型モジュール(図4)を設置した。有効膜面積は1平方メートルである。二次流体の出口部を室内の下部に設置した。該出口部と換気扇の設置部との直線距離は2メートルである。室内の空気に浮遊する0.03μm以上の粒子の量を濾過法で測定した。ここで濾過法とは平均孔径0.03μmのウイルス除去膜を装着したモジュール(日本特殊膜開発株式会社製)に注射器を用いて25℃の空気10リットルを濾過し、濾過後のモジュール重量増を測定する方法である。
大気中の粒子量は10リットル当たり24 mgから0.5 mgに一週間で変動している。平均孔径10μmのろ紙を本発明モジュールの平膜として採用した場合に本モジュールで処理すると10リットルの体積あたり0.04mg〜0.4mgの重量減が測定されている。すなわち本発明モジュールでの粒子の対数阻止率はおよそ2以上である。
前述のセルロース製のろ紙を圧縮加工して図4と同様の縦型モジュールを作製した。縦型モジュールの断面形状を10 cm x 10cm で高さ約60 cmとして。高さの設定は、高さ20 cmのモジュールを基本単位としてこれを3個直列に連結した。連結の際には拡散流れの成分が連続するようにモジュールの長軸方向をそろえかつ波状断面部が相互に重なるように積み重ねた。モジュールの下部の底辺部の10 cm平方の部分を密封し、上部の正方体には二次流体の出口部のチューブ状物に接着させた。利用した平膜33枚はいずれも平均孔径8μmで空孔率65%膜厚150μmであった。膜表面にローラ加工を施し平均孔径を6μmになるように圧縮加工し、加工面を膜表面とした。二枚の膜のそれぞれの表面を対となるように平膜を設置しその膜表面間が一次側流路のなるように枠を積み重ねた。一次側流体の流れが粘性流れとなるように膜間距離を3mmとした。モジュールでの平膜の表面/裏面の積み重ねは・・・裏面/表面 表面/裏面 裏面/表面 表面/裏面 ・・・の順となる。モジュールの外形上の寸法は10 cm x 10 cm 高さ60 cmであり上部より第2次流体の取り出しとして塩化ビニール製のチューブが接続されている。このチューブの先が実験室内へと連なる。モジュールの本体とチューブとを入れて高さは70 cmである。気体系の孔拡散装置としてはこの高さ程度では圧力差に寄与しない。該モジュール本体が風の通り道となるように室外に設置され、一次流路が大略風の通り道となる。本モジュールを浮遊粒子除去実験室に設置した。外気の圧力と該実験室の圧力との差は約0.5ミリバールの一定であった。図5に
本発明モジュールを該微粒子除去実験室に設置後5時間以上経過した時点を該モジュールによる処理のスタート点とした。処理後の空気を注射器を用いて1リットルごとサンプリングした。サンプリングの1リットルの空気を平均孔径0.03 μmのウイルス除去膜(日本特殊膜開発株式会社製)を用いて濾過した。濾過後のフィルターの重量増加は1リットルのサンプルの空気中に浮遊する0.03μm以上の径の粒子の粒子量を反映する。このフィルターの重量増加量のサンプリングした空気量依存性を図6(a)に示す。孔の目詰まりに原因した重量増加量のみを測定するために、フィルターが一定湿度(0%)および温度(25℃)になったのを確かめて秤量した。重量増加量は1リットルの空気当り0.0029mgであった。この値は24時間にわたり一定であった。
比較例
本発明モジュールを適用することなく外気をそのまま取り入れた場合のフィルターの重量増加の様子を図6(b)に示す。結果のバラツキは大きいが重量増加率は2.4mg/リットル〜0.05 mg/リットルにわたって変動する。これは外気中に浮遊する粒子のサイズと量とが風の流れと共に変動しているためと考えられる。
空気中に分散する微粒子の除去は工業製品の品質管理上で必須である。また微粒子が感染性微生物(例、ウイルス、細菌など)や花粉などの成分微粒子のように生体への作用が強い物質の場合などはその除去は健康管理上でも必須である。産業としては医薬品製造、
再生医療等製品の製造、食品・化粧品製造などの製造工程での空気の清浄化に本技術が利用できる。
膜を介した気体の2種の流れと平膜との関連を示す模式図。 2種の気相系孔拡散膜分離モジュールの基本概念図。A;横型モジュール、膜を用いた封筒型の膜分離器の膜面を水平に重なる方向で積み重ねることで膜面積を広げることが可能なモジュール。B;縦型モジュール、膜によって構成される一次流路と二次流路とを交互に設置することによって膜面積を広げることが可能なモジュール。 縦型モジュールの基本単位となる二種の流路の多層構造モジュール。波状の流路は上下交互に積層される。 縦型モジュールの組立図。A:平膜3枚と二種の流路。B:29枚の平膜と14層の流短路と14層の流長路との交互の積層モジュール。C:平膜28枚と13層の流短路と14層の流長路とを交互に積層したモジュール。 横型モジュールの組立図。(a)基本単位となる一枚の封筒状モジュールを構成する枠部、(b)基本単位の封筒状モジュール22枚を重ね合わせることによって作製される本発明モジュール、(c)15枚の封筒状のモジュールを積み重ねて作製される本発明モジュールの立面図、(d)本発明モジュールを構成する平膜と枠部との概略図。 (a)実施例の実験データ、本発明モジュールで処理した気体の0.03μmの膜に捕捉された粒子量の気体通過量依存性。(b)比較例の実験データ、処理前の気体の0.03μmの膜に捕捉された粒子量の気体通過量依存性。
1;平膜表面の1次流路に流れる気体、粘性流れ、2;膜の孔内を流れる気体、拡散流れ、3;孔内拡散流れで回収される気体の2次流路内での流れ、4;平膜の膜表面、平滑度のより高い膜面、5;平膜の膜裏面、平滑度のより低い膜面、6;縦型モジュールの一例で採用される段ボール状の波状の流路で一次側流路、7;段ボール状の波状の二次側流路、8;一枚の封筒状のモジュールを構成する枠、2枚の平膜を膜表面を外側にした封筒状に成型する、9;拡散後の気体の出口、10;多数の封筒状のモジュールを積層するための支柱、11;拡散後の気体をモジュール外へ輸送するためのチューブ、12;二枚のの平膜を装填した封筒状のモジュールの基本単位、13;一次流路の厚さを設定するためのスペーサ。








特許公告6329826 特許公告6343589 特許公告6422032 特許公告6452049 特許公告6534068 真鍋征一、尾池哲郎 著、"濾過スケールアップの正しい進め方と成功事例集"、(株)術情報協会、2011年8月、485頁 K. Kamide, S. Manabe, Polymer J.,13(No.5),pp459-479(1981)
本発明に到達出来たのは下記に示す二種の実験事実を確認したからである。まずその一つは大気圧下で気体分子の流れを形づくる流路の壁部を形成する素材高分子の種類によって流れの特性(速度など)が影響を受ける。すなわち一次流体の流れの大きさ(すなわち流路断面の大きさ)が0.02μmx0.02μm程度であれば気体分子は自由分子流れ(分子同士の衝突の頻度が分子と壁との衝突の頻度より大の流れ)が起り成分である気体分子間の衝突が分子の速度を支配し、拡散流れが中心となる。流れの断面積の大きさが1μm平方以上になれば一次流体である気体の流れは粘性流れとなる。
もう一つの実験事実は、大気圧下では自由分子流れが膜の平均孔径0.02μm以上で1μm未満の空隙部(なわち孔内部)で起き、その際の孔内部での気体分子の流れは拡散流れであるが孔壁と気体分子との相互作用が起る点である。この流れは膜の孔内部での表面拡散流れに分類される流れで、有機溶媒の気体分子の膜内部の孔内での選択的な拡散が可能なことが予想される。また拡散流れの特徴は気体分子の流れであるため膜内部の孔への微粒子の目詰まりが起らない点にある。多孔性の平膜を用いて平膜の膜面に沿って大気を流すと平膜表面に沿った流れの方向には粘性流れが起り粒子成分のみがこの流れにのることが予測された。

分散している粒子の大きさが0.02μm以下になると粒子としての界面相が不明瞭となり、蒸発により気相内に拡散する。そのため固定した界面の存在によって捕捉や分離回収が不可能となる。本発明方法での粒子の除去には粒子としての界面相の存在は不可欠である。本発明では0.02μm〜0.2μm径の粒子の一部は膜中へ拡散流れ(この流れの全体としては孔拡散流れと定義される流れで膜内部の孔内を移動する流れである。)を構成する。一次側流れによって一次側回路を通る。本発明は膜モジュールとして見ると小粒子は拡散流れである二次流れを、大粒子は粘性流れである一次側流れに乗る特徴を持つ。すなわち二種の流れに乗った膜分離であることを特徴としている。
本発明技術において処理対象が気体である限り、装填すべき平膜の必要条件は、液体系の流動分別型孔拡散膜分離モジュールの場合の条件より緩い。すなわち、該モジュールに充填される平膜の構造上の特徴は、下記の(イ)、(ロ)、(ハ)、(ニ)の4条件にまとめられる。(イ)親水性高分子で構成される。高分子膜素材が親水性でなくてはならないのは大気の湿度が変動しても膜素材が帯電するのを防止するためである。大気の湿度によって膜素材の帯電性が変化し、膜の気体分子の吸着性が変化する。湿度が低くなると膜の分子の吸着性能は一般に増加するが吸着後には膜の吸着性能や膜の表面特性が変化する。この吸着性能の変化が粒子の除去性能の予測性を低める。この外気中の湿度の影響を低めるには膜素材の親水性を高めることが重要で、素材としてセルロース誘導体を採用する場合には水酸基の置換度は0.1以下であることが好ましい。

親水性高分子を用いて平膜を作製する方法としてミクロ相分離法が最も適用しやすい。大気中の水分子との吸着性を制御するために親水性高分子としてセルロース誘導体を素材として選択すれば親水性のみでなくミクロ相分離法での製膜も容易である。その例として酢酸セルロースを利用する。セルロースの水酸基を酢酸基に置換することにより、親水性をセルロースから3酢酸セルロースまでほぼ任意にセルロースのエステル反応によって作製できる。例えば特開2014−24064の方法で酢酸セルロースからミクロ相分離法で再生セルロース多孔膜の平膜が作製される。該多孔膜では平均孔径は5〜500nm、膜厚が5〜500μm空孔率が0.6〜0.9の多層構造を有する再生セルロース平膜が作製できる。該平膜の表面の平滑度は特許文献1で示される方法あるいは本願で定義される方法で測定するとほぼ平均孔径に等しい。該平膜の裏面の平滑度は平均孔径の3倍以上である。平滑度とは膜断面方向から電子顕微鏡で膜面の凹凸を観察した際に得られる実験値である。すなわち膜表面を形成する中心場所に20μmの長さの直線を引きこれをテストラインとしてこの線上の上部の凸部の高さを平滑度と表示する。平滑度の上昇に伴い流体中の粒子の目詰まりが低下し、平滑度が平均孔径以下となると粒子が膜の平均孔径の5倍程度でも膜の目詰まりが防止できることが非特許文献2から予測されている。

本発明の特徴は平膜の処理対象が大気を構成する気体状の分子であるために利用できる平膜について下記に特定する孔特性の条件を満足する必要がある。すなわち(ロ)平均孔径は0.1μm以上で1μm以下、空孔率が60%以上で膜厚として100μm以下の貫通孔を有する多孔膜で(ハ)膜表面の少なくとも一面の平滑度が膜の平均孔径の2倍以下である。平均孔径が0.1μmより小さい場合には平膜を介しての拡散が溶解・拡散流れとなり膜を介した大気の流れ速度は孔拡散の場合の1/1000以下となる。平均孔径が逆に
1μmを越えたり膜厚を極端に薄くすると膜を介した気体のながれで拡散によって移動する大きな粒子の数が増加する。本来除去すべきウイルス粒子やプリオン粒子あるいはナノテクノロジーの副産物であるナノ粒子の拡散が予想される。感染性微粒子の場合には安全性の観点から移動の可能性を極端にへらさなくてはならない。安全性の観点からは(ニ)ウイルス粒子の10倍の孔の存在を否定する必要がある。膜表面の平滑度は製膜法によって定まる。ミクロ相分離法では平滑度は平均孔径以下となり、長繊維の不織布の積層法では繊維径の2倍程度である。

上述した運転条件が局所的にも成立していることが望ましい。例えばモジュール全体としての平均値としての圧力項目や流れ速度等の条件が前述のように満足されていても、この条件が局所的満足されていなくてはならない。ここで定義される局所的な値とは気体系の場合には気体分子の平均自由工程の10倍程度の距離を意味する。例えば1気圧の気体の成分として窒素を例にとると68nm x 10の距離での値を意味する。すなわち運転条件は約1μm立方の空間でも成立していることが望ましい。該運転条件が局所的に成立していることを確実にするためには例えば該モジュールの二次側流路の膜面に沿っての圧力差は常に一次流体の膜面に沿った圧力差以下であり該圧力差に原因した流体の粘性流れ速度は一次流体の粘性流の速度より常に小さいことを確認すればよい。

モジュールに装填される平膜は酢酸セルロースのアセトン溶液を乾式流延法で製膜することで作製される。ミクロ相分離法で多孔膜とした後、苛性ソーダで再生セルロースへ鹸化する。特開2014−24064と同一の製法で平膜を作製した。この製膜時の蒸発面側が平滑度の高い面となる。蒸発面側の平滑度は透過型電子顕微鏡を用いて膜の断面を観察することで測定される。滑度は120nm以下である。流延用溶液組成のうち酢酸セルロース濃度が15%〜4%と変化させることによって、多孔膜の平均孔径を3 nm〜3 μm、空孔率を67%以上に設定できる。平均孔径を100 nm、空孔率を75%、膜厚を80μmとした平膜を30cm平方の大きさで切り出し、平膜2枚を対にして一次側流路を作製する。第2図(B)のタテ型モジュールを組み立てるためにこの平膜を15 cm x 30 cmに切り出し、段ボール状の枠(第3図中の波状の部分)上に平膜を接着させる。一次側流路の厚みを3mm、二次側流路の厚みにつぃて特に定めるべき理由はない。接着の容易さより二次側流路の厚みを等しくしている。
前述のセルロース製のろ紙を圧縮加工して図4と同様の縦型モジュールを作製した。縦型モジュールの断面形状を10cm x10cmで高さ約60 cmとした。高さの設定は、高さ20 cmのモジュールを基本単位としてこれを3個直列に連結した。連結の際には拡散流れの成分が連続するようにモジュールの長軸方向をそろえかつ波状断面部が相互に重なるようにつみかさねた。モジュールの下部の底辺部の10 cm平方の部分を密封し、上部の正方体には二次流体の出口部のチューブ状物に接着させた。利用した平膜33枚はいずれも平均孔径8μmで空孔率65%膜厚150μmであった。膜表面にローラ加工を施し平均孔径を6μmになるように圧縮加工し、加工面を膜表面とした。二枚の膜のそれぞれの表面を対となるように平膜を設置しその膜表面間が一次側流路になるように枠を積み重ねた。一次側流体の流れが粘性流となるように膜間距離を3mmとした。モジュールでの平膜の表面/裏面の積み重ねは・・・裏面/表面 表面/裏面 裏面/表面 表面/裏面・・・の順となる。モジュールの外形上の寸法は10 cm x 10 cm 高さ60 cmであり上部より二次流体を取り出しで塩化ビニール製のチューブが接続されている。このチューブの先が実験室内へと連なる。モジュールの本体とチューブとを入れて高さは70 cmである。気体系の孔拡散装置としてはこの高さ程度では圧力差に寄与しない。該モジュール本体が風の通り道となるように室外に設置され、一次流路が大略風の通り道となる。本モジュールを浮遊粒子除去実験室に設置した。外気の圧力と該実験室の圧力差は約0.5ミリバールの一定であった。図5に横型モジュールの組立図を示す。該モジュールでは多方向からの外気の流れの場合に利用される。


以上
親水性高分子を用いて平膜を作製する方法としてミクロ相分離法が最も適用しやすい。大気中の水分子との吸着性を制御するために親水性高分子としてセルロース誘導体を素材として選択すれば親水性のみでなくミクロ相分離法での製膜も容易である。その例として酢酸セルロースを利用する。セルロースの水酸基を酢酸基に置換することにより、親水性をセルロースから3酢酸セルロースまでほぼ任意にセルロースのエステル反応によって作製できる。例えば非特許文献2に準じてミクロ相分離法での酢酸セルロースの多孔膜が作製される。この多孔膜は特許文献1の構造特性を持つ。
モジュールに装填される平膜は特許文献1で開示されている平膜と同一の製法で作製される。すなわち酢酸セルロースのアセトン溶液を乾式のこの流延法で製膜することで作製される。ミクロ相分離法で多孔膜とした後、苛性ソーダで再生セルロースへ鹸化する。この製膜時の蒸発面側が平滑度の高い面となる。流延用溶液組成を変化させることによって、多孔膜の平均孔径を3nm〜3μm、空孔率を67%以上に設定できる。平均孔径を100nm、空孔率を75%、膜厚を80μmとした平膜を30cm平方の大きさで切り出し、平膜2枚を対にして一次側流路を作製する。第2図(B)のタテ型モジュールを組み立てるためにこの平膜を15cmx30cmに切り出し、段ボール状の枠(第3図中の波状の部分)上に平膜を接着させる。一次側流路の厚みを3mm、二次側流路の厚みについて特に定める理由はない。接着の容易さより二次側流路の厚みを等しくしている。
以上
特許公告6277346 特許公告6343589 特許公告6422032 特許公告6452049 特許公告6534068 真鍋征一、尾池哲郎 著、"濾過スケールアップの正しい進め方と成功事例集"、(株)技術情報協会、2011年8月、485頁 K.Kamide,S.Manabe,Polymer J.,13(No.5),pp459−479(1981)
本発明に到達出来たのは下記に示す二種の実験事実を確認したからである。まずその一つは大気圧下で気体分子の流れを形づくる流路の壁部を形成する素材高分子の種類によって流れの特性(速度など)が影響を受ける。すなわち一次流体の流れの大きさ(すなわち流路断面の大きさ)が0.02μmx0.02μm程度であれば気体分子は自由分子流れ(分子同士の衝突の頻度が分子と壁との衝突の頻度より大の流れ)が起り成分である気体分子間の衝突が分子の速度を支配し、拡散流れが中心となる。流れの断面積の大きさが1μm平方以上になれば一次流体である気体の流れは粘性流れとなる。
もう一つの実験事実は、大気圧下では自由分子流れが膜の平均孔径0.02μm以上で1μm未満の空隙部(なわち孔内部)で起き、その際の孔内部での気体分子の流れは拡散流れであるが孔壁と気体分子との相互作用が起る点である。この流れは膜の孔内部での表面拡散流れに分類される流れで、有機溶媒の気体分子の膜内部の孔内での選択的な拡散が可能なことが予想される。また拡散流れの特徴は気体分子の流れであるため膜内部の孔への微粒子の目詰まりが起らない点にある。多孔性の平膜を用いて平膜の膜面に沿って大気を流すと平膜表面に沿った流れの方向には粘性流れが起り粒子成分のみがこの流れにのることが予測された。
分散している粒子の大きさが0.02μm以下になると粒子としての界面相が不明瞭となり、蒸発により気相内に拡散する。そのため固定した界面の存在によって捕捉や分離回収が不可能となる。本発明方法での粒子の除去には粒子としての界面相の存在は不可欠である。本発明では0.02μm〜0.2μm径の粒子の一部は膜中へ拡散流れ(この流れの全体としては孔拡散流れと定義される流れで膜内部の孔内を移動する流れである。)を構成する。一次側流れによって一次側回路を通る。本発明は膜モジュールとして見ると小粒子は拡散流れである二次流れを、大粒子は粘性流れである一次側流れに乗る特徴を持つ。すなわち二種の流れに乗った膜分離であることを特徴としている。
本発明技術において処理対象が気体である限り、装填すべき平膜の必要条件は、液体系の流動分別型孔拡散膜分離モジュールの場合の条件より緩い。すなわち、該モジュールに充填される平膜の構造上の特徴は、下記の(イ)、(ロ)、(ハ)、(ニ)の4条件にまとめられる。(イ)親水性高分子で構成される。高分子膜素材が親水性でなくてはならないのは大気の湿度が変動しても膜素材が帯電するのを防止するためである。大気の湿度によって膜素材の帯電性が変化し、膜の気体分子の吸着性が変化する。湿度が低くなると膜の分子の吸着性能は一般に増加するが吸着後には膜の吸着性能や膜の表面特性が変化する。この吸着性能の変化が粒子の除去性能の予測性を低める。この外気中の湿度の影響を低めるには膜素材の親水性を高める。
親水性高分子を用いて平膜を作製する方法としてミクロ相分離法が最も適用しやすい。大気中の水分子との吸着性を制御するために親水性高分子としてセルロース誘導体を素材として選択すれば親水性のみでなくミクロ相分離法での製膜も容易である。その例として酢酸セルロースを利用する。セルロースの水酸基を酢酸基に置換することにより、親水性をセルロースから3酢酸セルロースまでほぼ任意にセルロースのエステル反応によって作製できる。具体的には特許文献1の0023に与えられている。
本発明の特徴は平膜の処理対象が大気を構成する気体状の分子であるために利用できる平膜について下記に特定する孔特性の条件を満足する必要がある。すなわち(ロ)平均孔径は0.1μm以上で1μm以下、空孔率が60%以上で膜厚として100μm以下の貫通孔を有する多孔膜で(ハ)膜表面の少なくとも一面の平滑度が膜の平均孔径の2倍以下である。平均孔径が0.1μmより小さい場合には平膜を介しての拡散が溶解・拡散流れとなり膜を介した大気の流れ速度は孔拡散の場合の1/1000以下となる。平均孔径が逆に1μmを越えたり膜厚を極端に薄くすると膜を介した気体のながれで拡散によって移動する大きな粒子の数が増加する。本来除去すべきウイルス粒子やプリオン粒子あるいはナノテクノロジーの副産物であるナノ粒子の拡散が予想される。感染性微粒子の場合には安全性の観点から移動の可能性を極端にへらさなくてはならない。安全性の観点からは(ニ)ウイルス粒子の10倍の孔の存在を否定する必要がある。
上述した運転条件が局所的にも成立していることが望ましい。例えばモジュール全体としての平均値としての圧力項目や流れ速度等の条件が前述のように満足されていても、この条件が局所的満足されていなくてはならない。ここで定義される局所的な値とは気体系の場合には気体分子の平均自由工程の10倍程度の距離を意味する。例えば1気圧の気体の成分として窒素を例にとると68nm x10の距離での値を意味する。すなわち運転条件は約1μm立方の微小空間でも成立していることが望ましい。
モジュールに装填される平膜は酢酸セルロースのアセトン溶液を乾式流延法で製膜することで作製される。ミクロ相分離法で多孔膜とした後、苛性ソーダで再生セルロースへ鹸化する。特許文献1の0023と同一の製法で平膜を作製した。この製膜時の蒸発面側が平滑度の高い面となる。流延用溶液組成のうち酢酸セルロース濃度が15%〜4%と変化させることによって、多孔膜の平均孔径を3nm〜3μm、空孔率を67%以上に設定できる。平均孔径を100nm、空孔率を75%、膜厚を80μmとした平膜を30cm平方の大きさで切り出し、平膜2枚を対にして一次側流路を作製する。第2図(B)のタテ型モジュールを組み立てるためにこの平膜を15cmx30cmに切り出し、段ボール状の枠(第3図中の波状の部分)上に平膜を接着させる。一次側流路の厚みを3mm、二次側流路の厚みにつぃて特に定めるべき理由はない。接着の容易さより二次側流路の厚みを等しくしている。
前述のセルロース製のろ紙を圧縮加工して図4と同様の縦型モジュールを作製した。縦型モジュールの断面形状を10cm x10cmで高さ約60cmとした。高さの設定は、高さ20cmのモジュールを基本単位としてこれを3個直列に連結した。連結の際には拡散流れの成分が連続するようにモジュールの長軸方向をそろえかつ波状断面部が相互に重なるようにつみかさねた。モジュールの下部の底辺部の10cm平方の部分を密封し、上部の正方体には二次流体の出口部のチューブ状物に接着させた。利用した平膜33枚はいずれも平均孔径8μmで空孔率65%膜厚150μmであった。膜表面にローラ加工を施し平均孔径を6μmになるように圧縮加工し、加工面を膜表面とした。二枚の膜のそれぞれの表面を対となるように平膜を設置しその膜表面間が一次側流路になるように枠を積み重ねた。一次側流体の流れが粘性流となるように膜間距離を3mmとした。モジュールでの平膜の表面/裏面の積み重ねは・・・裏面/表面 表面/裏面 裏面/表面 表面/裏面・・・の順となる。モジュールの外形上の寸法は10cmx10cm高さ60cmであり上部より二次流体を取り出しで塩化ビニール製のチューブが接続されている。このチューブの先が実験室内へと連なる。モジュールの本体とチューブとを入れて高さは70cmである。気体系の孔拡散装置としてはこの高さ程度では圧力差に寄与しない。該モジュール本体が風の通り道となるように室外に設置され、一次流路が大略風の通り道となる。本モジュールを浮遊粒子除去実験室に設置した。外気の圧力と該実験室の圧力差は約0.5ミリバールの一定であった。図5に横型モジュールの組立図を示す。該モジュールでは多方向からの外気の流れの場合に利用される。

Claims (4)

  1. 外気より直径0.02μm以上の微粒子を含まない気体を回収する際に、高分子多孔膜の膜表面に沿った流れを起こすことで外気側の気体の流れの大部分を粘性流れ機構で該膜表面に流しこれを外気に戻しつつ(この膜表面で流れを一次側流れと略称)残部の気体を該膜の厚さ方向に流すことにより該膜の内部を拡散流れで透過させる(この流れを二次側流れと略称する)ことで流れを二分することによりよって該粒子を含まない拡散流れの気体を回収することを特徴とする微粒子を含まない気体を回収する方法。
  2. 請求項1の高分子多孔膜は下記特徴を持つ平膜であり、指定された下記運転条件下で運転されていることを特徴とする気体を回収する方法。
    モジュールに装填する平膜:平均孔径が0.1μm」以上で1μm以下、空孔率が60%以上でかつ膜厚が100μm以下の親水性高分子で作製され、少なくとも片面の膜表面の平滑度が該膜の平均孔径以下である。
    運転条件:処理対象の大気(これを一次側流体と略称)の圧力と、膜を介して拡散した気体分子(これを二次側流体と略称)の圧力との差が0.01気圧以内となるように拡散側の圧力を下げる。膜表面に沿った圧力差として一次側流路に沿った圧力差で処理対象の大気のモジュール入口と出口との圧力差が0.01気圧以内となるように一次側流体の流速を制御する。
  3. 請求項2あるいは3における平膜の素材としてセルロース及び水酸基の置換度が0.1以下のセルロース誘導体であり、該平膜の表面の平滑度の優れた面を対面として相互に整えて、一次側流体を二次元層流を形成させることが可能な孔拡散モジュールも用いることを特徴とする気体を回収する方法。
  4. 請求項1、2あるいは3において、利用する流動分別型孔拡散モジュールの二次側流体の膜面に沿っての圧力差は常に一次流体の膜面に沿った圧力差以下であり、該圧力差に原因した流体の粘性流れの速度は一次流体の粘性速度とり常に小さいことを特徴とする気体を回収する方法。




JP2020026354A 2020-02-19 2020-02-19 流動分別型孔拡散膜分離モジュールを用いた気相系での浮遊微粒子除去した気体の回収方法 Pending JP2021130085A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020026354A JP2021130085A (ja) 2020-02-19 2020-02-19 流動分別型孔拡散膜分離モジュールを用いた気相系での浮遊微粒子除去した気体の回収方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020026354A JP2021130085A (ja) 2020-02-19 2020-02-19 流動分別型孔拡散膜分離モジュールを用いた気相系での浮遊微粒子除去した気体の回収方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2021130085A true JP2021130085A (ja) 2021-09-09

Family

ID=77551735

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020026354A Pending JP2021130085A (ja) 2020-02-19 2020-02-19 流動分別型孔拡散膜分離モジュールを用いた気相系での浮遊微粒子除去した気体の回収方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2021130085A (ja)

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04250834A (ja) * 1991-01-07 1992-09-07 Fuji Photo Film Co Ltd 精密ろ過膜
JP2017000922A (ja) * 2015-06-05 2017-01-05 日本特殊膜開発株式会社 流動分別型の孔拡散膜分離モジュール

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04250834A (ja) * 1991-01-07 1992-09-07 Fuji Photo Film Co Ltd 精密ろ過膜
JP2017000922A (ja) * 2015-06-05 2017-01-05 日本特殊膜開発株式会社 流動分別型の孔拡散膜分離モジュール

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Robert et al. A concise review on electrospun nanofibres/nanonets for filtration of gaseous and solid constituents (PM2. 5) from polluted air
Ma et al. Highly permeable polymer membranes containing directed channels for water purification
US7658784B2 (en) Composite material, in particular composite membrane, and process for the production of the same
Feng et al. Preparation and characterization of electro-spun nanofiber membranes and their possible applications in water treatment
JP5019471B2 (ja) モノリス状有機多孔質体、モノリス状有機多孔質イオン交換体、それらの製造方法及びケミカルフィルター
Zhang et al. Ultralarge single-layer porous protein nanosheet for precise nanosize separation
JPH09504737A (ja) 改良された超低貫通性空気(ulpa)フィルタ
Wang et al. Effects of relative humidity, particle hygroscopicity, and filter hydrophilicity on filtration performance of hollow fiber air filters
JPH10286415A (ja) エアフィルターユニットおよびその製造方法
WO1994016802A1 (en) Polytetrafluoroethylene porous film and method for manufacturing the same
US20230191337A1 (en) Graphene membranes and methods for making graphene membranes
JP2012148240A (ja) 平膜を利用した膜分離装置および分離方法
Bulejko et al. Fine/ultrafine particle air filtration and aerosol loading of hollow-fiber membranes: A comparison of mathematical models for the most penetrating particle size and dimensionless permeability with experimental data
Xu et al. Study of the PTFE multi-tube high efficiency air filter for indoor air purification
JP6343589B2 (ja) 流動分別型の孔拡散膜分離モジュール
KR20130127909A (ko) 공확산형 또는 유도분별(流導分別)형 막분리장치로 이러한 분리장치를 이용한 방법
Yao et al. Application of microfibrillated fibers in robust and reusable air filters with long service time in the ambient with high oily aerosols concentration
JP2021130085A (ja) 流動分別型孔拡散膜分離モジュールを用いた気相系での浮遊微粒子除去した気体の回収方法
JP6422032B2 (ja) 流動分別型の濃縮用孔拡散膜分離モジュール
Yang et al. Two-Dimensional Nanofibrous Networks by Superspreading-Based Phase Inversion for High-Efficiency Separation
KR101570304B1 (ko) 하이브리드 형 액체 여과 구조체
JP2023090598A (ja) 複合膜を装填した孔拡散膜分離モジュールによる大気中の浮遊微粒子を除去した気体の回収方法
Ma et al. Solvent-free process to high-flux ultrafiltration membranes: Spray coating of water-dispersed carbon nanotubes
JP2023110805A (ja) 孔拡散用多孔性セルロース複合膜およびその製造方法
JP2012223704A (ja) 孔拡散型あるいは孔拡散ろ過型の膜カートリッジを設置した膜分離装置と該分離方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200305

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20200316

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200618

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20200709

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200929

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201020

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210112

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210125

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210420

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210511

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20210824