JP2021129395A - モータ制御装置、モータユニット - Google Patents
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Abstract
【課題】モータの回転数に影響されることなく、モータを安定に駆動させる。【解決手段】モータ1を制御するモータ制御装置2は、電圧検出部22と、回転数検知部251と、検出制御部253と、を備える。電圧検出部は、モータのステータコイル121に発生する誘起電圧を検出し、誘起電圧の値を示す検出信号を出力する。回転数検知部は、検出信号に基づいてモータの回転数を検知する。検出制御部は、電圧検出部を制御する。電圧検出部は、誘起電圧に対する検出信号の電圧レベルの比率を変更可能な比率変更部221を有する。検出制御部は、回転数に応じて比率変更部を制御する。【選択図】図1
Description
本発明は、モータ制御装置、モータユニットに関する。
従来、モータのステータコイルにて発生する誘起電圧を分圧回路で分圧し、その分圧値に基づいてモータの回転位置を検出する装置が知られている。この装置では、たとえば、誘起電圧に対応する分圧値を示す検出信号は、デジタル信号に変換される。(特開平11−69867号公報参照)
誘起電圧に対する検出信号の電圧レベルの比率を大きくすると、検出信号の電圧レベルはより大きくなり、誘起電圧の検出精度はより高くなる。従って、モータの回転位置の検出精度がより高くなる。よって、モータの起動時或いはモータの回転数が低い場合、誘起電圧が低いので、上述の比率は大きい方がよい。
しかしながら、ステータコイルの誘起電圧は、モータの回転数に応じて高くなる。そのため、上述の比率をモータの回転数が低い場合に好適な大きい値にすると、モータの回転数が高くなったとき、誘起電圧がより高くなるので、検出信号の電圧レベルがより高くなる。この場合、分圧回路の後段の回路に問題が生じる虞がある。たとえば、検出信号の電圧レベルが、該後段の回路の入力定格電圧を越えてしまい、モータの駆動に影響する虞がある。一方、上述の比率をモータの回転数が高い場合に好適な小さい値にすると、モータの起動時或いはモータの回転数が低い場合での誘起電圧の検出精度が低下してしまい、モータを安定に駆動することが難しくなる恐れがある。
本発明は、モータの回転数に影響されることなく、モータに安定に駆動させることを目的とする。
本発明の例示的なモータ制御装置は、モータを制御する。前記モータ制御装置は、電圧検出部と、回転数検知部と、検出制御部と、を備える。前記電圧検出部は、前記モータのステータコイルに発生する誘起電圧を検出し、前記誘起電圧の値を示す検出信号を出力する。前記回転数検知部は、前記検出信号に基づいて前記モータの回転数を検知する。前記検出制御部は、前記電圧検出部を制御する。前記電圧検出部は、前記誘起電圧に対する前記検出信号の電圧レベルの比率を変更可能な比率変更部を有する。前記検出制御部は、前記回転数に応じて前記比率変更部を制御する。
本発明の例示的なモータユニットは、モータ制御装置と、前記モータ制御装置により制御されるモータと、を備える。前記モータは、中心軸を中心にして回転可能なロータと、前記ロータを駆動するステータと、を有する。前記ステータのステータコイルの一端は、前記モータ制御装置に接続される。
本発明の例示的なモータ制御装置、モータユニットによれば、モータの回転数に影響されることなく、モータに安定に駆動させることができる。
以下に図面を参照して例示的な実施形態を説明する。
<1.実施形態>
図1は、モータユニット100の構成例を示す概略図である。モータユニット100は、たとえば、ドライヤーなどの家電製品が送風装置に搭載される。但し、モータユニット100の用途は、この例示には限定されない。
図1は、モータユニット100の構成例を示す概略図である。モータユニット100は、たとえば、ドライヤーなどの家電製品が送風装置に搭載される。但し、モータユニット100の用途は、この例示には限定されない。
モータユニット100は、図1に示すように、モータ1と、モータ制御装置2と、を備える。モータ1は、モータ制御装置2により制御される。また、モータユニット100には、直流電源500が接続される。直流電源500は、モータユニット100に直流電力を供給する。直流電源500の正出力端子はモータ制御装置2に接続され、負出力端子は接地される。
<1−1.モータ>
モータ1は、ロータ11と、ステータ12と、を有する。ロータ11は、中心軸(図示省略)を中心にして、ステータ12に対して回転可能である。ロータ11には、マグネットが配置される。ステータ12は、モータ1を駆動する際にロータ11を駆動して回転させる。ステータ12は、U相のステータコイル121uと、V相のステータコイル121vと、W相のステータコイル121wと、を有する。なお、以下では、各相のステータコイル121u,ステータコイル121v,及びステータコイル121wを「ステータコイル121」と総称することがある。たとえば、ステータ12は、磁性体であるステータコア(図示省略)と、該ステータコアに導線が巻き付けられたステータコイル121と、を有する。本実施形態では、各々のステータコイル121の一端は、中性点121nを中心にスター結線される。ステータコイル121の中性点121nとは反対側の他端は、モータ制御装置2に接続される。但し、スター結線に変えて、各々のステータコイル121の一端及び他端同士が接続されるデルタ結線が採用されてもよい。
モータ1は、ロータ11と、ステータ12と、を有する。ロータ11は、中心軸(図示省略)を中心にして、ステータ12に対して回転可能である。ロータ11には、マグネットが配置される。ステータ12は、モータ1を駆動する際にロータ11を駆動して回転させる。ステータ12は、U相のステータコイル121uと、V相のステータコイル121vと、W相のステータコイル121wと、を有する。なお、以下では、各相のステータコイル121u,ステータコイル121v,及びステータコイル121wを「ステータコイル121」と総称することがある。たとえば、ステータ12は、磁性体であるステータコア(図示省略)と、該ステータコアに導線が巻き付けられたステータコイル121と、を有する。本実施形態では、各々のステータコイル121の一端は、中性点121nを中心にスター結線される。ステータコイル121の中性点121nとは反対側の他端は、モータ制御装置2に接続される。但し、スター結線に変えて、各々のステータコイル121の一端及び他端同士が接続されるデルタ結線が採用されてもよい。
<1−2.モータ制御装置>
モータ制御装置2は、モータ1を制御する。モータ制御装置2は、インバータ21と、電圧検出部22と、信号変換部23と、記憶部24、制御ユニット25と、を備える。
モータ制御装置2は、モータ1を制御する。モータ制御装置2は、インバータ21と、電圧検出部22と、信号変換部23と、記憶部24、制御ユニット25と、を備える。
インバータ21は、モータ1に三相交流電力を供給する。インバータ21は、電力変換部211を有する。電力変換部211の高電圧側端は、直流電源500の正出力端子と接続される。電力変換部211の低電圧側端は、接地される。電力変換部211は、直流電源500から供給される直流電力を三相交流電力に変換してモータ1に供給する。電力変換部211の電力変換動作は、制御ユニット25から出力される駆動信号Pu,Pv,Pw,Px,Py,Pzに基づいて制御される。
電圧検出部22は、モータ1のステータコイル121に発生する誘起電圧Viを検出し、誘起電圧Viの値を示す検出信号Sdを出力する。前述の如く、モータ制御装置2は、電圧検出部22を備える。たとえば、電圧検出部22は、検出信号Sdを生成して信号変換部23に出力する。検出信号Sdの電圧レベルVdは、誘起電圧Viの値に後述する比率rを乗じた値である。なお、電圧検出部22の詳細は、後に説明する。
信号変換部23は、検出信号Sdを矩形波信号Spに変換して、制御ユニット25に出力する。本実施形態では、信号変換部23は、コンパレータである。該コンパレータは、検出信号Sdの電圧レベルVdと基準電圧レベルとを比較する。たとえば、コンパレータは、検出信号Sdの電圧レベルVdが基準電圧レベル以上であればHighレベルの信号Spを出力し、検出信号Sdの電圧レベルVdが基準電圧レベル未満であればLowレベルである信号Spを出力する。これにより、信号変換部23は、検出信号Sdをパルス信号に変換して、回転数検知部251に出力する。検出信号Sdをパルス信号に変換することにより、制御ユニット25での処理工程を減らすことができるため、回転数検知部251における回転数Nrのパルス信号に基づく処理速度を向上できる。なお、該パルス信号は、二値化された信号であるため、デジタル信号として利用できる。また、この例示に限定されず、信号変換部23は、A/Dコンバータであってもよい。該A/Dコンバータは、アナログの検出信号Sdをデジタル信号に変換して、回転数検知部251に出力する。
信号変換部23は、本実施形態では、モータ制御装置2に搭載されたマイコンの機能的構成要素である。但し、この例示に限定されず、信号変換部23は、回路、装置、素子などの物理的な構成部であってもよい。
記憶部24は、電源電力の供給が停止されても記憶を維持する非一過性の記憶媒体である。記憶部24は、たとえば、モータ制御装置2に搭載されたマイコン及び制御ユニット25で用いられるプログラム及び情報を記憶する。
制御ユニット25は、モータ制御装置2の各構成部を制御する。また、制御ユニット25は、速度指令信号So及び矩形波信号Spに基づいて、インバータ21を制御し、モータ1を駆動させる。速度指令信号Soは、目標回転数N0を指令する信号であり、本実施形態ではモータ制御装置2の外部から入力される。
制御ユニット25は、本実施形態では、信号変換部23とは異なるマイコンである。但し、この例示に限定されず、制御ユニット25及び信号変換部23はそれぞれ、同じマイコンの異なる機能的構成要素であってもよい。
制御ユニット25は、回転数検知部251と、モータ制御部252と、検出制御部253と、を有する。なお、回転数検知部251、モータ制御部252、及び検出制御部253は、モータ制御装置2に搭載されたマイコンの機能的構成要素である。但し、この例示に限定されず、これらのうちの少なくともいずれかは、回路、装置、素子などの物理的な構成部であってもよい。
回転数検知部251は、検出信号Sdに基づいてモータ1の回転数Nrを検知する。モータ制御装置2は、回転数検知部251を備える。より具体的には、回転数検知部251は、検出信号Sdが変換された矩形波信号Spに基づいてモータ1の回転数Nr及び回転角度位置などを推測する。
モータ制御部252は、回転数Nrに応じたモータ1の駆動信号Pu,Pv,Pw,Px,Py,Pzを出力する。モータ制御装置2は、モータ制御部252を備える。より具体的には、モータ制御部252は、速度指令信号Soと回転数検知部251の検知結果とを比較する。そして、モータ制御部252は、モータ1の回転数Nrを目標回転数N0に到達させるため、駆動信号Pu,Pv,Pw,Px,Py,Pzを生成してインバータ21に出力する。なお、駆動信号Pu,Pv,Pw,Px,Py,Pzは、いずれもPWMパルスである。モータ制御部252は、駆動信号Pu,Pv,Pw,Px,Py,Pzによってインバータ21の電力変換部211をPWM制御する。これにより、モータ制御部252は、モータ1の回転駆動を制御する。
検出制御部253は、電圧検出部22を制御する。モータ制御装置2は、検出制御部253を備える。モータ制御装置2は、検出制御部253を備える。たとえば、検出制御部253は、回転数検知部251の検知結果に基づいて、切替信号Ssを生成して電圧検出部22に出力する。切替信号Ssは、電圧検出部22の制御信号である。検出制御部253は、切替信号Ssを電圧検出部22に出力することにより、電圧検出部22が出力する検出信号Sdの電圧レベルVdの誘起電圧Viに対する比率rを変更する。
<1−3.電圧検出部>
次に、図1を参照して、電圧検出部22の詳細を説明する。図1に示すように、電圧検出部22は、U相電圧検出部22uと、V相電圧検出部22vと、W相電圧検出部22wと、を含む。また、電圧検出部22から出力される切替信号Ssは、U相電圧検出部22uに入力される切替信号Suと、V相電圧検出部22vに入力される切替信号Svと、W相電圧検出部22wに入力される切替信号Swと、を含む。
次に、図1を参照して、電圧検出部22の詳細を説明する。図1に示すように、電圧検出部22は、U相電圧検出部22uと、V相電圧検出部22vと、W相電圧検出部22wと、を含む。また、電圧検出部22から出力される切替信号Ssは、U相電圧検出部22uに入力される切替信号Suと、V相電圧検出部22vに入力される切替信号Svと、W相電圧検出部22wに入力される切替信号Swと、を含む。
U相電圧検出部22uは、U相のステータコイル121uの中性点121nとは反対側の端部に接続される。U相電圧検出部22uは、モータ1が回転する際にU相のステータコイル121uに発生する誘起電圧Viuを検出し、その検出結果を示すU相の検出信号を信号変換部23に出力する。U相の検出信号の電圧レベルは、誘起電圧Viuの値に比率ruを乗じた値(ru×Viu)である。なお、比率ruは、切替信号Ssに含まれるU相用の切替信号Suに基づいて変更される。
V相電圧検出部22vは、V相のステータコイル121vの中性点121nとは反対側の端部に接続される。V相電圧検出部22vは、モータ1が回転する際にV相のステータコイル121vに発生する誘起電圧Vivを検出し、その検出結果を示すV相の検出信号を信号変換部23に出力する。V相の検出信号の電圧レベルは、誘起電圧Vivの値に比率rvを乗じた値(rv×Viv)である。なお、比率rvは、切替信号Ssに含まれるV相用の切替信号Svに基づいて変更される。
W相電圧検出部22wは、W相のステータコイル121wの中性点121nとは反対側の端部に接続される。W相電圧検出部22wは、モータ1が回転する際にW相のステータコイル121wに発生する誘起電圧Viwを検出し、その検出結果を示すW相の検出信号を信号変換部23に出力する。W相の検出信号の電圧レベルは、誘起電圧Viwの値に比率rwを乗じた値(rw×Viw)である。なお、比率rwは、切替信号Ssに含まれるW相用の切替信号Swに基づいて変更される。
なお、U相電圧検出部22u、V相電圧検出部22v、及びW相電圧検出部22wの構成はそれぞれ同じである。以下では、U相の検出信号、V相の検出信号、及びW相の検出信号を「検出信号Sd」と総称する。また、U相の誘起電圧Viu用の比率ru、V相の誘起電圧Viv用の比率rv、及びW相の誘起電圧Viw用の比率rwを「比率r」と総称する。
次に、本実施形態における電圧検出部22の構成を説明する。電圧検出部22は、比率変更部221と、第1抵抗R1と、第2抵抗R2と、第3抵抗R3と、フィルタ回路Fと、を有する。
比率変更部221は、誘起電圧Viに対する検出信号Sdの電圧レベルVdの比率rを変更可能である。比率変更部221は、モータ1の回転数Nrに基づいて検出制御部253で生成された切替信号Ssに基づいて上記の比率rを変更する。検出制御部253が回転数Nrに応じて比率変更部221を制御することで、最適な誘起電圧Viの検出精度と、検出信号Sdの電圧レベルVdが後段の回路の最大定格を超えないことを選択することができる。
より具体的には、このような回転数Nrに応じた比率変更部221の制御により、誘起電圧Viに対する検出信号Sdの電圧レベルVdの比率rは、回転数Nrが高い場合にはより小さくされ、回転数Nrが低い場合には大きくされる。回転数Nrが高い場合には検出制御部253が比率rをより小さくすることで、検出信号Sdの電圧レベルVdの上昇を抑制する。電圧レベルVdを後段の信号変換部23の最大定格電圧Vrmに達しないようにすることで、信号変換部23を電気的に保護できる。一方、誘起電圧Viの検出精度は、比率rを大きくした場合よりも劣る。但し、回転数Nrが高い場合には、誘起電圧Viの電圧レベルが高いため、小さい電圧レベルのノイズ電圧が検出制御部253に印加されても、誘起電圧Viに対するノイズ電圧の割合が小さい。
また、回転数Nrが低い場合には検出制御部253が比率rをより大きくすることで、モータ1の起動時、又は、回転数Nrが低い場合には、誘起電圧Viの検出精度をより高くすることができる。回転数Nrが低い場合には、誘起電圧Viの電圧レベルが低いため、小さい電圧レベルのノイズ電圧が検出制御部253に印加されると、誘起電圧Viに対するノイズ電圧の割合が大きい。そのため、上記回転制御に必要な誘起電圧Viの検出精度を高める必要がある。よって、モータ1の起動時、及び、モータ1の低回転から高回転での駆動時において、モータ1に安定に駆動させることができる。
第1抵抗R1、第2抵抗R2、及び第3抵抗R3は、電気抵抗素子である。第1抵抗R1、第2抵抗R2、第3抵抗R3、及び比率変更部221は、誘起電圧Viを検出する分圧回路を形成する。第1抵抗R1の一方端は、ステータコイル121に接続される。第2抵抗R2は、第1抵抗R1の他方端と接続される。本実施形態では、第2抵抗R2の一方端は第1抵抗R1の他方端と接続され、第2抵抗R2の他方端は接地される。また、第2抵抗R2は、比率変更部221及び第3抵抗R3と並列に接続される。第3抵抗R3は、第1抵抗R1の他方端と接続されるとともに、比率変更部221と直列に接続される。たとえば、第3抵抗R3の一方端は、第1抵抗R1の他方端と接続される。第3抵抗R3の他方端は、比率変更部221の一方端と接続される。比率変更部221の他方端は接地される。
上述の分圧回路は、フィルタ回路Fを介して信号変換部23に接続される。フィルタ回路Fは、上述の分圧回路の分圧値を示す検出信号Sdの電気的なノイズを除去する。たとえば、フィルタ回路Fは、インバータ21のPWM制御に用いられるキャリア信号に由来するノイズを除去する。フィルタ回路Fの入力端は、第1抵抗R1と第2抵抗R2及び第3抵抗R3との間に接続される。フィルタ回路Fの出力端は、信号変換部23に接続される。
本実施形態では、比率変更部221は、検出制御部253から出力される切替信号Ssに基づいて、第3抵抗R3の導通/非導通状態を切り替える。本実施形態では、切替信号Ssにより、比率変更部221のON/OFFが切り替えられる。切替信号Ssに基づいて比率変更部221がONになると、第3抵抗R3は導通状態となる。切替信号Ssに基づいて比率変更部221がOFFになると、第3抵抗R3は非導通状態となる。
本実施形態の電圧検出部22では、安価な電気抵抗素子を用いて分圧回路を構成することにより、安価なモータ制御装置2を提供できる。
好ましくは、第3抵抗R3の電気抵抗値は、第2抵抗R2の電気抵抗値よりも大きい。本実施形態では、第2抵抗R2の電気抵抗値はたとえば51[kΩ]であり、第3抵抗R3の電気抵抗値はたとえば100[kΩ]である。こうすれば、第3抵抗R3を導通状態に切り替えたことによる第2抵抗R2及び第3抵抗R3の合成抵抗値の過度な低下を防止できるので、上述の分圧回路の分圧値が切り替え前後で過度に変化することを防止できる。つまり、電圧検出部22が出力する検出信号Sdの電圧レベルVdの誘起電圧Viに対する比率rの過度な変化を防止できるので、該比率rをより好適に変更し易くすることができる。
本実施形態では、比率変更部221は、電界効果トランジスタである。電界効果トランジスタは、バイポーラトランジスタ、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)などと比べて動作反応が早いため制御し易く、電力損失も少ない。但し、この例示に限定されず、比率変更部221には、バイポーラトランジスタ、IGBTなどの他のスイッチング素子が用いられてもよい。
<1−4.モータ制御装置の動作例>
次に、図2から図3Cを参照して、電圧検出部22に関するモータ制御装置2の制御を説明する。図2は、電圧検出部22に係るモータ制御装置2の制御例を説明するためのフローチャートである。図3Aは、電圧検出部22に関するモータ制御装置の制御例を示すグラフである。図3Bは、上昇傾向にある回転数Nrの比率rの変更時点付近を拡大したグラフである。図3Cは、下降傾向にある回転数Nrの比率rの変更時点付近を拡大したグラフである。なお、図3Aの上側のグラフにおいて、実線Nrは、モータ1の回転数Nrを示す。図3Aの下側のグラフにおいて、実線Vdは、図2のフローチャートにより変更される検出信号Sdの電圧レベルを示す。破線Vr1は、第1比率r1を誘起電圧Viに乗じた場合の電圧レベル(r1×Vi)を示す。破線Vr2は、第1比率r1よりも小さい第2比率r2を誘起電圧Viに乗じた場合の電圧レベル(r2×Vi)を示す。また、図3B及び図3Cにおいて、一点鎖線は、モータ1の回転数Nrの昇降傾向を示す。
次に、図2から図3Cを参照して、電圧検出部22に関するモータ制御装置2の制御を説明する。図2は、電圧検出部22に係るモータ制御装置2の制御例を説明するためのフローチャートである。図3Aは、電圧検出部22に関するモータ制御装置の制御例を示すグラフである。図3Bは、上昇傾向にある回転数Nrの比率rの変更時点付近を拡大したグラフである。図3Cは、下降傾向にある回転数Nrの比率rの変更時点付近を拡大したグラフである。なお、図3Aの上側のグラフにおいて、実線Nrは、モータ1の回転数Nrを示す。図3Aの下側のグラフにおいて、実線Vdは、図2のフローチャートにより変更される検出信号Sdの電圧レベルを示す。破線Vr1は、第1比率r1を誘起電圧Viに乗じた場合の電圧レベル(r1×Vi)を示す。破線Vr2は、第1比率r1よりも小さい第2比率r2を誘起電圧Viに乗じた場合の電圧レベル(r2×Vi)を示す。また、図3B及び図3Cにおいて、一点鎖線は、モータ1の回転数Nrの昇降傾向を示す。
図2のフローチャートは、たとえば、モータ1が起動されると開始され、モータ1が停止されると終了する。また、図2のフローチャートの開始時において、比率変更部221は、OFFである。
まず、検出制御部253は、モータ1の回転数Nrが閾値Ns以上であるか否かを判定する(ステップS101)。
Ns≦Nrと判定される場合(ステップS101でYes)、検出制御部253は、第1経過時間が第1期間T1に達したか否かを判定する(ステップS102)。本実施形態において、第1経過時間は、回転数Nrが閾値Ns以上になった時点tuから連続して回転数Nrが閾値Ns以上である期間である。
第1経過時間が第1期間T1に達したと判定されない場合(ステップS102でNo)、図2のフローチャートはステップS101に戻る。
第1経過時間が第1期間T1に達したと判定される場合(ステップS102でYes)、検出制御部253は比率変更部221をONにする(ステップS103)。これにより、誘起電圧Viに対する検出信号Sdの電圧レベルVdの比率rが、より小さい第1比率r1になる。そして、図2のフローチャートはステップS101に戻る。
一方、Ns≦Nrと判定されない場合(ステップS101でNo)、検出制御部253は、第2経過時間が第2期間T2に達したか否かを判定する(ステップS104)。本実施形態において、第2経過時間は、回転数Nrが閾値Ns未満になった時点tdから連続して回転数Nrが閾値Ns未満である期間である。
第2経過時間が第2期間T2に達したと判定されない場合(ステップS104でNo)、図2のフローチャートはステップS101に戻る。
第2経過時間が第2期間T2に達したと判定される場合(ステップS104でYes)、検出制御部253は、比率変更部221をOFFにする(ステップS105)。これにより、比率rが、より大きい第2比率r2になる。そして、図2のフローチャートはステップS101に戻る。
なお、図2のフローチャートにおいて、ステップS102及びS104のうちの少なくとも一方は、省略されてもよい。ステップS102が省略される際、図2のフローチャートはステップS101でYesの場合にてステップS103に進む。つまり、モータ1の回転数Nrが閾値Ns以上であれば、比率変更部221はONとされ、比率rがより小さい第1比率r1になる。また、ステップS104が省略される際、図2のフローチャートはステップS101でNoの場合にてステップS105に進む。つまり、モータ1の回転数Nrが閾値Ns未満であれば、比率変更部221はOFFとされ、比率rがより大きい第2比率r2になる。
以上に説明した処理では、検出制御部253は、回転数Nrが閾値Ns以上であれば、比率rをより小さくする。検出制御部253は、回転数Nrが閾値Ns未満であれば、比率rをより大きくする。こうすれば、簡易な構成で、誘起電圧Viに対する検出信号Sdの電圧レベルVdの比率rを変更することができる。
比率rを切り替えるための閾値Nsとして、上記以外にも方法がある。たとえばドライヤーなどが備える送風装置に搭載されたモータユニット100は、異なる複数の回転数Na,Nb(>Na)で使用される。このような場合、Na<Ns<Nbとすることができる。好ましくは、閾値Nsは、回転数Na,Nbから離れた値にされ、たとえば両者の中間値{(Na+Nb)/2}にされてもよい。こうすれば、閾値Nsが実際に使用される回転数Na,Nbから離れた値になるため、回転数Nrのブレに応じて頻繁に比率rが変更されることを抑制できる。
また、検出制御部253は、回転数Nrが閾値Ns以上になった時点tuから連続して回転数Nrが閾値Ns以上である第1経過時間が第1期間T1に達すると、比率rをより小さくする。検出制御部253は、回転数Nrが閾値Ns未満になった時点tdから連続して回転数Nrが閾値Ns未満である第2経過時間が第2期間T2に達すると、比率rをより大きくする。実際のモータ1の回転数Nrは、図3B及び図3Cに示すように、信号ノイズなどによって短い周期で昇降を繰り返しながら変化することがある。このような回転数Nrのブレが発生しても、第1期間T1及び第2期間T2を用いた上述の処理を実施することで、このような回転数Nrのブレに応じて比率rが頻繁に変更されることを防止できる。従って、電圧検出部22は、安定した検出精度で誘起電圧Viを検出できる。
<1−5.変形例>
次に、実施形態の複数の変形例を説明する。以下における変形例の説明では、上述の実施形態及び他の変形例と異なる構成について説明する。また、上述の実施形態及び他の変形例と同様の構成要素には同じ符号を付し、その説明を省略することがある。
次に、実施形態の複数の変形例を説明する。以下における変形例の説明では、上述の実施形態及び他の変形例と異なる構成について説明する。また、上述の実施形態及び他の変形例と同様の構成要素には同じ符号を付し、その説明を省略することがある。
<1−5−1.第1変形例>
上述の実施形態では、比率rの1段階の切り替え変更が可能である。第1変形例では、電圧検出部22が出力する検出信号Sdの電圧レベルVdの誘起電圧Viに対する比率raの多段階の切り替え変更が可能である。
上述の実施形態では、比率rの1段階の切り替え変更が可能である。第1変形例では、電圧検出部22が出力する検出信号Sdの電圧レベルVdの誘起電圧Viに対する比率raの多段階の切り替え変更が可能である。
図4は、第1変形例における電圧検出部22の構成例を示す概略図である。なお、U相電圧検出部22u、V相電圧検出部22v、及びW相電圧検出部22wの構成はいずれも同じであるため、図4では、W相電圧検出部22wの構成を例示している。
図4に示すように、電圧検出部22は、第4抵抗R4をさらに有する。第4抵抗R4は第2抵抗R2および第3抵抗R3と並列に接続される。好ましくは、第4抵抗R4の電気抵抗値は、第2抵抗R2の電気抵抗値よりも大きい。また、比率変更部221は、第1比率変更部2211と、第2比率変更部2212と、を含む。第1比率変更部2211は、第3抵抗R3と直列に接続される。第2比率変更部2212は、第4抵抗R4と直列に接続される。
また、図4に示す分圧回路において、第1比率変更部2211は第3抵抗R3とともに、第2抵抗R2と並列に接続される。第1比率変更部2211の一方端は、第3抵抗R3の他方端と接続される。第1比率変更部2211の他方端は接地される。第2比率変更部2212及び第4抵抗R4は、第2抵抗R2と並列に接続される。第4抵抗R4は、第2比率変更部2212と直列に接続される。たとえば、第4抵抗R4の一方端は、第1抵抗R1の他方端と接続される。第4抵抗R4の他方端は、第2比率変更部2212の一方端と接続される。第2比率変更部2212の他方端は接地される。
なお、第1比率変更部2211及び第2比率変更部2212は、図4では電界効果トランジスタであるが、バイポーラトランジスタ、IGBTなどの他のスイッチング素子であってもよい。また、第1比率変更部2211及び第2比率変更部2212のON/OFFは、検出制御部253から出力される切替信号Ssに基づいて切り替えられる。
次に、図5及び図6を参照して、第1変形例における電圧検出部22に関するモータ制御装置2の動作例を説明する。図5は、電圧検出部22に関するモータ制御装置2の第1変形例での制御例を説明するためのフローチャートである。図6は、電圧検出部22に関するモータ制御装置2の第1変形例での制御例を示すグラフである。なお、図6の上側のグラフにおいて、実線Nrは、モータ1の回転数を示す。図6の下側のグラフにおいて、実線Vdは、図5のフローチャートにより変更される検出信号Sdの電圧レベルを示す。破線Vr1aは、第1比率r1aを誘起電圧Viに乗じた場合の電圧レベル(r1a×Vi)を示す。破線Vr2aは、第1比率r1aよりも小さい第2比率r2aを誘起電圧Viに乗じた場合の電圧レベル(r2a×Vi)を示す。破線Vr3aは、第2比率r2aよりも小さい第3比率r3aを誘起電圧Viに乗じた場合の電圧レベル(r3a×Vi)を示す。
なお、図5のフローチャートは、たとえば、モータ1が起動されると開始され、モータ1が停止されると終了する。また、図5のフローチャートの開始時において、第1比率変更部2211及び第2比率変更部2212はそれぞれ、OFFである。
まず、検出制御部253は、モータ1の回転数Nrが第1閾値Ns1以上であるか否かを判定する(ステップS201)。
回転数Nrが第1閾値Ns1以上であると判定されない場合(ステップS201でNo)、検出制御部253は、第3経過時間が第3期間T3aに達したか否かを判定する(ステップS202)。第1変形例において、第3経過時間は、回転数Nrが第1閾値Ns1未満以上になった時点td2から連続して回転数Nrが第1閾値Ns1未満である期間である。
第3経過時間が第3期間T3aに達したと判定されない場合(ステップS202でNo)、図5のフローチャートはステップS201に戻る。
第3経過時間が第3期間T3aに達したと判定される場合(ステップS202でYes)、検出制御部253は、第1比率変更部2211及び第2比率変更部2212をそれぞれOFFにする(ステップS203)。これにより、電圧検出部22が出力する検出信号Sdの電圧レベルVdの誘起電圧Viに対する比率raが、最も大きい第3比率r3aになる。そして、図5のフローチャートはステップS201に戻る。
一方、回転数Nrが第1閾値Ns1以上であると判定される場合(ステップS201でYes)、検出制御部253は、回転数Nrが第2閾値Ns2以上であるか否かを判定する(ステップS204)。なお、第2閾値Ns2は、第1閾値Ns1よりも高い。
回転数Nrが第2閾値Ns2以上であると判定されない場合(ステップS204でNo)、検出制御部253は、第2経過時間が第2期間T2aに達したか否かを判定する(ステップS205)。第1変形例において、第2経過時間は、回転数Nrが第1閾値Ns1以上になった時点tu1、又は回転数Nrが第2閾値Ns2未満になった時点td1から連続して回転数Nrが第1閾値Ns1以上且つ第2閾値Ns2未満である期間である。
第2経過時間が第2期間T2aに達したと判定されない場合(ステップS205でNo)、図5のフローチャートはステップS201に戻る。
第2経過時間が第2期間T2aに達したと判定される場合(ステップS205でYes)、検出制御部253は、第1比率変更部2211をONにするとともに、第2比率変更部2212をOFFにする(ステップS206)。これにより、比率raが、第3比率r3aよりも小さく且つ第1比率r1aよりも大きい第2比率r2aになる。そして、図5のフローチャートはステップS201に戻る。
一方、回転数Nrが第2閾値Ns2以上であると判定される場合(ステップS204でYes)、検出制御部253は、第1経過時間が第1期間T1aに達したか否かを判定する(ステップS207)。第1変形例において、第1経過時間は、回転数Nrが第2閾値Ns2以上になった時点tu2から連続して回転数Nrが第2閾値Ns2以上である期間である。
第1経過時間が第1期間T1aに達したと判定されない場合(ステップS207でNo)、図5のフローチャートはステップS201に戻る。
対して、第1経過時間が第1期間T1aに達したと判定される場合(ステップS207でYes)、検出制御部253は、第1比率変更部2211及び第2比率変更部2212をONにする(ステップS208)。これにより、比率raが、最も小さい第1比率r1aになる。そして、図5のフローチャートはステップS201に戻る。
なお、図5のフローチャートにおいて、ステップS202、S205、及びS207のうちの少なくともいずれかは省略されてもよい。たとえば、ステップS202が省略される際、図5のフローチャートはステップS201でNoの場合にステップS203に進む。つまり、モータ1の回転数Nrが第1閾値Ns1未満であれば、第1比率変更部2211及び第2比率変更部2212は、OFFとされる。これにより、比率raは、最も大きい第3比率r3aに切り替えられる。また、ステップS205が省略される際、図5のフローチャートはステップS204でNoの場合にステップS206に進む。つまり、回転数Nrが第1閾値Ns1以上且つ第2閾値Ns2未満であれば、第1比率変更部2211はONとされるとともに、第2比率変更部2212はOFFとされる。これにより、比率raは、第1比率r1aよりも大きく且つ第3比率r3aよりも小さい第2比率r2aに切り替えられる。また、ステップS207が省略される際、図5のフローチャートはステップS204でYesの場合にステップS208に進む。つまり、回転数Nrが第2閾値Ns2以上であれば、第1比率変更部2211及び第2比率変更部2212はONとされる。これにより、比率raは、最も小さい第1比率r1aに切り替えられる。
以上の説明では、比率raは、2段階に変更される。但し、この例示に限定されず、比率raは、3段階以上に変更されてもよい。このような構成は、たとえば、抵抗及び比率変更部221の直列接続体を第2抵抗R2と並列に3以上の複数接続することにより実現できる。
第1変形例によれば、回転数Nrの閾値Nsは、複数であり、それぞれ異なる値を有する。たとえば、図5では、閾値Nsは、第1閾値Ns1と、該第1閾値Ns1よりも高い第2閾値Ns2と、を含む。こうすれば、電圧検出部22が出力する検出信号Sdの電圧レベルVdの誘起電圧Viに対する比率raを多段階に切り替えることができる。従って、モータ1の回転数Nrに応じた誘起電圧Viの変化特性に応じて、上述の比率raを好適に変更できる。
なお、第1閾値Ns1及び第2閾値Ns2などの複数の閾値Nsは、実際に使用されるモータ1の回転数Na,Nb(>Na)に対して、Na<Ns<Nbとすることができる。複数の閾値Nsは、好ましくは回転数Na,Nbから離れた値にされ、たとえば両者の中間値{(Na+Nb)/2}又はこれに近い値にされてもよい。こうすれば、複数の閾値Nsが実際に使用される回転数Na,Nbから離れた値になるため、モータ1の回転数Nrのブレに応じて頻繁に比率raが変更されることを抑制できる。
<1−5−2.第2変形例>
上述の実施形態では、回転数Nrの昇降傾向にかかわらず、比率rの切り替えを実施する。第2変形例では、回転数Nrの上昇傾向にある場合と回転数Nrが下降傾向にある場合とで異なる閾値を用いて、電圧検出部22が出力する検出信号Sdの電圧レベルVdの誘起電圧Viに対する比率rbの切り替えを実施する。
上述の実施形態では、回転数Nrの昇降傾向にかかわらず、比率rの切り替えを実施する。第2変形例では、回転数Nrの上昇傾向にある場合と回転数Nrが下降傾向にある場合とで異なる閾値を用いて、電圧検出部22が出力する検出信号Sdの電圧レベルVdの誘起電圧Viに対する比率rbの切り替えを実施する。
第2変形例では、図7及び図8を参照して、第2変形例における電圧検出部22に関するモータ制御装置2の動作例を説明する。図7は、電圧検出部22に関するモータ制御装置2の第2変形例での制御を説明するためのフローチャートである。図8は、電圧検出部22に関するモータ制御装置2の第2変形例での制御例を示すグラフである。なお、図8の上側のグラフにおいて、実線Nrは、モータ1の回転数を示す。図8の下側のグラフにおいて、実線Vdは、図7のフローチャートにより変更される検出信号Sdの電圧レベルを示す。破線Vr1bは、第1比率r1bを誘起電圧Viに乗じた場合の電圧レベル(r1b×Vi)を示す。破線Vr2bは、第1比率r1bよりも大きい第2比率r2bを誘起電圧Viに乗じた場合の電圧レベル(r2b×Vi)を示す。
図7のフローチャートは、たとえば、モータ1が起動されると開始され、モータ1が停止されると終了する。また、図7のフローチャートの開始時において、比率変更部221は、OFFである。
まず、検出制御部253は、モータ1の回転数Nrが上昇しているか否かを判定する(ステップS301)。回転数Nrの昇降傾向は、たとえば、回転数Nrの経時的な移動平均を求めることで検知できる。なお、モータ1の起動時から所定時間以内では、昇降傾向を検知しなくても、回転数Nrは上昇傾向であると判定してもよい。
回転数Nrが上昇していると判定される場合(ステップS301でYes)、検出制御部253は、回転数Nrが上閾値NsH以上であるか否かを判定する(ステップS302)。回転数Nrが上閾値NsH以上であると判定されない場合(ステップS302でNo)、図7のフローチャートはステップS301に戻る。
回転数Nrが上閾値NsH以上であると判定される場合(ステップS302でYes)、検出制御部253は、第1経過時間が第1期間T1bに達したか否かを判定する(ステップS303)。第2変形例において、第1経過時間は、回転数Nrが上閾値NsH以上になった時点tuから連続して回転数Nrが上閾値NsH以上である期間である。第1経過時間が第1期間T1bに達したと判定されない場合(ステップS303でNo)、図7のフローチャートはステップS301に戻る。
第1経過時間が第1期間T1bに達したと判定される場合(ステップS303でYes)、検出制御部253は、比率変更部221をONにする(ステップS304)。これにより、比率rbが、より小さい第1比率r1bになる。そして、図7のフローチャートはステップS301に戻る。
一方、回転数Nrが上昇していると判定されない場合(ステップS301でNo)、検出制御部253は、回転数Nrが上閾値NsHよりも低い下閾値NsL未満であるか否かを判定する(ステップS305)。なお、下閾値NsLは、上閾値NsHよりも低い。回転数Nrが下閾値NsL未満であると判定されない場合(ステップS305でNo)、図7のフローチャートはステップS301に戻る。
回転数Nrが下閾値NsL未満であると判定される場合(ステップS305でYes)、検出制御部253は、第2経過時間が第2期間T2bに達したか否かを判定する(ステップS306)。第2変形例において、第2経過時間は、回転数Nrが下閾値NsL未満になった時点tdから連続して回転数Nrが下閾値NsL未満である期間である。第2経過時間が第2期間T2bに達したと判定されない場合(ステップS306でNo)、図7のフローチャートはステップS301に戻る。
第2経過時間が第2期間T2bに達したと判定される場合(ステップS306でYes)、検出制御部253は、比率変更部221をOFFにする(ステップS307)。これにより、比率rbが、より大きい第2比率r2bになる。そして、図7のフローチャートはステップS301に戻る。
なお、図7のフローチャートにおいて、ステップS303及びS306のうちの少なくとも一方は、省略されてもよい。たとえば、ステップS303が省略される際、図7のフローチャートはステップS302でYesの場合にステップS304に進む。つまり、モータ1の回転数Nrが上閾値NsH以上であれば、比率変更部221は、ONとされる。これにより、比率rbは、より小さい第1比率r1bに切り替えられる。また、ステップS306が省略される際、図7のフローチャートはステップS305でYesの場合にステップS307に進む。つまり、回転数Nrが下閾値NsL未満であれば、比率変更部221はOFFとされる。これにより、比率rbは、第1比率r1bよりも大きい第2比率r2bに切り替えられる。
以上に説明した第2変形例では、閾値Nsは、上閾値NsHと、上閾値NsHよりも低い下閾値NsLと、を含む。検出制御部253は、回転数Nrが上閾値NsH以上になると、比率rbをより小さくする。検出制御部253は、回転数Nrが下閾値NsL未満になると、比率rbをより大きくする。こうすれば、回転数Nrのブレに応じた比率rの変更が頻繁に実施され難くなる。従って、電圧検出部22は、安定した検出精度で誘起電圧Viを検出できる。
なお、上閾値NsH及び下閾値NsLは、実際に使用されるモータ1の回転数Na,Nb(>Na)に対して、Na<NsL<NsH<Nbとすることができる。上閾値NsH及び下閾値NsLは、好ましくは回転数Na,Nbから離れた値にされ、たとえば両者の中間値{(Na+Nb)/2}又はこれに近い値にされてもよい。こうすれば、上閾値NsH及び下閾値NsLが実際に使用される回転数Na,Nbから離れた値になるため、回転数Nrのブレに応じて頻繁に比率rbが変更されることを抑制できる。
また、検出制御部253は、回転数Nrが上閾値NsH以上になった時点tuから連続して回転数Nrが上閾値NsH以上である第1経過時間が第1期間T1bに達すると、比率rbをより小さくする。検出制御部253は、回転数Nrが下閾値NsL未満になった時点tdから連続して回転数Nrが下閾値NsL未満である第2経過時間が第2期間T2bに達すると、比率rbをより大きくする。こうすれば、回転数Nrのブレに応じた比率rbの頻繁な変更をより確実に防止できる。従って、電圧検出部22は、さらに安定した検出精度で誘起電圧Viを検出できる。
<1−5−3.第3変形例>
上述の実施形態、第1変形例、及び第2変形例では、比率r,ra,rbを段階的に切り替えて変更する。対して、第3変形例では、電圧検出部22が出力する検出信号Sdの電圧レベルVdの誘起電圧Viに対する比率rcの連続的な変更が可能である。
上述の実施形態、第1変形例、及び第2変形例では、比率r,ra,rbを段階的に切り替えて変更する。対して、第3変形例では、電圧検出部22が出力する検出信号Sdの電圧レベルVdの誘起電圧Viに対する比率rcの連続的な変更が可能である。
図9は、第3変形例における電圧検出部22の構成例を示す概略図である。なお、U相電圧検出部22u、V相電圧検出部22v、及びW相電圧検出部22wの構成はいずれも同じであるため、図9では、W相電圧検出部22wの構成を例示している。
図9に示すように、モータ制御装置2は、D/Aコンバータ26をさらに備える。D/Aコンバータ26は、電圧検出部22と、制御ユニット25の検出制御部253との間に配置される。D/Aコンバータ26は、デジタルの切替信号Ssをアナログ切替信号Saに変換して、電圧検出部22に出力する。
電圧検出部22の比率変更部221aは、ポテンショメータなどの可変抵抗器である。比率変更部221aには、アナログ切替信号Saが入力され、アナログ切替信号Saの電圧レベルに応じて電気抵抗値を連続的に変化させる。たとえば、回転数Nrが高くなると、切替信号Ssの電圧レベルの上昇量に応じて、比率変更部221aの電気抵抗値が増加し、比率rcはより小さくなる。回転数Nrが低くなると、切替信号Ssの電圧レベルの下降量に応じて、比率変更部221aの電気抵抗値が低下し、比率rcはより大きくなる。
第3変形例によれば、比率rcを連続的に変更できるので、モータ1の回転数Nrに応じた誘起電圧Viの変化特性に応じて、上述の比率rcをより好適に変更できる。
<2.その他>
以上、本発明の実施形態を説明した。なお、本発明の範囲は上述の実施形態に限定されない。本発明は、発明の主旨を逸脱しない範囲で上述の実施形態に種々の変更を加えて実施することができる。また、上述の実施形態で説明した事項は、矛盾が生じない範囲で適宜任意に組み合わせることができる。
以上、本発明の実施形態を説明した。なお、本発明の範囲は上述の実施形態に限定されない。本発明は、発明の主旨を逸脱しない範囲で上述の実施形態に種々の変更を加えて実施することができる。また、上述の実施形態で説明した事項は、矛盾が生じない範囲で適宜任意に組み合わせることができる。
本発明は、ステータコイルに生じる誘起電圧の検出結果に基づいてモータの回転数を制御する装置に有用である。
100・・・モータユニット、500・・・直流電源、1・・・モータ、11・・・ロータ、12・・・ステータ、121,121u,121v,121w・・・ステータコイル、121n・・・・中性点、2・・・モータ制御装置、21・・・インバータ、211・・・電力変換部、22、22u,22v,22w・・・電圧検出部、R1・・・第1抵抗、R2・・・第2抵抗、R3・・・第3抵抗、R4・・・第4抵抗、221、221a・・・比率変更部、2211・・・第1比率変更部、2212・・・第2比率変更部、F・・・フィルタ回路、23・・・信号変換部、24・・・記憶部、25・・・制御ユニット、251・・・回転数検知部、252・・・モータ制御部、253・・・検出制御部、26・・・D/Aコンバータ、Vi,Viu,Viv,Viw・・・誘起電圧、Sd・・・検出信号、Vd・・・電圧レベル、Vrm・・・最大定格電圧、Sp・・・パルス信号、Ss,Su,Sv,Sw・・・切替信号、Sa・・・アナログ切替信号、Pu,Pv,Pw,Px,Py,Pz・・・駆動信号、So・・・速度指令信号、r,ra,rb,rc・・・比率、r1,r1a,r1b・・・第1比率、r2,r2a,r2b・・・第2比率、r3a・・・第3比率、Nr・・・回転数、Ns・・・閾値、Ns1・・・第1閾値、Ns2・・・第2閾値、NsH・・・上閾値、NsL・・・下閾値、T1,T1a,T1b・・・第1期間、T2,T2a,T2b・・・第2期間、T3・・・第3期間
Claims (12)
- モータを制御するモータ制御装置であって、
前記モータのステータコイルに発生する誘起電圧を検出し、前記誘起電圧の値を示す検出信号を出力する電圧検出部と、
前記検出信号に基づいて前記モータの回転数を検知する回転数検知部と、
前記電圧検出部を制御する検出制御部と、を備え、
前記電圧検出部は、前記誘起電圧に対する前記検出信号の電圧レベルの比率を変更可能な比率変更部を有し、
前記検出制御部は、前記回転数に応じて前記比率変更部を制御する、モータ制御装置。 - 前記検出制御部は、前記回転数が高い場合には前記比率をより小さくし、前記回転数が低い場合には前記比率をより大きくする、請求項1に記載のモータ制御装置。
- 前記電圧検出部は、第1抵抗と、第2抵抗と、第3抵抗と、をさらに有し、
前記第1抵抗、前記第2抵抗、前記第3抵抗、及び前記比率変更部は、前記誘起電圧を検出する分圧回路を形成し、
前記第1抵抗の一方端は、前記ステータコイルに接続され、
前記第2抵抗は、前記第1抵抗の他方端と接続されるとともに、前記比率変更部及び前記第3抵抗と並列に接続され、
前記第3抵抗は、前記第1抵抗の他方端と接続されるとともに、前記比率変更部と直列に接続され、
前記比率変更部は、前記検出制御部から出力される切替信号に基づいて、前記第3抵抗の導通/非導通状態を切り替える、請求項1又は請求項2に記載のモータ制御装置。 - 前記第3抵抗の抵抗値は、前記第2抵抗の抵抗値よりも大きい、請求項3に記載のモータ制御装置。
- 前記比率変更部は、電界効果トランジスタである、請求項3又は請求項4に記載のモータ制御装置。
- 前記検出制御部は、
前記回転数が閾値以上であれば、前記比率をより小さくし、
前記回転数が前記閾値未満であれば、前記比率をより大きくする、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のモータ制御装置。 - 前記閾値は、複数であり、それぞれ異なる値を有する、請求項6に記載のモータ制御装置。
- 前記検出制御部は、
前記回転数が閾値以上になった時点から連続して前記回転数が前記閾値以上である第1経過時間が第1期間に達すると、前記比率をより小さくし、
前記回転数が閾値未満になった時点から連続して前記回転数が前記閾値未満である第2経過時間が第2期間に達すると、前記比率をより大きくする、請求項6又は請求項7に記載のモータ制御装置。 - 前記閾値は、上閾値と、前記上閾値よりも低い下閾値と、を含み、
前記検出制御部は、
前記回転数が前記上閾値以上になると、前記比率をより小さくし、
前記回転数が前記下閾値未満になると、前記比率をより大きくする、請求項6又は請求項7に記載のモータ制御装置。 - 前記検出制御部は、
前記回転数が前記上閾値以上になった時点から連続して前記回転数が前記上閾値以上である第1経過時間が第1期間に達すると、前記比率をより小さくし、
前記回転数が前記下閾値未満になった時点から連続して前記回転数が前記下閾値未満である第2経過時間が第2期間に達すると、前記比率をより大きくする、請求項9に記載のモータ制御装置。 - 前記検出信号をパルス信号に変換して前記回転数検知部に出力する信号変換部をさらに備える、請求項1から請求項10のいずれか1項に記載のモータ制御装置。
- 請求項1から請求項11のいずれか1項に記載のモータ制御装置と、
前記モータ制御装置により制御されるモータと、
を備え、
前記モータは、
中心軸を中心にして回転可能なロータと、
前記ロータを駆動するステータと、
を有し、
前記ステータのステータコイルの一端は、前記モータ制御装置に接続される、モータユニット。
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