JP2021128196A - ヘリコプター操縦訓練システム - Google Patents
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Abstract
【課題】ヘリコプター操縦訓練システムを提供する。【解決手段】模擬操縦席を脱着可能に載置するモーションプラットホームと、模擬操縦席の前方に設けられ、模擬の飛行状況を表示する第1の表示部と、模擬操縦席・モーションプラットホーム・第1の表示部を制御してヘリコプターの模擬飛行を実行させる模擬飛行装置制御部とを有する模擬飛行装置20と、模擬操縦席を脱着可能に収容する模擬操縦席収容部と、模擬操縦席収容部で、模擬操縦席が収容された際に操縦訓練の状況を表示する第2の表示部と、模擬操縦席・第2の表示部を制御してヘリコプターの飛行訓練を実行させる飛行訓練装置制御部とを有する飛行訓練装置と、モーションプラットホームと飛行訓練装置との間で移動させることができる模擬操縦席移動部40と、模擬飛行装置・飛行訓練装置・模擬操縦席移動部を制御して模擬操縦席の移動を制御するヘリコプター操縦訓練システム制御部とを有する。【選択図】図1
Description
本発明は、ヘリコプターの操縦の訓練を行うシステムに関し、特に模擬飛行装置あるいはフルフライトシミュレータ(Full Flight Simulator、FFS)と呼ばれるヘリコプターの動作を高度に再現できる装置と、飛行訓練装置あるいはフライトトレーニングデバイス(Flight Training Device、FTD)と呼ばれる、機体の動きまでは体感できないがヘリコプターの操縦室に必要な機能を搭載している装置とを、併せて利用できるヘリコプター操縦訓練システムに関する。
近年、ヘリコプターが、災害時や救急時の人命救助、物資の輸送、火災の消火活動などに幅広く利用され、需要は増大している。
そのために、ヘリコプターの操縦士の訓練が、重要かつ急務となっており、質の高い訓練を、効率よく低廉なコストで実施できる訓練システムが望まれている。
これらの問題に関して、例えば、特許文献1には、安価で汎用性のあるヘリコプタ用のフライトシミュレータ用操縦装置を得ることを課題とし、パイロット操作装置のみを対象機種に応じて取り替えることによって、各種のヘリコプタの操縦がシミュレートできるという技術思想が開示されている。
これにより、複数の機種のヘリコプターの操縦訓練が実施できることになり、極めて有用であるとされる。
しかしながら、このヘリコプターのフライトシミュレータ用操縦装置は、パイロットの操舵感覚を発生させる機能はあるものの、それ以外の機能は限定されており、操縦席の3次元的な動きなどは体験できず、十分な訓練効果を得られないという問題点があった。
解決しようとする問題点は、質の高いヘリコプターの操縦訓練を、効率よく、かつ、低廉なコストで実施できるヘリコプター操縦訓練システムを提供することが難しい点である。
本発明は、上記課題を解決するために、本発明の第1の態様は、ヘリコプター操縦訓練システムであって、
A)ヘリコプターの操縦を模擬的に実行できる、模擬操縦に必要な機器を備えた模擬操縦席と、
B)前記模擬操縦席を脱着可能に載置し、3次元の運動を発生させ、その運動を前記模擬操縦席に伝達することができるモーションプラットホームと、前記模擬操縦席の前方に設けられ、模擬の飛行状況を表示しうる第1の表示部と、前記模擬操縦席・前記モーションプラットホーム・前記第1の表示部を制御してヘリコプターの模擬飛行を実行させる模擬飛行装置制御部とを有する模擬飛行装置と、
C)前記模擬操縦席を脱着可能に収容する模擬操縦席収容部と、前記模擬操縦席収容部で、前記模擬操縦席が収容された際にその前方に設けられ、操縦訓練の状況を表示しうる第2の表示部と、前記模擬操縦席・前記第2の表示部を制御してヘリコプターの飛行訓練を実行させる飛行訓練装置制御部とを有する飛行訓練装置と、
D)前記模擬操縦席を、前記模擬飛行装置のモーションプラットホームとの間で装着しまたは取り外すことができ、前記飛行訓練装置との間で装着しまたは取り外すことができ、更に、前記モーションプラットホームと前記飛行訓練装置との間で移動させることができる模擬操縦席移動部と、
E)前記模擬飛行装置・前記飛行訓練装置・前記模擬操縦席移動部を制御して前記模擬操縦席の移動を制御するヘリコプター操縦訓練システム制御部と
を有することを特徴とする。
A)ヘリコプターの操縦を模擬的に実行できる、模擬操縦に必要な機器を備えた模擬操縦席と、
B)前記模擬操縦席を脱着可能に載置し、3次元の運動を発生させ、その運動を前記模擬操縦席に伝達することができるモーションプラットホームと、前記模擬操縦席の前方に設けられ、模擬の飛行状況を表示しうる第1の表示部と、前記模擬操縦席・前記モーションプラットホーム・前記第1の表示部を制御してヘリコプターの模擬飛行を実行させる模擬飛行装置制御部とを有する模擬飛行装置と、
C)前記模擬操縦席を脱着可能に収容する模擬操縦席収容部と、前記模擬操縦席収容部で、前記模擬操縦席が収容された際にその前方に設けられ、操縦訓練の状況を表示しうる第2の表示部と、前記模擬操縦席・前記第2の表示部を制御してヘリコプターの飛行訓練を実行させる飛行訓練装置制御部とを有する飛行訓練装置と、
D)前記模擬操縦席を、前記模擬飛行装置のモーションプラットホームとの間で装着しまたは取り外すことができ、前記飛行訓練装置との間で装着しまたは取り外すことができ、更に、前記モーションプラットホームと前記飛行訓練装置との間で移動させることができる模擬操縦席移動部と、
E)前記模擬飛行装置・前記飛行訓練装置・前記模擬操縦席移動部を制御して前記模擬操縦席の移動を制御するヘリコプター操縦訓練システム制御部と
を有することを特徴とする。
このようにすると、模擬飛行装置においては、モーションプラットホームによる飛行中の3次元の動きが再現でき、より高度な操縦訓練を行うことができ、また、飛行訓練装置においては、簡便な構造で、操縦のみの訓練を行うことができるため、両者を併用することで、より効率的な操縦訓練を行うことができる。
また、模擬操縦席を模擬飛行装置と飛行訓練装置との間で移動させることができるため、機種によって異なる模擬操縦席を準備しておけば、高価な模擬飛行装置を少数(例えば1台)保有していれば、複数の機種の訓練を実施することができる。
なお、模擬飛行装置(FFS)及び飛行訓練装置(FTD)及びそのための模擬操縦席については、実用化されている装置が多数あり、それらの技術思想を用いることによって実現は可能である。
次に、本発明の第2の態様は、第1の態様のヘリコプター操縦訓練システムであって、前記模擬操縦席及び/または前記飛行訓練装置の台数は、前記模擬飛行装置の台数よりも多いことを特徴としてもよい。
このようにすると、高価な模擬飛行装置を少数(例えば1台)設け、飛行訓練装置を多数(例えば5台)、更に模擬操縦席も多数(例えば5台)設けるようにすると、ある機種の模擬操縦席を模擬飛行装置で使用に供している間に、他の飛行訓練装置に残りの模擬操縦席を設置して、飛行訓練を行わせることができ、システム全体として、極めて有効利用ができる。
上記のように、本発明のヘリコプター操縦訓練システムは、模擬飛行装置と飛行訓練装置とを併せて用いることによって、質の高いヘリコプターの操縦訓練を、効率よく、かつ、低廉なコストで実施することができるなどの効果を有する。
本発明の第1の実施形態を、図面を用いて説明する。図1は本発明のヘリコプター操縦訓練システムの第1の実施形態で、模擬飛行装置及び飛行訓練装置を使用する前の状態(待機状態)を示す平面図で、図2は同じく待機状態を示す正面図(一部断面図)である。
また、図3は本発明のヘリコプター操縦訓練システムの第1の実施形態で、模擬飛行装置及び飛行訓練装置を使用中の状態を示す平面図で、図4は同じく使用中の状態を示す正面図(一部断面図)である。
本発明のヘリコプター操縦訓練システム1の第1の実施形態は、ヘリコプターの操縦を模擬的に実行できる、模擬操縦に必要な機器を備えた模擬操縦席10と、模擬操縦席10を設置することで模擬飛行訓練ができる模擬飛行装置20と、模擬操縦席10を設置することで飛行訓練ができる飛行訓練装置30と、模擬操縦席10を模擬飛行装置20と飛行訓練装置30との間で移動させることができる模擬操縦席移動部40とを有する。
模擬操縦席10は、模擬のコックピットと言ってもよく、ヘリコプターの機種に対応して、座席、前方窓、操縦桿、計器類、音響効果などを実際のヘリコプターの操縦席の構成と同様に形成し、ヘリコプターの操縦を模擬的に体験させることができるものである。
模擬操縦席10は、下部に、平滑面を移動可能とする複数(例えば4個)の車輪101を有している。
なお、模擬操縦席10としては、例えば、図5に示すような、REISER−ST社のホームページに記載されているFFS用の模擬操縦席が実用に供されており、それらを用いることができる。但し、この例に限定されるものではない。
模擬飛行装置20は、模擬操縦席10をその内部に収容しうるドーム21を有する。ドーム21は、模擬操縦席10を収容した際に外光を遮光することができ、かつ、模擬操縦席10の前方が湾曲あるいは膨出した形状となっている。
更に、模擬飛行装置20は、ドーム21内に模擬操縦席10を載置し保持する模擬操縦席保持部22を有しており、模擬操縦席保持部22は、模擬操縦席10が押し込まれた際に、模擬操縦席10を所定の位置に固定する、例えば車輪101のロック機構などの図示しない周知の固定機構が設けられている。
更に、模擬飛行装置20には、ドーム21及び模擬操縦席保持部22の下方に、モーションプラットホーム23を有する。モーションプラットホーム23は、3次元・6軸の運動を発生させ、その運動を模擬操縦席保持部22を介して模擬操縦席10に伝達することができる。
ここで、モーションプラットホーム23は、床面に設けられた3か所の基礎231に回転自在に取り付けられ、上方に延伸する6本の柱232により支えられており、図示しない駆動手段により、それらの6本の柱が自在に変位し、3次元で、かつ、6軸の運動を実現することができる。
また、模擬飛行装置20は、模擬操縦席10を装着した場合に、ドーム21の膨出部に設けられ、模擬の飛行状況の映像を表示しうるスクリーン24と、スクリーン24に映像を表示するためのプロジェクター25とを有している。なお、スクリーン24とプロジェクター25とを合わせて第1の表示部の一例とする。
ここで、スクリーン24は、球の内面状に近い曲面スクリーンであり、模擬操縦席10の操縦訓練者の視野として、上下120度、左右190度程度を視認できるようになっている。
このようにすると、プロジェクター25から曲面のスクリーン24に投影される大画面の、かつ、実際の光景に近い画像が表示され、訓練の効果が高まることが期待できる。
なお、第1の表示部は、スクリーン24とプロジェクター25との組み合わせが好適ではあるが、それに限定されず、簡便なディスプレイ(液晶・プラズマ。有機ELなど)やその他の表示装置であってもよい。費用が低廉となる場合もある。
なお、模擬飛行装置20には、ドーム21の外部に、模擬操縦席10が載置された状態で、模擬操縦席10とモーションプラットホーム23とプロジェクター25とを制御して、ヘリコプターの模擬飛行を実行させる模擬飛行装置制御部26を有している。
なお、模擬飛行装置制御部26は、飛行中の画像(イメージ)を生成する機能、振動を生成する機能、モーションプラットフォームを駆動する機能、飛行をシミュレートする機能、各所への電源供給を制御する機能などを有しており、複数の筐体から構成されていたもよい。また、模擬飛行装置制御部26の設置場所については、上記の例に限定されず、任意の場所に置かれてよい。
模擬飛行装置制御部26は、ハードウエアとしては、CPU、メモリ、I/Oインターフェースなどからなり、必要なソフトウエアを内蔵しているものとし、具体的には、サーバ、パソコンなどが好適である。
次に、飛行訓練装置30は、図中には4個が示されており、その中に、模擬操縦席10が模擬飛行装置20と同じ方向に載置できるように、この4個が平行に設置されている。
この飛行訓練装置30には、模擬操縦席10を脱着可能に載置する、後方が開放されており、前方及び左右に壁面を有し、更に必要に応じて天井を有するブース状の模擬操縦席収容部31を有している。
なお、模擬操縦席10が設置された後は、後方の開放部にはカーテンなどを設けておき、模擬操縦席10が内部に設置された後は、カーテンを閉じて遮光などをすることが望ましい。
また、模擬操縦席収容部31の内部の前面には、模擬操縦席10が収容された際に操縦訓練の状況を表示しうるディスプレイ32(第2の表示部の例)が設けられている。
ディスプレイ32は、プラズマディスプレイが好適であり、表示面を3面有し、正面、右側、左側が表示できるものとする。なお、第2の表示部はプラズマディスプレイに限定されず、他の液晶や有機ELディスプレイであってもよく、あるいは、第1の表示部で例示したスクリーンとプロジェクターによるものであってもよい。
更に、飛行訓練装置30は、模擬操縦席収容部31の外部に、模擬操縦席10が収容された際に、模擬操縦席10及びディスプレイ32を制御してヘリコプターの飛行訓練を実行させる飛行訓練装置制御部33を有している。
飛行訓練装置制御部33は、ハードウエアとしては、CPU、メモリ、I/Oインターフェースなどからなり、必要なソフトウエアを内蔵しているものとし、具体的には、サーバ、パソコンなどが好適である。
また、模擬操縦席収容部31の後方の近傍には、飛行訓練装置操作部34が設けられ、飛行訓練装置制御部33と接続されて、飛行訓練のシミュレーションプログラムの選択や、各種のパラメータの設定などの訓練内容を指示することができる。
飛行訓練を受ける者は、模擬操縦席10に乗り込む前に、この飛行訓練装置操作部34を操作することで、適切な訓練プログラムを実行することができる。
なお、飛行訓練装置操作部34は、飛行訓練装置制御部33と別体として説明したが、両方を併せた飛行訓練装置操作・制御部という一体化した構造であってもよい。なお、飛行訓練装置制御部33の設置場所については、上記の例に限定されず、任意の場所に置かれてよい。
次に、模擬操縦席移動部40は、上面に模擬操縦席10を載置でき、下側には複数(例えば4個)の車輪411を備えた台車41を有している。ここで、車輪411は、任意の方向に進行可能なオムニホイールが好適であるが、それに限定せず、直交する2方向に進行可能であれば、どのような構造であってもよい。
なお、台車41は、床面から所定の高さにかさ上げされた基台50の上面を走行する。ここで所定の高さとは、模擬飛行装置20に模擬操縦席10をスムーズに移動するのに適切な高さである。
また、模擬操縦席移動部40は、台車41の車輪411をガイドして所定の直線方向(模擬飛行装置20及び飛行訓練装置30へ真直ぐに向かう方向)に移動させる複数組(図中では5組)の台車移動用レール42を有している。
更に、それと直交する方向に台車41の車輪411をガイドして移動させる1組の台車移動用レール43を有している。
なお、台車移動用レール42と、直交する台車移動用レール43との交差点では、台車41は、4方向いずれにも向かうことができるように構成されているものとする。
ここで、レールとしては、車輪が上部に載置される鉄道用のようなものが好適であるが、それに限定されず、車輪の片側あるいは両側の側面を進行方向に誘導するようなものなど、ガイドする機能があればどのようなものであってもよい。
更に、台車41の上面には、台車41に載置される模擬操縦席10をその車輪101を使って移動させるための、模擬飛行装置20へ真直ぐに向かう方向の載置物移動用レール44も設けられている。
なお、飛行訓練装置30に関しては、模擬操縦席10を、台車41に載置したままで模擬操縦席収容部31に移動させるため、載置物移動用レール44を使用しなくてもよい。
このように、模擬操縦席移動部40は、車輪411を備えた台車41、台車41の移動をガイドする台車移動用レール42・台車移動用レール43、台車41上の載置物移動用レール44などからなるものであり、模擬操縦席10を移動させる場合には、人力によって押し・引きして移動させるものが好適であるが、このような構成に限定されない。
例えば、台車41に駆動源を搭載、または駆動源と接続し、人力なしで、あるいは人力を補助する形で移動させるものや、いわゆる無人台車・無人搬送車・自走台車などと呼ばれる無人移動が可能なものであってもよい。
その場合には。レールに代えて、金属線を設置し、電磁誘導によって案内するようにしてもよく、レールや金属線を持たず、QRコード(登録商標)などのマーカーを設置した平面を、駆動可能な直交2方向に進行できるタイヤを有していて、マーカーを検知しつつ、進行しうる自走台車、いわゆるAGV(Automatic Guided Vehcle)であってもよい。
あるいは、マーカーも用いずに、自らマッピングを行って走行しうるロボット、すなわち、AMR(Autonomous Mobile Robot:自律型協働ロボット)のようなものであってもよい。
本発明のヘリコプター操縦訓練システム1の第1の実施形態には、更に、後部キャビン60を有していてもよい。後部キャビン60は、訓練を指導監督する教官などが2ないし3名乗り組めるようになっている。なお、この人数に限定はない。
この後部キャビン60にも、下部に後部キャビン60自体を移動させるための複数(例えば4個ないし8個)の車輪601を有している。
従って、後部キャビン60も、模擬操縦席10と同様に、台車41に載置されて移動させられるとともに、台車41の上を車輪601を用いて模擬飛行装置20へ真直ぐに向かう方向へ移動させることができる。
なお、後部キャビン60内には、模擬飛行装置操作部27が設けられ、模擬飛行装置制御部26と接続して、模擬飛行のシミュレーションプログラムの選択や、各種のパラメータの設定などの訓練内容を指示することができる。
なお、模擬飛行装置操作部27は後部キャビン60内に設けることには限定せず、模擬操縦席10内に設けるようにしてもよい
本発明のヘリコプター操縦訓練システム1の第1の実施形態には、更に、図示しないが、模擬飛行装置・飛行訓練装置・模擬操縦席移動部を制御して、模擬操縦席10及び後部キャビン60を移動させるヘリコプター操縦訓練システム制御部70を有している。
ヘリコプター操縦訓練システム制御部70は、ハードウエアとしては、CPU、メモリ、I/Oインターフェースなどからなり、必要なソフトウエアを内蔵しているものとし、具体的には、サーバ、パソコンなどが好適である。
なお、これまでに説明した模擬飛行装置制御部26、飛行訓練装置制御部33及びヘリコプター操縦訓練システム制御部70については、それらの機能を統合し、あるいは、機能分担を変更してもよく、実質的にこれらの機能がハードウエアによって実現できればよい。
次に、本発明のヘリコプター操縦訓練システム1の第1の実施形態の使用例について説明する。
図1及び図2に示すのは、1台の模擬操縦席10aが、模擬飛行装置20の後方に位置しており、更に、その後方に後部キャビン60が位置しており、これらは、それぞれの台車41に載置されている。
また、4台の飛行訓練装置30の模擬操縦席収容部31の手前には、模擬操縦席10b、10c、10d、10eが待機している。これらは、全てが異なる機種の操縦を模擬できる操縦席であることが最適であるが、いくつか、または全てが同一機種の模擬操縦が可能であってもよい。
この状況から、訓練を開始するには、図3及び図4に示す状態へと移行させることが必要である。
まず、中央にある1台の模擬操縦席10aに訓練員が乗り込み、後部キャビン60に教官が乗り込む。
この状態で模擬飛行装置10aを載置した台車41を先頭に、後部キャビン60を載置した台車41が続く形で、模擬飛行装置20へと移動させ、それらを密着させる。
この状態で、模擬操縦席10a及び後部キャビン60を台車41の上を移動させて、模擬飛行装置20内の模擬操縦席保持部22へと移動させる。
この状態で、後部キャビン60の教官が、模擬飛行装置操作部27を操作すると、訓練員は、模擬飛行装置制御部26から提供される所定の模擬飛行のプログラムに従って訓練を行うこととなる。すなわち、模擬操縦席10aでの操作に対応して、モーションプラットホーム23は所定の運動を模擬操縦席10aに与え、また、プロジェクター25からは対応する映像がスクリーン24に映し出されて、訓練の効果を上げることができる。
また、後部キャビン60の中の教官は、訓練の進行状況を監視したり、必要に応じて助言を与えたりすることができ、これも訓練の効果を高めるために有効である。
一方、4台の飛行訓練装置30に関しては、例えば、模擬操縦席10bを訓練に供するためには、模擬操縦席10bを台車41に載置したまま、模擬操縦席収容部31の中へと進入し、所定の位置に固定される。
この状態から、訓練員が飛行訓練装置30内の模擬操縦席10bに乗り込んで、飛行訓練を受けることが可能である。
その際には、乗りこむ前に、飛行訓練装置操作部34を操作することで、適切な訓練プログラムを実行することができる。
飛行訓練装置30においては、モーションプラットホーム23は有していないため、飛行の全てを体験できるわけではないが、飛行訓練装置制御部33から提供される所定の飛行訓練のプログラムに従って訓練を行うことができる。すなわち、模擬操縦席10bでの操作に対応して、ディスプレイ32に対応する映像が映し出されて、訓練の効果を上げることができる。
なお、これまでの説明で、模擬操縦席10bについて説明したが、他の模擬操縦席10c、10d、10eについても、同様に飛行訓練に供することができる。
また、図3及び図4においては、全ての模擬操縦席10が、模擬飛行装置20及び飛行訓練装置30に設置された状態を表示しているが、訓練に必要なもののみを設置して、他は後方で待機してもよい。
なお、模擬操縦席10の模擬飛行装置20又は飛行訓練装置30への装着については、信号ケーブル及び動力ケーブル、更には必要に応じてセンサなどを接続する必要があるが、それらは、人力で行ってもよく、あるいは、自動で連結されるようにしてもよい。解除についても同様である。
また、訓練終了後に、図1及び図2に示す状態に戻すには、これまでに説明した手順を逆に実行すればよい。
ここで、模擬飛行装置20において、今回使用した模擬操縦席10aと異なる模擬操縦席10d(例えば、異なる機種を模擬したもの)に交換する場合は、模擬操縦席10aを図1及び図2に示す位置から、模擬操縦席10bを収容した模擬飛行装置30の側へと移動させて今の場所を空ける、
次に、その場所に、台車41に載置された模擬操縦席10dを移動させる。その後、模擬操縦席10d及び後部キャビン60を模擬飛行装置20の方へ移動させ、先の手順で模擬飛行を開始することができる。
一旦退避させた模擬操縦席10aは、模擬操縦席10dが模擬飛行装置20に装着された後で、模擬操縦席10dが収容されていた飛行訓練装置30に収容すればよい。
次に、本発明のヘリコプター操縦訓練システムの第2の実施形態を説明する。図6は本発明のシステムの第2の実施形態を示す斜視図である。
本発明のシステムの第2の実施形態の説明において、第1の実施形態と同一の部分は説明を省略する。また、図面に付した番号も、同一の機能を有するものは、同一の番号を付してある。また、本図においては、模擬操縦席10、模擬操縦席10を載置した車輪付きの台車、後部キャビン60、後部キャビン60を載置した車輪付きの台車は図示を省略してある。
第1の実施形態との相違点は、模擬操縦席移動部に関してであり、第2の実施形態においては、模擬操縦席移動部400は、上面に、図示しない模擬操縦席10を載置した車輪を有する模擬操縦席用台車を載置できる横方向走行台車410を有する。
この横方向走行台車410は、下部に(図示しない)複数の車輪を有し、基台50に掘り込まれた溝部411の底面に敷設された一対の横方向レール412にガイドされて、横方向(図中矢印方向)に移動が可能である。
なお、横方向走行台車410の上面は、基台50の上面と面一であることが望ましく、また、横方向走行台車410の上面には、横方向走行台車410の走行方向と直交する方向に延伸する、一対の縦方向レール413が設けられている。
更に、模擬操縦席移動部400は、基台50の上面に、模擬飛行装置20及び飛行訓練装置30へと延伸する、横方向走行台車410の走行方向と垂直方向の複数対の縦方向レール420を有している。
これらの、模擬操縦席用台車(図示を省略)、横方向走行台車410、溝部411、横方向レール412、横方向走行台車410上の縦方向レール413、基台上の縦方向レール420を総称して、模擬操縦席移動部400とする。
このような構成の本発明の第2の実施形態の使用例を説明する。
横方向走行台車410の上面の縦方向レール413の上に、模擬操縦席10を載置した車輪を有する模擬操縦席用台車が載置されている。
ここで、模擬操縦席10を模擬飛行装置20に組み込む際には、横方向走行台車410を、横方向走行台車410上の縦方向レール413と基台上の模擬飛行装置20へと延伸する縦方向レール420とが一直線となる位置に移動させる。
この状態で、横方向走行台車410上の、車輪を有する台車に載置された模擬操縦席10を、その台車ごと横方向走行台車410上の縦方向レール413から基台上の縦方向レール420へと移動させ、更に、基台上の縦方向レール420上を模擬飛行装置20内へと移動させる。このようにして、模擬飛行装置20による訓練の準備ができる。
また、模擬操縦席10を飛行訓練装置30に組み込む際には、横方向走行台車410を、横方向走行台車410上の縦方向レール413と基台上のいずれかの飛行訓練装置30へと延伸する縦方向レール420とが一直線となる位置に移動させる。
この状態で、横方向走行台車410上の、車輪を有する台車に載置された模擬操縦席10を、その台車ごと横方向走行台車410上の縦方向レール413から基台上の縦方向レール420へと移動させ、更に、基台上の縦方向レール420上を飛行訓練装置30内へと移動させる。このようにして、飛行訓練装置30による訓練の準備ができる。
なお、訓練終了後に、模擬飛行装置20からの、あるいは飛行訓練装置30からの模擬操縦席10の取り外しは、これまでの説明を逆に行えばよく、また、模擬飛行装置20から飛行訓練装置30へ、あるいはその逆の、模擬操縦席10の入れ替えについては、これまでに述べた取り外し、組み込みの手順を組み合わせればよい。
また、これまでの説明で、模擬操縦席移動部400として説明したが、後部キャビン用の車輪を有する台車に載置された後部キャビン60の移動にも供することができる。
このような構成の模擬操縦席移動部400であると、横方向の移動と縦方向の移動とが分離されており、台車、車輪、レールなどの構造が簡便になるという利点がある。
なお、第1の実施形態と同様に、レールとしては、車輪が上部に載置される鉄道用のようなものが好適であるが、それに限定されず、車輪の片側あるいは両側の側面を進行方向に誘導するようなものなど、ガイドする機能があればどのようなものであってもよい。
本発明のヘリコプター操縦訓練装置は、模擬飛行装置と飛行訓練装置とを併用することで訓練の効果を高めることができるから、優秀なヘリコプター操縦者を創出することができ、ヘリコプター産業及びヘリコプターを用いた運輸産業や救難活動などを支援することができ、産業上、大いに利用可能性がある。
1 ヘリコプター操縦訓練システム
10 模擬操縦席
20 模擬飛行装置
30 飛行訓練装置
40 模擬操縦席移動部
60 後部キャビン
400 模擬操縦席移動部
10 模擬操縦席
20 模擬飛行装置
30 飛行訓練装置
40 模擬操縦席移動部
60 後部キャビン
400 模擬操縦席移動部
Claims (2)
- A)ヘリコプターの操縦を模擬的に実行できる、模擬操縦に必要な機器を備えた模擬操縦席と、
B)前記模擬操縦席を脱着可能に載置し、3次元の運動を発生させ、その運動を前記模擬操縦席に伝達することができるモーションプラットホームと、前記模擬操縦席の前方に設けられ、模擬の飛行状況を表示しうる第1の表示部と、前記模擬操縦席・前記モーションプラットホーム・前記第1の表示部を制御してヘリコプターの模擬飛行を実行させる模擬飛行装置制御部とを有する模擬飛行装置と、
C)前記模擬操縦席を脱着可能に収容する模擬操縦席収容部と、前記模擬操縦席収容部で、前記模擬操縦席が収容された際にその前方に設けられ、操縦訓練の状況を表示しうる第2の表示部と、前記模擬操縦席・前記第2の表示部を制御してヘリコプターの飛行訓練を実行させる飛行訓練装置制御部とを有する飛行訓練装置と、
D)前記模擬操縦席を、前記模擬飛行装置のモーションプラットホームとの間で装着しまたは取り外すことができ、前記飛行訓練装置との間で装着しまたは取り外すことができ、更に、前記モーションプラットホームと前記飛行訓練装置との間で移動させることができる模擬操縦席移動部と、
E)前記模擬飛行装置・前記飛行訓練装置・前記模擬操縦席移動部を制御して前記模擬操縦席の移動を制御するヘリコプター操縦訓練システム制御部と
を有するヘリコプター操縦訓練システム。 - 前記模擬操縦席及び/または前記飛行訓練装置の台数は、前記模擬飛行装置の台数よりも多いことを特徴とする請求項1に記載のヘリコプター操縦訓練システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020021028A JP2021128196A (ja) | 2020-02-10 | 2020-02-10 | ヘリコプター操縦訓練システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020021028A JP2021128196A (ja) | 2020-02-10 | 2020-02-10 | ヘリコプター操縦訓練システム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2021128196A true JP2021128196A (ja) | 2021-09-02 |
Family
ID=77488421
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2020021028A Pending JP2021128196A (ja) | 2020-02-10 | 2020-02-10 | ヘリコプター操縦訓練システム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2021128196A (ja) |
-
2020
- 2020-02-10 JP JP2020021028A patent/JP2021128196A/ja active Pending
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20230407 |
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A917 | Reason for reinstatement of right to file examination request |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A917 Effective date: 20230407 |