JP2021127632A - 改装用建具 - Google Patents

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Abstract

【課題】異なる種類の既設枠にも柔軟に対応できる汎用性の高い改装用建具を提供する。【解決手段】改装用建具は、既設障子を撤去して残存させた既設枠の枠内側に取り付けられる新設枠を備え、該新設枠の枠内側に新設障子が支持される改装用建具であって、前記新設枠の少なくとも下枠は、前記既設枠の見込み面の少なくとも一部を覆い、前記新設障子が配設されるカバー部材と、前記カバー部材に対して枠内外方向の任意位置で連結されるアングル部材と、を備える。【選択図】図3

Description

本発明は、例えば浴室出入口のリフォームに用いる改装用建具に関する。
浴室と脱衣室との間を仕切る浴室出入口等には、枠体で障子を開閉可能に支持した建具が設けられる。このような建具は、破損したり老朽化したりした際にリフォームされることがある。例えば特許文献1には、浴室の改装用建具として、既設枠を残したままその枠内側を新設枠で覆い、この新設枠で新設障子を開閉可能に支持した構成が開示されている。
特許第6421051号公報
例えば上記のように浴室出入口を仕切る建具は、脱衣室側への漏水を防ぐため、既設枠の浴室側の部位と脱衣室側の部位との間に段差が設けられた構成がある。そこで、上記特許文献1の新設枠は、一体成形された浴室側の部位(中空部)と脱衣室側の部位(アングル部)との間に段差を形成した略クランク形状の形材を用いることで、既設枠の段差に対応している。この構成では、決まった仕様の既設枠に対しては、既設枠の段差をそのまま覆い隠すことができる。
ところが、既設枠は、例えば同一製造者間でも複数の仕様があり、段差の高さが異なる。このため、特許文献1の構成では、例えば段差が小さい場合には、脱衣室側のアングル部が床面から大きく浮き上がってしまい、床面との間に大きな隙間が形成される懸念がある。そこで、この構成では、アングル部の脱衣室側にカバー材を連結しているが、カバー材の長さ調整や防水シールが煩雑である。しかもアングル部が脱衣室側の床面から大きく浮き上がった結果、脱衣室側に大きな段差ができ、浴室への出入りの障害にもなる。一方、特許文献1の構成は、既設枠の段差が大きい場合には、今度は新設枠の浴室側の中空部が既設枠から大きく浮き上がってしまい、上記と同様な問題を生じ得る。
本発明は、上記従来技術の課題を考慮してなされたものであり、異なる種類の既設枠にも柔軟に対応できる汎用性の高い改装用建具を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る改装用建具は、既設障子を撤去して残存させた既設枠の枠内側に取り付けられる新設枠を備え、該新設枠の枠内側に新設障子が支持される改装用建具であって、前記新設枠の少なくとも下枠は、前記既設枠の見込み面の少なくとも一部を覆い、前記新設障子が配設されるカバー部材と、前記カバー部材に対して枠内外方向の任意位置で連結されるアングル部材と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、異なる種類の既設枠にも柔軟に対応できる高い汎用性を有する改装用建具が得られる。
一実施形態に係る改装用建具の縦断面図である。 図1に示す改装用建具の横断面図である。 新設枠の下枠及びその周辺部を拡大した縦断面図である。 新設枠の下枠及びこれに連結される額縁部材の分解図である。 既設枠の段差が低い構成での新設枠の取付構造の一例を示す縦断面図である。 既設枠の段差が低い構成での新設枠の取付構造の別の一例を示す縦断面図である。
以下、本発明に係る改装用建具について好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
図1及び図2に示すように、改装用建具10(以下、単に「建具10」と呼ぶ)は、建物の躯体12の開口部12aに予め設置されていた既設枠14の枠内側に新たな開口枠である新設枠16を取り付けて新設障子18を開閉可能に支持したものである。既設枠14は、改装前に設置されていた既設障子を撤去した際に残存させたものである。つまり建具10は、既設枠14の撤去工事が不要であり、低コスト且つ短期間での施工が可能である。
建具10は、ユニットバス等で構成される浴室の出入口に設けられ、浴室と脱衣室との間を開閉可能に仕切るものである。建具10は、既存の建具の改装用であれば、浴室出入口の改装用に限定されず、例えば玄関ドアの改装用等にも利用できる。
図1及び図2に示すように、建具10は、既設枠14と、新設枠16と、新設障子18と、額縁部材20と、を備える。
既設枠14は、上枠14a、下枠14b、及び左右の縦枠14c,14dを四周枠組みすることで矩形の開口部を形成したものである。各枠14a〜14dは、例えばアルミニウム等の金属材料の押出形材である。各枠14a〜14dは、新設枠16の取付前から躯体12に固定されている。
本出願において、見込み方向とは建具10の室内外方向、つまり浴室側から脱衣室側に向かう方向又はその逆方向(図中に矢印Zで示す方向)をいう。見込み面とは見込み方向に沿って延在する面をいう。見付け方向とは見込み方向に直交する方向であり、上下方向に長尺な縦枠14c等の場合はその長手方向に直交する左右方向(図中に矢印Xで示す方向)をいい、左右方向に長尺な上枠14a等の場合はその長手方向に直交する上下方向(図中に矢印Yで示す方向)をいう。見付け面とは見付け方向に沿った面をいう。枠状部材の内側(内周側)とは、既設枠14や新設枠16の枠内部分をいう。枠状部材の外側(外周側)とは、既設枠14や新設枠16の躯体12側の枠外部分をいう。枠内方向とは、枠状部材である既設枠14や新設枠16の枠外側(外周側)から枠内側(内周側)に向かう方向をいう。枠外方向とは、枠状部材である既設枠14や新設枠16の枠内側から枠外側に向かう方向をいう。
図1に示すように、既設枠14の下枠14bは、撤去された既設障子が配置されていた見込み面22と、見込み面22から枠内側に屈曲し、さらに脱衣室側に屈曲したアングル部23と、を有する。見込み面22には、既設障子の戸車を案内していたレール22aが突設されている。アングル部23は、略L字形状を有する。下枠14bは、アングル部23により、見込み方向で浴室側よりも脱衣室側が高い段差23aが形成されている。段差23aは、既設障子の戸当たりや、浴室から脱衣室側への漏水を防止する止水壁として機能していた部分である。
既設枠14の上枠14aは、下枠14bと略同一形状であって、下枠14bを上下反転させた構造となっている。このため、上枠14aについては、下枠14bと同一又は同様な要素には同一の参照符号を付して、詳細な説明を省略する。
図2に示すように、既設枠14の縦枠14cは、下枠14bと比べて、アングル部23の代わりに、取付片24及び戸当たり片25を有し、段差23aを持たない点が異なる。取付片24は、見込み面22と略面一に設けられ、浴室側に延びた板片である。戸当たり片25は、取付片24の浴室側端部から枠内側に突出した板片である。縦枠14dは、縦枠14cと左右対称構造であるため、縦枠14cと同一又は同様な要素には同一の参照符号を付して、詳細な説明を省略する。
新設枠16は、上枠16a、下枠16b、左右の縦枠16c,16dを四周枠組みすることで矩形の開口部を形成したものである。各枠16a〜16dは、例えばアルミニウム等の金属材料の押出形材である。新設枠16は、既設枠14の枠内側に設置され、既設枠14を覆っている。
額縁部材20は、上額縁20a、下額縁20b、及び左右の縦額縁20c,20dを四周枠組みすることで矩形の開口部を形成したものである。各額縁20a〜20dは、例えばアルミニウム等の金属材料の押出形材である。額縁部材20は、新設枠16の脱衣室側に設置され、新設枠16で隠しきれない既設枠14の脱衣室側部位を覆い隠す。本実施形態の額縁部材20は、新設枠16と躯体12との間に介在するブラケットとしても機能する。
図3及び図4に示すように、新設枠16の下枠16bは、カバー部材28と、アングル部材30と、を備える。下枠16bは、既設枠14の下枠14bと異なり、別体に構成されたカバー部材28とアングル部材30とを連結した分割構造の枠材である。
カバー部材28は、既設枠14の下枠14bの見込み面22の少なくとも一部を覆う部分である。カバー部材28は、見込み面部28aと、第1見付け片28bと、第2見付け片28cと、戸当たり片28dと、を有する。
見込み面部28aは、見込み方向に沿って延在し、浴室側部分が僅かに枠外側に傾斜した板部である。見込み面部28aは、下枠14bの見込み面22を枠内側から覆うようにレール22aの上から設置される。見込み面部28aは、下枠16bの内側見込み面32を形成する部材である。新設障子18は、内側見込み面32の枠内側に配設される。内側見込み面32には、新設障子18の戸車を案内するためのレール32aが突設されている。
見込み面部28aの外側見込み面には、見込み方向に並んだ一対のビスホール34,35が形成されている。ビスホール34,35は、下枠16bの長手方向(X方向)に延在している。ビスホール34,35は、下枠16bと縦枠16c,16dとを固定するためのビスの締結孔である。ビスホール35は、脱衣室側の側壁が第2見付け片28cで兼用されている。
第1見付け片28bは、見込み面部28aの浴室側端部から枠外側に突出し、既設枠14の下枠14bの浴室側見付け面36を覆い隠す板片である。第1見付け片28bには、後述するアングル部材30と同様な折り取り溝が設けられ、その枠内外方向の長さ調整が可能となっている。第2見付け片28cは、見込み面部28aの脱衣室側端部から枠外側に突出し、先端部が既設枠14の下枠14bの見込み面22に突き当てられる板片である。アングル部材30は、この第2見付け片28cに連結される。
戸当たり片28dは、見込み面部28aの脱衣室側端部から枠内側に突出しており、新設障子18の戸当たりとなる板片である。戸当たり片28dは、枠内外方向で第2見付け片28cと同一平面上に配置され、第2見付け片28cと共にアングル部材30の当接面を形成する。
アングル部材30は、躯体12と下枠16bとの間に介在し、下枠16bの躯体12に対する取付部となる取付部材であり、略L字形状を成している。本実施形態のアングル部材30は、躯体12に直接的に固定されるのではなく、額縁部材20(下額縁20b)を介して間接的に躯体12と固定される。アングル部材30は、額縁部材20を介さずに躯体12と直接的に固定されてもよい。またアングル部材30は、図6に示す構成例のように既設枠14を介して躯体12と間接的に又は直接的に固定されてもよい。アングル部材30は、連結板部40と、見込み片42と、を有する。
連結板部40は、枠内外方向に延在した板片である。連結板部40は、カバー部材28の第2見付け片28cに対してねじ44を用いて連結される。ねじ44は、第2見付け片28cを貫通してビスホール35を見込み方向に穿孔して固定される。
ここで、連結板部40は、その浴室側見付け面40aが、第2見付け片28c及び戸当たり片28dの脱衣室側見付け面28eと当接する。このため、連結板部40は、枠内外方向(Y方向)の任意位置でカバー部材28に連結できる。換言すれば、連結板部40は、第2見付け片28cに対する枠内外方向位置を変更することで、アングル部材30に対する枠内外方向での連結位置を容易に調整可能である。図3に示す構成例では、連結板部40が第2見付け片28cに対してある程度枠内側に位置して連結されている。このため、連結板部40が、新設枠16における浴室側と脱衣室側の間の段差を形成している。
連結板部40の脱衣室側見付け面には、枠内外方向に沿って等間隔で並設された複数の折り取り溝40bが形成されている。各折り取り溝40bは、アングル部材30の長手方向(X方向)に延在しておる。連結板部40は、所望の折り取り溝40bで先端側を折り取ることで、枠内外方向の長さを容易に調整できる。その結果、連結板部40は、その先端が既設枠14の見込み面22に干渉することを回避でき、アングル部材30のカバー部材28に対する枠内外方向での連結位置の調整幅を大きく確保できる。図3中の参照符号46は、連結板部40と既設枠14との間を防水するシール材である。
見込み片42は、連結板部40の枠内側端部(上端部)から脱衣室側に延在している。見込み片42は、躯体12に対する固定部となる。上記の通り、本実施形態のアングル部材30は、額縁部材20を介して躯体12に固定される。このため、見込み片42は、下額縁20bと連結される。見込み片42の外側見込み面には、見込み方向で一対の突起42aが形成されている。突起42aは省略されてもよい。
図3及び図4に示すように、額縁部材20の下額縁20bは、額縁板部48と、凹状部50と、を有する。
額縁板部48は、見込み方向に沿って延在した板部である。額縁板部48は、浴室側端部がアングル部材30の見込み片42の枠外側に重ねて配置され、ねじ52を用いて見込み片42と連結される。具体的には、本実施形態の見込み片42は、各突起42aが額縁板部48の内側見込み面に当接した状態で、見込み方向で突起42a,42a間にねじ52が枠内側から貫通される。これにより見込み片42が額縁板部48に対して安定して固定される。
額縁板部48の外側見込み面には、その見込み方向に沿って等間隔で並設された複数の折り取り溝48aが形成されている。各折り取り溝48aは、額縁板部48の長手方向(X方向)に延在している。額縁板部48は、所望の折り取り溝48aで先端側を折り取ることで、見込み方向の長さを容易に調整できる。その結果、額縁板部48は、その先端がアングル部材30の連結板部40に干渉することを回避でき、下額縁20bのアングル部材30に対する見込み方向での連結位置の調整幅を大きく確保できる。
凹状部50は、額縁板部48の脱衣室側端部に一体形成され、枠外側に凹んで枠内側が開口した凹形状を有する。下額縁20bは、凹状部50の底面50aが躯体12の表面12b(下枠16b側では脱衣室側の床面)に当接して配置される。下額縁20bは、凹状部50の内側に向かって枠内側から底面50aを貫通するねじ54で躯体12と固定される。凹状部50の開口は、ねじ54の頭部を収納した状態でキャップ56が装着され、閉塞される。下額縁20bは、凹状部50を持たない構成としてもよく、その場合は、例えば下額縁20bの外側見込み面に形成されたビスホールが表面12bに当接配置される。
下額縁20bは、凹状部50の底面50aが躯体12の表面12bに対する当接面となるため、額縁板部48は底面50aから枠内側に位置ずれする(図3参照)。そこで、額縁板部48と表面12bとの間にスペーサ58を介在させるとよい。
図3中の参照符号60は、額縁部材20の脱衣室側端部と躯体12の表面12bとの間に介在し、額縁部材20と表面12bとの間の隙間を目立たなくする見切り材である。見切り材60は、ねじ62を用いて躯体12に固定される。見切り材60は、省略してもよい。
図1に示すように、新設枠16の上枠16aは、下枠16bと略同一形状であって、下枠16bを上下反転させた構造となっている。このため、上枠16aについては、下枠16bと同一又は同様な要素には同一の参照符号を付して、詳細な説明を省略する。すなわち、上枠16aについても、互いに枠内外方向に位置調整可能なカバー部材28及びアングル部材30を備え、アングル部材30が上額縁20aを介して躯体12と固定される。
図2に示すように、新設枠16の縦枠16cは、下枠16bのカバー部材28及びアングル部材30に代えて、互いの枠内外方向の連結位置が調整不能に形成されたカバー部材28及びアングル部材30を備える。縦枠16cのカバー部材28は、既設枠14の縦枠14cとの間にスペーサを挟んでねじ64で固定される。縦額縁20cは、下額縁20bと略同一構造である。縦額縁20cは、縦枠16cのアングル部材30に対してねじ52で連結される。縦枠16dは、縦枠16cと左右対称構造であるため、縦枠16cと同一又は同様な要素には同一の参照符号を付して、詳細な説明を省略する。同様に、縦額縁20dは、縦額縁20cと左右対称構造であるため、縦額縁20cと同一又は同様な要素には同一の参照符号を付して、詳細な説明を省略する詳細な説明を省略する。
図1及び図2に示すように、新設障子18は、2枚の障子18a,18b間を連結框66で相対的に回動可能に連結した折戸である。図2中の参照符号18c,18dは、それぞれ浴室側、脱衣室側のハンドルである。新設障子18は、一般的な公知の折戸と同様な構成でよいため、詳細な説明は省略する。新設障子18は、折戸以外、例えば開き戸や引き戸等でもよい。
以上のように、本実施形態の下枠16b(上枠16a)は、既設枠14の下枠14b(上枠14a)の段差23a、或いは既設枠の脱衣室側にある額縁部材の高さに応じて、カバー部材28の第2見付け片28cに対するアングル部材30の連結板部40の連結位置を調整できる。すなわち、ねじ44は、カバー部材28に対する締結位置は不変であり、第2見付け片28c及びビスホール35に対応した位置に締結される。そこで、アングル部材30は、第2見付け片28cに対して連結板部40の枠内外方向位置を段差23aの高さに適した位置に設定し、ねじ44で締結する。この際、連結板部40は、その先端部が既設枠14に干渉する際は、折り取り溝40bで適宜長さに折り取ることができる。
従って、当該建具10は、段差23aの高さが異なる複数種類の既設枠14に対しても柔軟に対応でき、高い汎用性が得られる。例えば、図5に示す構成例は、図3に示す構成例よりも既設枠14の段差23aが小さいか、或いは段差23aが実質的にない構成を例示している。図5に示す構成例において、下枠16bは、アングル部材30の見込み片42がカバー部材28の戸当たり片28dの先端部よりも枠外側に寄った位置に調整されている。これにより、下枠16b及びこれと連結される下額縁20bが、見込み方向で略フラットな構成となっている。図5では、ねじ54,62の図示を省略している。
図6に示す構成例は、図5に示す構成例よりも、アングル部材30をカバー部材28に対してさらに枠外側に調整して連結した構成である。この構成では、下額縁20bによる段差をなくすため、下額縁20bを設置していない。アングル部材30は、見込み片42が薄板状のスペーサ板68を挟んで既設枠14にねじ52で固定されている。つまり下枠16bは、既設枠14の下枠14bを介して躯体12に固定されている。これにより、下枠16bは、戸当たり片28dが突出している以外は、見込み方向で略完全にフラットな構成となっている。
このように建具10では、額縁部材20を省略してもよい。但し、図3等に示す構成のように額縁部材20を用いると、新設枠16の脱衣室側の外観品質を一層高めることができる。また、額縁部材20を用いた構成では、新設枠16が額縁部材20を介して躯体12にねじ54で固定される。このため、躯体12に対するねじ54は、浴室から脱衣室側へと大きく離間した位置に締結され、躯体12に対する浸水の発生が一層抑制される。
ここで、建具10の施工手順の一例を説明する。建具10を施工する際は、先ず、既設枠14で支持していた既設障子を撤去する。次に、上枠16a及び下枠16bのカバー部材28とアングル部材30の枠内外方向の位置調整を適宜調整し、カバー部材28とアングル部材30をねじ44で連結する。そして、新設枠16の各枠16a〜16dを互いに連結して四周枠組みする。一方、新設枠16の枠組み工程と前後して、額縁部材20の各額縁20a〜20dを互いに連結して四周枠組みする。そして、枠組みした新設枠16を既設枠14の枠内側へと浴室側から挿入し、枠組みした額縁部材20を既設枠14の枠内側へと脱衣室側から挿入する。この際、新設枠16と既設枠14との間にはシール材46を設けておく。最後に、新設枠16と額縁部材20とをねじ52で連結し、額縁部材20をねじ54で躯体12に固定し、必要に応じて見切り材60を設置することで建具10の施工が完了する。
本発明の一態様に係る改装用建具は、既設障子を撤去して残存させた既設枠の枠内側に取り付けられる新設枠を備え、該新設枠の枠内側に新設障子が支持される改装用建具であって、前記新設枠の少なくとも下枠は、前記既設枠の見込み面の少なくとも一部を覆い、前記新設障子が配設されるカバー部材と、前記カバー部材に対して枠内外方向の任意位置で連結されるアングル部材と、を備えることを特徴とする。このような構成によれば、カバー部材とアングル部材の連結位置を調整することで、異なる種類の既設枠に対しても柔軟に対応でき、高い汎用性が得られる。
前記アングル部材は、建物の躯体と前記新設枠との間に介在し、前記躯体に対する前記新設枠の間接的な又は直接的な取付部であるとよい。そうすると、新設枠は、アングル部材を介して躯体に安定して固定できる。
さらに、見込み方向で一端部が前記アングル部材と連結され、見込み方向で他端部が前記躯体と固定される額縁部材を備え、前記アングル部材は、前記額縁部材を介して前記躯体と固定される構成としてもよい。そうすると、新設枠の見込み方向で一方側の外観品質を一層高めることができる。しかも当該改装用建具は、額縁部材を介して新設枠を躯体に固定することで、躯体に対するねじ止め位置を見込み方向で一方側へと可及的にオフセットできる。このため、例えば当該改装用建具が浴室出入口に設置された際、躯体に対するねじを浴室から脱衣室側へと大きく離間した位置に締結でき、躯体に対する浸水の発生が一層抑制される。
前記カバー部材は、内側見込み面を形成する見込み面部と、見込み方向で前記見込み面部の一端部から枠外側に突出し、前記既設枠の見付け面を覆う第1見付け片と、見込み方向で前記見込み面部の他端部から枠外側に突出した第2見付け片と、を有し、前記アングル部材は、枠内外方向に沿って延在し、前記第2見付け片と前記任意位置でねじ止め可能な連結板部と、前記連結板部の枠内側端部から見込み方向で前記カバー部材から離間する方向に突出した見込み片と、を有する構成としてもよい。そうすると、カバー部材に対するアングル部材の連結位置を容易に調整できる。
前記カバー部材は、さらに、見込み方向で前記見込み面部の他端部から枠内側に突出し、前記新設障子の戸当たりとなる戸当たり片を有し、前記連結板部は、前記第2見付け片及び前記戸当たり片と当接した状態で、前記第2見付け片と固定される構成としてもよい。そうすると、連結板部が、第2見付け片及び戸当たり片で支持されるため、カバー部材とアングル部材の連結状態がより安定する。
さらに、見込み方向で一端部が前記アングル部材と連結され、見込み方向で他端部が前記躯体と固定される額縁部材を備え、前記アングル部材は、前記額縁部材を介して前記躯体と固定されるものであり、前記額縁部材は、見込み方向に延在し、見込み方向で一端部が前記アングル部材の前記見込み片と連結される額縁板部と、前記額縁板部の見込み方向で他端部に設けられた凹状部と、を有し、前記額縁部材は、前記凹状部の底面が前記躯体の表面に当接した状態で、該凹状部の内側から前記底面を貫通したねじにより、前記躯体と固定される構成としてもよい。
当該改装用建具は、浴室と脱衣室との間を仕切る浴室用建具であり、前記新設枠は、前記カバー部材が前記浴室側に配置され、前記アングル部材が前記脱衣室側に配置される構成としてもよい。そうすると、仕様によって浴室と脱衣室との間の段差の高さが異なる複数種類の既設枠に対しても新設枠を容易に施工できる。
なお、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で自由に変更できることは勿論である。
10 建具、12 躯体、14 既設枠、14a,16a 上枠、14b,16b 下枠、14c,14d,16c,16d 縦枠、16 新設枠、18 新設障子、20 額縁部材、28 カバー部材、28a 見込み面部、28b 第1見付け片、28c 第2見付け片、28d 戸当たり片、30 アングル部材、40 連結板部、42 見込み片、48 額縁板部、50 凹状部

Claims (7)

  1. 既設障子を撤去して残存させた既設枠の枠内側に取り付けられる新設枠を備え、該新設枠の枠内側に新設障子が支持される改装用建具であって、
    前記新設枠の少なくとも下枠は、
    前記既設枠の見込み面の少なくとも一部を覆い、前記新設障子が配設されるカバー部材と、
    前記カバー部材に対して枠内外方向の任意位置で連結されるアングル部材と、
    を備えることを特徴とする改装用建具。
  2. 請求項1に記載の改装用建具であって、
    前記アングル部材は、建物の躯体と前記新設枠との間に介在し、前記躯体に対する前記新設枠の間接的な又は直接的な取付部となることを特徴とする改装用建具。
  3. 請求項2に記載の改装用建具であって、
    さらに、見込み方向で一端部が前記アングル部材と連結され、見込み方向で他端部が前記躯体と固定される額縁部材を備え、
    前記アングル部材は、前記額縁部材を介して前記躯体と固定されることを特徴とする改装用建具。
  4. 請求項2に記載の改装用建具であって、
    前記カバー部材は、
    内側見込み面を形成する見込み面部と、
    見込み方向で前記見込み面部の一端部から枠外側に突出し、前記既設枠の見付け面を覆う第1見付け片と、
    見込み方向で前記見込み面部の他端部から枠外側に突出した第2見付け片と、
    を有し、
    前記アングル部材は、
    枠内外方向に沿って延在し、前記第2見付け片と前記任意位置でねじ止め可能な連結板部と、
    前記連結板部の枠内側端部から見込み方向で前記カバー部材から離間する方向に突出した見込み片と、
    を有する
    ことを特徴とする改装用建具。
  5. 請求項4に記載の改装用建具であって、
    前記カバー部材は、さらに、見込み方向で前記見込み面部の他端部から枠内側に突出し、前記新設障子の戸当たりとなる戸当たり片を有し、
    前記連結板部は、前記第2見付け片及び前記戸当たり片と当接した状態で、前記第2見付け片と固定されることを特徴とする改装用建具。
  6. 請求項4又は5に記載の改装用建具であって、
    さらに、見込み方向で一端部が前記アングル部材と連結され、見込み方向で他端部が前記躯体と固定される額縁部材を備え、
    前記アングル部材は、前記額縁部材を介して前記躯体と固定されるものであり、
    前記額縁部材は、
    見込み方向に延在し、見込み方向で一端部が前記アングル部材の前記見込み片と連結される額縁板部と、
    前記額縁板部の見込み方向で他端部に設けられた凹状部と、
    を有し、
    前記額縁部材は、前記凹状部の底面が前記躯体の表面に当接した状態で、該凹状部の内側から前記底面を貫通したねじにより、前記躯体と固定されることを特徴とする改装用建具。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の改装用建具であって、
    当該改装用建具は、浴室と脱衣室との間を仕切る浴室用建具であり、
    前記新設枠は、前記カバー部材が前記浴室側に配置され、前記アングル部材が前記脱衣室側に配置されることを特徴とする改装用建具。
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