JP2021127548A - 吸水性及び撥水性を併せ持つ繊維製品 - Google Patents

吸水性及び撥水性を併せ持つ繊維製品 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、汗を速やかに吸収して、かつ、汗によって繊維製品が濡れた際に肌へのべたつき感を抑制することができる繊維製品を提供することを目的とする。【解決手段】少なくとも一方の面が、表面処理剤で処理された繊維製品であって、前記繊維製品は、前記表面処理剤を含有する表面処理層、及び前記表面処理剤を含有しない非表面処理層を有し、前記非表面処理層は、吸水性を有しており、前記表面処理剤は、水系分散体を含有し、炭素数7以上のパーフルオロアルキル基を有する化合物を含まず、前記表面処理層の表面は、水よりも低く、アルコールよりも高い表面張力を有し、前記表面処理層に水が接触した場合、水が前記表面処理層を通過して非表面処理層に吸収され、かつ、前記表面処理層の表面に水が戻らないことを特徴とする、繊維製品。【選択図】なし

Description

本発明は、吸水性及び撥水性を併せ持つ繊維製品に関する。
運動、作業等によって生じる汗は、衣服に吸収されるが、その衣服が濡れることから、肌と衣服とのべたつきによる不快感が生じる。そこで、これまでにも、肌へのべたつき感が抑制された繊維製品が幾つか提案されている。例えば、特許文献1〜5には、吸水性を有する布帛、織編物等の繊維製品において、肌側(肌が接触する側)の面に、部分的に撥水剤を処理した繊維製品が開示されている。
しかしながら、これら特許文献1〜5に記載の繊維製品は、吸水性と肌へのべたつき感の抑制効果を両立させるために、プリント加工等により撥水剤を部分的に処理することに加え、撥水剤を処理する面積、柄等を緻密に制御する必要があった。
肌へのべたつき感をさらに抑制させる目的で、撥水剤の処理面積を増加させた場合、吸水性が低下し、かえってムレ感の発生につながることがわかった。このことが、繊維製品の吸水性及び撥水性の制御をさらに困難にする要因となっている。
そして、これら特許文献1〜5において使用されている撥水剤は、きわめて撥水力が強い、炭素数7以上のパーフルオロアルキル基を含有するフッ素系撥水剤である。
しかしながら、近年、パーフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)、パーフルオロオクタン酸(PFOA)等の炭素数7以上のパーフルオロアルキル基を含有するフッ素系化合物は、哺乳動物の体内に蓄積することが判明し、安全性及び環境負荷が懸念されている。
特開2010−144283号公報 特開昭60−119276号公報 特開2013−133572号公報 特開2005−336633号公報 特開2007−191812号公報
そこで、本発明は、撥水性を付与する表面処理剤の処理面積をより大きくした場合にも、吸水性の阻害が小さいため、汗を速やかに吸収して、かつ、汗によって繊維製品が濡れた際に肌へのべたつき感を抑制することができる繊維製品を提供することを目的とする。
また、本発明は、安全性及び環境負荷が懸念されている薬剤、特に炭素数7以上のパーフルオロアルキル基を有する化合物からなるフッ素系撥水剤を使用しない繊維製品を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、下記のとおり、少なくとも一方の面を表面処理剤で処理することにより、繊維製品の表面が適度な表面張力を有するように調整することによって、繊維製品が汗を速やかに吸収し、かつ、肌へのべたつき感を抑制することができることを見出した。
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
(項1)
少なくとも一方の面が、表面処理剤で処理された繊維製品であって、
前記繊維製品は、前記表面処理剤を含有する表面処理層、及び前記表面処理剤を含有しない非表面処理層を有し、
前記非表面処理層は、吸水性を有しており、
前記表面処理剤は、水系分散体を含有し、炭素数7以上のパーフルオロアルキル基を有する化合物を含まず、
前記表面処理層の表面は、水よりも低く、アルコールよりも高い表面張力を有し、
前記表面処理層に水が接触した場合、水が前記表面処理層を通過して非表面処理層に吸収され、かつ、前記表面処理層の表面に水が戻らないことを特徴とする、繊維製品。
(項2)
少なくとも一方の面が、表面処理剤で処理された繊維製品であって、
前記繊維製品は、前記表面処理剤を含有する表面処理層、及び前記表面処理剤を含有しない非表面処理層を有し、
前記繊維製品は、前記表面処理剤が部分的にプリント加工されたものではなく、
前記非表面処理層は、吸水性を有しており、
前記表面処理剤は、水系分散体を含有し、炭素数7以上のパーフルオロアルキル基を有する化合物を含まず、
前記表面処理層の表面は、水よりも低く、アルコールよりも高い表面張力を有し、
前記表面処理層の表面の垂直方向に向けて高さ0.5cm以上の位置から水を落とした場合、水が前記表面処理層を通過して非表面処理層に吸収され、かつ、前記表面処理層の表面に水が戻らないことを特徴とする、繊維製品。
(項3)
前記表面処理層の表面の表面張力が、0.1〜99.9質量%のアルコール水溶液(アルコール及び水との混合溶液)の表面張力である、項1又は2に記載の繊維製品。
(項4)
前記表面処理層の表面の表面張力が、1〜50質量%のアルコール水溶液の表面張力である、項1〜3の何れか一項に記載の繊維製品。
(項5)
前記表面処理層の表面の表面張力が、20.7mN/mより大きく、72.1mN/m未満である、項1〜4の何れか一項に記載の繊維製品。
(項6)
前記表面処理層の表面の表面張力が、24mN/m以上、62.5mN/m以下である、項1〜5の何れか一項に記載の繊維製品。
(項7)
前記アルコールが、イソプロピルアルコールである、項1〜6の何れか一項に記載の繊維製品。
(項8)
前記繊維製品を、水及びアルコールを含む混合溶液中に、5秒間浸漬させた場合、前記繊維製品が180秒以内に沈降する、項1〜7の何れか一項に記載の繊維製品。
(項9)
前記繊維製品の厚みが0.1〜3mmであり、かつ、目付が50〜300g/mである、項1〜8の何れか一項に記載の繊維製品。
(項10)
前記繊維製品の目付が50〜300g/mである、項1〜9の何れか一項に記載の繊維製品。
(項11)
前記繊維製品の厚みが0.1〜3mmである、項1〜10の何れか一項に記載の繊維製品。
(項12)
前記繊維製品が、綿、麻、及び吸水加工されたポリエステル繊維からなる群より選択される少なくとも1種で構成される繊維製品である、項1〜11の何れか一項に記載の繊維製品。
(項13)
前記繊維製品が、綿、麻、又は吸水加工されたポリエステル繊維から構成される繊維製品である、項1〜12の何れか一項に記載の繊維製品。
(項14)
前記繊維製品が、綿及び吸水加工されたポリエステル繊維の混紡繊維、又は、麻及び吸水加工されたポリエステル繊維の混紡繊維のいずれかで構成される繊維製品である、項1〜12の何れか一項に記載の繊維製品。
(項15)
前記表面処理剤中の水系分散体が、0.0001g/m〜10g/mの処理量(ドライ)で処理された、項1〜14の何れか一項に記載の繊維製品。
(項16)
前記繊維製品を、表面処理層が上になるように水平に置き、高さ5cmの位置から水滴を1滴滴下した場合、水滴が繊維製品の表面に達した時から、該水滴が消失するまでの時間が5秒以下である、項1〜15の何れか一項に記載の繊維製品。
(項17)
前記表面処理剤が、(1A)少なくとも炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基を有するオレフィン系化合物(単量体)に由来する構成単位を含有する重合体を含む水系分散体を含有する、項1〜16の何れか一項に記載の繊維製品。
(項18)
前記表面処理剤が、(1B)少なくとも炭素数1〜40の炭化水素基を有するオレフィン系化合物(単量体)に由来する構成単位を含有する重合体を含む水系分散体を含有する、項1〜16の何れか一項に記載の繊維製品。
(項19)
前記表面処理剤が、(1C)直鎖状、分岐鎖状又は環状のオレフィン化合物、及びハロゲン化オレフィン化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物から誘導される構成単位を有する重合体を含む水系分散体を含有する、項1〜16の何れか一項に記載の繊維製品。
(項20)
前記表面処理剤が、さらに、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、トリメチレンオキサイド、及びテトラメチレンオキサイドからなる群より選択される少なくとも1種の構成単位;及び/又は
カルボキシ基、スルホ基、リン酸基、アミノ基、置換アミノ基、第4級アンモニウム基、及びアミド基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基を有する重合体;又はこれらの中和塩を含む水系分散体を含有する、項17〜19の何れか一項に記載の繊維製品。
(項21)
前記表面処理剤が、(2)20℃において固体状である、脂肪族エステル化合物、脂肪族アミド化合物、脂肪族ウレタン化合物、又は脂肪族ウレア化合物を含む水系分散体を含有する、項1〜16の何れか一項に記載の繊維製品。
(項22)
前記表面処理剤が、(3)イソシアネート基と反応可能な官能基を有する炭化水素化合物を含む水系分散体を含有する、項1〜16の何れか一項に記載の繊維製品。
(項23)
前記イソシアネート基と反応可能な官能基を有する炭化水素化合物が、一般式(3A):
31[−A31−R31]a[−B31]b (3A)
[式中、W31は、(a+b)価の有機基を示す。
31は、W31に結合しており、−X31−Y31−又は−Y31−を示す。
31は、W31に結合しており、−X31−Z31又は−Z31を示す。
aは、1以上の整数を示す。
bは、1以上の整数を示す。
(a+b)は、2〜42を示す。
31は、2価のポリアルキレンエーテル基を示す。
31は、2価の基であって、エーテル基、エステル基、アミド基、ウレタン基、ウレア基、又はチオウレタン基を示す。
31は、炭素数1〜40の1価の炭化水素基を示す。
31は、ヒドロキシ基、アミノ基、カルボキシ基又はチオール基を示す。
ただし、B31が−X31−Z31の場合、Z31は、ヒドロキシ基を示す。]
で表される化合物である、項22に記載の繊維製品。
(項24)
前記表面処理剤が、(4)ワックス系化合物を含む水系分散体を含有する、項1〜16の何れか一項に記載の繊維製品。
(項25)
前記表面処理剤が、パラフィンワックスを含む水系分散体を含有する、項1〜16の何れか一項に記載の繊維製品。
(項26)
前記表面処理剤が、(5)シリコーン系化合物を含む水系分散体を含有する、項1〜16の何れか一項に記載の繊維製品。
(項27)
前記表面処理剤が、変性シリコーン、シリコーンレジン、ジメチルシリコーン、及びメチルハイドロジェンシリコーンからなる群より選択される少なくとも1種のシリコーン系化合物を含む水系分散体を含有する、項1〜16の何れか一項に記載の繊維製品。
(項28)
前記表面処理剤が、前記水系分散体に加えて、さらにイソシアネート系架橋剤、ブロックドイソシアネート系架橋剤、及びメラミン系架橋剤からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を含有する、項1〜27の何れか一項に記載の繊維製品。
(項29)
前記表面処理剤が、前記水系分散体に加えて、さらに増粘剤を含む、項1〜28の何れか一項に記載の繊維製品。
(項30)
水洗又は湯洗された表面処理層を含む、項1〜29の何れか一項に記載の繊維製品。
(項31)
少なくとも一方の面が、表面処理剤で処理された繊維製品が、
前記表面処理剤を含有する表面処理層、及び前記表面処理剤を含有しない非表面処理層を有し、
前記非表面処理層は、吸水性を有しており、
前記表面処理剤は、水系分散体を含有し、炭素数7以上のパーフルオロアルキル基を有する化合物を含まず、
前記表面処理層の表面は、水よりも低く、アルコールよりも高い表面張力を有し、
前記表面処理層に水が接触した場合、水が前記表面処理層を通過して非表面処理層に吸収され、かつ、前記表面処理層の表面に水が戻らない、繊維製品を製造する方法であって、
繊維に、表面処理剤を付着させる工程を備える、
前記繊維製品を製造する方法。
(項32)
少なくとも一方の面が、表面処理剤で処理された繊維製品が、
前記表面処理剤を含有する表面処理層、及び前記表面処理剤を含有しない非表面処理層を有し、
前記非表面処理層は、吸水性を有しており、
前記表面処理剤は、水系分散体を含有し、炭素数7以上のパーフルオロアルキル基を有する化合物を含まず、
前記表面処理層の表面は、水よりも低く、アルコールよりも高い表面張力を有し、
前記表面処理層の表面の垂直方向に向けて高さ5cm以上の位置から水を落とした場合、水が前記表面処理層を通過して非表面処理層に吸収され、かつ、前記表面処理層の表面に水が戻らない、繊維製品を製造する方法であって、
繊維に、表面処理剤を付着させる工程を備え、かつ、
部分的にプリント加工する工程を含まない、
前記繊維製品を製造する方法。
(項33)
さらに、表面処理剤を付着させた繊維製品を、摩擦により、表面処理層の表面張力を調節する工程を備える、項31又は32に記載の製造方法。
(項34)
さらに、表面処理剤を付着させた繊維製品を、水洗又は湯洗する工程を備える、項31〜33の何れか一項に記載の製造方法。
なお、現時点で、上記繊維製品は、物の構造を完全に特定することが不可能又はおよそ実際的ではない程度に困難であるため、プロダクトバイプロセスクレームによって、それぞれの物の発明を記載している箇所もある。
本発明によれば、繊維製品が汗を速やかに吸収し、かつ、汗によって繊維製品が濡れた際に肌へのべたつき感が抑制された繊維製品を提供することができる。
また、本発明においては、安全性及び環境負荷が懸念されている炭素数7以上のパーフルオロアルキル基を有する化合物からなるフッ素系撥水剤を使用しない繊維製品を提供することができる。
図1は、本発明の繊維製品の一実施形態を示す断面図である。 図2は、本発明の繊維製品の他の実施形態を示す断面図である。 図3は、特許文献1〜5に記載に示す撥水剤が部分的にプリント加工された繊維製品の実施形態を示す断面図である。 図4は、本発明の繊維製品の効果を表現した断面図である。具体的には、表面処理層[1]の表面に水が接触した場合、水[4]が前記表面処理層を通過して非表面処理層[2]に吸収され、かつ、前記表面処理層[1]の表面に水が戻らないこと[5]を特徴とする繊維製品を表現した断面図である。 図5は、従来技術である、特許文献1〜5に記載に示す撥水剤が部分的にプリント加工された繊維製品の効果を表現した断面図である。(パターンA)は、表面処理層[1’]の表面に水[4]が接触した場合、水[4]が前記表面処理層を通過できず、水[4]が撥水される(吸収されない)ことを表現している[7]。(パターンB)は、水[4]が、撥水剤が未処理の箇所[3]を通過して、非表面処理層[2]に吸収され、前記表面処理層[1’]の表面に水が一部戻らない[5]が、撥水剤が未処理の箇所[3]から、水[4]が一部表面処理層へ戻ることを表現している[6]。 図6は、繊維製品における表面処理層の表面の表面張力を評価する試験方法の中の、試験布を液中に沈める工程を説明する模式図である。
本発明の繊維製品は、少なくとも一方の面が、表面処理剤で処理された繊維製品であって、前記繊維製品は、前記表面処理剤を含有する表面処理層(以下、「表面処理層」又は「表面処理部」ということもある。)、及び前記表面処理剤を含有しない非表面処理層(以下、「非表面処理層」又は「非表面処理部」ということもある。)を有し、前記非表面処理層は、吸水性を有しており、前記表面処理剤は、水系分散体を含有し、炭素数7以上のパーフルオロアルキル基を有する化合物を含まず、前記表面処理層の表面(以下、「表面処理面」ということもある。)は、水よりも低く、アルコールよりも高い表面張力を有し、前記表面処理層に水が接触した場合、水が前記表面処理層を通過して非表面処理層に吸収され、かつ、前記表面処理層の表面に水が戻らないことを特徴とする、繊維製品(以下、「本発明の繊維製品」ということもある。)である。
繊維製品
繊維製品としては、織編物、不織布等が挙げられる。織編物とは、織物及び/又は編物を意味する。織物としては、平織、綾織、朱子織等の三原組織;変化組織、変化斜文織等の変化組織;経二重織、緯二重織等の片二重組織;たてビロード等が挙げられる。編物としては、経編物、緯編物等が挙げられる。経編物としては、シングルデンビー編、シングルアトラス編、ダブルコード編、ハーフトリコット編、裏毛編、ジャガード編等が挙げられる。緯編物としては、天竺、平編、ゴム編、両面編、パール編、タック編、浮き編、片畔編、レース編、添え毛編等が挙げられる。
本発明で使用できる繊維製品を構成する繊維としては、特に限定はなく、例えば、化学繊維、天然繊維等が挙げられる。化学繊維としては、例えば、ポリエステル、ナイロン、アラミド、アセテート、レーヨン、キュプラ等の繊維が挙げられる。天然繊維としては、例えば、綿、麻、羊毛、絹、カシミヤ等の繊維が挙げられる。これらの繊維製品は、上記繊維単独、又は2種以上が混紡された糸から得られる繊維製品であってよく、さらにこれらの繊維単独、又は2種以上が混紡された糸を交織して得られる繊維製品であってよい。また、繊維製品を構成する繊維層の層数としては、特に限定はなく、単層構造であっても、又は2層以上の多層構造であってもよい。
繊維製品の厚みは、通常0.1〜3mm、好ましくは0.2〜2.5mm、より好ましくは0.3〜2mmである。
繊維製品の目付は、通常50〜300g/m、好ましくは70〜290g/m、より好ましくは90〜280g/mである。
層構造
本発明の繊維製品は、上述したとおり、少なくとも一方の面が、表面処理剤で処理された繊維製品であって、前記繊維製品は、前記表面処理剤を含有する表面処理層、及び前記表面処理剤を含有しない非表面処理層を有する。
本発明の繊維製品は、一方の面だけが表面処理剤で処理された繊維製品であってもよいし、両方の面が表面処理剤で処理された繊維製品であってもよい。本発明の繊維製品の一実施形態を示す断面図を図1に示し、他の実施形態を示す断面図を図2に示す。すなわち、本発明の繊維製品は、一方の面だけが表面処理剤で処理された繊維製品であって、図1に示すとおり、表面処理剤を含有する表面処理層及び表面処理剤を含有しない非表面処理層からなる2層構造の繊維製品とすることができる。また、本発明の繊維製品は、両方の面が表面処理剤で処理された繊維製品であって、図2に示すとおり、表面処理剤を含有する表面処理層、表面処理剤を含有しない非表面処理層、及び表面処理剤を含有する表面処理層からなる3層構造の繊維製品とすることができる。また、これら2層又は3層の繊維製品に対して、さらに別の表面処理剤で処理することにより、4層以上の繊維製品とすることもできる。
本発明の繊維製品は、図3に示すような上記特許文献1〜5に記載に示す撥水剤が部分的にプリント加工された繊維製品とは異なり、撥水剤の未着部分を設ける必要がない繊維製品である。それにもかかわらず、本発明の繊維製品は、図4に示すように、表面処理層[1]の表面に水が接触した場合、水[4]が前記表面処理層を通過して非表面処理層[2]に吸収され、かつ、前記表面処理層[1]の表面に水が戻らない(湿潤しない)こと[5]を特徴としている。
一方、図5に示すように、従来技術である特許文献1〜5に記載に示す撥水剤が部分的にプリント加工された繊維製品は、例えば、(パターンA):表面処理層[1’]に水[4]が接触した場合、水[4]が前記表面処理層を通過できず、水[4]が吸収されないか、又は、(パターンB):水[4]が、撥水剤が未処理の箇所[3]を通過して、非表面処理層[2]に吸収され、前記表面処理層[1’]の表面に水が一部戻らない[5]が、撥水剤が未処理の箇所[3]から、水[4]が一部表面処理層へ戻るという問題点を有している。
表面処理層
表面処理剤を含有する表面処理層とは、表面処理剤が付着している層又は部分を意味する。ここで、表面処理剤は、前記繊維製品の表面に付着するだけでなく、繊維内に染み込む場合もある。表面処理層の上部と下部とでは、表面処理剤の付着量(含有量)が異なる場合もある。例えば、表面処理層の上部(表面処理剤を付着させる側)は表面処理剤の付着量が多く、繊維の内部(下部)にいくに従って表面処理剤の付着量(含有量)が少ない場合がある。
本発明の繊維製品は、前記表面処理層の表面に水が接触した場合、水が前記表面処理層を通過して非表面処理層に吸収され、かつ、前記表面処理層の表面に水が戻らない、繊維製品である。
前記表面処理層の表面は、水よりも低く、アルコールよりも高い表面張力を有する。
前記アルコールとしては、特に限定はなく、例えば、メタノール(20℃における表面張力が22.6mN/m)、エタノール(20℃における表面張力が22.55mN/m)、イソプロピルアルコール(20℃における表面張力が20.8mN/m)等が挙げられる。ここで、単位mN/mは、dyne/cmと言い換えることもできる。
前記表面処理層の表面における表面張力は、水よりも低く、アルコールよりも高ければよい。表面処理層の表面の表面張力は、0.1〜99.9質量%のアルコール水溶液(アルコール及び水との混合溶液)の表面張力と同程度が好ましく、0.5〜60質量%のアルコール水溶液の表面張力と同程度がより好ましく、1〜50質量%のアルコール水溶液の表面張力と同程度が特に好ましい。
中でも、前記表面処理層の表面における表面張力は、0.1〜99.9質量%のイソプロピルアルコール水溶液(イソプロピルアルコール及び水との混合溶液)の表面張力と同程度が好ましく、0.5〜60質量%のイソプロピルアルコール水溶液の表面張力と同程度がより好ましく、1〜50質量%のイソプロピルアルコール水溶液の表面張力と同程度が特に好ましい。本明細書において、表面張力は、実施例で後述する繊維製品の表面処理層の表面における表面張力の試験方法に準拠し測定したものである。
前記表面処理層の表面の表面張力は、20.7mN/mより大きく、72.1mN/mより小さいことが好ましく、23.5mN/m以上67mN/m以下の範囲がより好ましく、24mN/m以上62.5mN/m以下の範囲が特に好ましい。
本発明の繊維製品における表面処理層の表面の表面張力は、後述の試験例に記載する沈降試験を行った結果から推定することができる。
本発明の繊維製品は、上述したとおり、繊維全体に表面処理剤が処理されているにもかかわらず、前記表面処理層に水が接触した場合、水が前記表面処理層を通過して非表面処理層に吸収され、かつ、前記表面処理層の表面に水が戻らないことを特徴としており、中でも、前記表面処理層の表面の垂直方向に向けて高さ5cm程度の位置から水を落とした場合、非表面処理層まで水が通過することを特徴としている。なお、本発明の繊維製品は、表面処理層の表面の表面張力を適度に調節することで、糸と糸との隙間から、毛細管現象によって、水が前記表面処理層を通過して非表面処理層に吸収されるものと考えられる。なお、前記高さとしては、特に制限はないが、汗の吸水性の観点から、10cm以下、好ましくは5cm以下、より好ましくは3cm以下、特に好ましくは1cm以下である。汗の吸水性及び吸水後のべたつき感の観点からは5cm程度であればよく、好ましくは0.5〜20cm、より好ましくは1〜15cm、さらに好ましくは2〜10cm、特に好ましくは3〜8cmである。
「前記表面処理層に水が接触した場合、水が前記表面処理層を通過して非表面処理層に吸収される」及び「表面処理層の表面の垂直方向に向けて高さ0.5cm以上の位置から水を落とした場合、水が前記表面処理層を通過して非表面処理層に吸収される」とは、本発明の繊維製品を、表面処理層が上になるように水平に置き、表面処理層に水が接触した場合、表面処理層を水が通過して、非表面処理層(吸水層)へ吸収されることをいう。
中でも、本発明の繊維製品は、当該繊維製品の表面処理層が上になるように水平に置き、表面処理層の表面の垂直方向に向けて高さ5cmの位置から水滴を1滴滴下した場合、水滴が繊維製品の表面に達した時から、該水滴が消失するまでの時間が5秒以下であることが好ましく、4秒以下であることがより好ましく、3秒以下であることが特に好ましい。
「表面処理層の表面に水が戻らない」とは、図4に示すとおり、表面処理層を水が通過して、非表面処理層(吸水層)へ吸収された水が、該非表面処理層側から、前記繊維製品の表面処理層の表面へ戻らないことをいう。
非表面処理層
表面処理剤を含有しない非表面処理層とは、表面処理剤が付着していない層又は部分を意味する。
非表面処理層は、吸水性を有している。非表面処理層の吸水速度は、後述する試験方法で測定することができる。該吸収速度は、好ましくは5秒未満、より好ましくは4秒未満、さらに好ましくは3秒未満、特に好ましくは2秒未満、最も好ましくは1秒未満である。ここでは、吸水速度が小さいほど、本発明の効果がより高いといえる。
表面処理剤で処理する前の繊維製品が吸水性を有している場合には、その繊維製品に対して表面処理剤で処理することができる。例えば、綿、麻等の繊維製品であれば、そのまま表面処理剤で処理すればよい。一方、表面処理剤で処理する前の繊維製品が吸水性を有していない場合には、表面処理剤で処理する前の段階で、繊維製品に吸水性を付与することが好ましい。
前記吸水性は、例えば、吸水性を有していない繊維素材(例えば、ポリエステル等)、糸条又は繊維製品に対して、吸水加工剤を付与(又は添加)することによって得ることができる。吸水加工剤(吸水処理剤)としては、公知の吸水加工剤を使用することができる。吸水加工剤の付与方法については、特に限定するものではなく、公知の付与方法を適宜用いることができる。
吸水性の付与に用いられる吸水加工剤としては、特に限定はなく、例えば、親水性ポリエステル樹脂等を用いることができる。
親水性ポリエステル樹脂としては、例えば、
(1)ポリエステルにポリエチレングリコールの側鎖が結合した化合物;
(2)ジメチルテレフタレート、及びポリエチレングリコールからなる共重合ポリエステル樹脂;
(3)ジメチルテレフタレート及び/又はジメチルイソフタレート、並びに、ポリエチレングリコールからなる共重合ポリエステル樹脂;
(4)テレフタル酸、アジピン酸、及び/又は5−スルホイソフタル酸、並びに、ポリエチレングリコールからなる共重合ポリエステル樹脂;
(5)テレフタル酸及び/又はイソフタル酸、並びに、アルキレングリコール及び/又はポリアルキレングリコールとからなるブロック共重合ポリエステル樹脂;
(6)テレフタル酸、若しくはテレフタル酸とイソフタル酸、又はスルホイソフタル酸、並びに、エチレングリコールからなるポリエステルと、片末端が炭素数1〜5のアルキル基で置換されたポリエチレングリコールとのブロック共重合体等が挙げられる。
吸水加工剤の市販品としては、例えば、
日華化学株式会社製のナイスポール(登録商標)PR−99、ナイスポールPRK−60、ナイスポールPR−86E、ナイスポールPRN;
松本油脂製薬株式会社製のブリアン(登録商標)SR−2100;
高松油脂株式会社製のSR1805M;
明成化学工業株式会社製のメイカフィニッシュSRM−42T、メイカフィニッシュSRM−65、メイカフィニッシュSRM−1000等が挙げられる。
本発明で使用される繊維製品原料として、綿、麻、吸水加工されたポリエステル等の繊維を1種以上含むものが好ましい。具体的に好ましい繊維製品としては、例えば、綿繊維単独、麻繊維単独、吸水加工されたポリエステル繊維単独、綿及び吸水加工(親水化処理)されたポリエステルの混紡繊維、麻及び吸水加工されたポリエステルの混紡繊維等で構成される繊維製品が挙げられる。
表面処理剤
本明細書において、表面処理剤は、水系分散体を含有し、炭素数7以上のパーフルオロアルキル基を有する化合物を含まないことを特徴としている。つまり、本発明で用いる表面処理剤は、安全性及び環境負荷が懸念されているフッ素系撥水剤、具体的には炭素数7以上のパーフルオロアルキル基を含有する化合物を含まない水系分散体を含んでいれば特に限定はない。ここで、表面処理剤は、繊維に特定の撥水性を付与する成分を水に分散させた水系分散体を含有し、さらに、その他の効果を有する添加剤等を含むことができる。すなわち、表面処理剤は、水系分散体そのままであってもよいし、水系分散体及び前記添加剤を含有するものであってもよい。
水系分散体に用いられる、繊維に特定の撥水性を付与する成分(以下、「撥水性付与成分」ということもある。ただし、炭素数7以上のパーフルオロアルキル基を含有する化合物を除く。)としては、例えば、
(1)オレフィン系化合物(単量体)に由来する構成単位を含有する重合体;
(2)20℃において固体状である、脂肪族エステル化合物、脂肪族アミド化合物、脂肪族ウレタン化合物、又は脂肪族ウレア化合物;
(3)イソシアネート基と反応可能な官能基を有する炭化水素化合物;
(4)ワックス系化合物;
(5)シリコーン系化合物
等が挙げられる。撥水性付与成分は、1種又は2種以上を用いることができる。ここで、撥水性付与成分は目的に合わせて、種々選択することができる。以下、上記の撥水性付与成分について説明する。
(1)オレフィン系化合物(単量体)に由来する構成単位を含有する重合体
撥水性付与成分としては、繊維に特定の撥水性を付与できる、オレフィン系化合物(単量体)に由来する構成単位を含有する重合体(ポリマー)を使用することできる。
オレフィン系化合物(単量体)に由来する構成単位を含有する重合体としては、例えば、
(1A)少なくとも炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基を有するオレフィン系化合物(単量体)に由来する構成単位を含有する重合体(以下、「炭素数1〜6のフッ素重合体(1A)」ということもある。)、
(1B)少なくとも炭素数1〜40の炭化水素基を有するオレフィン系化合物(単量体)に由来する構成単位を含有する重合体(以下、「炭化水素基含有非フッ素重合体(1B)」ということもある。)、
(1C)直鎖状、分岐鎖状又は環状のオレフィン化合物、及びハロゲン化オレフィン化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物から誘導される構成単位を有する重合体(以下、「オレフィン系非フッ素重合体(1C)」ということもある。)等が挙げられる。なお、上記炭化水素基含有非フッ素重合体(1B)には、オレフィン系非フッ素重合体(1C)が含まれていない。
上記(1)オレフィン系化合物(単量体)に由来する構成単位を含有する重合体としては、前述したオレフィン系化合物単独で得られるものであってよく、前述したオレフィン系化合物から選ばれる少なくとも2種以上の単量体が共重合されたものであってよく、又は前述した1種又は2種以上のオレフィン系化合物にさらにその他の化合物が含まれたものであってよい。また、これらの重合体は、例えば、後述するシリコーン系化合物等のその他の重合体とのブロック共重合体、又はグラフト共重合体であってもよい。
例えば、少なくとも炭素数1〜40の炭化水素基を有するオレフィン系化合物(ステアリルアクリレート)と、ハロゲン化オレフィン化合物(塩化ビニル)との共重合体も使用することができる。
(1A)少なくとも炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基を有するオレフィン系化合物(単量体)に由来する構成単位を含有する重合体
上記少なくとも炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基を有するオレフィン系化合物(単量体)に由来する構成単位を含有する重合体は、炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基を有するオレフィン系化合物(単量体)から誘導される構成単位を含んでいればよい。ここで、少なくとも炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基を有するオレフィン系化合物(含フッ素単量体1a)としては、例えば、
一般式(1a−1):
CH=C(−X11)−C(=O)−Y11−Z11−Rf (1a−1)
[式中、X11は、水素原子、ハロゲン原子、又は1価の有機基を示す。
11は、−O−又は−NH−を示す。
11は、直接結合又は2価の有機基を示す。
Rfは、炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基を示す。
なお、該Y11、Z11及びRfが分子中に複数存在する場合、それぞれ独立していてよく、同一又は異なっていてもよい。]で表される化合物(以下、「化合物(1a−1)」又は「含フッ素単量体(1a−1)」ということもある。)等が挙げられる。
上記一般式(1a−1)中のX11としては、特に限定はなく、例えば、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、置換基を有していてもよいアルキル基、−CH−C(=O)−Y11−Z11−Rf等が挙げられる。
中でも、X11としては、水素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、フッ素原子、メチル基、シアノ基、トリフルオロメチル基、及び−CH−C(=O)−Y11−Z11−Rfが好ましく、水素原子、メチル基及び塩素原子がより好ましい。
11としては、−O−が好ましい。
11としては、例えば、直接結合、
炭素数1〜20の直鎖状又は分岐鎖状の脂肪族基(特に、アルキレン基);
式−(CH)x−(式中、xは1〜10である。)で示される基;
式−R(R)N−SO−又は式−R(R)N−CO−で示される基(式中、Rは、炭素数1〜10のアルキル基であり、Rは、炭素数1〜10の直鎖状のアルキレン基又は分岐鎖状のアルキレン基である。);
式−CHCH(OR)CH−(Ar−O)p−(式中、Rは、水素原子、又は炭素数1〜10のアシル基(例えば、ホルミル、アセチル等)、Arは、置換基を有していてよいアリーレン基、pは0又は1を表す。)で示される基;
式−CH−Ar−(O)q−(式中、Arは、置換基を有していてよいアリーレン基、qは0又は1である。)で示される基;
−(CH)m−SO−(CH)n−基(但し、mは1〜10の整数、nは0〜10の整数である);
−(CH)m−S−(CH)n−基(但し、mは1〜10の整数、nは0〜10の整数である)等が挙げられる。中でも、Z11としては、直接結合及び炭素数1〜20のアルキレン基が好ましい。
より具体的に、含フッ素単量体(1a−1)は、一般式:
CH=C(−X11)−C(=O)−Y11−Z11−Rf (1a−2)
[式中、X11は、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、炭素数1〜21の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基、−CH−C(=O)−Y11−Z11−Rf、CFX基(但し、X及びXは、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子である。)、シアノ基、炭素数1〜6の直鎖状又は分岐鎖状のフルオロアルキル基、置換又は非置換のベンジル基、置換又は非置換のフェニル基を示す。
11は、−O−又は−NH−を示す。
11は、直接結合、炭素数1〜10の脂肪族基、炭素数6〜18の芳香族基又は環状脂肪族基、
−CHCHN(R)SO−基(但し、Rは炭素数1〜4のアルキル基である。)、
−CHCH(OZ)CH−(Ph−O)p−基(但し、Zは、水素原子又はアセチル基、Phはフェニレン基、pは0又は1である。)、
−(CH)n−Ph−O−基(但し、Phはフェニレン基、nは0〜10の整数である。)、
−(CH)m−SO−(CH)n−基(但し、Phはフェニレン基、nは0〜10の整数である。)、又は
−(CH)m−S−(CH)n−基(但し、mは1〜10の整数、nは0〜10の整数である)を示す。
Rfは、炭素数1〜6の直鎖状又は分岐鎖状のフルオロアルキル基を示す。;]
で表される(メタ)アクリレート化合物(以下、「(メタ)アクリレート化合物(1a−2−1)」ということもある。)又は(メタ)アクリルアミド化合物(以下、「(メタ)アクリルアミド化合物(1a−2−2)」ということもある。)であることが好ましい。
含フッ素単量体において、Rf基は、炭素数1〜6の直鎖状又は分岐鎖状のパーフルオロアルキル基であることが好ましい。Rf基の炭素数は、通常1〜6であり、4〜6が好ましく、6がより好ましい。
具体的に、Rf基としては、−CF、−CFCF、−CFCFCF、−CF(CF)、−CFCFCFCF、−CFCF(CF)、−C(CF)、−(CF)CF、−(CF)CF(CF)、−CFC(CF)、−CF(CF)CFCFCF、−(CF)CF、−(CF)CF(CF)等が挙げられる。
11は、炭素数1〜10の脂肪族基、炭素数6〜18の芳香族基又は環状脂肪族基、
−CHCHN(R)SO−基(但し、Rは炭素数1〜4のアルキル基である。)、
−CHCH(OZ)CH−(Ph−O)p−基(但し、Zは水素原子又はアセチル基、Phはフェニレン基、pは0又は1である。)、
−(CH)n−Ph−O−基(但し、Phはフェニレン基、nは0〜10の整数である。)、
−(CH)m−SO−(CH)n−基(但し、mは1〜10の整数、nは0〜10の整数である。)、又は
−(CH)m−S−(CH)n−基(但し、mは1〜10の整数、nは0〜10の整数である。)であることが好ましい。
脂肪族基は、アルキレン基(特に炭素数は1〜4、例えば1又は2である。)であることが好ましい。芳香族基又は環状脂肪族基は、置換又は非置換であってよい。S基又はSO基はRf基に直接結合していてよい。
含フッ素単量体の具体例としては、例えば以下のものを例示できるが、これらに限定されるものではない。
CH=C(−H)−C(=O)−O−(CH)−Rf
CH=C(−H)−C(=O)−O−CH−Rf
CH=C(−Cl)−C(=O)−O−(CH)−Rf
CH=C(−H)−C(=O)−O−(CH)N(−CH) SO−Rf
CH=C(−H)−C(=O)−O−(CH)N(−CH) SO−Rf
CH=C(−H)−C(=O)−O−CHCH(−OH) CH−Rf
CH=C(−H)−C(=O)−O−CHCH(−OCOCH) CH−Rf
CH=C(−H)−C(=O)−O−(CH)−S−Rf
CH=C(−H)−C(=O)−O−(CH)−S−(CH)−Rf
CH=C(−H)−C(=O)−O−(CH)−SO−Rf
CH=C(−H)−C(=O)−O−(CH)−SO−(CH)−Rf
CH=C(−H)−C(=O)−NH−(CH)−Rf
CH=C(−CH)−C(=O)−O−(CH)−S−Rf
CH=C(−CH)−C(=O)−O−(CH)−S−(CH)−Rf
CH=C(−CH)−C(=O)−O−(CH)−SO−Rf
CH=C(−CH)−C(=O)−O−(CH)−SO−(CH)−Rf
CH=C(−CH)−C(=O)−NH−(CH)−Rf
CH=C(−F)−C(=O)−O−(CH)−S−Rf
CH=C(−F)−C(=O)−O−(CH)−S−(CH)−Rf
CH=C(−F)−C(=O)−O−(CH)−SO−Rf
CH=C(−F)−C(=O)−O−(CH)−SO−(CH)−Rf
CH=C(−F)−C(=O)−NH−(CH)−Rf
CH=C(−Cl)−C(=O)−O−(CH)−S−Rf
CH=C(−Cl)−C(=O)−O−(CH)−S−(CH)−Rf
CH=C(−Cl)−C(=O)−O−(CH)−SO−Rf
CH=C(−Cl)−C(=O)−O−(CH)−SO−(CH)−Rf
CH=C(−Cl)−C(=O)−NH−(CH)−Rf
CH=C(−CF)−C(=O)−O−(CH)−S−Rf
CH=C(−CF)−C(=O)−O−(CH)−S−(CH)−Rf
CH=C(−CF)−C(=O)−O−(CH)−SO−Rf
CH=C(−CF)−C(=O)−O−(CH)−SO−(CH)−Rf
CH=C(−CF)−C(=O)−NH−(CH)−Rf
CH=C(−CFH)−C(=O)−O−(CH)−S−Rf
CH=C(−CFH)−C(=O)−O−(CH)−S−(CH)−Rf
CH=C(−CFH)−C(=O)−O−(CH)−SO−Rf
CH=C(−CFH)−C(=O)−O−(CH)−SO−(CH)−Rf
CH=C(−CFH)−C(=O)−NH−(CH)−Rf
CH=C(−CN)−C(=O)−O−(CH)−S−Rf
CH=C(−CN)−C(=O)−O−(CH)−S−(CH)−Rf
CH=C(−CN)−C(=O)−O−(CH)−SO−Rf
CH=C(−CN)−C(=O)−O−(CH)−SO−(CH)−Rf
CH=C(−CN)−C(=O)−NH−(CH)−Rf
CH=C(−CFCF)−C(=O)−O−(CH)−S−Rf
CH=C(−CFCF)−C(=O)−O−(CH)−S−(CH)−Rf
CH=C(−CFCF)−C(=O)−O−(CH)−SO−Rf
CH=C(−CFCF)−C(=O)−O−(CH)−SO−(CH)−Rf
CH=C(−CFCF)−C(=O)−NH−(CH)−Rf
CH=C(−F)−C(=O)−O−(CH)−S−Rf
CH=C(−F)−C(=O)−O−(CH)−S−(CH)−Rf
CH=C(−F)−C(=O)−O−(CH)−SO−Rf
CH=C(−F)−C(=O)−O−(CH)−SO−(CH)−Rf
CH=C(−F)−C(=O)−NH−(CH)−Rf
CH=C(−Cl)−C(=O)−O−(CH)−S−Rf
CH=C(−Cl)−C(=O)−O−(CH)−S−(CH)−Rf
CH=C(−Cl)−C(=O)−O−(CH)−SO−Rf
CH=C(−Cl)−C(=O)−O−(CH)−SO−(CH)−Rf
CH=C(−CF)−C(=O)−O−(CH)−S−Rf
CH=C(−CF)−C(=O)−O−(CH)−S−(CH)−Rf
CH=C(−CF)−C(=O)−O−(CH)−SO−Rf
CH=C(−CF)−C(=O)−O−(CH)−SO−(CH)−Rf
CH=C(−CFH)−C(=O)−O−(CH)−S−Rf
CH=C(−CFH)−C(=O)−O−(CH)−S−(CH)−Rf
CH=C(−CFH)−C(=O)−O−(CH)−SO−Rf
CH=C(−CFH)−C(=O)−O−(CH)−SO−(CH)−Rf
CH=C(−CN)−C(=O)−O−(CH)−S−Rf
CH=C(−CN)−C(=O)−O−(CH)−S−(CH)−Rf
CH=C(−CN)−C(=O)−O−(CH)−SO−Rf
CH=C(−CN)−C(=O)−O−(CH)−SO−(CH)−Rf
CH=C(−CFCF)−C(=O)−O−(CH)−S−Rf
CH=C(−CFCF)−C(=O)−O−(CH)−S−(CH)−Rf
CH=C(−CFCF)−C(=O)−O−(CH)−SO−Rf
CH=C(−CFCF)−C(=O)−O−(CH)−SO−(CH)−Rf
[上記式中、Rfは、炭素数1〜6のフルオロアルキル基である。]
(1B)少なくとも炭素数1〜40の炭化水素基を有するオレフィン系化合物(単量体)に由来する構成単位を含有する重合体
少なくとも炭素数1〜40の炭化水素基を有するオレフィン系化合物(単量体)(炭化水素基含有非フッ素単量体)に由来する構成単位を含有する重合体は、フルオロアルキル基を含有せず、かつフッ素原子を含有しない化合物に由来する構成単位を含有する重合体である。
炭素数1〜40の炭化水素基は、飽和又は不飽和の基であってもよい。
炭素数1〜40の炭化水素基の炭素数は、好ましくは12〜40、より好ましくは12〜30、さらに好ましくは18〜28、特に好ましくは18〜22である。
中でも、炭素数1〜40の炭化水素基は、炭素数1〜40の飽和の炭化水素基が好ましく、炭素数1〜40の直鎖状又は分岐鎖状の飽和炭化水素基が好ましく、炭素数1〜40の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基が特に好ましい。
炭素数1〜40の炭化水素基として、例えば、ラウリル基、トリデシル基、ミリスチル基、セチル基、ステアリル基、イコシル基、ベヘニル基、ミリシル基等が挙げられ、ラウリル基、セチル基、ステアリル基、イコシル基、及びベヘニル基が好ましい。
炭化水素基含有非フッ素単量体としては、例えば、一般式(1b−1):
CH=C(−X21)−C(=O)−Y21−R21n (1b−1)
[式中、X21は、水素原子、シアノ基、一価の有機基又はハロゲン原子を示す。
21は、−O−及び−NH−から選択された少なくとも1つの基を有する2価〜4価の連結基を示す。
21は、炭素数1〜40の炭化水素基を示す。
nは1〜3の整数である。]
で表される化合物(以下、「化合物(1b−1)」ということもある。)等が挙げられる。
21としては、水素原子、シアノ基、メチル基、フッ素原子を除くハロゲン、置換又は非置換のベンジル基、置換又は非置換のフェニル基等が挙げられる。中でも、Xとしては、水素原子、メチル基、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、及びシアノ基が好ましく、水素原子、メチル基、及び塩素原子がより好ましい。
21は、2価〜4価の基である。Y21は、2価の基であることが好ましい。
21は、炭素数1の炭化水素基、−C−、−O−、−C(=O)−、−S(=O)−又は−NH−から選ばれる少なくとも1つ以上によって構成される基(但し、炭化水素基を除く)であることが好ましい。炭素数1の炭化水素基の例として、−CH−、−CH=又は−C≡が挙げられる。
21としては、例えば、
−Y21’−、
−Y21’−C(=O)−、
−C(=O)−Y21’−、
−Y21’−C(=O)−Y21’−、
−Y21’−R21’−、
−Y21’−R21’−Y21’−、
−Y21’−R21’−Y21’−C(=O)−、
−Y21’−R21’−C(=O)−Y21’−、
−Y21’−R21’−Y21’−C(=O)−Y21’−、又は
−Y21’−R21’−Y21’−R21’−
[式中、Y21’は、直接結合、−O−又は−NH−を示す。
21’は−(CH)m−(ここで、mは1〜5の整数である)、又は、−C−(フェニレン基)を示す。]
である。
さらに、Y21の具体例としては、
−O−、
−NH−、
−O−C(=O)−、
−C(=O)−NH−、
−NH−C(=O)−、
−O−C(=O)−NH−、
−NH−C(=O)−O−、
−NH−C(=O)−NH−、
−O−C−、
−O−(CH)m−O−、
−NH−(CH)m−NH−、
−O−(CH)m−NH−、
−NH−(CH)m−O−、
−O−(CH)m−O−C(=O)−、
−O−(CH)m−C(=O)−O−、
−NH−(CH)m−O−C(=O)−、
−NH−(CH)m−C(=O)−O−、
−O−(CH)m−O−C(=O)−NH−、
−O−(CH)m−NH−C(=O)−O−、
−O−(CH)m−C(=O)−NH−、
−O−(CH)m−NH−C(=O)−、
−O−(CH)m−NH−C(=O)−NH−、
−O−(CH)m−O−C−、
−NH−(CH)m−O−C(=O)−NH−、
−NH−(CH)m−NH−C(=O)−O−、
−NH−(CH)m−C(=O)−NH−、
−NH−(CH)m−NH−C(=O)−、
−NH−(CH)m−NH−C(=O)−NH−、
−NH−(CH)m−O−C−、
−NH−(CH)m−NH−C
[式中、mは1〜5の整数、特に2又は4である。]
が挙げられる。
中でも、Y21としては、
−O−、
−NH−、
−O−(CH)m−O−C(=O)−、
−O−(CH)m−NH−C(=O)−、
−O−(CH)m−O−C(=O)−NH−、
−O−(CH)m−NH−C(=O)−O−、及び
−O−(CH)m−NH−C(=O)−NH−
[式中、mは1〜5の整数、特に2又は4である。]
が好ましく、
−O−、
−NH−、
−O−(CH)m−NH−C(=O)−、
−O−(CH)m−O−C(=O)−NH−、
−O−(CH)m−NH−C(=O)−O−、及び
−O−(CH)m−NH−C(=O)−NH−
[式中、mは1〜5の整数、特に2又は4である。]
がより好ましい。
21は、直鎖状又は分岐鎖状の炭化水素基であることが好ましい。炭化水素基は、特に直鎖状の炭化水素基であってよい。炭化水素基は、脂肪族炭化水素基が好ましく、飽和の脂肪族炭化水素基がより好ましく、アルキル基がさらに好ましい。炭化水素基の炭素数は、10〜38が好ましく、16〜26がより好ましく、18〜22がさらに好ましい。
nは1〜3の整数であり、好ましくは1である。
21が4価の炭素数1の炭化水素基を有する場合、n=3であることが好ましい。Y21が3価の炭素数1の炭化水素基を有する場合、n=2であることが好ましい。Y21が3価及び4価の炭素数1の炭化水素基を有しない場合、n=1である。
上記炭化水素基含有非フッ素単量体(1b−1)としては、下記(1b−1−1):
C(=O)−O−又はC(=O)−NH−が炭素数1〜40の炭化水素基に直接結合しているアクリル単量体、及び
(1b−1−2):
C(=O)−O−又はC(=O)−NH−が炭素数1〜40の炭化水素基に直接結合していないアクリル単量体の2種類に分けることができる。
アクリル単量体(1b−1−2)は、アクリル単量体(1b−1−1)と異なった化合物である。
前記アクリル単量体(1b−1−2)は、(C(=O)−O−又はC(=O)−NH−に直接結合しておらず、炭素数1〜40の炭化水素基に直接結合する)アミド基、ウレタン基、又はウレア基を有する(メタ)アクリレート又は(メタ)アクリルアミドであってよい。
中でも、前記アクリル単量体(1b−1−2)としては、C(=O)−O−又はC(=O)−NH−に直接結合していないアミド基であって、炭素数1〜40の炭化水素基に直接結合するアミド基を有するアクリレートが好ましい。
(1b−1−1)アクリル単量体
アクリル単量体(1b−1−1)としては、例えば、一般式(1b−1−1−1):
CH=C(−X21)−C(=O)−Y21−R21 (1b−1−1−1)
[式中、X21は、水素原子、一価の有機基又はハロゲン原子を示す。
21は、−O−又は−NH−を示す。
21は、炭素数1〜40の炭化水素基を示す。]
で表される化合物(以下、「化合物(1b−1−1−1)」ということもある。)が好ましい。
アクリル単量体(1b−1−1−1)は、Y21が−O−であるアクリレート単量体、又はY21が−NH−であるアクリルアミド単量体である。
21としては、例えば、水素原子、メチル基、シアノ基、置換又は非置換のベンジル基、置換又は非置換のフェニル基、フッ素原子を除くハロゲン等が挙げられる。中でも、X21は、水素原子、メチル基、シアノ基、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子が好ましく、水素原子、メチル基、及び塩素原子がより好ましい。
21は、−O−又は−NH−である。
21は、直鎖状又は分岐鎖状の炭化水素基であることが好ましく、直鎖状の炭化水素基がより好ましい。炭化水素基は、脂肪族炭化水素基が好ましく、飽和の脂肪族炭化水素基がより好ましく、アルキル基がさらに好ましい。炭化水素基の炭素数は、12〜30が好ましく、16〜26がより好ましく、18〜24がさらに好ましく、18〜22が特に好ましい。
アクリレート単量体の具体例としては、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イコシル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート、ステアリルα−クロロアクリレート、イコシルα−クロロアクリレート、ベヘニルα−クロロアクリレート等が挙げられる。
アクリルアミド単量体の具体例としては、ラウリル(メタ)アクリルアミド、ステアリル(メタ)アクリルアミド、イコシル(メタ)アクリルアミド、ベヘニル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
(1b−1−2)アクリル単量体
アクリル単量体(1b−1−2)は、−O−及び−NH−から選択された少なくとも1つの基を有する2価〜4価の連結基を、C(=O)−O−又はC(=O)−NH−と炭素数1〜40の炭化水素基との間に有する(メタ)アクリレート、又は(メタ)アクリルアミドであってよい。
アクリル単量体(1b−1−2)としては、例えば、一般式(1b−1−2−1):
CH=C(−X22)−C(=O)−Y22−Z22(−Z23−R22)p (1b−1−2−1)
[式中、X22は、水素原子、一価の有機基又はハロゲン原子を示す。
22は、−O−又は−NH−を示す。
22は、直接結合、2価又は3価の炭素数1〜5の炭化水素基を示す。
23は、それぞれ独立的に、直接結合、−O−及び−NH−から選択された少なくとも1つの基を有する2価〜4価の連結基を示す。
22は、それぞれ独立的に、炭素数1〜40の炭化水素基を示す。
pは、1又は2を示す。]
で表される化合物(以下「化合物(1b−1−2−1)」ということもある。)が挙げられる。
アクリル単量体(1b−1−2−1)は、Y22が−O−であるアクリレート単量体、又はY22が−NH−であるアクリルアミド単量体である。
22としては、例えば、水素原子、メチル基、シアノ基、置換又は非置換のベンジル基、置換又は非置換のフェニル基、フッ素原子を除くハロゲン等が挙げられる。
中でも、X22は、水素原子、メチル基、シアノ基、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子が好ましく、水素原子、メチル基、及び塩素原子がより好ましく、水素原子、及びメチル基がさらに好ましく、水素原子が特に好ましい。
22は、−O−又は−NH−である。
22は、直接結合、2価又は3価の炭素数1〜5の炭化水素基(特にアルキル基)であり、直鎖状又は分岐鎖状であってもよい。Z22の炭素数は、2〜4が好ましく、特に2であることが好ましい。Z22の具体例としては、直接結合、2価の基として、
−CH−、
−CHCH−、
−CHCHCH−、
−CHCHCHCH−、
−CHCHCHCHCH−、
分岐鎖状の(3価の基である)−CHCH=、
−CH(CH−)CH−、
−CHCHCH=、
−CHCHCHCHCH=、
−CHCH(CH−)CH−、
−CHCHCHCH=等が挙げられる。
22は直接結合でないことが好ましい。
23の具体例としては、
直接結合、
−O−、
−NH−、
−(O)k−C(=O)−、
−C(=O)−O−、
−C(=O)−NH−、
−NH−C(=O)−、
−(O)k−C(=O)−NH−、
−NH−C(=O)−O−、
−NH−C(=O)−NH−、
−(O)k−C−、
−(O)k−(CH)m−O−、
−NH−(CH)m−NH−、
−(O)k−(CH)m−NH−、
−NH−(CH)m−O−、
−(O)k−(CH)m−O−C(=O)−、
−(O)k−(CH)m−C(=O)−O−、
−NH−(CH)m−O−C(=O)−、
−NH−(CH)m−C(=O)−O−、
−(O)k−(CH)m−O−C(=O)−NH−、
−(O)k−(CH)m−NH−C(=O)−O−、
−(O)k−(CH)m−C(=O)−NH−、
−(O)k−(CH)m−NH−C(=O)−、
−(O)k−(CH)m−NH−C(=O)−NH−、
−(O)k−(CH)m−O−C−、
−NH−(CH)m−O−C(=O)−NH−、
−NH−(CH)m−NH−C(=O)−O−、
−NH−(CH)m−C(=O)−NH−、
−NH−(CH)m−NH−C(=O)−、
−NH−(CH)m−NH−C(=O)−NH−、
−NH−(CH)m−O−C−、
−NH−(CH)m−NH−C
[式中、kは0又は1であり、mは1〜5の整数、特に2又は4である。]等が挙げられる。
中でも、Z23は、
−(O)k−、
−NH−、
−(O)k−(CH)m−O−C(=O)−、
−(O)k−(CH)m−NH−C(=O)−、
−(O)k−(CH)m−O−C(=O)−NH−、
−(O)k−(CH)m−NH−C(=O)−O−、及び
−(O)k−(CH)m−NH−C(=O)−NH−
[式中、kは0又は1であり、mは1〜5の整数、特に2又は4である。]
が好ましい。
22及びZ23は、同時に直接結合であることはない。
22は、直鎖状又は分岐鎖状の炭化水素基であることが好ましい。炭化水素基は、特に直鎖状の炭化水素基であってよい。炭化水素基は、脂肪族炭化水素基が好ましく、飽和の脂肪族炭化水素基がより好ましく、アルキル基が特に好ましい。炭化水素基の炭素数は、12〜30が好ましく、16〜26がより好ましく、18〜24がさらに好ましく、18〜22が特に好ましい。
アクリル単量体(1b−1−2−1)は、
CH=C(−X22)−C(=O)−O−(CH)m−NH−C(=O)−R22
CH=C(−X22)−C(=O)−O−(CH)m−O−C(=O)−NH−R22
CH=C(−X22)−C(=O)−O−(CH)m−NH−C(=O)−O−R22
CH=C(−X22)−C(=O)−O−(CH)m−NH−C(=O)−NH−R22
又はこれらの組み合わせであることが好ましく[ここで、X22、m及びR22は上記と同義である。]、
CH=C(−X22)−C(=O)−O−(CH)m−NH−C(=O)−R22がより好ましい。
アクリル単量体(1b−1−2−1)は、例えば、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート又はヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミドとアルキルイソシアネートとを反応させることによって製造することができる。前記アルキルイソシアネートとしては、例えば、ラウリルイソシアネート、ミリスチルイソシアネート、セチルイソシアネート、ステアリルイソシアネート、オレイルイソシアネート、ベヘニルイソシアネート等が挙げられる。
なお、アクリル単量体(1b−1−2−1)は、側鎖にイソシアネート基を有する(メタ)アクリレート、例えば、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートと、アルキルアミン又はアルキルアルコールとを反応させることによっても製造することができる。
前記アルキルアミンとしては、例えば、ラウリルアミン、ミリスチルアミン、セチルアミン、ステアリルアミン、オレイルアミン、ベヘニルアミン等が挙げられる。
アルキルアルコールとしては、例えば、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、ベヘニルアルコール等が挙げられる。
アクリル単量体(1b−1−2−1)の具体例としては、例えば、下記の化学式で表される化合物等が挙げられる。下記化学式で表される化合物は、α位が水素原子であるアクリレート化合物であるが、具体例は、α位がメチル基であるメタクリレート化合物及びα位が塩素原子であるアクリレート化合物であってよい。
Figure 2021127548
Figure 2021127548
Figure 2021127548
Figure 2021127548
Figure 2021127548
[上記式中、mは1〜5の整数であり、nは1〜40の整数である。]、並びに
上記化学式において、α位がメチル基であるメタクリレート及びα位が塩素原子であるアクリレート。
アクリル単量体(1b−1−2−1)の代表例としては、パルミチン酸アミドエチル(メタ)アクリレート、ステアリン酸アミドエチル(メタ)アクリレート、ベヘニン酸アミドエチル(メタ)アクリレート、ミリスチン酸アミドエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(1C)直鎖状、分岐鎖状又は環状のオレフィン化合物、及びハロゲン化オレフィン化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物から誘導される構成単位を有する重合体(「エチレン性非フッ素重合体」ということがある。)
エチレン性非フッ素重合体(1C)は、1つのエチレン性不飽和炭素−炭素二重結合を有する化合物(単量体)に由来する構成単位を含有する重合体である。ここでいう、非フッ素単量体(1c)は、上記炭化水素基含有非フッ素単量体(1b)以外の単量体である。非フッ素単量体(1c)は、フッ素原子を含まない単量体である。
好ましい非フッ素単量体(1c)は、一般式(1c−1):
CH=CA41−T41 (1c−1)
[式中、A41は、水素原子、フッ素原子以外のハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子)、又はメチル基を示す。
41は、水素原子、炭素数1〜40の鎖状又は環状の炭化水素基、又はエステル結合を有する環状の炭素数1〜41の有機基を示す。]
で表される化合物である。
炭素数1〜40の鎖状又は環状の炭化水素基としては、例えば、炭素数1〜40の直鎖状又は分岐鎖状の脂肪族炭化水素基、炭素数4〜40の環状脂肪族炭化水素基、炭素数6〜40の芳香族炭化水素基、炭素数7〜40の芳香脂肪族炭化水素基等が挙げられる。
エステル結合を有する環状の炭素数1〜41の有機基としては、例えば、
−C(=O)−O−Q、
−O−C(=O)−Q
(ここで、Qは、炭素数4〜40の環状脂肪族炭化水素基、炭素数6〜40の芳香族炭化水素基、又は炭素数7〜40の芳香脂肪族炭化水素基である。)等が挙げられる。
エチレン性非フッ素重合体(1C)は、特に限定はなく、例えば、エチレン、炭素数3〜30のα−オレフィン(例えば、プロピレン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、ブタジエン、イソプレン等)、ハロゲン化オレフィン、酢酸ビニル、アクリロニトリル、スチレン、α−メチルスチレン、及びビニルアルキルエーテルである。
エチレン性非フッ素重合体(1C)は、環状炭化水素基を有する(メタ)アクリレート単量体であってよい。環状炭化水素基を有する(メタ)アクリレート単量体は、(好ましくは一価の)環状炭化水素基及び一価の(メタ)アクリレート基を有する化合物である。一価の環状炭化水素基と一価の(メタ)アクリレート基は、直接結合している。環状炭化水素基としては、飽和又は不飽和である、単環基、多環基、橋かけ環基等が挙げられる。環状炭化水素基は、飽和であることが好ましい。環状炭化水素基の炭素数は4〜20であることが好ましい。環状炭化水素基としては、炭素数4〜20、特に5〜12の環状脂肪族炭化水素基、炭素数6〜20の芳香族炭化水素基、炭素数7〜20の芳香脂肪族炭化水素基が挙げられる。
環状炭化水素基の具体例は、シクロヘキシル基、t−ブチルシクロヘキシル基、イソボルニル基、ジシクロペンタニル基、ジシクロペンテニル基、アダマンチル基等である。環状炭化水素基を有する単量体の具体例としては、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、トリシクロペンタニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、2−メチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート、2−エチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記ハロゲン化オレフィンとしては、例えば、1〜10の塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子で置換されている炭素数2〜20のハロゲン化オレフィン等が挙げられる。ハロゲン化オレフィンの具体例としては、塩化ビニル、臭化ビニル、ヨウ化ビニル等のハロゲン化ビニル;塩化ビニリデン、臭化ビニリデン、ヨウ化ビニリデン等のハロゲン化ビニリデン;及びクロロプレンが挙げられる。
エチレン性非フッ素重合体(1C)としては、具体的に、ポリエチレン、酸化ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−無水マレイン酸共重合体、エチレン−マレイン酸共重合体又はその中和塩等が挙げられる。
エチレン性非フッ素重合体(1C)は、市販品として入手することができる。例えば、
日本製紙株式会社製のアウローレン(登録商標)シリーズ(特殊ポリオレフィン樹脂):(樹脂そのものとして、アウローレン(登録商標)100S、150S、200S、250S、350S、351S、353S、359S;水系分散体として、アウローレン(登録商標)AE−202、AE−301);
三井化学株式会社製のFTR(登録商標)シリーズ(芳香族系炭化水素樹脂):(樹脂そのものとして、Zeroシリーズ(α−メチルスチレン単一重合系)、2000シリーズ(α−メチルスチレン/スチレン共重合系)、6000シリーズ(スチレン系モノマー/脂肪族系モノマー共重合系)、7000シリーズ(スチレン系モノマー/α−メチルスチレン/脂肪族系モノマー共重合系)、8000シリーズ(スチレン系モノマー単一重合系)、FMR(登録商標)シリーズ(スチレン系モノマー/芳香族系モノマー共重合系);
日信化学工業株式会社製のソルバイン(登録商標)シリーズ:(樹脂そのもの、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合系)、ビニブラン(登録商標)シリーズ(水系分散体、塩化ビニル共重合系);
旭化成株式会社製のサラン(登録商標)レジンシリーズ(樹脂そのもの、塩化ビニリデン系樹脂)、サランラテックスシリーズ(塩化ビニリデン系水系分散体)、Haloflexシリーズ(塩化ビニリデン系水系分散体);
東ソー株式会社製のスカイプレン(登録商標)シリーズ(樹脂そのもの、クロロプレンゴム)等が挙げられる。
上記(1)オレフィン系化合物(単量体)に由来する構成単位を含有する重合体は、表面張力を調節するため、洗濯耐久性の向上させるため等の目的に合わせて、適宜、さらに、共重合可能な公知のその他単量体(1d)が共重合されていてもよい。また1分子中に2つ以上の共重合性官能基を有するものであってもよい。
その他単量体(1d)は、特に限定されるものではないが、例えば、
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(例えば、ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等)、
3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、
グリシジル(メタ)アクリレート、
2−イソシアナトエチル(メタ)アクリレートもしくはそのブロックイソシアネート体(例えば、
2−[(3,5−ジメチルピラゾリル)カルボニルアミノ]エチル(メタ)アクリレート等)、
2−アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート、
ジアセトン(メタ)アクリルアミド、
N−メチロール(メタ)アクリルアミド、
N,N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート(例えば、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジイソプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート等)、
N,N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド(例えば、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等)、
N,N−ジアルキルアミノオキシドアルキル(メタ)アクリレート(例えば、N,N−ジメチルアミノオキシドエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノオキシドエチル(メタ)アクリレート等)、
N−(メタ)アクリロイルモルホリン、
N−(メタ)アクリロイルペピリジン、
(メタ)アクリル酸、
クロトン酸、
(無水)マレイン酸、
フマル酸、
イタコン酸、
シトラコン酸、
ビニルスルホン酸、
(メタ)アリルスルホン酸、
ビニルベンゼンスルホン酸、
アクリルアミドターシャリブチルスルホン酸、
エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、トリメチレンオキサイド、及びテトラメチレンオキサイドからなる群より選ばれる少なくとも1種を構成単位とする重合体及び共重合性官能基を有する単量体(例えば、
ポリエチレンオキサイドモノ(メタ)アクリレート、
ポリエチレンオキサイドジ(メタ)アクリレート、
メトキシポリエチレンオキサイドモノ(メタ)アクリレート、
ポリ(エチレンオキサイド−テトラメチレンオキサイド)モノ(メタ)アクリレート、
ポリ(エチレンオキサイド−テトラメチレンオキシド)ジ(メタ)アクリレート、
メトキシポリ(エチレンオキサイド−テトラメチレンオキサイド)モノ(メタ)アクリレート、
ポリテトラメチレンオキサイドモノ(メタ)アクリレート、
ポリテトラメチレンオキサイドジ(メタ)アクリレート、
メトキシポリテトラメチレンオキサイドモノ(メタ)アクリレート)、
共重合性官能基を有するオルガノポリシロキサン化合物(シリコーン化合物ということもある)等を使用することができる。
シリコーン化合物として、例えば、メルカプト官能性オルガノポリシロキサン(メルカプト変性シリコーンということもある)、ビニル官能性オルガノポリシロキサン(ビニル変性シリコーン)等が挙げられる。
1つの実施形態において、メルカプト官能性オルガノポリシロキサンは、下記の一般式(5)のシロキシ単位を有する:
(R51SiO)a(R52RNSiO)b(R53RSSiO)c (5)
[式中、aは、0〜4000を示す。
bは、1〜1000を示す。
cは、1〜1000を示す。
51、R52、及びR53は、独立して、一価の有機基を示す。
RNは、一価のアミノ官能性の有機基を示す。
RSは、一価のメルカプト官能性の有機基を示す。]
中でも、一価の有機基としては、炭素数1〜40の炭化水素基が好ましく、炭素数1〜12の一価アルキル基がより好ましく、メチル基がさらに好ましい。
また、aは、0〜1000が好ましく、0〜400がより好ましい。bは、1〜100が好ましく、1〜50がより好ましい。cは、1〜100が好ましく、1〜50がより好ましい。
また、後述する、(メタ)アクリル変性シリコーン、メルカプト変性シリコーン等を好ましく使用することができ、特に好ましくは、片末端もしくは両末端変性のものである。
本明細書において、撥水性付与成分は、中和塩であってもよい。当該中和塩としては、特に限定はなく、例えば、公知の酸又は塩基による中和塩であってよい。
酸としては、例えば、ギ酸、酢酸、リンゴ酸、クエン酸、乳酸、塩酸、リン酸等が挙げられる。
塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属の水酸化物、炭酸(水素)ナトリウム、炭酸(水素)カリウム等の炭酸(水素)塩等の一価の塩基性物質、アンモニア、アミン化合物(例えば、トリエチルアミン等)等が挙げられる。
水への分散性向上のため、吸水性能の調節のため等、適宜目的に合わせて、中和塩は種々選択することが可能である。
(2)20℃において固体状である、脂肪族エステル化合物、脂肪族アミド化合物、脂肪族ウレタン化合物、又は脂肪族ウレア化合物
撥水性付与成分としては、20℃において固体状である、脂肪族エステル化合物、脂肪族アミド化合物、脂肪族ウレタン化合物、又は脂肪族ウレア化合物も使用することができる。
「20℃において固体状である、脂肪族エステル化合物、脂肪族アミド化合物、脂肪族ウレタン化合物、又は脂肪族ウレア化合物」とは、20℃において固体状の脂肪族エステル化合物、20℃において固体状の脂肪族アミド化合物、20℃において固体状の脂肪族ウレタン化合物、又は20℃において固体状の脂肪族ウレア化合物を意味し、例えば、下記一般式(2A):
−C(=O)−X−R (2A)
[式中、Rは、炭素数1〜40のアルキル基、炭素数1〜40のアルコキシ基、又は炭素数1〜40のアルキルアミノ基を示す。
は、炭素数1〜40のアルキル基を示す。
は、−O−、又は−NH−を示す。]
で表される化合物であって、20℃において固体の化合物等が挙げられる。
ここで、20℃において固体状である、脂肪族エステル化合物、脂肪族アミド化合物、脂肪族ウレタン化合物、及び脂肪族ウレア化合物は、1種又は2種以上を用いることができる。
上記Rにおける炭素数1〜40のアルキル基、炭素数1〜40のアルコキシ基、又は炭素数1〜40のアルキルアミノ基の炭素数としては、好ましくは炭素数4〜30であり、より好ましくは炭素数6〜26であり、さらに好ましくは炭素数8〜24であり、特に好ましくは炭素数12〜22である。
上記Rにおける炭素数1〜40のアルキル基の炭素数としては、好ましくは炭素数4〜30であり、より好ましくは炭素数6〜26であり、さらに好ましくは炭素数8〜24であり、特に好ましくは炭素数12〜22である。
20℃において固体状の脂肪族エステル化合物としては、融点が20℃以上の脂肪族エステル化合物であれば特に限定はなく、例えば、炭素数1〜40の脂肪族カルボン酸化合物と炭素数1〜40の脂肪族アルコール化合物とを反応させて得られるエステル化合物等であって、20℃において固体状の化合物(20℃において固体状であって、Rは、炭素数1〜40であり、Rは、炭素数1〜40である脂肪族エステル化合物)等が挙げられる。
具体的に、20℃において固体状である、炭素数1〜40の脂肪族カルボン酸化合物と炭素数1〜40の脂肪族アミノ化合物とを反応させて得られる脂肪族アミド化合物としては、例えば、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸パルミチル、ミリスチン酸ステアリル、パルミチン酸パルミチル、パルミチン酸ミリスチル、パルミチン酸ステアリル、ステアリン酸ミリスチル、ステアリン酸パルミチル、ステアリン酸ステアリル等が挙げられる。
20℃において固体状の脂肪族アミド化合物としては、融点が20℃以上の脂肪族アミド化合物であれば特に限定はなく、例えば、炭素数1〜40の脂肪族カルボン酸化合物と炭素数1〜40の脂肪族アミノ化合物とを反応させて得られるアミド化合物等であって、20℃において固体状の化合物(20℃において固体状であって、Rは、炭素数1〜40であり、Rは、炭素数1〜40である脂肪族アミド化合物)等が挙げられる。
20℃において固体状の脂肪族ウレタン化合物としては、融点が20℃以上の脂肪族ウレタン化合物であれば特に限定はなく、例えば、炭素数1〜40の脂肪族イソシアネート化合物と炭素数1〜40の脂肪族アルコール化合物とを反応させて得られるウレタン化合物等であって、20℃において固体状の化合物(20℃において固体状であって、Rは、炭素数1〜40であり、Rは、炭素数1〜40である脂肪族ウレタン化合物)等が挙げられる。
20℃において固体状の脂肪族ウレア化合物としては、融点が20℃以上の脂肪族ウレア化合物であれば特に限定はなく、例えば、炭素数1〜40の脂肪族イソシアネート化合物と炭素数1〜40の脂肪族アミノ化合物とを反応させて得られるウレア化合物等であって、20℃において固体状の化合物(20℃において固体状であって、Rは、炭素数1〜40であり、Rは、炭素数1〜40である脂肪族ウレア化合物)等が挙げられる。
(3)イソシアネート基と反応可能な官能基を有する炭化水素化合物
撥水性付与成分としては、イソシアネート基と反応可能な官能基を有する炭化水素化合物(以下、「イソシアネート反応性炭化水素化合物」ということがある。)も使用することができる。
(イソシアネート反応性炭化水素化合物)
イソシアネート基と反応可能な官能基を有する炭化水素化合物とは、炭化水素骨格に、イソシアネート基と反応可能な官能基が結合した炭化水素系化合物である。イソシアネート反応性炭化水素化合物は、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。イソシアネート基と反応可能な官能基として、好ましくはヒドロキシ基、アミノ基、カルボキシ基、チオール基等が挙げられる。
イソシアネート反応性炭化水素化合物として、例えば、下記一般式(3A)で示される化合物が挙げられる。
31[−A31−R31]a[−B31]b (3A)
[式中、W31は、(a+b)価の有機基を示す。
31は、W31に結合しており、−X31−Y31−又は−Y31−を示す。
31は、W31に結合しており、−X31−Z31又は−Z31を示す。
aは、1以上の整数を示す。
bは、1以上の整数を示す。
(a+b)は、2〜42を示す。
31は、2価のポリアルキレンエーテル基を示す。
31は、2価の基であって、エーテル基、エステル基、アミド基、ウレタン基、ウレア基、又はチオウレタン基を示す。
31は、炭素数1〜40の1価の炭化水素基を示す。
31は、ヒドロキシ基、アミノ基、カルボキシ基又はチオール基を示す。
ただし、B31が−X31−Z31の場合、Z31は、ヒドロキシ基を示す。]
一般式(3A)で表されるイソシアネート反応性炭化水素化合物において、基Z31のヒドロキシ基、アミノ基、カルボキシ基又はチオール基が、イソシアネート基と反応可能な官能基となる。また、イソシアネート反応性炭化水素化合物は、基R31に由来の炭化水素基を有する化合物である。
一般式(3A)のイソシアネート反応性炭化水素化合物において、基W31は、(a+b)価の有機基であって、多官能化合物の残基であることが好ましい。
基W31には、基A31及び基B31が結合している。aは、1以上の整数であり、bは、1以上の整数であり、(a+b)は、2〜42である。すなわち、基W31の価数は、2〜42である。多官能化合物としては、好ましくは、多価アルコール化合物、多価アミン化合物、多価カルボン酸化合物、多価チオール化合物が挙げられる。
多価アルコール化合物としては、分子中に2個以上のヒドロキシ基を有する化合物であれば特に限定されない。多価アルコール化合物として、例えば、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、1,2,4−ブタントリオール、グリセルアルデヒド;糖、糖アルコール、糖酸、アミノ糖等が挙げられる。
糖として、例えば、グルコース、エリトロース、アラビノース、リボース、アロース、アルトロース、マンノース、キシロース、リキソース、グロース、ガラクトース、タロース、トレオース、グルコピラノース、マンノピラノース、タロピラノース、アロピラノース、アルトロピラノース、イドピラノース、グロピラノース等のアルドース;フルクトース、リブロース、マンノヘプツロース、セドヘプツロース等のケトース等が挙げられる。
糖アルコールは、前記アルドース又はケトースのカルボニル基が還元されて生成する化合物である。糖アルコールとして、例えば、グリセリン、エリスリトール、トレイトール、グルシトール、マンニトール、ソルビトール、アラビトール、キシリトール、リビトール、ガラクチトール、フシトール、イジトール、イノシトール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ボレミトール、ミオイノシトール;これらの脱水反応により得られた化合物等が挙げられる。前記脱水反応により得られた化合物として、例えば、ソルビタン等が挙げられる。
糖酸は、単糖が有する酸素官能基(ホルミル基、ヒドロキシ基等)の1個又はいくつかがカルボキシ基に酸化された化合物である。糖酸として、例えば、グルコン酸、グリセリン酸、キシロン酸、ガラクタル酸、アスコルビン酸、グルコン酸ラクトン、グリセリン酸ラクトン、キシロン酸ラクトン等が挙げられる。
アミノ糖は、単糖の一部のヒドロキシ基がアミノ基に置換された化合物である。アミノ糖として、例えば、グルコサミン、ガラクトサミン等が挙げられる。
多価アルコール化合物として、上記化合物、及びこれらの2種以上の混合物を使用することができる。
多価アミン化合物としては、特に限定されないが、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、アミノエチルエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等が挙げられる。
多価カルボン酸化合物としては、特に限定されないが、リンゴ酸、クエン酸等が挙げられる。
多価チオール化合物としては、特に限定されないが、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、トリス−[(3−メルカプトプロピオニルオキシ)−エチル]−イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)等が挙げられる。
一般式(3A)のA31及びB31において、基X31は、2価のポリアルキレンエーテル基(すなわち、ポリオキシアルキレン基)である。基X31の具体例としては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等の単独の重合体、これらのうち2種類以上を組み合わせて得られるブロック共重合体、ランダム共重合体等が挙げられる。
基Y31は、前記のとおり、2価の基であって、エーテル基、エステル基、アミド基、ウレタン基、ウレア基、又はチオウレタン基である。
基R31は、基Y31と結合しており、炭素数1〜40の1価の炭化水素基である。当該炭化水素基の炭素数としては、6〜28、6〜26、6〜24、8〜30、8〜28、8〜26、8〜24、10〜30、10〜28、10〜26、10〜24、12〜30、12〜28、12〜26、及び12〜24が挙げられ、特に好ましくは12〜24である。当該炭化水素基の具体例としては、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基(ラウリル基)、ミリスチル基、ペンタデシル基、セチル基、ヘプタデシル基、ステアリル基、ノナデシル基、エイコシル基、ヘンエイコシル基、ベヘニル基、オレイル基等が挙げられる。
基R31を一般式(3A)に導入する方法としては、脂肪酸(なお、前記炭素数には、カルボニル基の炭素も含まれる)、脂肪族アルコール、脂肪族モノイソシアネート、脂肪族アミン、ハロゲン化アルキル、脂肪酸クロライド等と、前記の多官能化合物のヒドロキシ基、カルボキシ基、チオール基、アミノ基等とを反応させる方法を採用することができる。これにより、基Y31と基R31との結合を形成して、基R31を一般式(3A)に導入することができる。
脂肪酸としては、例えば、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキドン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、パルミトレイン酸、リノール酸、アラキドン酸、オレイル酸、エルカ酸等が挙げられる。
脂肪族アルコールとしては、例えば、ラウリルアルコール、トリデシルアルコール、ミリスチルアルコール、ペンタデシルアルコール、セタノール、ステアリルアルコール、エイコサノール、ヘンエイコサノール、ベヘニルアルコール、オレイルアルコール等が挙げられる。
脂肪族モノイソシアネートとしては、例えば、デシルイソシアネート、ウンデシルイソシアネート、ドデシルイソシアネート、ミリスチルイソシアネート、ペンタデシルイソシアネート、セチルイソシアネート、ステアリルイソシアネート、エイコシルイソシアネート、ベヘニルイソシアネート等が挙げられる。
脂肪族アミンとしては、例えば、デシルアミン、ラウリルアミン、ミリスチルアミン、ステアリルアミン、ベヘニルアミン、オレイルアミン等が挙げられる。
ハロゲン化アルキルとしては、例えば、ドデシルクロライド、ヘキサデシルクロライド、オクタデシルクロライド、ドデシルブロマイド、ヘキサデシルブロマイド、オクタデシルブロマイド等が挙げられる。
脂肪酸クロライドとしては、例えば、カプリル酸クロライド、カプリン酸クロライド、ラウリン酸クロライド、ミリスチン酸クロライド、パルミチン酸クロライド、ステアリン酸クロライド、オレイル酸クロライド等が挙げられる。
イソシアネート反応性炭化水素化合物は、好ましくは、前記多官能化合物と、前記の脂肪酸、脂肪族アルコール、脂肪族モノイソシアネート、脂肪族アミン、ハロゲン化アルキル、及び脂肪酸クロライドからなる群より選択される少なくとも1種との反応生成物であることが好ましい。当該反応生成物は、前記多官能化合物に由来する炭化水素骨格を有しており、かつ、イソシアネート基と反応可能な官能基(好ましくはヒドロキシ基、アミノ基、カルボキシ基、又はチオール基)を備えている。
イソシアネート反応性炭化水素化合物において、一分子中のイソシアネート基と反応可能な官能基の数は、好ましくは1〜7、より好ましくは1〜5、さらに好ましくは1〜3である。また、イソシアネート反応性炭化水素化合物は、後述する架橋剤としてイソシアネート化合物(ブロックドイソシアネート化合物)とともに繊維製品に処理し、熱処理時に反応させることができる。または、イソシアネート反応性炭化水素化合物は、予め、後述するイソシアネート化合物と少なくとも一部を反応させた化合物であってもよく、完全に反応させた化合物でもよい。
(4)ワックス系化合物
撥水性付与成分としては、ワックス系化合物を使用することもできる。
ワックス系化合物としては、公知の物が使用でき、例えば、石油系ワックス、鉱物系ワックス、動植物系ワックス等を使用することができる。
石油系ワックスは、石油由来ワックス、又は石油ワックスとも称され、石油から得られる炭化水素系ワックスである。
石油系ワックスとしては、例えば、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等が挙げられる。石油系ワックスは、1種又は2種以上を用いることができる。
パラフィンワックスは、原油の減圧蒸留留出油部分から分離抽出される常温で固形のワックスであり、直鎖状飽和炭化水素(ノルマルパラフィン)を主体とする飽和炭化水素である。
パラフィンワックスの市販品としては、例えば、ペトロックスP−200(パラフィンワックスの水系分散体、固形分濃度35%、明成化学工業株式会社製)等が挙げられる。
マイクロクリスタリンワックスは、主として原油の減圧蒸留残査油部分又は重質留出油部分から分離抽出される常温で固形のワックスであり、分岐飽和炭化水素(イソパラフィン)及び/又は飽和環状炭化水素(シクロパラフィン)を多く含む炭化水素である。
石油系ワックスは、一般に、炭素数20〜60の範囲内の炭化水素を含む混合物であり、炭化水素の炭素数分布にピークを持つものが用いられる。石油系ワックスに含まれる炭化水素の炭素数は特に限定されない。例えば、石油系ワックスに最も多く含まれる炭化水素の炭素数(Cmw)は、20〜50でもよく、20〜40でもよく、20〜35でもよく、20〜30でもよく、22〜28でもよい。ここで、「石油系ワックスに最も多く含まれる炭化水素の炭素数」とは、石油系ワックスに含まれる炭化水素のうち、質量比率が最も多い炭化水素の炭素数である。Cmwは、例えば、ガスクロマトグラフィーを用いて測定した炭素数分布のピークトップから求めることができる。
鉱物系ワックスとしては、例えば、モンタンワックス等が挙げられる。
動植物系ワックスとしては、例えば、カルナバワックス、キャンデリラワックス、ビーズワックス等が挙げられる。動植物系ワックスは、1種又は2種以上を用いることができる。
(5)シリコーン系化合物
撥水性付与成分としては、シロキサン骨格を有する化合物を使用することができる。シロキサン骨格を有する化合物として、例えば、ポリシロキサン(シリコーン)系化合物が挙げられる。シリコーン系化合物は、公知の変性がなされたシリコーン系化合物であればよく、2種以上の変性がなされたものであってもよい。
前記シリコーン系化合物としては、例えば、アミノ変性シリコーン、カルビノール変性シリコーン、ジオール変性シリコーン、フェノール変性シリコーン、カルボキシル変性シリコーン、メルカプト変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、フルオロアルキル変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、アルキル・アラルキル変性シリコーン、アルキル・ポリエーテル変性シリコーン、高級脂肪酸アミド変性シリコーン、(メタ)アクリル変性シリコーン等の変性シリコーン;ジメチルシリコーン;メチルフェニルシリコーン;メチルハイドロジェンシリコーン;シラノール末端シリコーン;シリコーンレジン化合物等が挙げられる。シリコーン系化合物は、1種又は2種以上を用いることができる。
アミノ変性シリコーンとしては、シロキサン構造の側鎖にアミノ基が導入されたもの、シロキサン構造の末端にアミノ基が導入されたもの、又はこれらの混合体のいずれを用いてもよく、アミノ基としては、モノアミン、ジアミン又は一部が封鎖されたものを用いてもよい。
アミノ変性シリコーンにおいて、撥水性の観点から、アミン当量が好ましくは300g/mol以上、また、好ましくは20000g/mol以下であり、300〜20000g/mol程度のものを用いることがより好ましい。繊維製品の撥水性、洗濯耐久性、風合い、価格等を考慮する場合、アミン当量は、より好ましくは1000g/mol以上、また、より好ましくは7000g/mol以下であり、1000〜7000g/molがさらに好ましい。
このようなアミノ変性シリコーンは、市販品を選択して用いることができる。市販品としては、例えば、旭化成ワッカーシリコーン株式会社製のWACKER(登録商標) FINISH WR301、WR1100、WR1200、WR1300、WR1600;信越化学工業株式会社製のKF−867、KF−869、KF−8004;東レ・ダウコーニング株式会社製のDOWSIL(登録商標) SF 8417 Fluid等を用いることができる。
カルビノール変性シリコーンとしては、シロキサン構造の側鎖に水酸基が導入されたもの、シロキサン構造の末端に水酸基が導入されたもの、又はこれらの混合体のいずれを用いてもよい。このようなカルビノール変性シリコーンは、市販品を選択して用いることができる。市販品としては、例えば、信越化学工業株式会社製のX−22−4039、X−22−4015、X−22−170BX、X−22−170DX、KF−6000、KF−6001、KF−6002、KF−6003等を用いることができる。
ジオール変性シリコーンとしては、シロキサン構造の側鎖にジオール基が導入されたもの、シロキサン構造の末端にジオール基が導入されたもの、又はこれらの混合体のいずれを用いてもよい。このようなジオール変性シリコーンは、市販品を選択して用いることができる。市販品としては、例えば、信越化学工業株式会社製のX−22−176DX、X−22−176F、X−22−176GX−A等を用いることができる。
フェノール変性シリコーンとしては、シロキサン構造の側鎖にフェノール性水酸基が導入されたもの、シロキサン構造の末端にフェノール性水酸基が導入されたもの、又はこれらの混合体のいずれを用いてもよい。このようなフェノール変性シリコーンは市販品を選択して用いることができる。市販品としては、例えば、信越化学工業社株式会製のKF−2201等を用いることができる。
カルボキシル変性シリコーンとしては、シロキサン構造の側鎖にカルボキシル基が導入されたもの、シロキサン構造の末端にカルボキシル基が導入されたもの、又はこれらの混合体のいずれを用いてもよい。このようなカルボキシル変性シリコーンは、市販品を選択して用いることができる。市販品としては、例えば、信越化学工業株式会社製のX−22−3701E、X−22−162C等を用いることができる。
メルカプト変性シリコーンとしては、シロキサン構造の側鎖にメルカプト基が導入されたもの、シロキサン構造の末端にメルカプト基が導入されたもの、又はこれらの混合体のいずれを用いてもよい。このようなメルカプト変性シリコーンは、市販品を選択して用いることができる。市販品としては、例えば、信越化学工業株式会社製のKF−2001、KF−2004、X−22−167B、X−22−167C等を用いることができる。
エポキシ変性シリコーンとしては、シロキサン構造の側鎖にエポキシ基が導入されたもの、シロキサン構造の末端にエポキシ基が導入されたもの、又はこれらの混合体のいずれを用いてもよい。このようなエポキシ変性シリコーンは市販品を選択して用いることができる。市販品としては、例えば、信越化学工業株式会社製のX−22−343、KF−101、KF−1001、X−22−163、X−22−163A、X−22−163B、X−22−163C、KF−105、X−22−169AS、X−22−169B、X−22−173BX、X−22−173DX等を用いることができる。
フルオロアルキル変性シリコーンとしては、市販品から選択して用いることができる。市販品としては、例えば、SILTECH社製のFluorosil J15、Fluorosil D2、Fluorosil H418、Fluorosil L118等を用いることができる。
アルキル変性シリコーンとしては、市販品から選択して用いることができる。市販品としては、例えば、信越化学工業株式会社製のKF−412、KF−413、KF−414、KF−415、KF−4003、KF−4701、KF−4917、KF−7235B、X−22−7322;旭化成ワッカーシリコーン株式会社製のBELSIL CDM 3526 VP、BELSIL CM 7026 VP、BELSIL SDM 5055 VP等を用いることができる。
アルキル・アラルキル変性シリコーンとしては、市販品から選択して用いることができる。市販品としては、例えば、信越化学工業株式会社製のX−22−1877等を用いることができる。
アルキル・ポリエーテル変性シリコーンとしては、市販品から選択して用いることができる。市販品としては、例えば、SILTECH社製のSilube T308−16、Silube T310−A16、Silube J208−812等を用いることができる。
高級脂肪酸アミド変性シリコーンとしては、市販品から選択して用いることができる。市販品としては、例えば、信越化学工業株式会社製のKF−3935等を用いることができる。
(メタ)アクリル変性シリコーンとしては、シロキサン構造の側鎖に(メタ)アクリロイル基が導入されたもの、シロキサン構造の末端に(メタ)アクリロイル基が導入されたもの、又はこれらの混合体のいずれを用いてもよい。
このような(メタ)アクリル変性シリコーンは市販品を選択して用いることができる。市販品としては、例えば、信越化学工業株式会社製のX−22−174ASX、X−22−174BX、KF−2012、X−22−2404、X−22−2426、X−22−164、X−22−164AS、X−22−164A、X−22−164B、X−22−164C、X−22−164E、JNC株式会社製のサイラプレーン(登録商標)FM−0711、FM−0721、FM−0725、TM−0701T、FM−7711、FM−7721、FM−7725等を用いることができる。
ジメチルシリコーンは、市販品を選択して用いることができる。市販品としては、例えば、信越化学工業株式会社製のKF−96、KF−965、KF−968、KF−995等を用いることができる。
メチルフェニルシリコーンとしては、市販品を選択して用いることができる。市販品としては、例えば、信越化学工業株式会社製のKF−50、KF−54、KF−56等を用いることができる。
メチルハイドロジェンシリコーンとしては、市販品を選択して用いることができる。市販品としては、例えば、信越化学工業株式会社製のKF−99、KF−9901等を用いることができる。
シラノール末端シリコーンとしては、市販品から選択して用いることができる。市販品としては、例えば、信越化学工業株式会社製のX−21−5841、KF−9701等を用いることができる。
また、スリップ防止性の付与の観点から、シリコーンレジン化合物も用いることができる。シリコーンレジン化合物としては、公知の物が使用可能であり、例えば、構成成分として、MQ、MDQ、MT、MTQ、MDT又はMDTQ等を有し、25℃にて固形状であり、三次元構造を有するオルガノポリシロキサンであることが好ましい。
ここで、M、D、T及びQは、それぞれ(R’)SiO0.5単位、(R’)SiO単位、R’SiO1.5単位及びSiO単位を示す。
R’は、炭素数1〜10の1価の脂肪族炭化水素基、又は、炭素数6〜15の1価の芳香族炭化水素基を示す。シリコーンレジン化合物は、一般に、MQレジン、MTレジン又はMDTレジンとして知られており、MDQ、MTQ又はMDTQと示される部分を有することもある。
シリコーンレジン化合物は、これを適当な溶媒に溶解させた溶液としても入手することができる。溶媒としては、例えば、比較的低分子量のメチルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、n−ヘキサン、イソプロピルアルコール、塩化メチレン、1,1,1−トリクロロエタン及びこれらの溶媒の混合物等が挙げられる。
このようなシリコーンレジン化合物は、市販品を選択して用いることができる。溶液としては、例えば、信越化学工業株式会社製のKF−7312J、KF−7312K、KF−7312L、KF−7312T、KF−9021L等を用いることができる。
シリコーンレジン単独としては、例えば、信越化学工業株式会社製のKR−220L、KR−216;東レ・ダウコーニング株式会社製のDOWSIL(登録商標) MQ−1600 Solid Resin、DOWSIL(登録商標) MQ−1640 Flake Resin;旭化成ワッカーシリコーン株式会社製のSILRES(登録商標) MK POWDER、SILRES(登録商標) MK FLAKE、SILRES(登録商標) 604等を用いることができる。
また、公知のシランカップリング剤を使用することも可能である。シランカップリング剤としては、エポキシ基、アミノ基、メルカプト基、イソシアネート基等を含有するシランカップリング剤が挙げられる。このようなシランカップリング剤は市販品を選択して用いることができる。例えば、信越化学工業社製のシランカップリング剤が使用でき、エポキシ基含有シランカップリング剤としてはKBM−303、KBM−402、KBM−403、KBE−402、KBE−403等を、アミノ基含有シランカップリング剤としてはKBM−602、KBM−608、KBM−903、KBE−903、KBM−573等を、メルカプト基含有シランカップリング剤としては、KBM−802、KBM−803等を、イソシアネート基含有シランカップリング剤としてはKBE−9007等を用いることができる。
(界面活性剤)
本発明で用いられる水系分散体は、上記撥水性付与成分に加え、さらに、界面活性剤(乳化剤という場合もある)を含有することができる。界面活性剤としては、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。界面活性剤には、これらの1種類又は複数を用いることができる。
ノニオン性界面活性剤としては、特に限定はなく、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、脂肪酸アルキロールアミド、アルキルアルカノールアミド、アセチレングリコール、アセチレングリコールのオキシエチレン付加物、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールブロックコポリマー等が挙げられる。
アニオン性界面活性剤としては、特に限定はなく、例えば、高級アルコールの硫酸エステル塩、高級アルキルスルホン酸塩、高級カルボン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルサルフェート塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルサルフェート塩、ビニルスルホサクシネート等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、特に限定はなく、例えば、アミン塩、アミドアミン塩、4級アンモニウム塩、イミダゾリニウム塩等が挙げられる。カチオン性界面活性剤の具体例としては、アルキルアミン塩、ポリオキシエチレンアルキルアミン塩、アルキルアミドアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリン等のアミン塩型界面活性剤;アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウム等の4級アンモニウム塩型界面活性剤等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、特に限定はなく、アルキルアミンオキシド類、アラニン類、イミダゾリニウムベタイン類、アミドベタイン類、酢酸ベタイン等が挙げられ、具体的には、長鎖アミンオキシド、ラウリルベタイン、ステアリルベタイン、ラウリルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン等が挙げられる。
水系分散体に界面活性剤が含まれる場合、界面活性剤の含有量としては、水系分散体の固形分量100質量部に対して、0.5〜40質量部が好ましく、より好ましくは1〜30質量部であり、さらに好ましくは1.5〜20質量部であり、特に好ましくは1.5〜10質量部である。
本明細書における水系分散体は、公知の方法で製造することができる。例えば、水系分散体が界面活性剤を含む場合、製造方法として、各種撥水性付与成分と界面活性剤とを混合した後、水を添加して分散させる方法、公知の分散機等を使用して機械的に分散させる方法等が挙げられる。分散機としては、ホモミキサー、ホモジナイザー、コロイドミル、ラインミキサー、ビーズミル等を用いることができる。また、水系分散させる工程で、公知の有機溶剤を添加してもよい。ここで、「水系分散させる」とは、前記撥水性付与成分等を、水、又は水を含む溶媒中に分散させることをいう。水以外の溶媒として有機溶剤(例えば、メタノール、エタノール、メチルイソブチルケトン等)を使用した場合には、上記撥水性付与成分及び界面活性剤を水及び有機溶剤に分散させた後、公知の方法により有機溶剤を除去する工程を設けてもよい。有機溶剤を除去する方法として、例えば減圧留去が挙げられる。
前記(1)オレフィン系化合物(単量体)に由来する構成単位を含有する重合体の場合は、通常の重合方法の何れでも製造でき、また、重合反応の条件も任意に選択できる。このような重合方法として、溶液重合、懸濁重合、乳化重合等が挙げられる。
溶液重合では、重合開始剤の存在下で、単量体を有機溶媒に溶解させ、窒素置換後、30〜120℃の範囲で1〜30時間、加熱撹拌する方法が採用される。
重合開始剤としては、例えば、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド、ラウリルパーオキシド、クメンヒドロパーオキシド、t−ブチルパーオキシピバレート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート等が挙げられる。重合開始剤は、単量体100質量部に対して、0.01〜20質量部、例えば、0.01〜10質量部の範囲で用いられる。
有機溶媒は、単量体に不活性でこれらを溶解するものであれは特に限定はなく、例えば、エステル(例えば、炭素数2〜40のエステル、具体的には、酢酸エチル、酢酸ブチル)、ケトン(例えば、炭素数2〜40のケトン、具体的には、メチルエチルケトン、ジイソブチルケトン)、アルコール(例えば、炭素数1〜40のアルコール、具体的には、イソプロピルアルコール)等を用いることができる。有機溶媒の具体例としては、アセトン、クロロホルム、HCHC225、イソプロピルアルコール、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、石油エーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、1,1,2,2−テトラクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、パークロロエチレン、テトラクロロジフルオロエタン、トリクロロトリフルオロエタン等が挙げられる。有機溶媒は、単量体の合計100質量部に対して、10〜2000質量部、例えば、50〜1000質量部の範囲で用いられる。
乳化重合では、重合開始剤及び乳化剤の存在下で、単量体を水中に乳化させ、窒素置換後、50〜80℃の範囲で1〜30時間、撹拌して重合させる方法が採用される。
重合開始剤は、例えば、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、t−ブチルパーベンゾエート、1−ヒドロキシシクロヘキシルヒドロ過酸化物、3−カルボキシプロピオニル過酸化物、過酸化アセチル、アゾビスイソブチルアミジン−二塩酸塩、過酸化ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の水溶性の重合開始剤;アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド、ラウリルパーオキシド、クメンヒドロパーオキシド、t−ブチルパーオキシピバレート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート等の油溶性の重合開始剤が挙げられる。重合開始剤は、単量体100質量部に対して、0.01〜10質量部の範囲で用いられる。
放置安定性の優れた重合体を含む水系分散体を得るためには、高圧ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー等の強力な破砕エネルギーを付与できる乳化装置を用いて、単量体を水中に微粒子化して重合することが望ましい。
また、乳化剤としては、アニオン性、カチオン性、又はノニオン性の各種乳化剤を用いることができる。乳化剤は、単量体100質量部に対して、0.5〜20質量部の範囲で用いられる。アニオン性及び/又はノニオン性及び/又はカチオン性の乳化剤を使用することが好ましい。単量体が完全に相溶しない場合は、これら単量体を充分に相溶させるような相溶化剤、例えば、水溶性有機溶媒、低分子量の単量体等を添加することが好ましい。相溶化剤の添加により、乳化性及び共重合性を向上させることが可能である。
水溶性有機溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、エタノール等が挙げられる。水溶性有機溶媒は、水100質量部に対して、1〜50質量部、例えば10〜40質量部の範囲で用いてよい。また、低分子量の単量体としては、メチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート等が挙げられる。低分子量の単量体は、単量体の総量100質量部に対して、1〜50質量部、例えば、10〜40質量部の範囲で用いてよい。
重合においては、連鎖移動剤を使用してもよい。連鎖移動剤の使用量に応じて、重合体の分子量を変化させることができる。連鎖移動剤の例は、ラウリルメルカプタン、チオグリコール、チオグリセロール等のメルカプタン基含有化合物(特に、(例えば、炭素数1〜40の)アルキルメルカプタン)、次亜リン酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム等の無機塩等である。連鎖移動剤の使用量は、単量体の総量100質量部に対して、0.01〜10質量部、例えば、0.1〜5質量部の範囲で用いてよい。
本発明で用いられる表面処理剤は、上記水系分散体をそのまま使用することもできるし、上記水系分散体に加えて、本発明の効果を生じる限りにおいて任意の添加剤を含んだものを使用してもよい。
添加剤としては、例えば、増粘剤(乳化増粘剤)、撥水助剤成分、架橋剤(イソシアネート系、ブロックドイソシアネート系、メラミン系等)、スリップ防止剤、防しわ剤、難燃剤、帯電防止剤、耐熱剤等の繊維用薬剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料、金属粉顔料、レオロジーコントロール剤、硬化促進剤、消臭剤、抗菌剤等の公知の添加剤が挙げられる。例えば、撥水助剤成分としては、ジルコニウム系化合物等が挙げられ、特に酢酸ジルコニウム、塩酸ジルコニウム、硝酸ジルコニウムが好ましい。これらの添加剤は1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
前記架橋剤を添加することが好ましく、洗濯耐久性を向上させることができる。架橋剤としては、公知の架橋剤を使用することができ、例えば、イソシアネート系架橋剤、ブロックドイソシアネート系架橋剤、メラミン系架橋剤等が挙げられる。
イソシアネート系架橋剤及びブロックドイソシアネート系架橋剤は、公知の(ブロックド)イソシアネート化合物を含有するものであればよい。
イソシアネート化合物としては、1分子中に2個以上の架橋性官能基を有する公知のイソシアネート化合物(多官能イソシアネート化合物)を、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
また、イソシアネート化合物としては、イソシアネート基の50mol%以上、好ましくは60mol%以上、さらに好ましくは70mol%以上がブロック剤で封鎖されたブロックドイソシアネートを好適に用いることができる。ブロックドイソシアネートとしては、公知の各種ブロックドイソシアネートを使用することができる。ブロックドイソシアネートは、公知の各種イソシアネート化合物を公知の各種ブロック剤と反応させることにより調製することができる。
イソシアネート化合物(ブロックドイソシアネートを含む)は自己乳化性を有していてもよい。自己乳化性を有するイソシアネート化合物としては、例えば、イソシアネート化合物の一部にノニオン性親水基、カチオン性親水基、又はアニオン性親水基を導入したイソシアネート化合物を用いることができ、好ましくはオキシエチレン基を有するノニオン性親水基を導入したイソシアネート化合物を用いることができる。自己乳化性を付与するためにイソシアネート化合物と反応される親水性化合物としては、例えば、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコールモノエチルエーテル、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ポリプロピレングリコールポリエチレングリコールモノブチルエーテル等のポリオキシアルキレンモノアルキルエーテル類;エチレングリコール、又は、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール等の(ポリ)エチレングリコール類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールのブロック共重合体、ランダム共重合体、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイド、エチレンオキサイドとブチレンオキサイドのランダム共重合体又はブロック共重合体;ポリオキシアルキレンモノアミン類、ポリオキシアルキレンジアミン類;等のノニオン性親水性化合物が挙げられ、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコールモノエチルエーテル等が好ましく用いられる。上記ノニオン性親水性化合物は、1種単独で用いてもよく、又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの化合物を、イソシアネート基に対して所定量導入することにより、イソシアネート化合物に自己乳化性を付与することができる。これらの化合物の導入量は、イソシアネート基に対して、下限については好ましくは1mol%以上であり、また、上限については好ましくは50mol%以下、より好ましくは40mol%以下、さらに好ましくは30mol%以下であり、範囲としては、好ましくは1〜50mol%程度、より好ましくは1〜40mol%程度、さらに好ましくは1〜30mol%程度である。
イソシアネート化合物としては、例えば、脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート等が挙げられる。脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、1,5−ペンタメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート等が挙げられる。脂環族ポリイソシアネートとしては、例えば、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、3−イソシアナトメチル−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(イソホロンジイソシアネート)、ビス−(4−イソシアナトシクロヘキシル)メタン(水添MDI)、ノルボルナンジイソシアネート等が挙げられる。芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、粗製MDI、1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトジフェニルメタン、1,5−ナフチレンジイソシアネート等が挙げられる。芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等が挙げられる。さらに、これらの化合物の反応生成物、例えば、付加反応により得られたアダクト型ポリイソシアネート;ウレトジオン化反応、イソシアヌレート化反応、カルボジイミド化反応、ウレトンイミン化反応、ビウレット化反応等によるイソシアネート変性体;及びこれらの混合物を用いることも好ましい。
前記イソシアネート化合物に導入されるブロック剤としては、活性水素を分子内に1個以上有する化合物であり、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。ブロック剤としては、例えば、アルコール系化合物、アルキルフェノール系化合物、フェノール系化合物、活性メチレン系化合物、メルカプタン系化合物、酸アミド系化合物、酸イミド系化合物、イミダゾール系化合物、イミダゾリン系化合物、ピリミジン系化合物、グアニジン系化合物、トリアゾール系化合物、カルバミン酸系化合物、尿素系化合物、オキシム系化合物、アミン系化合物、イミド系化合物、イミン系化合物、ピラゾール系化合物、重亜硫酸塩等が挙げられる。中でも、酸アミド系化合物、活性メチレン系化合物、オキシム系化合物、ピラゾール系化合物等が好ましく、ε−カプロラクタム、アセチルアセトン、マロン酸ジエチル、メチルエチルケトンオキシム、シクロヘキサノンオキシム、3−メチルピラゾール、3,5−ジメチルピラゾール等を好ましく用いることができる。
メラミン系架橋剤としては、メラミン樹脂を使用することができる。市販品を使用することができ、例えば、アミディアM−3(DIC社製)などが好ましく使用できる。
表面処理剤の処理方法
上述した表面処理剤は、従来既知の方法により被処理物に適用することができる。通常、該表面処理剤を有機溶媒又は水に分散して希釈して、既知の方法により、被処理物の表面に付着させ、乾燥する方法等が挙げられる。
表面処理剤を繊維製品の片面又は両面に処理する方法としては、例えば、スクリーン捺染法、ローラ捺染法、インクジェット法、キスコータ法、グラビアコーティング法、スプレー法、泡加工法等の公知の方法が挙げられる。
表面処理剤を処理する面積としては、繊維製品の表面処理する面の面積を100%とした場合、80%以上とすることができる。汗によって繊維製品が濡れた際の肌へのべたつき感を抑制するという観点から、85%以上が好ましく、より好ましくは90%以上であり、さらに好ましくは95%以上であり、特に好ましくは98%以上である。この面積の上限としては、100%以下であり、好ましくは99.9%以下、より好ましくは99.8%以下である。
また、表面処理剤を繊維製品の片面又は両面に処理する方法は、表面処理面の反対側へ表面処理剤が漏れ出なければ、特に限定はない。例えば、水系分散体に増粘剤を添加し、各処理方法に適した粘度を有する表面処理剤を調製して、該表面処理剤で繊維製品を処理することが好ましい。
表面処理剤の粘度は公知の方法で測定することができる。粘度の測定には、例えば、B型粘度計を用いることができる。測定温度は、処理時の表面処理剤の温度でよい。
例えば、スクリーン捺染法であれば、表面処理剤の粘度を3000〜200000mPa・sに調節することが好ましい。粘度として、より好ましくは、4000〜100000mPa・s、さらに好ましくは5000〜80000mPa・s、特に好ましくは、6000〜70000mPa・sである。また、スクリーンのメッシュ数としては、40〜300メッシュに設定することが好ましい。
前記表面処理剤の付着量(ウェット)は、例えば、スクリーン捺染法であれば、繊維製品に対して、通常1g/m〜400g/mであり、好ましくは5g/m〜300g/mであり、より好ましくは10g/m〜200g/m、特に好ましくは15g/m〜150g/mである。ここで、付着とは、塗布、スプレー等により表面処理剤が付着することを表す。また、付着量(ウェット)は、処理量(ウェット)、塗布量(ウェット)等と言い換えることができる。
前記表面処理剤中の水系分散体の付着量(乾燥又はドライ)は、繊維製品に対して、通常0.0001g/m〜10g/mであり、好ましくは0.01g/m〜8g/mであり、より好ましくは1g/m〜6g/mである。乾燥又はドライとは、表面処理剤を処理し、乾燥後の質量(表面処理剤が付着し、乾燥後の固形分)を意味している。ここで、乾燥とは、下記乾熱処理の際に、水、有機溶剤等の揮発性成分を揮散させることを指す。付着量(乾燥又はドライ)は、処理量(ドライ)、塗布量(ドライ)等と言い換えることができる。また、付着量(乾燥又はドライ)は、前記表面処理剤の固形分に由来するものであり、単純に繊維製品の乾燥前後の質量変化から求めることができる。また、前記付着量(ウェット)から、算出することができる。さらに、前記付着量(ウェット)をもとに、表面処理剤中の水系分散体の配合量から、水系分散体の固形分の付着量(乾燥又はドライ)を算出することができる。
表面処理剤の処理方法としては、例えば、乾熱処理等が挙げられる。乾熱処理の温度として、100〜180℃が好ましく、特に160〜180℃が好ましい。該乾熱処理の時間としては、10秒間〜10分間が好ましく、特に1〜5分間が好ましい。乾熱処理の方法としては、特に限定はなく、テンター等が使用できる。なお、乾熱処理の前に、100〜140℃で予備乾燥処理を行うこともできる。
また、必要に応じて、乾熱処理後、得られた繊維製品上の増粘剤又は界面活性剤を除去する洗浄工程を設けてもよく、例えば、界面活性剤を添加して水洗(水洗い)又は湯洗(湯洗い)を行うことが好ましい。水洗又は湯洗の温度としては、例えば、0〜70℃であり、好ましくは20〜50℃である。また、洗浄及び脱水した後に、100〜180℃で乾燥することができる。
また、必要に応じて、繊維製品を、摩擦する工程を設けてもよい。摩擦する工程としては、表面処理層が摩擦できれば特に限定はなく、例えば、洗濯工程が挙げられる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。なお、以下の実施例において、特に明示されていない場合、「%」は「質量%」を意味する。
(1)べたつき感評価
ガラス板上にイオン交換水0.1mLをおき、5cm四角に裁断した繊維製品の中心に水滴が来るようにして、表面処理面からそっと被せた。繊維製品の中心に500gの重り(直径4cm)をそっとおき、10秒間静置した。その後、重りを退け、表面処理層の表面に残る水滴をトイレットペーパーでふき取り(トイレットペーパーでふき取る際、強く押さえつけると表面の湿潤状態が変化する可能性があるため、あくまで表面上に残る水滴を除去する程度の強さで行った)、表面処理層の表面を手で触って湿潤の状態を下記基準に基づき評価した。
〇:湿潤を感じない、もしくはわずかに湿潤を感じる(べたつき感が小さい)
△:湿潤を感じる
×:湿潤を強く感じる(べたつき感が大きい)
(2)吸水性評価
水平な面にろ紙を敷き、その上に繊維製品を置いた。該繊維製品から5cmの高さからイオン交換水を1滴(0.05mL)滴下し、該水滴が繊維製品の表面に達した時から、該水滴が消失するまでの時間をストップウォッチで1秒単位まで測定した。なお、測定は、表面処理部を上にして置いた場合、及び非表面処理部を上にして置いた場合のそれぞれに対して3回ずつ行った。
(3)繊維製品の表面処理部の表面張力の評価
下記のような沈降試験を行い、繊維製品について表面処理部の表面張力の評価を行った。
繊維製品の表面処理部を1cm四角に裁断し、試験布10を準備した。図6に示すように、ビーカー8に、所定の濃度に調製したイソプロピルアルコール水溶液9(25±5℃)を入れ、試験布10の端をピンセット11で挟み、表面処理された面が上側になるようにして、45°の角度で液中に5秒間沈めた。
5秒後、表面処理された面が上側になるように試験片を離し、イソプロピルアルコール水溶液の気−液界面に浮上した時点から、試験布10の4隅がすべて気−液界面から離れ、沈み始めるまでの時間をストップウォッチで1秒単位まで測定した。
また、試験布10が気−液界面に浮上しなかった場合は0秒とし、気−液界面から180秒経過しても沈まなかった場合は>180秒とした。
なお、イソプロピルアルコール水溶液については、イソプロピルアルコールを1質量%、5質量%、10質量%、20質量%、30質量%、40質量%、及び50質量%含有する水溶液を用いて試験を行った。
ここで、各濃度のイソプロピルアルコール水溶液について、上記試験を3回ずつ行い、繊維製品の表面処理部の表面張力を測定した。
3回中2回以上の結果が、「>180秒」であれば、所定濃度のイソプロピルアルコール水溶液の表面張力よりも低いものと判断した。
3回中2回以上の結果が、「≦180秒」であれば、所定濃度のイソプロピルアルコール水溶液の表面張力よりも高いものと判断した。
繊維製品の表面処理部の表面張力としては、各イソプロピルアルコール水溶液の表面張力から下記計算式に従い決定した。
[(3回中2回以上の結果が>180秒となったイソプロピルアルコール水溶液の濃度中、最も大きいものの表面張力)+(3回中2回以上の結果が≦180秒となったイソプロピルアルコール水溶液の濃度中、最も小さなものの表面張力)]÷2
なお、各イソプロピルアルコール水溶液(イオン交換水使用)の表面張力は、協和界面科学株式会社製の全自動表面張力計CBVP−Zを用いて、液温25℃においてプレート法により3回測定を行い、その平均値とした。
測定結果は、イソプロピルアルコール水溶液:
0質量%;72.1 mN/m、
1質量%;62.5 mN/m、
5質量%;47.5 mN/m、
10質量%;39.3 mN/m、
20質量%;30.4 mN/m、
30質量%;26.3 mN/m、
40質量%;24.9 mN/m、
50質量%;24.0 mN/m、
60質量%;23.5 mN/m、及び
100質量%;20.7 mN/mであった。
(4)洗濯耐久性の評価
得られた繊維製品について、JIS L 0217(1995)付表1の103法に準拠し、洗濯5回風乾後(HL−5)に上記のべたつき感評価、吸水性評価、及び繊維製品の表面処理部の表面張力の評価を行った。
(5)塗布液の粘度測定
表面処理剤を含有する塗布液を調製した後、その粘度を、B型粘度計(ローターNo.4、回転数30rpm(粘度20000mPa・s以上の場合は6rpm))を用いて測定した。
(表面処理剤の調製方法)
[製造例1]
フラスコに、デュラネート24A−100(ヘキサメチレンジイソシアネートのビウレット体、旭化成ケミカルズ株式会社製、NCO%=23.5)を15g(NCO基0.08mol)、及びメチルイソブチルケトンを10gそれぞれ加え、次いで撹拌した。それに、3,5−ジメチルピラゾール8.1g(0.08mol)を加え、50℃で加熱した。イソシアネート含有率が0%になるまで反応させることにより、ブロックドイソシアネート化合物1を得た。
続いて、得られたブロックドイソシアネート化合物に、エマゾールS−30V(ソルビタントリステアレート、花王株式会社製、水酸基価68.6mgKOH/g)66g(OH基0.08mol)、及びメチルイソブチルケトン76gをそれぞれ加え60℃で溶解させて溶液Aを得た。ステアリルアミンのエチレンオキサイド30モル付加物界面活性剤2.8g、及び酢酸(90%水溶液)0.91gをイオン交換水216gに60℃で溶解させて得られた界面活性剤溶液Bを、前記溶液Aに滴下した。温度を保ち高圧ホモジナイザー(400bar)にて乳化させた。その後、メチルイソブチルケトンを減圧下留去し、イオン交換水を加え、固形分濃度25%のイソシアネート基と反応可能な官能基を有する炭化水素化合物とブロックドイソシアネート化合物とを含有する表面処理剤1Aを得た。
続いて、オートクレーブに、ステアリルアクリレート47.5g、グリシジルメタクリレート(架橋性官能基)2.5g、純水145g、トリプロピレングリコール15g、ソルビタンモノオレエート1.5g、ポリオキシエチレン(EO付加モル数:18)2級アルキル(C12−14)エーテル2g、及びジオクタデシルジメチルアンモニウムクロライド1.5gを入れ、攪拌下に60℃で15分間、超音波で乳化分散させた。
オートクレーブ内を窒素置換後、2,2−アゾビス(2−アミジノプロパン)2塩酸塩0.5gを添加し、60℃で3時間反応させた。イオン交換水を加え、固形分濃度25%に調整して、アクリルポリマーを含有する水系分散体Bを得た。
ビーカーに、表面処理剤1Aと水系分散体Bとを質量比4:1で加え、撹拌し、固形分濃度25%の表面処理剤1Bを得た。なお、表面処理剤1Bからブロックドイソシアネート化合物1を除いた時の固形分濃度は、20%であった。
[製造例2]
オートクレーブに、ステアリルアクリレート83g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート2g、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド1g、ポリオキシエチレン(EO付加モル数:7モル)ラウリルエーテル6g、ポリオキシエチレン(EO付加モル数:21モル)ラウリルエーテル2g、ドデシルメルカプタン0.1g、ジプロピレングリコール30g、及びイオン交換水190gを入れ、50℃にて高速撹拌により水系分散させた。その後、40℃に保ちながら高圧ホモジナイザー(400bar)にて処理し、水系分散体を得た。オートクレーブ内を窒素置換後、塩化ビニルを15g圧入で仕込み、アゾビス(イソブチルアミジン)二塩酸塩0.3gを加え、窒素雰囲気下で60℃にて10時間反応させた。イオン交換水を加え、固形分濃度30%に調整してアクリルポリマーの水系分散体2を得た。
[製造例3]
フラスコに、ステアリルアクリレート94g、KF−2012(ラジカル反応性オルガノポリシロキサンマクロモノマー、信越化学工業株式会社製)4g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート2g、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド1g、ポリオキシエチレン(EO付加モル数:7モル)ラウリルエーテル6g、ポリオキシエチレン(EO付加モル数:21モル)ラウリルエーテル2g、ドデシルメルカプタン0.1g、ジプロピレングリコール30g、及びイオン交換水190gを入れ、50℃にて高速撹拌により水系分散させた。その後、40℃に保ちながら高圧ホモジナイザー(400bar)にて処理し、水系分散体を得た。この乳化物にアゾビス(イソブチルアミジン)二塩酸塩0.3gを加え、窒素雰囲気下で60℃にて10時間反応させた。イオン交換水を加え、固形分濃度30%に調整してアクリル−シリコーンポリマーの水系分散体3を得た。
[製造例4]
ビーカーに、WACKER FINISH WR 1100(アミノ変性シリコーン、旭化成ワッカーシリコーン株式会社製、アミン当量7000g/mol)60g、及びポリオキシエチレン(EO付加モル数:9モル)2級アルキル(C12−14)エーテル9gをそれぞれ加え撹拌した。その後、イオン交換水200g及び90%酢酸0.7gを加え、高圧ホモジナイザー(400 bar)にて水系分散させた。イオン交換水を加え、固形分濃度15%の水系分散体4を得た。
[製造例5]
ビーカーに、KF−96A−6cs(ジメチルシリコーン、信越化学工業株式会社製、動粘度6mm/s)42g及びDOW Corning MQ−1600 Solid Resin(シリコーンMQレジン、東レ・ダウコーニング株式会社製)42gをそれぞれ加え、撹拌し、溶解させた。続いて、DOWSIL SF 8417 Fluid(アミノ変性シリコーン、東レ・ダウコーニング株式会社製、アミン当量1700g/mol)36g及びポリオキシエチレン(EO付加モル数:5モル)2級アルキル(C12−14)エーテル4g、及びギ酸(85%水溶液)0.5gをそれぞれ加え、撹拌した。その後、イオン交換水250gを滴下し、高圧ホモジナイザー(400bar)にて水系分散させた。イオン交換水を加え、固形分濃度30%の水系分散体5を得た。
[製造例6]
フラスコに、Silwax D226(アルキル変性シリコーン、SILTECH社製)117g及びメチルイソブチルケトン63gを加え、70℃で溶融させた。ステアリルアミンのエチレンオキサイド30モル付加物5.7g、及び酢酸(90%水溶液)1.8gを、イオン交換水400gに70℃で溶解させ、滴下した。温度を保ち高圧ホモジナイザー(400bar)にて水系分散させた。その後、メチルイソブチルケトンを減圧下留去し、イオン交換水を加え、固形分濃度25%の水系分散体6を得た。
[製造例7]
フラスコに、Silube T308−16(アルキル・ポリエーテル変性シリコーン、SILTECH社製)117g及びメチルイソブチルケトン63gを加え、撹拌した。ステアリルアミンのエチレンオキサイド30モル付加物5.7g、及び酢酸(90%水溶液)1.8gを、イオン交換水400gに60℃で溶解させ、滴下した。高圧ホモジナイザー(400bar)にて水系分散させた。その後、メチルイソブチルケトンを減圧下留去し、イオン交換水を加え、固形分濃度25%の水系分散体7を得た。
[製造例8]
オートクレーブに、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチルメタクリレートを114g、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレートを18g、2−ヒドロキシエチルメタクリレートを16.5g、CH=C(CH)COO(CO)COC(CH)=CHを1.5g、アセトンを450g及びジメチル2,2’−アゾビスイソブチレートを1.2g仕込み、窒素雰囲気下で65℃にて16時間反応させた。
得られた溶液に水450g及び酢酸(90%水溶液)8.4gを添加し、ホモミキサーを用いて30分間撹拌した。アセトンを減圧下留去し、イオン交換水を加え、固形分濃度20%の水系分散体8を得た。
[製造例9]
オートクレーブに、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチルメタクリレートを77g、アクリル酸を7.5g、2−ヒドロキシエチルメタクリレートを15.5g、アセトンを185g及びジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)を0.8g仕込み、窒素雰囲気下で75℃にて20時間反応させた。
得られた溶液に、水酸化ナトリウム(1.5%水溶液)273gを添加し、撹拌した。アセトンを減圧下留去し、イオン交換水を加え、固形分濃度25%の水系分散体9を得た。
[製造例10]
オートクレーブに、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチルメタクリレートを11.2g、及びCH=C(CH)COO(EO)CHを5g、CH=C(CH)COO−(−(EO)10−(TO)−)−H(EO(エチレンオキサイド)とTO(テトラメチレンオキサイド)はランダムに含む)を2.8g、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレートを0.8g、2−イソシアネートエチルメタクリレートの3,5−ジメチルピラゾール付加体を0.2g、アセトン59.8g、及び4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)を0.2g仕込み、窒素雰囲気下で65℃にて20時間反させた。
得られた溶液に水60g及び酢酸(90%水溶液)0.4gを添加し、撹拌した。アセトンを減圧下留去し、イオン交換水を加え、固形分濃度20%の水系分散体10を得た。
[試験布のポリエスエル部の親水化処理]
1.ポリエステルダブルピケ(目付 242g/m 、厚み 0.9mm)
ポリエステルダブルピケを下記条件で染色し、この際、吸水加工剤も添加し、同浴で親水化処理を行った。その後、水洗及び遠心脱水を行った後、還元洗浄を行った。還元洗浄後、水洗及び遠心脱水を行い、110℃で2分間乾燥させた。
<染色・親水化処理>
・Danix Blue ACE(染料) : 1%o.w.f
・90%酢酸(pH調整剤) : 0.3g/L
・ディスパーGS−400(分散均染剤) : 0.5g/L
・メイカフィニッシュSRM−42T(吸水加工剤) : 5%o.w.f
・浴比 1:10、130℃×30分
<還元洗浄>
・ラッコールNB(洗浄剤) : 1g/L
・ソーダ灰(pH調整剤) : 2g/L
・ハイドロサルファイト : 2g/L
・浴比 1:20、80℃×10分
2.T/Cニット(T/C=50/50、目付 193g/m 、厚み 0.7mm)
T/Cニットを下記条件でポリエステル部分を染色し、この際、吸水加工剤も添加し、同浴で親水化処理を行った。その後、水洗及び遠心脱水を行った後、還元洗浄を行った。還元洗浄後、水洗及び遠心脱水を行い、110℃で2分間乾燥させた。
<染色・親水化処理>
・Danix Blue ACE(染料) : 0.5%o.w.f
・90%酢酸(pH調整剤) : 0.3g/L
・ディスパーGS−400(分散均染剤) : 0.5g/L
・メイカフィニッシュSRM−42T(吸水加工剤) : 2.5%o.w.f
・浴比 1:10、130℃×30分
<還元洗浄>
・ラッコールNB(洗浄剤) : 1g/L
・ソーダ灰(pH調整剤) : 2g/L
・ハイドロサルファイト : 2g/L
・浴比 1:20、80℃×10分
下記表中において、実施例及び比較例で用いた市販品は、下記のとおりである。
・AsahiGuard E−SERIES AG−E550D(C6フッ素系撥水剤;炭素数7以上のパーフルオロアルキル基を含まないフッ素系撥水剤、固形分濃度30%、AGC株式会社製):撥水性付与成分(1)
・増粘剤:Daimonex EDC−200(大日精化工業株式会社製)
・アウローレンAE−301(特殊変性ポリオレフィン樹脂の水系分散体、固形分濃度30%、日本製紙株式会社製):撥水性付与成分(1)
・ペトロックスP−200(パラフィンワックスの水系分散体、固形分濃度35%、明成化学工業株式会社製):撥水性付与成分(4)
・メイカネートCX(ブロックドイソシアネート系架橋剤、明成化学工業株式会社製)
・Polon(登録商標) MK−206(メチルハイドロジェンシリコーンの水系分散体、固形分濃度32%、信越化学工業株式会社製):撥水性付与成分(5)
・添加剤(触媒):CAT−FZ(メチルハイドロジェンシリコーン用触媒、信越化学工業株式会社製)
・増粘剤:レピトールG−NEW(第一工業製薬株式会社製)
[実施例1]
製造例1で得られた水系分散体を12%、メイカネートCX(ブロックドイソシアネート系架橋剤、明成化学工業株式会社製)を2%、ノンターペンレジューサー用増粘剤であるDaimonex EDC−200(大日精化工業株式会社製)を1.4%含有するように水で希釈し混合させて、表面処理剤を調製した。なお、初めに増粘剤と水とをよく混合させ、続いて残りの薬剤を添加し、さらによく混合させて表面処理剤の調製を行った。
得られた表面処理剤は、捺染機を用いて親水化処理されたポリエステルダブルピケの片面にスクリーンプリント(180メッシュ)を行った。次いで、これにピンテンターを用いて170℃で3分間熱処理を行い、片面が表面処理された繊維製品を得た。なお、スクリーンプリント後に目視で確認したところ、表面処理剤を塗布した反対面への樹脂の漏れはなかった。
実施例1に対する各試験結果を表1に示す。
[実施例2]
実施例1と同様の操作を行い、片面が表面処理された繊維製品を得た後、ポリオキシエチレン(EO付加モル数:9モル)2級アルキル(C12−14)エーテル(1g/L)を加えた40℃の湯で10分間洗浄し、増粘剤等の親水性化合物を除去した。その後、水洗及び遠心脱水を行い、110℃で1.5分間乾燥させ、片面が表面処理された繊維製品を得た。
実施例2に対する各試験結果を表1に示す。
[実施例3〜12、14〜18、及び20〜23]
表1〜表4中に記載した条件で、実施例1と同様の操作により片面が表面処理された繊維製品を得た。また増粘剤等を除去するために湯洗いを行う場合は、実施例2と同様の操作により片面が表面処理された繊維製品を得た。なお、全ての条件において、スクリーンプリント後に目視で確認したところ、表面処理剤を塗布した反対面への樹脂の漏れはなかった。
実施例3〜12、14〜18、及び20〜23に対する各結果を表1〜4に示す。
[比較例1]
Polon(登録商標) MK−206(メチルハイドロジェンシリコーンの水系分散体、固形分濃度32%、信越化学工業株式会社製)を9.4%、CAT−FZ(メチルハイドロジェンシリコーン用触媒、信越化学工業株式会社製)を4.7%、ターペンレジューサー用乳化増粘剤であるレピトールG−NEW(第一工業製薬株式会社製)を5%、ターペンを60%、及び水(残部)を含む表面処理剤を調製した。なお、シリコーン系化合物である、Polon(登録商標) MK−206、CAT−FZ、増粘剤、及び水をよく混合させた後、撹拌しながら少量ずつターペンを加えて表面処理剤の調製を行った。
得られた表面処理剤は、捺染機を用いて親水化処理されたポリエステルダブルピケの片面にスクリーンプリント(180メッシュ)を行い、ピンテンターを用いて170℃で3分間熱処理を行い、片面が表面処理された繊維製品を得た。なお、スクリーンプリント後に目視で確認したところ、表面処理剤を塗布した反対面への樹脂の漏れはなかった。
比較例1に対する各試験結果を表3に示す。
[実施例13]
比較例1と同様の操作を行い、片面が表面処理された繊維製品を得た後、ポリオキシエチレン(EO付加モル数:9モル)2級アルキル(C12−14)エーテル(1g/L)を加えた40℃の湯で10分間洗浄し、増粘剤等の親水性化合物を除去した。その後、水洗及び遠心脱水を行い、110℃で1.5分間乾燥させ、片面が表面処理された繊維製品を得た。
実施例13に対する各試験結果を表3に示す。
[実施例19]
製造例8で得られた水系分散体を15%、メイカネートCXを2%、ターペンレジューサー用乳化増粘剤であるレピトールG−NEW(第一工業製薬株式会社製)を5%、ターペンを60%、及び水(残部)を含む表面処理剤を調製した。なお、製造例8及びメイカネートCX、増粘剤、及び水をよく混合させ後、撹拌しながら少量ずつターペンを加えて表面処理剤の調製を行った。
得られた表面処理剤は、捺染機を用いて親水化処理されたポリエステルダブルピケの片面にスクリーンプリント(180メッシュ)した。その後、ピンテンターを用いて170℃で3分間熱処理を行い、片面が表面処理された繊維製品を得た。なお、スクリーンプリント後に目視で確認したところ、表面処理剤を塗布した反対面への樹脂の漏れはなかった。
得られた繊維製品をポリオキシエチレン(EO付加モル数:9モル)2級アルキル(C12−14)エーテル(1g/L)を加えた40℃の湯で10分間洗浄し、増粘剤等の親水性化合物を除去した。その後、水洗及び遠心脱水を行い、110℃で1.5分間乾燥させ、片面が表面処理された繊維製品を得た。
実施例19に対する各試験結果を表4に示す。
[比較例2]
表中記載の条件で、AsahiGuard E−SERIES AG−E550D(C6フッ素系撥水剤、固形分濃度30%、AGC株式会社製)を用い、実施例2と同様の操作により片面が表面処理された繊維製品を得た。なお、スクリーンプリント後に目視で確認したところ、表面処理剤を塗布した反対面への樹脂の漏れはなかった。
比較例2に対する各試験結果を表5に示す。
[実施例24]
比較例2で得られた繊維製品について、洗濯を5回行った後風乾した。
実施例24に対する各試験結果を表5に示す。
[実施例25及び27]
表中記載の条件で、AsahiGuard(登録商標) E−SERIES AG−E550Dを用い、実施例2と同様の操作により、片面が表面処理された繊維製品を得た。なお、スクリーンプリント後に目視で確認したところ、表面処理剤を塗布した反対面への樹脂の漏れはなかった。
実施例25及び27に対する各試験結果を表5及び表6に示す。
[実施例26及び28]
実施例25及び27で得られた繊維製品について、洗濯を5回行った後風乾した。
実施例26及び28に対する各試験結果を表5及び表6に示す。
[実施例29]
メイカネートCXを使用しなかったこと以外は、実施例12と同様の操作により片面が表面処理された繊維製品を得た。なお、スクリーンプリント後に目視で確認したところ、表面処理剤を塗布した反対面への樹脂の漏れはなかった。
実施例29に対する各試験結果を表6に示す。
[比較例3]
実施例29で得られた繊維製品について、洗濯を5回行った後風乾した。
比較例3に対する各試験結果を表6に示す。
[実施例30、31、及び32]
実施例10、20、及び22と同様の操作を親水化処理されたT/Cニットに対して行った。なお、スクリーンプリント後に目視で確認したところ、表面処理剤を塗布した反対面への樹脂の漏れはなかった。
実施例30、31、及び32に対する各試験結果を表7に示す。
[実施例33、34、及び35]
表中記載の条件で、AsahiGuard E−SERIES AG−E550D(C6フッ素系撥水剤、固形分濃度30%、AGC株式会社製)を用いて、実施例1と同様の操作を親水化処理されたT/Cニットに対して行った。なお、スクリーンプリント後に目視で確認したところ、表面処理剤を塗布した反対面への樹脂の漏れはなかった。
実施例33、34、及び35に対する各試験結果を表7に示す。
Figure 2021127548
Figure 2021127548
Figure 2021127548
Figure 2021127548
Figure 2021127548
Figure 2021127548
Figure 2021127548
<試験結果について>
上記表1〜7に示す試験結果を以下に示す。
[実施例1、3及び5]
べたつき感評価は、実施例1、3及び5の何れも良好な結果が得られた。
吸水性評価の結果は、何れも、表面処理面及び非表面処理面ともに、優れた吸水性を示した。
なお、何れの試験結果においても、洗濯後は洗濯前と同等の性能が維持された。
実施例1、3及び5の表面張力は、何れも24〜62.5mN/mの範囲内であった。
[実施例2、4及び6]
実施例2、4及び6では、湯洗いによる増粘剤等の除去工程を設けたが、上記実施例1、3及び5と同様に、何れも優れた結果が得られた。
また、実施例2、4及び6の表面張力は、何れも24〜62.5mN/mの範囲内であった。
[実施例7及び8]
実施例7及び8では、撥水性付与成分2種を併用した例であるが、何れも良好な結果が得られた。
また、実施例7及び8の表面張力は、何れも24〜62.5mN/mの範囲内であった。
[実施例9〜12]
実施例9〜12は、何れの試験においても良好な結果が得られた。
また、実施例9〜12の表面張力は、何れも24〜62.5mN/mの範囲内であった。
[比較例1]
比較例1では、吸水性評価の結果は良好であったが、べたつき感評価の結果は不良であった。
また、表面張力の評価を行ったところ、24〜62.5mN/mの範囲外であった。
[実施例13]
実施例13では、湯洗いによる増粘剤等の除去工程を設けることで、何れの試験においても良好な結果が得られた。また、表面張力は、24〜62.5mN/mの範囲内であった。
[実施例14〜17]
実施例14〜17は、何れの試験においても、良好な結果が得られた。
また、実施例14〜17の表面張力は、何れも24〜62.5mN/mの範囲内であった。
[実施例18〜23]
実施例18〜23は、何れの試験においても、良好な結果が得られた。
また、実施例18〜23の表面張力は、何れも24〜62.5mN/mの範囲内であった。
[比較例2]
比較例2について、吸水性評価において非表面処理面は優れた吸水性を示したが、表面処理面では十分な吸水性が得られなかった。また、表面張力の評価を行ったところ、24〜62.5mN/mの範囲外であった。
[実施例24]
実施例24は、比較例2の洗濯後の結果であり、べたつき評価及び吸水性評価において良好な結果が得られた。また、表面張力の評価を行ったところ、洗濯により疎水性が低下し、24〜62.5mN/mの範囲内となっていた。すなわち、洗濯による摩擦によって、表面処理層の表面の表面張力を上記範囲内にすることで、本発明の繊維製品を得ることができた。
[実施例25〜28]
実施例25〜28では、比較例2より表面処理剤の塗布量を減らすことで、洗濯の有無によらず、何れの試験においても良好な結果が得られた。また、実施例25〜28の表面張力は、何れも24〜62.5mN/mの範囲内であった。
以上の実施例24〜28及び比較例2の試験結果から、表面処理層の表面の表面張力と、べたつき感評価及び吸水性評価との間に、相関性があることが示唆された。
[実施例29]
実施例29、及び比較例3は、実施例12の条件における架橋剤のメイカネートCXを添加しなかった例である。
洗濯前である実施例29では何れも良好な結果が得られたものの、洗濯後の比較例3ではべたつき感評価が不良となった。
したがって、架橋剤であるメイカネートCXの添加により、洗濯耐久性が向上することが示唆された。
[実施例30〜35]
実施例30〜35は、T/Cニットで評価を行ったが、何れの試験においても良好な結果が得られた。
また、実施例30〜35の表面張力は、何れも24〜62.5mN/mの範囲内であった。
1、1’ 表面処理層
2 非表面処理層
3 撥水剤が未処理の箇所
4 水
5 表面処理層の表面に水が戻らないことを示す矢印
6 撥水剤が未処理の箇所から、水が一部表面処理層へ戻ることを示す矢印
7 表面処理層の表面に水が接触した場合、水が前記表面処理層を通過できず、水が吸収されないことを示す矢印
8 ビーカー
9 水及びアルコール混合溶液
10 繊維製品
11 ピンセット

Claims (14)

  1. 少なくとも一方の面が、表面処理剤で処理された繊維製品であって、
    前記繊維製品は、前記表面処理剤を含有する表面処理層、及び前記表面処理剤を含有しない非表面処理層を有し、
    前記非表面処理層は、吸水性を有しており、
    前記表面処理剤は、水系分散体を含有し、炭素数7以上のパーフルオロアルキル基を有する化合物を含まず、
    前記表面処理層の表面は、水よりも低く、アルコールよりも高い表面張力を有し、
    前記表面処理層に水が接触した場合、水が前記表面処理層を通過して非表面処理層に吸収され、かつ、前記表面処理層の表面に水が戻らないことを特徴とする、繊維製品。
  2. 前記表面処理層の表面の表面張力が、0.5〜60質量%のアルコール水溶液の表面張力である、請求項1に記載の繊維製品。
  3. 前記表面処理層の表面の表面張力が、1〜50質量%のアルコール水溶液の表面張力である、請求項1又は2記載の繊維製品。
  4. 前記表面処理層の表面の表面張力が、23.5mN/m以上、67mN/m以下である、請求項1〜3の何れか一項に記載の繊維製品。
  5. 前記表面処理層の表面の表面張力が、24mN/m以上、62.5mN/m以下である、請求項1〜4の何れか一項に記載の繊維製品。
  6. 前記アルコールが、イソプロピルアルコールである、請求項1〜5の何れか一項に記載の繊維製品。
  7. 前記繊維製品を、水及びアルコールを含む混合溶液中に、5秒間浸漬させた場合、前記繊維製品が180秒以内に沈降する、請求項1〜6の何れか一項に記載の繊維製品。
  8. 前記繊維製品の目付が50〜300g/mである、請求項1〜7の何れか一項に記載の繊維製品。
  9. 前記繊維製品の厚みが0.1〜3mmである、請求項1〜8の何れか一項に記載の繊維製品。
  10. 前記繊維製品が、綿、麻、及び吸水加工されたポリエステル繊維からなる群より選択される少なくとも1種で構成される繊維製品である、請求項1〜9の何れか一項に記載の繊維製品。
  11. 前記繊維製品が、綿、麻、又は吸水加工されたポリエステル繊維から構成される繊維製品である、請求項1〜10の何れか一項に記載の繊維製品。
  12. 前記繊維製品が、綿及び吸水加工されたポリエステル繊維の混紡繊維、又は、麻及び吸水加工されたポリエステル繊維の混紡繊維のいずれかで構成される繊維製品である、請求項1〜10の何れか一項に記載の繊維製品。
  13. 前記表面処理剤中の水系分散体が、0.0001g/m〜10g/mの処理量(ドライ)で処理された、請求項1〜12の何れか一項に記載の繊維製品。
  14. 前記繊維製品を、表面処理層が上になるように水平に置き、高さ5cmの位置から水滴を1滴滴下した場合、水滴が繊維製品の表面に達した時から、該水滴が消失するまでの時間が5秒以下である、請求項1〜13の何れか一項に記載の繊維製品。
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