JP2021126674A - 9%Ni鋼溶接用被覆アーク溶接棒 - Google Patents

9%Ni鋼溶接用被覆アーク溶接棒 Download PDF

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Abstract

【課題】 全姿勢溶接での溶接作業性が良好で、溶接金属の強度・靭性、耐割れ性及び耐気孔欠陥性に優れる9%Ni鋼溶接用被覆アーク溶接棒を提供する。【解決手段】 Niを95質量%以上含むNi基合金を心線とした、9%Ni鋼溶接用被覆アーク溶接棒において、心線質量比でSi:0.1〜1.0%、Mn:1.5〜4.0%、Cr:8〜12%、Mo:2.5〜8.0%、Nb:0.5〜2.5%、Ta:0.05〜0.30%、Ti:0.1〜0.8%、W:0.5〜1.7%を含有し、被覆剤は、当該被覆剤全質量で、SiO2換算値の合計:4〜12%、金属弗化物の合計:12〜25%、金属炭酸塩の合計:13〜21%、Na換算値及びK換算値の合計:1〜5%からなることを特徴とする。【選択図】 なし

Description

本発明は、主にLNG貯蔵タンクの建造に用いられる9%Ni鋼用の溶接に使用される被覆アーク溶接棒に関し、全姿勢溶接での溶接作業性が良好で、強度・靭性、耐割れ性及び耐気孔欠陥性に優れる溶接金属が得られる9%Ni鋼溶接用被覆アーク溶接棒に関する。
LNG貯蔵タンクは、LNGを貯蔵するため、常にタンク内が−196℃になることから、低温靭性の優れたフェライト系合金鋼の9%Ni鋼が多く使用されている。溶接には、極低温において溶接金属の靭性が良好なNi基合金系の溶接材料が多く用いられている。
近年、LNG貯蔵タンクの大型化に伴い、溶接金属が高強度・高靭性のものを要求され、従来技術による被覆アーク溶接棒では、要求スペックを十分に満足することができないという問題点があった。
例えば、特許文献1には、純Ni心線を用い、被覆剤中のTi、Al、Mg及び金属炭酸塩を規定することにより、溶接金属の機械性能に優れるとともに気孔欠陥の発生が少ない被覆アーク溶接棒が開示されている。しかし、耐気孔欠陥性は良好なものの被覆剤の金属炭酸塩が少ないので、下向溶接作業性は向上しているが、立向上進溶接での溶接作業性が不良になりやすいという問題点があった。
また、特許文献2には、C、Nb+TaおよびWを添加することにより溶接金属の強度・靭性に優れる被覆アーク溶接棒が開示されている。しかし、C、Nb+TaおよびWを添加することで溶接金属の強度は確保できるものの靭性にばらつきが生じやすく、−196℃における衝撃性能が近年の要求スペックを満足しないという問題点があった。
特開2016−043395号公報 特開2006−272432号公報
そこで本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、全姿勢溶接での溶接作業性、水平すみ肉溶接及び立向上進溶接において溶接作業性が良好で、耐割れ性、耐気孔欠陥性及び機械性能、特に低温での靭性に優れた溶接金属が安定して得られる9%Ni鋼溶接用被覆アーク溶接棒を提供することを目的とする。
本発明の要旨とするところは次の通りである。9%Ni鋼溶接用被覆アーク溶接棒において、Niを95質量%以上含むNi基合金を心線とし、前記心線と被覆剤の一方または両方の合計で、下記式に示す心線質量比で、Si:0.1〜1.0%、Mn:1.5〜4.0%、Cr:8〜12%、Mo:2.5〜8.0%、Nb:0.5〜2.5%、Ta:0.05〜0.30%、Ti:0.1〜0.8%、W:0.5〜1.7%を含有し、前記被覆剤は、当該被覆剤全質量に対する質量%で、Si酸化物のSiO換算値の合計:4〜12%、金属弗化物の1種または2種以上の合計:12〜25%、金属炭酸塩の1種または2種以上の合計:13〜21%、Na酸化物及びK酸化物のNa換算値及びK換算値の合計:1〜5%を含有し、残部は前記心線中のNi及びFe分、被覆剤の鉄合金のFe分及び不可避不純物からなることを特徴とする。
心線質量比=心線中の含有量%+被覆剤中の含有量%×被覆率%/100・・・式
(但し、心線中の含有量%は心線全質量に対する質量%、被覆剤中の含有量%は被覆剤全質量に対する質量%、被覆率は、当該9%Ni鋼溶接用被覆アーク溶接棒全質量に対する前記被覆剤の質量%)
本発明の9%Ni鋼溶接用被覆アーク溶接棒によれば、全姿勢溶接での溶接作業性、水平すみ肉溶接及び立向上進溶接において溶接作業性が良好で、耐割れ性、耐気孔欠陥性及び機械性能、特に低温での靭性に優れた溶接金属が安定して得られるなど溶接部の品質向上を図ることができる。
図1は、本発明の実施例に用いた溶接試験板を示す図である。
本発明者らは、前記課題を解決するために溶接金属の強度・靭性の向上及び耐割れ性・耐気孔欠陥性の向上、全姿勢溶接での溶接作業性を改善すべく9%Ni鋼溶接用被覆アーク溶接棒の成分組成について種々検討を行った。その結果、溶接金属の目標の機械性能、特に低温での靭性を満足するためにはNiを95質量%以上含むNi基合金を心線とし、Cr、Mo、Nb、Ta、Wのバランスの取れた適正量を添加する必要があることを見出した。
また、耐割れ性及び耐気孔欠陥性を向上させるためには、Si、Mnのバランスの取れた適正量を添加する必要があることを見出した。全姿勢溶接での溶接作業性を向上させるためには、Si酸化物、金属弗化物、金属炭酸塩を適正量添加すると効果的であることを見出した。
本発明は、Niを95質量%以上含むNi基合金心線及び被覆剤の各成分それぞれの単独の効果及び共存による相乗効果によりなし得たものであるが、以下にそれぞれの各成分の添加理由および分量の限定理由を述べる。なお以下に述べる各成分量の%とは心線質量比のことをいい、心線と被覆剤の一方または両方の含有量の質量%に対し次式で計算される。但し、同式中の心線含有量は心線全質量に対する割合を意味し、被覆剤中の配合比とは被覆剤全質量に対する割合を意味する。さらに被覆率とは溶接棒全質量に対して被覆剤の占める割合を意味する。
心線質量比=心線中の含有量%+被覆剤中の含有量%×被覆率%/100・・・式
[心線質量比でSi:0.1〜1.0%]
Siは、溶接金属中の耐気孔欠陥性を向上させる効果がある。心線質量比でSiが0.1%未満では、その効果が十分に得られず、気孔欠陥が発生しやすい。一方、心線質量比でSiが1.0%を超えると、割れが発生しやすくなる。従って、心線質量比でSiは0.1〜1.0%とする。なお、Siは、心線、金属Si、Fe−Si、Fe−Si−Mn等から添加できる。
[心線質量比でMn:1.5〜4.0%]
Mnは、溶接金属の耐割れ性を向上させる効果がある。心線質量比でMnが1.5%未満であると、割れが発生しやすくなる。一方、心線質量比でMnが4.0%を超えると、溶接金属の靱性が低下する。従って、心線質量比でMnは1.5〜4.0%とする。なお、Mnは、心線、金属Mn、Fe−Mn、Fe−Si−Mn等から添加できる。
[心線質量比でCr:8〜12%]
Crは、溶接金属の強度を向上させる効果がある。心線質量比でCrが8%未満では、溶接金属の強度が低下する。一方、心線質量比でCrが12%を超えると、溶接金属の靱性が低下する。従って、心線質量比でCrは8〜12%とする。なお、Crは、心線、金属Cr、Fe−Cr等の合金粉末から添加できる。
[心線質量比でMo:2.5〜8.0%]
Moは、溶接金属の強度を向上させる効果がある。心線質量比でMoが2.5%未満では、溶接金属の強度が低下する。一方、心線質量比でMoが8.0%を超えると、溶接金属の靱性が低下する。従って、心線質量比でMoは2.5〜8.0%とする。なお、Moは、心線、金属Mo、Fe−Mo等から添加できる。
[心線質量比でNb:0.5〜2.5%]
Nbは溶接金属の強度を向上させる効果がある。心線質量比でNbが0.5%未満では、溶接金属の強度が低下する。一方、心線質量比でNbが2.5%を超えると、溶接金属の靱性が低下する。従って、心線質量比でNbは0.5〜2.5%とする。なお、Nbは、心線、Fe−Nb等の合金粉から添加できる。
[心線質量比でTa:0.05〜0.30%]
Taは、溶接金属の強度を向上させる効果がある。心線質量比でTaが0.05%未満では、溶接金属の強度が低下する。一方、心線質量比でTaが0.30%を超えると、溶接金属の靱性が低下する。従って、心線質量比でTaは0.05〜0.30%とする。なお、Taは、心線、金属Ta、Nb−Ta等から添加できる。
[心線質量比でTi:0.1〜0.8%]
Tiは、合金に含まれる過剰な酸素を除去し、溶接金属の強度及び靱性を安定させる効果がある。心線質量比でTiが0.1%未満では、その効果は十分に得られず、溶接金属に気孔欠陥が発生しやすくなる。一方、心線質量比でTiが0.8%を超えると、溶接金属中に金属酸化物として多量に分布して強度及び靱性が低下する。従って、心線質量比でTiは0.1〜0.8%とする。なお、Tiは、心線、金属Ti、Fe−Ti等から添加できる。
[心線質量比でW:0.5〜1.7%]
Wは、溶接金属の靱性を低下させずに強度を改善する効果がある。心線質量比でWが0.5%未満であると、溶接金属の強度が得られない。一方、心線質量比でWが1.7%を超えると、溶接金属の強度が高くなりすぎて靭性が低下する。従って、心線質量比でWは0.5〜1.7%とする。なお、Wは、心線、金属W、WC等から添加できる。
被覆剤中に含有する成分組成は、被覆剤全質量に対する質量%で、以下の通りに含有する。
[Si酸化物のSiO換算値の合計:4〜12%]
Si酸化物は、スラグ剥離性を向上させる効果がある。Si酸化物のSiO換算値の合計が4%未満では、アークが不安定になりスラグ剥離性が不良となる。一方、Si酸化物のSiO換算値の合計が12%を超えると、溶融スラグの融点が過剰に下がるため、立向姿勢溶接でメタル垂れが発生してビード形状が不良となる。従って、Si酸化物は4〜12%とする。なお、Si酸化物は、珪砂、長石、水ガラス中の珪酸ソーダ及び珪酸カリウム等から添加できる。
[金属弗化物の1種または2種以上の合計:12〜25%]
金属弗化物は、アークの吹付け及びスラグの粘性、流動性を適正にし、溶接作業性を向上させる効果がある。金属弗化物の1種または2種以上の合計が12%未満では、その効果が得られずスラグ剥離性及びビード形状が不良となる。一方、金属弗化物の1種または2種以上の合計が25%以上を超えると、アークが不安定になりスパッタ発生量が多く、ビード形状も不良となる。さらに立向上進溶接でメタル垂れが発生しやすくなる。従って、金属弗化物の1種または2種以上の合計は12〜25%とする。なお、金属弗化物は、蛍石、弗化バリウム、弗化マグネシウム、弗化アルミニウム等から添加できる。
[金属炭酸塩の1種または2種以上の合計:13〜21%]
金属炭酸塩は、金属弗化物同様にアークの吹付け及びスラグの粘性、流動性を適正にし、溶接作業性を向上させる効果がある。金属炭酸塩の1種または2種以上の合計が13%未満では、その効果が得られず、アークが不安定となりビード形状が不良となる。一方、金属炭酸塩の1種または2種以上の合計が21%を超えると、アークが不安定でスパッタ発生量が多くなり、スラグ剥離性及びビード形状が不良となる。さらに立向上進溶接でメタル垂れが発生しやすくなる。従って、金属炭酸塩の1種または2種以上の合計は13〜21%とする。なお、金属炭酸塩は、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、炭酸マンガン、炭酸リチウム等から添加できる。
[Na酸化物及びK酸化物のNa換算値及びK換算値の合計:1〜5%]
Na酸化物及びK酸化物は、アークを安定にする効果がある。Na酸化物及びK酸化物のNa換算値及びK換算値の合計が1%未満では、アークが不安定になりビード形状が不良となる。一方、Na酸化物及びK酸化物のNa換算値及びK換算値の合計が5%を超えると、アークが不安定でスパッタ発生量が多くなる。従って、Na酸化物及びK酸化物のNa換算値及びK換算値の合計は1〜5%とする。なお、Na酸化物及びK酸化物は、水ガラス中の珪酸ソーダ及び珪酸カリウム、長石等から添加できる。
以上、本発明の9%Ni鋼溶接用被覆アーク溶接棒の構成要件の限定理由を述べたが、残部は心線中のNi及びFe分、被覆剤の鉄合金のFe分及び不可避不純物である。また、不可避不純物であるC、P及びSは靭性及び耐割れ性からできるだけ低いことが好ましく、Cは0.05以下が好ましい。
被覆アーク溶接棒の製造方法は、Niを95%以上含むNi基合金心線と配合・混合した被覆剤を準備してから被覆剤に固着剤(珪素カリ及び珪酸ソーダの水溶液)を添加しながら湿式混合を行い、心線周囲に被覆剤を塗装し、さらに塗装後150〜450℃で約1〜3時間の乾燥・焼成を行うことにより製造することができる。
本発明の効果を実施例により具体的に説明する。
表1に示す直径4.0mm、長さ350mmのNiを95質量%以上含むNi基合金の心線に、表2に示す被覆剤を被覆率45〜50%で塗装後、乾燥した9%Ni鋼溶接用被覆アーク溶接棒を試作した。
Figure 2021126674
Figure 2021126674
これら試作溶接棒を使用し、溶接作業性、溶接欠陥、溶着金属の機械的性能及び耐割れ性について調査した。
溶接作業性の評価は、板厚9mm、幅100mm、長さ450mmのJIS G 3106に規定されるSM490B鋼板をT字に組んだ試験体を用い、表3に示す溶接条件で、水平すみ肉溶接及び立向上進溶接を行いアーク安定性、スラグ剥離性、ビード形状、スパッタ発生量及びメタル垂れの有無を目視確認で調査した。
Figure 2021126674
溶接金属の機械的性能の評価は、板厚19mmのJIS G 3127 SL9N590に規定される鋼板を用い、AWS A5.11 ENiCrMo−6に準じて溶着金属試験を行い、X線透過試験をした後、引張試験及び衝撃試験を行った。
X線透過試験は、スラグ巻き込み、ブローホール、溶け込み不良が認められた場合、その欠陥の種類を表記し、継手溶接長500mmにおいて上記欠陥が認められない場合は無欠陥とした。
引張試験の評価は、引張強さが690MPa以上を良好とした。また、衝撃試験の評価は、試験温度−196℃で繰り返し3回シャルピー衝撃試験を行い、吸収エネルギーの平均値が70J以上を良好とした。
耐割れ性の調査は、図1に示すように、板厚26mm、40°の開口角を有するJIS G 3127 SL9N590に規定される鋼板10に深さ18mmの溝2を形成し、ストロングバックにより拘束を行い、表3に示す溶接条件にて鋼板10を横向姿勢で500mm溶接して溝2に試験ビード1を形成し、ビード表面から約1mmずつ3回研削して浸透探傷試験を行い、割れの有無を判定した。それらの結果を表4にまとめて示す。
Figure 2021126674
表2及び表4中、溶接棒No.1〜No.12が本発明例、溶接棒No.13〜No.25は比較例である。
本発明例である溶接棒No.1〜No.12は、心線質量比においてSi、Mn、Cr、Mo、Nb、Ta、Ti及びWが適正で、被覆剤は、Si酸化物のSiO換算値の合計、金属弗化物の1種または2種以上の合計、金属炭酸塩の1種または2種以上の合計、Na酸化物及びK酸化物のNa換算値及びK換算値の合計が適正であるので、アークが安定し、スパッタ発生量が少なく、スラグ剥離性に優れ、ビード形状が良好で、水平すみ肉溶接及び立向上進溶接において良好な溶接作業性が得られた。また、溶接欠陥が無く、溶着金属の引張強さ及び吸収エネルギーも良好で極めて満足な結果であった。
比較例中溶接棒No.13は、心線質量比でSiが少ないので、ブローホールが発生した。また、心線質量比でTaが多いので、溶着金属の吸収エネルギーが低かった。
溶接棒No.14は、心線質量比でSiが多いので、割れが発生した。また、心線質量比でTiが多いので、溶着金属の引張強さ及び吸収エネルギーが低かった。
溶接棒No.15は、心線質量比でMnが少ないので、割れが発生した。また、心線質量比のWが少ないので、溶着金属の引張強さが低かった。
溶接棒No.16は、心線質量比でMnが多いので、溶着金属の吸収エネルギーが低かった。
溶接棒No.17は、心線質量比でCrが少ないので、溶着金属の引張強さが低かった。また、Na酸化物及びK酸化物のNa換算値及びK換算値の合計が多いので、アークが不安定でスパッタ発生量が多かった。
溶接棒No.18は、心線質量比でCrが多いので、溶着金属の吸収エネルギーが低かった。また、Na酸化物及びK酸化物のNa換算値及びK換算値の合計が少ないので、アークが不安定でビード形状が不良であった。
溶接棒No.19は、心線質量比でMoが少ないので、溶着金属の引張強さが低かった。また、金属炭酸塩の1種または2種以上の合計が多いので、アークが不安定でスパッタ発生量が多かった。さらに、金属炭酸塩の1種または2種以上の合計が多いので、スラグ剥離及びビード形状が不良となり、立向上進溶接においてメタル垂れが発生した。
溶接棒No.20は、心線質量比でMoが多いので、溶着金属の吸収エネルギーが低かった。また、金属炭酸塩の1種または2種以上の合計が少ないので、アークが不安定でビード形状が不良であった。
溶接棒No.21は、心線質量比でNbが少ないので、溶着金属の引張強さが低かった。また、金属弗化物の1種または2種以上の合計が多いので、アークが不安定でスパッタ発生量が多く、ビード形状が不良となり、立向上進溶接でメタル垂れが発生した。
溶接棒No.22は、心線質量比でNbが多いので、溶着金属の吸収エネルギーが低かった。また、金属弗化物の1種または2種以上の合計が少ないので、スラグ剥離及びビード形状が不良であった。
溶接棒No.23は、心線質量比でTaが少ないので、溶着金属の引張強さが低かった。また、Si酸化物のSiO換算値の合計が多いので、立向上進溶接においてメタル垂れが発生してビード形状が不良であった。
溶接棒No.24は、心線質量比でWが多いので、溶着金属の引張強さが高く吸収エネルギーが低かった。また、Si酸化物のSiO換算値の合計が少ないので、アークが不安定でスラグ剥離性が不良であった。
溶接棒No.25は、心線質量比でTiが少ないので、ブローホールが発生し、溶着金属の引張強さ及び吸収エネルギーが低かった。
1 試験ビード
2 溝

Claims (1)

  1. Niを95質量%以上含むNi基合金を心線とした、9%Ni鋼溶接用被覆アーク溶接棒において、前記心線と被覆剤の一方または両方の合計で、下記式に示す心線質量比で、
    Si:0.1〜1.0%、
    Mn:1.5〜4.0%、
    Cr:8〜12%、
    Mo:2.5〜8.0%、
    Nb:0.5〜2.5%、
    Ta:0.05〜0.30%、
    Ti:0.1〜0.8%、
    W:0.5〜1.7%を含有し、
    前記被覆剤は、当該被覆剤全質量に対する質量%で、
    Si酸化物のSiO換算値の合計:4〜12%、
    金属弗化物の1種または2種以上の合計:12〜25%、
    金属炭酸塩の1種または2種以上の合計:13〜21%、
    Na酸化物及びK酸化物のNa換算値及びK換算値の合計:1〜5%を含有し、
    残部は前記心線中のNi及びFe分、前記被覆剤の鉄合金のFe分及び不可避不純物からなることを特徴とする9%Ni鋼溶接用被覆アーク溶接棒。

    心線質量比=心線中の含有量%+被覆剤中の含有量%×被覆率%/100・・・式
    (但し、心線中の含有量%は心線全質量に対する質量%、被覆剤中の含有量%は被覆剤全質量に対する質量%、被覆率は、当該9%Ni鋼溶接用被覆アーク溶接棒全質量に対する前記被覆剤の質量%)
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