JP2021126543A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】第1始動入賞手段への遊技球の入球し易さが低下することに起因した印象の悪化を抑制することのできる遊技機を提供する。
【解決手段】パチンコ機10は、発射手段により発射された遊技球が案内される遊技領域を移動する遊技球が入球可能な第1及び第2始動入賞手段と、第1又は第2始動入賞手段へ入球した遊技球を検知する第1及び第2始動入賞検知手段と、第1又は第2始動入賞検知手段の検知に基づいて、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させるか否かの当否抽選を行うとともに、当該当否抽選の結果に基づいて前記特別遊技状態を発生させる主制御手段とを備えている。また、遊技領域において遊技盤との間に遊技球が通過可能な距離を隔てて設けられ、少なくとも第1始動入賞手段及び第2始動入賞手段の前方をまとめて覆う前被覆手段が設けられている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、パチンコ機等の遊技機に関するものである。
遊技機の一種としてパチンコ機がある。パチンコ機では、発射手段によって打ち出された遊技球が遊技盤に設けられた始動入賞手段に入球すると、当たり状態を発生させるか否かの当否抽選が行われるとともに、可変表示手段にて当否抽選の結果を教示するための変動表示が行われるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
また、始動入賞手段として、例えば、常に遊技球を入球させることが可能な第1始動入賞手段と、所定の開放抽選にて当選した場合にのみ遊技球を入球させることが可能な第2始動入賞手段とを備える構成において、前記開放抽選にも当選せず、さらに、第1始動入賞手段にも遊技球を入球させ難いとなると、遊技をスムースに進行させることが比較的困難になるとともに、遊技機に対するイメージが悪化し、遊技意欲を著しく低下させることが懸念される。
これに対し、例えば、第1始動入賞手段と、第2始動入賞手段とを近くに配置するとともに、第2始動入賞手段が開放される機会を増やすことで、たとえ、第1始動入賞手段には遊技球が入球し難くなっていても、第2始動入賞手段には遊技球が入球し易くなり、全体として始動入賞手段への入球し易さが低下することを回避できるような構成を採用することが考えられる。
特開2006−271480号公報
しかしながら、一般に、パチンコ機では、常に遊技球を入球させることのできる第1始動入賞手段を狙って遊技球を打ち出すという遊技が基本となっている。このため、遊技球が第1始動入賞手段に入球し易いか否かについての印象は、遊技者にとって強くなる傾向にある。従って、第2始動入賞手段への入球し易さが向上しても、依然として、遊技球を第1始動入賞手段へ入球させ難い場合には、遊技機等に対する印象が悪化してしまうことが懸念される。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、その目的は、第1始動入賞手段への遊技球の入球し易さが低下することに起因した印象の悪化を抑制することのできる遊技機を提供することにある。
請求項1の遊技機は、
遊技球を発射させる発射手段と、
遊技盤の前面側に設けられ、前記発射手段により発射された遊技球が案内される遊技領域と、
前記遊技領域を移動する遊技球が入球可能な第1始動入賞手段と、
前記遊技領域を移動する遊技球が入球可能な開状態と、入球不可能又は入球困難な閉状態との間で状態変化可能に構成された第2始動入賞手段と、
前記第1始動入賞手段へ入球した遊技球を検知する第1始動入賞検知手段と、
前記第2始動入賞手段へ入球した遊技球を検知する第2始動入賞検知手段と、
前記第1始動入賞検知手段又は前記第2始動入賞検知手段の検知に基づいて、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させるか否かの当否抽選を行うとともに、当該当否抽選の結果に基づいて前記特別遊技状態を発生させる主制御手段とを備える遊技機であって、
前記遊技領域において前記遊技盤との間に遊技球が通過可能な距離を隔てて設けられ、少なくとも前記第1始動入賞手段及び前記第2始動入賞手段の前方をまとめて覆う前被覆手段を備えていることを特徴としている。
請求項1によれば、第1始動入賞手段への遊技球の入球し易さが低下することに起因した印象の悪化を抑制することができる。
一実施形態におけるパチンコ機を示す正面図である。 パチンコ機を示す斜視図である。 内枠及び前面枠セットを開放した状態を示す斜視図である。 内枠および遊技盤等の構成を示す正面図である。 パチンコ機の構成を示す背面図である。 内枠及び裏パックユニット等を開放した状態を示す斜視図である。 パチンコ機の主な電気的構成を示すブロック図である。 遊技制御に用いる各種カウンタの概要を示す説明図である。 主制御装置によるメイン処理を示すフローチャートである。 主制御装置による通常処理を示すフローチャートである。 タイマ割込み処理を示すフローチャートである。 NMI割込み処理を示すフローチャートである。 始動入賞処理を示すフローチャートである。 当否判定処理を示すフローチャートである。 種別判定処理を示すフローチャートである。 第1リーチ判定処理を示すフローチャートである。 第2リーチ判定処理を示すフローチャートである。 スルーゲート通過処理を示すフローチャートである。 特別表示制御処理を示すフローチャートである。 変動表示設定処理を示すフローチャートである。 判別情報設定処理を示すフローチャートである。 可変入賞装置制御処理を示すフローチャートである。 終了設定処理を示すフローチャートである。 普通表示制御処理を示すフローチャートである。 普図変動設定処理を示すフローチャートである。 普図判別情報設定処理を示すフローチャートである。 始動入賞装置制御処理を示すフローチャートである。 受信割込み処理を示すフローチャートである。 払出制御装置のメイン処理を示すフローチャートである。 タイマ割込み処理を示すフローチャートである。 コマンド判定処理を示すフローチャートである。 サブ制御装置の通常処理を示すフローチャートである。 装飾図柄の決定等に用いる各種カウンタの概要を示す説明図である。 カウンタの更新処理を示すフローチャートである。 保留情報格納処理を示すフローチャートである。 保留処理を示すフローチャートである。 当たり表示処理を示すフローチャートである。 保留アイコン設定処理を示すフローチャートである。 保留アイコンパターン記憶テーブルの説明図である。 疑似保留アイコン設定処理を示すフローチャートである。 疑似羽根開放制御処理を示すフローチャートである。 疑似羽根演出処理を示すフローチャートである。 装飾図柄表示装置(保留表示エリア)の視認態様を示す正面図である。 始動入賞ユニットの正面図であって、(a)は疑似羽根部材が待機位置にある状態を示し、(b)は疑似羽根部材が機能位置にある状態を示す。 (a)はベース板の正面図であり、(b)は前装飾部(カバーユニット)の背面図である。 羽根部材及び疑似羽根部材等を示す斜視図である。 始動入賞ユニットの部分拡大断面図である。 別の実施形態における羽根部材及び疑似羽根部材を示す斜視図である。 別の実施形態における羽根部材等を示す斜視図である。 別の実施形態における始動入賞ユニットを示す正面模式図である。 別の実施形態の始動入賞ユニットを説明するための説明図であって、(a)は、羽根部材及びベース板の正面模式図であり、(b)は、ベース板の正面模式図であり、(c)は羽根部材の斜視図である。 別の実施形態における前装飾部等を説明するための斜視図である。 別の実施形態における装飾図柄表示装置(保留表示エリア)の視認態様を示す正面図である。 別の実施形態における装飾図柄表示装置(保留表示エリア)の視認態様を示す正面図である。 別の実施形態における払出通路(払出時間調節手段)を説明するための模式断面図である。
以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の一実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図3等に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外郭を構成する固定枠としての外枠11を備えており、この外枠11の一側部に遊技盤取付枠としての内枠12が開閉可能に支持されている。尚、図3では便宜上、遊技盤30面上に配設される遊技部材(釘や役物等)、前面枠としての前面枠セット14に取付けられるガラスユニット137等を省略して示している。
外枠11は、図6等に示すように、上辺枠構成部11a及び下辺枠構成部11bが木製の板材により構成され、左辺枠構成部11c及び右辺枠構成部11dがアルミニウム合金製の押出成形材により構成され、これら各枠構成部11a〜11dがネジ等の離脱可能な締結具により全体として矩形枠状に組み付けられている。
左辺枠構成部11cの上下端部には、それぞれ上ヒンジ81及び下ヒンジ82が取着されている(図1参照)。当該上ヒンジ81及び下ヒンジ82にて、内枠12の上下部が回動可能に支持されており、これにより内枠12が開閉可能となる。そして、外枠11の内側に形成される空間部に内枠12等が収容される。
また、右辺枠構成部11dには、その幅方向後端部近傍から外枠11内側へ向け突出した延出壁部83が形成されている。延出壁部83は、内枠12の右側部背面側に設けられる施錠装置600(図6参照)に対応する上下区間全域を内枠12の背面側から覆っている(図5参照)。加えて、図3に示すように、延出壁部83の前面側には、施錠装置600の係止部材が係止される上下一対の受部84,85が設けられている。また、下側の受部85には、後述する内枠開放検知スイッチ92に当接する押圧部86が、外枠11内側に向けて突設されている。
さらに、下辺枠構成部11bには樹脂製の幕板飾り87が取着されている。幕板飾り87の上面奥部には、上方に突出するリブ88が一体形成されている。これにより内枠12との間に隙間が形成されにくくなっている。
図3に示すように、内枠12の開閉軸線は、パチンコ機10の正面からみて左側において上下に沿って設定されており、この開閉軸線を軸心として内枠12が前方側に開放できるようになっている。内枠12は、外形が矩形状をなす樹脂ベース38を主体に構成されており、当該樹脂ベース38の中央部には略楕円形状の窓孔39が形成されている。
また、内枠12の前面側には前面枠セット14が開閉可能に取付けられている。前面枠セット14は、内枠12と同様に、パチンコ機10の正面から見て左側において上下に沿って設定された開閉軸線を軸心として前方側に開放できるようになっている。尚、前面枠セット14は、内枠12を介してではなく、外枠11に直接開放可能に支持されるように構成してもよい。
前面枠セット14は、内枠12と同様に外形が矩形状をなし、閉鎖状態においては内枠12の前面側ほぼ全域を覆う。前面枠セット14の中央部には略楕円形状の窓部101が形成されている。これにより、前面枠セット14の窓部101及び内枠12の窓孔39を介して、内枠12の後面に装着される遊技盤30(遊技領域)を外部から視認可能となる。遊技盤30の詳細な構成については後述する。
図1、図2に示すように、前面枠セット14の前面側には、その下部中央において球受皿としての下皿15が設けられており、排出口16より排出された遊技球が下皿15内に貯留可能になっている。また、下皿15の手前側には、下皿15内から遊技球を排出するための球抜きレバー25が設けられている。
下皿15の右方には、手前側に突出した遊技球発射ハンドル(以下「ハンドル18」と称する)が設けられている。尚、ハンドル18には、図示しないタッチセンサや、ハンドル18の操作部の操作量を検出するための図示しない操作量検出手段(可変抵抗器)が設けられている。そして、ハンドル18が右回りに回動操作されると、回動操作量に応じた強さで、後述する発射手段としての発射装置60によって遊技球が発射される。また、ハンドル18には、ハンドル18を握った右手の親指で押圧操作可能な発射禁止ボタン18aが設けられている。当該発射禁止ボタン18aを押圧した状態においては、ハンドル18を握っていたとしても、発射装置60による遊技球の発射が禁止される。このため、遊技球の発射を禁止しつつハンドル18の回動操作を行ったり、ハンドル18を握った状態で、一時的に遊技球の発射を止めたりすることができる。
下皿15の上方には上皿19が設けられている。上皿19は、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する発射装置60の方へ案内する球受皿である。尚、上皿19が遊技球で満杯になった状態では、払出される遊技球は、後述する下皿連通路71及び排出口16を介して、下皿15へと案内される。
上皿19上面には球貸しボタン121と返却ボタン122とが設けられている。これにより、遊技ホール等において、パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード等を投入した状態で球貸しボタン121が操作されると、その操作に応じて貸出球が上皿19に供給される。一方、返却ボタン122は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。但し、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿19に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では球貸しボタン121及び返却ボタン122は不要である。
さらに、上皿19上面には、球抜きボタン123が設けられている。球抜きボタン123が押圧操作されることで、上皿19の球案内路の下流側に設けられ、下皿15に連通する連通孔(図示略)が開口し、上皿19に貯留されていた遊技球が下皿15へと案内される(落下する)。つまり、遊技者は、球抜きボタン123を操作することで、上皿19にある遊技球をいつでも下皿15に移すことができる。
加えて、上皿19上面には、LEDが内蔵された演出ボタン125及び十字ボタン126が設けられており、演出ボタン125や十字ボタン126を押圧操作することで、後述する装飾図柄表示装置42等において対応する演出が行われたり、演出内容が変更されたりする。
また、前面枠セット14の前面にはその周囲に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、遊技状態の変化等に応じて発光態様が変更制御され遊技中の演出効果を高める役割を果たすものである。例えば、窓部101の周縁には、LED等の発光手段を内蔵した環状電飾部102が設けられている。また、該環状電飾部102の両側部には、所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ104が設けられている。尚、環状電飾部102のうち各エラー表示ランプ104の上方部位には、前面枠セット14の背面に設けられるスピーカSP(図3参照)に対応して細かな透孔が多数形成されている。
前面枠セット14の背面側にはガラスユニット137が取付けられている。ガラスユニット137は、従来の前後一対の矩形状の板ガラスが前後対をなして別々に取着されるものではなく、全体として丸形をなし、アッセンブリ化された上で取付けられている。
次に、内枠12について図4を参照して説明する。上述した通り、内枠12には、窓孔39の後側において、遊技盤30が樹脂ベース38の裏側に当接した状態で装着されている。従って、遊技盤30前面の略中央部分が窓孔39を通じて内枠12の前面側に露出した状態となっている。
また、内枠12(樹脂ベース38)の前面下部、すなわち窓孔39の下方位置には、発射装置60及び当該発射装置60によって発射された直後の遊技球を案内する発射レール61が取付けられている。本実施形態では、発射装置60としてソレノイド式発射装置を採用している。さらに、発射装置60の上方には、上皿19から案内される遊技球を、内蔵された駆動手段(例えばソレノイド)の駆動により、1球ずつ発射装置60の発射位置へと案内する球送り装置63が設けられている。
次に、遊技盤30(遊技領域)の構成について図4を参照して説明する。遊技盤30には、一般入賞口31、可変入賞装置32、第1始動入賞装置33a、第2始動入賞装置33b、スルーゲート34、可変表示装置ユニット35、可変表示手段としての第1特別表示装置43L及び第2特別表示装置43R、変動特定ランプ40等が配設されている。周知の通り、一般入賞口31、可変入賞装置32、始動入賞装置33a、33B等の各種入賞口に遊技球が入球(入賞)すると、各種検出スイッチにより検出され、上皿19又は下皿15へ所定数の賞球が払い出される。
本実施形態では、第1始動入賞装置33aへの入球があった場合には3個、第2始動入賞装置33bへの入球があった場合には2個、一般入賞口31への入球があった場合には10個、可変入賞装置32への入球があった場合には12個の遊技球が払出されるように構成されている。また、遊技球が通過するだけで入球することのない(遊技盤30の裏面側に排出されることのない)スルーゲート34に遊技球が通過しても、遊技球の払出しは行われない。加えて、第1始動入賞装置33a、一般入賞口31、及び、スルーゲート34には、遊技領域を移動する遊技球が常に入球可能、又は、通過可能に構成されているのに対し、第2始動入賞装置33b、及び、可変入賞装置32に関しては、遊技球が入球可能な開状態と、入球不可能な閉状態とに状態変化するように構成されている。
その他に、遊技盤30には、遊技領域の最下部に対応してアウト口36が設けられており、一般入賞口31等の各種入賞口に入賞しなかった遊技球は、このアウト口36を通って遊技領域外へと排出される。また、遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘(遊技釘)が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
遊技領域の略中央部には、可変表示装置ユニット35が配設されている。可変表示装置ユニット35には、後述する装飾図柄表示装置42を囲むようにしてセンターフレーム47が配設されている。
センターフレーム47の上部には左右一対の入球口151が設けられており、該入球口151に入球した遊技球は、センターフレーム47の内部に形成されたワープ流路152を介して、装飾図柄表示装置42の下方に形成されたステージ153上に案内される。ステージ153上に案内された遊技球は、ステージ153上を転動する等して、ステージ153上から前方の遊技領域に転落したり、ステージ153の中央に形成された前後に延びて遊技球を前方に案内する導出溝154に落下したりする。
可変表示装置ユニット35の下方位置には、遊技球が常時入賞可能な始動入賞口を有する第1始動入賞装置33aが配設されている。また、上記ステージ153の導出溝154は、第1始動入賞装置33aの直上方に位置しており、導出溝154に案内される遊技球は、比較的高い確率で第1始動入賞装置33aに入球するように構成されている。尚、本実施形態の第1始動入賞装置33aには、第1始動入賞装置33aへの遊技球の入球し易さを変化させるような開閉部材は設けられていない。
第1始動入賞装置33aの下方位置には、第2始動入賞装置33bが配設されている。第2始動入賞装置33bは、当該第2始動入賞装置33bの始動入賞口の左右両側に隣接して、回動変位可能な一対の羽根部材37を備えている。本実施形態では、第2始動入賞装置33bの羽根部材37が上下に延びる閉位置とされている場合には、当該羽根部材37の先端部が第1始動入賞装置33aに隣接することとなる。これにより、第2始動入賞装置33bと第1始動入賞装置33aとの間に遊技球が通過する余地がなくなり、第2始動入賞装置33bは、遊技球が始動入賞口に入球不可能な閉状態となっている。一方、羽根部材37が外側に開く開位置に変化することで、第2始動入賞装置33bは、遊技球が始動入賞口に入球可能な開状態となる。
また、詳しくは後述するが、本実施形態では、第1始動入賞手段、及び、常開始動入賞手段としての第1始動入賞装置33aと、第2始動入賞手段、及び、開閉式始動入賞手段としての第2始動入賞装置33bとがユニット化されて、遊技盤30に取付けられている。以下、第1始動入賞装置33aと第2始動入賞装置33bとがユニット化されたものを「始動入賞ユニット401」と称する。
始動入賞ユニット401の下方位置には、可変入賞装置32が配設されている。可変入賞装置32は、通常、遊技球が入賞不能な閉状態になっており、大当たり状態等の際に、遊技球が入賞可能な開状態とされる。尚、図示は省略するが、可変入賞装置32は、遊技盤30の後方へと通じる大入賞口と、大入賞口を開閉する大入賞シャッタと、大入賞シャッタを動作させるための大入賞口用ソレノイドと、大入賞口に入球した遊技球を検出するカウントスイッチ223とを備え、大入賞口用ソレノイドを駆動制御し、大入賞シャッタを開閉させることで、可変入賞装置32(大入賞口)を閉状態と開状態とに切替えている。
遊技領域のうち可変表示装置ユニット35の左右両側方の位置には、スルーゲート34が配置されている。スルーゲート34は、遊技領域を流下する遊技球が1球ずつ通過可能に構成されている。詳しくは後述するが、スルーゲート34は、当該スルーゲート34を通過する遊技球を検知可能なスルーゲートスイッチ225を備えている。
また、スルーゲートスイッチ225にて遊技球が検知された場合に、第2始動入賞装置33bを開状態とするか否かの入球サポート抽選(開放抽選)が行われるとともに、普通図柄表示装置41にて当該入球サポート抽選の結果を教示するための変動表示が行われる。そして、入球サポート抽選にて当選した場合には、当該変動表示の終了後に第2始動入賞装置33bが規定時間だけ開状態とされる。
また、詳しくは後述するが、第1始動入賞装置33a、第2始動入賞装置33bには、それぞれ入賞した遊技球を検知する第1始動入賞検知手段としての第1始動入賞スイッチ224a、第2始動入賞検知手段としての第2始動入賞スイッチ224bが設けられており、当該始動入賞スイッチ224a、224bにて遊技球が検知された場合には、大当たり状態等を発生させるか否かの抽選(当否抽選)が行われるとともに、後述する特別表示装置43L、43R、及び、装飾図柄表示装置42にて変動表示が行われる構成となっている。そして、当否抽選にて当選した場合には、可変入賞装置32が開放される大当たり状態等が付与される。
本実施形態では、当否抽選にて所定の確率で大当たりに当選する「低確率状態」と、当否抽選にて低確率状態よりも高確率で大当たりに当選する「高確率状態」とがある。さらに、第2始動入賞装置33bの羽根部材37が比較的頻繁に開放され、遊技球を第2始動入賞装置33bへ入球させ易くなる「高入球状態」と、羽根部材37がほとんど開位置とされず、遊技球を第2始動入賞装置33bへ入球させ難い「低入球状態」とがある。以下、低確率状態かつ低入球状態である状態を「通常モード」と称し、低確率状態かつ高入球状態である状態を「時間短縮モード」と称し、高確率状態かつ高入球状態である状態を「確変モード」と称する。
さらに、本実施形態では、通常モード、及び、確変モードは、大当たり状態が発生するまで継続されるのに対し、時間短縮モードは大当たり状態が発生しなくても特別表示装置43L、43R及び装飾図柄表示装置42における変動表示が予め設定された規定回数行われると終了し、通常モードに移行する構成となっている。
本実施形態では、第1始動入賞装置33a(所謂、「へそ」)に遊技球が入球した場合に行われる当否抽選にて当選した場合と、第2始動入賞装置33b(所謂、「電子チューリップ、電チュー」)に遊技球が入球した場合に行われる当否抽選にて当選した場合とで、付与される当たりの種別が変化しない(当たり状態の種別を決定する際に参照される種別判定テーブルが同じ)ように構成されている。
より具体的には、大当たり種別としては、15ラウンド確変大当たり(以下「15RS」と言う)と、15ラウンド通常大当たり(以下「15RN」)と、2ラウンド確変大当たり(以下「2RS」と言う)とがある。「15RS」、「15RN」に関しては、可変入賞装置32が30秒間開放されること、又は、可変入賞装置32が開放されてから可変入賞装置32に8個の遊技球が入球することを1ラウンドとして、「15RS」に関しては、それが15回繰り返されてから、大当たり状態が終了する。一方、「2RS」に関しては、可変入賞装置32が0.4秒間開放されることを1ラウンドとして、それが2回繰り返されてから、大当たり状態が終了する。すなわち、「15RS」、「15RN」に関しては、大当たり状態中に大幅な遊技球の増加が見込める大当たり(所謂、「出玉有り大当たり」)であるものの、「2RS」は、遊技球の大幅な増加が見込めない大当たり(所謂、「出玉無し大当たり」)となっている。
また、「15RS」の大当たり状態終了後には「確変モード」が付与され、「2RS」の大当たり状態終了後には「(特殊)確変モード」が付与され、「15RN」の大当たり状態終了後には「時間短縮モード」(本例では、変動表示100回分)が付与される。本実施形態では、第1始動入賞装置33aへの入球に基づく当否抽選において大当たりに当選した場合、50%の割合で「15RS」となり、40%の割合で「15RN」となり、10%の割合で「2RS」となる。
また、第1始動入賞装置33aへの入球に基づく当否抽選の結果を教示する第1特別表示装置43L、及び、第2始動入賞装置33bへの入球に基づく当否抽選の結果を教示する第2特別表示装置43Rは、それぞれ2つのセグメント表示装置により構成され、特別図柄としての記号、文字、及び、数字等を表示可能に構成されている。この特別表示装置43L、43Rは、遊技者から視認可能な位置(本例では遊技領域右下部の遊技球が通過不可能な位置)に設置されている。
そして、第1始動入賞装置33aへの遊技球の入球を契機として第1特別表示装置43Lにて特別図柄の切替表示(変動表示)が行われ、第2始動入賞装置33bへの遊技球の入球を契機として第2特別表示装置43Rにて特別図柄の切替表示(変動表示)が行われる構成となっている。尚、特別表示装置43L、43Rは、後述する主制御装置261によって表示内容が直接的に制御される。
また、第1及び第2特別表示装置43L、43Rにて特別図柄の変動表示が行われた後、当該変動表示が停止したときの特別図柄により、当否抽選の結果、すなわち、「大当たり」、又は、「外れ」であることが確定的に表示される。例えば、第1始動入賞装置33aに遊技球が入球すると、対応する第1特別表示装置43Lにて特別図柄(点灯するセグメントの組合わせ)が高速で(例えば4msec毎に)切替表示(変動表示)され、所定時間が経過すると、いずれかの特別図柄を停止表示(例えば数秒間停止)する。そして、例えば、当否抽選にて「大当たり」に当選した場合には、対応する特別図柄が変動停止時に表示され、大当たり状態が発生する。
さらに、特別表示装置43L、43Rにおいては、停止させる特別図柄によって、大当たり種別、すなわち、「15RS」、「15RN」、「2RS」のいずれであるかについても教示される。また、1つの大当たり種別を教示する特別表示装置43L、43Rの停止態様は1つではなく複数存在し、それらのいずれかが選択されて停止表示される。また、第1特別表示装置43L、第2特別表示装置43Rのどちらか一方において、変動表示又は決定表示が行われている場合には、他方が消灯状態とされており(「−」を表示しておいてもよい)、どちらにおいても変動表示及び決定表示が行われていない場合には、両方においてそれぞれ「−」が表示される。
また、可変表示装置ユニット35には、スルーゲート34の通過を契機として変動表示する普通図柄表示装置41(センターフレーム47のステージ153上方位置)と、第1及び第2特別表示装置43L、43Rによる変動表示に合わせて変動表示する装飾図柄表示装置42とが設けられている。
装飾図柄表示装置42は、液晶表示装置によって構成されており、識別情報としての装飾図柄を変動表示可能に構成されている。また、装飾図柄表示装置42は、後述するサブ制御装置262及び表示制御装置45によって表示内容が制御される。すなわち、装飾図柄表示装置42においては、第1及び第2特別表示装置43L、43Rにて表示される結果に対応させるように、主制御装置261からのコマンドに基づき、サブ制御装置262によって補助的な表示内容が決定され、当該決定に基づき、表示制御装置45によって表示が行われる。
装飾図柄表示装置42には、例えば、上、中、下の3つの図柄表示領域が設けられ、各図柄表示領域において複数種類の装飾図柄(例えば1〜9の数字が付された数字図柄)が順次表示され(変動表示され)、その後、図柄表示領域毎に順番に(例えば、上図柄表示領域→下図柄表示領域→中図柄表示領域の順に)装飾図柄が停止表示されるようになっている。例えば、主制御装置261にて大当たり状態の発生が確定すると、第1又は第2特別表示装置43L、43Rにて大当たりに対応する表示がなされるとともに、装飾図柄表示装置42にて装飾図柄が大当たりに対応する組合わせで停止表示され(例えば、上図柄表示領域、中図柄表示領域、及び下図柄表示領域を通るようにして延びる仮想の有効ライン上に並ぶようにして、上図柄表示領域、中図柄表示領域、及び下図柄表示領域において同一の装飾図柄が停止表示され)、大当たり状態が開始される。尚、上図柄表示領域、中図柄表示領域、及び下図柄表示領域のうち、基本的に、1番目に装飾図柄が停止表示されることとなる上図柄表示領域のことを「第1図柄表示領域」とも称し、2番目に装飾図柄が停止表示されることとなる下図柄表示領域のことを「第2図柄表示領域」とも称し、最後に装飾図柄が停止表示されることとなる中図柄表示領域のことを「第3図柄表示領域」とも称する。
また、装飾図柄が大当たりに対応する組合わせで停止表示される場合には、その前段階として、例えば、上図柄表示領域及び下図柄表示領域において同一の装飾図柄が停止表示されることとなる。このように上図柄表示領域及び下図柄表示領域にて所定の有効ライン上に同一図柄が停止表示されるとともに、中図柄表示領域において未だ変動表示が行われている状態がリーチ状態である。勿論、リーチ状態が発生したからといって必ずしも大当たりとなるわけではなく、外れる場合もある。
本実施形態では、リーチ状態が発生した後、中図柄表示領域において、上図柄表示領域及び下図柄表示領域において停止表示された装飾図柄(リーチ図柄)と同じ装飾図柄が同じ有効ライン上に停止表示された場合(ゾロ目が停止表示された場合)に、大当たり状態が付与される。また、奇数のゾロ目の場合には、「15RS」が発生し、偶数のゾロ目の場合には、「15RN」が発生する。
また、ゾロ目以外の装飾図柄の組合わせは基本的に「外れ」を教示するものであるが、「2RS」の大当たりとなる場合には、ゾロ目ではなく、装飾図柄が有効ライン上において特定の組合わせ(チャンス図柄の組合わせ、所謂チャンス目)で停止表示されるようになっている。本実施形態では、上・中・下図柄表示領域で「3」・「4」・「1」が停止表示される態様がチャンス図柄の組合わせである。
尚、本実施形態では、滞在している遊技モードを教示又は示唆する演出として、装飾図柄表示装置42において複数の演出ステージが用意されている。より具体的には、確変モードに滞在していることが確定する「確変ステージ」と、通常モードに滞在していることが確定する「通常ステージ」と、時間短縮モードに滞在している「引き戻しステージ」とがある。つまり、「15RS」に当選した場合には、その大当たり状態終了後に「確変ステージ」に移行する。また、「15RN」に当選した場合には、その大当たり状態終了後に「引き戻しステージ」に移行し、さらに、引き戻しステージにおいて変動表示が100回行われた場合には、「通常ステージ」に移行する。加えて、本実施形態では、「確変ステージ」の一種として、「2RN」の大当たり状態終了後に移行する「特殊確変ステージ」が存在する。当該「特殊確変ステージ」では、背景が通常ステージ等と比べて若干変化するとともに、演出バランスが変化する(例えば、通常は選択され難い演出パターンが選択され易くなる等)ようになっている。
また、第1又は第2特別表示装置43L、43Rの変動表示中に新たに遊技球が第1又は第2始動入賞装置33a、33bに入球した場合には、その分の変動表示は、その時点で行われている変動表示の終了後に行われる構成となっている。つまり、変動表示が待機(保留)されることとなる。この保留される変動表示の最大回数は、パチンコ機の機種毎に決められているが、本実施形態では、第1始動入賞装置33aに入賞した遊技球、及び第2始動入賞装置33bに入賞した遊技球に対応して、それぞれ4回までの変動表示(合計8回の変動表示)が保留される。
また、本実施形態では、第1始動入賞装置33aへの遊技球の入球に基づく変動表示(以下、「第1変動表示」と言う)、及び、第2始動入賞装置33bへの遊技球の入球に基づく変動表示(以下、「第2変動表示」と言う)のうちどちらであるかに関係なく、保留された順番通りに消化されるようになっている。つまり、例えば、既に保留されている第1変動表示よりも後に保留された第2変動表示が、前記第1変動表示よりも先に消化されるといった具合に、保留された順番を前後するようにして、どちらかが優先的に消化されるような構成ではない。
さらに、第1変動表示の保留数は、第1特別表示装置43Lの直上方に配設され、青色に発光可能な第1保留ランプ46aにて点灯表示され、第2変動表示の保留数は、第2特別表示装置43Rの直上方に配設され、赤色に発光可能な第2保留ランプ46bにて点灯表示されるようになっている。保留ランプ46a、46bは、第1変動表示及び第2変動表示の各最大保留数と同じく4個ずつ設けられており、保留されている第1変動表示又は第2変動表示の数と同じ数だけ点灯する。当該保留ランプ46a、46bは、後述するサブ制御装置262によって表示内容が制御される。尚、大当たり状態中に新たに遊技球が始動入賞装置33a、33bに入賞した場合、その分の変動表示についても保留される。
また、本実施形態では、始動入賞装置33a、33bへの遊技球の入球に基づいて行われる変動表示が保留されていること(変動表示を実行させる権利を得ていること)が、装飾図柄表示装置42においても教示されるようになっている。詳しくは後述するが、図43に示すように、装飾図柄表示装置42の下部(保留表示エリア462)において、変動表示が保留記憶されていることを示す保留アイコン461が表示される。保留アイコン461は最大で8つ表示され、左側のものから順次消化されるようになっている。
さらに、本実施形態の保留アイコン461に関しては、当該保留アイコン461が第1変動表示及び第2変動表示のどちらに対応するものであるかの情報は有してなく、基本的に、どちらの変動表示に対応していても共通の態様をなしている。
また、本実施形態の可変表示装置ユニット35(本例ではセンターフレーム47のステージ153上方位置)には、装飾図柄表示装置42にて行われている変動表示が第1変動表示、及び、第2変動表示のうちどちらであるかを示す変動特定ランプ40が設けられている。変動特定ランプ40は、発光色が青色のLED及び発光色が赤色のLEDを備えており、装飾図柄表示装置42において第1変動表示が行われている場合には青色に発光し、第2変動表示が行われている場合には赤色に発光する。
普通図柄表示装置41は、普通図柄として、例えば、「○」又は「×」を点灯表示可能に構成されており、遊技球がスルーゲート34を通過した場合に、例えば普通図柄を「○」→「×」→「○」→・・・という具合に高速で切換表示(変動表示)する。そして、その変動表示が「○」図柄(当選図柄)で数秒間停止した場合には、第2始動入賞装置33b(羽根部材37)が所定時間だけ開状態となる。この普通図柄表示装置41は、後述する主制御装置261によって直接的に表示内容が制御される。
また、普通図柄表示装置41における普通図柄の変動表示中に、新たに遊技球がスルーゲート34を通過した場合には、その分の変動表示は、その時点で行われている変動表示の終了後に行われる構成となっている。つまり、変動表示が待機(保留)されることとなる。この保留される普通図柄の変動表示の最大回数は、パチンコ機の機種毎に決められているが、本実施形態では4回まで保留される。加えて、普通図柄の変動表示の保留回数は、可変表示装置ユニット35に配設され、白色に発光可能な保留ランプ44によって点灯表示されるようになっている。保留ランプ44は、普通図柄の変動表示の各最大保留数と同じく4個ずつ設けられており、保留されている変動表示の数と同じ数だけ点灯する。
尚、高入球状態としては、例えば、(1)普通図柄表示装置41における変動表示時間が低入球状態時よりも短い状態、(2)第2始動入賞装置33bの一回の開放時間(規定時間)が低入球状態時に比べて長い状態、(3)第2始動入賞装置33bの一回の開放につき入球可能となる遊技球の規定個数が低入球状態時に比べて多い状態、(4)入球サポート抽選の当選一回当たりの第2始動入賞装置33bの開放回数が低入球状態時に比べて多い状態、(5)入球サポート抽選の当選確率が低入球状態時よりも高い状態とすることなどが挙げられる。本実施形態における高入球状態は、上記(2)、(5)の構成を採用している。勿論、これに限らず、「高入球状態」として、構成(1)〜(5)のいずれか1つ、又は、これら構成(1)〜(5)の任意の組合せを採用してもよい。これにより、第2始動入賞装置33bに対し遊技球が頻繁に入賞しやすくなり、当否抽選の実行される回数が増えると共に、遊技者の持ち球の減少が抑制される球持ちのよい状態となる。
但し、本実施形態では、低入球状態であっても、普通図柄表示装置41における変動表示時間が高入球状態時と同じ(1.86秒)であり、入球サポート抽選にて当選した場合に第2始動入賞装置33bが開状態とされる時間についても、高入球状態時(5.8秒)とほぼ同じ(5.7秒)である。さらに、入球サポート抽選における当選確率についても、15/233となっており、1/100を下回るような従来のパチンコ機に比べて比較的当選し易い確率となっている。これにより、低入球状態においても、第2始動入賞装置33bが比較的開状態とされ易くなり、特別図柄の変動表示についても保留され易くなっている。
また、遊技盤30には、内レール構成部51と外レール構成部52とからなり、発射装置60から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するレール50が取付けられている。これにより、ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球は発射レール61及びレール50を通じて、遊技盤30とガラスユニット137との間に形成される遊技領域内に案内される。
内レール構成部51の先端部分(図4の左上部)には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、レール50から遊技領域へと案内された遊技球が再度レール50内に戻ってしまうといった事態が防止される。また、外レール構成部52の略先端部(図4の右上部)には、返しゴム54が取着されている。所定以上の勢いで発射された遊技球は、返しゴム54に当たって例えば遊技盤30の略中央部側へ戻されることとなる。
また、本実施形態では、外レール構成部52が遊技盤30の右上部で途絶え、内レール構成部51が遊技盤30の右下部で途絶えている。このため、遊技領域は、レール50及び樹脂ベース38の窓孔39の内周面により画定される。但し、発射装置60にて打出された遊技球が、戻り球防止部材53を通過するまでは、レール50を逆流する場合があるため、内外レール構成部51,52の並行部分は遊技領域から除かれる。
さて、本実施形態では、第1始動入賞装置33aと、第2始動入賞装置33bとをユニット化した始動入賞ユニット401に特徴がある。以下、始動入賞ユニット401を中心に、図44〜図47等を参照して説明する。
始動入賞ユニット401は、遊技盤30の前面に当接状態で取付けられる略板状のベース板402と、ベース板402の前方において、ベース板402との間に遊技球が通過可能な距離を隔てて設けられ、少なくとも第1始動入賞装置33a、及び、第2始動入賞装置33bの前方を覆うようにして設けられる略円盤状の前被覆手段(一般部)としての前装飾部403とを備えている。前装飾部403は、透明または半透明な樹脂材料(例えばポリカーボネート)で構成されており、第1始動入賞装置33a、及び、第2始動入賞装置33bの周辺部を移動する遊技球を前装飾部403を介して視認可能に構成されている。
また、図45(a)、図47等に示すように、ベース板402には、遊技盤30に形成された開口部と連通し、第1始動入賞装置33a、及び、第2始動入賞装置33bに入球した遊技球を、前記開口部を介して、遊技盤30の後方に排出するための上下一対の排出孔404が形成されている。さらに、第1始動入賞装置33a、及び、第2始動入賞装置33bは、ベース板402に形成された各排出孔404の前方に対応して設けられ、上方に開口する断面略U字状の球受部405を備えている。当該球受部405の上部に形成される開口部によって始動入賞口が構成されている。さらに、球受部405の底面は、遊技球を後方に案内する形状(後方に下方傾斜する形状の部位を備える)とされており、始動入賞口を介して、球受部405に入球した遊技球は、後方の排出孔404へと案内されることとなる。
尚、遊技盤30の前面に立設される遊技釘には、第1始動入賞装置33aの始動入賞口の左右両側部の上方において左右一対で設けられる命釘406があり、当該一対の命釘406の間を通過した遊技球が第1始動入賞装置33aへと入球するように構成されている。本実施形態では、命釘406と前装飾部403とが重ならないように、始動入賞ユニット401が命釘406よりも下方に配置されている。
また、図45(b)に示すように、本実施形態では、前装飾部403によって球受部405の前側が閉塞されている。換言すれば、第1始動入賞装置33a及び第2始動入賞装置33bの前壁部が前装飾部403によって構成されている。特に、本実施形態では、各球受部405が、前装飾部403と一体的に形成されており、球受部405についても、前装飾部403と同様に、透明又は半透明の樹脂材料(第1始動入賞装置33aの球受部405は透明樹脂)によって構成されている。以下、前装飾部403、及び、球受部405が一体となった部材を「カバーユニット407」と称する。
さらに、カバーユニット407には、カバーユニット407をベース板402に取付けるための取付ボス408が、各球受部405と一体的に設けられている。取付ボス408のボス穴は後方に開口している。その一方で、図45(a)に示すように、ベース板402には、取付ボス408に対応して取付孔409が形成されており、取付ボス408と取付孔409とを位置合わせして、ベース板402の後面側からねじ固定を行うことで、カバーユニット407がベース板402に取付けられることとなる。尚、ベース板402に対し、前方に突出し、球受部405の下面側を支持する支持リブを設けることとしてもよい。
加えて、図44に示すように、本実施形態のベース板402は、前装飾部403の外周縁よりも左右側方にまで延設されている。さらに、当該延設部位には、ベース板402から前方に突出するようにして形成され、前装飾部403の左右側方の遊技領域を移動する遊技球を前装飾部403側へ案内する左右一対のスライダー411が設けられている。当該スライダー411によって案内された遊技球は、第2始動入賞装置33bが開状態であれば、比較的高い確率で開位置にある羽根部材37上に落下して、第2始動入賞装置33bへと入球するようになっている。また、ベース板402には、前記延設部位において、当該ベース板402を遊技盤30にねじで固定するためのねじ孔412が形成されている。
さて、図47等に示すように、本実施形態では、第2始動入賞装置33bに対応して、球受部405の側方の遊技領域を移動する遊技球を球受部405へと案内する開位置と、球受部405の側方の遊技領域を移動する遊技球の球受部405側への移動を規制する閉位置との間で変位可能な羽根部材37が設けられているだけでなく、開位置にある羽根部材37の前方を覆うことのできる機能位置と、閉位置にある羽根部材37の前方を覆うことのできる待機位置との間を変位可能な可動被覆手段としての疑似羽根部材431が設けられている。尚、本実施形態では、機能位置にある羽根部材37が案内手段を構成する。
図46に示すように、羽根部材37は、開位置とされた場合に遊技球を載せて球受部405へと案内する役割を有するため、前後の幅(厚み)が遊技球の直径よりも大きく構成されている。一方、羽根部材37の前方(羽根部材37と前装飾部403との間)に配置される疑似羽根部材431は、羽根部材37が閉位置にあり、かつ、疑似羽根部材431が機能位置にある場合(図47(c)参照)に、当該疑似羽根部材431の後方の遊技領域(疑似羽根部材431とベース板402との間)を遊技球が通過可能とするべく、羽根部材37よりも薄肉に構成されている。
また、羽根部材37を動作させる機構としては、羽根部材37を変位させる羽根側駆動手段としての羽根側モータ421と、一端部側が羽根部材37と連結される略円筒状の羽根用軸425と、羽根用軸425の他端部側に設けられ、羽根側モータ421の羽根側駆動軸422に設けられた羽根側ピニオン423と噛み合わされる羽根側ギア426とを備えている。本実施形態の羽根側モータ421は、後述の主制御装置261と電気的に接続されている。また、羽根用軸425は、羽根部材37に形成された前後に貫通する略円形の貫通孔427(図46(b)参照)に挿通された状態で、羽根部材37と固定されている。
さらに、疑似羽根部材431を動作させる機構としては疑似羽根部材431を変位させる疑似側駆動手段としての疑似側モータ432と、一端部側が疑似羽根部材431と連結される略円柱状の疑似用軸433と、疑似用軸433の他端部側に設けられ、疑似側モータ432の疑似側駆動軸434に設けられた疑似側ピニオン435と噛み合わされる疑似側ギア436とを備えている。本実施形態の疑似側モータ432は、後述のサブ制御装置262と電気的に接続されている。
また、疑似用軸433は、略円筒状の羽根用軸425の内側に挿通されており、羽根用軸425の前端部から前方に突出した疑似用軸433の前端部に対して疑似羽根部材431が取付けられ、羽根用軸425の後端部から後方に突出した疑似用軸433の後端部に対して疑似側ギア436が取付けられている。当該構成により、羽根部材37及び疑似羽根部材431が回動可能に構成されるとともに、羽根部材37の回転軸線、及び、疑似羽根部材431の回転軸線が(ほぼ)同一直線上に延びるように構成されている。
加えて、疑似用軸433の前端部は断面略D字状をなしており、かかる前端部は、疑似羽根部材431の後面に形成された略半円形状の凹部(図示略)に挿入された状態で、疑似羽根部材431と固定されている。さらに、疑似羽根部材431の前面側には、前記凹部が形成されることに伴って、疑似羽根部材431の前面側に突出するようにして形成された略円柱状の軸支凸部437が設けられている。図45(b)に示すように、本実施形態では、前装飾部403の後面において、当該軸支凸部437が挿入される凹状の軸受部438が形成されている。これにより、疑似用軸433の前端部側、ひいては、羽根用軸425の前端部側が支持されることとなり、疑似用軸433や羽根用軸425の変形や位置ずれ等を抑止することができる。尚、羽根部材37や疑似羽根部材431の回動中心側の外周縁下部を軸支する軸受部を設けることとしてもよい。
また、本実施形態では、始動入賞ユニット401において、デフォルメされたクジラが視認されるように構成されている。つまり、図44に示すように、略円盤状の前装飾部403は、基本的に有色透明の色相でクジラが描画されたキャラクタ表示部441を備えており、それ以外(キャラクタ表示部441の周り)は無色透明(キャラクタ表示部441よりも薄い色相の有色透明でも可)な一般部442となっている。但し、キャラクタ表示部441には、クジラの前肢が描画されていない。その代わりに、疑似羽根部材431によってクジラの前肢が表現されている。
図44(b)、図46等に示すように、疑似羽根部材431は、クジラの前肢をイメージした形状(ヒレ状)とされ、キャラクタ表示部441のクジラの着色(例えば、半透明の紺色)に合わせて、有色透明の樹脂材料によって構成されている。そして、疑似羽根部材431が機能位置へと変位することで、クジラの前肢がクジラの胴体の側方に突出するように構成されている。本実施形態では、機能位置にある疑似羽根部材431の先端部が、前装飾部403(一般部442)の外周縁よりも外方に位置するようになっている。
また、図47(a)に示すように、本実施形態では、待機位置にある疑似羽根部材431が、前装飾部403のキャラクタ表示部441の後方に位置する(疑似羽根部材431の大部分がキャラクタ表示部441で隠れる)ように構成されている。尚、本実施形態では、クジラが第3オブジェクトに相当し、クジラの前脚以外の部位が第1オブジェクトに相当し、前装飾部403のキャラクタ表示部441が第1オブジェクト表示部に相当し、クジラの前肢が第2オブジェクトに相当し、疑似羽根部材431が第2オブジェクト表示部に相当する。さらに、疑似羽根部材431が機能位置にある状態が完成表示状態に相当し、疑似羽根部材431が待機位置にある状態が未完成表示状態に相当する。
また、羽根部材37についても、閉位置にある場合には、キャラクタ表示部441の後方に位置する(閉位置にある羽根部材37の全体がキャラクタ表示部441で隠れる)ように構成されている。加えて、本実施形態の羽根部材37は、無色透明な樹脂材料によって構成されている。さらに、羽根部材37は、開位置にある場合の上面(遊技球案内面)や前面が平坦(平滑)面となっている。尚、疑似羽根部材431の前面や後面についても平坦面となっている。
また、図46(b)、図47に示すように、疑似羽根部材431は、正面視で、羽根部材37よりも面積が大きく構成されており、羽根部材37が開位置にあり、かつ、疑似羽根部材431が機能位置にある場合、及び、羽根部材37が閉位置にあり、かつ、疑似羽根部材431が待機位置にある場合のどちらでも、羽根部材37の前面全体が疑似羽根部材431によって覆われるようになっている。特に、本実施形態では、図47(a)に示すように、羽根部材37が閉位置にあり、かつ、疑似羽根部材431が待機位置にある場合には、疑似羽根部材431の機能位置側の辺部が、羽根部材37の開位置側の面よりも、開位置側に位置するように構成されている。さらに、図47(b)に示すように、羽根部材37が開位置にあり、かつ、疑似羽根部材431が機能位置にある場合には、疑似羽根部材431の上辺部(待機位置側の辺部)が、羽根部材37の上面(遊技球案内面、待機位置側の面)が、よりも上方(閉位置側)に位置するようになっている。
尚、詳しくは後述するが、本実施形態では、羽根部材37及び疑似羽根部材431のうち、羽根部材37が単独で動作することはなく、羽根部材37が閉位置から開位置に変位する場合には、疑似羽根部材431についても、該羽根部材37の前方を覆いつつ、待機位置から機能位置へと変位するように構成されている。さらに、羽根部材37が開位置から閉位置へと変位する場合には、疑似羽根部材431についても、該羽根部材37の前方を覆いつつ、機能位置から待機位置へと変位するように構成されている。その一方で、疑似羽根部材431に関しては、単独で動作する場合があり、図47(c)に示すように、疑似羽根部材431は機能位置にあるが、羽根部材37は閉位置にあるといった状態も発生するように構成されている。つまり、羽根部材37が閉位置にある状態において、羽根部材37が開位置(閉位置以外の位置)に存在しているかのような疑似羽根開放態様を導出可能になっている。本実施形態では、疑似羽根部材431やこれを動作させる機構(後述の動作制御機能を含む)によって、疑似羽根開放手段が構成されている。
さて、遊技領域のうち前装飾部403によって前方が覆われている領域(以下、「被覆領域」とも称する)には、第2始動入賞装置33b(の球受部405)の下方位置において、被覆領域を移動する遊技球を検知可能な疑似入賞検知手段としての疑似入賞検知スイッチ445が設けられている。疑似入賞検知スイッチ445は遊技領域に設けられているため、遊技球は、疑似入賞検知スイッチ445に検知された後も、引き続き、疑似入賞検知スイッチ445の下流側の遊技領域を移動することとなる。
さらに、被覆領域には、ベース板402から前方に突出するようにして設けられ、被覆領域を移動する遊技球を疑似入賞検知スイッチ445へと案内する疑似入賞案内手段としての案内台446が設けられている。案内台446は左右一対で設けられており、疑似入賞検知スイッチ445はこれらの間に挟持されるような格好で取付けられている。また、案内台446は、始動入賞ユニット401を正面視した場合に、前装飾部403のキャラクタ表示部441の下縁部に沿った湾曲状をなしており、さらには、案内台446、及び、疑似入賞検知スイッチ445の全体が、キャラクタ表示部441によって前方が覆われるように(キャラクタ表示部441で隠れるように)構成されている。
加えて、図45、図47に示すように、遊技領域のうち機能位置にある疑似羽根部材431によって前方が覆われる領域(以下、「特定被覆領域」とも称する)の下方位置には、前装飾部403で前方が覆われる被覆領域ではあるものの、ベース板402が配設されていない領域が存在する。図47(c)等に示すように、本実施形態では、かかる領域において、機能位置にある疑似羽根部材431の下縁部(特定被覆領域の下方)に隣接するようにして、複数本(本例では2本)の遊技釘(以下、「案内釘448」と称する)が遊技盤30に立設されている。複数本の案内釘448は、始動入賞ユニット401の横幅方向中央部側(案内台446側)に位置するものほど下方に配置されており、基本的に、案内釘448の上面側に接触した遊技球は、案内台446側へと案内される(案内釘448の上面側に接触した遊技球が必ず案内台446に載るとは限らないが、比較的高確率で載る)ようになっている。
例えば、図47(b)に示すように、羽根部材37が開位置にある場合、羽根部材37の直下方に位置する案内釘448や案内台446には、遊技球がほとんど接触しない。これに対し、図47(a)、図47(c)に示すように、羽根部材37が閉位置にある場合には、被覆領域に進入し、閉位置にある羽根部材37の側方を移動する遊技球は、案内釘448に接触して案内台446に載ったり、或いは直接案内台446に載ったりすることとなる。尚、案内釘448は、機能位置にある疑似羽根部材431、及び、前装飾部403のキャラクタ表示部441に隣接して配置され、さらに、機能位置にある疑似羽根部材431についても、正面視でキャラクタ表示部441と連続して延在していることから、案内釘448によって案内台446側に案内されている遊技球は、疑似羽根部材431やキャラクタ表示部441の後側に隠れ続ける場合もあり、この場合、かかる遊技球の動作を目で追い難くなる。尚、本実施形態では、案内台446及び案内釘448によって進路変更手段が構成される。
図3に示すように、前面枠セット14の背面側には、窓部101の下方において、球通路ユニット70が設けられている。球通路ユニット70は、後述する払出機構部352から下皿15の排出口16へ繋がる下皿連通路71と、払出機構部352から上皿19へ繋がる上皿連通路73と備えている。また、内枠12の前面側に設けられた発射レール61とレール50(外レール構成部52)との間には所定間隔の隙間があり、前面枠セット14の球通路ユニット70には、前記隙間より落下した遊技球を下皿15へと案内するファール球通路72が形成されている。これにより、仮に、発射装置60から発射された遊技球が戻り球防止部材53まで至らずファール球としてレール50を逆戻りする場合には、そのファール球がファール球通路72を介して下皿15に排出される。
また、図3及び図4中の符号67は後述する払出機構部352により払出された遊技球を内枠12の前方に案内するための払出通路であり、上皿連通路73(上皿19)に通じる通路と、下皿連通路71(下皿15)に通じる通路とに分かれている。払出通路67の下方にはシャッタ68が設けられており、前面枠セット14を開放した状態では、バネ等の付勢力によりシャッタ68が前方に突出して払出通路67の出口をほぼ閉鎖するようになっている。また、前面枠セット14を閉じた状態では、下皿連通路71の入口側後端部によってシャッタ68が押し開けられるようになっている。尚、下皿連通路71及び上皿連通路73の入口(球流入部)が隣接するとともに、前面枠セット14の閉状態において当該各入口と払出通路67とが所定距離だけ離間しており、両者間の隙間を遊技球が通過可能となっている。このため、上皿19及び上皿連通路73が遊技球で満杯となると、払出される遊技球が下皿連通路71側に流れ(下皿連通路71の入口側に溢れ)、下皿連通路71を通って下皿15に払出されることとなる。
加えて、球通路ユニット70には、下皿連通路71内に位置する遊技球を検知する満杯検知スイッチ(図示略)が設けられている。当該満杯検知スイッチの存在により、下皿15が遊技球で満杯になっていること(下皿15が遊技球で満杯となり、下皿連通路71において遊技球が滞留していること)を把握することができる。本実施形態では、満杯検知スイッチによって所定時間継続して遊技球が検知されることに基づき、装飾図柄表示装置42における表示や音声等を用いて下皿15が満杯であることを教示するエラー報知の制御が行われる。尚、下皿連通路71における遊技球の滞留が解消され、満杯検知スイッチにより遊技球が検知されなくなると(所定時間継続して検知されなくなると)エラー報知の状態が解除される。
次に、パチンコ機10の背面構成について図5、図6等を参照して説明する。パチンコ機10の背面には、各種制御基板が上下左右に並べられるようにして、一部前後に重ねられるようにして配置されており、さらに、遊技球を供給する遊技球供給装置(払出機構)や樹脂製の保護カバー等が取り付けられている。払出機構及び保護カバーは1ユニットとして一体化されており、一般に樹脂部分を裏パックと称することもあるため、ここではそのユニットを「裏パックユニット203」と称する。
まず、遊技盤30の背面構成について説明する。図6に示すように、遊技盤30中央の貫通孔に対応して配設された可変表示装置ユニット35(図4参照)の背面側には、センターフレーム47を背後から覆う樹脂製のフレームカバー213が後方に突出して設けられている。また、フレームカバー213の背面側には、フレームカバー213の開口部から前方に臨む液晶表示装置たる装飾図柄表示装置42、表示制御装置45及びサブ制御装置262が前後に重ねられた状態で着脱可能に取り付けられている。
装飾図柄表示装置42は、当該装飾図柄表示装置42の表示部(液晶画面)をパチンコ機10の前面側に露出させるための開口部が形成された収容ボックス42aに収容されてフレームカバー213の背面側に固定されている。表示制御装置45は基板ボックス45aに収容されて装飾図柄表示装置42(収容ボックス42a)の背面側に固定されている。サブ制御装置262は基板ボックス262aに収容されて表示制御装置45(基板ボックス45a)の背面側に固定されている。尚、フレームカバー213内には、センターフレーム47に内蔵されたLED等を駆動するLED制御基板等が配設されている。また、収容ボックス42a及び基板ボックス45a,262aは透明樹脂材料等により構成され、内部が視認可能となっている。
フレームカバー213の下方には裏枠セット215が、一般入賞口31、可変入賞装置32及び始動入賞装置33等を背後から覆うようにして遊技盤30に取付けられている。裏枠セット215は、各種入賞口に入賞した遊技球を回収するための球回収機構を備えている(図示略)。この球回収機構により回収された遊技球は、後述する排出通路部217に案内され、排出通路部217の排出シュートからパチンコ機10外部に排出される。
また、本実施形態では、裏枠セット215が主制御装置261の取付台として機能する。より詳しくは、主制御装置261を搭載した基板ボックス263が、裏枠セット215に対し回動可能に軸支され、後方に開放可能となっている。
主制御装置261は透明樹脂材料等よりなる基板ボックス263に収容されている。基板ボックス263は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備え、これらボックスベースとボックスカバーとが封印部材によって連結されている。封印部材によって連結された基板ボックス263は、所定の痕跡を残さなければ開封できない構成となっている。これにより、基板ボックス263が不正に開封された旨を容易に発見することができる。
また、遊技盤30には、一般入賞口31等の各種入賞口に対応して、当該各種入賞口へ入球した遊技球を検出する入球検出スイッチが設けられている。具体的には、図4に示すように、一般入賞口31に対応する位置には入賞口スイッチ221が設けられ、可変入賞装置32には、カウントスイッチ223が設けられている。また、第1始動入賞装置33a、第2始動入賞装置33bには、第1始動入賞スイッチ224a、第2始動入賞スイッチ224bが設けられている。さらに、スルーゲート34に対応する位置にはスルーゲートスイッチ225が設けられている。
また、図示は省略するが、裏枠セット215には、入賞口スイッチ221、カウントスイッチ223、及びスルーゲートスイッチ225とケーブルコネクタを介して電気的に接続される第1盤面中継基板が設けられている。この第1盤面中継基板は、入賞口スイッチ221等と、主制御装置261とを中継するものであり、ケーブルコネクタを介して主制御装置261と電気的に接続されている。これに対し、第1始動入賞スイッチ224a、第2始動入賞スイッチ224bは中継基板を経ることなくコネクタケーブルを介して直接主制御装置261に接続されている。
各種入球検出スイッチにて各々検出された検出結果は、主制御装置261に取り込まれる。そして、該主制御装置261よりその都度の入賞状況に応じた払出指令(遊技球の払出個数)が払出制御装置311に送信され、該払出制御装置311からの出力信号に基づき所定数の遊技球の払出しが実施される(スルーゲートスイッチ225により検出された場合を除く。)
この他、遊技盤30の裏面には、図示は省略するが、可変入賞装置32にて大入賞口を開放する大入賞口用ソレノイドが設けられている。また、第2始動入賞装置33bには、上記のように羽根部材37を開閉駆動する羽根側モータ421が設けられている。さらに、裏枠セット215には、これらソレノイドやモータと主制御装置261とを中継する第2盤面中継基板(図示略)も設けられている。
次に、裏パックユニット203の構成を説明する。図5に示すように、裏パックユニット203は、樹脂成形された裏パック351と、遊技球の払出機構部352とを一体化したものである。また、裏パックユニット203は、内枠12の左側部(図5では右側)に対して開閉可能に支持されており、上下方向に沿って延びる開閉軸線を軸心として後方に開放できるようになっている。加えて、裏パックユニット203の左上部(図5では右上部)には外部端子板240が設けられている。
外部端子板240は、遊技ホールのホールコンピュータなどへの各種情報送信を中継するためのものであり、複数の外部接続端子が設けられている。便宜上、符号は付さないが、例えば現在の遊技状態(大当たり状態や確変モード等)に関する情報を出力するための端子、後述する開放検知スイッチ91、92によって検出される前面枠セット14や内枠12の開放に関する情報を出力するための端子、入球エラー、下皿満タンエラー、タンク球無しエラー、払出しエラーなど各種エラー状態に関する情報を出力するための端子、払出制御装置311から払出される賞球数に関する情報を出力するための端子などが設けられている。
裏パック351は例えばABS樹脂により一体成形されており、パチンコ機10の後方に突出して略直方体形状をなす保護カバー部354を備えている。保護カバー部354は左右側面及び上面が閉塞され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくともフレームカバー213を覆うのに十分な大きさを有する。但し、本実施形態では、保護カバー部354が基板ボックス263の上部及び右部(図5では左側の部位)も合わせて覆う構成となっている。これにより、裏パックユニット203の閉鎖状態において、基板ボックス263の右部に設けられた封印部材、及び主制御装置261の上縁部に沿って設けられた端子部(基板側コネクタ)が覆われることとなる。
払出機構部352は、保護カバー部354を迂回するようにして配設されている。すなわち、保護カバー部354の上方には、上側に開口したタンク355が設けられており、このタンク355には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク355の下方には、例えば横方向2列の球通路を有し下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール356が連結され、さらにタンクレール356の下流側には縦向きにケースレール357が連結されている。払出装置358はケースレール357の最下流部に設けられ、払出モータ等の所定の電気的構成により必要個数の遊技球の払出が適宜行われる。そして、払出装置358より払出された遊技球は上皿19等に供給される。
また、払出機構部352には、払出制御装置311から払出装置358への払出指令の信号を中継する払出中継基板381が設置されると共に、外部より主電源を取り込む電源スイッチ基板382が設置されている。電源スイッチ基板382には、電圧変換器を介して例えば交流24Vの主電源が供給され、電源スイッチ382aの切替操作により電源ON又は電源OFFされる。
裏パックユニット203(基板ボックス263)の下方には、内枠12の左側部(図5では右側)にて軸支され、後方に開放可能な下枠セット251が設けられている。図6に示すように、下枠セット251には、上述した球回収機構により回収された遊技球が流入する排出通路部217が形成され、排出通路部217の最下流部には、遊技球をパチンコ機10外部へ排出する排出シュート(図示略)が形成されている。つまり、一般入賞口31等の各入賞口に入賞した遊技球は、裏枠セット215の球回収機構を介して集合し、さらに排出通路部217の排出シュートを通じてパチンコ機10外部に排出される。なお、アウト口36も同様に排出通路部217に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球も排出シュートを介してパチンコ機10外部に排出される。尚、本実施形態では、裏パックユニット203と下枠セット251とが別体として構成され、それぞれ独立して開閉可能であるが、裏パックユニット203と下枠セット251とが一体的に形成されることとしてもよい。
また、図5に示すように、下枠セット251の背面側には、払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313、及び、カードユニット接続基板314が前後に重ねられた状態で着脱可能に取り付けられている。
発射制御装置312及び電源装置313は基板ボックス313aに収容されて下枠セット251の背面側に固定されている。尚、発射制御装置312及び電源装置313は、便宜上それぞれ独立した制御装置として説明するが、実際には1つの基板(プリント基板)により構成される。
また、払出制御装置311は、基板ボックス311aに収容されて、基板ボックス313a(発射制御装置312及び電源装置313)の背面側に固定されている。尚、払出制御装置311が収容される基板ボックス311aには、上述した主制御装置261が収容される基板ボックス263と同様に封印部材が設けられ、基板ボックス311aの開封された痕跡が残るようになっている。
加えて、カードユニット接続基板314は、基板ボックス314aに収容されて、基板ボックス313a(発射制御装置312及び電源装置313)の背面側に固定されている。なお、上記各基板ボックス311a,313a,314aは透明樹脂材料等により構成されており、内部が視認可能となっている。
また、払出制御装置311には基板ボックス311aから外方に突出する状態復帰スイッチ321が設けられている。例えば、払出モータの球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モータが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られる。
さらに、電源装置313には基板ボックス313aから外方に突出するRAM消去スイッチ323が設けられている。本パチンコ機10はバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰させることができる。従って、通常手順で(例えば遊技ホールの営業終了時に)電源遮断すると電源遮断前の状態が記憶保持されることから、電源投入時に初期状態に戻したい場合には、RAM消去スイッチ323を押しながら電源を投入する。
また、図6に示すように、内枠12の右側部背面側には施錠装置600が設けられている。施錠装置600は、前面枠セット14の前面側に露出するシリンダ錠700(図1等参照)を備えており、該シリンダ錠700の鍵穴に鍵を挿入し、一方に回動操作することで内枠12を解錠でき、他方に回動操作することで前面枠セット14を解錠できるようになっている。本実施形態では、内枠12は外枠11に対し施錠され、前面枠セット14は内枠12に対し施錠される。
尚、上記のように、外枠11の右辺枠構成部11dには、施錠装置600に対応する上下区間全域を内枠12の背面側から覆う延出壁部83が形成されている(図5参照)。これにより、外枠11の背面側から線材等を進入させ、当該線材等により施錠装置600を操作することが困難となる。結果として、防御性能の向上を図ることができる。さらに、延出壁部83は、裏パックユニット203及び下枠セット251の右端部(図5では左側の端部)を背面側から覆う構成となっており、内枠12の閉状態においては、裏パックユニット203及び下枠セット251を開放できない構成となっている。
また、図4に示すように、内枠12の前面側右下部(発射装置60の右側)には、前面枠セット14の開放を検知するための前面枠開放検知スイッチ91が設けられ、図5に示すように、内枠12の背面側右下部(図5では左下)には、内枠12の開放を検知するための内枠開放検知スイッチ92が設けられている。前面枠開放検知スイッチ91及び内枠開放検知スイッチ92は、それぞれスイッチ本体部に対して出没可能な検知部を備えており、前面枠開放検知スイッチ91は検知部が前方に向くように設けられ、内枠開放検知スイッチ92は検知部が後方へ向くように設けられる。そして、検知部がスイッチ本体部から突出した状態にある場合にはオン信号を主制御装置261に出力し、検知部がスイッチ本体部側に押圧され、スイッチ本体部に没入した状態ではオフ信号を主制御装置261に出力する構成となっている。つまり、前面枠開放検知スイッチ91は前面枠セット14の閉鎖時において検知部が前面枠セット14の背面で押圧されてオフ状態となり、前面枠セット14の開放時には、検知部が突出状態に戻ってオン状態となる。同様に、内枠開放検知スイッチ92は内枠12の閉鎖時において検知部が外枠11の受部85に一体形成された押圧部86によって押圧されてオフ状態となり、内枠12の開放時には検知部が突出状態に戻ってオン状態となる。
次に、パチンコ機10の電気的構成について説明する。図7は、本パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。主制御手段としての主制御装置261(主基板)には、演算装置である1チップマイコンとしてのCPU501が搭載されている。CPU501には、該CPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するメモリであるRAM503と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路等が内蔵されている。但し、CPU、ROM及びRAMが1チップ化されておらず、それぞれの機能毎にチップ化されている構成であってもよい。
RAM503は、CPU501の内部レジスタの内容やCPU501により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種フラグ及びカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)と、バックアップエリア503aとを備えている。
また、RAM503は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、スタックエリア、作業エリア及びバックアップエリア503aに記憶されるすべてのデータがバックアップされるようになっている。
バックアップエリア503aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくエリアである。バックアップエリア503aへの書き込みは、メイン処理によって電源切断時に実行され、逆にバックアップエリア503aに書き込まれた各値の復帰は、電源入時(停電解消による電源入を含む。以下同様)のメイン処理において実行される。なお、CPU501のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源断時に、後述する停電監視回路542から出力される停電信号SK1が入力されるように構成されており、停電の発生により、停電処理(NMI割込み処理)が即座に実行される。
なお、少なくともスタックエリアとバックアップエリア503aとに記憶されるデータをバックアップすれば、必ずしもすべてのエリアに記憶されるデータをバックアップする必要はない。例えば、スタックエリアとバックアップエリア503aとに記憶されるデータをバックアップし、作業エリアに記憶されるデータをバックアップしない構成としてもよい。
かかるROM502及びRAM503を内蔵したCPU501には、アドレスバス及びデータバス等で構成されるバスライン504を介して入出力ポート505が接続されている。入出力ポート505には、後述するRAM消去スイッチ回路543、払出制御装置311、サブ制御装置262、第1及び第2特別表示装置43L、43R、普通図柄表示装置41等が接続されている。この構成により、上述した特別表示装置43L、43R、及び普通図柄表示装置41は、主制御装置261により直接的に制御される。一方、装飾図柄表示装置42は、サブ制御装置262を介して制御される。
その他、便宜上、各種中継基板等の図示は省略するが、入出力ポート505には、入賞口スイッチ221、カウントスイッチ223、始動入賞スイッチ224a,224b、スルーゲートスイッチ225、ハンドル18の各種スイッチ等の各種検出スイッチや、各種基板、可変入賞装置32を開閉させるためのソレノイド、第2始動入賞装置33b(羽根部材37)を開閉させるための羽根側モータ421等の各種電気部品が接続されている。つまり、主制御装置261には、各種ケーブルコネクタのコネクタを接続するための複数の端子部(基板側コネクタ)が設けられているが、これら端子部等により、入出力ポート505が構成される。
サブ制御手段としてのサブ制御装置262(サブ制御基板)は、演算装置であるCPU551、該CPU551により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM552、該ROM552内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するメモリであるRAM553、入出力ポート554、バスライン555を備えるとともに、その他にも図示しない割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路等を備えている。RAM553は、CPU551による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するメモリである。
入出力ポート554には、バスライン555を介してCPU551、ROM552、RAM553が接続されるとともに、表示制御装置45が接続されている。さらに、入出力ポート554には、スピーカSP、保留ランプ46a、46b、演出ボタン125、十字ボタン126、各種電飾部及びランプ102、104、始動入賞ユニット401に設けられた疑似入賞検知スイッチ445、疑似羽根部材431を動作させる疑似側モータ432等が接続されている。
サブ制御装置262のCPU551は、例えば主制御装置261から送信される指令信号(例えば変動パターンコマンド)に基づいて表示制御装置45に表示制御を実行させ、装飾図柄表示装置42に表示させる。本実施形態では、サブ制御装置262及び表示制御装置45によって表示制御手段が構成される。なお、上記のように、本実施形態では、主制御装置261が制御する第1及び第2特別表示装置43L、43Rにて大当たりに当選したことを表示するようになっており、サブ制御装置262が制御する装飾図柄表示装置42では、特別表示装置43L、43Rにおける特別図柄の変動表示に合わせて、演出表示として装飾図柄の変動表示が行われる。
また、払出制御装置311は、払出装置358により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU511は、そのCPU511により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRAM513とを備えている。
払出制御装置311のRAM513は、主制御装置261のRAM503と同様に、CPU511の内部レジスタの内容やCPU511により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種フラグ及びカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)と、バックアップエリア513aとを備えている。
RAM513は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、スタックエリア、作業エリア及びバックアップエリア513aに記憶されるすべてのデータがバックアップされるようになっている。なお、少なくともスタックエリアとバックアップエリア513aとに記憶されるデータをバックアップすれば、必ずしもすべてのエリアに記憶されるデータをバックアップする必要はない。例えば、スタックエリアとバックアップエリア513aとに記憶されるデータをバックアップし、作業エリアに記憶されるデータをバックアップしない構成としてもよい。
バックアップエリア513aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくエリアである。このバックアップエリア513aへの書き込みは、メイン処理によって電源切断時に実行され、バックアップエリア513aに書き込まれた各値の復帰は電源入時のメイン処理において実行される。なお、主制御装置261のCPU501と同様、CPU511のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路542から停電信号SK1が入力されるように構成されており、その停電信号SK1がCPU511へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込み処理が即座に実行される。
作業エリアには、払出制御装置311による賞球の払出許可が設定される払出許可フラグと、主制御装置261から送信されたコマンドを受信した場合に設定されるコマンド受信フラグと、主制御装置261から送信されたコマンドが記憶されるコマンドバッファとが設けられている。
払出許可フラグは、賞球の払出許可を設定するフラグであり、主制御装置261から賞球の払出を許可する特定のコマンドが送信され、その特定のコマンドを受信した場合にオンされ、初期設定の処理又は電源遮断前へ復帰された場合にオフされる。本実施形態では、特定のコマンドは、払出制御装置311のRAM513の初期処理の指示をする払出初期化コマンドと、賞球の払出を指示する賞球コマンドと、主制御装置261が復電された場合に送信される払出復帰コマンドの3つである。
コマンド受信フラグは、払出制御装置311がコマンドを受信したか否かを確認するフラグであり、いずれかのコマンドを受信した場合にオンされ、払出許可フラグと同様に、初期設定の処理又は電源遮断前へ復帰された場合にオフされるとともに、コマンド判定処理により受信されたコマンドの判定が行われた場合にオフされる。
コマンドバッファは、主制御装置261から送信されるコマンドを一時的に記憶するリングバッファで構成されている。リングバッファは所定の記憶領域を有しており、その記憶領域の始端から終端に至るまで規則性をもってコマンドが記憶され、全ての記憶領域にコマンドが記憶された場合には、記憶領域の始端に戻りコマンドが更新されるよう構成されている。よって、コマンドが記憶された場合及びコマンドが読み出された場合に、コマンドバッファにおける記憶ポインタ及び読出ポインタが更新され、その各ポインタに基づきコマンドの記憶と読み出しとが行われる。
かかるROM512及びRAM513を内蔵したCPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン514を介して入出力ポート515が接続されている。入出力ポート515には、RAM消去スイッチ回路543、主制御装置261、発射制御装置312、払出装置358等がそれぞれ接続されている。
カードユニット接続基板314は、パチンコ機10前面の貸球操作部(球貸しボタン121及び返却ボタン122)と、遊技ホール等にてパチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)とにそれぞれ電気的に接続され、遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれをカードユニットに出力するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿19に遊技球が直接貸し出される現金機では、カードユニット接続基板314を省略することも可能である。
発射制御装置312は、発射装置60による遊技球の発射を許可又は禁止するものであり、発射装置60は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、払出制御装置311から発射許可信号が出力されていること、遊技者がハンドル18をタッチしていることをセンサ信号により検出していること、発射を停止させる発射禁止ボタン18a(図1参照)が操作されていないことを条件に、発射装置60が駆動され、ハンドル18の操作量に応じた強度で遊技球が発射される。
表示制御装置45は、サブ制御装置262からの指示に従い、装飾図柄表示装置42における装飾図柄の変動表示を実行するものである。この表示制御装置45は、CPU521と、プログラムROM522と、ワークRAM523と、ビデオRAM524と、キャラクタROM525と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)526と、入力ポート527と、出力ポート529と、バスライン530,531とを備えている。入力ポート527にはサブ制御装置262の入出力ポート554が接続されている。また、入力ポート527には、バスライン530を介して、CPU521、プログラムROM522、ワークRAM523、VDP526が接続されている。また、VDP526にはバスライン531を介して出力ポート529が接続されており、その出力ポート529には液晶表示装置たる装飾図柄表示装置42が接続されている。
表示制御装置45のCPU521は、サブ制御装置262から送信される表示コマンドを、入力ポート527を介して受信するとともに、受信コマンドを解析し又は受信コマンドに基づき所定の演算処理を行ってVDP526の制御(具体的にはVDP526に対する内部コマンドの生成)を実施する。これにより、装飾図柄表示装置42における表示制御を行う。
プログラムROM522は、そのCPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するメモリであり、ワークRAM523は、CPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するメモリである。
ビデオRAM524は、装飾図柄表示装置42に表示される表示データを記憶するメモリであり、このビデオRAM524の内容を書き替えることにより、装飾図柄表示装置42の表示内容が変更される。キャラクタROM525は、装飾図柄表示装置42に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するメモリである。
VDP526は、装飾図柄表示装置42に組み込まれたLCDドライバ(液晶駆動回路)を直接操作する一種の描画回路である。VDP526はICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画処理専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。VDP526は、CPU521、ビデオRAM524等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM524に記憶される表示データを所定のタイミングで読み出して装飾図柄表示装置42に表示させる。
また、電源装置313は、パチンコ機10の各部に電力を供給する電源部541と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路542と、RAM消去スイッチ323に接続されてなるRAM消去スイッチ回路543とを備えている。
電源部541は、図示しない電源経路を通じて、主制御装置261や払出制御装置311等に対して各々に必要な動作電源を供給する。その概要としては、電源部541は、外部より供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動する+12V電源、ロジック用の+5V電源、RAMバックアップ用のバックアップ電源などを生成し、これら+12V電源、+5V電源及びバックアップ電源を主制御装置261や払出制御装置311等に対して供給する。なお、発射制御装置312に対しては払出制御装置311を介して動作電源(+12V電源、+5V電源等)が供給される。同様に、各種スイッチやモータ等には、これらが接続される制御装置を介して動作電源が供給されることとなる。
停電監視回路542は、停電等の発生による電源断時に、主制御装置261のCPU501及び払出制御装置311のCPU511の各NMI端子へ停電信号SK1を出力する回路である。停電監視回路542は、電源部541から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断)の発生と判断して、停電信号SK1を主制御装置261及び払出制御装置311へ出力する。この停電信号SK1の出力によって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電の発生を認識し、停電時処理(NMI割込み処理)を実行する。
なお、電源部541は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、かかる停電時処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電時処理を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去スイッチ323のスイッチ信号を取り込み、そのスイッチ323の状態に応じて主制御装置261のRAM503及び払出制御装置311のRAM513のバックアップデータをクリアする回路である。RAM消去スイッチ323が押下された際、RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去信号SK2を主制御装置261及び払出制御装置311に出力する。RAM消去スイッチ323が押下された状態でパチンコ機10の電源が投入されると(停電解消による電源入を含む)、主制御装置261及び払出制御装置311においてそれぞれのRAM503,513のデータがクリアされる。
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。本実施形態では、主制御手段としての主制御装置261に設けられたCPU501は、遊技に際し各種カウンタ情報を用いて抽選を行うこととしている。具体的には、図8に示すように、大当たり状態を発生させるか否かの当否抽選に使用する当否乱数生成手段としての当否乱数カウンタC1と、大当たり種別の決定(種別抽選)に使用する種別決定カウンタC2と、装飾図柄表示装置42においてリーチ状態を発生させるか否かの決定に使用する変動選択カウンタC3と、当否乱数カウンタC1の初期値設定に使用する初期値乱数カウンタCINIと、第1及び第2特別表示装置43L、43R(装飾図柄表示装置42)の変動表示時間の決定等に使用する第1変動種別カウンタCS1、第2変動種別カウンタCS2と、第2始動入賞装置33bを開状態とさせるか否かの入球サポート抽選に使用する普通図柄乱数カウンタC4とを用いることとしている。なお、変動選択カウンタC3は、装飾図柄表示装置42を外れ変動させる際のリーチ種別の抽選にも使用される。また、変動種別カウンタCS1、CS2は、装飾図柄表示装置42の変動パターン選択(演出パターン選択)にも使用される。詳しくは、決定された変動パターンにより、特別表示装置43L、43Rの変動時間が決定されるとともに、装飾図柄表示装置42における変動態様及び変動時間すなわち演出パターンが決定される。
カウンタC1、C2、C3、CINI、CS1、CS2、C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、上限値に達した後、下限値である0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは定期的に更新され、その更新値がRAM503の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される(乱数初期値カウンタCINIを除く)。
RAM503には、当否乱数カウンタC1、種別決定カウンタC2、及び、変動選択カウンタC3の各値が記憶される保留記憶エリアとしての特別変動保留エリアと、普通図柄乱数カウンタC4の値が記憶される普通変動保留エリアとが設けられている。普通変動保留エリアは、4つの保留エリア(保留第1〜保留第4エリア)と、1つの実行エリアとを備えている。普通変動保留エリアの各保留エリアには、スルーゲート34への遊技球の通過履歴に合わせて、普通図柄乱数カウンタC4の値が時系列的に格納される。当該構成を採用することで、普通図柄表示装置41における変動表示を4回まで保留可能としている。
また、特別変動保留エリアは、8つの保留エリア(保留第1〜保留第8エリア)と、1つの実行エリアとを備えている。特別変動保留エリアの各保留エリアには、第1始動入賞装置33a、及び、第2始動入賞装置33bへの遊技球の入賞履歴に合わせて、当否乱数カウンタC1、種別決定カウンタC2、及び変動選択カウンタC3の各値が時系列的に格納される。本実施形態では、第1変動表示、及び、第2変動表示(特別表示装置43L、43Rにおける変動表示)をそれぞれ4回まで保留可能としている。
各カウンタについて詳しく説明すると、当否乱数カウンタC1は、例えば0〜695の範囲内で順に1ずつ加算され、終値としての上限値(つまり695)に達した後、始値としての下限値である0に戻る構成となっている。通常、当否乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の初期値乱数カウンタCINIの値が当該当否乱数カウンタC1の次の初期値として読み込まれる。なお、初期値乱数カウンタCINIは、当否乱数カウンタC1と同様のループカウンタであり(値=0〜695)、タイマ割込み毎に1回更新されると共に通常処理の残余時間内で繰り返し更新される。一方、当否乱数カウンタC1は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、当否乱数カウンタC1の値が当否乱数カウンタバッファに格納される。そして、遊技球が第1始動入賞装置33a又は第2始動入賞装置33bに入賞したタイミングで、当否乱数カウンタバッファに格納されている当否乱数カウンタC1の値が、特別変動保留エリアに格納される。
また、本実施形態では、低確率状態(通常モード、時間短縮モード)であれば大当たりとなる当否乱数カウンタC1の値の数は2つで、その値は「7、307」であり、高確率状態(確変モード)であれば大当たりとなる当否乱数カウンタC1の値の数は20で、その値は「7〜16、307〜316」である。つまり、本実施形態では、ROM502に対し、当否乱数カウンタC1の値が大当たりに対応するか否かの判定を行う際に参照される当選値記憶手段としての当否判定テーブルが2つ設けられており、「7、307」を大当たり値として記憶した第1当否判定テーブルと、「8〜16、308〜316」を大当たり値として記憶した第2当否判定テーブルとがある。
種別決定カウンタC2は、例えば0〜19の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり19)に達した後、下限値である0に戻る構成となっている。また、ROM502には、種別決定カウンタC2の値がいずれの大当たり種別に対応するかの判定を行う際に参照される種別判定テーブルが設けられている(本例では、第1始動入賞装置33a及び第2始動入賞装置33bのどちらへの入球に対応する大当たりでも、大当たり種別の振分けを同じとするため、種別判定テーブルは1つ)。そして、当否抽選にて大当たりに当選した場合に、種別決定カウンタC2の値に基づいて付与される大当たり状態の種別の種別が決定され(種別抽選が行われ)、決定された種別の大当たり状態が付与されることとなる。
尚、種別決定カウンタC2は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、種別決定カウンタC2の値が種別決定カウンタバッファに格納される。そして、遊技球が第1始動入賞装置33a又は第2始動入賞装置33bに入賞したタイミングで、種別決定カウンタバッファに格納されている種別決定カウンタC2の値がRAM503の特別変動保留エリアに格納される。
変動選択カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり238)に達した後、下限値である0に戻る構成となっている。本実施形態では、変動選択カウンタC3によって、装飾図柄に関してリーチ状態が発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」と、同じくリーチ状態が発生した後最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」と、リーチ状態が発生しない「完全外れ」とを抽選することとしている。本実施形態では、ROM502に対し、変動選択カウンタC3の値とリーチ種別との対応関係を記憶しているリーチ判定テーブルとして、第1始動入賞装置33aへの遊技球の入球を契機として取得された変動選択カウンタC3の値に基づいて(大当たりしない場合の)リーチ種別を決定する際に参照される第1リーチ判定テーブルと、第2始動入賞装置33bへの遊技球の入球を契機として取得された変動選択カウンタC3の値に基づいて(大当たりしない場合の)リーチ種別を決定する際に参照される第2リーチ判定テーブルとが設けられている。尚、第1リーチ判定テーブルでは、C3=0,1が前後外れリーチに対応し、C3=2〜21が前後外れ以外リーチに対応し、C3=22〜238が完全外れに対応する。一方、第2リーチ判定テーブルでは、C3=0,1が前後外れリーチに対応し、C3=2〜11が前後外れ以外リーチに対応し、C3=12〜238が完全外れに対応する。
変動選択カウンタC3は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、変動選択カウンタバッファに変動選択カウンタC3の値が格納される。そして、遊技球が第1始動入賞装置33a又は第2始動入賞装置33bに入賞したタイミングで、変動選択カウンタバッファに格納されている変動選択カウンタC3の値がRAM503の特別変動保留エリアに格納される。
また、2つの変動種別カウンタCS1、CS2のうち、一方の変動種別カウンタCS1は、例えば0〜59の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり59)に達した後、下限値である0に戻る構成となっており、他方の変動種別カウンタCS2は、例えば0〜37の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり37)に達した後、下限値である0に戻る構成となっている。例えば、第1変動種別カウンタCS1によって、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等、装飾図柄のリーチパターンやその他大まかな図柄変動態様が決定され、第2変動種別カウンタCS2によって、リーチ発生後に最終停止図柄(本例では中図柄)が停止するまでの経過時間などより細かな図柄変動態様が決定される。従って、これらの変動種別カウンタCS1、CS2を組合わせることで、変動パターンの多種多様化を容易に実現できる。また、第1変動種別カウンタCS1だけで図柄変動態様を決定したり、第1変動種別カウンタCS1と停止図柄とを組合わせて同じく図柄変動態様を決定したりすることも可能である。
また、変動種別カウンタCS1、CS2は、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、装飾図柄表示装置42による装飾図柄の変動開始時における変動パターン決定に際してCS1、CS2のバッファ値が取得される。
なお、各カウンタの大きさや範囲は一例にすぎず任意に変更できる。但し、当否乱数カウンタC1、種別決定カウンタC2、変動選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1、CS2の大きさは何れも異なる素数とし、いかなる場合にも同期しない数値としておくのが望ましい。
また、普通図柄乱数カウンタC4は、例えば0〜232の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり232に達した後、下限値である0に戻るループカウンタとして構成されている。普通図柄乱数カウンタC4は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球が左右何れかのスルーゲート34を通過した時に普通図柄乱数カウンタC4の値が取得される。低入球状態の際の当選となる乱数の値の数は15であり、その範囲は「1〜15」である。一方、高入球状態の際の当選となる乱数の値の数は232であり、その範囲は「1〜232」である。つまり、本実施形態では、ROM502に対し、低入球状態での入球サポート抽選において参照される低入球時サポート判定テーブルと、高入球状態での入球サポート抽選において参照される高入球時サポート判定テーブルとが用意されている。そして、当選となる普通図柄乱数カウンタC4の値が取得された場合、普通図柄表示装置41において変動表示が所定時間行われた後、当選に対応する図柄(本例では「○」)が停止表示され、第2始動入賞装置33bがそのときの遊技モードに応じたパターンで開放される。
次いで、主制御装置261内のCPU501により実行される各制御処理を、フローチャートを参照しながら説明する。かかるCPU501の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子(ノンマスカブル端子)への停止信号の入力により起動されるNMI割込み処理とがあり、説明の便宜上ここでは、先ずタイマ割込み処理とNMI割込み処理とを説明し、その後でメイン処理を説明する。
図11は、タイマ割込み処理を示すフローチャートであり、本処理は主制御装置261のCPU501により例えば2msec毎に実行される。先ずステップS301では、各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置261に接続されている各種スイッチ(但し、RAM消去スイッチ323を除く)の状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。一方、検出情報がない場合には、そのまま次の処理に移行する。
尚、各種入賞スイッチの検知情報があった場合、対応する賞球カウンタの値を加算する。また、後述する通常処理の外部出力処理において、各賞球カウンタの値に基づく賞球コマンドが払出制御装置311へ出力され、賞球コマンドに基づいて賞球が付与される(遊技球が払出される)。さらに、この賞球コマンドの出力に際して、各賞球カウンタの値がリセットされる。
ステップS302では乱数初期値更新処理を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値(本例では695)に達した際0にクリアする。
また、ステップS303では乱数更新処理を実行する。具体的には、当否乱数カウンタC1、種別決定カウンタC2、変動選択カウンタC3、及び普通図柄乱数カウンタC4をそれぞれ1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態ではそれぞれ、695、19、238、232)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1、C2、C3、C4の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
その後、ステップS304では、始動入賞装置33への入賞に伴う始動入賞処理を実行し、ステップS305では、スルーゲート34への遊技球の通過に伴うスルーゲート通過処理を実行する。その後、タイマ割込み処理を一旦終了する。
ここで、ステップS304の始動入賞処理について図13のフローチャートを参照して説明する。尚、RAM503には、第1始動入賞装置33aへの入賞を契機とする第1変動表示の保留数をカウントする第1保留カウンタNa、第2始動入賞装置33bへの入賞を契機とする第2変動表示の保留数をカウントする第2保留カウンタNb、保留されている変動表示の総数(第1変動表示の保留数と、第2変動表示の保留数とを合わせた数)をカウントする保留総数カウンタNxが設けられている。
また、特別変動保留エリアの実行エリア及び各保留エリアには、当否乱数カウンタC1の値を記憶する当否乱数記憶エリア、種別決定カウンタC2の値を記憶する当選種別乱数記憶エリア、変動選択カウンタC3の値を記憶するリーチ乱数記憶エリアが設けられている。
さらに、特別変動保留エリアの実行エリア及び各保留エリアには、第1始動入賞装置33aへの入球に基づく第1変動表示であるのか、或いは、第2始動入賞装置33bへの入球に基づく第2変動表示であるのかを示す情報が記憶される変動記憶エリアが設けられている。以下、「変動記憶エリアに第1変動表示であることを示す情報が記憶されること」を「第1変動フラグがオン設定される」とも称し、「変動記憶エリアに第2変動表示であることを示す情報が記憶されること」を「第2変動フラグがオン設定される」とも称する。
先ず、ステップS501では、遊技球が第2始動入賞装置33bに入賞したか否かを第2始動入賞スイッチ224bの検知情報により判別する。当該ステップS501で肯定判別された場合、ステップS502において、第2保留カウンタNbの値が上限値(本実施形態では「4」)未満であるか否かを判別する。ステップS501又はS502で否定判別された場合には、ステップS509に移行する。一方、ステップS502で肯定判別された場合には、ステップS503に進み、第2保留カウンタNb、及び、保留総数カウンタNxを1インクメントする。
続くステップS504では、上記ステップS303の乱数更新処理で更新した当否乱数カウンタC1、種別決定カウンタC2、及び変動選択カウンタC3の各値(当否乱数カウンタバッファ、種別決定カウンタバッファ、及び変動選択カウンタバッファに記憶されている各値)を、特別変動保留エリアの空いている保留エリアのうち最初のエリア(当否乱数記憶エリア、当選種別乱数記憶エリア、リーチ乱数記憶エリア)に格納する。ステップS504の後、ステップS505に移行する。
ステップS505では、新たに特別変動保留エリアに記憶された当否乱数カウンタC1の値が大当たりに対応する値であるか否かを判別する当否判定処理を行う。尚、当否判定処理の詳細については後述する。
続くステップS506では、ステップS505で当否乱数カウンタC1の値が大当たりに対応する値であると判定された場合に、新たに特別変動保留エリアに記憶された種別決定カウンタC2の値に基づいて、大当たりの種別を判別する種別判定処理を行う。尚、種別判定処理の詳細については後述する。
続くステップS507では、ステップS505で当否乱数カウンタC1の値が大当たりに対応する値ではないと判定された場合に、新たに特別変動保留エリアに記憶された変動選択カウンタC3の値に基づいて、外れ変動時のリーチの種別を判別するリーチ判定処理を行う。尚、リーチ判定処理の詳細については後述する。
ここで、ステップS505の当否判定処理の詳細について、図14を参照して説明する。
先ず、ステップS5101では、新たに特別変動保留エリアに記憶された当否乱数カウンタC1の値が、第1当否判定テーブルに記憶された値である「7」、「307」のどちらかと一致するか否かを判別する。ちなみに、「7」、「307」は、低確率状態でも、高確率状態でも大当たりとなる値である。
尚、図14では便宜上、当該ステップS5101の処理を簡略化して記載しているが、実際には、当否乱数カウンタC1の値が「7」であるか否かを判別するとともに、当該判別で否定判別された場合には、当否乱数カウンタC1の値が「307」であるか否かを判別し、これらどちらかの判別で肯定判別された場合に、当該ステップS5101で肯定判別され、どちらの判別においても否定判別された場合に、当該ステップS5101で否定判別されることとなる。
ステップS5101で肯定判別された場合には、ステップS5102において第1当否フラグをオンにした後、本処理を終了する。ステップS5101で否定判別された場合には、ステップS5103において、新たに特別変動保留エリアに記憶された当否乱数カウンタC1の値が第2当否判定テーブルに記憶された値である「8〜16、308〜316」のいずれかであるか否かを判別する。ちなみに、「8〜16、308〜316」は、確変モードでのみ大当たりとなる値である。尚、当該判別処理に際しても、実際には、上記のように当否乱数カウンタC1の値と大当たりに対応する各値とが一致するか否かを1つずつ判別する。
当該ステップS5103で否定判別された場合、すなわち、高確率状態でも「外れ」となる場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS5103で肯定判別された場合には、ステップS5104において第2当否フラグをオンにした後、本処理を終了する。尚、本実施形態では、当否乱数カウンタC1の値を記憶する当否乱数記憶エリアの他に、別途第1当否フラグ及び第2当否フラグを設けているわけではなく、当否乱数記憶エリアに大当たり状態が発生するか否かの情報を記憶する(上書きする)構成となっている。つまり、説明の便宜上、当否乱数記憶エリアに対して大当たり状態が発生する情報が記憶されることを、第1当否フラグ及び第2当否フラグをオン設定することと称している。
尚、当否乱数カウンタC1の値を記憶する当否乱数記憶エリアの他に、別途当否フラグを設ける等して、この時点では当否乱数カウンタC1の値を記憶したままにしておき、後述の変動表示の開始に際して行われる変動表示設定処理において、当否乱数カウンタC1の値に基づいて、対応するテーブルを参照し、当否を判定するように構成してもよい。
次に、ステップS506の種別判定処理について、図15を参照して説明する。先ず、ステップS5201では、直前に行われた当否判定処理にて、第1又は第2当否フラグがオン設定されたか否かを判別する。ステップS5201で否定判別された(大当たり状態の発生する可能性がない)場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS5201で肯定判別された(大当たり状態の発生する可能性がある)場合には、ステップS5202において、種別判定テーブルを参酌し、新たに特別変動保留エリアに記憶された種別決定カウンタC2の値が、「15RS」に対応する値「0〜9」と一致するか否かを判別する。ステップS5202で肯定判別された場合には、ステップS5203において15RSフラグをオンにしてから、本処理を終了する。
一方、ステップS5202で否定判別された場合には、ステップS5204において、種別判定テーブルを参酌し、新たに特別変動保留エリアに記憶された種別決定カウンタC2の値が「2RS」に対応する値「10,11」のどちらかと一致するか否かを判別する。ステップS5204で肯定判別された場合には、ステップS5205において、2RSフラグをオンにしてから、本処理を終了する。
また、ステップS5204で否定判別された場合には、ステップS5206において、15RNフラグをオンにしてから、本処理を終了する。
次に、ステップS507の第2リーチ判定処理について、図17を参照して説明する。
先ず、ステップS5401では、直前に行われた当否判定処理にて、第1当否フラグが設定されたか否かを判別する。ステップS5401で肯定判別された場合、すなわち、低確率状態及び高確率状態のどちらにおいても大当たりとなる(必ず大当たり状態が発生する)場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS5401で否定判別された場合、すなわち、少なくとも低確率状態においては大当たり状態が発生しない(外れとなる可能性がある)場合には、ステップS5402において、リーチ判定テーブルを参酌し、新たに特別変動保留エリアに記憶された変動選択カウンタC3の値が、「前後外れリーチ」に対応する値「0、1」のどちらかと一致するか否かを判別する。ステップS5402で肯定判別された場合には、ステップS5403において、前後外れリーチの発生を示す前後フラグをオンにした後、本処理を終了する。
尚、本実施形態では、変動選択カウンタC3の値を記憶するリーチ乱数記憶エリアの他に、別途前後フラグを設けているわけではなく、リーチ乱数記憶エリアに「前後はずれリーチ」である旨の情報を記憶する(上書きする)構成となっている。本実施形態では、便宜上、リーチ乱数記憶エリアに対して当該設定がなされることを、前後フラグをオンにすることと称して説明する。
一方、ステップS5402で否定判別された場合には、ステップS5404において、リーチ判定テーブルを参酌し、新たに特別変動保留エリアに記憶された変動選択カウンタC3の値が、「前後外れ以外リーチ」に対応する値「2〜11」のいずれかと一致するか否かを判別する。当該ステップS5404で肯定判別された場合には、ステップS5405において前後以外フラグをオンにした後、本処理を終了する。
また、ステップS5404で否定判別された場合、すなわち、リーチ状態を経ることなく変動表示が終了する「完全外れ」となる場合には、そのまま本処理を終了する。
図13の説明に戻り、ステップS507に続くステップS508では、先発コマンドの設定処理を行う。尚、先発コマンドには、保留記憶された変動情報(変動表示の内容を決定するために使用される所定情報)が第1始動入賞装置33a又は第2始動入賞装置33bのどちらの入球を契機とするものかを示す情報とともに、当否判定処理、種別判定処理、及びリーチ判定処理の結果を示す情報が含まれ、次回の外部出力処理(ステップS201参照)にてサブ制御装置262に出力される。
ステップS508の処理の後、又は、ステップS501、或いはステップS502で否定判別された場合には、ステップS509において、遊技球が第1始動入賞装置33に入賞したか否かを第1始動入賞スイッチ224aの検知情報により判別する。当該ステップS509で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、肯定判別された場合には、ステップS510において、第1始動入賞装置33aへの入賞を契機とする変動表示の保留数をカウントする第1保留カウンタNaの値が上限値(本実施形態では「4」)未満であるか否かを判別する。当該ステップS510で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS510で肯定判別された場合には、ステップS511に進み、第1保留カウンタNa、及び、保留総数カウンタNxを1インクメントする。
続くステップS512では、当否乱数カウンタC1、種別決定カウンタC2、変動選択カウンタC3の各値を、特別変動保留エリアの空いている保留エリア(当否乱数記憶エリア、当選種別乱数記憶エリア、リーチ乱数記憶エリア)に格納する。ステップS512の後、ステップS513に移行する。
ステップS513では、新たに特別変動保留エリアに記憶された当否乱数カウンタC1の値が大当たりに対応する値であるか否かを判別する当否判定処理を行う。当否判定処理の詳細については既に上述している。つまり、本実施形態では、第1始動入賞装置33aへの入球に基づく当否判定処理と、第2始動入賞装置33bへの入球に基づく当否判定処理とが共通であり、ひいては、同一の遊技モードであれば、当否抽選における大当たり当選確率が同じとなっている。
続くステップS514では、ステップS513で当否乱数カウンタC1の値が大当たりに対応する値であると判定された場合に、新たに特別変動保留エリアに記憶された種別決定カウンタC2の値に基づいて、大当たり種別を判別する種別判定処理を行う。種別判定処理の詳細については既に上述している。つまり、本実施形態では、第1始動入賞装置33aへの入球に基づく種別判定処理と、第2始動入賞装置33bへの入球に基づく種別判定処理とが共通であり、ひいては、第1始動入賞装置33aへの入球に基づく当否抽選にて大当たりに当選した場合と、第2始動入賞装置33bへの入球に基づく当否抽選にて大当たりに当選した場合とで、付与される大当たり種別の振分けが同じとなっている。
図13の説明に戻り、ステップS514に続くステップS515では、ステップS513で当否乱数カウンタC1の値が大当たりに対応する値ではないと判定された場合に、新たに特別変動保留エリアに記憶された変動選択カウンタC3の値に基づいて、リーチの種別を判別する第1リーチ判定処理を行う。
ここで、ステップS515の第1リーチ判定処理について、図16を参照して説明する。
先ず、ステップS5301では、直前に行われた当否判定処理にて、第1当否フラグが設定されたか否かを判別する。ステップS5301で肯定判別された場合、すなわち、低確率状態及び高確率状態のどちらにおいても大当たりとなる(必ず大当たり状態が発生する)場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS5301で否定判別された場合、すなわち、少なくとも低確率状態においては大当たり状態が発生しない(外れとなる可能性がある)場合には、ステップS5302において、リーチ判定テーブルを参酌し、新たに特別変動保留エリアに記憶された変動選択カウンタC3の値が、「前後外れリーチ」に対応する値「0、1」のどちらかと一致するか否かを判別する。ステップS5302で肯定判別された場合には、ステップS5303において、前後外れリーチの発生を示す前後フラグをオンにした後、本処理を終了する。
一方、ステップS5302で否定判別された場合には、ステップS5304において、リーチ判定テーブルを参酌し、新たに特別変動保留エリアに記憶された変動選択カウンタC3の値が、「前後外れ以外リーチ」に対応する値「2〜21」のいずれかと一致するか否かを判別する。当該ステップS5304で肯定判別された場合には、ステップS5305において前後以外フラグをオンにした後、本処理を終了する。
また、ステップS5304で否定判別された場合、すなわち、リーチ状態を経ることなく変動表示が終了する「完全外れ」となる場合には、そのまま本処理を終了する。
図13の説明に戻り、ステップS515の後、ステップS516において、先発コマンドの設定処理を行い、本処理を終了する。尚、本実施形態では、第1始動入賞装置33a又は第2始動入賞装置33bに遊技球が入球すると、当否乱数カウンタC1の値等が直接特別変動保留エリアに記憶され、その後、当否判定処理、種別判定処理、及びリーチ判定処理が実行される構成となっているが、特にこのような構成に限定されるものではない。例えば、当否乱数カウンタC1の値等を取得した際にこれらのカウンタ値を一時的に記憶する仮記憶エリア(作業エリア)を設け、当該仮記憶エリアに記憶された情報に関し、当否判定処理、種別判定処理、及びリーチ判定処理を実行した後、対応する特別変動保留エリアの保留エリアに記憶する構成を採用してもよい。
尚、ステップS504、ステップS512の当否乱数カウンタC1の値を抽出する処理が判別値抽出処理を構成し、同じくステップS504、ステップS512の抽出した当否乱数カウンタC1の値を特別変動保留エリアに記憶する処理が判別値格納処理を構成する。また、ステップS505、ステップS513(ステップS5101、ステップS5103)の当否乱数カウンタC1の値が当選に対応する値であるか否かを判別する処理が第1当否判別処理を構成し、その判別結果を記憶する(対応フラグをセットする)ステップS5102、ステップS5104の処理が結果記憶処理を構成する。
次に、ステップS305のスルーゲート通過処理について図18のフローチャートを参照して説明する。ステップS601では、遊技球がスルーゲート34を通過したか否かをスルーゲートスイッチ225の検出情報により判別する。ステップS601で否定判別された場合、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS601にて肯定判別された場合、すなわち、遊技球がスルーゲート34を通過したと判別されると、ステップS602において、普通図柄表示装置41にて行われる変動表示の保留数をカウントする普通保留カウンタNcの値が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判別する。ここで否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS602で肯定判別された場合、すなわち、スルーゲート34への遊技球の通過が確認され、且つ、普通保留カウンタNcの値<4であることを条件にステップS603に進み、普通保留カウンタNcを1インクリメントする。
また、続くステップS604では、当否に関わる乱数を取得する。具体的には、上記ステップS303の乱数更新処理で更新した普通図柄乱数カウンタC4の値を、RAM503の普通変動保留エリアの空き記憶エリアのうち最初のエリアに格納する。その後、スルーゲート通過処理を終了する。
図12は、NMI割込み処理を示すフローチャートであり、本処理は、主制御装置261のCPU501により停電の発生等によるパチンコ機10の電源断時に実行される。このNMI割込みにより、電源断時の主制御装置261の状態がRAM503のバックアップエリア503aに記憶される。
すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SK1が停電監視回路542から主制御装置261内のCPU501のNMI端子に出力される。すると、CPU501は実行中の制御を中断してNMI割込み処理を開始し、ステップS401において、電源断の発生情報の設定として電源断の発生情報をRAM503のバックアップエリア503aに記憶してNMI割込み処理を終了する。
なお、上記のNMI割込み処理は払出制御装置311でも同様に実行され、かかるNMI割込みにより、電源断の発生情報がRAM513のバックアップエリア513aに記憶される。すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SK1が停電監視回路542から払出制御装置311内のCPU511のNMI端子に出力され、CPU511は実行中の制御を中断して図12のNMI割込み処理を開始する。その内容は上記説明の通りである。
次に、主制御装置261内のCPU501により実行されるメイン処理の流れを図9のフローチャートを参照しながら説明する。このメイン処理は電源投入時のリセットに伴い起動される。
先ず、ステップS101では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、サブ側の制御装置(サブ制御装置262,払出制御装置311等)が動作可能な状態になるのを待つために例えば1秒程度、ウェイト処理を実行する。続くステップS102では、RAMアクセスを許可する。
その後、CPU501内のRAM503に関してデータバックアップの処理を実行する。つまり、ステップS103では、電源装置313に設けたRAM消去スイッチ323が押下(ON)されているか否かを判別し、押下されていれば、バックアップデータをクリア(消去)するべく、ステップS112へ移行する。一方、RAM消去スイッチ323が押下されていなければ、続くステップS104で、RAM503のバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。ここで、設定されていなければ、バックアップデータは記憶されていないので、この場合もステップS112へ移行する。バックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されていれば、ステップS105でRAM判定値を算出し、続くステップS106では、そのRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわちバックアップの有効性を判別する。ここで算出したRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、この場合もステップS112へ移行する。
ステップS112の処理では、サブ制御装置262及び払出制御装置311等を初期化するために、初期化コマンドを送信する。その後、RAMの初期化処理(ステップS113等)に移行する。なお、RAM判定値は、例えばRAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM503の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断することも可能である。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時に初期状態に戻したい場合にはRAM消去スイッチ323を押しながら電源が投入される。従って、RAM消去スイッチ323がONされていれば、RAMの初期化処理(ステップS113等)に移行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様にRAM503の初期化処理(ステップS113等)に移行する。つまり、ステップS113ではRAM503の使用領域を0にクリアし、続くステップS114ではRAM503の初期値を設定する。その後、ステップS111で割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。
一方、RAM消去スイッチ323が押されていない場合(ステップS103:NO)には、電源断の発生情報が設定されていること、及びRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、復電時の処理(電源断復旧時の処理)を実行する。つまり、ステップS107では、電源断前のスタックポインタを復帰させ、ステップS108では、電源断の発生情報をクリアする。
ステップS109では、サブ側の制御装置を電源断時の遊技状態に復帰させるコマンドを送信する。ステップS110では、使用レジスタをRAM503のバックアップエリア503aから復帰させる。その後、ステップS111で割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。
次に、通常処理の流れを図10のフローチャートを参照しながら説明する。この通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS201〜S210の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS211,ステップS212のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
先ずステップS201では、前回の通常処理で更新された特別表示装置43L、43Rや始動入賞装置33等の設定内容に基づいた制御信号を各装置に送信したり、コマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信したりする外部出力処理を実行する。
例えば、装飾図柄表示装置42による装飾図柄の変動表示に際して、変動パターンコマンド、図柄コマンド等をサブ制御装置262に送信する。つまり、変動パターンコマンドや図柄コマンドは、第1及び第2特別表示装置43L、43Rにて行われる表示に合わせた表示演出を装飾図柄表示装置42にて行わせるためにサブ制御装置262に出力されるコマンドである。これに対し、変動パターンコマンド、図柄コマンド等を入力したサブ制御装置262は、かかる各種コマンドに基づいて、装飾図柄表示装置42の変動態様(変動時間や演出態様など)を決定し、該変動態様を装飾図柄表示装置42において表示(変動表示)するように表示制御装置45に対し指示を出す。
変動パターンコマンドには、ノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチといった装飾図柄の変動種別を特定する情報が含まれている。一方、サブ制御装置262には、これらの変動パターンコマンドと装飾図柄の変動種別との関係がテーブルで記憶されている。そして、サブ制御装置262は、変動パターンコマンドに基づいて、変動表示の演出パターン等を決定し、表示制御装置45や音声等の制御を行う。
ここで、装飾図柄の変動種別について説明する。
「ノーマルリーチ」は、装飾図柄の変動以外には特段の演出表示がされないリーチパターンである。尚、確変モード時及び時間短縮モード時においては、各種リーチとなる場合においても、通常モード時に比べ、変動表示時間が短縮されている。例えば、ノーマルリーチが導出される変動表示時間は、通常モード時には「15秒」、確変モード時及び時間短縮モード時には「10秒」となっている。
「スーパーリーチ」は、装飾図柄の変動表示中(リーチ状態成立後)において、装飾図柄以外にも、装飾図柄表示装置42にキャラクタ等が表示され、これにより遊技者に対し期待感を抱かせるリーチパターンである。本実施形態では、スーパーリーチとして、スーパーリーチSR1、SR2、SR3の3種類が用意されており、スーパーリーチの種別毎に変動表示時間が異なっている。
「プレミアムリーチ」は、大当たり状態が発生する際にのみ導出され得る演出態様であり、装飾図柄の変動表示中(リーチ状態成立後)において、装飾図柄以外に、スーパーリーチとは異なるパターンのキャラクタ等が表示される態様で行われ、これにより遊技者に対し期待感を抱かせるリーチパターンである。本実施形態のプレミアムリーチには、プレミアムリーチPR1、PR2の2種類が用意されており、プレミアムリーチの種別毎に変動表示時間が異なっている。
さらに、本実施形態では、「2RS」に当選した場合に、装飾図柄がチャンス図柄の組合わせで停止表示されることとなるが、当該チャンス図柄が停止表示される場合には、特有の変動表示(チャンス変動)が行われるようになっている。チャンス変動の一例としては、リーチ状態が発生した後、前後外れリーチや前後以外外れリーチであれば中図柄表示領域において装飾図柄が停止表示されるタイミングを過ぎてもなお変動が継続されるような演出を伴い、最終的に、上・中・下図柄表示領域において「3」・「4」・「1」が停止表示される変動表示が行われる。
加えて、いずれのリーチ状態にもならない「完全外れ」となる変動表示時間は通常モード時「10秒」、確変モード及び時間短縮モード時「6秒」に設定されている。
また、サブ制御装置262は、図柄コマンドに基づき停止図柄(停止図柄の組合わせ)を決定して、変動時間経過後に表示する。図柄コマンドは、サブ制御装置262に停止図柄を決定させるコマンドであり、確変大当たり図柄の組合わせ、通常大当たり図柄の組合わせ、チャンス図柄の組合わせ、前後外れ図柄の組合わせ、前後外れ以外図柄の組合わせ、完全外れ図柄の組合わせという6つの区分を指定するものである。一方、サブ制御装置262には、これらのコマンドと停止図柄との関係がテーブルで記憶されている。そして、サブ制御装置262は、図柄コマンドに対応する図柄の組合わせを停止表示する。
遊技球の増加が望める確変大当たり(「15RS」のこと。以下、「出玉有り確変大当たり」とも称する)に当選した場合、或いは、遊技球の増加が望める通常大当たり(「15RN」のこと。以下、「出玉有り通常大当たり」とも称する)に当選した場合には、装飾図柄表示装置42において、数字柄の付された装飾図柄がゾロ目となる組合わせで停止表示されることとなる。本実施形態では、「出玉有り確変大当たり」の場合には、1,3,5,7,9のいずれかの奇数のゾロ目からなる装飾図柄の組合わせである確変大当たり図柄、又は、2,4,6,8のいずれかの偶数のゾロ目からなる装飾図柄の組合わせである通常大当たり図柄のどちらかの組合せで変動表示が停止表示され、「出玉有り通常大当たり」の場合には、通常大当たり図柄の組合わせで変動表示が停止表示されることとなる。
そして、サブ制御装置262は、出玉有り確変大当たりの図柄コマンドを受信した場合、1〜9のいずれかのゾロ目からなる図柄の組合わせのうちの一つを停止図柄として決定し、出玉有り通常大当たりの図柄コマンドを受信した場合、2,4,6,8のいずれかのゾロ目からなる図柄の組合わせのうちの一つを停止図柄として決定する。
また、遊技球の増加が望めない確変大当たり(「2RS」のこと。以下、「出玉無し確変大当たり」とも称する)に当選した場合には、装飾図柄表示装置42において、上から「3」・「4」・「1」のチャンス図柄の組合わせが停止表示されることとなる。本実施形態のチャンス図柄の組合わせは1種類となっている。
前後外れ図柄の組合わせは、リーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」に対応するものである。前後外れ以外図柄の組合わせは、リーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」に対応するものである。完全外れ図柄の組合わせは、リーチすら発生しない「完全外れ」に対応するものである。本実施形態では、装飾図柄表示装置42にて前後外れ図柄の組合わせ、前後外れ以外図柄の組合わせ、完全外れ図柄の組合わせが停止表示された場合、「外れ」となる。
なお、詳しくは後述するが、サブ制御装置262は、これら外れの図柄コマンドを受信した場合、対応するRAM553のカウンタ用バッファに格納されている図柄の組合わせを停止図柄として決定する。尚、本実施形態では、外れ用の図柄コマンドに3つのコマンドを用意しているが、これに限らず、例えば外れ用の図柄コマンドが1種類だけであって、サブ制御装置262で装飾図柄の組合わせを決定する構成としてもよい。
図10の説明に戻り、ステップS202では、変動種別カウンタCS1、CS2の更新を実行する。より具体的には、他のカウンタと同様に、変動種別カウンタCS1、CS2を1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が上限値(本実施形態では59、37)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1、CS2の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS203では、払出制御装置311より受信した賞球計数信号を読み込む。次に、ステップS204では、払出制御装置311より受信した払出異常信号を読み込む。
その後、ステップS205では、特別表示制御処理を実行する。この処理では、第1及び第2特別表示装置43L、43Rに関する制御が行われると共に、大当たりの判定や特別表示装置43L、43R及び装飾図柄表示装置42における変動表示の設定などが行われる。この特別表示制御処理の詳細は後述する。
ステップS206では、可変入賞装置制御処理を実行する。この処理では、可変入賞装置32に関する制御が行われる。また、当該可変入賞装置制御処理の詳細は後述する。
ステップS207では、普通表示制御処理を実行する。この処理では、普通図柄表示装置41に関する制御が行われる。この普通表示制御処理の詳細は後述する。
ステップS208では、始動入賞装置制御処理を実行する。この処理では、第2始動入賞装置33b(羽根部材37)に関する制御が行われる。この始動入賞装置制御処理の詳細は後述する。
その後は、ステップS209において、RAM503のバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。ここでバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されていなければ、ステップS210で、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本例では4msec)が経過したか否かを判別する。そして、既に所定時間が経過していれば、ステップS201へ移行し、上記ステップS201以降の処理を繰り返し実行する。
一方、前回の通常処理の開始から未だに所定時間が経過していなければ、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCS1、CS2の更新を繰り返し実行する(ステップS211、ステップS212)。
つまり、ステップS211では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値(本例では695)に達した際0にクリアする。
また、ステップS212では、変動種別カウンタCS1、CS2の更新を実行する(前記ステップS202と同様)。具体的には、変動種別カウンタCS1、CS2を1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値(本例では59、37)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1、CS2の変更値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
ここで、ステップS201〜S209の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定ではなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち当否乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1、CS2についてもランダムに更新することができる。
また、RAM503のバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されていれば(ステップS209:YES)、電源が遮断されたことになるので、電源断時の停電処理としてステップS213以降の処理が行われる。停電処理は、まずステップS213において各割込み処理の発生を禁止し、ステップS214において、CPU501が使用している各レジスタの内容をスタックエリアに退避し、ステップS215において、スタックポインタの値をバックアップエリア503aに記憶する。
その後、ステップS216において、電源が遮断されたことを示す電源断通知コマンドを他の制御装置(払出制御装置311等)に対して送信する。そして、ステップS217でRAM判定値を算出し、バックアップエリア503aに保存する。RAM判定値は、例えば、RAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。その後、ステップS218でRAMアクセスを禁止して、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
なお、ステップS209の処理は、ステップS201〜S208で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるステップS211、S212の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置261の通常処理において、各処理の終了時に電源断の発生情報を確認しているので、各処理が途中の場合と比較してRAM503のバックアップエリア503aに記憶するデータ量が少なくなり、容易に記憶することができる。また、電源遮断前の状態に復帰する場合には、バックアップエリア503aに記憶されているデータ量が少ないので、容易に復帰させることができ、主制御装置261の処理の負担を軽減することができる。さらに、データの記憶前に割込み処理の発生を禁止(ステップS213)するので、電源が遮断されたときのデータが変更されることを防止でき、電源遮断前の状態を確実に記憶することができる。
次に、前記ステップS205の特別表示制御処理について図19のフローチャートを参照して説明する。先ず、ステップS801では、後述する当たり状況記憶エリアを参照し、現在、大当たり状態以外の状態であるか否かを判別する。尚、「大当たり状態中」には、特定表示装置43L、43Rにおいて大当たりに対応する表示態様が停止表示されてから可変入賞装置32が開放されるまでの間のオープニング期間と、可変入賞装置32が開状態とされるラウンド期間と、可変入賞装置32が閉状態とされるインターバル期間と、最終ラウンドの後、特別表示装置43L、43Rの変動表示が開始可能となるまでのエンディング期間とが含まれる。
本実施形態の当たり状況記憶エリアは、大当たり状態以外の状態のときには「0」が記憶され、大当たり状態においては、オープニング期間及びインターバル期間のときに「1」、ラウンド期間のときに「2」、エンディング期間のときに「3」が記憶されるように構成されている。すなわち、当該ステップS801では、当たり状況記憶エリアに「0」が記憶されているか否かを判別して、大当たり状態中であるか否かを判別する。
ステップS801で否定判別された場合、すなわち大当たり状態である場合には、そのまま本処理を終了する、一方、ステップS801で肯定判別された場合には、ステップS802において、詳しくは後述する特図表示中フラグの設定状況を見て、第1又は第2特別表示装置43L、43R(装飾図柄表示装置42)にて変動表示中であるか否かを判別する。詳しくは、特図表示中フラグがオン状態の場合には変動表示中とみなされ、特図表示中フラグがオフ状態の場合には、変動表示が停止した状態にあたる停止表示中であるとみなされる。尚、詳しくは後述するが、特図表示中フラグは、第1及び第2特別表示装置43L、43Rの変動表示を開始する際にオンにされ、第1及び第2特別表示装置43L、43Rの変動表示が停止表示される際にオフにされる。
そして、ステップS802で否定判別された場合、すなわち、大当たり状態中でなくさらに変動表示中でもない場合には、ステップS803に進み、第1始動入賞装置33a及び第2始動入賞装置33bへの入球を契機とする変動表示の合計の保留数をカウントする保留総数カウンタNxの値が0よりも大きいか否かを判別する。ステップS803で否定判別された場合、すなわち、変動表示が1つも保留されていない場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS803で肯定判別された場合、すなわち、変動表示が1つでも保留記憶されている場合には、ステップS804において、保留総数カウンタNxから1を減算する。
続くステップS805では、特別変動保留エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、特別変動保留エリアの保留第1エリア〜保留第8エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。ステップS805の後、ステップS806において、実行エリアの第1変動フラグがオン設定されているか否かを判別する。
ステップS806で肯定判別された場合、すなわち、第1始動入賞装置33aへの入球に基づく第1変動表示に対応するデータである場合には、ステップS807において、第1保留カウンタNaから1を減算する。続くステップS808では、変動特定ランプ40を青色に発光させる処理を行う。その後、ステップS809において、詳しくは後述する変動表示設定処理を行ってから、本処理を終了する。
また、ステップS806で否定判別された場合、すなわち、第2始動入賞装置33bへの入球に基づく第2変動表示に対応するデータである場合には、ステップS810において、第2保留カウンタNbから1を減算する。続くステップS811では、変動特定ランプ40を赤色に発光させる処理を行う。その後、ステップS809において、詳しくは後述する変動表示設定処理を行ってから、本処理を終了する。
ここで、ステップS807の変動表示設定処理の詳細について、図20を参照して説明する。
先ず、ステップS901では、詳しくは後述するモード記憶エリアを参照し、高確率状態(確変モード)であるか否かを判別する。尚、モード記憶エリアには、遊技モードを判別するための判別情報が記憶されている。本実施形態では、モード記憶エリアには、「11」、「12」、「21」のいずれかの値が記憶されており、「11」は通常モードに対応し、「12」は時間短縮モードに対応し、「21」は確変モードに対応している。つまり、当該ステップS901では、モード記憶エリアに「21」が記憶されているか否かを判別することで、高確率状態であるか否かを判別している。
ステップS901で肯定判別された場合、すなわち、高確率状態(確変モード)である場合には、ステップS902において、特別変動保留エリアの実行エリアの当否乱数記憶エリアを参酌して、第1又は第2当否フラグ(図14の当否判定処理参照)のどちらかがオン設定されているか否かを判別する。当該ステップS902で肯定判別された場合、すなわち、高確率状態において当否抽選にて大当たりに当選したと判別された場合には、ステップS904に移行する。
また、ステップS901で否定判別された場合、すなわち低確率状態(通常モード、時間短縮モード)である場合には、ステップS903において、当否乱数記憶エリアを参酌し、第1当否フラグがオンであるか否かを判別する。当該ステップS903で肯定判別された場合、すなわち、低確率状態において当否抽選にて大当たりに当選したと判別された場合には、ステップS904に移行する。
ステップS904では、大当たり状態の発生を確定させたことを示す大当たり確定フラグをオン設定する。尚、本実施形態では、当否乱数記憶エリアに対して、大当たり状態の発生を確定させたことに対応する値を記憶させることを、大当たり確定フラグをオン設定することと称している。
続くステップS905では、特別変動保留エリアの実行エリアの当選種別乱数記憶エリアを参酌して、15RSフラグ(図15の種別判定処理参照)がオン設定されている否かを判別する。
ステップS905で肯定判別された場合、すなわち「15RS」である場合には、ステップS906にて15RSパターン設定処理(変動パターンコマンド及び図柄コマンドを設定する処理)を行う。15RSパターン設定処理は、「15RS」の発生を教示するための変動表示を実行させるための処理であり、RAM503のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1、CS2の値に基づいて、特別表示装置43L、43Rや装飾図柄表示装置42の変動パターン(変動表示時間、演出パターン等)を決定し、当該決定や各種フラグ等に基づいて、変動パターンコマンド及び図柄コマンドの設定等を行う。なお、第1変動種別カウンタCS1の数値とリーチパターンとの関係、第2変動種別カウンタCS2の数値と変動時間との関係は、テーブル等により予め規定されている。ステップS906の後、後述するステップS915に移行する。
また、ステップS905で否定判別された場合には、ステップS907において、2RSフラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS907で肯定判別された場合には、ステップS908において2RSパターン設定処理を行う。ステップS908の後、ステップS915に移行する。
また、ステップS907で否定判別された場合には、ステップS909において15RNパターン設定処理を行う。ステップS909の後、ステップS915に移行する。
また、ステップS902又はステップS903で否定判別された場合、すなわち、大当たりに当選しなかった場合には、ステップS910において、特別変動保留エリアの実行エリアのリーチ乱数記憶エリアを参酌し、前後フラグ(図16、図17のリーチ判定処理参照)がオンであるか否かを判別する。ステップS910で肯定判別された場合、すなわち、「前後外れリーチ」である場合には、ステップS911にて前後リーチパターン設定処理を行った後、ステップS915へ移行する。
また、ステップS910で否定判別された場合には、ステップS912において、特別変動保留エリアの実行エリアのリーチ乱数記憶エリアを参酌し、前後以外フラグがオンであるか否かを判別する。ステップS912で肯定判別された場合、すなわち、「前後外れ以外リーチ」である場合には、ステップS913にて前後以外リーチパターン設定処理を行った後、ステップS915へ移行する。
また、ステップS912で否定判別された場合には、すなわち「完全外れ」である場合には、ステップS914において外れ変動パターン設定処理を行った後、ステップS915に移行する。
ステップS915では、特別表示装置43L、43Rにて変動表示中であるか否かを示す特図表示中フラグをオン設定する。これにより、特別表示装置43L、43Rにおいて切替表示(変動表示)を行う条件が成立したことが示される。続くステップS916では、特別表示装置43L、43Rにおける変動時間(変動表示の残余時間)を計測する特図表示タイマの設定処理を行う。当該特図表示タイマは、変動表示開始から所定時間が経過したか否かを判別する際に参酌される。
尚、本実施形態における特別表示装置43L、43Rの変動表示時間は、上記変動種別カウンタCS1、CS2により選出される変動パターンに対応した値が設定される。このような特図表示タイマの設定に基づき、次回の通常処理の外部出力処理において、特別表示装置43L、43Rに対し切替表示(変動表示)を開始する旨の制御信号が出力された場合には、特別表示装置43L、43Rにおいて切替表示(変動表示)が開始される。また、変動パターンコマンド及び図柄コマンドを受信したサブ制御装置262は、特別表示装置43L、43Rの変動開始と同時に、変動パターンコマンドに基づいて装飾図柄表示装置42において変動表示を開始させ、特別表示装置43L、43Rの停止表示と同時に、図柄コマンドに基づいた図柄の組み合わせにて装飾図柄表示装置42における変動表示を停止表示させる。ステップS916の終了後、変動表示設定処理を終了する。
尚、本実施形態では、始動入賞処理において、ステップS504、S512の当否乱数カウンタC1の値を取得して特別変動保留エリアに記憶する処理と、ステップS505、513の当否判定処理と、変動表示設定処理において、当否フラグと、そのときの状況とに基づいて当否を判別するステップS901〜ステップS903の処理等とによって当否抽選が構成される。また、ステップS901〜S903の処理等によって第2当否判別処理が構成され、ステップS906、ステップS908、ステップS909、ステップS911、ステップS913、ステップS914の処理等によって変動表示設定処理が構成される。
図19の説明に戻り、ステップS802で肯定判別された場合、すなわち変動表示中である場合には、ステップS812に進み、特図表示タイマの減算処理を行う。この処理が1回行われる毎に特図表示タイマの値が4msec分ずつ減算されていく。例えば変動時間が10秒(10000msec)の場合には、特図表示タイマに対して「2500」が設定され、4msec毎に1減算される。
続いてステップS813に進み、上記減算後の特図表示タイマの値を参酌して所定の変動時間が経過したか否かを判別する。このとき、所定の変動時間が経過した時すなわち特図表示タイマの値が「0」となった時にステップS813が肯定判別される。
ステップS813で否定判別された場合には、ステップS817において、特別表示装置43L、43Rの切替表示(変動表示)を継続して行うための切替表示設定を行い、本処理を終了する。尚、切替表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、特別表示装置43L、43Rに対し切替表示を行う旨の制御信号が出力される。これによって、特別表示制御処理のタイミング、すなわち4ms毎に特別表示装置43L、43Rの切替表示(変動表示)が実現される。
一方、ステップS813で肯定判別された場合には、ステップS814において特図表示中フラグをオフし、ステップS815において特別表示装置43L、43Rにて停止表示を行うための停止表示設定を行う。この停止表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、特別表示装置43L、42Rに対し停止表示を行う旨の制御信号が出力される。すなわち、各大当たり種別や外れ等に対応する停止態様で停止表示させる。また、サブ制御装置262にも装飾図柄表示装置42の停止表示を行う旨の制御信号が出力される。これにより、特別表示装置43L、42R及び装飾図柄表示装置42の停止タイミングの同期が確実に図られる。但し、装飾図柄表示装置42の停止態様については変動表示の開始時に出力された図柄コマンドや変動パターンコマンドによって既にサブ制御装置262で決定されているため、再度装飾図柄表示装置42の停止態様に関する情報を付加する必要はない。また、繰り返しとなるが、このような特別表示装置43L、43Rによる停止表示が主となる表示であり、装飾図柄表示装置42による装飾図柄の表示はあくまでも補助的なもの(演出用)となっている。
続いて、ステップS816において、当たり状態の初期設定や時間短縮モードの期間を計るための判別情報設定処理を行った後、本処理を終了する。ここで、判別情報設定処理について、図21を参照して説明する。
先ず、ステップS1001において、特別変動保留エリアの実行エリアの当否乱数記憶エリアを参照し、大当たり確定フラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS1001で肯定判別された場合には、ステップS1002において、特別変動保留エリアの実行エリアの当選種別乱数記憶エリアを参酌し、2RSフラグがオン設定されているか否かを判別する。
ステップS1002で否定判別された場合、すなわち、「15RS」又は「15RN」の大当たりである場合には、ステップS1003において、大当たり状態中に実行されるラウンドの回数(可変入賞装置32の開放回数)を判別するためのラウンド数カウンタに「15」を設定する。
続くステップS1004では、当たり状況記憶エリアに対して「1」を設定する。さらに、ステップS1005では、当たり状態中の制御(可変入賞装置32の開閉制御)に用いられる特別可変タイマに対して、例えば8秒のオープニング期間に対応する値「2000」を設定する。続いて、ステップS1006では、可変入賞装置32に入球した遊技球の数をカウントするための入賞カウンタに対して、1ラウンドあたりの最大入球個数である8個を示す「8」を設定する。尚、入賞カウンタの値は、タイマ割込み処理のスイッチ読み込み処理(図11参照)に際して、可変入賞装置32への入球があったか否かをカウントスイッチ223の検知情報により判別し、可変入賞装置32への入球があったと判別されると1減算される。
それから、ステップS1007では、サブ制御装置262に対して当たり状態の開始を伝えるためのオープニングコマンドを設定する。当該オープニングコマンドには、当たり種別の情報等が含まれ、サブ制御装置262でも当たり状態の全ラウンド数等が把握できるようになっている。ステップS1007の後、本処理を終了する。
尚、大当たり状態において見た目の大当たり種別の昇格の演出等(例えば、装飾図柄表示装置42で偶数のゾロ目が停止表示された場合に、直後の大当たり状態中において「15RS」に当選したことを教示したり、装飾図柄表示装置42で奇数のゾロ目が停止表示された場合に、直後の大当たり状態中において「15RS」に当選したことを教示したりする)を行うこととしてもよい。
また、ステップS1002で肯定判別された場合には、ステップS1008において、ラウンド数カウンタに「2」を設定する。ステップS1008の後、ステップS1009では、当たり状況記憶エリアに対して「1」を設定する。続くステップS1010において、特別可変タイマに対して、例えば2秒のオープニング期間に対応する値「500」を設定し、ステップS1011において、入賞カウンタに対して「8」を設定し、ステップS1012において、オープニングコマンドを設定する。その後、本処理を終了する。
また、ステップS1001にて否定判別された場合には、ステップS1013において、モード記憶エリアに「12」が記憶されているか否か、すなわち、時間短縮モードであるか否かを判別する。ステップS1013で否定判別された場合にはそのまま本処理を終了する。
一方、ステップS1013で肯定判別された場合には、ステップS1014において、時間短縮モードの継続期間を計測するため変動回数カウンタの値を1減算する。詳しくは後述するが、本実施形態では、「15RN」の大当たり状態終了時において、変動回数カウンタに対し、時間短縮モードの期間に相当する変動表示の回数(例えば100回)が設定され、特別表示装置43L、43R(装飾図柄表示装置42)の変動表示が1回行われる毎に当該ステップS1014において1減算される。
続くステップS1015では、変動回数カウンタの値が「0」であるか否かを判別する。ステップS1015で否定判別された場合、すなわち、当たり状態の終了度に、時間短縮モードの期間として設定された規定回数分の特別表示装置43L、43R(装飾図柄表示装置42)の変動表示が未だ行われていない場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS1015で肯定判別された場合には、ステップS1016において、モード記憶エリアに対し、通常モードであることを示す「11」を設定する。すなわち、特別表示装置43L、43Rにおいて変動表示が規定回数行われた時点で時間短縮モードが終了し、通常モードへと移行するようになっている。当該ステップS1016の後、ステップS1017において、サブ制御装置262に対して時間短縮モードの終了を知らせる時短終了コマンドの設定を行ってから、本処理を終了する。
次に、上記ステップS206の可変入賞装置32を開閉させるための可変入賞装置制御処理について図22のフローチャートを参照して説明する。
まず、ステップS1201では、当たり状況記憶エリアに設定されている値が「0」であるか否かを判別することで、大当たり状態以外の状態であるか否かを判別する。ステップS1201で肯定判別された場合、すなわち、大当たり状態ではない場合には、そのまま本処理を終了する。ちなみに、大当たり状態の開始時にあっては、上記判別情報設定処理にて当たり状況記憶エリアに「1」が設定されている。
一方、ステップS1201で否定判別された場合、すなわち、大当たり状態中である場合(当たり状況記憶エリアに「1」〜「3」のいずれかが設定されている場合)には、ステップS1202に移行し、特別可変タイマの値を1減算する。ちなみに、大当たり状態の開始時にあっては、判別情報設定処理にて特別可変タイマに「2000」又は「500」が設定されている。
続くステップS1203では、特別可変タイマの値が「0」であるか否かを判別する。ステップS1203で肯定判別された場合には、ステップS1204において、当たり状況記憶エリアにおいて「1」が設定されているか否かを判別する。
ステップS1204で肯定判別された場合には、ステップS1205において、当たり状況記憶エリアに対して「2」を設定する。続くステップS1206では、出玉有り大当たりであるか否かを判別する。ここでは、出玉有り大当たりである「15RS」又は「15RN」であるか否か(「2RS」以外であるか否か)が判別される。
ステップS1206で肯定判別された場合には、ステップS1207において、特別可変タイマに対して、可変入賞装置32の開状態を維持する時間(30秒)に対応する値「7500」を設定する。一方、ステップS1206で否定判別された場合には、ステップS1208において、特別可変タイマに対して、可変入賞装置32の開状態を維持する時間(0.4秒)に対応する値「100」を設定する。
ステップS1207、又は、ステップS1208の後、ステップS1209では、可変入賞装置32を開状態とさせる処理を行い、ステップS1210では、サブ制御装置262に対してラウンドを開始する旨の情報を伝えるラウンドコマンドを設定する。その後、本処理を終了する。
また、ステップS1204で否定判別された場合には、ステップS1211において当たり状況記憶エリアにおいて「3」が設定されているか否かを判別する。尚、詳しくは後述するが、大当たり状態における全ラウンドが終了し、エンディング期間が開始される際に、当たり状況記憶エリアに対して「3」が設定されることとなる。ステップS1211で否定判別された場合、すなわち、未だ大当たり状態を終了させる時期ではない場合には、ステップS1212においてラウンド数カウンタの値を1減算する。
続くステップS1213では、ラウンド数カウンタの値が「0」であるか否かを判別する。ステップS1213で否定判別された場合、すなわち、未だ実行するべきラウンドが残されている場合には、ステップS1214に移行し、当たり状況記憶エリアに対して「1」を設定する。その後、ステップS1215において、出玉有り大当たりであるか否かを判別する。
ステップS1215で肯定判別された場合には、ステップS1216において、特別可変タイマに対してインターバルの時間(4秒)に対応する値「1000」を設定する。一方、ステップS1215で否定判別された場合には、ステップS1217において、特別可変タイマに対してインターバルの時間(1秒)に対応する値「250」を設定する。
ステップS1216、又は、ステップS1217の後、ステップS1218において、入賞カウンタに対して「8」を設定する。さらに、ステップS1219において、可変入賞装置32を閉状態とさせる処理を行い、ステップS1220において、サブ制御装置262に対してインターバルを開始する旨の情報を伝えるインターバルコマンドを設定する。その後、本処理を終了する。
また、ステップS1203で否定判別された場合、すなわち、可変入賞装置32の開状態又は閉状態を維持するべき時間(開放時間又は閉鎖時間)が残っている場合には、ステップS1221に移行し、可変入賞装置32への入球個数を計測する入賞カウンタの値が「0」であるか否かを判別する。尚、入賞カウンタには、大当たり状態の開始時及びインターバルの開始時において、1回のラウンドあたりの入賞数の上限(規定個数)である「8」が設定される。そして、可変入賞装置32に遊技球が1つ入球する毎に1減算される。
ステップS1221で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS1221で肯定判別された場合、すなわち、ラウンドの設定期間の経過を待たずにラウンドの終了契機が訪れた場合には、上記ステップS1212に移行する。これにより、1回のラウンド中に可変入賞装置32に対して遊技球が8個入球した場合には、開放期間30秒が経過していなくてもその時点で速やかにラウンドが終了することとなる。
また、ステップS1213で肯定判別された場合、すなわち、大当たり状態における全ラウンドが消化された場合には、ステップS1222に移行し、当たり状況記憶エリアに対して「3」を設定する。ステップS1222の後、ステップS1223において、出玉有り大当たりであるか否かを判別する。ステップS1223で肯定判別された場合には、ステップS1224において、特別可変タイマに対してエンディングの時間(10秒)に対応する値「2500」を設定する。一方、ステップS1223で否定判別された場合には、ステップS1225において、特別可変タイマに対してエンディングの時間(1秒)に対応する値「250」を設定する。
ステップS1224、又は、ステップS1225の後、ステップS1226において、入賞カウンタに対して「7」を設定する。尚、ステップS1221で肯定判別された後の流れでステップS1222以降のエンディングを設定する処理が行われる場合、入賞カウンタの値は「0」になっている。そして、エンディング期間の開始時に入賞カウンタの値をそのまま「0」にしておくと、4msec後の可変入賞装置制御処理において、いきなりステップS1221で肯定判別されてしまい、エンディング期間を全うさせることができない。このため、ステップS1226で入賞カウンタに対して「0」以外の仮の数値(本例では「7」)を入れておくことで、エンディング期間を全うさせるようになっている。勿論、別の方法で、エンディング期間を全うさせるように構成してもよい。
ステップS1226の後、ステップS1227では、可変入賞装置32を閉状態とさせる処理を行い、続くステップS1228では、サブ制御装置262に対してエンディングを開始する旨の情報を伝えるエンディングコマンドを設定する。その後、本処理を終了する。
また、ステップS1211で肯定判別された場合、すなわち、エンディング期間が終了して大当たり状態を終了させる時期が到来した場合には、ステップS1229に移行し、終了設定処理を行う。終了設定処理では、モード記憶エリアの設定や変動回数カウンタの設定が行われる。
ここで、終了設定処理について、図23を参照して説明する。先ず、ステップS1401では、特別変動保留エリアの実行エリアの当選種別乱数記憶エリアを参照し、15RNフラグがオン設定されているか否かを判別する。
ステップS1401で肯定判別された場合には、ステップS1402において、モード記憶エリアに時間短縮モードに対応する値「12」を設定する。これにより、大当たり状態終了後に時間短縮モードが付与されることとなる。
続くステップS1403では、変動回数カウンタに対して「100」を設定する。尚、変動回数カウンタとは、モード記憶エリアに「12」が設定される際、すなわち、時間短縮モードが開始される際に時間短縮モードの期間として設定される規定回数分の変動表示が全うされたことを把握するためのものである。ステップS1403の後、ステップS1404において、サブ制御装置262に対して時間短縮モードの開始を知らせる時短開始コマンドを設定する。その後、本処理を終了する。
また、ステップS1401で否定判別された場合には、ステップS1405において、モード記憶エリアに「21」を設定する。これにより、大当たり状態終了後に確変モードが付与されることとなる。ステップS1405の後、ステップS1406において、特別変動保留エリアの実行エリアの当選種別乱数記憶エリアを参照し、15RSフラグがオン設定されているか否かを判別する。
ステップS1406で肯定判別された場合には、ステップS1407において、サブ制御装置262に対して確変モードの開始を知らせる確変開始コマンドを設定する。その後、本処理を終了する。一方、ステップS1406で否定判別された場合には、ステップS1408において、サブ制御装置262に対して確変モードの一種である特殊確変モードの開始を知らせる特殊開始コマンドを設定する。その後、本処理を終了する。
尚、特殊確変モードとは、当否抽選の当選確率、大当たり種別の振分け割合、リーチの発生率、入球サポート抽選の当選確率等の各数値は、確変モードと同一であって、サブ制御装置262側で選択決定される演出内容(選択される演出パターンの割合など)が一部変化するのみであり、主制御装置261側では、特殊確変モードという区別はない(単に確変モードとして扱われる)。また、上記ステップS1405以降の処理に関し、特別変動保留エリアの実行エリアの当選種別乱数記憶エリアを参照し、15RSフラグがオン設定されているか否か、及び、特別変動保留エリアの実行エリアの当選種別乱数記憶エリアを参照し、2RSフラグがオン設定されているか否かの判別を行い、否定判別された場合に所定のエラー処理が実行されるように構成してもよい。
図22の説明に戻り、ステップS1229の終了設定処理の後、ステップS1230において、当たり状況記憶エリアに対して大当たり状態ではないことを示す「0」を設定する。その後、ステップS1231において、サブ制御装置262に対して大当たり状態を終了する旨の情報を伝える当たり終了コマンドを設定してから、本処理を終了する。尚、当たり終了コマンドには、上記終了設定処理で設定された変動回数カウンタの回数情報等が含まれている。
次に、前記ステップS207の普通表示制御処理について図24のフローチャートを参照して説明する。
先ず、ステップS2101では、普通図柄表示装置41にて変動表示中であるか否かを示す普図表示中フラグがオンであるか否かを判別する。尚、普図表示中フラグがオンである場合には普通図柄表示装置41において変動表示中であるとみなされる。
ステップS2101で否定判別された場合には、ステップS2102に進み、普通保留カウンタNcの値が0よりも大きいか否かを判別する。このとき、普通保留カウンタNcの値が0である場合には、そのまま本処理を終了する。
また、ステップS2102で否定判別された場合、すなわち、普通図柄の変動表示が1つも保留されていない場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS2102で肯定判別された場合には、ステップS2103において、普通保留カウンタNcから1を減算する。
続くステップS2104では、普通変動保留エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、普通変動保留エリアの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
その後、ステップS2105では、普通図柄表示装置41における普通図柄の変動表示を設定し、開始させるための普図変動設定処理を実行する。
ここで、普図変動設定処理について、図25を参照して説明する。先ず、ステップS2301では、普通図柄表示装置41における普通図柄の変動表示中であることを示す普図表示中フラグをオン設定する。続くステップS2302では、当たり状況記憶エリアを参照し、「0」が記憶されているか否か、すなわち、今現在、大当たり状態以外の状態であるか否かを判別する。ステップS3202で肯定判別された場合、つまり、大当たり状態ではない場合には、ステップS2303において、モード記憶エリアに対し「12」、又は、「21」の値が記憶されているか否か、すなわち、高入球状態(時間短縮モード又は確変モード)であるか否かを判別する。
ステップS2303で肯定判別された場合には、ステップS2304において、普通図柄表示装置41にて行われる変動表示の変動時間(残余時間)を計測する普図表示タイマに対し、普通図柄の変動表示時間を1.86秒にするべく「465」を設定する。
その後、ステップS2305において、普通変動保留エリアの実行エリアの普通図柄乱数カウンタC4が「0」であるか否かを判別する。尚、高入球状態では、「0〜232」の範囲の値を取る普通図柄乱数カウンタC4の値が「1〜232」の場合に当選となる。
ステップS2305で肯定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS2305で否定判別された場合、すなわち、第2始動入賞装置33bを開状態とするか否かの入球サポート抽選に当選した場合には、ステップS2306において、入球サポート抽選に当選したことを示す入球サポートフラグをオン設定する。ステップS2306の後、ステップS2307において、サブ制御装置262に対して第2始動入賞装置33bを開状態とすることが決定された旨を知らせる開放予定情報としての開放確認コマンドを設定する。その後、本処理を終了する。
また、ステップS2302、又は、ステップS2303で否定判別された場合、つまり、大当たり状態、又は、低入球状態にある場合には、ステップS2308において、普図表示タイマに対し、普通図柄の変動表示時間を1.86秒にするために「465」を設定する。さらに、ステップS2309において、普通変動保留エリアの実行エリアの普通図柄乱数カウンタC4が「1〜15」であるか否かを判別する。尚、低入球状態では、「0〜232」の範囲の値を取る普通図柄乱数カウンタC4の値が「1〜15」の場合に当選となる。
ステップS2309で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS2309で肯定判別された場合、すなわち、入球サポート抽選に当選した場合には、上記ステップS2306において、入球サポート抽選に当選したことを示す入球サポートフラグをオン設定し、ステップS2307において開放確認コマンドを設定した後、本処理を終了する。尚、普通図柄の変動表示時間や、入球サポート抽選での当選確率等については、パチンコ機の機種毎に適宜設定可能であり、例えば、高入球状態時における入球サポート抽選の当選確率を、低入球状態における入球サポート抽選の当選確率よりも高くなるように構成してもよい。
図24の説明に戻り、ステップS2105の後、本処理を終了する。尚、普図変動設定処理における設定に基づき、次回の通常処理の外部出力処理において、普通図柄表示装置41に対し変動表示を開始する旨の制御信号が出力された場合には、普通図柄表示装置41において変動表示が開始される。上述したように普通図柄表示装置41は、普通図柄として「○」又は「×」を表示するように構成されており、表示されているのが「○」であれば「×」、「×」であれば「○」へ切換え(変動)表示する。
また、ステップS2101で肯定判別された場合、すなわち、普通図柄表示装置41にて変動表示中である場合には、ステップS2106に進み、普図表示タイマを減算する処理を行う。この処理が1回行われる毎に普図表示タイマのカウント値が1減算される。
続いてステップS2107に進み、普図表示タイマのカウント値が「0」であるか否か、すなわち、変動時間が経過したか否かを判別する。ステップS2107で肯定判別された場合には、ステップS2108において普図表示中フラグをオフし、ステップS2109において普通図柄表示装置41にて停止表示を行うための普図停止表示設定を行う。そして、この普図停止表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、普通図柄表示装置41に対し停止表示を行う旨の制御信号が出力される。すなわち、当選である場合(入球サポートフラグがオン設定されている場合)には「○」図柄(当選図柄)を停止表示(例えば数秒間だけ点灯)させ、外れである場合には「×」図柄を停止表示させる。
続いてステップS2110に進み、普図判別情報設定処理を行い、本処理を終了する。ここで、普図判別情報設定処理について、図26を参照して説明する。
先ず、ステップS2401では、入球サポートフラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS2401で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS2401で肯定判別された場合には、ステップS2402において、第2始動入賞装置33bが開状態中であるか否かを判別するための普通可変フラグをオン設定する。
続くステップS2403では、モード記憶エリアにおいて「12、21」のどちらかが記憶されているか否か、すなわち、高入球状態であるか否かを判別する。ステップS2403で肯定判別された場合には、ステップS2404において、第2始動入賞装置33bの開放時間(残余時間)を計測するための普通可変タイマに対し、第2始動入賞装置33bの開放時間を5.8秒にするべく「1450」を設定する。
さらに、ステップS2405では、第2始動入賞装置33bを開放させる回数(残り回数)を計数する開放回数カウンタに対し、第2始動入賞装置33bを3回開放させるべく「3」を設定する。ステップS2405の後、ステップS2408において、入球サポートフラグをオフし、ステップS2409において、サポート期間中フラグをオンにする。さらに、ステップS2410において、第2始動入賞装置33bを開状態とする設定を行う。
続くステップS2411では、サブ制御装置262に対して第2始動入賞装置33bを開状態とさせる期間である旨を知らせるサポート期間開始コマンドを設定する。さらに、ステップS2412において、サブ制御装置262に対して第2始動入賞装置33bを開状態とさせるタイミングが到来した旨を知らせる羽根開放コマンドを設定する。その後、本処理を終了する。
また、ステップS2403で否定判別された場合、すなわち、低入球状態にある場合には、ステップS2406において、普通可変タイマに対し、第2始動入賞装置33bの開放時間を5.7秒にするべく「1425」を設定する。続く、ステップS2407では、開放回数カウンタに対し、第2始動入賞装置33bを1回開放させるべく「1」を設定する。ステップS2407の後、ステップS2408において、入球サポートフラグをオフし、ステップS2409において、サポート期間中フラグをオンし、ステップS2410において、第2始動入賞装置33bを開状態とする設定を行い、ステップS2411においてサポート期間開始コマンドを設定し、ステップS2412において羽根開放コマンドを設定してから、本処理を終了する。
図24の説明に戻り、ステップS2107で否定判別された場合には、ステップS2111において、普通図柄表示装置41の切替表示(変動表示)を継続して行うための切替表示設定を行い、本処理を終了する。そして、この切替表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、普通図柄表示装置41に対し切替表示を行う旨の制御信号が出力される。具体的には、現在の点灯が「○」であれば「×」、「×」であれば「○」へ切換え表示する。これによって、普通表示制御処理のタイミング、すなわち4ms毎に普通図柄表示装置41の切換表示(変動表示)が実現される。
次に上記ステップS208の始動入賞装置制御処理について図27のフローチャートを参照して説明する。
先ず、ステップS2201では、サポート期間中フラグがオンであるか否かを判別する。ステップS2201で否定判別された場合にはそのまま本処理を終了する。一方、ステップS2201で肯定判別された場合には、ステップS2202において、普通可変タイマの値を1減算する。続くステップS2203では、普通可変フラグがオンであるか否かを判別する。ステップS2203で肯定判別された場合、すなわち、第2始動入賞装置33bが開状態である場合には、ステップS2204において、普通可変タイマの値が「0」であるか否かを判別する。ステップS2204で否定判別された場合、すなわち、予め規定された第2始動入賞装置33bの開放時間が未だ経過していない場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS2204で肯定判別された場合には、ステップS2205に移行し、サブ制御装置262に対して第2始動入賞装置33bを閉状態とさせるタイミングが到来した旨を知らせる羽根閉鎖コマンドを設定する。その後、ステップS2206において、普通可変フラグをオフする。続くステップS2207では、開放回数カウンタの値を1減算し、ステップS2208では、第2始動入賞装置33bを閉状態とする設定を行う。
その後、ステップS2209において、開放回数カウンタの値が「0」であるか否かを判別する。ステップS2209で肯定判別された場合には、ステップS2210においてサポート期間中フラグをオフする。さらに、ステップS2211において、サブ制御装置262に対して第2始動入賞装置33bを開状態とさせる期間が終了した旨を知らせるサポート期間終了コマンドを設定する。その後、本処理を終了する。
一方、ステップS2209で否定判別された場合、すなわち、当選した入球サポート抽選が確変モード又は時間短縮モードで行われたものであって、それに基づいて第2始動入賞装置33bが3回開放されるうちの残り回数がある場合には、ステップS2212で普通可変タイマに対してインターバル時間に相当する値(例えば「250」)を設定する。ステップS2212のあと、本処理を終了する。
また、ステップS2203で否定判別された場合、すなわち、第2始動入賞装置33bが3回開放される間のインターバル期間(第2始動入賞装置33bは閉状態)である場合には、ステップS2213に移行し、普通可変タイマの値が「0」であるか否かを判別する。ステップS2213で否定判別された場合、すなわち、未だインターバル期間が経過していない場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS2213で肯定判別された場合には、ステップS2214で普通可変フラグをオンし、ステップS2215で普通可変タイマに対して開放時間に相当する値(本例では、高入球状態時;「1450」、低入球状態時;「1425」)を設定し、ステップS2216で、第2始動入賞装置33bを開状態とする設定を行う。その後、ステップS2217において、羽根開放コマンドを設定してから、本処理を終了する。
尚、第2始動入賞装置33bが開状態とされている場合に、第2始動入賞装置33bに対して遊技球が規定数(例えば1個)入球した場合には、第2始動入賞装置33bが直ちに閉状態とされるように構成してもよい(例えば、ステップS2204で否定判別された場合に、第2始動入賞スイッチ224bの検知が行われたか否かの判別を行い、肯定判別された場合に、ステップS2205に移行するように構成してもよい。)。
次に、払出制御装置311内のCPU511により実行される払出制御について説明する。説明の便宜上、まず図28を参照して受信割込み処理を説明し、その後図29を参照してメイン処理を説明する。
図28は、払出制御装置311により実行される受信割込み処理を示すフローチャートである。受信割込み処理は、主制御装置261から送信されるコマンドを払出制御装置311が受信した場合に割り込んで実行される処理である。主制御装置261から送信されたコマンドが受信されたことを払出制御装置311が確認すると、払出制御装置311内のCPU511により実行される他の処理を一端待機させ、受信割込み処理が実行される。受信割込み処理が実行されると、まずステップS3001において主制御装置261から送信されたコマンドをRAM513のコマンドバッファに記憶し、ステップS3002において主制御装置261からコマンドが送信されたことを記憶するためにコマンド受信フラグをオンして、本受信割込み処理を終了する。上述したように、コマンドがコマンドバッファに記憶される場合には、記憶ポインタが参照されて所定の記憶領域に記憶されると共に、次に受信したコマンドを次の記憶領域に記憶させるために記憶ポインタが更新される。
なお、本実施形態では、主制御装置261から送信されるコマンドの受信処理は、そのコマンドが受信されたときに実行される割込処理で行われるものとしたが、例えば、図30に示したタイマ割込処理において、コマンド判定処理(ステップS3201)が行われる前に、コマンドが受信されたか否かを確認し、コマンドが受信されている場合にはそのコマンドをRAM513のコマンドバッファへ記憶してコマンド受信フラグをオンするとともに、コマンドが受信されていない場合にはコマンド判定処理へ移行するものとしてもよい。かかる場合には、所定間隔毎に入出力ポートのコマンド入力に対応するポートを確認することで、コマンドが受信されたか否かを確認する。
次に、払出制御装置311のメイン処理について図29を参照して説明する。図29は、払出制御装置311のメイン処理を示すフローチャートであり、このメイン処理は電源投入時のリセットに伴い起動される。
先ず始めに、ステップS3101では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、割込みモードを設定する。そして、ステップS3103でRAMアクセスを許可すると共に、ステップS3104で外部割込みベクタの設定を行う。
その後、ステップS3106では、RAM513のバックアップエリア513aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。そして、バックアップエリア513aに電源断の発生情報が設定されていれば、ステップS3107でRAM判定値を算出し、続くステップS3108で、そのRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわちバックアップの有効性を判別する。RAM判定値は、例えばRAM513の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。なお、RAM513の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断することも可能である。
ステップS3106で電源断の発生情報が設定されていない場合や、ステップS3108でRAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合には、ステップS3115以降のRAM513の初期化処理へ移行する。
ステップS3115ではRAM513の全領域を0にクリアし、ステップS3116ではRAM513の初期値を設定する。その後、ステップS3117ではCPU周辺デバイスの初期設定を行い、ステップS3114へ移行して割込みを許可する。
一方、ステップS3106で電源断の発生情報が設定されていること、及びステップS3108でRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、復電時の処理(電源断復旧時の処理)を実行する。つまり、ステップS3109で電源断前のスタックポインタを復帰させ、ステップS3110で電源断の発生情報をクリアし、ステップS3111で賞球の払出を許可する払出許可フラグをクリアする。また、ステップS3112では、CPU周辺デバイスの初期設定を行い、ステップS3113では、使用レジスタをRAM513のバックアップエリア513aから復帰させる。さらに、ステップS3114では、割込みを許可する。
ステップS3114で割込みが許可された後は、ステップS3122の処理において、バックアップエリア513aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。ここで、電源断の発生情報が設定されていれば、電源が遮断されたことになるので、電源断時の停電処理としてステップS3123以降の処理が行われる。停電処理は、まずステップS3123において各割込み処理の発生を禁止し、次のステップS3124において後述するコマンド判定処理を実行する。その後、ステップS3125でCPU511が使用している各レジスタの内容をスタックエリアに退避し、ステップS3126でスタックポインタの値をバックアップエリア513aに記憶し、ステップS3127でRAM判定値を算出してバックアップエリア513aに保存し、ステップS3128でRAMアクセスを禁止して、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM513のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、ステップS3122の処理は、電源投入時に行われる処理の終了後に電源断の発生情報を確認しているので、各処理が途中の場合と比較してRAM513のバックアップエリア513aに記憶するデータ量が少なくなり、容易に記憶することができる。また、電源遮断前の状態に復帰する場合には、バックアップエリア513aに記憶されているデータ量が少ないので、容易に復帰させることができ、払出制御装置311の処理の負担を軽減することができる。
次に、図30のフローチャートを参照して、払出制御装置311のタイマ割込み処理を説明する。このタイマ割込み処理は、定期的に(本実施形態では2msec周期で)起動される。
タイマ割込み処理では、まず、主制御装置261からのコマンドを取得し、そのコマンドの判定処理を行う(ステップS3201)。このコマンド判定処理について図31を参照して以下に説明する。
図31は、払出制御装置311により行われるコマンド判定処理を示すフローチャートである。コマンド判定処理(ステップS3124,S3201)では、まず、ステップS3301においてコマンド受信フラグがオンされているか否かを判別する。コマンド受信フラグは、上述した受信割込み処理(図28参照)において主制御装置261から送信されたコマンドを受信したときにオンされる。
ステップS3301においてコマンド受信フラグがオフと判別されれば、新たなコマンドを主制御装置261から受信していないので、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS3301でコマンド受信フラグがオンと判別されれば、ステップS3302において、その受信したコマンドをRAM513から読み出し、ステップS3303においてコマンド受信フラグをオフする。ステップS3303においてコマンド受信フラグをオフすることにより、新たにコマンドが受信されるまで、ステップS3302〜ステップS3311の処理をスキップできるので、払出制御装置311の制御を軽減することもできる。
ステップS3304〜ステップS3306の処理でRAM513から読み出されたコマンドの種類が判別される。ステップS3304では主制御装置261から送信されたコマンドが払出初期化コマンドであるか否かが判別され、ステップS3305では払出復帰コマンドであるか否かが判別され、ステップS3306では賞球コマンドであるか否かが判別される。
主制御装置261から送信されたコマンドが払出初期化コマンドであれば、ステップS3307で既に払出許可フラグがオンされているか否かが判別され、払出許可フラグがオフされていれば、電源投入時に主制御装置261からRAM513の初期化が指示されていることになるので、ステップS3308でRAM513のスタックエリア以外となる作業領域(エリア)を0にクリアし、ステップS3309でRAM513の初期値を設定する。その後、ステップS3311で払出許可フラグをオンして、賞球の払出許可が設定される。
上述したように、主制御装置261は、払出初期化コマンドを送信した後に、RAM503の初期化処理を行っており、払出制御装置311は、払出初期化コマンドを受信した後に、RAM513の初期化処理を行っているので、RAM503が初期化されるタイミングと、RAM513が初期化されるタイミングとが略同時期となる。よって、初期化のタイミングがずれることにより、主制御装置261から送信されるコマンドを払出制御装置311が受信したとしても、RAM513が初期化されてしまい、受信したコマンドに対応する制御が行えない等の弊害の発生を防止することができる。また、RAM513が初期化された後に、払出許可フラグをオンするので、賞球の払出許可を確実に設定することができる。
一方、ステップS3307で既に払出許可フラグがオンされていれば、RAM513の作業領域のクリアと、RAM513の初期化処理とを行わずに、本コマンド判定処理を終了する。すなわちステップS3307の処理は、払出許可フラグが設定された状態でRAM513が初期化されることを禁止している。なお、払出初期化コマンドは、電源投入時にRAM消去スイッチ323がオンされている場合のみ送信されるコマンドであるので、払出許可フラグがオンされた状態で受信することはなく、かかる場合には、ノイズなどの影響によって払出制御装置311が払出初期化コマンドとして認識してしまったことが考えられる。よって、払出許可フラグがオンされている状態で、RAM513の作業領域のクリア(ステップS3308)と、RAM513の初期値設定(ステップS3309)を実行すると、賞球が残っている場合に払出されないなどの弊害が生じて遊技者に損失を与えてしまうが、払出許可フラグがオンされている状態で、RAM513が初期化されることを防止しているので、遊技者に損失を与えることを防止できる。
また、主制御装置261から送信されたコマンドが払出復帰コマンドであれば(ステップS3304:NO、ステップS3305:YES)、主制御装置261及び払出制御装置311が電源遮断前の状態に復帰するので、賞球の払出を許可するためにステップS3311で払出許可フラグをオンする。すなわち、電源断の発生情報があり、主制御装置261と払出制御装置311が電源遮断前の状態に復帰した場合には、賞球の払出が許可される。ステップS3311の処理において払出許可フラグがオンされると、コマンドバッファの所定の記憶領域に記憶されたコマンドに基づく処理が終わったことになるので、読出ポインタが次の記憶領域に対応した読出ポインタに更新される。
さらに、主制御装置261から送信されたコマンドが賞球コマンドであれば(ステップS3305:NO、ステップS3306:YES)、ステップS3310において、受信した賞球個数を総賞球個数に加算して記憶し、賞球の払出を許可するためにステップS3311で払出許可フラグをオンする。この際、払出制御装置311は、コマンドバッファ(リングバッファ)に記憶された賞球コマンドを順次読み出し、当該コマンドに対応する賞球個数を、所定のバッファ領域に記憶される総賞球個数に加算して記憶する。主制御装置261から送信される賞球コマンドに基づいて賞球個数に対応した賞球の払出しが行われるので、賞球コマンドは、賞球コマンドは賞球の払出しを指示する払出指示コマンドである。また、賞球コマンドが受信された場合には、即座に払出許可が設定されるので、入賞に対して早期に賞球の払出しを行うことができる。ステップS3311の処理において払出許可フラグがオンされると、コマンドバッファの所定の記憶領域に記憶されたコマンドに基づく処理が終わったことになるので、読出ポインタが次の記憶領域に対応した読出ポインタに更新される。
なお、主制御装置261から送信されたコマンドが払出初期化コマンドでもなく(ステップS3304:NO)、払出復帰コマンドでもなく(ステップS3305:NO)、賞球コマンドでもなければ(ステップS3306:NO)、払出許可フラグをオンすることなく、コマンド判定処理を終了する。
ここで、図30のフローチャートに戻って説明する。コマンド判定処理が終わると、ステップS3202において、コマンド判定処理で払出許可フラグがオンされたか否かが判別される。ここで、払出許可フラグがオンされていなければ、そのまま本処理を終了する。つまり、主制御装置261からコマンドが送信される前に賞球の払出しが行われることを防止することができる。
一方、ステップS3202で肯定判別されれば、ステップS3203で発射制御装置312に対して発射許可の設定を行い、ステップS3204で状態復帰スイッチ321をチェックして、状態復帰動作開始と判定した場合に状態復帰動作を実行する。この処理により、例えば払出モータの球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モータが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られる。
その後、ステップS3205では、下皿15の状態の変化に応じて下皿満タン状態又は下皿満タン解除状態の設定を実行する。すなわち、満杯検知スイッチの検出信号により下皿15の満タン状態を判別し、下皿満タンになった時、下皿満タン状態の設定を実行し、下皿満タンでなくなった時、下皿満タン解除状態の設定を実行する。また、ステップS3206では、タンク球の状態の変化に応じてタンク球無し状態(球切れ状態)又はタンク球無し解除状態(球有り状態)の設定を実行する。すなわち、タンク球無しスイッチの検出信号によりタンク球無し状態を判別し、タンク球無しになった特、タンク球無し状態の設定を実行し、タンク球無しでなくなった特、タンク球無し解除状態の設定を実行する。
その後、ステップS3207では、例えばエラー状態のように報知すべき状態の有無を判別し、報知すべき状態が有る場合には報知する。
続いて賞球及び貸球の払出制御処理を実行する。詳しくは、ステップS3208で払出個数設定処理を行い、ステップS3209においてモータ制御状態取得処理を行い、ステップS3210においてモータ駆動処理を行う。
ステップS3211では、状態復帰スイッチ321をチェックして球抜き不可状態でないこと、及び球抜き動作開始でないことを条件に、払出モータを駆動させ球抜き処理を実行する。続くステップS3212では、球詰まり状態であることを条件にバイブレータ360の制御(バイブモータ制御)を実行する。その後、本タイマ割込み処理の先頭に戻る。
次に、サブ制御装置262の通常処理ついて図32を参照しつつ説明する。先ずステップS3901では、入出力ポート554のコマンド入力に対応するポートを確認し、主制御装置261から送信されたコマンドが受信されているか否かを判別する。
コマンドが受信されている場合には、ステップS3902においてそのコマンドをRAM553のコマンドバッファへ記憶する。RAM553のコマンドバッファは、主制御装置261から送信されるコマンドを一時的に記憶するリングバッファで構成されている。リングバッファは所定の記憶領域を有しており、その記憶領域の始端から終端に至るまで規則性をもってコマンドが記憶され、全ての記憶領域にコマンドが記憶された場合には、記憶領域の始端に戻りコマンドが更新されるよう構成されている。よって、コマンドが記憶された場合及びコマンドが読み出された場合に、コマンドバッファにおける記憶ポインタ及び読出ポインタが更新され、その各ポインタに基づきコマンドの記憶と読み出しとが行われる。
続くステップS3903では、主制御装置261から出力された先発コマンドの情報を、サブ制御装置262のRAM553に設けられた保留情報記憶エリアに格納する保留情報格納処理を行う。尚、先発コマンドには、上記のように、第1始動入賞装置33a又は第2始動入賞装置33bのどちらの入球を契機とする変動表示であるかを示す情報、大当たりに対応する変動情報であるかを示す情報、大当たり種別を示す情報、リーチの種別を示す情報が含まれる。
サブ制御装置262の保留情報記憶エリアは、主制御装置261の特別変動保留エリアと同様に、8つの保留エリア(保留第1〜保留第8エリア)と、1つの実行エリアとを備えている。保留情報記憶エリアには、先発コマンドの受信履歴に合わせて、当該先発コマンドに含まれる大当たりか否かの情報、大当たり種別、リーチ種別、第1変動表示又は第2変動表示のどちらに対応しているのかの情報等の変動表示に関する情報(変動情報)が時系列的に格納される。結果的に、主制御装置261の特別変動保留エリアの実行エリアだけでなく、保留エリアに記憶された変動情報についても、サブ制御装置262において把握することが可能となっている。
以下、保留情報格納処理について、図35を参照して説明する。先ず、ステップS4101では、先発コマンドを受信したか否か(先発コマンドがRAM553のコマンドバッファに記憶されたか否か)を判別する。当該ステップS4101で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS4101で肯定判別された場合には、ステップS4102において、保留情報記憶エリアに保留記憶されている変動情報の保留数をカウントする変動保留カウンタNdを1インクメントする。さらに、ステップS4103において、先発コマンドに含まれる大当たりか否かの情報、大当たり種別、リーチ種別、第1変動表示又は第2変動表示のどちらに対応しているのかの情報等を、保留情報記憶エリアの空いている保留エリアのうち最初のエリアに記憶する。
続くステップS4104では、予告情報格納処理を行う。すなわち、本実施形態では、連続する複数の変動表示において互いに関連する演出表示を意図的に導出する(所謂、「連続予告」が行われる)場合がある。ここでは、連続予告を行うか否かを決定するための連続予告カウンタの値、及び、連続予告の種別を決定するための予告種別カウンタの値を取得し、当該カウンタ値を保留情報記憶エリアのうち上記ステップS4103にて変動情報を新たに記憶した保留エリアに記憶する。
連続予告カウンタは、例えば0〜49の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり49)に達した後、下限値である0に戻るループカウンタとして構成されている。連続予告カウンタは定期的に更新され、その都度、対応するカウンタバッファ(連続予告カウンタバッファ)に連続予告カウンタの値が記憶される。
予告種別カウンタは、例えば0〜9の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり9)に達した後、下限値である0に戻るループカウンタとして構成されている。予告種別カウンタは定期的に更新され、その都度、対応するカウンタバッファ(予告種別カウンタバッファ)に予告種別カウンタの値が記憶される。
そして、当該予告情報格納処理において、保留情報記憶エリアに変動情報が格納されると、連続予告カウンタバッファ及び予告種別カウンタバッファに記憶されている連続予告カウンタの値及び予告種別カウンタの値が取得されることとなる。さらに、保留情報記憶エリアの各保留エリア及び実行エリアには、連続予告が導出されることが決定された場合にオンされる連続予告フラグがそれぞれ設けられている。
また、本実施形態では、ROM552に対し、連続予告を行うか否かの決定に際して参酌される予告当否判定テーブルと、連続予告の態様の決定に際して参酌される予告テーブルとが設けられている。予告当否判定テーブル及び予告テーブルはそれぞれ複数設けられており、変動情報に応じて、参酌される予告当否判定テーブル及び予告テーブルが選択される。
ステップS4104の後、ステップS4105において、保留エリアに新たに記憶された情報が第1変動表示に対応するものであるか否かを判別する。ステップS4105で肯定判別された場合には、ステップS4106において、消灯状態にある第1保留ランプ46aのうちの1つを点灯状態とする。本実施形態の第1保留ランプ46aは青色に発光する。
一方、ステップS4105で否定判別された場合には、ステップS4107において、消灯状態にある第2保留ランプ46bのうちの1つを点灯状態とする。本実施形態の第2保留ランプ46bは赤色に発光する。
ステップS4106又はステップS4107の後、ステップS4108において、連続予告を実行するか否かを決定する連続予告抽選処理を行う。尚、ステップS4108の連続予告抽選処理では、変動保留カウンタNdの値が「2」以上である場合に、保留情報記憶エリアに新たに記憶された連続予告カウンタの値に基づいて、大当たり種別やリーチ種別や遊技モードにそれぞれ対応する予告当否判定テーブルを参照し、連続予告を実行するか否かを決定する。さらに、連続予告を実行することが決定された場合には、保留情報記憶エリアに新たに記憶された予告種別カウンタの値に基づいて、大当たり種別やリーチ種別や遊技モードに対応する予告テーブルを参照し、連続予告を実行するか否かを決定する。加えて、保留情報記憶エリアの保留エリアのうち変動情報が記憶されている全ての保留エリアの連続予告フラグをオンにする。但し、実行エリアの連続予告フラグはオンにしない。
また、本実施形態では、ステップS4108の後、ステップS4109において、詳しくは後述する保留アイコン設定処理を行う。ステップS4109の後、本処理を終了する。
さて、図43(a)に示すように、入球検知対応表示手段としての装飾図柄表示装置42の保留表示エリア462で表示される保留アイコン461は、「浮き輪」を模した画像オブジェクトとなっている。保留表示エリア462では、最大で8つの保留アイコン461を表示可能となっている。さらに、本実施形態の保留アイコン461は、特別表示装置43L、43Rの変動表示が保留されていることを示す入球検知対応表示としての「本保留アイコン463」と、本保留アイコン463が表示される前段階として表示される場合がある前駆表示としての「仮保留アイコン464」とがある。
本保留アイコン463の態様のパターンとしては、「浮き輪の縞模様が青色」のもの、「浮き輪の縞模様が赤色」のもの、「浮き輪を使用するキャラクタA(図43(b)の463a)参照」が表示されたもの、「浮き輪を使用するキャラクタB(図43(c)の463b参照)」が表示されたものがある。その一方で、仮保留アイコン464は、本保留アイコン463の基本的な態様である「浮き輪」をぼかしたような(薄くしたような)画像オブジェクトとなっている。尚、キャラクタAやキャラクタBは、それぞれ1種類でもよいし、複数種類でもよい。
また、保留アイコン461の表示パターンとしては、本保留アイコン463がいきなり表示されるパターンと、仮保留アイコン464が表示された後に、かかる仮保留アイコン464から変化するようにして本保留アイコン463が表示されるパターン(当該パターンを「前兆経由」とも称する)とが存在する。さらに、後述のように、保留アイコン461の表示パターンと、大当たり状態発生への当選期待度(大当たり期待度)とが対応付けられており、保留アイコン461の表示パターンによって大当たり期待度を示唆する(先読み保留予告演出を行う)ように構成されている。
ここで、保留情報格納処理(図35参照)のステップS4109にて行われる保留アイコン設定処理について、図38を参照して説明する。
先ず、ステップS4301では、保留アイコン461の表示パターンを決定する際に用いられるアイコン抽選乱数カウンタの値を取得して、保留情報記憶エリアのうち対応する保留エリアの保留アイコン情報記憶エリアに記憶する。尚、アイコン抽選乱数カウンタは、例えば、0〜199の範囲の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり199)に達した後、下限値である0に戻るループカウンタとして構成されている。アイコン抽選乱数カウンタは定期的に更新され、その都度、対応するカウンタバッファにアイコン抽選乱数カウンタの値が記憶される。当該ステップS4301では、かかるカウンタバッファからアイコン抽選乱数カウンタの値を取得する。
続く、ステップS4302では、アイコン抽選乱数カウンタの値と、保留アイコン461の表示パターンとの対応関係を記憶する保留アイコンパターン記憶テーブルを参照し、保留アイコン情報記憶エリアに記憶されたアイコン抽選乱数カウンタの値に基づいて、保留アイコン461の表示パターンを決定する。
図39に示すように、保留アイコンパターン記憶テーブルは複数設けられている。本実施形態では、大当たりを教示する変動情報に対応して参酌される大当たり用のものと、前後外れリーチになる変動情報に対応して参酌される前後外れ用のものと、前後外れ以外リーチになる変動情報に対応して参酌される前後以外外れ用のものと、それ以外(完全外れ)用のものとがある。
大当たり用の保留アイコンパターン記憶テーブルについては、アイコン抽選乱数カウンタの値が「0〜59」の場合に「前兆経由の(仮保留アイコン464から変化しての)青縞模様の浮き輪」に対応し、アイコン抽選乱数カウンタの値が「60〜139」の場合に「前兆経由の赤縞模様の浮き輪」に対応し、アイコン抽選乱数カウンタの値が「140〜158」の場合に「前兆経由のキャラクタA」に対応し、アイコン抽選乱数カウンタの値が「59」の場合に「前兆経由のキャラクタB」に対応し、アイコン抽選乱数カウンタの値が「160〜179」の場合に「前兆経由なしの青縞模様の浮き輪」に対応し、アイコン抽選乱数カウンタの値が「180〜199」の場合に「前兆経由なしの赤縞模様の浮き輪」に対応する。
前後外れ用の保留アイコンパターン記憶テーブルについては、アイコン抽選乱数カウンタの値が「0〜59」の場合に「前兆経由の青縞模様の浮き輪」に対応し、アイコン抽選乱数カウンタの値が「60〜99」の場合に「前兆経由の赤縞模様の浮き輪」に対応し、アイコン抽選乱数カウンタの値が「100〜104」の場合に「前兆経由のキャラクタA」に対応し、アイコン抽選乱数カウンタの値が「105〜184」の場合に「前兆経由なしの青縞模様の浮き輪」に対応し、アイコン抽選乱数カウンタの値が「185〜199」の場合に「前兆経由なしの赤縞模様の浮き輪」に対応する。
前後以外外れ用の保留アイコンパターン記憶テーブルについては、アイコン抽選乱数カウンタの値が「0〜59」の場合に「前兆経由の青縞模様の浮き輪」に対応し、アイコン抽選乱数カウンタの値が「60〜89」の場合に「前兆経由の赤縞模様の浮き輪」に対応し、アイコン抽選乱数カウンタの値が「90〜189」の場合に「前兆経由なしの青縞模様の浮き輪」に対応し、アイコン抽選乱数カウンタの値が「190〜199」の場合に「前兆経由なしの赤縞模様の浮き輪」に対応する。
それ以外用の保留アイコンパターン記憶テーブルについては、アイコン抽選乱数カウンタの値が「0〜19」の場合に「前兆経由の青縞模様の浮き輪」に対応し、アイコン抽選乱数カウンタの値が「20〜199」の場合に「前兆経由なしの青縞模様の浮き輪」に対応する。
つまり、青縞模様よりも赤縞模様の方が、大当たり期待度が高く、また、前兆を経由した方が赤縞模様になり易く、さらには、前兆を経由すると、より大当たり期待度の高いキャラクタAやキャラクタBが導出される場合がある。特に、キャラクタBが表示された場合には、その時点で、対応する変動表示の終了後に大当たり状態が発生することを把握することができる。
そして、ステップS4302では、保留情報記憶エリアの保留エリアに記憶された各種情報に基づいて、対応する変動表示の変動パターンを判別し、当該変動パターンに応じて、参照する保留アイコンパターン記憶テーブルを決定する。さらに、アイコン抽選乱数カウンタの値が、いずれの保留アイコン461の表示パターンに対応する値であるのかを判別して、対応すると判別された保留アイコン461の表示パターンを示す情報を、対応する保留エリアの保留アイコン情報記憶エリアに記憶する(保留アイコン461の表示パターンを決定する)こととなる。
尚、ステップS4302において大当たりに対応する変動パターンであると判別された場合に、保留情報記憶エリアの保留エリア及び実行エリアの保留アイコン情報記憶エリアにおいて、キャラクタBが表示される保留アイコン461の表示パターンを示す情報が記憶されているか否かを確認し、記憶されている場合には、大当たり用の保留アイコンパターン記憶テーブルではなく、別の(例えば、前後外れ用の)保留アイコンパターン記憶テーブルを参照するように構成してもよい。
ステップS4302の後、ステップS4303において、ステップS4302で決定された保留アイコン461が、前兆経由の保留アイコン461であるか否かを判別する。ステップS4303で肯定判別された場合には、ステップS4304において、対応する保留エリアの保留変化フラグをオン設定する。保留変化フラグは、仮保留アイコン464が本保留アイコン463に変化する予定であることを示すものであり、本実施形態では、保留変化フラグがオン設定されていることで、該当する保留エリアに記憶された変動情報に対応して仮保留アイコン464を表示するようになっている(換言すれば、保留変化フラグが仮保留アイコン464を表示するか否かを示している)。また、保留変化フラグは、保留情報記憶エリアの各保留エリアにそれぞれ設けられている。
ステップS4304の後、又は、ステップS4303で否定判別された場合には、ステップS4305において、保留アイコン表示処理を実行する。ここでは、装飾図柄表示装置42の保留表示エリア462に対し、ステップS4302で決定された保留アイコン461(本保留アイコン463、又は、仮保留アイコン464)を追加で表示するための処理を行う。その後、本処理を終了する。
尚、上記のように、本実施形態では、保留アイコン461に関しては、第1始動入賞装置33aへの入球に基づく第1変動表示、及び、第2始動入賞装置33bへの入球に基づく第2変動表示のどちらに対応するものであるかが特定されないような共通の態様となっている。但し、変動特定ランプ40を確認したり、保留ランプ46a、46bの点灯態様の推移を確認したりすることによって、どちらの始動入賞装置33a、33bへの入球に基づく変動表示であるかの判断ができるように構成されている。
図32の説明に戻り、ステップS3903の後又はステップS3901で否定判別された場合には、ステップS3904へと移行し、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本例では2msec)が経過したか否かを判別する。そして、既に所定時間が経過していればステップS3905へ移行し、一方、前回の通常処理の開始から未だに所定時間が経過していなければ、ステップS3915へと移行する。
ステップS3905では、各種カウンタの更新処理を実行する。サブ制御装置262のCPU551は、装飾図柄の表示に際し各種カウンタ情報を用いる。具体的には、図33に示すように、大当たり時装飾図柄カウンタCOと、上図柄表示領域、中図柄表示領域、及び下図柄表示領域の各外れ図柄の設定に使用する上・中・下の各図柄カウンタCL,CM,CRとを用いることとしている。図柄カウンタCL,CM,CRは、CPU551内のRレジスタ(リフレッシュレジスタ)を用いてレジスタ値が加算され、結果的に数値がランダムに変化する構成となっている。
大当たり時装飾図柄カウンタCOは、大当たり状態が発生する際に、装飾図柄表示装置42の変動停止時の図柄(大当たり図柄)を決定するものであり、本実施形態では、大当たり時装飾図柄カウンタCOとしては、9個(0〜8)のカウンタ値が用意されている。すなわち、大当たり時装飾図柄カウンタCOは、0〜8の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり8)に達した後0に戻る構成となっている。
そして、主制御装置261から確変大当たりに対応する図柄を停止させる旨を示す図柄コマンドを受信した場合、図示しないテーブル(カウンタ値と装飾図柄とを対応付けるテーブル)に基づいて、例えば、カウンタ値が0であれば「1」(のゾロ目)、1であれば「2」(のゾロ目)という具合に、大当たり図柄の組合わせを決定する。この大当たり時装飾図柄カウンタCOはステップS3905のカウンタ更新処理にて定期的に更新され、後述するようにサブ制御装置262が図柄コマンドを受信するタイミングでRAM553のカウンタ用バッファから読み出す。尚、本実施形態では大当たり時装飾図柄カウンタCOはRAM553の大当たり時装飾図柄カウンタバッファに格納されるものとしたが、バッファに格納せず、図柄コマンドを受信したタイミングなどでカウンタ値を参照するようにしてもよい。
また、通常大当たりに対応する図柄を停止させる旨を示す図柄コマンドを受信した場合、例えば、カウンタ値が0、1であれば「2」(のゾロ目)、2〜4であれば「4」(のゾロ目)、5、6であれば「6」(のゾロ目)、7、8であれば「8」(のゾロ目)という具合に、大当たり図柄の組合わせを決定する。
上・中・下の各図柄カウンタCL,CM,CRは、当否抽選が外れとなったときに、上・中・下の図柄表示領域の各停止図柄の組合わせを決定するものであり、各列では9個の装飾図柄の何れかが表示されることから、各々に9個(0〜8)のカウンタ値が用意されている。上図柄カウンタCLにより上図柄表示領域の停止図柄が決定され、中図柄カウンタCMにより中図柄表示領域の停止図柄が決定され、下図柄カウンタCRにより下図柄表示領域の停止図柄が決定される。
本実施形態では、CPU551に内蔵のRレジスタの数値を用いることにより各カウンタCL,CM,CRの値をランダムに更新する構成としている。すなわち、各図柄カウンタCL,CM,CRの更新時には、前回値にRレジスタの下位3ビットの値が加算され、その加算結果が上限値を超えた場合に8減算されて今回値が決定される。各図柄カウンタCL,CM,CRは更新時期が重ならないようにして更新され、それら図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせが、RAM553の前後外れリーチ図柄バッファ、前後外れ以外リーチ図柄バッファ、及び完全外れ図柄バッファの何れかに格納される。
ここで、各図柄カウンタCL,CM,CRの更新処理を詳しく説明する。図34に示すように、ステップS4001では、上図柄カウンタCLの更新時期か否かを判別し、ステップS4002では、中図柄カウンタCMの更新時期か否かを判別する。なお、上・中・下の各図柄カウンタCL,CM,CRが1回の更新処理で1つずつ順に更新されるように構成する。したがって、前回の更新処理において下図柄カウンタCRが更新されている場合、ステップS4001で肯定判断されることになる。また、前回の更新処理において上図柄カウンタCLが更新されている場合、ステップS4002で肯定判断されることになる。そして、上図柄カウンタCLの更新時期(ステップS4001がYES)であればステップS4003に進み、上図柄カウンタCLを更新する。また、中図柄カウンタCMの更新時期(ステップS4002がYES)であればステップS4004に進み、中図柄カウンタCMを更新する。さらに、下図柄カウンタCRの更新時期(ステップS4001、S4002が共にNO)であればステップS4005に進み、下図柄カウンタCRを更新する。ステップS4003〜S4005の図柄カウンタCL,CM,CRの更新では、前回のカウンタ値にRレジスタの下位3ビットの値を加算すると共にその加算結果が上限値を超えた場合に8を減算して、その演算結果を、外れ図柄カウンタCL,CM,CRの今回値とする。
上記CL,CM,CRの更新処理によれば、上・中・下の各図柄カウンタCL,CM,CRが1回の更新処理で1つずつ順に更新され、各カウンタ値の更新時期が重なることはない。これにより、更新処理を3回実行する毎に図柄カウンタCL,CM,CRの1セット分が更新されるようになっている。
その後、ステップS4006では、上記更新した図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせがリーチ図柄の組合わせ(上図柄表示領域の図柄と下図柄表示領域の図柄とが同じ)になっているか否かを判別し、リーチ図柄の組合わせである場合(S4006がYES)、さらにステップS4007では、大当たり図柄の組合わせ(左右の図柄表示領域の図柄と中図柄表示領域の図柄とが同じ)であるか否かを判別する。ステップS4007で肯定判別された場合には、図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせをRAM553に記憶することなく、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS4007で否定判別された場合には、ステップS4008において、図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせが前後外れ図柄の組合わせであるか否かを判別する。図柄カウンタCL,CM,CRが前後外れ図柄(前後外れリーチ)の組合わせである場合(S4008がYES)、ステップS4009に進み、そのときの図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせをRAM553の前後外れリーチ図柄バッファに格納して、本処理を終了する。図柄カウンタCL,CM,CRが前後外れ以外図柄(前後外れ以外リーチ)の組合わせである場合(S4008がNO)には、ステップS4010に進み、そのときの図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせをRAM553の前後外れ以外リーチ図柄バッファに格納して、本処理を終了する。
また、リーチ図柄以外の組合わせである場合(S4006がNO)、外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせが外れ図柄(完全外れ図柄)の組合わせになっているため、ステップS4011において、そのときの外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせをRAM553の完全外れ図柄バッファに格納して、本処理を終了する。
図32の説明に戻り、ステップS3906では保留処理を行う。以下、保留処理について図36を参照して説明する。
先ず、ステップS4201では、変動パターンコマンドを受信したか否か(変動パターンコマンドがRAM553のコマンドバッファに記憶されたか否か)を判別する。ステップS4201で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS4201で肯定判別された場合には、ステップS4202において、変動保留カウンタNdの値を1減算する。
ステップS4202の後、ステップS4203において、保留情報記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、保留情報記憶エリアの保留第1エリア〜保留第8エリアに格納されているデータ(連続予告フラグ等のフラグ情報も含む)を実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
続くステップS4204では、第1変動表示に対応する変動パターンコマンドであるか否かを判別する。ステップS4204で肯定判別された場合には、ステップS4205において、点灯状態にある第1保留ランプ46aのうちの1つを消灯状態とする。一方、ステップS4204で否定判別された場合には、ステップS4206において、点灯状態にある第2保留ランプ46bのうちの1つを消灯状態とする。
ステップS4205、又は、ステップS4206の後、ステップS4207において、連続予告に使用される表示演出の種別を決定する予告設定処理が行われる。ステップS4207の予告設定処理では、保留情報記憶エリアの実行エリアの連続予告フラグ(ステップS4108の連続予告抽選処理参照)がオンであるか否かを判別し、否定判別された場合には、連続予告は行われないため、そのまま本処理を終了する。一方、肯定判別された場合には、変動パターンコマンドの変動情報に基づき、大当たりか否か、大当たりの場合には種別は何か、大当たりではない場合には、リーチ種別は何か等を判別し、それぞれに対応するテーブルを参照して、連続予告の種別を決定する。ここで決定された種別の連続予告は、対応する変動表示に際して所期のタイミングで導出されることとなる。
ステップS4207の後、ステップS4208において、オン設定されている保留変化フラグがあればオフにする処理を行う。尚、上記のように、本実施形態では、所定の保留エリアの保留変化フラグがオン設定されている場合に、対応する保留アイコン461を仮保留アイコン464の態様で表示するように構成されている。つまり、例えば、保留エリアの保留アイコン情報記憶エリアに前兆経由の保留アイコン461を表示する情報(図39等参照)が記憶されている場合であって、該保留エリアの保留変化フラグがオンされている場合には、該保留エリアに対応する保留アイコン461として仮保留アイコン464を表示し、該保留エリアの保留変化フラグがオフされた場合には、該保留エリアに対応する保留アイコン461として仮保留アイコン464を表示するのではなく、本保留アイコン463を表示することとなる。
続くステップS4209では、装飾図柄表示装置42に表示されている保留アイコン461をシフトさせるための保留アイコンシフト処理を行う。つまり、上記ステップS4203のデータシフト処理において、保留アイコン461に関する情報についてもシフトされていることから、かかる情報が記憶されている保留エリアと、装飾図柄表示装置42の保留表示エリア462の保留アイコン461の表示場所とを対応付けるべく、保留アイコン461の再描画を行うこととしている。従って、保留表示エリア462では、変動表示が1つ消化される(実行される)毎に、最も左に位置していた保留アイコン461が消去されるとともに、その右側に配置されていた保留アイコン461が一つ左にシフトされる(表示場所が移動する)ようになっている。また、仮保留アイコン464が表示されている場合には、保留アイコン461のシフトが行われる際に、該仮保留アイコン464が本保留アイコン463に変化する態様(保留表示エリア462において、例えば、図43(a)の態様から図43(b)の態様へと変化する表示)が導出される。
ステップS4209の後、本処理を終了する。尚、本実施形態では、仮保留アイコン464は、変動表示が1つ消化され、データシフト処理が行われる場合に、必ず本保留アイコン463に変化するような構成となっているが、例えば、データシフト処理が複数回行われた場合に本保留アイコン463に変化する場合があったり、変動表示の開始のタイミングだけでなく、変動表示の途中のタイミングで本保留アイコン463に変化する場合があったり、実行エリアにシフトされた段階で、本保留アイコン463に変化する演出が行われる場合があったりするように構成してもよい。
図32の説明に戻り、ステップS3907では表示設定処理を行う。ここでは、RAM553のコマンドバッファに格納された情報に基づき、表示制御装置45へ出力する表示コマンドを生成する等の各種の演算処理及びコマンドの出力設定を行う。つまり、ここでは、装飾図柄表示装置42において表示する表示態様が決定されることとなる。例えば、変動パターンコマンド及び図柄コマンドを受信した場合、サブ制御装置262は、変動種別、変動時間、及び停止図柄等に基づいて、対応するテーブルを参照し、表示パターン等を決定する。そして、決定事項を表示コマンドとして表示制御装置45に出力する等の制御を行う。
尚、表示制御装置45は、サブ制御装置262からの指令に応じて描画処理を行い、装飾図柄表示装置42での装飾図柄の変動表示を開始する。なお、主制御装置261から変動パターンコマンドが一旦受信されると、当該変動パターンに対応する変動時間が経過するまでの間、サブ制御装置262と表示制御装置45との協働のもとに図柄の変動表示が継続される。
また、変動表示を開始させる際には、保留情報記憶エリアの実行エリアの連続予告フラグ(ステップS4108の連続予告抽選処理参照)がオンである場合に、変動パターンコマンドの変動情報に基づき、各状況に対応するテーブルを参照して、変動表示に導出させる連続予告の種別を決定したり、連続予告とは別の予告演出の導出を決定したり、演出ボタン125等の操作に対応する表示を行ったりする。さらに、当該ステップS3907の表示設定処理では、大当たり中の演出制御を行う処理(当たり表示処理)についても行われる。
ここで、ステップS3907の表示設定処理において行われる当たり表示処理について、図37を参照して説明する。先ず、ステップS4701では、主制御装置261から大当たり状態の開始を告げるオープニングコマンドを受信したか否かを判別する。ステップS4701で肯定判別された場合には、ステップS4702において、残りのラウンド数を把握するためのラウンド把握カウンタに対し、オープニングコマンドに含まれる情報に基づいて、「15RS」、又は、「15RN」であれば「15」を設定し、「2RS」であれば「2」を設定する。
その後、ステップS4703において、出玉有り大当たりであれば8秒間のオープニング演出の設定(装飾図柄表示装置42の画像、スピーカSPの音声、各種ランプの点灯態様の設定)を行ってから、本処理を終了する。尚、サブ制御装置262には、大当たり種別と、残りラウンド数と、大当たり状態中の各種演出態様との対応関係を記憶するテーブル等が設けられており、当該テーブルを参照して対応する演出を選択し、それを実行させることとなる。
また、ステップS4701で否定判別された場合には、ステップS4704においてラウンドコマンドを受信したか否かを判別する。ステップS4704で肯定判別された場合、ステップS4705において、出玉有り大当たりであれば最大で30秒のラウンド中の演出の設定を行ってから、本処理を終了する。
ステップS4704で否定判別された場合、ステップS4706において、インターバルコマンドを受信したか否かを判別する。ステップS4706で肯定判別された場合、ステップS4707でラウンド把握カウンタを1減算し、ステップS4708で出玉有り大当たりであれば4秒のインターバル中の演出の設定を行ってから、本処理を終了する。
ステップS4706で否定判別された場合、ステップS4709においてエンディングコマンドを受信したか否かを判別する。ステップS4709で肯定判別された場合、ステップS4710でラウンド把握カウンタを1減算し、ステップS4711で出玉有り大当たりであれば10秒のエンディング演出の設定を行ってから、本処理を終了する。
尚、本実施形態では、出玉無し大当たりの場合には、オープニング期間(2秒)、ラウンド期間(0.4秒)、インターバル期間(1秒)、及び、エンディング期間(1秒)といった各期間に区切って演出を設定するのではなく、全期間を通じた演出(アナウンス等)が行われるような設定を行うこととしている。
ステップS4709で否定判別された場合、ステップS4712において当たり終了コマンドを受信したか否かを判別する。ステップS4712で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS4712で肯定判別された場合には、ステップS4713において、エンディング表示を直ちに終了させ、変動表示が行われる通常遊技状態の態様とする設定を行う。その後、本処理を終了する。
図32の説明に戻り、ステップS3908では、装飾図柄表示装置42の保留表示エリア462において、本保留アイコン463が表示されるかもしれない(特別表示装置43L、43Rの変動表示が保留記憶されたかもしれない)といった演出を行うために導出される疑似入球検知対応表示、疑似入賞態様としての疑似保留アイコン466に関する制御を行う疑似保留アイコン設定処理を行う。
疑似保留アイコン466は、上記した仮保留アイコン464と同じ態様をなしており、保留表示エリア462に疑似保留アイコン466又は仮保留アイコン464が表示されたとしても、それが疑似保留アイコン466及び仮保留アイコン464のどちらであるのか区別がつかないようになっている。さらに、本実施形態では、図43(a)に示すように、疑似保留アイコン466、及び、仮保留アイコン464に付随して、疑似保留アイコン466、及び、仮保留アイコン464の前方において、多数の泡が湧き上がり続けているような泡表示467が行われるようになっている。本実施形態では、泡表示467が付加表示に相当する。
ここで、疑似保留アイコン設定処理について図40を参照して説明する。先ず、ステップS4501では、疑似入賞検知スイッチ445の検知情報があるか否かを判別する。ステップS4501で肯定判別された場合には、ステップS4502において、疑似保留アイコン466を表示させるか否か、及び、疑似羽根部材431を機能位置に変位させるか否かの抽選に使用される疑似抽選乱数カウンタCGの値を取得する。尚、疑似抽選乱数カウンタCGは、例えば、0〜29の範囲の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり29)に達した後、下限値である0に戻るループカウンタとして構成されている。疑似抽選乱数カウンタCGは定期的に更新され、その都度、対応するカウンタバッファに疑似抽選乱数カウンタCGの値が記憶される。当該ステップS4502では、かかるカウンタバッファから疑似抽選乱数カウンタCGの値を取得する。
続くステップS4503では、疑似抽選乱数カウンタCGの値が「0〜9」のいずれかであるか否かを判別する。ステップS4503で肯定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS4503で否定判別された場合には、ステップS4504において、疑似抽選乱数カウンタCGの値が「10〜19」のいずれかであるか否かを判別する。ステップS4504で否定判別された場合には、ステップS4505において、疑似羽根部材431を(単独で)機能位置に変位させるか否かの判別に使用される疑似許可フラグをオン設定する。
ステップS4505の後、又は、ステップS4504で肯定判別された場合には、ステップS4506において、保留情報記憶エリアに保留記憶されている変動情報の保留数をカウントする変動保留カウンタNdの値が「1」以上、かつ、「8」未満であるか否か(「1〜7」であるか否か)を判別する。ステップS4506で否定判別された場合、すなわち、変動表示が1つも保留されていない状態、或いは、変動表示をそれ以上保留できない状態である場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS4506で肯定判別された場合には、ステップS4507において、疑似保留アイコン466を表示させるための疑似保留アイコン表示処理を行う。尚、当該疑似保留アイコン表示処理では、現在保留されている変動表示(変動情報)の数を変動保留カウンタNdの値で確認して、保留表示エリア462のうち対応する位置(遊技球が次に第2始動入賞スイッチ224bに検知された場合に、対応する変動表示の保留を示す保留アイコン461が表示されることとなる位置)に疑似保留アイコン466を表示させることとなる。ステップS4507の後、ステップS4508において、疑似保留アイコン466の表示中であることを示す疑似保留フラグをオン設定してから、本処理を終了する。
また、ステップS4501で否定判別された場合には、ステップS4509において、疑似保留フラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS4509で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS4509で肯定判別された場合には、ステップS4510において、変動パターンコマンドを受信したか否かを判別する。ステップS4510で肯定判別された場合には、ステップS4511において、疑似保留アイコン466を消去する処理を行い、ステップS4512において、疑似保留フラグをオフしてから、本処理を終了する。つまり、疑似保留アイコン466は、保留情報記憶エリアの情報をシフトする処理(ステップS4203)が行われる場合に消去されることとなる。
また、ステップS4510で否定判別された場合には、ステップS4513において、先発コマンドを受信したか否かを判別する。ステップS4513で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS4513で肯定判別された場合には、ステップS4511において、疑似保留アイコン466を消去する処理を行い、ステップS4512において、疑似保留フラグをオフしてから、本処理を終了する。この場合、装飾図柄表示装置42では、保留表示エリア462の態様が、例えば、図43(a)に示す状態から、図43(d)に示す状態に切替え表示される。
つまり、本実施形態の疑似保留アイコン466は、保留情報記憶エリアの情報をシフトする処理が行われる前段階であっても、変動表示が新たに保留された場合には、直ちに消去されることとなる。尚、この場合、装飾図柄表示装置42の保留表示エリア462において、疑似保留アイコン466に代えて保留アイコン461を表示させることとなるが、保留アイコン461として仮保留アイコン464が表示される場合には、疑似保留アイコン466と態様が同じであるため、見た目の変化は起こらない。
その一方で、疑似保留アイコン466に代えて、本保留アイコン463が表示される場合(前兆なしの保留アイコン461の表示パターンが選択された場合)には、保留表示エリア462の態様が、例えば、図43(a)に示す状態から、図43(b)や図43(c)に示すような状態に切替え表示される。尚、仮保留アイコン464から本保留アイコン463に変化する場合も同様の切替え表示態様となる。
図32の説明に戻り、ステップS3909では、第2始動入賞装置33bに設けられた疑似羽根部材431の動作に関する制御を行う疑似羽根開放制御処理を行う。以下、疑似羽根開放制御処理について図41を参照して説明する。
先ず、ステップS4601では、開位置にある羽根部材37が閉位置へと変位させられるタイミングで主制御装置261から出力される羽根閉鎖コマンド(図27のステップS2205参照)を受信したか否かを判別する。ステップS4601で肯定判別された場合には、ステップS4602で疑似羽根部材431を待機位置へと変位させる処理を行ってから、本処理を終了する。尚、当該処理が行われることにより、主制御装置261で制御され、開位置から閉位置へと変位する羽根部材37と同調するようにして、サブ制御装置262で制御される疑似羽根部材431が機能位置から待機位置へと変位するようになっている。
また、ステップS4601で否定判別された場合には、ステップS4603において、閉位置にある羽根部材37が開位置へと変位させられるタイミングで主制御装置261から出力される羽根開放コマンド(図26のステップS2412、図27のステップS2217参照)を受信したか否かを判別する。ステップS4603で肯定判別された場合には、ステップS4604において、疑似羽根部材431を機能位置へと変位させる処理を行ってから、本処理を終了する。尚、当該処理が行われることにより、閉位置から開位置へと変位する羽根部材37と同調するようにして、疑似羽根部材431が待機位置から機能位置へと変位するようになっている。
また、ステップS4603で否定判別された場合には、ステップS4605において、入球サポート抽選にて当選したタイミングで主制御装置261から出力される開放確認コマンド(図25のステップS2307参照)を受信したか否かを判別する。ステップS4605で肯定判別された場合には、ステップS4606において、疑似羽根部材431が単独で動作することを禁止する単独動作無効フラグをオン設定する。
一方、ステップS4605で否定判別された場合には、ステップS4607において、入球サポート抽選にて当選することで行われる一連の第2始動入賞装置33b(羽根部材37)の開閉処理が終了したタイミングで主制御装置261から出力されるサポート期間終了コマンド(図27のステップS2211参照)を受信したか否かを判別する。ステップS4607で肯定判別された場合には、ステップS4608において、単独動作無効フラグをオフにする。
ステップS4608、又は、ステップS4606の後、或いは、ステップS4607で否定判別された場合には、ステップS4609において、疑似羽根部材431が単独で機能位置に変位する状態である(羽根部材37は閉位置にある)ことを示す疑似開放フラグがオン設定されているか否かを判別する。
ステップS4609で否定判別された場合には、ステップS4610において、疑似入賞検知スイッチ445の検知が行われた場合に所定の確率(本例では1/3)でオン設定されることとなる疑似許可フラグ(図40のステップS4505参照)がオン設定されているか否かを判別する。ステップS4610で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS4610で肯定判別された場合には、ステップS4611において、単独動作無効フラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS4611で否定判別された場合には、ステップS4612において大当たり状態中であるか否かを判別する。
ステップS4612でも否定判別された場合には、ステップS4613において、疑似開放フラグをオン設定する。続くステップS4614において、疑似羽根部材431の開閉制御に使用される疑似開放タイマに、疑似羽根部材431を機能位置とさせておく時間に相当する値をセットする。さらに、ステップS4615において、疑似羽根部材431を機能位置へと変位させる処理を行う。その後、ステップS4616において、疑似許可フラグをオフにしてから、本処理を終了する。
また、ステップS4611、又は、ステップS4612で肯定判別された場合には、ステップS4613〜ステップS4615をスキップして、ステップS4616に移行する。すなわち、第2始動入賞装置33b(羽根部材37)を開状態とさせる一連の開閉制御が行われている場合や、大当たり状態中においては、当該疑似羽根開放制御処理による疑似羽根部材431の単独の動作が実行されないように構成されている。
また、ステップS4609で肯定判別された場合には、ステップS4617において、単独動作無効フラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS4617で否定判別された場合には、ステップS4618において、疑似開放タイマを1減算する処理を行う。
続くステップS4619では、疑似開放タイマの値が「0」であるか否かを判別する。ステップS4619で否定判別された場合、すなわち、未だに疑似羽根部材431を待機位置へと変位させるタイミングが到来していない場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS4619で肯定判別された場合には、ステップS4620において、疑似開放フラグをオフし、ステップS4621において、疑似開放タイマをリセットし、ステップS4622において、疑似羽根部材431を待機位置へと変位させる処理を行ってから、本処理を終了する。
また、ステップS4617で肯定判別された場合には、ステップS4618及びステップS4619をスキップして、ステップS4620に移行する。すなわち、本実施形態では、羽根部材37が閉位置から開位置へと変位する場合は、移動中の羽根部材37、及び、開位置に変位した羽根部材37の前方を覆うようにして、疑似羽根部材431についても待機位置から機能位置へと変位するように構成されている。さらに、羽根部材37が開位置から閉位置へと変位する場合には、移動中の羽根部材37の前方を覆うようにして、疑似羽根部材431についても機能位置から待機位置へと変位するように構成されている。このため、羽根部材37を開位置へと変位させる際に、疑似羽根部材431が機能位置にあるのでは都合が悪い。従って、羽根部材37を開位置へと変位させることに先立って、羽根部材37を開位置へと変位させることが決定されたタイミング(入球サポート抽選に当選した場合に主制御装置261から出力される開放確認コマンドを受信し、単独動作無効フラグがオンされたタイミング)で、疑似羽根部材431が機能位置にあれば、当該疑似羽根部材431を待機位置に戻す処理を行うこととしている。
図32の説明に戻り、ステップS3910では、出玉有り大当たり状態において、疑似羽根部材431及び演出ボタン125を使用して、確変大当たりに昇格するか否かを示唆する疑似羽根演出を行うための疑似羽根演出処理が行われる。以下、疑似羽根演出処理について、図42を参照して説明する。
先ず、ステップS4801では、出玉有り大当たり中であるか否かを判別する。ステップS4801で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS4801で肯定判別された場合には、ステップS4802において、演出ボタン125の操作が行われたか否かを判別する。ステップS4802で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS4802で肯定判別された場合には、ステップS4803において、装飾図柄表示装置42において、確変大当たりであることが既に教示されているか否かを判別する。ステップS4803で肯定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS4803で否定判別された場合には、ステップS4804において、疑似羽根部材431を機能位置とするか否かの大当たり中疑似開放抽選を行う。ここでは、対応する乱数カウンタと、該乱数カウンタと、疑似羽根部材431の動作との対応関係を記憶するテーブルとが使用される。該テーブルには、確変大当たり時に参照されるものと、通常大当たり時に参照されるものとが存在する。
通常大当たり時に参照されるテーブルは、疑似羽根部材431を40度程度機能位置側に変位させる小変位パターン(例えば35%)と、疑似羽根部材431を機能位置まで変位させる大変位パターン(例えば5%)と、変位しないパターン(例えば60%)とに振り分けられるよう設定されている。一方、確変大当たり時に参照されるテーブルは、小変位パターン(例えば45%)と大変位パターン(例えば10%)と、変位しないパターン(例えば40%)と、確変大当たりへの昇格演出が確定する確定パターン(例えば5%)とに振り分けられるよう設定されている。
続く、ステップS4805では、大当たり中疑似開放抽選の結果に対応する処理を実行する。すなわち、小変位パターン、又は、大変位パターンが選択された場合には、疑似羽根部材431を機能位置側に変位させ、規定時間後に待機位置に戻すための処理を実行する。また、確定パターンが選択された場合には、疑似羽根部材431を機能位置側に変位させ、規定時間後に待機位置に戻すための処理と、昇格演出を開始させるための処理と、確変大当たりであることを既に教示した状態であることを記憶する(対応するフラグをデフォルトの状態にする)処理とを実行する。その後、本処理を終了する。尚、本実施形態では、装飾図柄表示装置42において、出玉有りの確変大当たり(15RS)に当選したことについての教示が、遅くとも対応する大当たり状態が終了するまでの間に必ず行われるように構成されている。
図32の説明に戻り、ステップS3911のランプ設定処理では、装飾図柄表示装置42で行われる表示演出に同期させるべく、ランプ・電飾類の点灯パターンを設定する。
ステップS3912の音声設定処理では、装飾図柄表示装置42で行われる表示演出に同期させるべく、スピーカSPの出力パターンを設定する。また、エラー発生の報知等、音声に関するコマンドが主制御装置261から送信されてきた場合には、これらの制御を行うための設定もステップS3912で行われる。
ステップS3913では、客待ち演出(例えば装飾図柄表示装置42の変動表示が行われていない状態で所定時間が経過すると表示されるように設定されているデモ画面表示;省エネモード)の制御設定等その他の処理を行う。
ステップS3914では、上記ステップS3905〜S3914の設定内容に基づいた制御信号を各装置に送信する外部出力処理を実行する。例えば、装飾図柄表示装置42による装飾図柄の変動表示に際して表示コマンドを表示制御装置45に送信する。
2msec毎に行われるステップS3905〜S3914の処理が実行された後、又は、上記ステップS3904で否定判別された場合には、ステップS3915に移行し、RAM553に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する。尚、電源断の発生情報は、主制御装置261から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。
電源断の発生情報が記憶されていない場合には、ステップS3916に進み、RAM553が破壊されているか否かが判別される。ここでRAM553が破壊されていなければ、ステップS3901の処理へ戻り、繰り返し通常処理が実行される。一方、RAM553が破壊されていれば、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。
一方、ステップS3915で電源断の発生情報が記憶されると判別された場合、ステップS3917において電源断処理を実行する。電源断処理では、割り込み処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。電源断処理の実行後は、処理を無限ループする。
以上詳述したように、本実施形態では、第1始動入賞装置33a及び第2始動入賞装置33bが始動入賞ユニット401としてユニット化されるとともに、始動入賞ユニット401には、第1始動入賞装置33a及び第2始動入賞装置33bの前方をまとめて覆う前装飾部403が設けられている。このため、第1始動入賞装置33aや第2始動入賞装置33bの周りを移動する遊技球の視認性が比較的低下することとなり、ひいては、遊技球が第1始動入賞装置33a及び第2始動入賞装置33bのどちらに入球したのかについても分かり難くなる。従って、本実施形態のように、低入球状態であっても、第2始動入賞装置33bが比較的開状態とされ易く、遊技球を発射させているのに装飾図柄表示装置42の変動表示が行われない、といった遊技者がストレスを感じ易い時間帯が減少するように構成されている場合には、遊技者は、前装飾部403の裏側に遊技球を進入させてさえいれば、遊技球が第1始動入賞装置33a及び第2始動入賞装置33bのどちらかに入球し、当否抽選が受けられるといった感覚で遊技を進行させることが可能となる。つまり、たとえ、第1始動入賞装置33aへの遊技球の入球率が低くても、第2始動入賞装置33bに比較的容易に遊技球が入球するのであれば、当否抽選がコンスタントに受けられるので、遊技を進行させる上で実質的な損失はなく、かつ、遊技球が第1始動入賞装置33a及び第2始動入賞装置33bのどちらに入球したのかについても視認し難くなるため、次第に、第1始動入賞装置33aに遊技球が入球し易いか否かについても気にならなくなる。結果として、たとえ第1始動入賞装置33aへの遊技球の入球し易さが低下している場合であっても、そのことに起因した印象の悪化を抑制することができる。
また、当然のことながら、羽根部材37が閉位置にあれば、第2始動入賞装置33bに遊技球を入球させることはできない。このため、羽根部材37が閉位置にあることを認めた遊技者は、第1始動入賞装置33aに視線を移して、遊技球が第1始動入賞装置33aに入球するか否かを観察しがちである。
この点、本実施形態では、羽根部材37の前方に配置され、開位置にある羽根部材37の前方を覆うことのできる機能位置と、閉位置にある羽根部材37の前方を覆うことのできる待機位置との間を変位可能な疑似羽根部材431を備え、羽根部材37が閉位置にあり、疑似羽根部材431が機能位置にある場合に、疑似羽根部材431の後方の遊技領域を遊技球が通過可能に構成されている。
すなわち、第2始動入賞装置33bを開状態とさせる(羽根部材37を開位置へと変位させる)タイミングではなくても、疑似羽根部材431を機能位置へと変位させることで、あたかも羽根部材37が開位置に存在しているかのような疑似羽根開放態様が導出される。これにより、第2始動入賞装置33bが閉状態とされている視認態様からの、羽根部材37に関連する所定のアクションが発生する機会を増やすことができる。そこで、第2始動入賞装置33bが開状態とされることに関心のある遊技者であれば、閉状態にある第2始動入賞装置33bに何らかのアクションが発生したことを認めると、第2始動入賞装置33bが開状態とされたのではないかと第2始動入賞装置33bに視線を向け直すことも考えられる。しかしながら、実際には、疑似羽根開放態様(疑似羽根部材431のみの動作)である場合もあり、しかも、疑似羽根開放態様は、羽根部材37が開位置に存在しているかのような態様であるため、第2始動入賞装置33bに関し、ぱっと見であったり、視界の端に入っていたりするだけでは、羽根部材37が開位置にあるのか、それとも、疑似羽根開放態様が導出されているだけで羽根部材37は閉位置にあるのかの区別がつき難い、或いは、羽根部材37が開位置に変位したものと(一瞬)勘違いしてしまうようになる。
以上のように、疑似羽根開放態様はあくまでも、羽根部材37が開放されたかのように見せかけるためのものであり、これによって、羽根部材37が開放されたように見えるが、第2始動入賞装置33bに遊技球が入球している気配がないといった具合に、第2始動入賞装置33bの遊技球の入球状態と、第2始動入賞装置33bの見た目とが必ずしも一致しなくなる。そして、疑似羽根開放態様がある程度繰り返されると、遊技球が第2始動入賞装置33b等にコンスタントに入球していて遊技に滞りがないのであれば(第1始動入賞装置33a及び第2始動入賞装置33bに対しトータルで遊技球が入球しなさ過ぎることに起因して不利な遊技を強いられている状態でなければ)、羽根部材37が開状態とされたか否かについて、あまり気にならなくなる心境に至らせることができる。結果として、たとえ第1始動入賞装置33aへの遊技球の入球し易さが低下している場合であっても、そのことに起因した印象の悪化を抑制することができるといった作用効果がより一層奏されることとなる。
さらに、疑似羽根開放態様によって、第2始動入賞装置33bが開状態(或いは閉状態)とされるタイミングのみを把握するといったことを難くすることができる。従って、第2始動入賞装置33bが開状態とされて遊技球が入球可能なタイミングにのみ遊技球を発射させるといった遊技を行うことのできる上級者の遊技者と、初心者の遊技者とでの格差が開いてしまうといった事態を抑制することができる。
また、疑似羽根開放態様を利用して、羽根部材37の開閉に絡めた演出や、羽根部材37の開閉に関係なく単なる賑やかしとしての演出を行うことができる。加えて、遊技の進行に際して、疑似羽根開放態様が遊技風景の一部となり、遊技に際してのアクセント・賑やかし、或いは、リズムとなって(なくなると寂しく感じる)、興趣の向上を図ることができる。
さらに、疑似羽根部材431を用いて、疑似羽根開放態様を導出することにより、疑似羽根開放態様をよりリアルなものとすることができる。つまり、例えば、羽根部材37の後方において、該羽根部材37の態様を模した疑似羽根開放手段を設けることも考えられるが、この場合、かかる疑似羽根開放手段が比較的後方に配置されてしまうため、疑似羽根開放手段が疑似羽根開放態様とされても見え難くなることが懸念される。加えて、疑似羽根開放態様にある疑似羽根開放手段の前方を遊技球が通過する可能性がある。これらによって、疑似羽根開放態様が疑似であることを瞬時に把握されてしまうおそれがある。この点、疑似羽根部材431を羽根部材37の前方に設けることで、上記懸念を払拭することができる。
また、羽根部材37を閉位置としたまま、疑似羽根部材431を機能位置へと変位させることができることから、第2始動入賞装置33bへの必要以上の遊技球の入球を招くことなく、疑似羽根部材431が動作する態様(クジラが前肢を動かす態様、第2始動入賞装置33bが(微妙に)開閉する態様等)を演出等にも十分に利用することができる。
特に、閉位置にある羽根部材37が開位置へと変位する場合は、疑似羽根部材431についても、該羽根部材37の前方を覆うようにして、待機位置から機能位置へと変位するように構成されている。さらに、開位置にある羽根部材37が閉位置へと変位する場合は、疑似羽根部材431についても、該羽根部材37の前方を覆うようにして、機能位置から待機位置へと変位するように構成されている。このため、羽根部材37が開位置にある場合に該羽根部材37を正面視した態様と、羽根部材37が閉位置にあるものの、疑似羽根部材431が機能位置にある場合に該疑似羽根部材431を正面視した態様とを同じ(どちらも機能位置にある疑似羽根部材431が視認される)とすることができる。さらには、変位途中の羽根部材37についても、疑似羽根部材431によって覆われているため、羽根部材37が変位したことについても分かり難くなっている。従って、疑似羽根開放態様のリアリティーをより一層高めることができる。
また、羽根部材37の前面側を直接前方に露出させない構成を採用することで、羽根部材37の前面側の態様を、疑似羽根部材431の態様と同じにする必要がなく、羽根部材37の前面等に対して、特に図形を描く等の加工を施さなくても済む(本例では、クジラの前肢を模した形状にしなくても済む)。このため、羽根部材37の構成の簡素化を図ることができ、また、羽根部材37の前面に対して所定の図形等を描いた場合に、当該図形等が疑似羽根部材431と擦れて、意匠性が低下してしまったりすること等を防止することができる。
さらに、羽根部材37及び疑似羽根部材431は回動可能に構成されており、羽根部材37に連結される略筒状の羽根用軸425の内側に、疑似羽根部材431に連結される疑似用軸433が挿通されている。これにより、羽根部材37及び疑似羽根部材431の回転軸線を、同一直線上に延在させることができる。このため、羽根部材37の動作と、疑似羽根部材431の動作とを比較的容易に同調させることができる。従って、例えば、羽根部材37が開位置と閉位置との間を変位する最中においても、疑似羽根部材431を羽根部材37の変位に同調させて変位させることで、羽根部材37の前方をより確実に覆うことができる。従って、羽根部材37の所在を分かり難くする等といった作用効果がより一層奏されることとなる。
加えて、羽根部材37が無色透明な素材によって構成されていることや、開位置にある羽根部材37の上面(案内面)が、機能位置にある疑似羽根部材431の上辺部よりも下方に位置することによっても、羽根部材37を視認し難くすることができる(羽根部材37の動作や所在が確認し難くなる)。従って、疑似羽根開放態様のリアリティーを高めるといった作用効果がより一層奏されることとなる。
尚、前装飾部403が設けられることによって第1始動入賞装置33a及び第2始動入賞装置33bの周辺部の一体感を高めることができる。このため、前装飾部403を狙って遊技球を打ち出していれば、第1始動入賞装置33a及び第2始動入賞装置33bのどちらかに入球するのだという比較的分かり易い視認イメージとすることができる。また、第1始動入賞装置33a及び第2始動入賞装置33bをまとめて覆う前装飾部403においてよりダイナミックな装飾等を行うことができ、意匠性の向上等を図ることができる。
加えて、上記実施形態では、前装飾部403は、前肢を除くクジラをかたどっているキャラクタ表示部441を備え、疑似羽根部材431は、クジラの前肢を模して形成されている。そして、疑似羽根部材431が機能位置へと変位することで、クジラの全体像が浮かび上がるように構成されている。このため、前肢が動くクジラの態様に視線を集める一方で、前装飾部403の裏側の視認性を低下させたり、始動入賞装置33a、33bに遊技球が入球する様子への遊技者の興味を低下させたりすることができる。従って、第1始動入賞装置33aへの遊技球の入球し易さが低下することに起因した印象の悪化を抑制するといった作用効果がより一層奏されることとなる。
さらに、閉位置にある羽根部材37の前方が、前装飾部403のキャラクタ表示部441によって覆われるように構成されている。このため、疑似羽根開放態様が導出されているだけなのか、或いは、本当に羽根部材37についても開位置にあるのか(羽根部材37が閉位置にあるのか否か)といった判別がより付き難くなり、疑似羽根部材431を設けて、第2始動入賞装置33bが開状態とされたのかもしれないといった演出を導出することによる作用効果がより一層奏されることとなる。
また、機能位置にある疑似羽根部材431は、その先端部が、前装飾部403の外周縁よりも外方に位置している。これにより、疑似羽根部材431が機能位置に変位したことを認識し易くすることができる。従って、羽根部材37の動作については極力隠す一方で、疑似羽根部材431の動作については積極的にアピールすることで、始動入賞ユニット401における視認態様の変化を楽しんでもらったり、或いは、疑似羽根部材431の動作を利用して実行する演出(疑似羽根演出処理等)をより分かり易くしたりすることができる。
また、本実施形態では、第2始動入賞装置33bの羽根部材37の開閉制御(始動入賞装置制御処理)については主制御装置261によって実行され、疑似羽根部材431の開閉制御(疑似羽根開放制御処理、疑似羽根演出処理)については、サブ制御装置262によって実行されるように構成されている。このため、主制御装置261の制御負担の軽減等を図ることができる。
さらに、本実施形態では、主制御装置261は、羽根部材37を開位置へと変位させる処理(ステップS2410等)に先立って、羽根部材37が開位置へと変位する旨の開放確認コマンド(ステップS2307)をサブ制御装置262へと出力するとともに、サブ制御装置262は、開放確認コマンドを受信した場合に、疑似羽根部材431を待機位置へと変位させる(ステップS4604)ように構成されている。このため、閉位置にある羽根部材37が開位置へと変位する場合に、疑似羽根部材431が既に機能位置にあることで、変位途中の羽根部材37を疑似羽根部材431で覆うことができなくなってしまうといった事態を回避することができる。
加えて、疑似羽根部材431は、羽根部材37よりも前面の面積が広く構成され、羽根部材37が開位置にあり、疑似羽根部材431が機能位置にある場合には、羽根部材37の閉位置側の面よりも、疑似羽根部材431の待機位置側の辺部の方が、閉位置側に位置している。さらに、羽根部材37が閉位置にあり、疑似羽根部材431が待機位置にある場合には、羽根部材37の開位置側の面よりも、疑似羽根部材431の機能位置側の辺部の方が、開位置側に位置している。つまり、羽根部材37は主制御装置261で制御され、疑似羽根部材431はサブ制御装置262で制御されるため、羽根部材37の動作開始タイミングと、疑似羽根部材431の動作開始タイミングとが僅かにずれる可能性がある。この点、先に動作し得る羽根部材37の動作方向側を、疑似羽根部材431で余分に覆うように構成することによって、羽根部材37が若干先行して変位したとしても、疑似羽根部材431で覆われている範囲内に収まることとなる。従って、羽根部材37が変位するのか否かが分かり易くなってしまったり、羽根部材37の動作と疑似羽根部材431の動作とがずれることでの意匠性の低下を招いたりしてしまうことを防止することができる。
また、本実施形態では、第1始動入賞スイッチ224a、及び、第2始動入賞スイッチ224bの検知が行われた場合には、対応する保留ランプ46a、又は、46bが点灯するとともに、装飾図柄表示装置42の保留表示エリア462において、保留アイコン461が表示されるように構成されている。このため、第1始動入賞装置33a及び第2始動入賞装置33bを直接視認していなくても、保留アイコン461等を視認することで、第1始動入賞装置33a又は第2始動入賞装置33bに遊技球が入球し、当否抽選を受ける権利が得られたことを把握すること(むしろ把握し易い)ができる。従って、始動入賞装置33a、33bを直接視認する機会が減少することとなり、第1始動入賞装置33aへの入球率が比較的低くても、第1及び第2始動入賞装置33a、33bへの全体的な入球率が低くなければ、遊技球が第1始動入賞装置33a及び第2始動入賞装置33bのどちらに入球しようと気にならないといった状況に身を置くこと(どうしても気になってしまう(第1始動入賞装置33aに目が行ってしまう)状況に陥らないこと)が可能になる。従って、第1始動入賞装置33aに遊技球がなかなか入球しないことに起因して、興趣の低下を招いてしまうといった事態をより確実に抑制することができる。その一方で、第1始動入賞スイッチ224a及び第2始動入賞スイッチ224bに対して遊技球が入球する様子が多少見え難くなったとしても、入球したか否かについては保留アイコン461等でしっかりと確認することができることから、遊技者に対し安心感を与えることができる。
さらに、遊技領域のうち前装飾部403によって前方が覆われている被覆領域(始動入賞ユニット401の内部領域)には、当該被覆領域を移動する遊技球を検知可能な疑似入賞検知スイッチ445が設けられている。本実施形態では、疑似入賞検知スイッチ445の検知が行われた場合に、装飾図柄表示装置42において、保留アイコン461(本保留アイコン463)を模した保留アイコン461(本保留アイコン463)とは異なる態様の疑似保留アイコン466が導出可能に構成されている。また、第1始動入賞スイッチ224a又は第2始動入賞スイッチ224bの検知が行われた場合に、当該検知に対応する本保留アイコン463を導出する前に、疑似保留アイコン466と同様の態様である仮保留アイコン464が導出される場合もあるように構成されている。このため、疑似入賞検知スイッチ445の検知に基づいて、被覆領域(始動入賞ユニット401)に進入した遊技球が始動入賞装置33a、33bに入球したのかも知れないといった演出等を行うことができる。従って、演出機会及び演出の種類を増加させることができ、演出の多様化等を図ることができる。結果として、疑似羽根開放態様を導出すること(始動入賞装置33a、33bに遊技球が入球したかの演出)の価値を飛躍的に高めることができ、興趣の向上を図ることができる。
また、疑似保留アイコン466及び仮保留アイコン464は、本保留アイコン463をぼかしたような表示であるとともに、その前方に重なるようにして表示される動的な泡表示467を伴って導出される。このため、疑似保留アイコン466及び仮保留アイコン464は、本保留アイコン463ではないことを確実に把握することができる。従って、例えば、疑似保留アイコン466及び仮保留アイコン464と、本保留アイコン463とをよく見れば違うが、同じような態様であったり、見分けがつかない態様であったりしてしまう場合に、遊技者が疑似保留アイコン466をあくまでも本保留アイコン463だと思い込み、不信感等を抱かせてしまうといった事態を回避することができる。
尚、本保留アイコン463の態様は、対応する変動表示の内容に基づいて決定されることから、本保留アイコン463の態様により興味を抱かせることができる。従って、疑似保留アイコン466及び仮保留アイコン464が、本保留アイコン463になるのか否かの演出への興味をより一層高めることができる。
加えて、疑似入賞検知スイッチ445は、サブ制御装置262と電気的に接続されている。このため、主制御装置261に入力される情報や、主制御装置261に情報を入力するための構成の数を極力減らすことで、主制御装置261の制御負担の軽減や、主制御装置261への不正の抑制等を図ることができる。
さらに、本実施形態では、疑似入賞検知スイッチ445の検知が行われた場合であっても、特別表示装置43L、43R(装飾図柄表示装置42)の変動表示の保留が8つ未満である状態、つまり、始動入賞スイッチ224a、224bによる検知が当否抽選の契機として有効な状態でないと、かかる疑似入賞検知スイッチ445の検知に対応する疑似保留アイコン466を新たに表示しないように構成されている(ステップS4506参照)。このため、仮保留アイコン464や本保留アイコン463が表示される筈のない状態において、疑似保留アイコン466が表示されることで、疑似保留アイコン466であることが明確に認識されてしまうといった事態を回避することができる。従って、あからさまな疑似保留アイコン466がむやみに導出されることに起因して、興趣の低下を招いてしまうといった事態を防止することができる。
また、遊技領域のうち前装飾部403によって前方が覆われている被覆領域には、第2始動入賞装置33bよりも下流側の位置において、遊技球を疑似入賞検知スイッチ445へと案内する案内台446が設けられている。さらに、機能位置にある疑似羽根部材431の下方に隣接する位置には、遊技球の進行方向を変化させる(本例では、案内台446の方へ案内する)案内釘448が設けられている。
例えば、被覆領域に遊技球が進入し、羽根部材37が開位置にあれば当該羽根部材37によって第2始動入賞装置33bの球受部405へと案内される案内ポイントに遊技球が到達したとしても、羽根部材37が閉位置にある場合には、当然遊技球は羽根部材37に案内されることなく、そのまま遊技領域を流下し、被覆領域の外部に排出される。このとき、遊技球が被覆領域に入射した軌道と、該遊技球が被覆領域から排出された後の軌道とがほぼ一直線上に延びる場合、先程、被覆領域に入射した遊技球が第1始動入賞装置33a及び第2始動入賞装置33bに入球することなく、被覆領域から排出されたものとしてすぐに把握されてしまう。
この点、上記のように、案内台446や案内釘448が設けられることにより、被覆領域において遊技球の進行方向が変化したり、遊技球の進行速度が遅延したりすることから、被覆領域に進入した後の遊技球の行方を追い難くなる。従って、被覆領域に進入した遊技球と、被覆領域から外方の視認し易い場所に飛び出してきた遊技球との対応関係が分かり難くなり、遊技球が第1始動入賞装置33a又は第2始動入賞装置33bに入球したのかもしれないし、入球していないのかもしれないといった状況をより多く作り出すことができる。
特に、装飾図柄表示装置42の保留表示エリア462を視認すれば、遊技球が第1始動入賞装置33a又は第2始動入賞装置33bに入球したか否かを把握することができ、しかも、保留に関する多彩な演出まで行われることから、第1始動入賞装置33a及び第2始動入賞装置33bを直接視認して遊技球が入球したのか否かを確認するよりも、装飾図柄表示装置42の保留アイコン461で第1始動入賞装置33a及び第2始動入賞装置33bへの入球を確認するような遊技性に移行させ易くすることができる。このため、遊技者が第1始動入賞装置33aに遊技球がなかなか入球しない様子を視認することで演出に集中できなかったり、ストレスが溜まったりすることなどを抑制することができる。
なお、上述した実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
(a;前装飾部の形状・デザイン等)上記実施形態では、前装飾部403が略円盤状に構成されているが、前装飾部403の形状やデザイン等については、パチンコ機10の機種毎に適宜変更可能である。例えば、第1始動入賞装置33aを覆う部位と、第2始動入賞装置33bを覆う部位とが、別体として構成されるように構成してもよい(別体だったものを合体させてもよいし、別体で構成されたものを隣接配置させてもよい)。また、例えば、前装飾部403に「岩礁」を描き、疑似羽根部材431に「魚群」を描くように構成してもよい。尚、前装飾部403のデザインと、疑似羽根部材431のデザインとが全く関係ないように構成してもよい。
さらに、例えば、前装飾部403に対し、機種情報(機種名や当否抽選の確率等)を表示するように構成してもよい。加えて、前装飾部403に対して、第1始動入賞装置33a、及び、第2始動入賞装置33bが存在することを教示したり、第1始動入賞装置33a、及び、第2始動入賞装置33bの位置を教示したり、遊技球を狙う位置がここであることを教示したりする表示を設けることとしてもよい。つまり、第1始動入賞装置33a及び第2始動入賞装置33bがユニット化されて若干分かり難くなった分、遊技者がどこを狙って遊技球を打ち出せばよいのか戸惑うことが懸念されるが、かかる表示を行うことによって、かかる懸念を抑止することができる。また、前装飾部403における表示案内だけでは分かり難い場合には、その他の部位でも案内表示をする(例えば、装飾図柄表示装置42においてデモ表示画面から、通常画面の変動表示が行われていない表示に切替わった場合に、かかる表示画面において、遊技球の狙う位置を案内する表示を行う等)ように構成してもよい。加えて、上記実施形態では、前装飾部403を透明又は半透明な樹脂で構成することにより、前装飾部403が透視性を有するように構成されているが、例えば、前装飾部403に対して複数のスリットや孔を形成することで透視性が備わるように構成してもよい。
さらに、前装飾部403(キャラクタ表示部441)において、左右一対で設けられる命釘406の釘間の距離等が広いのか、或いは、狭いのかの判断の基準となるような指標部を設けるように構成してもよい。例えば、図50に示すように、キャラクタ表示部441であるクジラのうち命釘406近傍に位置する尻尾701の2つに分かれた先端部をそれぞれ尖らせるとともに、その先端部がそれぞれ一対の命釘406の直下に配置されるように構成してもよい。この場合、先端部間の距離が、命釘406間の距離とほぼ同じとなるクジラの尻尾701の部分が指標部を構成する。
この場合、左右一対の命釘406と、クジラの尻尾701とを見比べて、命釘406の間隔が広くなっているか、或いは、狭くなっているかを、正確、かつ、迅速に判断することができる。従って、命釘406(の頭部)の適正な位置を瞬時に把握することができ、命釘406に対しメンテナンスの必要があるのか否かを比較的判断することができたり、遊技者は、クジラの尻尾701と見比べて命釘406の間隔が狭くなっているような場合に、自身に不利とならないように遊技を避けたりすることができる。結果として、命釘406間の距離を極力一定にすることができ、第1始動入賞装置33aへの遊技球の入球し易さに関して、パチンコ機10の台ごとのばらつきを低減させることができる。特に、かかる指標部(クジラの尻尾701)は、前装飾部403において設けられているため、命釘406の先端部(頭部)に近く、これにより、命釘406の傾きをより確実に把握することができる。
尚、指標部の態様としては特に限定されるものではなく、例えば、一対の命釘406の直下方において、一対の命釘406間と同じ幅を有する指標部を設けてもよいし、各命釘406の直下方において、それぞれの遊技釘406の位置を指し示すように指標部を設けてもよいし、キャラクタ表示部441等で指標部を構成するのではなく、前装飾部403の形状で指標部を構成することとしてもよい。また、疑似羽根部材431や羽根部材37に指標部を設けることとしてもよい。
尚、始動入賞ユニット401のベース板402の形状等についても特に限定されるものではなく、適宜変更可能である。例えば、スライダー411を省略することとしてもよい。また、球受部405は、前装飾部403とは別体として構成することも可能である。
(b;前装飾部が覆う対象)上記実施形態では、前装飾部403が第1始動入賞装置33a及び第2始動入賞装置33bの前方をまとめて覆うように構成されているが、どちらか一方のみの前方を覆うように構成してもよいし、その他の入賞装置(可変入賞装置32)等についても覆うように構成してもよい。尚、上記実施形態では、第1始動入賞装置33aと第2始動入賞装置33bとが上下に配置されているが、特にかかる配置は限定されるものではなく、例えば左右に配置されるように構成してもよい。さらに、上記実施形態では、第1始動入賞装置33aは、遊技球が常に入球可能に構成され、第2始動入賞装置33bは、遊技球が入球可能な開状態と、入球不可能な閉状態とに状態変化するように構成されているが、例えば、両方とも遊技球が常に入球可能なものとしてもよいし、両方とも開状態と閉状態とに変化するものとしてもよい。
また、前装飾部403が、左右一対の命釘406の前方や上方についても覆うように構成することとしてもよい。この場合、遊技球が第1始動入賞装置33aに入球する様子をより視認し難くすることができる。従って、第1始動入賞装置33aに遊技球が入球したことの判断は、第1始動入賞装置33aに遊技球が入球した結果として導出される各種事柄(保留アイコン461の表示等)に基づいて行ってもらうようにすることができる。結果として、第1始動入賞装置33aへの遊技球の入球ペースにそれ程こだわらない遊技をより一層促すことができる。尚、当該構成を採用する場合には、命釘406と前装飾部403との干渉を回避するべく、命釘406の遊技盤30前面からの突出長を短くする、或いは、前装飾部403に対して命釘406を挿通させるための釘孔を形成することとしてもよい。
(c;疑似羽根部材の動作等)上記実施形態では、羽根部材37が開位置や変位の途中にある場合には、疑似羽根部材431によってその前方が覆われるように構成されているが、例えば、羽根部材37が開位置にある一方で、疑似羽根部材431が待機位置に存在する状態が発生し得るように構成してもよい。
さらに、疑似羽根部材431を使用した演出や、疑似羽根部材431を動作させることとなる契機等についても特に限定されるものではなく、機種毎に適宜設定可能である。例えば、装飾図柄表示装置42における装飾図柄の変動表示において、リーチ状態が発生するか否かのタイミングで演出ボタン125を操作して欲しい旨の表示を導出し、演出ボタン125が操作された場合に、疑似羽根部材431が変動表示の内容に応じて動作する(例えば、リーチ状態に移行しない場合には、演出ボタン125を操作することで、その都度、疑似羽根部材431が小さく動作するものの、いくら操作しても疑似羽根部材431は機能位置には至らないように構成し、リーチ状態に移行する場合には、1回、又は、所定の複数回の演出ボタン125の操作に基づいて、疑似羽根部材431が機能位置まで変位する)ように構成してもよい。但し、羽根部材37は、かかる疑似羽根部材431を使用した演出に伴って動作することはなく、入球サポート抽選にて当選しない限り、閉位置にて維持される。
加えて、上記実施形態において、第2始動入賞装置33bの羽根部材37や疑似羽根部材431を動作させるための構成については特に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、羽根部材37や疑似羽根部材431をモータによって動作させているが、ソレノイド等の別の駆動手段を使用して動作させてもよい。さらに、上記実施形態では、一対で設けられる羽根部材37や疑似羽根部材431に対してモータを1対1で設けているが、例えば、1つの駆動手段で一対の羽根部材37や疑似羽根部材431を動作させることができるように構成してもよい。尚、上記実施形態のように、疑似羽根部材431に対して疑似側モータ432を1対1で設ける場合には、疑似羽根部材431を使用した演出に際し、一対の疑似羽根部材431うち一方だけを動かしたり、左右で別々の動作をさせたりすることも可能である。
また、疑似羽根部材431の前面の面積は、羽根部材37の前面の面積よりも広く、構成されているが、疑似羽根部材431によって、羽根部材37の前方をほぼ覆うことができるように構成されていればよく、例えば、ほぼ同じ面積(正面視で同じ形状)となるように構成してもよい。尚、上記実施形態のように、開位置にある羽根部材37の上面よりも、機能位置にある疑似羽根部材431の上辺部が上方(待機位置側・閉位置側)にある場合には、主制御装置261によって制御される羽根部材37が疑似羽根部材431に先行して閉位置側への変位を開始したとしても、該羽根部材37が疑似羽根部材431によって前方が覆われていない領域に露出してしまうといった事態を防止することができる上、一般に視線が始動入賞ユニット401が設けられる位置よりも上方に位置する遊技者によってかかる状態にある始動入賞ユニット401が視認された(上から覗きこまれるような格好となった)場合に、羽根部材37が疑似羽根部材431で極力隠れるようにすることができる。
尚、上記実施形態において、疑似羽根部材431と羽根部材37との間に所定のパネルを介在させたり、疑似羽根部材431を前装飾部403の前方に設けたりすることとしてもよい。この場合、前装飾部403の後面と、機能位置とされた疑似羽根部材431との間に形成される段差(疑似羽根部材431の上辺部)に対して遊技球が衝突して弾き飛ばされるといった事態を回避することができる。
(d;疑似羽根部材の素材)また、上記実施形態では、羽根部材37が無色透明の樹脂材料によって構成されているが、例えば、羽根部材37の少なくとも前面側から見た態様を、疑似羽根部材431の前面の態様と同じとなるように構成する(上記実施形態に対応しては、クジラの前肢を模した視認態様とする)こととしてもよい。この場合、羽根部材37を開位置とする場合に、疑似羽根部材431についても機能位置へと変位させなくても、クジラの絵が完成するとともに、羽根部材37が開位置にあり、疑似羽根部材431が待機位置にある場合の始動入賞ユニット401の態様と、羽根部材37が閉位置にあり、疑似羽根部材431が機能位置にある場合の始動入賞ユニット401の態様をとほぼ同じとすることができる。
但し、かかる構成を採用する場合、羽根部材37の前面と、疑似羽根部材431の前面とでは、たとえ正面視の形状が同じであっても、前後の位置がずれる。このため、上記実施形態のように、羽根部材37が開位置になる場合には疑似羽根部材431も機能位置に変位するといった構成を採用することで、羽根部材37が開位置にあっても無くても正面視の態様はどちらも同じ疑似羽根部材431の前面の態様とすることができ、疑似羽根開放態様をよりリアリティーのあるものとすることができる。尚、例えば、羽根部材37の色を、ベース板402の色と同じにすることでも、羽根部材37の所在を極力把握し難くすることができる。
(e;疑似羽根部材の形状等)上記実施形態では機能位置にある疑似羽根部材431の先端部が、前装飾部403の外周縁よりも外方に位置するように構成されているが、外周縁よりも内周側に収まるように構成してもよい。特に、疑似羽根部材431の先端縁が前装飾部403の外周縁に沿って変位する場合には、意匠性の向上等を図ることができる。尚、疑似羽根部材431の先端部が前装飾部403の外周縁よりも内周側に収まるように構成されている場合であっても、上記実施形態のように、機能位置に変位した疑似羽根部材431が、前装飾部403のうち、キャラクタ表示部441よりも透明度の高い一般部442の後方位置にまで突出するように構成されることで、例えば、キャラクタ表示部441等の比較的透明度の低い部位の後方でのみ変位するような場合に比べ、機能位置に変位した疑似羽根部材431を確認し易くすることができる。また、疑似羽根部材431の立体形状としては、板状に限定されるものではなく、例えば、疑似羽根部材431の変位方向において開口し、内側に羽根部材37を収容可能な略四角枠状や、該四角枠状の一部を切り欠いたような断面略コ字状に構成することとしてもよい。
さらに、図48に示すように、羽根部材37の前面側下部において前方かつ下方に開口する押圧用凹部711を設けるとともに、疑似羽根部材431の後面側において、前記押圧用凹部711に挿入可能な押圧用凸部712を設けることとしてもよい。この場合、羽根部材37が閉位置から開位置へと変位する場合に、羽根部材37が主として(羽根側モータ421が先に、或いは、羽根側モータ421のみが)駆動することで、(疑似羽根部材431の動作が多少遅れたとしても)疑似羽根部材431が、羽根部材37によって押圧されて、待機位置から機能位置へと変位させられることとなる。
一方、羽根部材37が開位置から閉位置へと変位する場合に、疑似羽根部材431が主として(疑似側モータ432が先に、或いは、疑似側モータ432のみが)駆動することで、(羽根部材37の動作が多少遅れたとしても)羽根部材37が、疑似羽根部材431によって押圧されて、開位置から閉位置へと変位させられることとなる。以上のように、押圧用凹部711及び押圧用凸部712を設けることにより、羽根部材37と、疑似羽根部材431とがばらばらに動作することが回避され、羽根部材37と疑似羽根部材431とを、あたかも1つの部材であるかのように同調させて動かすことができる。従って、開位置に変位する羽根部材37の動作と、機能位置に変位する疑似羽根部材431の動作とがずれてしまい、羽根部材37が開位置に変位したのか、或いは、疑似羽根部材431のみが機能位置に変位したに過ぎないのかが分かり易くなってしまうといった事態をより確実に回避することができる。
また、図48の擬似羽根部材431は、押圧用凸部712を、極力、疑似羽根部材431の軸心側に配置することで、疑似羽根部材431が単独で機能位置に変位した場合に、遊技球が押圧用凸部712に衝突することに起因して、遊技球がイレギュラーに弾き飛ばされたり、押圧用凸部712が損傷したりすることを抑制している。但し、押圧用凸部712の形成位置は特に限定されるものではなく、例えば、機能位置にある疑似羽根部材431を駆動させて、開位置にある羽根部材37を押して閉位置へと変位させる構成において、押圧用凸部712を疑似羽根部材431の軸心から極力離間させて配置することで、開位置にある羽根部材37を押して閉位置へと変位させるために要する力を極力小さくすることができる。
尚、押圧用凹部711及び押圧用凸部712を設けた場合でも、疑似羽根部材431が待機位置にある状態から、羽根部材37は閉位置としたまま、疑似羽根部材431のみを機能位置側に変位させることが可能である。また、押圧用凸部712を極力疑似羽根部材431の回転軸側に設けることで、半透明な疑似羽根部材431の後方を移動する遊技球の視認性の低下を極力抑制することができる。加えて、本態様例では、押圧用凹部711の上面が羽根側押圧部を構成し、押圧用凸部712が疑似側押圧部を構成する。
尚、上記実施形態では、羽根部材37については、前装飾部403の外周縁よりも内周側に収まるように構成されているが、少なくとも開位置にある羽根部材37の先端部が前装飾部403の外周縁よりも外方に位置するように構成してもよい。さらに、上記実施形態では、疑似羽根部材431によって羽根部材37全体の前方を覆うことができるように構成されているが、例えば、羽根部材37の先端部が疑似羽根部材431の先端部よりも先方(回転軸の遠心方向)に突出する等、一部覆うことができないような構成を採用してもよい。すなわち、例えば、開位置にある羽根部材37の先端部が、前装飾部403の外周縁よりも外周側に突出し、かつ、機能位置にある疑似羽根部材431の先端部よりも突出するといった構成を採用する場合、羽根部材37の先端部が前方に露出することとなり、羽根部材37が開位置にあることを確認し易くなる。
(f;疑似羽根部材を省略した構成)上記実施形態では、羽根部材37の前方を覆うことのできる疑似羽根部材431が設けられているが、疑似羽根部材431を省略することも可能である。また、疑似羽根部材431を省略する場合において、羽根部材37が開位置にあるのか、或いは、閉位置にあるのかを分かり難くするべく、前装飾部403において、開位置にある羽根部材37の前方位置に対応して、キャラクタ表示部441として、クジラの前肢についても描かれるように構成し、かかるクジラの前肢の表示(半透明)によって、開位置にある羽根部材37の前方が覆われるように構成してもよい。
尚、閉位置にある羽根部材37については、上記実施形態と同様に、クジラの胴体等でその前方が覆われるように構成することとしてもよい。また、本態様例では、クジラの前肢の表示が開時被覆手段(開時被覆部)を構成し、クジラの胴体の表示が閉時被覆手段(閉時被覆部)を構成する。ちなみに、上記実施形態では、機能位置にある疑似羽根部材431が開時被覆手段を構成し、クジラの胴体の表示(及び、待機位置にある疑似羽根部材431)が閉時被覆手段を構成する。
(g;疑似羽根開放態様の変形例)また、疑似羽根部材431による羽根部材37が開位置に存在しているかのような疑似羽根開放態様に代えて、又は、加えて、別の疑似羽根開放態様を導出可能な別の疑似羽根開放手段を設けることとしてもよい。
(g−1;導光板)例えば、図50に示すように、前装飾部403において、光を側方から入射させることで、光を入射させた部位にクジラの前肢を模した態様が浮かび上がるように構成してもよい。より具体的には、前装飾部403のうち図50(a)の2点鎖線で囲まれる範囲(以下、「発光部721」と言う)に対し、前装飾部403に対して側方から入射した光の反射角度が、その他の部位とは異なるようにする(前装飾部403内で全反射せず、前方に照射されるような導光板とする)加工を行う。尚、本態様例では、発光部721が疑似開放オブジェクトを構成する。
また、発光部721に対しては、クジラの前脚の付根に相当する部位から光を入射させる。すなわち、図49に示すように、羽根部材722のうち羽根用軸723と連結される部位の前方に対応して、羽根部材722の前面から突出する円筒状の軸支部724を設ける。当該軸支部724は、前装飾部403の後面側において、クジラの前脚の付根に対応する位置において円形凹状に形成された軸受部438(図45(b)参照)に挿入され、軸支される。
羽根用軸723は円筒状をなしており、かかる羽根用軸723に対して、先(前)端部の外周面の一部に疑似用光源725を備える芯棒726が挿通されている。尚、芯棒726についても円筒状をなしており、その内側に疑似用光源725用の配線が挿通されている。本実施形態では、芯棒726の前端部が、羽根用軸723よりも前方に突出し、羽根部材722の軸支部724の内側に収容されるように構成されている。すなわち、疑似用光源725が、前装飾部403の軸受部438の内周側に位置することとなる。
また、芯棒726についても、図示しないモータと連結されるギア727が設けられ、回動可能に構成されている。本態様例では、芯棒726は、正面視で開位置にある羽根部材722と同じ位置に設けられた発光部721(図50(b)参照)に対して疑似用光源725が対向する位置と、正面視で、開位置と閉位置との中間位置にある羽根部材722と同じ位置に設けられた発光部721(図50(c)参照)に対して疑似用光源725が対向する位置との間を変位可能に構成されている。尚、図50(a)の状態は、疑似用光源725を消灯している。
そして、所定条件が成立した場合(例えば、上記実施形態において、疑似羽根部材431を単独で機能位置へと変位させる条件と同様の条件が成立した場合)には、開閉する羽根部材722をまねて、図50(c)のように、開放途中の羽根部材722を模した発光部721を発光させてから、図50(b)のように、開放位置にある羽根部材722を模した発光部721を発光させ、所定時間後、図50(c)のように、閉鎖途中の羽根部材722を模した発光部721を発光させてから、疑似用光源725を消灯する。
以上のような構成を採用する場合においても、疑似羽根開放態様を導出することができる。また、前装飾部403において疑似羽根開放態様を導出することができることから、例えば、疑似羽根開放態様が羽根部材722よりも後方位置にて導出されるような場合に比べ、疑似羽根開放態様の見易さを向上させることができる。
尚、羽根部材722が動作する場合には、発光部721についても極力同調させて発光させるように構成してもよい。この場合、羽根部材722が開位置へと変位する態様と、疑似羽根開放態様とを極力近づけることができる。また、疑似用光源725を回動させるのではなく、各発光部721をそれぞれ発光させることのできる疑似用光源を複数設けるように構成してもよい。
(g−2;透過孔)また、例えば、始動入賞ユニット401を遊技盤30に取付けるためのベース板402において、光を後方から入射させることで、光を入射させた部位に羽根部材37を模した態様が浮かび上がるように構成してもよい。より具体的には、図51(a)、図51(c)に示すように、羽根部材731の本体部分を不透明な樹脂で構成するとともに、前面側に長方形状の開口部を形成して、そこにプリズム板732を当て嵌める。さらに、羽根部材731に光源を内蔵する。
これに対し、図50(b)に示すように、ベース板734のうち、正面視で、開位置にある羽根部材731のプリズム板732が位置する部位と、開位置と閉位置との中間位置にある羽根部材731のプリズム板732が位置する部位とに対応して、それぞれプリズム板732と同形状の透過孔を形成し、そこに疑似用プリズム板735を嵌め込む。さらに、各疑似用プリズム板735の後方には、各疑似用プリズム板735をそれぞれ発光させる疑似用光源が設置される。尚、本態様例では、発光可能なプリズム板732が発光手段を構成し、疑似用プリズム板735が疑似開放オブジェクトを構成する。
本態様例では、羽根部材731が閉位置以外の場所にある場合には、羽根部材731のプリズム板732が発光した態様をなしている。また、所定条件が成立した場合(例えば、上記実施形態において、疑似羽根部材431を単独で機能位置へと変位させる条件と同様の条件が成立した場合)には、開閉する羽根部材731をまねて、開放途中の羽根部材731のプリズム板732を模した疑似用プリズム板735を発光させてから、開放位置にある羽根部材731のプリズム板732を模した疑似用プリズム板735を発光させ、所定時間後、閉鎖途中の羽根部材731のプリズム板732を模した疑似用プリズム板735を発光させてから、疑似用光源を消灯する。
以上のような構成を採用する場合においても、疑似羽根開放態様を導出することができる。また、羽根部材731の後方(ベース板734)において、比較的簡単な構成で疑似羽根開放態様を導出することができる。さらに、本態様例では、羽根部材731において発光した態様を導出可能なプリズム板732を設けるとともに、疑似羽根開放態様は、かかるプリズム板732の発光態様を模している。このように、羽根部材731ついても自身が発光しているような視認態様とすることで、羽根部材731が開位置とされた態様と、疑似用プリズム板735を用いた疑似羽根開放態様とをより強く結びつける(ぱっと見の直感的な判断ではどちらなのか混同させてしまう)ことができる。また、疑似羽根開放態様を導出するための構成(形状)の簡略化(羽根部材731の全体ではなくプリズム板732のみをまねるだけで十分疑似的な態様になる)等を図ることができる。
尚、疑似羽根開放態様の導出のタイミングは特に限定されるものではなく、例えば、定期的に(例えば、ほぼ常に)導出されるように構成してもよい。また、例えば、第2始動入賞装置33bの開放パターンとして、開状態とされる時間が短いショート開放と、開状態とされる時間が長いロング開放とが設定され、ショート開放の場合には、疑似羽根開放態様を導出して羽根部材37の動作を比較的分かり難くし、ロング開放の場合には、疑似羽根開放態様の導出を禁止して、羽根部材37の動作を比較的分かり易くするように構成してもよい。但し、上記実施形態のように、疑似羽根部材431を羽根部材37とともに動作させた方が、羽根部材37の動作が分かり易くなる構成においては、疑似羽根開放態様と同様に、疑似羽根部材431を羽根部材37とともに動作させることとする。尚、ロング開放をあえて分かり難くする場合があってもよい。
(h;可動被覆手段)上記実施形態では、疑似羽根部材431のような透視性を有する可動式被覆役物(可動被覆手段)が、羽根部材37の前方を覆うことができるように設けられているが、可動式被覆役物によって、所定の入賞装置の周辺部、特に、入賞口付近(を移動する遊技球)や、所定の入賞装置へ遊技球を案内する案内手段(上記実施形態のスライダー411のようなものや、遊技釘等。尚、上記実施形態の羽根部材37は当該案内手段に相当する)の周辺部(を移動する遊技球)の前方を覆うことができるように構成してもよい。そして、可動式被覆役物が、かかる被覆対象の前方を覆う機能位置と、前記被覆対象を前方に露出させる待機位置との間を変位可能に構成されていることとしてもよい。
この場合、可動式被覆役物が機能位置にある場合、可動被覆手段が透視性を有しているとはいえ、遊技球が、可動式被覆役物で覆われている被覆対象にどのように関わったのか、すなわち、始動入賞装置33a、33bが覆われている場合には、遊技球が入球したか否か、又は、案内手段が覆われている場合には、遊技球が案内手段によって案内されたか否かについて比較的視認性が低下する。特に、可動式被覆役物が動作中、或いは、動作直後の場合には、遊技者の視線が可動式被覆役物の方につられてしまい、かかる傾向がより強くなる。従って、遊技球を目で追っていても一瞬見失うといった状況が発生したり、或いは、遊技者が別の方法(例えば、装飾図柄表示装置42における保留アイコン461の表示)で遊技球の動向を把握しようとしたりし易くなることが考えられ、そこに新たな演出(疑似保留アイコン466等)を追加する機会を得ることができる。結果として、遊技球の始動入賞装置33a、33bへの入球(始動入賞)に関して、よりドラマチックな展開や演出を発生させることができ、興趣の向上等を図ることができる。
また、かかる構成を採用する場合には、上記実施形態のように、機能位置にある可動式被覆役物(疑似羽根部材431)の直下に当たる位置に案内釘448のような遊技領域を移動する遊技球の進行方向を変化させる進路変更手段を設けることが望ましい。
かかる構成を採用する場合には、機能位置にある可動式被覆役物(疑似羽根部材431)で覆われる領域(特定被覆領域)に進入した遊技球と、特定被覆領域から外方の視認し易い場所に飛び出してきた遊技球との対応関係が分かり難くなり、遊技球が始動入賞装置(第2始動入賞装置33b)に入球したり、案内手段(羽根部材37)に案内されたりしたのかもしれないし、していないのかもしれないといった状況をより多く作り出すことができる。これにより、特定被覆領域に進入した遊技球がどうなったのか等を教示・示唆する演出を行う場合において、かかる演出をより効果的なものとすることができる。
尚、図50(b)に示すように、機能位置にある可動式被覆役物で覆われる領域(特定被覆領域)において、遊技盤30への打込み量をより増やすようにして、案内釘448を配置するように構成してもよい。加えて、案内手段で案内されている遊技球(例えば、上記実施形態のように開位置にある羽根部材37の上面に載って移動する遊技球)、或いは、案内手段によって案内された後の遊技球(例えば、案内釘448の上側に衝突して跳ね返った遊技球)の少なくとも一部(全体であればより良い)の前方が、機能位置にある可動式被覆役物で覆われるように構成されることが望ましい。
さらに、機能位置にある可動式被覆役物で覆う対象が案内手段である場合には、案内手段によって遊技球が案内される先の始動入賞装置(第2始動入賞装置33b)の周辺部の前方を覆う前装飾部403(前被覆手段の一般部)を設けることが望ましい。また、かかる前装飾部403と、機能位置にある可動式被覆役物(疑似羽根部材431)とは、正面視で一部が連続する、或いは、近接するように配置されていることが望ましく、さらには、可動式被覆役物で前方が覆われている案内手段で案内されている遊技球や、進路変更手段で進路変更された遊技球が、機能位置にある可動式被覆役物で前方が覆われていない領域に(ほぼ)露出することなく、前装飾部403によって前方を覆われる領域(一般被覆領域)に移動することができる(移動に際しての露出時間が極力短くなる)ように構成されることが望ましい。
尚、前装飾部403によって前方を覆われる領域(一般被覆領域)にも、進路変更手段(例えば、案内台446)を設けることによって、一般被覆領域及び特定被覆領域における遊技球の挙動がより把握し難くなり、これら被覆領域に進入した遊技球と、被覆領域から排出された遊技球との対応関係を分かり難くすることができる。従って、被覆領域に進入した遊技球が始動入賞装置(第2始動入賞装置33b)に入球したのかもしれないし、入球していないのかもしれないといった状況をより多く作り出すことができる。さらに、前装飾部403によって前方を覆われる領域(一般被覆領域)に疑似入賞検知スイッチ445を設けることで、遊技性及び演出性の向上を図ることができる。
(i;疑似保留アイコンの態様)
(i−1)上記実施形態において、疑似保留アイコン466、及び、仮保留アイコン464の態様については特に限定されるものではなく、機種毎に適宜変更可能である。例えば、図53に示すように、疑似入賞検知スイッチ445、又は、第2始動入賞スイッチ224bの検知に基づいて、浮き輪型の疑似保留アイコン466、又は、仮保留アイコン464が、装飾図柄表示装置42において、保留表示エリア462よりも右方位置に出現し、左方の保留表示エリア462に向けて移動していく(転がっていく)表示が開始される。そして、第2始動入賞スイッチ224bの検知である場合には、仮保留アイコン464が保留表示エリア462の規定位置に到達して止まることで本保留アイコン463としての表示態様に切替わり、疑似入賞検知スイッチ445の検知である場合には、疑似保留アイコン466が、保留表示エリア462の規定位置に到達しても止まることなく、そのまま装飾図柄表示装置42の表示領域外に消えるような表示が行われるように構成してもよい。
尚、本保留アイコン463に関しても、所定の動きがあるような態様としてもよい。例えば、本保留アイコン463を構成するキャラクタが手を振る、表情を変える等の保留表示エリア462から抜け出さない程度の動作をするように構成してもよい。加えて、疑似保留アイコン466自体が動作しているような場合には、その動きが繋がるように本保留アイコン463が表示されることで仮保留アイコン464が本保留アイコン463に切替わったことを遊技者に認識させ易くすることができる。但し、動作の大小のみによって、仮保留アイコン464及び疑似保留アイコン466と、本保留アイコン463との差別化を図る場合には、その程度によって差が分かり難くなることが懸念されることから、さらに、形状、模様、色相等の態様を変化させて、差別化を図ることが望ましい。
尚、疑似入賞検知スイッチ445を利用した始動入賞が行われたか否かの演出を堪能させるといった観点からすれば、前装飾部403で前方が覆われる遊技領域に少なくとも1つの始動入賞装置(第2始動入賞装置33b)と、疑似入賞検知スイッチ445とが存在していればよく、かかる領域に配置されるその他の構成や、始動入賞装置(第2始動入賞装置33b)を開閉式にする構成等は省略することも可能である。
(i−2)また、例えば、図54に示すように、保留アイコンとして雪だるま751が採用され、疑似入賞検知スイッチ445、又は、第2始動入賞スイッチ224bの検知に基づいて、保留表示エリア462の上方から雪等が降ってくる表示が開始されるとともに、保留表示エリア462の所定位置に疑似保留アイコン、又は、仮保留アイコンとしての作成中の雪だるま752が表示され、次第にでき上がっていくといったような構成としてもよい。
さらに、例えば、疑似保留アイコン466、及び、仮保留アイコン464とともに、疑似保留アイコン466、及び、仮保留アイコン464の前方に表示される付加表示としても、機種毎に設定される保留アイコン461のモチーフに応じて適宜変更可能である。例えば、舞台の幕のような付加表示、作業をしている最中の(例えば、疑似保留アイコン466の周りに作業足場を設置して作業員が作業を行っている)ような付加表示を行うこととしてもよい。尚、泡表示467等の付加表示を省略することも可能である。
これらの構成を採用することで、疑似保留アイコン466や仮保留アイコン464の態様が確定していない、ひいては、疑似保留アイコン466や仮保留アイコン464に更なる変化の可能性があるといった印象を強く与えることができる。従って、疑似保留アイコン466や仮保留アイコン464を本保留アイコン463と勘違いすることに起因するトラブル(保留があるのに変動表示が開始されない、或いは、保留が消えてしまった等)の発生を抑制することができる。
(j;入賞履歴)また、例えば、第1始動入賞スイッチ224aの検知履歴(各検知の時間)、第2始動入賞検知スイッチの検知履歴(各検知の時間)、及び、疑似入賞検知スイッチの検知履歴(各検知の時間)をそれぞれ記憶可能な検知履歴記憶手段を設け、検知履歴記憶手段の記憶情報を出力可能に構成してもよい。例えば、検知履歴記憶手段は、サブ制御装置262、又は、サブ制御装置262と電気的に接続される制御装置において設けられ、ホール関係者による所定の操作が行われた場合に、サブ制御装置262が検知履歴記憶手段の記憶情報を読み出して、それを装飾図柄表示装置42において表示可能に構成してもよい。さらには、パチンコ機10が設置される遊技ホールのホールコンピュータに対しても、検知履歴記憶手段に記憶される情報と同じ情報が出力されるように構成してもよい。
この場合、例えば、遊技者が疑似保留アイコン466を本保留アイコン463と勘違いすること等によって万一トラブルが発生した場合に、事情説明等に際してのデータが確実に得られることとなり、前記トラブルがこじれてしまうといった事態を回避することができる。
(k;疑似保留アイコンの消去)上記実施形態における疑似保留アイコン466の消去条件は特に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、疑似保留アイコン466が表示されている状態において、第1始動入賞スイッチ224a又は第2始動入賞スイッチ224bの検知が行われた場合に、疑似保留アイコン466に代えて、仮保留アイコン464又は本保留アイコン463が表示されるように構成されているが、第1始動入賞スイッチ224a又は第2始動入賞スイッチ224bの検知が行われたとしても(疑似保留アイコン466の数を加味しても、保留上限に達しない場合には)引き続き疑似保留アイコン466が表示され続けるように構成してもよい。
また、変動表示が1つも保留されていない状態でも疑似保留アイコン466が表示されるように構成したり、保留のシフト処理が1回行われただけでは、疑似保留アイコン466が消去されないよう構成したりしてもよい。この場合、保留表示エリア462において、疑似保留アイコン466のみが表示される状況が発生する可能性があるため、これに対応して、仮保留アイコン464のまま対応する変動表示が開始されるタイミングに至る場合もあるように構成する。さらには、疑似保留アイコン466又は仮保留アイコン464のまま変動表示の開始のタイミングに至った場合の演出(例えば、泡表示467が大きくなってから消えた場合に、保留アイコン461が残っているか(本保留アイコン463が表示されているか)否かといった演出)を行うことが望ましい。
さらに、装飾図柄表示装置42の保留表示エリア462に一度に表示される保留アイコン461(本保留アイコン463、仮保留アイコン464)と、疑似保留アイコン466とを足した数が、変動表示の保留上限(上記実施形態では8個)を超えた数となってもよい。加えて、遊技者の所定の操作に基づいて、疑似保留アイコン466が消去されたり、仮保留アイコン464が本保留アイコン463に変化したり、かかる変化を促す、或いは、かかる変化を伴う演出が導出されるように構成したりすることとしてもよい。
(l;保留アイコン)上記実施形態では、装飾図柄表示装置42において、第1始動入賞装置33a及び第2始動入賞装置33bのどちらへの入球に基づく変動表示なのかを教示しない構成となっているが、例えば、保留アイコン461が第1変動表示及び第2変動表示のどちらに対応するものであるかの情報を有するような態様となる、或いは、そのような態様となる場合がある(所定の抽選に当選するなど所定条件が成立した場合、又は、遊技者の所定の入力操作が行われた場合、或いは、かかる入力操作が行われた状態において所定条件が成立した場合にかかる態様が導出される)ように構成してもよい。
さらに、上記実施形態では、装飾図柄表示装置42において、最大で8個の保留アイコン461を表示可能に構成されているが、例えば、特別表示装置43L、43Rの変動表示が合計で5つ以上保留されている場合であっても、装飾図柄表示装置42では保留アイコン461が最大で4つまでしか表示されないように構成してもよい。また、例えば、保留アイコン461を変動表示の保留数の上限と同じ数(上記例では8つ)だけ表示可能にする場合や、疑似保留アイコン466を含めると、それ以上の数を表示可能にする場合において、保留アイコン461の表示スペース(保留表示エリア462)の縮小化を図るべく、例えば、先に消化される4つの保留アイコン461が、後に消化される保留アイコン461よりも大きく表示されるように構成してもよい。また、後に消化される保留アイコン461の態様については、保留の数が把握可能な程度の簡略化されたような態様となるように構成してもよい。
(m;疑似入賞検知スイッチ)上記実施形態では、疑似入賞検知スイッチ445は、第1始動入賞装置33a及び第2始動入賞装置33bの下流側に設けられているが、第1始動入賞装置33a及び第2始動入賞装置33bの上流側に設けられてもよいし、第1始動入賞装置33a及び第2始動入賞装置33bのうち一方の下流側、かつ、他方の上流側に設けられてもよい。また、疑似入賞検知スイッチ445が第1始動入賞装置33aや第2始動入賞装置33bの上流側にある場合には、疑似入賞検知スイッチ445で検知された遊技球が第1始動入賞装置33aや第2始動入賞装置33bに入球可能に構成されていてもよいし、入球不可能(例えば、疑似入賞検知スイッチ445を通過した遊技球が第1始動入賞装置33aや第2始動入賞装置33bに入球しない場所に案内されたり、疑似入賞検知スイッチ445が被覆領域に設けられた入賞口、又は、アウト口に設置される、或いは、かかる入賞口、又は、アウト口へ入球した遊技球を検知する検知スイッチを兼ねるように構成されたりする等)に構成されていてもよい。特に、疑似入賞検知スイッチ445が被覆領域に設けられた入賞口、又は、アウト口に設置される構成を採用する場合、始動入賞ユニット401に進入した遊技球が始動入賞装置33a、33bに入賞したのか否かについてより分かり難くなる。
(n;可動式の前装飾部)上記実施形態では、前装飾部403が遊技盤30に対して相対変位不可能に設けられているが、相対変位可能に設けることとしてもよい。例えば、図52に示すように、前装飾部761の後面側に対して、回転軸762を取付け、該回転軸762を装飾駆動手段としてのモータ763で回動可能に構成してもよい。また、モータ763は、第1始動入賞スイッチ224a又は第2始動入賞スイッチ224bの検知に基づいて駆動するように構成してもよい。
この場合、前装飾部761の動作で、第1始動入賞装置33a又は第2始動入賞装置33bへの遊技球の入球を察知することができるため、第1始動入賞装置33a又は第2始動入賞装置33bへ遊技球が直接入球する様子を確認しなくても、比較的安心感を持って遊技を進行させていくことができる。結果として、当否抽選の結果を教示する演出等により注意を傾けることができる。
また、例えば、第1始動入賞スイッチ224a及び第2始動入賞スイッチ224bのどちらの検知であっても、前装飾部761を同様の態様で変位可能に構成されていることとしてもよい。さらに、疑似入賞検知スイッチ445の検知が行われ、疑似保留アイコン466が表示されることとなる場合にも、モータ763が駆動し得るように構成してもよい。この場合、前装飾部761の動作態様によって、疑似保留アイコン466が、仮保留アイコン464(本保留アイコン463)ではないことを即座に把握されてしまうといった事態を回避することができる。
また、図52の回転軸762は、前装飾部761に取付けられる部位と、モータ763の駆動軸764に取付けられたピニオン765と噛み合わされるギア766が取付けられた部位とが、弾性手段としてのコイルばね767によって連結されている。このため、前装飾部761は、モータ763の非駆動状態においても、前装飾部761への遊技球の接触に基づいて変位可能に構成されている。
このため、前装飾部761の動作に面白味を付加することができる。さらに、前装飾部761に遊技球が衝突しただけで前装飾部761が変位することから、初心者の遊技者に対しては、ほぼ常に遊技球が始動入賞装置33a、33bに入球したのではないかと期待感が持てるようにすることができる。
尚、前装飾部761をモータ763で変位可能に構成するとともに、モータ763を駆動させなくても、遊技球の衝突によって変位可能とする構成については特に限定されるものではない。例えば、モータ763の非駆動状態では、モータ763と前装飾部761とを連動させるリンク機構(ピニオン765とギア766)が噛み合っていない状態とされるとともに、モータ763の非駆動状態では、前装飾部761は、弾性体によって支持されるように構成されていることとしてもよい。尚、コイルばね767への負担軽減を図るべく、例えば、回転軸762のうち、前装飾部761に取付けられる部位や、前装飾部761の外周縁を支持する軸受部を設けることが望ましい。
また、例えば、前装飾部761が動作してもその他の構成に影響が出ないように、前装飾部761の後面に当接又は近接させるようにしてパネルを設置する(該パネルに軸受部438等を形成する)ことが望ましい。さらに、前装飾部を複数枚重ねるようにして設け、別々の動作を行い得るように(例えば、各前装飾部に対して異なる絵が描いてあって、相対位置が変化することで、正面から見える柄も変化するように)構成してもよい。例えば、常時動作する前装飾部が存在する場合には、その後方を移動する遊技球の挙動がより視認し難くなる。また、例えば、複数の前装飾部の位置の組合わせで所定の情報を示唆・教示するように構成することも可能である。
(o;入賞効果音)上記実施形態では特に言及していないが、例えば、第1始動入賞スイッチ224aの検知に対応する第1入賞効果音と、第2始動入賞スイッチ224bの検知に対応する第2入賞効果音と、第1入賞効果音及び前記第2入賞効果音に近い混同入賞効果音とを発生可能に構成し、第2始動入賞スイッチ224bの検知に基づいて、第2入賞効果音又は混同入賞効果音を発生させるとともに、(疑似保留アイコン466の表示に繋がる場合の)疑似入賞検知スイッチ445の検知に基づいて、混同入賞効果音を発生させるように構成してもよい。尚、これらの効果音を発生させるサブ制御装置262等の機能が効果音発生手段を構成する。
この場合、始動入賞装置33a、33bを直接視認していなくても、効果音によって、始動入賞装置33a、33bへの遊技球の入球を確認することができ、よりスムースに遊技を進行させることができる。また、疑似入賞検知スイッチ445の検知に基づいて、混同入賞効果音を発生可能に構成することによって、疑似保留アイコン466が表示されても、効果音が伴わなかったため、仮保留アイコン464(本保留アイコン463)ではないことを即座に判別されてしまうといった事態を抑止することができる。
さらに、混同入賞効果音は、第2始動入賞スイッチ224bの検知が行われた場合にも導出される可能性がある。従って、効果音の違いによって、疑似保留アイコン466が表示されても、効果音が伴わなかったため、仮保留アイコン464(本保留アイコン463)ではないことを即座に判別されてしまうといった事態を回避することができる。結果として、第2始動入賞装置33bに遊技球が入球したかもしれないといった演出をよりリアルなものとすることができる。
尚、混同入賞効果音は、第1入賞効果音及び第2入賞効果音とは別に作成してもよいし、第1入賞効果音及び第2入賞効果音を同時に出力することで構成してもよい。また、第1始動入賞スイッチ224aの検知に基づいて、第1入賞効果音又は混同入賞効果音を発生させるよう構成してもよい。加えて、疑似入賞検知スイッチ445の検知に基づいて導出される混同入賞効果音が疑似入賞態様を構成する。
さらに、例えば、第1始動入賞スイッチ224aの検知回数を計数する第1始動入球計測カウンタと、第2始動入賞スイッチ224bの検知回数を計数する第2始動入球計測カウンタとを備え、サブ制御装置262は、所定期間あたりの第1始動入賞スイッチ224aの検知回数と、第2始動入賞スイッチ224bの検知回数との比較を行い、第2始動入賞スイッチ224bの検知回数に対する第1始動入賞スイッチ224aの検知回数の割合が規定数値以下の場合に、第2始動入賞スイッチ224bの検知に基づいて、混同入賞効果音を発生させるように構成してもよい。
この場合、第1始動入賞装置33aに遊技球があまり入球していないといった印象を遊技者に与えてしまうといった事態を抑制することができる。尚、サブ制御装置262の所定期間あたりの第1始動入賞スイッチ224aの検知回数と、第2始動入賞スイッチ224bの検知回数との比較を行う機能が入球割合判別手段を構成する。
また、例えば、羽根部材37が開位置へと変位する場合にも効果音を付ける(大当たり状態中や装飾図柄表示装置42におけるリーチ演出中等は除外、或いは、ボリュームを下げる等してもよい)ように構成してもよい。態様例としては、羽根部材37が開位置へと変位する場合には、第1羽根開放時効果音、及び、第2羽根開放時効果音のどちらかが導出され、羽根部材37が閉位置に維持される状態で疑似羽根部材431のみが単独で機能位置へと変位する場合には第2羽根開放時効果音が導出されるように構成してもよい。尚、疑似羽根演出における疑似羽根部材431の動作に伴う効果音は別途設定される。
(p)上記実施形態において、第1始動入賞スイッチ224aの検知、第2始動入賞スイッチ224bの検知、又は、疑似入賞検知スイッチ445の検知に基づいて、始動入賞装置33a又は33bへの遊技球の入球を示唆する示唆表示を、始動入賞ユニット401、及び、普通図柄表示装置41以外の場所で行うように構成してもよい。例えば、所定の発光手段(センターフレーム47に内蔵されている発光手段や前面枠セット14の環状電飾部102)を発光させたり、装飾図柄表示装置42の保留アイコン461をより派手に登場させたり、装飾図柄表示装置42において、小さめのキャラクタが登場する、或いは、元々導出させることが予定されていた態様(表示や効果音等)をそのタイミングで導出させたりするように構成してもよい。この場合、かかる表示を当てにして始動入賞装置33a、33bへの遊技球の入球する様子を見ない、或いは、かかる表示を視認したいがために、あえて始動入賞ユニット401は見ないといった機会を増やすことができる。従って、始動入賞装置33a、33bへの遊技球の入球の具合を気にすることなく、遊技を進行してもらうといった作用効果がより一層奏されることとなる。
(q;近接検知センサ)上記実施形態において、装飾図柄表示装置42の複数箇所への物体の近接又は当接を検知可能であり、サブ制御装置262の入出力ポート554に接続される近接検知手段(例えば、発光部及び受光部を有する近接検知センサやタッチパネル等)を設けることとしてもよい。例えば、装飾図柄表示装置42の保留表示エリア462に表示された疑似保留アイコン466又は仮保留アイコン464に対し、遊技者が指等を近接させた場合に、かかる指等の検知に基づいて、近接が検知された対象が疑似保留アイコン466であればそれを消去し、近接が検知された対象が仮保留アイコン464であれば、本保留アイコン463に切替表示可能に構成してもよい。この場合、保留アイコン461への関心を向上させたり、始動入賞装置33a、33bに遊技球が入球したかもしれないといった演出(疑似保留等)に対する親近感をより高めたりすることができる。
(r)上記実施形態において、パチンコ機10と、遊技機メーカー等が運営するサーバとの間で、遊技者の所有する通信携帯端末等を介して、データのやりとり(所謂、モバイル連動遊技)を行えるように構成してもよい。さらに、モバイル連動遊技を終了させる場合に、今回の遊技情報を含む2次元コードを装飾図柄表示装置42に表示させ、遊技者がかかる2次元コードを携帯通信端末で読取るとともに、該携帯通信端末でサーバにアクセスすることで、前記遊技情報がサーバに送信される構成において、パチンコ機10は、第1始動入賞装置33aへの入球数をカウントする第1入球カウンタと、第2始動入賞装置33bへの入球数をカウントする第2入球カウンタと、疑似入賞検知スイッチ445の検知回数をカウントする疑似入球カウンタとを備え、モバイル連動遊技の終了に際して装飾図柄表示装置42で表示される2次元コードに、第1入球カウンタの値と、第2入球カウンタの値と、疑似入球カウンタの値とを示す情報が含まれるように構成されていることとしてもよい。さらには、遊技球の発射総数の情報についても、該2次元コードに含ませることとしてもよい。この場合、遊技機メーカー側で、各始動入賞装置33a、33bへの入球の具合を把握することができる。
尚、第1入球カウンタの値と、第2入球カウンタの値と、疑似入球カウンタの値は、2次元コード化されることで消去され、それ以外は(電源が落とされたとしても)蓄積されることとしてもよい。また、疑似羽根部材431の挙動パターンの傾向について、(モバイル連動遊技を行っている遊技者に関し、)遊技者が数種類のうちから選択することが可能に構成してもよい。
(s)上記実施形態では、第1始動入賞装置33aの下方に第2始動入賞装置33bが配置されるように構成されているが、例えば、左右横並びに配置されるように構成してもよい。また、上記実施形態において、前装飾部403によって第1始動入賞装置33a及び第2始動入賞装置33bの前方を覆うだけでなく、別の入賞装置等(例えば、可変入賞装置32やスルーゲート34)を覆うように構成してもよい。加えて、上記実施形態において、始動入賞装置33a、33b、可変入賞装置32、スルーゲート34の数等は特に限定されるものではなく、機種毎に設定可能である。例えば、可変入賞装置32を2つ設けたり、始動入賞装置33a、33bやスルーゲート34を3つ以上設けたりすることとしてもよい。
さらに、上記実施形態の第2始動入賞装置33bは、中心軸が前後方向に延びる左右一対の羽根部材37を備えているが、例えば、可変入賞装置32のように、中心軸が左右方向に延びるシャッタを回動変位させることで、第2始動入賞装置33bを開状態と閉状態とに変化させるように構成してもよい。当該構成を採用する場合、例えば、シャッタを、前側の疑似シャッタ(例えば前面側に装飾)と、後方の本シャッタ(例えば透明板状)との2枚構造としてもよい。さらに、かかる構成を採用する場合、疑似羽根シャッタの上辺部型後方に突出し、疑似羽根部材が機能位置とされた場合に、開位置にある羽根部材37の前縁部を前方から覆う折返し部が設けられるように構成してもよい。尚、第2始動入賞装置33bについても、第1始動入賞装置33aのように、常に遊技球を入球可能としたり、羽根部材37を省略したりすることも可能である。
また、上記実施形態では、第1始動入賞装置33aに遊技球が入球した場合に払い出される遊技球(賞球)の数と、第2始動入賞装置33bに遊技球が入球した場合に払い出される遊技球の数とが同じに設定されているが、異なるように設定してもよい。例えば、上記実施形態のように、第2始動入賞装置33bの方に遊技球が入球し易い構成において、第1始動入賞装置33aに対応する賞球の方が多くなるように構成してもよい。
(t)上記実施形態において、払出装置358(図5参照)から、払出通路68(図3参照)を介して、上皿19等の球受皿に遊技球が払出されるタイミングを前後させることができる払出時間調節手段を設けることとしてもよい。この場合、疑似羽根部材431や疑似保留アイコン466等を設けたとしても、始動入賞装置33a、33bに遊技球が入球することに基づく遊技球の払い出し(賞球)の有無によって、始動入賞ユニット401(前装飾部403裏面側の被覆領域)に進入した遊技球が始動入賞装置33a、33bに入球したのか否かが(疑似保留アイコン466又は仮保留アイコン464のどちらなのかが教示される前に)把握されてしまうといった事態を抑制することができる。
態様例としては、図55に示すように、払出装置358と上皿19との間を連通させる払出通路68の一部を構成する払出時間調節手段791は、左右方向(前後方向でも可)において蛇行して延びる第1通路としてのメイン通路792と、メイン通路792の所定の位置(第1位置)と、それよりも下流側の位置(第2位置)との間を比較的短距離でつなぐようにして設けられる第2通路としてのバイパス通路793と、メイン通路792とバイパス通路793との連結部(バイパス通路793の入口)に設けられ、遊技球をメイン通路792に案内する閉状態(第1案内状態)と、遊技球をバイパス通路793に案内する状態第2案内状態との間で切替可能な切替手段としてのシャッタ794とを備えている。また、払出装置358によって払出された遊技球がメイン通路792を経由して(バイパス通路793を経由せずに)上皿19(上皿19が遊技球で満杯の場合には下皿15)に払出される場合に要する第1時間よりも、払出装置358によって払出された遊技球がバイパス通路793を経由して上皿19に払出される場合に要する第2時間の方が短くなっている。
そして、例えば、遊技球が比較的頻繁に払出される大当たり状態や確変モードにおいてはシャッタ794を開け、少しの遊技球の払出しでも比較的気付き易い通常モードにおいては、基本的にシャッタ794を閉める(閉め続けるのでなく適宜開く)ように構成してもよい。この場合、上皿19等に払い出された遊技球が、いつの、どの入賞装置への入球に対応するものであるのかの判断が難しくなり、遊技球の払出しによって、始動入賞装置33a、33bへの入賞を推測されるといった事態を抑制することができる。
また、かかる払出時間調節手段791を利用して、各種演出を行うことも可能である。さらに、かかる構成を採用する場合、演出ボタン125等の操作に基づいて、シャッタ794を開状態とするように構成してもよい。例えば、ラウンド数が異なる複数の大当たり種別があり、基本的にシャッタ794は閉状態とされ、前のラウンドでの可変入賞装置32への入賞に対応して払出される遊技球は、蛇行したメイン通路792を流下するとともに、ラウンドが継続する場合には、遊技者による演出ボタン125の操作に基づいて、シャッタ794が開放される(そして、上皿19に遊技球が一気に払出される)ように構成してもよい。この場合、遊技者自身の操作で遊技球を払出させているという爽快感を付与することができ、結果として、興趣の向上を図ることができる。
加えて、特別表示装置43L、43R(装飾図柄表示装置42)の変動表示が保留記憶されていない状態では、シャッタ794が閉状態において維持されるように構成してもよい。この場合、遊技球が上皿19に払出される前に、遊技者が遊技を止めて席を離れてしまうといった事態を抑制することができる。
尚、払出時間調節手段791の構成については特に限定されるものではなく、例えば、蛇行して延びる第1通路と、第1通路に併設され、略直線状に延びる第2通路と、払出装置358から払出された遊技球を第1通路に案内する第1案内状態と、払出装置358から払出された遊技球を第2通路に案内する第2案内状態との間で切替え可能な切替弁とを具備するように構成してもよい。また、払出装置358によって払出された遊技球が払出通路を経由して上皿19に払出される場合に要する時間は、払出通路の距離だけでなく、角度や形状(コース)等によっても変化する。
(u)上記実施形態において大当たり確率や、大当たり種別の数や、各種大当たり種別の可変入賞装置32の開閉パターン等は特に限定されるものではなく、機種ごとに適宜設定可能である。例えば、可変入賞装置32が「2RS」の大当たり状態と同様の動作をするとともに、大当たり状態終了後に「通常モード」が付与される大当たりを設定してもよい。また、上記実施形態では、「2RS」の大当たり状態終了後に「確変モード」が付与されるが、それに代えて、低入球状態、かつ、高確率状態であり、さらに、装飾図柄表示装置42においては、高確率状態及び低確率状態のうちどちらであるのかについても教示されない「潜確モード」が付与されるように構成してもよい。
尚、装飾図柄表示装置42において、出玉有りの確変大当たり(15RS)に当選したことについての教示が、遅くとも対応する大当たり状態が終了するまでの間に必ず行われるように構成してもよいし、対応する大当たり状態が終了しても行われない(内部的に確変モードである場合でも、装飾図柄表示装置42では、時間短縮モードと同じ引き戻しステージに移行し、時間短縮モードにおいて特別表示装置43L、43Rの変動表示が時間短縮モードの上限回数(100回)を超えた場合に、確変ステージに移行するように構成してもよい。
加えて、上記実施形態では、当否抽選での当選確率が変動する構成となっているが、当選確率が変動せず(一定であり)、大当たり状態終了後に付与される高入球状態の期間(変動回数)が複数パターン用意されているパチンコ機に上記構成を適用してもよい。さらに、第1始動入賞装置33a(及び第2始動入賞装置33b)への入球に基づく当否抽選において、可変入賞装置32が「2RS」の大当たり状態と同様の動作をする一方で、遊技モードは変化しない「小当たり」に当選する場合があるように構成してもよい。
また、入球サポート抽選における当選確率や、当選した場合の第2始動入賞装置33bの開閉パターン等についても、機種毎に適宜設定可能である。例えば、第2始動入賞装置33bへの1回の開放における遊技球の入賞上限を設定することとしてもよい。より具体的には、第2始動入賞装置33bへの遊技球の入球が入賞上限となるまでの数をカウントする始動入賞上限カウンタを設け、第2始動入賞スイッチ224bの検知が行われた場合に(例えば、始動入賞処理のステップS503の後に)、始動入賞上限カウンタの値を1減算する処理を行い、第2始動入賞装置33bを開放する場合に(例えば、普図判別情報設定処理のステップS2405及びステップS2407の後に、始動入賞上限カウンタに対して、入賞上限に対応する値を設定し(例えば、入賞上限が1個であれば1を設定する)、第2始動入賞装置33bの開状態中において、閉状態とするタイミングが未だ到来していない場合(例えば、始動入賞装置制御処理のステップS2204で否定判別された場合)に、始動入賞上限カウンタの値が「0」になったか否かを判別し、否定判別された場合には、そのまま始動入賞装置制御処理を終了する一方で、肯定判別された場合には、直ちに第2始動入賞装置33bを閉状態とする処理(ステップS2205)に移行する。また、第2始動入賞装置33bが複数回開放される権利を得ている場合に行われる処理(例えば、ステップS2218の後)に際しても、始動入賞上限カウンタに対して、入賞上限に対応する値を設定する(例えば、入賞上限が1個であれば1を設定する)。
(v)上記実施形態では、第1始動入賞装置33aへの遊技球の入球に基づく第1変動表示、及び、第2始動入賞装置33bへの遊技球の入球に基づく第2変動表示のどちらであるかに関係なく、第1始動入賞装置33a及び第2始動入賞装置33bへの遊技球の入球順に、対応する変動表示が保留され、先に保留された変動表示から順に消化されるように構成されているが、特にかかる構成に限定されるものではない。例えば、既に保留されている第1変動表示よりも後に保留された第2変動表示が、前記第1変動表示よりも先に消化されるといった具合に、保留された順番を前後するようにして、第2変動表示が第1変動表示よりも優先的に消化されるよう構成してもよい。
さらに、上記実施形態では、第1始動入賞装置33aへの入球に基づいて行われた当否抽選にて大当たりに当選した場合と、第2始動入賞装置33bへの入球に基づいて行われた当否抽選にて大当たりに当選した場合とで、付与され得る大当たり種別の振分け割合が同一となるように構成されているが、第1始動入賞装置33aに遊技球が入球した場合に行われる当否抽選と、第2始動入賞装置33bに遊技球が入球した場合に行われる当否抽選とで別々の大当たり種別テーブルが参照され、大当たり種別の振分けが異なるように構成してもよい。例えば、第2始動入賞装置33bへの入賞に基づく当否抽選にて大当たりに当選した場合には、第1始動入賞装置33aへの入賞に基づく当否抽選にて大当たりに当選した場合に比べて、出玉有り大当たりとなる割合が高くなったり、確変モード(潜確モードではない)が付与される大当たりとなる割合が高くなったりするように(高確率状態が付与される割合は同じ)構成してもよいし、第2始動入賞装置33bへの入賞に基づく当否抽選にて大当たりに当選した場合に、第1始動入賞装置33aへの入賞に基づく当否抽選にて大当たりに当選した場合では選択され得ない種別の大当たりが付与され得るように構成してもよい。
加えて、上記実施形態では、第1始動入賞装置33aへの入球があった場合と、第2始動入賞装置33bへの入球があった場合とで、遊技者に付与される賞球の数が異なるように構成されているが、同一となるように構成してもよい。
(w)上記実施形態では、主制御装置261にてメイン処理(図9参照)の後、通常処理(図10参照)を行う構成となっているが、特にこのような構成に限定されるものではない。例えば、メイン処理のステップS111の後に、上記実施形態で通常処理のステップS209〜ステップS218で行われていたカウンタ値の更新等の処理を行い、例えば、2msec毎に行われるタイマ割込み処理において、上記実施形態で通常処理のステップS201〜ステップS208で行われていた処理と、上記実施形態でNMI割込み処理として行われていたステップS401の処理とを行うこととしてもよい。尚、この場合のステップS401の処理としては、例えば、CPU501のNMI端子に停電監視回路542から停電信号SK1が出力されたか否かを判定し、停電信号SK1の出力が確認された場合に、停電の発生を示すフラグをオンにする構成が挙げられる。また、ステップS401の処理に関しては、上記実施形態と同様に、NMI割込み処理として別途行うこととしてもよい。
(x)上記実施形態では、当否乱数カウンタC1の値を記憶する当否乱数記憶エリアに対して大当たり状態が発生するか否かの情報が上書きされる構成となっているが、特にこのような構成に限定されるものではない。例えば、特別変動保留エリアの実行エリア及び各保留エリアに対して当選乱数記憶エリアとは別に、大当たり状態が発生するか否かの情報を記憶する記憶エリアを設けることとしてもよいし、特別変動保留エリアとは別に、特別変動保留エリアの実行エリア及び各保留エリアに個別に対応する記憶エリアを設け、当該記憶エリアに大当たり状態が発生するか否かの情報を記憶することとしてもよい。尚、種別決定カウンタC2の値を記憶する当選種別乱数記憶エリアとは別に、大当たりの種別を記憶する記憶エリアを設けることとしてもよいし、変動選択カウンタC3の値を記憶するリーチ乱数記憶エリアとは別に、リーチ情報を記憶する記憶エリアを設けることとしてもよい。また、上記実施形態において、特別図柄の変動表示の開始時に、当否乱数カウンタC1の値が当選に対応する値であるか否か等を再度確認し、当該確認処理の結果(当否フラグ等の状態)に応じて変動表示のパターン等が決定されるように構成してもよい。
(y)上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機として実施してもよい。例えば、遊技領域を移動する遊技球が入球可能な特定領域と、特定領域への入球を許容する開状態と、特定領域への入球を禁止する閉状態とに変化可能な可動手段(羽部材)とを具備する可変入球手段と、特定領域に入球した遊技球が入球可能な特定入球手段及び非特定入球手段と、特定入球手段に入球した遊技球を検知する特定入球検知手段(条件成立検出手段)と、特定領域の外部に設けられ、遊技領域を移動する遊技球が入球可能な特別始動手段と、特別始動手段に入球した遊技球を検知する特別始動検知手段と、可変入球手段の開閉制御を行う主制御手段とを備え、特定領域に遊技球が入球した場合には、当該遊技球が特定入球手段及び非特定入球手段のどちらに入球する場合であっても遊技者に所定数の遊技価値(遊技球)が付与され、主制御手段は、特別始動検知手段の検知に基づいて、可変入球手段を第1時間だけ1回又は複数回開状態とさせる小当たり状態、又は、可変入球手段を前記第1時間よりも長い第2時間開状態とさせる、又は、開状態とされた可変入賞手段に規定個数の遊技球が入球するまでを1ラウンドとして、これを規定回数繰り返す大当たり状態を発生させるか否かの当否抽選を行い、当否抽選にて小当たりに当選した場合には小当たり状態を発生させ、当否抽選にて大当たりに当選した場合、及び、特定入球検知手段の検知があった場合には大当たり状態を発生させるといった遊技機に適用してもよい。
[付記]
上記実施形態から把握できる技術的思想について、以下に記載する。
A.遊技機の一種としてパチンコ機がある。パチンコ機では、発射手段によって打ち出された遊技球が遊技盤に設けられた始動入賞手段に入球すると、当たり状態を発生させるか否かの当否抽選が行われるとともに、可変表示手段にて当否抽選の結果を教示するための変動表示が行われるようになっている(例えば、特開2006−271480号公報参照)。
また、始動入賞手段として、例えば、常に遊技球を入球させることが可能な第1始動入賞手段と、所定の開放抽選にて当選した場合にのみ遊技球を入球させることが可能な第2始動入賞手段とを備える構成において、前記開放抽選にも当選せず、さらに、第1始動入賞手段にも遊技球を入球させ難いとなると、遊技をスムースに進行させることが比較的困難になるとともに、遊技機に対するイメージが悪化し、遊技意欲を著しく低下させることが懸念される。
これに対し、例えば、第1始動入賞手段と、第2始動入賞手段とを近くに配置するとともに、第2始動入賞手段が開放される機会を増やすことで、たとえ、第1始動入賞手段には遊技球が入球し難くなっていても、第2始動入賞手段には遊技球が入球し易くなり、全体として始動入賞手段への入球し易さが低下することを回避できるような構成を採用することが考えられる。
しかしながら、一般に、パチンコ機では、常に遊技球を入球させることのできる第1始動入賞手段を狙って遊技球を打ち出すという遊技が基本となっている。このため、遊技球が第1始動入賞手段に入球し易いか否かについての印象は、遊技者にとって強くなる傾向にある。従って、いくら、第2始動入賞手段への入球し易さが向上することによって、遊技球を第1始動入賞手段へ入球させ難くなった分を補填できている(たとえ第1始動入賞手段への遊技球の入球し易さが低下したとしても、第1及び第2始動入賞手段への全体としての遊技球の入球し易さとしては、遜色がない、或いは、むしろ向上する)としても、依然として、遊技球を第1始動入賞手段へ入球させ難く、(ほぼ)入球しないといった状態が繰り返される場合には、遊技機や、遊技機が設置される遊技ホール等に対する印象が悪化してしまうことが懸念される。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、その目的は、第1始動入賞手段への遊技球の入球し易さが低下することに起因した印象の悪化を抑制することのできる遊技機を提供することにある。
手段A−1−a.遊技球を発射させる発射手段と、
遊技盤の前面側に設けられ、前記発射手段により発射された遊技球が案内される遊技領域と、
前記遊技領域を移動する遊技球が入球可能な第1始動入賞手段と、
前記遊技領域を移動する遊技球が入球可能な開状態と、入球不可能又は入球困難な閉状態との間で状態変化可能に構成され(、前記第1始動入賞手段よりも前記遊技領域の下流側に配置され)た第2始動入賞手段と、
前記第1始動入賞手段へ入球した遊技球を検知する第1始動入賞検知手段と、
前記第2始動入賞手段へ入球した遊技球を検知する第2始動入賞検知手段と、
前記第1始動入賞検知手段又は前記第2始動入賞検知手段の検知に基づいて、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させるか否かの当否抽選を行うとともに、当該当否抽選の結果に基づいて前記特別遊技状態を発生させる主制御手段とを備える遊技機であって、
前記遊技領域において前記遊技盤との間に遊技球が通過可能な距離を隔てて設けられ、少なくとも前記第1始動入賞手段及び前記第2始動入賞手段の前方をまとめて覆う前被覆手段を備えていることを特徴とする遊技機。
手段A−1−aによれば、第1始動入賞手段及び前記第2始動入賞手段の前方をまとめて覆う前被覆手段が設けられることによって、第1始動入賞手段や第2始動入賞手段の周りを移動する遊技球の視認性が比較的低下することとなり、ひいては、遊技球が第1始動入賞手段及び第2始動入賞手段のどちらに入球したのかについても分かり難くなる。従って、遊技球を発射させているのに当否抽選を受けることができない、といった遊技者がストレスを感じ易い時間帯が減少するようなバランスで第2始動入賞手段が開状態とされるように設定されている場合には、遊技者は、前被覆手段の裏側に遊技球を進入させてさえいれば、遊技球が第1始動入賞手段及び前記第2始動入賞手段のどちらかに入球し、当否抽選が受けられるといった感覚で遊技を進行させることが可能となる。つまり、たとえ、第1始動入賞手段への遊技球の入球率が低くても、第2始動入賞手段に比較的容易に遊技球が入球するのであれば、当否抽選がコンスタントに受けられるので、遊技を進行させる上で実質的な損失はなく、かつ、遊技球が第1始動入賞手段及び第2始動入賞手段のどちらに入球したのかについても視認し難くなるため、次第に、第1始動入賞手段に遊技球が入球し易いか否かについても気にならなくなる。結果として、たとえ第1始動入賞手段への遊技球の入球し易さが低下している場合であっても、そのことに起因した印象の悪化を抑制することができ、あまりストレスを受けることなく遊技を進行させることができる。
また、前被覆手段が設けられることによって第1始動入賞手段及び第2始動入賞手段の周辺部の一体感を高めることができる。つまり、前被覆手段を狙って遊技球を打ち出していれば、第1始動入賞手段及び前記第2始動入賞手段のどちらかに入球するのだという比較的分かり易い視認イメージとすることができる。また、第1始動入賞手段及び第2始動入賞手段をまとめて覆う前被覆手段においてよりダイナミックな装飾等を行うことができ、意匠性の向上等を図ることができる。
尚、前被覆手段は、第1始動入賞手段を覆う部位と、第2始動入賞手段を覆う部位とが一体的に形成(一体成形、或いは、別体だったものを合体)されてもよいし、別体で構成されたものを隣接配置させてもよい。また、「前記前被覆手段のうち少なくともその後方の遊技領域を遊技球が通過可能となっている部位(例えば、第1始動入賞手段及び第2始動入賞手段等の入賞手段の前方を覆っている部位以外の部位)においては透視性を有する(透明または半透明な材料で構成する、或いは、スリットを形成する等)ように構成されていること」としてもよい。この場合、初めて遊技を行う遊技者等が、前被覆手段の裏側で何が起きているか見えないことで不安になる等といった事態を解消することができる。また、例えば、前被覆手段を所定の情報を遊技者に教示するための場所として使用してもよい。例えば、前被覆手段に機種情報(機種名や当否抽選の確率等)を表示したり、イメージキャラクターなどを表示したりするように構成してもよい。加えて、「前被覆手段は遊技盤に取付けられていること」としてもよい。
手段A−1−b.前記第1始動入賞手段は、前記第2始動入賞手段よりも遊技領域の上流側に配置され、
前記遊技盤の前面に立設される遊技釘には、前記第1始動入賞手段の入賞口の左右両側部の上方において左右一対で設けられる命釘があり、当該一対の命釘の間を通過した遊技球が前記第1始動入賞手段へと入球する構成であって、
前記前被覆手段は、前記命釘の前方についても覆うように構成されていることを特徴とする手段A−1−aに記載の遊技機。
手段A−1−bによれば、遊技球が第1始動入賞手段に入球する様子をより視認し難くすることができる。従って、第1始動入賞手段に遊技球が入球したことの判断は、第1始動入賞手段に遊技球が入球した結果として導出される各種事柄に基づいて行ってもらうようにすることができる。結果として、第1始動入賞手段への遊技球の入球ペースにそれ程こだわらない遊技をより一層促すことができる。
手段A−2−a.前記第2始動入賞手段は、当該第2始動入賞手段への遊技球の入球を許容する開位置と、規制する閉位置との間で変位可能な羽根部材を備え、
前記前被覆手段は、少なくとも前記閉位置にある前記羽根部材の一部、及び、前記開位置にある前記羽根部材の一部の前方を覆うようにして設けられていることを特徴とする手段A−1に記載の遊技機。
手段A−2によれば、第2始動入賞手段は、羽根部材が開位置とされることで、遊技領域を移動する遊技球の入球を許容する開状態となり、羽根部材が閉位置とされることで、遊技球の入球を規制する閉状態となる。
尚、「前記第2始動入賞手段は、前記遊技領域を移動する遊技球を受けて、前記遊技領域の外部へと案内する球受部と、前記球受部の側方の前記遊技領域を移動する遊技球を前記球受部へと案内する開位置と、前記球受部の側方の前記遊技領域を移動する遊技球の前記球受部側への移動を規制する閉位置との間で変位可能な羽根部材とを備えること」としてもよい。また、前被覆手段によって、始動入賞手段の一部(例えば、遊技領域を移動する遊技球を受け入れて、遊技盤に形成された開口部側に案内する球受部の前壁)を構成することとしてもよい。
手段A−2−b.前記前被覆手段は、第1オブジェクトをかたどっている第1オブジェクト表示部を備え、
前記羽根部材(後述する手段A−3−bに対応しては、疑似羽根部材)は、第2オブジェクトをかたどっている第2オブジェクト表示部を備え、
前記羽根部材(手段A−3−bに対応しては、疑似羽根部材)が前記開位置(手段A−3−bに対応しては、機能位置)とされることで、前記第2オブジェクトが前記第1オブジェクトと合わせて第3オブジェクトをかたどる完成表示状態となり、
前記羽根部材(手段A−3−bに対応しては、疑似羽根部材)が前記閉位置(手段A−3−bに対応しては、待機位置)とされることで、前記第2オブジェクトの全体又は大部分が前記第1オブジェクトの後方に隠れる未完成表示状態となることを特徴とする手段A−2−aに記載の遊技機。
手段A−2−bによれば、前被覆手段に対して第1オブジェクト表示部を設けるとともに、羽根部材(後述する手段A−3−bに対応しては、疑似羽根部材)に対して、開位置となれば、第1オブジェクトと合わせて第3オブジェクトがかたどられる第2オブジェクトを表示する第2オブジェクト表示部を設けることで、羽根部材の動作に伴って一部が動作する第3オブジェクトに視線を集める一方で、前被覆手段の裏側の視認性を低下させたり、始動入賞手段に遊技球が入球する様子への遊技者の興味を低下させたりすることができる。従って、第1始動入賞手段への遊技球の入球し易さが低下することに起因した印象の悪化を抑制するといった作用効果がより一層奏されることとなる。
手段A−2−c.前記開位置にある前記羽根部材(手段A−3−bに対応しては、疑似羽根部材)は、その先端部が、前記前被覆手段の外周縁よりも外方に位置していることを特徴とする手段A−2−a又はA−2−bに記載の遊技機。
手段A−2−cによれば、羽根部材が開位置に変位したこと(手段A−3−bに対応しては、疑似羽根部材が機能位置に変位したこと)を認識し易くすることができる。
手段A−2−d−1.前記羽根部材の前方に配置され、前記開位置にある前記羽根部材の前方を覆う開時被覆手段と、前記閉位置にある前記羽根部材の前方を覆う閉時被覆手段とを備えていることを特徴とする手段A−2−aに記載の遊技機。
手段A−2−d−1によれば、閉位置及び開位置にある羽根部材が隠されることから、羽根部材が開位置及び閉位置のどちらにあるのかを把握し難くすることができる。
手段A−2−d−2.前記前被覆手段は、所定のオブジェクトをかたどっているオブジェクト表示部を備え、
前記オブジェクト表示部は、前記開位置にある前記羽根部材の前方を覆う前記開時被覆手段としての開時被覆部と、前記閉位置にある前記羽根部材の前方を覆う前記閉時被覆手段としての閉時被覆部とを備えていることを特徴とする手段A−2−d−1に記載の遊技機。
手段A−2−d−2によれば、前被覆手段に対してオブジェクト表示部を設けることで、前被覆手段に視線を集める一方で、前被覆手段の裏側の視認性を低下させたり、始動入賞手段に遊技球が入球する様子への遊技者の興味を低下させたりすることができる。また、羽根部材が開時被覆部や閉時被覆部で隠されることから、開位置及び閉位置のどちらにあるのかを把握し難くすることができる。加えて、オブジェクト表示部としては、羽根部材の変位を利用することで、(残像効果により)あたかもオブジェクトが動いているかのような態様を導出することができる。
手段A−2−e.前記第1始動入賞手段は、前記第2始動入賞手段よりも遊技領域の上流側に配置され、
前記遊技盤の前面に立設される遊技釘には、前記第1始動入賞手段の入賞口の左右両側部の上方において左右一対で設けられる命釘があり、当該一対の命釘の間を通過した遊技球が前記第1始動入賞手段へと入球する構成であって、
前記前被覆手段の前記オブジェクト表示部は、前記一対の命釘の近傍位置において、前記命釘(の頭部)の適正な位置を示す指標部を有していることを特徴とする手段A−2−b乃至A−2−dのいずれかに記載の遊技機。
手段A−2−eによれば、左右一対の命釘と、指標部とを見比べて、命釘の間隔が広くなっているか、或いは、狭くなっているかを、正確、かつ、迅速に判断することができる。従って、命釘に対しメンテナンスの必要があるのか否かを比較的判断することができたり、遊技者は、指標部とを見比べて命釘の間隔が狭くなっているような場合に、自身に不利とならないように遊技を避けたりすることができる。結果として、命釘間の距離を極力一定にすることができ、第1始動入賞手段への遊技球の入球し易さに関して、遊技機の台ごとのばらつきを低減させることができる。特に、指標部は、前被覆手段において設けられているため、命釘の先端部(頭部)に近く、これにより、命釘の傾きをより確実に把握することができる。
手段A−3−a.前記前被覆手段の少なくとも一部は透視性を有し、
前記羽根部材が前記閉位置にある状態において、前記羽根部材が前記開位置(前記閉位置以外の位置)に存在しているかのような疑似羽根開放態様を導出可能な疑似羽根開放手段を備えていることを特徴とする手段A−2に記載の遊技機。
羽根部材が閉位置にあれば、第2始動入賞手段に遊技球を入球させることはできない。このため、羽根部材が閉位置にあることを認めた遊技者は、第1始動入賞手段に視線を移して、遊技球が第1始動入賞手段に入球するか否かを観察しがちである。
この点、手段A−3−aによれば第2始動入賞手段を開状態とさせるタイミングではなくても、羽根部材が開位置に存在しているかのような疑似羽根開放態様が導出される。これにより、第2始動入賞手段が閉状態とされている視認態様からの、羽根部材に関連する所定のアクションが発生する機会を増やすことができる。そこで、第2始動入賞手段が開状態とされることに関心のある遊技者であれば、閉状態にある第2始動入賞手段に何らかのアクションが発生したことを認めると、第2始動入賞手段が開状態とされたのではないかと第2始動入賞手段に視線を向け直すことも考えられる。しかしながら、実際には、疑似羽根開放態様である場合もあり、しかも、疑似羽根開放態様は、羽根部材が開位置に存在しているかのような態様であるため、第2始動入賞手段に関し、ぱっと見であったり、視界の端に入っていたりするだけでは、羽根部材が開位置にあるのか、それとも、疑似羽根開放態様が導出されているだけで羽根部材は閉位置にあるのかの区別がつき難い、或いは、羽根部材が開位置に変位したものと(一瞬)勘違いしてしまうようになる。
以上のように、疑似羽根開放態様はあくまでも、羽根部材が開放されたかのように見せかけるためのものであり、これによって、羽根部材が開放されたように見えるが、第2始動入賞手段に遊技球が入球している気配がないといった具合に、第2始動入賞手段の遊技球の入球状態と、第2始動入賞手段の見た目とが必ずしも一致しなくなる。そして、疑似羽根開放態様がある程度繰り返されると、遊技球が第2始動入賞手段等にコンスタントに入球していて遊技に滞りがないのであれば(始動入賞手段に遊技球が入球しなさ過ぎることに起因して不利な遊技を強いられている状態でなければ)、羽根部材が開状態とされたか否かについて、あまり気にならなくなる心境に至らせることができる。結果として、たとえ第1始動入賞手段への遊技球の入球し易さが低下している場合であっても、そのことに起因した印象の悪化を抑制することができるといった作用効果がより一層奏されることとなる。
さらに、疑似羽根開放態様によって、第2始動入賞手段が開状態(或いは閉状態)とされるタイミングのみを把握するといったことを難くすることができる。従って、第2始動入賞手段が開状態とされて遊技球が入球可能なタイミングにのみ遊技球を発射させるといった遊技を行うことのできる上級者の遊技者と、初心者の遊技者とでの格差が開いてしまうといった事態を抑制することができる。
また、疑似羽根開放態様を利用して、羽根部材の開閉に絡めた演出や、羽根部材の開閉に関係なく単なる賑やかしとしての演出を行うことができる。加えて、遊技の進行に際して、疑似羽根開放態様が遊技風景の一部となり、遊技に際してのアクセント・賑やかし、或いは、リズムとなって(なくなると寂しく感じる)、興趣の向上を図ることができる。
尚、疑似羽根開放態様が導出されている状態(例えば、後述の疑似羽根部材が機能位置にある状態)において、羽根部材が閉位置にあってもなくても、閉位置にある羽根部材が位置することとなる場所の視認態様の変化が少なくなるように構成されることが望ましい。例えば、閉位置にある羽根部材(及び疑似羽根部材)の前方を覆うカバーを設けることとしたり、閉位置にある羽根部材の後方位置に対応して、羽根部材が開位置へと変位した場合に視認可能となるようにして、羽根部材(の前面形状)を模したデザインが施されるように構成したりしてもよい。この場合、疑似羽根開放態様が導出されているだけなのか、或いは、本当に羽根部材についても開位置にあるのか(羽根部材が閉位置にあるのか否か)といった判別がより付き難くなり、疑似羽根手段を設けることによる作用効果がより一層奏されることとなる。
手段A−3−b−1.前記疑似羽根開放手段は、前記羽根部材の前方に配置され、前記開位置にある前記羽根部材の前方を覆うことのできる機能位置と、前記閉位置にある前記羽根部材の前方を覆うことのできる待機位置との間を変位可能な疑似羽根部材を備え、
前記羽根部材が前記閉位置にあり、前記疑似羽根部材が前記機能位置にある場合に、前記疑似羽根部材の後方の前記遊技領域を遊技球が通過可能に構成されていることを特徴とする手段A−3−aに記載の遊技機。
手段A−3−b−1によれば、疑似羽根開放態様をよりリアルに導出することができる。つまり、例えば、羽根部材の後方において、該羽根部材の態様を模した疑似羽根開放手段を設けることも考えられるが、この場合、かかる疑似羽根開放手段が比較的後方に配置されてしまうため、疑似羽根開放手段が疑似羽根開放態様とされても見え難くなることが懸念される。加えて、疑似羽根開放態様にある疑似羽根開放手段の前方を遊技球が通過する可能性がある。これらによって、疑似羽根開放態様が疑似であることを瞬時に把握されてしまうおそれがある。この点、疑似羽根部材を羽根部材の前方に設けることで、上記懸念を払拭することができる。
また、羽根部材を閉位置としたまま、疑似羽根部材を機能位置へと変位させることができることから、第2始動入賞手段への必要以上の遊技球の入球を招くことなく、疑似羽根部材が動作する態様(例えば、疑似羽根部材をキャラクタ表示の一部とする場合にキャラクタが動作する態様、第2始動入賞手段が(微妙に)開閉する態様等)を演出等にも十分に利用することができる。
尚、疑似羽根部材の形状としては、板状に限定されるものではなく、例えば、疑似羽根部材の変位方向において開口し、内側に羽根部材を収容可能な四角枠状や、該四角枠状の一部を切り欠いたような断面略コ字状に構成することとしてもよい。また、手段A−2−cに関して、機能位置にある疑似羽根部材は前被覆手段の外縁よりも外方に突出していることとしてもよい。すなわち、羽根部材の所在については分かり難くする一方で、疑似羽根部材の所在については分かり易くすることで、疑似羽根部材を利用した演出を認識してもらう一方で、羽根部材の開閉に気を取られることを抑制しつつ、遊技を進行してもらうことができる。
手段A−3−b−2.前記疑似羽根開放手段は、前記羽根部材が前記開位置へと変位する場合は、前記疑似羽根部材についても前記機能位置へと変位させることを特徴とする手段A−3−b−1に記載の遊技機。
手段A−3−b−2によれば、羽根部材が開位置にある場合に該羽根部材を正面視した態様と、羽根部材が閉位置にあるものの、疑似羽根部材が機能位置にある場合に該疑似羽根部材を正面視した態様とを同じ(どちらも機能位置にある疑似羽根部材が視認される)とすることができる。従って、疑似羽根開放態様のリアリティーをより高めることができる。また、当該構成を採用する場合には、羽根部材の前面側の態様を、疑似羽根部材の態様と同じにする必要がなく、羽根部材の前面等に対して、特に図形を描く等の加工を施さなくても済む。このため、羽根部材の構成の簡素化を図ることができ、また、羽根部材の前面に対して所定の図形等を描いた場合に、当該図形等が疑似羽根部材と擦れて、意匠性が低下してしまったりすること等を防止することができる。
手段A−3−b−3.前記羽根部材及び前記疑似羽根部材は回動可能に構成されるとともに、前記羽根部材の回転軸線、及び、前記疑似羽根部材の回転軸線は同一直線上に延びていることを特徴とする手段A−3−b−1又はA−3−b−2に記載の遊技機。
手段A−3−b−3によれば、羽根部材の動作と、疑似羽根部材の動作とを比較的容易に同調させることができる。従って、例えば、羽根部材が開位置と閉位置との間を変位する最中においても、疑似羽根部材を羽根部材の変位に同調させて変位させ、羽根部材の前方を覆うことができる。従って、羽根部材の所在を分かり難くする等といった作用効果がより一層奏されることとなる。尚、羽根部材に連結される略筒状の羽根用軸の内側に、疑似羽根部材に連結される疑似用軸が挿通されていることとしてもよい。この場合、羽根部材及び疑似羽根部材の回転軸線を、比較的容易に、同一直線上に延在させることが可能となる。
手段A−3−b−4.前記羽根部材は、当該羽根部材が前記閉位置から前記開位置へと変位する際に前記疑似羽根部材を押圧して、当該疑似羽根部材を前記待機位置から前記機能位置へと変位させる羽根側押圧部を備えていることを特徴とする手段A−3−b−1乃至A−3−b−3のいずれかに記載の遊技機。
手段A−3−b−4によれば、羽根部材が閉位置から開位置へと変位する場合に、羽根部材が先に(主として)駆動した場合には、疑似羽根部材がそれに従動することとなる。このため、それぞれがばらばらに動作することが回避され、羽根部材と疑似羽根部材とを、あたかも1つの部材であるかのように同調させて動かすことができる。従って、開位置に変位する羽根部材の動作と、機能位置に変位する疑似羽根部材の動作とがずれてしまい、羽根部材が開位置に変位したのか、或いは、疑似羽根部材のみが機能位置に変位したに過ぎないのかが分かり易くなってしまうといった事態を回避することができる。
尚、羽根部材を閉位置から開位置へと変位させ、かつ、疑似羽根部材を待機位置から機能位置へと変位させる場合には、羽根部材を動作させるための羽根側駆動手段、及び、疑似羽根部材を動作させるための疑似側駆動手段のうち、羽根側駆動手段を駆動させることとしてもよい。
手段A−3−b−5.前記疑似羽根部材は、当該疑似羽根部材が前記機能位置から前記待機位置へと変位する際に前記羽根部材を押圧して、当該羽根部材を前記開位置から前記閉位置へと変位させる疑似側押圧部を備えていることを特徴とする手段A−3−b−1乃至A−3−b−4のいずれかに記載の遊技機。
手段A−3−b−5によれば、羽根部材が開位置から閉位置へと変位する場合に、疑似羽根部材が先に(主として)駆動した場合には、羽根部材がそれに従動することとなる。このため、それぞれがばらばらに動作することが回避され、羽根部材と疑似羽根部材とを、あたかも1つの部材であるかのように同調させて動かすことができる。従って、閉位置に変位する羽根部材の動作と、待機位置に変位する疑似羽根部材の動作とがずれてしまい、羽根部材が開位置に存在していたのか、或いは、疑似羽根部材のみが機能位置に存在していたに過ぎないのかが分かり易くなってしまうといった事態を回避することができる。
尚、羽根部材を開位置から閉位置へと変位させ、かつ、疑似羽根部材を機能位置から待機位置へと変位させる場合には、羽根部材を動作させるための羽根側駆動手段、及び、疑似羽根部材を動作させるための疑似側駆動手段のうち、疑似側駆動手段を駆動させることとしてもよい。
手段A−3−b−6.前記羽根部材は、無色透明、又は、前記開位置にある前記羽根部材の後方に位置する部材の色と同系統の色相である素材によって構成されていることを特徴とする手段A−3−b−1乃至A−3−b−5のいずれかに記載の遊技機。
手段A−3−b−6によれば、羽根部材を視認し難くすることができる(羽根部材の動作や所在が確認し難くなる)。従って、疑似羽根開放態様のリアリティーを高めるといった作用効果がより一層奏されることとなる。
手段A−3−b−7.前記主制御手段からの信号に基づいて制御を実行可能なサブ制御手段を備え、
前記第2始動入賞手段の開閉制御は前記主制御手段によって実行され、
前記疑似羽根開放手段の駆動制御は、前記サブ制御手段によって(前記主制御手段からの前記第2始動入賞手段の開閉に関する情報に対応して)実行されることを特徴とする手段A−3−b−1乃至A−3−b−6に記載の遊技機。
手段A−3−b−7によれば、主制御手段の制御負担の軽減等を図ることができる。
手段A−3−b−8.前記疑似羽根開放手段は、
前記閉位置にある前記羽根部材が前記開位置へと変位する場合は、前記待機位置にある前記疑似羽根部材を前記機能位置へと変位させ、
前記開位置にある前記羽根部材が前記閉位置へと変位する場合は、前記機能位置にある前記疑似羽根部材を前記機能位置へと変位させる構成であって、
前記主制御手段は、前記羽根部材を前記開位置へと変位させる処理に先立って、前記羽根部材が前記開位置へと変位する旨の開放予定情報を前記サブ制御手段へと出力するとともに、
前記サブ制御手段は、前記開放予定情報を受信した場合に、前記疑似羽根部材を前記待機位置へと変位させることを特徴とする手段A−3−b−7に記載の遊技機。
手段A−3−b−8によれば、閉位置にある羽根部材が開位置へと変位する場合に、疑似羽根部材が既に機能位置にあることで、変位途中の羽根部材を疑似羽根部材で覆うことができなくなってしまうといった事態を回避することができる。
手段A−3−b−9.前記疑似羽根部材は、前記羽根部材よりも前面の面積が広く構成され、
前記羽根部材が前記開位置にあり、前記疑似羽根部材が前記機能位置にある場合には、前記羽根部材の前記閉位置側の面よりも、前記疑似羽根部材の前記待機位置側の辺部の方が、前記閉位置側に位置し、
前記羽根部材が前記閉位置にあり、前記疑似羽根部材が前記待機位置にある場合には、前記羽根部材の前記開位置側の面よりも、前記疑似羽根部材の前記機能位置側の辺部の方が、前記開位置側に位置していることを特徴とする手段A−3−b−7又は手段A−3−b−8に記載の遊技機。
羽根部材の開閉制御と、疑似羽根部材の駆動制御とが別々の制御手段によって行われる場合、羽根部材の動作開始タイミングと、疑似羽根部材の動作開始タイミングとが僅かにずれる可能性がある。この点、手段A−3−b−9によれば、先に動作し得る羽根部材の動作方向側を、疑似羽根部材で余分に覆うように構成されており、羽根部材が若干先行して変位したとしても、疑似羽根部材で覆われている範囲内に収まることとなる。従って、羽根部材が変位するのか否かが分かり易くなってしまったり、羽根部材の動作と疑似羽根部材の動作とがずれることでの意匠性の低下を招いたりしてしまうことを防止することができる。
手段A−3−b−10.前記羽根部材及び前記疑似羽根部材は、前記遊技盤の中央部よりも下方に配置されるとともに、
少なくとも前記羽根部材を前記開位置とし、かつ、前記疑似羽根部材を前記機能位置とした場合に、前記羽根部材よりも前方に配置される前記疑似羽根部材の上辺部が、前記羽根部材の上面よりも上方に位置するように構成されていることを特徴とする手段A−3−b−1乃至A−3−b−9に記載の遊技機。
一般に、遊技機を遊技者が遊技する場合には、遊技者の顔が、遊技盤の中央部に対向するような位置関係となっている。そして、羽根部材及び疑似羽根部材が、遊技盤の中央部よりも下方に配置されている場合、羽根部材及び疑似羽根部材に対する遊技者の視線は斜め下方に向く(羽根部材及び疑似羽根部材が斜め上から覗きこまれるような)格好となる。このため、羽根部材及び疑似羽根部材を前後に配置しても、羽根部材と疑似羽根部材との判別が一瞬にしてついてしまうことが懸念される。
これに対し、手段A−3−b−10によれば、機能位置にある疑似羽根部材の上辺部が、開位置にある羽根部材の上面よりも上方に位置することから、開位置にある羽根部材及び機能位置にある疑似羽根部材を前上方から見た場合に両者が極力重なるように相対配置することができる。従って、疑似羽根開放態様のリアリティーを高めるといった作用効果がより一層奏されることとなる。
手段A−3−c−1.前記疑似羽根開放手段は、
前記開位置にある前記羽根部材に対して前後方向に重なる位置に設けられ、前記開位置にある前記羽根部材を模した疑似開放オブジェクトと、
前記疑似開放オブジェクトに光を照射する疑似用光源とを備えていることを特徴とする手段A−3−a又はA−3−bに記載の遊技機。
手段A−3−c−1によれば、比較的簡単な構成を採用しつつ、疑似羽根開放態様を導出することができる。尚、手段A−3−bに記載されているような疑似羽根部材を併用することとしてもよい。
手段A−3−c−2.前記前被覆手段のうち少なくとも一部が導光板として構成され、前記疑似用光源によって前記導光板に対して端から光を入射させることで、当該導光板のうち前記開位置にある前記羽根部材の前方を覆う位置において前記疑似開放オブジェクトが浮かび上がるように構成されていることを特徴とする手段A−3−c−1に記載の遊技機。
手段A−3−c−2によれば、前被覆手段において疑似羽根開放態様を導出することができ、疑似羽根開放態様の見易さを向上させることができる。また、前被覆手段において、疑似用光源の発光時のみ、疑似羽根開放態様を視認させることができる。
手段A−3−c−3.前記疑似開放オブジェクトは、(前記第2始動入賞手段を前記遊技盤に取付けるためのベース板において、)前記開位置にある前記羽根部材によって前方を覆われる位置に設けられていることを特徴とする手段A−3−c−1又はA−3−c−2に記載の遊技機。
手段A−3−c−3によれば、羽根部材の後方(ベース板)において、比較的簡単な構成で疑似羽根開放態様を導出することができる。
手段A−3−c−4.前記羽根部材(上記手段A−3−bの構成を併用する場合には、「前記疑似羽根部材」)は、前方から視認可能な発光手段を備え、
前記疑似羽根開放手段の前記疑似開放オブジェクトは、少なくとも前記発光手段を模して形成されていることを特徴とする手段A−3−c−1乃至A−3−c−3のいずれかに記載の遊技機。
手段A−3−c−4によれば、羽根部材(疑似羽根部材)ついても自身が発光しているような視認態様とすることで、羽根部材が開位置とされた態様と、疑似開放オブジェクト及び疑似用光源を用いた疑似羽根開放手段による疑似羽根開放態様とをより強く結びつける(ぱっと見の直感的な判断ではどちらなのか混同させてしまう)ことができる。また、疑似羽根開放手段の疑似開放オブジェクトの構成(形状)の簡略化(全体ではなく発光手段のみをまねるだけで十分疑似的な態様になる)等を図ることもできる。
手段A−3−c−5.前記疑似開放オブジェクトは、前記開位置にある前記羽根部材にと前後に重なる位置だけでなく、前記閉位置にある前記羽根部材と前後に重なる位置と、前記開位置にある前記羽根部材と前後に重なる位置との間の位置にも設けられ、
前記疑似用光源は、前記各疑似開放オブジェクトに対してそれぞれ光を順次照射可能に構成されていることを特徴とする手段A−3−c−1乃至A−3−c−4のいずれかに記載の遊技機。
手段A−3−c−5によれば、羽根部材が開閉動作する様を模した態様についても導出することが可能となる。従って、よりリアルで多彩な疑似羽根開放態様を導出することができる。
手段A−4−a.前記第1始動入賞検知手段又は前記第2始動入賞検知手段の検知が行われた場合に、当該検知に対応する入球検知対応表示(例えば、保留アイコン)を導出可能な入球検知対応表示手段が設けられていることを特徴とする手段A−1乃至A−3のいずれかに記載の遊技機。
手段A−4−aによれば、第1始動入賞手段及び第2始動入賞手段を直接視認していなくても、入球検知対応表示手段を視認することで、第1始動入賞手段又は第2始動入賞手段に遊技球が入球し、当否抽選を受ける権利が得られることを把握すること(むしろ把握し易い)ができる。従って、始動入賞手段を直接視認する機会が減少することとなり、第1始動入賞手段への入球率が比較的低くても、第1及び第2始動入賞手段への全体的な入球率が低くなければ、遊技球が第1始動入賞手段及び第2始動入賞手段のどちらに入球しようと気にならないといった状況に身を置くこと(どうしても気になってしまう(第1始動入賞手段に目が行ってしまう)状況に陥らないこと)が可能になる。従って、第1始動入賞手段に遊技球がなかなか入球しないことに起因して、興趣の低下を招いてしまうといった事態をより確実に抑制することができる。その一方で、第1始動入賞検知手段及び第2始動入賞検知手段に対して遊技球が入球する様子が多少見え難くなったとしても、入球したか否かについては入球検知対応表示手段でしっかりと確認することができることから、遊技者に対し安心感を与えることができる。
手段A−4−b−1.前記遊技領域のうち前記前被覆手段によって前方が覆われている被覆領域には、当該被覆領域を移動する遊技球を検知可能な疑似入賞検知手段が設けられ、
前記疑似入賞検知手段の検知に基づいて、前記始動入賞検知手段の検知が行われたかのような疑似入賞態様を導出可能に構成されていることを特徴とする手段A−4−aに記載の遊技機。
手段A−4−b−1によれば、前被覆手段によって前方が覆われている被覆領域において、始動入賞手段とともに、疑似入賞検知手段が設けられている。つまり、前被覆手段が設けられることで、始動入賞手段に遊技球が入球したか否かの視認性が比較的低下している構成において、疑似入賞検知手段の検知に基づいて、前被覆手段裏面側の被覆領域に進入した遊技球が始動入賞手段に入球したのかも知れないといった疑似入賞態様を導出する(例えば、始動入賞手段と同じく被覆領域に設置された疑似入賞検知手段の検知に基づいて、始動入賞検知手段の検知が行われた場合と同じようなリアクションを導出したり、導出した場合はそのリアクションが始動入賞検知手段の検知によるものかを示唆したりする等を行う)ことができる。従って、始動入賞手段に対する遊技球のアクションとして、「入球した」、「入球していない」の他に、「入球したのかもしれない」というパターンを追加することができ、演出機会及び演出の種類を増加させ、演出の多様化等を図ることができる。結果として、前被覆手段を設けて遊技球が始動入賞手段に入球するのか否かを分かり難くしたこと(始動入賞手段に遊技球が入球したかの演出)の価値を飛躍的に高めることができ、興趣の向上を図ることができる。
尚、疑似入賞検知手段は、第1始動入賞手段及び第2始動入賞手段の下流側に設けられてもよいし、第1始動入賞手段及び第2始動入賞手段の上流側に設けられてもよいし、第1始動入賞手段及び第2始動入賞手段のうち一方の下流側、かつ、他方の上流側に設けられてもよい。また、疑似入賞検知手段が第1始動入賞手段や第2始動入賞手段の上流側にある場合には、疑似入賞検知手段で検知された遊技球が第1始動入賞手段や第2始動入賞手段に入球可能に構成されていてもよいし、入球不可能に構成されていてもよい。また、疑似入賞態様としては、所定の表示手段における表示態様や、音声出力手段による音声態様や、所定の発光手段による発光態様や、これらの組合わせ等が挙げられる。さらに、疑似入賞態様として、例えば、第1始動入賞手段、第2始動入賞手段、及び、疑似入賞検知手段による検知が行われた場合には、入球検知対応表示手段において、入球検知対応表示の前段階として、当否抽選を受けられる権利が得られたかもしれないという態様(疑似入賞態様を含む)を導出し、その後、第1始動入賞手段及び第2始動入賞手段による検知であった場合には、当否抽選を受けられる権利が得られたことを示す態様(入球検知対応表示)を導出し、疑似入賞検知手段による検知であった場合には、当否抽選を受ける権利が得られなかったことを示す態様を導出する等といった演出を行うことができる。
手段A−4−b−2.前記疑似入賞検知手段の検知が行われた場合に、前記入球検知対応表示手段において、前記入球検知対応表示を模した前記入球検知対応表示とは異なる態様の疑似入球検知対応表示(疑似保留アイコン)を導出可能に構成されていることを特徴とするA−4−b−1に記載の遊技機。
始動入賞手段に遊技球が入球すれば入球検知対応表示が表示される構成においては、前被覆手段で遊技球の始動入賞手段への入球の様子などを見え難くする等しても、入球検知対応表示が表示されない時点で、直に始動入賞手段に遊技球が入球しなかったと把握されてしまう。この点、手段A−4−b−2のように、疑似入球検知対応表示を表示可能とすることで、入球検知対応表示が表示されたタイミングでも、未だ、遊技球が始動入賞手段に入球したのか否かの結果が分かることを引き延ばすことができ、入球検知対応表示又は疑似入球検知対応表示のどちらなのかの演出等を行うことができる。従って、始動入賞手段に遊技球が入球したか否かの演出をより一層面白味のあるものとすることができる。結果として、疑似羽根開放態様を導出すること(始動入賞手段に遊技球が入球したかの演出)の価値を飛躍的に高めることができ、興趣の向上を図ることができる。
尚、「前記疑似入球検知対応表示が表示されている状態において、前記第1始動入賞検知手段又は前記第2始動入賞検知手段の検知が行われた場合に、前記疑似入球検知対応表示に代えて、前記入球検知対応表示を導出可能に構成されていること」としてもよい。この場合、入球検知対応表示及び疑似入球検知対応表示が表示されるエリアの視認態様を比較的すっきりさせることができる。また、「前記疑似入球検知対応表示は、表示されてから所定時間経過で消去されること」としてもよい。すなわち、疑似入球検知対応表示がいつまでも表示されてしまい、疑似入球検知対応表示の役割が分かり難くなるといった事態を回避することができる。
手段A−4−b−3.前記第1始動入賞検知手段又は前記第2始動入賞検知手段の検知が行われた場合に、当該検知に対応する入球検知対応表示(本保留アイコン)を導出する前に、前記疑似入球検知対応表示(疑似保留アイコン)と同様の態様である前駆表示(仮保留アイコン)を導出可能に構成されていることを特徴とする手段A−4−b−2に記載の遊技機。
手段A−4−b−3によれば、疑似入球検知対応表示又は前駆表示が表示された段階で、これが入球検知対応表示に変化するのか否かの楽しみを確保しつつ、入球検知対応表示と、疑似入球検知対応表示との態様の差を明確にする(疑似入球検知対応表示は入球検知対応表示ではないことを理解し易くする)ことができる。つまり、入球検知対応表示と、疑似入球検知対応表示とをよく見れば違うが、同じような態様であったり、見分けがつかない態様であったりしてしまう場合に、遊技者が疑似入球検知対応表示をあくまでも入球検知対応表示だと思い込み、不信感等を抱かせてしまうといった事態を回避することができる。
手段A−4−b−4.識別情報を変動表示可能な可変表示手段と、
前記可変表示手段において、前記識別情報を変動表示させ、所定時間後、前記当否抽選の結果に基づいて前記識別情報を停止表示させる表示制御手段とを備えるとともに、
前記第1始動入賞検知手段及び前記第2始動入賞検知手段の検知が行われた場合に、前記当否抽選に用いられる情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段で取得された情報を、所定数を上限として複数記憶可能な保留記憶手段とを備え、
前記可変表示手段における識別情報の変動表示中において、前記第1始動入賞検知手段及び前記第2始動入賞検知手段の検知が行われた場合には、当該検知に対応する前記識別情報の変動表示が、実行中の前記識別情報の変動表示後に行われる構成であって、
前記入球検知対応表示手段の前記入球検知対応表示は、前記保留記憶手段に記憶されている前記情報取得手段で取得された情報に基づいて態様が決定されることを特徴とする手段A−4−b−3に記載の遊技機。
手段A−4−b−4によれば、入球検知対応表示、及び、疑似入球検知対応表示を利用したより多彩な演出を行うことができる。例えば、第1始動入賞検知手段及び第2始動入賞検知手段の検知に基づいて、所定の種別の疑似入球検知対応表示が導出された場合に、これが入球検知対応表示に変化した場合には、特別遊技状態の発生への期待度が高まる等の示唆演出を行うことができる。尚、「前記保留記憶手段に記憶されている前記情報取得手段で取得された情報の数が上限に達している状態では、前記疑似入賞検知手段の検知が行われた場合でも、前記疑似入球検知対応表示を導出しないこと」としてもよい。
手段A−4−b−5.前記疑似入球検知対応表示が表示される場合には、前記疑似入球検知対応表示とは異なる態様の付加表示が、前記疑似入球検知対応表示の少なくとも一部の前方に重なるようにして表示されることを特徴とする手段A−4−b−2乃至A−4−b−4のいずれかに記載の遊技機。
手段A−4−b−5によれば、疑似入球検知対応表示の態様を、少なくとも一部が明らかにされていない態様とすることによって、疑似入球検知対応表示の態様が確定していない、ひいては、疑似入球検知対応表示に更なる変化の可能性があるといった印象を強く与えることができる。結果として、遊技者が疑似入球検知対応表示と、入球検知対応表示とを混同してしまうといった事態を抑制することができ、疑似入球検知対応表示を入球検知対応表示と勘違いすることで発生し得るトラブル(例えば、疑似入球検知対応表示が行われただけであるが、これを入球検知対応表示と勘違いすることで入球検知対応表示が行われた場合に実行され得る処理が実行されないじゃないかというようなトラブル)の発生を抑制することができる。尚、「前記前駆表示にも前記付加表示が導出されること」、「前記前駆表示に代えて、前記入球検知対応表示が導出される場合には、当該疑似入球検知対応表示に対応して表示されていた前記付加表示が消去されること」としてもよい。
手段A−4−b−6.前記第1始動入賞検知手段及び前記第2始動入賞検知手段の検知履歴(各検知の時間)、前記疑似入賞検知手段の検知履歴(各検知の時間)をそれぞれ記憶可能な検知履歴記憶手段を設け、前記検知履歴記憶手段の記憶情報を出力可能に構成されていることを特徴とする手段A−4−b−1乃至A−4−b−5のいずれかに記載の遊技機。
手段A−4−b−6によれば、遊技者が、疑似入賞態様を認識することで、始動入賞手段への遊技球の入球があったものと勘違いする(例えば、遊技者が疑似入球検知対応表示を入球検知対応表示と勘違いする)こと等によって万一トラブルが発生した場合に、事情説明等に際してのデータが確実に得られる(例えば、可変表示手段等で表示可能としたり、ホールコンピュータに送られるようにしたりする)こととなり、前記トラブルがこじれてしまうといった事態を回避することができる。
手段A−4−b−7.前記主制御手段からの信号に基づいて制御を実行可能なサブ制御手段を備え、
前記疑似入賞検知手段は、前記サブ制御手段と電気的に接続されていることを特徴とする手段A−4−b−1乃至A−4−b−6に記載の遊技機。
手段A−4−b−7によれば、主制御手段に入力される情報や、主制御手段に情報を入力するための構成の数を極力減らすことで、主制御手段の制御負担の軽減や、主制御手段への不正の抑制等を図ることができる。
手段A−4−b−8.前記始動入賞検知手段による検知が前記当否抽選の契機として有効な状態と、無効な状態とがあり、
前記前被覆手段で前方が覆われた前記始動入賞手段のうち所定の前記始動入賞手段に対応する前記始動入賞検知手段による検知が有効な状態において、前記疑似入賞検知手段の検知が有効とされ、
前記所定の始動入賞検知手段による検知が無効な状態において、前記疑似入賞検知手段の検知が無効とされることを特徴とする手段A−4−b−1乃至A−4−b−7のいずれかに記載の遊技機。
手段A−4−b−8によれば、入球検知対応表示が表示される筈のない状態において、疑似入球検知対応表示が表示されることで、疑似入球検知対応表示であることが明確に認識されてしまうといった事態を回避することができる。従って、あからさまな疑似入球検知対応表示がむやみに導出されることに起因して、興趣の低下を招いてしまうといった事態を防止することができる。
手段A−5.前記遊技領域のうち前記前被覆手段によって前方が覆われている被覆領域、又は、当該被覆領域の下流側に隣接或いは近接する位置には、(手段A−2-aに対応しては、前記開位置にある前記羽根部材の下方位置において、)遊技球の進行方向を変化させる進路変更手段が設けられていることを特徴とする手段A−1乃至A−4のいずれかに記載の遊技機。
例えば、被覆領域に遊技球が進入し、羽根部材が開位置にあれば当該羽根部材によって始動入賞手段(球受部)へと案内される案内ポイントに遊技球が到達したとしても、羽根部材が閉位置にある場合には、当然遊技球は羽根部材に案内されることなく、そのまま遊技領域を流下し、被覆領域の外部に排出される。このとき、遊技球が被覆領域に入射した軌道と、該遊技球が被覆領域から排出された後の軌道とがほぼ一直線上に延びる場合、先程、被覆領域に入射した遊技球が第1始動入賞手段及び第2始動入賞手段に入球することなく、被覆領域から排出されたものとしてすぐに把握されてしまう。
この点、手段A−5のように、被覆領域において進路変更手段が設けられることにより、被覆領域において遊技球の進行方向が変化したり、遊技球の進行速度が遅延したりすることから、被覆領域に進入した後の遊技球の行方を追い難くなる。従って、被覆領域に進入した遊技球と、被覆領域から外方の視認し易い場所に飛び出してきた遊技球との対応関係が分かり難くなり、遊技球が第1始動入賞手段又は第2始動入賞手段に入球したのかもしれないし、入球していないのかもしれないといった状況をより多く作り出すことができる。
特に、手段A−4−b−2に対応しては、第1始動入賞手段及び第2始動入賞手段を直接視認して遊技球が入球したのか否かを確認するよりも、入球検知対応表示手段の入球検知対応表示で第1始動入賞手段及び第2始動入賞手段への入球を確認するような遊技性に移行させ易くすることができる。このため、第1始動入賞手段に遊技球がなかなか入球しない様子を視認することで演出に集中できなかったり、ストレスが溜まったりすることなどを抑制することができ、演出を絡めた遊技の行方により没頭することができる。
尚、上記手段A−4−b−1に対応して、「前記進路変更手段は、前記被覆領域を移動する遊技球を前記疑似入賞検知手段へと案内する疑似入賞案内手段を備えていること」としてもよい。この場合、疑似入賞検知手段へ遊技球を至らせ易くすることができ、例えば、疑似入賞検知手段を設けたものの、設置スペースの関係などで、遊技球があまり通過しない位置に設置せざるを得ず、ほとんど機能しないといった事態を回避することができる。さらには、遊技球が、被覆領域に進入してから、始動入賞手段に入球することなく、被覆領域の外部に排出されるまでのタイムラグがより長くなり、被覆領域に進入した遊技球と、被覆領域から排出された遊技球との対応関係をあいまいにするといった作用効果がより顕著に奏される。
手段A−6−a.前記前被覆手段の少なくとも一部が変位可能に設けられるとともに、
前記前被覆手段を変位動作させる装飾駆動手段が設けられ、
前記装飾駆動手段は、前記第1始動入賞検知手段又は前記第2始動入賞検知手段の検知に基づいて駆動可能に構成されていることを特徴とする手段A−1乃至A−5のいずれかに記載の遊技機。
手段A−6−aによれば、前被覆手段の動作で、第1始動入賞手段又は第2始動入賞手段への遊技球の入球を察知することができるため、第1始動入賞手段又は第2始動入賞手段へ遊技球が直接入球する様子を確認しなくても、比較的安心感を持って遊技を進行させていくことができる。結果として、当否抽選の結果を教示する演出等により注意を傾けることができる。
尚、「前記第1始動入賞検知手段及び前記第2始動入賞検知手段のどちらの検知であっても、前記前被覆手段を同様の態様で変位可能に構成されていること」としてもよい。さらに、手段A−4−b−1に対応しては、「前記疑似入賞検知手段の検知が行われた場合にも、前記装飾駆動手段が駆動し得るように構成されていること」としてもよい。
手段A−6−b.前記前被覆手段は、前記装飾駆動手段の非駆動状態においても、当該前被覆手段への遊技球の接触に基づいて変位可能に構成されていることを特徴とする手段A−6−aに記載の遊技機。
手段A−6−bによれば、前被覆手段の動作に面白味を付加することができる。さらに、前被覆手段に遊技球が衝突しただけで前被覆手段が変位することから、初心者の遊技者に対しては、ほぼ常に遊技球が始動入賞手段に入球したのではないかと期待感が持てるようにすることができる。
尚、装飾駆動手段の非駆動状態では、装飾駆動手段と前被覆手段とを連動させるリンク機構が噛み合っていない状態とされ、装飾駆動手段の非駆動状態では、前被覆手段は、弾性体によって支持されるように構成されていることとしてもよい。また、装飾駆動手段と前被覆手段とを連動させるリンク機構は、弾性手段を介して、装飾駆動手段の駆動力を前記前被覆手段に伝達していること(例えば、前被覆手段を軸支する軸部の一部がコイルばね状に構成されている)してもよい。
手段A−7−a.前記第1始動入賞検知手段の検知に対応する第1入賞効果音と、
前記第2始動入賞検知手段の検知に対応する第2入賞効果音と、
前記第1入賞効果音及び前記第2入賞効果音に近い混同入賞効果音とを発生させることのできる効果音発生手段を備え、
前記効果音発生手段は、
前記第1始動入賞検知手段の検知に基づいて、前記第1入賞効果音(又は前記混同入賞効果音;演出として利用する場合)を発生させ、
前記第2始動入賞検知手段の検知に基づいて、前記第2入賞効果音又は前記混同入賞効果音を発生させることを特徴とする手段A−1乃至A−6のいずれかに記載の遊技機。
手段A−7−aによれば、始動入賞手段を直接視認していなくても、効果音によって、始動入賞手段への遊技球の入球を確認することができ、よりスムースに遊技を進行させることができる。尚、混同入賞効果音は、第1入賞効果音及び第2入賞効果音とは別に作成してもよいし、第1入賞効果音及び第2入賞効果音を同時に出力することで構成してもよい。さらに、手段A−4−b−1に対応しては、「前記疑似入賞検知手段の検知が行われた場合にも、前記混同入賞効果音を発生させること」としてもよい。この場合、第1始動入賞手段又は第2始動入賞手段に遊技球が入球したかもしれないといった演出をよりリアルなものとすることができる。
手段A−7−b.所定期間あたりの前記第1始動入賞検知手段の検知回数と、前記第2始動入賞検知手段の検知回数との比較を行う入球割合判別手段を備え、
前記入球割合判別手段によって、前記第2始動入賞検知手段の検知回数に対する前記第1始動入賞検知手段の検知回数の割合が規定数値以下の場合に、前記効果音発生手段は、前記第2始動入賞検知手段の検知に基づいて、前記混同入賞効果音を発生させることを特徴とする手段A−7−aに記載の遊技機。
手段A−7−bによれば、第1始動入賞手段に遊技球があまり入球していないといった印象を遊技者に与えてしまうといった事態を抑制することができる。
B.遊技機の一種としてパチンコ機がある。パチンコ機では、発射手段によって打ち出された遊技球が遊技盤に設けられた始動入賞手段に入球すると、当たり状態を発生させるか否かの当否抽選が行われるとともに、可変表示手段にて当否抽選の結果を教示するための変動表示が行われるようになっている(例えば、特開2006−271480号公報参照)。
また、始動入賞手段として、所定の開放抽選にて当選した場合にのみ遊技球を入球させることが可能な開状態とされる開閉式始動入賞手段が設けられるものがある。ところで、一般に、開閉式始動入賞手段を開状態とするか否かについての開放抽選の結果を教示するための演出については行われるものの、開閉式始動入賞手段そのものとしては、前記開放抽選に応じて開閉するだけで、面白みに欠けるものとなっていた。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、その目的は、斬新な開閉式始動入賞手段を具備した遊技機を提供することにある。
手段B−1.遊技球を発射させる発射手段と、
遊技盤の前面側に設けられ、前記発射手段により発射された遊技球が案内される遊技領域と、
前記遊技領域を移動する遊技球が入球可能な開状態と、入球不可能又は入球困難な閉状態との間で状態変化可能に構成された開閉式始動入賞手段と、
前記開閉式始動入賞手段へ入球した遊技球を検知する始動入賞検知手段と、
前記始動入賞検知手段の検知に基づいて、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させるか否かの当否抽選を行うとともに、当該当否抽選の結果に基づいて前記特別遊技状態を発生させる主制御手段とを備える遊技機であって、
前記開閉式始動入賞手段は、当該開閉式始動入賞手段への入球を許容する開位置と、規制する閉位置との間で変位可能な羽根部材とを備える構成において、
前記羽根部材が前記閉位置にある状態において、前記羽根部材が前記開位置(前記閉位置以外の位置)に存在しているかのような疑似羽根開放態様を導出可能な疑似羽根開放手段を備えていることを特徴とする遊技機。
手段B−1によれば、開閉式始動入賞手段を開状態とさせるタイミングではなくても、羽根部材が開位置に存在しているかのような疑似羽根開放態様が導出される。これにより、開閉式始動入賞手段が閉状態とされている視認態様からの、羽根部材に関連する所定のアクションが発生する機会を増やすことができる。つまり、開閉式始動入賞手段の視認態様として、「開いている」、「閉じている」の他に、「開いているかもしれない」という態様を追加することができる。従って、開閉式始動入賞手段の態様がより多彩なものとなる上、疑似羽根開放態様を利用して、羽根部材の開閉に絡めた演出や、その他の状態の示唆(滞在する遊技モードの示唆や、変動表示の結果の示唆等)としての演出や、羽根部材の開閉に関係なく単なる賑やかしとしての演出等を行うことができる。結果として、演出性や遊技性の多様化等を図ることのできる斬新な開閉式始動入賞手段を搭載することができ、興趣の向上等を図ることができる。
さらに、疑似羽根開放態様によって、開閉式始動入賞手段が開状態(或いは閉状態)とされるタイミングのみを把握するといったことを難くすることができる。従って、開閉式始動入賞手段が開状態とされて遊技球が入球可能なタイミングにのみ遊技球を発射させるといった遊技を行うことのできる上級者の遊技者と、初心者の遊技者とでの格差が開いてしまうといった事態を抑制することができる。
また、例えば、羽根部材が閉位置にある場合、開閉式始動入賞手段に遊技球を入球させることができないことから、常に遊技球が入球可能な常開始動入賞手段が別に設けられている場合には、かかる常開始動入賞手段を狙って遊技球を打ち出すこととなる。ここで、かかる常開始動入賞手段に遊技球を入球させ難いような状態となってしまっている場合、遊技機に対するイメージが悪化し、遊技意欲を著しく低下させることが懸念される。
これに対し、開閉式始動入賞手段が開放される機会を増やすことで、たとえ、常開始動入賞手段には遊技球が入球し難くなっていても、開閉式始動入賞手段には遊技球が入球し易くなり、全体として始動入賞手段への入球し易さが低下することを回避できるような構成を採用することが考えられる。
しかしながら、一般に、パチンコ機では、常に遊技球を入球させることのできる常開始動入賞手段を狙って遊技球を打ち出すという遊技が基本となっている。このため、遊技球が常開始動入賞手段に入球し易いか否かについての印象は、遊技者にとって強くなる傾向にある。従って、いくら、開閉式始動入賞手段への入球し易さが向上することによって、遊技球を常開始動入賞手段へ入球させ難くなった分を補填できている(たとえ常開始動入賞手段への遊技球の入球し易さが低下したとしても、始動入賞手段への全体としての遊技球の入球し易さとしては、遜色がない、或いは、むしろ向上する)としても、依然として、遊技球を常開始動入賞手段へ入球させ難く、(ほぼ)入球しないといった状態が繰り返される場合には、遊技機や、遊技機が設置される遊技ホール等に対する印象が悪化してしまうことが懸念される。
そこで、上記手段B−1では、「羽根部材が開位置に存在しているかのような疑似羽根開放態様を導出可能な疑似羽根開放手段を備えていること」としている。このため、羽根部材が閉位置にある状態であっても、疑似羽根開放態様が導出されている場合には、常開始動入賞手段よりも、開閉式始動入賞手段の方へ遊技者の興味を引くことができる。従って、常開始動入賞手段に遊技球が入球し難いことに起因して興趣の低下を招くといった事態を抑制することができる。
さらに、疑似羽根開放態様はあくまでも、羽根部材が開放されたかのように見せかけるためのものであり、これによって、羽根部材が開放されたように見えるが、開閉式始動入賞手段に遊技球が入球している気配がないといった具合に、開閉式始動入賞手段の遊技球の入球状態と、開閉式始動入賞手段の見た目とが必ずしも一致しなくなる。そして、疑似羽根開放態様がある程度繰り返されると、遊技球が開閉式始動入賞手段等にコンスタントに入球していて遊技に滞りがないのであれば(始動入賞手段に遊技球が入球しなさ過ぎることに起因して不利な遊技を強いられている状態でなければ)、羽根部材の態様や、疑似羽根開放態様について、あまり気にならなくなる心境に至らせることができる。結果として、たとえ常開始動入賞手段への遊技球の入球し易さが低下している場合であっても、そのことに起因した印象の悪化を抑制することができるといった作用効果がより一層奏されることとなる。
尚、疑似羽根開放態様が導出されている状態(例えば、後述の疑似羽根部材が機能位置にある状態)において、羽根部材が閉位置にあってもなくても、閉位置にある羽根部材が位置することとなる場所の視認態様の変化が少なくなるように構成されることが望ましい。例えば、閉位置にある羽根部材(及び疑似羽根部材)の前方を覆うカバーを設けることとしたり、閉位置にある羽根部材の後方位置に対応して、羽根部材が開位置へと変位した場合に視認可能となるようにして、羽根部材(の前面形状)を模したデザインが施されるように構成したりしてもよい。この場合、疑似羽根開放態様が導出されているだけなのか、或いは、本当に羽根部材についても開位置にあるのか(羽根部材が閉位置にあるのか否か)といった判別がより付き難くなり、疑似羽根手段を設けることによる作用効果がより一層奏されることとなる。また、本手段B−1の開閉式始動入賞手段は、上記した主たる実施形態に対応しては、第2始動入賞装置33bと、疑似羽根部材431とによって構成されている。
尚、「前記開閉式始動入賞手段は、前記遊技領域を移動する遊技球を受けて、前記遊技領域の外部へと案内する球受部と、前記球受部の側方の前記遊技領域を移動する遊技球を前記球受部へと案内する開位置と、前記球受部の側方の前記遊技領域を移動する遊技球の前記球受部側への移動を規制する閉位置との間で変位可能な羽根部材とを備える」としてもよい。
手段B−2−a.前記遊技領域において前記遊技盤との間に遊技球が通過可能な距離を隔てて設けられ、少なくとも前記開閉式始動入賞手段の前方を覆う前被覆手段を備え、
前記前被覆手段は、少なくとも前記閉位置にある前記羽根部材の一部、及び、前記開位置にある前記羽根部材の一部の前方を覆うようにして設けられるとともに、
前記前被覆手段の少なくとも一部は透視性を有し、前記前被覆手段を介して前記羽根部材を視認可能に構成されていることを特徴とする手段B−1に記載の遊技機。
手段B−2−aによれば、開閉式始動入賞手段の前方を覆う前被覆手段が設けられることによって、羽根部材の視認性や、開閉式始動入賞手段の周りを移動する遊技球の視認性が比較的低下することとなる。従って、疑似羽根開放態様と、本当に羽根部材が開位置とされた態様との差異を小さくできるとともに、遊技球の移動の経路によって、疑似羽根開放態様であることが直に把握されてしまうといった事態を抑制することができる。
手段B−2−b.前記前被覆手段は、第1オブジェクトをかたどっている第1オブジェクト表示部を備え、
前記羽根部材(後述する手段B−4に対応しては、疑似羽根部材)は、第2オブジェクトをかたどっている第2オブジェクト表示部を備え、
前記羽根部材(手段B−4に対応しては、疑似羽根部材)が前記開位置(手段B−4に対応しては、機能位置)とされることで、前記第2オブジェクトが前記第1オブジェクトと合わせて第3オブジェクトをかたどる完成表示状態となり、
前記羽根部材(手段B−4に対応しては、疑似羽根部材)が前記閉位置(手段B−4に対応しては、待機位置)とされることで、前記第2オブジェクトの全体又は大部分が前記第1オブジェクトの後方に隠れる未完成表示状態となり、
前記疑似羽根開放手段により前記疑似羽根開放態様が導出された場合に、前記疑似羽根開放態様が前記第1オブジェクトと合わせて前記第3オブジェクトをかたどる前記完成表示状態となることを特徴とする手段B−2−aに記載の遊技機。
手段B−2−bによれば、前被覆手段に対して第1オブジェクト表示部を設けるとともに、羽根部材に対して、開位置となれば、第1オブジェクトと合わせて第3オブジェクトがかたどられる第2オブジェクトを表示する第2オブジェクト表示部を設けることで、羽根部材の変位に伴って動作する第3オブジェクトに視線を集める一方で、前被覆手段の裏側の視認性を低下させたり、始動入賞手段に遊技球が入球する様子への遊技者の興味を低下させたりすることができる。従って、第1始動入賞手段への遊技球の入球し易さが低下することに起因した印象の悪化を抑制するといった作用効果がより一層奏されることとなる。
また、疑似羽根開放手段によって、羽根部材を開位置としなくても、第3オブジェクトが表示される完成表示状態とすることができる。従って、第3オブジェクトを利用した演出をより積極的に行うことが可能となる。さらに、疑似羽根開放態様を導出した場合にも、(遊技者が形として認識し易い)第3オブジェクトをかたどる完成表示状態となることから、羽根部材が開位置に変位したのかもしれないといった疑似羽根開放態様のリアリティーをより高めることができる。
手段B−2−c−1.前記遊技領域のうち前記前被覆手段によって前方が覆われている被覆領域には、当該被覆領域を移動する遊技球を検知可能な疑似入賞検知手段が設けられ、
前記疑似入賞検知手段の検知に基づいて、前記始動入賞検知手段の検知が行われたかのような疑似入賞態様を導出可能に構成されていることを特徴とする手段B−2−a又はB−2−bに記載の遊技機。
手段B−2−c−1によれば、前被覆手段によって前方が覆われている被覆領域において、開閉式始動入賞手段とともに、疑似入賞検知手段が設けられている。つまり、前被覆手段が設けられることで、開閉式始動入賞手段に遊技球が入球したか否かの視認性が比較的低下している構成において、疑似入賞検知手段の検知に基づいて、前被覆手段裏面側の被覆領域に進入した遊技球が開閉式始動入賞手段に入球したのかも知れないといった疑似入賞態様を導出する(例えば、開閉式始動入賞手段と同じく被覆領域に設置された疑似入賞検知手段の検知に基づいて、始動入賞検知手段の検知が行われた場合と同じようなリアクションを導出したり、導出した場合はそのリアクションが始動入賞検知手段の検知によるものかを示唆したりする等を行う)ことができる。従って、開閉式始動入賞手段に対する遊技球のアクションとして、「入球した」、「入球していない」の他に、「入球したのかもしれない」というパターンを追加することができ、演出機会及び演出の種類を増加させ、演出の多様化等を図ることができる。結果として、前被覆手段を設けて遊技球が始動入賞手段に入球するのか否かを分かり難くしたこと(開閉式始動入賞手段に遊技球が入球したかの演出)の価値を飛躍的に高めることができ、興趣の向上を図ることができる。
手段B−2−c−2.前記始動入賞検知手段の検知が行われた場合に、当該検知に対応する入球検知対応表示(例えば、保留アイコン)を導出可能な入球検知対応表示手段が設けられ、
前記疑似入賞検知手段の検知が行われた場合に、前記入球検知対応表示手段において、前記入球検知対応表示を模した前記入球検知対応表示とは異なる態様の疑似入球検知対応表示を導出可能に構成されていることを特徴とするB−2−c−1に記載の遊技機。
開閉式始動入賞手段に遊技球が入球すれば入球検知対応表示が表示される構成においては、前被覆手段で遊技球の開閉式始動入賞手段への入球の様子などを見え難くする等しても、入球検知対応表示が表示されない時点で、直に開閉式始動入賞手段に遊技球が入球しなかったと把握されてしまう。この点、手段B−2−c−2のように、疑似入球検知対応表示を表示可能とすることで、入球検知対応表示が表示されたタイミングでも、未だ、遊技球が開閉式始動入賞手段に入球したのか否かの結果が分かることを引き延ばすことができ、入球検知対応表示又は疑似入球検知対応表示のどちらなのかの演出等を行うことができる。従って、開閉式始動入賞手段に遊技球が入球したか否かの演出をより一層面白味のあるものとすることができる。結果として、疑似羽根開放態様を導出すること(開閉式始動入賞手段に遊技球が入球したかの演出)の価値を飛躍的に高めることができ、興趣の向上を図ることができる。
手段B−2−c−3.前記始動入賞検知手段の検知が行われた場合に、当該検知に対応する入球検知対応表示(本保留アイコン)を導出する前に、前記疑似入球検知対応表示(疑似保留アイコン)と同様の態様である前駆表示(仮保留アイコン)を導出可能に構成されていることを特徴とする手段B−2−c−2に記載の遊技機。
手段B−2−c−3によれば、疑似入球検知対応表示又は前駆表示が表示された段階で、これが入球検知対応表示に変化するのか否かの楽しみを確保しつつ、入球検知対応表示と、疑似入球検知対応表示との態様の差を明確にする(疑似入球検知対応表示は入球検知対応表示ではないことを理解し易くする)ことができる。つまり、入球検知対応表示と、疑似入球検知対応表示とをよく見れば違うが、同じような態様であったり、見分けがつかない態様であったりしてしまう場合に、遊技者が疑似入球検知対応表示をあくまでも入球検知対応表示だと思い込み、不信感等を抱かせてしまうといった事態を回避することができる。
手段B−2−c−4.前記始動入賞検知手段による検知が前記当否抽選の契機として有効な状態と、無効な状態とがあり、
前記前被覆手段で前方が覆われた前記始動入賞手段のうち所定の前記始動入賞手段に対応する前記始動入賞検知手段による検知が有効な状態において、前記疑似入賞検知手段の検知が有効とされ、
前記所定の始動入賞検知手段による検知が無効な状態において、前記疑似入賞検知手段の検知が無効とされることを特徴とする手段B−2−c−1乃至B−2−c−3のいずれかに記載の遊技機。
手段B−2−c−4によれば、入球検知対応表示が表示される筈のない状態において、疑似入球検知対応表示が表示されることで、疑似入球検知対応表示であることが明確に認識されてしまうといった事態を回避することができる。従って、あからさまな疑似入球検知対応表示がむやみに導出されることに起因して、興趣の低下を招いてしまうといった事態を防止することができる。
手段B−3.前記遊技領域を移動する遊技球が入球可能な第1始動入賞手段と、
前記遊技領域を移動する遊技球が入球可能な開状態と、入球不可能又は入球困難な閉状態との間で状態変化可能に構成され(、前記第1始動入賞手段よりも前記遊技領域の下流側に配置され)た前記開閉式始動入賞手段としての第2始動入賞手段と、
前記第1始動入賞手段へ入球した遊技球を検知する第1始動入賞検知手段と、
前記第2始動入賞手段へ入球した遊技球を検知する前記始動入賞検知手段としての第2始動入賞検知手段とを備え、
前記主制御手段は、前記第1始動入賞検知手段又は前記第2始動入賞検知手段の検知に基づいて前記当否抽選を行う構成であって、
前記前被覆手段は、少なくとも前記第1始動入賞手段及び前記第2始動入賞手段の前方をまとめて覆っていることを特徴とする手段B−2に記載の遊技機。
手段B−3によれば、第1始動入賞手段及び第2始動入賞手段(開閉式始動入賞手段)の前方をまとめて覆う前被覆手段によって、遊技球が第1始動入賞手段及び第2始動入賞手段のどちらに入球したのかについても分かり難くなる。従って、遊技者があまりストレスを受けずに遊技を進行させることのできるバランスで第2始動入賞手段が開状態とされるように設定されている場合には、遊技者は、前被覆手段の裏側に遊技球を進入させてさえいれば、遊技球が第1始動入賞手段及び第2始動入賞手段のどちらかに入球し、当否抽選が受けられるといった感覚で遊技を進行させることが可能となる。つまり、たとえ、第1始動入賞手段への遊技球の入球率が低くても、第2始動入賞手段に比較的容易に遊技球が入球するのであれば、当否抽選がコンスタントに受けられるので、遊技を進行させる上で実質的な損失はなく、かつ、遊技球が第1始動入賞手段及び第2始動入賞手段のどちらに入球したのかについても視認し難くなるため、次第に、第1始動入賞手段に遊技球が入球し易いか否かについても気にならなくなる。結果として、たとえ第1始動入賞手段への遊技球の入球し易さが低下している場合であっても、そのことに起因した印象の悪化を抑制することができる。
加えて、前被覆手段が設けられることによって第1始動入賞手段及び第2始動入賞手段の周辺部の一体感を高めることができる。つまり、前被覆手段を狙って遊技球を打ち出していれば、第1始動入賞手段及び前記第2始動入賞手段のどちらかに入球するのだという比較的分かり易い視認イメージとすることができる。また、第1始動入賞手段及び第2始動入賞手段をまとめて覆う前被覆手段においてよりダイナミックな装飾等を行うことができ、意匠性の向上等を図ることができる。
尚、前被覆手段は、第1始動入賞手段を覆う部位と、第2始動入賞手段を覆う部位とが一体的に形成(一体成形、或いは、別体だったものを合体)されてもよいし、別体で構成されたものを隣接配置させてもよい。また、「前記前被覆手段のうち少なくともその後方の遊技領域を遊技球が通過可能となっている部位(例えば、第1始動入賞手段及び第2始動入賞手段等の入賞手段の前方を覆っている部位以外の部位)においては透視性を有する(透明または半透明な材料で構成する、或いは、スリットを形成する等)ように構成されていること」としてもよい。この場合、初めて遊技を行う遊技者等が、前被覆手段の裏側で何が起きているか見えないことで不安になる等といった事態を解消することができる。また、例えば、前被覆手段を所定の情報を遊技者に教示するための場所として使用してもよい。例えば、前被覆手段に機種情報(機種名や当否抽選の確率等)を表示したり、イメージキャラクターなどを表示したりするように構成してもよい。
手段B−4−a.前記疑似羽根開放手段は、前記羽根部材の前方に配置され、前記開位置にある前記羽根部材の前方を覆うことのできる機能位置と、前記閉位置にある前記羽根部材の前方を覆うことのできる待機位置との間を変位可能な疑似羽根部材を備え、
前記羽根部材が前記閉位置にあり、前記疑似羽根部材が前記機能位置にある場合に、前記疑似羽根部材の後方の前記遊技領域を遊技球が通過可能に構成されていることを特徴とする手段B−1乃至B−3のいずれかに記載の遊技機。
手段B−4−aによれば、疑似羽根開放態様をよりリアルに導出することができる。つまり、例えば、羽根部材の後方において、該羽根部材の態様を模した疑似羽根開放手段を設けることも考えられるが、この場合、かかる疑似羽根開放手段が比較的後方に配置されてしまうため、疑似羽根開放手段が疑似羽根開放態様とされても見え難くなることが懸念される。加えて、疑似羽根開放態様にある疑似羽根開放手段の前方を遊技球が通過する可能性がある。これらによって、疑似羽根開放態様が疑似であることを瞬時に把握されてしまうおそれがある。この点、疑似羽根部材を羽根部材の前方に設けることで、上記懸念を払拭することができる。
また、羽根部材を閉位置としたまま、疑似羽根部材を機能位置へと変位させることができることから、開閉式始動入賞手段(第2始動入賞手段)への必要以上の遊技球の入球を招くことなく、疑似羽根部材が動作する態様(例えば、疑似羽根部材をキャラクタ表示の一部とする場合にキャラクタが動作する態様、開閉式始動入賞手段が(微妙に)開閉する態様等)を演出等にも十分に利用することができる。
尚、疑似羽根部材の形状としては、板状に限定されるものではなく、例えば、疑似羽根部材の変位方向において開口し、内側に羽根部材を収容可能な四角枠状や、該四角枠状の一部を切り欠いたような断面略コ字状に構成することとしてもよい。また、手段B−2、手段B−3に関して、機能位置にある疑似羽根部材は前被覆手段の外縁よりも外方に突出していることとしてもよい。すなわち、羽根部材の所在については分かり難くする一方で、疑似羽根部材の所在については分かり易くすることで、疑似羽根部材を利用した演出を認識してもらう一方で、羽根部材の開閉に気を取られることを抑制しつつ、遊技を進行してもらうことができる。
手段B−4−b.前記疑似羽根開放手段は、前記羽根部材が前記開位置へと変位する場合は、前記疑似羽根部材についても前記機能位置へと変位させることを特徴とする手段B−4−aに記載の遊技機。
手段B−4−bによれば、羽根部材が開位置にある場合に該羽根部材を正面視した態様と、羽根部材が閉位置にあるものの、疑似羽根部材が機能位置にある場合に該疑似羽根部材を正面視した態様とを同じ(どちらも機能位置にある疑似羽根部材が視認される)とすることができる。従って、疑似羽根開放態様のリアリティーをより高めることができる。また、当該構成を採用する場合には、羽根部材の前面側の態様を、疑似羽根部材の態様と同じにする必要がなく、羽根部材の前面等に対して、特に図形を描く等の加工を施さなくても済む。このため、羽根部材の構成の簡素化を図ることができ、また、羽根部材の前面に対して所定の図形等を描いた場合に、当該図形等が疑似羽根部材と擦れて、意匠性が低下してしまったりすること等を防止することができる。
手段B−4−c.前記羽根部材及び前記疑似羽根部材は回動可能に構成されるとともに、前記羽根部材の回転軸線、及び、前記疑似羽根部材の回転軸線は同一直線上に延びていることを特徴とする手段B−4−a又はB−4−bに記載の遊技機。
手段B−4−cによれば、羽根部材の動作と、疑似羽根部材の動作とを比較的容易に同調させることができる。従って、例えば、羽根部材が開位置と閉位置との間を変位する最中においても、疑似羽根部材を羽根部材の変位に同調させて変位させ、羽根部材の前方を覆うことができる。従って、羽根部材の所在を分かり難くする等といった作用効果がより一層奏されることとなる。尚、羽根部材に連結される略筒状の羽根用軸の内側に、疑似羽根部材に連結される疑似用軸が挿通されていることとしてもよい。この場合、羽根部材及び疑似羽根部材の回転軸線を、比較的容易に、同一直線上に延在させることが可能となる。
手段B−4−d.前記羽根部材は、当該羽根部材が前記閉位置から前記開位置へと変位する際に前記疑似羽根部材を押圧して、当該疑似羽根部材を前記待機位置から前記機能位置へと変位させる羽根側押圧部を備えていることを特徴とする手段B−4−a乃至B−4−cのいずれかに記載の遊技機。
手段B−4−dによれば、羽根部材が閉位置から開位置へと変位する場合に、羽根部材が先に(主として)駆動した場合には、疑似羽根部材がそれに従動することとなる。このため、それぞれがばらばらに動作することが回避され、羽根部材と疑似羽根部材とを、あたかも1つの部材であるかのように同調させて動かすことができる。従って、開位置に変位する羽根部材の動作と、機能位置に変位する疑似羽根部材の動作とがずれてしまい、羽根部材が開位置に変位したのか、或いは、疑似羽根部材のみが機能位置に変位したに過ぎないのかが分かり易くなってしまうといった事態を回避することができる。
尚、羽根部材を閉位置から開位置へと変位させ、かつ、疑似羽根部材を待機位置から機能位置へと変位させる場合には、羽根部材を動作させるための羽根側駆動手段、及び、疑似羽根部材を動作させるための疑似側駆動手段のうち、羽根側駆動手段を駆動させることとしてもよい。
手段B−4−e.前記疑似羽根部材は、当該疑似羽根部材が前記機能位置から前記待機位置へと変位する際に前記羽根部材を押圧して、当該羽根部材を前記開位置から前記閉位置へと変位させる疑似側押圧部を備えていることを特徴とする手段B−4−a乃至B−4−dのいずれかに記載の遊技機。
手段B−4−eによれば、羽根部材が開位置から閉位置へと変位する場合に、疑似羽根部材が先に(主として)駆動した場合には、羽根部材がそれに従動することとなる。このため、それぞれがばらばらに動作することが回避され、羽根部材と疑似羽根部材とを、あたかも1つの部材であるかのように同調させて動かすことができる。従って、閉位置に変位する羽根部材の動作と、待機位置に変位する疑似羽根部材の動作とがずれてしまい、羽根部材が開位置に存在していたのか、或いは、疑似羽根部材のみが機能位置に存在していたに過ぎないのかが分かり易くなってしまうといった事態を回避することができる。
尚、羽根部材を開位置から閉位置へと変位させ、かつ、疑似羽根部材を機能位置から待機位置へと変位させる場合には、羽根部材を動作させるための羽根側駆動手段、及び、疑似羽根部材を動作させるための疑似側駆動手段のうち、疑似側駆動手段を駆動させることとしてもよい。
手段B−4−f.前記羽根部材は、無色透明、又は、前記開位置にある前記羽根部材の後方に位置する部材の色と同系統の色相である素材によって構成されていることを特徴とする手段B−4−a乃至B−4−eのいずれかに記載の遊技機。
手段B−4−fによれば、羽根部材を視認し難くすることができる(羽根部材の動作や所在が確認し難くなる)。従って、疑似羽根開放態様のリアリティーを高めるといった作用効果がより一層奏されることとなる。
手段B−4−g.前記主制御手段からの信号に基づいて制御を実行可能なサブ制御手段を備え、
前記開閉式始動入賞手段の開閉制御は前記主制御手段によって実行され、
前記疑似羽根開放手段の駆動制御は、前記サブ制御手段によって(前記主制御手段からの前記開閉式始動入賞手段の開閉に関する情報に対応して)実行されることを特徴とする手段B−4−a乃至B−4−fに記載の遊技機。
手段B−4−gによれば、主制御手段の制御負担の軽減等を図ることができる。
B−4−h.前記疑似羽根開放手段は、
前記閉位置にある前記羽根部材が前記開位置へと変位する場合は、前記待機位置にある前記疑似羽根部材を前記機能位置へと変位させ、
前記開位置にある前記羽根部材が前記閉位置へと変位する場合は、前記機能位置にある前記疑似羽根部材を前記機能位置へと変位させる構成であって、
前記主制御手段は、前記羽根部材を前記開位置へと変位させる処理に先立って、前記羽根部材が前記開位置へと変位する旨の開放予定情報を前記サブ制御手段へと出力するとともに、
前記サブ制御手段は、前記開放予定情報を受信した場合に、前記疑似羽根部材を前記待機位置へと変位させることを特徴とする手段B−4−gに記載の遊技機。
手段B−4−hによれば、閉位置にある羽根部材が開位置へと変位する場合に、疑似羽根部材が既に機能位置にあることで、変位途中の羽根部材を疑似羽根部材で覆うことができなくなってしまうといった事態を回避することができる。
手段B−4−i.前記疑似羽根部材は、前記羽根部材よりも前面の面積が広く構成され、
前記羽根部材が前記開位置にあり、前記疑似羽根部材が前記機能位置にある場合には、前記羽根部材の前記閉位置側の面よりも、前記疑似羽根部材の前記待機位置側の辺部の方が、前記閉位置側に位置し、
前記羽根部材が前記閉位置にあり、前記疑似羽根部材が前記待機位置にある場合には、前記羽根部材の前記開位置側の面よりも、前記疑似羽根部材の前記機能位置側の辺部の方が、前記開位置側に位置していることを特徴とする手段B−4−g又は手段B−4−hに記載の遊技機。
羽根部材の開閉制御と、疑似羽根部材の駆動制御とが別々の制御手段によって行われる場合、羽根部材の動作開始タイミングと、疑似羽根部材の動作開始タイミングとが僅かにずれる可能性がある。この点、手段B−4−iによれば、先に動作し得る羽根部材の動作方向側を、疑似羽根部材で余分に覆うように構成されており、羽根部材が若干先行して変位したとしても、疑似羽根部材で覆われている範囲内に収まることとなる。従って、羽根部材が変位するのか否かが分かり易くなってしまったり、羽根部材の動作と疑似羽根部材の動作とがずれることでの意匠性の低下を招いたりしてしまうことを防止することができる。
手段B−4−j.前記羽根部材及び前記疑似羽根部材は、前記遊技盤の中央部よりも下方に配置されるとともに、
少なくとも前記羽根部材を前記開位置とし、かつ、前記疑似羽根部材を前記機能位置とした場合に、前記羽根部材よりも前方に配置される前記疑似羽根部材の上辺部が、前記羽根部材の上面よりも上方に位置するように構成されていることを特徴とする手段B−4−a乃至B−4−iに記載の遊技機。
一般に、遊技機を遊技者が遊技する場合には、遊技者の顔が、遊技盤の中央部に対向するような位置関係となっている。そして、羽根部材及び疑似羽根部材が、遊技盤の中央部よりも下方に配置されている場合、羽根部材及び疑似羽根部材に対する遊技者の視線は斜め下方に向く(羽根部材及び疑似羽根部材が斜め上から覗きこまれるような)格好となる。このため、羽根部材及び疑似羽根部材を前後に配置しても、羽根部材と疑似羽根部材との判別が一瞬にしてついてしまうことが懸念される。
これに対し、手段B−4−jによれば、機能位置にある疑似羽根部材の上辺部が、開位置にある羽根部材の上面よりも上方に位置することから、開位置にある羽根部材及び機能位置にある疑似羽根部材を前上方から見た場合に両者が極力重なるように相対配置することができる。従って、疑似羽根開放態様のリアリティーを高めるといった作用効果がより一層奏されることとなる。
手段B−4−k.前記遊技領域のうち前記機能位置にある前記疑似羽根部材によって前方が覆われる特定被覆領域、又は、当該特定被覆領域の下流側に隣接或いは近接する位置において、遊技領域を移動する遊技球の進行方向を変化させる進路変更手段が設けられていることを特徴とする手段B−4−a乃至B−4−jのいずれかに記載の遊技機。
例えば、特定被覆領域に遊技球が進入し、羽根部材が開位置にあれば当該羽根部材によって開閉式始動入賞手段(球受部)へと案内される案内ポイントに遊技球が到達したとしても、羽根部材が閉位置にある場合には、当然遊技球は羽根部材に案内されることなく、そのまま遊技領域を流下し、特定被覆領域の外部に排出される。このとき、遊技球が特定被覆領域に入射した軌道と、該遊技球が特定被覆領域から排出された後の軌道とがほぼ一直線上に延びる場合、先程、被覆領域に入射した遊技球が羽根部材に案内されることなく、ひいては、始動入賞手段に入球することなく、特定被覆領域から排出されたものとしてすぐに把握されてしまう。
この点、手段B−4−kのように、特定被覆領域、又は、その下流側に隣接、或いは、近接する位置において進路変更手段が設けられることにより、特定被覆領域に進入した後の遊技球の行方を追い難くなる。従って、特定被覆領域に進入した遊技球と、特定被覆領域から外方の視認し易い場所に飛び出してきた遊技球との対応関係が分かり難くなり、遊技球が羽根部材に案内され、開閉式始動入賞手段(第2始動入賞手段)に入球したのかもしれないし、入球していないのかもしれないといった状況をより多く作り出すことができる。
尚、「前記機能位置にある前記疑似羽根部材の前記待機位置側の辺部は、前記開位置にある前記羽根部材の前記閉位置側の面よりも、前記閉位置側に位置していること」としてもよい。さらに、「前記開位置にある前記羽根部材に案内される遊技球は、前記機能位置にある前記疑似羽根部材によって前方を覆われるように構成されていること」としてもよい。この場合、遊技球が羽根部材に案内されたのか否かをより分かり難くすることができる。
尚、上記手段B−2に対応して、「前記進路変更手段は、前記前被覆手段によって覆われる被覆領域にも設けられていること」としてもよい。この場合、被覆領域における遊技球の挙動をより把握し難くなり、被覆領域に進入した遊技球と、被覆領域から排出された遊技球との対応関係を分かり難くすることができる。さらに、上記手段B−2−dに対応して、「前記進路変更手段は、前記被覆領域を移動する遊技球を前記疑似入賞検知手段へと案内する疑似入賞案内手段を備えていること」としてもよい。この場合、疑似入賞検知手段へ遊技球を至らせ易くすることができ、例えば、疑似入賞検知手段を設けたものの、設置スペースの関係などで、遊技球があまり通過しない位置に設置せざるを得ず、ほとんど機能しないといった事態を回避することができる。さらには、遊技球が、被覆領域に進入してから、始動入賞手段に入球することなく、被覆領域の外部に排出されるまでのタイムラグがより長くなり、被覆領域に進入した遊技球と、被覆領域から排出された遊技球との対応関係をあいまいにするといった作用効果がより顕著に奏される。
手段B−5−a.前記疑似羽根開放手段は、
前記開位置にある前記羽根部材に対して前後方向に重なる位置に設けられ、前記開位置にある前記羽根部材を模した疑似開放オブジェクトと、
前記疑似開放オブジェクトに光を照射する疑似用光源とを備えていることを特徴とする手段B−1又はB−4のいずれかに記載の遊技機。
手段B−5によれば、比較的簡単な構成を採用しつつ、疑似羽根開放態様を導出することができる。尚、手段B−4に記載されているような疑似羽根部材を併用することとしてもよい。また、上記手段B−2や手段B−3に対応して、「前記前被覆手段のうち少なくとも一部が導光板として構成され、前記疑似用光源によって前記導光板に対して端から光を入射させることで、当該導光板のうち前記開位置にある前記羽根部材の前方を覆う位置において前記疑似開放オブジェクトが浮かび上がるように構成されていること」としてもよい。この場合、前被覆手段において疑似羽根開放態様を導出することができ、疑似羽根開放態様の見易さを向上させることができる。また、前被覆手段において、疑似用光源の発光時のみ、疑似羽根開放態様を視認させることができる。
手段B−5−b.前記羽根部材(上記手段B−4の構成を併用する場合には、「前記疑似羽根部材」)は、前方から視認可能な発光手段を備え、
前記疑似羽根開放手段の前記疑似開放オブジェクトは、少なくとも前記発光手段を模して形成されていることを特徴とする手段B−5−aに記載の遊技機。
手段B−5−bによれば、羽根部材(疑似羽根部材)ついても自身が発光しているような視認態様とすることで、羽根部材が開位置とされた態様と、疑似開放オブジェクト及び疑似用光源を用いた疑似羽根開放手段による疑似羽根開放態様とをより強く結びつける(ぱっと見の直感的な判断ではどちらなのか混同させてしまう)ことができる。また、疑似羽根開放手段の疑似開放オブジェクトの構成(形状)の簡略化(全体ではなく発光手段のみをまねるだけで十分疑似的な態様になる)等を図ることもできる。
手段B−5−c.前記疑似開放オブジェクトは、前記開位置にある前記羽根部材にと前後に重なる位置だけでなく、前記閉位置にある前記羽根部材と前後に重なる位置と、前記開位置にある前記羽根部材と前後に重なる位置との間の位置にも設けられ、
前記疑似用光源は、前記各疑似開放オブジェクトに対してそれぞれ光を順次照射可能に構成されていることを特徴とする手段B−5−a又はB−5−bに記載の遊技機。
手段B−5−cによれば、羽根部材が開閉動作する様を模した態様についても導出することが可能となる。従って、よりリアルで多彩な疑似羽根開放態様を導出することができる。
手段B−6.前記開位置にある前記羽根部材の前方を覆う開時被覆手段と、
前記閉位置にある前記羽根部材の前方を覆う閉時被覆手段と
のうち少なくとも一方を備えていることを特徴とする手段B−1乃至B−5のいずれかに記載の遊技機。
手段B−6によれば、閉位置や開位置にある羽根部材が隠されることから、羽根部材が開位置及び閉位置のどちらにあるのかを把握し難くすることができる。特に、上記手段B−4に関しては、羽根部材の位置と、疑似羽根部材の位置とが対応していないときに、本手段の作用効果がより一層発揮されることとなる。尚、上記手段B−4−kのように、遊技領域のうち、開示被覆手段で前方が覆われる領域、又は、該領域の下流側に隣接する部位において、遊技領域を移動する遊技球の進行方向を変化させる進路変更手段を備えていることとしてもよい。すなわち、例えば、上記手段B−4−kのような疑似羽根部材が設けられていない構成においても、羽根部材が開位置にあるか否かを分かり難くしている本手段B−6において進路変更手段を設けることにより、基本的に上記手段B−4−kと同様の作用効果が奏されることとなる。
C.遊技機の一種としてパチンコ機がある。パチンコ機では、発射手段によって打ち出された遊技球が遊技盤に設けられた始動入賞手段に入球すると、当たり状態を発生させるか否かの当否抽選が行われるとともに、可変表示手段にて当否抽選の結果を教示するための変動表示が行われるようになっている(例えば、特開2006−271480号公報参照)。
また、始動入賞手段として、所定の開放抽選にて当選した場合にのみ遊技球を入球させることが可能な開状態とされる開閉式始動入賞手段を設け、始動入賞手段に遊技球が入球し易い状態と、入球し難い状態とを設定する等して、遊技性に抑揚をつけること等が知られている。しかしながら、開閉式始動入賞手段にしても、前記開放抽選の結果に応じて開閉するだけであり、それ自体の挙動は単調なものとなっている。さらに、開閉式始動入賞手段に到達した遊技球は、該開閉式始動入賞手段が開状態にあれば入球可能であるし、閉状態にあれば入球不可能であるといった具合に、始動入賞手段の周辺部を移動する遊技球の挙動等についても比較的単調なものとなっている。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、その目的は、始動入賞に関する演出性を高め、より興趣の向上を図ることのできる遊技機を提供することにある。
手段C−1.遊技球を発射させる発射手段と、
遊技盤の前面側に設けられ、前記発射手段により発射された遊技球が案内される遊技領域と、
前記遊技領域を移動する遊技球が入球可能な始動入賞手段と、
前記始動入賞手段へ入球した遊技球を検知する始動入賞検知手段と、
前記始動入賞検知手段の検知に基づいて、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させるか否かの当否抽選を行うとともに、当該当否抽選の結果に基づいて前記特別遊技状態を発生させる主制御手段とを備える遊技機であって、
前記遊技領域において前記遊技盤との間に遊技球が通過可能な距離を隔てるようにして設けられ、前記始動入賞手段(の入口)、又は、遊技球を前記始動入賞手段に案内する案内手段(に案内されている遊技球)の前方を覆う機能位置と、前記始動入賞手段、又は、前記案内手段を前方に露出させる待機位置との間を変位可能に構成され、少なくとも一部において透視性を有する可動被覆手段を備えていることを特徴とする遊技機。
手段C−1によれば、可動被覆手段が機能位置にある場合、可動被覆手段が透視性を有しているとはいえ、遊技球が始動入賞手段に入球したか否か、又は、遊技球が案内手段によって案内されたか否かについて比較的視認性が低下する。特に、可動被覆手段が動作中、或いは、動作直後の場合には、遊技者の視線が可動被覆手段の方につられてしまい、かかる傾向がより強くなる。従って、遊技球を目で追っていても一瞬見失うといった状況が発生したり、或いは、遊技者が別の方法で遊技球の動向を把握しようとしたりし易くなることが考えられ、そこに新たな演出(あの遊技球はどこに移動し、その結果、どうなるのか等を教示・示唆する演出を別の表示手段で行う等)を追加する機会を得ることができる。結果として、遊技球の始動入賞手段への入球(始動入賞)に関して、よりドラマチックな展開や演出を発生させることができ、興趣の向上等を図ることができる。
尚、本手段C−1の可動被覆手段は、例えば、上記した主たる実施形態においては、疑似羽根部材431によって構成され、一般部は前装飾部403によって構成される。
手段C−2.前記遊技領域のうち前記機能位置にある前記可動被覆手段によって前方が覆われる特定被覆領域、又は、当該特定被覆領域の下流側に隣接或いは近接する位置において、遊技領域を移動する遊技球の進行方向を変化させる進路変更手段が設けられていることを特徴とする手段C−1に記載の遊技機。
例えば、機能位置にある可動被覆手段によって前方が覆われる特定被覆領域に遊技球が進入しても、特定被覆領域に設けられた始動入賞手段に入球したり、又は、案内手段に案内されたりしなければ、当然遊技球はそのまま遊技領域を流下し、特定被覆領域の外部に排出される。このとき、遊技球が特定被覆領域に入射した軌道と、該遊技球が特定被覆領域から排出された後の軌道とがほぼ一直線上に延びる場合、先程、被覆領域に入射した遊技球が始動入賞手段に入球することなく、特定被覆領域から排出されたものとしてすぐに把握(特定)されてしまう。
この点、手段C−2のように、特定被覆領域、又は、その下流側に隣接、或いは、近接する位置において進路変更手段が設けられることにより、特定被覆領域に進入した後の遊技球の行方を追い難くなる。従って、特定被覆領域に進入した遊技球と、特定被覆領域から外方の視認し易い場所に飛び出してきた遊技球との対応関係が分かり難くなり、遊技球が始動入賞手段に入球したり、案内手段に案内されたりしたのかもしれないし、していないのかもしれないといった状況をより多く作り出すことができる。これにより、可動被覆手段を設けることにより、遊技球が始動入賞したのかどうか等を分かり難くしても、遊技球が始動入賞したのかどうか等を直に把握されてしまうといった事態を抑制することができ、特定被覆領域に進入した遊技球がどうなったのか等を教示・示唆する演出を行う場合において、かかる演出をより効果的なものとすることができる。
手段C−3−a.前記遊技領域において前記遊技盤との間に遊技球が通過可能な距離を隔てて設けられ、少なくとも前記始動入賞手段の前方を覆う前被覆手段を備え、
前記前被覆手段は、(正面視で、)前記可動被覆手段に隣接、又は、近接して設けられるとともに(前記遊技盤に対して相対変位不可能に設けられ)、少なくとも一部において透視性を有する一般部を備え、
前記進路変更手段は、前記遊技領域のうち前記一般部によって前方が覆われる一般被覆領域に対し設けられていることを特徴とする手段C−2に記載の遊技機。
手段C−3−aによれば、前被覆手段後方の被覆領域(一般被覆領域及び特定被覆領域)における遊技球の挙動がより把握し難くなり、被覆領域に進入した遊技球と、被覆領域から排出された遊技球との対応関係を分かり難くすることができる。従って、被覆領域に進入した遊技球が始動入賞手段に入球したのかもしれないし、入球していないのかもしれないといった状況をより多く作り出すことができる。尚、「前被覆手段は遊技盤に取付けられていること」としてもよい。
手段C−3−b.前記前被覆手段は、前記可動被覆手段の少なくとも一部の前方を覆うように構成されていることを特徴とする手段C−3−aに記載の遊技機。
手段C−3−bによれば、前被覆手段と可動被覆手段とをより複雑に組合わせて、より多様な演出を導出することが可能となる。また、可動被覆手段のリンク機構の部分を隠したり、所定の状態(位置)にある可動被覆手段を隠したり、或いは、可動被覆手段を支持したり、可動被覆手段の変位を案内したりすることができる。
手段C−4−a.前記遊技領域のうち前記前被覆手段によって前方が覆われる被覆領域(一般被覆領域)には、当該被覆領域を移動する遊技球を検知可能な疑似入賞検知手段が設けられ、
前記疑似入賞検知手段の検知に基づいて、前記始動入賞検知手段の検知が行われたかのような疑似入賞態様を導出可能に構成されていることを特徴とする手段C−3に記載の遊技機。
手段C−4−aによれば、前被覆手段によって前方が覆われている被覆領域において、始動入賞手段とともに、疑似入賞検知手段が設けられている。つまり、前被覆手段が設けられることで、始動入賞手段に遊技球が入球したか否かの視認性が比較的低下している構成において、疑似入賞検知手段の検知に基づいて、前被覆手段裏面側の被覆領域に進入した遊技球が始動入賞手段に入球したのかも知れないといった疑似入賞態様を導出する(例えば、始動入賞手段と同じく被覆領域に設置された疑似入賞検知手段の検知に基づいて、始動入賞検知手段の検知が行われた場合と同じようなリアクションを導出したり、導出した場合はそのリアクションが始動入賞検知手段の検知によるものかを示唆したりする等を行う)ことができる。従って、始動入賞手段に対する遊技球のアクションとして、「入球した」、「入球していない」の他に、「入球したのかもしれない」というパターンを追加することができ、演出機会及び演出の種類を増加させ、演出の多様化等を図ることができる。結果として、前被覆手段を設けて遊技球が始動入賞手段に入球するのか否かを分かり難くしたこと(始動入賞手段に遊技球が入球したかの演出)の価値を飛躍的に高めることができ、興趣の向上を図ることができる。
さらに、上記手段C−3に対応して、「前記進路変更手段は、前記被覆領域(一般被覆領域)を移動する遊技球を前記疑似入賞検知手段へと案内する疑似入賞案内手段を備えていること」としてもよい。この場合、疑似入賞検知手段へ遊技球を至らせ易くすることができ、例えば、疑似入賞検知手段を設けたものの、設置スペースの関係などで、遊技球があまり通過しない位置に設置せざるを得ず、ほとんど機能しないといった事態を回避することができる。さらには、遊技球が、被覆領域に進入してから、始動入賞手段に入球することなく、被覆領域の外部に排出されるまでのタイムラグがより長くなり、被覆領域に進入した遊技球と、被覆領域から排出された遊技球との対応関係をあいまいにするといった作用効果がより顕著に奏される。
手段C−4−b.前記始動入賞検知手段の検知が行われた場合に、当該検知に対応する入球検知対応表示(例えば、保留アイコン)を導出可能な入球検知対応表示手段が設けられ、
前記疑似入賞検知手段の検知が行われた場合に、前記入球検知対応表示手段において、前記入球検知対応表示を模した前記入球検知対応表示とは異なる態様の疑似入球検知対応表示(疑似保留アイコン)を導出可能に構成されていることを特徴とするC−4−aに記載の遊技機。
手段C−4−bによれば、始動入賞手段を直接視認していなくても、入球検知対応表示手段を視認することで、始動入賞手段に遊技球が入球し、当否抽選を受ける権利が得られることを把握すること(むしろ把握し易い)ができる。従って、始動入賞検知手段に対して遊技球が入球する様子が多少見え難くなったとしても、入球したか否かについては入球検知対応表示手段でしっかりと確認することができることから、遊技者に対し安心感を与えることができる。
また、始動入賞手段に遊技球が入球すれば入球検知対応表示が表示される構成においては、可動被覆手段で遊技球の始動入賞手段への入球の様子などを見え難くする等しても、入球検知対応表示が表示されない時点で、直に始動入賞手段に遊技球が入球しなかったと把握されてしまう。この点、疑似入球検知対応表示を表示可能とすることで、入球検知対応表示が表示されたタイミングでも、未だ、遊技球が始動入賞手段に入球したのか否かの結果が分かることを引き延ばすことができ、入球検知対応表示又は疑似入球検知対応表示のどちらなのかの演出等を行うことができる。従って、始動入賞手段に遊技球が入球したか否かの演出をより一層面白味のあるものとすることができる。
尚、「前記疑似入球検知対応表示が表示されている状態において、前記始動入賞検知手段の検知が行われた場合に、前記疑似入球検知対応表示に代えて、前記入球検知対応表示を導出可能に構成されていること」としてもよい。この場合、入球検知対応表示及び疑似入球検知対応表示が表示されるエリアの視認態様を比較的すっきりさせることができる。また、「前記疑似入球検知対応表示は、表示されてから所定時間経過で消去されること」としてもよい。すなわち、疑似入球検知対応表示がいつまでも表示されてしまい、疑似入球検知対応表示の役割が分かり難くなるといった事態を回避することができる。
手段C−4−c.前記始動入賞検知手段の検知が行われた場合に、当該検知に対応する入球検知対応表示(本保留アイコン)を導出する前に、前記疑似入球検知対応表示(疑似保留アイコン)と同様の態様である前駆表示(仮保留アイコン)を導出可能に構成されていることを特徴とする手段C−4−bに記載の遊技機。
手段C−4−cによれば、疑似入球検知対応表示又は前駆表示が表示された段階で、これが入球検知対応表示に変化するのか否かの楽しみを確保しつつ、入球検知対応表示と、疑似入球検知対応表示との態様の差を明確にする(疑似入球検知対応表示は入球検知対応表示ではないことを理解し易くする)ことができる。つまり、入球検知対応表示と、疑似入球検知対応表示とをよく見れば違うが、同じような態様であったり、見分けがつかない態様であったりしてしまう場合に、遊技者が疑似入球検知対応表示をあくまでも入球検知対応表示だと思い込み、不信感等を抱かせてしまうといった事態を回避することができる。
手段C−4−d.前記始動入賞検知手段の検知履歴(各検知の時間)、及び、前記疑似入賞検知手段の検知履歴(各検知の時間)をそれぞれ記憶可能な検知履歴記憶手段を設け、前記検知履歴記憶手段の記憶情報を出力可能に構成されていることを特徴とする手段C−4−a乃至C−4−cのいずれかに記載の遊技機。
手段C−4−dによれば、遊技者が、疑似入賞態様を認識することで、始動入賞手段への遊技球の入球があったものと勘違いする(例えば、遊技者が疑似入球検知対応表示を入球検知対応表示と勘違いする)こと等によって万一トラブルが発生した場合に、事情説明等に際してのデータが確実に得られる(例えば、可変表示手段等で表示可能としたり、ホールコンピュータに送られるようにしたりする)こととなり、前記トラブルがこじれてしまうといった事態を回避することができる。
手段C−4−e.前記主制御手段からの信号に基づいて制御を実行可能なサブ制御手段を備え、
前記疑似入賞検知手段は、前記サブ制御手段と電気的に接続されていることを特徴とする手段C−4−a乃至C−4−dに記載の遊技機。
手段C−4−eによれば、主制御手段に入力される情報や、主制御手段に情報を入力するための構成の数を極力減らすことで、主制御手段の制御負担の軽減や、主制御手段への不正の抑制等を図ることができる。
手段C−4−f.前記始動入賞検知手段による検知が前記当否抽選の契機として有効な状態と、無効な状態とがあり、
前記可動被覆手段に対応する(前記前被覆手段で前方が覆われた)前記始動入賞手段のうち所定の前記始動入賞手段に対応する前記始動入賞検知手段による検知が有効な状態において、前記疑似入賞検知手段の検知が有効とされ、
前記所定の始動入賞検知手段による検知が無効な状態において、前記疑似入賞検知手段の検知が無効とされることを特徴とする手段C−4−a乃至C−4−eのいずれかに記載の遊技機。
手段C−4−fによれば、入球検知対応表示が表示される筈のない状態において、疑似入球検知対応表示が表示されることで、疑似入球検知対応表示であることが明確に認識されてしまうといった事態を回避することができる。従って、あからさまな疑似入球検知対応表示がむやみに導出されることに起因して、興趣の低下を招いてしまうといった事態を防止することができる。
手段C−5.前記始動入賞検知手段の検知に対応する入賞効果音と、
前記入賞効果音に近い混同入賞効果音とを発生させることのできる効果音発生手段を備え、
前記効果音発生手段は、
前記始動入賞検知手段の検知に基づいて、前記入賞効果音又は前記混同入賞効果音を発生させ、
前記疑似入賞検知手段の検知に基づいて前記混同入賞効果音を発生させることを特徴とする手段C−1乃至C−4のいずれかに記載の遊技機。
手段C−5によれば、始動入賞手段を直接視認していなくても、効果音によって、始動入賞手段への遊技球の入球を確認することができ、よりスムースに遊技を進行させることができる。また、疑似入賞検知手段の検知に基づいて混同入賞効果音が発生するとともに、始動入賞検知手段の検知に基づいても混同入賞効果音が発生することにより、始動入賞手段に遊技球が入球したかもしれないといった演出をよりリアルなものとすることができる。
手段C−6−a.前記案内手段は、前記遊技領域を移動する遊技球が入球可能な開状態と、入球不可能又は入球困難な閉状態との間で状態変化可能に構成された開閉式の前記始動入賞手段である開閉式始動入賞手段に対応して設けられ、当該開閉式始動入賞手段の側方を移動する遊技球を前記開閉式始動入賞手段へと案内する開位置と、前記開閉式始動入賞手段の側方を移動する遊技球の前記開閉式始動入賞手段側への移動を規制する閉位置との間を変位することで、前記開閉式始動入賞手段を前記開状態と前記閉状態とに状態変化させる羽根部材として構成され、
前記可動被覆手段は、前記機能位置とされることで、前記開位置にある前記羽根部材の前方を覆うように構成されていることを特徴とする手段C−1乃至C−5のいずれかに記載の遊技機。
手段C−6―aによれば、可動被覆手段によって、開閉式始動入賞手段の羽根部材が開位置にあるのか否かを分かり難くすることができる。尚、「前記機能位置にある前記可動被覆手段の前記待機位置側の辺部は、前記開位置にある前記羽根部材の前記閉位置側の面よりも、前記閉位置側に位置していること」としてもよい。さらに、「前記開位置にある前記羽根部材に案内される遊技球は、前記機能位置にある前記可動被覆手段によって前方を覆われるように構成されていること」としてもよい。この場合、遊技球が羽根部材に案内されたのか否かをより分かり難くすることができる。
尚、上記手段C−3に対応して、「前記前被覆手段(一般部)は、第1オブジェクトをかたどっている第1オブジェクト表示部を備え、前記可動被覆手段は、第2オブジェクトをかたどっている第2オブジェクト表示部を備え、前記可動被覆手段が前記機能位置とされることで、前記第2オブジェクトが前記第1オブジェクトと合わせて第3オブジェクトをかたどる完成表示状態となり、前記可動被覆手段が前記待機位置とされることで、前記第2オブジェクトの全体又は大部分が前記第1オブジェクトの後方に隠れる未完成表示状態となること」としてもよい。
この場合、前被覆手段(一般部)に対して第1オブジェクト表示部を設けるとともに、可動被覆手段に対して、機能位置となれば、第1オブジェクトと合わせて第3オブジェクトがかたどられる第2オブジェクトを表示する第2オブジェクト表示部を設けることで、可動被覆手段の変位に伴って動作する第3オブジェクト等に視線を集める一方で、前被覆手段の裏側の視認性を低下させたり、始動入賞手段に遊技球が入球する様子への遊技者の興味を低下させたりすることができる。従って、いずれかの始動入賞手段への遊技球の入球し易さが低下することに起因した印象の悪化を抑制するといった作用効果がより一層奏されることとなる。
D.遊技機の一種としてパチンコ機がある。パチンコ機では、発射手段によって打ち出された遊技球が遊技盤に設けられた始動入賞手段に入球すると、当たり状態を発生させるか否かの当否抽選が行われるとともに、可変表示手段にて当否抽選の結果を教示するための変動表示が行われるようになっている(例えば、特開2006−271480号公報参照)。
また、近年、変動表示が実行される前段階において、該変動表示の内容を示唆する演出(所謂、先読み演出、保留演出)が行われる場合がある。しかしながら、かかる示唆演出についてもマンネリ化しており、興趣の向上を図る効果が低下している。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、その目的は、始動入賞に関してより興趣の向上を図ることのできる遊技機を提供することにある。
手段D−1.遊技球を発射させる発射手段と、
遊技盤の前面側に設けられ、前記発射手段により発射された遊技球が案内される遊技領域と、
前記遊技領域を移動する遊技球が入球可能な始動入賞手段と、
前記始動入賞手段へ入球した遊技球を検知する始動入賞検知手段と、
前記始動入賞検知手段の検知に基づいて、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させるか否かの当否抽選を行うとともに、当該当否抽選の結果に基づいて前記特別遊技状態を発生させる主制御手段とを備える遊技機であって、
前記遊技領域において前記遊技盤との間に遊技球が通過可能な距離を隔てて設けられ、少なくとも前記始動入賞手段の前方を覆う前被覆手段を備え、
前記遊技領域のうち前記前被覆手段によって前方が覆われている被覆領域には、当該被覆領域を移動する遊技球を検知可能な疑似入賞検知手段が設けられ、
前記疑似入賞検知手段の検知に基づいて、前記始動入賞検知手段の検知が行われたかのような疑似入賞態様を導出可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
手段D−1によれば、前被覆手段によって前方が覆われている被覆領域において、始動入賞手段とともに、疑似入賞検知手段が設けられている。つまり、前被覆手段が設けられることで、始動入賞手段に遊技球が入球したか否かの視認性が比較的低下している構成において、疑似入賞検知手段の検知に基づいて、前被覆手段裏面側の被覆領域に進入した遊技球が始動入賞手段に入球したのかも知れないといった疑似入賞態様を導出する(例えば、始動入賞手段と同じく被覆領域に設置された疑似入賞検知手段の検知に基づいて、始動入賞検知手段の検知が行われた場合と同じようなリアクションを導出したり、導出した場合はそのリアクションが始動入賞検知手段の検知によるものかを示唆したりする等を行う)ことができる。従って、始動入賞手段に対する遊技球のアクションとして、「入球した」、「入球していない」の他に、「入球したのかもしれない」というパターンを追加することができ、演出機会及び演出の種類を増加させ、演出の多様化等を図ることができる。結果として、前被覆手段を設けて遊技球が始動入賞手段に入球するのか否かを分かり難くしたこと(始動入賞手段に遊技球が入球したかの演出)の価値を飛躍的に高めることができ、興趣の向上を図ることができる。
尚、始動入賞手段は1つでもよいし、複数でもよい。加えて、「前被覆手段は遊技盤に取付けられていること」としてもよい。また、疑似入賞態様としては、所定の表示手段における表示態様や、音声出力手段による音声態様や、所定の発光手段による発光態様や、これらの組合わせ等が挙げられる。
手段D−2.前記始動入賞検知手段の検知が行われた場合に、当該検知に対応する入球検知対応表示を導出可能な入球検知対応表示手段が設けられ、
前記疑似入賞検知手段の検知が行われた場合に、前記入球検知対応表示手段において、前記入球検知対応表示を模した前記入球検知対応表示とは異なる態様の疑似入球検知対応表示を導出可能に構成されていることを特徴とするD−1に記載の遊技機。
始動入賞手段に遊技球が入球すれば入球検知対応表示が表示される構成においては、前被覆手段で遊技球の始動入賞手段への入球の様子などを見え難くする等しても、入球検知対応表示が表示されない時点で、直に始動入賞手段に遊技球が入球しなかったと把握されてしまう。この点、手段D−2のように、疑似入球検知対応表示を表示可能とすることで、入球検知対応表示が表示されたタイミングでも、未だ、遊技球が始動入賞手段に入球したのか否かの結果が分かることを引き延ばすことができ、入球検知対応表示又は疑似入球検知対応表示のどちらなのかの演出等を行うことができる。従って、始動入賞手段に遊技球が入球したか否かの演出をより一層面白味のあるものとすることができる。結果として、始動入賞手段に遊技球が入球したかの演出の価値を飛躍的に高めることができ、興趣の向上を図ることができる。
手段D−3.前記始動入賞検知手段の検知が行われた場合に、当該検知に対応する入球検知対応表示を導出する前に、前記疑似入球検知対応表示と同様の態様である前駆表示を導出可能に構成されていることを特徴とする手段D−2に記載の遊技機。
手段D−3によれば、疑似入球検知対応表示又は前駆表示が表示された段階で、これが入球検知対応表示に変化するのか否かの楽しみを確保しつつ、入球検知対応表示と、疑似入球検知対応表示との態様の差を明確にする(疑似入球検知対応表示は入球検知対応表示ではないことを理解し易くする)ことができる。つまり、入球検知対応表示と、疑似入球検知対応表示とをよく見れば違うが、同じような態様であったり、見分けがつかない態様であったりしてしまう場合に、遊技者が疑似入球検知対応表示をあくまでも入球検知対応表示だと思い込み、不信感等を抱かせてしまうといった事態を回避することができる。
手段D−4.識別情報を変動表示可能な可変表示手段と、
前記可変表示手段において、前記識別情報を変動表示させ、所定時間後、前記当否抽選の結果に基づいて前記識別情報を停止表示させる表示制御手段とを備えるとともに、
前記始動入賞検知手段の検知が行われた場合に、前記当否抽選に用いられる情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段で取得された情報を、所定数を上限として複数記憶可能な保留記憶手段とを備え、
前記可変表示手段における識別情報の変動表示中において、前記始動入賞検知手段の検知が行われた場合には、当該検知に対応する前記識別情報の変動表示が、実行中の前記識別情報の変動表示後に行われる構成であって、
前記入球検知対応表示手段の前記入球検知対応表示は、前記保留記憶手段に記憶されている前記情報取得手段で取得された情報に基づいて態様が決定されることを特徴とする手段D−3に記載の遊技機。
手段D−4によれば、入球検知対応表示、及び、疑似入球検知対応表示を利用したより多彩な演出を行うことができる。例えば、始動入賞検知手段の検知に基づいて、所定の種別の疑似入球検知対応表示が導出された場合に、これが入球検知対応表示に変化した場合には、特別遊技状態の発生への期待度が高まる等の示唆演出を行うことができる。尚、「前記保留記憶手段に記憶されている前記情報取得手段で取得された情報の数が上限に達している状態では、前記疑似入賞検知手段の検知が行われた場合でも、前記疑似入球検知対応表示を導出しないこと」としてもよい。
手段D−5.前記疑似入球検知対応表示が表示される場合には、前記疑似入球検知対応表示とは異なる態様の付加表示が、前記疑似入球検知対応表示の少なくとも一部の前方に重なるようにして表示されることを特徴とする手段D−2乃至D−4のいずれかに記載の遊技機。
手段D−5によれば、疑似入球検知対応表示の態様を、少なくとも一部が明らかにされていない態様とすることによって、疑似入球検知対応表示の態様が確定していない、ひいては、疑似入球検知対応表示に更なる変化の可能性があるといった印象を強く与えることができる。結果として、遊技者が疑似入球検知対応表示と、入球検知対応表示とを混同してしまうといった事態を抑制することができ、疑似入球検知対応表示を入球検知対応表示と勘違いすることで発生し得るトラブル(例えば、疑似入球検知対応表示が行われただけであるが、これを入球検知対応表示と勘違いすることで入球検知対応表示が行われた場合に実行され得る処理が実行されないじゃないかというようなトラブル)の発生を抑制することができる。尚、「前記前駆表示にも前記付加表示が導出されること」、「前記前駆表示に代えて、前記入球検知対応表示が導出される場合には、当該疑似入球検知対応表示に対応して表示されていた前記付加表示が消去されること」としてもよい。
手段D−6.前記始動入賞検知手段の検知履歴(各検知の時間)、前記疑似入賞検知手段の検知履歴(各検知の時間)をそれぞれ記憶可能な検知履歴記憶手段を設け、前記検知履歴記憶手段の記憶情報を出力可能に構成されていることを特徴とする手段D−1乃至D−5のいずれかに記載の遊技機。
手段D−6によれば、遊技者が、疑似入賞態様を認識することで、始動入賞手段への遊技球の入球があったものと勘違いする(例えば、遊技者が疑似入球検知対応表示を入球検知対応表示と勘違いする)こと等によって万一トラブルが発生した場合に、事情説明等に際してのデータが確実に得られる(例えば、可変表示手段等で表示可能としたり、ホールコンピュータに送られるようにしたりする)こととなり、前記トラブルがこじれてしまうといった事態を回避することができる。
手段D−7.前記主制御手段からの信号に基づいて制御を実行可能なサブ制御手段を備え、
前記疑似入賞検知手段は、前記サブ制御手段と電気的に接続されていることを特徴とする手段D−1乃至D−6に記載の遊技機。
手段D−7によれば、主制御手段に入力される情報や、主制御手段に情報を入力するための構成の数を極力減らすことで、主制御手段の制御負担の軽減や、主制御手段への不正の抑制等を図ることができる。
手段D−8.前記遊技領域のうち前記前被覆手段によって前方が覆われている被覆領域、又は、当該被覆領域の下流側に隣接或いは近接する位置には、遊技球の進行方向を変化させる進路変更手段が設けられていることを特徴とする手段D−1乃至D−7のいずれかに記載の遊技機。
例えば、遊技球が被覆領域に進入しても、始動入賞手段に入球することができなければ、そのまま遊技領域を流下し、被覆領域の外部に排出される。このとき、遊技球が被覆領域に入射した軌道と、該遊技球が被覆領域から排出された後の軌道とがほぼ一直線上に延びる場合、先程、被覆領域に入射した遊技球が第1始動入賞手段及び第2始動入賞手段に入球することなく、被覆領域から排出されたものとしてすぐに把握されてしまう。
この点、手段D−8のように、被覆領域において進路変更手段が設けられることにより、被覆領域において遊技球の進行方向が変化したり、遊技球の進行速度が遅延したりすることから、被覆領域に進入した後の遊技球の行方を追い難くなる。従って、被覆領域に進入した遊技球と、被覆領域から外方の視認し易い場所に飛び出してきた遊技球との対応関係が分かり難くなり、遊技球が始動入賞手段に入球したのかもしれないし、入球していないのかもしれないといった状況をより多く作り出すことができる。
手段D−9.前記進路変更手段は、前記被覆領域を移動する遊技球を前記疑似入賞検知手段へと案内する疑似入賞案内手段を備えていることを特徴とする手段D−8に記載の遊技機。
手段D−9によれば、疑似入賞検知手段へ遊技球を至らせ易くすることができ、例えば、疑似入賞検知手段を設けたものの、設置スペースの関係などで、遊技球があまり通過しない位置に設置せざるを得ず、ほとんど機能しないといった事態を回避することができる。さらには、遊技球が、被覆領域に進入してから、始動入賞手段に入球することなく、被覆領域の外部に排出されるまでのタイムラグがより長くなり、被覆領域に進入した遊技球と、被覆領域から排出された遊技球との対応関係をあいまいにするといった作用効果がより顕著に奏される。
手段D−10.前記始動入賞検知手段による検知が前記当否抽選の契機として有効な状態と、無効な状態とがあり、
前記前被覆手段で前方が覆われた前記始動入賞手段のうち所定の前記始動入賞手段に対応する前記始動入賞検知手段による検知が有効な状態において、前記疑似入賞検知手段の検知が有効とされ、
前記所定の始動入賞検知手段による検知が無効な状態において、前記疑似入賞検知手段の検知が無効とされることを特徴とする手段D−1乃至D−9のいずれかに記載の遊技機。
手段D−10によれば、入球検知対応表示が表示される筈のない状態において、疑似入球検知対応表示が表示されることで、疑似入球検知対応表示であることが明確に認識されてしまうといった事態を回避することができる。従って、あからさまな疑似入球検知対応表示がむやみに導出されることに起因して、興趣の低下を招いてしまうといった事態を防止することができる。
手段E−1.上記手段A乃至Dのいずれかに記載の遊技機において、
遊技球を払出す払出手段(払出装置358)と、
遊技球を遊技者が接触可能な位置で貯留可能な球受皿(上皿19や下皿15)と、
前記払出手段と前記球受皿の間を連通させる払出通路とを備え、
前記払出通路は、
左右方向(前後方向でも可)において蛇行して延びる第1通路と、
前記第1通路の第1位置と、前記第1通路の前記第1位置よりも下流側の第2位置との間をつなぐようにして設けられる第2通路と、
前記第1通路と前記第2通路との連結部に設けられ、遊技球を前記第1通路に案内する第1案内状態と、遊技球を前記第2通路に案内する第2案内状態との間で切替可能な切替手段と
を具備する払出時間調節手段を備え、
前記払出手段によって払出された遊技球が前記第1通路を経由して前記球受皿に払出される場合に要する第1時間よりも、
前記払出手段によって払出された遊技球が前記第2通路を経由して前記球受皿に払出される場合に要する第2時間の方が短く設定されていることを特徴とする遊技機。
手段E−1によれば、払出手段から球受皿に遊技球が払出されるタイミングを前後させることが可能となる。このため、球受皿への遊技球の払い出し(賞球)の有無によって、前被覆手段裏面側の被覆領域に進入した遊技球が始動入賞手段に入球したのか否かが(例えば、疑似入球検知対応表示が入球検知対応表示なのか否かが教示される前に)把握されてしまうといった事態を抑制することができる。また、遊技球の払い出しタイミングを調節することでの演出を行うことも可能となる。例えば、遊技者の所定の操作に基づいて、払出通路を第2通路側に切替え、通常よりも早いタイミングで遊技球を球受皿に払出すようにすることができる。従って、演出性や遊技性の向上を図ることができ、興趣の向上を図ることができる。
尚、払出手段によって払出された遊技球が払出通路を経由して球受皿に払出される場合に要する時間は、払出通路の距離、角度、形状(コース)等によって変化する。
手段E−2.遊技者が操作可能な操作手段(演出ボタン125、十字ボタン126等)を備え、
前記操作手段の操作に基づいて、前記切替手段が前記第1案内状態から前記第2案内状態へと切替えられることを特徴とする手段E−1に記載の遊技機。
手段E−3.識別情報を変動表示可能な可変表示手段と、
前記可変表示手段において、前記識別情報を変動表示させ、所定時間後、前記当否抽選の結果に基づいて前記識別情報を停止表示させる表示制御手段とを備えるとともに、
前記第1始動入賞検知手段及び前記第2始動入賞検知手段の検知が行われた場合に、前記当否抽選に用いられる情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段で取得された情報を、所定数を上限として複数記憶可能な保留記憶手段とを備え、
前記可変表示手段における識別情報の変動表示中において、前記第1始動入賞検知手段及び前記第2始動入賞検知手段の検知が行われた場合には、当該検知に対応する前記識別情報の変動表示が、実行中の前記識別情報の変動表示後に行われる構成であって、
前記保留記憶手段において前記情報取得手段で取得される情報が記憶されていない状態では、前記切替手段が前記第1案内状態において維持されることを特徴とする手段E−1又はE−2に記載の遊技機。
手段E−3によれば、遊技球が球受皿に払出される前に、遊技者が遊技を止めて席を離れてしまうといった事態を抑制することができる。
以下に、上記各手段が適用される各種遊技機の基本構成を示す。
a.上記各手段における前記遊技機は弾球遊技機であること。より詳しい態様例としては、「遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル)と、当該操作手段の操作に基づいて遊技球を弾いて発射する発射手段(発射モータ等)と、当該発射された遊技球が案内される遊技領域と、前記遊技領域内に配置された各入球手段(一般入賞口、可変入賞装置、作動口等)とを備えた弾球遊技機」が挙げられる。
b.上記各手段における前記遊技機は略鉛直方向に延びる遊技領域を備えた弾球遊技機であること。より詳しい態様例としては、「遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル)と、当該操作手段の操作に基づいて遊技球を弾いて発射する発射手段(発射モータ等)と、当該発射された遊技球が案内され、略鉛直方向に沿って延びる所定の遊技領域(例えば遊技領域は遊技盤面等により構成される)と、前記遊技領域内に配置された各入球手段(一般入賞口、可変入賞装置、作動口等)とを備え、前記遊技領域を流下する遊技球の挙動を視認可能に構成されてなる弾球遊技機」が挙げられる。
c.上記各手段における前記遊技機、又は、上記各弾球遊技機は、パチンコ機又はパチンコ機に準ずる遊技機であること。
10…パチンコ機、32…可変入賞装置、33a…第1始動入賞装置、33b…第2始動入賞装置、34…スルーゲート、42…装飾図柄表示装置、43L…第1特別表示装置、43R…第2特別表示装置、261…主制御装置、262…サブ制御装置。
ここで、斬新な遊技機が求められている。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、その目的は、斬新な遊技機を提供することにある。
請求項1に記載の遊技機は、
遊技球を発射させる発射手段と、
遊技盤の前面側に設けられ、前記発射手段により発射された遊技球が案内される遊技領域と、
前記遊技領域を移動する遊技球が入球可能な入球手段と、
前記入球手段への入球を許容する許容状態と、前記入球手段への入球を規制する規制状態との間を状態変化可能な変化手段とを備える遊技機において
前記遊技領域において前記変化手段の少なくとも一部、及び、前記入球手段を含む範囲の前方を覆うようにして前記遊技盤との間に遊技球が通過可能な距離を隔てて設けられ前被覆手段と、
前記規制状態よりも前記許容状態側となる所定の状態における前記変化手段に対し前記遊技機の正面視において少なくとも一部が重なり得る領域に設けられる発光手段を具備する態様変化手段とを備え、
前記変化手段が前記所定の状態にあり、前記発光手段が発光した状態にある第1状態と、
前記変化手段が前記規制状態にあり、前記発光手段が消灯した状態にある第2状態と、
前記変化手段が前記規制状態にあり、前記発光手段が発光した状態にある第3状態とを有し、
前記第3状態にある場合に、前記遊技領域のうち、前記所定の状態にある場合の前記変化手段が存在する領域であって、発光した状態にある前記発光手段に対し前記遊技機の正面視において重なる領域を遊技球が移動可能に構成され、
前記第3状態にある場合に、発光した状態にある前記発光手段に対し前記遊技機の正面視において重なる領域を移動する遊技球に接触し、当該接触の後に当該遊技球が前記前被覆手段により前方が覆われる領域を移動可能とする手段が設けられていることを特徴としている。
請求項1によれば、斬新な遊技機を提供することができる。

Claims (1)

  1. 遊技球を発射させる発射手段と、
    遊技盤の前面側に設けられ、前記発射手段により発射された遊技球が案内される遊技領域と、
    前記遊技領域を移動する遊技球が入球可能な第1始動入賞手段と、
    前記遊技領域を移動する遊技球が入球可能な開状態と、入球不可能又は入球困難な閉状態との間で状態変化可能に構成された第2始動入賞手段と、
    前記第1始動入賞手段へ入球した遊技球を検知する第1始動入賞検知手段と、
    前記第2始動入賞手段へ入球した遊技球を検知する第2始動入賞検知手段と、
    前記第1始動入賞検知手段又は前記第2始動入賞検知手段の検知に基づいて、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させるか否かの当否抽選を行うとともに、当該当否抽選の結果に基づいて前記特別遊技状態を発生させる主制御手段とを備える遊技機であって、
    前記遊技領域において前記遊技盤との間に遊技球が通過可能な距離を隔てて設けられ、少なくとも前記第1始動入賞手段及び前記第2始動入賞手段の前方をまとめて覆う前被覆手段を備えていることを特徴とする遊技機。
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