ところで、特許文献1に記載の棚は、棚板を介して上下に配置される支持部同士を連結する構成であり、キャスターパーツを取外して使用する形態においても、キャスターパーツの代わりに別の支持パーツを取付ける必要がある(支持パーツを取付けなければ棚板が保持されない)。このため、キャスターパーツを取付けて使用する形態から取外して使用する形態へと変更する場合には、別途保管していた支持パーツを用意して付け替える必要がある。また、キャスターパーツを取外して使用する形態から、取付けて使用する形態へと変更する場合には、付け替えた支持パーツを保管する必要がある。従って、支持パーツが不要な構成に比べ、棚の使用形態を変更する作業性の低下や、使用しないパーツの保管に関する利便性の低下等を招くことが懸念される。さらに、キャスターパーツに対して強い衝撃が加えられた場合には、キャスターパーツが外れる等の不具合の発生が懸念される。
また、特許文献1に記載の棚は、支持部同士を連結することで棚板を保持する構成となっている。このため、棚を組立て難くなったり、棚板と支持部との連結状態が不安定になったりすることが懸念される。このため、棚が組立て易く、かつ、棚板と支持部との連結強度の高い構造が望まれている。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであって、その目的は、組立作業性の向上を図るとともに、組立状態の安定化を図ることのできる棚を提供することにある。
以下、上記目的等を解決するのに適した各手段につき項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する手段に特有の作用効果等を付記する。
手段1.上下に配置された複数の棚板と、前記上下に配置された棚板の間に配置され、前記上下に配置された棚板を互いに離間させた状態で支持する支持部とを組立てることで構成される棚において、
前記棚板の上面側には、前記支持部の下端部が嵌合可能な上面側嵌合部が設けられ、
前記棚板の下面側には、前記支持部の上端部が嵌合可能な下面側嵌合部が設けられ、
前記下面側嵌合部に対応して、キャスターを前記棚板に取付可能に構成され、
前記上面側嵌合部には、前記キャスターの支持軸部に締結可能な締結部材を保持可能な保持部が設けられ、
前記下面側嵌合部には、前記キャスターの上方向への変位を制限する受部が設けられ、
前記キャスターが前記棚板に取付けられたキャスター取付状態では、前記保持部と、前記受部とが、前記締結部材と、前記キャスターとにより挟み込まれるように構成され、
前記支持部の下端部には、前記支持軸部、及び、前記締結部材のうち少なくとも一方を受容可能な受容部が設けられていることを特徴とする棚。
手段1によれば、保持部に締結部材を設置することで、一般的な規格のキャスターを棚に取付けることが可能となる。このため、例えば、対象の棚専用の接続用部品を介在させてキャスターを棚に取付ける(キャスターが取付けられた前記接続用部品を棚に取付ける)構成に比べ、構成の簡略化、製造コストの低減等を図ることができる。また、キャスターを取付けて使用する形態から取外して使用する形態に変更する場合には、キャスターを取外すだけであり、代わりのパーツを取付ける(或いは、キャスターとともに棚から取外した前記接続用部品を棚に付け戻す)等しなくても、棚としての機能を確実に発揮させることができる。さらに、キャスターを取外して使用する形態から取付けて使用する形態に変更する場合には、棚から所定のパーツを取除く必要がなく、取除いたパーツを保管するといったこともしなくて済む。特に、キャスターを取付けて使用する形態とする予定がある場合には、棚の使用開始当初から保持部に締結部材を設置しておくことで、キャスターを取付ける際に締結部材を用意したり、紛失していたりすることを回避することができる。従って、キャスターの着脱作業性の向上、ひいては、キャスターを着脱して棚の使用形態を変更する場合の棚の組立作業性の向上、及び、使用しないパーツの保管に関する利便性の向上等を図ることができる。
加えて、キャスターは、締結部材によってしっかりと棚板に取付けられる。このため、キャスターに強い衝撃が加えられることでキャスターが外れてしまうといった事態を確実に防止することができる。従って、キャスターの取付状態の安定化を図ることができる。結果として、キャスターを取付けて使用する形態の棚の組立状態の安定化を図ることができる。また、例えば、キャスターが複数のビス等で棚板に取付けられる場合に比べて、着脱作業性の向上、及び、棚板の損傷の抑制等を図ることができる。さらに、例えば、キャスターが係止構造等で棚板に取付けられる場合に比べて、棚板に取付けられたキャスターのガタツキ防止、及び、キャスターの取付けに関する構成の損傷の抑止等を図ることができる。また、締結部材が棚板とは別体として構成されることで、例えば、締結部材と同様の機能を具備する部位を棚板において一体的に形成する場合に比べ、棚板の損傷等を抑止することができる。さらに、締結部材を棚板よりも強度の高い素材(金属等)により構成することができ、キャスターの取付状態の安定化等を図ることができる。加えて、締結部材が損傷したとしても、棚板は使用することができ、利便性の向上等を図ることができる。
また、支持部の下端部には、支持軸部、及び、締結部材のうち少なくとも一方を受容可能な受容部が設けられている。このため、支持軸部、及び、締結部材のうち少なくとも一方が、上面側嵌合部において保持部から抜け出すような格好で上方に突出するとしても、当該支持軸部、及び、締結部材と、支持部との干渉を回避することができる。従って、下面側嵌合部に対応してキャスターが取付けられた棚板の上面側嵌合部に連結される支持部に関して、上面側嵌合部への挿入長(嵌合深さ)を効率的に極力深く確保することができ、支持部と上面側嵌合部との嵌合状態(支持部と棚板との連結状態)の安定化等を図ることができる。
手段2.前記下面側嵌合部は、下方に開口する略筒状の下側周壁部を備え、
前記下側周壁部は、前記受部を囲むようにして、当該受部から離間して設けられ、
前記下面側嵌合部には、前記受部と、前記下側周壁部との間を連結する複数の下側嵌合連結部と、前記複数の下側嵌合連結部により区画された複数の下側嵌合空間とが設けられ、
前記支持部の上端部には、前記下面側嵌合部の前記下側嵌合空間に嵌合状態とされる複数の上側嵌合突部が設けられていることを特徴とする手段1に記載の棚。
手段2によれば、受部と、下側周壁部と、下側嵌合連結部とが協働して互いの剛性、及び、強度を高めることができる。従って、下面側嵌合部の変形に起因して、支持部の上端部と、棚板の下面側嵌合部との嵌合状態が不安定になるといった事態を防止することができる。また、下面側嵌合部にキャスターが取付けられた場合においても、下面側嵌合部の変形(例えば、受部の傾き)等を抑止することができ、キャスターの取付状態の安定化を図ることができる。
さらに、下面側嵌合部に支持部を連結する場合に、着脱方向に対して交差する方向(略水平方向)において下面側嵌合部と支持部とが当接(圧接)する範囲(箇所)を増加させることができ、支持部の上端部と、棚板の下面側嵌合部との嵌合強度を高めることができる。加えて、棚板に対する支持部の回動変位や傾動変位等をより確実に防止することができる。結果として、棚の組立状態の安定化を図ることができる。
手段3.上下に配置された複数の棚板と、前記上下に配置された棚板の間に配置され、前記上下に配置された棚板を互いに離間させた状態で支持する支持部とを組立てることで構成される棚において、
前記棚板の上面側には、前記支持部の下端部が嵌合可能な上面側嵌合部が設けられ、
前記棚板の下面側には、前記支持部の上端部が嵌合可能な下面側嵌合部が設けられ、
前記下面側嵌合部に対応して、キャスターを前記棚板に取付可能に構成され、
前記上面側嵌合部には、前記キャスターの支持軸部に締結可能な締結部材を保持可能な保持部が設けられ、
前記下面側嵌合部には、前記キャスターの上方向への変位を制限する受部が設けられ、
前記キャスターが前記棚板に取付けられたキャスター取付状態では、前記保持部と、前記受部とが、前記締結部材と、前記キャスターとにより挟み込まれるように構成され、
前記下面側嵌合部は、下方に開口する略筒状の下側周壁部を備え、
前記下側周壁部は、前記受部を囲むようにして、当該受部から離間して設けられ、
前記下面側嵌合部には、前記受部と、前記下側周壁部との間を連結する複数の下側嵌合連結部と、前記複数の下側嵌合連結部により区画された複数の下側嵌合空間とが設けられ、
前記支持部の上端部には、前記下面側嵌合部の前記下側嵌合空間に嵌合状態とされる複数の上側嵌合突部が設けられ、
前記複数の上側嵌合突部の間には、前記下側嵌合連結部を相対的に挿入可能な上突部間溝部が設けられ、
前記下面側嵌合部には、前記下側周壁部の周方向において隣り合う前記下側嵌合連結部の間の位置において、前記受部と、前記下側周壁部との間を連結する補助嵌合連結部が設けられ、
前記補助嵌合連結部には、前記下面側嵌合部に対して前記支持部を嵌合させた場合に、前記下側嵌合連結部の下辺部よりも上方にまで前記上側嵌合突部の進入を許容する許容部が設けられ、
前記上側嵌合突部には、当該上側嵌合突部が隣接する一対の前記上突部間溝部の中間位置において前記上突部間溝部よりも浅い中間溝部が設けられ、
前記上側嵌合突部は、前記中間溝部が設けられることで形成され、前記下面側嵌合部に対して前記支持部を嵌合させた場合に、前記下側嵌合空間のうち前記補助嵌合連結部と、前記下側嵌合連結部との間の部位に嵌合状態とされる先端嵌合部を備えていることを特徴とする棚。
手段3によれば、保持部に締結部材を設置することで、一般的な規格のキャスターを棚に取付けることが可能となる。このため、例えば、キャスターを棚に直接取付けるのではなく、接続用部品を介在させる(キャスターが取付けられた前記接続用部品を棚に取付ける)構成に比べ、構成の簡略化、製造コストの低減等を図ることができる。また、キャスターを取付けて使用する形態から取外して使用する形態に変更する場合には、キャスターを取外すだけであり、代わりのパーツを取付ける(或いは、キャスターとともに棚から取外した前記接続用部品を棚に付け戻す)等しなくても、棚としての機能を確実に発揮させることができる。さらに、キャスターを取外して使用する形態から取付けて使用する形態に変更する場合には、棚から所定のパーツを取除く必要がなく、取除いたパーツを保管するといったこともしなくて済む。特に、キャスターを取付けて使用する形態とする予定がある場合には、当初から保持部に締結部材を設置しておくことで、キャスターを取付ける際に締結部材を用意したり、紛失していたりすることを回避することができる。従って、キャスターの着脱作業性の向上、ひいては、キャスターを着脱して棚の使用形態を変更する場合の棚の組立作業性の向上、及び、使用しないパーツの保管に関する利便性の向上等を図ることができる。
加えて、キャスターは、締結部材により、確実に棚板に取付けられる。このため、キャスターに強い衝撃が加えられることでキャスターが外れてしまうといった事態を確実に防止することができる。従って、キャスターの取付状態の安定化を図ることができる。結果として、キャスターを取付けて使用する形態の棚の組立状態の安定化を図ることができる。また、例えば、キャスターがビス等で板状体に取付けられる場合に比べて、着脱作業性の向上、及び、棚板の損傷の抑制等を図ることができる。さらに、例えば、キャスターが係止構造等で板状体に取付けられる場合に比べて板状体に取付けられたキャスターのガタツキの防止、及び、キャスターの取付けに関する構成の損傷の抑止等を図ることができる。また、締結部材が棚板とは別体として構成されることで、例えば、締結部材と同様の機能を具備する部位を棚板において一体的に形成する場合に比べ、棚板の損傷等を抑止することができる。さらに、締結部材を棚板よりも強度の高い素材(金属等)により構成することができ、キャスターの取付状態の安定化等を図ることができる。加えて、締結部材が損傷したとしても、棚板は使用することができ、利便性の向上等を図ることができる。
また、本手段によれば、受部と、下側周壁部との間が、下側嵌合連結部によって連結されており、受部と、下側周壁部と、下側嵌合連結部とが協働して互いの剛性、及び、強度を高めることができる。従って、下面側嵌合部の変形に起因して、支持部の上端部と、棚板の下面側嵌合部との嵌合状態が不安定になるといった事態を防止することができる。また、下面側嵌合部にキャスターが取付けられた場合においても、下面側嵌合部の変形(例えば、受部の傾き)等を抑止することができ、キャスターの取付状態の安定化を図ることができる。
さらに、下面側嵌合部に支持部を連結する場合に、着脱方向に対して交差する方向(略水平方向)において下面側嵌合部と支持部とが当接(圧接)する範囲(箇所)を増加させることができ、支持部の上端部と、棚板の下面側嵌合部との嵌合強度を高めることができる。加えて、棚板に対する支持部の回動変位や傾動変位等をより確実に防止することができる。結果として、棚の組立状態の安定化を図ることができる。
また、下面側嵌合部にキャスターを取付けて棚を移動させる際には、下面側嵌合部に対し、棚が静止していたときよりも大きな力が作用したり、棚が静止していたときとは異なる方向への力が作用したりすることが考えられる。この点、本手段では、下面側嵌合部において、受部と、下側周壁部との間を複数の下側嵌合連結部により連結するだけでなく、隣り合う下側嵌合連結部の間の位置において設けられる補助嵌合連結部によっても連結することとしている。このため、補助嵌合連結部についても、受部、下側周壁部、及び、下側嵌合連結部と協働して互いの剛性、及び、強度を高めることができ、ひいては、下面側嵌合部の剛性、及び、強度をより一層高めることができる。特に、隣り合う下側嵌合連結部の間に補助嵌合連結部を設けることによって、キャスターを取付けて使用する形態の棚を移動させる際に、例えば、隣り合う下側嵌合連結部の間の部位に対して比較的大きな力が作用する場合(例えば、棚を変位させようとする方向と、補助嵌合連結部の延在方向とが一致するような場合)において、下面側嵌合部が変形等してしまうといった事態をより確実に抑止することができる。従って、キャスターの取付状態の安定化をより一層図ることができる。
さらに、例えば、下面側嵌合部の強度を高めるべく、下側嵌合連結部の数を単純に増やしてしまうと、下面側嵌合部に連結される支持部の上側嵌合突部のうち下側嵌合空間に嵌合状態とされる部位が細かく分割されてしまうことが懸念される。このため、例えば、上側嵌合突部の下面側嵌合部への嵌合深さ(下側嵌合空間への挿入長)を極力長く確保しようとした場合には、上側嵌合突部が損傷してしまうおそれがあり、また逆に、上側嵌合突部の下面側嵌合部への嵌合深さ(下側嵌合空間への挿入長)を比較的短くした場合には、嵌合状態の不安定化を招くおそれがある。
この点、本手段では、補助嵌合連結部には、上側嵌合突部の進入を許容する許容部が設けられている。つまり、上側嵌合突部のうち許容部に進入している部位は、隣り合う下側嵌合連結部の間であって下側嵌合空間に配置されている上、許容部においては上側嵌合突部を分断しなくても済む。このため、例えば、補助嵌合連結部に代えて、下側嵌合連結部が設けられる場合のように、下側嵌合空間に挿入される上側嵌合突部が細かく分割され過ぎてしまうことによる上記した各種不具合を払拭することができる。従って、棚板にキャスターを取付ける場合の下面側嵌合部の変形等を抑止して取付状態の安定化を図りつつ、棚板の下面側嵌合部に支持部を連結する場合の上側嵌合突部の変形や下面側嵌合部からの脱落を防止して連結状態の安定化を図ることができる。
加えて、上側嵌合突部には、中間溝部が形成されており、下面側嵌合部に対して支持部を嵌合させた場合に、中間溝部に対して補助嵌合連結部が相対的に挿入される。このため、補助嵌合連結部と、下側嵌合連結部との間に対し、上側嵌合突部の先端嵌合部を嵌合状態とすることができる。従って、下面側嵌合部の剛性、及び、強度をより一層高めるとともに、下面側嵌合部と、上側嵌合突部との嵌合状態をより強固なものとすることができる。
手段4.前記複数の上側嵌合突部の間には、前記下側嵌合連結部を相対的に挿入可能な上突部間溝部が設けられ、
前記上側嵌合突部は、前記上突部間溝部側に凸となる上側嵌合調整部を備えていることを特徴とする手段2又は3に記載の棚。
手段4によれば、例えば、下面側嵌合部等において製造上の誤差(公差)等が生じたとしても、下面側嵌合部の下側嵌合連結部と、支持部の上側嵌合突部とを所望の圧接状態とすることができる。従って、棚板と、支持部との連結状態のより一層の安定化等を図ることができる。結果として、棚の組立状態の安定化を図るといった作用効果がより一層奏される。
手段5.前記上面側嵌合部は、上方に開口する略筒状の上側周壁部を備え、
前記上側周壁部は、前記保持部を囲むようにして、当該保持部から離間して設けられ、
前記上面側嵌合部には、前記上側周壁部から前記保持部側に向けて延出する複数の上側嵌合リブと、前記複数の上側嵌合リブにより区画された複数の上側嵌合空間とが設けられ、
前記支持部の下端部には、前記上面側嵌合部の前記上側嵌合空間に嵌合状態とされる複数の下側嵌合突部が設けられていることを特徴とする手段1乃至4のいずれかに記載の棚。
手段5によれば、上側周壁部と、上側嵌合リブとが協働して互いの剛性、及び、強度を高めることができる。従って、上面側嵌合部の変形に起因して、支持部の下端部と、棚板の上面側嵌合部との嵌合状態が不安定になるといった事態を防止することができる。また、上面側嵌合部に対して支持部が当接(圧接)する範囲(箇所)を増加させることができ、支持部の下端部と、棚板の上面側嵌合部との嵌合強度を高めることができる。さらに、棚板に対する支持部の回動変位や傾動変位等をより確実に防止することができる。結果として、棚の組立状態の安定化を図ることができる。
手段6.前記複数の下側嵌合突部の間には、前記上側嵌合リブを相対的に挿入可能な下突部間溝部が設けられ、
前記下側嵌合突部は、前記下突部間溝部側に凸となる下側嵌合調整部を備えていることを特徴とする手段5に記載の棚。
手段6によれば、例えば、上面側嵌合部等において製造上の誤差(公差)等が生じたとしても、上面側嵌合部の上側嵌合リブと、支持部の下側嵌合突部とを所望の圧接状態とすることができる。従って、棚板と、支持部との連結状態のより一層の安定化等を図ることができる。結果として、棚の組立状態の安定化を図るといった作用効果がより一層奏される。
手段7.前記保持部は、前記締結部材の回転を防止する回転防止部を備え、
前記支持部の下端部には、前記保持部に設置された前記締結部材の上面に当接、又は、近接する抑え部が設けられていることを特徴とする手段1乃至6のいずれかに記載の棚。
手段7によれば、保持部に設置された締結部材の回転、及び、浮き上がりを防止することができる。このため、キャスターを取付けて使用する形態から取外して使用する形態に変更する場合に、例えば、棚板と、その上方に配置される支持部との連結状態を解消し、締結部材を露出させて工具で抑えるといった作業をしなくても、キャスター(支持軸部)を回転させるだけで、支持軸部と、締結部材との締結状態を解消して、キャスターを取外すことができる。さらに、キャスターを取外して使用する形態から取付けて使用する形態に変更する場合に、締結部材が予め保持部に設置されていれば、キャスターを下面側嵌合部に配置して回転させるだけで、支持軸部と、締結部材とを締結状態として、キャスターを取付けることができる。従って、キャスターを着脱する際に、棚を部分的に解体する必要があるような構成に比べ、棚の使用形態を変更する際の作業性の向上等を図ることができる。さらに、棚の使用形態の変更の度に棚を部分的に解体することに起因して、棚板と支持部との連結に関する構成が劣化(損傷)し易くなってしまうといった事態を回避することができる。
手段8.上下に配置された複数の棚板と、前記上下に配置された棚板の間に配置され、前記上下に配置された棚板を互いに離間させた状態で支持する支持部とを組立てることで構成される棚において、
前記棚板の上面側には、前記支持部の下端部が嵌合可能な上面側嵌合部が設けられ、
前記棚板の下面側には、前記支持部の上端部が嵌合可能な下面側嵌合部が設けられ、
前記上面側嵌合部は、上方に開口する略筒状の上側周壁部を備え、
前記上面側嵌合部には、前記上側周壁部から内方側に向けて延出する複数の上側嵌合リブと、前記複数の上側嵌合リブにより区画された複数の上側嵌合空間とが設けられ、
前記支持部の下端部には、前記上面側嵌合部の前記上側嵌合空間に嵌合状態とされる複数の下側嵌合突部が設けられ、
前記複数の下側嵌合突部の間には、前記上側嵌合リブを相対的に挿入可能な下突部間溝部が設けられ、
前記下面側嵌合部は、下方に開口する略筒状の下側周壁部を備え、
前記下面側嵌合部には、前記下側周壁部から内方側に向けて延出する複数の下側嵌合リブ(下側嵌合連結部)と、前記複数の下側嵌合リブ(下側嵌合連結部)により区画された複数の下側嵌合空間とが設けられ、
前記支持部の上端部には、前記下面側嵌合部の前記下側嵌合空間に嵌合状態とされる複数の上側嵌合突部が設けられ、
前記複数の上側嵌合突部の間には、前記下側嵌合リブ(下側嵌合連結部)を相対的に挿入可能な上突部間溝部が設けられていることを特徴とする棚。
手段8によれば、棚板の上面側嵌合部に支持部の下側嵌合突部を嵌合させ、棚板の下面側嵌合部に支持部の上側嵌合突部を嵌合させるだけで、棚を組立てることができる。従って、棚の組立作業性の向上を図ることができる。また、上側周壁部と、上側嵌合リブとが協働して上面側嵌合部の剛性、及び、強度を高めることができる。従って、上面側嵌合部の変形に起因して、支持部の下端部と、棚板の上面側嵌合部との嵌合状態が不安定になるといった事態を防止することができる。また、上面側嵌合部に対して支持部が当接(圧接)する範囲(箇所)を増加させることができ、支持部の下端部と、棚板の上面側嵌合部との嵌合強度を高めることができる。さらに、棚板に対する支持部の回動変位や傾動変位等をより確実に防止することができる。また、下側周壁部と、下側嵌合リブ(下側嵌合連結部)とが協働して下面側嵌合部の剛性、及び、強度を高めることができる。従って、下面側嵌合部の変形に起因して、支持部の上端部と、棚板の下面側嵌合部との嵌合状態が不安定になるといった事態を防止することができる。また、下面側嵌合部に対して支持部が当接(圧接)する範囲(箇所)を増加させることができ、支持部の上端部と、棚板の下面側嵌合部との嵌合強度を高めることができる。さらに、棚板に対する支持部の回動変位や傾動変位等をより確実に防止することができる。結果として、棚の組立状態の安定化を図ることができる。
尚、「前記下面側嵌合部には、前記下側周壁部の周方向において隣り合う前記下側嵌合リブ(下側嵌合連結部)の間の位置において、補助嵌合リブ(補助嵌合連結部)が設けられ、
前記補助嵌合リブ(補助嵌合連結部)には、前記下面側嵌合部に対して前記支持部を嵌合させた場合に、前記下側嵌合連結部の下辺部よりも上方にまで前記上側嵌合突部の進入を許容する許容部が設けられ、
前記上側嵌合突部には、当該上側嵌合突部が隣接する一対の前記上突部間溝部の中間位置において前記上突部間溝部よりも浅い中間溝部が設けられ、
前記上側嵌合突部は、前記中間溝部が設けられることで形成され、前記下面側嵌合部に対して前記支持部を嵌合させた場合に、前記下側嵌合空間のうち前記補助嵌合リブ(補助嵌合連結部)と、前記下側嵌合連結部との間の部位に嵌合状態とされる先端嵌合部を備えていること」としてもよい。
この場合、補助嵌合リブ(補助嵌合連結部)によっても下面側嵌合部が補強されるので、下面側嵌合部の剛性、及び、強度をより一層高めることができる。また、下面側嵌合部と支持部とが当接(圧接)する範囲(箇所)を増加させることができ、支持部の上端部と、棚板の下面側嵌合部との嵌合強度を高めることができる。加えて、棚板に対する支持部の回動変位や傾動変位等をより確実に防止することができる。
さらに、例えば、下面側嵌合部の強度を高めるべく、下側嵌合リブ(下側嵌合連結部)の数を単純に増やしてしまうと、下面側嵌合部に連結される支持部の上側嵌合突部のうち下側嵌合空間に嵌合状態とされる部位が細かく分割されてしまうことが懸念される。このため、例えば、上側嵌合突部の下面側嵌合部への嵌合深さ(下側嵌合空間への挿入長)を極力長く確保しようとした場合には、上側嵌合突部が損傷してしまうおそれがあり、また逆に、上側嵌合突部の下面側嵌合部への嵌合深さ(下側嵌合空間への挿入長)を比較的短くした場合には、嵌合状態の不安定化を招くおそれがある。
この点、補助嵌合リブ(補助嵌合連結部)には、上側嵌合突部の進入を許容する許容部が設けられている。つまり、上側嵌合突部のうち許容部に進入している部位は、隣り合う下側嵌合リブ(下側嵌合連結部)の間であって下側嵌合空間に配置されている上、許容部においては上側嵌合突部を分断しなくても済む。このため、例えば、補助嵌合リブ(補助嵌合連結部)に代えて、下側嵌合リブ(下側嵌合連結部)が設けられる場合のように、下側嵌合空間に挿入される上側嵌合突部が細かく分割され過ぎてしまうことによる上記した各種不具合を払拭することができる。従って、下面側嵌合部の変形等を抑止して取付状態の安定化を図りつつ、棚板の下面側嵌合部に支持部を連結する場合の上側嵌合突部の変形や下面側嵌合部からの脱落を防止して連結状態の安定化を図ることができる。
加えて、上側嵌合突部には、中間溝部が形成されており、下面側嵌合部に対して支持部を嵌合させた場合に、中間溝部に対して補助嵌合リブ(補助嵌合連結部)が相対的に挿入される。このため、補助嵌合リブ(補助嵌合連結部)と、下側嵌合リブ(下側嵌合連結部)との間に対し、上側嵌合突部の先端嵌合部を嵌合状態とすることができる。従って、下面側嵌合部の剛性、及び、強度をより一層高めるとともに、下面側嵌合部と、上側嵌合突部との嵌合状態をより強固なものとすることができる。
以下に、一実施形態について説明する。図1に示すように、棚1は、上下に配置された複数(本例では、3枚)の棚板2と、上下に配置された棚板2の間において棚板2の四隅に対応して配置され、上下に配置された棚板2を互いに離間させた状態で支持する略棒状(略柱状)の支持部3とを組立てることで構成されている。さらに、本実施形態の棚1は、キャスター4を取付可能に構成されている。このため、棚1の使用形態として、キャスター4を取付けて使用する形態と、取外して使用する形態とを使用者の用途等に応じて選択可能であり、また、棚板2の使用形態は適宜変更可能である。尚、各棚板2、及び、各支持部3は、それぞれポリプロピレンによって一体的に形成されている。
図3、図5に示すように、棚板2は、略矩形板状の棚板本体6と、棚板本体6の外周縁から下方に延出する略四角枠状の外周部7と、外周部の内側において格子状に設けられた棚板補強リブ8とを備えている。また、棚板2の四隅には、棚板本体6から下方に突出する略四角筒状の角筒部9が設けられている。角筒部9は、外周部7の下辺部よりも下方に突出しており、外周部7のコーナー部が、角筒部9の一部を兼ねるように構成されている。さらに、角筒部9は上方、及び、下方に開口しており、図2に示すように、角筒部9の上端部側、及び、下端部側に対してそれぞれ支持部3を連結可能に構成されている。また、棚板本体6の上面のうち、角筒部9に対応する部位は、その他の部位よりも一段低くなっている(後述の支持部3の下閉塞部33の下面が支持されるとともに、該下閉塞部33の棚板2の中央部側への変位が規制されるようになっている)。
図3、図4に示すように、各角筒部9の内側において、棚板2の上面側には、支持部3の下端部が嵌合可能な上面側嵌合部10が設けられている。さらに、図5、図6に示すように、各角筒部9の内側において、棚板2の下面側には、支持部3の上端部が嵌合可能な下面側嵌合部11が設けられている。図1に示すように、本実施形態では、下面側嵌合部11に対応してキャスター4を棚板2に取付可能に構成されている。
図11、図15に示すように、キャスター4は、車輪13と、車輪13を支持する支持金具14とを備えている。支持金具14は、略コ字状をなして車輪13を挟むように相対配置され、図示しないシャフトを介して車輪13を回転自在に支持する金具本体15と、金具本体15の上面側に対して旋回自在に取付けられる略円盤状の取付部16と、取付部16の上面側の中央部から上方に延びる略円柱状の支持軸部17とを備えている。支持軸部17の外周には雄ねじ(図示略)が形成されている。
図4、図15に示すように、角筒部9の内側には、角筒部9の上下方向中間位置において、上面側嵌合部10と、下面側嵌合部11との間を仕切る仕切り壁部19が設けられている。さらに、仕切り壁部19には、キャスター4の支持軸部17を挿通可能な挿通孔20が設けられている。
また、図4、図15、図16に示すように、上面側嵌合部10には、キャスター4の支持軸部17に締結可能な締結部材としてのナット21(本例では、鉄製、又は、ステンレス製の六角ナット)を保持可能な保持部22が設けられている。保持部22は、仕切り壁部19のうち、挿通孔20を含む範囲を下方に膨出させるようにして凹状に構成され、ナット21の外形状に対応した平面視六角形状をなしている。そして、ナット21を保持部22に設置することで、ナット21の回転が規制されるようになっている。本実施形態では、保持部22の内側の壁部(ないし角部)が回転防止部を構成する。また、図15に示すように、保持部22の深さは、ナット21の厚みとほぼ同じであり(保持部22の方が若干深い)、保持部22に設置されたナット21は仕切り壁部19の上面(保持部22の上縁部)よりも上方に突出しないようになっている。
図6に示すように、下面側嵌合部11には、仕切り壁部19の挿通孔20の周縁部から下方に突出する円筒状の受部23が設けられている。そして、棚板2にキャスター4を取付ける場合には、保持部22にナット21を設置した状態(図16参照)で、棚板2の下方からキャスター4の支持軸部17を、受部23を通じて、仕切り壁部19の挿通孔20に挿通させる。さらに、ナット21と、支持軸部17とを螺合させるべく、支持軸部17をナット21に対して相対的に回転(螺合)させる。その後、図15に示すように、支持軸部17に通して取付部16の上面側に介在させたワッシャー24と、下面側嵌合部11の受部23の下面とが当接状態とされる(キャスター4のそれ以上の上方向への相対変位が規制される)ことで、保持部22と、受部23とが、ナット21と、キャスター4(ワッシャー24を介しての取付部16)とにより挟み込まれる格好となる。これにより、キャスター4が棚板2に取付けられたキャスター取付状態とされる。尚、本実施形態におけるキャスター取付状態では、支持軸部17の上端部がナット21の上面、及び、保持部22の上縁部よりも上方に突出している。
また、図6、図14等に示すように、下面側嵌合部11は、仕切り壁部19から下方に突出し、下方に開口する略円筒状(本実施形態では楕円筒状)の下側周壁部26を備えている。下側周壁部26は、受部23を囲むようにして、当該受部23から離間して設けられている。さらに、下面側嵌合部11には、受部23と、下側周壁部26との間を連結する複数の下側嵌合連結部27が設けられている。加えて、下面側嵌合部11には、複数の下側嵌合連結部27により区画された複数の下側嵌合空間28が設けられている。図14等に示すように、本実施形態では、4つの下側嵌合連結部27が、挿通孔20を中心とした略均等な位置に、棚板2の各側辺部と平行する方向に沿って延在するようにして設けられている。
尚、図6等に示すように、下側周壁部26と、角筒部9との間を連結する下側補強リブ29が設けられており、下側周壁部26の外面側は、直接、或いは、下側補強リブ29を介して、角筒部9の内面と連結されている。また、下側補強リブ29の下辺部、下側周壁部26の下辺部、及び、角筒部9の下辺部は、同じ高さ位置とされており、棚板2が床面に設置される場合には、下側周壁部26の下辺部、角筒部9の下辺部、及び、下側補強リブ29の下辺部が床面に接地するようになっている。その一方で、受部23の下端部は、下側周壁部26等の下辺部よりも上方に位置しており、床面に接地しないようになっている。
図7、図9に示すように、支持部3は、上下方向に延在し、一側方に開口する水平断面略コ字状の支持部本体31と、支持部本体31の上面側を閉塞する上閉塞部32と、支持部本体31の下面側を閉塞する下閉塞部33とを備えている。また、支持部本体31の内側には支持部補強リブ34が設けられている。
図10等に示すように、支持部3の上端部には、上閉塞部32から上方に突出し、下面側嵌合部11の下側嵌合空間28(図6参照)に嵌合状態とされる複数の上側嵌合突部35が設けられている。さらに、複数の上側嵌合突部35の間には、下側嵌合連結部27を相対的に挿入可能な上突部間溝部36が設けられている。本実施形態では、略円環状(下側周壁部26に対応して楕円環状)に配置される上側嵌合突部35が、上突部間溝部36により4つに分割される格好となっている。加えて、各上側嵌合突部35は、自身が隣接する各上突部間溝部36側に凸となる上側嵌合調整部37を備えている。
さらに、上側嵌合突部35には、当該上側嵌合突部35が隣接する一対の上突部間溝部36の中間位置において上突部間溝部36よりも浅い中間溝部38が設けられている。また、上側嵌合突部35は、中間溝部38が設けられることで形成された先端嵌合部39を備えている。
図6に示すように、下面側嵌合部11には、下側周壁部26の周方向において隣り合う下側嵌合連結部27の間の位置において、受部23と、下側周壁部26との間を連結する補助嵌合連結部41が設けられている。補助嵌合連結部41には、下面側嵌合部11に対して支持部3(上側嵌合突部35)を嵌合させた場合に、下側嵌合連結部27の下辺部よりも上方にまで上側嵌合突部35の進入を許容する許容部42が設けられている。
尚、下側嵌合連結部27のうち受部23側の部位、及び、補助嵌合連結部41のうち(許容部42よりも)受部23側の部位の下辺部は、受部23の下端部と同じ高さ位置とされ、下面側嵌合部11にキャスター4が取付けられた場合に、受部23の下端部とともに、取付部16の上面側に設けられるワッシャー24と当接するように構成されている(図15参照)。また、下側嵌合連結部27のうち下側周壁部26側の部位の下辺部は、下側周壁部26側に向けて、下側周壁部26の下辺部と略同じ高さ位置となるまで下方傾斜している。
図17、図18に示すように、棚板2の下面側嵌合部11に対して支持部3の上側嵌合突部35を嵌合させた状態、すなわち、棚板2を支持部3で支持するべく棚板2の下面側に支持部3を連結した状態では、支持部3の上側嵌合突部35が、下面側嵌合部11の下側嵌合空間28に嵌合状態とされる。特に、図13、図18に示すように、上側嵌合突部35の先端部側は、上側嵌合突部35の中間溝部38に、下面側嵌合部11の補助嵌合連結部41を受け入れるような格好で、上側嵌合突部35の先端嵌合部39が、下側嵌合空間28のうち、補助嵌合連結部41と、下側嵌合連結部27との間の部位に嵌合状態とされる。本実施形態では、各先端嵌合部39は、それぞれ補助嵌合連結部41と、下側嵌合連結部27と、下側周壁部26とに当接、又は、近接するようになっている。
さらに、図14、図18に示すように、上側嵌合突部35のうち先端嵌合部39よりも下側(上閉塞部32側)の部位(以下、「付根部35a」とも称する)についても、補助嵌合連結部41の許容部42に進入するような格好で、隣り合う下側嵌合連結部27の間である下側嵌合空間28に嵌合状態とされる。本実施形態では、各上側嵌合突部の付根部35aは、それぞれの両側部に隣接する下側嵌合連結部27と、補助嵌合連結部41の許容部42の縦辺部と、下側周壁部26とに当接、又は、近接するようになっている。特に、付根部35a、及び、先端嵌合部39のうち、上側嵌合調整部37においては、下側嵌合連結部27と当接するようになっている。
また、棚板2の下面側(下面側嵌合部11)に支持部3を連結した場合には、下面側嵌合部11の下側補強リブ29の下辺部、下側周壁部26の下辺部、及び、角筒部9の下辺部が、支持部3の上閉塞部32に当接して支持されるようになっている。尚、本実施形態では、棚板2の下面側(下面側嵌合部11)に支持部3を連結した状態では、上側嵌合突部35の中間溝部38の底面と、補助嵌合連結部41の下辺部とが略当接し(図18参照)、先端嵌合部39の上端部と、仕切り壁部19のうち上面側において保持部22を形成している部位の下面とが略当接するように構成されている(図17等参照)が、離間するように構成してもよい。
図4、図12等に示すように、上面側嵌合部10は、仕切り壁部19から上方に突出し、上方に開口する略円筒状(本実施形態では、楕円筒状)の上側周壁部44を備えている。上側周壁部44は、保持部22を囲むようにして、当該保持部22から離間して設けられている。また、上面側嵌合部10には、上側周壁部44から保持部22側に向けて延出する複数の上側嵌合リブ45が設けられている。さらに、上面側嵌合部10には、複数の上側嵌合リブ45により区画された複数の上側嵌合空間46が設けられている。本実施形態では、4つの上側嵌合リブ45が、挿通孔20を中心とした均等な位置に、棚板2の各側辺部と平行する方向に沿って延出するようにして設けられている。尚、上側周壁部44と、角筒部9との間を連結する上側補強リブ47が設けられており、上側周壁部44の外面側は、直接、或いは、上側補強リブ47を介して、角筒部9の内面と連結されている。また、上側補強リブ47の上辺部、上側周壁部44の上辺部、及び、角筒部9の上辺部は、同じ高さ位置とされている。
これに対し、図8に示すように、支持部3の下端部には、下閉塞部33から下方に突出し、上面側嵌合部10の上側嵌合空間46に嵌合状態とされる複数の下側嵌合突部49が設けられている。さらに、複数の下側嵌合突部49の間には、上側嵌合リブ45を相対的に挿入可能な下突部間溝部50が設けられている。本実施形態では、略円環状(上側周壁部44に対応して楕円環状)に配置される下側嵌合突部49が、下突部間溝部50により4つに分割(区分)される格好となっている。加えて、各下側嵌合突部49は、自身が隣接する各下突部間溝部50側に凸となる下側嵌合調整部51を備えている。
図12、図18に示すように、支持部3の下突部間溝部50に対して、棚板2の上面側嵌合部10の上側嵌合リブ45を受け入れさせるような格好で、上面側嵌合部10に対して支持部3の下側嵌合突部49を嵌合させた状態、すなわち、棚板2の上面側に支持部3を連結した状態では、各下側嵌合突部49が、それぞれの両側部に隣接する上側嵌合リブ45と、上側周壁部44とに当接、又は、近接するようになっている。特に、下側嵌合突部49のうち下側嵌合調整部51においては、上側嵌合リブ45と当接するようになっている。
さらに、図17等に示すように、本実施形態では、棚板2の上面側(上面側嵌合部10)に支持部3を連結した場合には、下側嵌合突部49の下面が仕切り壁部19の上面と当接して支持されるようになっている。尚、本実施形態では、棚板2の上面側(上面側嵌合部10)に支持部3を連結した場合に、上面側嵌合部10の上側補強リブ47の上辺部、上側周壁部44の上辺部、及び、角筒部9の上辺部が、支持部3の下閉塞部33に当接するように構成されているが、離間する(近接する)構成としてもよいし、下側嵌合突部49の下面が仕切り壁部19の上面から離間する構成としてもよい。
また、図15等に示すように、支持部3の下端部(4つの下側嵌合突部49によって囲まれる部位)には、キャスター4が取付けられた棚板2の上面側(上面側嵌合部10)に取付けられる場合に、ナット21と締結状態とされてナット21の上面(保持部22の上縁部)よりも上方に突出したキャスター4の支持軸部17を受容(収容)可能な受容部52が設けられている。さらに、支持部3の下端部(受容部52の周縁部)には、保持部22に設置されたナット21の上面に当接、又は、近接する(ナット21の上面に対向して近接する)抑え部53が設けられている。本実施形態の抑え部53は、受容部52を囲むとともに、4つの下側嵌合突部49と連結されるようにして略円環状に設けられている。
以上詳述したように、本実施形態によれば、棚板2の上面側嵌合部10に設けられた保持部22にナット21を設置することで、一般的な規格のキャスター4を棚1に取付けることが可能となる。このため、例えば、対象の棚専用の接続用部品を介在させてキャスター4を棚に取付ける(キャスター4が取付けられた前記接続用部品を棚に取付ける)構成に比べ、構成の簡略化、製造コストの低減等を図ることができる。特に、キャスター4を取外して使用する形態においても、前記接続用部品を取付ける必要がある構成(例えば、支持部と、接続用部品とが連結されることで、棚板が挟持される格好で保持される構成)においては、キャスター4を取外して使用する形態に変更する際に、キャスター4を前記接続用部品ごと棚から取外した後、キャスターを前記接続用部品から取外し、前記接続用部品を棚に付け戻すといった具合に手間が増えることが懸念される上、前記接続用部品を棚に着脱したり、キャスターを前記接続用部品に着脱したりする際に、連結する構成(例えば、係止構造等)が損傷したり、劣化を早めたりすることが懸念される。さらに、前記接続用部品を棚に取付けたまま、キャスターを前記接続用部品から無理に取外そうとした場合には、かかる懸念(接続用部品等の損傷)がより顕著なものになる。この点、キャスター4をナット21により取付ける構成を採用することで、かかる不具合を払拭することができる。
また、キャスター4を取付けて使用する形態から取外して使用する形態に変更する場合には、キャスター4を取外すだけであり、代わりのパーツを取付ける等しなくても、棚1としての機能を確実に発揮させることができる。さらに、キャスター4を取外して使用する形態から取付けて使用する形態に変更する場合には、棚1から所定のパーツを取除く必要がなく、取除いたパーツを保管するといったこともしなくて済む。特に、キャスター4を取付けて使用する形態とする予定がある場合には、棚1の使用開始当初から保持部22にナット21を設置しておくことで、キャスター4を取付ける際にナット21を用意したり、紛失していたりすることを回避することができる。従って、キャスター4の着脱作業性の向上、ひいては、キャスター4を着脱して棚1の使用形態を変更する場合の棚1の組立作業性の向上、及び、使用しないパーツの保管に関する利便性の向上等を図ることができる。
加えて、キャスター4は、ナット21によってしっかりと棚板2に取付けられる。このため、キャスター4に強い衝撃が加えられることでキャスター4が外れてしまうといった事態を確実に防止することができる。従って、キャスター4の取付状態の安定化を図ることができる。結果として、キャスター4を取付けて使用する形態の棚1の組立状態の安定化を図ることができる。さらに、例えば、キャスターが複数のビス等で棚板2に取付けられる場合に比べて、着脱作業性の向上、及び、棚板2の損傷の抑制等を図ることができ、例えば、キャスターが係止構造等で棚板2に取付けられる場合に比べて、棚板2に取付けられたキャスター4のガタツキ防止、キャスター4の取付けに関する構成の損傷の抑止等を図ることができる。また、ナット21が棚板2とは別体として構成されることで、例えば、ナット21と同様の機能を具備する部位(雌ねじが形成された部位)を棚板2において一体的に形成する場合に比べ、棚板2の損傷等を抑止することができる。さらに、ナット21を棚板2よりも強度の高い素材により構成することができ、キャスター4の取付状態の安定化等を図ることができる。加えて、ナット21が損傷したとしても、棚板2は使用することができ(ナット21についても比較的容易に用意することができ)、利便性の向上等を図ることができる。
また、支持部3の下端部には、保持部22に設置されたナット21から上方に突出した支持軸部17を受容可能な受容部52が設けられている。このため、上面側嵌合部10において保持部22から抜け出すような格好で上方に突出する支持軸部17と、支持部3との干渉を回避することができる。これにより、例えば、下側嵌合突部49の下面を、仕切り壁部19の上面に当接又は近接させることができる。従って、下面側嵌合部11に対応してキャスター4が取付けられた棚板2の上面側嵌合部10に連結される支持部3(下側嵌合突部49)に関して、上面側嵌合部10への挿入長(嵌合深さ)を効率的に極力深く確保することができ、支持部3と上面側嵌合部10との嵌合状態(支持部3と棚板2との連結状態)の安定化等を図ることができる。
また、棚板2の上面側嵌合部10に支持部3の下側嵌合突部49を嵌合させ、棚板2の下面側嵌合部11に支持部3の上側嵌合突部35を嵌合させるだけで、棚1を組立てることができる。従って、棚1の組立作業性の向上を図ることができる。
さらに、下面側嵌合部11は、(略同心円状に)受部23と、下側周壁部26とを備えるとともに、受部23と、下側周壁部26との間を連結する複数の下側嵌合連結部27を備えている。このため、受部23と、下側周壁部26と、下側嵌合連結部27とが協働して互いの剛性、及び、強度を高めることができる。従って、下面側嵌合部11の変形に起因して、支持部3の上端部と、棚板2の下面側嵌合部11との嵌合状態が不安定になるといった事態を防止することができる。また、下面側嵌合部11にキャスターが取付けられた場合においても、下面側嵌合部11の変形(例えば、受部23の傾き)等を抑止することができ、キャスター4の取付状態の安定化を図ることができる。
さらに、例えば、下側嵌合連結部27が設けられない構成に比べ、下面側嵌合部11に支持部3を連結する場合に、着脱方向に対して交差する方向(略水平方向)において下面側嵌合部11と支持部3とが当接(圧接)する範囲(箇所)を増加させることができ、支持部3の上端部と、棚板2の下面側嵌合部11との嵌合強度を高めることができる。加えて、棚板2に対する支持部3の回動変位や傾動変位等をより確実に防止することができる。結果として、棚1の組立状態の安定化を図ることができる。
また、下面側嵌合部11にキャスター4を取付けて棚1を移動させる際には、下面側嵌合部11に対し、棚1が静止していたときよりも大きな力が作用したり、棚1が静止していたときとは異なる方向への力が作用したりすることが考えられる。この点、本実施形態では、下面側嵌合部11において、受部23と、下側周壁部26との間を複数(本例では4つ)の下側嵌合連結部27により連結するだけでなく、隣り合う下側嵌合連結部27の間の位置において設けられる補助嵌合連結部41によっても連結することとしている。このため、補助嵌合連結部41についても、受部23、下側周壁部26、及び、下側嵌合連結部27と協働して互いの剛性、及び、強度を高めることができ、ひいては、下面側嵌合部11の剛性、及び、強度をより一層高めることができる。特に、隣り合う下側嵌合連結部27の間に補助嵌合連結部41を設けることによって、キャスター4を取付けて使用する形態の棚1を移動させる際に、例えば、隣り合う下側嵌合連結部27の間の部位に対して比較的大きな力が作用する場合(例えば、棚1を変位させようとする方向と、補助嵌合連結部41の延在方向とが一致するような場合)において、下面側嵌合部11が変形等してしまうといった事態をより確実に抑止することができる。従って、キャスター4の取付状態の安定化をより一層図ることができる。
さらに、例えば、下面側嵌合部11の強度を高めるべく、下側嵌合連結部27の数を単純に増やしてしまうと、下面側嵌合部11に連結される支持部3の上側嵌合突部35のうち下側嵌合空間28に嵌合状態とされる部位が細かく(例えば、8つに)分割されてしまうことが懸念される。このため、例えば、当該上側嵌合突部35の下面側嵌合部11への嵌合深さ(下側嵌合空間28への挿入長)を極力長く確保しようとした場合には、上側嵌合突部35が損傷してしまうおそれがあり、また逆に、上側嵌合突部35の下面側嵌合部11への嵌合深さ(下側嵌合空間28への挿入長)を比較的短くした場合には、嵌合状態の不安定化を招くおそれがある。
この点、本実施形態では、補助嵌合連結部41には、上側嵌合突部35の進入を許容する許容部42が設けられている。つまり、上側嵌合突部35のうち許容部42に進入している部位(付根部35a)は、隣り合う下側嵌合連結部27の間であって下側嵌合空間28に配置されている上、許容部42においては上側嵌合突部35を分断しなくても済む。このため、例えば、補助嵌合連結部41に代えて、下側嵌合連結部27が設けられる場合のように、下側嵌合空間28に挿入される上側嵌合突部35が細かく分割され過ぎてしまうことによる上記した各種不具合を払拭することができる。従って、棚板2にキャスター4を取付ける場合の下面側嵌合部11の変形等を抑止して取付状態の安定化を図りつつ、棚板2の下面側嵌合部11に支持部3を連結する場合の上側嵌合突部35の変形や下面側嵌合部11からの脱落を防止して連結状態の安定化を図ることができる。
加えて、上側嵌合突部35には、中間溝部38が形成されており、下面側嵌合部11に対して支持部3を嵌合させた場合に、中間溝部38に対して補助嵌合連結部41が相対的に挿入される。このため、補助嵌合連結部41と、下側嵌合連結部27との間に対し、上側嵌合突部35の先端嵌合部39を嵌合状態とすることができる。従って、下面側嵌合部11の剛性、及び、強度をより一層高めるとともに、下面側嵌合部11と、上側嵌合突部35との嵌合状態をより強固なものとすることができる。
さらに、上側嵌合突部35は、上突部間溝部36側に凸となる上側嵌合調整部37を備えている。このため、例えば、下面側嵌合部11等において製造上の誤差(公差)等が生じたとしても、下面側嵌合部11の下側嵌合連結部27と、支持部3の上側嵌合突部35とを所望の圧接状態とすることができる。従って、棚板2と、支持部3との連結状態のより一層の安定化等を図ることができる。結果として、棚1の組立状態の安定化を図るといった作用効果がより一層奏される。尚、棚板2よりも小さいパーツである支持部3において上側嵌合調整部37を設けることで、上側嵌合調整部37自体の製造誤差の発生等を抑止することができる。
また、上面側嵌合部10は、上側周壁部44と、上側周壁部44から保持部22側に向けて延出する複数の上側嵌合リブ45とを備えている。このため、上側周壁部44と、上側嵌合リブ45とが協働して互いの剛性、及び、強度を高めることができる。従って、上面側嵌合部10の変形に起因して、支持部3の下端部と、棚板2の上面側嵌合部10との嵌合状態が不安定になるといった事態を防止することができる。また、上面側嵌合部10に対して支持部3が当接(圧接)する範囲(箇所)を増加させることができ、支持部3の下端部と、棚板2の上面側嵌合部10との嵌合強度を高めることができる。さらに、棚板2に対する支持部3の回動変位や傾動変位等をより確実に防止することができる。結果として、棚1の組立状態の安定化を図ることができる。
さらに、下側嵌合突部49は、下突部間溝部50側に凸となる下側嵌合調整部51を備えている。このため、製造上の誤差(公差)等が生じたとしても、上面側嵌合部10の上側嵌合リブ45と、支持部3の下側嵌合突部49とを所望の圧接状態とすることができる。従って、棚板2と、支持部3との連結状態のより一層の安定化等を図ることができる。結果として、棚1の組立状態の安定化を図るといった作用効果がより一層奏される。尚、棚板2よりも小さいパーツである支持部3において下側嵌合調整部51を設けることで、下側嵌合調整部51自体の製造誤差の発生等を抑止することができる。
また、保持部22は、ナット21の形状に対応した形状となっており、保持部22に設置されたナット21は、回転が防止されるようになっている。さらに、支持部3の下端部には、保持部22に設置されたナット21の上面に対向して近接する抑え部53が設けられており、保持部22に設置されたナット21の浮き上がりが防止されるようになっている。
このため、キャスター4を取付けて使用する形態から取外して使用する形態に変更する場合に、例えば、棚板2と、その上方に配置される支持部3との連結状態を解消し、ナット21を露出させて工具で抑えるといった作業をしなくても、キャスター4(支持軸部17)を回転させるだけで、支持軸部17と、ナット21との締結状態を解消して、キャスター4を取外すことができる。さらに、キャスター4を取外して使用する形態から取付けて使用する形態に変更する場合に、ナット21が予め保持部22に設置されていれば、キャスター4を下面側嵌合部11に配置して回転させるだけで、支持軸部17と、ナット21とを締結状態として、キャスター4を取付けることができる。従って、キャスター4を着脱する際に、棚1を部分的に解体する必要があるような構成に比べ、棚1の使用形態を変更する際の作業性の向上等を図ることができる。さらに、棚1の使用形態の変更の度に棚1を部分的に解体することに起因して、棚板2と支持部3との連結に関する構成が劣化(損傷)し易くなってしまうといった事態を回避することができる。
尚、上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
(a)上記実施形態では、保持部22がナット21の形状に対応した平面視六角形状をなし、保持部22に設置されたナット21の回転を規制する構成とされているが、例えば、平面視略円形状をなし、保持部22に設置されたナット21が回転自在となる構成としてもよい。また、上記実施形態では、保持部22に設置されたナット21は、その全体が保持部22に収容されて、仕切り壁部19の上面よりも上方に突出しないように構成されているが、保持部22に設置されたナット21が仕切り壁部19の上面(保持部22の上縁部)よりも上方に突出するような構成としてもよい。当該構成を採用する場合には、支持部3の下端部に設けられる受容部52が、支持軸部17、及び、ナット21を内側に受容(収容)するように構成されることが望ましく、さらに、受容部52が段差状に構成され、ナット21を受容する部位の上面(少なくとも一部)が、ナット21の上面に当接、又は、近接して、抑え部を兼ねるように構成することが望ましい。尚、支持軸部17の上端部が、ナット21の上面、及び、仕切り壁部19(保持部22の周縁部)の上面よりも低く、ナット21の上面が仕切り壁部19の上面よりも高い場合には、ナット21の上面を含む部位が受容部52に受容される。
(b)上記実施形態の棚板2は、無孔状に限定されるものではなく、上下に開口する開口部が複数設けられるような格子状としてもよいし、四角枠状(例えば、トレーや引き出し用のボックスを載置して使用する)としてもよいし、これらを組合わせて組立てることとも可能である。また、棚板2の平面視形状についても略矩形状に限定されるものではなく、例えば、平面視略円形状、平面視略楕円形状、平面視略三角形状(例えば、キャスター4は3つ)、平面視略六角形状(例えば、キャスター4は4つ、或いは、6つ)等に構成することも可能である。
さらに、上記実施形態において、下面側嵌合部11に設けられた下側嵌合連結部27、及び、上面側嵌合部10に設けられた上側嵌合リブ45の数や配置については特に限定されるものではなく、適宜変更可能である。尚、下側嵌合連結部27、及び、上側嵌合リブ45の一方、又は、両方を省略することも可能である。加えて、上記実施形態では、下側周壁部26の周方向において隣り合う下側嵌合連結部27の間に補助嵌合連結部41が1つずつ設けられるようになっているが、補助嵌合連結部41が設けられない間隙が存在してもよいし、1つの間隙に補助嵌合連結部41が複数存在してもよい。尚、補助嵌合連結部41を省略することも可能である。
また、上面側嵌合部10において、上側周壁部44の周方向において隣り合う上側嵌合リブ45の間において、上側周壁部44から内方側(保持部22、挿通孔20側)に向けて延出する補助嵌合リブを設けるとともに、当該補助嵌合リブにおいて、上面側嵌合部10に対して支持部3の下側嵌合突部49を嵌合させた場合に、上側嵌合リブ45の上辺部よりも下方にまで下側嵌合突部49の進入を許容する許容部(切欠き形状部)を設けることとしてもよい。さらに、当該構成を採用する場合には、各下側嵌合突部49において、上面側嵌合部10の補助嵌合リブの相対的な挿入を許容する中間溝部を設けることで、下側嵌合突部49の先端部において(上面側嵌合部10の補助嵌合リブと、上側嵌合リブ45との間に略嵌合状態とされる)先端嵌合部を設けることとしてもよい。尚、上側嵌合突部35の中間溝部38(先端嵌合部39)を省略することも可能である。
また、上記実施形態では、下側嵌合連結部27、及び、補助嵌合連結部41が、下側周壁部26と、受部23との間を連結するようにして設けられているが、例えば、下側周壁部26から内方側(受部23側)に向けて延出しているものの、受部23とは連結されないような構成(下側嵌合リブ、補助嵌合リブ)としてもよい。
さらに、上面側嵌合部10と、下面側嵌合部11とが(ほぼ)同じ形状となるように構成してもよい。加えて、上側嵌合突部35と、下側嵌合突部49とが(ほぼ)同じ形状となるように構成してもよい。当該構成を採用する場合、支持部3の上下の向きを逆にしても、支持部3を棚板2に連結することができる。従って、支持部3と棚板2との連結作業に際して、支持部3の向きを確認する作業を簡略化することができ、作業性の向上等を図ることができる。
(c)上記実施形態では、支持部3(支持部本体31)は、水平断面略コ字状をなしているが、支持部3としては、棚板2の上面側嵌合部10に嵌合する部位と、下面側嵌合部11に嵌合する部位とを備えていればよく、例えは、水平断面略C字状としてもよい。さらに、例えば、複数の支持部3間を連結するようなパーツを、支持部3とは別体で、或いは、支持部3と一体で設けることとしてもよい。
また、上記実施形態では、支持部3の下端部(下側嵌合突部49の下面側中央部)において受容部52が設けられているが、例えば、保持部22に設置されたナット21、及び、ナット21と締結された支持軸部17の全体が保持部22の上縁部よりも下方に収まるような構成等において、受容部52を省略することとしてもよい。但し、受容部52を設けることで、保持部22の深さを必要以上に(支持軸部17をも内側に収めるように)深くすることなく、上側周壁部44の高さを効率的に利用して(下側嵌合突部49が、支持軸部17と干渉して、仕切り壁部19の上面と比較的大きく離間してしまうといった事態を回避して)、下側嵌合突部49を上側嵌合空間46に極力深く(上下方向において極力長い距離を)嵌合させることができ、嵌合状態の安定化等を図ることができる。
さらに、上記実施形態では、支持部3の上側嵌合突部35において先端嵌合部39(中間溝部38)が設けられているが、先端嵌合部39(中間溝部38)を省略することとしてもよい。但し、中間溝部38を設けることにより、棚板2の下面側嵌合部11の補助嵌合連結部41の上下の幅を効率的に極力長く形成することができ、また、先端嵌合部39が、補助嵌合連結部41と、下側嵌合連結部27との間に嵌合状態とされることで、棚板2の下面側嵌合部11と、支持部3の上側嵌合突部35との嵌合状態をより安定化させることができる。
加えて、上記実施形態では、各上側嵌合突部35には、自身が隣接する各上突部間溝部36側に凸となる上側嵌合調整部37が設けられ、各下側嵌合突部49には、自身が隣接する各下突部間溝部50側に凸となる下側嵌合調整部51が設けられているが、上側嵌合調整部37、及び、下側嵌合調整部51の形成位置や数については特に限定されるものではない。例えば、各上側嵌合突部35の一側方にだけ上側嵌合調整部37が設けられることとしてもよいし、上側嵌合調整部37が設けられていない上側嵌合突部35が存在することとしてもよい。尚、上側嵌合調整部37、及び、下側嵌合調整部51を省略することも可能である。
(d)上記実施形態では、棚1に取付けられるキャスター4は、車輪13の向きを変更可能な自在キャスターとされているが、車輪13の向きを変更不可能な固定キャスターを適宜採用してもよい。但し、キャスター4は、雄ねじが形成された支持軸部17を備えるねじ込み式である上、保持部22に設置されたナット21の回動も規制される構成のため、ナット21と締結状態としたときの向きを適宜変更することのできる旋回可能なタイプであることが望ましい。尚、キャスターが、車輪13の旋回(金具本体15と取付部16との間の相対的な回動変位)を許容する状態と、旋回を防止する状態とに切替える機能や、車輪13の回転を許容する状態と、回転を防止する状態とに切替える機能を具備することとしてもよい。この場合、キャスター4の支持軸部17と、ナット21とを締結状態としたり、締結状態を解消したりする作業性の向上、及び、棚1を組立てた状態で、キャスター4の所定の隅部を持ち上げてキャスター4を着脱したりする際の作業性の向上等を図ることができる。
(e)上記実施形態では、棚板2、及び、支持部3はポリプロピレンにより構成されているが、ポリエチレン、PET、ポリアミド、及び、繊維強化プラスチック等により構成されることとしてもよい。また、ナット21(及び、支持軸部17)は金属製(鉄、ステンレス等)となっているが、特にかかる素材に限定されるものではなく、例えば、樹脂製としてもよい。さらに、棚1の段数(使用される棚板2の枚数)についても(2枚以上であれば)特に限定されるものではなく、適宜設定可能である。