JP2021125577A - 半導体装置、半導体装置の製造方法及び電子装置 - Google Patents

半導体装置、半導体装置の製造方法及び電子装置 Download PDF

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Abstract

【課題】優れた性能を発揮するトランジスタを備えた半導体装置を実現する。【解決手段】トランジスタ20は、半導体層10の活性領域12に設けられ、中央部AR1及び外側部AR2の活性領域12の表面に設けられた電極部を有する。電極部は、例えば、ソース導体23に含まれるソース電極、及びドレイン導体24に含まれるドレイン電極である。表面に設けられる電極部との間のコンタクト層として、中央部AR1の活性領域12には、n型AlxGa1−xN(0<x≦1)が用いられ、外側部AR2の活性領域12には、より低接触抵抗率のn型AlyGa1−yN(0≦y<1,y<x)が用いられる。比較的放熱し難い中央部AR1と比較的放熱し易い外側部AR2の電流量、発熱量をコンタクト層によって調整し、温度分布を均一化し、放熱性の違いに起因したトランジスタ20の出力低下を抑える。【選択図】図4

Description

本発明は、半導体装置、半導体装置の製造方法及び電子装置に関する。
半導体装置に関し、タンタル(Ta)、アルミニウム(Al)等を用いたオーミックコンタクト層を備えるソース電極及びドレイン電極を設ける技術が知られている。更に、そのようなオーミックコンタクト層の膜厚方向の抵抗が、平面視した半導体装置の中央領域よりも周辺領域で低くなるように、その膜厚を変える技術が知られている。
また、ソース電極及びドレイン電極と、半導体層との間に、n型不純物がドープされたガリウムナイトライド(GaN)からなるコンタクト層、又はn型不純物がドープされたアルミニウムガリウムナイトライド(AlGaN)からなるコンタクト層を設ける技術が知られている。
特開2018−56320号公報 特開2008−141040号公報
半導体装置では、トランジスタが設けられる半導体層内の領域における位置によって、動作時に発生する熱の放熱性に違いが生じ、トランジスタが設けられる領域内に温度分布が生じる場合がある。トランジスタが設けられる領域内に温度分布が生じると、比較的温度の高い高温部、又は高温部を含む領域に設けられるトランジスタの出力低下を招き、トランジスタ、更にはそれを備える半導体装置の性能劣化を招く恐れがある。
1つの側面では、本発明は、優れた性能を発揮するトランジスタを備えた半導体装置を実現することを目的とする。
1つの態様では、活性領域を有する半導体層と、前記活性領域に設けられたトランジスタとを含み、前記トランジスタは、前記活性領域の第1部位の表面に設けられた第1電極部と、前記活性領域の前記第1部位とは異なる第2部位の表面に設けられた第2電極部とを有し、前記半導体層は、前記第1部位に設けられたn型AlGa1−xN(0<x≦1)の第1コンタクト層と、前記第2部位に設けられたn型AlGa1−yN(0≦y<1,y<x)の第2コンタクト層とを有する半導体装置が提供される。
また、1つの態様では、上記のような半導体装置の製造方法、及び上記のような半導体装置を備える電子装置が提供される。
1つの側面では、優れた性能を発揮するトランジスタを備えた半導体装置を実現することが可能になる。
半導体装置の例について説明する図である。 半導体装置の平面レイアウトの一例を示す図である。 半導体装置の温度分布及び入出力特性の一例を示す図である。 第1の実施の形態に係る半導体装置の一例について説明する図である。 第1の実施の形態に係る半導体装置の構成例について説明する図(その1)である。 第1の実施の形態に係る半導体装置の構成例について説明する図(その2)である。 第1の実施の形態に係る半導体装置の構成例について説明する図(その3)である。 第1の実施の形態に係る半導体装置の温度分布及び入出力特性の一例を示す図である。 第2の実施の形態に係る半導体装置の一例について説明する図である。 第2の実施の形態に係る半導体装置の変形例について説明する図である。 第3の実施の形態に係る半導体装置の一例について説明する図である。 第3の実施の形態に係る半導体装置の構成例について説明する図である。 第4の実施の形態に係る半導体装置の形成方法の一例について説明する図(その1)である。 第4の実施の形態に係る半導体装置の形成方法の一例について説明する図(その2)である。 第4の実施の形態に係る半導体装置の形成方法の一例について説明する図(その3)である。 第4の実施の形態に係る半導体装置の形成方法の一例について説明する図(その4)である。 第4の実施の形態に係る半導体装置の形成方法の一例について説明する図(その5)である。 第4の実施の形態に係る半導体装置の形成方法の一例について説明する図(その6)である。 第5の実施の形態に係る半導体パッケージの一例について説明する図である。 第6の実施の形態に係る力率改善回路の一例について説明する図である。 第7の実施の形態に係る電源装置の一例について説明する図である。 第8の実施の形態に係る増幅器の一例について説明する図である。
はじめに、半導体装置の例について述べる。
例えば、窒化物半導体を用いた電界効果トランジスタ(Field Effect Transistor;FET)を備える半導体装置の1つとして、高電子移動度トランジスタ(High Electron Mobility Transistor;HEMT)を備えるものが知られている。HEMTは、GaN等が用いられた電子走行層(チャネル層とも称される)と、AlGaN等が用いられた電子供給層(バリア層とも称される)とを含み、それらの接合界面近傍に生成される二次元電子ガス(Two Dimensional Electron Gas;2DEG)をキャリアとして動作する。HEMTは、近年、レーダー用途や通信用途等、幅広い分野への利用が展開されている。このようなHEMTに関し、遠距離探知や遠距離通信等に向けた更なる高出力化のための技術の1つとして、ソース及びドレインとして機能する負荷電極とそれが設けられる半導体層との間の接触抵抗を低減する技術が知られている。
図1は半導体装置の例について説明する図である。図1(A)及び図1(B)にはそれぞれ、半導体装置の一例の要部断面図を模式的に示している。
図1(A)に示す半導体装置1000A及び図1(B)に示す半導体装置1000Bはそれぞれ、HEMTを備えた半導体装置の一例である。
図1(A)に示す半導体装置1000Aは、半導体層1010、並びに半導体層1010の上に設けられたゲート電極1020、ソース電極1030及びドレイン電極1040を有する。半導体装置1000Aは更に、ゲート電極1020の周りに設けられた絶縁膜1050及び絶縁膜1051、並びにソース電極1030及びドレイン電極1040の上にそれぞれ設けられた配線層1060及び配線層1070を有する。
ここで、半導体層1010には、電子走行層及び電子供給層が含まれ、それらの接合界面近傍に、2DEG2000が生成される。半導体層1010には、リセス1080及びリセス1090が設けられる。ゲート電極1020、ソース電極1030及びドレイン電極1040には、金属が用いられる。例えば、ゲート電極1020は、半導体層1010の上に、ショットキー接続されるように設けられ、ソース電極1030及びドレイン電極1040は、半導体層1010のリセス1080及びリセス1090に、オーミック接続されるように設けられる。
図1(A)に示す半導体装置1000Aは、金属が用いられたソース電極1030及びドレイン電極1040がそれぞれ、半導体層1010に設けられたリセス1080及びリセス1090に形成された構成を有する。半導体装置1000Aでは、このような構成が採用されることで、ソース電極1030及びドレイン電極1040と半導体層1010との間の接触抵抗Rsの低減が図られ、大電流化、高出力化が実現される。
また、図1(B)に示す半導体装置1000Bでは、半導体層1010のリセス1080及びリセス1090にそれぞれ、n型不純物がドープされたn型GaNが用いられたコンタクト層1100及びコンタクト層1110が設けられる。半導体装置1000Bでは、コンタクト層1100及びコンタクト層1110の上にそれぞれ、ソース電極1030及びドレイン電極1040が設けられる。半導体装置1000Bは、このような点で、上記半導体装置1000A(図1(A))と相違する。半導体装置1000Bでは、このような構成が採用されることで、ソース電極1030及びドレイン電極1040と半導体層1010との間の接触抵抗Rsの低減が図られ、大電流化、高出力化が実現される。
半導体装置1000A及び半導体装置1000Bは、動作に伴い発熱(自己発熱)する。半導体装置1000A及び半導体装置1000Bでは、このような動作時の発熱に起因して、出力低下等の性能劣化が生じる恐れがある。この点について、次の図2及び図3を参照して説明する。
まず、上記半導体装置1000A(図1(A))又は半導体装置1000B(図1(B))の平面レイアウトの一例を、図2に示す。図2では便宜上、上記半導体装置1000A(図1(A))又は半導体装置1000B(図1(B))を、半導体装置1000として示している。
図2に示すように、半導体装置1000の半導体層1010には、活性領域1200が設けられる。半導体層1010に対するアルゴン(Ar)のイオン注入等によって素子分離領域1210が形成され、その素子分離領域1210によって活性領域1200が画定される。半導体層1010の活性領域1200に、トランジスタ、即ち、この例ではHEMTが設けられる。2DEG2000は、素子分離領域1210には生成されず、活性領域1200内に生成される。
半導体層1010の上には、ゲート導体1220、ソース導体1230及びドレイン導体1240が設けられる。ゲート導体1220、ソース導体1230及びドレイン導体1240はそれぞれ、櫛歯状の平面形状を有する。例えば、ドレイン導体1240の櫛歯(ドレインフィンガー部)1240aの間に、ソース導体1230の櫛歯(ソースフィンガー部)1230aが位置する。ドレインフィンガー部1240aとソースフィンガー部1230aとの間に、ゲート導体1220の櫛歯(ゲートフィンガー部)1220aが位置する。
ゲートフィンガー部1220a、ソースフィンガー部1230a及びドレインフィンガー部1240aは、平面視で活性領域1200に位置する。活性領域1200に位置するゲートフィンガー部1220aに、上記ゲート電極1020(図1(A)及び図1(B))が含まれる。活性領域1200に位置するソースフィンガー部1230aに、上記配線層1060及びソース電極1030(図1(A)及び図1(B))が含まれる。活性領域1200に位置するドレインフィンガー部1240aに、上記配線層1070及びドレイン電極1040(図1(A)及び図1(B))が含まれる。
例えば、ソースフィンガー部1230aのソース電極1030、及びドレインフィンガー部1240aのドレイン電極1040がそれぞれ、活性領域1200に設けられる上記リセス1080及びリセス1090に、設けられる(図1(A))。或いは、ソースフィンガー部1230aのソース電極1030、及びドレインフィンガー部1240aのドレイン電極1040はそれぞれ、リセス1080及びリセス1090に設けられたコンタクト層1100及びコンタクト層1110の上に、設けられる(図1(B))。
活性領域1200に設けられるトランジスタには、複数のトランジスタ素子が含まれる。上記図1(A)及び図1(B)は、図2に示すような平面レイアウトで活性領域1200に設けられるトランジスタに含まれるトランジスタ素子群のうちの1つの要部断面図の一例である。
ここでは、活性領域1200とそこに設けられるトランジスタとを含む領域を、トランジスタ領域1201と言う。
図2に示したような平面レイアウトを有し、活性領域1200に設けられるトランジスタとして、上記図1(A)又は図1(B)に示したような構造を有するトランジスタ素子群を含む半導体装置1000(1000A又は1000B)の、その温度分布及び入出力特性の一例を、図3に示す。
図3(A)には、図2に示した点Xaから点Xbの間の温度分布の一例を、実線T0で示している。点Xaは、トランジスタ領域1201(又はその活性領域1200)の中央部に位置する点であり、点Xbは、トランジスタ領域1201(又はその活性領域1200)の中央部外側の外側部に位置する点である。また、図3(B)には、図2に示した点Xa及び点Xbの各々の入出力特性の一例を、それぞれ実線P0a及び実線P0bで示し、トランジスタ領域1201全体(Total)の入出力特性の一例を、実線P0cで示している。例えば、図3(B)の入力は、ドレイン導体1240に印加するドレイン電圧であり、図3(B)の出力は、点Xa及び点Xbに流れるドレイン電流である。
半導体装置1000では、図3(A)に示すように、トランジスタ領域1201の中央部の点Xaの方が、トランジスタ領域1201の外側部の点Xbに比べて、温度が高くなる傾向が見られる。尚、図3(A)において、急峻に温度が高くなるピーク位置は、電界が集中し易く高温になり易いゲートフィンガー部1220a(ゲート電極1020)の位置に相当する。半導体装置1000では、トランジスタ領域1201の中央部の点Xaが200℃近い温度になることもある。このように中央部の点Xaの温度が高くなり、それに比べて外側部の点Xbの温度が低くなるのは、トランジスタ領域1201に設けられるトランジスタの動作時に発生する熱が、中央部の点Xaでは外側部の点Xbに比べて放熱され難いためである。
即ち、トランジスタ領域1201の外側部では、その外方に、別のトランジスタ素子やそれに接続される導体が設けられないため、外方の温度が比較的低く、外方への放熱が比較的起こり易い。
トランジスタ領域1201の外側部よりも内方(但し中央部よりも外方)では、外側部の放熱が進むことで、その外側部への伝熱、放熱が起こる。しかしその一方、更にその内方には、動作で発熱する別のトランジスタ素子やそれに接続される導体が設けられるため、そこからの伝熱、放熱が起こる。外側部から内方に離れた領域ほど、外側部に向かう伝熱、放熱が起こり難くなり易く、より内方からの伝熱、放熱の影響が大きくなり易い。
そして、トランジスタ領域1201の中央部では、その外方に、動作で発熱する別のトランジスタ素子やそれに接続される導体が設けられ、しかも外側部から内方に離れていて外側部に向かう伝熱、放熱が滞り易い領域があるために、外方への放熱が起こり難くなる。
トランジスタ領域1201内の位置による、このような伝熱、放熱の起こり易さ又は起こり難さ、即ち、トランジスタの動作時に発生する熱の放熱性の違いから、トランジスタ領域1201内に、図3(A)に示すような温度分布が生じる。即ち、トランジスタ領域1201の中央部の点Xaの温度が高くなり、それに比べて外側部の点Xbの温度が低くなるような温度分布が生じる。
図3(A)に示すような温度分布が生じると、図3(B)に示すように、トランジスタ領域1201内では、比較的高温の中央部の点Xaで得られる出力が、比較的低温の外側部の点Xbで得られる出力、或いは比較的低温の時に得られる出力に比べて、低くなる。即ち、比較的高温の中央部の点Xaを流れるドレイン電流が、比較的低温の外側部の点Xbを流れるドレイン電流に比べて、或いは比較的低温の時に流れるドレイン電流に比べて、少なくなる。このように、トランジスタ領域1201に設けられるトランジスタの一部のトランジスタ素子の出力が低下すると、トランジスタ全体としての性能が充分に発揮されず、トランジスタ領域1201全体(Total)で得られる出力の低下を招く恐れがある。
以上のような点に鑑み、ここでは以下に実施の形態として示すような手法を用い、温度分布の発生が抑えられ、それによって優れた性能を発揮することのできるトランジスタを備えた半導体装置を実現する。
[第1の実施の形態]
図4は第1の実施の形態に係る半導体装置の一例について説明する図である。図4には、半導体装置の一例の要部平面図を模式的に示している。
図4に示す半導体装置1は、半導体層10、及び半導体層10に設けられたトランジスタ20を含む。半導体層10は、素子分離領域11、及び素子分離領域11で画定された活性領域12(図4に鎖線枠で図示)を有する。半導体層10の活性領域12に、トランジスタ20が設けられる。
半導体装置1は、例えば、トランジスタ20としてHEMTを備える。この場合、半導体層10には、GaN等を用いた電子走行層及びAlGaN等を用いた電子供給層が含まれ、それらの接合界面近傍に2DEGが生成される。半導体層10に対するArのイオン注入等によって素子分離領域11が形成される。2DEGは、素子分離領域11には生成されず、トランジスタ20が設けられる活性領域12内に生成される。
半導体層10の上には、ゲート導体22、ソース導体23及びドレイン導体24が設けられる。ゲート導体22、ソース導体23及びドレイン導体24はそれぞれ、櫛歯状の平面形状を有する。ドレイン導体24の櫛歯(ドレインフィンガー部)24aの間に、ソース導体23の櫛歯(ソースフィンガー部)23aが位置する。ドレインフィンガー部24aとソースフィンガー部23aとの間に、ゲート導体22の櫛歯(ゲートフィンガー部)22aが位置する。
ゲートフィンガー部22a、ソースフィンガー部23a及びドレインフィンガー部24aは、平面視で活性領域12に位置する。ゲートフィンガー部22a、ソースフィンガー部23a及びドレインフィンガー部24aにはそれぞれ、活性領域12に設けられるトランジスタ20のゲート電極、ソース電極及びドレイン電極が含まれる。
活性領域12に設けられるトランジスタ20には、複数のトランジスタ素子が含まれる。
ここでは、活性領域12とそこに設けられるトランジスタ20とを含む領域を、トランジスタ領域30と言う。
トランジスタ領域30及びその活性領域12は、図4に示すように、中央部AR1(点線枠で囲まれた領域)、及び中央部AR1の外側にあって中央部AR1を囲む外側部AR2(点線枠とその外側の鎖線枠の間の領域)を含む。
半導体装置1では、中央部AR1のソースフィンガー部23a及びドレインフィンガー部24aが設けられる活性領域12の部位と、外側部AR2のソースフィンガー部23a及びドレインフィンガー部24aが設けられる活性領域12の部位とに、互いに異なる材料が用いられたコンタクト層が設けられる。半導体装置1のこのような構成について、図4並びに次の図5〜図7を参照して、更に説明する。
図5〜図7は第1の実施の形態に係る半導体装置の構成例について説明する図である。図5及び図6にはそれぞれ、半導体装置の一例の要部断面図を模式的に示している。また、図7には、半導体装置のコンタクト層に用いられる材料と接触抵抗率との関係を模式的に示している。
図5は、図4に示した半導体装置1の、中央部AR1の点Xaと外側部AR2の点Xbとの間の断面の一例を、模式的に図示したものである。図6は、図4に示した半導体装置1の、中央部AR1の点Xaと外側部AR2の点Xcとの間の断面の一例を、模式的に図示したものである。
ここで、半導体装置1の半導体層10には、電子走行層及び電子供給層が含まれ、それらの接合界面近傍に、図5及び図6に示すように、2DEG50が生成される。また、ソースフィンガー部23aには、図5及び図6に示すように、半導体層10の上に設けられる電極部であるソース電極23b、及びソース電極23bの上に設けられる配線層23cが含まれる。ドレインフィンガー部24aには、図5及び図6に示すように、半導体層10の上に設けられる電極部であるドレイン電極24b、及びドレイン電極24bの上に設けられる配線層24cが含まれる。一対のソース電極23bとドレイン電極24bとの間に、電極部である1つのゲート電極22b(ゲートフィンガー部22a)が設けられ、トランジスタ20に含まれるトランジスタ素子21群が形成される。
半導体装置1の半導体層10には、トランジスタ領域30の、中央部AR1のソース電極23b及びドレイン電極24bが設けられる活性領域12の部位12aに、リセス12cが設けられ、そのリセス12cに、コンタクト層41が設けられる。半導体層10には、トランジスタ領域30の、外側部AR2のソース電極23b及びドレイン電極24bが設けられる活性領域12の部位12bに、リセス12dが設けられ、そのリセス12dに、コンタクト層42が設けられる。半導体装置1では、中央部AR1のコンタクト層41が設けられる部位12aの表面、及び外側部AR2のコンタクト層42が設けられる部位12bの表面に、ソース電極23b及びドレイン電極24bが設けられる。
半導体装置1では、これらのコンタクト層41及びコンタクト層42に、互いに異なる材料が用いられる。例えば、中央部AR1のコンタクト層41には、n型不純物がドープされたn型AlGaN(例えばn−AlGaN)が用いられ、外側部AR2のコンタクト層42には、n型不純物がドープされたn型GaN(例えばn−GaN)が用いられる。
図7は、n型AlGaN及びn型GaNの接触抵抗率[Ω・cm]の関係を模式的に示したものである。図7に示すように、n型AlGaNは、n型GaNに比べて、高い接触抵抗率を示す。このように比較的高い接触抵抗率を示すn型AlGaNが、トランジスタ領域30の中央部AR1の活性領域12に設けられるコンタクト層41に用いられ、比較的低い接触抵抗率を示すn型GaNが、トランジスタ領域30の外側部AR2の活性領域12に設けられるコンタクト層42に用いられる。
図8は第1の実施の形態に係る半導体装置の温度分布及び入出力特性の一例を示す図である。
図8(A)には、半導体装置1の、図4及び図5に示した点Xaから点Xbの間の温度分布の一例を、実線T1で示している。図8(A)には比較のため、上記図2及び図3(A)で述べた半導体装置1000(図1(B)に示した半導体装置1000B)における点Xaから点Xbの温度分布の一例を、点線T0で併せて図示している。
図8(A)のT1,T0に示すように、半導体装置1では、上記半導体装置1000(1000B)と比べて、トランジスタ領域30の外側部AR2の点Xbの温度は低下させず、中央部AR1の点Xaの温度を低下させることができる。
ここで、半導体装置1では、上記のように、外側部AR2のコンタクト層42には、比較的接触抵抗率の低いn型GaNが用いられ、中央部AR1のコンタクト層41には、比較的接触抵抗率の高いn型AlGaNが用いられる。これにより、半導体装置1では、中央部AR1のコンタクト層41とその上のソース電極23b及びドレイン電極24bとの間を流れる電流が、外側部AR2のコンタクト層42とその上のソース電極23b及びドレイン電極24bとの間を流れる電流よりも、少なくなる。その結果、半導体装置1では、トランジスタ領域30の中央部AR1の発熱が、外側部AR2の発熱よりも抑えられるようになる。
半導体装置1では、上記半導体装置1000について述べたのと同様に、トランジスタ領域30及びその外方の構造上、外側部AR2では比較的放熱が起こり易く、中央部AR1では比較的放熱が起こり難い。半導体装置1では、トランジスタ領域30の中央部AR1に、外側部AR2のコンタクト層42に用いられるn型GaNよりも接触抵抗率の高いn型AlGaNを用いたコンタクト層41が設けられることで、中央部AR1を流れる電流量が抑えられる。これにより、トランジスタ領域30の、比較的放熱の起こり難い中央部AR1の発熱が抑えられる。その結果、半導体装置1では、図8(A)に示すように、トランジスタ領域30の中央部AR1の点Xaと外側部AR2の点Xbとの間の温度分布が均一化されるようになる。
図8(B)には、半導体装置1の、図4及び図5に示した点Xa及び点Xbの各々の入出力特性の一例を、それぞれ実線P1a及び実線P1bで示し、トランジスタ領域30全体(Total)の入出力特性の一例を、実線P1cで示している。図8(B)には比較のため、上記図2及び図3(B)で述べた半導体装置1000(1000B)における点Xa及び点Xbの各々の入出力特性の一例を、それぞれ点線P0a及び点線P0bで示し、トランジスタ領域1201全体(Total)の入出力特性の一例を、点線P0cで示している。例えば、図8(B)の入力は、ドレイン導体24及びドレイン導体1240に印加するドレイン電圧であり、図8(B)の出力は、点Xa及び点Xbに流れるドレイン電流である。
図8(B)のP1b,P0bに示すように、半導体装置1では、比較的放熱が起こり易く、コンタクト層42に比較的接触抵抗率の低いn型GaNが用いられた外側部AR2の点Xbの出力は、上記半導体装置1000(1000B)の出力と比べて同等又は微増となる。
図8(B)のP1a,P0aに示すように、半導体装置1では、比較的放熱が起こり難く、コンタクト層41に比較的接触抵抗率の高いn型AlGaNが用いられることで発熱が抑えられる中央部AR1の点Xaの出力は、上記半導体装置1000(1000B)の出力よりも増加する。
半導体装置1では、中央部AR1の点Xaの出力と、外側部AR2の点Xbの出力との差dが、上記半導体装置1000(1000B)の場合に比べて低減される。これにより、図8(B)のP1c,P0cに示すように、半導体装置1では、トランジスタ領域30全体(Total)で得られる出力が、上記半導体装置1000(1000B)のトランジスタ領域1201全体(Total)で得られる出力に比べて、高められるようになる。
以上説明したように、第1の実施の形態に係る半導体装置1では、トランジスタ領域30の、比較的放熱の起こり易い外側部AR2のコンタクト層42には、比較的接触抵抗率の低いn型GaNが用いられる。トランジスタ領域30の、比較的放熱の起こり難い中央部AR1のコンタクト層41には、比較的接触抵抗率の高いn型AlGaNが用いられる。
これにより、半導体装置1では、トランジスタ領域30の外側部AR2を流れる電流量と、中央部AR1を流れる電流量とが調整され、外側部AR2と中央部AR1の発熱量が調整されて、トランジスタ領域30の温度分布が均一化される。トランジスタ領域30の温度分布が均一化されることで、比較的放熱の起こり難い中央部AR1の出力の低下が抑えられ、トランジスタ領域30全体の出力の低下が抑えられる。トランジスタ領域30(活性領域12)内の位置による放熱性の違いに起因した出力の低下が抑えられ、優れた性能を発揮することのできるトランジスタ20を備えた半導体装置1が実現される。
以上の説明では、半導体装置1のトランジスタ領域30を、中央部AR1と外側部AR2の2つの領域に分割し、中央部AR1のコンタクト層41にn型AlGaNを用い、外側部AR2のコンタクト層42にn型GaNを用いる例を示した。
ここで、中央部AR1は、例えば、トランジスタ領域30全体のコンタクト層にn型GaNを用いた時の温度分布に基づき、外側部AR2の温度よりも一定値以上高くなる平面サイズ及び平面形状の領域に、設定することができる。或いは、中央部AR1は、トランジスタ領域30全体のコンタクト層にn型GaNを用いた時の出力分布に基づき、外側部AR2の出力よりも一定値以上低くなる平面サイズ及び平面形状の領域に、設定することもできる。
このほか、中央部AR1は、トランジスタ領域30又は活性領域12の中心から一定距離の外形の領域に設定されてもよい。例えば、トランジスタ領域30の中心と外縁との中間点を結んだ外形の領域、或いは、中心と外縁との間の距離を3等分して中心から1/3の距離の点を結んだ外形の領域又は中心から2/3の距離の点を結んだ外形の領域等に、中央部AR1を設定してもよい。
また、中央部AR1の平面形状は、矩形状に限らず、円形状、楕円形状、多角形状等、各種形状とすることもできる。
[第2の実施の形態]
上記トランジスタ領域30の分割は、中央部AR1と外側部AR2の2分割に限定されず、3分割以上とすることもできる。
図9は第2の実施の形態に係る半導体装置の一例について説明する図である。図9には、半導体装置の一例の要部平面図を模式的に示している。
図9に示す半導体装置1Aは、トランジスタ領域30が、中央部AR1及び外側部AR2並びにそれらの間の中間部AR3の3つの領域に分割される構成を有する点で、上記第1の実施の形態で述べた半導体装置1と相違する。
半導体装置1Aの中央部AR1、中間部AR3及び外側部AR2の各々の領域は、トランジスタ領域30全体のコンタクト層にn型GaNを用いた時の温度分布や出力分布、トランジスタ領域30の中心からの距離等に基づいて、設定することができる。
例えば、トランジスタ領域30の中心と外縁との間の距離を3等分する。そして、トランジスタ領域30の中心から1/3の距離の点を結んだ外形の領域を、中央部AR1とする。トランジスタ領域30の中心から2/3の距離の点を結んだ外形の領域で、中央部AR1よりも外側の領域を、中間部AR3とする。中間部AR3よりも外側の領域を、外側部AR2とする。このようにして、中央部AR1、中間部AR3及び外側部AR2の各々の領域を設定することができる。
尚、トランジスタ領域30の中心と外縁との間の距離を、等分割ではなく、不等分割して、中央部AR1、中間部AR3及び外側部AR2の各々の領域を設定することもできる。
半導体装置1Aでは、中央部AR1、中間部AR3及び外側部AR2の3つに分割された領域のうち、例えば、中央部AR1のコンタクト層にn型AlGaNを用い、中間部AR3及び外側部AR2のコンタクト層にn型GaNを用いることができる。この場合、中間部AR3及び外側部AR2は、中央部AR1の外側にある観点から「外側部」とも言える。また、中央部AR1及び中間部AR3のコンタクト層にn型AlGaNを用い、外側部AR2のコンタクト層にn型GaNを用いることもできる。この場合、中央部AR1及び中間部AR3は、外側部AR2の内側にある観点から「中央部」とも言える。
半導体装置1Aでは、トランジスタ領域30の、比較的放熱の起こり難い中央部AR1、又は中央部AR1と中間部AR3のコンタクト層に、比較的接触抵抗率の高いn型AlGaNが用いられることで、電流量、発熱量が調整され、温度分布が均一化される。トランジスタ領域30の温度分布が均一化されることで、比較的放熱の起こり難い中央部AR1、又は中央部AR1と中間部AR3の出力の低下が抑えられ、トランジスタ領域30全体の出力の低下が抑えられる。トランジスタ領域30(活性領域12)内の位置による放熱性の違いに起因した出力の低下が抑えられ、優れた性能を発揮することのできるトランジスタ20を備えた半導体装置1Aが実現される。
また、トランジスタ領域30が中央部AR1、中間部AR3及び外側部AR2の3つの領域に分割される半導体装置1Aの場合には、中間部AR3のコンタクト層に、中央部AR1のコンタクト層とも外側部AR2のコンタクト層とも異なる材料を用いることもできる。
図10は第2の実施の形態に係る半導体装置の変形例について説明する図である。図10には、半導体装置のコンタクト層に用いられる材料と接触抵抗率との関係を模式的に示している。
n型AlGaN(例えばn−AlGaN)は、n型GaN(例えばn−GaN)を基準にして、含有されるAl組成の増加に伴い接触抵抗率が増加する傾向を有する。そこで、トランジスタ領域30が3つの領域に分割される半導体装置1Aにおいて、最も放熱が起こり難い中央部AR1、その外側の中間部AR3、更にその外側の放熱が起こり易い外側部AR2の順に、Al組成が低くなるようなn型AlGa1−rN(0≦r≦1)を用いてもよい。
例えば、図10に示すように、中央部AR1のコンタクト層には、組成式がAlGa1−xN(0<x≦1)で表されるn型の窒化物半導体材料を用いる。即ち、中央部AR1のコンタクト層には、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)及び窒素(N)の3元素のうち、少なくともAl及びNを含有する材料を用いる。一例として、中央部AR1のコンタクト層には、Al、Ga及びNの3元素を含有するn型AlGa1−xN(0<x<1)を用いる。
中間部AR3のコンタクト層には、組成式がAlGa1−zN(0<z<1,z<x)で表されるn型の窒化物半導体材料を用いる。即ち、中間部AR3のコンタクト層には、Al、Ga及びNの3元素を含有する材料であって、Al組成が中央部AR1のコンタクト層に用いられるものよりも低い材料を用いる。
外側部AR2のコンタクト層には、組成式がAlGa1−yN(0≦y<1,y<x,y<z)で表されるn型の窒化物半導体材料を用いる。即ち、外側部AR2のコンタクト層には、例えば、Al、Ga及びNの3元素のうち、少なくともGa及びNを含有する材料であって、Al組成が中央部AR1及び中間部AR3のコンタクト層に用いられるいずれのものよりも低い材料を用いる。一例として、外側部AR2のコンタクト層には、Al、Ga及びNの3元素を含有するn型AlGa1−yN(0<y<1,y<x,y<z)、又はn型GaN(y=0)を用いる。
このように、トランジスタ領域30の、放熱の起こり難い内側ほど、Al組成の高いn型AlGa1−rN(0≦r≦1)を用いることで、中央部AR1、中間部AR3及び外側部AR2の電流量、発熱量の調整、温度分布の均一化を図ることもできる。
上記図9及び図10の例では、トランジスタ領域30を中央部AR1、中間部AR3及び外側部AR2の3つの領域に分割するようにしたが、トランジスタ領域30を4つ以上の領域に分割することもできる。
例えば、4つ以上に分割した領域のうち、中央部AR1を含む領域グループのコンタクト層には、n型AlGaNを用い、外側部AR2を含む領域グループのコンタクト層には、よりAl組成の低いn型AlGaN又はn型GaNを用いる。この場合、中央部AR1を含む領域グループは、「中央部」とも言え、外側部AR2を含む領域グループは、「中央部」の外側にある「外側部」とも言える。
また、4つ以上に分割した領域に対し、中央部AR1から外側部AR2に向かってAl組成が低くなるようにしたn型AlGaNが用いられてもよく、その際、外側部AR2には、n型AlGaNが用いられてもよいし、n型GaNが用いられてもよい。この場合、中央部AR1と外側部AR2との間に設けられる中間部AR3群は、中央部AR1の外側にある「外側部」とも言える。
トランジスタ領域30を4つ以上の領域に分割し、各領域のコンタクト層の材料を適宜設定することで、上記同様、トランジスタ領域30の電流量、発熱量の調整、温度分布の均一化を図ることが可能である。
尚、上記第1の実施の形態で述べた、トランジスタ領域30を中央部AR1と外側部AR2の2つの領域に分割する半導体装置1(図4〜図6)について、上記図7の例では、外側部AR2のコンタクト層42にn型GaNを用いるようにした。このほか、上記半導体装置1の外側部AR2のコンタクト層42には、中央部AR1のコンタクト層41に用いられるn型AlGaNよりもAl組成の低いn型AlGaNを用いることもできる。上記半導体装置1では、このような構成とした場合でも、上記同様、トランジスタ領域30の電流量、発熱量の調整、温度分布の均一化を図ることが可能である。
[第3の実施の形態]
図11は第3の実施の形態に係る半導体装置の一例について説明する図である。図11には、半導体装置の一例の要部平面図を模式的に示している。
図11に示す半導体装置1Bは、トランジスタ領域30を横断するように中央部AR1が設けられ、それを挟んで2つの外側部AR2が設けられた構成を有する点で、上記第1の実施の形態で述べた半導体装置1(図4等)と相違する。
半導体装置1Bでは、平面視でソースフィンガー部23a及びドレインフィンガー部24aが延びる方向T1に対し、1つの中央部AR1が方向T1に延びるように設けられ、その中央部AR1を挟む2つの外側部AR2が方向T1に延びるように設けられる。半導体装置1Bでは、このような中央部AR1のソースフィンガー部23a及びドレインフィンガー部24aが設けられる活性領域12の部位に、例えばn型AlGaNを用いたコンタクト層が設けられる。中央部AR1を挟む外側部AR2のソースフィンガー部23a及びドレインフィンガー部24aが設けられる活性領域12の部位に、例えばn型GaNを用いたコンタクト層が設けられる。
図12は第3の実施の形態に係る半導体装置の構成例について説明する図である。図12には、半導体装置の一例の要部断面図を模式的に示している。
図12は、図11に示した半導体装置1Bの、中央部AR1の点Xaと、その点Xaに対して方向T1に位置する中央部AR1の点Xcとの間の断面の一例を、模式的に示したものである。尚、半導体装置1Bの、中央部AR1の点Xaと、その点Xaに対して方向T1と直交する方向に位置する外側部AR2の点Xbとの間の断面は、例えば、上記第1の実施の形態で述べた図5と同じとすることができる。
半導体装置1Bでは、例えば、図12に示すように、トランジスタ領域30の中央部AR1のドレインフィンガー部24aが設けられる活性領域12の部位12aに、リセス12cが設けられ、そのリセス12cにn型AlGaNのコンタクト層41が設けられる。n型AlGaNのコンタクト層41の上に、ドレインフィンガー部24aのドレイン電極24b及び配線層24cが設けられる。
図12には、中央部AR1のドレインフィンガー部24aを示したが、中央部AR1のソースフィンガー部23aも同様に、そのソース電極23b及び配線層23cは、半導体層10の部位12aのリセス12cに設けられるn型AlGaNのコンタクト層41の上に設けられる。
半導体装置1Bの、図12に示す構造は、点Xaから点Xcまでn型AlGaNのコンタクト層41が設けられ、点Xaから点Xcまでの間にn型GaNのコンタクト層42が設けられない点で、上記半導体装置1の、図6に示した構造と相違する。
上記図2で述べた半導体装置1000では、そのトランジスタ領域1201の平面サイズや発熱量によって、中央部の一方向に延びる個々のドレインフィンガー部1240a全体に渡る領域が、比較的高温になる場合がある。同様に、中央部の一方向に延びる個々のソースフィンガー部1230a全体に渡る領域が、比較的高温になる場合がある。このような場合、上記第1の実施の形態で述べたような中央部AR1とそれを囲む外側部AR2という分割の仕方では、充分な電流量、発熱量の調整、温度分布の均一化が図れないことが起こり得る。
これに対し、この第3の実施の形態では、図11に示すような、方向T1に延びる中央部AR1とそれを挟む外側部AR2という分割の仕方を採用する。これにより、中央部AR1の方向T1に延びる個々のソースフィンガー部23a全体に渡る領域、個々のドレインフィンガー部24a全体に渡る領域が、比較的高温になる場合でも、充分な電流量、発熱量の調整、温度分布の均一化が図られるようになる。
尚、ここでは、半導体装置1Bのトランジスタ領域30の中央部AR1のコンタクト層41にn型AlGaNを用い、外側部AR2のコンタクト層42にn型GaNを用いる例を示した。このほか、外側部AR2のコンタクト層42には、中央部AR1のコンタクト層41に用いられるn型AlGaNよりもAl組成の低いn型AlGaNを用いることもできる。このような構成によっても、上記同様、トランジスタ領域30の電流量、発熱量の調整、温度分布の均一化を図ることが可能である。
また、半導体装置1Bのトランジスタ領域30について、上記第2の実施の形態で述べた例に従い、中央部AR1と外側部AR2との間に、1つ又は2つ以上の中間部AR3を設けてもよい。
1つ又は2つ以上の中間部AR3を設ける形態において、例えば、中央部AR1を含む領域グループのコンタクト層には、n型AlGaNを用い、外側部AR2を含む領域グループのコンタクト層には、よりAl組成の低いn型AlGaN又はn型GaNを用いる。この場合、中央部AR1を含む領域グループは、「中央部」とも言え、外側部AR2を含む領域グループは、「中央部」の外側にある「外側部」とも言える。
また、1つ又は2つ以上の中間部AR3を設ける形態において、コンタクト層には、中央部AR1から外側部AR2に向かってAl組成が低くなるようにしたn型AlGaNが用いられてもよく、その際、外側部AR2のコンタクト層には、n型AlGaNが用いられてもよいし、n型GaNが用いられてもよい。この場合、中央部AR1と外側部AR2との間に設けられる1つ又は2つ以上の中間部AR3は、中央部AR1の外側にある「外側部」とも言える。
[第4の実施の形態]
ここでは、半導体装置の形成方法の例を、第4の実施の形態として説明する。
図13〜図18は第4の実施の形態に係る半導体装置の形成方法の一例について説明する図である。図13〜図18の各々において、(A)には半導体装置形成の各工程における要部平面図を、(B)には半導体装置形成の各工程におけるトランジスタ領域の中央部の要部断面図を、(C)には半導体装置形成の各工程におけるトランジスタ領域の外側部の要部断面図を、模式的に示している。
まず、図13(A)に示すような、素子分離領域11及び活性領域12(図13(A)に鎖線枠で図示)を有する半導体層10が準備される。そして、準備された半導体層10の活性領域12の中央部AR1及び外側部AR2にそれぞれ、図13(A)〜図13(C)に示すように、リセス12c及びリセス12dが形成される。
例えば、シリコンカーバイド(SiC)基板の上に、有機金属気相成長(Metal Organic Vaper Phase Epitaxy;MOVPE)法を用いて、バッファ層、電子走行層、電子供給層、キャップ層が結晶成長され、半導体層10が準備される。例えば、バッファ層として、アルミニウムナイトライド(AlN)が膜厚50nmで結晶成長される。電子走行層として、アンドープのGaN(i型GaN)が膜厚1000nmで結晶成長される。電子供給層として、n型AlGa1−sN(0.1≦s≦1.00)が膜厚30nmで結晶成長される。キャップ層として、n型GaNが膜厚10nmで結晶成長される。
MOVPE法を用いた各層の結晶成長において、AlNの結晶成長には、Al源であるトリメチルアルミニウム(Tri-Methyl-Aluminum;TMAl)と、アンモニア(NH)との混合ガスが用いられる。GaNの結晶成長には、ガリウム(Ga)源であるトリメチルガリウム(Tri-Methyl-Gallium;TMGa)と、NHとの混合ガスが用いられる。AlGaNの結晶成長には、Al源であるTMAlと、Ga源であるTMGaと、NHとの混合ガスが用いられる。n型不純物としてシリコン(Si)をドープする場合には、そのSi源として、例えば、シラン(SiH)が用いられる。結晶成長させる窒化物半導体に応じて、TMAl、TMGaの供給と停止(切り替え)、供給時の流量(他原料との混合比)が適宜設定される。AlN、GaN及びAlGaNの共通原料であるNHの流量は、100ml/m〜10L/m程度とされる。結晶成長圧力は、1kPa〜100kPa程度とされ、結晶成長温度は、700℃〜1500℃程度とされる。
半導体層10の結晶成長後、例えば、所定の領域に対してArのイオン注入が行われ、素子分離領域11が形成される。素子分離領域11で画定される活性領域12に、2DEG50が生成される。
また、図13(A)に示すように、活性領域12に対し、所定の平面サイズ及び平面形状の中央部AR1(点線枠で囲まれた領域)、及び中央部AR1を囲む所定の平面サイズ及び平面形状の外側部AR2(点線枠とその外側の鎖線枠の間の領域)が設定される。
そして、活性領域12の、ソース電極23b及びドレイン電極24bの形成予定領域に対応する部位に、リセス12c及びリセス12dが形成される。これにより、活性領域12の中央部AR1の、ソース電極23b及びドレイン電極24bの形成予定領域に対応する部位12aに、図13(B)に示すように、リセス12cが形成される。活性領域12の外側部AR2の、ソース電極23b及びドレイン電極24bの形成予定領域に対応する部位12bに、図13(C)に示すように、リセス12dが形成される。尚、リセス12c及びリセス12dは、同時に形成することができる。
次いで、図14(A)〜図14(C)に示すように、活性領域12の中央部AR1のリセス12cに、n型AlGaNのコンタクト層41が形成され、外側部AR2のリセス12dに、例えばn型GaNのコンタクト層42が形成される。例えば、まず、上記の例に従い、MOVPE法を用いて、中央部AR1のリセス12cに選択的にn型AlGaNが結晶成長(再結晶成長)され、コンタクト層41が形成される。次いで、上記の例に従い、MOVPE法を用いて、外側部AR2のリセス12dに選択的にn型GaNが結晶成長(再結晶成長)され、コンタクト層42が形成される。コンタクト層41のn型AlGaN、及びコンタクト層42のn型GaNには、n型不純物として、例えばSiが1×1018cm−2の濃度でドープされる。
尚、上記のように、外側部AR2のリセス12dには、n型GaNに限らず、中央部AR1のリセス12cに形成されるn型AlGaNよりもAl組成の小さいn型AlGaNが、同様にMOVPE法を用いて選択的に形成されてもよい。
次いで、図15(A)〜図15(C)に示すように、絶縁膜60、ソース電極23b及びドレイン電極24bが形成される。その際は、まず、例えばプラズマ化学気相成長(Plasma Enhanced Chemical Vapor Deposition;PECVD)法を用いて、絶縁膜60として窒化シリコン(SiN)が、半導体層10を覆うように膜厚10nm〜500nm、例えば膜厚50nmで形成される。その後、ソース電極23b及びドレイン電極24bの形成予定領域に対応する部位12a及び部位12b、即ち、コンタクト層41及びコンタクト層42の上に形成された絶縁膜60が、ドライエッチング法を用いて除去される。そして、絶縁膜60が除去されたコンタクト層41及びコンタクト層42の上に、フォトリソグラフィ法並びに蒸着法及びリフトオフ法を用いて、ソース電極23b及びドレイン電極24bが形成される。ソース電極23b及びドレイン電極24bは、例えば、膜厚10nmのTaとその上に積層された膜厚200nmのAlとを含む積層体によって、形成することができる。窒素雰囲気下、400℃〜1000℃の温度で熱処理が行われ、ソース電極23b及びドレイン電極24bのオーミック接続が確立される。
次いで、図16(A)〜図16(C)に示すように、ゲート電極22bを含むゲート導体22が形成される。その際は、まず、ゲート導体22の形成予定領域に対応する部位に形成された絶縁膜60が、ドライエッチング法を用いて除去される。そして、絶縁膜60が除去された部位の半導体層10の上に、フォトリソグラフィ法並びに蒸着法及びリフトオフ法を用いて、ゲート導体22が形成される。ゲート導体22は、例えば、膜厚50nmのニッケル(Ni)とその上に積層された膜厚200nmの金(Au)とを含む積層体によって、形成することができる。
次いで、図17(A)〜図17(C)に示すように、絶縁膜61が形成される。その際は、まず、例えばPECVD法を用いて、絶縁膜61としてSiNが、半導体層10を覆うように膜厚500nmで形成される。そして、ソース電極23b及びドレイン電極24bの上に形成された絶縁膜61が、ドライエッチング法を用いて除去される。
次いで、図18(A)〜図18(C)に示すように、ソース電極23b及びドレイン電極24bの上に、配線層23c及び配線層24cが形成される。例えば、スパッタ法を用いて、膜厚10nmのチタン(Ti)とその上に積層された膜厚50nmのAuとを含む積層体により下地膜(図示せず)が形成され、その下地膜の上に、めっき法を用いて、膜厚3μmのAuを含む配線層23c及び配線層24cが形成される。これにより、ソース電極23b及び配線層23cを含むソース導体23、並びにドレイン電極24b及び配線層24cを含むドレイン導体24が形成される。
以上のような工程により、上記第1の実施の形態で述べた半導体装置1(図4〜図6)のような構造を含む、半導体装置1C(図18)が形成される。
尚、上記第2の実施の形態で述べた半導体装置1A(図9及び図10)や上記第3の実施の形態で述べた半導体装置1B(図11及び図12)等も、以上のような工程の例に従って形成することができる。即ち、形成する半導体装置1A,1B等に設定される中央部AR1及び外側部AR2に基づき、上記図14(A)〜図14(C)の工程において、中央部AR1のコンタクト層41及び外側部AR2のコンタクト層42の形成領域を適宜変更すればよい。中央部AR1及び外側部AR2と共に、中間部AR3を設ける場合には、更に中間部AR3のコンタクト層形成ステップを追加すればよい。
以上の工程において、半導体層10に用いられるSiC基板は、半絶縁性であってもよいし、導電性であってもよい。半導体層10には、SiC基板のほか、Si基板、サファイヤ基板、GaN基板、ダイヤモンド基板等が用いられてもよい。半導体層10に含まれる各層の結晶成長には、MOVPE法のほか、分子線エピタキシー(Molecular Beam Epitaxy;MBE)法が用いられてもよい。
また、図15(A)〜図15(C)で述べた絶縁膜60の形成、図17(A)〜図17(C)で述べた絶縁膜61の形成には、PECVD法のほか、原子層堆積(Atomic Layer Deposition;ALD)法やスパッタ法を用いることもできる。絶縁膜60及び絶縁膜61は、SiNに限らず、Si、Al、ハフニウム(Hf)、Ti、Ta若しくはタングステン(W)の酸化膜、窒化膜又は酸窒化膜を用いることができる。
また、図15(A)〜図15(C)で述べたソース電極23b及びドレイン電極24bの形成、図16(A)〜図16(C)で述べたゲート電極22b(ゲート導体22)の形成には、スパッタ法を用いることもできる。
また、以上の工程、又は以上の工程の例に従って形成される半導体装置1,1A,1B,1C等に関しては、各種変形が可能である。
例えば、半導体層10の電子走行層には、GaNのほか、インジウムガリウムナイトライド(InGaN)、AlGaN、インジウムアルミニウムガリウムナイトライド(InAlGaN)等の窒化物半導体が用いられてもよく、また、1種の窒化物半導体の単層構造が用いられてもよいし、1種又は2種以上の窒化物半導体の積層構造が用いられてもよい。半導体層10の電子供給層には、AlGaNのほか、インジウムアルミニウムナイトライド(InAlN)、InAlGaN、AlN等の窒化物半導体が用いられてもよく、また、1種の窒化物半導体の単層構造が用いられてもよいし、1種又は2種以上の窒化物半導体の積層構造が用いられてもよい。
また、半導体層10に設けるキャップ層として、例えば、電子供給層を覆うようにGaN層を設けることができる。これにより、電子供給層が保護される。このほか、キャップ層として、ゲート電極22bの直下に位置するように、p型不純物がドープされたGaN(p型GaN)、又はInGaNを設けることもできる。ゲート電極22bの直下にp型GaNが設けられると、その固定電荷により、ゲート電極22bの下方の電子走行層と電子供給層との接合界面の伝導帯が押し上げられ、2DEG50の生成が抑えられる。ゲート電極22bの直下にInGaNが設けられると、それに発生するピエゾ分極により、ゲート電極22bの下方の電子走行層と電子供給層との接合界面の伝導帯が押し上げられ、2DEG50の生成が抑えられる。ゲート電極22bの直下にp型GaN又はInGaNが設けられることで、いわゆるノーマリオフ型のHEMTが実現される。
また、ゲート電極22bは、半導体層10とのショットキー接続構造に限らず、半導体層10との間に絶縁膜を介在させたMIS(Metal Insulator Semiconductor)構造とされてもよい。
また、ゲート電極22b、ソース電極23b及びドレイン電極24bに用いる金属の種類及び層構造は上記の例に限定されるものではなく、それらの形成方法も上記の例に限定されるものではない。ゲート電極22b、ソース電極23b及びドレイン電極24bにはそれぞれ、積層構造のほか、単層構造が用いられてもよい。ソース電極23b及びドレイン電極24bの形成時には、それらの電極用金属の形成によってオーミック接続が実現されるようであれば、必ずしも上記のような熱処理が行われることを要しない。ゲート電極22bの形成時には、その電極用金属の形成後、更に熱処理が行われてもよい。
また、ゲート電極22bとドレイン電極24bとの間隔を、ゲート電極22bとソース電極23bとの間隔よりも広くした、いわゆる非対称構造が採用されてもよい。非対称構造が採用されることで、ゲート電極22bとドレイン電極24bとの間の電界の緩和、耐圧の向上が図られる。
以上、第1〜第4の実施の形態で述べた半導体装置1,1A,1B,1C等は、各種電子装置に適用することができる。一例として、上記のような構成を有する半導体装置を、半導体パッケージ、力率改善回路、電源装置及び増幅器に適用する場合について、以下で更に説明する。
[第5の実施の形態]
ここでは、上記のような構成を有する半導体装置の、半導体パッケージへの適用例を、第5の実施の形態として説明する。
図19は第5の実施の形態に係る半導体パッケージの一例について説明する図である。図19には、半導体パッケージの一例の要部平面図を模式的に示している。
図19に示す半導体パッケージ100は、ディスクリートパッケージの一例である。半導体パッケージ100は、例えば、上記第1の実施の形態で述べた半導体装置1(図4〜図7)、半導体装置1が搭載されたリードフレーム110、及びそれらを封止する樹脂120を含む。
半導体装置1は、リードフレーム110のダイパッド110aの上に、ダイアタッチ材等(図示せず)を用いて搭載される。半導体装置1には、上記ゲート導体22に接続されたパッド25、ソース導体23に接続されたパッド26、及びドレイン導体24に接続されたパッド27が設けられる。パッド25、パッド26及びパッド27はそれぞれ、Al等のワイヤ130を用いてリードフレーム110のゲートリード111、ソースリード112及びドレインリード113に接続される。ゲートリード111、ソースリード112及びドレインリード113の各一部が露出するように、リードフレーム110とそれに搭載された半導体装置1及びそれらを接続するワイヤ130が、樹脂120によって封止される。
例えば、上記第1の実施の形態で述べた半導体装置1が用いられ、半導体パッケージ100が得られる。
上記のように、半導体装置1では、トランジスタ領域30の、比較的放熱の起こり易い外側部AR2のコンタクト層42には、比較的接触抵抗率の低いn型GaN又はn型AlGaNが用いられる。トランジスタ領域30の、比較的放熱の起こり難い中央部AR1のコンタクト層41には、比較的接触抵抗率の高いn型AlGaNが用いられる。これにより、半導体装置1では、トランジスタ領域30の外側部AR2と中央部AR1を流れる電流量が調整され、発熱量が調整されて、温度分布が均一化される。トランジスタ領域30内の位置による放熱性の違いに起因した出力の低下が抑えられ、優れた性能を発揮することのできるトランジスタ20を備えた半導体装置1が実現される。このような優れた性能を有する半導体装置1が用いられ、高性能、高品質の半導体パッケージ100が実現される。
ここでは、半導体装置1を例にしたが、他の半導体装置1A,1B,1C等を用いて、同様に高性能、高品質の半導体パッケージを得ることが可能である。
[第6の実施の形態]
ここでは、上記のような構成を有する半導体装置の、力率改善回路への適用例を、第6の実施の形態として説明する。
図20は第6の実施の形態に係る力率改善回路の一例について説明する図である。図20には、力率改善回路の一例の等価回路図を示している。
図20に示す力率改善(Power Factor Correction;PFC)回路200は、スイッチ素子210、ダイオード220、チョークコイル230、コンデンサ240、コンデンサ250、ダイオードブリッジ260及び交流電源270(AC)を含む。
PFC回路200において、スイッチ素子210のドレイン電極と、ダイオード220のアノード端子及びチョークコイル230の一端子とが接続される。スイッチ素子210のソース電極と、コンデンサ240の一端子及びコンデンサ250の一端子とが接続される。コンデンサ240の他端子とチョークコイル230の他端子とが接続される。コンデンサ250の他端子とダイオード220のカソード端子とが接続される。また、スイッチ素子210のゲート電極には、ゲートドライバが接続される。コンデンサ240の両端子間には、ダイオードブリッジ260を介して交流電源270が接続され、コンデンサ250の両端子間から直流電源(DC)が取り出される。
例えば、このような構成を有するPFC回路200のスイッチ素子210に、上記のような半導体装置1のほか、他の半導体装置1A,1B,1C等が用いられる。
上記のように、半導体装置1等では、外側部AR2のコンタクト層42に、比較的接触抵抗率の低いn型GaN又はn型AlGaNが用いられ、中央部AR1のコンタクト層41に、比較的接触抵抗率の高いn型AlGaNが用いられる。これにより、トランジスタ領域30の温度分布が均一化され、トランジスタ領域30内の位置による放熱性の違いに起因した出力の低下が抑えられ、優れた性能を発揮することのできるトランジスタ20を備えた半導体装置1等が実現される。優れた性能を有する半導体装置1等が用いられ、高性能、高品質のPFC回路200が実現される。
[第7の実施の形態]
ここでは、上記のような構成を有する半導体装置の、電源装置への適用例を、第7の実施の形態として説明する。
図21は第7の実施の形態に係る電源装置の一例について説明する図である。図21には、電源装置の一例の等価回路図を示している。
図21に示す電源装置300は、高圧の一次側回路310及び低圧の二次側回路320、並びに一次側回路310と二次側回路320との間に設けられるトランス330を含む。一次側回路310には、上記第6の実施の形態で述べたようなPFC回路200、及びPFC回路200のコンデンサ250の両端子間に接続されたインバータ回路、例えば、フルブリッジインバータ回路340が含まれる。フルブリッジインバータ回路340には、複数(ここでは一例として4つ)のスイッチ素子341、スイッチ素子342、スイッチ素子343及びスイッチ素子344が含まれる。二次側回路320には、複数(ここでは一例として3つ)のスイッチ素子321、スイッチ素子322及びスイッチ素子323が含まれる。
例えば、このような構成を有する電源装置300の、一次側回路310に含まれるPFC回路200のスイッチ素子210、及びフルブリッジインバータ回路340のスイッチ素子341〜344に、上記のような半導体装置1のほか、他の半導体装置1A,1B,1C等が用いられる。例えば、電源装置300の、二次側回路320のスイッチ素子321〜323には、シリコンを用いた通常のMIS型FETが用いられる。
上記のように、半導体装置1等では、外側部AR2のコンタクト層42に、比較的接触抵抗率の低いn型GaN又はn型AlGaNが用いられ、中央部AR1のコンタクト層41に、比較的接触抵抗率の高いn型AlGaNが用いられる。これにより、トランジスタ領域30の温度分布が均一化され、トランジスタ領域30内の位置による放熱性の違いに起因した出力の低下が抑えられ、優れた性能を発揮することのできるトランジスタ20を備えた半導体装置1等が実現される。優れた性能を有する半導体装置1等が用いられ、高性能、高品質の電源装置300が実現される。
[第8の実施の形態]
ここでは、上記のような構成を有する半導体装置の、増幅器への適用例を、第8の実施の形態として説明する。
図22は第8の実施の形態に係る増幅器の一例について説明する図である。図22には、増幅器の一例の等価回路図を示している。
図22に示す増幅器400は、ディジタルプレディストーション回路410、ミキサー420、ミキサー430及びパワーアンプ440を含む。
ディジタルプレディストーション回路410は、入力信号の非線形歪みを補償する。ミキサー420は、非線形歪みが補償された入力信号SIと交流信号とをミキシングする。パワーアンプ440は、入力信号SIが交流信号とミキシングされた信号を増幅する。増幅器400では、例えば、スイッチの切り替えにより、出力信号SOをミキサー430で交流信号とミキシングしてディジタルプレディストーション回路410に送出することができる。増幅器400は、高周波増幅器、高出力増幅器として使用することができる。
例えば、このような構成を有する増幅器400のパワーアンプ440に、上記のような半導体装置1のほか、他の半導体装置1A,1B,1C等が用いられる。
上記のように、半導体装置1等では、外側部AR2のコンタクト層42に、比較的接触抵抗率の低いn型GaN又はn型AlGaNが用いられ、中央部AR1のコンタクト層41に、比較的接触抵抗率の高いn型AlGaNが用いられる。これにより、トランジスタ領域30の温度分布が均一化され、トランジスタ領域30内の位置による放熱性の違いに起因した出力の低下が抑えられ、優れた性能を発揮することのできるトランジスタ20を備えた半導体装置1等が実現される。優れた性能を有する半導体装置1等が用いられ、高性能、高品質の増幅器400が実現される。
上記半導体装置1,1A,1B,1C等を適用した各種電子装置(上記第5〜第8の実施の形態で述べた半導体パッケージ100、PFC回路200、電源装置300及び増幅器400等)は、各種電子機器に搭載することができる。例えば、コンピュータ(パーソナルコンピュータ、スーパーコンピュータ、サーバ等)、スマートフォン、携帯電話、タブレット端末、センサ、カメラ、オーディオ機器、測定装置、検査装置、製造装置といった、各種電子機器に搭載することができる。
1,1A,1B,1C,1000,1000A,1000B 半導体装置
10,1010 半導体層
11,1210 素子分離領域
12,1200 活性領域
12a,12b 部位
12c,12d,1080,1090 リセス
20 トランジスタ
21 トランジスタ素子
22,1220 ゲート導体
22a,1220a ゲートフィンガー部
22b,1020 ゲート電極
23,1230 ソース導体
23a,1230a ソースフィンガー部
23b,1030 ソース電極
23c,24c,1060,1070 配線層
24,1240 ドレイン導体
24a,1240a ドレインフィンガー部
24b,1040 ドレイン電極
25,26,27 パッド
30,1201 トランジスタ領域
41,42,1100,1110 コンタクト層
50,2000 2DEG
60,61,1050,1051 絶縁膜
100 半導体パッケージ
110 リードフレーム
110a ダイパッド
111 ゲートリード
112 ソースリード
113 ドレインリード
120 樹脂
130 ワイヤ
200 PFC回路
210,321,322,323,341,342,343,344 スイッチ素子
220 ダイオード
230 チョークコイル
240,250 コンデンサ
260 ダイオードブリッジ
270 交流電源
300 電源装置
310 一次側回路
320 二次側回路
330 トランス
340 フルブリッジインバータ回路
400 増幅器
410 ディジタルプレディストーション回路
420,430 ミキサー
440 パワーアンプ
AR1 中央部
AR2 外側部
AR3 中間部
T1 方向

Claims (9)

  1. 活性領域を有する半導体層と、
    前記活性領域に設けられたトランジスタと
    を含み、
    前記トランジスタは、
    前記活性領域の第1部位の表面に設けられた第1電極部と、
    前記活性領域の前記第1部位とは異なる第2部位の表面に設けられた第2電極部と
    を有し、
    前記半導体層は、
    前記第1部位に設けられたn型AlGa1−xN(0<x≦1)の第1コンタクト層と、
    前記第2部位に設けられたn型AlGa1−yN(0≦y<1,y<x)の第2コンタクト層と
    を有することを特徴とする半導体装置。
  2. 前記活性領域は、平面視で、中央部と、前記中央部の外側の外側部とを有し、
    前記第1部位は、前記中央部に位置し、前記第2部位は、前記外側部に位置することを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記第1電極部と前記第2電極部とは、一体の導体の異なる一部であることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置。
  4. 前記一体の導体は、前記活性領域の表面に設けられた複数のフィンガー部を有し、
    前記第1電極部と前記第2電極部とは、前記複数のフィンガー部のうちの1つに設けられることを特徴とする請求項3に記載の半導体装置。
  5. 前記一体の導体は、前記活性領域の表面に設けられた複数のフィンガー部を有し、
    前記第1電極部は、前記複数のフィンガー部のうちの1つに設けられ、
    前記第2電極部は、前記複数のフィンガー部のうちの別の1つに設けられることを特徴とする請求項3に記載の半導体装置。
  6. 前記第1電極部と前記第2電極部とは、分離された2つの導体の各々の一部であることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置。
  7. 前記2つの導体は、
    前記活性領域の表面に設けられた複数の第1フィンガー部を有する第1導体と、
    前記活性領域の表面に設けられ前記複数の第1フィンガー部の間にそれぞれ配置された複数の第2フィンガー部を有する第2導体と
    を含み、
    前記第1電極部と前記第2電極部とは、一方が前記複数の第1フィンガー部のうちの1つに設けられ、他方が前記複数の第2フィンガー部のうちの1つに設けられることを特徴とする請求項3に記載の半導体装置。
  8. 半導体層の活性領域の第1部位に、n型AlGa1−xN(0<x≦1)の第1コンタクト層を形成する工程と、
    前記活性領域の前記第1部位とは異なる第2部位に、n型AlGa1−yN(0≦y<1,y<x)の第2コンタクト層を形成する工程と、
    前記活性領域にトランジスタを形成する工程と
    を含み、
    前記トランジスタを形成する工程は、
    前記活性領域の、前記第1コンタクト層が形成された前記第1部位の表面に、第1電極部を形成する工程と、
    前記活性領域の、前記第2コンタクト層が形成された前記第2部位の表面に、第2電極部を形成する工程と
    を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  9. 活性領域を有する半導体層と、
    前記活性領域に設けられたトランジスタと
    を含み、
    前記トランジスタは、
    前記活性領域の第1部位の表面に設けられた第1電極部と、
    前記活性領域の前記第1部位とは異なる第2部位の表面に設けられた第2電極部と
    を有し、
    前記半導体層は、
    前記第1部位に設けられたn型AlGa1−xN(0<x≦1)の第1コンタクト層と、
    前記第2部位に設けられたn型AlGa1−yN(0≦y<1,y<x)の第2コンタクト層と
    を有する半導体装置を備えることを特徴とする電子装置。
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