JP2021124587A - 光ファイバならびに光ファイバおよび光ファイバ母材の製造方法 - Google Patents

光ファイバならびに光ファイバおよび光ファイバ母材の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】より良好な光学特性有し、かつ安価である、細径の光ファイバならびにこれを実現する光ファイバおよび光ファイバ母材の製造方法を提供すること。【解決手段】光ファイバは、シリカガラスからなるコア部と、シリカガラスからなり、前記コア部の外周を覆い、前記コア部の最大屈折率よりも屈折率が低いクラッド層と、を備え、前記クラッド層のクラッド径が120μm以下であり、前記クラッド層には、純シリカガラスに対する比屈折率差が径方向において非連続的に0.005%以上変化する段差部がない。【選択図】図1

Description

本発明は、光ファイバならびに光ファイバおよび光ファイバ母材の製造方法に関する。
データコムやテレコムの分野において、高密度光ファイバケーブルを実現する光ファイバとして、細径の光ファイバが注目されている。ここで、細径光ファイバとは、主に光ファイバのガラスからなる部分を細径化したものであり、クラッド径が細径のものである。ただし、クラッド径が細径化されたことによって、クラッド層の外周を覆うように形成されたコーティング部を含む外径が細径化されたものも細径光ファイバに含まれる(特許文献1、2、非特許文献1、2)。
特開2018−112767号公報 国際公開第2016/190297号
村瀬 他、「細径クラッドファイバの開発」、昭和電線レビュー、vol.53、N0.1(2003)、pp.32−36 「コーニング、CIOE 2019にて各種先進光学製品を展示」、[online]、[令和2年1月26日検索]、インターネット<URL:https://www.corning.com/jp/jp/about-us/news-events/news-releases/2019/09/corning-to-showcase-a-wide-range-of-advanced-optics-at-cioe-2019.html>
しかしながら、細径の光ファイバとしては、より良好な光学特性を有し、かつ安価なものが求められている。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、その目的は、より良好な光学特性を有し、かつ安価である、細径の光ファイバならびにこれを実現する光ファイバおよび光ファイバ母材の製造方法を提供することにある。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の一態様は、シリカガラスからなるコア部と、シリカガラスからなり、前記コア部の外周を覆い、前記コア部の最大屈折率よりも屈折率が低いクラッド層と、を備え、前記クラッド層のクラッド径が120μm以下であり、前記クラッド層には、純シリカガラスに対する比屈折率差が径方向において非連続的に0.005%以上変化する段差部がない光ファイバである。
前記光ファイバは、前記クラッド径が100μm以下であるものでもよい。
前記光ファイバは、前記クラッド径が90μm以下であるものでもよい。
前記光ファイバは、光通信に使用される波長においてシングルモード動作するものでもよい。
前記光ファイバは、前記クラッド層の外周を覆い、前記クラッド層側に位置するプライマリコーティング層と、前記プライマリコーティング層の外周側に位置するセカンダリコーティング層とを有するコーティング部を備え、前記プライマリコーティング層の厚さが10μm以上であるものでもよい。
本発明の一態様は、前記光ファイバの製造に用いる光ファイバ母材の製造方法であって、スタート材の外面にガラス微粒子を含むスートを堆積させる堆積工程と、前記堆積させたスートをガラス化するガラス化工程と、含み、前記堆積工程において、前記光ファイバにおいて前記コア部となるコアスートと前記クラッド層となるクラッドスートを一括して堆積する光ファイバ母材の製造方法である。
前記堆積工程において、光ファイバ母材が前記光ファイバの長さに換算して100km以上となる体積になるように、前記スートを堆積するものでもよい。
前記堆積工程において、光ファイバ母材が前記光ファイバの長さに換算して500km以上となる体積になるように、前記スートを堆積するものでもよい。
前記堆積工程において、VAD(Vapor-phase Axial Deposition)法を用いて前記スートを堆積するものでもよい。
前記堆積工程において、ガラス微粒子を生成する複数本のバーナを用いて、前記スートを堆積するものでもよい。
前記堆積工程において、OVD(Outside Vapor Deposition)法を用いて前記スートを堆積するものでもよい。
本発明の一態様は、前記製造方法により製造した光ファイバ母材から前記光ファイバを線引きする光ファイバの製造方法である。
本発明によれば、より良好な特性を有し、かつ安価である、細径の光ファイバを実現できるという効果を奏する。
図1は、実施形態に係る光ファイバの模式的な断面図である。 図2は、実施形態に係る光ファイバにおいて用いることができる屈折率プロファイルの模式図である。 図3は、光ファイバの製造方法の一例を説明するフローチャートである。 図4は、VAD法の説明図である。 図5は、クラッド径とガラス化成功率との関係を示す図である。
以下に、図面を参照しながら、本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態により本発明が限定されるものではない。また、本明細書においては、カットオフ波長または実効カットオフ波長とは、ITU(国際通信連合)−T G.650.1で定義するケーブルカットオフ波長をいう。また、その他、本明細書で特に定義しない用語についてはG.650.1およびG.650.2における定義、測定方法に従うものとする。
(実施形態)
図1は、実施形態に係る光ファイバの模式的な断面図である。光ファイバ1は、略中心に位置するコア部1aと、コア部1aの外周を覆うクラッド層1bと、クラッド層1bの外周を覆うコーティング部1cとを備えている。
コア部1aとクラッド層1bとは、いずれも石英系ガラスからなる。たとえば、コア部1aは、ゲルマニウム(Ge)やフッ素(F)などの屈折率調整用のドーパント、塩素(Cl)、およびアルカリ金属であるナトリウム(Na)やカリウム(K)などのガラスの粘度調整用のドーパントのうち、単一種または複数種が添加された石英系ガラスからなる。
クラッド層1bは、コア部1aの最大屈折率よりも低い屈折率を有する。クラッド層1bは、たとえば純石英ガラス、または、ボロン(B)や上述したGe、Fなどの屈折率調整用のドーパントおよび粘度調整用のドーパントのうち、単一種または複数種が添加された石英系ガラスからなる。純石英ガラスとは、屈折率を変化させるドーパントを実質的に含まず、波長1550nmにおける屈折率が約1.444である、きわめて高純度の石英ガラスである。コア部1aとクラッド層1bからなる部分をガラス光ファイバと記載する場合がある。
クラッド層1bの外径であるクラッド径D1は、120μm以下であり、G.652規格に準拠するシングルモード光ファイバのクラッド径である約125μmよりも細径化されている。なお、クラッド径D1は100μm以下であることが細径化の観点からはより好ましく、90μm以下がさらに好ましい。
以下、G.652規格に準拠するシングルモード光ファイバを標準光ファイバとして標準SMFと記載する場合がある。このような標準SMFは、通常はクラッド層の外周に厚さが約62.5μmのコーティング部を有している。コーティング部は、たとえば2層構造の場合は、厚さが約37.5μmのプライマリコーティング層と、プライマリコーティング層の外周側に位置し厚さが約25μmのセカンダリコーティング層とからなる。したがって、コーティング部の外径は約250μmとなる。
光ファイバ1は、たとえば図2に示すような屈折率プロファイルを有する。図2(a)、(b)は、いずれも、光ファイバ1のコア部1aの中心軸から半径方向における屈折率プロファイルを示している。
図2(a)は、ステップ型の屈折率プロファイルを示している。図2(a)において、プロファイルP11がコア部1aの屈折率プロファイルを示し、プロファイルP12がクラッド層1bの屈折率プロファイルを示す。なお、屈折率プロファイルは、クラッド層1bに対する比屈折率差で示している。ステップ型の屈折率プロファイルでは、コア部1aの直径(コア径)は2aであり、クラッド層1bに対するコア部1aの比屈折率差はΔ1である。Δ1はたとえば0.33%以上0.40%以下が好ましい。
図2(b)は、いわゆるW型の屈折率プロファイルを示している。図2(b)において、プロファイルP21がコア部1aの屈折率プロファイルを示し、プロファイルP22がクラッド層1bの屈折率プロファイルを示す。W型の屈折率プロファイルでは、コア部1aは、直径が2aの中心コア部と、中心コア部の外周を囲むように形成されており、屈折率がクラッド層の屈折率よりも小さく内径が2aで外径が2bのディプレスト層とで構成されている。クラッド層1bに対する中心コア部の比屈折率差はΔ1である。クラッド層1bに対するディプレスト層の比屈折率差はΔ2である。Δ1はたとえば0.33%以上0.40%以下が好ましい。Δ2はたとえば−0.20%以上0%未満が好ましい。b/aはたとえば5以下が好ましい。ディプレスト層は、たとえばFの添加により屈折率が低下されている。
ただし、光ファイバ1の屈折率プロファイルは上記の2種類に限らず、たとえばトレンチ型や階段型でもよい。
図1に戻って、コーティング部1cは、たとえば樹脂からなり、光ファイバ1のガラス部分を保護する機能を有する。コーティング部1cは、たとえばUV硬化樹脂等からなる。コーティング部1cに用いられるUV硬化樹脂としては、たとえばウレタンアクリレート系、ポリブタジエンアクリレート系、エポキシアクリレート系、シリコーンアクリレート系、ポリエステルアクリレート系などがあるが、光ファイバのコーティングに使用されるものであれば特に限定されない。
コーティング部1cは、クラッド層1b側に位置するプライマリコーティング層1caと、プライマリコーティング層1caの外周側に位置するセカンダリコーティング層1cbとを有する。プライマリコーティング層1caのヤング率は0.2〜1.5MPaの程度であり、本実施形態では0.5MPaである。セカンダリコーティング層1cbのヤング率は500〜2000MPaの程度であり、本実施形態では1000MPaである。
コーティング部1cを含む光ファイバ1の外径D2は、たとえば210μm以下である。プライマリコーティング層1caの厚さt1は、たとえば10μm以上である。
ここで、光ファイバ1では、クラッド層1bには、純シリカガラスに対する比屈折率差が径方向において非連続的に0.005%以上変化するような段差部がない。たとえば、クラッド層1bには、比屈折率差が、径方向において非連続的に0.005%未満の範囲で変化する段差部はあってもよい。なお、非連続的であるとは、たとえば、公知のプロファイルアナライザ等の検査装置によって測定された屈折率や比屈折率差の曲線の一部が、径に対して微分不可能な曲線であることを意味する。
このような、比屈折率差が径方向において非連続的に0.005%以上変化するような段差部がないクラッド層1bであれば、クラッド層1bの屈折率プロファイルが、コア部1aにおける屈折率プロファイルに基づく光ファイバ1の特性に影響を与えないようにできる。
一方、仮に、クラッド層に、比屈折率差が径方向において非連続に0.005%以上変化する段差部がある場合、その段差部が、光ファイバの光学特性に影響を与える可能性がある。この場合、コア部における屈折率プロファイルをたとえばステップ型に設計しても、クラッド層の比屈折率差の段差部の影響により、光ファイバの光学特性が、コア部をW型や階段型などの屈折率プロファイルに設計した場合のような光学特性となるおそれがあり、光学特性のばらつきなどの品質の低下や、ばらつきによる歩留まりの低下の原因となり、光ファイバが低品質または高価になるおそれがある。
また、本実施形態に係る光ファイバ1は、たとえば、波長1310nmにおけるモードフィールド径(MFD)が8.6μm以上9.2μm以下であり、実効カットオフ波長(λcc)が1260nm以下であり、直径20mmで曲げた場合の波長1550nmにおける曲げ損失(以下、単に曲げ損失と記載する場合がある)が0.75dB/turn以下であるという特性を有する。これにより、光ファイバ1は、MFD、λcc、曲げ損失について、G.652規格またはG.657A1規格に準拠し、規格への適合性が高い光ファイバである。また、λccが1260nm以下のため、光ファイバ1は、光通信に使用される波長、たとえば1310nm〜1625nmの波長においてシングルモード動作する。
また、光ファイバ1は、零分散波長(λ0)が1300nm以上1324nm以下あり、波長λ0での分散スロープ(分散Slope)が0.092ps/nm/km以下という特性を満たすのが好ましく、分散スロープが0.073ps/nm/km以上という特性を満たすのがより好ましい。
さらに、光ファイバ1は、クラッド径D1が120μm以下と、標準SMFのクラッド径である約125μmよりも細い細径化がされている。これにより、光ファイバ1は、ガラス径が顕著に細くなっており、光ファイバ1の断面積が顕著に縮小されているので、高密度光ファイバケーブルを実現するのに適する。
また、上記実効カットオフを実現するために、実効カットオフ波長が1260nm以下になるようにコア部1aが設定されていることが好ましいが、特に実効カットオフ波長が1260nm以下になるように直径2aが設定されていることが好ましい。また、実効カットオフ波長が1000nm以上になるようにコア部1a、特に直径2aが設定されていれば、曲げ損失を低減できるので好ましい。
また、コーティング部1cを含む光ファイバ1の外径D2が210μm以下であれば、標準SMFの樹脂コーティング部を含む外径である約250μmよりも細径とでき、光ファイバ1の断面積が顕著に縮小される。
ここで、光ファイバにおいて、クラッド径を縮小すると、マイクロベンド損失(側圧損失とも呼ばれる)が増大する。通常、光ファイバの伝送損失は、光ファイバケーブルとされた状態では増加する。このときの伝送損失の増加量は、マイクロベンド損失と密接な関係があり、マイクロベンド損失が大きいと増加量も大きい。
そこで、マイクロベンド損失の抑制のためには、2層構造のコーティング部1cにおいて、プライマリコーティング層1caの厚さが10μm以上であることが好ましい。
なお、マイクロベンド損失は、JIS C6823:2010_10で規定された固定径ドラム法(研磨紙法の一種)で測定された値や、研磨紙法の一種である伸長ドラム法で測定された値を用いることができる。また、マイクロベンド損失は、ワイヤメッシュ法や、さらにその他の測定方法(たとえば斜め巻付け法)で測定された値でもよい。
以上のように、実施形態に係る光ファイバ1は、より良好な光学特性を有し、かつ安価であり、細径の光ファイバである。
(製造方法)
つぎに、実施形態に係る光ファイバ1の製造方法の一例について説明する。
光ファイバは、光ファイバ母材から線引きして製造される。光ファイバ母材の製造方法としては、VAD(Vapor-phase Axial Deposition)法、OVD(Outside Vapor Deposition)法、MCVD(Modified Chemical Vapor Deposition)法、プラズマCVD(PCVD)法などが広く用いられている。特に、スタート材の外面にガラス微粒子を含むスートを堆積させるVAD法やOVD法は、チューブ(スタート管)の内部にスートを堆積させるMCVD法やPCVD法と違ってスタート管のサイズ制限を受けないので、光ファイバ母材の大型化が可能となり、光ファイバの製造コストを低減するうえで好ましい。
本製造方法では、光ファイバ母材を製造する際に、スタート材の外面にガラス微粒子を含むスートを堆積させる堆積工程と、前記堆積させたスートをガラス化するガラス化工程と、含み、堆積工程において、光ファイバ1においてコア部1aとなるコアスートとクラッド層と1bなるクラッドスートを一括して堆積する。これにより、比屈折率差が、径方向において非連続的に0.005%以上変化するような段差部がないクラッド層1bを実現できる。その結果、より良好な光学特性を有する細径の光ファイバを低コストで製造できる。
なお、クラッド径が125μmの標準SMFの場合、典型的なステップインデックス型のコア部のコア径がおおむね7〜10μmの範囲とすると、少なくとも、コア部の12.5倍以上の外径のクラッド層を形成しなければならない。コアスートとクラッドスートを一括で形成する場合、外径が大きいとスートのクラックや崩れという問題が生じる場合がある。そこで、通常は、光ファイバ母材の製造の際には、コアスートまたはコアスートおよびクラッドスートの一部を堆積してガラス化し、その後、さらにクラッド層の残部となるクラッドスートを堆積してガラス化する手法が採用されている。しかしながら、このように光ファイバ母材のクラッド層を2回以上の工程で形成する場合は、それらの工程でまったく同じ条件でクラッドスートの形成およびガラス化を行うのは困難である。その結果、クラッド層の径方向で屈折率に段差ができてしまうことになり、光学特性が劣化してしまう場合があった。さらには、各工程で形成されるクラッド層の部分のガラスの粘度が異なってしまった場合は、線引き後の光ファイバでの残留応力の均一性が損なわれる場合があった。さらに、工程が増えることで、製造コストも増大する。
光ファイバ1の製造方法の一例を、図3のフローチャートを参照して説明する。
はじめに、ステップS101では、VAD法を用いてスートを作製する。このスートは、コアスートとクラッドスートを一括して堆積したものである。
つづいて、ステップS102では、ステップS101で堆積したスートをガラス化する。これにより光ファイバ母材が製造される。
つづいて、ステップS103では、ステップS102で製造した光ファイバ母材を線引きする。線引きにより形成されたコア部1aとクラッド層1bとからなるガラス光ファイバの外周にコーティング部1cを形成することによって、光ファイバ1が製造される。
なお、各ステップにおける製造条件は、標準SMFを製造するための製造条件、またはそれを適宜最適化した製造条件にすればよい。
図4は、VAD法の説明図である。図4では、W型の屈折率プロファイルを有する光ファイバを製造する場合を示している。このVAD法では、公知のVAD装置10の反応容器11内で、シリカガラスロッドをスタート材21として用いる。そして、バーナ12、13、14のそれぞれにガスG1、G2、G3をそれぞれ供給する。
ガスG1は、水素ガス、酸素ガス、コア部1aのうち中心コア部の原料となる第1原料ガスを含むガスである。第1原料ガスは、たとえば塩化珪素ガスなどの珪素を含むガスと、中心コア部に添加するドーパントを含むガスとの混合ガスである。ガスG2は、水素ガス、酸素ガス、コア部1aのうちディプレスト層の原料となる第2原料ガスを含むガスである。第2原料ガスは、珪素を含むガスと、ディプレスト層に添加するドーパントを含むガスとの混合ガスである。ガスG3は、水素ガス、酸素ガス、クラッド層1bの原料となる第3原料ガスを含むガスである。第3原料ガスは、珪素を含むガスと、クラッド層1bに添加するドーパントを含むガスとの混合ガスである。
ガスG1、G2、G3を燃焼させてスタート材21に噴射することで、ガラス微粒子がスタート材21の外面に生成され、スート22が堆積する。スタート材21を回転させながら上昇させることで、スート22を所望のサイズまで成長させる。なお、スートの形成に使用されなかったガスは排気口15から排気される。
スートのサイズについては、光ファイバ母材が、光ファイバの長さに換算して100km以上、或いは500km以上となる体積になるように、スートを堆積することが好ましい。これにより1本の光ファイバ母材から長い光ファイバを製造できるので、光ファイバの製造コストを低減できる。なお、スートをガラス化すると体積が縮小し、またスートの上下の端部は、所望の規格を満たす光ファイバの製造に使用できないので、これらを勘案してスートのサイズを設定する。光ファイバ母材のうち、所望の規格を満たす光ファイバの製造に使用できる良品部分の体積が、そのまま光ファイバの体積となる。したがって、製造すべき光ファイバの長さとクラッド径とから、光ファイバ母材の良品部分として必要な体積を算出できる。
なお、ステップインデックス型の屈折率プロファイルを有する光ファイバを製造する場合は、バーナ13を使用しなくてもよい。また、クラッド層1bを形成するためのバーナは、図4の場合はバーナ14の一本であるが、クラッド径に応じて追加してもよい。また、採用する屈折率プロファイルに応じて、バーナの数を適宜増減させてもよい。
本発明者は、VAD法を用いて様々な外径のスートを多数作製した。スートのサイズは、スートの外径が、スートから光ファイバ母材を経て製造される光ファイバにおけるクラッド径に対応するように設定した。なお、設定するスートの外径はクラッド径に略比例する。そして、これらのスートをガラス化した。なお、ガラス化の際に、スートのクラックや割れが発生する場合があった。そこで、ガラス化を行ったスートの数に対する、ガラス化の際にクラックや割れが発生しなかったスートの数の割合を、ガラス化成功率として定義した。
図5は、クラッド径とガラス化成功率との関係を示す図である。実験の結果、クラッド径が125μmの場合は、ガラス化成功率が0%であったが、120μm以下ではガラス化成功率が0%より大きくなった。ガラス化成功率は、たとえば100μm以下では30%以上であり、90μm以下では50%以上であった。
(実施例)
実施例として、図3、4に例示したような製造方法を用いてW型の光ファイバを製造した。なお、第1原料ガスとして、SiClおよびGeClを用いた。第2原料ガスにはFガスを含めた。そして、図2(b)に示すΔ1、Δ2、2a、2bと、図1に示すクラッド径D1については、表1になるように製造条件を設定した。表1において、Cladがクラッド径D1に相当する。また、クラッド径に対するコア径の比であるClad/2bを約3.53とした。すなわち、標準SMFの典型的な値である12.5よりも小さくした。
Figure 2021124587
光ファイバ母材を製造したところ、クラックや割れの発生は見られなかった。そこで、光ファイバ母材から光ファイバを線引きし、外径が180μmのコーティング部を形成した。
製造した光ファイバの光学特性を測定したところ、表2に示すように、いずれも表1に示す設計値から予想される値であって、G.657A1規格を満たすものであった。また、マイクロベンド損失の評価も行ったところ、ケーブル化に問題ないレベルの値を確認することができた。
Figure 2021124587
なお、上記実施形態の光ファイバまたは光ファイバもしくは光ファイバ母材の製造方法は、VAD法に限らず、OVD法を用いて実現することも可能である。
また、上記実施形態により本発明が限定されるものではない。上述した各構成要素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。また、さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。よって、本発明のより広範な態様は、上記の実施形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。
1 光ファイバ
1a コア部
1b クラッド層
1c コーティング部
1ca プライマリコーティング層
1cb セカンダリコーティング層
10 VAD装置
11 反応容器
12、13、14 バーナ
15 排気口
21 スタート材
22 スート
D1 クラッド径
D2 外径
G1、G2、G3 ガス
P11、P12、P21、P22 プロファイル
t1 厚さ

Claims (12)

  1. シリカガラスからなるコア部と、
    シリカガラスからなり、前記コア部の外周を覆い、前記コア部の最大屈折率よりも屈折率が低いクラッド層と、
    を備え、
    前記クラッド層のクラッド径が120μm以下であり、
    前記クラッド層には、純シリカガラスに対する比屈折率差が径方向において非連続的に0.005%以上変化する段差部がない
    光ファイバ
  2. 前記クラッド径が100μm以下である
    請求項1に記載の光ファイバ。
  3. 前記クラッド径が90μm以下である
    請求項1に記載の光ファイバ。
  4. 光通信に使用される波長においてシングルモード動作する
    請求項1〜3のいずれか一つに記載の光ファイバ。
  5. 前記クラッド層の外周を覆い、前記クラッド層側に位置するプライマリコーティング層と、前記プライマリコーティング層の外周側に位置するセカンダリコーティング層とを有するコーティング部を備え、
    前記プライマリコーティング層の厚さが10μm以上である
    請求項1〜3のいずれか一つに記載の光ファイバ。
  6. 請求項1〜5のいずれか一つに記載の光ファイバの製造に用いる光ファイバ母材の製造方法であって、
    スタート材の外面にガラス微粒子を含むスートを堆積させる堆積工程と、
    前記堆積させたスートをガラス化するガラス化工程と、
    含み、
    前記堆積工程において、前記光ファイバにおいて前記コア部となるコアスートと前記クラッド層となるクラッドスートを一括して堆積する
    光ファイバ母材の製造方法。
  7. 前記堆積工程において、光ファイバ母材が前記光ファイバの長さに換算して100km以上となる体積になるように、前記スートを堆積する
    請求項6に記載の光ファイバ母材の製造方法。
  8. 前記堆積工程において、光ファイバ母材が前記光ファイバの長さに換算して500km以上となる体積になるように、前記スートを堆積する
    請求項6に記載の光ファイバ母材の製造方法。
  9. 前記堆積工程において、VAD(Vapor-phase Axial Deposition)法を用いて前記スートを堆積する
    請求項6〜8のいずれか一つに記載の光ファイバ母材の製造方法。
  10. 前記堆積工程において、ガラス微粒子を生成する複数本のバーナを用いて、前記スートを堆積する
    請求項9に記載の光ファイバ母材の製造方法。
  11. 前記堆積工程において、OVD(Outside Vapor Deposition)法を用いて前記スートを堆積する
    請求項6〜8のいずれか一つに記載の光ファイバ母材の製造方法。
  12. 請求項6〜11のいずれか一つに記載の製造方法により製造した光ファイバ母材から前記光ファイバを線引きする
    光ファイバの製造方法。
JP2020017433A 2020-02-04 2020-02-04 光ファイバならびに光ファイバおよび光ファイバ母材の製造方法 Active JP7508233B2 (ja)

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