JP2021124393A - 形状測定装置の制御方法 - Google Patents
形状測定装置の制御方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2021124393A JP2021124393A JP2020018149A JP2020018149A JP2021124393A JP 2021124393 A JP2021124393 A JP 2021124393A JP 2020018149 A JP2020018149 A JP 2020018149A JP 2020018149 A JP2020018149 A JP 2020018149A JP 2021124393 A JP2021124393 A JP 2021124393A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- vector
- probe
- path
- work
- velocity
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- A Measuring Device Byusing Mechanical Method (AREA)
Abstract
【課題】ワークの実際の形状と設計データとの差異が大きいような場合でも、プローブの移動を滑らかに継続できる形状測定装置の制御方法を提供する。【解決手段】先端に測定子を有するプローブを手動コントローラで制御する。手動コントローラで入力される方向および大きさに基づいた向きと速さでプローブを進行させつつ、プローブのワークへの押込み量を基準押込み量に保つように制御する。ここで、プローブの移動指令を次の式で表わされる速度合成ベクトルVに従って生成する。速度合成ベクトルV=Gf×VFrev3+Ge×Ve進行ベクトルVFを手動コントローラで入力された方向および大きさを持つベクトルとする。倣い方向ベクトルVFrev3は、プローブ変位ベクトルEpと進行ベクトルVFとが含まれる面内において、プローブ変位ベクトルEpと直角になるように進行ベクトルVFを回転させたものである。【選択図】図33
Description
本発明は、形状測定装置の制御方法に関する。
測定対象物の表面に沿ってプローブを倣い移動させることで測定対象物の形状を測定する形状測定装置が知られている(例えば、特許文献1、2、3参照)。さらに、プローブの押し込み量を一定にするように押込み修正ベクトルを時々刻々算出して、自律的に軌道修正しながら倣い測定する方法も知られている(特許文献2)。
特許文献2(特開2013−238573号公報)に開示された「アクティブ設計値倣い測定」を簡単に紹介する。「アクティブ設計値倣い測定」では、次の(式1)で表わされる合成ベクトルVをプローブの移動指令とする。プローブが合成ベクトルVに基づく移動を行うと、プローブ(測定子)は予め設定された倣い経路に沿うように移動しつつ、押込み量を一定としたワーク表面倣い測定、つまり、「アクティブ設計値倣い測定」が実現される。以後、「予め設定された倣い経路」を「設計値倣い経路」と称することにする。
V=Gf×Vf+Ge×Ve+Gc×Vc ・・・(式1)
ここで、図1を参照しながら式の意味を簡単に説明しておく。
図1において、ワークの設計データから所定量オフセットしたところに設計値倣い経路がある。所定量とは、具体的には、測定子半径r―規準押込み量E0である。また、図1においては、実際のワークが設計データから少しずれている場合を仮定している。
図1において、ワークの設計データから所定量オフセットしたところに設計値倣い経路がある。所定量とは、具体的には、測定子半径r―規準押込み量E0である。また、図1においては、実際のワークが設計データから少しずれている場合を仮定している。
ベクトルVfは経路速度ベクトルである。
経路速度ベクトルVfは、設計値倣い経路上の補間点(i)から次の補間点(i+1)に向かう方向をもつ。なお、経路速度ベクトルVfの大きさは、例えば、補間点(i)における設計値倣い経路の曲率に基づいて決定される(例えば特許文献3)。曲率が大きいところ(曲がりが大きいところ)では、経路速度ベクトルVfの大きさを小さくする。曲率が小さいところ(例えば直線的なところ)では、経路速度ベクトルVfの大きさを大きくする。
経路速度ベクトルVfは、設計値倣い経路上の補間点(i)から次の補間点(i+1)に向かう方向をもつ。なお、経路速度ベクトルVfの大きさは、例えば、補間点(i)における設計値倣い経路の曲率に基づいて決定される(例えば特許文献3)。曲率が大きいところ(曲がりが大きいところ)では、経路速度ベクトルVfの大きさを小さくする。曲率が小さいところ(例えば直線的なところ)では、経路速度ベクトルVfの大きさを大きくする。
ベクトルVeは、押込み修正ベクトルであり、プローブの押込み量Epが所定の基準押込み量E0(例えば0.3mm)になるようにするためのベクトルである。押込み修正ベクトルVeは、必然的に、ワーク表面の法線に平行となる。
ベクトルVcは、軌道修正ベクトルである。
軌道修正ベクトルVcは、プローブ位置から設計値倣い経路に下ろした垂線に平行である。Gf、Ge、Gcはそれぞれ倣い駆動ゲイン、押込み修正ゲイン、軌道修正ゲインである。
軌道修正ベクトルVcは、プローブ位置から設計値倣い経路に下ろした垂線に平行である。Gf、Ge、Gcはそれぞれ倣い駆動ゲイン、押込み修正ゲイン、軌道修正ゲインである。
(式1)による速度合成ベクトルVでプローブの移動を制御すればアクティブ設計値倣い測定が実現するのであるが、各ベクトルの方向によってはプローブの制御が不安定になったり、プローブが膠着状態になって動かなくなったりすることがある。典型的には、設計データと実際のワークの形状との差異が大きい場合がある。アクティブ設計値倣い測定の経路の修正機能だけでは前記差異を吸収できず、プローブが制御不能に陥ってしまうことがある。
本発明の目的は、ワークの実際の形状と設計データとの差異が大きいような場合でも、プローブの移動を滑らかに継続できる形状測定装置の制御方法を提供することにある。
本発明の形状測定装置の制御方法は、
先端に測定子を有するプローブと、
前記プローブを移動させる移動機構と、を備え、
前記測定子とワーク表面との接触を検知して前記ワークの形状を測定する形状測定装置の制御方法であって、
前記ワークの設計データに基づいて前記測定子を移動させる設計値倣い経路を求め、前記プローブの前記ワークへの押込み量を基準押込み量に保つように制御しながら前記測定子を前記設計値倣い経路に沿って移動させるにあたって、
前記プローブを前記設計値倣い経路に沿って移動させる経路速度ベクトルVfの指令と前記プローブの前記ワークへの押込み量を基準押込み量に保つ押込み修正ベクトルVeの指令とが釣り合ってしまって前記プローブが移動しなくなる膠着状態に入った場合、この膠着状態を抜け出すための膠着脱出モードにモードを切り替え、
前記膠着脱出モードにおけるプローブの移動指令を次の式で表わされる第1脱出用速度合成ベクトルVesc1に従って生成する
ことを特徴とする。
第1脱出用速度合成ベクトルVesc1=Gf×Vfrev1+Ge×Ve+Gc×Vc
ここで、
押込み修正ベクトルVeは、前記プローブの前記ワークへの押込み量を基準押込み量に保つためのベクトルである。
軌道修正ベクトルVcは、プローブ位置から設計値倣い経路に下ろした垂線に平行なベクトルである。
第1脱出ベクトルVfrev1は、次の式で表わされる。
Vfrev1=k・R・Vf
経路速度ベクトルVfは、設計値倣い経路上の補間点(i)から次の補間点(i+1)に向かう方向に平行なベクトルである。
Rは、Epc=k・R・Epave、で定義される回転行列である。
ベクトルEpcは現在のプローブ変位ベクトルである。
ベクトルEpaveは膠着状態に入る直前の数点のプローブ変位ベクトルEpの平均である。
kは、大きさを調整するための適当な係数である。
Gf、GeおよびGcは任意の係数である。
先端に測定子を有するプローブと、
前記プローブを移動させる移動機構と、を備え、
前記測定子とワーク表面との接触を検知して前記ワークの形状を測定する形状測定装置の制御方法であって、
前記ワークの設計データに基づいて前記測定子を移動させる設計値倣い経路を求め、前記プローブの前記ワークへの押込み量を基準押込み量に保つように制御しながら前記測定子を前記設計値倣い経路に沿って移動させるにあたって、
前記プローブを前記設計値倣い経路に沿って移動させる経路速度ベクトルVfの指令と前記プローブの前記ワークへの押込み量を基準押込み量に保つ押込み修正ベクトルVeの指令とが釣り合ってしまって前記プローブが移動しなくなる膠着状態に入った場合、この膠着状態を抜け出すための膠着脱出モードにモードを切り替え、
前記膠着脱出モードにおけるプローブの移動指令を次の式で表わされる第1脱出用速度合成ベクトルVesc1に従って生成する
ことを特徴とする。
第1脱出用速度合成ベクトルVesc1=Gf×Vfrev1+Ge×Ve+Gc×Vc
ここで、
押込み修正ベクトルVeは、前記プローブの前記ワークへの押込み量を基準押込み量に保つためのベクトルである。
軌道修正ベクトルVcは、プローブ位置から設計値倣い経路に下ろした垂線に平行なベクトルである。
第1脱出ベクトルVfrev1は、次の式で表わされる。
Vfrev1=k・R・Vf
経路速度ベクトルVfは、設計値倣い経路上の補間点(i)から次の補間点(i+1)に向かう方向に平行なベクトルである。
Rは、Epc=k・R・Epave、で定義される回転行列である。
ベクトルEpcは現在のプローブ変位ベクトルである。
ベクトルEpaveは膠着状態に入る直前の数点のプローブ変位ベクトルEpの平均である。
kは、大きさを調整するための適当な係数である。
Gf、GeおよびGcは任意の係数である。
本発明では、
前記第1脱出用速度合成ベクトルVesc1で膠着状態を脱出しない場合には、
プローブの移動指令を次の式で表わされる第2脱出用速度合成ベクトルVesc2に従って生成する
ことが好ましい。
第2脱出用速度合成ベクトルVesc2=Gf×Vfrev2+Ge×Ve+Gc×Vc
ここで、第2脱出ベクトルVfrev2は、膠着状態に入る直前の数点の経路速度ベクトルVfの平均であるVfaveに基づいて求められるベクトルである。
前記第1脱出用速度合成ベクトルVesc1で膠着状態を脱出しない場合には、
プローブの移動指令を次の式で表わされる第2脱出用速度合成ベクトルVesc2に従って生成する
ことが好ましい。
第2脱出用速度合成ベクトルVesc2=Gf×Vfrev2+Ge×Ve+Gc×Vc
ここで、第2脱出ベクトルVfrev2は、膠着状態に入る直前の数点の経路速度ベクトルVfの平均であるVfaveに基づいて求められるベクトルである。
また、本発明の形状測定装置の制御方法は、
先端に測定子を有するプローブと、
前記プローブを移動させる移動機構と、を備え、
前記測定子とワーク表面との接触を検知して前記ワークの形状を測定する形状測定装置の制御方法であって、
前記ワークの設計データに基づいて前記測定子を移動させる設計値倣い経路を求め、前記プローブの前記ワークへの押込み量を基準押込み量に保つように制御しながら前記測定子を前記設計値倣い経路に沿って移動させるにあたって、
前記プローブが前記ワークから離間した場合には、
プローブの移動指令を次の式で表わされる速度合成ベクトルVに従って生成する
ことを特徴とする。
速度合成ベクトルV=Gf×Vf+Ge×Vetem+Gc×Vc
ここで、
経路速度ベクトルVfは、設計値倣い経路上の補間点(i)から次の補間点(i+1)に向かう方向に平行なベクトルである。
仮想押込み修正ベクトルVetemは、離脱直前の数点のプローブ変位ベクトルEpの平均Epaveを逆向きにしたベクトルである。
軌道修正ベクトルVcは、プローブ位置から設計値倣い経路に下ろした垂線に平行なベクトルである。
Gf、GeおよびGcは任意の係数である。
先端に測定子を有するプローブと、
前記プローブを移動させる移動機構と、を備え、
前記測定子とワーク表面との接触を検知して前記ワークの形状を測定する形状測定装置の制御方法であって、
前記ワークの設計データに基づいて前記測定子を移動させる設計値倣い経路を求め、前記プローブの前記ワークへの押込み量を基準押込み量に保つように制御しながら前記測定子を前記設計値倣い経路に沿って移動させるにあたって、
前記プローブが前記ワークから離間した場合には、
プローブの移動指令を次の式で表わされる速度合成ベクトルVに従って生成する
ことを特徴とする。
速度合成ベクトルV=Gf×Vf+Ge×Vetem+Gc×Vc
ここで、
経路速度ベクトルVfは、設計値倣い経路上の補間点(i)から次の補間点(i+1)に向かう方向に平行なベクトルである。
仮想押込み修正ベクトルVetemは、離脱直前の数点のプローブ変位ベクトルEpの平均Epaveを逆向きにしたベクトルである。
軌道修正ベクトルVcは、プローブ位置から設計値倣い経路に下ろした垂線に平行なベクトルである。
Gf、GeおよびGcは任意の係数である。
また、本発明の形状測定装置の制御方法は、
先端に測定子を有するプローブと、
前記プローブを移動させる移動機構と、を備え、
前記測定子とワーク表面との接触を検知して前記ワークの形状を測定する形状測定装置の制御方法であって、
前記ワークの設計データに基づいて前記測定子を移動させる設計値倣い経路を求め、前記プローブの前記ワークへの押込み量を基準押込み量に保つように制御しながら前記測定子を前記設計値倣い経路に沿って移動させるにあたって、
前記プローブが前記ワークから離間した場合には、
プローブの移動指令を次の式で表わされる速度合成ベクトルVに従って生成する
ことを特徴とする。
速度合成ベクトルV=Gf×Vb+Ge×Vetem+Gc×Vc
ここで、
復帰指令ベクトルVbは、離脱状態のプローブを離脱直前の位置に戻す向きのベクトルである。
仮想押込み修正ベクトルVetemは、離脱直前の数点のプローブ変位ベクトルEpの平均Epaveを逆向きにしたベクトルである。
軌道修正ベクトルVcは、プローブ位置から設計値倣い経路に下ろした垂線に平行なベクトルである。
Gf、GeおよびGcは任意の係数である。
先端に測定子を有するプローブと、
前記プローブを移動させる移動機構と、を備え、
前記測定子とワーク表面との接触を検知して前記ワークの形状を測定する形状測定装置の制御方法であって、
前記ワークの設計データに基づいて前記測定子を移動させる設計値倣い経路を求め、前記プローブの前記ワークへの押込み量を基準押込み量に保つように制御しながら前記測定子を前記設計値倣い経路に沿って移動させるにあたって、
前記プローブが前記ワークから離間した場合には、
プローブの移動指令を次の式で表わされる速度合成ベクトルVに従って生成する
ことを特徴とする。
速度合成ベクトルV=Gf×Vb+Ge×Vetem+Gc×Vc
ここで、
復帰指令ベクトルVbは、離脱状態のプローブを離脱直前の位置に戻す向きのベクトルである。
仮想押込み修正ベクトルVetemは、離脱直前の数点のプローブ変位ベクトルEpの平均Epaveを逆向きにしたベクトルである。
軌道修正ベクトルVcは、プローブ位置から設計値倣い経路に下ろした垂線に平行なベクトルである。
Gf、GeおよびGcは任意の係数である。
また、本発明の形状測定装置の制御方法は、
先端に測定子を有するプローブと、
前記プローブを移動させる移動機構と、を備え、
前記測定子とワーク表面との接触を検知して前記ワークの形状を測定する形状測定装置の制御方法であって、
前記ワークの設計データに基づいて前記測定子を移動させる設計値倣い経路を求め、前記プローブの前記ワークへの押込み量を基準押込み量に保つように制御しながら前記測定子を前記設計値倣い経路に沿って移動させるにあたって、
前記プローブが前記ワークから離間した場合には、
プローブの移動指令を次の式で表わされる速度合成ベクトルVに従って生成する
ことを特徴とする形状測定装置の制御方法。
速度合成ベクトルV=Ge×Vetem
仮想押込み修正ベクトルVetemは、離脱直前の数点のプローブ変位ベクトルEpの平均Epaveを逆向きにしたベクトルである。
Geは任意の係数である。
先端に測定子を有するプローブと、
前記プローブを移動させる移動機構と、を備え、
前記測定子とワーク表面との接触を検知して前記ワークの形状を測定する形状測定装置の制御方法であって、
前記ワークの設計データに基づいて前記測定子を移動させる設計値倣い経路を求め、前記プローブの前記ワークへの押込み量を基準押込み量に保つように制御しながら前記測定子を前記設計値倣い経路に沿って移動させるにあたって、
前記プローブが前記ワークから離間した場合には、
プローブの移動指令を次の式で表わされる速度合成ベクトルVに従って生成する
ことを特徴とする形状測定装置の制御方法。
速度合成ベクトルV=Ge×Vetem
仮想押込み修正ベクトルVetemは、離脱直前の数点のプローブ変位ベクトルEpの平均Epaveを逆向きにしたベクトルである。
Geは任意の係数である。
また、本発明の形状測定装置の制御方法は、
先端に測定子を有するプローブと、
前記プローブを移動させる移動機構と、
手動操作によって任意の方向および大きさを入力指示する手動コントローラと、を備え、
前記手動コントローラで入力される方向および大きさに基づいた向きと速さで前記プローブを進行させつつ、前記プローブの前記ワークへの押込み量を基準押込み量に保つように制御し、
前記測定子とワーク表面との接触を検知して前記ワークの形状を測定する形状測定装置の制御方法であって、
プローブの移動指令を次の式で表わされる速度合成ベクトルVに従って生成する
ことを特徴とする。
速度合成ベクトルV=Gf×VFrev3+Ge×Ve
ここで、
いま、進行ベクトルVFを前記手動コントローラで入力された方向および大きさを持つベクトルとする。
倣い方向ベクトルVFrev3は、プローブ変位ベクトルEpと前記進行ベクトルVFとが含まれる面内において、前記プローブ変位ベクトルEpと直角になるように進行ベクトルVFを回転させたものである。
押込み修正ベクトルVeは、前記プローブの前記ワークへの押込み量を基準押込み量に保つためのベクトルである。
Gf、GeおよびGcは任意の係数である。
先端に測定子を有するプローブと、
前記プローブを移動させる移動機構と、
手動操作によって任意の方向および大きさを入力指示する手動コントローラと、を備え、
前記手動コントローラで入力される方向および大きさに基づいた向きと速さで前記プローブを進行させつつ、前記プローブの前記ワークへの押込み量を基準押込み量に保つように制御し、
前記測定子とワーク表面との接触を検知して前記ワークの形状を測定する形状測定装置の制御方法であって、
プローブの移動指令を次の式で表わされる速度合成ベクトルVに従って生成する
ことを特徴とする。
速度合成ベクトルV=Gf×VFrev3+Ge×Ve
ここで、
いま、進行ベクトルVFを前記手動コントローラで入力された方向および大きさを持つベクトルとする。
倣い方向ベクトルVFrev3は、プローブ変位ベクトルEpと前記進行ベクトルVFとが含まれる面内において、前記プローブ変位ベクトルEpと直角になるように進行ベクトルVFを回転させたものである。
押込み修正ベクトルVeは、前記プローブの前記ワークへの押込み量を基準押込み量に保つためのベクトルである。
Gf、GeおよびGcは任意の係数である。
本発明の実施形態を図示するとともに図中の各要素に付した符号を参照して説明する。
(第1実施形態)
本発明の形状測定装置の制御方法に係る第1実施形態を説明する。
具体的に第1実施形態を説明する前に、図2、図3を参照して、解決したい課題を説明する。
図2は、ワークの測定対象面をプローブで倣い測定している様子である。例えば、ワークの設計データでは測定対象面が平面であるとする。設計データに基づいて生成される倣い経路は、ワークの設計データから所定量オフセットしたところにある。この例では、測定対象面から所定量(測定子半径r―規準押込み量E0)オフセットしたところに直線状の倣い経路が設定されている。
(第1実施形態)
本発明の形状測定装置の制御方法に係る第1実施形態を説明する。
具体的に第1実施形態を説明する前に、図2、図3を参照して、解決したい課題を説明する。
図2は、ワークの測定対象面をプローブで倣い測定している様子である。例えば、ワークの設計データでは測定対象面が平面であるとする。設計データに基づいて生成される倣い経路は、ワークの設計データから所定量オフセットしたところにある。この例では、測定対象面から所定量(測定子半径r―規準押込み量E0)オフセットしたところに直線状の倣い経路が設定されている。
ところで、実際に出来上がったワークあるいは制作中のワークには加工誤差があり、加工誤差が図2のようにやや大きな段差として生じることもある。図2では、上り段差を例示している。従来の制御方法でプローブの倣い移動を制御すると次のようにP1→P2→P3と移動して、P3(図3)で膠着状態になって停止することになる。
P1→P2(図2)は、(式1)の合成ベクトルVにより、押込み修正ベクトルVeで押込み量を調整しながら経路速度ベクトルVfの方向にプローブの移動が行われる。
P2は、プローブが上り段差の上り面(upward cliff)に達したところである。
いま、経路速度ベクトルVfの方向にプローブを移動させようとすると、プローブが上り面に押し込まれることになる。押込み量が所定の基準押込み量を超えると、プローブを上り面から引き戻す方向に押込み修正ベクトルVeが発生することになる(図2中のP2を参照)。つまり、押込み修正ベクトルVeが経路速度ベクトルVfと反対向きに生じることになる。
いま、経路速度ベクトルVfの方向にプローブを移動させようとすると、プローブが上り面に押し込まれることになる。押込み量が所定の基準押込み量を超えると、プローブを上り面から引き戻す方向に押込み修正ベクトルVeが発生することになる(図2中のP2を参照)。つまり、押込み修正ベクトルVeが経路速度ベクトルVfと反対向きに生じることになる。
図2の例では、上り段差の下面が倣い経路に対して下側にある(つまり、ワークが削り過ぎになっている)ので、軌道修正ベクトルVcによりプローブが倣い経路上にくるところまでは僅かに上り面を上る(図2中のP2を参照)。
しかし、図3のP3に例示のように、プローブが倣い経路上にきたところで上りが停まってしまう。この状態で、押込み修正ベクトルVeと経路速度ベクトルVfとが反対向きで釣り合ってしまって、膠着状態となり、停止してしまうことになる。
しかし、図3のP3に例示のように、プローブが倣い経路上にきたところで上りが停まってしまう。この状態で、押込み修正ベクトルVeと経路速度ベクトルVfとが反対向きで釣り合ってしまって、膠着状態となり、停止してしまうことになる。
図4のように、上り段差の下面が倣い経路に対して上側にある(つまり、ワークがまだ大き過ぎる)場合にも、押込み修正ベクトルVeと経路速度ベクトルVfと反対向きで釣り合った膠着状態となってしまって停止するのは明らかである。図5のように、下り段差の下り面でも同様に、押込み修正ベクトルVeと経路速度ベクトルVfとが反対向きで釣り合ってしまって、膠着状態となってしまって停止する。
このように、倣い経路に対してほぼ垂直に近いような上り面または下り面があると、そこでプローブが膠着状態になって停止してしまい、倣い測定が停止してしまうことになる。同じ経路で何度繰り返しても、同じところでプローブは停止することになるだろう。
以下、上記課題を解決する第1実施形態を説明する。
形状測定システム100の基本的な構成を簡単に説明しておく。
図6は、形状測定システム100の全体構成を示す図である。
形状測定システム100は、三次元測定機200と、三次元測定機200の駆動を制御するモーションコントローラ300と、モーションコントローラ300を制御すると共に必要なデータ処理を実行するホストコンピュータ500と、を備える。
図6は、形状測定システム100の全体構成を示す図である。
形状測定システム100は、三次元測定機200と、三次元測定機200の駆動を制御するモーションコントローラ300と、モーションコントローラ300を制御すると共に必要なデータ処理を実行するホストコンピュータ500と、を備える。
三次元測定機200は、定盤210と、移動機構220と、プローブ230と、を備える。
移動機構220は、定盤210上をY方向にスライド可能に設けられた門型のYスライダ221と、Yスライダ221のX方向のビームに沿ってスライドするXスライダ222と、Xスライダ222に固定されたZ軸コラム223と、Z軸コラム223内をZ方向に昇降するZスピンドル224と、を備える。
Yスライダ221、Xスライダ222およびZスピンドル224には、それぞれ駆動モータ(不図示)とエンコーダ(不図示)とが付設されている。
モーションコントローラ300からの駆動制御信号によって各駆動モータが駆動制御される。エンコーダは、Yスライダ221、Xスライダ222およびZスピンドル224それぞれの移動量を検出し、検出値をモーションコントローラ300に出力する。Zスピンドル224の下端にプローブ230が取り付けられている。
モーションコントローラ300からの駆動制御信号によって各駆動モータが駆動制御される。エンコーダは、Yスライダ221、Xスライダ222およびZスピンドル224それぞれの移動量を検出し、検出値をモーションコントローラ300に出力する。Zスピンドル224の下端にプローブ230が取り付けられている。
プローブ230は、測定子232を先端側(−Z軸方向側)に有するスタイラス231と、スタイラス231の基端側(+Z軸方向側)を支持する支持部233と、を備える。測定子232は、球状であって、測定対象物Wに接触する。
支持部233は、スタイラス231に外力が加わった場合、すなわち測定子232が測定対象物Wに当接した場合にはスタイラス231が一定の範囲内でX、Y、Z軸の各軸方向に移動可能となるようにスタイラス231を支持している。
さらに、支持部233は、スタイラス231の各軸方向の位置をそれぞれ検出するためのプローブセンサー(不図示)を備える。プローブセンサは検出値をモーションコントローラ300に出力する。
さらに、支持部233は、スタイラス231の各軸方向の位置をそれぞれ検出するためのプローブセンサー(不図示)を備える。プローブセンサは検出値をモーションコントローラ300に出力する。
(ホストコンピュータ500の構成)
図7は、ホストコンピュータ500およびモーションコントローラ300の機能ブロック図である。
ホストコンピュータ500は、CPU(Central Processing Unit)511やメモリ等を備えて構成され、モーションコントローラ300を介して三次元測定機200を制御する。ホストコンピュータ500には、必要に応じて、出力装置(ディスプレイやプリンタ)および入力装置(キーボードやマウス)が接続されている。
図7は、ホストコンピュータ500およびモーションコントローラ300の機能ブロック図である。
ホストコンピュータ500は、CPU(Central Processing Unit)511やメモリ等を備えて構成され、モーションコントローラ300を介して三次元測定機200を制御する。ホストコンピュータ500には、必要に応じて、出力装置(ディスプレイやプリンタ)および入力装置(キーボードやマウス)が接続されている。
ホストコンピュータ500は、さらに、記憶部520と、形状解析部530と、を備える。記憶部520は、測定対象物(ワーク)Wの形状に関する設計データ(CADデータや、NURBSデータ等)、測定で得られた測定データ、および、測定動作全体を制御する測定制御プログラムを格納する。
形状解析部530は、モーションコントローラ300から出力された測定データに基づいて測定対象物の表面形状データを算出し、算出した測定対象物の表面形状の誤差や歪み等を求める形状解析を行う。また、形状解析部530は、設計データ(CADデータや、NURBSデータ等)を利用して「設計値倣い経路」を算出する演算処理も担うのである。
CPU511で測定制御プログラムを実行することにより本実施形態の測定動作が実現される。
(モーションコントローラ300の構成)
モーションコントローラ300は、経路データ取得部310と、カウンタ部320と、移動指令生成部330と、駆動制御部340と、を備える。
モーションコントローラ300は、経路データ取得部310と、カウンタ部320と、移動指令生成部330と、駆動制御部340と、を備える。
経路データ取得部310は、ホストコンピュータ500からPCC曲線データを取得する。
カウンタ部320は、エンコーダから出力される検出信号をカウントして各スライダの変位量を計測するとともに、各プローブ230センサから出力される検出信号をカウントしてプローブ230(スタイラス231)の変位量を計測する。計測されたスライダおよびプローブ230の変位から測定子232の座標位置PP(以下、プローブ位置PP)が得られる。また、カウンタ部320にて計測されたスタイラス231の変位(プローブセンサの検出値(Px,Py,Pz))から、測定子232の押込み量(ベクトルEpの絶対値)が得られる。
カウンタ部320は、エンコーダから出力される検出信号をカウントして各スライダの変位量を計測するとともに、各プローブ230センサから出力される検出信号をカウントしてプローブ230(スタイラス231)の変位量を計測する。計測されたスライダおよびプローブ230の変位から測定子232の座標位置PP(以下、プローブ位置PP)が得られる。また、カウンタ部320にて計測されたスタイラス231の変位(プローブセンサの検出値(Px,Py,Pz))から、測定子232の押込み量(ベクトルEpの絶対値)が得られる。
移動指令生成部330は、プローブ230(測定子232)の移動経路を算出し、さらに、その移動経路に沿った速度ベクトルを算出する。
移動指令生成部330は、各測定方式(測定モード)に応じた経路を算出する機能部をそれぞれ具備している。
具体的には、パッシブ設計値倣い測定、アクティブ設計値倣い測定、自律倣い測定、ポイント測定、の4つがある。
本実施形態に関係するのは、アクティブ設計値倣い測定である。
移動指令生成部330は、各測定方式(測定モード)に応じた経路を算出する機能部をそれぞれ具備している。
具体的には、パッシブ設計値倣い測定、アクティブ設計値倣い測定、自律倣い測定、ポイント測定、の4つがある。
本実施形態に関係するのは、アクティブ設計値倣い測定である。
駆動制御部340は、移動指令生成部330にて算出された移動ベクトルに基づいて、各スライダを駆動制御する。
なお、モーションコントローラ300には、手動コントローラ400が接続されている。手動コントローラ400は、ジョイスティック410および各種ボタンを有し、ユーザからの手動入力操作を受け付け、ユーザの操作指令をモーションコントローラ300に送る。この場合、モーションコントローラ300(駆動制御部340)は、ユーザの操作指令に応じて各スライダを駆動制御する。
(駆動制御方法)
図8から図11のフローチャートを参照しながら本実施形態の駆動制御方法を説明する。
図8は、アクティブ設計値倣い測定の全体制御フローチャートである。
図8のフローチャートにおいて新規なステップは、ST130とST200とであり、その他のステップ(ST100、ST110、ST120、ST140)は既存の技術(特開2013−238573、特開2017−62194)と基本的に同じである。
図8から図11のフローチャートを参照しながら本実施形態の駆動制御方法を説明する。
図8は、アクティブ設計値倣い測定の全体制御フローチャートである。
図8のフローチャートにおいて新規なステップは、ST130とST200とであり、その他のステップ(ST100、ST110、ST120、ST140)は既存の技術(特開2013−238573、特開2017−62194)と基本的に同じである。
まず、ホストコンピュータ500にてPCC曲線が生成され、生成されたPCC曲線はモーションコントローラ300に送られる(ST100)。そして、モーションコントローラ300は、このPCC曲線に沿った経路でワーク表面をアクティブ設計値倣い測定するための移動指令である速度合成ベクトルVを生成していく(ST110)。
速度合成ベクトルVの生成は、既存の技術(特開2013−238573、特開2017−62194)と基本的に同じである。
速度合成ベクトルVは、経路速度ベクトルVfと、押込み修正ベクトルVeと、軌道修正ベクトルVcと、を合成したものである。
速度合成ベクトルVは、経路速度ベクトルVfと、押込み修正ベクトルVeと、軌道修正ベクトルVcと、を合成したものである。
経路速度ベクトルVfは次のようにして算出される。
経路(PCC曲線)上に補間点iと次の補間点(i+1)があるとして、経路速度ベクトルVfの向きは、点iから点(i+1)に向かう方向として与えられる。また、経路速度ベクトルVfの大きさは、例えば点iにおけるPCC曲線の曲率に応じて設定される(特許文献:特開2014−21004)
経路(PCC曲線)上に補間点iと次の補間点(i+1)があるとして、経路速度ベクトルVfの向きは、点iから点(i+1)に向かう方向として与えられる。また、経路速度ベクトルVfの大きさは、例えば点iにおけるPCC曲線の曲率に応じて設定される(特許文献:特開2014−21004)
押込み修正ベクトルVeは次の式で表される。
Ve=K(|Ep|−E0)eu
ベクトルEpはプローブ出力から得られるプローブ変位ベクトルである。
Ep=(xp、yp、zp)
プローブ変位ベクトルEpの方向は、プローブ230(測定子232)が実際にワーク表面から押されている方向である。プローブ変位ベクトルEpは必然的にワーク表面の法線方向を向いていることになる。後ほど脱出ベクトルVfrevの生成においてプローブ変位ベクトルEpを使用することになる。プローブの押込み量|Ep|は、次のようになる。
Ep=(xp、yp、zp)
プローブ変位ベクトルEpの方向は、プローブ230(測定子232)が実際にワーク表面から押されている方向である。プローブ変位ベクトルEpは必然的にワーク表面の法線方向を向いていることになる。後ほど脱出ベクトルVfrevの生成においてプローブ変位ベクトルEpを使用することになる。プローブの押込み量|Ep|は、次のようになる。
|Ep|=√(xp 2+yp 2+zp 2)
ベクトルeuは、プローブ出力から得られるプローブ変位方向の単位ベクトルである。
eu=Ep/|Ep|
したがって、押込み量|Ep|を基準押込み量E0に保つための押込み修正ベクトルVeは上式で表される。なおKは、任意の係数である。
軌道修正ベクトルVcは、プローブ位置から設計値倣い経路に下ろした垂線に平行である。Gf、Ge、Gcはそれぞれ倣い駆動ゲイン、押込み修正ゲイン、軌道修正ゲインである。
このようにして速度合成ベクトルVが得られる。
V=Gf×Vf+Ge×Ve+Gc×Vc
V=Gf×Vf+Ge×Ve+Gc×Vc
速度合成ベクトルVを生成し(ST110)、所定制御サイクルごとに駆動制御を行う(ST120)。プローブ230の移動が停止しなければ駆動制御が継続され(ST110、ST120、ST140)、例えば図12のP1→P2→P3と進行したとする。P1、P2、P3では、実際のワーク表面が設計データよりも削り過ぎになっているとしても、ワーク表面と設計値倣い経路とはほぼ平行であるから、押込み修正ベクトルVeで押込み量の調整を受けつつも、プローブ230は設計値倣い経路に沿って移動する。
所定のサンプリングピッチでYスライダ221、Xスライダ222、Zスピンドル224、および、プローブ230の変位が取得され、ワーク表面の計測データ(測定値)として記録されていく。
計測データ(測定値)は記憶部520に記録される。
このとき、計測データ(測定値)だけでなく、プローブ230の駆動制御に使用した制御データも合わせて記録しておく。
例えば、プローブ変位ベクトルEp、経路速度ベクトルVf、押込み修正ベクトルVe、軌道修正ベクトルVc、ゲイン(Gf、Ge、Gc)の値、を記録しておく。
計測データ(測定値)は記憶部520に記録される。
このとき、計測データ(測定値)だけでなく、プローブ230の駆動制御に使用した制御データも合わせて記録しておく。
例えば、プローブ変位ベクトルEp、経路速度ベクトルVf、押込み修正ベクトルVe、軌道修正ベクトルVc、ゲイン(Gf、Ge、Gc)の値、を記録しておく。
ここで、プローブ230が設計値倣い経路に沿ってワーク表面を正常に倣い走査するとき、プローブ変位ベクトルEpと経路速度ベクトルVfとの関係に着目すると、両者はほぼ直交の関係にある。
さて、プローブ230の駆動制御中にプローブ230が膠着状態に入っていないか確認する(図8のST130)。プローブ230が膠着状態にあるか否かは、経路速度ベクトルVfと押込み修正ベクトルVeとが釣り合ってしまっているか否かで判断する。すなわち、経路速度ベクトルVfと押込み修正ベクトルVeとが、互いにほぼ逆向きであってかつ大きさがほぼ同じになっているとき、プローブ230が膠着状態に入ったと判断する(ST130:YES)。
例えば、図13において、プローブ230がさらに進行して点P4のとき、プローブ230が上り段差に当たる。
速度合成ベクトルVに含まれる経路速度ベクトルVfの成分により、プローブ230は経路速度ベクトルVfの方向に移動するので、プローブ230が上り面に押し込まれることになる。押込み量|Ep|が所定の基準押込み量E0を超えると、プローブ230を上り面から引き戻す方向に押込み修正ベクトルVeが発生することになる(図14中のP5)。つまり、押込み修正ベクトルVeが経路速度ベクトルVfと反対向きに生じ、大きさが同じになって釣り合ってしまうことになる。
速度合成ベクトルVに含まれる経路速度ベクトルVfの成分により、プローブ230は経路速度ベクトルVfの方向に移動するので、プローブ230が上り面に押し込まれることになる。押込み量|Ep|が所定の基準押込み量E0を超えると、プローブ230を上り面から引き戻す方向に押込み修正ベクトルVeが発生することになる(図14中のP5)。つまり、押込み修正ベクトルVeが経路速度ベクトルVfと反対向きに生じ、大きさが同じになって釣り合ってしまうことになる。
このように膠着状態に入った場合(図8のST130:YES)、一時的に膠着脱出モード(ST200)にモードチェンジする。
図9、図10、図11は、膠着脱出モード(図8のST200)での制御動作を説明するためのフローチャートである。膠着脱出モード(ST200)においては、正常時の速度合成ベクトルVに代えて、第1脱出用速度合成ベクトルVesc1を生成する(図9のST210)。この第1脱出用速度合成ベクトルVesc1により、膠着状態を抜け出すまで駆動制御を行う(図9のST220、ST230)。
図9、図10、図11は、膠着脱出モード(図8のST200)での制御動作を説明するためのフローチャートである。膠着脱出モード(ST200)においては、正常時の速度合成ベクトルVに代えて、第1脱出用速度合成ベクトルVesc1を生成する(図9のST210)。この第1脱出用速度合成ベクトルVesc1により、膠着状態を抜け出すまで駆動制御を行う(図9のST220、ST230)。
それでは、第1脱出用速度合成ベクトルVesc1の生成工程(図9のST210)を図10、図11のフローチャートを参照しながら説明する。
第1脱出用速度合成ベクトルVesc1の生成にあたって、まず、膠着状態に陥っている現在のプローブ変位ベクトルEpcを取得する(図10のST211)。膠着状態に陥っている現在のプローブ変位ベクトルEpcというのは、図14の例でいうと、現在のプローブの変位Ep5(xp5、yp5、zp5)である。
第1脱出用速度合成ベクトルVesc1の生成にあたって、まず、膠着状態に陥っている現在のプローブ変位ベクトルEpcを取得する(図10のST211)。膠着状態に陥っている現在のプローブ変位ベクトルEpcというのは、図14の例でいうと、現在のプローブの変位Ep5(xp5、yp5、zp5)である。
次に、記憶部520に格納されているデータのなかから、膠着状態に陥る直前のプローブ変位ベクトルEpを所定数呼び出してくる(図10のST212)。
図14の点P5で膠着状態に陥っているとして、例えば、この直前の点P4、点P3、点P2、点P1でのプローブ変位ベクトルEp4、Ep3、Ep2、Ep1を呼び出してくる。そして、呼び出してきたプローブ変位ベクトルEp4、Ep3、Ep2、Ep1の平均を求める(図10のST213)。
図14の点P5で膠着状態に陥っているとして、例えば、この直前の点P4、点P3、点P2、点P1でのプローブ変位ベクトルEp4、Ep3、Ep2、Ep1を呼び出してくる。そして、呼び出してきたプローブ変位ベクトルEp4、Ep3、Ep2、Ep1の平均を求める(図10のST213)。
Ep4=(xp4、yp4、zp4)、
Ep3=(xp3、yp3、zp3)、
Ep2=(xp2、yp2、zp2)、
Ep1=(xp1、yp1、zp1)
と表わすと、これらの平均となるベクトルEpaveは、
xpave=Σxpi/4
ypave=Σypi/4
zpave=Σzpi/4
(i=1〜4)
である。
Ep3=(xp3、yp3、zp3)、
Ep2=(xp2、yp2、zp2)、
Ep1=(xp1、yp1、zp1)
と表わすと、これらの平均となるベクトルEpaveは、
xpave=Σxpi/4
ypave=Σypi/4
zpave=Σzpi/4
(i=1〜4)
である。
図13の例では、点P5の1つ前の点P4はあるものの、その他の点(点P1〜点P3)を考慮すると、上り段差の下面にほぼ垂直な方向をもつ平均ベクトルEpaveが得られるであろう。
さて、このようにして求めた平均ベクトルEpaveと現在のプローブ変位ベクトルEpcとを用いて、第1脱出ベクトルVfrev1を次のようにして算出する(図10のST300)
図11のフローチャートを参照されたい。第1脱出ベクトルVfrev1の生成にあたっては、まず、次の式で定義される回転行列(変換行列)Rを求める(ST310)。
図11のフローチャートを参照されたい。第1脱出ベクトルVfrev1の生成にあたっては、まず、次の式で定義される回転行列(変換行列)Rを求める(ST310)。
Epc=k・R・Epave
ベクトルEpc:現在のプローブ変位ベクトル
ベクトルEpave:直前の数点のプローブ変位ベクトルEpの平均
(kは、大きさを調整するための適当な係数)
ベクトルEpc:現在のプローブ変位ベクトル
ベクトルEpave:直前の数点のプローブ変位ベクトルEpの平均
(kは、大きさを調整するための適当な係数)
つまり、回転行列(変換行列)Rとは、平均ベクトルEpaveを回転させて現在のプローブ変位ベクトルEpcに重ねるような行列のことである(図15(A))。図15(A)の例では、回転行列Rは、左回りに90°回転させる回転行列である。
回転行列Rが得られたら、回転行列Rを用いて次の式により第1脱出ベクトルVfrev1を求める(図11のST320)(図15(B))。
Vfrev1=R・Vf
つまり、経路速度ベクトルVfをこの回転行列Rで回転させて得られるベクトルが第1脱出ベクトルVfrev1である。
図15(C)は、プローブ230が正常にワーク表面を倣い走査しているときの平均プローブ変位ベクトルEpaveと経路速度ベクトルVfとの関係である。いま、回転行列Rは、平均プローブ変位ベクトルEpaveが現在のプローブ変位ベクトルEpcに重なるように回転させる回転行列であった。つまり、平均プローブ変位ベクトルEpaveと経路速度ベクトルVfとの相対関係を保ったまま、図15(C)を回転行列Rで回転させると、経路速度ベクトルVfが第1脱出ベクトルVfrev1に変換される。
このようにして第1脱出ベクトルVfrev1が得られたので(図11のST320)、図10のフローチャートに戻って、第1脱出用速度合成ベクトルVesc1を生成する。第1脱出用速度合成ベクトルVesc1は、通常の速度合成ベクトルVの経路速度ベクトルVfを第1脱出ベクトルVfrev1に置き換えたものである。
Vesc1=Gf×Vfrev1+Ge×Ve+Gc×Vc
第1脱出用速度合成ベクトルVesc1が得られたので、図9のフローチャートに戻って、第1脱出用速度合成ベクトルVesc1でプローブ230を駆動制御すると、図16の点P5に例示するように、プローブ230は上り段差を登る方向に移動を開始する。
膠着状態を脱出できるまで図9のST210からST230を繰り返し、図17に例示のように、プローブ230が上り段差を少し登って、押込み修正ベクトルVeと経路速度ベクトルVfとの釣り合いが解消されるところまでくると(例えば図17中の点P6)、膠着状態を脱出して膠着脱出モードは終了ということになる(図9)。この後は図8のアクティブ設計値倣い測定のフローチャートに戻って測定が継続される。
膠着状態を脱出できるまで図9のST210からST230を繰り返し、図17に例示のように、プローブ230が上り段差を少し登って、押込み修正ベクトルVeと経路速度ベクトルVfとの釣り合いが解消されるところまでくると(例えば図17中の点P6)、膠着状態を脱出して膠着脱出モードは終了ということになる(図9)。この後は図8のアクティブ設計値倣い測定のフローチャートに戻って測定が継続される。
一点補足しておく。
図10のフローチャートのST212とST213とにおいて、直前のプローブ変位ベクトルEpを所定数呼び出して、平均プローブ変位ベクトルEpaveを求めるとした。
この際、できれば、膠着状態に入ったと認識した点(図14の点P5)から遡って数点(例えば図13の点P4)は除外したうえで、平均プローブ変位ベクトルEpaveを求めるのが望ましい。平均プローブ変位ベクトルEpaveを求めるのに直前のプローブ変位ベクトルEpをいくつ使うか(例えば10点とか20点とか)、膠着状態に入ったと認識した点(図14の点P5)からいくつ遡って除外するか(例えば3点とか5点とか)は、適宜設定すればよい。または、プローブ230の移動方向が経路速度ベクトルVfの方向から所定角度(例えば60°とか70°とか)以上逸れ始めたらそれらのデータにフラグを付けておいて、平均プローブ変位ベクトルEpaveを求める際には、前記フラグが付いたデータは除外するようにしてもよいだろう。
図10のフローチャートのST212とST213とにおいて、直前のプローブ変位ベクトルEpを所定数呼び出して、平均プローブ変位ベクトルEpaveを求めるとした。
この際、できれば、膠着状態に入ったと認識した点(図14の点P5)から遡って数点(例えば図13の点P4)は除外したうえで、平均プローブ変位ベクトルEpaveを求めるのが望ましい。平均プローブ変位ベクトルEpaveを求めるのに直前のプローブ変位ベクトルEpをいくつ使うか(例えば10点とか20点とか)、膠着状態に入ったと認識した点(図14の点P5)からいくつ遡って除外するか(例えば3点とか5点とか)は、適宜設定すればよい。または、プローブ230の移動方向が経路速度ベクトルVfの方向から所定角度(例えば60°とか70°とか)以上逸れ始めたらそれらのデータにフラグを付けておいて、平均プローブ変位ベクトルEpaveを求める際には、前記フラグが付いたデータは除外するようにしてもよいだろう。
(適用例1)
上記実施形態の説明では、経路速度ベクトルVfの方向にほぼ垂直な上り段差で膠着状態に入った場合を説明した。
膠着状態に入る場面は他にも種々有り得るが、上記実施形態の説明に従って同じように第1脱出用速度合成ベクトルVesc1を生成することで膠着状態を脱出することでできる。
例えば、図18の点P7のように、ネズミ返しのように手前側に倒れてくるような上り段差であっても、第1脱出用速度合成ベクトルVesc1は有効に適用できる。
上記実施形態の説明では、経路速度ベクトルVfの方向にほぼ垂直な上り段差で膠着状態に入った場合を説明した。
膠着状態に入る場面は他にも種々有り得るが、上記実施形態の説明に従って同じように第1脱出用速度合成ベクトルVesc1を生成することで膠着状態を脱出することでできる。
例えば、図18の点P7のように、ネズミ返しのように手前側に倒れてくるような上り段差であっても、第1脱出用速度合成ベクトルVesc1は有効に適用できる。
図19(A)は、図18中の点P7におけるプローブ230の状態を抜き出した図である。
いま、経路速度ベクトルVfと押込み修正ベクトルVeとが反対向きに生じて釣り合ってしまっている。
膠着状態というのは、経路速度ベクトルVfと、押込み修正ベクトルVeのうちの経路速度ベクトルVfに平行な成分と、が互いに逆向きで大きさが等しくなり、経路方向に進まなくなった状態である。
いま、経路速度ベクトルVfと押込み修正ベクトルVeとが反対向きに生じて釣り合ってしまっている。
膠着状態というのは、経路速度ベクトルVfと、押込み修正ベクトルVeのうちの経路速度ベクトルVfに平行な成分と、が互いに逆向きで大きさが等しくなり、経路方向に進まなくなった状態である。
さて、第1脱出ベクトルVfrev1を求めてみる。
図19(B)に模式的に示すように、平均プローブ変位ベクトルEpaveを現在のプローブ変位ベクトルEp7に重ねるように回転させる回転行列Rを求める。そして、図19(C)に模式的に示すように、経路速度ベクトルVfを前記回転行列Rで回転させて、第1脱出ベクトルVfrev1を求める。このようにして求められる第1脱出ベクトルVfrev1の方向は、ネズミ返しのように手前側に倒れてくるような上り段差の斜面に沿った方向を持っている。この第1脱出ベクトルVfrev1を含む第1脱出用速度合成ベクトルVesc1により、図18の上り段差を乗り越えられる。
図19(B)に模式的に示すように、平均プローブ変位ベクトルEpaveを現在のプローブ変位ベクトルEp7に重ねるように回転させる回転行列Rを求める。そして、図19(C)に模式的に示すように、経路速度ベクトルVfを前記回転行列Rで回転させて、第1脱出ベクトルVfrev1を求める。このようにして求められる第1脱出ベクトルVfrev1の方向は、ネズミ返しのように手前側に倒れてくるような上り段差の斜面に沿った方向を持っている。この第1脱出ベクトルVfrev1を含む第1脱出用速度合成ベクトルVesc1により、図18の上り段差を乗り越えられる。
(適用例2)
次に、下り段差においてプローブ230が膠着状態に陥った場面を考える。
例えば図20のように、左から進んできたプローブ230が下り段差で膠着状態に入ったとする(図20の点P8)。
さて、第1脱出ベクトルVfrev1を求めてみる。
図21(A)に模式的に示すように、平均プローブ変位ベクトルEpaveを現在のプローブ変位ベクトルEp8に重ねるように回転させる回転行列Rを求める。そして、図21(B)に模式的に示すように、経路速度ベクトルVfを前記回転行列Rで回転させて、第1脱出ベクトルVfrev1を求める。このようにして求められる第1脱出ベクトルVfrev1の方向は、下り段差の下り面に沿った方向を持っている。この第1脱出ベクトルVfrev1を含む第1脱出用速度合成ベクトルVesc1により、図20の下り段差を下って膠着状態を抜け出せる。
次に、下り段差においてプローブ230が膠着状態に陥った場面を考える。
例えば図20のように、左から進んできたプローブ230が下り段差で膠着状態に入ったとする(図20の点P8)。
さて、第1脱出ベクトルVfrev1を求めてみる。
図21(A)に模式的に示すように、平均プローブ変位ベクトルEpaveを現在のプローブ変位ベクトルEp8に重ねるように回転させる回転行列Rを求める。そして、図21(B)に模式的に示すように、経路速度ベクトルVfを前記回転行列Rで回転させて、第1脱出ベクトルVfrev1を求める。このようにして求められる第1脱出ベクトルVfrev1の方向は、下り段差の下り面に沿った方向を持っている。この第1脱出ベクトルVfrev1を含む第1脱出用速度合成ベクトルVesc1により、図20の下り段差を下って膠着状態を抜け出せる。
(第2実施形態)
次に本発明の第2実施形態を説明する。
第2実施形態では、第1実施形態の第1脱出用速度合成ベクトルVesc1では抜け出せない膠着状態の例と、それを抜け出すための第2脱出用速度合成ベクトルVesc2と、を説明する。
例えば図22に例示のように、ワークのコーナー部分で設計値と実際のワークとに差があるとプローブ230が膠着状態に陥る。
図22において、プローブ230がワークのコーナーにきた点P3を考えてみる。
点P3において、設計値倣い経路に従うとプローブ230は平坦面の末端から鉛直下向きに下るはずであるが、実際のワークでは加工誤差等に起因して平坦面が設計値よりも少し長くなっているとする。
このとき、点P3において、経路速度ベクトルVfは設計値に基づく設計値倣い経路通りに下向きに発生する。しかし、この経路速度ベクトルVfは、ワークの表面にプローブ230を押し付ける向きになっている。すると、押込み修正ベクトルVeがこの経路速度ベクトルVfと反対向きに発生し、両者の力がつりってプローブ230は膠着状態になってしまう。
次に本発明の第2実施形態を説明する。
第2実施形態では、第1実施形態の第1脱出用速度合成ベクトルVesc1では抜け出せない膠着状態の例と、それを抜け出すための第2脱出用速度合成ベクトルVesc2と、を説明する。
例えば図22に例示のように、ワークのコーナー部分で設計値と実際のワークとに差があるとプローブ230が膠着状態に陥る。
図22において、プローブ230がワークのコーナーにきた点P3を考えてみる。
点P3において、設計値倣い経路に従うとプローブ230は平坦面の末端から鉛直下向きに下るはずであるが、実際のワークでは加工誤差等に起因して平坦面が設計値よりも少し長くなっているとする。
このとき、点P3において、経路速度ベクトルVfは設計値に基づく設計値倣い経路通りに下向きに発生する。しかし、この経路速度ベクトルVfは、ワークの表面にプローブ230を押し付ける向きになっている。すると、押込み修正ベクトルVeがこの経路速度ベクトルVfと反対向きに発生し、両者の力がつりってプローブ230は膠着状態になってしまう。
図23にもう一例挙げる。
例えば図23において、プローブ230がワークのコーナーにきた点P2を考えてみる。
点P2において、設計値倣い経路としては平坦面をもう少し進み、そのあと鉛直上向きに登るはずであるが、実際のワークでは加工誤差等に起因して平坦面が設計値よりも長くなっているとする。このとき、点P2において、経路速度ベクトルVfは設計値に基づく設計値倣い経路通りに上向きに発生することになる。点P2においてプローブ230はこの平坦面とのみ接触している。この経路速度ベクトルVfがプローブを平坦面から離間させる方向に発生すると、減少し過ぎた押込み量|Ep|を適正値まで増加させようとして、押込み修正ベクトルVeがこの経路速度ベクトルVfと反対向きに発生し、両者の力がつりってプローブ230は膠着状態になってしまう。
例えば図23において、プローブ230がワークのコーナーにきた点P2を考えてみる。
点P2において、設計値倣い経路としては平坦面をもう少し進み、そのあと鉛直上向きに登るはずであるが、実際のワークでは加工誤差等に起因して平坦面が設計値よりも長くなっているとする。このとき、点P2において、経路速度ベクトルVfは設計値に基づく設計値倣い経路通りに上向きに発生することになる。点P2においてプローブ230はこの平坦面とのみ接触している。この経路速度ベクトルVfがプローブを平坦面から離間させる方向に発生すると、減少し過ぎた押込み量|Ep|を適正値まで増加させようとして、押込み修正ベクトルVeがこの経路速度ベクトルVfと反対向きに発生し、両者の力がつりってプローブ230は膠着状態になってしまう。
第1実施形態では、経路速度ベクトルVfを回転させて生成した第1脱出ベクトルVfrev1を利用して膠着状態を脱出した。しかし、図22、図23の例のような膠着状態は第1実施形態の方法では脱出できない。(図22でも図23でも膠着状態に入る直前と膠着状態に入ったときとでプローブ変位ベクトルEpの向きが変わらず、回転操作が上手くできないためである。)
図24、図25のフローチャートを参照しながら第2実施形態の駆動制御方法を説明する。
図24は、第1実施形態の図9に対応するフローチャートである。膠着状態に陥った場合には(図8のST130:YES)、膠着状態脱出モード(図8のST200)に移行する。そして、図24のフローチャートに示すように、まず第1実施形態で説明した第1脱出用速度合成ベクトルVesc1(ST210)で膠着状態の脱出を試してみる。それでも膠着状態を脱出できない場合には(図24のST230:NO)、第2実施形態の第2脱出用速度合成ベクトルVesc2を利用する(図24のST240)。
図24は、第1実施形態の図9に対応するフローチャートである。膠着状態に陥った場合には(図8のST130:YES)、膠着状態脱出モード(図8のST200)に移行する。そして、図24のフローチャートに示すように、まず第1実施形態で説明した第1脱出用速度合成ベクトルVesc1(ST210)で膠着状態の脱出を試してみる。それでも膠着状態を脱出できない場合には(図24のST230:NO)、第2実施形態の第2脱出用速度合成ベクトルVesc2を利用する(図24のST240)。
図25は、第2脱出用速度合成ベクトルVesc2の生成工程を示すフローチャートである。
いま、図26の点P2で膠着状態に陥っている。この膠着を抜け出すため、図25の工程により第2脱出用速度合成ベクトルVesc2を生成する。まず、ST241において、記憶部520に格納されているデータのなかから、膠着状態に陥る直前の経路速度ベクトルVfを所定数呼び出してくる(図25のST241)。そして、呼び出した経路速度ベクトルVfの平均値Vfaveを求める(図25のST242)。
いま、図26の点P2で膠着状態に陥っている。この膠着を抜け出すため、図25の工程により第2脱出用速度合成ベクトルVesc2を生成する。まず、ST241において、記憶部520に格納されているデータのなかから、膠着状態に陥る直前の経路速度ベクトルVfを所定数呼び出してくる(図25のST241)。そして、呼び出した経路速度ベクトルVfの平均値Vfaveを求める(図25のST242)。
このように求めた直前の経路速度ベクトルVfの平均値Vfaveをそのまま第2脱出ベクトルVfrev2とする。この第2脱出ベクトルVfrev2を経路速度ベクトルVfの代わりに用いて、第2脱出用速度合成ベクトルVesc2を生成する。
Vesc2=Gf×Vfrev2+Ge×Ve+Gc×Vc
この第2脱出ベクトルVfrev2で駆動制御を行う(図24のST220)。すると、図26に例示するように、第2脱出ベクトルVfrev2により平坦面に沿った方向の速度が得られ、プローブ230は点P2から移動して実際のワークの末端まで移動する(図26の点P3)。このようにして膠着状態を脱出することができた。
第1実施形態に加えて第2実施形態を実施することにより、設計値と実際のワークとの差に起因するほぼすべての膠着状態を脱出できる。これにより、加工誤差が大きく残っているようなワークであってもプローブの移動を滑らかに継続できるようになる。エラーなどで測定が中断されなくなり、測定効率が飛躍的に向上することが期待できる。
(変形例1)
上記第2実施形態では、直前の経路速度ベクトルVfの平均値Vfaveをそのまま第2脱出ベクトルVfrev2として採用した。
変形例として、直前の経路速度ベクトルVfの平均値Vfaveを用いつつ、さらに、次のようにしてもよい。
二つの方法があるので、第1パターンと第2パターンとに分けて説明する。
上記第2実施形態では、直前の経路速度ベクトルVfの平均値Vfaveをそのまま第2脱出ベクトルVfrev2として採用した。
変形例として、直前の経路速度ベクトルVfの平均値Vfaveを用いつつ、さらに、次のようにしてもよい。
二つの方法があるので、第1パターンと第2パターンとに分けて説明する。
現在の経路速度ベクトルVfを回転させて、第2脱出ベクトルVfrev2を求めるパターンを第1パターンとする。
すなわち、図24のST230の膠着を脱出できないとして(ST230:NO)、このときの経路速度ベクトルVfを回転操作して、第2脱出ベクトルVfrev2を求める。
(1)図24のST230の膠着状態時において、現在の経路速度ベクトルVfと現在のプローブ変位ベクトルEpcとが反対向きのとき:
第2脱出ベクトルVfrev2=ベクトルA×経路速度ベクトルVf
(2)図24のST230の膠着状態時において、現在の経路速度ベクトルVfと現在のプローブ変位ベクトルEpcとが同じ向きのとき:
第2脱出ベクトルVfrev2=−ベクトルA×経路速度ベクトルVf
すなわち、図24のST230の膠着を脱出できないとして(ST230:NO)、このときの経路速度ベクトルVfを回転操作して、第2脱出ベクトルVfrev2を求める。
(1)図24のST230の膠着状態時において、現在の経路速度ベクトルVfと現在のプローブ変位ベクトルEpcとが反対向きのとき:
第2脱出ベクトルVfrev2=ベクトルA×経路速度ベクトルVf
(2)図24のST230の膠着状態時において、現在の経路速度ベクトルVfと現在のプローブ変位ベクトルEpcとが同じ向きのとき:
第2脱出ベクトルVfrev2=−ベクトルA×経路速度ベクトルVf
ただし、上記のベクトルAは次のように定義される。
すなわち、ベクトルAはVfaveの単位ベクトルとEpaveの単位ベクトルとの外積である。
すなわち、ベクトルAはVfaveの単位ベクトルとEpaveの単位ベクトルとの外積である。
現在のプローブ変位ベクトルEpcを回転させて、第2脱出ベクトルVfrev2を求めるパターンを第2パターンとする。
すなわち、図24のST230の膠着を脱出できないとして(ST230:NO)、このときのプローブ変位ベクトルEpcを回転操作して、第2脱出ベクトルVfrev2を求める。
第2脱出ベクトルVfrev2=|経路速度ベクトルVf|(ベクトルB×プローブ変位ベクトルEpc)
すなわち、図24のST230の膠着を脱出できないとして(ST230:NO)、このときのプローブ変位ベクトルEpcを回転操作して、第2脱出ベクトルVfrev2を求める。
第2脱出ベクトルVfrev2=|経路速度ベクトルVf|(ベクトルB×プローブ変位ベクトルEpc)
|経路速度ベクトルVf|は、経路速度ベクトルVfの大きさを表わす。
また、上記のベクトルBは次のように定義される。
すなわち、ベクトルBはEpaveの単位ベクトルとVfaveの単位ベクトルとの外積である。
また、上記のベクトルBは次のように定義される。
すなわち、ベクトルBはEpaveの単位ベクトルとVfaveの単位ベクトルとの外積である。
上記のようにして求められた第2脱出ベクトルVfrev2は、膠着状態のときの経路速度ベクトルVfやプローブ変位ベクトルEpcの向きに基づくものであるから、現在の膠着状態を脱出するのにより適した第2脱出ベクトルVfrev2を与えると期待できる。
(第3実施形態)
次に本発明の第3実施形態を説明する。
第3実施形態で説明するのは、プローブ230がワーク表面から離れてしまった場合のリカバリー動作である。
背景技術でも説明のように、経路速度ベクトルVfの大きさは、例えば補間点(i)における設計値倣い経路の曲率に基づいて決定される(例えば特許文献3)。
しかしながら、加工誤差等に起因して設計値よりも実際のワークの曲率の方がきついという場合がある。
経路速度ベクトルVfが大き過ぎると、押込み修正も間に合わず、例えば図27の点P2のように、プローブ230がワーク表面から離れてしまうことがある。プローブ230がワーク表面から離れてしまうと、プローブ変位ベクトルEpがゼロになってしまうので形状測定装置としてはワークの表面がどこにあるか分からない状態になる。そこで、従来は、プローブ230がワーク表面から離れた場合(図27の点P2)、まずエラーとして一時停止し、エラー復帰動作として、エラーが生じる直前の位置(図27のP1)まで戻る復帰指令ベクトルVbでプローブ230を戻すようにしていた。(復帰指令ベクトルVbは点P2から点P1に向かうベクトルとして与えられる。)しかし、これでは測定が中断されてしまって、測定効率が落ちる。
次に本発明の第3実施形態を説明する。
第3実施形態で説明するのは、プローブ230がワーク表面から離れてしまった場合のリカバリー動作である。
背景技術でも説明のように、経路速度ベクトルVfの大きさは、例えば補間点(i)における設計値倣い経路の曲率に基づいて決定される(例えば特許文献3)。
しかしながら、加工誤差等に起因して設計値よりも実際のワークの曲率の方がきついという場合がある。
経路速度ベクトルVfが大き過ぎると、押込み修正も間に合わず、例えば図27の点P2のように、プローブ230がワーク表面から離れてしまうことがある。プローブ230がワーク表面から離れてしまうと、プローブ変位ベクトルEpがゼロになってしまうので形状測定装置としてはワークの表面がどこにあるか分からない状態になる。そこで、従来は、プローブ230がワーク表面から離れた場合(図27の点P2)、まずエラーとして一時停止し、エラー復帰動作として、エラーが生じる直前の位置(図27のP1)まで戻る復帰指令ベクトルVbでプローブ230を戻すようにしていた。(復帰指令ベクトルVbは点P2から点P1に向かうベクトルとして与えられる。)しかし、これでは測定が中断されてしまって、測定効率が落ちる。
そこで、第3実施形態では、プローブ230がワーク表面から離れた場合でも倣い測定を継続する方法を提案する。
第3実施形態の動作例として3パターンある(図28、図29、図30)。
(第1パターン)
図28の例を説明する。
図28の点P2のようにプローブ230がワーク表面から離脱した場合、直前のプローブ変位ベクトルEpを所定数呼び出して、平均値Epaveを求める。
この工程は第1実施形態の図10のST212、ST213を参照されたい。
ワーク表面は、プローブ変位ベクトルEpとは反対側にあると考えてよいので、点P2において、平均値Epaveの逆向きのベクトルを仮想押込み修正ベクトルVetemとする。そして、速度合成ベクトルVを、仮想押込み修正ベクトルVetemと、経路速度ベクトルVfと、軌道修正ベクトルVcと、の合成で生成する。すると、プローブ230は仮想押込み修正ベクトルVetemによりワーク表面に接触する方向に動きだす。さらにいうと、合成ベクトルVは、経路速度ベクトルVfおよび軌道修正ベクトルVcの成分も含んでいるので、プローブ230は、設計値倣い経路に沿いながら、仮想押込み修正ベクトルVetemによりワーク表面に接触する方向に動く。このようにプローブ230がワーク表面から離れてしまった場合でも、仮想押込み修正ベクトルVetemを利用することでプローブの移動を継続し、倣い測定をスムースに継続することができる。
第3実施形態の動作例として3パターンある(図28、図29、図30)。
(第1パターン)
図28の例を説明する。
図28の点P2のようにプローブ230がワーク表面から離脱した場合、直前のプローブ変位ベクトルEpを所定数呼び出して、平均値Epaveを求める。
この工程は第1実施形態の図10のST212、ST213を参照されたい。
ワーク表面は、プローブ変位ベクトルEpとは反対側にあると考えてよいので、点P2において、平均値Epaveの逆向きのベクトルを仮想押込み修正ベクトルVetemとする。そして、速度合成ベクトルVを、仮想押込み修正ベクトルVetemと、経路速度ベクトルVfと、軌道修正ベクトルVcと、の合成で生成する。すると、プローブ230は仮想押込み修正ベクトルVetemによりワーク表面に接触する方向に動きだす。さらにいうと、合成ベクトルVは、経路速度ベクトルVfおよび軌道修正ベクトルVcの成分も含んでいるので、プローブ230は、設計値倣い経路に沿いながら、仮想押込み修正ベクトルVetemによりワーク表面に接触する方向に動く。このようにプローブ230がワーク表面から離れてしまった場合でも、仮想押込み修正ベクトルVetemを利用することでプローブの移動を継続し、倣い測定をスムースに継続することができる。
(第2パターン)
図28の例でもプローブ230はワーク表面に達するのであるが、プローブ230とワーク表面とが離れている時間(距離)がやや長くなるという問題はある。そこで、図29の例では、前記復帰指令ベクトルVbと前記仮想押込み修正ベクトルVetemとを利用する。
点P2において、経路速度ベクトルVfの代わりに復帰指令ベクトルVbを使用し、さらに、前記仮想押込み修正ベクトルVetemを使用する。
速度合成ベクトルV=復帰指令ベクトルVb+仮想押込み修正ベクトルVetem+軌道修正ベクトルVc
(さらに、復帰指令ベクトルVb、仮想押込み修正ベクトルVetemおよび軌道修正ベクトルVcは適宜係数を掛けるとよい。)
これにより、プローブ230がなるべく早くワーク表面に接触するように復帰する。
図28の例でもプローブ230はワーク表面に達するのであるが、プローブ230とワーク表面とが離れている時間(距離)がやや長くなるという問題はある。そこで、図29の例では、前記復帰指令ベクトルVbと前記仮想押込み修正ベクトルVetemとを利用する。
点P2において、経路速度ベクトルVfの代わりに復帰指令ベクトルVbを使用し、さらに、前記仮想押込み修正ベクトルVetemを使用する。
速度合成ベクトルV=復帰指令ベクトルVb+仮想押込み修正ベクトルVetem+軌道修正ベクトルVc
(さらに、復帰指令ベクトルVb、仮想押込み修正ベクトルVetemおよび軌道修正ベクトルVcは適宜係数を掛けるとよい。)
これにより、プローブ230がなるべく早くワーク表面に接触するように復帰する。
(第3パターン)
図29の例はプローブ230がなるべく早くワーク表面に接触するように復帰するという利点がある一方、プローブ230が進行方向とは逆向きに動いてしまうという問題がある。
図30の例では、点P2において仮想押込み修正ベクトルVetemを求め、この仮想押込み修正ベクトルVetemだけを用いてプローブ230をワーク表面に接触させることとする。
この第3パターン(図30)によれば、図28の第1パターンよりもプローブ230とワークとが離れてしまう距離が短くなるという利点がある。
図29の例はプローブ230がなるべく早くワーク表面に接触するように復帰するという利点がある一方、プローブ230が進行方向とは逆向きに動いてしまうという問題がある。
図30の例では、点P2において仮想押込み修正ベクトルVetemを求め、この仮想押込み修正ベクトルVetemだけを用いてプローブ230をワーク表面に接触させることとする。
この第3パターン(図30)によれば、図28の第1パターンよりもプローブ230とワークとが離れてしまう距離が短くなるという利点がある。
(第4実施形態)
次に本発明の第4実施形態を説明する。
第4実施形態は、設計値倣い測定ではなく、ジョイスティック410を用いた手動操作でプローブ230の進行を指示するアクティブ手動倣い測定に関する。
アクティブ手動倣い測定では、ジョイスティック等の手動操作部材で任意の方向および任意の速さを入力指示できる(例えば図31参照)。形状測定装置は、手動コントローラ400(ジョイスティック410)で入力された方向および速さでプローブ230を移動させる。ジョイスティック410で入力される方向および速さの指令ベクトルを進行ベクトルVFと称することにする。ここで、オペレータがプローブ230を所定押込み量で接触させながらプローブ230をワーク表面に沿って移動させることは難しい。そこで、押込み量に関しては、押込み修正ベクトルVeを自動生成させる(特開2005−9917)。これにより、オペレータが望む方向に望む速さでプローブ230が移動しながらも押込み量|Ep|が基準押込み量E0に維持された状態で倣い測定ができる。
次に本発明の第4実施形態を説明する。
第4実施形態は、設計値倣い測定ではなく、ジョイスティック410を用いた手動操作でプローブ230の進行を指示するアクティブ手動倣い測定に関する。
アクティブ手動倣い測定では、ジョイスティック等の手動操作部材で任意の方向および任意の速さを入力指示できる(例えば図31参照)。形状測定装置は、手動コントローラ400(ジョイスティック410)で入力された方向および速さでプローブ230を移動させる。ジョイスティック410で入力される方向および速さの指令ベクトルを進行ベクトルVFと称することにする。ここで、オペレータがプローブ230を所定押込み量で接触させながらプローブ230をワーク表面に沿って移動させることは難しい。そこで、押込み量に関しては、押込み修正ベクトルVeを自動生成させる(特開2005−9917)。これにより、オペレータが望む方向に望む速さでプローブ230が移動しながらも押込み量|Ep|が基準押込み量E0に維持された状態で倣い測定ができる。
ここで、従来は図32に例示のように、ジョイスティック410で入力される方向および速さの進行ベクトルVFと、モーションコントローラ300が生成する押込み修正ベクトルVeと、を合成した速度合成ベクトルVwを生成していた。
しかしながら、図32の例のように、ワーク表面が上り坂の場合、進行ベクトルVFに対して押込み修正ベクトルVeが反対向きの成分をもつことがある。すると、オペレータが意図するよりもプローブ230の進行速度が遅くなってしまい、やや操作感がよくないという問題がある。
しかしながら、図32の例のように、ワーク表面が上り坂の場合、進行ベクトルVFに対して押込み修正ベクトルVeが反対向きの成分をもつことがある。すると、オペレータが意図するよりもプローブ230の進行速度が遅くなってしまい、やや操作感がよくないという問題がある。
そこで、第4実施形態としては、図33のように進行ベクトルVFを回転させた倣い方向ベクトルVFrev3を用いることを提案する。
倣い方向ベクトルVFrev3は、プローブ変位ベクトルEpと進行ベクトルVFとが含まれる面内において、プローブ変位ベクトルEpと直角になるように進行ベクトルVFを回転させたものである。ワーク表面とプローブ変位ベクトルEpとは直角の関係にあるはずなので、倣い方向ベクトルVFrev3はワーク表面に沿った方向のベクトルになるはずである。その上で、倣い方向ベクトルVFrev3と押込み修正ベクトルVeとを合成した速度合成ベクトルVを求める。
V=Gf・VFrev3+Ge・Ve
このようにして生成した速度合成ベクトルVであれば、プローブ押込み量|Ep|を適切に自動修正するアクティブ手動倣い測定において、オペレータの意図した通りの速度で滑らかな倣い測定を実現できる。
倣い方向ベクトルVFrev3は、プローブ変位ベクトルEpと進行ベクトルVFとが含まれる面内において、プローブ変位ベクトルEpと直角になるように進行ベクトルVFを回転させたものである。ワーク表面とプローブ変位ベクトルEpとは直角の関係にあるはずなので、倣い方向ベクトルVFrev3はワーク表面に沿った方向のベクトルになるはずである。その上で、倣い方向ベクトルVFrev3と押込み修正ベクトルVeとを合成した速度合成ベクトルVを求める。
V=Gf・VFrev3+Ge・Ve
このようにして生成した速度合成ベクトルVであれば、プローブ押込み量|Ep|を適切に自動修正するアクティブ手動倣い測定において、オペレータの意図した通りの速度で滑らかな倣い測定を実現できる。
なお、本発明は上記実施形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
100…形状測定システム、200…三次元測定機、210…定盤、220…移動機構、221…Yスライダ、222…Xスライダ、223…Z軸コラム、224…Zスピンドル、230…プローブ、231…スタイラス、232…測定子、233…支持部、300…モーションコントローラ、310…経路データ取得部、320…カウンタ部、330…移動指令生成部、340…駆動制御部、400…手動コントローラ、410…ジョイスティック、500…ホストコンピュータ、520…記憶部、530…形状解析部、
E0…基準押込み量、
Ep…プローブ変位ベクトル、
Epave…直前の数点のプローブ変位ベクトルEpの平均、
Epc…(膠着状態にある)現在のプローブ変位ベクトル、
R…回転行列、
r…測定子半径、
V…速度合成ベクトル、
Vb…復帰指令ベクトル、
Vc…軌道修正ベクトル、
Ve…押込み修正ベクトル、
Vesc1…第1脱出用速度合成ベクトル、
Vesc2…第2脱出用速度合成ベクトル、
Vetem…仮想押込み修正ベクトル、
Vf…経路速度ベクトル、
VF…進行ベクトル、
Vfave…直前の経路速度ベクトルVfの平均値、
Vfrev1…第1脱出ベクトル、
Vfrev2…第2脱出ベクトル、
VFrev3…倣い方向ベクトル、
Vw…速度合成ベクトル。
E0…基準押込み量、
Ep…プローブ変位ベクトル、
Epave…直前の数点のプローブ変位ベクトルEpの平均、
Epc…(膠着状態にある)現在のプローブ変位ベクトル、
R…回転行列、
r…測定子半径、
V…速度合成ベクトル、
Vb…復帰指令ベクトル、
Vc…軌道修正ベクトル、
Ve…押込み修正ベクトル、
Vesc1…第1脱出用速度合成ベクトル、
Vesc2…第2脱出用速度合成ベクトル、
Vetem…仮想押込み修正ベクトル、
Vf…経路速度ベクトル、
VF…進行ベクトル、
Vfave…直前の経路速度ベクトルVfの平均値、
Vfrev1…第1脱出ベクトル、
Vfrev2…第2脱出ベクトル、
VFrev3…倣い方向ベクトル、
Vw…速度合成ベクトル。
Claims (1)
- 先端に測定子を有するプローブと、
前記プローブを移動させる移動機構と、
手動操作によって任意の方向および大きさを入力指示する手動コントローラと、を備え、
前記手動コントローラで入力される方向および大きさに基づいた向きと速さで前記プローブを進行させつつ、前記プローブの前記ワークへの押込み量を基準押込み量に保つように制御し、
前記測定子とワーク表面との接触を検知して前記ワークの形状を測定する形状測定装置の制御方法であって、
プローブの移動指令を次の式で表わされる速度合成ベクトルVに従って生成する
ことを特徴とする形状測定装置の制御方法。
速度合成ベクトルV=Gf×VFrev3+Ge×Ve
ここで、
いま、進行ベクトルVFを前記手動コントローラで入力された方向および大きさを持つベクトルとする。
倣い方向ベクトルVFrev3は、プローブ変位ベクトルEpと前記進行ベクトルVFとが含まれる面内において、前記プローブ変位ベクトルEpと直角になるように進行ベクトルVFを回転させたものである。
押込み修正ベクトルVeは、前記プローブの前記ワークへの押込み量を基準押込み量に保つためのベクトルである。
Gf、GeおよびGcは任意の係数である。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020018149A JP2021124393A (ja) | 2020-02-05 | 2020-02-05 | 形状測定装置の制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020018149A JP2021124393A (ja) | 2020-02-05 | 2020-02-05 | 形状測定装置の制御方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2021124393A true JP2021124393A (ja) | 2021-08-30 |
Family
ID=77458606
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2020018149A Pending JP2021124393A (ja) | 2020-02-05 | 2020-02-05 | 形状測定装置の制御方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2021124393A (ja) |
-
2020
- 2020-02-05 JP JP2020018149A patent/JP2021124393A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5127934B2 (ja) | 機械運動軌跡測定装置、数値制御工作機械および機械運動軌跡測定方法 | |
JP6484108B2 (ja) | 形状測定装置の制御方法 | |
EP0331265B1 (en) | Position/force controlling apparatus for working machine with multiple of degrees of freedom | |
US9298178B2 (en) | Shape measuring apparatus | |
JP5189806B2 (ja) | 表面形状測定装置 | |
EP3147625B1 (en) | Method for controlling shape measuring apparatus | |
JP5192196B2 (ja) | 表面形状測定装置 | |
JP6774240B2 (ja) | 形状測定装置の制御方法 | |
WO1989006174A1 (en) | Laser device for three-dimensional machining | |
CN107014334B (zh) | 形状测量设备的控制方法 | |
CN108120414B (zh) | 形状测量设备的控制方法 | |
JP2021124393A (ja) | 形状測定装置の制御方法 | |
JP2021124391A (ja) | 形状測定装置の制御方法 | |
JP2021124392A (ja) | 形状測定装置の制御方法 | |
EP3101380B1 (en) | Method for controlling shape measuring apparatus | |
JPH0146276B2 (ja) | ||
JP4652011B2 (ja) | 三次元座標測定システム及びそれに用いるパートプログラム | |
JP7002892B2 (ja) | 形状測定装置の制御方法 | |
JP6932585B2 (ja) | 形状測定装置の制御方法 | |
JP2021025978A (ja) | 形状測定装置 | |
JP7402653B2 (ja) | 形状測定装置の制御方法 | |
JP2619636B2 (ja) | デジタイザにおける3次元計測方法 | |
JP7186625B2 (ja) | 形状測定装置の制御方法 | |
JPH089135B2 (ja) | 倣い制御機のセンサ自己診断方法 |