JP2021124024A - 熱電発電システム - Google Patents

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大晃 坂田
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Abstract

【課題】廃熱回収と後処理装置の再生時の昇温を効果的に両立させる熱電発電システムを提供する。【解決手段】エンジンの排気系に設けられており、排気を浄化する後処理装置と、後処理装置の外周側、又は、後処理装置よりも上流側に排気からの廃熱を伝達可能に配置される高温側金属板部と、高温側金属板部の外周側に配置される低温側金属板部と、を含み、高温側金属板部と低温側金属板部とに生じる温度差により発電可能な第1熱電素子11と、後処理装置に流入する排気の温度を上昇させて、後処理装置の浄化能力を回復させる再生制御時に、電力を第1熱電素子11に供給することにより高温側金属板部を発熱させ、後処理装置を加熱する補助制御を実施する補助制御部140と、を備える。【選択図】図3

Description

本開示は、熱電発電システムに関し、特に、エンジンの排気を浄化する後処理装置に設けられる熱電発電システムに関する。
従来、エンジンの廃熱回収システムとしては、例えば、ランキンサイクルシステムが知られている。ランキンサイクルシステムにおいては、熱エネルギを力学的エネルギに変換した後、電気エネルギに変換するため、複雑な機械的構成が必要となる。そこで、熱エネルギを直接的に電気エネルギに変化させる熱電発電技術が熱エネルギの回収方法として期待されている。
この種の熱電発電技術を用いる装置の一例として、例えば、特許文献1には、排気通路の触媒の上流側、又は触媒の外周に熱電素子を設け、触媒の温度が活性温度域未満である場合は、熱電素子に電力を供給し、熱電素子の発熱により触媒の活性化を促進すると共に、触媒の温度が活性温度域以上である場合は、熱電素子により発電し、排気が有する熱エネルギを回収するようにした技術が開示されている。
特開2006−34046号公報
ところで、後処理装置には、排気ガス中の粒子状物質(Particulate Matter:以下、PM)を捕集するフィルタや、NOx(窒素酸化物)を浄化するNOx触媒が設けられる場合がある。フィルタは、PMを燃焼除去するフィルタ再生が定期的に必要であり、NOx触媒は、硫黄被毒から回復させる触媒再生が定期的に必要である。これら何れの再生においても、排気ガスの温度を酸化触媒の活性温度域よりも高温にする必要がある。
上記文献1に記載の技術では、触媒の温度が、触媒の活性温度域を超えて上昇すると熱電素子による発熱から熱電素子による発電へ切替えているため、フィルタやNOx触媒の再生時に排気ガスの温度上昇を妨げてしまう可能性がある。
本開示は、上記事情に鑑みてなされたものであり、廃熱回収と後処理装置の再生時の昇温を効果的に両立させる熱電発電システムの提供を目的とする。
本開示の技術は、エンジンの排気系に設けられており、排気を浄化する後処理装置と、
前記後処理装置の外周側、又は、前記後処理装置よりも上流側に排気からの廃熱を伝達可能に配置される高温側金属板部と、前記高温側金属板部の外周側に配置される低温側金属板部と、を含み、前記高温側金属板部と前記低温側金属板部とに生じる温度差により発電可能な第1熱電素子と、前記後処理装置に流入する排気の温度を上昇させて、前記後処理装置の浄化能力を回復させる再生制御時に、電力を前記第1熱電素子に供給することにより前記高温側金属板部を発熱させ、前記後処理装置を加熱する補助制御を実施する補助制御部と、を備えることを特徴とする。
また、前記後処理装置よりも下流側の排気管の外周側に排気からの廃熱を伝達可能に配置される高温側金属板部と、該高温側金属板部の外周側に配置される低温側金属板部と、を含み、該高温側金属板部と該低温側金属板部とに生じる温度差により発電可能な第2熱電素子をさらに備え、前記補助制御部は、前記再生制御時に、前記第2熱電素子で発電した電力を、前記第1熱電素子に供給することにより、前記補助制御を実施することが好ましい。
また、前記後処理装置は、排気中の粒子状物質を捕集するフィルタを含み、前記再生制御は、前記フィルタの温度を上昇させて、該フィルタに堆積した前記粒子状物質を燃焼除去するフィルタ再生制御であることが好ましい。
また、前記後処理装置は、排気中のNOxを浄化するNOx触媒を含み、前記再生制御は、前記NOx触媒の温度を上昇させて、該NOx触媒を硫黄被毒から回復させる触媒再生制御であることが好ましい。
本開示の技術によれば、廃熱回収と後処理装置の再生時の昇温を効果的に両立させる熱電発電システムを提供することができる。
本実施形態に係るエンジンの排気系を示す模式的な全体構成図である。 本実施形態に係る熱電発電システムを模式的に示す図である。 本実施形態に係る制御装置及び、関連する周辺構成を示す模式的な機能ブロック図である。 本実施形態に係る制御装置による制御を説明するチャート図である。 他の実施形態に係る熱電発電システムの要部を模式的に示す図である。
以下、添付図面に基づいて、本実施形態に係る熱電発電システムを説明する。同一の部品には同一の符号を付してあり、それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
[全体構成]
図1は、本実施形態に係る車両1に搭載されたエンジン30の排気系を示す模式的な全体構成図である。
車両1には、駆動力源の一例としてのエンジン30が搭載されている。エンジン30は、シリンダCが形成されたシリンダブロックCBを備えている。各シリンダCには、図示しないピストンが往復移動自在に収容されている。ピストンは、不図示のコネクティングロッドやクランクアーム等を介してクランクシャフト35に連結されており、ピストンの往復運動が回転運動に変換されてクランクシャフト35に伝達されるようになっている。
なお、エンジン30は、図示例の直列多気筒エンジンに限定されず、V型エンジン或は水平対向型エンジン等であってもよい。また、エンジン30は、多気筒エンジンに限定されず、単気筒エンジンであってもよい。
クランクシャフト35には、駆動プーリ36が設けられている。駆動プーリ36には、ベルト37及び、従動プーリ38を介してオルタネータ39が接続されている。オルタネータ39により発電される電力は、充電残量(SOC:state of charge)に応じて車載バッテリ70に蓄電されたり、或いは、不図示の電装品や詳細を後述する熱電発電システム10の第1熱電素子11に供給されたりする。
エンジン30の排気系には、排気上流側から順に、排気マニホールド31、上流配管32、前段後処理装置40、接続配管33、後段後処理装置60及び、下流配管34等が設けられている。下流排気通路34には、何れも不図示の消音器やテールパイプ等が設けられている。
前段後処理装置40は、排気上流側から順に、酸化触媒41及び、フィルタ42を備えている。なお、前段後処理装置40に備えられる触媒等は、これらに限定されず、これらの何れか一方、又は、他の触媒等を備えてもよい。前段後処理装置40には、熱電発電システム10の第1熱電素子11が設けられている。
酸化触媒41は、例えば、コーディエライトハニカム構造体等のセラミック製担体表面に触媒成分等を担持して形成されており、排気中に含まれるHCやCOを酸化する。酸化触媒41は、筒内インジェクタ4のポスト噴射や排気管インジェクタ5の排気管噴射によって未燃燃料(HC)が供給されると、これを酸化して排気温度を上昇させる。
フィルタ42は、例えば、多孔質性の隔壁で区画された多数のセルを排気ガスの流れ方向に沿って配置し、これらセルの上流側と下流側とを交互に目封止して形成されている。フィルタ42は、排気ガス中のPMを隔壁の細孔や表面に捕集すると共に、PM堆積量が所定量に達すると、これを燃焼除去するフィルタ再生が実施される。フィルタ再生は、ポスト噴射や排気管噴射によって酸化触媒41に未燃燃料(HC)を供給し、フィルタ42に流入する排気ガスの温度をPM燃焼温度(例えば、約600℃)以上に上昇させることで行われる。なお、フィルタ再生は、前回のフィルタ再生実施からの累積走行距離が所定の閾値距離に達した場合等、所定のインターバル毎に実施してもよい。
後段後処理装置50は、排気上流側から順に、尿素水噴射装置51及び、選択還元型触媒(Selective Catalytic Reduction:以下、SCR触媒)61を有する。
尿素水噴射装置51は、尿素水を貯留する尿素水タンク52と、尿素水タンク52内の尿素水に浸漬されて異物を除去するストレーナ53と、ストレーナ53に接続された供給配管54と、供給配管54に設けられて尿素水タンク52から尿素水を汲み上げる尿素水ポンプ55と、供給配管54から供給される尿素水を接続配管33内に噴射する尿素水インジェクタ56とを備えている。
尿素水インジェクタ56から噴射された尿素水は、排気熱や排気中の水蒸気により加水分解されてアンモニア(NH3)に生成され、下流側のSCR触媒61に還元剤として供給される。
SCR触媒61(本開示のNOx触媒の一例)は、例えば多孔質のセラミック製担体にゼオライト等を担持して形成されている。SCR触媒61は、尿素水インジェクタ56から還元剤として供給されるアンモニアを吸着すると共に、吸着したアンモニアで通過する排気中からNOxを選択的に還元浄化する。
第1排気温度センサ91は、酸化触媒41の出口部に設けられており、酸化触媒41を通過した排気の温度を取得する。差圧センサ92は、フィルタ42の上下流に設けられており、フィルタ42の前後差圧Pを取得する。第2排気温度センサ93は、SCR触媒61の出口部に設けられており、SCR触媒61を通過した排気の温度を取得する。これら各センサ91〜93のセンサ値は、電気的に接続された制御装置100に送信される。
[熱電発電システム]
図2は、本実施形態に係る熱電発電システム10を模式的に示す図である。熱電発電システム10は、第1熱電素子11と、送受電装置19と、第2熱電素子21と、受電装置29とを備えている。
第1熱電素子11は、前段後処理装置40の外周側に不図示のブラケット等により、前段後処理装置40からの廃熱を伝達可能に固定される。なお、第1熱電素子11は、前段後処理装置40の外周面に直接貼り付けて固定されてもよい。また、第1熱電素子11は、前段後処理装置40よりも上流側の上流配管32に固定されてもよい。
第1熱電素子11は、前段後処理装置40の外周側に配置される筒状の高温側金属板部13と、高温側金属板部13の外周面に沿って設けられる高温側電極14と、高温側金属板部13よりも前段後処理装置40の外周側に配置される筒状の低温側金属板部15と、低温側金属板部15の内周面に沿って設けられる低温側電極16と、高温側電極14と低温側電極16との間に設けられるn型半導体17と、p型半導体18とを備え、高温側金属板部13が低温側金属板部15の内側に挿入された二重筒状に形成されている。第1熱電素子11は、高温側金属板部13と低温側金属板部15との間に温度差が発生すると、連結する閉回路に電流が流れるゼーベック効果により発電する。本実施形態において、第1熱電素子11は、高温側金属板部13と低温側金属板部15とを連結する閉回路に電流を流すと、これら金属板部13,15に温度差が発生するペルティエ効果により、高温側金属板部13を発熱させる。
このように、第1熱電素子11においては、低温側金属板部15の外周面は、エンジンルーム内で前段後処理装置40の外周に露出されるため、車両1の走行に伴う走行風や不図示のファンによる冷却風が、低温側金属板部15の外周面に沿って流れることにより、低温側金属板部15を効果的に冷却するように構成されている。一方、前段後処理装置40内を流れる高温排気の放熱が高温側金属板部13に伝達されることにより、高温側金属板部13を効果的に加熱するように構成されている。これにより、高温排気の廃熱を利用した高効率の発電が可能になり、前段後処理装置40からの放熱を効果的に遮断しつつ、オルタネータ39の負荷低減による燃費性能の向上を図ることも可能になる。
なお、第1熱電素子11は、所定の金属により形成される高温側金属板部13と、高温側金属板部13とは異なる金属により形成される低温側金属板部15とを接合して筒状に形成されたものでもよい。また、第1熱電素子11は、前段後処理装置40の外周を360度覆う筒状に形成される必要はなく、前段後処理装置40の外周を部分的に覆う半筒状に形成されてもよい。低温側金属板部15の材料は特に限定されないが、融点や熱伝導率、コスト等を考慮して採用されることが好ましく、具体的には、銅、アルミニウムが挙げられる。高温側金属板部13の材料も同様に特に限定されないが、銅やアルミニウムなどを選択することができる。
第1熱電素子11で発電された電力は、低温側金属板部15の外周面に設けられ、磁界共鳴方式(磁界共振結合方式)によって電力の送受電を行う送受電装置15Aから、不図示のシャシフレーム等に送受電装置15Aと対向して配置された送受電装置19に、非接触状態で送電される。送受電装置19に送電された電力は、制御装置100によって、エンジン30の負荷(例えば、発熱量)や車載バッテリ70のSOCに基づいて、不図示の電装品や車載バッテリ70に適宜に供給すればよい。また、第1熱電素子11の発電量は、制御装置100によって制御される。
第1熱電素子11への給電は、制御装置100からの指令に応じて、送受電装置19から送受電装置15Aに、磁界共鳴方式によって非接触状態で行なわれる。なお、第1熱電素子11は、電磁誘導方式等の他のワイヤレス方式や有線により送受電を行ってもよい。
第2熱電素子21は、下流配管34の外周側に不図示のブラケット等により、下流配管34からの廃熱が伝達可能に固定される。なお、第2熱電素子21は、下流配管34の外周面に直接貼り付けて固定されてもよい。
第2熱電素子21は、筒状の高温側金属板部23と、高温側金属板部23の外周面に沿って設けられる高温側電極24と、筒状の低温側金属板部25と、低温側金属板部25の内周面に沿って設けられる低温側電極26と、高温側電極24と低温側電極26との間に設けられるn型半導体27と、p型半導体28とを備え、高温側金属板部23が低温側金属板部25の内側に挿入された二重筒状に形成されている。第2熱電素子21は、高温側金属板部23と低温側金属板部25との間に温度差が発生すると、ゼーベック効果により発電する。
このように、第2熱電素子21においては、低温側金属板部25の外周面は、下流配管34の外周に露出されるため、車両1の走行に伴う走行風が低温側金属板部25の外周面に沿って流れることにより、低温側金属板部25を効果的に冷却するように構成されている。一方、下流配管34内を流れる高温排気の放熱が高温側金属板部23に伝達されることにより、高温側金属板部23を効果的に加熱するように構成されている。このような、高温側金属板部23の加熱作用は、特に、フィルタ再生時やSCR触媒61を硫黄被毒から回復させる触媒再生時に促進されるようになる。これにより、高温排気の廃熱を利用した高効率の発電が可能になり、下流配管34からの放熱を効果的に遮断しつつ、オルタネータ39の負荷低減による燃費性能の向上を図ることも可能になる。また、第2熱電素子21は、前段後処理装置40の下流側の下流配管34に配置されているため、前段後処理装置40の保温や昇温を妨げることなく、排気の廃熱を回収して発電することが可能に構成されている。
なお、第2熱電素子21は、所定の金属により形成される高温側金属板部23と、高温側金属板部23とは異なる金属により形成される低温側金属板部25とを接合して筒状に形成されたものでもよい。また、第2熱電素子21は、下流配管34の外周を360度覆う筒状に形成される必要はなく、下流配管34の外周を部分的に覆う半筒状に形成されてもよい。低温側金属板部25の材料は特に限定されないが、融点や熱伝導率、コスト等を考慮して採用されることが好ましく、具体的には、銅、アルミニウムが挙げられる。高温側金属板部23の材料も同様に特に限定されないが、銅やアルミニウムなどを選択することができる。
第2熱電素子21で発電された電力は、低温側金属板部25の外周面に設けられ、磁界共鳴方式によって電力の送電を行う送電装置25Aから、不図示のシャシフレーム等に送電装置25Aと対向して配置された受電装置29に、非接触状態で送電される。受電装置29に送電された電力は、制御装置100によって、エンジン30の負荷や、後述する触媒昇温制御や補助制御の実施状態や、車載バッテリ70のSOCに基づいて、第1熱電素子11や電装品や車載バッテリ70に適宜に供給すればよい。本実施形態において、第2熱電素子21は、高温側金属板部23と低温側金属板部25との間に温度差が発生すると、常に発電を行うように構成されている。これにより、排気の廃熱を効果的に回収すると共に、大気に放出される排気の温度を効果的に抑制することができる。なお、第2熱電素子21は、電磁誘導方式等の他のワイヤレス方式や有線により送受電を行ってもよい。
図3は、本実施形態に係る制御装置100及び関連する周辺構成を示す模式的な機能ブロック図である。
制御装置100は、例えば、コンピュータ等の演算を行う装置であり、互にバス等で接続されたCPU(Central Processing Unit)やROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、入力ポート、出力ポート等を備え、制御プログラムを実行する。
また、制御装置100は、制御プログラムの実行により、酸化触媒温度推定部110、触媒昇温制御部120、フィルタ再生制御部130、補助制御部140及び、発電制御部150を備える装置として機能する。これら各機能要素は、本実施形態では一体のハードウェアである制御装置100に含まれるものとして説明するが、これらのいずれか一部を別体のハードウェアに設けることもできる。
酸化触媒温度推定部110は、第1排気温度センサ91から送信される酸化触媒出口温度に基づいて、酸化触媒41の内部温度に相当するDOC触媒温度TDOCを推定する。なお、DOC触媒温度TDOCは、不図示のエンジン回転数センサやアクセル開度センサ、吸入空気流量センサ(Mass flow sensor:以下、MAFセンサ)等により取得されるエンジン30の運転状態に基づいて推定してもよい。酸化触媒温度推定部110により推定されるDOC触媒温度TDOCは、触媒昇温制御部120、フィルタ再生制御部130及び、発電制御部150に送信される。
触媒昇温制御部120は、酸化触媒温度推定部110から送信される酸化触媒温度TDOCが所定の活性温度(例えば、約200℃)よりも低い場合に、高温側金属板部13が発熱するように第1熱電素子11に通電し、DOC触媒温度TDOCを活性温度TACTまで上昇させる触媒昇温制御を実施する。触媒昇温制御における通電量は、酸化触媒温度推定部110から送信されるDOC触媒温度TDOCと活性温度TACTとの偏差に基づいてフィードバック制御すればよい。
このように、触媒昇温制御によれば、酸化触媒41の触媒温度を早期に活性温度TACTまで上昇させることで、排気エミッション性能を効果的に向上させることが可能になる。また、エンジン30の燃料噴射(例えば、アーリーポスト噴射)増加による触媒の昇温が不要となり、燃費性能の悪化を防止することが可能になる。触媒昇温制御は、酸化触媒温度TDOCが活性温度TACTに達すると終了する。
フィルタ再生制御部130は、差圧センサ92から送信される前後差圧Pが所定の上限差圧に達した場合、或いは、前回のフィルタ再生実施からのインターバル(例えば、累積走行距離や累積走行時間)が所定のインターバルに達した場合等、所定の実行条件が成立すると、フィルタ42に堆積しているPMを燃焼除去するフィルタ再生制御を実施する。
具体的には、フィルタ再生制御部130は、酸化触媒温度推定部110から送信されるDOC触媒温度TDOCがPM燃焼温度となるように、筒内インジェクタ4のポスト噴射や排気管インジェクタ5の排気管噴射によりフィルタ再生制御を行う。フィルタ再生制御におけるポスト噴射や排気管噴射の燃料噴射量は、PM燃焼温度と酸化触媒温度推定部110から送信されるDOC触媒温度TDOCとの偏差に基づいてフィードバック制御すればよい。フィルタ再生制御は、差圧センサ92から送信される前後差圧Pが所定の下限差圧まで低下した場合、燃料総噴射量が所定の上限噴射量に達した場合、或は、フィルタ再生制御開始からの経過時間が上限時間に達すると終了する。
補助制御部140は、フィルタ再生制御部130によるフィルタ再生制御の実施中に、高温側金属板部13が発熱するように第1熱電素子11に通電することによりフィルタ43を加熱し、フィルタ再生を補助する補助制御を実施する。
具体的には、補助制御部140は、酸化触媒温度推定部110から送信されるDOC触媒温度TDOCが、活性温度TACTよりも高く、かつ、PM燃焼温度よりも低い所定の第1目標温度となるように補助制御を行う。補助制御における第1熱電素子11への通電量は、予め設定した目標通電量に基づいてフィードフォワード制御すればよい。このように、フィルタ再生制御の実施中に、第1熱電素子11の発熱によりフィルタ42を加熱する補助制御を並行して実行することにより、フィルタ42の温度をPM燃焼温度まで早期かつ効率的に上昇させることが可能となる。また、ポスト噴射や排気管噴射による燃料噴射制御と並行して補助制御を実施することで、燃料噴射制御の総燃料噴射量を効果的に削減することが可能になる。
また、補助制御においては、第2熱電素子21で発電した電力が、第1熱電素子11に供給されるようになっている。すなわち、フィルタ再生制御時に前段後処理装置40から流れ出る高温排気の廃熱を無駄にすることなく、下流側の第2熱電素子21によって効果的に電力として回収できるように構成されている。これにより、車載バッテリ70の電力を直接使用するよりも、オルタネータ39の負荷を効果的に低減し、燃費の悪化を抑止することが可能になる。
発電制御部150は、第1熱電素子11の発電を制御する。具体的には、発電制御部150は、酸化触媒温度推定部110から送信される酸化触媒温度TDOCが活性温度TACTを超えており、かつ、補助制御部140による補助制御が実施されていない場合に、エンジン30の負荷や排気温度、車載バッテリ70のSOCに基づいて、第1熱電素子11により発電を行う熱電素子発電制御を実施する。これにより、排気の廃熱を効果的に回収することができる。また、排気の温度を低下させることにより、後段後処理装置60に収容されたSCR触媒61等が必要以上に昇温することを抑制することも可能になり、排気エミッション性能を効果的に維持することができる。
次に、図4に基づいて、本実施形態に係る制御装置による制御のフローを説明する。本制御は、好ましくは、エンジン30の不図示のイグニッションスイッチのON操作と同時に開始される。
ステップS110では、酸化触媒温度TDOCが活性温度未満か否かを判定する。酸化触媒温度TDOCが活性温度未満の場合(Yes)、本制御はステップS120に進む。一方、酸化触媒温度TDOCが活性温度以上の場合(No)、本制御はステップS140に進む。
ステップS120では、第1熱電素子11に通電する触媒昇温制御を実施する。
ステップS130では、酸化触媒温度TDOCが活性温度に達しているか否かを判定する。酸化触媒温度TDOCが活性温度に達していない場合(No)には、本制御はステップS120を繰り返し実行する。一方、酸化触媒温度TDOCが活性温度に達している場合(Yes)、本制御はステップS140に進む。
ステップS140では、差圧センサ92から送信される前後差圧Pが所定の上限差圧に達するか、或いは、前回のフィルタ再生実施からのインターバルが所定のインターバルに達する、フィルタ再生の実行条件が成立するか否かを判定する。フィルタ再生の実行条件が成立する場合(Yes)、本制御はステップS150に進む。一方、実行条件が不成立の場合(No)、本制御はリターンされる。
ステップS150では、筒内インジェクタ4のポスト噴射や排気管インジェクタ5の排気管噴射によるフィルタ再生制御、及び、第1熱電素子11に通電する補助制御を実施する。
ステップS160では、フィルタ再生の終了条件が成立しているか否かを判定する。フィルタ再生の終了条件が成立していない場合(No)には、本制御はステップS150を繰り返し実行する。一方、フィルタ再生の終了条件が成立している場合(Yes)、本制御はステップS170に進む。
ステップS170では、エンジン30の負荷や排気温度、車載バッテリ70のSOCに基づいて、第1熱電素子11により発電を行う熱電素子発電制御を実施する。その後、本制御はリターンされる。
以上詳述した本実施形態によれば、高温側金属板部13は、前段後処理装置40からの伝熱により加熱されることで温度が上昇する。一方、低温側金属板部15は、エンジンルーム内を通過する走行風やファンによる冷却風により温度が下降する。このため、高温側金属板部13と低温側金属板部15とに温度差(温度勾配)が発生し、第1熱電素子11が発電を行うように構成されている。これにより、低温側金属板部15と高温側金属板部13との間に連続的に温度差が生じるようになり、前段後処理装置40の廃熱を利用した高効率の発電を実現することが可能になる。
また、フィルタ再生制御時に、ポスト噴射や排気管噴射による燃料噴射制御と並行して、第1熱電素子11に通電する補助制御を実施するように構成されている。これにより、フィルタ42の温度をPM燃焼温度まで早期かつ効率的に上昇させることが可能となり、さらには、燃料噴射制御の総燃料噴射量を効果的に削減することが可能になり、エンジン30の燃費性能を確実に向上させることが可能になる。
[その他]
なお、本開示は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜に変形して実施することが可能である。
例えば、上記実施形態においては、補助制御は、フィルタ再生制御時に併用されるものとして説明したが、排気をリッチ状態にして排気温度を硫黄離脱温度(例えば、約600℃)まで上昇させて、SCR触媒61を硫黄被毒から回復させる触媒再生制御時に併用されてもよい。
また、低温側金属板部15,25の上面には、所定の高さで突出する熱交換用のフィン15B,25Bを複数設けてもよい(図5(A,B)参照)。フィン15B,25Bを形成することで、低温側金属板部15,25の表面積が拡大され、低温側金属板部15,25と空気との熱交換により、低温側金属板部15,25の冷却が促進されるようになる。結果として、低温側金属板部15,25と高温側金属板部13,23との温度差が拡大することになり、熱電素子11,21での発電を促進することが可能になる。フィン15B,25Bを構成する材料としては、特に限定されないが、熱伝導率及びコストの観点から銅及びアルミニウムを好適に採用することができる。
1 車両
4 筒内インジェクタ
5 排気管インジェクタ
10 熱電発電システム
11 第1熱電素子
13 高温側金属板部
15 低温側金属板部
15A 送受電装置
19 送受電装置
21 第2熱電素子
23 高温側金属板部
25 低温側金属板部
25A 送電装置
29 受電装置
30 エンジン
32 上流配管
33 接続配管
34 下流配管
40 前段後処理装置
41 酸化触媒
42 フィルタ
50 後段後処理装置
61 SCR触媒(NOx触媒)
70 車載バッテリ
100 制御装置
110 酸化触媒温度推定部
120 触媒昇温制御部
130 フィルタ再生制御部
140 補助制御部
150 発電制御部

Claims (4)

  1. エンジンの排気系に設けられており、排気を浄化する後処理装置と、
    前記後処理装置の外周側、又は、前記後処理装置よりも上流側に排気からの廃熱を伝達可能に配置される高温側金属板部と、前記高温側金属板部の外周側に配置される低温側金属板部と、を含み、前記高温側金属板部と前記低温側金属板部とに生じる温度差により発電可能な第1熱電素子と、
    前記後処理装置に流入する排気の温度を上昇させて、前記後処理装置の浄化能力を回復させる再生制御時に、電力を前記第1熱電素子に供給することにより前記高温側金属板部を発熱させ、前記後処理装置を加熱する補助制御を実施する補助制御部と、を備える
    ことを特徴とする熱電発電システム。
  2. 前記後処理装置よりも下流側の排気管の外周側に排気からの廃熱を伝達可能に配置される高温側金属板部と、該高温側金属板部の外周側に配置される低温側金属板部と、を含み、該高温側金属板部と該低温側金属板部とに生じる温度差により発電可能な第2熱電素子をさらに備え、
    前記補助制御部は、前記再生制御時に、前記第2熱電素子で発電した電力を、前記第1熱電素子に供給することにより、前記補助制御を実施する
    請求項1に記載の熱電発電システム。
  3. 前記後処理装置は、排気中の粒子状物質を捕集するフィルタを含み、
    前記再生制御は、前記フィルタの温度を上昇させて、該フィルタに堆積した前記粒子状物質を燃焼除去するフィルタ再生制御である
    請求項1又は請求項2に記載の熱電発電システム。
  4. 前記後処理装置は、排気中のNOxを浄化するNOx触媒を含み、
    前記再生制御は、前記NOx触媒の温度を上昇させて、該NOx触媒を硫黄被毒から回復させる触媒再生制御である
    請求項1から請求項3の何れか一項に記載の熱電発電システム。
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