JP2021122503A - 床面清掃装置 - Google Patents

Abstract

【課題】装置の小型化を実現するとともに、駆動効率を向上させることができ、また、床面の状況に関わらず床面の汚水を確実に回収することが可能な床面清掃装置を提供する。
【解決手段】床面清掃装置１０は、集水ノズル１８と、保水可能な回転ブラシ２６（２６Ａ，２６Ｂ）と、汚水を貯留可能な貯留部３１を有する集水ボックス１６と、を備える。回転ブラシ２６が回転駆動された場合に、床面２３の汚水を回転ブラシ２６が吸収して保持し、回転ブラシ２６の回転による遠心力によって、回転ブラシ２６に保水されていた汚水がミスト状にされて上方へ向けて飛ばされ、開口１７７及び吸引口１６８を通じて集水ボックス１６の内部の貯留部３１に貯留させることができる。
【選択図】図８

Description

本発明は、床面を移動しつつ、洗浄液を用いて前記床面を清掃する床面清掃装置に関する。

従来、洗浄液を用いて回転ブラシで床面を清掃する床面清掃装置が知られている。この種の床面清掃装置の一例として、床面を回転ブラシで洗浄した後の汚水を湾曲状の集水ノズルで集めつつ、集められた前記汚水を真空ポンプなどで吸い上げて汚水タンクに移送する床面洗浄機が公知である（特許文献１参照）。前記床面洗浄機では、前記集水ノズルの吸水口が床面に接するように前記集水ノズルが設けられている。

特開２０１８−３０４号公報

しかしながら、前掲の従来の床面洗浄機では、前記集水ノズルの吸水口から前記汚水とともに空気も吸い込む構造であるため、出力の大きい大容量の真空ポンプを適用しなければならず、装置自体が大型化するのみならず、前記真空ポンプの駆動効率も悪化する。また、前記集水ノズルを床面に密着させなければ汚水を吸引することができない。そのため、床面に凹凸がある場合は、前記集水ノズルと床面の凹凸部分との間に隙間が生じ、汚水を吸い上げることができず、汚水を床面に残してしまうという問題が生じうる。また、前記集水ノズルが床面に接触した状態で床面洗浄機が移動すると、その接触部分に塵や埃などのゴミが詰まり、当該ゴミの除去作業を余儀なくされる。

本発明の目的は、装置の小型化を実現するとともに、駆動効率を向上させることができ、また、床面の状況に関わらず床面の汚水を確実に回収することが可能な床面清掃装置を提供することにある。

(1) 本発明の一の局面に係る床面清掃装置は、床面を移動しつつ、洗浄液を用いて前記床面を洗浄するよう構成されている。前記床面清掃装置は、ノズル部と、回転ブラシと、汚水収集ボックスと、を備える。前記ノズル部は、前記床面清掃装置の移動方向に交差する幅方向に長く、前記床面清掃装置の移動に伴い前記洗浄液を含む汚水を集める。前記回転ブラシは、前記床面に接触させた状態で前記ノズル部に回転可能に支持され、保水可能に構成されており、回転時の遠心力により前記汚水を上方へ飛翔させる。前記汚水収集ボックスは、前記ノズル部の上側に設けられ、前記ノズル部の内部に連通する吸引口、及び前記吸引口から流入した前記汚水を貯留する貯留部を有する。

このように構成されているため、前記回転ブラシが回転駆動された場合に、前記床面の汚水を前記回転ブラシが吸収して保持することが可能となる。また、前記回転ブラシの回転による遠心力によって、前記回転ブラシに保持されていた汚水滴が上方へ向けて飛ばされ、前記吸引口を通じて前記汚水収集ボックスの内部の前記貯留部に移動させることができる。これにより、前記床面に凹凸があったとしても、床面の状況に関わらず、床面の汚水を確実に前記貯留部に回収することができる。

(2) 本発明の床面清掃装置は、送風機と、汚水案内路と、を更に備える。前記送風機は、前記汚水収集ボックスの内部空間の空気を吸引して前記回転ブラシの回転によって飛散する汚水滴を前記吸引口から上方へ移動させる気流を生じさせる。前記汚水案内路は、前記汚水収集ボックスに設けられ、前記吸引口から上方へ延出する先細り形状に形成され、前記汚水収集ボックスの内部空間に前記汚水滴を案内する。

この構成によれば、前記吸引口へ向けて飛翔した汚水滴は、前記送風機の吸気による気流に乗って前記汚水収集ボックス内に入り込みやすくなる。また、前記汚水案内路が上方へ向けて先細り形状に形成されているため、前記送風機の吸引力が小さくても、前記汚水案内路における出口付近の上昇気流圧を高めることができる。これにより、前記送風機が、出力の小さい小容量のものであっても、前記汚水案内路に進入した汚水滴を前記汚水収集ボックスの内部に吸い上げることができる。つまり、床面清掃装置において、小容量の送風機を適用することが可能となる。その結果、床面清掃装置の駆動効率を向上させることができ、また、前記送風機の小型化により、床面清掃装置を小型化することができる。

(3) 本発明の床面清掃装置において、前記汚水案内路は、前記内部空間において前記移動方向の一方側に設けられている。また、前記送風機による空気の排出口は、前記汚水収集ボックスにおいて前記移動方向の他方側に設けられている。

この構成によれば、前記汚水案内路を通って上方へ通過した汚水滴は、前記送風機の吸気による気流に乗って前方側へ移動し、前記排出口に到達することなく前記貯留部に落下して、前記貯留部に貯められる。これにより、汚水滴が前記汚水案内路に逆流することが防止される。

(4) 本発明の床面清掃装置において、前記汚水収集ボックスは、前記移動方向に隔てられた一対の側壁と、傾斜板と、を有する。前記傾斜板は、前記一対の側壁の間に設けられ、一方の側壁との間で前記貯留部を形成するとともに、他方の側壁との間で前記汚水案内路を形成する。

この構成によれば、前記貯留部と前記汚水案内路を１枚の前記傾斜板によって隔てることができるので、汚水収集ボックスの内部構造を簡素化することができる。

(5) 本発明の床面清掃装置は、前記汚水を収容するための汚水タンクと、前記貯留部に貯留された前記汚水を吸引して前記汚水タンクに移送する第１ポンプと、を更に備える。

この構成によれば、前記貯留部で貯留しきれない汚水を前記汚水タンクに回収することができる。これにより、前記汚水タンクが汚水で満たされるまで、床面清掃装置を長時間稼働させることができる。

(6) 本発明の床面清掃装置において、前記回転ブラシは、前記幅方向に長い少なくとも一つのローラブラシを含む。

(7) 本発明の床面清掃装置において、前記回転ブラシは、前記移動方向に隔てられ互いに平行な第１ローラブラシ及び第２ローラブラシを有する。前記第１ローラブラシは、前記吸引口よりも前記移動方向側に配置され、前記床面を前記移動方向とは反対の後方へ摺動するように回転駆動されるものである。前記第２ローラブラシは、前記吸引口よりも前記移動方向側とは反対の前記後方側に配置され、前記床面を前記移動方向と同方向へ摺動するように回転駆動されるものである。

この構成によれば、前記第１ローラブラシが保持した汚水が前記吸引口へ向けて飛散し易くなり、また、前記第２ローラブラシに保持された汚水も前記吸引口へ向けて飛散し易くなる。その結果、各ブラシによる汚水の上方への移動が効率よく行われ、汚水の回収効率が向上する。

(8) 本発明の床面清掃装置において、前記第２ローラブラシの保水力は、前記第１ローラブラシの保水力よりも大きい。

この構成によれば、床面清掃装置の移動中に、前記第１ローラブラシでは吸収できなかった汚水を、前記第２ローラブラシが確実に吸収して回収することができる。

(9) 本発明の床面清掃装置は、ガード部材を更に備える。前記ガード部材は、前記ノズル部における前記移動方向とは反対の後方側に設けられており、前記回転ブラシの回転によって後方へ飛散する前記汚水滴をガードする。

この構成によれば、前記回転ブラシの回転による遠心力によって後方へ飛散する汚水滴がノズル部の外側へ飛散することを防止できる。

(10) 本発明の床面清掃装置において、前記ガード部材は、前記回転ブラシの外周面に接触又は近接する湾曲面を有する。

この構成によれば、前記回転ブラシから後方へ飛び出した汚水滴は前記湾曲面によって受け止められる。このため、前記湾曲面に受け止められた汚水を再び前記回転ブラシに吸収させることができる。

(11) 本発明の床面清掃装置において、前記回転ブラシは、吸水性のある吸水部材を含む。

(12) 本発明の床面清掃装置は、前記洗浄液を収容する洗浄液タンクと、前記洗浄液タンクと前記ノズル部とを連結する連結管と、前記洗浄液を吸引して前記連結管を通じて前記洗浄液を前記ノズル部の内部に移送する第２ポンプと、を更に備える。

この構成によれば、洗浄液を予め前記床面に散布する必要がない。また、前記ノズル部の内部に洗浄液が供給されるため、前記床面に対して広範囲に洗浄液を散布する場合に比べて洗浄液の無駄な消費を抑制することができる。

本発明によれば、装置の小型化を実現するとともに、駆動効率を向上させることができ、また、床面の状況に関わらず床面の汚水を確実に回収することが可能である。

図１は、本発明の実施形態に係る床面清掃装置の前方側の外観を示す斜視図である。 図２は、床面清掃装置の内部の構成を示す模式図である。 図３は、図２における切断線ＩＩＩ−ＩＩＩの断面を示す模式図であり、集水ボックスを支持する支持ホルダの構成を示す図である。 図４は、支持ホルダの構成を示す後方斜視図である。 図５は、床面清掃装置の後方部の側面図であり、床面清掃装置の集水ボックスが装着された状態を示す図である。 図６は、床面清掃装置の後方部の側面図であり、集水ボックスが床面清掃装置から取り外された状態を示す図である。 図７は、床面清掃装置が備える集水ボックスの構成を示す斜視図である。 図８は、集水ボックスの内部の構成を示す拡大図である。 図９は、集水ボックスにおける洗浄液、汚水、空気の流れを示す模式図である。

以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。また、説明の便宜上、各図において、内部構成を実線で示している場合がある。また、以下の説明では、各図に示される上下方向Ｄ１、前後方向Ｄ２、左右方向又は幅方向Ｄ３を用いる。

［床面清掃装置１０］
図１は、本発明の実施形態に係る床面清掃装置１０（本発明の床面清掃装置の一例）の前方側の外観を示す斜視図である。床面清掃装置１０は、自律走行型の清掃装置である。床面清掃装置１０は、空港や駅、ショッピングモールなどのコンコースの床面２３（図２参照）を前方（進行方向）へ自律走行により移動しながら、洗浄液を用いて床面２３（被清掃面）をブラッシングすることにより床面２３を清掃する。床面清掃装置１０は、予め入力された走行ルートや清掃エリア、清掃する時間帯、充電のために戻る帰還位置などの各種清掃情報に基づいて、床面２３を自律走行しながら自動的に清掃する。

なお、床面清掃装置１０は、本発明の床面清掃装置の単なる一例であって、本発明は、自律走行するものに限られない。例えば、本発明は、作業者が手押しすることにより床面２３を移動しつつ、洗浄液を用いて床面２３を清掃する清掃装置にも適用可能である。或いは、屋外の歩行路や車道路などの路面を自律走行又は手動走行しながら前記路面を清掃する清掃装置にも本発明は適用可能である。

図２は、床面清掃装置１０の構成を示す模式図である。図２に示すように、床面清掃装置１０は、装置本体１１と、装置本体１１に設けられた各機能部とにより構成されている。具体的には、装置本体１１には、走行部１２、モータ１３、バッテリ１４、吸気ファン１５（本発明の送風機の一例）、集水ボックス１６（本発明の汚水収集ボックスの一例）、支持ホルダ１７、集水ノズル１８（本発明のノズル部の一例）、操作部２０、表示パネル２１、洗浄液タンク２４（本発明の洗浄液タンクの一例）、供給ポンプ２５（本発明の第２ポンプの一例）、汚水タンク２２（本発明の汚水タンクの一例）、回収ポンプ２７（本発明の第１ポンプの一例）、及び制御ユニット４０などが設けられている。

装置本体１１は、床面清掃装置１０の筐体であり、図１に示すように、床面清掃装置１０の外装を構成する外装カバー１１Ａを有する。また、図２に示すように、装置本体１１は、その下部にシャーシ１１Ｂを有する。シャーシ１１Ｂは、床面２３に対して概ね平行に設けられている。また、装置本体１１の内部には、上述の各機能部を支持するためのフレームが適宜設けられている。

図２に示すように、走行部１２は、装置本体１１の下部に設けられている。走行部１２は、装置本体１１の走行姿勢を維持しつつ進行方向の搬送力を床面２３に伝達するものであり、シャーシ１１Ｂに取り付けられている。走行部１２は、モータ１３によって回転駆動される走行用の一対の車輪１２１と、姿勢保持用の４つのキャスタ１２２とを有する。各車輪１２１の回転速度が等速に制御されると、床面清掃装置１０は真っ直ぐに進行し、各車輪１２１の回転速度が異なる速度に制御されると、回転速度の遅い車輪１２１側へ床面清掃装置１０が曲がる。

車輪１２１は、シャーシ１１Ｂの前後方向Ｄ２の中央であって、幅方向Ｄ３の両端部それぞれに回転可能に支持されている。４つのキャスタ１２２は、シャーシ１１Ｂの前方端の両端部、及びシャーシ１１Ｂの後方端の両端部に回転可能に支持されている。床面清掃装置１０が床面２３に置かれた状態で、車輪１２１及びキャスタ１２２の各外周面は床面２３によって支持される。これにより、装置本体１１が、図１や図２に示される走行姿勢に維持される。

吸気ファン１５は、装置本体１１の内部において、後方側に設けられている。吸気ファン１５は、集水ボックス１６に設けられた後述の吸引口１６８から空気とともに汚水ミスト（汚水滴）を集水ボックス１６の内部に吸い上げる吸引力を発生させるものである。吸気ファン１５は、集水ボックス１６の内部の空気を集水ボックス１６の排出ポート１６５（本発明の排出口の一例）から吸い出すことにより集水ボックス１６内を負圧にし、これにより、吸引口１６８から空気と前記汚水ミストを上方へ移動させる気流を生じさせる。吸気ファン１５の吸気口は、吸気用のフレキシブルチューブ１５１によって後述の吸気ポート１７４に接続されている。また、吸気ファン１５の吹出口は、排気管（不図示）によってシャーシ１１Ｂに設けられた排気口（不図示）に接続されている。このため、吸気ファン１５が駆動されると、フレキシブルチューブ１５１の先端の吸気口から空気が吸い込まれ、その空気は、フレキシブルチューブ１５１、吸気ファン１５、前記排気管を通って、排出ポート１６５から外部に排出される。

集水ボックス１６が支持ホルダ１７に装着された状態で、吸気ポート１７４は、集水ボックス１６の上部に設けられた排出ポート１６５に接続される。このように、吸引口１６８と排出ポート１６５との間に上下方向Ｄ１の適度な間隔が開けられているため、吸気ファン１５によって吸引口１６８から吸い上げられた前記汚水ミストは排出ポート１６５に到達せずに後述の貯留部３１に落下して、貯留部３１に溜まる。一方、吸引口１６８から吸い上げられた空気だけが吸気ファン１５による上方への気流に乗って上昇し、排出ポート１６５から外部に排出される（図９の点線矢印参照）。

バッテリ１４は、装置本体１１の中心部に設けられている。バッテリ１４は、モータ１３及び吸気ファン１５に駆動用の電力を供給する。また、バッテリ１４は、後述する回転ブラシ２６の回転駆動用のモータ６２（図３参照）に駆動用の電力を供給する。

図２に示すように、集水ボックス１６は、装置本体１１の背面に設けられている。集水ボックス１６は、装置本体１１に装着された状態で、カバー１６２によって覆われている。集水ボックス１６は、後述の支持ホルダ１７に取り外し可能に装着されている。なお、カバー１６２は、支持ホルダ１７に取り付けられている。

支持ホルダ１７は、装置本体１１の背面側に設けられている。支持ホルダ１７は、集水ボックス１６を着脱可能に支持するよう構成されている。支持ホルダ１７には、吸気ポート１７４が設けられている。吸気ポート１７４は、支持ホルダ１７の前側の側面を貫通して、集水ボックス１６の排出ポート１６５に至っている。吸気ポート１７４にフレキシブルチューブ１５１の端部が接続されている。

集水ノズル１８は、支持ホルダ１７の下部に設けられている。集水ノズル１８は、集水ボックス１６に連通している。これにより、吸気ファン１５が駆動されると、集水ノズル１８から吸い込まれた空気及び前記汚水ミストが開口１７７、吸引口１６８を通って集水ボックス１６の内部に流入する。なお、集水ボックス１６、支持ホルダ１７、集水ノズル１８の詳細については後述する。

操作部２０は、装置本体１１の背面の上部に設けられている。操作部２０は、外装カバー１１Ａに取り付けられている。操作部２０は、オペレータよって操作される装置であり、例えば、タッチ操作が可能なタッチパネルを有する端末装置である。床面清掃装置１０に対する各種の清掃情報（走行ルート、清掃エリア、清掃時間帯、帰還位置などの情報）は、操作部２０から入力することができる。入力された清掃情報は、制御ユニット４０に転送され、制御ユニット４０による走行制御に用いられる。

表示パネル２１は、装置本体１１の前面に設けられている。表示パネル２１は、例えば液晶パネルである。表示パネル２１には、清掃中に各種のアナウンス情報が制御ユニット４０によって表示される。前記アナウンス情報は、例えば、清掃中であることを示す情報、清掃しているフロアに関する案内情報などである。

制御ユニット４０は、装置本体１１の上部に設けられている。制御ユニット４０は、床面清掃装置１０の走行、吸気ファン１５の駆動、回転ブラシ２６の駆動、表示パネル２１の画面表示などを制御する。制御ユニット４０は、例えば、ＣＰＵ、ＲＯＭ、及びＲＡＭなどの制御機器、ＨＤＤやフラッシュメモリなどの記憶媒体又は記憶装置などを有する。前記ＣＰＵは、各種の演算処理を実行するプロセッサである。前記ＲＯＭは、前記ＣＰＵに各種の処理を実行させるためのＢＩＯＳ及びＯＳなどの制御プログラムが予め記憶された不揮発性のメモリである。前記ＲＡＭは、各種の情報を記憶する揮発性又は不揮発性のメモリであり、前記ＣＰＵが実行する各種の処理の一時記憶メモリ（作業領域）として使用される。制御ユニット４０は、前記ＲＯＭ又は記憶装置に予め記憶された各種の制御プログラムを前記ＣＰＵで実行することにより、床面清掃装置１０の走行、吸気ファン１５の駆動、回転ブラシ２６の駆動などを制御する。

洗浄液タンク２４及び汚水タンク２２は、バッテリ１４の上側の支持フレーム１１Ｃに設けられている。洗浄液タンク２４は、床面２３の清掃に用いられる洗浄液を収容する。前記洗浄液は、例えば、水などの溶剤（溶媒）に洗浄剤が溶解した液体、或いは、水そのものである。汚水タンク２２は、後述する回収ポンプ２７によって移送された汚水を収容する。

供給ポンプ２５は、洗浄液タンク２４から前記洗浄液を吸引し、その洗浄液を集水ノズル１８に移送するポンプである。装置本体１１の内部には、シャーシ１１Ｂの後端部から上方へ延びる板状の縦フレーム１１Ｄが設けられている。供給ポンプ２５は縦フレーム１１Ｄの前方側の面に取り付けられている。洗浄液タンク２４と集水ノズル１８とは、供給ポンプ２５を介して供給チューブ２４１（本発明の連結管の一例）によって連結されている。供給チューブ２４１は、例えば、可撓性を有するフレキシブルチューブである。このため、供給ポンプ２５が駆動されると、洗浄液タンク２４から前記洗浄液が吸引され、前記洗浄液が供給チューブ２４１を通じて、集水ノズル１８の内部に供給される。本実施形態では、床面清掃装置１０の清掃動作時に、前記洗浄液は集水ノズル１８の内部における前方側の空隙１８２（図８参照）に供給される（図９の点線矢印参照）。

回収ポンプ２７は、汚水タンク２２に取り付けられている。回収ポンプ２７は、集水ボックス１６の内部に設けられた後述の貯留部３１に貯留された汚水を吸引し、その汚水を汚水タンク２２に移送するポンプである。回収ポンプ２７と集水ボックス１６とは、フレキシブルチューブなどの回収チューブ２２１によって連結されている。具体的には、回収チューブ２２１の集水ボックス１６側の端部は、集水ボックス１６に設けられた管継ぎ手４１に接続されている。

［支持ホルダ１７］
図２に示すように、床面清掃装置１０の背面側に支持ホルダ１７が設けられている。支持ホルダ１７は、装置本体１１の内部の縦フレーム１１Ｄに取り付けられている。

図３は、集水ボックス１６を支持する支持ホルダ１７の構成を示す図であり、図２における切断線ＩＩＩ−ＩＩＩを後方から前方へ見たときの断面図である。図４は、支持ホルダ１７の構成を示す後方斜視図である。なお、図４には、集水ボックス１６が取り外された状態が示されている。また、図４では、支持ホルダ１７及び集水ノズル１８以外の構成の図示が省略されている。

図３及び図４に示すように、支持ホルダ１７は、上下方向Ｄ１に延びるベース部１７１と、ベース部１７１に固定されたボックス収容部１７２と、を有する。

ベース部１７１は、板金を屈曲加工して形成されたものであり、縦フレーム１１Ｄに取り付けられるベース板１７１Ａと、ベース板１７１Ａの幅方向Ｄ３の両端それぞれから後方へ突出する側板１７１Ｂ，１７１Ｃとにより構成されている。ベース板１７１Ａの上端には、フレキシブルチューブ１５１の端部を接続するための筒形状の吸気ポート１７４（図４参照）が取り付けられている。吸気ポート１７４は、ベース板１７１Ａから前方へ突出している。また、吸気ポート１７４は、ベース板１７１Ａを貫通しており、その端部は、ベース板１７１Ａの後方側の面の上端部に現れる（図４参照）。

集水ボックス１６がボックス収容部１７２に装着された状態で、集水ボックス１６の前壁１６Ｂに設けられた排出ポート１６５が吸気ポート１７４の端部に接続される。これにより、集水ボックス１６から空気を吸引可能なように、フレキシブルチューブ１５１と集水ボックス１６とが接続される。

なお、集水ボックス１６の内部には、排出ポート１６５から排出される空気から塵埃などのゴミ類を捕集して取り除き、清浄な空気にするエアーフィルタ１６９が設けられている。エアーフィルタ１６９として、例えば、ケミカルフィルタや、ＨＥＰＡフィルタ、ＵＬＰＡフィルタなどを用いることができる。

ボックス収容部１７２は、集水ボックス１６を着脱可能に支持する。ボックス収容部１７２は、ベース部１７１の後方側の面に固定されており、ベース部１７１において幅方向Ｄ３の中央に配置されている。ボックス収容部１７２は、板金を屈曲加工して形成されたものであり、ベース部１７１に固定される取付板１７２Ａと、取付板１７２Ａの幅方向Ｄ３の両端それぞれから後方へ突出する側板１７２Ｂ，１７２Ｃとにより構成されている。ボックス収容部１７２は、ベース部１７１よりも、幅方向Ｄ３の長さが短いため、ボックス収容部１７２は、ベース部１７１における側板１７１Ｂと側板１７１Ｃとにより囲まれたスペースに収容される。

ボックス収容部１７２の後方側は開放されており、上方側も開放されている。したがって、図５及び図６に示すように、集水ボックス１６は、カバー１６２に設けられた不図示の扉を開けた状態で、このボックス収容部１７２に対して後方の斜め上方へ引き上げることができ、ボックス収容部１７２から集水ボックス１６を容易に取り外すことができる。ここで、図５及び図６は、床面清掃装置１０の後方部の側面図であり、図５は、集水ボックス１６がボックス収容部１７２に装着された状態を示し、図６は、集水ボックス１６がボックス収容部１７２から取り外された状態を示す。

ボックス収容部１７２の底面１７２Ｄには、幅方向Ｄ３に長い長方形状の開口１７７（図４参照）が形成されている。開口１７７は、後述する集水ノズル１８に連通している。ボックス収容部１７２に集水ボックス１６が装着された状態で、集水ボックス１６の底面１６Ａに設けられた吸引口１６８（図６参照）が開口１７７に位置合わせされる。これにより、集水ノズル１８と集水ボックス１６とが連通し、集水ノズル１８から空気とともに吸い上げられた汚水ミストが吸引口１６８を通じて集水ボックス１６の内部に流入可能となる。

図３に示すように、支持ホルダ１７には、後述の回転ブラシ２６に駆動力を供給するモータ６２と、複数のギヤで構成された伝達機構６４とが設けられている。モータ６２は、側板１７２Ｃと側板１７１Ｃとの間に設けられた収容部１７９に設けられている。モータ６２の回転駆動力は、伝達機構６４を経て、回転ブラシ２６の回転軸２６１に伝達される。床面清掃装置１０の走行時にモータ６２が制御ユニット４０によって駆動されると、回転ブラシ２６が所定方向に回転される。

［集水ボックス１６］
図７は、集水ボックス１６の構成を示す斜視図である。図８は、集水ボックス１６の内部の構成を示す拡大図である。集水ボックス１６は、後述の集水ノズル１８の吸入口１８１から吸引された汚水を一時的に貯留するものである。図７に示すように、集水ボックス１６は、内部が空洞のボックス形状に形成されており、上下方向Ｄ１及び幅方向Ｄ３に長く、前後方向Ｄ２に薄い直方体形状に形成されている。

集水ボックス１６の底面１６Ａには、幅方向Ｄ３に長い吸引口１６８が形成されている。吸引口１６８は、底面１６Ａにおいて後方側に形成されている。支持ホルダ１７に集水ボックス１６が装着された状態で、吸引口１６８は、ボックス収容部１７２の底面１７２Ｄに形成された開口１７７（図４、図８参照）に位置合わせされる。

また、集水ボックス１６の前方側の前壁１６Ｂの上部には、集水ボックス１６の内部に連通する排出ポート１６５が形成されている。言い換えると、排出ポート１６５は、集水ボックス１６において、床面清掃装置１０の進行方向（前進方向）と同じ前方側に設けられている。排出ポート１６５は、吸気ファン１５によって吸い込まれることにより、集水ボックス１６内の空気を外部に排出するための貫通孔である。集水ボックス１６がボックス収容部１７２に装着された状態で、排出ポート１６５が吸気ポート１７４に接続される。

本実施形態では、底面１６Ａの後方側に吸引口１６８が形成されているのに対して、排出ポート１６５は、集水ボックス１６の前壁１６Ｂに設けられており、且つ、底面１６Ａから上方へ隔てた位置に設けられている。これにより、集水ノズル１８から吸引口１６８へ向けて飛翔した汚水ミストは、吸気ファン１５による吸気による気流に乗って集水ボックス１６の内部に流入し易くなる。また、内部に流入した汚水ミストは、吸気ファン１５による吸気による気流に乗って前方側へ移動し、排出ポート１６５に到達することなく後述の貯留部３１に落下して、貯留部３１に貯められる（図９の実線矢印参照）。

図８に示すように、集水ボックス１６の内部には、汚水を一時的に貯留するための貯留部３１が設けられている。貯留部３１には、集水ノズル１８から開口１７７、吸引口１６８を経て集水ボックス１６内に流入した汚水が貯留される。

集水ボックス１６の内部には、汚水案内路３２が形成されている。汚水案内路３２は、吸引口１６８から上方へ延出しており、上方へ向けて先細り形状に形成されている。吸引口１６８から上方へ向けて進入した汚水ミストは、汚水案内路３２を通って、その上端部の出口３２１から集水ボックス１６の内部空間に案内される。このように汚水案内路３２が上方へ向けて先細り形状に形成されているため、吸気ファン１５の吸引力が、汚水ミストが排出ポート１６５に到達しない程度であっても、汚水案内路３２における出口３２１付近の上昇気流圧を高めることができる。これにより、出力の小さい小容量の吸気ファン１５であっても、汚水案内路３２に進入した汚水ミストを集水ボックス１６の内部に吸い上げることができる。

具体的には、集水ボックス１６の前壁１６Ｂと、前壁１６Ｂに対向する後方側の後壁１６Ｃとの間に傾斜板３５が設けられており、この傾斜板３５と後壁１６Ｃとによって汚水案内路３２が形成されている。傾斜板３５は、幅方向Ｄ３に長い板状部材であり、その幅方向Ｄ３の両端は集水ボックス１６の両側壁１６Ｄ（図７参照）に接合されている。また、傾斜板３５は、集水ボックス１６の底面１６Ａから後方斜め上方へ延出し、その延出端から上方へ屈曲することにより、傾斜板３５と後壁１６Ｃとの間に、上向き先細り形状の汚水案内路３２を形成する。なお、前壁１６Ｂ及び後壁１６Ｃは、本発明の一対の側壁の一例である。

また、傾斜板３５の基端部３５１は、底面１６Ａの吸引口１６８の前方端に接合している。上述したように、傾斜板３５の幅方向Ｄ３の両端は集水ボックス１６の両側壁１６Ｄに接合されているため、これにより、底面１６Ａ、前壁１６Ｂ、傾斜板３５、及び後壁１６Ｃによって、貯留部３１が形成される。言い換えると、傾斜板３５は、前壁１６Ｂとの間に貯留部３１を形成する。

集水ボックス１６の内部には、管継ぎ手４１が設けられている。管継ぎ手４１は、集水ボックス１６の前壁１６Ｂの内面に固定されている。管継ぎ手４１は、貯留部３１よりも上側に設けられている。管継ぎ手４１は、前壁１６Ｂに形成された貫通孔を通じて、回収チューブ２２１に接続されている。

管継ぎ手４１は、例えば、所謂ワンタッチ式の雌型の継ぎ手であり、支持ホルダ１７に対する集水ボックス１６の着脱動作に応じて、回収チューブ２２１の端部と連結する。集水ボックス１６の取り外し時に集水ボックス１６が後方斜め上方へ引き上げられると、後方への引っ張り力によって、回収チューブ２２１の端部に設けられた雄型の管継ぎ手２２２から管継ぎ手４１が離脱する。また、支持ホルダ１７に集水ボックス１６が装着される際に、装着時に生じる前方への押し込み力によって、回収チューブ２２１の管継ぎ手２２２に管継ぎ手４１が挿入されて、管継ぎ手４１と管継ぎ手２２２とが連結する。なお、管継ぎ手２２２は、縦フレーム１１Ｄに固定されている。

集水ボックス１６の内部には、管継ぎ手４１から貯留部３１の底面まで延びるストレート状の配管４５が設けられている。配管４５の下端部には、スポンジ部材や不織布などで構成されたフィルタ４６が設けられている。このため、回収ポンプ２７が駆動されると、貯留部３１からフィルタ４６を経て、配管４５に汚水が吸引され、前記汚水が配管４５、管継ぎ手４１、回収チューブ２２１を通じて、汚水タンク２２に移送される（図９の一点鎖線矢印参照）。

［集水ノズル１８］
図８に示すように、集水ノズル１８は、支持ホルダ１７の下側に設けられている。集水ノズル１８は、床面清掃装置１０が清掃動作の際に移動すると、その移動に伴い、床面２３に散布された洗浄液を含む汚水を集める。また、集水ノズル１８は、床面清掃装置１０の清掃動作中に吸気ファン１５及びモータ６２が駆動することにより、集めた汚水を空気とともに集水ボックス１６へ移動させる部分でもある。集水ノズル１８は、床面２３に対向する吸入口１８１を有する。

集水ノズル１８は、幅方向Ｄ３に長い形状であり、ボックス収容部１７２の底面１７２Ｄを構成する底板１８３と、底板１８３の外周端から下方へ突出する四角筒状の外周壁１８４とによって構成されている。つまり、集水ノズル１８とボックス収容部１７２とは、底板１８３を共有しており、底板１８３によって上下に隔てられている。言い換えると、集水ノズル１８の上方に、ボックス収容部１７２と、集水ボックス１６とが設けられている。外周壁１８４の下方側は開放されており、上述の吸入口１８１を形成している。

集水ノズル１８には、一対の回転ブラシ２６（２６Ａ，２６Ｂ）が回転可能に設けられている。一対の回転ブラシ２６は、前記洗浄液を保持可能なように、吸水性を有する吸水部材で構成されている。つまり、一対の回転ブラシ２６は、保水可能に構成されている。

集水ノズル１８において、一対の回転ブラシ２６は、前後方向Ｄ２に並んで配置されており、互いに平行となるように配置されている。また、一対の回転ブラシ２６は、それぞれ、外径サイズが同じであり、幅方向Ｄ３の長さも同じサイズである。一対の回転ブラシ２６は、いずれも、床面２３に外周面が接触した状態で、集水ノズル１８に回転可能に支持されている。一対の回転ブラシ２６は、それぞれ、幅方向Ｄ３に長いローラブラシである。各回転ブラシ２６の回転軸２６１は、集水ノズル１８の外周壁１８４における幅方向Ｄ３の両端の側板１８６（図３参照）に貫通して回転可能に支持されている。

一対の回転ブラシ２６のうち、前側に配置されたフロントブラシ２６Ａ（本発明の第１ローラブラシの一例）は、吸引口１６８及び開口１７７よりも前側に配置されている。また、フロントブラシ２６Ａよりも後ろ側に配置されたリアブラシ２６Ｂ（本発明の第２ローラブラシの一例）は、吸引口１６８及び開口１７７よりも後側に配置されている。より詳細には、フロントブラシ２６Ａの中心とリアブラシ２６Ｂの中心を結ぶ線分の中点Ｐが、吸引口１６８及び開口１７７の下方に位置するように各回転ブラシ２６が配置されている。本実施形態では、後述するように、リアブラシ２６Ｂのほうが保水力が高いため、前記中点Ｐが吸引口１６８及び開口１７７の中心線よりも前方寄りの位置となるように、各回転ブラシ２６が配置されている。なお、図８に示すように、フロントブラシ２６Ａとリアブラシ２６Ｂとは、前後方向Ｄ２へ所定の間隔ΔＴを隔てて配置されている。前記間隔ΔＴは、０＜ΔＴ≦２０ｍｍの範囲内で定められている。

各回転ブラシ２６の回転駆動は、制御ユニット４０によって制御される。本実施形態では、各回転ブラシ２６の回転速度はいずれも同じに制御される。一方、フロントブラシ２６Ａは、その外周面が床面２３を後方へ摺動するように回転駆動される。具体的には、フロントブラシ２６Ａは、図８において反時計回転方向へ回転駆動される。また、リアブラシ２６Ｂは、その外周面が床面２３を前方へ摺動するように回転駆動される。具体的には、リアブラシ２６Ｂは、図８において反時計回転方向へ回転駆動される。

フロントブラシ２６Ａ及びリアブラシ２６Ｂは、上述したように、吸水性を有する部材で構成されている。本実施形態では、フロントブラシ２６Ａの保水力と、リアブラシ２６Ｂの保水力とが異なっており、詳細には、リアブラシ２６Ｂの保水力は、フロントブラシ２６Ａの保水力よりも大きい。例えば、リアブラシ２６Ｂは、軟質の線状の繊維が無数に植毛されたブラシであり、フロントブラシ２６Ａは、硬質の線状の繊維が無数に植毛されたブラシである。これにより、フロントブラシ２６Ａは、主として、床面２３の汚水を吸水することよりも床面２３の汚れを洗浄する役割を担う。また、リアブラシ２６Ｂは、主として、床面２３の汚れを洗浄することよりも、床面２３の汚水を吸水する役割を担う。

このように各回転ブラシ２６が構成されているため、回転ブラシ２６の回転されることにより床面２３を清掃しつつ床面２３の汚水を回転ブラシ２６が吸水することができる。また、回転駆動時の遠心力によって、保持された汚水をミスト状にして、開口１７７及び吸引口１６８から汚水案内路３２へ向けて飛ばすことができる（図９の実線矢印参照）。

集水ノズル１８の外周壁１８４の前端部には、床面２３へ延びる弾性を有するシート状のシール部材１８７が設けられている。シール部材１８７は、幅方向Ｄ３に長い長方形状であり、外周壁１８４の前端部の幅方向Ｄ３の全域に接合されている。シール部材１８７の下端と床面２３との間には、微小な隙間が設けられている。このようなシール部材１８７が設けられているため、床面清掃装置１０の清掃動作中に洗浄液が集水ノズル１８の前方側の空隙１８２に供給されても、その洗浄液が前方側へ跳ねて外部に漏れ出ることがシール部材１８７によって防がれる。また、フロントブラシ２６Ａの回転によって洗浄液が前方へ飛散しても、シール部材１８７によって、洗浄剤が外部に飛び散ることが防止される。

また、集水ノズル１８の外周壁１８４の後端部には、床面２３へ延びるガード部材１８８が設けられている。ガード部材１８８は、幅方向Ｄ３に長い長尺部材であり、外周壁１８４の後端部の幅方向Ｄ３の全域に接合されている。ガード部材１８８の下端は、床面２３に接触しているか、或いは、前記下端と床面２３との間に微小な隙間が設けられている。ガード部材１８８は、リアブラシ２６Ｂの回転による遠心力によって後方へ飛散する汚水が集水ノズル１８の後方外側へ飛散することを防止する部材であり、例えば、弾性を有する樹脂部材で形成されている。

ガード部材１８８の前方側には、リアブラシ２６Ｂの外周面に接触する湾曲面１８９が形成されている。このように、リアブラシ２６Ｂの外周面と湾曲面１８９との間の隙間を無くすことにより、リアブラシ２６Ｂの回転による遠心力によって保水されていた汚水が飛び出そうとしても、湾曲面１８９によってその飛び出しが阻止されて、リアブラシ２６Ｂに再び吸水される。なお、湾曲面１８９は、リアブラシ２６Ｂの外周面に接触していなくてもよく、微小隙間を隔てて近接されていてもよい。

以上説明したように、本実施形態の床面清掃装置１０において、集水ノズル１８に保水可能な回転ブラシ２６（２６Ａ，２６Ｂ）が設けられ、集水ボックス１６に汚水を貯留可能な貯留部３１が設けられているため、回転ブラシ２６が回転駆動された場合に、床面２３の汚水を回転ブラシ２６が吸収して保持することが可能となる。また、回転ブラシ２６の回転による遠心力によって、回転ブラシ２６に保水されていた汚水がミスト状にされて上方へ向けて飛ばされ、開口１７７及び吸引口１６８を通じて集水ボックス１６の内部の貯留部３１に移動させることができる。これにより、床面２３に凹凸があったとしても床面２３の汚水を確実に貯留部３１に回収することができる。

また、吸気ファン１５が床面清掃装置１０の内部に設けられ、汚水案内路３２が集水ボックス１６に設けられている。このため、開口１７７及び吸引口１６８へ向けて飛翔した汚水ミストは、吸気ファン１５の吸気による気流に乗って集水ボックス１６内に入り込みやすくなる。また、汚水案内路３２が上方へ向けて先細り形状に形成されているため、吸気ファン１５の吸引力が小さくても、汚水案内路３２における出口３２１付近の上昇気流圧を高めることができる。これにより、出力の小さい小容量の吸気ファン１５であっても、汚水案内路３２に進入した汚水ミストを集水ボックス１６の内部に吸い上げることができる。つまり、床面清掃装置１０において、小容量の吸気ファン１５を適用することが可能となる。その結果、バッテリ１４の消耗を抑えることができ、吸気ファン１５の駆動効率を向上させることができる。また、吸気ファン１５の小型化により、床面清掃装置１０を小型化することができる。

また、集水ボックス１６内において、汚水案内路３２は集水ボックス１６の下部の後方側に設けられており、吸気ファン１５による空気の排出ポート１６５は、集水ボックス１６の前壁１６Ｂの上部に設けられている。このため、汚水案内路３２を通って出口３２１を上方へ通過した汚水ミストは、吸気ファン１５の吸気による気流に乗って前方側へ移動し、排出ポート１６５に到達することなく貯留部３１に落下して、貯留部３１に貯められる（図９の実線矢印参照）。これにより、汚水ミストが出口３２１から汚水案内路３２に逆流することが防止される。

また、集水ボックス１６において、貯留部３１と汚水案内路３２とが１枚の傾斜板３５によって前後方向Ｄ２へ隔てられている。このため、集水ボックス１６の内部構造を簡素化することができる。

また、床面清掃装置１０には、汚水タンク２２と、貯留部３１に貯留された汚水を吸引して汚水タンク２２に移送する回収ポンプ２７とが設けられている。このため、貯留部３１で貯留しきれない汚水を汚水タンク２２に回収することができる。これにより、汚水タンク２２が汚水で満たされるまで、床面清掃装置１０を長時間稼働させることができる。

また、集水ノズル１８には、２つの回転ブラシ２６（２６Ａ，２６Ｂ）が設けられており、床面清掃装置１０の清掃動作中に、フロントブラシ２６Ａとリアブラシ２６Ｂとが、上述したように異なる回転方向に回転駆動される。このため、フロントブラシ２６Ａが保持した汚水は開口１７７へ向けて飛散し易くなり、リアブラシ２６Ｂに保持された汚水も開口１７７へ向けて飛散し易くなる。その結果、各回転ブラシ２６による汚水の上方への移動が効率よく行われる。

また、上述したように、リアブラシ２６Ｂの保水力は、フロントブラシ２６Ａの保水力よりも大きい。このため、床面清掃装置１０の前方への移動中に、フロントブラシ２６Ａでは吸収できなかった汚水が後方へ移動しても、リアブラシ２６Ｂによって確実に吸収して回収することができる。

また、集水ノズル１８にガード部材１８８が設けられているため、リアブラシ２６Ｂの回転による遠心力によって後方へ飛散する汚水が集水ノズル１８の後方外側へ飛散することを防止することができる。ガード部材１８８に湾曲面１８９が形成されている。このため、リアブラシ２６Ｂから後方へ飛び出した汚水は湾曲面１８９によって受け止められて、リアブラシ２６Ｂに再び吸収させることができる。

また、床面清掃装置１０には、洗浄液タンク２４と、供給チューブ２４１と、供給ポンプ２５とが設けられているため、洗浄液を予め床面２３に散布する必要がない。また、集水ノズル１８内に洗浄液が供給されるため、床面２３に対して広範囲に洗浄液を散布する場合に比べて洗浄液の無駄な消費を抑制することができる。

なお、上述の実施形態では、線状の繊維で構成されたフロントブラシ２６Ａ及びリアブラシ２６Ｂを例示したが、本発明はこの構成に限られない。例えば、フロントブラシ２６Ａ及びリアブラシ２６Ｂは、保水力の異なるスポンジ部材や、その他の樹脂製部材や繊維部材で構成されていてもよい。

また、上述の実施形態では、一対の回転ブラシ２６が集水ノズル１８に設けられた構成について例示したが、回転ブラシ２６の数は一対（２本）に限定されず、１本でも、３本以上であってもよい。

また、上述の実施形態では、床面清掃装置１０が、吸気ファン１５や、洗浄液タンク２４、汚水タンク２２などを含む図１に示す構成を例示したが、本発明は図１に示す構成に限定されない。本発明は、少なくとも、集水ノズル１８、回転ブラシ２６、及び集水ボックス１６を備えた床面清掃装置として実現されたものであればよい。

１０ ：床面清掃装置
１４ ：バッテリ
１５ ：吸気ファン
１６ ：集水ボックス
１７ ：支持ホルダ
１８ ：集水ノズル
２２ ：汚水タンク
２３ ：床面
２４ ：洗浄液タンク
２５ ：供給ポンプ
２６ ：回転ブラシ
２６Ａ ：フロントブラシ
２６Ｂ ：リアブラシ
２７ ：回収ポンプ
３１ ：貯留部
３２ ：汚水案内路
３５ ：傾斜板
１６５ ：排出ポート
１６８ ：吸引口
１６９ ：エアーフィルタ
１７４ ：吸気ポート
１７７ ：開口
１８７ ：シール部材
１８８ ：ガード部材
１８９ ：湾曲面
２２１ ：回収チューブ
２４１ ：供給チューブ
２６１ ：回転軸
３２１ ：出口

Claims (12)

1. 床面を移動しつつ、洗浄液を用いて前記床面を清掃する床面清掃装置であって、
   前記床面清掃装置の移動方向に交差する幅方向に長く、前記床面清掃装置の移動に伴い前記洗浄液を含む汚水を集めるノズル部と、
   前記床面に接触させた状態で前記ノズル部に回転可能に支持され、保水可能に構成されており、回転時の遠心力により前記汚水を上方へ飛翔させる回転ブラシと、
   前記ノズル部の上側に設けられ、前記ノズル部の内部に連通する吸引口、及び前記吸引口から流入した前記汚水を貯留する貯留部を有する汚水収集ボックスと、
   を備える床面清掃装置。
2. 前記汚水収集ボックスの内部空間の空気を吸引して前記回転ブラシの回転によって飛散する汚水滴を前記吸引口から上方へ移動させる気流を生じさせる送風機と、
   前記汚水収集ボックスに設けられ、前記吸引口から上方へ延出する先細り形状に形成され、前記汚水収集ボックスの内部空間に前記汚水滴を案内する汚水案内路と、を更に備える、請求項１に記載の床面清掃装置。
3. 前記汚水案内路は、前記内部空間において前記移動方向の一方側に設けられており、
   前記送風機による空気の排出口は、前記汚水収集ボックスにおいて前記移動方向の他方側に設けられている、請求項２に記載の床面清掃装置。
4. 前記汚水収集ボックスは、
   前記移動方向に隔てられた一対の側壁と、
   前記一対の側壁の間に設けられ、一方の側壁との間で前記貯留部を形成するとともに、他方の側壁との間で前記汚水案内路を形成する傾斜板と、を有する、請求項２又は３に記載の床面清掃装置。
5. 前記汚水を収容するための汚水タンクと、
   前記貯留部に貯留された前記汚水を吸引して前記汚水タンクに移送する第１ポンプと、を更に備える、請求項１から４のいずれかに記載の床面清掃装置。
6. 前記回転ブラシは、前記幅方向に長い少なくとも一つのローラブラシを含む、請求項１から５のいずれかに記載の床面清掃装置。
7. 前記回転ブラシは、前記移動方向に隔てられ互いに平行な第１ローラブラシ及び第２ローラブラシを有し、
   前記第１ローラブラシは、前記吸引口よりも前記移動方向側に配置され、前記床面を前記移動方向とは反対の後方へ摺動するように回転駆動されるものであり、
   前記第２ローラブラシは、前記吸引口よりも前記移動方向側とは反対の前記後方側に配置され、前記床面を前記移動方向と同方向へ摺動するように回転駆動されるものである、請求項６に記載の床面清掃装置。
8. 前記第２ローラブラシの保水力は、前記第１ローラブラシの保水力よりも大きい、請求項７に記載の床面清掃装置。
9. 前記ノズル部における前記移動方向とは反対の後方側に設けられ、前記回転ブラシの回転によって後方へ飛散する前記汚水滴をガードするガード部材を更に備える、請求項１から８のいずれかに記載の床面清掃装置。
10. 前記ガード部材は、前記回転ブラシの外周面に接触又は近接する湾曲面を有する、請求項９に記載の床面清掃装置。
11. 前記回転ブラシは、吸水性のある吸水部材を含む、請求項１から１０のいずれかに記載の床面清掃装置。
12. 前記洗浄液を収容する洗浄液タンクと、
    前記洗浄液タンクと前記ノズル部とを連結する連結管と、
    前記洗浄液を吸引して前記連結管を通じて前記洗浄液を前記ノズル部の内部に移送する第２ポンプと、を更に備える、請求項１から１１のいずれかに記載の床面清掃装置。

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