JP2021120650A - 磁束密度測定方法及び磁束密度測定装置 - Google Patents

磁束密度測定方法及び磁束密度測定装置 Download PDF

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Abstract

【課題】導電性を有する磁性体の磁心の断面が矩形断面と円断面のいずれの場合においても磁心内の局所的な磁束密度を極めて容易に測定することができる磁束密度測定方法及び磁束密度測定装置を提供する。【解決手段】針電極21a,21bを、導電性を有する磁性体のUUコア29の矩形断面の中心を挟んで互いに対向した状態でUUコア29に点接触するように配置する。次に、針電極21a,21bの間に生じた電圧を、磁束密度測定装置11の電圧測定回路26によって測定する。次に、磁束密度測定装置11の制御演算部27によって、UUコア29内の磁束密度を、電圧測定回路26が測定した電圧に基づいて算出する。【選択図】図3

Description

本発明は、磁束密度測定方法及び磁束密度測定装置に関する。
磁性体の磁心内の磁束密度は、磁心の形状、磁心に形成された空隙の有無等により、磁心内全域で一様ではなく、磁心の個所によって異なっている。磁心内の磁束密度が比較的高い個所では、コアロス増加に伴う温度上昇、磁歪の増加に伴う騒音の増大等を引き起こす。さらに、磁心固有の飽和磁束密度を超える個所では、透磁率の低下に伴うインダクタンスの低下等を引き起こす。
コアロス増加に伴う温度上昇、磁歪の増加に伴う騒音の増大、透磁率の低下に伴うインダクタンスの低下等を引き起した磁心を用いたトランス、リアクトル、チョークコイル等の磁性部品に用いた場合、当該磁性部品の性能が著しく低下する。
磁心内の局所的な磁束密度を予測する手段として、有限要素法等を用いた磁場解析ソフトウェアを使用したシミュレーションがある。しかしながら、シミュレーションの結果はあくまでも予測した結果であり、予測した結果が正しいか否かを判断するためには、磁心内の局所的な磁束密度を実際に測定する必要がある。
局所的な磁束密度を測定する方法として、サーチコイル法及び探針法が一般によく知られている(例えば、特許文献1の磁束密度センサ)。
特開2013−238453号公報
図1は、一般的なサーチコイル法による磁束密度測定方法を説明する図である。サーチコイル法は、図1に示す3次元直交座標系のy軸の方向に延在するシート形状の磁心1のうちの磁束密度を測定したい箇所にサーチコイル2を形成し、サーチコイル2の両端に生じる誘導電圧Vcに基づいて、シート形状の磁心1内の局所的な磁束密度を測定する方法である。サーチコイル法によれば、磁心内の十分に実用に適した局所的な磁束密度の測定を行うことができる。しかしながら、サーチコイル法は、シート形状の磁心1の測定したい個所ごとにサーチコイル2を形成する作業が大変煩雑であるという欠点がある。
図2は、一般的な探針法による磁束密度測定方法を説明する図である。探針法は、図2に示す3次元直交座標系のy軸の方向に延在する導電性のシート形状の磁心1のうちの磁束密度を測定したい箇所に、間隔dを取って並立する二つの探針3a,3bを接触させ、シート形状の磁心1の断面内に流れる渦電流によって生じる二つの探針3a,3bの間の電圧Vnに基づいて、シート形状の磁心1内の局所的な磁束密度を測定する方法である。
探針法によれば、二つの探針3a,3bが接触している箇所に開けられた穴を通してサーチコイルを形成したときの巻数1/2ターンに相当するサーチコイル法と等価な測定結果が得られる。また、探針法によれば、磁束密度を測定するためにシート形状の磁心1のうちの磁束密度を測定したい箇所に二つの探針3a,3bを接触するだけでよいので、サーチコイル法に比べて極めて容易にシート形状の磁心1内の局所的な磁束密度を測定することができる。
しかしながら、探針法は、巻数1/2ターンのサーチコイル法と等価な測定結果を得るために、測定原理的には次の第1の適用条件及び第2の適用条件を満たす必要がある。第1の適用条件は、シート形状の磁心1の厚さhに関連する。すなわち、第1の適用条件は、間隔dがシート形状の磁心1の厚さhより十分大きい(d>>h)ことである。第2の適用条件は、探針を接触させるシート形状の磁心1の表面形状に関連する。すなわち、第2の適用条件は、並立する二つの探針3a,3bを接触させるシート形状の磁心1の表面形状が曲面ではなく平面であることである。
したがって、探針法は、間隔dがシート形状の磁心1の厚さhより十分大きく、かつ、表面形状が平面である導電性のシート形状の磁心1以外には適用できないという欠点がある。
マンガン亜鉛フェライトは、導電性を有する軟磁性体である。また、マンガン亜鉛フェライトは、大きさが時間変化する磁束が通過するようにするために巻かれた励磁コイルに供給される励磁電流の周波数が1MHz以下であるときに、高い透磁率、高い飽和磁束密度及び低いコアロスを有する。したがって、マンガン亜鉛フェライトは、磁性部品に広く一般に使用されている。マンガン亜鉛フェライトを電磁シールド材として使用する場合、シート形状のマンガン亜鉛フェライトが用いられる。一方、マンガン亜鉛フェライトをトランス、リアクトル、チョークコイル等の磁性部品の磁心として使用する場合、EEコア、UUコア、リングコア等と呼ばれる矩形断面又は円断面を有するブロック形状のマンガン亜鉛フェライトの磁心が用いられる。
ブロック形状のマンガン亜鉛フェライトの磁心が矩形断面を有する場合、上記第1の適用条件及び上記第2の適用条件を満たさない。一方、ブロック形状のマンガン亜鉛フェライトの磁心が円断面を有する場合、上記第2の適用条件を満たすが、二つの探針の間隔をブロック形状のマンガン亜鉛フェライトの磁心の厚さより十分大きくすることができないので、上記第1の適用条件を満たさない。したがって、探針法では、ブロック形状のマンガン亜鉛フェライトの磁心の局所的な磁束密度は測定できない。
本発明の目的は、導電性を有する磁性体の磁心の断面が矩形断面と円断面のいずれの場合においても磁心内の局所的な磁束密度を極めて容易に測定することができる磁束密度測定方法及び磁束密度測定装置を提供することである。
本発明による磁束密度測定方法は、第1の電極及び第2の電極と、第1の電極及び第2の電極を移動させるための治具と、導電性を有する磁性体の磁心に点接触した第1の電極と第2の電極の間に生じた電圧を測定する電圧測定回路と、制御演算部と、を備える磁束密度測定装置を用いることによって、磁心内の磁束密度を測定する磁束密度測定方法であって、治具を用いて、第1の電極及び第2の電極を、磁心の断面の中心を挟んで互いに対向した状態で磁心に点接触するように配置する電極配置工程と、電圧測定回路によって、電極配置工程の後に第1の電極と第2の電極の間に生じた電圧を測定する電圧測定工程と、制御演算部によって、磁心内の磁束密度を、電圧測定工程で測定された電圧に基づいて算出する磁束密度算出工程と、を備える。
好適には、第1の電極及び第2の電極は、針電極であり、治具は、矩形断面を有する磁心の当該矩形断面の第1の辺の中点に第1の電極の先端を点接触させるとともに当該矩形断面の第1の辺に平行な第2の辺の中点に第2の電極の先端を点接触させる。
好適には、第1の電極及び第2の電極は、針電極であり、治具は、円断面を有する磁心の当該円断面の中心を挟んで互いに対向した状態で磁心に第1の電極の先端及び第2の電極の先端をそれぞれ点接触させる。
好適には、第1の電極及び第2の電極は、棒電極であり、治具は、矩形断面を有する磁心の当該矩形断面の第1の頂点に第1の電極の側部を点接触させるとともに当該矩形断面の中心を挟んで当該矩形断面の第1の頂点に対向する第2の頂点に第2の電極の側部を点接触させる。
好適には、第1の電極及び第2の電極は、棒電極であり、治具は、円断面を有する磁心の当該円断面の中心を挟んで互いに対向した状態で磁心に第1の電極の側部及び第2の電極の側部をそれぞれ点接触させる。
本発明による磁束密度測定装置は、第1の電極及び第2の電極と、第1の電極及び第2の電極を、導電性を有する磁性体の磁心の断面の中心を挟んで互いに対向した状態で磁心に点接触するように配置するための治具と、治具によって磁心の断面の中心を挟んで互いに対向した状態で磁心に点接触するように配置された第1の電極と第2の電極の間に生じた電圧を測定する電圧測定回路と、磁心内の磁束密度を、電圧測定回路によって測定された電圧に基づいて算出する制御演算部と、を備える。
本発明によれば、導電性を有する磁性体の磁心の断面が矩形断面と円断面のいずれの場合においても磁心内の局所的な磁束密度を極めて容易に測定することができる。
一般的なサーチコイル法による磁束密度測定方法を説明する図である。 一般的な探針法による磁束密度測定方法を説明する図である。 本発明による磁束密度測定方法の第1の実施の形態を説明する図である。 図3の一部の詳細な図である。 図4のI−I断面の拡大図である。 本発明による磁束密度測定方法の第1の実施の形態による処理を示すフローチャートである。 サーチコイル法による磁束密度測定方法を用いた矩形断面を有する磁心の磁束密度の測定の一例を第1の比較例として説明する図である。 図7のII−II断面の拡大図である。 本発明による磁束密度測定方法の第2の実施の形態を説明する図である。 図9の一部の詳細な図である。 図10のIII−III断面の拡大図である。 本発明による磁束密度測定方法の第2の実施の形態による処理を示すフローチャートである。 サーチコイル法による磁束密度測定方法を用いた円断面を有する磁心の磁束密度の測定の一例を第2の比較例として説明する図である。 図13のIV−IV断面の拡大図である。 本発明による磁束密度測定方法の第3の実施の形態を説明する図である。 図15の一部の詳細な図である。 図16のV−V断面の拡大図である。 本発明による磁束密度測定方法の第3の実施の形態による処理を示すフローチャートである。 本発明による磁束密度測定方法の第4の実施の形態を説明する図である。 図19の一部の詳細な図である。 図20のVI−VI断面の拡大図である。 本発明による磁束密度測定方法の第4の実施の形態による処理を示すフローチャートである。 探針法による磁束密度測定方法を用いた矩形断面を有する磁心の磁束密度の測定の一例を第3の比較例として説明する図である。 探針法による磁束密度測定方法を用いた矩形断面を有する磁心の磁束密度の測定の他の例を第4の比較例として説明する図である。 本発明による磁束密度測定方法の第1の実施の形態により得られる磁化曲線及び第1の比較例により得られる磁化曲線を示す図である。 本発明による磁束密度測定方法の第3の実施の形態により得られる磁化曲線及び第1の比較例により得られる磁化曲線を示す図である。 第1の比較例により得られる磁化曲線、第3の比較例により得られる磁化曲線及び第4の比較例により得られる磁化曲線を示す図である。 本発明による磁束密度測定方法の第2の実施の形態により得られる磁化曲線及び第2の比較例により得られる磁化曲線を示す図である。 本発明による磁束密度測定方法の第4の実施の形態により得られる磁化曲線及び第2の比較例により得られる磁化曲線を示す図である。
本発明による磁束密度測定方法及び磁束密度測定装置の実施の形態を、図面を参照しながらシンボルを用いて詳細に説明する。図面中、同一構成要素には同一符号を付す。
図3は、本発明による磁束密度測定方法の第1の実施の形態を説明する図であり、図4は、図3の一部の詳細な図であり、図5は、図4のI−I断面の拡大図である。図3に示す磁束密度測定装置11は、先端が互いに対向する針電極21a,21bと、治具22と、を備える。磁束密度測定装置11は、信号発生器23が接続され、シャント抵抗24と、電流測定回路25と、電圧測定回路26と、制御演算部27と、表示装置28と、を更に備える。針電極21a,21bは、第1の電極及び第2の電極の一例である。
第1の実施の形態では、治具22には、頂点A,B,C,Dを有する矩形断面を有するUUコア29が固定され、UUコア29に励磁コイル30が巻かれている。図5に示す3次元直交座標系のx軸の方向に延在するUUコア29の矩形断面の辺DA辺BCの長さはaであり、図5に示す3次元直交座標系のy軸の方向に延在するUUコア29の矩形断面の辺AB及び辺CDの長さはbである。辺DAは、第1の辺の一例であり、辺BCは、第2の辺の一例である。UUコア29は、導電性を有する磁性体の磁心の一例であり、かつ、矩形断面を有する磁心の一例である。
針電極21a,21bは、電圧測定回路26に接続される。治具22は、図4に示すように、針電極21a,21bを支持する支持部22a,22bと、図4に示す3次元直交座標系のy軸の方向に支持部22a,22bを移動させるための溝22cと、UUコア29を固定するための溝22dと、を有する。支持部22a,22bの位置、溝22dの幅及び溝22dに配置されたUUコア29の位置は、治具22の駆動機構(図示せず)によって適切に調整される。
第1の実施の形態では、図3、図4及び図5に示すように、治具22によって、針電極21a,21bをUUコア29の矩形断面の中心O1を挟んで互いに対向した状態で磁心に点接触するように配置する。具体的には、治具22の固定部材(図示せず)によって、UUコア29を、幅がbになるように調整された溝22dに固定する。そして、図4に示す3次元直交座標系のy軸の方向に支持部22a,22bを治具22の駆動機構によって適切に移動させることによって、UUコア29の矩形断面の辺DAの中点Pに針電極21bの先端を点接触させるとともにUUコア29の矩形断面の辺BCの中点Qに針電極21aの先端を点接触させる。
信号発生器23は、大きさが時間変化する磁束ΦがUUコア29内を通過するようにするために、励磁電流I1を励磁コイル30に供給する。シャント抵抗24は、両端が電流測定回路25に接続される。
電流測定回路25及び電圧測定回路26はそれぞれ、例えば、増幅器(アンプ)、DA変換器(コンバーター)、記憶装置等から構成される。電流測定回路25は、励磁電流I1が励磁コイル30に供給されている間に、UUコア29に流れる電流I1に対応するシャント抵抗24に流れる電流I1を測定する。電圧測定回路26は、UUコア29の矩形断面の辺DAの中点Pに針電極21bの先端が点接触するとともにUUコア29の矩形断面の辺BCの中点Qに針電極21aの先端が点接触した状態で針電極21a,21bの間に生じた電圧Vsを測定する。
制御演算部27は、CPU、メモリ等を有し、電流測定回路25及び電圧測定回路26の制御を行うとともにデータの記憶及び数値演算等のデータ処理を行う。表示装置28は、デ−タ処理の結果の表示、オペレータへの情報・指示の表示等を行う。
図6は、本発明による磁束密度測定方法の第1の実施の形態による処理を示すフローチャートである。先ず、UUコア及び針電極配置工程S1において、UUコア29を溝22dに固定し、UUコア29の矩形断面の辺DAの中点Pに針電極21bの先端を点接触させるとともにUUコア29の矩形断面の辺BCの中点Qに針電極21aの先端を点接触させる。UUコア及び針電極配置工程S1は、電極配置工程の一例である。
次に、電圧測定工程S2において、信号発生器23は、大きさが時間変化する磁束ΦがUUコア29内を通過するようにするために、正弦波の励磁電流I1を励磁コイル30に供給する。そして、電圧測定回路26は、UUコア29の矩形断面の辺DAの中点Pに針電極21bの先端が点接触するとともにUUコア29の矩形断面の辺BCの中点Qに針電極21aの先端が点接触した状態で針電極21a,21bの間に生じた電圧Vsを測定する。
大きさが時間変化する磁束ΦがUUコア29内を通過する場合、UUコア29が導電性を有するので、UUコア29内に渦電流が生じる。このように生じた渦電流によって生じたUUコア29の矩形断面の辺DA(辺BC)上での図5に示す3次元直交座標系のx軸の方向の電界の強さ及びUUコア29の矩形断面の辺AB(辺CD)上での図5に示す3次元直交座標系のy軸の方向の電界の強さをそれぞれEx及びEyとすると、針電極21a,21bの間に生じた電圧Vsは、次の式で表される。
Figure 2021120650
図5に示す3次元直交座標系のx軸の方向の電界の強さExの図5に示す3次元直交座標系のx軸に対する対称性から、針電極21a,21bの間に生じた電圧Vsは、次の式で表される。
Figure 2021120650
さらに、図5に示す3次元直交座標系のx軸の方向の電界の強さExの図5に示す3次元直交座標系のy軸に対する対称性から、針電極21a,21bの間に生じた電圧Vsは、次の式で表される。
Figure 2021120650
次に、磁束密度算出工程S3において、制御演算部27は、磁束密度Bを、後に詳しく説明するように、針電極21a,21bの間に生じた電圧Vsに基づいて算出する。
図7は、サーチコイル法による磁束密度測定方法を用いた矩形断面を有する磁心の磁束密度の測定の一例を第1の比較例として説明する図であり、図8は、図7のII−II断面の拡大図である。図7及び図8において、UUコア29の矩形断面の外周に巻かれた巻き始めと巻き終わりが頂点Dである巻数1ターンであるサーチコイル31が形成される。
大きさが時間変化する磁束ΦがUUコア29内を通過するようにするために、励磁電流I1が励磁コイル30に供給される場合、UUコア29が導電性を有するので、UUコア29内に渦電流が生じる。渦電流によって生じるUUコア29の矩形断面の辺DA(辺BC)上での電界の強さ及びUUコア29の矩形断面の辺AB(辺CD)上での電界の強さをそれぞれEx及びEyとすると、サーチコイル31の両端間の電圧Vcは、1ターンのサーチコイル31に沿った電界の周回積分である次の式で表される。
Figure 2021120650
図8に示す3次元直交座標系のx軸の方向の電界の強さExの図8に示す3次元直交座標系のx軸に対する対称性と、図8に示す3次元直交座標系のy軸方向の電界の強さEyの図8に示す3次元直交座標系のy軸に対する対称性とから、サーチコイル31の両端間の電圧Vcは、次の式で表される。
Figure 2021120650
また、UUコア29の矩形断面の面積をS(=a×b)とすると、ファラデーの法則からサーチコイル31の両端間の電圧Vcについて、次の式が成り立つ。
Figure 2021120650
ここで、(3)式の右辺と(5)式の右辺とを比較すると、針電極21a,21bの間に生じた電圧Vsとサーチコイル31の両端間の電圧Vcとの関係式は、以下のようになる。
Figure 2021120650
(7)式は、「探針法の測定結果が、巻数1/2ターンに相当するサーチコイル法の測定結果と等価である」ことと同一の関係式である。しかしながら、針電極21a,21bの間に生じた電圧Vsとサーチコイル31の両端間の電圧Vcとの関係式である(7)式を導くまでに、針電極21a,21bとUUコア29との構造的な寸法の制約がまったく入っていない。これは、第1の実施の形態を適用するにあたって、探針法の上記第1の適用条件である「間隔dがシート形状の磁心1の厚さhより十分大きい(d>>h)ことである」のような制約がないことを示している。
したがって、(7)式で表されるサーチコイル31の両端間の電圧Vcに(6)式を適用すれば、次の式になる。
Figure 2021120650
(8)式を磁束密度Bについて解けば、次の式が得られる。
Figure 2021120650
したがって、磁束密度Bを、針電極21a,21bの間に生じた電圧Vsから求めることができる。
図9は、本発明による磁束密度測定方法の第2の実施の形態を説明する図であり、図10は、図9の一部の詳細な図であり、図11は、図10のIII−III断面の拡大図である。第2の実施の形態では、治具22には、半径rの円断面の中脚を有するEERコア32が固定され、EERコア32に励磁コイル30が巻かれている。EERコア32は、導電性を有する磁性体の磁心の一例であり、かつ、円断面を有する磁心の一例である。
第2の実施の形態では、図9、図10及び図11に示すように、治具22によって、針電極21a,21bを、EERコア32の中脚の円断面の中心O2を挟んで互いに対向した状態で磁心に点接触するようにEERコア32の円断面の点Q’,P’にそれぞれ配置する。すなわち、EERコア32の中脚の円断面の点P’,Q’は、EERコア32の中脚の円断面の直径両端であり、EERコア32の中脚の円断面の中心O2を挟んで互いに対向する。具体的には、治具22の固定部材によって、EERコア32を、幅が2rとなるように調整された溝22dに固定する。そして、図10に示す3次元直交座標系のy軸の方向に支持部22a,22bを治具22の駆動機構によって適切に移動させることによって、EERコア32の中脚の円断面の中心O2を挟んで互いに対向した状態で針電極21a,21bの先端をEERコア32の中脚の円断面の点Q’,P’にそれぞれ点接触させる。
図12は、本発明による磁束密度測定方法の第2の実施の形態による処理を示すフローチャートである。先ず、EERコア及び針電極配置工程S11において、EERコア32を溝22dに固定し、EERコア32の中脚の円断面の中心O2を挟んで互いに対向した状態で針電極21a,21bの先端をEERコア32の中脚の円断面の点Q’,P’にそれぞれ点接触させる。
次に、電圧測定工程S12において、信号発生器23は、大きさが時間変化する磁束ΦがEERコア32内を通過するようにするために、励磁電流I1を励磁コイル30に供給する。そして、電圧測定回路26は、EERコア32の中脚の円断面の中心O2を挟んで互いに対向した状態で針電極21a,21bの先端をEERコア32の中脚の円断面の点Q’,P’にそれぞれ点接触させた状態で針電極21a,21bの間に生じた電圧Vsを測定する。
大きさが時間変化する磁束ΦがEERコア32内を通過する場合、EERコア32が導電性を有するので、EERコア32内に渦電流が生じる。このように生じた渦電流によって生じたEERコア32の中脚の円断面の周上の接線方向の電界の強さをElとすると、針電極21a,21bの間に生じた電圧Vsは、次の式で表される。
Figure 2021120650
次に、磁束密度算出工程S13において、制御演算部27は、磁束密度Bを、後に詳しく説明するように、針電極21a,21bの間に生じた電圧Vsに基づいて算出する。
図13は、サーチコイル法による磁束密度測定方法を用いた円断面を有する磁心の磁束密度の測定の一例を第2の比較例として説明する図であり、図14は、図13のIV−IV断面の拡大図である。図13及び図14において、EERコア32の中脚の円断面の外周に巻かれた巻き始めと巻き終わりが点P’である巻数1ターンであるサーチコイル31が形成される。
大きさが時間変化する磁束ΦがEERコア32内を通過するようにするために、正弦波の励磁電流I1が励磁コイル30に供給される場合、EERコア32が導電性を有するので、EERコア32内に渦電流が生じる。このように生じた渦電流によって生じるEERコア32の中脚の円断面の外周上の接線方向の電界の強さをElとすると、サーチコイル31の両端間の電圧Vcは、1ターンのサーチコイル31に沿った電界の周回積分である次の式で表される。
Figure 2021120650
EERコア32の中脚の円断面の外周上の接線方向の電界の強さをElのEERコア32の中脚の円断面の中心O2に対する対称性から、サーチコイル31の両端間の電圧Vcは、次の式で表される。
Figure 2021120650
また、EERコア32の中脚の円断面の面積をS(=π×r2)とすると、ファラデーの法則から、サーチコイル31の両端間の電圧Vcについて次の式が成り立つ。
Figure 2021120650
ここで、(10)式の右辺と(12)式の右辺とを比較すると、針電極21a,21bの間に生じた電圧Vsとサーチコイル31の両端間の電圧Vcとの関係式は、以下のようになる。
Figure 2021120650
(14)式は、上記第1の実施の形態についての(7)式と同一であり、これは、第2の実施の形態を適用するにあたって、探針法の上記第2の適用条件である「並立する二つの探針3a,3bを接触させるシート形状の磁心1の表面形状が曲面ではなく平面である」のような制約がないことを示している。
したがって、(14)式で表されるサーチコイル31の両端間の電圧Vcに(13)式を適用すれば、次の式になる。
Figure 2021120650
(15)式を磁束密度Bについて解けば、次の式が得られる。
Figure 2021120650
したがって、磁束密度Bを、針電極21a,21bの間に生じた電圧Vsから求めることができる。
図15は、本発明による磁束密度測定方法の第3の実施の形態を説明する図であり、図16は、図15の一部の詳細な図であり、図17は、図16のV−V断面の拡大図である。図15に示す磁束密度測定装置41は、互いに平行な丸棒電極51a,51bと、治具42と、を備える。丸棒電極51a,51bは、第1の電極及び第2の電極の一例であるとともに棒電極の一例である。磁束密度測定装置41は、信号発生器23が接続され、シャント抵抗24と、電流測定回路25と、電圧測定回路26と、制御演算部27と、表示装置28と、を更に備える。
第3の実施の形態では、治具42には、UUコア29が固定され、UUコア29に励磁コイル30が巻かれている。丸棒電極51a,51bは、電圧測定回路26に接続される。治具42は、図16に示すように、丸棒電極51a,51bを支持する支持部42a,42bと、図16に示す矢印α又は矢印βの方向に支持部42aを移動させるための溝42cと、UUコア29を固定するための溝42dと、を有する。支持部42a,42bの位置、溝42dの幅及び溝42dに配置されたUUコア29の位置は、治具42の駆動機構(図示せず)によって適切に調整される。
第3の実施の形態では、図15、図16及び図17に示すように、治具42によって、丸棒電極51a,51bをUUコア29の矩形断面の中心O1を挟んで互いに対向した状態で磁心に点接触するように配置する。具体的には、UUコア29の矩形断面の頂点Dに丸棒電極51bの側部を点接触させた状態で治具42の固定部材(図示せず)によってUUコア29を溝42dに固定する。そして、図16に示す矢印βの方向に支持部42aを治具42の駆動機構(図示せず)によって適切に移動させることによって、UUコア29の矩形断面の頂点Bに丸棒電極51aの側部を点接触させる。頂点Dは、第1の頂点の一例であり、頂点Bは、第2の頂点の一例である。
図18は、本発明による磁束密度測定方法の第3の実施の形態による処理を示すフローチャートである。先ず、UUコア及び丸棒電極配置工程S21において、UUコア29の矩形断面の頂点Dに丸棒電極51bの側部を点接触させた状態でUUコア29を溝42dに固定し、UUコア29の矩形断面の頂点Bに丸棒電極51aの側部を点接触させる。UUコア及び丸棒電極配置工程S21は、電極配置工程の一例である。
次に、電圧測定工程S22において、信号発生器23は、大きさが時間変化する磁束ΦがUUコア29内を通過するようにするために、励磁電流I1を励磁コイル30に供給する。そして、電圧測定回路26は、UUコア29の矩形断面の頂点Dに丸棒電極51bの側部を点接触させるとともにUUコア29の矩形断面の頂点Bに丸棒電極51aの側部を点接触させた状態で丸棒電極51a,51bの間に生じた電圧Vrを測定する。
次に、磁束密度算出工程S23において、制御演算部27は、磁束密度Bを、丸棒電極51a,51bの間に生じた電圧Vrに基づいて算出する。丸棒電極51a,51bの間に生じた電圧Vrは、第1の実施の形態において針電極21a,21bの間に生じた電圧Vsと等価となることから、(9)式同様に次の式が成立する。
Figure 2021120650
したがって、磁束密度Bを、丸棒電極51a,51bの間に生じた電圧Vrから求めることができる。
図19は、本発明による磁束密度測定方法の第4の実施の形態を説明する図であり、図20は、図19の一部の詳細な図であり、図21は、図20のVI−VI断面の拡大図である。図19に示す磁束密度測定装置41’は、互いに平行な丸棒電極51a,51bと、治具42’と、を備える。磁束密度測定装置41’は、信号発生器23が接続され、シャント抵抗24と、電流測定回路25と、電圧測定回路26と、制御演算部27と、表示装置28と、を更に備える。
第4の実施の形態では、治具42’には、EERコア32が固定され、EERコア32の中脚に励磁コイル30が巻かれている。丸棒電極51a,51bは、電圧測定回路26に接続される。治具42’は、図20に示すように、丸棒電極51a,51bを支持する支持部42a’,42b’と、図20に示す3次元直交座標系のx軸の方向に支持部42a’を移動させるための溝42c’と、EERコア32を固定するための溝42d’と、を有する。支持部42a’,42b’の位置、溝42d’の幅及び溝42d’に配置されたEERコア32の位置は、治具42’の駆動機構(図示せず)によって適切に調整される。
第4の実施の形態では、図19、図20及び図21に示すように、丸棒電極51a,51bを、EERコア32の中脚の円断面の中心O2を挟んで互いに対向した状態で磁心に点接触するようにEERコア32の中脚の円断面の点P’,Q’にそれぞれ配置する。すなわち、EERコア32の中脚の円断面の点P’,Q’は、EERコア32の中脚の円断面の中心O2を挟んで互いに対向する。具体的には、先ず、丸棒電極51aの中心軸と丸棒電極51bの中心軸との間の距離が丸棒電極51a,51bのそれぞれの半径とEERコア32の中脚の円断面の直径との和となるように、図20に示す3次元直交座標系のx軸の方向に支持部42a’を治具42’の駆動機構によって適切に移動させる。次に、EERコア32の中脚の円断面の点Q’に丸棒電極51bの側部を点接触させるとともにEERコア32の中脚の円断面の点P’に丸棒電極51aの側部を点接触させる状態となるように、EERコア32を、治具42’の駆動機構(図示せず)によって、幅が適切に調整された溝42d’の上で移動させる。そして、EERコア32を、治具42’の固定部材(図示せず)によって溝42d’に固定する。
図22は、本発明による磁束密度測定方法の第4の実施の形態による処理を示すフローチャートである。先ず、EERコア及び丸棒電極配置工程S31において、EERコア32の中脚の円断面の点Q’に丸棒電極51bの側部を点接触させるとともにEERコア32の中脚の円断面の点P’に丸棒電極51aの側部を点接触させる状態となるように、EERコア32を、幅が適切に調整された溝42d’の上で移動させ、溝42d’に固定する。EERコア及び丸棒電極配置工程S31は、電極配置工程の一例である。
次に、電圧測定工程S32において、信号発生器23は、大きさが時間変化する磁束ΦがEERコア32内を通過するようにするために、正弦波の励磁電流I1を励磁コイル30に供給する。そして、電圧測定回路26は、EERコア32の中脚の円断面の点Q’に丸棒電極51bの側部を点接触させるとともにEERコア32の中脚の円断面の点P’に丸棒電極51aの側部を点接触させた状態で丸棒電極51a,51bの間に生じた電圧Vrを測定する。
次に、磁束密度算出工程S33において、制御演算部27は、磁束密度Bを、丸棒電極51a,51bの間に生じた電圧Vrに基づいて算出する。丸棒電極51a,51bの間に生じた電圧Vrは、第2の実施の形態において針電極21a,21bの間に生じた電圧Vsと等価となることから、(16)式同様に(17)式が成立する。
したがって、磁束密度Bを、丸棒電極51a,51bの間に生じた電圧Vrから求めることができる。
第1の実施の形態、第2の実施の形態、第3の実施の形態及び第4の実施の形態により得られる磁化曲線について説明するために、第3の比較例及び第4の比較例を更に説明する。
図23は、探針法による磁束密度測定方法を用いた矩形断面を有する磁心の磁束密度の測定の一例を第3の比較例として説明する図である。図23において、大きさが時間変化する磁束ΦがUUコア29内を通過するようにするために、励磁電流I1が励磁コイル30に供給される。そして、間隔dを取って並立する二つの探針52a,52bを、図5及び図8に示すUUコア29の矩形断面の辺CDを含む面の上に接触させる。
図24は、探針法による磁束密度測定方法を用いた矩形断面を有する磁心の磁束密度の測定の他の例を第4の比較例として説明する図である。図24において、大きさが時間変化する磁束ΦがUUコア29内を通過するようにするために、励磁電流I1が励磁コイル30に供給される。そして、間隔dを取って並立する二つの探針52a,52bを、図5及び図8に示すUUコア29の矩形断面の辺BCを含む面の上に接触させる。
なお、EERコア32の中脚の表面形状は曲面であるので、探針法の第2の適合条件が満たされないので、探針法による磁束密度測定方法を用いてEERコア32の中脚内の磁束密度Bを測定することができない。したがって、探針法による磁束密度測定方法を用いたEERコア32の中脚内の磁束密度Bを測定する例を比較例として示さなかった。
次に、第1の実施の形態、第2の実施の形態、第3の実施の形態及び第4の実施の形態により得られる磁化曲線の例を、第1の比較例、第2の比較例、第3の比較例及び第4の比較例により得られる磁化曲線の例と共に説明する。
第1の実施の形態、第3の実施の形態、第1の比較例、第3の比較例及び第4の比較例で用いられるUUコア29として、導電性を有するマンガン亜鉛フェライトで構成される磁路長L=52.6mmのUUコア(a=2.1mm、b=10mm、S=21mm2)を用いた。
第1の実施の形態、第3の実施の形態、第1の比較例、第3の比較例及び第4の比較例で用いられる励磁コイル30並びに第1の比較例で用いられるサーチコイル31の巻数をそれぞれ5とした。第3の比較例及び第4の比較例で用いられる探針52a,52bの間隔dを1.6mmとした。
第1の実施の形態において、励磁コイル30に供給される正弦波の励磁電流I1の周波数及び振幅をそれぞれ50kHz及び0.5Aとし、励磁電流I1の1周期における針電極21a,21bの間に生じた電圧Vsを測定した。
第3の実施の形態において、励磁コイル30に供給される正弦波の励磁電流I1の周波数及び振幅をそれぞれ50kHz及び0.5Aとし、励磁電流I1の1周期における丸棒電極51a,51bの間に生じた電圧Vrを測定した。
第1の比較例において、励磁コイル30に供給される正弦波の励磁電流I1の周波数及び振幅をそれぞれ50kHz及び0.5Aとし、励磁電流I1の1周期におけるサーチコイル31の両端間の電圧Vcを測定した。
第3の比較例及び第4の比較例において、励磁コイル30に供給される正弦波の励磁電流I1の周波数及び振幅をそれぞれ50kHz及び0.5Aとし、励磁電流I1の1周期における探針52a,52bの間の電圧Vnを測定した。
第1の実施の形態、第3の実施の形態、第1の比較例、第3の比較例及び第4の比較例において、UUコア29に生じる磁界の強さHを、測定した電流I1に基づいて周知の関係式から求めた。
第1の実施の形態において、磁束密度Bを、測定した電圧Vsに基づいて(9)式から求めた。第3の実施の形態において、磁束密度Bを、測定した電圧Vrに基づいて(17)式から求めた。
第1の比較例において、磁束密度Bを、測定した電圧Vcに基づいて周知の関係式から求めた。第3の比較例及び第4の比較例において、磁束密度Bを、測定した電圧Vnに基づいて周知の関係式から求めた。
第2の実施の形態、第4の実施の形態及び第2の比較例で用いられるEERコア32として、導電性を有するマンガン亜鉛フェライトで構成される磁路長L=103mmのEERコア(中脚断面積S=179mm2)を用いた。
第2の実施の形態、第4の実施の形態及び第2の比較例で用いられる励磁コイル30の巻数を10とした。第2の比較例で用いられるサーチコイル31の巻数を3とした。
第2の実施の形態において、励磁コイル30に供給される正弦波の励磁電流I1の周波数及び振幅をそれぞれ10kHz及び1.0Aとし、励磁電流I1の1周期における針電極21a,21bの間に生じた電圧Vsを測定した。
第4の実施の形態において、励磁コイル30に供給される正弦波の励磁電流I1の周波数及び振幅をそれぞれ10kHz及び1.0Aとし、励磁電流I1の1周期における丸棒電極51a,51bの間に生じた電圧Vrを測定した。
第2の比較例において、励磁コイル30に供給される正弦波の励磁電流I1の周波数及び振幅をそれぞれ10kHz及び1.0Aとし、励磁電流I1の1周期におけるサーチコイル31の両端間の電圧Vcを測定した。
第2の実施の形態、第4の実施の形態及び第2の比較例において、EERコア32に生じる磁界の強さHを、測定した電流I1に基づいて周知の関係式から求めた。第2の実施の形態において、磁束密度Bを、測定した電圧Vsに基づいて(16)式から求めた。第4の実施の形態において、磁束密度Bを、測定した電圧Vrに基づいて(17)式から求めた。第2の比較例において、磁束密度Bを、測定したVcに基づいて周知の関係式から求めた。
図25は、本発明による磁束密度測定方法の第1の実施の形態により得られる磁化曲線及び第1の比較例により得られる磁化曲線を示す図である。第1の実施の形態により得られる磁化曲線は、上述したようにして求めた磁界の強さHと磁束密度Bを用いて描かれ、図25において実線で示される。第1の比較例により得られる磁化曲線は、上述したようにして求めた磁界の強さHと磁束密度Bを用いて描かれ、図25において破線で示される。図25に示すように、第1の実施の形態により得られる磁化曲線が第1の比較例により得られる磁化曲線と極めて近似していることがわかる。
図26は、本発明による磁束密度測定方法の第3の実施の形態により得られる磁化曲線及び第1の比較例により得られる磁化曲線を示す図である。第3の実施の形態により得られる磁化曲線は、上述したようにして求めた磁界の強さHと磁束密度Bを用いて描かれ、図26において実線で示される。第1の比較例により得られる磁化曲線は、上述したようにして求めた磁界の強さHと磁束密度Bを用いて描かれ、図26において破線で示される。図26に示すように、第3の実施の形態により得られる磁化曲線が第1の比較例により得られる磁化曲線と極めて近似していることがわかる。
図27は、第1の比較例により得られる磁化曲線、第3の比較例により得られる磁化曲線及び第4の比較例により得られる磁化曲線を示す図である。第1の比較例により得られる磁化曲線は、上述したようにして求めた磁界の強さHと磁束密度Bを用いて描かれ、図27において破線で示される。第3の比較例により得られる磁化曲線は、上述したようにして求めた磁界の強さHと磁束密度Bを用いて描かれ、図27において一点鎖線で示される。第4の比較例により得られる磁化曲線は、上述したようにして求めた磁界の強さHと磁束密度Bを用いて描かれ、図27において実線で示される。第3の比較例により得られる磁化曲線及び第4の比較例により得られる磁化曲線が第1の比較例により得られる磁化曲線と相違していること、すなわち、探針法により得られる磁化曲線がサーチコイル法により得られる磁化曲線と相違していることがわかる。このような相違は、探針52a,52bの幅d(1.6mm)がUUコア29の矩形断面の辺BCの長さa(2.1mm)又は辺CDの長さb(10mm)より十分大きくないために探針法の第1の適用条件を満たさないことを示す。
第1の比較例により得られる磁化曲線、第1の実施の形態により得られる磁化曲線、第3の実施の形態により得られる磁化曲線、第3の比較例により得られる磁化曲線及び第4の比較例により得られる磁化曲線のそれぞれの残留磁束密度Br及び最大磁束密度Bmを記したものを表1に示す。表1の()内の数値は、第1の比較例(サーチコイル法)により得られる磁化曲線の残留磁束密度Br及び最大磁束密度Bmに対するそれぞれの誤差(単位%)である。
Figure 2021120650
表1を参照することにより、第1の実施の形態により得られる磁化曲線及び第3の実施の形態により得られる磁化曲線と第1の比較例により得られる磁化曲線との近似性を定量的に判定することができる。
表1に示すように、第1の実施の形態により得られる磁化曲線及び第3の実施の形態により得られる磁化曲線のそれぞれの残留磁束密度Br及び最大磁束密度Bmは、第1の比較例により得られる磁化曲線の残留磁束密度Br及び最大磁束密度Bmに対して誤差が3%未満であり、実用上十分な確度にある。
一方、表1に示すように、第3の比較例により得られる磁化曲線の残留磁束密度Br及び最大磁束密度Bmは、第1の比較例により得られる磁化曲線の残留磁束密度Br及び最大磁束密度Bmに対して誤差が最大約9%ある。
また、表1に示すように、第4の比較例により得られる磁化曲線の残留磁束密度Br及び最大磁束密度Bmは、第1の比較例により得られる磁化曲線の残留磁束密度Br及び最大磁束密度Bmに対して誤差が約80%もある。
さらに、第3の比較例と第4の比較例との相違が探針52a,52bが接触するUUコア29の面の相違だけであるにもかかわらず、第3の比較例により得られる磁化曲線の残留磁束密度Br及び最大磁束密度Bmは、第4の比較例により得られる磁化曲線の残留磁束密度Br及び最大磁束密度Bmと大幅に異なる。したがって、第3の比較例及び第4の比較例は、実用には全く適していない。
図28は、本発明による磁束密度測定方法の第2の実施の形態により得られる磁化曲線及び第2の比較例により得られる磁化曲線を示す図である。第2の実施の形態により得られる磁化曲線は、上述したようにして求めた磁界の強さHと磁束密度Bを用いて描かれ、図28において実線で示される。第2の比較例により得られる磁化曲線は、上述したようにして求めた磁界の強さHと磁束密度Bを用いて描かれ、図28において破線で示される。図28に示すように、第2の実施の形態により得られる磁化曲線が第2の比較例により得られる磁化曲線と極めて近似していることがわかる。
図29は、本発明による磁束密度測定方法の第4の実施の形態により得られる磁化曲線及び第2の比較例により得られる磁化曲線を示す図である。第4の実施の形態により得られる磁化曲線は、上述したようにして求めた磁界の強さHと磁束密度Bを用いて描かれ、図29において実線で示される。第2の比較例により得られる磁化曲線は、上述したようにして求めた磁界の強さHと磁束密度Bを用いて描かれ、図29において破線で示される。図29に示すように、第4の実施の形態により得られる磁化曲線が第2の比較例により得られる磁化曲線と極めて近似していることがわかる。
第2の比較例により得られる磁化曲線、第2の実施の形態により得られる磁化曲線及び第4の実施の形態により得られる磁化曲線のそれぞれの残留磁束密度Br及び最大磁束密度Bmを記したものを表2に示す。表2の()内の数値は、第2の比較例(サーチコイル法)により得られる磁化曲線の残留磁束密度Br及び最大磁束密度Bmに対するそれぞれの誤差(単位%)である。
Figure 2021120650
表2を参照することにより、第2の実施の形態により得られる磁化曲線及び第4の実施の形態により得られる磁化曲線と第2の比較例により得られる磁化曲線との近似性を定量的に判定することができる。
表2に示すように、第2の実施の形態により得られる磁化曲線及び第4の実施の形態により得られる磁化曲線のそれぞれの残留磁束密度Br及び最大磁束密度Bmは、第2の比較例により得られる磁化曲線の残留磁束密度Br及び最大磁束密度Bmに対して誤差が3%未満であり、実用上十分な確度にある。
第1の実施の形態によれば、第1の比較例と同様に、UUコア29内の十分に実用に適した局所的な磁束密度の測定を行うことができる。また、第1の実施の形態によれば、サーチコイル法のようにUUコア29の測定したい個所ごとにサーチコイルを形成する作業を必要とせず、かつ、探針法に要求される上記第1の適用条件及び上記第2の適用条件を満たす必要がない。したがって、矩形断面を有するUUコア29内の局所的な磁束密度を極めて容易に測定することができる。
第2の実施の形態によれば、第2の比較例と同様に、EERコア32内の十分に実用に適した局所的な磁束密度の測定を行うことができる。また、第2の実施の形態によれば、サーチコイル法のようにEERコア32の測定したい個所ごとにサーチコイルを形成する作業を必要とせず、かつ、探針法に要求される上記第1の適用条件及び上記第2の適用条件を満たす必要がない。したがって、円断面の中脚を有するEERコア32内の局所的な磁束密度を極めて容易に測定することができる。
第3の実施の形態によれば、第1の比較例と同様に、UUコア29内の十分に実用に適した局所的な磁束密度の測定を行うことができる。また、第3の実施の形態によれば、サーチコイル法のようにUUコア29の測定したい個所ごとにサーチコイルを形成する作業を必要とせず、かつ、探針法に要求される上記第1の適用条件及び上記第2の適用条件を満たす必要がない。したがって、矩形断面を有するUUコア29内の局所的な磁束密度を極めて容易に測定することができる。また、丸棒電極51a,51bは、UUコア29の矩形断面の中心O1を挟んで互いに対向した状態でUUコア29に容易に点接触することができる。
第4の実施の形態によれば、第2の比較例と同様に、EERコア32内の十分に実用に適した局所的な磁束密度の測定を行うことができる。また、第4の実施の形態によれば、サーチコイル法のようにEERコア32の測定したい個所ごとにサーチコイルを形成する作業を必要とせず、かつ、探針法に要求される上記第1の適用条件及び上記第2の適用条件を満たす必要がない。したがって、円断面の中脚を有するEERコア32内の局所的な磁束密度を極めて容易に測定することができる。また、丸棒電極51a,51bは、EERコア32の中脚の円断面の中心O2を挟んで互いに対向した状態でEERコア32の中脚に容易に点接触することができる。
本発明は、上述した第1の実施の形態、第2の実施の形態、第3の実施の形態及び第4の実施の形態に限定されるものではなく、幾多の変更及び変形が可能である。例えば、第1の実施の形態及び第2の実施の形態において、治具22と構成の異なる治具を用いてもよく、第3の実施の形態において、治具42と構成の異なる治具を用いてもよく、第4の実施の形態において、治具42’と構成の異なる治具を用いてもよい。
また、第1の実施の形態、第2の実施の形態、第3の実施の形態及び第4の実施の形態において、電流I1を検出するためにシャント抵抗24の代わりに電流プローブを用いてもよい。第1の実施の形態及び第3の実施の形態において、UUコア29以外の磁心内の磁束密度を測定してもよく、第2の実施の形態及び第4の実施の形態において、EERコア32以外の磁心(例えば、リングコア)内の磁束密度を測定してもよい。例えば、第1の実施の形態、第2の実施の形態、第3の実施の形態及び第4の実施の形態において、リングコア内の磁束密度又は矩形若しくは円以外の形状の断面を有する磁心内の磁束密度を測定してもよい。
1 シート形状の磁心
2,31 サーチコイル
3a,3b,52a,52b 探針
11,41,41’ 磁束密度測定装置
21a,21b 針電極
22,42,42’ 治具
22a,22b,42a,42b,42a’,42b’ 支持部
22c,22d,42c,42d,42c’,42d’ 溝
23 信号発生器
24 シャント抵抗
25 電流測定回路
26 電圧測定回路
27 制御演算部
28 表示装置
29 UUコア
30 励磁コイル
32 EERコア
51a,51b 丸棒電極

Claims (6)

  1. 第1の電極及び第2の電極と、前記第1の電極及び前記第2の電極を移動させるための治具と、導電性を有する磁性体の磁心に点接触した前記第1の電極と前記第2の電極の間に生じた電圧を測定する電圧測定回路と、制御演算部と、を備える磁束密度測定装置を用いることによって、磁心内の磁束密度を測定する磁束密度測定方法であって、
    前記治具を用いて、前記第1の電極及び前記第2の電極を、磁心の断面の中心を挟んで互いに対向した状態で磁心に点接触するように配置する電極配置工程と、
    前記電圧測定回路によって、前記電極配置工程の後に前記第1の電極と前記第2の電極の間に生じた電圧を測定する電圧測定工程と、
    前記制御演算部によって、磁心内の磁束密度を、前記電圧測定工程で測定された電圧に基づいて算出する磁束密度算出工程と、
    を備える磁束密度測定方法。
  2. 前記第1の電極及び前記第2の電極は、針電極であり、
    前記治具は、矩形断面を有する磁心の当該矩形断面の第1の辺の中点に前記第1の電極の先端を点接触させるとともに当該矩形断面の第1の辺に平行な第2の辺の中点に前記第2の電極の先端を点接触させる、請求項1に記載の磁束密度測定方法。
  3. 前記第1の電極及び前記第2の電極は、針電極であり、
    前記治具は、円断面を有する磁心の当該円断面の中心を挟んで互いに対向した状態で磁心に前記第1の電極の先端及び前記第2の電極の先端をそれぞれ点接触させる、請求項1に記載の磁束密度測定方法。
  4. 前記第1の電極及び前記第2の電極は、棒電極であり、
    前記治具は、矩形断面を有する磁心の当該矩形断面の第1の頂点に前記第1の電極の側部を点接触させるとともに当該矩形断面の中心を挟んで当該矩形断面の第1の頂点に対向する第2の頂点に前記第2の電極の側部を点接触させる、請求項1に記載の磁束密度測定方法。
  5. 前記第1の電極及び前記第2の電極は、棒電極であり、
    前記治具は、円断面を有する磁心の当該円断面の中心を挟んで互いに対向した状態で磁心に前記第1の電極の側部及び前記第2の電極の側部をそれぞれ点接触させる、請求項1に記載の磁束密度測定方法。
  6. 第1の電極及び第2の電極と、
    前記第1の電極及び前記第2の電極を、導電性を有する磁性体の磁心の断面の中心を挟んで互いに対向した状態で磁心に点接触するように配置するための治具と、
    前記治具によって磁心の断面の中心を挟んで互いに対向した状態で磁心に点接触するように配置された前記第1の電極と前記第2の電極の間に生じた電圧を測定する電圧測定回路と、
    磁心内の磁束密度を、前記電圧測定回路によって測定された電圧に基づいて算出する制御演算部と、
    を備える磁束密度測定装置。
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