JP2515596Y2 - 磁性部品の検査装置 - Google Patents

磁性部品の検査装置

Info

Publication number
JP2515596Y2
JP2515596Y2 JP1990126040U JP12604090U JP2515596Y2 JP 2515596 Y2 JP2515596 Y2 JP 2515596Y2 JP 1990126040 U JP1990126040 U JP 1990126040U JP 12604090 U JP12604090 U JP 12604090U JP 2515596 Y2 JP2515596 Y2 JP 2515596Y2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coil
magnetic
magnetic component
signal
detection coil
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP1990126040U
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0485160U (ja
Inventor
義雄 加藤
武志 宇野
隆幸 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Central R&D Labs Inc
Original Assignee
Toyota Central R&D Labs Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Central R&D Labs Inc filed Critical Toyota Central R&D Labs Inc
Priority to JP1990126040U priority Critical patent/JP2515596Y2/ja
Publication of JPH0485160U publication Critical patent/JPH0485160U/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2515596Y2 publication Critical patent/JP2515596Y2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Measuring Magnetic Variables (AREA)
  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Magnetic Means (AREA)

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は磁性部品の検査装置に係り、特に、中空部を
有する磁性部品の透磁率を測定して検査する磁性部品の
検査装置に関する。
〔従来技術及び考案が解決しようとする課題〕
焼結軟磁性材料は、一般の焼結機械部品と同様に原料
粉末から直接成形するので、成形する部品形状の自由度
が高い。また、量産性も良好であるためモータの回転
子、モータカバー、リレー鉄心等に用いられており、近
年では自動車のエレクトロニクス化に伴い、自動車用の
磁性部品として電磁石のヨーク、プランジャ等の需要が
高まっている。
また、金属系の焼結軟磁性材料には鉄系、パーマロイ
系、ステンレス系等があり、要求される磁気特性等に応
じて選択されて使用される。一般に焼結軟磁性部品は同
組成の溶製材と比較して密度が低いので飽和磁束密度が
低いが、電気抵抗が高いため交流磁界中ではうず電流損
が小さい。このため、交流磁界中で使用する場合には前
記溶製材よりも透磁率が高くなることがあり、特に磁気
センサへの適用が期待されている。
焼結軟磁性部品は従来の溶製材に比較して原料、密
度、焼結雰囲気及び焼結条件、不純物量、加工歪、焼鈍
条件等の製造条件によって保磁力、残留磁束密度、透磁
率等の磁気的性質が大きく左右される。このため、一定
の品質で製造するために製造工程の管理が重要であり、
製造した軟磁性部品の透磁率等の磁気特性を生産ライン
等において検査し、品質を管理する必要があった。
軟磁性部品を含む磁性部品の検査方法として、磁界中
に被測定試料を置き、磁界の強さと方向を変化させたと
きの磁束密度を測定して被測定試料の透磁率等の磁気特
性を求めるようにした検査装置がある。しかし、この検
査装置は大型かつ高価格であり、生産ラインで使用する
ことは困難であった。
また磁性部品の形状が環状の場合には、該部品に巻線
を施してトロイダルコイルを形成させ、インダクタンス
を測定した結果に基づいて透磁率を求める方法がある
が、製造した磁性部品の各々に一定回数の巻線を施しト
ロイダルコイルとするために多大な労力と時間を消費す
るため効率が良くなかった。また、巻線数や巻線の密度
によって測定誤差を生ずるため、検出精度も高くなかっ
た。
さらに、本出願人が先に提案した残留オーステナイト
測定装置(特開平1-141348号公報参照)を利用すること
も考えられる。しかしながら、この残留オーステナイト
測定装置は強磁性体であるベイナイト鋳鉄に含まれる非
磁性体のオーステナイトの量を検出するために、被測定
試料の外周に励磁コイル及び検出コイルを配置し、励磁
コイルに低周波の電流を流して磁界を発生させ、被測定
試料の内部まで磁束を浸透させると共に、検出コイルに
よって前記磁界の強さを検出するようにしている。この
ため、特に試料の表面層付近に密度むら、欠陥等が生じ
易い軟磁性部品に対しては検出感度が極めて低下し、微
小な磁気特性差を検出することができない。更に励磁コ
イル及び検出コイルを被測定試料の外周に配置している
ため、中空部を有する軟磁性部品に対しては内周側の表
面層付近の検査を行うことができない、という問題があ
った。
本考案は上記事実を考慮して成されたもので、磁性部
品の表面層付近の検査を容易かつ精度よく行うことがで
きる磁性部品の検査装置を得ることが目的である。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するために本考案に係る磁性部品の検
査装置は、中空部を有する磁性部品の外周に配置される
第1の励磁コイルと、前記磁性部品の内周に配置される
第2の励磁コイルと、高周波の電流を前記第1の励磁コ
イルまたは第2の励磁コイルに供給して励磁させる高周
波電源と、前記磁性部品近傍に配置されると共に第1の
励磁コイルまたは第2の励磁コイルにより発生する磁界
によって交流信号が誘起される検出コイルと、磁性部品
の異常の有無を判断する判断手段と、を備えた磁性部品
の検査装置であって、第1の励磁コイル及び第2の励磁
コイルは、磁性部品の外周側と内周側の特性が等しい場
合に、第1の励磁コイルにより発生する磁界によって検
出コイルに誘起される交流信号と、第2の励磁コイルに
より発生する磁界によって検出コイルに誘起される交流
信号と、が等しくなるように調整されており、前記判断
手段は、検出コイルに誘起された交流信号と基準信号と
の差、及び第1の励磁コイルにより発生する磁界によっ
て検出コイルに誘起される交流信号と第2の励磁コイル
により発生する磁界によって検出コイルに誘起される交
流信号との差に基づいて磁性部品の異常の有無を判断す
ることを特徴としている。
また、前記磁性部品は一定形状であり、前記第1の励
磁コイル、第2の励磁コイル及び検出コイルは、前記磁
性部品が出入自在とされ挿入された磁性部品を一定位置
に保持するための溝部が形成された測定容器に取付けら
れており、前記判断手段は、前記検出コイルに誘起され
た交流信号の振幅が極端に大きい場合には、前記測定容
器に磁性部品が正常にセットされていないと判断するこ
とが好ましい。
〔作用〕
本考案では第1の励磁コイルを磁性部品の外周に配置
すると共に第2の励磁コイルを磁性部品の内周に配置し
ている。第1の励磁コイルと第2の励磁コイルには各々
高周波の電流が供給される。第1の励磁コイルが励磁さ
れ磁界が発生すると、磁性部品を流れる磁束は高周波の
磁界による表皮効果によって磁性部品の外周側の表面層
付近に集中する。このため、前記磁界の強さは磁性部品
の外周側の表面層付近の透磁率の影響を受ける。磁性材
料の透磁率等の磁気特性は密度むらや欠陥によって大き
く変化する。従って、このとき検出コイルに誘起される
交流信号は、前記磁性部品の外周側の表面層付近の状態
を反映したものとなる。
また、第2の励磁コイルが励磁され磁界が発生する
と、前記と同様に磁性部品を流れる磁束は磁性部品の内
周側の表面層付近に集中する。このため前記磁界の強さ
は、磁性部品の内周側の表面層付近の透磁率の影響を受
け、上述の第1の励磁コイルを励磁した場合と同様に、
このとき検出コイルに誘起される交流信号も前記磁性材
料の内周側の表面層付近の状態を反映したものとなる。
このように、検出コイルに誘起される交流信号は磁性
部品の外周及び内周の表面層付近の状態を反映し、磁性
部品の表面層付近の密度むらや欠陥に顕著に反応する。
このため、磁性部品の外周面及び内周面の密度むらや欠
陥を高い精度で検出することができる。また本考案で
は、磁性部品の外周側と内周側の特性が等しい場合に、
第1の励磁コイルにより発生する磁界によって検出コイ
ルに誘起される交流信号と、第2の励磁コイルにより発
生する磁界によって検出コイルに誘起される交流信号
と、が等しくなるように第1の励磁コイルまたは第2の
励磁コイルが調整されている。
これにより、検出コイルに誘起された交流信号と基準
信号との差に基づいて、磁性部品の外周面及び内周面の
各々の異常の有無を判断できると共に、第1の励磁コイ
ルにより発生する磁界によって検出コイルに誘起される
交流信号と第2の励磁コイルにより発生する磁界によっ
て検出コイルに誘起される交流信号との差に基づいて、
磁性部品の外周側と内周側との特性差を判断することが
でき、磁性部品の外周側及び内周側の表面層付近の検査
を容易かつ精度よく行うことができる。従って、本考案
に係る磁性部品の検査装置は、特に表面層付近に密度む
ら、欠陥等が生じ易い軟磁性部品の検査に有効である。
また、検査を行う磁性部品が一定形状である場合に
は、第1の励磁コイル、第2の励磁コイル及び検出コイ
ルを、磁性部品が出入自在とされ挿入された磁性部品を
一定位置に保持するための溝が形成された測定容器に取
付けることが好ましい。これにより、検査装置を小型化
できる。また、検査を行う磁性部品に巻線を施す等の作
業が不要になると共に、磁性部品を測定容器の溝部に挿
入することによって、各コイルと磁性部品との相対位置
が一定となるように磁性部品が一定位置に保持され、容
易かつ高精度に検査を行うことができるので、生産ライ
ンでの検査に使用することが容易になる。
また、上記のように、第1の励磁コイル、第2の励磁
コイル及び検出コイルを測定容器に取付け、磁性部品を
測定容器に形成された溝部に挿入して磁性部品をセット
するように構成したとすると、磁性部品が測定容器に正
常にセットされていない場合には、検出コイルに誘起さ
れる交流信号の振幅が極端に大きくなるので、これを利
用し、検出コイルに誘起された交流信号の振幅が極端に
大きい場合には、測定容器に磁性部品が正常にセットさ
れていないと判断することができる。これにより、磁性
部品が測定容器に正常にセットされていないにも拘らず
磁性部品の検査が行われて誤った検査結果が出力される
ことを防止することができる。
なお、前記基準信号は磁性部品の標準試料を測定した結
果を用いることが好ましく、例えば前記各コイルを一体
に形成した測定容器を複数設け、一方に標準試料を挿入
すると共に他方に測定試料を挿入し、標準試料を挿入し
た測定容器から得られる交流信号を基準信号として用い
ることができる。また、単一の測定容器において標準試
料と測定試料とを交互に挿入して標準試料で得られた交
流信号を基準信号として記憶して測定するようにしても
よい。また、標準試料の測定を予め行って測定結果を基
準信号として記憶しておいてもよい。
〔実施例〕
以下、図面を参照して本考案の実施例を詳細に説明す
る。
第1図には本考案に係る軟磁性部品の検査装置10が示
されている。軟磁性部品の検査装置10は高周波発振器12
を備えている。高周波発振器12は一定周波数でかつ一定
振幅の高周波信号を出力する。高周波発振器12の出力端
子はスイッチ14の第1接点14Bに接続されている。スイ
ッチ14の第2接点14Cは接地されている。スイッチ14は
第1接点14Bまたは第2接点14Cのいずれかを共通接点14
Aと導通させる。スイッチ14はスイッチ駆動回路16によ
って接点が切り換わるようになっている。
スイッチ14の共通接点14Aは定電流アンプ18の2個の
入力端子の一方に接続されている。定電流アンプ18の入
力端子の他方は負荷抵抗20の一端に接続されており、負
荷抵抗20の他端は接地されている。定電流アンプ18は前
記高周波信号を増幅し、一定電流の高周波信号を出力す
る。定電流アンプ18の出力端子は励磁コイル22Aの一端
及び励磁コイル24Aの一端に接続されている。励磁コイ
ル22Aの一端は励磁コイル22Bの一端に接続されており、
励磁コイル22Bの他端はスイッチ26の第1接点26Bに接続
されている。また、励磁コイル24Aの他端は励磁コイル2
4Bの一端に接続されており、励磁コイル24Bの他端はス
イッチ26の第2接点26Cに接続されている。
前記励磁コイル22A及び励磁コイル24Aは軟磁性部品の
標準試料28が挿入される測定容器32と一体に形成されて
いる。なお、標準試料28としては密度むら、欠陥等が無
いことが予め確認されている部品が使用される。また、
励磁コイル22B及び励磁コイル24Bは前記標準試料28と同
一形状の軟磁性部品の測定試料30が挿入される測定容器
34と一体に形成されている。第2図に示すように、測定
容器32は、円柱形で中央部に円溝部36Aを有する第1の
治具36と、第1の治具36と同様の形状で前記円溝部36A
内に収容される第2の治具38と、第1の治具36及び第2
の治具38と同様の形状で第2の治具38の円溝部38A内に
収容される第3の治具40と、を備えている。各治具36、
38、40はジュラコンやベークライト等の樹脂で形成され
ている。また、第2の治具38及び第3の治具40はネジ42
によって第1の治具36に固定されている。第2の治具38
と第3の治具40との間には隙間が設けられており、この
隙間には前述のように中空部28Aを有する標準試料28が
挿入される。
また、第1の治具36の外周には全周に亘って溝部36B
が設けられている。また、第2の治具38及び第3の治具
40の外周にも、前記溝部36Bと軸線方向の位置及び寸法
が同一となるように溝部38B及び溝部40Bが設けられてい
る。第1の治具36の溝部36Bには前記励磁コイル22Aが巻
回されている。また、第3の治具40の溝部40Bには励磁
コイル24Aが巻回されている。なお、測定容器34は測定
容器32と同一の構造であり、励磁コイル22Bは測定容器3
4の第1の治具の溝部に巻回され、励磁コイル24Bは第3
の治具の溝部に巻回されている。
一方、第1図に示すようにスイッチ26の共通接点26A
は負荷抵抗20を介して接地されている。スイッチ26は第
1接点26Bまたは第2接点26Cのいずれかを共通接点26A
と導通させる。スイッチ26はスイッチ駆動回路44によっ
て接点が切り換わるようになっている。スイッチ26の共
通接点26Aと第1接点26Bとが導通された状態では定電流
アンプ18から出力された一定電流の高周波信号が励磁コ
イル22A及び励磁コイル22Bに供給されて励磁される。従
って、励磁コイル22A及び励磁コイル22Bによって標準試
料28及び測定試料30の外周側に高周波の磁界が発生す
る。また、共通接点26Aと第2接点26Cとが導通された状
態では定電流アンプ18から出力された一定電流の高周波
信号が励磁コイル24A及び励磁コイル24Bに供給されて励
磁される。従って励磁コイル24A及び励磁コイル24Bによ
って標準試料28及び測定試料30の内周側に高周波の磁界
が発生する。
第2図に示すように、測定容器32の第2の治具38の溝
部38Bには検出コイル46が巻回されている。検出コイル4
6は励磁コイル22Aまたは励磁コイル24Aにより発生する
磁界によって交流信号が誘起される。また、測定容器34
も同様に第2の治具の溝部に検出コイル48が巻回されて
いる。検出コイル48も励磁コイル22Bまたは励磁コイル2
4Bにより発生する磁界によって交流信号が誘起される。
また、検出コイル46及び検出コイル48は、標準試料28と
測定試料30との磁気特性が同一の場合には同一振幅の交
流信号が誘起されるように巻数が調整されている。さら
に励磁コイル22Aと励磁コイル24A及び励磁コイル22Bと
励磁コイル24Bの巻数は、各測定容器に挿入される試料
の外周側の磁気特性と内周側の磁気特性とが同一の場合
には各検出コイルに同一振幅の交流が誘起されるように
調整されている。
検出コイル46は、第1の励磁コイル22A及び第2の励
磁コイル24Aに対しそれぞれ1つずつ設ける必要はな
く、1つでよい。すなわち、第2図に示すように、検出
コイル46は第1の励磁コイル22Aと第2の励磁コイル24A
との間にあって試料28に接近して配設することにより、
検出コイル46には試料28の外周及び内周の表面層付近の
状態を反映した各々の交流信号が誘起される。なお、検
出コイル48についても同様である。従って検査装置は第
1及び第2の励磁コイルとそれらに対応する1つの検出
コイルとの3つのコイルで構成できるので、種々の形状
寸法の試料を測定することができる。
第1図に示すように、検出コイル46と検出コイル48と
は誘起される交流信号の位相が逆となるように直列に接
続されている。従って、検出コイル46及び検出コイル48
で構成される検出コイル対から出力される交流信号は、
標準試料28と測定試料30との磁気特性が同一の場合には
零となる。また、測定試料30の欠陥等によって標準試料
28と測定試料30との磁気特性、例えば透磁率等に差があ
る場合には検出コイル46と検出コイル48とで誘起される
信号の振幅が変化し、前記検出コイル対からは透磁率等
の磁気特性の差分に相当する交流信号が出力される。さ
らに測定試料30の外周側と内周側とで密度むら等が生じ
ている場合には、励磁コイル22Bを励磁したとき検出コ
イル48に誘起される交流信号の振幅と、励磁コイル24B
を励磁したとき検出コイル48に誘起される交流信号の振
幅と、で差が生ずる。
検出コイル46の他端はバイパスコンデンサ50の一端に
接続され、検出コイル48の他端はバイパスコンデンサ50
の他端に接続されている。バイパスコンデンサ50の両端
は交流−直流変換回路52の入力側に接続されている。バ
イパスコンデンサ50は検出コイル46、48から出力された
交流信号から高調波成分を除いて歪の少ない高周波信号
とし、交流−直流変換回路52へ出力する。交流−直流変
換回路52では入力された高周波信号を振幅の大きさに比
例したレベルの直流信号(アナログ)に変換して出力す
る。交流−直流変換回路52の出力信号は制御装置54のAD
コンバータ56へ入力される。ADコンバータ56はCPU58に
接続されており、入力されたアナログ信号を検出コイル
対から出力された交流信号の振幅の大きさを表すデジタ
ル信号に変換する。変換した信号はCPU58に取り込まれ
る。
CPU58には、軟磁性部品の検査を行うためのプログラ
ム及び検査において各種の判断で使用する許容値等のデ
ータが記憶されたメモリ60、各種の指令を入力するため
のテンキー等から構成される入力部62、検査結果等を表
示するための表示部64、計測データ等を記録するための
プリンタ66等が接続されている。またCPU58にはスイッ
チ駆動回路16、44が接続されている。CPU58はスイッチ
駆動回路16、44を介してスイッチ14、26の接点の切換え
を制御する。
次に第3図のフローチャートを参照して本実施例の作
用を説明する。
ステップ100では測定を開始するか否か判定する。測
定を開始する場合、測定者は測定容器34に測定試料30を
セットし、入力部62を介して測定開始を指示するデータ
を入力する。なお、測定容器32には予め標準試料28がセ
ットされている。前記測定開始を指示するデータが入力
されるとステップ100の判定が肯定され、ステップ102へ
移行する。
ステップ102ではスイッチ14の共通接点14Aと第1接点
14Bとを導通させて高周波発振器12を回路に接続すると
共に、スイッチ26の共通接点26Aと第1接点26Bとを導通
させる。これにより、高周波発振器12から出力された高
周波信号が定電流アンプ18で増幅され、高周波電流とし
て励磁コイル22A及び励磁コイル22Bに供給されて励磁さ
れる。これに伴って標準試料28及び測定試料30の外周側
に高周波の磁界が発生し、各試料の外周側表面層付近に
磁束が流れると共に、検出コイル46及び検出コイル48に
交流信号が誘起される。このとき検出コイル46に誘起さ
れる交流信号は、標準試料28の外周側の表面層付近の磁
気特性に応じた振幅となる。同様に検出コイル48に誘起
される交流信号は、測定試料30の外周側の表面層付近の
磁気特性に応じた振幅となる。
標準試料28と測定試料30との磁気特性が同一である場
合には検出コイル対から出力される信号は零となるが、
前記磁気特性が同一でない場合には検出コイル対から所
定の振幅の交流信号が出力され、交流−直流変換回路52
に入力される。入力された交流信号は交流−直流変換回
路52で前記交流信号の振幅に比例したアナログの直流信
号に変換され、ADコンバータ56では前記交流信号の振幅
の大きさを表すデジタル信号に変換される。
次のステップ104では変換されたデジタル信号を取込
み、ステップ106ではスイッチ14の共通接点14Aと第2接
点14Cとを導通させる。これによって励磁コイル22A及び
励磁コイル22Bへの電流の供給が停止され、各励磁コイ
ル22A、22Bの励磁が停止される。このように励磁コイル
22A、22Bに電流を供給している時間を短時間とすること
によって励磁コイルの発熱を抑えることができる。
次のステップ108では取り込んだ信号から振幅の大き
さが極端に大きいか否か判定する。ステップ108の判定
が肯定された場合は、測定試料30が測定容器34に正常に
セットされていないと判断し、ステップ110で表示部64
等に「セット不良」を意味するメッセージを表示してス
テップ100へ戻る。ステップ108の判定が否定された場合
には、ステップ112で検出コイル対から出力された交流
信号の振幅の大きさが許容範囲内であるか否か判定す
る。この判定はメモリ60に予め記憶されている許容値と
比較することによって判断できる。ステップ112の判定
が否定された場合には、測定試料30の外周側の表面層付
近に欠陥等があると判断し、ステップ114で「外周側不
良」を意味するメッセージを表示してステップ100へ戻
る。
ステップ112の判定が肯定された場合には測定試料30
の外周側には異常はないと判断し、ステップ116で外周
側の磁気特性の測定結果である前記取り込んだ信号を一
旦メモリ60に記憶する。次のステップ118では、スイッ
チ14の共通接点14Aと第1接点14Bとを導通させると共
に、スイッチ26の共通接点26Aと第2接点26Cとを導通さ
せる。これにより、高周波電流が励磁コイル24A及び励
磁コイル24Bに供給されて励磁される。これに伴って標
準試料28及び測定試料30の内周側に磁界が発生し、検出
コイル46及び検出コイル48に交流信号が誘起される。こ
のとき検出コイル46に誘起される交流信号は、標準試料
28の内周側の表面層付近の磁気特性に応じた大きさの振
幅となる。同様に検出コイル48に誘起される交流信号
は、測定試料30の内周側の表面層付近の磁気特性に応じ
た大きさの振幅となる。標準試料28と測定試料30とで内
周側の表面層付近の磁気特性が同一でない場合には、検
出コイル対から出力される交流信号が零以外となり、こ
の交流信号は前記と同様に処理される。
ステップ120ではステップ104と同様に信号を取込み、
ステップ122でスイッチ14を切換えて励磁を停止させ
る。ステップ124では取り込んだ信号が表す振幅の大き
さが許容範囲内であるか否かを判定する。ステップ124
の判定が否定された場合には測定試料30の内周側の表面
層付近に欠陥等があると判断し、ステップ126で「内周
側不良」を意味するメッセージを表示してステップ100
へ戻る。
ステップ124の判定が肯定された場合はステップ128へ
移行し、ステップ120で取り込んだ内周側に対応する信
号が表す振幅の大きさと、ステップ116でメモリ60に記
憶した外周側に対応する信号が表す振幅の大きさと、の
差を演算する。ステップ130ではステップ128で演算した
振幅の差が許容範囲内か否か判定する。
測定試料30が標準試料28のように均一な磁気特性であ
れば、励磁コイル22Bを励磁したときに検出コイル48に
誘起される交流信号の振幅と、励磁コイル24Bを励磁し
たときに検出コイル48に誘起される交流信号の振幅と、
は同一となる。従って、前記各交流信号から導出される
外周側透磁率μOUTと内周側透磁率μINとは第4図に破
線で示すように同一の値となる。しかし測定試料30が密
度むらや欠陥等によって均一な磁気特性でない場合には
励磁コイル22Bを励磁したときの交流信号の振幅と、励
磁コイル24Bを励磁したときの交流信号の振幅と、で差
が生ずる。このため、前記外周側透磁率μOUTの値と内
周側透磁率μINの値とに差が生じ、第4図に示すように
μOUTとμINの関係は、例えば内周側に欠陥等がある場
合には「○」の位置へ移行し、外周側に欠陥等がある場
合には「×」の位置へ変移する。
従って、ステップ130の判定が否定された場合は測定
試料30の外周側と内周側とで磁気特性のばらつきが大き
いと判断し、ステップ132で例えば「密度むら有り」を
意味するメッセージを表示し、ステップ100へ戻る。ス
テップ130の判定が肯定された場合には、ステップ134で
「合格」を意味するメッセージを表示する。これにより
検査者等は測定試料30が検査に合格したことを容易に認
識することができる。ステップ134実行後はステップ100
へ戻り、上記処理を繰り返す。
なお、本実施例では軟磁性部品の検査装置10で軟磁性
部品の検査を行う例を示したが、該検査装置10を用いて
通常の磁性部品の表面層付近の検査を行うこともでき
る。
また、測定試料30の外周側と内周側とで磁気特性のば
らつきが大きいと判断した場合には、第4図に示すμ
OUTとμINの関係が「○」の位置へ変移したか「×」の
位置へ変移したかを判断し、欠陥等が生じている箇所を
表示するようにしてもよい。
さらに、本実施例では測定容器32に標準試料28を挿入
すると共に測定容器34に測定試料30を挿入し、測定容器
32の検出コイル46から得られる交流信号を基準信号とし
て用いていたが、本考案はこれに限定されるものではな
く、例えば検査装置に単一の測定容器を設け、この測定
容器に標準試料28と測定試料30とを交互に挿入して測定
するようにしてもよい。また、標準試料28の測定を予め
行って測定結果を基準信号としてメモリ60等に記憶して
おいてもよい。
〔考案の効果〕
以上説明したように本考案では、第1の励磁コイルを
磁性部品の外周に配置すると共に第2の励磁コイルを磁
性部品の内周に配置し、第1の励磁コイル及び第2の励
磁コイルに各々高周波の電流を供給するようにしたの
で、磁性部品の表面層付近の検査を容易かつ精度よく行
うことができる、という優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本実施例に係る磁性部品の検査装置を示す回路
図、第2図は測定容器を示す断面図、第3図は本実施例
の作用を説明するフローチャート、第4図は外周側の透
磁率と内周側の透磁率との関係を示す線図である。 10……軟磁性部品の検査装置、12……高周波発振器、18
……定電流アンプ、22A、22B、24A、24B……励磁コイ
ル、28……標準試料、30……測定試料、46、48……検出
コイル、54……制御装置。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−163267(JP,A) 特開 昭59−92342(JP,A) 特開 平1−41855(JP,A)

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】中空部を有する磁性部品の外周に配置され
    る第1の励磁コイルと、 前記磁性部品の内周に配置される第2の励磁コイルと、 高周波の電流を前記第1の励磁コイルまたは第2の励磁
    コイルに供給して励磁させる高周波電源と、 前記磁性部品近傍に配置されると共に第1の励磁コイル
    または第2の励磁コイルにより発生する磁界によって交
    流信号が誘起される検出コイルと、 磁性部品の異常の有無を判断する判断手段と、 を備えた磁性部品の検査装置であって、 第1の励磁コイル及び第2の励磁コイルは、磁性部品の
    外周側と内周側の特性が等しい場合に、第1の励磁コイ
    ルにより発生する磁界によって検出コイルに誘起される
    交流信号と、第2の励磁コイルにより発生する磁界によ
    って検出コイルに誘起される交流信号と、が等しくなる
    ように調整されており、 前記判断手段は、検出コイルに誘起された交流信号と基
    準信号との差、及び第1の励磁コイルにより発生する磁
    界によって検出コイルに誘起される交流信号と第2の励
    磁コイルにより発生する磁界によって検出コイルに誘起
    される交流信号との差に基づいて磁性部品の異常の有無
    を判断する ことを特徴とする磁性部品の検査装置。
  2. 【請求項2】前記磁性部品は一定形状であり、 前記第1の励磁コイル、第2の励磁コイル及び検出コイ
    ルは、前記磁性部品が出入自在とされ挿入された磁性部
    品を一定位置に保持するための溝部が形成された測定容
    器に取付けられており、 前記判断手段は、前記検出コイルに誘起された交流信号
    の振幅が極端に大きい場合には、前記測定容器に磁性部
    品が正常にセットされていないと判断する ことを特徴とする請求項(1)記載の磁性部品の検査装
    置。
JP1990126040U 1990-11-28 1990-11-28 磁性部品の検査装置 Expired - Lifetime JP2515596Y2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1990126040U JP2515596Y2 (ja) 1990-11-28 1990-11-28 磁性部品の検査装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1990126040U JP2515596Y2 (ja) 1990-11-28 1990-11-28 磁性部品の検査装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0485160U JPH0485160U (ja) 1992-07-23
JP2515596Y2 true JP2515596Y2 (ja) 1996-10-30

Family

ID=31873615

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1990126040U Expired - Lifetime JP2515596Y2 (ja) 1990-11-28 1990-11-28 磁性部品の検査装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2515596Y2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6848538B2 (ja) * 2017-03-03 2021-03-24 日本製鉄株式会社 磁気特性測定器、磁気特性測定システム、および磁気特性測定方法

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CA1201481A (en) * 1982-10-22 1986-03-04 Majesty (Her) In Right Of Canada As Represented By Atomic Energy Of Canada Limited/L'energie Atomique Du Canada Limitee Eddy current probe with defect-noise discrimination
JPS63163267A (ja) * 1986-12-26 1988-07-06 Kawasaki Steel Corp 鋼管の渦流探傷方法
JPS6441855A (en) * 1987-08-07 1989-02-14 Hitachi Ltd Eddy current flaw detector

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0485160U (ja) 1992-07-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5548214A (en) Electromagnetic induction inspection apparatus and method employing frequency sweep of excitation current
JP4003975B2 (ja) 金属検査方法および金属検査装置
JP2010230485A (ja) バルクハウゼンノイズ検査装置およびバルクハウゼンノイズ検査方法
JPH0854375A (ja) 電磁誘導型検査装置
CN102483391B (zh) 用于检查奥氏体不锈钢焊缝的方法
JP6446304B2 (ja) 磁気特性評価方法および磁気特性評価装置
JP2515596Y2 (ja) 磁性部品の検査装置
JP2010249764A (ja) バルクハウゼンノイズ検査装置
JPH11281678A (ja) 電流センサ
US5122743A (en) Apparatus and method of non-destructively testing ferromagnetic materials including flux density measurement and ambient field cancellation
JPH07198770A (ja) 改良された非接触超伝導臨界電流測定プローブ装置及び方法
SU789730A1 (ru) Способ многочастотного вихретокового контрол и преобразователь дл его осуществлени
JP7372540B2 (ja) 磁束密度測定方法及び磁束密度測定装置
RU94029969A (ru) Способ контроля замыкания листов активной стали сердечников электрических машин и устройство для его осуществления
JP3632224B2 (ja) 磁性材料検査装置
JPH07332918A (ja) 隙間検出方法および隙間センサ
CN113608154B (zh) 一种原位磁导率检测探头、设备和检测方法
JPH04233483A (ja) 透磁率自動測定装置
JPS6135348A (ja) ワイヤロ−プ探傷装置
JPH0743105A (ja) 位置検出装置
SU1642365A1 (ru) Вихретоковый преобразователь
JPH02311776A (ja) 鋼材の磁気特性測定装置及び方法
JP2002082095A (ja) 棒鋼の傷検出装置
JPS63236955A (ja) 強磁性体異物検出センサ
UA141562U (uk) Магнітопружний датчик для визначення механічних напружень в феромагнітних матеріалах