JP2021119260A - 蒸着マスク - Google Patents

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【課題】蒸着マスクに繊維が付着することを抑制可能とした蒸着マスクを提供する。【解決手段】金属製の蒸着マスク10である。表面10Fと裏面とを備えた格子構造10Mであって、表面10Fに位置する大開口HLと裏面に位置する小開口とを接続する複数のマスク孔10Hを区切る二次元の網目状を有した格子構造10Mを備える。表面10Fにおいて互いに隣り合う大開口HLの境界でのJIS B 0601:2013に準拠した算術平均粗さRaが、1.35μm以下であり、境界でのJIS B 0601:2013に準拠した最大高さRzが、6.8μm以下である。【選択図】図3

Description

本発明は、蒸着マスクに関する。
有機ELデバイスが備える有機EL素子の形成には、蒸着マスクを用いた真空蒸着が用いられる。蒸着マスクは、非常に薄い金属シートから形成される。量産される蒸着マスクの厚さは、例えば、50μm以下である部分を含む。蒸着マスクを搬送する際には、蒸着マスクは、蒸着マスクの変形を抑えるために蒸着マスク用ケースに収容される(例えば、特許文献1を参照)。
実用新案登録第3207895号
ところで、蒸着マスクは、蒸着マスクの厚さ方向において、一対の無塵紙に挟まれた状態で、蒸着マスク用ケースに収容される。蒸着マスクを蒸着マスク用ケースに収容するとき、蒸着マスク用ケースを搬送するとき、および、蒸着マスクを蒸着マスクから取り出すときには、蒸着マスクと無塵紙との間において摩擦が生じる。蒸着マスクと無塵紙との間に生じる摩擦は、蒸着マスクの表面に引っ掛かった繊維を異物として蒸着マスクに付着させてしまう。
本発明は、蒸着マスクに繊維が付着することを抑制可能とした蒸着マスクを提供することを目的とする。
上記課題を解決するための蒸着マスクは、金属製の蒸着マスクであって、表面と裏面とを備えた格子構造であって、前記表面に位置する大開口と前記裏面に位置する小開口とを接続する複数のマスク孔を区切る二次元の網目状を有した前記格子構造を備え、前記表面において互いに隣り合う大開口の境界でのJIS B 0601:2013に準拠した算術平均粗さRaが、1.35μm以下であり、前記境界でのJIS B 0601:2013に準拠した最大高さRzが、6.8μm以下である。
蒸着マスクを形成するための金属板が有する表面粗さは、通常、金属板とレジストとの密着性を得るために十分に小さく設定される。一方、マスク孔が形成された後の金属板の表面粗さ、すなわち、蒸着マスクの表面粗さは、マスク孔が有する段差の分だけ、大きな段差を有することになる。そして、表面における大開口間の距離が、裏面における小開口間の距離よりも短いため、単位長さあたりの表面における段差は、単位長さあたりの裏面における段差よりも大きくなりやすい。言い換えれば、マスク孔の加工前には十分に平坦であった金属板の面が、格子構造の表面では裏面よりも残り少なく、段差の要因となるマスク孔の領域が広い分だけ、格子構造の表面では裏面よりも表面粗さが大きくなる。この点で、表面粗さが大きい格子構造の表面において算術平均粗さRaが、1.35μm以下であれば、格子構造の表面、および、裏面の両方で繊維の付着を抑えることが可能となる。結果として、蒸着マスクに繊維が付着することを抑えることができる。
また、粗さ曲線の最大高さRzは、最大山高さRpと最大谷深さRvとの和である。そのため、最大高さRzが大きい程、蒸着マスクの表面は、無塵紙を形成する繊維に引っ掛かる山部を有しやすく、また、繊維が嵌まり込む谷部を有しやすい。この点で、最大高さRzが6.8μm以下であれば、蒸着マスクの表面に位置する山部が繊維に引っ掛かりにくい高さを有し、かつ、谷部は繊維が嵌まり込みにくい深さを有することが可能である。
上記蒸着マスクにおいて、前記格子構造の格子線に位置する窪みと、前記格子構造の格子点に位置して前記窪み同士が接続される部分である頂部と、を備え、前記窪みと前記頂部とが前記境界を構成してもよい。
上記蒸着マスクにおいて、前記頂部が平面であってもよい。この構成によれば、大開口の対角方向に位置する大開口間がエッチングされずに残り、これによって頂部が平面であるから、繊維がさらに付着しにくい。
上記蒸着マスクにおいて、前記格子構造は、前記表面において線幅が太い第1格子線と、前記表面において線幅が細い第2格子線と、を備え、前記第1格子線と前記第2格子線とが前記境界を構成し、前記表面における前記第1格子線でのJIS B 0601:2013に準拠した算術平均粗さRaが、前記表面における前記第2格子線でのJIS B 0601:2013に準拠した算術平均粗さRaよりも小さくてもよい。
上記構成によれば、第2格子線よりも無塵紙との接触面積が大きい第1格子線の算術平均粗さRaが、第2格子線の算術平均粗さRaよりも小さいため、蒸着マスクと無塵紙との間において摩擦が生じた際に、無塵紙に由来する繊維の脱離を抑えることが可能である。
本発明によれば、蒸着マスクに繊維が付着することが抑えられる。
第1実施形態の蒸着マスクを備えるマスク装置における構造を示す平面図。 第1実施形態の蒸着マスクにおける構造を示す斜視図。 第1実施形態の蒸着マスクにおける表面と対向する視点から見た構造を示す平面図。 第1実施形態の蒸着マスクにおける裏面と対向する視点から見た構造を示す平面図。 第1実施形態の蒸着マスクの構造を示す断面図。 図2が示す点A1と点A4とを結ぶ直線に沿う蒸着マスクの表面における高さプロファイルを模式的に示すグラフ。 蒸着マスク用基材を製造するための圧延工程を示す工程図。 蒸着マスク用基材を製造するための加熱工程を示す工程図。 蒸着マスクを製造するためのエッチング工程を示す工程図。 蒸着マスクを製造するためのエッチング工程を示す工程図。 蒸着マスクを製造するためのエッチング工程を示す工程図。 蒸着マスクを製造するためのエッチング工程を示す工程図。 蒸着マスクを製造するためのエッチング工程を示す工程図。 蒸着マスクを製造するためのエッチング工程を示す工程図。 実施例および比較例の蒸着マスクにおける測定結果および評価結果を示す表。 第2実施形態の蒸着マスクにおける表面と対向する視点から見た構造を示す平面図。 第2実施形態の蒸着マスクにおける裏面と対向する視点から見た構造を示す平面図。 図16が示す点B1と点B2とを結ぶ直線に沿う蒸着マスクの表面における高さプロファイルを模式的に示すグラフ。 図16が示す点C1と点C2とを結ぶ直線に沿う蒸着マスクの表面における高さプロファイルを模式的に示すグラフ。 実施例および比較例の蒸着マスクにおける測定結果および評価結果を示す表。
[第1実施形態]
図1から図15を参照して、蒸着マスクの第1実施形態を説明する。以下では、マスク装置、蒸着マスク、蒸着マスク用基材の製造方法、蒸着マスクの製造方法、および、実施例を順に説明する。
[マスク装置]
図1を参照して、マスク装置を説明する。
図1が示すように、マスク装置100は、フレーム101と、複数の蒸着マスク10とを備えている。図1が示す例では、マスク装置100は、2つの蒸着マスク10を備えているが、マスク装置100は、1つの蒸着マスク10を備えてもよいし、3つ以上の蒸着マスク10を備えてもよい。フレーム101は、複数の蒸着マスク10を支持することが可能な矩形枠状を有している。フレーム101は、蒸着を行うための蒸着装置に取り付けられる。フレーム101は、各蒸着マスク10が位置する範囲のほぼ全体にわたり、フレーム101を貫通するフレーム孔101Hを有する。
蒸着マスク10は、パターン領域10aと周辺領域10bとを備えている。周辺領域10bは、パターン領域10aを取り囲む領域である。図1が示す例では、蒸着マスク10は、3つのパターン領域10aを有している。なお、蒸着マスク10は、2つ以下のパターン領域10aを有してもよいし、4つ以上のパターン領域10aを有してもよい。蒸着マスク10が複数のパターン領域10aを有する場合には、複数のパターン領域10aは、蒸着マスク10の長さ方向に沿って並ぶ領域と、蒸着マスク10の幅方向に沿って並ぶ領域との少なくとも一方が含まれてよい。
各蒸着マスク10は、長さ方向に沿って延びる帯状を有している。各蒸着マスク10における周辺領域10bのなかで、蒸着マスク10が延びる方向において複数のパターン領域10aを挟む一対の部分が、それぞれフレーム101に固定される。蒸着マスク10は、接着または溶着などによってフレーム101に固定される。
[蒸着マスク]
図2から図6を参照して、蒸着マスクを説明する。図2は、上述したマスク装置に取り付けられる蒸着マスク10の一部を拡大して示している。
図2が示す蒸着マスク10は、金属製である。蒸着マスク10は、例えば鉄‐ニッケル系合金から形成されている。蒸着マスク10は、鉄‐ニッケル系合金のなかでもインバーから形成されることが好ましい。蒸着マスク10は、例えば10μm以上50μm以下の厚さTを有する。パターン領域10aは、複数のマスク孔10Hが形成された領域である。一方で、周辺領域10bは、マスク孔10Hが形成されていない領域である。蒸着マスク10は、長さ方向DLと幅方向DWとを有している。幅方向DWは、長さ方向DLに直交する方向である。
蒸着マスク10は、蒸着マスク10の搬送時において蒸着マスク用ケースに収容される。この際に、蒸着マスク10は、蒸着マスク10の厚さ方向において、一対の無塵紙によって挟まれた状態で、蒸着マスク用ケースに収容される。蒸着マスク10を蒸着マスク用ケースに収容するとき、蒸着マスク用ケースを搬送するとき、および、蒸着マスク10を蒸着マスク用ケースから取り出すときには、蒸着マスク10と無塵紙との間において摩擦が生じる。
図3は、蒸着マスク10が広がる平面と対向する視点から見たパターン領域10aの一部における平面構造を示している。
図3が示すように、蒸着マスク10は、表面10Fと裏面10R(図4参照)とを備えた格子構造10Mを有している。格子構造10Mは、表面10Fに位置する大開口HLと裏面10R(図4参照)に位置する小開口HS(図4参照)とを接続する複数のマスク孔10Hを区切る二次元の網目状を有している。複数のマスク孔10Hは、長さ方向DLと、幅方向DWとに沿って格子状に並んでいる。
格子構造10Mの表面10Fは、格子構造10Mの格子線に位置する窪みと、格子構造10Mの格子点に位置して窪み同士が接続される部分である頂部とを備えている。表面10Fに位置する窪みと頂部とが、表面10Fにおいて互いに隣り合う大開口HLの境界を構成している。図3が示す例において、互いに隣り合う大開口HLは、長さ方向DLおよび幅方向DWの両方において、縁の一部が接している。また、複数の大開口HLがウェットエッチングによって形成される際に、各大開口HLを形成するためにエッチングされた領域の一部と、その大開口HLに隣り合う大開口HLを形成するためのエッチングされた領域の一部とが接続される。これにより、格子構造10Mの格子線に位置する窪みが形成される。
各マスク孔10Hは、中央開口HCを有している。複数の中央開口HCは、複数のマスク孔10Hと同様、長さ方向DLと幅方向DWとに沿って格子状に並んでいる。表面10Fと対向する視点から見て、中央開口HCは、大開口HLよりも小さい。マスク孔10Hにおいて、表面10Fに平行な面に沿う断面積は、大開口HLから中央開口HCに向かう方向に沿って次第に小さくなる。マスク孔10Hにおいて、大開口HLから中央開口HCまでの部分は、表面10Fと対向する視点から見て、逆錘台状を有している。大開口HLから中央開口HCまでの部分は、マスク孔10Hが備える大孔である。本実施形態において、各大開口HLの縁が、略正方形状を有している。各中央開口HCの縁も、略正方形状を有している。
図4は、裏面10Rと対向する視点から見たパターン領域10aの一部における平面構造を示している。
図4が示すように、各マスク孔10Hは、裏面10Rに開口する小開口HSを有している。裏面10Rと対向する視点から見て、小開口HSは、略正方形状を有している。小開口HSは、中央開口HCよりも大きい。マスク孔10Hにおいて、裏面10Rに平行な面に沿う断面積は、小開口HSから中央開口HCに向かう方向に沿って次第に小さくなる。マスク孔10Hにおいて、小開口HSから中央開口HCまでの部分は、裏面10Rと対向する視点から見て、逆錘台状を有している。小開口HSから中央開口HCまでの部分は、マスク孔10Hが備える小孔である。
上述した蒸着マスク10は、以下の条件1を満たす。
(条件1)表面10Fにおいて互いに隣り合う大開口HLの境界での、JIS B 0601:2013に準拠した算術平均粗さRaが、1.35μm以下である。
蒸着マスク10を形成するための金属板が有する表面粗さは、通常、金属板とレジストとの密着性を得るために十分に小さく設定される。一方、マスク孔10Hが形成された後の金属板の表面粗さ、すなわち、蒸着マスク10の表面粗さは、マスク孔10Hが有する段差の分だけ、大きくなる。そして、表面10Fにおける2つの大開口HL間の隙間における距離が、裏面10Rにおける2つの小開口HS間の隙間における距離よりも短いため、単位長さあたりの表面10Fにおける段差は、単位長さあたりの裏面10Rにおける段差よりも大きくなりやすい。言い換えれば、マスク孔10Hの加工前には十分に平坦であった金属板が、加工後において蒸着マスク10の表面では裏面よりも残り少なく、段差の要因となるマスク孔10Hの領域が広い分だけ、格子構造10Mの表面10Fでは裏面10Rよりも表面粗さが大きくなる。この点で、表面粗さが大きい格子構造10Mの表面10Fにおいて算術平均粗さRaが、1.35μm以下であれば、格子構造10Mの表面10F、および、裏面10Rの両方で繊維の付着を抑えることが可能となる。
なお、条件1における算術平均粗さRaは、λs輪郭曲線フィルタにおけるカットオフ値を2.5μmに設定し、λc輪郭曲線フィルタにおけるカットオフ値を250μmに設定した場合に得られる輪郭曲線である粗さ曲線の算術平均粗さである。
また、蒸着マスク10は、以下の条件2を満たす。
(条件2)大開口HLの境界におけるJIS B 0601:2013に準拠した最大高さRzが、6.8μm以下である。
粗さ曲線の最大高さRzは、最大山高さRpと最大谷深さRvとの和である。そのため、最大高さRzが大きい程、蒸着マスク10の表面10Fは、無塵紙を形成する繊維に引っ掛かる山部を有しやすく、また、繊維が嵌まり込む谷部を有しやすい。この点で、最大高さRzが6.8μm以下であれば、蒸着マスク10の表面10Fに位置する山部が繊維に引っ掛かりにくい高さを有し、かつ、谷部は繊維が嵌まり込みにくい深さを有することが可能である。
なお、条件2における最大高さRzは、条件1と同様、λs輪郭曲線フィルタにおけるカットオフ値を2.5μmに設定し、λc輪郭曲線フィルタにおけるカットオフ値を250μmに設定した場合に得られる輪郭曲線である粗さ曲線の最大高さである。
また、蒸着マスク10は、以下の条件3を満たすことがより好ましい。
(条件3)格子構造10Mの格子点に位置する頂部が、平面である。
蒸着マスク10では、大開口HLの対角方向に位置する大開口HL間がエッチングされずに残り、これによって頂部が平面であるから、繊維がさらに付着しにくい。
図5は、蒸着マスク10の表面10Fに直交する断面に沿う蒸着マスク10の構造を示している。
図5が示すように、各マスク孔10Hは、大孔10HLと小孔10HSとを備えている。大孔10HLは、表面10Fから裏面10Rに向けて先細る形状を有している。小孔10HSは、裏面10Rから表面10Fに向けて先細る形状を有している。大孔10HLと小孔10HSとの接続部が、中央開口HCである。各大孔10HLは、大開口HLにおいて、隣り合う他の大孔10HLに接している。
図6は、蒸着マスク10の表面10Fの一部における高さプロファイルを模式的に示している。図6では、表面10Fの高さプロファイルを説明する便宜上、高さプロファイルが含む高低差が誇張されている。
図6が示す高さプロファイルは、図3における点A1と点A4とを結ぶ直線LAに沿う高さプロファイルである。なお、図6に示される破線は、表面10Fのうちで、高さプロファイルの解析対象とされた領域における平均高さを示している。直線LAには、点A1と点A4に加えて、点A2および点A3が含まれる。蒸着マスク10の表面10Fと対向する視点から見て、各点A1,A2,A3,A4は、4つの大開口HLによって囲まれている。
図6が示すように、直線LAにおける高さプロファイルは、各点A1,A2,A3,A4において極大値を有する。一方で、直線LAにおける高さプロファイルは、互いに隣り合う2つの点からの距離がほぼ等しい位置において、極小値を有する。蒸着マスク10は、蒸着マスク用基材のウェットエッチングによって製造される。この際に、各点A1,A2,A3,A4が位置する部分は、表面10Fと対向する平面視における大開口HLの中心からの距離が大きいために、蒸着マスク用基材のうちで最もエッチングされにくい部分である。そのため、各点A1,A2,A3,A4において高さが最も高い。これに対して、互いに隣り合う点間に位置する部分は、2つの大開口HLが互いに接する部分であるため、最もエッチングされやすい部分である。そのため、互いに隣り合う2つの点からの距離がほぼ等しい位値において、高さが最も低い。
[蒸着マスク用基材の製造方法]
図7および図8を参照して、蒸着マスク10の製造に用いられる蒸着マスク用基材の製造方法を説明する。なお、以下では、圧延を用いた製造方法と、電解を用いた製造方法とを別々に例示する。まず、圧延を用いた製造方法を説明し、次いで、電解を用いた製造方法を説明する。図7および図8は、圧延を用いた製造方法を示している。
図7が示すように、圧延を用いた製造方法では、まず、インバーなどの鉄ニッケル系合金から形成された母材1aを準備する、母材1aは長さ方向DLに延びている。次いで、母材1aの長さ方向DLと、母材1aを搬送する搬送方向とが平行になるように、圧延装置50に向けて母材1aを搬送する。圧延装置50は、例えば、一対の圧延ローラー51,52を備え、一対の圧延ローラー51,52によって母材1aを圧延する。これにより、母材1aが長さ方向DLに伸ばされることによって、圧延資材1bが形成される。幅方向における圧延資材1bの両端を切断することによって、幅方向DWにおける圧延資材1bの寸法を調整する。圧延資材1bは、例えば、コアCに巻き取られた状態で取り扱われてもよいし、帯形状に伸ばされた状態で取り扱われてもよい。圧延資材1bの厚さは、例えば、10μm以上50μm以下である。なお、複数対の圧延ローラーを用いて母材1aを圧延することも可能である。図7には、一対の圧延ローラーを用いて母材1aを圧延する方法が例示されている。
次いで、図8が示すように、圧延資材1bをアニール装置53に搬送する。アニール装置53は、圧延資材1bを長さ方向DLに引っ張りながら加熱する。これによって、圧延資材1bに蓄積した残留応力が圧延資材1bの内部から取り除かれ、蒸着マスク用基材1が形成される。なお、圧延資材1bは、アニール後に切断されることによって、幅方向DWにおける寸法が調整されてもよい。
電解を用いた製造方法では、電解に用いられる電極の表面に蒸着マスク用基材1を形成し、その後、表面から蒸着マスク用基材1を離型する。この際、例えば、鏡面を表面とする電解ドラム電極が電解浴に浸され、かつ、電解ドラム電極の表面と対向する他の電極が用いられる。そして、電解ドラム電極と他の電極との間に電流が流されることによって、電解ドラム電極の表面に、蒸着マスク用基材1が沈着する。電解ドラム電極の回転によって蒸着マスク用基材1が所望の厚さを有するタイミングに、電解ドラム電極の表面から蒸着マスク用基材1が剥がされ、剥がされた蒸着マスク用基材1が巻き取られる。なお、電解を用いた製造方法では、電解によって得られた金属箔をアニールすることによって、蒸着マスク用基材1を製造してもよい。
蒸着マスク用基材1を形成する材料がインバーである場合、電解に用いられる電解浴は、鉄イオン供給剤、ニッケルイオン供給剤、および、pH緩衝剤を含む。電解浴は、応力緩和剤、Fe3+イオンマスク剤、および、錯化剤などを含んでもよい。電解浴は弱酸性の溶液であり、電解浴が有するpHは電解に適したpHに調整されている。鉄イオン供給剤は、例えば、硫酸第一鉄・7水和物、塩化第一鉄、および、スルファミン酸鉄などである。ニッケルイオン供給剤は、例えば、硫酸ニッケル(II)、塩化ニッケル(II)、スルファミン酸ニッケル、および、臭化ニッケルなどである。pH緩衝剤は、例えば、ホウ酸、および、マロン酸である。マロン酸は、Fe3+イオンマスク剤としても機能する。応力緩和剤は、例えばサッカリンナトリウムなどである。錯化剤は、例えばリンゴ酸およびクエン酸などである。電解浴は、例えば、上述した添加剤を含む水溶液である。電解浴のpHは、pH調整剤によって、例えば、pHが2以上3以下に調整される。pH調整剤は、例えば5%硫酸および炭酸ニッケルなどであってよい。
電解に用いられる条件では、蒸着マスク用基材1の厚さ、および、蒸着マスク用基材1の組成比などに応じて、電解浴の温度、電流密度、および、電解時間が適宜調整される。上述した電解浴に適用される陽極は、例えば、純鉄製の電極、および、ニッケル製の電極であってよい。上述した電解浴に適用される陰極は、例えば、ステンレス製の電極であり、例えばSUS304製の電極であってよい。電解浴の温度は、例えば、40℃以上60℃以下の範囲に含まれる。電流密度は、例えば、1A/dm以上4A/dm以下の範囲に含まれる。
なお、電解による蒸着マスク用基材1、および、圧延による蒸着マスク用基材1は、化学的な研磨、および、電気的な研磨などによって、さらに薄く加工されてもよい。化学的な研磨に用いられる研磨液は、例えば、過酸化水素を主成分とした鉄系合金用の化学研磨液などである。電気的な研磨に用いられる電解液は、過塩素酸系の電解研磨液および硫酸系の電解研磨液などである。
なお、圧延を用いた製造方法では、粒状を有した金属酸化物が、蒸着マスク用基材1のなかに少なからず含まれる。金属酸化物は、例えば酸化アルミニウムおよび酸化マグネシウムなどである。上述した母材1aが形成されるときには、母材1a中に酸素が混入することを抑えるため、粒状を有した脱酸剤が原料に混ぜられる。脱酸剤は、アルミニウムおよびマグネシウムなどによって形成される。そして、アルミニウムおよびマグネシウムは、酸化アルミニウムおよび酸化マグネシウムなどの金属酸化物として、母材1aに少なからず残る。この点、電解を用いる製造方法によれば、脱酸剤を用いないので脱酸剤の酸化による金属酸化物が蒸着マスク用基材1、および、蒸着マスク用基材1から製造される蒸着マスク10に混ざることはない。
[蒸着マスクの製造方法]
図9から図14を参照して、蒸着マスク10の製造方法を説明する。
図9が示すように、蒸着マスク10を製造するときには、まず、蒸着マスク用基材1と、第1ドライフィルムレジスト(Dry Film Resist:DFR)2、および、第2ドライフィルムレジスト(DFR)3とを準備する。蒸着マスク用基材1は、表面1Fと裏面1Rとを含む。DFR2,3の各々は、蒸着マスク用基材1とは別に形成される。次いで、表面1Fに第1DFR2が貼り付けられ、かつ、裏面1Rに第2DFR3が貼り付けられる。
図10が示すように、第1DFR2に第1孔2aを形成し、かつ、第2DFR3に第2孔3aを形成する。この際、DFR2,3を露光し、露光後のDFR2,3を現像する。露光後のDFR2,3を現像するときには、現像液として、例えば、炭酸ナトリウム水溶液を用いることができる。
図11が示すように、現像後の第2DFR3をマスクとして、塩化第二鉄液を用いて蒸着マスク用基材1の裏面1Rをエッチングする。このとき、表面1Fが裏面1Rと同時にエッチングされないように、表面1Fに表面保護層4を形成する。表面保護層4を形成する材料は、塩化第二鉄液に対する化学的な耐性を有する。これによって、表面1Fに向けて窪む小孔10HSを裏面1Rに形成する。
蒸着マスク用基材1をエッチングするエッチング液は、酸性のエッチング液であってよい。蒸着マスク用基材1がインバーから形成される場合には、エッチング液は、インバーをエッチングすることが可能であればよい。酸性のエッチング液は、例えば、過塩素酸第二鉄液、または、過塩素酸第二鉄液と塩化第二鉄液との混合液に対して、過塩素酸、塩酸、硫酸、蟻酸、および、酢酸のいずれかを混合した溶液である。蒸着マスク用基材1をエッチングする方法は、蒸着マスク用基材1を酸性のエッチング液に浸漬するディップ式であってもよいし、蒸着マスク用基材1に酸性のエッチング液を吹き付けるスプレー式であってもよい。
次いで、図12が示すように、裏面1Rに形成した第2DFR3と、第1DFR2に接する表面保護層4とを取り除く。また、裏面1Rのさらなるエッチングを防ぐために、裏面保護層5を裏面1Rに形成する。裏面保護層5を形成する材料は、塩化第二鉄液に対する化学的な耐性を有する。
次に、図13が示すように、現像後の第1DFR2をマスクとして、塩化第二鉄液を用いて表面1Fをエッチングする。これによって、表面1Fから裏面1Rに向けて窪む大孔10HLを形成する。この際に用いられるエッチング液は、酸性のエッチング液である。蒸着マスク用基材1がインバーから形成される場合には、エッチング液は、インバーをエッチングすることが可能であればよい。蒸着マスク用基材1をエッチングする方法は、上述したディップ式であってもよいし、スプレー式であってもよい。
次いで、図14が示すように、裏面保護層5と第1DFR2とを蒸着マスク用基材1から取り除く。これによって、複数の小孔10HSと、各小孔10HSに繋がる大孔10HLとが形成された蒸着マスク10が得られる。なお、蒸着マスク用基材1の表面1Fが蒸着マスク10の表面10Fに対応し、かつ、蒸着マスク用基材1の裏面1Rが蒸着マスク10の裏面10Rに対応する。
[実施例]
[実施例1]
図15を参照して、実施例および比較例を説明する。
[蒸着マスク]
25μmの厚さを有したインバーシートを準備した。そして、レジストマスクを用いた裏面のウェットエッチング、および、レジストマスクを用いた表面のウェットエッチングを記載の順に行った。これにより、図3から図6を参照して先に説明した蒸着マスクであって、幅方向の長さが70mmであり、長さ方向の長さが1250mmであり、かつ、長さ方向に沿って並ぶ3つのパターン領域を有する蒸着マスクを形成した。
この際に、長さ方向および幅方向において70μmの長さを有する大開口と、長さ方向DLおよび幅方向DWにおいて40μmの長さを有し、かつ、70μmのピッチで並ぶ小開口とを備えるマスク孔を形成した。こうした蒸着マスクを19枚作成した。各蒸着マスクについて、算術平均粗さRa、および、最大高さRzを測定した。
[測定方法]
各蒸着マスクのうち、長さ方向における中央に位置するパターン領域について、3D測定レーザー顕微鏡(OLS5000、オリンパス(株)製)を用いて、JIS B 0601:2013に準拠した算術平均粗さRa、および、同規格に準拠した粗さ曲線の最大高さRzを測定した。この際に、λs輪郭曲線におけるカットオフ値を2.5μmに設定し、λc輪郭曲線フィルタにおけるカットオフ値を250μmに設定した。また、各パターン領域について、図3を参照して先に説明した直線LAを任意の3箇所に設定した。この際に、幅方向DWにおいて、点A1に対して点A2とは反対側に向けて点A1から5μm離れた位置を始点とし、始点から点A1に向かう方向において490μm、すなわち7ピッチ分だけ離れた位置から更に5μm離れた位置を終点とした。これにより、幅方向DWに沿う500μmの長さを測定の対象した。そして、3つの測定値における平均値を各パターン領域での算術平均粗さRa、粗さ曲線の最大高さRzに設定した。
[評価方法]
各蒸着マスクを2枚の無塵紙によって挟んだ状態で、蒸着マスクおよび無塵紙の積層体をプラスチックケースに収容した。そして、振動試験機にプラスチックケースを載置し、プラスチックケースに対して垂直方向の振動を加えた。この際に、JIS Z 0232:2004の「包装貨物‐振動試験方法」のランダム振動試験に準拠した方法において、蒸着マスクに90分間にわたって振動を与えた。次いで、蒸着マスクをプラスチックケースから取り出し、長さ方向の中央に位置するパターン領域のうち、複数の大開口が形成された表面を光学顕微鏡で観察した。これにより、互いに異なる25の領域において、繊維を計数した。この際に、1つの領域の大きさを、繊維を確認することが可能な大きさである700nm×1000nmに設定した。そして、各領域に存在する繊維の総和が10本を超える場合の評価を「×」に設定し、繊維の総和が10本以下である場合の評価を「○」に設定した。
[測定結果および評価結果]
測定結果および評価結果は、図15が示す通りであった。
すなわち、図15が示すように、比較例1‐1の評価結果が「×」であり、実施例1‐1から実施例1‐18の評価結果が「○」であることが認められた。評価結果が「×」である比較例1‐1の算術平均粗さRaは3.22μmであり、1.35μmを超えることが認められた。これに対して、評価結果が「○」である実施例1‐1から実施例1‐18での算術平均粗さRaは、最大でも1.35μmであることが認められた。こうした結果から、格子構造の表面における算術平均粗さRaが1.35μm以下であることによって、無塵紙に由来する繊維が蒸着マスクに付着することが抑えられると言える。
また、実施例1‐1から実施例1‐18での粗さ曲線の最大高さRzは、最大でも6.79μmであることが認められた。これに対して、比較例1‐1での粗さ曲線の最大高さRzは、11.76μmであり、6.8μmを超えることが認められた。こうした結果から、格子構造の表面における粗さ曲線の最大高さRzが6.8μm以下であることによって、無塵紙に由来する繊維が蒸着マスクに付着することが抑えられると言える。
以上説明したように、蒸着マスクの第1実施形態によれば、以下に記載の効果を得ることができる。
(1)表面粗さが大きい格子構造10Mの表面10Fにおいて算術平均粗さRaが、1.35μm以下であれば、格子構造10Mの表面10F、および、裏面10Rの両方で繊維の付着を抑えることが可能となる。また、最大高さRzが6.8μm以下であるため、蒸着マスク10の表面10Fに位置する山部が繊維に引っ掛かりにくい高さを有し、かつ、谷部は繊維が嵌まり込みにくい深さを有することが可能である。
(2)大開口HLの対角方向に位置する大開口HL間がエッチングされずに残ることによって頂部が平面であるから、繊維がさらに付着しにくい。
なお、上述した第1実施形態は、以下のように変更して実施することができる。
[格子構造]
・格子構造10Mの頂部は、平面でなくてもよい。例えば、格子構造10Mの頂部は、凸面であってもよい。こうした凸面は、大開口HLを形成するためのウェットエッチングにおいて、4つの大開口HLによって取り囲まれる領域がウェットエッチングされることによって形成される。この場合であっても、表面10Fにおいて互いに隣り合う大開口HLの境界でのJIS B 0601:2013に準拠した算術平均粗さRaが1.35μm以下であれば、上述した(1)に準じた効果を得ることはできる。
・表面10Fは、格子構造10Mの格子線に位置する窪みと、格子点に位置する頂部とを備えていなくてもよい。すなわち、格子構造10Mにおいて、格子線と格子点とは、同一平面上に位置してもよい。この場合であっても、表面10Fにおいて互いに隣り合う大開口HLの境界でのJIS B 0601:2013に準拠した算術平均粗さRaが1.35μm以下であれば、上述した(1)に準じた効果を得ることはできる。
[大開口]
・表面10Fと対向する視点から見て、各大開口HLは他の大開口HLから離れていてもよい。この場合には、表面10Fにおいて、大開口HL間に位置する部分がエッチングされずに残る。これにより、表面10Fと対向する視点から見て、各大開口HLが他の大開口HLと接する場合に比べて、表面10Fがより多くの平面を含むことから、表面10Fに繊維が付着しにくい。
[マスク孔の形状]
・大開口HLの縁、中央開口HCの縁、および、小開口HSの縁の各々は、略正方形状以外の形状を有してもよい。例えば、各縁は、長方形状を有してもよいし、四角形状以外の多角形状を有してもよい。また例えば、各縁は、円形状を有してもよい。
[第2実施形態]
図16から図20を参照して、蒸着マスクの第2実施形態を説明する。第2実施形態の蒸着マスクでは、第1実施形態の蒸着マスクと比べて、蒸着マスクが有するマスク孔の形状が異なっている。そのため以下では、第2実施形態において第1実施形態との相違点を詳しく説明する一方で、第2実施形態において第1実施形態と共通する構成には、第1実施形態において用いた符号と同一の符号を付すことによって、当該構成の詳しい説明を省略する。また以下では、蒸着マスク、および、実施例を順に説明する。
[蒸着マスク]
図16から図19を参照して、蒸着マスクを説明する。
図16は、表面10Fと対向する視点から見たパターン領域10aの一部における平面構造を示している。
図16が示すように、格子構造20Mは、表面10Fにおいて線幅が太い第1格子線20M1と、表面10Fにおいて線幅が細い第2格子線20M2とを備えている。表面10Fにおいて、第1格子線20M1と第2格子線20M2とが、互いに隣り合う大開口HL間の境界を構成している。
本実施形態の蒸着マスク10は、上述した条件1に加えて、さらに以下の条件4を満たすことが好ましい。
(条件4)第1格子線20M1でのJIS B 0601:2013に準拠した算術平均粗さRaが、第2格子線20M2でのJIS B 0601:2013に準拠した算術平均粗さRaよりも小さい。
第2格子線20M2よりも無塵紙との接触面積が大きい第1格子線20M1の算術平均粗さRaが、第2格子線20M2の算術平均粗さRaよりも小さいため、蒸着マスク10と無塵紙との間において摩擦が生じた際に、蒸着マスク10に対する無塵紙に由来する繊維の付着を抑えることが可能である。
本実施形態の蒸着マスク10は、さらに以下の条件5を満たすことが好ましい。
(条件5)表面10Fにおいて、第1格子線20M1でのJIS B 0601:2013に準拠した算術平均粗さRaが、0.14μm以下であり、第2格子線20M2でのJIS B 0601:2013に準拠した算術平均粗さRaが、1.3μm以下である。
蒸着マスク10が条件5を満たすことによって、無塵紙に由来する繊維が蒸着マスク10に付着することがより抑えられる。
なお、条件4および条件5における算術平均粗さRaは、λs輪郭曲線フィルタにおけるカットオフ値を2.5μmに設定し、λc輪郭曲線フィルタにおけるカットオフ値を80μmに設定した場合に得られる輪郭曲線である粗さ曲線の算術平均粗さである。
各マスク孔20Hは、上述した第1実施形態のマスク孔10Hと同様、大開口HLおよび中央開口HCを備えている。マスク孔20Hにおいて、表面10Fに平行な面に沿う断面積は、大開口HLから中央開口HCに向かう方向に沿って次第に小さくなる。マスク孔20Hにおいて、大開口HLから中央開口HCまでの部分は、表面10Fと対向する視点から見て、逆錘台状を有している。
本実施形態において、各大開口HLの縁が、菱形状を有している。大開口HLの縁において、長さ方向DLにおいて互いに隣り合う2つの角部は、大開口HLの内部に曲率中心が位置するような曲率を有している。また、大開口HLの縁において、幅方向DWにおいて互いに隣り合う2つの角部は、大開口HLの内部に曲率中心が位置するような曲率を有している。大開口HLの縁において、長さ方向DLにおいて互いに隣り合う一対の角部での曲率が、幅方向DWにおいて互いに隣り合う一対の角部での曲率よりも大きい。これに対して、各中央開口HCの縁は、略正方形状を有している。
第1格子線20M1および第2格子線20M2の各々は、表面10Fの一部を含む。格子構造20Mにおいて、1つの第1格子線20M1における各端部に、第2格子線20M2が2つずつ接続されている。これに対して、1つの第2格子線20M2の各端部に、第1格子線20M1が1つずつ接続されている。
表面10Fと対向する視点から見て、幅方向DWにおいて第1格子線20M1と大開口HLとが交互に並び、幅方向DWと交差する方向において第2格子線20M2と大開口HLとが交互に並んでいる。
なお、蒸着マスク10の表面10Fには、蒸着マスク10の高さプロファイルを測定する対象として、蒸着マスク10の幅方向DWに沿う直線LBと、長さ方向DLに交差する方向に沿って延びる直線LCとが設定される。直線LBは、格子構造20Mが含む1つの第1格子線20M1上に位置している。直線LBは、点B1と点B2を結ぶ直線である。点B1から点B2に向かう方向が、直線LBが延びる第1方向DBである。直線LCは、格子構造20Mが含む1つの第2格子線20M2上に位置している。直線LCは点C1と点C2とを結ぶ直線である。点C1から点C2に向かう方向が、直線LCが延びる第2方向DCである。
図17は、裏面10Rと対向する視点から見たパターン領域10aの一部における平面構造を示している。
図17が示すように、各マスク孔20Hは、裏面10Rに開口する小開口HSを有している。裏面10Rと対向する視点から見て、小開口HSは、略正方形状を有している。マスク孔20Hにおいて、裏面10Rに平行な面に沿う断面積は、小開口HSから中央開口HCに向かう方向に沿って次第に小さくなる。マスク孔20Hにおいて、小開口HSから中央開口HCまでの部分は、裏面10Rと対応する視点から見て、逆錘台状を有している。
図18は、蒸着マスク10の表面10Fにおいて、第1格子線20M1に沿う蒸着マスク10の高さプロファイルを示している。図19は、蒸着マスク10の表面10Fにおいて、第2格子線20M2に沿う蒸着マスク10の高さプロファイルを示している。図18および図19では、表面10Fの高さプロファイルを説明する便宜上、高さプロファイルが含む高低差が誇張されている。なお、図18および図19に示される破線は、表面10Fのうちで、高さプロファイルの解析対象とされた領域における平均高さを示している。
図18が示す高さプロファイルは、図16における点B1と点B2とを結ぶ直線LBに沿う高さプロファイルである。直線LBは、格子構造10Mが含む1つの第1格子線20M1上に位置している。蒸着マスク10の表面10Fと対向する視点から見て、各点B1,B2は、3つの大開口HLによって囲まれている。各点B1,B2は、各大開口HLが有する角部によって囲まれた領域に位置する。当該領域は、蒸着マスク用基材のウェットエッチング時において、エッチング液が回り込みにくい領域である。一方で、点B1と点B2との間に位置する領域は、2つの大開口HLによって挟まれた領域である。そのため、当該領域は、点B1と点B2とが位置する領域に比べて、蒸着マスク用基材のウェットエッチング時において、エッチング液が回り込みやすい領域である。
そのため、図18が示すように、直線LBにおける高さプロファイルは、各点B1,B2において極大値を有する。一方で、直線LBにおける高さプロファイルは、点B1と点B2からの距離がほぼ等しい位値において極小値を有する。
図19が示す高さプロファイルは、図16における点C1と点C2とを結ぶ直線LCに沿う高さプロファイルである。蒸着マスク10の表面10Fと対向する視点から見て、各点C1,C2は、3つの大開口HLによって囲まれている。各点C1,C2は、各大開口HLが有する角部によって囲まれた領域に位置する。当該領域は、蒸着マスク用基材のウェットエッチング時において、エッチング液が回り込みにくい領域である。一方で、点C1と点C2との間に位置する領域は、2つの大開口HLによって挟まれた領域である。そのため、当該領域は、点C1と点C2とが位置する領域に比べて、蒸着マスク用基材のウェットエッチング時において、エッチング液が回り込みやすい領域である。
そのため、図19が示すように、直線LCにおける高さプロファイルは、各点C1,C2において極大値を有する。一方で、直線LCにおける高さプロファイルは、点C1と点C2からの距離がほぼ等しい位値において極小値を有する。なお、各点C1,C2における高さは、各点B1,B2における高さよりも高い。
[実施例]
[実施例2]
図20を参照して、実施例および比較例を説明する。
[蒸着マスク]
25μmの厚さを有したインバーシートを準備した。そして、レジストマスクを用いた裏面のウェットエッチング、および、レジストマスクを用いた表面のウェットエッチングを記載の順に行った。これにより、図16から図19を参照して先に説明した蒸着マスクであって、幅方向の長さが70mmであり、長さ方向の長さが1250mmであり、かつ、長さ方向に沿って並ぶ3つのパターン領域を有する蒸着マスクを形成した。
この際に、複数のマスク孔が千鳥配列で並ぶように、複数のマスク孔を形成した。また、幅方向および長さ方向において40μmの長さを有する小開口を、長さ方向におけるピッチが85μmであり、かつ、幅方向におけるピッチが100μmであるように、マスク孔を形成した。また、長さ方向において75μmの長さを有し、かつ、幅方向において70μmの長さを有した菱形状の大開口を、長さ方向におけるピッチが85μmであり、かつ、幅方向におけるピッチが100μmであるように、マスク孔を形成した。こうした蒸着マスクを17枚作成した。各蒸着マスクにおいて、第1格子線および第2格子線の各々について、算術平均粗さRa、および、最大高さRzを測定した。
[測定方法]
各蒸着マスクのうち、長さ方向における中央に位置するパターン領域について、3D測定レーザー顕微鏡(OLS5000、オリンパス(株)製)を用いて、JIS B 0601:2013に準拠した算術平均粗さRa、および、同規格に準拠した粗さ曲線の最大高さRzを測定した。この際に、λs輪郭曲線におけるカットオフ値を2.5μmに設定し、λc輪郭曲線フィルタにおけるカットオフ値を80μmに設定した。また、各パターン領域の第1格子線について、33μm以上48μm以下の範囲に含まれるいずれかの長さを3箇所において測定し、その平均値を第1格子線における測定結果に設定した。各パターン領域の第2格子線について、60μm以上68μm以下の範囲に含まれるいずれかの長さを3箇所において測定し、その平均値を第2格子線における測定結果に設定した。なお、以下に参照する図20では、測定箇所が第1格子線である場合を「LB」と表記し、測定箇所が第2格子線である場合を「LC」と表記した。
[評価方法]
各蒸着マスクを2枚の無塵紙によって挟んだ状態で、蒸着マスクおよび無塵紙の積層体をプラスチックケースに収容した。そして、振動試験機にプラスチックケースを載置し、プラスチックケースに対して垂直方向の振動を加えた。この際に、JIS Z 0232:2004の「包装貨物‐振動試験方法」のランダム振動試験に準拠した方法において、蒸着マスクに90分間にわたって振動を与えた。次いで、蒸着マスクをプラスチックケースから取り出し、長さ方向の中央に位置するパターン領域のうち、複数の大開口が形成された表面を光学顕微鏡で観察した。これにより、互いに異なる25の領域において、繊維を計数した。この際に、1つの領域の大きさを、繊維を確認することが可能な大きさである700nm×1000nmに設定した。そして、各領域に存在する繊維の総和が10本を超える場合の評価を「×」に設定し、繊維の総和が10本以下である場合の評価を「○」に設定した。
[測定結果および評価結果]
測定結果および評価結果は、図20が示す通りであった。
すなわち、図20が示すように、比較例2‐1の評価結果が「×」であり、実施例2‐1から実施例2‐16の評価結果が「○」であることが認められた。評価結果が「×」である比較例2‐1では、第1格子線の算術平均粗さRaが2.32μmであり、第2格子線の算術平均粗さRaが2.11であることが認められた。すなわち、第1格子線および第2格子線の両方において、算術平均粗さRaが1.35μmを超えることが認められた。これに対して、評価結果が「○」である実施例2‐1から実施例2‐16の算術平均粗さRaは、第1格子線および第2格子線の両方において、最大でも1.27μmであることが認められた。こうした結果から、格子構造の表面における算術平均粗さRaが1.35μm以下であることによって、無塵紙に由来する繊維が蒸着マスクに留まることが抑えられると言える。
また、実施例2‐1から実施例2‐16での粗さ曲線の最大高さRzは、最大でも1.61μmであることが認められた。これに対して、比較例2‐1での粗さ曲線の最大高さRzは、最小でも7.89μmであり、6.8μmを超えることが認められた。こうした結果から、格子構造の表面における粗さ曲線の最大高さRzが6.8μm以下であることによって、無塵紙に由来する繊維が蒸着マスクに付着することが抑えられると言える。
以上説明したように、蒸着マスクの第2実施形態によれば、以下に記載の効果を得ることができる。
(3)第2格子線20M2よりも無塵紙との接触面積が大きい第1格子線20M1の算術平均粗さRaが、第2格子線20M2の算術平均粗さRaよりも小さいため、蒸着マスク10と無塵紙との間において摩擦が生じた際に、蒸着マスク10に対する無塵紙に由来する繊維の付着を抑えることが可能である。
なお、上述した第2実施形態は、以下のように変更して実施することができる。
[格子構造]
・格子構造10Mの頂部は、平面でなくてもよい。例えば、格子構造10Mの頂部は、裏面10Rとは反対側に向けて突き出た凸面であってもよい。この場合であっても、表面10Fにおいて互いに隣り合う大開口HLの境界でのJIS B 0601:2013に準拠した算術平均粗さRaが1.35μm以下であれば、上述した(1)に準じた効果を得ることはできる。
・第1格子線20M1の算術平均粗さRaは、第2格子線20M2の算術平均粗さRa以上であってもよい。この場合であっても、表面10Fにおいて互いに隣り合う大開口HLの境界でのJIS B 0601:2013に準拠した算術平均粗さRaが1.35μm以下であれば、上述した(1)に準じた効果を得ることはできる。
[マスク孔の形状]
・大開口HLの縁は、菱形状以外の形状を有してもよい。大開口HLの縁は、菱形以外の多角形状を有してもよいし、円形状を有してもよい。また、中央開口HCの縁、および、小開口HSの縁は、略正方形状以外の形状を有してもよい。各縁は、長方形状を有してもよいし、四角形状以外の多角形状を有してもよい。また例えば、各縁は、円形状を有してもよい。
10…蒸着マスク
10a…パターン領域
10b…周辺領域
10F…表面
10H,20H…マスク孔
10M,20M…格子構造
10R…裏面
20M1…第1格子線
20M2…第2格子線
HC…中央開口
HL…大開口
HS…小開口

Claims (4)

  1. 金属製の蒸着マスクであって、
    表面と裏面とを備えた格子構造であって、前記表面に位置する大開口と前記裏面に位置する小開口とを接続する複数のマスク孔を区切る二次元の網目状を有した前記格子構造を備え、
    前記表面において互いに隣り合う大開口の境界でのJIS B 0601:2013に準拠した算術平均粗さRaが、1.35μm以下であり、
    前記境界でのJIS B 0601:2013に準拠した最大高さRzが、6.8μm以下である
    蒸着マスク。
  2. 前記表面は、
    前記格子構造の格子線に位置する窪みと、
    前記格子構造の格子点に位置して前記窪み同士が接続される部分である頂部と、を備え、
    前記窪みと前記頂部とが前記境界を構成する
    請求項1に記載の蒸着マスク。
  3. 前記頂部が平面である
    請求項2に記載の蒸着マスク。
  4. 前記格子構造は、前記表面において線幅が太い第1格子線と、前記表面において線幅が細い第2格子線と、を備え、
    前記第1格子線と前記第2格子線とが前記境界を構成し、
    前記表面における前記第1格子線でのJIS B 0601:2013に準拠した算術平均粗さRaが、前記表面における前記第2格子線でのJIS B 0601:2013に準拠した算術平均粗さRaよりも小さい
    請求項1に記載の蒸着マスク。
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