JP2021119048A - 印刷装置 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明の目的は、缶体を保持しながら移動する移動体の軽量化を図ることにある。
また、本発明が適用される印刷装置は、缶体を回転させる駆動機構を備え、当該缶体を支持しながら移動する移動体と、前記移動体により支持されている缶体への印刷を行う印刷部と、前記移動体とは別の箇所に設けられ、前記移動体の前記駆動機構が用いる駆動力を発生する駆動源と、前記駆動源にて発生した駆動力を前記移動体の前記駆動機構に伝達する伝達機構と、前記移動体の前記駆動機構に対して前記伝達機構を進退させる進退手段と、を備える印刷装置である。
図1は、印刷装置500の上面図である。
印刷装置500には、缶体10が投入される缶体投入部510、投入された缶体10への印刷を行う印刷部520、印刷済みの缶体10の乾燥を行う乾燥部530、乾燥が済んだ缶体10を排出する缶体排出部540が設けられている。
さらに、印刷装置500には、缶体10を支持しながら移動する複数の移動ユニット550、移動ユニット550を移動させる移動手段の一部として機能する移動機構560が設けられている。移動機構560は、環状に形成されている。
以下の説明において、第1インクジェットヘッド11W〜第5インクジェットヘッド11Kを特に区別しない場合には、単に、「インクジェットヘッド11」と称する。
さらに、本実施形態では、この5つのインクジェットヘッド11の下方を缶体10が通過していく過程で、缶体10に対して上方からインクが吐出され、缶体10に画像が形成される。言い換えると、本実施形態では、移動ユニット550が、複数設けられたインクジェットヘッド11の各々を経由していく。この移動の過程で、各インクジェットヘッド11から缶体10へのインクの吐出が行われ、缶体10に画像が形成される。
なお、本実施形態では、5つのインクジェットヘッド11が設けられている場合を例示するが、コーポ―レートカラーなどの特色のインクを吐出するインクジェットヘッド11をさらに設けてもよい。
なお、図1では、5個の移動ユニット550を示しているが、印刷装置500には、5個を超える移動ユニット550が設置されており、これらの移動ユニット550は、移動機構560によって循環移動を行う。
なお、1番目の第1インクジェットヘッド11Wを用いて、缶体10の表面に位置決め用マークを形成し、2番目以降のインクジェットヘッド11では、この位置決め用マークを読み取ることで、インクの吐出タイミングを決めてもよい。
また、位置決め用マークを用いた吐出タイミングの決定は、専用のマークを読み取って吐出タイミングを決定する他、バーコードやリサイクルマークを読み取って吐出タイミングを決定してもよい。
なお、缶体10への画像形成にあたっては、熱硬化型のインクを用いてもよく、この場合、乾燥部530では、缶体10に対して熱が加えられて、缶体10上の画像が硬化する。
移動機構560には、移動ユニット550の案内を行う案内部材561が設けられている。この案内部材561は、上面561A、外周面561B、下面561Cを有する。案内部材561の内部には、電磁石562が設けられている。
図1に示すように、本実施形態の印刷装置500には、電磁石562への通電を制御して移動ユニット550を移動させる移動手段の一部として機能する制御部600が設けられている。この制御部600は、プログラム制御されたCPU(Central Processing Unit)により構成されている。
リニア機構を用いた搬送では、移動ユニット550の移動速度を簡易に変更できる。また、リニア機構を用いた搬送では、移動ユニット550の後退も行える。
被案内部材551には、案内部材561の上面561Aに対向する上側対向部551A、案内部材561の外周面561Bに対向する側面対向部551B、案内部材561の下面561Cに対向する下側対向部551Cが設けられている。
さらに、案内部材561と、上側対向部551A、側面対向部551B、下側対向部551Cの各々との間には、回転可能なロール状部材80が設置されている。ロール状部材80は、被案内部材551に固定されている。ロール状部材80は、案内部材561と被案内部材551との間の摺動抵抗を低減する。
本実施形態では、案内部材561に設けられた電磁石562によって発生する磁界と、ユニット側磁石90とによって、移動ユニット550に推進力が生じ、移動ユニット550が、環状の案内部材561に沿って移動する。
マンドレル70は、円筒状に形成されている。また、マンドレル70は、寝た状態(水平方向に沿った状態)で配置されている。これにより、本実施形態では、缶体10も寝た状態で配置される。
さらに、移動ユニット550は、各インクジェットヘッド11の下方に達する度に、停止する。さらに、本実施形態では、マンドレル用モータM(図2参照)が駆動され、マンドレル70(図2参照)が周方向に回転する。さらに、インクジェットヘッド11からのインクの吐出が行われる。
なお、マンドレル70の回転は、マンドレル70が各インクジェットヘッド11の下方に達する度に行ってもよいし、移動ユニット550が缶体投入部510を出発してから缶体排出部540へ達するまでの間、継続してマンドレル70を回転させてもよい。
かかる場合、マンドレル70が、移動ユニット550の移動方向に沿って配置されている場合に比べ、印刷装置500の長さLを小さくできる。言い換えると、移動ユニット550が移動する移動経路の全長を小さくできる。
本実施形態のように、マンドレル70を横向きに配置した場合は、移動ユニット550の移動経路を短くでき、印刷装置500の製造コストを低減できる。
また、マンドレル70を横向きで配置すると、移動ユニット550の移動方向における、移動ユニット550の配置密度を高めることができ、設置可能な移動ユニット550の数を増やせる。
マンドレル70やインクジェットヘッド11のメンテナンスを行う場合があり、かかる場合に、本実施形態のように、マンドレル70およびインクジェットヘッド11が外側に寄せられていると、内側に寄せられている場合に比べ、このメンテナンスを行いやすくなる。
この場合、インクジェットヘッド11が、缶体10の側方や缶体10の下方に配置されている場合に比べ、インクジェットヘッド11から吐出されたインクの液滴に作用する重力の影響を小さくでき、缶体10におけるインクの付着位置の精度を高められる。
また、支持部75の図中右側および左側の両側に、マンドレル70およびインクジェットヘッド11を設けてもよい。
また、支持部75の両側に、マンドレル70を設ける場合、移動ユニット550の左右(図2における左右)のバランスが良くなり、マンドレル70の重量に起因して移動ユニット550が傾くことを抑制できる。
ここで、1つのマンドレル用モータMで2つのマンドレル70を回転させる場合は、例えば、マンドレル用モータMと2つのマンドレル70との間に伝達ギアを設置し、マンドレル用モータMからの回転駆動力を各マンドレル70に伝達する。
また、上記の伝達ギアの構成によっては、2つの缶体10が同方向に回転したり、逆方向に回転したりする。
このため、支持部75の両側にマンドレル70を設ける場合は、印刷に用いる画像データの回転処理や反転処理などの画像処理を行うなどして、マンドレル70の向きや回転方向に合わせた画像データを生成し、この画像データを用いて缶体10への画像形成を行う。
図1に示すように、移動機構560に設けられた案内部材561は、環状に形成されている。さらに、案内部材561は、曲率を有した第1曲線部571、直線状に形成された第1直線部572、曲率を有した第2曲線部573、直線状に形成された第2直線部574を備える。
また、第1曲線部571は、第1直線部572の一端部と第2直線部574の一端部とを接続する。また、第2曲線部573は、第1直線部572の他端部と第2直線部574の他端部とを接続する。
本実施形態では、第1曲線部571に、缶体投入部510が設けられている。また、第1直線部572に、印刷部520および乾燥部530が設けられている。さらに、第2曲線部573に、缶体排出部540が設けられている。
この構成例では、1つの移動ユニット550に、3個(複数個)のマンドレル70が設けられ、各移動ユニット550は、3個の缶体10を保持しながら移動する。
さらに、印刷部520には、3個のマンドレル70に対応させて、同一色のインクジェットヘッド11が3個設けられている。具体的には、各色毎に、3個のインクジェットヘッド11が設けられている。
なお、図3では、イエローの第4インクジェットヘッド11Y、黒の第5インクジェットヘッド11Kの図示を省略しているが、イエローの第4インクジェットヘッド11Y、黒の第5インクジェットヘッド11Kにおいても、3個のインクジェットヘッド11が設けられている。
そして、各移動ユニット550では、3個のマンドレル70(缶体10)の回転が行われ、さらに、各缶体10に対して、同色のインクを吐出する3個のインクジェットヘッド11からインクの吐出が行われる。これにより、上記と同様、缶体10の外周面に画像が形成される。
さらに、この構成例では、同色のインクを吐出する3個のインクジェットヘッド11の各々にて、同じタイミングでインクの吐出を行う。これにより、インクジェットヘッド11の各々にてインクの吐出タイミングが異なる構成に比べ、処理の簡素化を図れる。
具体的には、移動ユニット550の重量が大きくなると、移動ユニット550が停止する際の移動ユニット550の慣性力が大きくなり、移動ユニット550の停止位置が本来の位置からずれやすくなる。
なお、マンドレル70を移動ユニット550に複数設置する場合、マンドレル70の好ましい設置個数は、2〜4個である。
なお、図4(A)は、上面図であり、図4(B)は、図4(A)の矢印IVB方向から印刷部520を眺めた場合の図であり、図4(C)は、図4(A)の矢印IVC方向から印刷部520を眺めた場合の図である。
この構成例では、図4(B)に示すように、各移動ユニット550に設けられたマンドレル70は、移動ユニット550とは別の箇所に設けられたマンドレル駆動機構20により駆動される。
マンドレル駆動機構20は、無端状に形成され循環移動を行うベルト部材21と、このベルト部材21に接触配置されベルト部材21を回転させる駆動ロール22と、この駆動ロール22を回転させるベルト用モータ23とを備える。さらに、図示は省略するが、マンドレル駆動機構20は、ベルト部材21を内側から張架する張架ロールを備える。
ここで、駆動源の一例としてのベルト用モータ23は、移動ユニット550により支持されている缶体10を回転させるための駆動力を発生する。この駆動力は、ベルト部材21等を介して缶体10に伝達される。
ベルト部材21の外周面には、ギア(凹凸部)が形成され、本実施形態では、ベルト部材21のこのギアがマンドレル側ギア71に噛み合っており、循環を行うベルト部材21からマンドレル70に対して回転駆動力が伝達される。
また、本実施形態では、図4(B)に示すように、ベルト部材21の外周面にマンドレル側ギア71が接触するが、ベルト部材21の内周面にマンドレル側ギア71が接触する構成としてもよい。この場合、ベルト部材21の外周面にマンドレル側ギア71が接触する場合に比べ、印刷装置500の小型化を図れる。
また、本実施形態では、印刷部520の構成を説明したが、マンドレル駆動機構20は、乾燥部530(図1参照)等にも設けられており、乾燥部530等でも、缶体10は周方向に回転する。
移動ユニット550の各々にマンドレル用モータMを設置すると、移動ユニット550の重力が増し、移動ユニット550が停止する際の慣性力が増す。かかる場合、移動ユニット550の停止位置の精度が低下するおそれがある。
このような構成の場合、移動ユニット550の軽量化が可能となり、移動ユニット550が停止する際の慣性力が小さくなる。そして、この場合、移動ユニット550の停止位置の精度を向上させられる。
これに対し、図4にて示した構成例では、駆動源が共用され、駆動源の削減を図れる。そして、この場合、印刷装置500の製造コストの低減を図れる。
例えば、インクジェットヘッド11の各々に対応させて、回転するギア(不図示)(以下、「回転ギア」と称する)を設置し、この回転ギアに対して、マンドレル側ギア71を噛み合わせるようにして、各マンドレル70を回転させてもよい。
なお、この場合、各回転ギアは、共通の駆動源で回転させることもできるし、各回転ギア毎に用意した駆動源で回転させてもよい。
なお、ベルト部材21を常時回転させる場合は、インクジェットヘッド11間を移動ユニット550が移動する際にも、ベルト部材21からマンドレル70に対して駆動力が供給される。この場合、移動ユニット550上のマンドレル70が回転を行いながら、移動ユニット550は移動する。
ベルト部材21で複数のマンドレル70を回転させる場合、各色の画像の位置のずれを減らすことができ、形成される画像の質を向上させることができる。
これに対し、連続状のベルト部材21を用いると、マンドレル70が同期しているのでその位置の変動が生じにくくなり、缶体10上に形成される各色の画像のずれが生じにくくなる。
図5(マンドレル駆動機構20の他の構成例を示した図)に示す構成例では、マンドレル側ギア71の図中上方および下方の両方に、マンドレル側ギア71に回転駆動力を与えるベルト部材21を設置している。
図4(C)にて示した構成例の場合、ベルト部材21によって上方からマンドレル側ギア71が押圧され、マンドレル70を傾斜させる荷重がマンドレル側ギア71に作用することになる。
言い換えると、図5にて示すこの構成例では、図中上側のベルト部材21を、マンドレル側ギア71に対して回転駆動力を伝達する伝達機構として捉えることができる。そして、この構成例では、マンドレル側ギア71を挟み、この伝達機構の設置側とは反対側から、マンドレル側ギア71がベルト部材21(図中、下側のベルト部材21)によって支持されている。
また、マンドレル側ギア71の図中上方および下方の配置される2つの部材(ベルト部材21や回転ギア)のうちの一方の部材からは、マンドレル側ギア71に対して回転駆動力を与えない構成としてもよい。
この場合、この一方の部材は、マンドレル側ギア71の支持を主に行う。また、この場合、この一方の部材は、マンドレル側ギア71に従動して回転する。
具体的には、例えば、移動ユニット550が移動している最中には(移動ユニット550がインクジェットヘッド11間を移動している最中には)、マンドレル駆動機構20を上方に退避させておく。そして、移動ユニット550がインクジェットヘッド11の下方にて停止すると、マンドレル駆動機構20を下降させ、マンドレル駆動機構20のベルト部材21をマンドレル側ギア71に接触させる。
また、図4(B)に示す構成例では、マンドレル駆動機構20の全体が上下動する構成を説明したが、図4(B)にて符号4Eで示す部分(ベルト部材21のうちの下側に位置する部分)のみを上下動させる構成としてもよい。
また、上記回転ギアも同様であり、回転ギアについても上下動させるようにし、マンドレル側ギア71への回転ギアの接触、マンドレル側ギア71からの回転ギアの退避を行ってもよい。
本実施形態のように、停止している移動ユニット550に対してベルト部材21や回転ギアが接触する場合、移動ユニット550に作用する衝撃をより小さいものにでき、さらに、マンドレル側ギア71等の摩耗を抑制できる。
この場合、各インクジェットヘッド11が等間隔で位置決めされ、さらに各移動ユニット550を隣に位置するインクジェットヘッド群に移動させる際の移動距離が、各移動ユニット550にて等しくなり、移動ユニット550を移動させる際の制御を簡素化できる。
ここで、ヘッド間隔L1および離間距離L2は、缶体10同士およびインクジェットヘッド11同士が干渉しない範囲で最短距離とした方が、上記の移動距離が最短となって好ましい。
さらにはこのとき、例えば缶体10がインクジェットヘッド11Wの位置からインクジェットヘッド11Cの位置に移動したときに、言い換えれば缶体10が(2×L1+L2)分の距離を移動したときに、インクジェットヘッド11Wでの缶体10の印刷開始点がインクジェットヘッド11Cに対向する位置となるように、缶体10の回転速度が設定されていると好ましい。そうすれば、インクジェットヘッド11Cの位置で、缶体10の上記印刷開始点が、自転によりインクジェットヘッド11Cに対向する位置に来るまでの待ち時間がなくなる。
図6(A)に示すように、本実施形態の缶体投入部510は、移動機構560の第1曲線部571に設けられている。
缶体投入部510には、搬送機構400によって、印刷が未だ行われていない缶体10が順次搬送されてくる。そして、図6(A)の矢印6Bに示すように、この缶体10は、移動ユニット550に設けられたマンドレル70に向けて押し出され(不図示の押し出し機構によって押し出され)、缶体10の内部に、マンドレル70が挿入される。これにより、マンドレル70による缶体10の支持が開始される。
具体的には、図7に示すように、缶体投入部510には、吸引装置410が設けられており、缶体投入部510では、移動ユニット550に対してこの吸引装置410が接続され、この吸引装置410によって、マンドレル70の内部の空気が吸引される。これにより、マンドレル70による缶体10の吸引が行われ、缶体10の内部にマンドレル70が入り込むようになる。
なお、図6(B)に示すように、移動ユニット550に複数のマンドレル70が設けられている場合には、マンドレル70の設置数に対応した個数の缶体10を、マンドレル70に向けて進出させる。
図8(A)に示すように、缶体排出部540は、移動機構560の第2曲線部573に設けられている。
缶体排出部540では、不図示の空気供給装置を用い、マンドレル70の後端部側から圧縮空気をマンドレル70内に供給する。これにより、缶体10がこの圧縮空気により押圧され、マンドレル70から缶体10が外れるようになる。なお、マンドレル70から外れた缶体10は、不図示の搬送機構によって、次の工程へ搬送される。
なお、図8(B)に示すように、移動ユニット550に複数のマンドレル70が設けられている場合には、各マンドレル70内に圧縮空気を供給して、全てのマンドレル70から缶体10を取り外す。
一方で、印刷部520を第1直線部572に設けると、移動ユニット550が直線状に移動していく過程で、缶体10への画像形成が行われる。この場合、インクジェットヘッド11に対する缶体10の位置の変動が生じにくくなり、缶体10に形成される画像の質の低下を抑えられる。
この構成例では、1つのマンドレル70(缶体10)の上に、複数個のインクジェットヘッド11が配置されている。具体的には、図中最も上流側に位置する移動ユニット550には3つのマンドレル70が配置されている。
この3つのマンドレル70に含まれる各マンドレル70の上方には、白の第1インクジェットヘッド11W、シアンの第2インクジェットヘッド11Cの2つのインクジェットヘッド11が設置されている。
なお、最も下流側に位置する移動ユニット550では、3つのマンドレル70の各々の上方に、黒の第5インクジェットヘッド11Kが設置されている。このとき、コーポ―レートカラーなどの特色のインクを吐出するインクジェットヘッド11を設ける場合には、最も下流側に位置する移動ユニット550の位置に、黒の第5インクジェットヘッド11Kと共に設置すれば良い。
具体的には、例えば、図中最も上流側に位置する移動ユニット550では、3個の缶体10が設けられているが、この3個の缶体10においては、何れの缶体10であっても、白、シアンの2色インクを用いて画像形成を行う。
また、このように1つのマンドレル70の上に複数個のインクジェットヘッド11を設置する場合は、図10(A)、(B)に示すように、この複数個のインクジェットヘッド11を、マンドレル70(缶体10)に対して進退させる進退機構800を設けてもよい。
この干渉を避けるためには、矢印10Cに示すように、インクジェットヘッド11から離れた箇所を通るように缶体10を移動させればよいが、この場合は、インクジェットヘッド11から缶体10が離れ、画像の質が低下するおそれがある。
進退機構800による処理について詳細に説明すると、缶体10が搬送されてくる際には、図10(A)、(B)の矢印10Xに示す方向へインクジェットヘッド11を移動させ、缶体10の移動経路から離れた側にインクジェットヘッド11を退避させておく。
画像形成が終了すると、矢印10Xに示す方向へインクジェットヘッド11を移動させ、インクジェットヘッド11を退避させる。そして、缶体10の搬送を再開する。
これにより、インクジェットヘッド11と缶体10との干渉を避けられるようになり、また、缶体10の近くにインクジェットヘッド11を配置できる。
なお、進退機構800は、公知の技術で構成でき、例えば、モータやソレノイドなどを用いて構成することができる。
また、図10(B)に示すように、5個のインクジェットヘッド11を1つの缶体10の上方に設置する場合には、缶体10を1回転させるだけで缶体10への印刷を終えることができる。
この構成例では、移動機構560を略矩形状に形成している。
さらに、この構成例では、缶体投入部510と印刷部520との間に、異常検出部511および異常品排出部512が設けられている。さらに、乾燥部530と缶体排出部540との間には、外面塗装部535が設けられている。
異常検出部511には、例えばいわゆる透過型のセンサが設置され、発光部および受光部が設けられている。上記のように缶体10に突出部が生じた場合、この突出部によって、発光部から受光部に向かう光が遮られる。これにより、缶体10の異常が検出される。同様に、缶体10の傷や凹み又は缶体10の装着の異常についても、種々のセンサを用いて検出させれば良い。
外面塗装部535は、缶体10の外周面に塗料を塗布して、缶体10の外周面に保護層を形成する。外面塗装部535には、缶体10の外周面に接触するローラ(不図示)が設けられており、このローラを用いて、缶体10の外周面に塗料を塗布して保護層を形成する。
この構成例では、缶体投入部510、印刷部520、乾燥部530、缶体排出部540により構成された基本構成が2組設けられている。これにより、この構成例では、単位時間当たりに印刷可能な缶体10の数を増やせる。
具体的には、1組目の基本構成(缶体投入部510、印刷部520、乾燥部530、缶体排出部540)は、図中左右方向に延びる直線12Aよりも図中上方に位置している。
ここで、上記と同様、この1組目の基本構成では、缶体投入部510は、第1曲線部571に位置し、印刷部520、乾燥部530は、第1直線部572に位置し、缶体排出部540は、第2曲線部573に位置する。
ここで、この2組目の基本構成では、缶体投入部510は、第2曲線部573に位置し、印刷部520、乾燥部530は、第2直線部574に位置し、缶体排出部540は、第1曲線部571に位置する。
なお、この構成例では、基本構成が2組設けられた場合を説明したが、これは一例であり、基本構成は、3組以上設けてもよい。また、図11にて示した異常検出部511、異常品排出部512、外面塗装部535を、基本構成の各々に設置してもよい。
上記にて説明した構成例では、移動ユニット550が移動する周回経路の全周に亘って案内部材561を設置し、この全周に亘って、リニア機構を用い、移動ユニット550を移動させた。
ところで、移動機構560(の案内部材561)の設置範囲は、全周に限らず、図13に示すように、周回経路の一部としてもよい。図13に示すこの構成例では、移動機構560の一部を、ベルト搬送装置750に換えている。言い換えると、この構成例では、印刷部520等ではリニア機構を用いて移動ユニット550を移動させるが、第2直線部574では、リニア機構を用いずに移動ユニット550を移動させる。
また、ベルト搬送装置750の上流側部分750Aと移動機構560との間、および、ベルト搬送装置750の下流側部分750Bと移動機構560との間には、移動レール750Cが設けられている。
具体的には、移動ユニット550は、循環ベルト751に載った状態で、図中右方向に移動した後、まず、移動レール750Cによって支持される。次いで、移動レール750Cによる移動ユニット550の案内が行われ、移動ユニット550は移動機構560に達する。そして、移動機構560に設けられた案内部材561によって移動ユニット550は再び支持される。
このため、この構成例では、印刷部520が設けられている箇所とは反対側に位置する箇所にて(缶体10への処理を行う機能部が設けられていない箇所にて)、移動機構560一部を、より安価なベルト搬送装置750に置き換えている。
図1等では横置きの印刷装置500を示したが、印刷装置500は、横置きに限らず、図14に示すように縦置きで設置してもよい。
また、移動ユニット550上のマンドレル70は、図1と同様に、また、図14に示すように横向きで配置される。具体的には、マンドレル70は、移動ユニット550の移動方向と直交(交差)する方向に沿うように配置される。
一方で、縦置きの場合は、第2直線部574(図14参照)を活用しにくくなる。横置きの場合は、図12にて示したように、第2直線部574にも印刷部520等を設置できるが、縦置きの場合は、第2直線部574に印刷部520等を設置しにくくなる。
例えば、移動ユニット550に複数のマンドレル70を設置する構成(図3(A)参照)や、マンドレル70を外部の駆動源で駆動する構成(図4(B)参照)や、異常検出部511、異常品排出部512、外面塗装部535を設ける構成(図11参照)は、縦置きの印刷装置500に対しても適用できる。
また、印刷部520等を複数組設ける構成(図12参照)や、1つのマンドレル70の上方に複数のインクジェットヘッド11を設置する構成(図9参照)や、インクジェットヘッド11が進退する構成(図10参照)なども、縦置きの印刷装置500に対して適用できる。
具体的には、例えば、缶体10の移動方向において互いに隣接する2つのインクジェットヘッド11の一方のインクジェットヘッド11から他方のインクジェットヘッド11への缶体10の移動が開始されてから、この他方のインクジェットヘッド11へ缶体10が到達するまでの間の、缶体10の回転数が整数となるように、缶体10の回転を制御するようにしてもよい。
図16にて示す処理では、缶体10が、常時回転しており、上流側に位置する一方のインクジェットヘッド11(図中右側のインクジェットヘッド、以下「上流側インクジェットヘッド11A」と称する)から、下流側に位置する他方のインクジェットヘッド11(図中左側のインクジェットヘッド11、以下「下流側インクジェットヘッド11B」と称する)へ缶体10が移動する際、缶体10は、回転しながら移動する。
これにより、本実施形態では、上流側インクジェットヘッド11Aから吐出されたインクが最初に付着した付着開始位置P1が、缶体10が下流側インクジェットヘッド11Bに達する際、この下流側インクジェットヘッド11Bの対向位置に位置する。
そして、本実施形態では、缶体10が回転しながら移動し、下流側インクジェットヘッド11Bの下方に缶体10が達した際、この下流側インクジェットヘッド11Bの下面241の対向位置に、付着開始位置P1が位置する。
より具体的には、本実施形態では、上流側インクジェットヘッド11Aにて画像形成が終了すると同時に(缶体10が1回転し、付着開始位置P1がこの上流側インクジェットヘッド11Aに再び対峙するのと同時に)、缶体10の移動を開始する。
そして、下流側インクジェットヘッド11Bの下方へ缶体10が達すると同時に(下流側インクジェットヘッド11Bに対して付着開始位置P1が対峙すると同時に)、この下流側インクジェットヘッド11Bからのインクの吐出を開始し、画像形成を開始する。
これにより、本実施形態では、上流側インクジェットヘッド11Aにて画像形成を開始した際の画像形成開始位置と、下流側インクジェットヘッド11Bにて画像形成を開始する際の画像形成開始位置とが一致する。
具体的には、例えば、ロータリーエンコーダーなどで缶体10の状態を検出し、この検出結果に基づき、缶体10を回転させるなどの処理が必要になる。これに対し、本実施形態では、このような処理が不要となり、より簡易に、画像形成開始位置を揃えられる。
なお、上流側インクジェットヘッド11Aからの缶体10の移動が開始されてから、下流側インクジェットヘッド11Bへ缶体10が到達するまでの間の、缶体10の回転数は、整数であれば何れの値でもよく、1であってもよいし、2以上としてもよい。
より具体的には、インクジェットヘッド11の各々にて、缶体10への画像形成を行う際には、缶体10を予め定められた回転数で回転させ、缶体10を移動させる際には(缶体10を移動させている最中には)、この予め定められた回転数よりも大きい回転数で缶体10を回転させてもよい。
付言すると、上記では、紫外線硬化型のインクを用いた場合を説明したが、熱硬化型のインクを用いることもでき、この場合、缶体10の回転数を増加させれば、回転数を増加させない場合に比べ、より速やかにインクが硬化する。
より具体的には、インクジェットヘッド11の各々にて、缶体10への画像形成が行われる際、缶体10を予め定められた回転数で回転させ、缶体10を移動させる際には(缶体10を移動させている最中には)、この予め定められた回転数よりも小さい回転数で缶体10を回転させてもよい。
このように、缶体10の回転数を低下させる場合は、缶体10を回転させるための各機構部の総回転数が減り、各機構部の回転数が、一定の場合や上記のように大きくなる場合に比べ、各機構部の損耗が抑制される。
これに対し、インクジェットヘッド11の下方にて缶体10を回転させてからインクジェットヘッド11による画像形成を開始すると(一定の時間が経過してからインクジェットヘッド11による画像形成を開始すると)、缶体10の振動が減りあるいは無くなり、缶体10に形成される画像の質の低下が抑制される。
画像形成開始位置を揃える場合、画質が低下しやすい部分が一箇所に集中し、画質低下を招くおそれがある。より具体的には、画像形成開始位置では、形成される画像の始点と終端とが重なりあったり、始点と終端との間に隙間が形成されたりし、画質が低下しやすい。このような場合に、画像形成開始位置を揃えると、画像形成開始位置が揃っていない場合に比べ、画質がより低下しやすくなる。
なお、インクジェットヘッド11による画像形成開始位置をずらす方法としては、特に限定されないが、例えば、それぞれのインクジェットヘッド11によるインクの吐出タイミングをずらすことで、画像形成開始位置をずらせる。
Claims (2)
- 缶体を回転させる駆動機構を備え、当該缶体を支持しながら移動する移動体と、
前記移動体により支持されている缶体への印刷を行う印刷部と、
前記移動体とは別の箇所に設けられ、前記移動体の前記駆動機構が用いる駆動力を発生する駆動源と、
前記駆動源にて発生した駆動力を前記移動体の前記駆動機構に伝達する伝達機構と、
を備え、
前記伝達機構は、前記移動体の前記駆動機構に接触して当該駆動機構に駆動力を伝達し、
前記移動体の前記駆動機構を挟み前記伝達機構の設置側とは反対側から当該駆動機構を支持する支持部材を更に備える、
印刷装置。 - 缶体を回転させる駆動機構を備え、当該缶体を支持しながら移動する移動体と、
前記移動体により支持されている缶体への印刷を行う印刷部と、
前記移動体とは別の箇所に設けられ、前記移動体の前記駆動機構が用いる駆動力を発生する駆動源と、
前記駆動源にて発生した駆動力を前記移動体の前記駆動機構に伝達する伝達機構と、
前記移動体の前記駆動機構に対して前記伝達機構を進退させる進退手段と、
を備える印刷装置。
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