JP2021118366A - 弾性表面波フィルタ及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた弾性表面波(SAW)フィルタを提供する。【解決手段】弾性表面波フィルタは、支持基板OSと、圧電体結晶基板PSと、IDT電極IDTを有する。圧電体結晶基板PSは、支持基板OS上に結合されている。IDT電極は、圧電体結晶基板PS上に形成されている。圧電体結晶基板PSの厚さは、0.05〜0.5μmである。IDT電極における電極指の幅wは、0.2〜1.5μmであり、電極指の幅wと電極指のピッチpとの比w/pは、0.7〜0.9である。弾性表面波フィルタは、奇数次高調波を用いて動作する。【選択図】図2

Description

本発明は弾性表面波フィルタ及びその製造方法に関する。
携帯電話などの移動体通信機器の進化に伴い弾性表面波(SAW:Surface Acoustic Wave)フィルタについても高周波化、広帯域化等の高性能化が要求されている。特許文献1〜3に開示されているように、発明者らは、これまで水晶等の酸化物基板上に圧電体結晶基板が接合されたSAWフィルタを開発してきた。
SAWフィルタは、圧電体結晶基板上に形成された櫛形状のIDT(Interdigital Transducer)電極を備えている。非特許文献1には、IDT電極における電極指の幅wとピッチpとの比(メタライゼーション比)w/dによって、SAWフィルタにおける奇数次高調波の基本波に対する相対励振強度が変化することが開示されている。
特開2018−026695号公報 特開2019−004308号公報 特開2019−145920号公報
H. Engan, "Excitation of elastic surface waves by spatial harmonics of interdigital transducers," IEEE Transactions on Electron Devices, 1969年12月, Vol. 16, Issue 12, p. 1014-1017
発明者は、酸化物基板上に圧電体結晶基板が接合された弾性表面波フィルタの開発に際し、様々な課題を見出した。
その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面から明らかになるであろう。
一実施の形態に係る弾性表面波フィルタでは、酸化物結晶からなる支持基板上に接合された圧電体結晶基板の厚さが0.05〜0.5μmであり、奇数次高調波が用いられる。
前記一実施の形態によれば、優れた弾性表面波フィルタを提供することができる。
第1の実施の形態に係るSAWフィルタを用いた無線受信回路RXの構成の一例を示すブロック図である。 第1の実施の形態に係るSAWフィルタの構成の一例を示す斜視図である。 奇数次高調波の相対励振強度のメタライゼーション比依存性を示すグラフである。 基本波の波長λによって規格化されたLT基板の板厚hに対する漏洩弾性表面波の電気機械結合係数Kの変化を示すグラフである。 第1の実施の形態に係るSAWフィルタのシミュレーションによる共振特性解析結果を示すグラフである。
以下、具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。但し、以下の実施の形態に限定される訳ではない。また、説明を明確にするため、以下の記載及び図面は、適宜簡略化されている。
(第1の実施の形態)
<弾性表面波フィルタを用いた無線受信回路RXの構成>
まず、図1を参照して、第1の実施の形態に係る弾性表面波フィルタ(以下、SAWフィルタ)を用いた無線受信回路RXの構成について説明する。図1は、第1の実施の形態に係るSAWフィルタを用いた無線受信回路RXの構成の一例を示すブロック図である。図1に示した無線受信回路RXは、スーパーヘテロダイン型の無線受信回路であり、例えば携帯電話に用いられる。なお、図1に示した無線受信回路RXは、あくまでもSAWフィルタの用途の一例であって、SAWフィルタの用途は何ら限定されない。
まず、無線受信回路RXの概要について説明する。
図1に示すように、無線受信回路RXは、アンテナANを介して受信RF(Radio Frequency)信号を無線受信する。そして、発振回路OCから出力された周波数信号を用いて、受信RF信号から受信IQ信号を生成し、ベースバンド処理部BBPに出力する。
ここで、ベースバンド処理部BBPは、無線受信回路RXから取得した受信IQ信号を受信データrdに復号化して受信データrdを出力する。
なお、ベースバンド処理部BBPは、取得した送信データtdを送信IQ信号に符号化し、図示しない無線送信回路に出力する。そして、無線送信回路において送信IQ信号から生成された送信RF信号が、アンテナANを介して無線送信される。
次に、無線受信回路RXの詳細について説明する。
図1に示すように、無線受信回路RXは、RF(Radio Frequency)フィルタRFF、ローノイズアンプLNA、RF(Radio Frequency)ミキサRFM、IF(Intermediate Frequency)フィルタIFF1、IFF2、IF(Intermediate Frequency)アンプIFA、IF(Intermediate Frequency)ミキサIFM、周波数シンセサイザFS、PLL(Phase Locked Loop)回路PLLを備えている。
以下に、受信データrdの流れについて説明する。
アンテナANによって無線受信された受信RF信号は、RFフィルタRFFを介して、ローノイズアンプLNAに入力され、ローノイズアンプLNAによって増幅される。ここで、RFフィルタRFFに、第1の実施の形態に係るSAWフィルタが用いられる。RFフィルタRFFが通過させる周波数帯域(通過帯域)は、例えば1.5〜20GHz帯である。第1の実施の形態に係るSAWフィルタは、基本波ではなく、奇数次高調波(例えば3次高調波)を用いるため、高周波数帯域に適している。
また、RFフィルタRFFは、所望の通過帯域幅を達成するために、例えば通過帯域が少しずつずれた複数のSAWフィルタから構成される。第1の実施の形態に係るSAWフィルタは、奇数次高調波でも、電気機械結合係数Kが大きく、単独での通過帯域幅が広い。そのため、RFフィルタRFFを構成するSAWフィルタの個数を削減でき、無線受信回路RXを小型化できる。
さらに、第1の実施の形態に係るSAWフィルタは、奇数次高調波でも、アドミタンス比が大きい。RFフィルタRFFに用いるSAWフィルタのアドミタンス比が大きいと、後段のローノイズアンプLNAを小型化できると共に、ローノイズアンプLNAの消費電力を低減できる。すなわち、無線受信回路RXを小型化できると共に、無線受信回路RXの消費電力を低減できる
次に、増幅された受信RF信号は、RFミキサRFMにおいて、周波数シンセサイザFSから出力された周波数信号とミキシングされ、受信IF信号へダウンコンバートされる。RFミキサRFMから出力された受信IF信号は、IFフィルタIFF1を介して、IFアンプIFAに入力され、IFアンプIFAによって増幅される。
増幅された受信IF信号は、IFミキサIFMにおいて、PLL回路PLLから出力された周波数信号とミキシングされ、受信IQ信号に復調される。そして、IFミキサIFMから出力された受信IQ信号は、IFフィルタIFF2を介して、ベースバンド処理部BBPに入力され、ベースバンド処理部BBPによって受信データrdに復号化される。
<弾性表面波フィルタの構成>
次に、図2を参照して、第1の実施の形態に係るSAWフィルタの構成について説明する。上述の通り、本実施の形態に係るSAWフィルタは、基本波ではなく、奇数次高調波を用いるため、例えば1.5〜20GHz帯の高周波数帯域に適している。
図2は、第1の実施の形態に係るSAWフィルタの構成の一例を示す斜視図である。図2に示すように、第1の実施の形態に係るSAWフィルタは、酸化物結晶基板OS、圧電体結晶基板PS、IDT電極IDT、及び反射器REF1、REF2を備えている。
すなわち、図2に示したSAWフィルタは、2つの反射器REF1、REF2の間に1つのIDT電極IDTが配置された1ポート共振器型SAWフィルタである。
なお、2つの反射器REF1、REF2の間に1つの2つのIDT電極が配置された2ポート共振器型SAWフィルタでもよい。また、反射器REF1、REF2は必須ではない。
酸化物結晶基板OSは、例えば所定の結晶面においてカットされた水晶(SiO)やサファイア(Al)等からなる単結晶基板である。より具体的には、例えばATカットかつ弾性表面波の伝播方向が結晶X軸に対して0〜90°(ATカット0〜90°X伝播)の水晶基板である。酸化物結晶基板OSの厚さは、例えば5〜500μmである。
図2に示すように、圧電体結晶基板PSは、支持基板である酸化物結晶基板OS上に接合されている。圧電体結晶基板PSは、例えば所定の結晶面においてカットされたLiTaO(LT)やLiNbO(LN)等からなる単結晶基板である。より具体的には、例えばカット面が結晶Y軸に対して36〜45°かつ弾性表面波の伝播方向が結晶X軸(36〜45°YカットX伝播)のLT基板である。酸化物結晶基板OSにおける弾性表面波の伝播方向と、圧電体結晶基板PSにおける弾性表面波の伝播方向とが一致している。
圧電体結晶基板PSの厚さhは、0.05〜0.5μmである。詳細には後述するように、奇数次高調波において電気機械結合係数Kが大きくなるように、圧電体結晶基板PSの厚さhを薄肉化することによって、通過帯域幅が広いSAWフィルタが得られる。その結果、図1に示したRFフィルタRFFを構成するSAWフィルタの個数を削減でき、無線受信回路RXを小型化できる。
圧電体結晶基板PSと酸化物結晶基板OSとは、例えば表面活性化接合法等によって、直接接合される。あるいは、圧電体結晶基板PSと酸化物結晶基板OSとは、アモルファス中間層を介して接合されてもよい。アモルファス中間層は、例えばSiOやAlからなり、例えば100nm以下である。アモルファス中間層は、公知の化学蒸着や物理蒸着によって形成できる。例えば、圧電体結晶基板PS及び酸化物結晶基板OSの一方もしくは両方の表面にアモルファス中間層を形成した後、圧電体結晶基板PSと酸化物結晶基板OSとを接合する。
IDT電極IDTは、圧電体結晶基板PS上に形成されており、例えばアルミニウム(Al)や銅(Cu)等の金属膜から構成される。金属膜の厚さは、例えば数10〜数100nmである。
図2に示すように、IDT電極IDTは、それぞれ櫛形状の電極E1、E2から構成されている。電極E1、E2の一方が入力電極であり、他方が出力電極である。
詳細には、電極E1、E2のそれぞれは、互いに平行に並んで配置され、かつ、一端が互いに接続された複数本の電極指(櫛歯)を備えている。そして、電極E1、E2の一方の隣接する電極指間に、他方の電極指が1本ずつ挿入されるように、電極E1と電極E2とが対向配置されている。すなわち、電極E1の電極指と電極E2の電極指とが交互に平行に並んで配置されている。
図2に示すように、電極E1、E2の電極指圧は、圧電体結晶基板PSの表面における弾性表面波の伝播方向に対して垂直に延設されている。ここで、電極E1、E2の電極指の幅w、及び電極E1の電極指と隣接する電極E2の電極指とのギャップgは、一定である。すなわち、IDT電極IDT(電極E1、E2)の電極指の配置ピッチpも一定であり、電極指の幅wとギャップgとの和である。すなわち、p=w+gが成立する。
ここで、弾性表面波の波長λは、ピッチpの2倍(すなわちλ=2p)であり、幾何学的に定まる。
また、弾性表面波の基本波の中心周波数f0は、弾性表面波の速度vと波長λとを用いて、f0=v/λで表されるため、次式が成立する。
f0=v/λ=v/2p=v/2(w+g)
ここで、速度vは、圧電体結晶基板PSのカット面及び伝播方向等によって定まるため、ピッチpを小さくすることによって、基本波の中心周波数f0を高くできる。また、奇数次高調波の中心周波数は、基本波の中心周波数f0の奇数倍であり、例えば3次高調波の中心周波数は3f0であり、5次高調波の中心周波数は5f0である。
ここで、図3は、奇数次高調波の相対励振強度のメタライゼーション比依存性を示すグラフである。横軸はメタライゼーション比(電極指の幅wとピッチpとの比)w/p、縦軸は奇数次高調波の相対励振強度(基本波に対する相対強度)を示している。図3に示すように、メタライゼーション比w/pが大きい程、SAWフィルタにおける奇数次高調波の基本波に対する相対励振強度が高くなる。
なお、図3は、非特許文献1に開示されたグラフである。
例えば、図3においてドット表示するように、メタライゼーション比w/pを0.7〜0.9とする。特に、3次高調波において優れた励振強度が得られる。
ピッチpを一定とすると(すなわち基本波の中心周波数f0を一定とすると)、メタライゼーション比w/pが大きい程、電極指の幅wも大きくなるため、低抵抗化できる。
他方、メタライゼーション比w/pが0.9を超えると、ギャップgが小さくなり、IDT電極IDTの製造が難しくなる。
IDT電極IDT(電極E1、E2)の電極指の幅wは、例えば0.2〜1.5μmである。
なお、図2の例では、電極E1の電極指の本数が、電極E2の電極指の本数よりも1本多いが、同じでもよい。また、電極E1及び電極E2の電極指の本数は、適宜設定される。さらに、電極E1、E2の一方の隣接する電極指間に、電極E1、E2の他方の電極指が2本以上ずつ挿入される構成であってもよい。
反射器REF1、REF2は、IDT電極IDTと同じ金属膜から構成される。
図2に示すように、反射器REF1、REF2のそれぞれは、互いに平行に並んで配置され、かつ、両端が互いに接続された複数本のストリップから構成されている。ストリップは、電極E1、E2の電極指と同一ピッチpで、電極E1、E2の電極指と平行に設けられている。IDT電極IDTによって励振された弾性表面波が、反射器REF1、REF2によって反射されて定在波となるため、Q値が高く低損失なSAWフィルタが得られる。
<奇数次高調波の特性向上メカニズム>
上述の通り、第1の実施の形態に係るSAWフィルタは、基本波ではなく、奇数次高調波を用いる。そこで、図4を参照して、第1の実施の形態に係るSAWフィルタにおける奇数次高調波の特性向上メカニズムについて説明する。図4は、基本波の波長λによって規格化されたLT基板の板厚hに対する漏洩弾性表面波(LSAW:Leaky Surface Acoustic Wave)の電気機械結合係数Kの変化を示すグラフである。横軸は波長λによって規格化されたLT基板の板厚h(h/λ)、縦軸は漏洩弾性表面波の電気機械結合係数Kを示す。
図4には、36°YカットX伝播のLT基板単体の理論値及び実験値、並びにATカット90°X伝播の水晶基板(図2の酸化物結晶基板OS)上に36°YカットX伝播のLT基板(図2の圧電体結晶基板PS)が接合された接合基板の理論値及び実験値が示されている。図4に示すように、36°YカットX伝播のLT基板単体の電気機械結合係数Kは規格化LT板厚h/λによらず一定となる。一方、接合基板の電気機械結合係数Kの理論値は、規格化LT板厚h/λ=0.17付近において、LT基板単体の電気機械結合係数Kの2倍以上となるピーク値11.9%を示している。
なお、図4に示したLT基板単体の理論値及び接合基板の理論値のグラフは、発明者らによる特許文献2の図8に示したグラフと同じものである。特許文献2に示したように、規格化LT板厚h/λ=0.17付近では、周波数温度係数(TCF:Temperature Coefficient of Frequency)の理論値も略ゼロであり、伝播減衰の理論値も約10−4dB/λと良好な値を示す。
ここで、発明者らは、図4に示した接合基板の電気機械結合係数Kの規格化LT板厚依存性を用いて、奇数次高調波の電気機械結合係数Kを最適化することを考えた。図4に示したグラフは、あくまでも基本波の波長λによって規格化されたLT基板の板厚h(h/λ)についてのグラフである。
3次高調波を用いる場合について説明する。図4に示すように、3次高調波の波長はλ/3である。そこで、3次高調波の電気機械結合係数Kがピーク値になるように、規格化LT板厚h/λを、基本波の電気機械結合係数Kがピーク値を示す規格化LT板厚h/λの1/3に設定する。上述の通り、図4に示した例では、基本波の電気機械結合係数Kがピーク値を示す規格化LT板厚h/λが0.17であるため、最適な基本波の規格化LT板厚h/λは0.17/3≒0.057程度となる。例えば、LT板厚hを0.05λ〜0.07λ程度に設定する。
同様に、5次高調波を用いる場合、図4に示した例では、最適な基本波の規格化LT板厚h/λは0.17/5=0.034程度となる。そのため、5次高調波を用いる場合、例えば、LT板厚hを0.03λ〜0.04λ程度に設定する。
一般化すると、(2n+1)次高調波(nは自然数)の電気機械結合係数Kを最適化するために、規格化LT板厚h/λを、基本波の電気機械結合係数Kがピーク値を示す規格化LT板厚h/λの1/(2n+1)に設定する。
このように、第1の実施の形態に係るSAWフィルタでは、(2n+1)次高調波を用いるため、基本波を用いる場合の1/(2n+1)にLT板厚hを薄肉化する。
具体的には、第1の実施の形態に係るSAWフィルタでは、圧電体結晶基板PS(例えばLT基板)の厚さhを0.05〜0.5μmとする。そのため、例えば1.5〜20GHz帯の高周波数帯域用途に、(2n+1)次高調波を用い、高い電気機械結合係数Kを実現できる。
なお、漏洩弾性表面波だけでなく、縦型漏洩弾性表面波やレイリー弾性表面波等の他の弾性表面波伝搬モードにも適用可能である。
<シミュレーションによる共振特性解析>
次に、図5を参照して、第1の実施の形態に係るSAWフィルタのシミュレーションによる共振特性解析結果について説明する。図5は、第1の実施の形態に係るSAWフィルタのシミュレーションによる共振特性解析結果を示すグラフである。横軸は周波数[Ghz]、縦軸はアドミタンス[S]を示す。図5には、36°YカットX伝播のLT基板単体の解析結果、及びATカット90°X伝播の水晶基板上に36°YカットX伝播のLT基板が接合された接合基板の解析結果が示されている。
上記のLT基板単体及び接合基板について、ムラタソフトウェア株式会社の解析ソフト製Femtetを用い、共振特性の有限要素法(FEM:Finite Element Method)解析を行った。基本波の波長λ(=2p)を2.5μm、支持基板の厚みを10λとした。また、上述の通り、3次高調波の電気機械結合係数Kがピーク値になるように、LT板厚を0.06λすなわち0.15μmとした。図2に示したIDT電極IDTは、膜厚70nmのアルミニウム(Al)膜からなり、無限周期構造を有するものと仮定した。また、IDT電極の底面に完全整合層(PML:Perfect Matched Layer)を設定した。
図3を参照して説明したように、メタライゼーション比w/pが大きい程、SAWフィルタにおける3次高調波の基本波に対する相対励振強度が高くなる。そのため、メタライゼーション比w/pは0.8に設定した。すなわち、図2に示したIDT電極IDTの電極指の幅wを1.0μmとし、電極指のピッチpを1.25μmとした。そして、IDT電極IDTに、±1.0Vの正弦波交流電圧を印加した。各材料の誘電損、機械損は考慮しなかった。
図5に示すように、基本波の応答(共振及び反共振)が約1.7GHzに現れ、3次高調波の応答が約5GHzに現れている。
ここで、表1には、解析結果であるアドミタンス比、比帯域幅、共振Q値、反共振Q値をまとめて示す。表1において、本実施の形態に係る接合基板の3次高調波については、網掛けによって示されている。
Figure 2021118366
表1に示すように、アドミタンス比については、本実施の形態に係る接合基板における3次高調波の値が99dBであり、比較例に係るLT基板単体における3次高調波の値61dBの1.5倍程度であると共に、LT基板単体における基本波の値100dBと同等であった。
図4を参照して説明した電気機械結合係数Kの値が影響する比帯域幅については、本実施の形態に係る接合基板における3次高調波の値が1.6%であり、比較例に係るLT基板単体における3次高調波の値0.8%の2倍であった。
表1に示すように、共振Q値についても、本実施の形態に係る接合基板における3次高調波の値は、比較例に係るLT基板単体における基本波及び3次高調波の値よりも高かった。また、反共振Q値については、本実施の形態に係る接合基板における3次高調波の値が、比較例に係るLT基板単体における基本波及び3次高調波の値よりも格段に高かった。
さらに、図5に示すように、本実施の形態に係る接合基板の3次高調波については、不要応答も見られない。
以上の解析結果から分かるように、本実施の形態に係るSAWフィルタでは、基本波を用いる場合の1/3すなわち0.15μmにLT板厚hを薄肉化することによって、約5GHzの3次高調波において顕著に優れた性能を発揮することを確認できた。このように、本実施の形態に係るSAWフィルタでは、圧電体結晶基板(例えばLT基板)の厚さhを0.05〜0.5μmに薄肉化することによって、奇数次高調波を用いて、例えば1.5〜20GHz帯の高周波数帯域用途に適用できる。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は既に述べた実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることはいうまでもない。
AN アンテナ
BBP ベースバンド処理部
FS 周波数シンセサイザ
PLL 周波数シンセサイザ
IDT IDT電極
IFA IFアンプ
IFF1、IFF2 IFフィルタ
IFM IFミキサ
LNA ローノイズアンプ
OC 発振回路
OS 酸化物結晶基板
PLL PLL回路
PS 圧電体結晶基板
PS 電体結晶基板
REF1、REF2 反射器
RFF RFフィルタ
RFM RFミキサ
RX 無線受信回路

Claims (10)

  1. 以下を含む弾性表面波フィルタ:
    酸化物結晶基板;
    前記酸化物結晶基板上に接合された圧電体結晶基板;及び
    前記圧電体結晶基板上に形成されたIDT(Interdigital Transducer)電極、
    ここで、
    前記圧電体結晶基板の厚さが、0.05〜0.5μmであり、
    奇数次高調波を用いる。
  2. 3次高調波を用いる、
    請求項1に記載の弾性表面波フィルタ。
  3. 前記IDT電極における電極指の幅wが、0.2〜1.5μmであり、
    前記幅wと前記電極指のピッチpとの比w/pが、0.7〜0.9である、
    請求項1に記載の弾性表面波フィルタ。
  4. 前記酸化物結晶基板が、水晶基板であり、
    前記圧電体結晶基板が、LiTaO基板である、
    請求項1に記載の弾性表面波フィルタ。
  5. 前記酸化物結晶基板が、ATカットかつ0〜90°X伝播の水晶基板であり、
    前記圧電体結晶基板が、36〜45°YカットかつX伝播のLiTaO基板である、
    請求項4に記載の弾性表面波フィルタ。
  6. 以下を含む弾性表面波フィルタの製造方法:
    (a)酸化物結晶基板上に、厚さが0.05〜0.5μmの圧電体結晶基板を接合する工程;及び
    (b)前記圧電体結晶基板上にIDT(Interdigital Transducer)電極を形成する工程、
    ここで、
    前記圧電体結晶基板の厚さが0.05〜0.5μmであり、
    前記弾性表面波フィルタが、奇数次高調波を用いる。
  7. 前記弾性表面波フィルタが、3次高調波を用いる、
    請求項6に記載の弾性表面波フィルタの製造方法。
  8. 前記IDT電極における電極指の幅wが、0.2〜1.5μmであり、
    前記幅wと前記電極指のピッチpとの比w/pが、0.7〜0.9である、
    請求項6に記載の弾性表面波フィルタの製造方法。
  9. 前記酸化物結晶基板が、水晶基板であり、
    前記圧電体結晶基板が、LiTaO基板である、
    請求項6に記載の弾性表面波フィルタの製造方法。
  10. 前記酸化物結晶基板が、ATカットかつ0〜90°X伝播の水晶基板であり、
    前記圧電体結晶基板が、36〜45°YカットかつX伝播のLiTaO基板である、
    請求項9に記載の弾性表面波フィルタの製造方法。
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