JP2021116473A - 錫又は錫合金電解めっき液、バンプの形成方法、及び回路基板の製造方法 - Google Patents

錫又は錫合金電解めっき液、バンプの形成方法、及び回路基板の製造方法 Download PDF

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眞美 渡邉
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清隆 中矢
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康司 巽
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Abstract

【課題】バンプ径が異なるパターンでも、基板上のビア又はリセス(凹部)へのビアフィリング性又はリセス埋め性に優れ、かつ形成されたバンプの高さが均一になる。【解決手段】本発明の錫又は錫合金電解めっき液は、少なくとも第一錫塩を含む可溶性塩と、有機酸、無機酸、及びそれらの塩からなる群より選ばれた1種又は2種以上の化合物と、次の一般式(1)で表されるポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステル塩からなる界面活性剤と、レベリング剤とを含む。但し、上記一般式(1)中のmは1〜3の整数であり、nは10〜30の整数であり、Xは陽イオンである。【選択図】図1

Description

本発明は、半導体集積回路チップを回路基板に搭載する際に基板上に錫又は錫合金の突起電極となるバンプを製造するための錫又は錫合金の電解めっき液に関する。更に詳しくは、バンプ径が異なるパターンでも、基板上のビアへのビアフィリング性に優れ、かつ形成されたバンプの高さが均一になる錫又は錫合金電解めっき液に関するものである。また、本発明は、錫又は錫合金の電解めっき液を用いてバンプを形成する方法と、このバンプを用いて回路基板を製造する方法に関する。
半導体集積回路チップ(以下、半導体チップという。)を搭載する回路基板では、軽薄短小に対応するため、パッケージ基板面積を、基板に搭載する半導体チップとほぼ等しい程度に小型化したCSP(Chip Size/scale Package)型の半導体装置が現在主として製造されている。この回路基板と半導体チップを接続するためには、基板側のビア胴体部であるビア開口部を錫又は錫合金で充填して突起状の金属端子の突起電極であるバンプを形成し、このバンプに半導体チップを装填している。
従来、この錫又は錫合金材料の充填によりバンプを形成するには、以下の方法が採用されている。錫系はんだペーストなどの導電性ペーストや錫系はんだボールをビア胴体部に充填するか、或いは錫又は錫合金のめっき液を用いて電気めっき法でビア内に錫めっき堆積層を形成する。次いで熱処理によって導電性ペースト、はんだボール又は錫めっき堆積層を溶融する。
電気めっき法でバンプを形成する一般的な方法を図1を参照して説明する。先ず図1(a)に示すように、配線などが施された基板1の表面に開口部を有するソルダーレジストパターンを形成する。次いで、ソルダーレジスト層2の表面に無電解めっきを行い、給電のための銅シード層3を形成する。次に、銅シード層3の表面にドライフィルムレジスト層4を形成し、ソルダーレジスト層2の開口部と接続するように、開口部を有するドライフィルムレジストパターンを形成する。そして、上記銅シード層3を通じて給電することにより、ドライフィルムレジストパターンのビア6の内部に電気錫めっきを行い、銅シード層3の上のビア6内に錫めっき堆積層7(錫めっき皮膜)を形成する。更に、ドライフィルムレジスト層と銅シード層3を順次除去し、次いで残った錫めっき堆積層をリフロー処理により溶融する。以上により図1(b)に示すように、錫バンプ8を形成する。
これまで、電気めっき法を用いて錫又は錫合金バンプを形成するに際しては、錫又は錫合金めっき液の含有成分を変えることにより、基板上のビアへのビアフィリング性やバンプ内のボイドの抑制に関する改善がなされてきた(例えば、特許文献1(請求項2、段落[0020])、特許文献2(請求項1、段落[0011]、[0012])、特許文献3(請求項1、段落[0019])、特許文献4(請求項1、段落[0019])参照。)。
特許文献1には、特定のα,β-不飽和アルデヒド又は特定のα,β-不飽和ケトンの化合物を含む錫又は錫合金めっき液が開示されている。この特許文献1のめっき液はビアフィル効果が高く、このめっき液を用いると、凹部に選択的に錫めっきが堆積する。このため、実質的に空隙を有しない錫めっき堆積物が得られること、形成された錫めっき皮膜表面にヤケや異常析出が生じないため、はんだ付け性や耐変色性等にすぐれ、実用的で良好な外観を有する錫めっき皮膜が得られる。以上の事項が特許文献1に記載されている。
また特許文献2には、(a)カルボキシル基含有化合物と、(b)カルボニル基含有化合物とを含有し、成分(a)の量が1.3g/L以上であり、成分(b)の量が0.3g/L以上であり、成分(a)の量に対する成分(b)の量のモル比が10以下である錫又は錫合金めっき液が開示されている。この特許文献2のめっき液を用いて、ブラインドビア又はスルーホールを有する被めっき物に電気めっきすることにより、ブラインドビア又はスルーホールを信頼性が高く短時間で充填できる。またこのめっき液は、半導体の3次元実装やプリント配線板におけるブラインドビア又はスルーホールの充填工程やシリコン貫通電極の形成に利用できる。以上の事項が特許文献2に記載されている。
また特許文献3には、(A)第一錫塩と、第一錫塩及び銀、銅、ビスマス、ニッケル、インジウム、金から選ばれた金属の塩の混合物とのいずれかよりなる可溶性塩と、(B)酸又はその塩と、(C)芳香族アルデヒド、脂肪族アルデヒド、芳香族ケトン、脂肪族ケトン、不飽和カルボン酸類、芳香族カルボン酸類よりなる群から選ばれた充填用有機化合物と、(D)ノニオン系界面活性剤とを含有する突起電極形成用の電気錫又は錫合金めっき液が開示されている。この特許文献3のめっき液では、錫系材料の析出を抑制する特定の化合物(C)に成分(D)を組み合わせて使用する。このため、ビア上部の析出を効果的に抑制し、錫系材料の析出をビア底部から優先的にビア上方に向けて進行させる。このためボイドの発生を防止しながら円滑にビア充填することができる。結果として、リフローし、或いはリフローせずに突起電極を良好に形成することができ、突起電極は接合強度や電気特性に優れる。以上の事項が特許文献3に記載されている。
更に特許文献4には、無機酸、有機酸、及びそれらの水溶性塩から選択される1種以上と、界面活性剤と、レベリング剤と、を含む錫又は錫合金めっき液が開示されている。ここで、界面活性剤は、ポリオキシアルキレンフェニルエーテル及びその塩、並びにポリオキシアルキレン多環フェニルエーテル及びその塩よりなる群から選択される少なくとも一種の非イオン界面活性剤である。ポリオキシアルキレンフェニルエーテルを構成するフェニル、及びポリオキシアルキレン多環フェニルエーテルを構成する多環フェニルは、炭素数1〜24のアルキル基、又はヒドロキシ基で置換されていてもよい。レベリング剤は、(A)脂肪族アルデヒド、芳香族アルデヒド、脂肪族ケトン、及び芳香族ケトンよりなる群から選択される少なくとも一種と、(B)α,β-不飽和カルボン酸若しくはそのアミド、又はこれらの塩の2種類の化合物からなる。この特許文献4のめっき液は、特定の非イオン界面活性剤と特定の二種類のレベリング剤を含むため、リセス埋め性(ビアフィリング性)に優れており、かつ、ボイドの発生を抑制することができる。これにより、このめっき液を用いれば、リセス(凹部)が無く平滑で、しかもリフロー後のボイドも発生しない良好なバンプを提供できる。以上の事項が特許文献4に記載されている。
特許第6133056号公報 特許第6006683号公報 特開2016−074963号公報 特開2015−193916号公報
近年では、一つの回路基板上に、バンプ径やバンプピッチが異なる配線パターンが混在するようになってきている。そのような複雑な配線パターンにおいて、バンプ径やバンプピッチが異なる場合も全てのバンプを均一な高さで形成することが求められている。上記特許文献1〜4の錫又は錫合金めっき液によれば、バンプ内のボイドの発生が抑制され、基板上のビアに信頼性が高く短時間で充填でき、ビアフィリング性や外観に優れる特長がある。しかしながら、これらの文献における基板用めっき液は、バンプの高さ均一性を図ることをその課題としていない。
具体的には、図2に示すように、バンプ径が異なるパターンの場合、従来の錫又は錫合金電解めっき液を用いて電解めっきを行うと、小径若しくは大径のどちらかのビアフィリング性を良くすることは可能であるが、もう一方のビアフィリング性が低下する。即ち、小径及び大径のビアが両方存在する基板において、両方のビアに対して同時に電解めっきする場合、ビアフィリング性良く両方のビアに電解めっきすることが困難であった。このように、ビアフィリング性の異なるビアが存在している場合(図2(b))、リフロー後のバンプの高さばらつきが大きくなり、バンプの高さ均一性を図ることができない(図2(d))。よって、バンプの高さ均一性(図2(c))を図るには、図2(a)に示すように、小径及び大径の両方のビアへのビアフィリング性を良くする必要がある。
本発明の目的は、バンプ径が異なるパターンでも、基板上のビアへのビアフィリング性に優れ、かつ形成されたバンプの高さが均一になる錫又は錫合金電解めっき液を提供することにある。本発明の別の目的は、この錫又は錫合金電解めっき液を用いたバンプの形成方法及び回路基板の製造方法を提供することにある。
本発明の第1の観点は、(A)少なくとも第一錫塩を含む可溶性塩と、(B)有機酸、無機酸、及びそれらの塩からなる群より選ばれた1種又は2種以上の化合物と、(C)界面活性剤と、(D)レベリング剤とを含み、(C)界面活性剤が次の一般式(1)、(2)、(3)及び(4)で表されるポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステル塩からなる群より選ばれた1種又は2種以上であることを特徴とする錫又は錫合金電解めっき液である。
Figure 2021116473
但し、一般式(1)、(2)及び(3)中のmは1〜3の整数である。また、一般式(1)、(2)、(3)及び(4)中のnは10〜30の整数であり、Xは陽イオンである。
本発明の第2の観点は、第1の観点に係わる錫又は錫合金電解めっき液であって、更に上記(C)界面活性剤とは別の界面活性剤、酸化防止剤及び炭素数1〜4のアルコールのうち、2つ以上を更に含む。
本発明の第3の観点は、第1又は第2の観点に記載の錫又は錫合金電解めっき液を用いて、基板上に錫又は錫合金電解めっき堆積層を形成する工程と、次いでリフロー処理をしてバンプを形成する工程とを含むことを特徴とするバンプの形成方法である。
本発明の第4の観点は、第3の観点に記載の方法により形成されたバンプを用いて回路基板を製造する工程を含むことを特徴とする回路基板の製造方法である。
本発明の第1の観点の錫又は錫合金電解めっき液では、界面活性剤が、上記一般式(1)等におけるフェニル基の数(m+1)及びポリオキシエチレン基の数nをそれぞれ所定の範囲にし、かつXを陽イオンとした特定のアニオン構造を持つ。これにより、電解めっき時に、Snイオンの析出を抑制し、電解めっき対象表面に良好に電解めっきすることを可能にする。特にこの電解めっき液によれば、バンプ径が異なるパターンの場合、バンプ径が大きくても或いは小さくても、基板上のビアへのビアフィリング性に優れ、かつ形成されたバンプの高さが均一になる。これは、分極抵抗が大きくなるためであると考えられる。
本発明の第2の観点の錫又は錫合金電解めっき液では、上記界面活性剤(C)とは別の界面活性剤、酸化防止剤及び炭素数1〜4のアルコールのうち、2つ以上を更に含むことにより、次の効果を奏する。上記界面活性剤(C)とは別の界面活性剤は電解めっき液の安定化、溶解性の向上等の効果を奏する。また酸化防止剤は可溶性第一錫塩の第二錫塩への酸化を防止する。更にアルコールは、界面活性剤の溶解性の向上に効果を奏する。
本発明の第3の観点のバンプの形成方法では、上記錫又は錫合金電解めっき液を用いて、基板上に錫又は錫合金電解めっき堆積層を形成する工程と、次いでリフロー処理をしてバンプを形成する工程とを含む。これにより、バンプ径が異なるパターンでも、高さが均一なバンプを形成することができる。
本発明の第4の観点の回路基板の製造方法では、第3の観点の方法により形成されたバンプを用いて回路基板を製造する。これにより、電気的な接続不良のない信頼性の高い半導体装置を作製することができる。
(a)は本発明のビア内に電解めっき堆積層が形成された断面構成図である。(b)はドライフィルム及び銅シード層を剥離し、電解めっき堆積層を加熱した後の断面構成図である。 (a)はバンプ径(ビア径)が異なるパターンで電解めっき堆積層が均一に形成された例を示す断面構成図である。(b)はバンプ径(ビア径)が異なるパターンで電解めっき堆積層が不均一に形成された例を示す断面構成図である。(c)は(a)においてドライフィルム及び銅シード層を剥離し、電解めっき堆積層を加熱した後の状態であり、形成されたバンプの高さが均一になった例を示す断面構成図である。(d)は(b)においてドライフィルム及び銅シード層を剥離し、電解めっき堆積層を加熱した後の状態であり、形成されたバンプの高さがばらついた例を示す断面構成図である。 (a)は本発明のビア内に電解錫めっき堆積層が形成された断面構成図である。(b)はドライフィルム及び銅シード層を剥離し、電解錫めっき堆積層を加熱した後の断面構成図である。
次に本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。本発明の錫又は錫合金電解めっき液は、少なくとも第一錫塩を含む可溶性塩(A)と、有機酸、無機酸、及びそれらの塩からなる群より選ばれた1種又は2種以上の化合物(B)と、界面活性剤(C)と、レベリング剤(D)とを含む。以下、有機酸、無機酸、及びそれらの塩からなる群より選ばれた1種又は2種以上の化合物(B)は、酸又はその塩(B)ともいう。
上記可溶性塩は、第一錫塩と、この第一錫塩及び銀、銅、ビスマス、ニッケル、アンチモン、インジウム及び亜鉛からなる群から選ばれた1種又は2種以上の金属の塩の混合物とのいずれかよりなる。
本発明の錫合金は、錫と、銀、銅、ビスマス、ニッケル、アンチモン、インジウム及び亜鉛からなる群より選ばれた1種又は2種以上の所定金属との合金であり、例えば、錫−銀合金、錫−銅合金、錫−ビスマス合金、錫−ニッケル合金、錫−アンチモン合金、錫−インジウム合金、錫−亜鉛合金の2元合金、錫−銅−ビスマス、錫−銅−銀合金などの3元合金が挙げられる。
従って、本発明の可溶性塩(A)は、電解めっき液中でSn2+、Ag+、Cu+、Cu2+、Bi3+、Ni2+、Sb3+、In3+、Zn2+などの各種金属イオンを生成する任意の可溶性塩を意味する。例えば、可溶性塩(A)として、当該金属の酸化物、ハロゲン化物、無機酸又は有機酸の当該金属塩などが挙げられる。
金属酸化物としては、酸化第一錫、酸化銅、酸化ニッケル、酸化ビスマス、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化亜鉛などが挙げられる。金属のハロゲン化物としては、塩化第一錫、塩化ビスマス、臭化ビスマス、塩化第一銅、塩化第二銅、塩化ニッケル、塩化アンチモン、塩化インジウム、塩化亜鉛などが挙げられる。
無機酸又は有機酸の金属塩としては、硫酸銅、硫酸第一錫、硫酸ビスマス、硫酸ニッケル、硫酸アンチモン、硝酸ビスマス、硝酸銀、硝酸銅、硝酸アンチモン、硝酸インジウム、硝酸ニッケル、硝酸亜鉛、酢酸銅、酢酸ニッケル、炭酸ニッケル、錫酸ナトリウム、ホウフッ化第一錫、メタンスルホン酸第一錫、メタンスルホン酸銀、メタンスルホン酸銅、メタンスルホン酸ビスマス、メタンスルホン酸ニッケル、メタスルホン酸インジウム、ビスメタンスルホン酸亜鉛、エタンスルホン酸第一錫、2-ヒドロキシプロパンスルホン酸ビスマスなどが挙げられる。
本発明の酸又はその塩(B)は、有機酸及び無機酸、並びにそれらの塩から選択される1種又は2種以上の化合物である。上記有機酸には、アルカンスルホン酸、アルカノールスルホン酸、芳香族スルホン酸等の有機スルホン酸、或いは脂肪族カルボン酸などが挙げられる。無機酸には、ホウフッ化水素酸、ケイフッ化水素酸、スルファミン酸、塩酸、硫酸、硝酸、過塩素酸などが挙げられる。その塩は、アルカリ金属の塩、アルカリ土類金属の塩、アンモニウム塩、アミン塩、スルホン酸塩などである。当該成分(B)は、金属塩の溶解性や排水処理の容易性の観点から有機スルホン酸が好ましい。
上記アルカンスルホン酸としては、化学式Cn(2n+1)SO3H(例えば、n=1〜5、好ましくは1〜3)で示されるものを使用でき、具体的には、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1-プロパンスルホン酸、2-プロパンスルホン酸、1-ブタンスルホン酸、2-ブタンスルホン酸、ペンタンスルホン酸、ヘキサンスルホン酸、デカンスルホン酸、ドデカンスルホン酸などが挙げられる。
上記アルカノールスルホン酸としては、化学式Cp(2p+1)−CH(OH)−Cq2q−SO3H(例えば、p=0〜6、q=1〜5)で示されるものを使用でき、具体的には、2-ヒドロキシエタン-1-スルホン酸、2-ヒドロキシプロパン-1-スルホン酸、2-ヒドロキシブタン-1-スルホン酸、2-ヒドロキシペンタン-1-スルホン酸、1-ヒドロキシプロパン-2-スルホン酸、3-ヒドロキシプロパン-1-スルホン酸、4-ヒドロキシブタン-1-スルホン酸、2-ヒドロキシヘキサン-1-スルホン酸、2-ヒドロキシデカン-1-スルホン酸、2-ヒドロキシドデカン-1-スルホン酸などが挙げられる。
上記芳香族スルホン酸は、基本的にはベンゼンスルホン酸、アルキルベンゼンスルホン酸、フェノールスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、アルキルナフタレンスルホン酸などである。具体的には、1-ナフタレンスルホン酸、2-ナフタレンスルホン酸、トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、p-フェノールスルホン酸、クレゾールスルホン酸、スルホサリチル酸、ニトロベンゼンスルホン酸、スルホ安息香酸、ジフェニルアミン-4-スルホン酸などが挙げられる。
上記脂肪族カルボン酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、クエン酸、酒石酸、グルコン酸、スルホコハク酸、トリフルオロ酢酸などが挙げられる。
本発明の界面活性剤(C)は、次の一般式(構造式)(1)、(2)、(3)及び(4)で表されるポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステル塩からなる群より選ばれた1種又は2種以上である。なお、ここで「多環」とは、分子中に2つ以上のフェニル基を有する構造をいう。
Figure 2021116473
但し、一般式(1)、(2)及び(3)中のmは1〜3の整数である。また、一般式(1)、(2)、(3)及び(4)中のnは10〜30の整数であり、Xは陽イオンである。また、mは、アルコキシ基を有するベンゼン環の水素と置換する置換基の数であり、置換基は、括弧内の構造式で表される。mは、フェニル基の数から1を引いた数である。即ち、1分子中のフェニル基の数は(m+1)個である。また、nはポリオキシエチレン基の数である。ここで、mを3以下に限定したのは、m=4以上(フェニル基の数:5個以上)の場合、電解めっき液に溶解し難いためである。また、nを10〜30の範囲内に限定したのは、以下の理由による。nが9以下では電解めっき皮膜の外観異常が生じる不具合があり、nが31以上ではビアフィリング性が劣る不具合があるからである。更に、陽イオンとしては、Na+、NH4 +、K+等が挙げられる。更に、nは15〜25であることが好ましい。なお、本発明において、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステル塩を2種以上同時に用いることも可能である。また、例えば、Na塩とNH4塩など陽イオンのみが異なるポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステル塩を2種以上同時に用いることも可能である。
上記一般式(1)で表されるポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステル塩の具体例としては、フェニル基の数が2個(m=1)である次の式(1-1)で表される化合物、フェニル基の数が3個(m=2)である次の式(1-2)で表される化合物、フェニル基の数が4個(m=3)である次の式(1-3)で表される化合物などを挙げられる。
Figure 2021116473
上記一般式(2)で表されるポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステル塩の具体例としては、フェニル基の数が2個(m=1)である次の式(2-1)で表される化合物、フェニル基の数が3個(m=2)である次の式(2-2)で表される化合物、フェニル基の数が4個(m=3)である次の式(2-3)で表される化合物などを挙げられる。
Figure 2021116473
上記一般式(3)で表されるポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステル塩の具体例としては、フェニル基の数が2個(m=1)である次の式(3-1)で表される化合物、フェニル基の数が3個(m=2)である次の式(3-2)で表される化合物、フェニル基の数が4個(m=3)である次の式(3-3)で表される化合物などを挙げられる。
Figure 2021116473
なお、上記一般式(4)で表されるポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステル塩は、フェニル基の数が2個であり、フェニル基の数が3個以上である化合物は、電解めっき液に溶解しないため、その具体例を記載していない。
本発明のレベリング剤(D)は、電解めっき皮膜を均一かつ緻密に形成するとともに電解めっき皮膜を平滑にするために加える。そして、ビアフィリング性を高め、ボイドの発生を抑制するために、第1レベリング剤(D−1)及び第2レベリング剤(D−2)の2種類が用いられる。第1レベリング剤(D−1)としては、脂肪族アルデヒド、芳香族アルデヒド、脂肪族ケトン及び芳香族ケトンよりなる群より選ばれた1種又は2種以上が挙げられ、第2レベリング剤(D−2)としては、α,β-不飽和カルボン酸又はそのアミド、或いはこれらの塩が挙げられる。
第1レベリング剤(D−1)は、アルデヒドやケトンを含むカルボニル化合物であり、第2レベリング剤(D−2)のα,β-不飽和カルボン酸は含まない。第1レベリング剤の具体例として、次のものが例示される。脂肪族アルデヒドとしては、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アリルアルデヒドなどが挙げられる。また、芳香族アルデヒドとしては、ベンズアルデヒド、2-クロロベンズアルデヒド、3-クロロベンズアルデヒド、4-クロロベンズアルデヒド、2,4-ジクロロベンズアルデヒド、2,6-ジクロロベンズアルデヒド、2,4,6-トリクロロベンズアルデヒド、1-ナフトアルデヒド、2-ナフトアルデヒド、2-ヒドロキシベンズアルデヒド、3-ヒドロキシベンズアルデヒド、4-ヒドロキシベンズアルデヒド、2-メチルベンズアルデヒド、3-メチルベンズアルデヒド、4-メチルベンズアルデヒド、m-アニスアルデヒド、o-アニスアルデヒド、p-アニスアルデヒドなどが挙げられる。また、脂肪族ケトンとしては、アセチルアセトンなどが挙げられる。更に、芳香族ケトンとしては、ベンジリデンアセトン(ベンザルアセトンと同義)、2-クロロアセトフェノン、3-クロロアセトフェノン、4-クロロアセトフェノン、2,4-ジクロロアセトフェノン、2,4,6-トリクロロアセトフェノンなどが挙げられる。これらは、単独で用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。めっき液中に占める第1レベリング剤(D−1)の好ましい含有量(単独で含むときは単独の量であり、2種以上を含むときはこれらの合計量)は、0.001g/L〜0.3g/Lであり、より好ましくは0.01g/L〜0.25g/Lである。上記成分の含有量が少ないとその添加効果が十分でなく、一方、上記成分の含有量が多すぎると、電解めっき皮膜の平滑化を阻害するおそれがある。
第2レベリング剤(D−2)としては、アクリル酸、メタクリル酸、ピコリン酸、クロトン酸、3-クロロアクリル酸、3,3-ジメチルアクリル酸、2,3-ジメチルアクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、n-ブチルアクリラート、イソブチルアクリラート、2-エチルヘキシルアクリラート、エチルメタクリラート、n-ブチルメタクリラート、イソブチルメタクリラート、2-ヒドロキシエチルメタクリラート、2-ヒドロキシプロピルメタクリラート、2-ジメチルアミノエチルメタクリラート、メタクリル酸無水物、メチルメタクリル酸などが挙げられる。また、第2レベリング剤(D−2)には、α,β-不飽和カルボン酸のアミド(例えば、アクリルアミドなど)や、α,β-不飽和カルボン酸の塩(例えば、カリウム、ナトリウム、アンモニウムなどの塩)も含まれる。めっき液中に占める第2レベリング剤(D−2)の好ましい含有量(単独で含むときは単独の量であり、2種以上を含むときはこれらの合計量)は、0.01g/L〜50g/Lであり、より好ましくは0.05g/L〜10g/Lである。上記成分の含有量が少ないとその添加効果が十分でなく、一方、上記成分の含有量が多すぎると、電解めっき皮膜の平滑化を阻害するおそれがある。
本発明の錫又は錫合金電解めっき液には、上記界面活性剤(C)とは別の界面活性剤(E)、酸化防止剤(F)及び炭素数1〜4のアルコール(G)のうち、2つ以上を更に含むことが好ましい。
この場合の上記界面活性剤(C)とは別の界面活性剤(E)としては、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤及び両性界面活性剤が挙げられる。
アニオン系界面活性剤(E−1)としては、ポリオキシエチレン(エチレンオキサイド:12モル含有)ノニルエーテル硫酸ナトリウム等のポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩;ポリオキシエチレン(エチレンオキサイド:12モル含有)ドデシルフェニルエーテル硫酸ナトリウム等のポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩;1-ナフトール-4-スルホン酸ナトリウム、2-ナフトール-3,6-ジスルホン酸ジナトリウム等のナフトールスルホン酸塩;ジイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ジブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム等の(ポリ)アルキルナフタレンスルホン酸塩;ドデシル硫酸ナトリウム、オレイル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸塩等が挙げられる。
カチオン系界面活性剤(E−2)としては、モノアルキルアミン塩、ジアルキルアミン塩、トリアルキルアミン塩、ジメチルジアルキルアンモニウム塩、トリメチルアルキルアンモニウム塩、ドデシルトリメチルアンモニウム塩、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム塩、オクタデシルトリメチルアンモニウム塩、ドデシルジメチルアンモニウム塩、オクタデセニルジメチルエチルアンモニウム塩、ドデシルジメチルベンジルアンモニウム塩、ヘキサデシルジメチルベンジルアンモニウム塩、オクタデシルジメチルベンジルアンモニウム塩、トリメチルベンジルアンモニウム塩、トリエチルベンジルアンモニウム塩、ヘキサデシルピリジニウム塩、ドデシルピリジニウム塩、ドデシルピコリニウム塩、ドデシルイミダゾリニウム塩、オレイルイミダゾリニウム塩、オクタデシルアミンアセテート、ドデシルアミンアセテートなどが挙げられる。
ノニオン系界面活性剤(E−3)としては、糖エステル、脂肪酸エステル、C1〜C25アルコキシルリン酸(塩)、ソルビタンエステル、シリコン系ポリオキシエチレンエーテル、シリコン系ポリオキシエチレンエステル、フッ素系ポリオキシエチレンエーテル、フッ素系ポリオキシエチレンエステル、エチレンオキサイド又はプロピレンオキサイドのいずれか一方又は双方と、アルキルアミン又はジアミンのいずれか一方との縮合生成物の硫酸化あるいはスルホン化付加物、ポリオキシエチレンクミルフェニルエーテル(ただし、EO鎖は10〜14)などが挙げられる。
両性界面活性剤(E−4)としては、ベタイン、カルボキシベタイン、イミダゾリニウムベタイン、スルホベタイン、アミノカルボン酸などが挙げられる。
上記酸化防止剤(F)は、可溶性第一錫塩の第二錫塩への酸化を防止するために用いられる。酸化防止剤としては、次亜リン酸類を初め、アスコルビン酸又はその塩、フェノールスルホン酸(Na)、クレゾールスルホン酸(Na)、ハイドロキノンスルホン酸(Na)、ヒドロキノン、α又はβ-ナフトール、カテコール、レゾルシン、フロログルシン、ヒドラジン、フェノールスルホン酸、カテコールスルホン酸、ヒドロキシベンゼンスルホン酸、ナフトールスルホン酸、或いはこれらの塩などが挙げられる。
炭素数1〜4のアルコール(G)としては、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、2―ブタノール等が挙げられる。アルコール(G)は、1種単独で、又は2種以上を組合せて用いることができる。なお、炭素数5以上のアルコールを用いると、電解めっき液に溶解し難くなるため、炭素数1〜4のアルコールを用いることが好ましい。
本発明の界面活性剤(C)の電解めっき液での含有量は0.5g/L〜50g/L、好ましくは2g/L〜20g/Lである。含有量が下限値未満及び上限値を超える場合では、Snイオンの供給過多によりデンドライトなどの電解めっき不良が発生するおそれがある。
また、上記所定の可溶性金属塩(A)は1種単独で、又は2種以上を組合せて用いることができる。電解めっき液中での可溶性金属塩(A)の含有量は15g/L〜100g/L、好ましくは20g/L〜50g/Lである。含有量が適正範囲より少ないと生産性が落ち、含有量が多くなると電解めっき液のコストが上昇してしまうおそれがある。
無機酸、有機酸又はその塩(B)は、1種単独で、又は2種以上を組合せて用いることができる。電解めっき液中での無機酸、有機酸又はその塩(B)の含有量は80g/L〜300g/L、好ましくは100g/L〜200g/Lである。含有量が適正範囲より少ないと導電率が低く電圧が上昇するおそれがある。含有量が多くなると電解めっき液の粘度が上昇し電解めっき液の撹拌速度が低下してしまうおそれがある。
界面活性剤(C)とは別の界面活性剤(E)を含む場合、界面活性剤(E)の含有量は2g/L〜20g/Lであることが好ましい。また、酸化防止剤(F)を含む場合、酸化防止剤(F)の含有量は0.1g/L〜5g/Lであることが好ましい。更に、炭素数1〜4のアルコール(G)を含む場合、炭素数1〜4のアルコール(G)の含有量は10g/L〜30g/Lであることが好ましい。
次に、本発明のめっき液を用いてバンプを形成する方法を図1に基づいて説明する。先ず、図1(a)に示すように、基板1の表面に開口部を有するソルダーレジスト層2を形成する。このソルダーレジスト層2の表面に給電のための銅シード層3を形成する。この銅シード層3の表面にドライフィルムレジスト層4を形成する。次いで、ソルダーレジスト層2の開口部と接続するように、開口部を有するドライフィルムレジストパターンを形成する。次に、上記銅シード層3を通じて給電することにより、ドライフィルムレジストパターンのビア6の内部に電気錫めっきを行い、銅シード層3の上のビア6内に錫めっき堆積層7(錫めっき皮膜)を形成する。ここで、電気錫めっき液のめっき膜の形成時の液温は一般に70℃以下、好ましくは10℃〜40℃である。また、電気錫めっきによるめっき膜の形成時の電流密度は、0.1A/dm2以上100A/dm2以下の範囲、好ましくは0.5A/dm2以上20A/dm2以下の範囲である。電流密度が低すぎると生産性が悪化するおそれがあり、高すぎるとめっき堆積層の外観が悪化してしまうおそれがある。更に、ドライフィルムレジスト層4と銅シード層3を順次除去する。次いで、残った錫めっき堆積層7をリフロー処理により溶融し、図1(b)に示すように、錫バンプ8を形成する。この方法でバンプを形成すると、本発明のめっき液を用いることで、錫めっき堆積層7を均一かつ緻密に形成するとともに錫めっき堆積層7を平滑にして、ビアフィリング性を高め、ボイドの発生を抑制できる。
次に、本発明のめっき液を用いて、上記とは異なる方法でバンプを形成する方法を図3に基づいて説明する。先ず、図3(a)に示すように、配線などが施された基板11の表面に開口部を有するソルダーレジスト層12を形成する。このソルダーレジスト層12の表面に、給電のために、無電解めっきにより銅シード層を形成する。次に、この銅シード層を通じて給電することにより、ソルダーレジスト層12のビア内部に電気銅めっきを行い、銅めっき層13を形成する。その後、この銅めっき層13の表面及びソルダーレジスト層12の表面を平坦化する。次いで、ソルダーレジスト層12及び銅めっき層13の表面に給電のための無電解銅シード層14を形成する。この無電解銅シード層14の表面に開口部を有するドライフィルムレジストパターン(ドライフィルムレジスト層15)を形成する。次に、上記無電解銅シード層14を通じて給電することにより、ドライフィルムレジストパターンのビア16の内底部にニッケルめっき層17を形成する。次いで、このニッケルめっき層17上に錫めっき堆積層18(錫めっき皮膜)を形成する。更に、ドライフィルムレジスト層15と無電解銅シード層14を順次除去する。次いで、残った錫めっき堆積層18をリフロー処理により溶融し、図3(b)に示すように、錫バンプ19を形成する。この方法でバンプを形成しても、本発明のめっき液を用いることで、錫めっき堆積層18を均一かつ緻密に形成するとともに錫めっき堆積層18を平滑にして、ビアフィリング性を高め、ボイドの発生を抑制できる。
本発明の界面活性剤(C)を界面活性剤として含む錫又は錫合金の電解めっき液を被めっき物である回路基板に適用して、この回路基板に所定の金属皮膜を形成することができる。回路基板としては、プリント回路基板、フレキシブルプリント回路基板、半導体集積回路基板などが挙げられる。
本発明の錫又は錫合金のめっき液は、複数種類のビア径を有するビアが存在する基板上に、錫又は錫合金めっき堆積層を形成するために好適に用いることができる。この場合、錫又は錫合金めっき堆積層を均一かつ緻密に形成するとともに、錫又は錫合金めっき堆積層を平滑にして、ビアフィリング性を高め、ボイドの発生を抑制できる。そして、この錫又は錫合金めっき堆積層をリフローすることにより得られるバンプの高さ均一性を向上させることができる。
次に本発明の実施例を比較例とともに詳しく説明する。
(実施例及び比較例で用いる界面活性剤(C))
実施例及び比較例において用いられる界面活性剤(C)の各構造式中のmの数及びnの数は、それぞれ液体クロマトグラフィー質量分析法(LC/MS)により求めた。
<実施例1>
(Sn電解めっき液の建浴)
メタンスルホン酸Sn水溶液に、遊離酸(B)としてメタンスルホン酸カリウムと、酸化防止剤(F)としてヒドロキノンと、レベリング剤(D−1)としてベンザルアセトンと、レベリング剤(D−2)としてメタクリル酸と、イソプロピルアルコールと、界面活性剤(C)と、イオン交換水とを加えて、下記組成のSn電解めっき液を建浴した。界面活性剤(C)として、一般式(1)のmが1である場合、即ち一般式(1-1)で表され、nが10であり、陽イオンがNa+及びNH4+であり、質量平均分子量が730であるポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステル塩を用いた。なお、メタンスルホン酸Sn水溶液は、金属Sn板をメタンスルホン酸水溶液中で電解させることにより調製した。
(Sn電解めっき液の組成)
メタンスルホン酸Sn(Sn2+として):50g/L
メタンスルホン酸カリウム(遊離酸(B)として):100g/L
界面活性剤(一般式(1-1)中のn:10、陽イオン:Na+及びNH4+、質量平均分子量:730のポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステル塩):2g/L
ヒドロキノン(酸化防止剤(F)として):1g/L
メタクリル酸(レベリング剤(D−2)として):2g/L
ベンザルアセトン(レベリング剤(D−1)として):0.1g/L
イソプロピルアルコール:10g/L
イオン交換水:残部
<実施例2〜12及び比較例1〜8>
実施例2〜12及び比較例1〜8では、界面活性剤(C)として、表1に示す化合物を配合したこと以外は、実施例1と同様にして、Sn電解めっき液をそれぞれ建浴した。具体的には、実施例1〜12及び比較例1〜8のSn電解めっき液に含まれる界面活性剤(C)として、一般式(1)、(2)及び(3)中のmが1である場合の一般式(1-1)、(2-1)、(3-1)及び一般式(4)のいずれかで表され、表1に示すポリオキシエチレン(EO)基の数n及び陽イオンの種類を有するポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステル塩を用いて、Sn電解めっき液をそれぞれ建浴した。なお、実施例3及び比較例2では、Sn以外の金属としてAgを含有させた(Ag+として1.0g/L)。実施例11及び比較例8では、Sn以外の金属としてCuを含有させた(Cu2+として0.5g/L)。
<比較例9>
Sn電解めっき液に含まれる界面活性剤として、ポリオキシエチレンラウリルアミン(アミン系ノニオン界面活性剤)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、Sn電解めっき液を建浴した。このSn電解めっき液を比較例9とした。
<比較例10>
Sn電解めっき液に含まれる界面活性剤として、ポリオキシエチレンステアリルアミン(アミン系ノニオン界面活性剤)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、Sn電解めっき液を建浴した。このSn電解めっき液を比較例10とした。
Figure 2021116473
<実施例13〜21及び比較例11〜16>
実施例13〜21及び比較例11〜16では、界面活性剤(C)として、表2に示す化合物を配合したこと以外は、実施例1と同様にして、Sn電解めっき液をそれぞれ建浴した。具体的には、実施例13〜21及び比較例11〜16のSn電解めっき液に含まれる界面活性剤(C)として、一般式(1)、(2)及び(3)中のmが2である場合、即ち一般式(1-2)、(2-2)又は(3-2)のいずれかで表され、表2に示すポリオキシエチレン(EO)基の数n及び陽イオンの種類を有するポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステル塩を用いて、Sn電解めっき液をそれぞれ建浴した。なお、実施例16及び比較例14では、Sn以外の金属としてAgを含有させた(Ag+として1.0g/L)。実施例20及び比較例15では、Sn以外の金属としてCuを含有させた(Cu2+として0.5g/L)。
Figure 2021116473
<実施例22〜30及び比較例17〜22>
実施例22〜30及び比較例17〜22では、界面活性剤(C)として、表3に示す化合物を配合したこと以外は、実施例1と同様にして、Sn電解めっき液をそれぞれ建浴した。具体的には、実施例22〜30及び比較例17〜22のSn電解めっき液に含まれる界面活性剤(C)として、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステル塩の一般式(1)、(2)及び(3)中のmが3である場合、即ち一般式(1-3)、(2-3)又は(3-3)のいずれかで表され、表3に示すポリオキシエチレン(EO)基の数n及び陽イオンの種類を有するポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステル塩を用いて、Sn電解めっき液をそれぞれ建浴した。なお、実施例29及び比較例22では、Sn以外の金属としてAgを含有させた(Ag+として1.0g/L)。実施例26及び比較例20では、Sn以外の金属としてCuを含有させた(Cu2+として0.5g/L)。
Figure 2021116473
<比較試験1及び評価>
実施例1〜30及び比較例1〜22の52種類の建浴した電解めっき液を用いて、バンプを形成した。バンプを形成するまでのビア内の錫又は錫合金電解めっき堆積層のビアフィリング性と、バンプ形成後のバンプの外観と、バンプの高さばらつき(均一性)を評価した。その結果を表1〜表3に示す。
(1)ビア内の錫又は錫合金の電解めっき堆積層のビアフィリング性
レーザー顕微鏡を用いて、100個のビア内の錫又は錫合金の電解めっき堆積層を観察し、電解めっき堆積層の最も高い点から最も低い点までの高さの差を測定した。高さの差が5μmを超えたビアが1つでもあった場合を「不良」とし、それ以外の場合を「良好」と判断し、表1〜表3の「ビアフィリング性」の欄に示した。
(2)ビア内の錫又は錫合金の電解めっき堆積層の外観
レーザー顕微鏡を用いて、100個のビア内の錫又は錫合金の電解めっき堆積層を観察し、表面粗さRaを測定した。電解めっき堆積層の表面粗さRaが2μmを超えたビアが1つでもあった場合を「不良」とし、それ以外の場合を「良好」と判断し、表1〜表3の「電解めっき堆積層の外観」の欄に示した。
(3)バンプ高さのばらつき
基板のバンプの高さを、自動外観検査装置を用いて測定した。測定個数は10000個とした。測定したバンプ高さから、高さばらつきσを算出した。バンプの高さは、ソルダーレジスト層の表面からバンプ頂点(最も高い箇所)までの距離とした。高さばらつきσが3以下である場合を「均一」とし、高さばらつきσが3を超える場合を「不均一」と判断した。その結果(高さばらつきσの値)を表1〜表3の「バンプの高さばらつき」の欄に示した。
(4)ボイドの発生し易さ
100μm、180μm、250μm、360μmの各ピッチ間隔で配列されかつ直径が40μm、70μm、90μm、120μmであるバンプ(計2000個)について、透過X線像を撮影した。撮影した画像を目視で観察し、バンプの大きさに対して1%以上の大きさのボイドを有するバンプが1つ以上見られた場合を「NG」とし、それ以外の場合を「OK」とした。その結果を表1〜表3の「ボイド」の欄に示す。
表1から明らかなように、比較例1の界面活性剤(C)は一般式(1-1)で表され、mは1と適切な範囲(m=1〜3)内であったけれども、nが9と適切な範囲(n=10〜30)より小さかった。比較例1では、バンプのフィリング性及び外観はいずれも不良であり、バンプの高さばらつきσは3.5と大きく、更にバンプにボイドが見られた。
また、比較例2の界面活性剤(C)は一般式(1-1)で表され、mは1と適切な範囲(m=1〜3)内であったけれども、nが31と適切な範囲(n=10〜30)より大きかった。比較例2では、バンプのフィリング性及び外観はいずれも不良であり、バンプの高さばらつきσは4.0と大きく、更にバンプにボイドが見られた。
これらに対し、実施例1及び2の界面活性剤(C)は一般式(1-1)で表され、mが1と適切な範囲(m=1〜3)内であり、nが10及び20と適切な範囲(n=10〜30)内であった。実施例1及び2では、バンプのフィリング性及び外観はいずれも良好であり、バンプの高さばらつきσは2.4及び1.8と小さく、更にバンプにボイドは見られなかった。
また、実施例3の界面活性剤(C)は一般式(1-1)で表され、mが1と適切な範囲(m=1〜3)内であり、nが30と適切な範囲(n=10〜30)内であった。また錫合金の電解めっき液は銀を含んでいる。実施例3では、バンプのフィリング性及び外観はいずれも良好であり、バンプの高さばらつきσは2.0と小さく、更にバンプにボイドは見られなかった。
一方、比較例3の界面活性剤(C)は一般式(2-1)で表され、mは1と適切な範囲(m=1〜3)内であったけれども、nが9と適切な範囲(n=10〜30)より小さかった。比較例3では、バンプのフィリング性及び外観はいずれも不良であり、バンプの高さばらつきσは3.1と大きく、更にバンプにボイドが見られた。
また、比較例4の界面活性剤(C)は一般式(2-1)で表され、mは1と適切な範囲(m=1〜3)内であったけれども、nが31と適切な範囲(n=10〜30)より大きかった。比較例4では、バンプのフィリング性及び外観はいずれも不良であり、バンプの高さばらつきσは3.8と大きく、更にバンプにボイドが見られた。
これらに対し、実施例4〜6の界面活性剤(C)は一般式(2-1)で表され、mが1と適切な範囲(m=1〜3)内であり、nが10、20及び30と適切な範囲(n=10〜30)内であった。実施例4〜6では、バンプのフィリング性及び外観はいずれも良好であり、バンプの高さばらつきσは1.1〜2.1と小さく、更にバンプにボイドは見られなかった。
一方、比較例5の界面活性剤(C)は一般式(3-1)で表され、mは1と適切な範囲(m=1〜3)内であったけれども、nが9と適切な範囲(n=10〜30)より小さかった。比較例5では、バンプのフィリング性及び外観はいずれも不良であり、バンプの高さばらつきσは4.4と大きく、更にバンプにボイドが見られた。
また、比較例6の界面活性剤(C)は一般式(3-1)で表され、mは1と適切な範囲(m=1〜3)内であったけれども、nが31と適切な範囲(n=10〜30)より大きかった。比較例6では、バンプのフィリング性及び外観はいずれも不良であり、バンプの高さばらつきσは4.5と大きく、更にバンプにボイドが見られた。
これらに対し、実施例7〜9の界面活性剤(C)は一般式(3-1)で表され、mが1と適切な範囲(m=1〜3)内であり、nが10、20及び30と適切な範囲(n=10〜30)内であった。実施例7〜9では、バンプのフィリング性及び外観はいずれも良好であり、バンプの高さばらつきσは1.4〜2.6と小さく、更にバンプにボイドは見られなかった。
一方、比較例7の界面活性剤(C)は一般式(4)で表され、nが9と適切な範囲(n=10〜30)より小さかった。比較例7では、バンプのフィリング性及び外観はいずれも不良であり、バンプの高さばらつきσは3.8と大きく、更にバンプにボイドが見られた。
また、比較例8の界面活性剤(C)は一般式(4)で表され、nが31と適切な範囲(n=10〜30)より大きかった。また錫合金の電解めっき液は銅を含んでいる。比較例8では、バンプのフィリング性及び外観はいずれも不良であり、バンプの高さばらつきσは4.0と大きく、更にバンプにボイドが見られた。
これらに対し、実施例10及び12の界面活性剤(C)は一般式(4)で表され、のnが10及び30と適切な範囲(n=10〜30)内であった。実施例10及び12では、バンプのフィリング性及び外観はいずれも良好であり、バンプの高さばらつきσは2.1及び1.9と小さく、更にバンプにボイドは見られなかった。
また、実施例11の界面活性剤(C)は一般式(4)で表され、nが20と適切な範囲(n=10〜30)内であった。また錫合金の電解めっき液は銅を含んでいる。実施例11では、バンプのフィリング性及び外観はいずれも良好であり、バンプの高さばらつきσは2.6と小さく、更にバンプにボイドは見られなかった。
なお、比較例9では、界面活性剤として、ポリオキシエチレンラウリルアミン(アミン系ノニオン界面活性剤)を用いた。比較例9では、バンプのフィリング性及び外観はいずれも不良であり、バンプの高さばらつきσは5.1と大きく、更にバンプにボイドが見られた。
また、比較例10では、界面活性剤として、ポリオキシエチレンステアリルアミン(アミン系ノニオン界面活性剤)を用いた。比較例10では、バンプのフィリング性及び外観はいずれも不良であり、バンプの高さばらつきσは4.7と大きく、更にバンプにボイドが見られた。
表2から明らかなように、比較例11の界面活性剤(C)は一般式(1-2)で表され、mは2と適切な範囲(m=1〜3)内であったけれども、nが9と適切な範囲(n=10〜30)より小さかった。比較例11では、バンプのフィリング性及び外観はいずれも不良であり、バンプの高さばらつきσは4.0と大きく、更にバンプにボイドが見られた。
また、比較例12の界面活性剤(C)は一般式(1-2)で表され、mは2と適切な範囲(m=1〜3)内であったけれども、nが31と適切な範囲(n=10〜30)より大きかった。比較例12では、バンプのフィリング性及び外観はいずれも不良であり、バンプの高さばらつきσは4.0と大きく、更にバンプにボイドが見られた。
これらに対し、実施例13〜15の界面活性剤(C)は一般式(1-2)で表され、mが2と適切な範囲(m=1〜3)内であり、nが10、20及び30と適切な範囲(n=10〜30)内であった。実施例13〜15では、バンプのフィリング性及び外観はいずれも良好であり、バンプの高さばらつきσは1.7〜2.2と小さく、更にバンプにボイドは見られなかった。
一方、比較例13の界面活性剤(C)は一般式(2-2)で表され、mは2と適切な範囲(m=1〜3)内であったけれども、nが9と適切な範囲(n=10〜30)より小さかった。比較例13では、バンプのフィリング性及び外観はいずれも不良であり、バンプの高さばらつきσは3.8と大きく、更にバンプにボイドが見られた。
また、比較例14の界面活性剤(C)は一般式(2-2)で表され、mは2と適切な範囲(m=1〜3)内であったけれども、nが31と適切な範囲(n=10〜30)より大きかった。比較例14では、バンプのフィリング性及び外観はいずれも不良であり、バンプの高さばらつきσは3.4と大きく、更にバンプにボイドが見られた。
これらに対し、実施例16の界面活性剤(C)は一般式(2-2)で表され、mが2と適切な範囲(m=1〜3)内であり、nが10と適切な範囲(n=10〜30)内であった。実施例16では、バンプのフィリング性及び外観はいずれも良好であり、バンプの高さばらつきσは1.8と小さく、更にバンプにボイドは見られなかった。
また、実施例17及び18の界面活性剤(C)は一般式(2-2)で表され、mが2と適切な範囲(m=1〜3)内であり、nが20及び30と適切な範囲(n=10〜30)内であった。実施例17及び18では、バンプのフィリング性及び外観はいずれも良好であり、バンプの高さばらつきσは1.3及び1.7と小さく、更にバンプにボイドは見られなかった。
一方、比較例15の界面活性剤(C)は一般式(3-2)で表され、mは2と適切な範囲(m=1〜3)内であったけれども、nが9と適切な範囲(n=10〜30)より小さかった。また錫合金の電解めっき液は銅を含んでいる。比較例15では、バンプのフィリング性及び外観はいずれも不良であり、バンプの高さばらつきσは3.9と大きく、更にバンプにボイドが見られた。
また、比較例16の界面活性剤(C)は一般式(3-2)で表され、mは2と適切な範囲(m=1〜3)内であったけれども、nが31と適切な範囲(n=10〜30)より大きかった。比較例16では、バンプのフィリング性及び外観はいずれも不良であり、バンプの高さばらつきσは4.7と大きく、更にバンプにボイドが見られた。
これらに対し、実施例19及び21の界面活性剤(C)は一般式(3-2)で表され、mが2と適切な範囲(m=1〜3)内であり、nが10及び30と適切な範囲(n=10〜30)内であった。実施例19及び21では、バンプのフィリング性及び外観はいずれも良好であり、バンプの高さばらつきσはそれぞれ1.8と小さく、更にバンプにボイドは見られなかった。
また、実施例20の界面活性剤(C)は一般式(3-2)で表され、mが2と適切な範囲(m=1〜3)内であり、nが20と適切な範囲(n=10〜30)内であった。また錫合金の電解めっき液は銅を含んでいる。実施例20では、バンプのフィリング性及び外観はいずれも良好であり、バンプの高さばらつきσは1.3と小さく、更にバンプにボイドは見られなかった。
表3から明らかなように、比較例17の界面活性剤(C)は一般式(1-3)で表され、mは3と適切な範囲(m=1〜3)内であったけれども、nが9と適切な範囲(n=10〜30)より小さかった。比較例17では、バンプのフィリング性及び外観はいずれも不良であり、バンプの高さばらつきσは3.4と大きく、更にバンプにボイドが見られた。
また、比較例18の界面活性剤(C)は一般式(1-3)で表され、mは3と適切な範囲(m=1〜3)内であったけれども、nが31と適切な範囲(n=10〜30)より大きかった。比較例18では、バンプのフィリング性及び外観はいずれも不良であり、バンプの高さばらつきσは3.7と大きく、更にバンプにボイドが見られた。
これらに対し、実施例22〜24の界面活性剤(C)は一般式(1-3)で表され、mが3と適切な範囲(m=1〜3)内であり、nが10、20及び30と適切な範囲(n=10〜30)内であった。実施例22〜24では、バンプのフィリング性及び外観はいずれも良好であり、バンプの高さばらつきσは1.3〜2.5と小さく、更にバンプにボイドは見られなかった。
一方、比較例19の界面活性剤(C)は一般式(2-3)で表され、mは3と適切な範囲(m=1〜3)内であったけれども、nが9と適切な範囲(n=10〜30)より小さかった。比較例19では、バンプのフィリング性及び外観はいずれも不良であり、バンプの高さばらつきσは3.8と大きく、更にバンプにボイドが見られた。
また、比較例20の界面活性剤(C)は一般式(2-3)で表され、mは3と適切な範囲(m=1〜3)内であったけれども、nが31と適切な範囲(n=10〜30)より大きかった。また錫合金の電解めっき液は銅を含んでいる。比較例20では、バンプのフィリング性及び外観はいずれも不良であり、バンプの高さばらつきσは3.1と大きく、更にバンプにボイドが見られた。
これらに対し、実施例25及び27の界面活性剤(C)は一般式(2-3)で表され、mが3と適切な範囲(m=1〜3)内であり、nが10及び30と適切な範囲(n=10〜30)内であった。界面活性剤を用いた錫めっき液によりバンプを作製した実施例25及び27では、バンプのフィリング性及び外観はいずれも良好であり、バンプの高さばらつきσは2.2及び1.4と小さく、更にバンプにボイドは見られなかった。
また、実施例26の界面活性剤(C)は一般式(2-3)で表され、mが3と適切な範囲(m=1〜3)内であり、nが20と適切な範囲(n=10〜30)内であった。また錫合金の電解めっき液は銅を含んでいる。実施例26では、バンプのフィリング性及び外観はいずれも良好であり、バンプの高さばらつきσは1.0と小さく、更にバンプにボイドは見られなかった。
一方、比較例21の界面活性剤(C)は一般式(3-3)で表され、mは3と適切な範囲(m=1〜3)内であったけれども、nが9と適切な範囲(n=10〜30)より小さかった。比較例21では、バンプのフィリング性及び外観はいずれも不良であり、バンプの高さばらつきσは4.5と大きく、更にバンプにボイドが見られた。
また、比較例22の界面活性剤(C)は一般式(3-3)で表され、mは3と適切な範囲(m=1〜3)内であったけれども、nが31と適切な範囲(n=10〜30)より大きかった。また錫合金の電解めっき液は銀を含んでいる。比較例22では、バンプのフィリング性及び外観はいずれも不良であり、バンプの高さばらつきσは4.6と大きく、更にバンプにボイドが見られた。
これらに対し、実施例28及び30の界面活性剤(C)は一般式(3-3)で表され、mが3と適切な範囲(m=1〜3)内であり、nが10及び30と適切な範囲(n=10〜30)内であった。実施例28及び30では、バンプのフィリング性及び外観はいずれも良好であり、バンプの高さばらつきσは1.9及び2.8と小さく、更にバンプにボイドは見られなかった。
また、実施例29の界面活性剤(C)は一般式(3-3)で表され、mが3と適切な範囲(m=1〜3)内であり、nが20と適切な範囲(n=10〜30)内であった。また錫合金の電解めっき液は銀を含んでいる。実施例29では、バンプのフィリング性及び外観はいずれも良好であり、バンプの高さばらつきσは1.2と小さく、更にバンプにボイドは見られなかった。
本発明の錫又は錫合金電解めっき液は、プリント回路基板、フレキシブルプリント回路基板、半導体集積回路などの回路基板の製造工程に利用することができる。
1,11 基板
2,12 ソルダーレジスト層
3 銅シード層
4,15 ドライフィルムレジスト層
6,16 ビア
7,18 錫電解めっき堆積層(錫電解めっき皮膜)
8,19 錫バンプ
13 銅めっき層
14 無電解銅シード層
17 ニッケルめっき層

Claims (4)

  1. (A)少なくとも第一錫塩を含む可溶性塩と、
    (B)有機酸、無機酸、及びそれらの塩からなる群より選ばれた1種又は2種以上の化合物と、
    (C)界面活性剤と、
    (D)レベリング剤とを含み、
    前記(C)界面活性剤が次の一般式(1)、(2)、(3)及び(4)で表されるポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステル塩からなる群より選ばれた1種又は2種以上であることを特徴とする錫又は錫合金電解めっき液。
    Figure 2021116473
    但し、前記一般式(1)、(2)及び(3)中のmは1〜3の整数である。また、前記一般式(1)、(2)、(3)及び(4)中のnは10〜30の整数であり、Xは陽イオンである。
  2. 前記(C)界面活性剤とは別の界面活性剤、酸化防止剤及び炭素数1〜4のアルコールのうち、2つ以上を更に含む請求項1に記載の錫又は錫合金電解めっき液。
  3. 請求項1又は2に記載の錫又は錫合金電解めっき液を用いて、基板上に錫又は錫合金の電解めっき堆積層を形成する工程と、次いでリフロー処理をしてバンプを形成する工程とを含むことを特徴とするバンプの形成方法。
  4. 請求項3に記載の方法により形成されたバンプを用いて回路基板を製造する工程を含むことを特徴とする回路基板の製造方法。
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