JP2021116264A - 抗菌粒子水分散体 - Google Patents

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Abstract

【課題】安全性が高く、広い抗菌スペクトルを有し、保存安定性を損なうことなく、抗菌効果(防かび効果を含む)に優れた抗菌粒子水分散体を提供する。【解決手段】 本発明の抗菌粒子水分散体は、少なくとも、ヨードプロパルギル化合物を内包し、シェルがシアノアクリレートで構成される粒子を含有することを特徴とする。前記粒子の平均粒子径は10〜800nmであることが好ましく、また、ヨードプロパルギル化合物は、3−ヨード−2−プロピニルブチルカルバメートを少なくとも含むことが好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は、安全性が高く、広い抗菌スペクトル(Antibacterial spectrum)を有し、安定性、抗菌効果(防かび効果を含む)に優れた抗菌粒子水分散体に関する。
従来より、抗菌・防腐組成物等としては、幾つかの材料が知られている。
例えば、(1)少なくとも1種のヨードプロパルギル化合物を含むマイクロカプセルであって、前記少なくとも1種のヨードプロパルギル化合物が、少なくとも1種のメラミン−ホルムアルデヒドポリマーを含むマイクロカプセル化材料を用いてマイクロカプセル化されている、マイクロカプセル(例えば、特許文献1参照)、
(2)ヨウ素系化合物(3−ヨード−2−プロピニルブチルカルバメート:IPBC)、トリアゾール系化合物、カルバモイルイミダゾール系化合物、ジチオール系化合物、イソチアゾリン系化合物、ニトロアルコール系化合物、パラオキシ安息香酸エステルなどの殺菌防腐防藻防かび剤、ピレスロイド系化合物、ネオニコチノイド系化合物、有機塩素系化合物、有機リン系化合物、カーバメート系化合物、オキサジアジン系化合物などの防虫剤、殺虫剤などから選択される疎水性の抗生物活性化合物を疎水性の重合性ビニルモノマーで溶解することにより、疎水性溶液を調製し、水と乳化剤とを配合して乳化剤水溶液を調製し、前記疎水性溶液を前記乳化剤水溶液中に乳化し、前記重合性ビニルモノマーを、重合開始剤の存在下、ミニエマルション重合して、抗生物活性化合物を含有する平均粒子径1μm未満の重合体を生成することにより得られることを特徴とする、徐放性粒子(例えば、特許文献2参照)、などが知られている。
しかしながら、上記特許文献1、2に記載の抗菌剤などは、安全性の問題で使用量が制限されているものや、他の配合成分へ何らかの悪影響を与えるもの、または、特定の汚染源である細菌類等への効果が十分でないものがあるなどの課題がある。また、この特許文献1、2には、抗菌剤として用いられるヨードプロパルギル化合物についての記載があるが、未だその抗菌効果(防かび効果を含む)は十分でなく、更なる安定性、抗菌効果が切望されているのが現状である。
特表2017−507952号公報(特許請求の範囲、実施例等) 特開2013−151471号公報(特許請求の範囲、実施例等)
本発明は、上記従来技術の課題等に鑑み、これを解消しようとするものであり、安全性が高く、広い抗菌スペクトルを有し、安定性、抗菌効果(防かび効果を含む)に優れた抗菌粒子水分散体を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記従来の課題等に鑑み、鋭意研究を行った結果、少なくとも、特定の抗菌性・防かび性を有する化合物を内包し、シェルが特定のポリマーで構成される粒子を含有することにより、上記目的の抗菌粒子水分散体が得られることを見出し、本発明を完成するに至ったのである。
すなわち、本発明の抗菌粒子水分散体は、少なくとも、ヨードプロパルギル化合物を内包し、シェルがシアノアクリレートで構成される粒子を含有することを特徴とする。
粒子の平均粒子径は、10〜800nmであることが好ましい。
ヨードプロパルギル化合物は、3−ヨード−2−プロピニルブチルカルバメートを少なくとも含むことが好ましい。
シェルを構成するシアノアクリレートの質量比は、90〜100質量%であることが好ましい。
シアノアクリレートが、イソブチルシアノアクリレート、n−ブチルシアノアクリレート、tert−ブチルシアノアクリレート、n−オクチルシアノアクリレート、2−オクチルシアノアクリレートから選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。
本発明によれば、安全性が高く、広い抗菌スペクトルを有し、安定性、抗菌効果(防かび効果を含む)に優れた抗菌粒子水分散体が提供される。
真菌抵抗性試験における試験方法を説明する説明図(PDA平板培地に試料及び培養培地小片を配置する概要を示す静置図)である。
以下に、本発明の実施形態を詳しく説明する。
本発明の抗菌粒子水分散体は、少なくとも、ヨードプロパルギル化合物を内包し、シェルがシアノアクリレートで構成される粒子を含有することを特徴とするものである。
本発明に用いるヨードプロパルギル化合物としては、例えば、3−ヨード−2−プロピニルプロピルカルバメート、3−ヨード−2−プロピニルブチルカルバメート(IPBC)、3−ヨード−2−プロピニルm−クロロフェニルカルバメート、3−ヨード−2−プロピニルフェニルカルバメート、3−ヨード−2−プロピニル2,4,5−トリクロロフェニルエーテル、3−ヨード−2−プロピニル4−クロロフェニルホルマール(IPCF)、ジ−(3−ヨード−2−プロピニル)ヘキシルジカルバメート、3−ヨード−2−プロピニルオキシエタノールエチルカルバメート、3−ヨード−2−プロピニルオキシエタノールフェニルカルバメート、3−ヨード−2−プロピニルチオキソチオエチルカルバメート、3−ヨード−2−プロピニルカルバミン酸エステル(IPC)、N−ヨードプロパルギルオキシカルボニルアラニン、N−ヨードプロパルギルオキシカルボニルアラニンエチルエステル、3−(3−ヨードプロパルギル)ベンズオキサゾール−2−オン、3−(3−ヨードプロパルギル)−6−クロロベンズオキサゾール−2−オン、3−ヨード−2−プロピニルアルコール、4−クロロフェニル3−ヨードプロパルギルホルマール、3−ブロモ−2,3−ジヨード−2−プロペニルエチルカルバメート、3−ヨード−2−プロピニル−n−ヘキシルカルバメート、3−ヨード−2−プロピニルシクロヘキシルカルバメートなどから選ばれる少なくとも1種(各単独又は2種以上の混合物、以下同様)が挙げられる。
これらのヨードプロパルギル化合物自体は、従来より公知であり、安全性が高く、抗菌性・防かび性を有する化合物であり、また、その製造方法も知られており、種々の製造方法で調製することができ、また、市販品があればそれらを使用することができる。
本発明では、安全性の点、安定性の点などから、好ましくは、3−ヨード−2−プロピニルブチルカルバメート(以下、単に「IPBC」という場合がある)を少なくとも含むもの(IPBC単独又はIPBCを含む混合物)が好ましい。
本発明において、抗菌粒子水分散体は、少なくとも、上記ヨードプロパルギル化合物を内包し、シェルがシアノアクリレートで構成される粒子を含有するものであり、例えば、下記式(I)で表されるポリマーをシェルにしてヨードプロパルギル化合物を内包することにより製造することができる。
Figure 2021116264
上記一般式(I)中におけるRの炭素数2〜8のアルキル基としては、例えば、エチル基、プロピル基(直鎖、分岐)、ブチル基(直鎖、分岐)、ペンチル基(直鎖、分岐)、ヘキシル基(直鎖、分岐)、ヘプチル基(直鎖、分岐)、オクチル基(直鎖、分岐)などが挙げられ、好ましくは、外科領域において傷口の縫合のための接着剤として用いられている、炭素数4のアルキル基及び炭素数8のオクチル基が望ましく、特に好ましくは、イソブチル基、n−オクチル基及び2−オクチル基である。
本発明の効果を更に発揮せしめる点等から、具体的には、イソブチルシアノアクリレート、n−ブチルシアノアクリレート、tert−ブチルシアノアクリレート、n−オクチルシアノアクリレート、2−オクチルシアノアクリレートから選ばれる少なくとも1種を含むもので構成することが望ましい。
また、シェルを構成するシアノアクリレートの質量比は、安全性および安定性の点から、90〜100質量%であることが好ましい。
本発明において、抗菌粒子水分散体は、上記ヨードプロパルギル化合物を内包し、シェルが上記一般式(I)で表される構造を繰り返し単位中に有するシアノアクリレートのポリマーで構成される粒子を含有するものである。この粒子において、シアノアクリレート自身が細菌の細胞壁に接着し細胞壁合成を妨害し溶菌を生じさせ、細菌(かび類も含む)の発育を阻止することにより、単独で、抗菌効果(防菌性・防かび性)を有するものであり、しかも、本発明では、該粒子に内包される上記ヨードプロパルギル化合物自体も上述のとおり、安全性が高く、抗菌効果を有するものであり、これらの相乗作用により、安全性が高く、広い抗菌スペクトルを有し、安定性に優れ、抗菌効果(防かび効果を含む)に優れたものとなる(これらの点においては後述する実施例等においても詳述する)。
この粒子を含む抗菌粒子水分散体の製造は、例えば、上記一般式(I)で表される構造単位(モノマー)をアニオン重合により重合する際に、上記ヨードプロパルギル化合物を添加して、粒子の内部に当該ヨードプロパルギル化合物を内包(抱合)させることにより得られる。
上記重合の重合開始及び重合の安定化のために重合薬剤を用いることができる。この重合薬剤としては、例えば、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、水酸基を有する単糖類及び二糖類から成る群より選ばれる少なくとも1種の糖が挙げられる。
用いることができるポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルとしては、例えば、ラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、パルミチン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタンなどが挙げられる。
また、上記ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルとは別に、重合薬剤として糖を用いることで、さらにその効果を高めることができる。
用いることができる糖としては、水酸基を有する単糖又は二糖であればいずれの糖でもよく、好ましい例として、グルコース、マンノース、リボース、フルクトース、マルトース、トレハロース、ラクトース及びスクロースを挙げることができる。これらの糖は、環状、鎖状のいずれの形態であってもよく、また、環状の場合、ピラノース型やフラノース型等のいずれであってもよい。また、糖には種々の異性体が存在するがそれらのいずれでもよい。通常、単糖は、ピラノース型又はフラノース型の形態で存在し、二糖は、それらがα結合又はβ結合したものであり、このような通常の形態にある糖をそのまま用いることができる。単糖及び二糖は、単独で用いることもできるし、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
重合反応の溶媒は、通常、水(蒸溜水、精製水、純水など)が用いられる。アニオン重合は、水酸イオンにより開始されるので、反応液のpHは、重合速度に影響する。反応液のpHが高い場合には、水酸イオンの濃度が高くなるので重合が速く、pHが低い場合には重合が遅くなる。通常、pHが2〜4程度の酸性下で適度な重合速度が得られる。反応液を酸性にするために添加する酸としては、特に限定されないが、反応に悪影響を与えない、リン酸、塩酸、酢酸、フタル酸、クエン酸などを好ましく用いることができる。
反応開始時の重合反応液中の上記式(I)で表される構造単位の濃度は、特に限定されないが、通常、0.1〜10質量%程度、好ましくは、1〜5質量%程度である。また、反応開始時の重合反応液中の重合薬剤の濃度(複数種類用いる場合はその合計濃度)は、特に限定されないが、通常、1〜30質量%、好ましくは、5〜20質量%程度である。また、反応温度は、特に限定されないが、室温で行なうことが簡便で好ましい。反応時間は、特に限定されないが、通常、0.5時間〜4時間程度である。重合反応は、撹拌下に行なうことが好ましい。なお、粒子は、通常、中性の粒子として用いられるので、反応終了後、必要に応じて、水酸化ナトリウム水溶液等の塩基を反応液に添加して中和することが好ましい。
上記の重合反応により、上記式(I)で表される構造単位がアニオン重合し、一般式(I)で表される構造を繰り返し単位中に有するポリマー粒子が生成すると共に、この粒子の内部に上記ヨードプロパルギル化合物を内包(抱合)したものとなる。
上記方法により得られる粒子の平均粒子径は、特に限定されないが、分散安定性の点、表面積の点から、1000nm(1μm)未満とすることが好ましく、より好ましくは、10〜800nm、特に好ましくは、10〜200nmであるものが望ましい。
この平均粒子径の調整は、反応液中の上記式(I)で表される構造単位の濃度、用いる重合薬剤種及びその量、反応時間などを調節することにより行うことができる。生成した粒子は、必要に応じて、遠心式限外ろ過等の常法により回収することもできる。
なお、本発明で規定する「平均粒子径」は、散乱光強度分布によるヒストグラム平均粒子径であり、本発明(後述する実施例を含む)では、粒度分布測定装置〔FPAR1000(大塚電子社製)〕にて、測定したD50の値である。
本発明では、安全性の問題で使用量が制限されているものや、他の配合成分へ何らかの悪影響を与えるもの、または、特定の汚染源となる細菌類、かび類などへの効果が十分でないものがある場合でも、上記一般式(I)で表される構造を繰り返し単位中に有するポリマー粒子に上述のヨードプロパルギル化合物を内包(抱合)させることにより、粒子単独での抗菌・防かび効果とヨードプロパルギル化合物の抗菌効果等の一体作用(相乗作用)で使用量の制限を回避でき、使用量も極力少なくすることができるものとなり、また、ヨードプロパルギル化合物が特定の汚染源への効果が十分でないものでも、上記両者の一体作用(相乗作用)により、安全性が高く、安定性に優れ、優れた抗菌性(防カビ効果を含む)を発揮できるものとなる。
上記ヨードプロパルギル化合物を内包(抱合)させる量は、抗菌剤の用途、使用時に必要な用量等に応じて適宜設定することができる。例えば、粒子全量に対して、0.1〜35質量%程度であるが、これらの範囲に限定されるものではない。
また、本発明の抗菌粒子水分散体中の粒子の含有量は、製造方法種及びその製造の際の各成分の添加量により変動し、また、使用態様、適用対象、適用対象の状態等に左右されるものであり、特に限定はされないが、例えば、有効成分量として、分散体中に、0.1〜30質量%、好ましくは0.1〜15質量%とすることができる。
本発明において、「有効成分」とは、抗菌効果を発揮する成分のみをいい、重合に用いる重合薬剤(ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルや糖)、水などの各成分を含まないものであり、重合薬剤などを含まない粒子そのものの量と、該粒子には内包するヨードプロパルギル化合物の量との合計量が有効成分量となるものである。なお、使用態様により、上記抗菌粒子水分散体から水分を蒸発等させて粒子単独で使用してもよいものである。
本発明の抗菌粒子水分散体は、含有される上記特性の粒子が優れた抗菌効果(防かび効果を含む)を有すると共に、安定性に優れ、他の配合成分の品質に悪影響を及ぼすものでなく、これらの効果はグラム陰性菌、グラム陽性菌などの多くの細菌類やかび類に抗菌効果(防かび効果を含む)を発揮することができ、その持続効果も長期間に亘り、しかも、これらの粒子を含有する抗菌粒子水分散体は保存などの安定性にも優れたものとなる。
本発明の抗菌粒子水分散体は、例えば、医療用具、ベビー用品、介護用品、浴場用品、台所用品、食器、飲料水配管部品、生活衛生用品、家電製品、衣料品、建築資材、農業用資材、自動車用内装部品、文房具、筆記具やインクジェットプリンターなどのインク組成物など、様々な製品に抗菌性を付与するために利用することができる。
具体的な用途としては、上記などの他に、例えば、洗濯洗浄剤、柔軟剤、住居用洗剤、食器洗浄剤、硬質表面用洗浄剤等の洗浄剤用途;シャンプー、リンス、化粧水、乳液、クリーム、日焼け止め、ファンデーション、アイメイク製品等の化粧品、制汗剤等の化粧料用途;塗料、木材防腐剤、セメント混和剤、工業用水(製紙工程における抄紙工程水、各種工業用の冷却水や洗浄水)等の工業用途;医療器具、食品添加物、太陽電池モジュールや有機素子デバイス、熱線遮蔽フィルムなどの電子機器用途等に好適に用いることができる。
次に、実施例及び比較例などにより本発明を更に詳細に説明するが、本発明は下記実施例等に限定されるものではない。
〔実施例1〜7:粒子A〜Gの製造〕
下記実施例1〜7により、抗菌粒子水分散体A〜Gを製造した。なお、以下の「部」は質量部を表す。
(実施例1:抗菌粒子水分散体Aの製造)
2リットルのフラスコに、撹拌機、還流冷却器、温度計を取り付け、水槽にセットし、蒸留水89.8部、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O)2部、リン酸0.2部、式(I)中のRがiso-ブチルのモノマー(イソブチルシアノアクリレート)6部、ヨードプロパルギル化合物:3−ヨード−2−プロピニルカルバメート、2部を仕込んで、約15分撹拌してアニオン重合を終了し、抗菌粒子水分散体Aを得た。なお、粒子の平均粒子径は、83nmであった。
(実施例2〜7:粒子B〜Gの製造)
下記表1に示す配合組成で、上記実施例1と同様にして各抗菌粒子水分散体B〜Gを得た。なお、各粒子の平均粒子径は、下記表1に示す。
得られた実施例1〜7の各抗菌粒子水分散体A〜Gについて、下記評価方法により、抗菌効果(細菌群、酵母、糸状菌)について評価した。
これらの結果を下記表1に示す。
〔抗菌効果(抗菌性・防かび性)の試験方法〕
ISO 11930:2012(保存効力試験または微生物学的リスク評価、またはその両方によって生成されたデータの解釈のための手順)に準拠した下記の微生物試験方法で行った。
下記細菌群、酵母、糸状菌の三群でチャレンジテストを実施した。
細菌群: Stapylococcus aureus NBRC13276、 Escherichia coli NBRC3972
酵母: Candida albicans NBRC1594
糸状菌: Aspergillus brasiliensis
〈接種菌液の調製〉
接種菌液の調製:ISO 11930:2012に従って菌液を調製した。
細菌群:各菌種毎にISO 11930:2012に従って菌液を調製した。菌種毎に1×10〜1×10cfu/mlに調整した菌液を三種等量混合し接種菌液とした。
酵母:ISO 11930:2012に従い、1×10〜1×10cfu/mlになるように菌液を調製した。
糸状菌:ISO 11930:2012に従い、1×10〜 1×10cfu/mlになるように菌液を調製した。
〈接種〉
抗菌粒子水分散体に対し、1質量%の量の菌液を接種した。
〈保管〉
接種した抗菌粒子水分散体は、温度22.5±2.5℃に保管し指定された期間ごとに検出培養を行った。
〈検出培養〉
細菌群はSCD寒天培地で、酵母はSD寒天培地で、糸状菌はPD寒天培地でそれぞれ10枚に合計1g塗抹し、細菌群と酵母は32.5℃、2日間、糸状菌は22.5℃、5日間培養した。
〈評価基準〉
A:7日目の時点でコロニーが出現しない。
B:21日目の時点でコロニーが出現しない。
C:28日目の時点で数個から数十個のコロニーが出現している。
D:28日の時点で明らかに増えている。
Figure 2021116264
上記表1を考察すると、本発明範囲となる実施例1〜7は、抗菌効果(防菌性・防かび性)に優れていることが判った。
また、実施例1〜7の各抗菌粒子水分散体について、密閉容器に入れ、26℃下で3ヶ月保存した後、目視により凝集物等を官能評価したところ、全く粒子等の凝集はなく、保存安定性も問題ないことが判った。
上記で得られた実施例1〜7の抗菌粒子水分散体A〜Gについて、広い抗菌スペクトルなどを有することを更に確認等するために、下記細菌(抗菌力)試験、真菌抵抗性試験を行った。
〔細菌(抗菌力)試験方法〕
下記の試験用検体(抗菌粒子水分散体等)、試験菌(大腸菌、黄色ブドウ球菌)を用いて、下記試験方法により、細菌(抗菌力)試験を行った。
これらの結果を下記表2で示す。
〈試験用検体の作成〉
1)実施例1の抗菌粒子水分散体AをトリエタノールアミンでpH7.0になるように中和した試験用検体を作成した。
なお、対照検体は精製水(黄色ブドウ球菌は生理食塩水)を用いた。
〈試験方法〉
上記試験用検体(約200mL)に試験菌液を接種し、試験液(菌数:10〜10/mL)とした。26℃で保存し、3時間、6時間及び24時間後に試験液をSCDLP培地に添加し、試験中の生菌数を菌数測定用培地を用いた測定した。なお、対照検体として精製水(黄色ブドウ球菌は生理食塩水)を用いて同様に試験し、開始時についても生菌数を測定した。
〈真菌抵抗性試験(4週間試験)方法〉
実施例2の抗菌粒子水分散体Bを用いて、下記方法により試験用サンプルを作成し、下記試験方法により、真菌抵抗性試験(4週間試験)を行った。
これらの結果を下記表3、表4で示す。
〈試験用サンプルの作成〉
実施例2の抗菌粒子水分散体Bを酸化エチレンガスで滅菌したブナ辺材(木工面約20×20mm、高さ約10mm)に塗布(約0.2kg/m)して風乾したものを試験用サンプルとした。また、比較用サンプルとして、製品エバーウッド乳剤2040(住化エンバイロメンタルサイエンス社製)の20倍希釈液を用いて上記と同様にして作成した。対照サンプルとして、上記塗布しない「ブナ辺材」を用いた。
試験菌は、下記木材腐朽菌を用いた。
(1)オオウズラタケ(Fomitopsis palusstris MAFF 420001)
(2)カワラタケ(Trametes versicolor MAFF 4200002)
試験菌の生育性をポテト・デキストロース寒天(PDA)培地により確認したところ、試験開始7日目で十分な生育が認められた。
〈試験方法〉
ポテト・デキストロース寒天(PDA)平板培地に試験菌を接種し、26℃で7日間培養を行った。PDA平板培地の試験菌が発育した部分から直径約6mmの「培養培地小片」を無菌的に切り出して新たに用意したPDA平板培地1(直径約85mm)に図1に示すように試料2及び「培養培地小片3」を静置し、26℃で7日間培養した。培養後、試料表面(側面及び上面)を肉眼で観察し試験菌発育の有無を判定した。また、「培養培地小片」と試料との間における試験菌の発育が阻止されている部分(発育阻止帯)の幅を計測した。
Figure 2021116264
Figure 2021116264
Figure 2021116264
上記表2、表3及び表4の結果、並びに、上記表1の考察等を踏まえて綜合的に考察すると、本発明となる抗菌粒子水分散体は、安全性が高く、広い抗菌スペクトルを有し、保存安定性、各汚染源等となる細菌群、酵母、糸状菌、細菌類(大腸菌、黄色ブドウ球菌)、真菌類などに対して優れた抗菌効果(防かび効果を含む)を有する抗菌粒子水分散体となることが確認された。
安全性が高く、広い抗菌スペクトルを有し、安定性、抗菌効果(防かび効果を含む)に優れた抗菌粒子水分散体が得られる。
1 PDA平板培地
2 試料
3 材用培地小片

Claims (5)

  1. 少なくとも、ヨードプロパルギル化合物を内包し、シェルがシアノアクリレートで構成される粒子を含有することを特徴とする抗菌粒子水分散体。
  2. 粒子の平均粒子径が10〜800nmであることを特徴とする請求項1記載の抗菌粒子水分散体。
  3. ヨードプロパルギル化合物が、3−ヨード−2−プロピニルブチルカルバメートを少なくとも含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の抗菌粒子水分散体。
  4. シェルを構成するシアノアクリレートが質量比で90〜100質量%であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1つに記載の抗菌粒子水分散体。
  5. シアノアクリレートが、イソブチルシアノアクリレート、n−ブチルシアノアクリレート、tert−ブチルシアノアクリレート、n−オクチルシアノアクリレート、2−オクチルシアノアクリレートから選ばれる少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1〜4の何れか1つに記載の抗菌粒子水分散体。
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