JP2021114877A - 回転電機のステータ - Google Patents
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Abstract
【課題】温度検出素子の測温精度の向上を図る。【解決手段】ステータコアと、ステータコアに巻回される複数相のステータコイルおよび複数相のステータコイルの中性点を形成する中性点形成部材を有する導電部材と、導電部材に接触するように配置される温度センサと、を備える回転電機のステータであって、温度センサは、温度を検出する温度検出素子と、導電部材に流れる電流により生じる磁束が鎖交するように配置される磁性体とを有する。【選択図】図10
Description
本開示は、回転電機のステータに関する。
従来、この種の回転電機のステータとしては、ステータコアに巻回される複数相のステータコイルの中性線を形成すると共にU字状の曲げ部を有するバスバー本体と、バスバー本体の曲げ部に挟み保持されると共に温度検出素子を有する温度センサと、を備えるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このステータでは、温度センサのリード線がバスバー本体から離間するように延出され、バスバー本体および温度センサのほとんどが一体に樹脂で覆われる。
上述のステータおよびロータを備える回転電機が駆動されるときにおいて、温度検出素子の受熱対象はバスバーであり、温度検出素子の感度は、ステータの主要発熱源である銅損(複数相のステータコイルやバスバー本体などで発生する損失)による発熱に対してはある程度良好であるものの、鉄損(ステータコアなどで発生する損失)による発熱に対してはそれほど良好でない。回転電機が高回転数領域で駆動される場合、銅損および鉄損のうち鉄損が支配的になることから、温度検出素子の測温精度、具体的には、複数相のステータコイルのうち最も温度が高くなる部分(一般には、最内周側のステータコイル)の実温度に対する測温精度が低くなりやすい。回転電機の保護のためには、温度検出素子の測温精度が低いほど、回転電機の駆動制限を厳しくしたり、回転電機を冷却する冷却装置の冷却性能を高くしたりする必要が生じる。このため、温度検出素子の測温精度の向上が求められる。
本開示の回転電機のステータは、温度検出素子の測温精度の向上を図ることを主目的とする。
本開示の回転電機のステータは、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本開示の回転電機のステータは、
ステータコアに巻回される複数相のステータコイルを有する導電部材と、前記導電部材に接触するように配置される温度センサと、を備える回転電機のステータであって、
前記温度センサは、温度を検出する温度検出素子と、前記導電部材に流れる電流により生じる磁束が鎖交するように配置される磁性体とを有する、
ことを要旨とする。
ステータコアに巻回される複数相のステータコイルを有する導電部材と、前記導電部材に接触するように配置される温度センサと、を備える回転電機のステータであって、
前記温度センサは、温度を検出する温度検出素子と、前記導電部材に流れる電流により生じる磁束が鎖交するように配置される磁性体とを有する、
ことを要旨とする。
本開示の回転電機のステータでは、温度センサは、導電部材に接触するように配置され、温度を検出する温度検出素子と、導電部材に流れる電流により生じる磁束が鎖交するように配置される磁性体とを有する。導電部材に流れる電流により生じる磁束が磁性体を鎖交すると、磁性体に渦電流が流れて鉄損が生じ、その周辺の温度が上昇する。これにより、温度検出素子の受熱対象が導電部材(銅損)および磁性体(鉄損)による発熱となり、温度検出素子の測温精度、具体的には、複数相のステータコイルのうち最も温度が高くなる部分(一般には、最内周側のステータコイル)の実温度に対する測温精度を向上させることができる。
次に、図面を参照しながら、本開示の発明を実施するための形態について説明する。
図1は、本開示の回転電機のステータ10の構成の概略を示す構成図である。図2は、回転電機のステータ10の各相のステータコイル14u,14v,14wを模式的に示す模式図である。本開示の回転電機のステータ10は、ロータ(図示省略)と共に、例えば電気自動車やハイブリッド自動車に搭載される三相交流電動機を構成する。このステータ10は、図1や図2に示すように、ステータコア12と、各相(U相、V相、W相)のステータコイル14u,14v,14wおよびバスバー(中性点形成部材)20を有する導電部材13と、モールド部40とを備える。なお、ステータ10およびロータを備える回転電機(三相交流電動機)は、その軸方向が水平方向となるように車両に搭載され、インバータからの三相交流電力の供給を受けて回転駆動される。
ステータコア12は、例えばプレス加工により円環状に形成された電磁鋼板を複数積層して積層方向に連結することにより一体に形成されている。このステータコア12は、図示しないが、回転電機のロータが配置される中心孔と、環状の外周部と、外周部から周方向に一定の間隔をおいて径方向内側に突出する複数のティース部と、それぞれ互いに隣り合うティース部の間に形成された複数のスロットとを有する。複数のスロットは、それぞれステータコアの径方向に延在すると共に一定の間隔をおいて周方向に並んでおり、中心孔で開口する。また、ステータコア12の複数のスロット内には、それぞれインシュレータ(絶縁紙)が配置される。なお、ステータコア12は、例えば強磁性粉体を加圧成形すると共に焼結させることより一体に形成されるものとしてもよい。
各相のステータコイル14u,14v,14wは、図2に示すように、それぞれ一端側に引出線Lu,Lv,Lwを有すると共に他端側に中性線Nu,Nv,Nwを有する。また、各相のステータコイル14u,14v,14wは、ステータコア12の複数のスロットに差し込まれる複数のセグメントコイル18(図1参照)を電気的に接合することにより形成される。
図3および図4は、各相のステータコイル14u,14v,14wを形成する複数のセグメントコイル18の脚部19の先端部19t周辺を模式的に示す模式図である。図3は、図1の左側からステータコア12の軸方向に複数のセグメントコイル18の脚部19の先端部19t周辺を見たときの模式図であり、図4は、ステータ10の外周側からその径方向に複数のセグメントコイル18の脚部19の先端部19t周辺を見たときの模式図である。図3および図4では、見やすさを考慮して、各セグメントコイル18の各脚部19のうち、絶縁被膜が表面に成膜された部分についてはハッチングを付し、絶縁被膜が除去された先端部19tについてはハッチングを無しにした。また、図3および図4では、モールド部40の図示を省略した。
各セグメントコイル18は、それぞれ、例えばエナメル樹脂等からなる絶縁被膜が導体の表面に成膜された平角線を略U字状に曲げ加工することにより形成され、基部と、基部の両端部から延びると共に絶縁被膜が除去された先端部(導体露出部)19tを有する一対の脚部19とを有する。
各セグメントコイル18の一対の脚部19は、それぞれステータコア12の互いに異なるスロットに挿通される。そして、各脚部19のステータコア12の一端面(図1における左端面)から突出した部分には、倒し加工装置(図示省略)を用いて倒し加工が施される。具体的には、ステータコア12の外周側から奇数番目(奇数層)の脚部19は、ステータコア12の軸心周りに捻られながら周方向における一方側(図3および図4では右側)に倒され、外周側から偶数番目(偶数層)の脚部19は、ステータコア12の軸心周りに捻られながら周方向における他方側(図3および図4では左側)に倒される。これにより、ステータコア12の径方向に隣り合う任意の2つの脚部19は、それぞれステータコア12の軸心に対して傾斜すると共に周方向に沿って互いに逆向きに延在する。
そして、倒し加工後の各セグメントコイル18の各脚部19の先端部19tは、ステータコア12の径方向において対応する別のセグメントコイル18の脚部19の先端部19tと溶接部W(例えば、レーザ溶接やTIG溶接による溶接部)を介して電気的に接合される。具体的には、図3および図4に示すように、ステータコア12の外周側から奇数番目(図3では1,3,5番目)の脚部19の先端部19tの内側面と、ステータコア12の外周側から偶数番目(図3では2,4,6番目)の脚部19の先端部19tの外側面とが、溶接部Wを介して互いに電気的に接合される。
このようにして、複数のステータコイル14u,14v,14wは、それぞれステータコア12に対して分布巻により巻回されると共に、それぞれステータコア12の軸方向における端面から外側に突出する2つの環状のコイルエンド部15,17(図1参照)を有することになる。ここで、コイルエンド部15は、ステータコア12に対して各セグメントコイル18の各脚部19の先端部19tが突出する側(溶接部W側)であり、コイルエンド部17は、ステータコア12に対してコイルエンド15とは反対側(各セグメントコイル18の基部が突出する側)である。上述したように、ステータコア12の径方向に隣り合う任意の2つの脚部19の先端部19tは、それぞれステータコア12の軸心に対して傾斜すると共に周方向に沿って互いに逆向きに延在する。したがって、ステータ10では、複数のセグメントコイル18の各先端部19tのうちそれぞれ対応する先端部19t同士の溶接部Wを多数含むコイルエンド部15の軸長を短縮することができる。
ここで、ステータコア12のスロットに挿通された多数のセグメントコイル18のうち、各相のステータコイル14u,14v,14wの一端側となる3個のセグメントコイル18の一方の脚部19の先端部19tは、別のセグメントコイル18に接合されずに、各相のステータコイル14u,14v,14wの引出線Lu,Lv,Lwとして利用される。各相のステータコイル14u,14v,14wの引出線Lu,Lv,Lwは、各相の端子に電気的に接合される。各相の端子は、ステータ10が回転電機のハウジングに組み付けられる際にハウジングに設置(固定)された端子台に固定され、電力ラインを介してインバータに接続される。
また、ステータコア12のスロットに挿通された多数のセグメントコイル18のうち各相のステータコイル14u,14v,14wの他端側となる3個のセグメントコイル18の一方の脚部19の先端部19tは、別のセグメントコイル18に接合されずに、各相のステータコイル14u,14v,14wの中性線Nu,Nv,Nwとして利用される。各相のステータコイル14u,14v,14wの中性線Nu,Nv,Nwは、バスバー20(図1や図2参照)に溶接部を介して電気的に接合される。バスバー20は、導体により形成され、各相のステータコイル14u,14v,14wの中性点を形成する部材である。バスバー20の詳細については後述する。このようにして、各相のステータコイル14u,14v,14wは、シングルスター結線(1Y結線)により結線される。
図1に示すように、モールド部40は、樹脂によって形成されており、コイルエンド部15のステータコア12の端面から離間した部分、具体的には、バスバー20や、各セグメントコイル18の脚部19の先端部19t(対応する2つの先端部19tの溶接部Wや、先端部19tとバスバー20との溶接部を含む)などを覆うように、環状に形成されている。このモールド部40により、バスバー20や各セグメントコイル18の脚部19の先端部19tなどの導体が露出する部分を良好に絶縁することができる。
図5は、バスバー20およびサーミスタ30の斜視図であり、図6は、バスバー20およびサーミスタ30の正面図である。バスバー20は、上述したように導体により形成されており、図5や図6に示すように、バスバー本体22と端子24u,24v,24wと曲げ部26とを有する。バスバー本体22は、ステータコア12の周方向に沿って延びるように形成されている。端子24uは、バスバー本体22の一端部に形成され、端子24vは、バスバー本体22の延在方向の略中央に形成されている。端子24u,24vは、バスバー本体22から径方向内側に延出されてからステータコア12の軸方向におけるステータコア12から離間する側に延出されている。
曲げ部26は、バスバー本体22の他端部(端子24u側とは反対側の端部)にU字状に形成されている。具体的には、曲げ部26は、バスバー本体22からの延長でステータコア12の周方向に沿って延出されてからステータコア12の軸方向におけるステータコア12から離間する側に延出されて更にステータコア12の周方向における端子24u側に延出されている。端子24wは、曲げ部26の先端部から径方向内側に延出されてからステータコア12の軸方向におけるステータコア12から離間する側に延出されている。端子24u,24v,24wは、各相のステータコイル14u,14v,14wの中性線Nu,Nv,Nwに溶接部を介して電気的に接合される。
バスバー20の曲げ部26には、ステータ10の各相のステータコイル14u,14v,14wの温度を検出するためのサーミスタ(温度センサ)30が曲げ部26に接触するように配置される。ここで、サーミスタ30は、曲げ部26により挟持されるように配置されるものとしてもよいし、曲げ部26にワニスなどの接着剤により接着されるものとしてもよい。
図7は、図6のサーミスタ30周辺を拡大した拡大図であり、図8は、図7のA−A断面の断面図である。サーミスタ30は、図7や図8に示すように、センサケース32と、センサケース32に埋設されるサーミスタ素子(温度検出素子)34および2つの板状部材36と、リード線39とを有する。センサケース32は、例えば樹脂により外形が直方体状に形成されている。2つの板状部材36は、例えば鉄などの磁性体により板状に形成されており、サーミスタ素子34から離間して且つサーミスタ素子34を挟むように配置される。リード線39は、サーミスタ素子34に接続されると共にセンサケース32外に延びており、回転電機を駆動するためのインバータの複数のスイッチング素子をスイッチング制御する電子制御ユニット(図示省略)に接続される。こうして構成されるサーミスタ30は、2つの板状部材36の延在方向(図7における左右方向および上下方向)がバスバー20の曲げ部26の延在方向(図7における左右方向および上下方向)と同一となるように曲げ部26に配置される。
こうしたサーミスタ30は、例えば、以下のように製造される。最初に、図9に示すように、型部材32aと、サーミスタ素子34と、2つの板状部材36とを準備する。ここで、型部材32aは、例えば樹脂により外形が直方体状に形成されており、図9における手前側が開口する直方体状の内部空間を有する。そして、2つの板状部材36を、型部材32aの図9における左右の内壁にそれぞれ接触するように型部材32a内に挿入すると共に、サーミスタ素子34を、図9における左右方向の略中央となる(2つの板状部材36との距離が略等しくなる)ように型部材32a内に挿入し(図9における一点鎖線の矢印参照)、その後に型部材32a内に樹脂(例えば、型部材32aと同一材料)を充填する。これにより、サーミスタ素子34および2つの板状部材36がセンサケース32に埋設される。そして、2つの板状部材36とサーミスタ素子34やバスバー20との絶縁性を確保することができる。
図10および図11は、バスバー20に電流Ibが流れるときの様子を示す説明図である。本実施形態のステータ10およびロータを備える回転電機では、インバータから三相交流電力が供給されて回転電機が駆動される際に、バスバー20(バスバー本体22および曲げ部26)に図10および図11に示す向きの電流Ibが流れ且つ増加すると、右ねじの法則により、バスバー20の周囲に図10および図11に示す向きの磁束Bbが増加する。そして、この磁束Bが2つの板状部材36を鎖交すると、2つの板状部材36に示す向きの渦電流Ieが生じ、渦電流損(鉄損)により板状部材36周辺の温度(サーミスタ30の温度)が上昇する。
言い換えると、渦電流損(鉄損)により板状部材36周辺の温度を上昇させるためには、バスバー20に電流Ibが流れてその周囲に磁束Bbが発生するときにその磁束Bbが板状部材36を鎖交するように(具体的には、2つの板状部材36の延在方向(図10における左右方向および上下方向)がバスバー20の曲げ部26の延在方向(図10における左右方向および上下方向)と同一となり且つ板状部材36の表面積が最大の面(図11における左右側の面)とバスバー20に流れる電流Ibにより生じる磁束Bbとが直交するように)サーミスタ20を配置する必要がある。
実施形態では、2つの板状部材36を備えるサーミスタ30を用いることにより、板状部材36を備えないサーミスタ30Bを用いる比較形態に比して以下の効果を奏する。比較形態のサーミスタ30Bを用いる場合、ステータ10およびロータを備える回転電機が駆動されるときにおいて、サーミスタ素子34の受熱対象はバスバー20(バスバー本体22および曲げ部26)であり、サーミスタ素子34の感度は、ステータ10の主要発熱源である銅損(各相のステータコイル14u,14v,14wやバスバー20などで発生する損失)による発熱に対してはある程度良好であるものの、鉄損(ステータコア12などで発生する損失)による発熱に対してはそれほど良好でない。回転電機が高回転数領域で駆動される場合、銅損および鉄損のうち鉄損が支配的になることから、比較形態のサーミスタ30Bを用いる場合、サーミスタ素子34の測温精度、具体的には、各相のステータコイル14u,14v,14wのステータコイルのうち最も温度が高くなる部分(一般には、最内周側のステータコイル)の実温度に対する測温精度が低くなりやすい。ここで、最内周側のステータコイルの温度が最も高くなりやすいのは、高回転数領域で鉄損(ステータコア12などで発生する損失)による発熱の影響を最も受けやすいためである。また、最内周側のステータコイルの周辺にサーミスタ30Bを配置するのは、スペースの関係から困難である。回転電機の保護のためには、サーミスタ素子34の測温精度が低いほど、回転電機の駆動制限を厳しくしたり、回転電機を冷却する冷却装置の冷却性能を高くしたりする必要が生じる。これらを踏まえて、実施形態では、2つの板状部材36を備えるサーミスタ30を用いるものとした。これにより、サーミスタ素子34の受熱対象が銅損および鉄損(2つの板状部材36の渦電流損など)による発熱となり、サーミスタ素子34の測温精度、特に、回転電機が高回転数領域で駆動される場合のサーミスタ素子34の測温精度を向上させることができる。なお、2つの板状部材36の厚さや面積により、渦電流損(鉄損)による板状部材36周辺の温度上昇の程度が異なることから、これらについては、サーミスタ素子34の検出温度と各相のステータコイル14u,14v,14wのうち最も高くなる部分の温度との関係を予め実験や解析により求めて、両者のずれが小さくなるように設計するのが好ましい。
また、実施形態では、サーミスタ30をバスバー20のU字状の曲げ部26に配置することにより、バスバー20の直線部などに配置するものに比して、サーミスタ30の2つの板状部材36を鎖交する磁束Bb(図10および図11参照)を多くして、鉄損(2つの板状部材36の渦電流損など)による発熱をより大きくすることができ、2つの板状部材36周辺の温度(サーミスタ30の温度)をより上昇させることができる。これにより、サーミスタ素子34の測温精度をより向上させることができる。
さらに、実施形態では、サーミスタ30が2つの板状部材36を備えることにより、1つの板状部材36だけを備える場合に比して、鉄損(2つの板状部材36の渦電流損など)による発熱をより大きくすることができ、サーミスタ30の温度をより上昇させることができる。これにより、サーミスタ素子34の測温精度をより向上させることができる。
加えて、実施形態では、サーミスタ30をバスバー20に接触するように配置することにより、各相のステータコイル14u,14v,14wのうちの何れかに接触するように配置するものに比して、インバータの異常などによりステータ10の各相のステータコイル14u,14v,14wのうちの何れか2つにだけ電流が流れる場合でも、サーミスタ素子34の測温精度が低くなるのを抑制することができる。これは、各相のステータコイル14u,14v,14wのうちの何れか2つにだけ電流が流れる場合でも、バスバー20には電流が流れ、銅損が生じるためである。
上述の実施形態では、サーミスタ30は、2つの板状部材36を備えるものとしたが、1つの板状部材36だけを備えるものとしてもよい。
上述の実施形態では、サーミスタ30は、バスバー20のU字状の曲げ部26に接触するように配置されるものとした。しかし、サーミスタ30は、バスバー20のL字状の部分、例えば、図12に示すように、端子24wのL字状の部分に配置されるものとしてもよい。
上述の実施形態では、サーミスタ30は、バスバー20に接触するように配置されるものとした。しかし、サーミスタ30は、バスバー20以外の部分、例えば、各相のステータコイル14u,14v,14wのうちの何れかに接触するように配置されるものとしてもよい。
上述の実施形態では、各相のステータコイル14u,14v,14wは、ステータコア12に分布巻により巻回されるものとした。しかし、各相のステータコイル14u,14v,14wは、ステータコア12に集中巻により巻回されるものとしてもよい。
以上説明したように、本開示の回転電機のステータは、ステータコア(12)と、前記ステータコア(12)に巻回される複数相のステータコイル(14u,14v,14w)および前記複数相のステータコイル(14u,14v,14w)の中性点を形成する中性点形成部材(20)を有する導電部材(13)と、前記導電部材(13)に接触するように配置される温度センサ(30)と、を備える回転電機のステータ(10)であって、前記温度センサ(30)は、温度を検出する温度検出素子(34)と、前記導電部材(13)に流れる電流により生じる磁束が鎖交するように配置される磁性体(36)とを有することを要旨とする。
本開示の回転電機のステータでは、温度センサは、導電部材に接触するように配置され、温度を検出する温度検出素子と、導電部材に流れる電流により生じる磁束が鎖交するように配置される磁性体とを有する。導電部材に流れる電流により生じる磁束が磁性体を鎖交すると、磁性体に渦電流が流れて鉄損が生じ、その周辺の温度が上昇する。これにより、温度検出素子の受熱対象が導電部材(銅損)および磁性体(鉄損)による発熱となり、温度検出素子の測温精度、具体的には、複数相のステータコイルのうち最も温度が高くなる部分(一般には、最内周側のステータコイル)の実温度に対する測温精度を向上させることができる。
本開示の回転電機のステータにおいて、前記温度センサ(30)は、前記温度検出素子(34)と前記磁性体(36)とが互いに離間してセンサケース(32)に埋設されて構成されているものとしてもよい。こうすれば、磁性体と温度検出素子や導電部材との絶縁性を確保することができる。
本開示の回転電機のステータにおいて、前記磁性体は、板状に形成され、前記導電部材の延在方向と前記磁性体の延在方向とが同一となり且つ前記磁性体の表面積が最大の面と前記導電部材に流れる電流により生じる磁束とが直交するように配置されるものとしてもよい。こうすれば、磁性体による発熱を大きくすることができる。
本開示の回転電機のステータにおいて、前記導電部材(13)は、U字状の曲げ部(26)を有し、前記温度センサ(30)は、前記曲げ部(26)に接触するように配置されるものとしてもよい。この場合、前記温度センサ(30)は、前記導電部材(13)に流れる電流により生じる磁束が鎖交するように且つ前記温度検出素子(34)を挟んで配置される一対の前記磁性体(36)を有するものとしてもよい。これらのようにすれば、温度センサを導電部材の直線部に接触するように配置するものに比して、磁性体による発熱をより大きくすることができる。
本開示の回転電機のステータにおいて、前記導電部材(13)は、L字状の曲げ部を有し、前記温度センサ(30)は、前記曲げ部(26)に接触するように配置されるものとしてもよい。こうすれば、温度センサを導電部材の直線部に接触するように配置するものに比して、磁性体による発熱をより大きくすることができる。
本開示の回転電機のステータにおいて、前記温度センサは、前記中性点形成部材(20)に接触するように配置されるものとしてもよい。こうすれば、複数相のステータコイルのうち一部の相のステータコイルに電流が流れないときでも、温度検出素子の測温制度が低くなるのを抑制することができる。
以上、本開示を実施するための形態について説明したが、本開示はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本開示は、回転電機のステータの製造産業などに利用可能である。
10 ステータ、12 ステータコア、13 導電部材、15,17 コイルエンド部、14u,14v,14w ステータコイル、18 セグメントコイル、19 脚部、19t 先端部、20 バスバー、22 バスバー本体、24u,24v,24w 端子、26 曲げ部、30,30B サーミスタ、32 センサケース、32a 型部材、34 サーミスタ素子、35 サーミスタ素子、36 板状部材、40 モールド部。
Claims (7)
- ステータコアと、前記ステータコアに巻回される複数相のステータコイルおよび前記複数相のステータコイルの中性点を形成する中性点形成部材を有する導電部材と、前記導電部材に接触するように配置される温度センサと、を備える回転電機のステータであって、
前記温度センサは、温度を検出する温度検出素子と、前記導電部材に流れる電流により生じる磁束が鎖交するように配置される磁性体とを有する、
回転電機のステータ。 - 請求項1記載の回転電機のステータであって、
前記温度センサは、前記温度検出素子と前記磁性体とが互いに離間してセンサケースに埋設されて構成されている、
回転電機のステータ。 - 請求項1または2記載の回転電気のステータであって、
前記磁性体は、板状に形成され、前記導電部材の延在方向と前記磁性体の延在方向とが同一となり且つ前記磁性体の表面積が最大の面と前記導電部材に流れる電流により生じる磁束とが直交するように配置される、
回転電機のステータ。 - 請求項1ないし3のうちの何れか1つの請求項に記載の回転電機のステータであって、
前記導電部材は、U字状の曲げ部を有し、
前記温度センサは、前記曲げ部に接触するように配置される、
回転電機のステータ。 - 請求項4記載の回転電機のステータであって、
前記温度センサは、前記導電部材に流れる電流により生じる磁束が鎖交するように且つ前記温度検出素子を挟んで配置される一対の前記磁性体を有する、
回転電機のステータ。 - 請求項1ないし3のうちの何れか1つの請求項に記載の回転電機のステータであって、
前記導電部材は、L字状の曲げ部を有し、
前記温度センサは、前記曲げ部に接触するように配置される、
回転電機のステータ。 - 請求項1ないし6のうちの何れか1つの請求項に記載の回転電機のステータであって、
前記温度センサは、前記中性点形成部材に接触するように配置される、
回転電機のステータ。
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JP2020007645A JP2021114877A (ja) | 2020-01-21 | 2020-01-21 | 回転電機のステータ |
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