JP2021111704A - 電磁波シールド材、電磁波シールド筐体及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】PET樹脂フィルムなどの安価な樹脂フィルムを用いることができ、温間加工時に成形性が低下し難い電磁波シールド材、電磁波シールド筐体及びその製造方法を提供する。【解決手段】金属箔11と、樹脂フィルム12と、金属箔11と樹脂フィルム12との間に設けられた接着剤層13とを備える電磁波シールド材10である。この電磁波シールド材10は、接着剤層13が耐熱フィラー14を含む。【選択図】図1
Description
本開示は、電磁波シールド材、電磁波シールド筐体及びその製造方法に関する。
電気自動車やハイブリッド自動車といった二次電池を搭載した環境配慮型自動車では、搭載した二次電池から発生する直流電流を、インバータを介して交流電流に変換した後、必要な電力を交流モータに供給し、駆動力を得る方式を採用するものが多く、インバータのスイッチング動作などに起因して電磁波が発生する。電磁波は、車載の音響機器や無線機器等の受信障害となることから、インバータなどを金属製の筐体内に収容して、電磁波シールドするという対策が行われている。
しかしながら、金属製の筐体は、電磁波シールド特性が良好であるものの、重いため燃費が低下するとともに、コストも増大する。そこで、金属製の筐体に代わる電磁波シールド筐体の開発が望まれている。
しかしながら、金属製の筐体は、電磁波シールド特性が良好であるものの、重いため燃費が低下するとともに、コストも増大する。そこで、金属製の筐体に代わる電磁波シールド筐体の開発が望まれている。
また、通信機器、ディスプレイ及び医療機器などの多くの電気・電子機器においても、電磁波が発生する。この電磁波は、他の電気・電子機器の誤作動を引き起こす可能性があり、場合によっては人体に対する影響も懸念される。そのため、電磁波シールド材を用いて電磁波の影響を軽減する各種技術が開発されている。例えば、特許文献1には、電磁波シールド材として銅張積層板を用い、この銅張積層板と熱可塑性樹脂とを一液型エポキシ系接着剤層を介して一体的に成形してなる電磁波シールド成形体が提案されている。また、特許文献2には、金属箔と樹脂シート(フィルム)とを熱圧着させた積層体を電磁波シールド材として用い、インサート成形やインモールド成形によって電磁波シールド材と樹脂製筐体とを一体成形した電磁波シールド筐体を得る方法も提案されている。
近年、電磁波シールド筐体に対するコスト削減の要求に伴い、電磁波シールド材に用いられる樹脂フィルムとしてPET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂フィルムなどの安価な材料を用いることが検討されている。このような樹脂フィルムは、金属箔と熱圧着させ難いため、これらの接着性を確保するためには接着剤を用いて接着させる必要がある。
しかしながら、このような樹脂フィルムと金属箔とを接着剤を用いて接着させた電磁波シールド材を、常温にて成形した後、筐体用樹脂を射出成形する方法(例えば、インサート成形やインモールド成形など)によって筐体と一体成形すると、スプリングバックが生じる。また、スプリングバックを改善する手法として温間で成形する手法が挙げられるが、温間成形では電磁波シールド材の成形性が低下するという問題がある。
しかしながら、このような樹脂フィルムと金属箔とを接着剤を用いて接着させた電磁波シールド材を、常温にて成形した後、筐体用樹脂を射出成形する方法(例えば、インサート成形やインモールド成形など)によって筐体と一体成形すると、スプリングバックが生じる。また、スプリングバックを改善する手法として温間で成形する手法が挙げられるが、温間成形では電磁波シールド材の成形性が低下するという問題がある。
本発明の実施形態は、上記のような問題を解決するためになされたものであり、PET樹脂フィルムなどの安価な樹脂フィルムを用いることができ、温間加工時に成形性が低下し難い電磁波シールド材、電磁波シールド筐体及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の問題を解決すべく鋭意研究を行った結果、温間加工時における成形性の低下が、加熱時に樹脂フィルムが金属箔と剥離することに起因しているという知見を得た。この知見に基づき、金属箔と樹脂フィルムとの間に設けられる接着剤層に耐熱フィラーを含有させることにより、加熱によって樹脂フィルムが金属箔と剥離し難くなり、温間加工時の成形性の低下を抑制し得ることを見出し、本発明の実施形態を完成するに至った。
すなわち、本発明の実施形態は、金属箔と、樹脂フィルムと、前記金属箔と前記樹脂フィルムとの間に設けられた接着剤層とを備える電磁波シールド材であって、
前記接着剤層が耐熱フィラーを含む電磁波シールド材に関する。
前記接着剤層が耐熱フィラーを含む電磁波シールド材に関する。
また、本発明の実施形態は、樹脂製筐体と、前記樹脂製筐体の内面及び/又は外面に設けられた電磁波シールド部とを備える電磁波シールド筐体であって、
前記電磁波シールド部が、前記電磁波シールド材から形成されており、
前記電磁波シールド材の前記樹脂フィルムが、前記樹脂製筐体側に配置されている電磁波シールド筐体に関する。
前記電磁波シールド部が、前記電磁波シールド材から形成されており、
前記電磁波シールド材の前記樹脂フィルムが、前記樹脂製筐体側に配置されている電磁波シールド筐体に関する。
また、本発明の実施形態は、前記電磁波シールド材を射出成形用金型の内面に沿った形状に温間成形して電磁波シールド部を作製する工程と、
前記電磁波シールド部の前記樹脂フィルムが射出口側に位置するように前記射出成形用金型に配置する工程と、
溶融した筐体用樹脂を前記射出成形用金型内に射出して固化させることにより、樹脂製筐体と前記電磁波シールド部とを一体化する工程と
を含む電磁波シールド筐体の製造方法に関する。
前記電磁波シールド部の前記樹脂フィルムが射出口側に位置するように前記射出成形用金型に配置する工程と、
溶融した筐体用樹脂を前記射出成形用金型内に射出して固化させることにより、樹脂製筐体と前記電磁波シールド部とを一体化する工程と
を含む電磁波シールド筐体の製造方法に関する。
さらに、本発明の実施形態は、前記電磁波シールド材を、前記樹脂フィルムが射出口側となるようにして射出成形用金型に配置する工程と、
前記電磁波シールド材を前記射出成形用金型内で予備温間成形する工程と、
溶融した筐体用樹脂を前記射出成形用金型内に射出して固化させることにより、電磁波シールド部の形成及び樹脂製筐体と前記電磁波シールド部との一体化を行う工程と
を含む電磁波シールド筐体の製造方法に関する。
前記電磁波シールド材を前記射出成形用金型内で予備温間成形する工程と、
溶融した筐体用樹脂を前記射出成形用金型内に射出して固化させることにより、電磁波シールド部の形成及び樹脂製筐体と前記電磁波シールド部との一体化を行う工程と
を含む電磁波シールド筐体の製造方法に関する。
本発明の実施形態によれば、PET樹脂フィルムなどの安価な樹脂フィルムを用いることができ、温間加工時に成形性が低下し難い電磁波シールド材、電磁波シールド筐体及びその製造方法を提供することができる。
以下、本発明の好適な実施形態について具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されて解釈されるべきものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々の変更、改良などを行うことができる。この実施形態に開示されている複数の構成要素は、適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、この実施形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよいし、異なる実施形態の構成要素を適宜組み合わせてもよい。
図1は、本発明の実施形態に係る電磁波シールド材の断面図である。
図1に示されるように、本発明の実施形態に係る電磁波シールド材10は、金属箔11と、樹脂フィルム12と、金属箔11と樹脂フィルム12との間に設けられた接着剤層13とを備える。
図1に示されるように、本発明の実施形態に係る電磁波シールド材10は、金属箔11と、樹脂フィルム12と、金属箔11と樹脂フィルム12との間に設けられた接着剤層13とを備える。
接着剤層13は耐熱フィラー14を含む。耐熱フィラー14を接着剤層13に含有させることにより、接着剤層13の軟化が抑制され、耐熱性が向上する。そのため、加熱によって樹脂フィルム12が金属箔11と剥離し難くなり、温間加工時の成形性が低下し難い電磁波シールド材を得ることができる。
接着剤層13に用いられる接着剤としては、特に限定されず、熱可塑性接着剤や熱硬化性接着剤を用いることができる。その中でも熱硬化性接着剤は、加熱によって軟化し難く、電磁波シールド材の温間加工時に成形性が低下することを抑制する効果を高めることができるため好ましい。また、熱硬化性接着剤は、化学的に安定であるため、接着剤層13の経時変化を起こり難くすることもできる。
ここで、熱可塑性接着剤とは、加熱すると軟化し、冷却すると硬化する熱可塑性樹脂を主成分とする接着剤を意味する。熱可塑性樹脂としては、特に限定されないが、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、α−オレフィン系樹脂、セルロース系樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセタールなどが挙げられる。これらは、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、熱硬化性接着剤とは、加熱すると硬化する熱硬化性樹脂を主成分とする接着剤を意味する。熱硬化性樹脂としては、特に限定されないが、ユリア樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、レゾルシノール樹脂、エポキシ樹脂、構造用アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂などが挙げられる。これらは、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
ここで、熱可塑性接着剤とは、加熱すると軟化し、冷却すると硬化する熱可塑性樹脂を主成分とする接着剤を意味する。熱可塑性樹脂としては、特に限定されないが、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、α−オレフィン系樹脂、セルロース系樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセタールなどが挙げられる。これらは、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、熱硬化性接着剤とは、加熱すると硬化する熱硬化性樹脂を主成分とする接着剤を意味する。熱硬化性樹脂としては、特に限定されないが、ユリア樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、レゾルシノール樹脂、エポキシ樹脂、構造用アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂などが挙げられる。これらは、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
耐熱フィラー14としては、特に限定されず、耐熱性を有する各種フィラーを用いることができる。その中でも、接着剤層13における安定性の観点から、耐熱フィラー14として無機フィラーを用いることが好ましい。
無機フィラーとしては、アルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニア、マグネシア、イットリアなどの無機酸化物の粉末、炭素粉末、セラミックス粉末、ガラス粉末などを用いることができる。これらは、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。また、これらの中でも、コスト面から、炭素粉末を用いることが好ましい。
無機フィラーとしては、アルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニア、マグネシア、イットリアなどの無機酸化物の粉末、炭素粉末、セラミックス粉末、ガラス粉末などを用いることができる。これらは、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。また、これらの中でも、コスト面から、炭素粉末を用いることが好ましい。
接着剤層13における耐熱フィラー14の含有量は、特に限定されないが、好ましくは5〜40体積%である。耐熱フィラー14の含有量を5体積%以上とすることにより、耐熱フィラー14による効果を十分に得ることができる。また、耐熱フィラー14の含有量を40質量%以下とすることにより、接着剤層13による接着機能を十分に確保することができる。
金属箔11の材料としては、特に限定されず、各種金属を用いることができる。その中でも交流磁界や交流電界に対するシールド特性を高める観点からは、導電性に優れた金属を用いることができる。具体的には、金属箔11に用いられる金属の導電率が、好ましくは1.0×106S/m(20℃の値、以下同じ)以上、より好ましくは10.0×106S/m以上、さらに好ましくは30.0×106S/m以上、最も好ましくは50.0×106S/m以上である。このような導電性に優れた金属としては、導電率が約9.9×106S/mの鉄、導電率が約14.5×106S/mのニッケル、導電率が約39.6×106S/mのアルミニウム、導電率が約58.0×106S/mの銅、導電率が約61.4×106S/mの銀などが挙げられる。これらの中でも導電率及びコストの双方を考慮すると、アルミニウム又は銅を採用することが実用性上好ましい。また、上述した金属の合金を金属箔11に用いてもよい。
金属箔11は、単数であっても複数であってもよい。金属箔11が複数である場合、金属箔11と樹脂フィルム12とが交互に積層され、それらの間に接着剤層13が配置される。また、金属箔11が複数である場合、複数の金属箔11は同一であっても異なっていてもよい。
金属箔11の表面には接着促進、耐環境性、耐熱及び防錆などを目的とした各種の表面処理層が形成されていてもよい。
例えば、金属面が最外層となる場合に必要とされる耐環境性、耐熱性を高めることを目的として、Auめっき、Agめっき、Snめっき、Niめっき、Znめっき、Sn合金めっき(Sn−Ag、Sn−Ni、Sn−Cuなど)、クロメート処理などを行うことができる。これらの処理は、複数を組み合わせて行ってもよい。また、これらの処理の中でも、コスト面から、SnめっきあるいはSn合金めっきを行うことが好ましい。
また、金属箔11と樹脂フィルム12との間の接着性を高めることを目的として、クロメート処理、粗化処理、Niめっきなどを施してもよい。これらの処理は、複数を組み合わせてもよい。また、これらの処理の中でも、粗化処理は接着性を高める効果が高いため好ましい。
さらに、直流磁界に対するシールド効果を高めることを目的として、比透磁率の高い金属層を金属箔11の表面に設けてもよい。比透磁率の高い金属層としてはFe−Ni合金めっき、Niめっきなどが挙げられる。
例えば、金属面が最外層となる場合に必要とされる耐環境性、耐熱性を高めることを目的として、Auめっき、Agめっき、Snめっき、Niめっき、Znめっき、Sn合金めっき(Sn−Ag、Sn−Ni、Sn−Cuなど)、クロメート処理などを行うことができる。これらの処理は、複数を組み合わせて行ってもよい。また、これらの処理の中でも、コスト面から、SnめっきあるいはSn合金めっきを行うことが好ましい。
また、金属箔11と樹脂フィルム12との間の接着性を高めることを目的として、クロメート処理、粗化処理、Niめっきなどを施してもよい。これらの処理は、複数を組み合わせてもよい。また、これらの処理の中でも、粗化処理は接着性を高める効果が高いため好ましい。
さらに、直流磁界に対するシールド効果を高めることを目的として、比透磁率の高い金属層を金属箔11の表面に設けてもよい。比透磁率の高い金属層としてはFe−Ni合金めっき、Niめっきなどが挙げられる。
金属箔11として銅箔を用いる場合、シールド性能を向上させる観点から、純度が高いものが好ましく、純度は好ましくは99.5質量%以上、より好ましくは99.8質量%以上である。
銅箔としては、圧延銅箔、電解銅箔、メタライズによる銅箔などを用いることができるが、屈曲性及び成形加工性に優れた圧延銅箔が好ましい。銅箔中に合金元素を添加して銅合金箔とする場合、これらの元素と不可避的不純物との合計含有量が0.5質量%未満であればよい。特に、銅箔中に、Sn、Mn、Cr、Zn、Zr、Mg、Ni、Si、及びAgの群から選ばれる少なくとも1種以上を合計で200〜2000質量ppm含有すると、同じ厚みの純銅箔より伸びが向上するので好ましい。
銅箔としては、圧延銅箔、電解銅箔、メタライズによる銅箔などを用いることができるが、屈曲性及び成形加工性に優れた圧延銅箔が好ましい。銅箔中に合金元素を添加して銅合金箔とする場合、これらの元素と不可避的不純物との合計含有量が0.5質量%未満であればよい。特に、銅箔中に、Sn、Mn、Cr、Zn、Zr、Mg、Ni、Si、及びAgの群から選ばれる少なくとも1種以上を合計で200〜2000質量ppm含有すると、同じ厚みの純銅箔より伸びが向上するので好ましい。
金属箔11の厚さは、特に限定されないが、一枚当たり、好ましくは4μm以上、より好ましくは10μm以上、更に好ましくは15μm以上、更に好ましくは20μm以上、更に好ましくは25μm以上、特に好ましくは30μm以上である。また、金属箔11の厚さは、一枚当たり、好ましくは100μm以下、より好ましくは50μm以下、更に好ましくは45μm以下、特に好ましくは40μm以下である。金属箔11の厚さを4μm以上とすることにより、金属箔11の延性を確保することができるため、電磁波シールド材10の成形加工性を向上させることができる。また、金属箔11の厚さを4μm以上とすることにより、一枚でも良好な電磁波シールド効果を得ることができるため、金属箔11の枚数を低減できるため、製造コストの削減につながる。一方、金属箔11の厚さを100μm以下とすることにより、成形加工性の低下を抑えることができる。
樹脂フィルム12の材料としては、特に限定されないが、金属箔11と熱圧着し難い樹脂であることが好ましい。このような樹脂としては、PET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂、PE(ポリエチレン)樹脂、PP(ポリプロピレン)樹脂、PA(ポリアミド)樹脂などが挙げられる。これらの中でも安価なPET樹脂が好ましい。
樹脂フィルム12は、単数であっても複数であってもよい。樹脂フィルム12が複数である場合、金属箔11と樹脂フィルム12とが交互に積層され、それらの間に接着剤層13が配置される。また、樹脂フィルム12が複数である場合、複数の樹脂フィルム12は同一であっても異なっていてもよい。
樹脂フィルム12の厚さは、特に限定されないが、一枚当たり、好ましくは4μm以上、より好ましくは7μm以上、更に好ましくは10μm以上、更に好ましくは20μm以上、更に好ましくは40μm以上、更に好ましくは80μm以上、特に好ましくは100μm以上である。また、樹脂フィルム12の厚さは、一枚当たり、好ましくは600μm以下、より好ましくは500μm以下である。樹脂フィルム12の厚さを4μm以上とすることにより、電磁波シールド材10の(伸び)破断歪を確保することができる。また、樹脂フィルム12の厚さを600μm以下とすることにより、電磁波シールド材10の(伸び)破断歪の低下を抑制することができる。
本発明の実施形態に係る電磁波シールド材10は、金属箔11と樹脂フィルム12との間が接着剤層13によって接着された積層構造を有する。金属箔11及び樹脂フィルム12が複数用いられる場合、この積層構造が複数形成される。
電磁波シールド材10は、樹脂製筐体の内面及び/又は外面と接合させるために、樹脂製筐体との接合面を形成する層が樹脂フィルム12となることが好ましい。このような積層構造を有する電磁波シールド材10の例としては、以下が挙げられる。
(1)金属箔11/接着剤層13/樹脂フィルム12(樹脂製筐体と接する層)
(2)樹脂フィルム12/接着剤層13/金属箔11/接着剤層13/樹脂フィルム12(樹脂製筐体と接する層)
(3)金属箔11/接着剤層13/樹脂フィルム12/接着剤層13/金属箔11/接着剤層13/樹脂フィルム12(樹脂製筐体と接する層)
(4)樹脂フィルム12/接着剤層13/金属箔11/接着剤層13/樹脂フィルム12/接着剤層13/金属箔11/接着剤層13/樹脂フィルム12(樹脂製筐体と接する層)
(5)金属箔11/接着剤層13/樹脂フィルム12/接着剤層13/金属箔11/接着剤層13/樹脂フィルム12/接着剤層13/金属箔11/接着剤層13/樹脂フィルム12(樹脂製筐体と接する層)
(6)樹脂フィルム12/接着剤層13/金属箔11/接着剤層13/樹脂フィルム12/接着剤層13/金属箔11/接着剤層13/樹脂フィルム12/接着剤層13/金属箔11/接着剤層13/樹脂フィルム12(樹脂製筐体と接する層)
電磁波シールド材10は、樹脂製筐体の内面及び/又は外面と接合させるために、樹脂製筐体との接合面を形成する層が樹脂フィルム12となることが好ましい。このような積層構造を有する電磁波シールド材10の例としては、以下が挙げられる。
(1)金属箔11/接着剤層13/樹脂フィルム12(樹脂製筐体と接する層)
(2)樹脂フィルム12/接着剤層13/金属箔11/接着剤層13/樹脂フィルム12(樹脂製筐体と接する層)
(3)金属箔11/接着剤層13/樹脂フィルム12/接着剤層13/金属箔11/接着剤層13/樹脂フィルム12(樹脂製筐体と接する層)
(4)樹脂フィルム12/接着剤層13/金属箔11/接着剤層13/樹脂フィルム12/接着剤層13/金属箔11/接着剤層13/樹脂フィルム12(樹脂製筐体と接する層)
(5)金属箔11/接着剤層13/樹脂フィルム12/接着剤層13/金属箔11/接着剤層13/樹脂フィルム12/接着剤層13/金属箔11/接着剤層13/樹脂フィルム12(樹脂製筐体と接する層)
(6)樹脂フィルム12/接着剤層13/金属箔11/接着剤層13/樹脂フィルム12/接着剤層13/金属箔11/接着剤層13/樹脂フィルム12/接着剤層13/金属箔11/接着剤層13/樹脂フィルム12(樹脂製筐体と接する層)
なお、(1)〜(6)においては、一つの「金属箔11」は樹脂フィルム12を介することなく複数の金属箔11を積層してもよく、一つの「樹脂フィルム12」も金属箔11を介することなく複数の樹脂フィルム12を積層してもよい。この場合、複数の金属箔11の間、及び複数の樹脂フィルム12の間は、接着剤層13によって接着させればよい。
また、成形加工性の観点からは、電磁波シールド材10を構成する金属箔11は樹脂フィルム12に両面が挟まれていることが好ましい。金属箔11の両面が樹脂フィルム12で挟まれるように構成することにより、成形加工時の金属箔11の破断防止効果を高くすることができる。
また、成形加工性の観点からは、電磁波シールド材10を構成する金属箔11は樹脂フィルム12に両面が挟まれていることが好ましい。金属箔11の両面が樹脂フィルム12で挟まれるように構成することにより、成形加工時の金属箔11の破断防止効果を高くすることができる。
本発明の実施形態に係る電磁波シールド筐体は、樹脂製筐体と、樹脂製筐体の内面及び/又は外面に設けられた電磁波シールド部とを備えている。筐体を樹脂製とすることにより、軽量化を図ることができる。
電磁波シールド部は、上記の電磁波シールド材10から形成されており、電磁波シールド材10の樹脂フィルム12が、樹脂製筐体側に配置されている。電磁波シールド材10の樹脂フィルム12を樹脂製筐体側に配置することにより、樹脂製筐体と電磁波シールド部との接合強度を確保することができる。
電磁波シールド部は、上記の電磁波シールド材10から形成されており、電磁波シールド材10の樹脂フィルム12が、樹脂製筐体側に配置されている。電磁波シールド材10の樹脂フィルム12を樹脂製筐体側に配置することにより、樹脂製筐体と電磁波シールド部との接合強度を確保することができる。
上記のような構造を有する電磁波シールド筐体は、例えば、インサート成形やインモールド成形によって製造される。
なお、筐体の本体に使用される樹脂(以下、「筐体用樹脂」という)は、強度確保の観点から、相当の厚みが必要であり、圧空成形や真空成形することは困難である。
なお、筐体の本体に使用される樹脂(以下、「筐体用樹脂」という)は、強度確保の観点から、相当の厚みが必要であり、圧空成形や真空成形することは困難である。
筐体用樹脂としては、筐体の本体と電磁波シールド部との間の接合強度を確保する観点から、電磁波シールド材10の樹脂フィルム12と同一種の樹脂、つまりモノマー同士を結合する部分の化学構造が共通する樹脂とすることが好ましい。例えば、筐体の本体と接合される電磁波シールド材10の樹脂フィルム12が、エステル結合によってモノマー同士を結合するポリエステルフィルムであれば、筐体用樹脂もポリエステルであることが好ましい。但し、炭素繊維、ガラス繊維及びアラミド繊維などの繊維強化材などの添加剤の配合の有無の違いは問われない。
筐体用樹脂は、電磁波シールド材10の樹脂フィルム12と共通のモノマー単位を有することが好ましい。例えば、筐体の本体と接合される電磁波シールド材10の樹脂フィルム12がPET樹脂フィルムであれば、筐体用樹脂もPET樹脂であることが好ましい。
また、接合強度の観点からは、筐体の本体と接合される電磁波シールド材10の樹脂フィルム12の融点は、筐体用樹脂の融点に対して±20℃以内であることが好ましく、±10℃以内であることがより好ましく、±5℃以内であることが更により好ましい。このような融点に制御することで、射出成形時に一体化させ易くなる。
なお、樹脂の融点は、示差走査熱量計によりDSC曲線を作成したときの融解による吸熱ピークを示す温度として定義される。樹脂がポリマーアロイで構成されているなど複数の吸熱ピークを示すときは熱ピークを示す温度のうち最も低温側の温度として定義される。
なお、樹脂の融点は、示差走査熱量計によりDSC曲線を作成したときの融解による吸熱ピークを示す温度として定義される。樹脂がポリマーアロイで構成されているなど複数の吸熱ピークを示すときは熱ピークを示す温度のうち最も低温側の温度として定義される。
筐体の本体を構成する樹脂の厚さは、特に限定されないが、筐体としての強度を確保する観点から、最も薄い箇所でも、好ましくは0.5mm以上、より好ましくは0.8mm以上、更に好ましくは1mm以上である。筐体の本体を構成する樹脂の厚さの上限は、特に限定されないが、軽量化、小型化の観点からは、好ましくは200mm以下、より好ましくは150mm以下、さらに好ましくは100mm以下である。
インサート成形によって電磁波シールド筐体を製造する場合、その製造方法は、電磁波シールド材10を射出成形用金型の内面に沿った形状に温間成形して電磁波シールド部を作製する工程(工程a)と、電磁波シールド部の樹脂フィルム12が射出口側に位置するように射出成形用金型に配置する工程(工程b)と、溶融した筐体用樹脂を射出成形用金型内に射出して固化させることにより、樹脂製筐体と電磁波シールド部とを一体化する工程(工程c)とを含む。
工程aは、電磁波シールド材10を所定の形状に予備温間成形する工程であり、圧空成形又は真空成形によって所望の形状に予備温間成形される。
圧空成形又は真空成形は、電磁波シールド材10を変形させ易くし、金型への追従性を良好にするために、加熱した状態で実施することが望ましい。加熱温度は、特に限定されないが、電磁波シールド材10を構成する樹脂フィルム12の熱変形温度を20℃下回る温度以上であることが好ましく、樹脂フィルム12の熱変形温度を10℃下回る温度以上であることがより好ましく、樹脂フィルム12の熱変形温度以上であることが更に好ましい。一方、加熱温度が高すぎると、樹脂フィルム12の強度が低下しすぎて金属箔11を保持し難くなり、金属箔11が破断し易くなる。そのため、加熱温度は、電磁波シールド材10を構成する樹脂フィルム12の融点を10℃下回る温度以下であることが好ましく、樹脂フィルム12の融点を15℃下回る温度以下であることがより好ましく、樹脂フィルムの融点を20℃下回る温度以下であることが更に好ましい。
圧空成形又は真空成形は、電磁波シールド材10を変形させ易くし、金型への追従性を良好にするために、加熱した状態で実施することが望ましい。加熱温度は、特に限定されないが、電磁波シールド材10を構成する樹脂フィルム12の熱変形温度を20℃下回る温度以上であることが好ましく、樹脂フィルム12の熱変形温度を10℃下回る温度以上であることがより好ましく、樹脂フィルム12の熱変形温度以上であることが更に好ましい。一方、加熱温度が高すぎると、樹脂フィルム12の強度が低下しすぎて金属箔11を保持し難くなり、金属箔11が破断し易くなる。そのため、加熱温度は、電磁波シールド材10を構成する樹脂フィルム12の融点を10℃下回る温度以下であることが好ましく、樹脂フィルム12の融点を15℃下回る温度以下であることがより好ましく、樹脂フィルムの融点を20℃下回る温度以下であることが更に好ましい。
ここで、樹脂の熱変形温度(荷重たわみ温度)はJIS K7191:2007によって規定される温度を意味する。具体的には、ヒートディストーションテスターにより支点間距離64mmの試料台に80mm×20mm、厚さ4mmの試料を配置し、18.6kg/cm2の曲げ荷重を加え、2℃/分で昇温したとき、樹脂フィルム12のたわみが0.34mmとなったときの温度として定義される。
工程bは、予備温間成形された電磁波シールド材10を、その形状に合致したキャビティ面を有する射出成形用金型に配置する工程である。予備温間成形された電磁波シールド材10は、電磁波シールド部の樹脂フィルム12が射出口側に位置するような状態、すなわち、電磁波シールド部の樹脂フィルム12がキャビティ内で露出するように嵌め込んだ状態に配置される。
工程cは、射出成形工程である。溶融した筐体用樹脂を射出成形用金型内に射出する場合、溶融した筐体用樹脂の流動性を向上させるために、当該筐体用樹脂の温度を、好ましくは当該筐体用樹脂の融点以上、より好ましくは当該筐体用樹脂の融点を5℃超える温度以上、更に好ましくは当該筐体用樹脂の融点を10℃超える温度以上とする。また、筐体用樹脂の熱による変質を防ぎ、品質を安定化させるため、当該筐体用樹脂の温度を、好ましくは当該筐体用樹脂の融点を300℃超える温度以下、より好ましくは当該筐体用樹脂の融点を250℃超える温度以下、さらに好ましくは当該筐体用樹脂の融点を200℃超える温度以下とする。
溶融した筐体用樹脂を射出成形用金型内に射出する場合、ボイドなどの内部欠陥を防止するために、射出圧力を好ましくは20MPa以上、より好ましくは25MPa以上、更に好ましくは30MPa以上とする。ただし、圧力を高くしすぎるとバリが発生し易くなることがあるため、射出圧力は、好ましくは400MPa以下、より好ましくは350MPa以下、さらに好ましくは300MPa以下とする。なお、射出圧力は射出成形用金型内に射出された筐体用樹脂にかかる圧力を意味する。
射出された筐体用樹脂の固化は、冷却することによって行われる。冷却は、自然冷却であっても、冷却装置を用いて強制的に冷却してもよい。
工程cの後、射出成形用金型から一体成形品(電磁波シールド筐体)が取り出される。
工程cの後、射出成形用金型から一体成形品(電磁波シールド筐体)が取り出される。
インモールド成形によって電磁波シールド筐体を製造する場合、その製造方法は、電磁波シールド材10を、樹脂フィルム12が射出口側となるようにして射出成形用金型に配置する工程(工程a’)と、電磁波シールド材10を射出成形用金型内で予備温間成形する工程(工程b’)と、溶融した筐体用樹脂を射出成形用金型内に射出して固化させることにより、電磁波シールド部の形成及び樹脂製筐体と電磁波シールド部との一体化を行う工程(工程c’)とを含む。この方法では、予備温間成形(工程b’)及び本成形(工程c’)が同一の射出成形用金型内で行われる。
工程b’では、射出成形用金型の細かな凹凸には追従しないものの、大まかな凹凸に予備温間成形される。
工程c’では、溶融した筐体用樹脂を射出口から射出成形用金型に射出し、その射出圧力により電磁波シールド材10を射出成形用金型の細かな凹凸に追従させて本成形する。
工程c’では、溶融した筐体用樹脂を射出口から射出成形用金型に射出し、その射出圧力により電磁波シールド材10を射出成形用金型の細かな凹凸に追従させて本成形する。
溶融した筐体用樹脂を射出成形用金型内に射出する場合、溶融した筐体用樹脂の流動性を向上させるために、当該筐体用樹脂の温度を、好ましくは当該筐体用樹脂の融点以上、より好ましくは当該筐体用樹脂の融点を5℃超える温度以上、更に好ましくは当該筐体用樹脂の融点を10℃超える温度以上とする。また、筐体用樹脂の熱による変質を防ぎ、品質を安定化させるため、当該筐体用樹脂の温度を、好ましくは当該筐体用樹脂の融点を300℃超える温度以下、より好ましくは当該筐体用樹脂の融点を250℃超える温度以下、さらに好ましくは当該筐体用樹脂の融点を200℃超える温度以下とする。
溶融した筐体用樹脂を射出成形用金型内に射出する場合、ボイドなどの内部欠陥を防止するために、射出圧力を好ましくは20MPa以上、より好ましくは25MPa以上、更に好ましくは30MPa以上とする。ただし、圧力を高くしすぎるとバリが発生し易くなることがあるため、射出圧力は、好ましくは400MPa以下、より好ましくは350MPa以下、さらに好ましくは300MPa以下とする。なお、射出圧力は射出成形用金型内に射出された筐体用樹脂にかかる圧力を意味する。
射出された筐体用樹脂の固化は、冷却することによって行われる。冷却は、自然冷却であっても、冷却装置を用いて強制的に冷却してもよい。
工程c’の後、射出成形用金型から一体成形品(電磁波シールド筐体)が取り出される。
工程c’の後、射出成形用金型から一体成形品(電磁波シールド筐体)が取り出される。
インサート成形又はインモールド成形によって得られた一体成形品は、電磁波シールド筐体の一部、例えば下半部であってもよい。この場合、残部、例えば上半部を構成する一体成形品を同様の手順により成形し、両者を連結することにより電磁波シールド筐体を作製することができる。
本発明の実施形態に係る電磁波シールド筐体は、特に電気・電子機器(例えば、インバータ、通信機、共振器、電子管・放電ランプ、電気加熱機器、電動機、発電機、電子部品、印刷回路、医療機器等)を収容することができ、電気・電子機器から放出される電磁波を遮断する用途に適用可能である。
以下、本発明を想定される実施例によって更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
(実施例1)
金属箔として圧延銅箔(20℃での導電率が58.0×106S/m、厚さ17μm)、樹脂フィルムとしてPET樹脂フィルム(厚さ75μm)、接着剤として5質量%の炭素粉末を含む熱硬化性接着剤を準備する。次に、圧延銅箔の表面に、熱硬化性接着剤を塗布し、その塗布面にPET樹脂フィルムを貼り付けた後、加熱して熱硬化性接着剤を硬化させることにより、電磁波シールド材を得る。なお、接着剤層の厚さは10μmに設定する。
金属箔として圧延銅箔(20℃での導電率が58.0×106S/m、厚さ17μm)、樹脂フィルムとしてPET樹脂フィルム(厚さ75μm)、接着剤として5質量%の炭素粉末を含む熱硬化性接着剤を準備する。次に、圧延銅箔の表面に、熱硬化性接着剤を塗布し、その塗布面にPET樹脂フィルムを貼り付けた後、加熱して熱硬化性接着剤を硬化させることにより、電磁波シールド材を得る。なお、接着剤層の厚さは10μmに設定する。
(実施例2)
接着剤として40質量%の炭素粉末を含む熱可塑性接着剤を用いること以外は実施例1と同様にして電磁波シールド材を得る。
接着剤として40質量%の炭素粉末を含む熱可塑性接着剤を用いること以外は実施例1と同様にして電磁波シールド材を得る。
(比較例1)
接着剤として炭素粉末を含まない熱硬化性接着剤を用いること以外は実施例1と同様にして電磁波シールド材を得る。
接着剤として炭素粉末を含まない熱硬化性接着剤を用いること以外は実施例1と同様にして電磁波シールド材を得る。
(比較例2)
接着剤として炭素粉末を含まない熱可塑性接着剤を用いること以外は実施例1と同様にして電磁波シールド材を得る。
接着剤として炭素粉末を含まない熱可塑性接着剤を用いること以外は実施例1と同様にして電磁波シールド材を得る。
上記で得られる電磁波シールド材を温間成形又は冷間成形した後、筐体用樹脂を射出成形するインサート成形及びインモールド成形を行う。このとき、温間成形又は冷間成形後の成形体における破断の発生の有無、及びスプリングバックの発生の有無を目視にて評価する。インサート成形及びインモールド成形では、筐体用樹脂としてPET樹脂を用い、射出圧力を200MPa、筐体の本体を構成するPET樹脂の厚さを50mmとする。評価は、破断及びスプリングバックが発生するものを×、破断及びスプリングバックが発生しないものを〇とする。その評価は表1の通りである。
表1に示されるように、炭素粉末を含む接着剤を用いる実施例1及び2の電磁波シールド材では、温間成形時に破断せず、スプリングバックも発生しない。これに対して、炭素粉末を含まない接着剤を用いる比較例1及び2の電磁波シールド材では、スプリングバックが発生しないものの、温間成形時に破断する。
したがって、本発明の実施形態によれば、PET樹脂フィルムなどの安価な樹脂フィルムを用いることができ、温間加工時に成形性が低下し難い電磁波シールド材、電磁波シールド筐体及びその製造方法を提供することができる。
10 電磁波シールド材
11 金属箔
12 樹脂フィルム
13 接着剤層
14 耐熱フィラー
11 金属箔
12 樹脂フィルム
13 接着剤層
14 耐熱フィラー
Claims (8)
- 金属箔と、樹脂フィルムと、前記金属箔と前記樹脂フィルムとの間に設けられた接着剤層とを備える電磁波シールド材であって、
前記接着剤層が耐熱フィラーを含む電磁波シールド材。 - 前記接着剤層に用いられる接着剤が熱硬化性接着剤である、請求項1に記載の電磁波シールド材。
- 前記耐熱フィラーが無機フィラーである、請求項1又は2に記載の電磁波シールド材。
- 前記無機フィラーが炭素粉末である、請求項3に記載の電磁波シールド材。
- 前記樹脂フィルムがPET樹脂フィルムである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の電磁波シールド材。
- 樹脂製筐体と、前記樹脂製筐体の内面及び/又は外面に設けられた電磁波シールド部とを備える電磁波シールド筐体であって、
前記電磁波シールド部が、請求項1〜5のいずれか一項に記載の電磁波シールド材から形成されており、
前記電磁波シールド材の前記樹脂フィルムが、前記樹脂製筐体側に配置されている電磁波シールド筐体。 - 請求項1〜5のいずれか一項に記載の電磁波シールド材を射出成形用金型の内面に沿った形状に温間成形して電磁波シールド部を作製する工程と、
前記電磁波シールド部の前記樹脂フィルムが射出口側に位置するように前記射出成形用金型に配置する工程と、
溶融した筐体用樹脂を前記射出成形用金型内に射出して固化させることにより、樹脂製筐体と前記電磁波シールド部とを一体化する工程と
を含む電磁波シールド筐体の製造方法。 - 請求項1〜5のいずれか一項に記載の電磁波シールド材を、前記樹脂フィルムが射出口側となるようにして射出成形用金型に配置する工程と、
前記電磁波シールド材を前記射出成形用金型内で予備温間成形する工程と、
溶融した筐体用樹脂を前記射出成形用金型内に射出して固化させることにより、電磁波シールド部の形成及び樹脂製筐体と前記電磁波シールド部との一体化を行う工程と
を含む電磁波シールド筐体の製造方法。
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JP2020003085A JP2021111704A (ja) | 2020-01-10 | 2020-01-10 | 電磁波シールド材、電磁波シールド筐体及びその製造方法 |
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