JP2021109840A - 固形粉体化粧料 - Google Patents

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Abstract

【課題】マイクロプラスチックビーズフリーでありながら、成型性、使用感が良好で、かつ高い紫外線防御効果を発揮する固形粉体化粧料を提供することを課題とする。【解決手段】(A)及び(B)を含有する固形粉体化粧料。(A)金属酸化物を被覆した無機板状粉体(B)吸油量50〜350mL/100gの球状シリカ【選択図】 なし

Description

本発明は、固形粉体化粧料に関する。
従来、化粧料に毛穴ぼかし効果、素肌感・透明感だけでなく塗布時の感触やすべり性を向上させる目的で、いわゆるマイクロプラスチックビーズと呼ばれるナイロン粉体(特許文献1参照特開2015−193564号公報)、アクリル粉体(特許文献2参照特開2014−172864号公報)などの非水溶性の球状プラスチックポリマーを配合することが知られている。
一方、マイクロプラスチックビーズは、海洋環境において大きな社会問題となっており、海洋生物がマイクロプラスチックビーズ自体と、それに付着した有害物質(PCBやDDTなど)を摂取し、生物濃縮によって海鳥や人間の健康にも影響することが懸念されている。そのため、マイクロプラスチックビーズの化粧料への配合が規制されつつある。すでにスクラブ入り洗浄料や歯磨きなどの洗い流し化粧料に配合することは、米国では2017年7月から、日本では日本化粧品工業連合会が2016年3月に自主規制を要請し、2019年1月21日から日本化粧品工業連合会の自主基準(非特許文献1:粧工連通知2019002、2019年1月21日)として規制されており、この動きは全世界で広まりつつある。
係る規制は洗い流し化粧料のみならず、すべての化粧品に適用する検討も各国で進んでいる。中国では2021年1月1日以降全面製造禁止に、2023年1月1日以降全面販売禁止にする方針を(非特許文献2:中国「産業構造調整指導目録(2019年版)」2019年10月30日中国発展改革委員会公布)、欧州化学品庁も、すべての化粧品に関し、マイクロプラスチックビーズの配合を禁止する(非特許文献3:HBW Insight、2019年2月8日)動きがある。
そのため、マイクロプラスチックビーズフリーの化粧品の開発は、世界的な喫緊の課題となっている。
従来より、紫外線による皮膚への悪影響を防御するため、種々の紫外線防御剤を含有させた日焼け止め化粧料が開発されている。係る日焼け止め化粧料の紫外線制御効果の程度を表示する指標としてSPF(Sun Protection Factor)が知られている。従来、欧州をはじめ米国、日本等では紫外線からの悪影響を十分防御できるSPFの最大値を「50+」とする基準が存在してきた。しかしながら、市場では「50+」では効果不十分としてより紫外線防御効果の高い日焼け止め化粧料へのニーズが見られていた。係る中、2019年2月に米国食品医薬品局(FDA)が発表した日焼け止め製品に関する規制案では、より有意な臨床的利点を示すエビデンスに基づきSPF最大値を「60+」に引き上げる提案が行われるなど、規制当局による紫外線防御効果見直しの動きが見られており、従来の基準である最大値「50+」を超える高SPF値を有する日焼け止め化粧料の開発が急務となっている。(非特許文献4:米国食品医薬局(FDA)日焼け止め規制案<URL:https://www.federalregister.gov/documents/2019/02/26/2019-03019/sunscreen-drug-products-for-over-the-counter-human-use>





また、紫外線防御効果を有する粉体化粧料は、酸化チタンや酸化亜鉛、酸化セリウムなどの金属酸化物と、UVA、UVB遮断効果のある紫外線吸収剤を主な成分として含有している。しかし、紫外線防御効果を高めるために、紫外線吸収剤を多量に配合した場合、粉体同士の凝集性を高め、化粧膜の均一性や滑らかな伸び広がりといった感触などの基本品質を損なうことがある。一方、金属酸化物に関しては、紫外線防御効果を高める上で好適な粉体径や形状の金属酸化物の開発(特許文献3参照特開2010−168254号公報)や、それら粉体の分散性、感触を向上させる表面処理技術(特許文献4参照特開2013−079264号公報)が開発されている。
しかしながら、これらの球状ポリマーを多量に固形粉体化粧料に配合する場合、成型性が悪く、落下時の破損や経時での浮きが生じる場合があった。また、微粉体の金属酸化物を多く配合すると使用感が低下するといった課題があった。
特開2015−193564号公報 特開2014−172864号公報 特開2010−168254号公報 特開2013−079264号公報
粧工連通知2019002、2019年1月21日 中国「産業構造調整指導目録(2019年版)」2019年10月30日中国発展改革委員会公布 HBW Insight、2019年2月8日 米国食品医薬品局(FDA)のプレスリリース、インターネット<URL: https://www.fda.gov/news-events/press-announcements/fda-advances-new-proposed-regulation-make-sure-sunscreens-are-safe-and-effective >、2019年2月21日
本発明は、前述のような問題点に鑑みてなされたもので、マイクロプラスチックビーズフリーでありながら、成型性、使用感が良好で、かつ高い紫外線防御効果を有する固形粉体化粧料を提供することを一目的とするものである。本発明者らは、かかる課題について鋭意検討した結果、本発明を完成するにいたった。すなわち本発明は、下記のとおりである。
(1)
(A)及び(B)を含有する固形粉体化粧料。
(A)金属酸化物を被覆した無機板状粉体
(B)吸油量50〜350mL/100gの球状シリカ
(2)
マイクロプラスチックビーズを含まないことを特徴とする、(1)に記載の固形粉体化粧料。
(3)
(A)金属酸化物を被覆した無機板状粉体中に含まれる微粒子金属酸化物の含有量が、固形粉体化粧料全量に対し、10〜20質量%である、(1)又は(2)に記載の固形粉体化粧料。
(4)
ISO規格24444:2010により測定されたSPFが60以上である、(1)〜(3)の1に記載の固形粉体化粧料。
(5)
さらに酸化亜鉛被覆球状粉体を含有する、(1)〜(4)の1項に記載の固形粉体化粧料。
本発明の固形粉体化粧料は、マイクロプラスチックビーズフリーでありながら、成型性、使用感が良好で、かつ高い紫外線防御効果を有するという効果を発揮する。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
本発明の固形粉体化粧料には、金属酸化物を被覆した無機板状粉体(以下、複合板状粉体と称する場合がある。)を配合する。本発明の複合板状粉体における金属酸化物としては、化粧料としての使用が許容できるものであれば特に限定されないが、日焼け止め効果が高いことから、二酸化チタン、酸化亜鉛から選択される一種又は二種であることが好ましい。金属酸化物の形状は特に限定されない。金属酸化物の平均粒子径は、紫外線防御能の観点より、10〜200nmが好ましく、15〜100nmがより好ましく、さらには15〜50nmが一層好ましい。
なお、本発明において平均粒子径は、体積基準の平均粒子径であり、レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置により測定することができる。
本発明の複合板状粉体における無機板状粉体としては、具体的には、セリサイト、タルク、マイカ、カオリン等が例示されるが、使用感が良好なことから、セリサイト、タルク、マイカが好ましい。
本発明の複合板状粉体における金属酸化物の被覆量は複合板状粉体1質量部に対し金属酸化物0.1〜10質量部であることが好ましい。下限値以下では本発明の効果が十分に発揮されない場合があり好ましくない。一方、上限値以上では、化粧料の使用時に違和感をおぼえる場合があり好ましくない。
本発明の複合板状粉体の粉体径は、電子顕微鏡で観察した長径が1.0〜40μmの範囲にあることが好ましい。粉体径が下限値以下では本発明の効果が不十分である場合があり好ましくない。一方、上限値以上では、化粧料の使用時に違和感をおぼえる場合があり好ましくない。
本発明の複合板状粉体は無機板状粉体に、通常の被覆法により金属酸化物を被覆することにより得られるが、市販品も存在するので、これら市販品を入手して使用することもできる。このような市販品としては、「カバーリーフAR80(二酸化チタン、アルミナ及びシリカ被覆タルク)」、「カバーリーフPC−2015(二酸化チタン被覆タルク)」、「カバーリーフPC−2035(二酸化チタン被覆タルク)」、「カバーリーフPC−2055(二酸化チタン被覆タルク)」、「カバーリーフPC−1035(二酸化チタン被覆セリサイト)」(以上、日揮触媒化成株式会社製)、MTE−17Z(金属石けん処理酸化チタン被覆マイカ)、「MTZE−07M(シリコーン処理酸化チタン、酸化亜鉛被覆マイカ)」、「MTZE−07EX(イソステアリン酸処理酸化チタン、酸化亜鉛被覆マイカ)」、「SP−100M(酸化チタン被覆マイカ)」、「SMT−57K(13%)(シリコーン処理酸化チタン被覆マイカ)」、「SMT−57K(3%)(シリコーン処理酸化チタン被覆マイカ)」、「SMT−57S(3%)(シリコーン処理酸化チタン被覆マイカ)」(以上、テイカ株式会社製)、「SAS−TZ−POEDER TYPE2(シリコーン処理酸化チタン、酸化亜鉛被覆タルク)」、「TZ−POWDER Type 2(シリコーン処理酸化チタン、酸化亜鉛被覆タルク)」、「TZ−POWDER TYPE 2(シリコーン処理酸化チタン、酸化亜鉛被覆タルク)」、「TZ−POWDER TYPE 2B(シリコーン処理酸化チタン、酸化亜鉛被覆タルク)」、「SA−TTC−30N(シリコーン、金属石けん処理酸化チタン被覆タルク)」、「TZ−POWDER TYPE SBN(シリコーン処理酸化チタン、酸化亜鉛被覆タルク)」、「POWDER LA VIE(酸化亜鉛・ヒドロキシアパタイト被覆セリサイト)」、「SA−POWDER LA VIE(シリコーン処理酸化亜鉛・ヒドロキシアパタイト被覆セリサイト)」、「BAE−カバーリーフPC−2035(シリコーン処理二酸化チタン被覆タルク)」、「SA−カバーリーフPC−2035(シリコーン処理二酸化チタン被覆セリサイト)」、「SA−カバーリーフ PC−2035T(シリコーン処理二酸化チタン被覆タルク)」、「SA−カバーリーフ PC−2045T(シリコーン処理二酸化チタン被覆タルク)」「SA−プルセアMTS(シリコーン、金属石鹸処理二酸化チタン被覆マイカ)」(以上、三好化成株式会社製)等が例示される。
複合板状粉体中の金属酸化物の含有量は、高いSPFを得るため固形粉体化粧料全量に対し、5〜20質量%となるように配合することが好ましく、さらには10〜20質量%がより好ましい。
本発明の固形粉体化粧料における複合板状粉体の含有量は、化粧料全量に対して10〜70%であることが好ましく、10〜40質量%であることがより好ましい。10質量%未満の配合では本発明の効果が得られない場合があり、好ましくない。一方、70質量%を超えて配合すると、使用感の低下が認められる場合がある。
本発明の固形粉体化粧料には、吸油量50〜350mL/100gの球状シリカ(以下特定の球状シリカと略する場合がある。)を配合する。吸油量がこの範囲であれば、多孔質、無孔質、中空状のいずれのものも用いられる。本発明の固形粉体化粧料が固形粉末状の剤形をとる場合、高い吸油量を有する特定のシリカを配合することにより、落下強度を低下させることなく、使用感(ほぐれ)が改善する効果を有する。そのため、特定の球状シリカの吸油量は、90mL/100g以上であることが好ましい。なお、本発明でいう吸油量は、JIS K5101(精製あまに油)により求められる。
また、特定の球状シリカの平均粒子径は1〜20μmのものが、肌への感触の点で好適である。
本発明の固形粉体化粧料において、特定の球状シリカは単独で、もしくは2種以上を併用して用いることができる。本発明の固形粉体化粧料が固形粉末状の剤形をとる場合、平均粒子径の異なる球状シリカを組み合わせて配合することにより、高い吸油量を有する特定のシリカを配合することにより、落下強度を低下させることなく、ほぐれが改善する効果を有する。例えば、平均粒子径1〜5μmの球状シリカと、平均粒子径5〜20μmのシリカを併用することができる。この場合平均粒子径1〜5μmの球状シリカ1質量部に対し、平均粒子径5〜20μmのシリカを0.05〜10質量部とすることが好ましい。
特定の球状シリカの市販品としては、シリカマイクロビードP−1500(平均粒子径5μm、吸油量60mL/100g)、シリカマイクロビードP−1505(平均粒子径15μm、吸油量60mL/100g)、シリカマイクロビードP−1000(平均粒子径5μm、吸油量60mL/100g)、シリカマイクロビードP−500(平均粒子径2μm、吸油量60mL/100g)、シリカマイクロビードP−4000(平均粒子径20μm、吸油量60mL/100g)、シリカマイクロビードBA−1(平均粒子径16μm、吸油量70mL/100g)、SATINER M5(平均粒子径10μm、吸油量60mL/100g)、SATINER M13(平均粒子径17μm、吸油量60mL/100g)、BA4(平均粒子径4μm、吸油量50mL/100g)(以上、日揮触媒化成社製)、コスメシリカBQ−60(平均粒子径55μm、吸油量70mL/100g)(富士シリシア化学社製)、ゴッドボールE−2C(平均粒子径1μm、吸油量180mL/100g)、ゴッドボールE−6C(平均粒子径2μm、吸油量120mL/100g)、ゴッドボールD−11C(平均粒子径3μm、吸油量100mL/100g)、ゴッドボールD−25C(平均粒子径9μm、吸油量90mL/100g)、ゴッドボールE−16C(平均粒子径5μm、吸油量110mL/100g)、ゴッドボールB−6C(平均粒子径2μm、吸油量140mL/100g)、ゴッドボールSF−16C(平均粒子径5μm、吸油量350mL/100g)、ゴッドボールAF−6C(平均粒子径3μm、吸油量300mL/100g)、ゴッドボールAF−16C(平均粒子径5μm、吸油量300mL/100g)、ゴッドボールB−25C(平均粒子径9μm、吸油量170mL/100g)(以上、鈴木油脂工業社製)、サンスフェアH−31(平均粒子径3μm、吸油量150mL/100g)、サンスフェアH−51(平均粒子径5μm、吸油量150mL/100g)、サンスフェアH−121(平均粒子径12μm、吸油量150mL/100g)、サンスフェアH−201(平均粒子径20μm、吸油量150mL/100g)、サンスフェアL−31(平均粒子径3μm、吸油量150mL/100g)、サンスフェアL−51(平均粒子径5μm、吸油量150mL/100g)、サンスフェアH−32(平均粒子径3μm、吸油量300mL/100g)、サンスフェアH−52(平均粒子径5μm、吸油量300mL/100g)、サンスフェアH−122(平均粒子径12μm、吸油量300mL/100g)、サンスフェアH−202(平均粒子径20μm、吸油量300mL/100g)(以上、旭硝子社製)等が例示される。
本発明の固形粉体化粧料における、特定の球状シリカの配合量は、その剤型によって異なるが、0.2〜30質量%が好ましく、より好ましくは0.3〜20質量%である。
本発明の固形粉体化粧料は、ISO規格24444:2010により測定されたSPFが60以上であることが好ましい。係るSPFを達成するために、複合板状粉体と特定の吸油量を有する特定の球状シリカを併用して用いる。また、マイクロプラスチックビーズを含まないことにより高いSPFが得られる。
本発明の固形粉体化粧料には、酸化亜鉛被覆球状粉体を配合することが好ましい。酸化亜鉛被覆球状粉体は、皮脂固化能を有し、化粧持ち向上効果が期待できる。
酸化亜鉛被覆球状粉体に用いられる球状粉体は、アルケニルコハク酸デンプンエステル金属塩、球状ホウケイ酸塩粉体から選択される1種又は2種以上を用いることが、その化粧持ち向上効果の点から好ましい。
酸化亜鉛被覆球状粉体に用いられる酸化亜鉛は、固形粉体化粧料に配合し得るものであれば特に限定されない。酸化亜鉛の形状は特に限定されない。酸化亜鉛の平均粒子径は、皮脂固化能の観点より、10〜200nmが好ましく、15〜100nmがより好ましく、さらには15〜50nmが一層好ましい。
酸化亜鉛被覆球状粉体は、例えば球状粉体に酸化亜鉛を被覆することによって得ることができる。
酸化亜鉛は未処理の酸化亜鉛をそのまま用いることもできるが、疎水化処理を施した酸化亜鉛を用いることが好ましい。疎水化処理剤としては特に限定されるものではなく、ジメチコン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、金属石鹸等が例示される。これらの疎水化処理剤の中でも、ジメチコンを用いることが好ましい。疎水化処理剤の被覆量は酸化亜鉛を疎水化処理するのに十分な量であればよい。具体的には酸化亜鉛と疎水化処理剤の質量比が85:15〜99:1が好ましく、さらには90:10〜98:2が好ましい。
本発明の固形粉体化粧料に用いられる酸化亜鉛被覆球状粉体において、球状粉体1質量部に対し、酸化亜鉛の被覆量は0.01質量部以上が好ましく、0.05質量部以上がより好ましい。また、球状粉体1質量部に対し、酸化亜鉛の被覆量は2質量部以下が好ましく、1.5質量部以下がより好ましい。この範囲で、皮脂固化能をより高めて、皮脂崩れをより防止することができる。
球状粉体1質量部に対し、酸化亜鉛の被覆量は0.01〜2質量部が好ましく、0.05〜1.5質量部がより好ましい。
球状粉体への酸化亜鉛の被覆方法としては、これまで知られた各種方法を用いることができ、例えば、物理化学的な混合摩砕法(乾式、湿式)、化学的な沈着法等を用いることができる。酸化亜鉛被覆球状粉体の皮脂固化能の点から、乾式の混合摩砕法を好ましく用いることができる。
酸化亜鉛被覆球状粉体の市販品としては、プルセア OPZ−NV、プルセア CBZ−NV(以上、鈴木油脂工業社製)等が挙げられる。
本発明の固形粉体化粧料は、中実球状ホウケイ酸塩粉体を配合することができる。
中実球状ホウケイ酸塩粉体の平均粒子径は、0.1μm以上が好ましく、1μm以上がより好ましく、5μm以上がさらに好ましく、7μm以上が一層好ましい。また、中実球状ホウケイ酸塩粉体の平均粒子径は、20μm以下が好ましく、15μm以下がより好ましく、13μm以下がさらに好ましい。例えば、中実球状ホウケイ酸塩粉体の平均粒子径は、べたつき軽減効果の観点から、好ましくは1〜20μmであり、より好ましくは5〜15μmであり、さらに好ましくは7〜13μmである。
中実球状ホウケイ酸塩粉体において、ホウケイ酸塩は、Na、K等のアルカリ金属塩、Mg、Ca等アルカリ土類金属塩、Al塩、又はこれらの塩の組み合わせであってよい。好ましくは、ホウケイ酸Na、ホウケイ酸Ca、ホウケイ酸Al、ホウケイ酸(Ca/Na)、ホウケイ酸(Ca/Al)であり、より好ましくはホウケイ酸(Ca/Na)である。
中実球状ホウケイ酸塩粉体は、化粧品表示名称(INCI名称)としては、ホウケイ酸(Ca/Na)(CALCIUM SODIUM BOROSILICATE)、ホウケイ酸(Ca/Al)(CALCIUM ALUMINUM BOROSILICATE)等と表示されるが、本発明においてはいずれの表示名称の中実球状ホウケイ酸塩粉体を用いてもよく、ホウケイ酸(Ca/Na)を用いることがより好ましい。
中実球状ホウケイ酸塩粉体は未処理のものを用いてもよいし、親水化処理、又は疎水化処理を施したものを用いてもよい。
本発明の固形粉体化粧料には、マイカを配合することが好ましい。マイカとしては、
化粧料に配合し得るマイカであれば特に限定されず、マイカ、セリサイト、合成金雲母のいずれを用いてもよい。これらは固形粉体化粧料のほぐれや落下強度のバランスを整える目的で、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の固形粉体化粧料には、タルクを配合することが好ましい。タルクの配合量は、ほぐれと落下強度のバランスによって変動する。
本発明の固形粉体化粧料は、有機紫外線吸収剤を配合することができる。
有機紫外線吸収剤の種類は特に限定されず、公知の有機紫外線吸収剤を制限無く使用できる。このような公知の有機紫外線吸収剤として、例えばパラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、メトキシケイ皮酸イソプロピル、メトキシケイ皮酸イソアミル等のケイ皮酸誘導体;パラアミノ安息香酸(以下、「PABA」と略記する)、エチルPABA、エチル−ジヒドロキシプロピルPABA、エチルヘキシル−ジメチルPABA、グリセリルPABA等のPABA誘導体;ホモサラート、エチルヘキシルサリチラート、ジプロピレングリコールサリチラート、TEAサリチラート等のサリチル酸誘導体;ベンゾフェノン−1、ベンゾフェノン−2、ベンゾフェノン−3またはオキシベンゾン、ベンゾフェノン−4、ベンゾフェノン−5、ベンゾフェノン−6、ベンゾフェノン−8、ベンゾフェノン−9、ベンゾフェノン−12等のベンゾフェノン誘導体;3−ベンジリデンショウノウ、4−メチルベンジリデンショウノウ、ベンジリデンショウノウスルホン酸、メト硫酸ショウノウベンザルコニウム、テレフタリリデンジショウノウスルホン酸、ポリアクリルアミドメチルベンジリデンショウノウ等のベンジリデンショウノウ誘導体;アニソトリアジン、ジエチルヘキシルブタミドトリアゾン、2,4,6−トリス(ジイソブチル−4’−アミノベンザルマロナート)−s−トリアジン、2,4−ビス−〔{4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ}−フェニル〕−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス〔4−(2−エチルヘキシルオキシカルボニル)アニリノ〕−1,3,5−トリアジン等のトリアジン誘導体;フェニルジベンゾイミダゾールテトラスルホン酸二ナトリウム等のフェニルベンゾイミダゾール誘導体;ドロメトリゾールトリシロキサン、メチレンビス(ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール)等のフェニルベンゾトリアゾール誘導体;アントラニル酸メンチル等のアントラニル誘導体;ジメトキシベンジリデンオキソイミダゾリジンプロピオン酸2−エチルヘキシル等のイミダゾリン誘導体;ベンザルマロナート官能基を有するポリオルガノシロキサン等のベンザルマロナート誘導体;1,1−ジカルボキシ(2,2’−ジメチルプロピル)−4,4−ジフェニルブタジエン等の4,4−ジアリールブタジエン誘導体;オクトクリレン、2−〔4−(ジエチルアミノ)−2−ヒドロキシベンゾイル〕安息香酸ヘキシル、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタンなどが挙げられる。有機紫外線吸収剤は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
有機紫外線吸収剤を配合する場合の配合量は0.1〜20質量%が好ましい。
本発明の固形粉体化粧料には、本発明の効果を損なわない範囲で前記の粉体以外の粉体を配合することが出来る。本発明に配合する粉体としては、酸化チタン、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化亜鉛、酸化セリウム、マンガンバイオレット、コバルトバイオレット、酸化クロム、水酸化クロム、チタン酸コバルト、群青、紺青、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、タルク、カオリン、絹雲母(セリサイト)、白雲母、金雲母、合成雲母、紅雲母、黒雲母、バーミキュライト、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト、窒化ホウ素、パール顔料、オキシ塩化ビスマスなどの無機顔料や、赤色3号、赤色10号、赤色106号、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色227号、赤色228号、赤色230号、赤色401号、赤色405号、赤色505号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、黄色205号、黄色401号、橙色201号、橙色203号、橙色204号、橙色205号、橙色206号、橙色207号、青色1号、青色2号、青色201号、青色404号、緑色3号、緑色201号、緑色204号、緑色205号などの有機色素や、クロロフィルやβ−カロチンなどの天然色素や、ミリスチン酸亜鉛、パルミチン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウムなどの金属石鹸等が挙げられる。
本発明の固形粉体化粧料には、通常固形粉体化粧料に配合し得る成分を配合することができる。例えば、上記以外の粉体成分、油性成分、保湿剤、色素、界面活性剤、紫外線吸収剤、増粘剤、美容成分、香料、高分子物質、防菌防黴剤、アルコール類、スクラブ剤、生体由来成分等を適宜配合することができる。
本発明の固形粉体化粧料の製造方法は特に限定されない。たとえば、粉体と必要に応じたその他成分を混合した後、金皿にプレス成形する方法、溶剤と混合してスラリー状としたものを充填した後に溶剤除去、成形する湿式法が挙げられ、また紙などの支持体に担持させたものであってもよい。
本発明の固形粉体化粧料は、日焼け止め、ファンデーション、コンシーラー、白粉、頬紅、アイシャドウ、アイブロウ、口紅等で実施することができ、特に紫外線遮断効果を発揮することが出来ることから、ファンデーション、白粉、頬紅であることが好ましい。
実施例の評価方法について述べる。
[使用感]
メイクアップ専門の官能評価員3名が合議により、固形粉体化粧料をスポンジパフで使用する際のほぐれについて下記の通り評価した。
「◎」:非常にほぐれが良い
「○」:ほぐれが良い
「△」:あまりほぐれが良くない
「×」:非常にほぐれが悪い
[落下強度]
固形粉体化粧料を所定の容器に装填し、50cmの高さから水平に落下させたときの、プレス表面の状態が変化するまでの回数を試験し、下記の通り評価した。
「○」:50cm10回以上
「△」:50cm5回以上
「×」:50cm2回以下
表1に示した処方で定法により固形粉体化粧料を調合し長径5.35cm短径4.50cmの金皿にプレス圧25kgf/cmでプレス成型し、所定の容器に装填し、試験に供した。
Figure 2021109840
注1:タルク15質量部、微粒子酸化チタン45質量部、微粒子酸化亜鉛35質量部を複合化し、5質量部のシリコーン油で表面処理した粉体
注2:タルク68質量部、微粒子酸化チタン28質量部を複合化し、4質量部ステアリン酸マグネシウムで表面処理した粉体
注3:マイカ30質量部、微粒子酸化チタン65質量部を複合化し、5質量部のシリコーン油で表面処理した粉体
注4:セリサイト90質量部、微粒子酸化亜鉛5質量部を複合化し、5質量部のシリコーン油で表面処理した粉体
注5:サンスフェアH−31(平均粒子径3μm、吸油量150mL/100g、旭硝子社製)
注6:サンスフェアH−121(平均粒子径12μm、吸油量150mL/100g、旭硝子社製)
注7:サンスフェアNP−30(平均粒子径3μm、吸油量30mL/100g、旭硝子社製)
注8:サンスフェアNP−100(平均粒子径10μm、吸油量35mL/100g、旭硝子社製)
注9:プルセア CBZ−NV(鈴木油脂工業社製)
注10:COVABEAD CRYSTAL(SENSIENT COSMETIC TECHNOLOGIES社製)
注11:PRESS−AID SP(MICRO POWDERS社製)
注12:SA−チタン CR−50(100%)(三好化成社製)
注13:SH200C−100cSt(DOW CHEMICAL社製)
注14:KF7312K(信越化学工業社製)
本発明の固形粉体化粧料は、高吸油性のシリカを配合することにより、低吸油性のシリカを配合した場合と比較して、使用感が良好で、高い紫外線遮蔽効果を発揮した。
表2に示した実施例1及び比較例3について、SPFアナライザー(UV−2000S Labsphere社製)を用いて紫外線防御効果をIn vitroで測定した。測定条件は、ブレンダーム サージカルテープ(エムスリー社製)に、表2に記載のサンプルを2mg/cmの割合で均一に塗布後、前記の測定機器を用いて、290〜400nmの範囲におけるSPF値を測定した。
Figure 2021109840
表2に示した通り、マイクロプラスチックビーズを配合した比較例3のSPFは、実施例1の3分の2程度にとどまっていた。
実施例1に示した固形粉体化粧料とほぼ同一処方のフェイスパウダー(試験例1)について、in vivoでのSPF試験を、ISO24444:2010に基づき行った。結果を表3に示す。
Figure 2021109840

Claims (5)

  1. (A)及び(B)を含有する固形粉体化粧料。
    (A)金属酸化物を被覆した無機板状粉体
    (B)吸油量50〜350mL/100gの球状シリカ
  2. マイクロプラスチックビーズを含まないことを特徴とする、請求項1に記載の固形粉体化粧料。
  3. (A)金属酸化物を被覆した無機板状粉体中に含まれる微粒子金属酸化物の含有量が、固形粉体化粧料全量に対し、10〜20質量%である、請求項1又は2に記載の固形粉体化粧料。
  4. ISO規格24444:2010により測定されたSPFが60以上である、請求項1〜3の1項に記載の固形粉体化粧料。
  5. さらに酸化亜鉛被覆球状粉体を含有する、請求項1〜4の1項に記載の固形粉体化粧料。
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