JP2021108667A - 輸液用容器およびそれに用いられる薬剤収納用中空体 - Google Patents

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Abstract

【課題】薬剤を収納し、破断可能部を備える合成樹脂製薬剤容器を備える輸液用容器であって、破断可能部におけるピンホール発生が極めて少なく、軟質バッグ内の薬液と薬剤容器内の薬剤を良好な状態の維持が可能な輸液用容器を提供する。【解決手段】 輸液用容器1は、軟質バッグ2と薬剤容器3を備える。薬剤容器は、薬剤収納用中空体5を備える。薬剤収納用中空体は、筒状先端部53を有する薬剤収納部51と、破断可能部56と、破断操作部55とを備える。破断可能部は、薬剤収納部の筒状先端部の内側に位置し、薬剤収納部の筒状先端部の内周面と破断操作部の基端部位59の外周面とを連結し、薬剤収納部の中心軸と直交方向に延びる薄肉リング状接続部により形成されており、薬剤収納用中空体は、薄肉リング状接続部と破断操作部により閉鎖されている。【選択図】図12

Description

本発明は、内部において輸液などの薬液に薬剤の配合を行うことができる輸液用容器およびそれに用いられる薬剤収納用中空体に関するものである。
患者に輸液を行うに先だって、輸液剤の入ったバイアル瓶や軟質バッグ等に、予め輸液剤に配合することが困難な薬剤、例えば、ビタミン剤、抗生物質等の薬剤を混合、溶解させ、薬液を調製することが行われている。そして、このような薬液の調製を無菌的に、また、簡単な操作で行うため、薬液が収納された軟質バッグに薬液と混合する薬剤を収納した薬剤容器を取り付け、輸液の際、薬剤容器に設けられた破断可能部(脆弱部)を軟質バッグ越しに折り曲げ、破断することにより薬剤容器と軟質バッグを連通させ薬剤と薬液とを混合するようにした輸液用容器が提案されている。
このような輸液用容器として、本願出願人は、特開2012−183180公報(特許文献1)を提案している。
特許文献1のこの輸液用容器1は、軟質バッグ2に取り付けられた薬剤容器3を備える。薬剤容器は、薬剤収納部54、破断可能部56、破断操作のための操作部55を有する薬剤容器本体部5と、破断可能部56を先端部64において被包する筒状部6とを備える。筒状部6は、破断可能部56および操作部の基端部55aを被包する縮径先端部64と、縮径先端部64を被包し、その先端を越えて延び、縮径先端部64より露出する操作部55の基端部分を被包し、操作部55の破断操作中の破断可能部56の破断端55bおよび操作部の基端部55aの軟質バッグの内面への接触を規制する筒状可撓性被包部63を備える。
特開2012−183180公報
上記の輸液用容器は、十分な効果を有している。しかし、上記の輸液用容器に用いられる薬剤容器本体部5は、薬剤収納部54、破断可能部56、破断操作のための操作部55を有する上端が閉塞した細い管状体である。このようなタイプの薬剤容器本体部5では、破断可能部54部分において、ピンホールが生じることを知見した。上記のような上端が閉塞した細い管状体の製造において、内部形状を形成するための金型のコアピンは、細く、ある程度の長さを備え、先端が自由端となっており、基端だけで支えられている。本発明者が検討したところ、破断可能部におけるピンホール発生の原因は、注入された樹脂流のコアピンへの当接に起因するコアピンの傾斜にあることを知見した。破断可能部は、もともと肉厚が薄いため、わずかな側壁の偏肉でも、ピンホールの原因となることがわかった。
薬液が収納された軟質バッグと、軟質バッグに取り付けられ薬液と混合するための薬剤が収納された硬質の合成樹脂製薬剤容器とを備える輸液用容器において、合成樹脂製薬剤容器において上記のピンホールが生じると、合成樹脂製薬剤容器内の薬剤の軟質バッグ内への流出、逆に、軟質バッグ内の薬液の合成樹脂製薬剤容器内への流入が生じることもあり、薬液もしくは薬剤の変質の要因となる。
本願第1の目的は、薬液が収納された軟質バッグと、軟質バッグに取り付けられ薬液と混合するための薬剤が収納された硬質の合成樹脂製薬剤容器とを備える輸液用容器において、合成樹脂製薬剤容器のピンホール発生がきわめて少なく、合成樹脂製薬剤容器の破断操作前における軟質バッグ内の薬液と、合成樹脂製薬剤容器内の薬剤との混合がなく、軟質バッグ内の薬液と合成樹脂製薬剤容器内の薬剤を良好な状態に維持することができる輸液用容器およびそれに用いられるピンホールの発生がきわめて少ない薬剤収納用中空体を提供するものである。
また、上述した輸液用容器について、本発明者等が検討したところ、上述した輸液用容器に用いられる硬質の薬剤収納用中空体では、破断可能部の破断操作時に、操作部の押圧により、破断可能部の破断が開始するとともに、操作部は傾倒する。破断可能部の破断完了までに、操作部をさらに傾倒させることが必要であった。このため、破断操作のための操作部をある程度のストローク分押圧することが必要であり、そのため破断可能部が薬剤収納用中空体から完全に分離させにくく、破断操作に手間取ったり、完全に開口できないまま収納された薬液の排出が十分でなくなる場合があった。
本願第2の目的は、破断操作により、内部において輸液などの薬液に薬剤の配合を行うことができる輸液用容器であって、破断操作部の押圧による破断可能部の破断完了までの操作が、容易かつ確実に行うことができる輸液用容器を提供するものである。
上記本願第1の目的を達成するものは、以下のものである。
(1) 薬液が収納された軟質バッグと、前記軟質バッグに取り付けられ前記薬液と混合するための薬剤が収納された硬質の合成樹脂製薬剤容器とを備える輸液用容器であって、前記薬剤容器は、合成樹脂射出成形物である薬剤収納用中空体と、前記薬剤収納用中空体内に収納された薬剤とを備え、前記薬剤収納用中空体は、中空の薬剤収納部と、破断可能部と、前記破断可能部より先端方向に延びる前記破断可能部の破断操作を行うための破断操作部とを備え、前記破断可能部は、前記薬剤収納部の先端部の内側に位置し、前記薬剤収納部の内周面と前記破断操作部の外周面とを連結し、前記薬剤収納部の中心軸とほぼ直交する方向に延びる薄肉リング状接続部により形成されており、前記薬剤収納用中空体は、前記薬剤収納部の前記先端部が前記薄肉リング状接続部と前記破断操作部により開封可能に閉鎖されている輸液用容器。
また、上記本願第2の目的を達成するものは、以下のものである。
(2) 薬液が収納された軟質バッグと、前記軟質バッグに取り付けられ前記薬液と混合するための薬剤が収納された硬質の薬剤容器とを備える輸液用容器であって、前記薬剤容器は、薬剤収納用中空体と、前記薬剤収納用中空体内に収納された薬剤とを備え、前記薬剤収納用中空体は、中空の薬剤収納部と、破断可能部と、前記破断可能部より先端方向に延びる前記破断可能部の破断操作を行うための破断操作部とを備え、前記破断操作部は、基端部に前記薬剤収納部の先端部の内部に位置する基端部位を有し、前記破断可能部は、前記薬剤収納部の先端部の内側に位置し、前記薬剤収納部の内周面と前記破断操作部の前記基端部位の外周面とを連結し、前記薬剤収納部の中心軸とほぼ直交する方向に延びる薄肉リング状接続部により形成されており、前記薬剤収納用中空体は、前記薬剤収納部の先端側開口が前記薄肉リング状接続部と前記破断操作部により開封可能に閉鎖されており、さらに、前記破断操作部は、前記薄肉リング状接続部に近接しかつ前記薄肉リング状接続部の先端側に位置する環状凹部を備え、前記薬剤容器は、前記薬剤収納用中空体の前記薬剤収納部を同軸的に被包する筒状被包部材を備え、前記筒状被包部材は、前記薬剤収納用中空体の前記薬剤収納部の前記先端部の環状先端面の前方かつ前記破断操作部の前記環状凹部の外方に位置する環状内面リブを備えている輸液用容器。
(3) 前記筒状被包部材は、前記破断操作部の基端側部分を被包し、前記破断操作部の破断操作中の前記破断可能部の破断端および前記破断操作部の基端部の前記軟質バッグの内面への接触を規制する筒状可撓性被包部を備えている上記(2)に記載の輸液用容器。
(4) 前記筒状被包部材の前記環状内面リブは、前記薬剤収納用中空体の前記薬剤収納部の前記環状先端面の通過が不能であり、かつ、前記破断操作部の前記環状凹部より前方は、前記環状内面リブより前方に突出している上記(2)または(3)に記載の輸液用容器。
(5) 前記破断操作部は、破断操作により、前記薄肉リング状接続部の破断開始とともに、前記破断操作部の破断部位が、前記薬剤収納用中空体の前記薬剤収納部内に進入し、続いて、前記破断操作部の前記環状凹部の外面が、前記筒状被包部材の前記環状内面リブに当接することにより、それ以上の進入が阻止されるとともに、当接した部位を支点として、破断操作が継続されるものとなっている上記(2)ないし(4)のいずれかに記載の輸液用容器。
(6) 前記筒状被包部材は、筒状部と、前記筒状部より小径の小径先端部を備え、前記環状内面リブは、前記小径先端部の先端内面に設けられている上記(2)ないし(5)のいずれかに記載の輸液用容器。
(7) 前記薬剤収納用中空体は、前記薬剤収納部の先端部の内面と、前記破断操作部の前記基端部位の外面と、前記薄肉リング状接続部の内面により形成された先端側に向かって延びる内側環状凹部を備えている上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の輸液用容器。
(8) 前記破断操作部は、基端部に前記薬剤収納部の先端部の内部に位置する基端部位を有し、前記基端部位の底面は、前記薄肉リング状接続部との接続部位より下方に位置している上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の輸液用容器。
(9) 前記薬剤容器は、医療用針管の接続が可能な封止部材を備えている上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の輸液用容器。
また、上記本願第1の目的を達成するものは、以下のものである。
(10) 合成樹脂射出成形物である薬剤収納用中空体であって、前記薬剤収納用中空体は、中空の薬剤収納部と、破断可能部と、前記破断可能部より先端方向に延びる前記破断可能部の破断操作を行うための破断操作部とを備え、前記破断可能部は、前記薬剤収納部の先端部の内側に位置し、前記薬剤収納部の内周面と前記破断操作部の外周面とを連結し、前記薬剤収納部の中心軸とほぼ直交する方向に延びる薄肉リング状接続部により形成されており、前記薬剤収納用中空体は、前記薬剤収納部の前記先端部が前記薄肉リング状接続部と前記破断操作部により開封可能に閉鎖されている薬剤収納用中空体。
(11) 前記薬剤収納用中空体は、前記薬剤収納部の先端部の内面と、前記破断操作部の前記基端部位の外面と、前記薄肉リング状接続部の内面により形成された先端側に向かって延びる内側環状凹部を備えている上記(10)に記載の薬剤収納用中空体。
(12) 前記破断操作部は、前記薄肉リング状接続部に近接しかつ先端側に位置し、前記薄肉リング状接続部の内径よりも小さい外径を有する環状凹部を備えている上記(11)に記載の薬剤収納用中空体。
(13) 前記破断操作部は、基端部に前記薬剤収納部の先端部の内部に位置する基端部位を有し、前記基端部位の底面は、前記薄肉リング状接続部との接続部位より下方に位置している上記(10)ないし(12)のいずれかに記載の薬剤収納用中空体。
本願第1の発明の輸液用容器は、薬液が収納された軟質バッグと、軟質バッグに取り付けられ薬液と混合するための薬剤が収納された硬質の合成樹脂製薬剤容器とを備える輸液用容器である。薬剤容器は、合成樹脂射出成形物である薬剤収納用中空体と、薬剤収納用中空体内に収納された薬剤とを備え、薬剤収納用中空体は、中空の薬剤収納部と、破断可能部と、破断可能部より先端方向に延びる破断可能部の破断操作を行うための破断操作部とを備え、破断可能部は、薬剤収納部の先端部の内側に位置し、薬剤収納部の内周面と破断操作部の外周面とを連結し、薬剤収納部の中心軸とほぼ直交する方向に延びる薄肉リング状接続部により形成されており、薬剤収納用中空体は、薬剤収納部の先端部が薄肉リング状接続部と破断操作部により開封可能に閉鎖されている。
この輸液用容器では、破断可能部を備える合成樹脂製薬剤容器におけるピンホール発生がきわめて少なく、軟質バッグ内の薬液と合成樹脂製薬剤容器内の薬剤の良好な区分状態を使用時まで維持することができる。
また、本願第2の発明の輸液用容器は、薬液が収納された軟質バッグと、軟質バッグに取り付けられ薬液と混合するための薬剤が収納された硬質の薬剤容器とを備える輸液用容器である。薬剤容器は、薬剤収納用中空体と、薬剤収納用中空体内に収納された薬剤とを備え、薬剤収納用中空体は、中空の薬剤収納部と、破断可能部と、破断可能部より先端方向に延びる破断可能部の破断操作を行うための破断操作部とを備え、破断操作部は、基端部に薬剤収納部の先端部の内部に位置する基端部位を有し、破断可能部は、薬剤収納部の先端部の内側に位置し、薬剤収納部の内周面と破断操作部の基端部位の外周面とを連結し、薬剤収納部の中心軸とほぼ直交する方向に延びる薄肉リング状接続部により形成されており、薬剤収納用中空体は、薬剤収納部の先端側開口が薄肉リング状接続部と破断操作部により開封可能に閉鎖されており、さらに、破断操作部は、薄肉リング状接続部に近接しかつ薄肉リング状接続部の先端側に位置する環状凹部を備え、薬剤容器は、薬剤収納用中空体の薬剤収納部を同軸的に被包する筒状被包部材を備え、筒状被包部材は、薬剤収納用中空体の薬剤収納部の先端部の環状先端面の前方かつ破断操作部の環状凹部の外方に位置する環状内面リブを備えている。
この輸液用容器では、薬剤収納用中空体の破断可能部が、中空の薬剤収納部の先端部の内周面と、破断操作部の基端部の外周面とを連結し、かつ、薬剤収納部の中心軸とほぼ直交する薄肉リング状接続部により形成されている。このため、操作部を押し、破断操作を開始すると、薄肉リング状接続部の破断開始とともに、破断操作部の破断部位が、中空体の薬剤収納部内に進入し、続いて、破断可能部の破断が進行する。破断操作の初期では、破断操作部は、押圧方向への移動ではなく、沈み込み、言い換えれば、若干下方への移動が生じ、その後、破断可能部の破断が進行する。そして、破断操作部は、筒状被包部材の環状内面リブと当接し、かつ、当接部位が、支点となり、破断操作が継続され、薄肉リング状接続部は破断する。この輸液用容器では、破断操作全体における破断操作部の押圧方向への必要な移動距離が短くなり、破断操作が容易となる。
図1は、本発明の一実施例の輸液用容器の正面図である。 図2は、本発明の輸液用容器に用いられる排出ポート機能付き薬剤容器の拡大正面図である。 図3は、図2の薬剤容器のA−A線断面図である。 図4は、図2の薬剤容器に使用される本発明の薬剤収納用中空体の正面図である。 図5は、図4の薬剤収納用中空体のB−B線拡大断面図である。 図6は、図4の薬剤収納用中空体の拡大平面図である。 図7は、図4の薬剤収納用中空体の拡大底面図である。 図8は、図2の薬剤容器に使用される筒状被包部材の縦断面図である。 図9は、図2の薬剤容器に使用される針管侵入阻害部材の正面図である。 図10は、図9の針管侵入阻害部材の拡大平面図である。 図11は、図9の針管侵入阻害部材の拡大底面図である。 図12は、図3の薬剤容器の破断操作部の下部付近の拡大図である。 図13は、図3の薬剤容器の薄肉リング状接続部付近の拡大図である。 図14は、本発明の輸液用容器の使用方法を説明するための断面図(破断開始時)である。 図15は、本発明の輸液用容器の使用方法を説明するための断面図(破断完了時)である。 図16は、本発明の輸液用容器の使用方法を説明するための断面図(分離破断操作部浮上)である。 図17は、本発明の輸液用容器の使用方法を説明するための断面図(針管侵入阻害部材移動完了時)である。 図18は、本発明の他の実施例の薬剤収納用中空体を用いた排出ポート機能付き薬剤容器の縦断面図である。 図19は、本発明の他の実施例の輸液用容器の正面図である。 図20は、図19の輸液用容器に使用される薬剤容器の拡大正面図である。 図21は、図20の薬剤容器のC−C線断面図である。 図22は、本発明の他の実施例の薬剤収納用中空体の縦断面図である。
以下、本発明の輸液用容器および薬剤収納用中空体を図面に示す実施例を用いて説明する。
本願第1の発明に対応する輸液用容器1は、薬液が収納された軟質バッグ2と、軟質バッグ2に取り付けられ薬液と混合するための薬剤が収納された硬質の薬剤容器3とを備える。硬質の薬剤容器3は、薬剤収納用中空体5と、薬剤収納用中空体内に収納された薬剤9とを備える。
本願第1の発明に対応する輸液用容器1に使用される薬剤収納用中空体5および本願発明の薬剤収納用中空体5は、合成樹脂射出成形物であり、中空の薬剤収納部51と、破断可能部56と、破断可能部56より先端方向に延びる破断可能部56の破断操作を行うための破断操作部55とを備える。破断可能部56は、薬剤収納部51の先端部(この実施例では、筒状小径先端部)53の内側に位置し、薬剤収納部53の内周面と破断操作部55の外周面とを連結し、薬剤収納部51の中心軸とほぼ直交する方向に延びる薄肉リング状接続部により形成されており、薬剤収納用中空体5は、薬剤収納部51の先端部53が薄肉リング状接続部56と破断操作部55により開封可能に閉鎖されている。
また、本願第2の発明に対応する輸液用容器1は、薬液が収納された軟質バッグ2と、軟質バッグ2に取り付けられ薬液と混合するための薬剤が収納された硬質の薬剤容器3とを備える。硬質の薬剤容器3は、薬剤収納用中空体5と、薬剤収納用中空体内に収納された薬剤9とを備える。そして、薬剤収納用中空体5は、中空の薬剤収納部51と、破断可能部56と、破断可能部56より先端方向に延びる破断可能部56の破断操作を行うための破断操作部55とを備え、破断操作部55は、基端部58に薬剤収納部51の先端部53の内部に位置する基端部位59を有する。破断可能部56は、薬剤収納部51の先端部53の内側に位置し、薬剤収納部51の内周面と破断操作部55の基端部位59の外周面とを連結し、薬剤収納部51の中心軸とほぼ直交する方向に延びる薄肉リング状接続部56により形成されている。薬剤収納用中空体5は、薬剤収納部51の先端側開口(この実施例では、先端開口)が薄肉リング状接続部56と破断操作部55により開封可能に閉鎖されている。さらに、破断操作部55は、薄肉リング状接続部56に近接しかつ薄肉リング状接続部56の先端側に位置する環状凹部72を備える。薬剤容器3は、薬剤収納用中空体5の薬剤収納部51を同軸的に被包する筒状被包部材6を備え、筒状被包部材6は、薬剤収納用中空体5の薬剤収納部51の先端部53の環状先端面53aの前方かつ破断操作部55の環状凹部72の外方に位置する環状内面リブ67を備えている。
図1に示すように、この実施例の輸液用容器1は、薬液が収納された軟質バッグ2と、軟質バッグ2に取り付けられ薬液と混合するための薬剤9が収納された硬質の薬剤容器3とを備える。硬質の薬剤容器3は、合成樹脂射出成形物である薬剤収納用中空体5と、中空体5の後端開口を封止する封止部材(この実施例では、排出ポート)8と、中空体5内に収納された薬剤9と、薬剤収納用中空体5を部分的に被包する筒状被包部材6を備える。硬質の薬剤容器3は、筒状被包部材6を介して、軟質バッグ2に取り付けられている。
この実施例の輸液用容器1は、排出ポート機能付き薬剤容器3を備えている。
この実施例の輸液用容器1は、可撓性材料により形成され、内部に薬剤収納部である薬剤室11を有する軟質バッグ2と、軟質バッグ2の薬剤室11に取り付けられた排出ポート機能付き薬剤容器3と、薬剤室11に充填された薬液とを備える薬剤入り輸液用容器である。
この実施例の輸液用容器1は、薬液が収納された軟質バッグ2と、軟質バッグ2に取り付けられ薬液と混合するための薬剤が収納された硬質の薬剤容器3とを備える。硬質の薬剤容器3は、薬剤収納用中空体5と、薬剤収納用中空体5の後端開口を封止する封止部材(この実施例では、排出ポート8)と、薬剤収納用中空体5内に収納された薬剤9とを備える。薬剤収納用中空体5は、中空の薬剤収納部51と、薬剤収納部51の先端側に形成され、破断により薬剤収納部51の内部の薬剤を排出可能とする破断可能部56と、破断可能部56より先端側に設けられ、破断可能部56の破断操作を行うための破断操作部55とを備える。薬剤収納部51は、破断可能部56と破断操作部55とにより閉塞されている。破断可能部56は、中空の薬剤収納部51の先端部の内周面と、破断操作部55の基端部(下部)の外周面とを連結し、かつ、薬剤収納部51の中心軸とほぼ直交する薄肉リング状接続部56により形成されている。
また、図1に示すように、軟質バッグ2の一端側及び他端側には、シール部21,22が設けられている。また、上端側シール部21には、吊り下げ用開口24が設けられている。また、下端側シール部22の中央部分には排出ポート機能付き薬剤容器3を固定するための筒状被包部材6を備えている。
輸液用容器1の軟質バッグ2は、軟質合成樹脂により形成されている。軟質バッグ2は、インフレーション成形法により筒状に成形されたものが好ましい。なお、軟質バッグ2は、例えば、ブロー成形法、共押出インフレーション法などの種々の方法により製造されたものでもよい。
軟質バッグ2は、水蒸気バリヤー性を有することが好ましい。水蒸気バリヤー性の程度としては、水蒸気透過度が、50g/m・24hrs・40℃・90%RH以下であることが好ましく、より好ましくは10g/m・24hrs・40℃・90%RH以下であり、さらに好ましくは1g/m・24hrs・40℃・90%RH以下である。この水蒸気透過度は、JISK7129(A法)に記載の方法により測定される。このように軟質バッグ2が水蒸気バリヤー性を有することにより、輸液用容器1の内部からの水分の蒸散が防止できる。その結果、充填される薬剤(具体的には、薬液)の減少、濃縮を防止することができる。また、輸液用容器1の外部からの水蒸気の侵入も防止することができる。
このような軟質バッグ2の形成材料としては、例えばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリブタジエン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)のようなポリオレフィン、オレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー等の各種熱可塑性エラストマーあるいはこれらを任意に組み合わせたもの(ブレンド樹脂、ポリマーアロイ、積層体等)が挙げられる。そして、使用する樹脂材料は、高圧蒸気滅菌(オートクレーブ滅菌)に耐えられる耐熱性、耐水性を有していることが好ましい。
本発明においては、軟質バッグ2の形成材料として、ポリオレフィンを含むものであるのが好ましい。軟質バッグ2の形成材料として、特に好ましいものとして、ポリエチレンまたはポリプロピレンに、スチレン−ブタジエン共重合体やスチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体等のスチレン系熱可塑性エラストマーあるいはエチレン−プロピレン共重合体やエチレン−ブテン共重合体、プロピレン−αオレフィン共重合体等のオレフィン系熱可塑性エラストマーをブレンドし柔軟化した軟質樹脂を挙げることができる。この材料は、高強度で柔軟性に富み、耐熱性(特に滅菌時の耐熱性)、耐水性が高い他、加工性が特に優れ、製造コストの低減を図ることができる点で好ましい。
また、軟質バッグ2は、前述したような材料よりなる単層構造のもの(単層体)であってもよいし、また種々の目的で、複数の層(特に異種材料の層)を重ねた多層積層体であってもよい。多層積層体の場合、複数の樹脂層を重ねたものであってもよいし、少なくとも1層の樹脂層に金属層を積層したものであってもよい。複数の樹脂層を重ねたものの場合、それぞれの樹脂の利点を併有することができ、例えば、軟質バッグ2の耐衝撃性を向上させたり、耐ブロッキング性を付与したりすることができる。また、金属層を有するものの場合、軟質バッグ2のガスバリヤー性等を向上させることができる。例えば、アルミ箔等のフィルムが積層された場合、ガスバリヤー性の向上とともに、遮光性を付与したりすることができる。また、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ケイ素等の酸化物からなる層を形成した場合、ガスバリヤー性の向上とともに、軟質バッグ2の透明性を維持することができ、内部の視認性を確保することができる。なお、軟質バッグ2が多層積層体である場合、その内表面部分を形成する材料が、前述した材料であるのが好ましい。
軟質バッグ2を構成するシート材の厚さは、その層構成や用いる素材の特性(柔軟性、強度、水蒸気透過性、耐熱性等)等に応じて適宜決定され、特に限定されるものではないが、通常は、100〜500μm程度であるのが好ましく、200〜360μm程度であるのがより好ましい。
また、輸液用容器1の容積は、内部に収納する薬剤の種類等によって異なるが、通常は、薬剤室の容積が、50〜5000ml程度であることが好ましい。
また、この実施例の輸液用容器1では、軟質バッグ2の内部空間は、剥離可能な仕切部25により第1の薬剤室11と第2の薬剤室12に区分されている。排出ポート機能付き薬剤容器3は、第1の薬剤室11側に固定されており、第2の薬剤室12側には、混注ポート18が固定されている。そして、第1の薬剤室11には、第1の薬剤が収納され、第2の薬剤室12には第2の薬剤が収納されている。さらに、この実施例の輸液用容器1は、第1の薬剤室11と排出ポート(硬質の薬剤容器3)との連通を阻害する剥離可能な連通阻害弱シール部26を備えている。
連通阻害弱シール部26は、排出ポート機能付き薬剤容器3の上方を取り囲むように形成されている。この連通阻害弱シール部26により、第1の薬剤室11から隔離された第3室28が形成されている。この第3室28は、空室となっている。しかし、第3室28には、所定の液体(例えば、生理食塩水)が入れられていてもよい。また、第3室28は、乾燥状態でもよいが、滅菌のための微量の液体が充填されていてもよい。さらに、連通阻害弱シール部26に若干の水蒸気や薬剤が通る通路を形成し、第1の薬剤室11と上記のようなレベルで連通するものであってもよい。仕切部25および連通阻害弱シール部26は、シート材を帯状に剥離可能に熱シール(熱融着、高周波融着、超音波融着等)することにより形成することができる。
連通阻害弱シール部26は、図1に示す実施例では、短辺が上側となる台形状に形成されている。また、連通阻害弱シール部は、反転したU字形状、短辺が下側となる台形状、排出ポートが頂点となる三角形状、排出ポートが底辺となる三角形状、四角形状等の多角形状、略半円形状、略半楕円形状であってもよい。また、連通阻害弱シール部26のシール強度は、仕切部(仕切用弱シール部)25のシール強度と同等、若干大きいもしくは若干小さいものであることが好ましい。このようなものであれば、仕切部25が剥離されない状態にて薬液が投与されることがなく、かつ、容易な操作で投与準備を行うことができる。
また、連通阻害弱シール部26は、第1の薬剤室11もしくは第2の薬剤室12を押圧することにより、仕切部25の剥離とほぼ同時もしくは続いて剥離するものであることが好ましい。
そして、この実施例の輸液用容器1では、図1に示すように、軟質バッグ2の側部中央部より、軟質バッグ2の中央方向に延びる2つの向かい合う側部突出シール部27を備えており、仕切部25は、2つの側部突出シール部27と接続し、軟質バッグ2の薬剤室の横方向全体を横切るように設けられている。
硬質の薬剤容器3は、図2および図3に示すように、薬剤収納用中空体5と、中空体5の後端開口を封止する封止部材(この実施例では、排出ポート)8と、中空体5内に収納された薬剤9と、筒状被包部材6とを備える。
また、硬質の薬剤容器3は、図14に示すように、硬質の薬剤容器3の筒状被包部材6が、軟質バッグ2を構成するシート材間に挿入され、液密状態に融着固定されている。また、硬質の薬剤容器3の破断操作部55が、軟質バッグ内部(具体的には、第3室28内)に突出するものとなっている。そして、硬質の薬剤容器3の薬剤収納用中空体5は、筒状被包部材6に固定されている。具体的に、硬質の薬剤容器3の筒状被包部材6は、超音波融着、高周波融着、熱融着等により軟質バッグ2に液密に取り付けられている。このように筒状被包部材6を介して硬質の薬剤容器3を、軟質バッグに取り付けることにより、融着の際に発生する熱等のエネルギーの影響が硬質の薬剤容器3内の薬剤9に及ぶことを防止することができる。
薬剤収納用中空体5は、合成樹脂射出成形物であり、図2ないし図7、図12および図13に示すように、筒状の先端部53を有する中空の薬剤収納部51と、薬剤収納部51の先端側に形成された破断可能部56と、破断可能部56より先端方向に延びる破断可能部の破断操作を行うための破断操作部55とを備える。薬剤収納部51は、破断可能部56と破断操作部55とにより閉塞されており、破断操作部55は、基端部58に薬剤収納部51の筒状の先端部53の内部に位置する基端部位59を有する。破断可能部56は、薬剤収納部51の先端部53の内側に位置し、薬剤収納部51の先端部53の内周面と破断操作部56の基端部位59の外周面とを連結し、かつ、薬剤収納部51の中心軸とほぼ直交する方向に延びる薄肉リング状接続部により形成されている。薬剤収納用中空体5は、筒状先端部53の先端側開口が薄肉リング状接続部56と破断操作部55により開封可能に閉鎖されている。
この実施例の薬剤収納用中空体5では、筒状先端部53は、筒状小径先端部となっている。また、破断操作部55の基端部58の基端部位59の外部形状は、筒状先端部53の内部形状より小さい外部形状を有するものとなっている。よって、破断操作部55の基端部58の基端部位59およびその基端側は、薬剤収納部51の筒状先端部53の内部に進入している。また、この実施例の薬剤収納用中空体5は、破断操作部56の上端もしくは破断操作部56の基端面の上方に合成樹脂注入ゲート位置91を有している。
この実施例の硬質の薬剤容器3は、薬剤収納部51と、破断可能部56と、破断操作部55とを有する薬剤収納用中空体5と、薬剤収納用中空体5の開口部を封止するとともに医療用針の接続(穿刺)が可能な排出ポート8と、薬剤収納用中空体5の薬剤収納部51内に収納された針管侵入阻害部材4と、薬剤収納部51内に充填された薬剤9とを備えている。
そして、排出ポート8は、図2および図3に示すように、医療用針管の接続(穿刺)が可能なシール部材82と、このシール部材82を薬剤収納用中空体5の開口部に固定するためのキャップ部材81とを備えている。シール部材82は、キャップ部材81とキャップ部材81内に進入した薬剤収納用中空体5の筒状基端部52により、挟圧されている。キャップ部材81は、その固定部(フランジ部83)が、薬剤収納用中空体5の基端部に設けられた固定部(フランジ部57)に、上記の挟圧状態を維持したまま、超音波融着、高周波融着、熱融着等により固定されている。
薬剤収納用中空体5の薬剤収納部51は、内部の薬剤が目視可能に透明に形成されていることが好ましい。薬剤収納用中空体5の薬剤収納部51は、常圧でもよいが、減圧または真空状態としてもよい。このように、薬剤収納部51が減圧または真空状態であると、薬剤の変質分解・劣化等の防止効果が向上する。
収納される薬剤9としては、粉末、顆粒状などの固体状、液体状等いかなるものでもよい。薬剤としては、輸液剤に配合・溶解させるものであって、例えば抗生物質、ビタミン剤(総合ビタミン剤)、各種アミノ酸、ヘパリン等の抗血栓剤、インシュリン、抗腫瘍剤、鎮痛剤、強心剤、静注麻酔剤、抗パーキンソン剤、潰瘍治療剤、副腎皮質ホルモン剤、不整脈用剤、補正電解質、抗ウィルス薬、免疫賦活剤等が挙げられる。
図3,図5、図12および図13に示すように、薬剤収納用中空体5の薬剤収納部51は、先端側開口が破断操作部55の基端部および破断可能部56により閉塞されている。薬剤収納部51は、収納部本体部54と、収納部本体部54より小径の筒状小径先端部53を備え、薄肉リング状接続部56は、筒状小径先端部53の内周面(環状内面)と、破断操作部55の基端部58の基端部位59の外周面(環状外面)とを連結している。また、薬剤収納部51は、収納部本体部54と筒状小径先端部53とをつなぐ筒状テーパー部54aを備えている。
薬剤収納部51は、先端部を除きほぼ同一外径となっており、その基端には、環状に突出するフランジ部57が設けられている。薬剤収納部51の容積は、1〜30mlであることが好ましい。また、薬剤収納部51の長さは、20〜70mmであることが好ましい。
破断可能部56は、図3、図5、図7、図12、図13に示すように、薬剤収納部51の天面に位置(側面ではなく)し、薬剤収納用中空体5の先端面の一部を形成するとともに、薬剤収納用中空体5の先端方向を向くものとなっている。具体的には、破断可能部56は、薬剤収納用中空体5を筒状側部にて開封するものではなく、薬剤収納用中空体5の天面部をその周縁内部にて開封するもとなっている。
具体的には、破断可能部56は、中空の薬剤収納部51の先端部の内周面と、破断操作部55の基端部58の基端部位59の外周面とを連結し、かつ、薬剤収納部51の中心軸とほぼ直交する薄肉リング状接続部56により形成されている。薄肉リング状接続部56は、平板環状の薄肉部である。
この実施例では、図12、図13に示すように、薄肉リング状接続部56は、薬剤収納部51の先端の内周面より、薬剤収納部51の中心軸に対して内側に直交するように延びる(言い換えれば、薬剤収納部51の先端の内周面より、薬剤収納部51の中心軸に向かって直交するように延びる)狭幅(幅の狭い)の板状リング部となっている。
薄肉リング状接続部56は、薬剤収納部51の先端の内周面より、破断操作部55の基端部58の基端部位59の外周面に向かって延びるものとなっている。そして、薄肉リング状接続部56の薬剤収納部51の先端の内周面との接続部は、破断操作部55の基端部58の基端部位59の外周面に向かって徐々に肉厚が薄くなっている。薄肉リング状接続部56は、ほぼ同一肉厚にて、所定長のび、破断操作部55の基端部58の基端部位59の外周面と連結している。
薄肉リング状接続部56の同一肉厚にて延びる部分の幅は、0.05〜1.50mmが好ましく、特に、0.20〜0.50mmが好ましい。また、薄肉リング状接続部56の同一肉厚にて延びる部分における肉厚は、0.05〜1.00mmが好ましく、特に、0.10〜0.50mmが好ましい。薄肉リング状接続部56は、薬剤収納用中空体5の先端部における最も肉薄部となっており、操作部55を押圧することにより、破断可能である。薬剤収納部51内に進入する部分の破断操作部55の長さ(厚さ)は、0.05〜1.00mmが好ましく、特に、0.25〜0.75mmが好ましい。
この実施例では、図12、図13に示すように、破断操作部55は、基端部に薬剤収納部51の先端部の内部に位置する基端部位61を有し、基端部位61の底面は、薄肉リング状接続部56との接続部位より下方に位置している。このため、基端部61は、薄肉リング状接続部56との接続部位より下方に延び、薬剤収納部51内に進入した底部73を備えている。このため、薄肉リング状接続部56の破断操作部55との接続部位(連結部位)は、破断操作部55の下端(下面73)より、若干上部に位置するものとなっている。この実施例では、底部73の底面は、平坦面となっている。なお、破断操作部55の底部は、図22に示す実施例の薬剤収納用中空体5cのように、基端部58aが、薬剤収納部51の内底面に向かって膨出する底面73aを有するものであってもよい。膨出底面73aは、半球状、砲弾状断面を有するものが好ましい。
また、この実施例では、薬剤収納用中空体5は、中空の薬剤収納部51の先端部の内面と、破断操作部55の基端部58の基端部位59の外面と、薄肉リング状接続部(破断可能部)56により形成された先端側に向かって延びる内側環状凹部を備えている。なお、環状凹部は、外側(天面側)に設けてもよく、この場合、薄肉リング状接続部(破断可能部)56は、薬剤収納部51の先端より、若干基端側となる部位に位置するものとなる。
そして、この実施例の薬剤収納用中空体5では、図12、図13に示すように、破断操作部55は、薄肉リング状接続部56に近接しかつ先端側に位置し、薄肉リング状接続部56の内径(破断操作部55との接続部位における内径)よりも小さい外径を有する環状凹部72を備えている。破断操作部55は、環状凹部72より前方に、環状凹部72より大きい外径を有する膨出部71を備えている。そして、環状凹部72は、膨出部71に向かって拡径する環状傾斜面74を備えている。
薄肉リング状接続部56は、破断操作部55を折り曲げた際、図14に示すように、薄肉リング状接続部56の破断部において、破断操作部55が、沈み込む、言い換えれば、若干下方に倒れるものとなる。さらに、押圧を継続することにより、薄肉リング状接続部56は、その全体が破断する。
破断操作部55は、板状本体部78と、板状本体部の両面に軸方向に沿って板状本体部と垂直に複数形成された補強部79を備えている。補強部79は、破断操作する際把持される把持部となり、基端から先端に向かって厚さが薄くなっている。また、補強部を有することにより破断操作部55は折り曲げ方向に変形しにくいものとなり、破断操作の際加えられた力は確実に破断可能部56に集中する。
この実施例の薬剤収納用中空体5では、図4ないし図6に示すように、破断操作部56の上端もしくは破断操作部56の基端面の上方に合成樹脂注入ゲート位置91を有している。この実施例では、破断操作部56の上端は、中央凹部を備え、この中央凹部が、ゲート位置91となっている。ゲート位置91は、薬剤収納用中空体5の中心軸上に位置するものとなっている。また、ゲート位置91より流入した樹脂流は、破断操作部56の基端面を形成するコアピンの先端面に当接する。樹脂流によりコアピンの若干の傾斜が生じたとしても、薄肉リング状接続部(破断可能部)56の形成部の厚さは変化しない。このため、薄肉リング状接続部(破断可能部)56は、設計上の肉厚を有するものとなり、この部分にピンホールが形成されることがない。
筒状被包部材6は、図8に示すように、先端及び基端が開口した筒状であり、筒状本体部61と、薬剤収納用中空体5の破断操作部55の基端部および破断可能部56を有する薬剤収納部51の先端部を含む大半の部分を被包する。具体的には、筒状被包部材6は、図8に示すように、薬剤収納用中空体5の薬剤収納部51を被包する筒状本体部61と、薬剤収納用中空体5の破断操作部55の基端部および破断可能部56を有する薬剤収納部51の先端部を被包する小径先端部66と、筒状本体部61と小径先端部66を繋ぐ縮径テーパー部64と、筒状本体部61の基端部に設けられたフランジ部62を備える。
筒状被包部材6は、薬剤収納用中空体5の薬剤収納部51の環状先端面53aの前方かつ破断操作部55の環状凹部72の外方に位置する環状内面リブ67を備えている。具体的には、筒状被包部材6の小径先端部66の内面に、環状内面リブ67が設けられている。特に、この実施例では、環状内面リブ67は、小径先端部66の先端内面に設けられており、また、筒状被包部材6の中心軸に直交するように内側に延びるものとなっている。環状内面リブ67は、薬剤収納用中空体5の破断操作部55に接触していない。
図12、図13に示すように、環状内面リブ67の内径は、薄肉リング状接続部56の外径(薬剤収納用中空体5の先端部の内径)よりも大きいものとなっており、環状内面リブ67の内縁は、薬剤収納用中空体5の薬剤収納部51の環状先端面53aの前方に位置している。このため、筒状被包部材6の環状内面リブ67は、薬剤収納用中空体5の薬剤収納部51の環状先端面53aの通過を阻止する。また、破断操作部55の環状凹部72より前方は、環状内面リブ67より前方に突出している。環状内面リブ67は、破断操作部55の膨出部71の通過を可能としている。
また、筒状被包部材6は、図2、図3、図8、図12、図13に示すように、小径先端部66を被包し、小径先端部66の先端を越えて、先端側に延び、小径先端部66より露出する破断操作部55の基端部分を被包し、破断操作部55における破断可能部56の破断部位および破断操作部55の破断部位の軟質バッグ2の内面への接触を規制する筒状可撓性被包部63とを備えている。
この実施例の筒状可撓性被包部63は、縮径テーパー部64の傾斜面に基端を有し、ほぼ同一内径にて先端方向に延びるものとなっている。また、筒状可撓性被包部63は、先端に向かって肉薄となっている。筒状可撓性被包部63は、先端側がより高い可撓性を有するもの(言い換えれば、柔軟)となっているため、破断操作部55の当接後の変形が容易であるとともに、基端側が、先端側に比べて、可撓性が低い、言い換えれば、先端側に比べて硬質なものとなっているので、破断操作部55の破断端(基端部)により、強く押圧されても破断することがない。また、筒状可撓性被包部63は、側部に向かい合う2つの切欠部69が設けられている。筒状可撓性被包部63は、円筒状であることが望ましいが、楕円筒状、多角筒状であってもよい。また、筒状被包部材6は、筒状本体部61部分にて軟質バッグ2に固着されており、筒状可撓性被包部63は、軟質バッグ2に固着されていない。
本発明の硬質の薬剤容器3は、図14に示すように、破断操作部55が、破断操作により、薄肉リング状接続部56の破断開始とともに、破断操作部55の破断部位(基端部位59)が、薬剤収納用中空体5の薬剤収納部51内に進入し、続いて、破断操作部55の環状凹部72の外面(環状傾斜面74)が、筒状被包部材6の環状内面リブ67に当接することにより、それ以上の進入が阻止されるとともに、当接した部位を支点として、破断操作が継続されるものとなっている。
具体的には、本発明の硬質の薬剤容器3は、図14に示すように、破断操作部55を押圧することにより、押圧部と向かい合う部分の薄肉リング状接続部56が破断し、破断操作部55の破断部位(基端部位59)が、薬剤収納用中空体5の薬剤収納部51内に進入し、破断操作部55は、斜め下方に若干沈み込む。そして、破断操作部55の環状凹部72の環状傾斜面74が、筒状被包部材6の環状内面リブ67に当接することにより、それ以上の進入(沈み込み)が阻止される。そして、破断操作部55の環状傾斜面74と筒状被包部材6の環状内面リブ67との当接部位が、支点となり、破断操作が継続され、薄肉リング状接続部56の未破断部は破断し、破断操作部55は、薬剤収納用中空体5より分離し、薬剤収納部51が開口し、硬質の薬剤容器3内の薬剤の流出が可能となる。
また、薬剤収納用中空体5と筒状被包部材6は、薬剤収納用中空体5のフランジ部57の先端側面と筒状被包部材6のフランジ部62の基端側面を、超音波融着、熱融着、高周波融着等することにより液密に接合されている。
また、この実施例の排出ポート機能付き薬剤容器3では、図2および図3に示すように、薬剤収納用中空体5の内部には、医療用針管の侵入を阻害する針管侵入阻害部材4が収納されている。針管侵入阻害部材4は、破断可能部56の未破断時における薬剤収納用中空体5内への医療用針管の侵入を阻害するものである。この実施例における針管侵入阻害部材4は、図9ないし図11に示すように、薬剤収納用中空体5の破断操作部55の底部73と当接可能な先端部45を有する本体部41と、医療用針管の先端が当接可能な基端部43とを有するものである。
そして、硬質の薬剤容器3(薬剤収納用中空体5)の破断可能部56が未破断の状態(図1ないし図3の状態)において、シール部材82に医療用針管を穿刺した場合、針管の先端は針管侵入阻害部材4の基端部43に当接し、進入を阻止される。作業者は、医療用針管が穿刺不能状態であることより、薬剤収納用中空体5の破断可能部56が未破断であることを認識することができる。そして、薬剤収納用中空体5の破断可能部56が未破断の状態における医療用針管の薬剤収納用中空体5への穿刺可能長さは、医療用針管の開口が薬剤収納部内部と連通しない長さであることが好ましい。なお、針管侵入阻害部材4は、破断可能部56による破断操作時における沈み込みを阻害しないものであることが好ましい。このため、針管侵入阻害部材4と薬剤収納用中空体5の内部間は、少なくとも、破断可能部56による破断操作時における進入分のクリアランスを有するものとなっている。
この例の針管侵入阻害部材4では、本体部41は、図9ないし図11に示すように、4つの軸方向に延びる板状部41a,41b,41c,41dと、破断操作部55の底面73と当接可能な先端部(平坦先端面)45を備えている。基端部43の基端面は、突出部44を有する平坦面となっている。基端部43には、上述の4つの軸方向に延びる板状部41a,41b,41c,41dよりも外縁方向に延びる4つの板状延出部42a,42b,42c,42dを備えている。
そして、この針管侵入阻害部材4は、薬剤収納用中空体5の破断可能部56の破断後、薬剤収納用中空体5内を上昇可能(浮上)なものとなっている。具体的には、針管侵入阻害部材4は、軟質バッグ内の薬液および薬剤容器内の薬剤より、比重の小さい材料により形成される。また、この針管侵入阻害部材4は、図3に示すように、針管侵入阻害部材の向かい合う板状延出部42aと42c間距離、42bと42d間距離は、薬剤収納用中空体5の筒状小径先端部53の内径より、大きいものとなっており、薬剤収納用中空体5の破断可能部56の破断後、薬剤収納用中空体5内を上昇するものの流出しないものとなっている。
なお、針管侵入阻害部材4は、薬剤収納用中空体5の破断可能部56の破断後、薬剤収納用中空体5より、流出可能なものであってもよい。
薬剤収納用中空体5、筒状被包部材6、針管侵入阻害部材4の構成材料としては、硬質ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、環状ポリオレフィン(具体的には、ZEONEX(日本ゼオン株式会社製)、APEL(三井化学株式会社製)、ポリプロピレンホモポリマー、高密度ポリエチレンのようなポリオレフィン、ポリスチレン、ポリ−(4−メチルペンテン−1)、ポリカーボネート、ABS樹脂、アクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリアセタール、ポリアリレート、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、アイオノマー、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)のようなポリエステル、ブタジエン−スチレン共重合体、芳香族または脂肪族ポリアミド等の各種樹脂、あるいはこれらを任意に組み合わせたものが挙げられる。これらの中でも、安全性が高く、軟質バッグ2との密着性に優れるという点で、硬質ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステルが好ましい。
また、本発明の輸液用容器に用いられる排出ポート機能付き薬剤容器としては、図18に示すようなタイプの排出ポート機能付き薬剤容器3aであってもよい。この薬剤容器3aでは、上述した硬質の薬剤容器3が備えていた筒状被包部材6を持たないものとなっている。
この実施例における硬質の薬剤容器3aは、薬剤9が収納された中空の薬剤収納部51と、薬剤収納部51の先端側に形成され破断により薬剤収納部51の内部の薬剤を排出可能とする破断可能部56と、破断可能部56より先端側に設けられ破断可能部56の破断操作を行うための破断操作部55aとを有する薬剤収納用中空体5aを備える。薬剤収納部51の先端部内部は、先端内径小径部75と、先端内径小径部方向75に向かって内径が縮径する内径縮径部76を備える。
この実施例の薬剤収納用中空体5aにおいても、図18に示すように、破断可能部56は、中空の薬剤収納部51の先端部の内周面(具体的には、先端内径小径部75の先端内周面)と、破断操作部55aの基端部58の基端部位59の外周面とを連結し、かつ、薬剤収納部51の中心軸とほぼ直交する薄肉リング状接続部56により形成されている。薄肉リング状接続部56については、上述したものと同じである。
また、薬剤収納用中空体5aは、図18に示すように、先端内径小径部75を被包し、先端内径小径部75の先端を越えて、先端側に延び、先端内径小径部75より露出する破断操作部55aの基端部分を被包し、破断操作部55aにおける破断可能部56の破断部位および破断操作部55aの基端部の軟質バッグ2の内面への接触を規制する筒状可撓性被包部77を備えている。
また、排出ポート8、針管侵入阻害部材4についても上述したものと同じである。この実施例の硬質の薬剤容器3aでは、薬剤収納用中空体5aが、直接軟質バッグ2に固着される。
次に、輸液用容器1の使用方法について添付図面を参照して説明する。
図12は、図3の硬質の薬剤容器の破断操作部の下部付近の拡大図である。図14は、本発明の輸液用容器の使用方法を説明するための断面図(破断開始時)である。図15は、本発明の輸液用容器の使用方法を説明するための断面図(破断完了時)である。図16は、本発明の輸液用容器の使用方法を説明するための断面図(分離破断操作部浮上)である。図17は、本発明の輸液用容器の使用方法を説明するための断面図(針管侵入阻害部材移動完了時)である。
輸液用容器1の硬質の薬剤容器3の筒状被包部材6を一方の手で固定して他方の手で軟質バッグ2越しに破断操作部55を押圧する。薄肉リング状接続部56は、破断操作部55が押圧されると、押圧部と向かい合う部分の薄肉リング状接続部56が破断し、破断操作部55の破断部位(基端部位59)が、薬剤収納用中空体5の薬剤収納部51内に進入し、破断操作部55は、斜め下方に若干沈み込む。
さらに、押圧を続けると、図14に示すように、破断操作部55の環状凹部72の環状傾斜面74が、筒状被包部材6の環状内面リブ67に当接することにより、それ以上の進入が阻止される。さらに、押圧を続けると、破断操作部55の環状傾斜面74と筒状被包部材6の環状内面リブ67との当接部位が、支点となり、破断操作が継続され、図15に示すように、薄肉リング状接続部56の未破断部が破断し、図16に示すように、破断操作部55は、薬剤収納用中空体5より分離し、薬剤収納部51が開口する。そして、図17に示すように、分離した破断操作部55は、軟質バッグ2内を上昇する。続いて、図17に示すように、針管侵入阻害部材4が、薬剤収納用中空体5を上昇し、薬剤収納用中空体5内の薬剤9が、軟質バッグ2内に流入する。
本発明の輸液用容器として、排出ポートと、硬質の薬剤容器3bを別個に備える実施例について説明する。
図19は、本発明の他の実施例の輸液用容器の正面図である。図20は、図19の輸液用容器に使用される硬質の薬剤容器の拡大正面図である。図21は、図20の硬質の薬剤容器のC−C線断面図である。
この実施例の輸液用容器1aは、薬液が収納された軟質バッグ2aと、軟質バッグ2aに取り付けられ薬液と混合するための薬剤9が収納された硬質の薬剤容器3bと、排出ポート13とを備える。
排出ポート13は、薬液を排出するための部分である。排出ポート13は、先端(図19に示す下側)及び基端(図19に示す上側)が開口した筒状部材と、筒状部材の先端側に先端側開口(混合溶液排出口)を密封するように配置された弾性部材と、弾性部材を固定するキャップ(弾性部材支持部材)からなる。弾性部材は、針管を刺通可能なものであり、必要時に針管を刺通して、薬剤室11内の混合溶液を輸液することができる。
硬質の薬剤容器3bは、図20および図21に示すように、薬剤収納用中空体5bと、筒状被包部材6bからなる。なお、この実施例の硬質の薬剤容器3bは、針管侵入阻害部材4を備えない。硬質の薬剤容器3bは、筒状被包部材6bにより軟質バッグ2aに取り付けられている。具体的に、硬質の薬剤容器3bの筒状被包部材6bは、超音波融着、高周波融着、熱融着等により軟質バッグ2aの薬剤容器固定部に形成された固着部29により液密に取り付けられている。
薬剤収納用中空体5bは、中空の薬剤収納部51と、薬剤収納部51の先端側に形成され、破断により薬剤収納部51の内部の薬剤を排出可能とする破断可能部56と、破断可能部56より先端側に設けられ、破断可能部56の破断操作を行うための破断操作部55とを備える。破断可能部56は、中空の薬剤収納部51の先端部の内面と、破断操作部55の基端部58の基端部位59の外面とを連結し、かつ、薬剤収納部51の中心軸とほぼ直交する薄肉リング状接続部56により形成されている。
硬質の薬剤容器3bは、薬剤収納用中空体5bの開口部を封止する蓋部7を備えている。薬剤収納用中空体5bの基端部には、フランジ部57aが設けられており、フランジ部57aは、凹部状に作製され、蓋部7を取り付ける蓋部取付部を有している。蓋部7は、薬剤収納用中空体5bの蓋部取付部に液密に固定されている。薬剤収納用中空体5bの薬剤収納部51は、常圧でもよいが、減圧または真空状態としてもよい。このように、薬剤収納部51が減圧または真空状態であると、薬剤の変質分解・劣化等の防止効果が向上する。
収納される薬剤9としては、上述したものが好適に使用される。
この実施例の薬剤収納用中空体5bにおいても、薬剤収納部51は、その先端が破断操作部55の基端部58および破断可能部(薄肉リング状接続部)56により閉塞されている。この実施例の薬剤収納用中空体5bと上述した薬剤収納用中空体5との相違は、上述した、薬剤収納用中空体5bの基端部における構成のみであり、薄肉リング状接続部56、環状凹部72、環状傾斜面74などを含み、上述した薬剤収納用中空体5と同じ符号を付した部位は、上述した薬剤収納用中空体5と同じであり、上述の説明を参照するものとする。
筒状被包部材6bは、実質的に、上述した筒状被包部材6と同じである。環状内面リブ67などを含み、上述した筒状被包部材6と同じ符号を付した部位は、上述した筒状被包部材6と同じであり、上述の説明を参照するものとする。
薬剤収納用中空体5b、筒状被包部材6b、蓋部7の構成材料としては、硬質ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、環状ポリオレフィン[具体的には、ZEONEX(日本ゼオン株式会社製)、APEL(三井化学株式会社製)]、ポリプロピレンホモポリマー、高密度ポリエチレンのようなポリオレフィン、ポリスチレン、ポリ−(4−メチルペンテン−1)、ポリカーボネート、ABS樹脂、アクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリアセタール、ポリアリレート、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、アイオノマー、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)のようなポリエステル、ブタジエン−スチレン共重合体、芳香族または脂肪族ポリアミド等の各種樹脂、あるいはこれらを任意に組み合わせたものが挙げられる。これらの中でも、安全性が高く、軟質バッグ2aとの密着性に優れるという点で、硬質ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステルが好ましい。
この実施例の輸液用容器1aにおいても、硬質の薬剤容器3bの破断操作部55を押圧することにより、押圧部と向かい合う部分の薄肉リング状接続部56が破断し、破断操作部55の破断部位が、薬剤収納用中空体5bの薬剤収納部51内に進入し、破断操作部55は、斜め上方に入り込む。そして、破断操作部55の環状凹部72の環状傾斜面74が、筒状被包部材6bの環状内面リブ67に当接することにより、それ以上の進入が阻止される。そして、破断操作部55の環状傾斜面74と筒状被包部材6bの環状内面リブ67との当接部位が、支点となり、破断操作が継続され、薄肉リング状接続部56の未破断部は破断し、破断操作部55は、薬剤収納用中空体5bより分離し、薬剤収納部51が開口し、硬質の薬剤容器3b内の薬剤の流出が可能となる。
1,1a 輸液用容器
2,2a 軟質バッグ
3、3a,3b 薬剤容器
4 針管侵入阻害部材
5,5a,5b 薬剤収納用中空体
6 筒状被包部材
8 封止部材(排出ポート)
51 薬剤収納部
55 破断操作部
56 破断可能部(薄肉リング状接続部)
67 環状内面リブ

Claims (13)

  1. 薬液が収納された軟質バッグと、前記軟質バッグに取り付けられ前記薬液と混合するための薬剤が収納された硬質の合成樹脂製薬剤容器とを備える輸液用容器であって、
    前記薬剤容器は、合成樹脂射出成形物である薬剤収納用中空体と、前記薬剤収納用中空体内に収納された薬剤とを備え、
    前記薬剤収納用中空体は、中空の薬剤収納部と、破断可能部と、前記破断可能部より先端方向に延びる前記破断可能部の破断操作を行うための破断操作部とを備え、
    前記破断可能部は、前記薬剤収納部の先端部の内側に位置し、前記薬剤収納部の内周面と前記破断操作部の外周面とを連結し、前記薬剤収納部の中心軸とほぼ直交する方向に延びる薄肉リング状接続部により形成されており、前記薬剤収納用中空体は、前記薬剤収納部の前記先端部が前記薄肉リング状接続部と前記破断操作部により開封可能に閉鎖されていることを特徴とする輸液用容器。
  2. 薬液が収納された軟質バッグと、前記軟質バッグに取り付けられ前記薬液と混合するための薬剤が収納された硬質の薬剤容器とを備える輸液用容器であって、
    前記薬剤容器は、薬剤収納用中空体と、前記薬剤収納用中空体内に収納された薬剤とを備え、
    前記薬剤収納用中空体は、中空の薬剤収納部と、破断可能部と、前記破断可能部より先端方向に延びる前記破断可能部の破断操作を行うための破断操作部とを備え、前記破断操作部は、基端部に前記薬剤収納部の先端部の内部に位置する基端部位を有し、
    前記破断可能部は、前記薬剤収納部の先端部の内側に位置し、前記薬剤収納部の内周面と前記破断操作部の前記基端部位の外周面とを連結し、前記薬剤収納部の中心軸とほぼ直交する方向に延びる薄肉リング状接続部により形成されており、前記薬剤収納用中空体は、前記薬剤収納部の先端側開口が前記薄肉リング状接続部と前記破断操作部により開封可能に閉鎖されており、さらに、前記破断操作部は、前記薄肉リング状接続部に近接しかつ前記薄肉リング状接続部の先端側に位置する環状凹部を備え、
    前記薬剤容器は、前記薬剤収納用中空体の前記薬剤収納部を同軸的に被包する筒状被包部材を備え、前記筒状被包部材は、前記薬剤収納用中空体の前記薬剤収納部の前記先端部の環状先端面の前方かつ前記破断操作部の前記環状凹部の外方に位置する環状内面リブを備えていることを特徴とする輸液用容器。
  3. 前記筒状被包部材は、前記破断操作部の基端側部分を被包し、前記破断操作部の破断操作中の前記破断可能部の破断端および前記破断操作部の基端部の前記軟質バッグの内面への接触を規制する筒状可撓性被包部を備えている請求項2に記載の輸液用容器。
  4. 前記筒状被包部材の前記環状内面リブは、前記薬剤収納用中空体の前記薬剤収納部の前記環状先端面の通過が不能であり、かつ、前記破断操作部の前記環状凹部より前方は、前記環状内面リブより前方に突出している請求項2または3に記載の輸液用容器。
  5. 前記破断操作部は、破断操作により、前記薄肉リング状接続部の破断開始とともに、前記破断操作部の破断部位が、前記薬剤収納用中空体の前記薬剤収納部内に進入し、続いて、前記破断操作部の前記環状凹部の外面が、前記筒状被包部材の前記環状内面リブに当接することにより、それ以上の進入が阻止されるとともに、当接した部位を支点として、破断操作が継続されるものとなっている請求項2ないし4のいずれかに記載の輸液用容器。
  6. 前記筒状被包部材は、筒状部と、前記筒状部より小径の小径先端部を備え、前記環状内面リブは、前記小径先端部の先端内面に設けられている請求項2ないし5のいずれかに記載の輸液用容器。
  7. 前記薬剤収納用中空体は、前記薬剤収納部の先端部の内面と、前記破断操作部の前記基端部位の外面と、前記薄肉リング状接続部の内面により形成された先端側に向かって延びる内側環状凹部を備えている請求項1ないし6のいずれかに記載の輸液用容器。
  8. 前記破断操作部は、基端部に前記薬剤収納部の先端部の内部に位置する基端部位を有し、前記基端部位の底面は、前記薄肉リング状接続部との接続部位より下方に位置している請求項1ないし8のいずれかに記載の輸液用容器。
  9. 前記薬剤容器は、医療用針管の接続が可能な封止部材を備えている請求項1ないし8のいずれかに記載の輸液用容器。
  10. 合成樹脂射出成形物である薬剤収納用中空体であって、
    前記薬剤収納用中空体は、中空の薬剤収納部と、破断可能部と、前記破断可能部より先端方向に延びる前記破断可能部の破断操作を行うための破断操作部とを備え、
    前記破断可能部は、前記薬剤収納部の先端部の内側に位置し、前記薬剤収納部の内周面と前記破断操作部の外周面とを連結し、前記薬剤収納部の中心軸とほぼ直交する方向に延びる薄肉リング状接続部により形成されており、前記薬剤収納用中空体は、前記薬剤収納部の前記先端部が前記薄肉リング状接続部と前記破断操作部により開封可能に閉鎖されていることを特徴とする特徴とする薬剤収納用中空体。
  11. 前記薬剤収納用中空体は、前記薬剤収納部の先端部の内面と、前記破断操作部の前記基端部位の外面と、前記薄肉リング状接続部の内面により形成された先端側に向かって延びる内側環状凹部を備えている請求項10に記載の薬剤収納用中空体。
  12. 前記破断操作部は、前記薄肉リング状接続部に近接しかつ先端側に位置し、前記薄肉リング状接続部の内径よりも小さい外径を有する環状凹部を備えている請求項11に記載の薬剤収納用中空体。
  13. 前記破断操作部は、基端部に前記薬剤収納部の先端部の内部に位置する基端部位を有し、前記基端部位の底面は、前記薄肉リング状接続部との接続部位より下方に位置している請求項10ないし12のいずれかに記載の薬剤収納用中空体。
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