JP2021107551A - 木材片用接着剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】より高い安全性とより高い耐水性とを有する、木材片用接着剤を提供する。【解決手段】グルコマンナンとアルカリ化合物とを含む、木材片用接着剤であって、さらに水を含み、前記アルカリ化合物が、前記グルコマンナンの総量に対して、0.2〜50質量%であることが好ましく、前記アルカリ化合物が、水酸化カルシウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、アンモニアからなる群より選択される1種以上であることがより好ましい。【選択図】なし
Description
本発明は、木材片用接着剤に関する。
以前より、木製板や木粉等の木材片同士を接着剤により接着し、木質集積材を製造する方法が知られている(例えば、特許文献1及び2)。
木材片同士を接着する接着剤としては、一般的には合成樹脂が用いられており、特許文献1及び2に記載の方法でも、木材片同士を接着する接着剤として、フェノール樹脂、尿素樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、アクリル樹脂等の合成樹脂が挙げられている。
しかしながら、食器、食品容器、料理道具、玩具等の、人が口の中に入れたり、食品及び飲料と接触したりする可能性のある木材製品には、接着剤成分が人の唾液、食品及び飲料中に溶け出しても健康に害のないように高い安全性が求められる。さらに、このような用途で用いられる木材製品に使用される接着剤には、唾液、食品及び飲料中に含まれる水分によって、接着剤の強度が弱まり、その結果、木材片同士が分解しないように、高い耐水性が求められる。
そこで本発明は、より高い安全性とより高い耐水性とを有する、木材片用接着剤を提供することを目的とする。
本発明者が鋭意研究した結果、こんにゃくの成分であるグルコマンナンが木材片同士を良好に接着できること、さらに、グルコマンナンとアルカリ化合物とを併用して木材片同士を接着した場合、接着剤の耐水性が高まることを発見し、以下の発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下の発明を提供するものである。
[1]
グルコマンナンとアルカリ化合物とを含む、木材片用接着剤。
[2]
さらに水を含む、[1]に記載の木材片用接着剤。
[3]
前記アルカリ化合物が、前記グルコマンナンの総量に対して、0.2〜50質量%である、[1]又は[2]に記載の木材片用接着剤。
[4]
前記アルカリ化合物が、水酸化カルシウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、アンモニアからなる群より選択される1種以上である、[1]〜[3]のいずれかに記載の木材片用接着剤。
[5]
[1]〜[4]のいずれかに記載の木材片用接着剤と、リグノセルロース粉とを含む、組成物。
[6]
前記リグノセルロース粉は、木質バイオマス粉及び草本バイオマス粉からなる群から選択される1種以上である、[5]に記載の組成物。
[7]
前記リグノセルロース粉は、木粉及び竹粉からなる群から選択される1種以上である、[5]又は[6]に記載の組成物。
[8]
[5]〜[7]のいずれかに記載の組成物を成形する工程と、成形した組成物を乾燥させて成形体を得る工程と、を備える、成形体の製造方法。
[9]
グルコマンナンとリグノセルロース粉とを含む組成物を成形する工程と、成形した組成物にアルカリ化合物を含むアルカリ溶液を塗布又は含浸する工程と、アルカリ溶液を塗布又は含浸された組成物を乾燥させて成形体を得る工程と、を備える、成形体の製造方法。
[10]
[1]〜[4]のいずれかに記載の木材片用接着剤を介して複数の木材単板が積層された木材合板。
[11]
複数の木材単板にグルコマンナンを含む溶液を塗布又は含浸する工程と、前記複数の木材単板同士を接触させる工程と、接触した複数の木材単板にアルカリ化合物を含むアルカリ溶液を塗布又は含浸する工程と、を備える、木材合板の製造方法。
[12]
[10]又は[11]に記載の木材合板を成形する工程を備える、成形体の製造方法。
[13]
複数の木材単板を積層して木材合板を作製する工程と、前記木材合板を成形する工程と、成形された木材合板に[1]〜[4]のいずれかに記載の木材片用接着剤を塗布又は含浸する工程と、木材片用接着剤が塗布又は含浸された木材合板を乾燥させて成形体を得る工程と、を備える、成形体の製造方法。
[14]
複数の木材単板にグルコマンナンを含む溶液を塗布又は含浸する工程と、前記複数の木材単板を積層して木材合板を作製する工程と、前記木材合板を成形する工程と、成形された木材合板にアルカリ化合物を含むアルカリ溶液を塗布又は含浸する工程と、アルカリ溶液が塗布又は含浸された木材合板を乾燥させて成形体を得る工程と、を備える、成形体の製造方法。
[15]
前記成形体が食器、食品容器、料理道具、玩具、文具、家具、置物、装飾部材、自動車内装部品、家電部品、建材である、[8]、[9]、[12]〜[14]のいずれかに記載の成形体の製造方法。
[16]
前記成形体がストローである、[15]に記載の成形体の製造方法。
[17]
木製薄板に[1]〜[4]のいずれかに記載の木材片用接着剤を塗布又は含浸する工程と、木材片用接着剤を塗布又は含浸された木製薄板をストローの形に成形する工程と、ストローの形に成形された木製薄板を乾燥させて木製ストローを得る工程と、備える、木製ストローの製造方法。
[18]
木製薄板をストローの形に成形する工程と、成形された木製薄板に[1]〜[4]のいずれかに記載の木材片用接着剤を塗布又は含浸する工程と、木材片用接着剤を塗布又は含浸された木製薄板を乾燥させて木製ストローを得る工程と、を備える、木製ストローの製造方法。
[19]
木製薄板にグルコマンナンを含むグルコマンナン溶液を塗布又は含浸する工程と、グルコマンナン溶液を塗布又は含浸された木製薄板をストローの形に成形する工程と、成形された木製薄板にアルカリ化合物を含むアルカリ溶液を塗布又は含浸する工程と、アルカリ溶液を塗布又は含浸された木製薄板を乾燥させて木製ストローを得る工程と、を備える、木製ストローの製造方法。
[20]
グルコマンナンのアルカリ変性物を介して接着された木製薄板から構成される、木製ストロー。
[21]
グルコマンナンのアルカリ変性物を介して接着された複数の木材片を含む、木材成形体。
[22]
前記木材成形体が、食器、食品容器、料理道具、玩具、文具、家具、置物、装飾部材、自動車内装部品、家電部品、建材である、[21]に記載の成形体。
[23]
ストローである、[21]又は[22]に記載の成形体。
[1]
グルコマンナンとアルカリ化合物とを含む、木材片用接着剤。
[2]
さらに水を含む、[1]に記載の木材片用接着剤。
[3]
前記アルカリ化合物が、前記グルコマンナンの総量に対して、0.2〜50質量%である、[1]又は[2]に記載の木材片用接着剤。
[4]
前記アルカリ化合物が、水酸化カルシウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、アンモニアからなる群より選択される1種以上である、[1]〜[3]のいずれかに記載の木材片用接着剤。
[5]
[1]〜[4]のいずれかに記載の木材片用接着剤と、リグノセルロース粉とを含む、組成物。
[6]
前記リグノセルロース粉は、木質バイオマス粉及び草本バイオマス粉からなる群から選択される1種以上である、[5]に記載の組成物。
[7]
前記リグノセルロース粉は、木粉及び竹粉からなる群から選択される1種以上である、[5]又は[6]に記載の組成物。
[8]
[5]〜[7]のいずれかに記載の組成物を成形する工程と、成形した組成物を乾燥させて成形体を得る工程と、を備える、成形体の製造方法。
[9]
グルコマンナンとリグノセルロース粉とを含む組成物を成形する工程と、成形した組成物にアルカリ化合物を含むアルカリ溶液を塗布又は含浸する工程と、アルカリ溶液を塗布又は含浸された組成物を乾燥させて成形体を得る工程と、を備える、成形体の製造方法。
[10]
[1]〜[4]のいずれかに記載の木材片用接着剤を介して複数の木材単板が積層された木材合板。
[11]
複数の木材単板にグルコマンナンを含む溶液を塗布又は含浸する工程と、前記複数の木材単板同士を接触させる工程と、接触した複数の木材単板にアルカリ化合物を含むアルカリ溶液を塗布又は含浸する工程と、を備える、木材合板の製造方法。
[12]
[10]又は[11]に記載の木材合板を成形する工程を備える、成形体の製造方法。
[13]
複数の木材単板を積層して木材合板を作製する工程と、前記木材合板を成形する工程と、成形された木材合板に[1]〜[4]のいずれかに記載の木材片用接着剤を塗布又は含浸する工程と、木材片用接着剤が塗布又は含浸された木材合板を乾燥させて成形体を得る工程と、を備える、成形体の製造方法。
[14]
複数の木材単板にグルコマンナンを含む溶液を塗布又は含浸する工程と、前記複数の木材単板を積層して木材合板を作製する工程と、前記木材合板を成形する工程と、成形された木材合板にアルカリ化合物を含むアルカリ溶液を塗布又は含浸する工程と、アルカリ溶液が塗布又は含浸された木材合板を乾燥させて成形体を得る工程と、を備える、成形体の製造方法。
[15]
前記成形体が食器、食品容器、料理道具、玩具、文具、家具、置物、装飾部材、自動車内装部品、家電部品、建材である、[8]、[9]、[12]〜[14]のいずれかに記載の成形体の製造方法。
[16]
前記成形体がストローである、[15]に記載の成形体の製造方法。
[17]
木製薄板に[1]〜[4]のいずれかに記載の木材片用接着剤を塗布又は含浸する工程と、木材片用接着剤を塗布又は含浸された木製薄板をストローの形に成形する工程と、ストローの形に成形された木製薄板を乾燥させて木製ストローを得る工程と、備える、木製ストローの製造方法。
[18]
木製薄板をストローの形に成形する工程と、成形された木製薄板に[1]〜[4]のいずれかに記載の木材片用接着剤を塗布又は含浸する工程と、木材片用接着剤を塗布又は含浸された木製薄板を乾燥させて木製ストローを得る工程と、を備える、木製ストローの製造方法。
[19]
木製薄板にグルコマンナンを含むグルコマンナン溶液を塗布又は含浸する工程と、グルコマンナン溶液を塗布又は含浸された木製薄板をストローの形に成形する工程と、成形された木製薄板にアルカリ化合物を含むアルカリ溶液を塗布又は含浸する工程と、アルカリ溶液を塗布又は含浸された木製薄板を乾燥させて木製ストローを得る工程と、を備える、木製ストローの製造方法。
[20]
グルコマンナンのアルカリ変性物を介して接着された木製薄板から構成される、木製ストロー。
[21]
グルコマンナンのアルカリ変性物を介して接着された複数の木材片を含む、木材成形体。
[22]
前記木材成形体が、食器、食品容器、料理道具、玩具、文具、家具、置物、装飾部材、自動車内装部品、家電部品、建材である、[21]に記載の成形体。
[23]
ストローである、[21]又は[22]に記載の成形体。
本発明によれば、より高い安全性とより高い耐水性とを有する、木材片用接着剤を提供することができる。
<木材片用接着剤>
一実施形態として、本発明は、グルコマンナンとアルカリ化合物とを含む、木材片用接着剤を提供する。本明細書において、「木材」とは木質材料を指し、「木質材料」とはリグノセルロースを主成分とする材料である。「木材片」とは木材から形成された断片を指し、木材片の大きさ及び形状は限定されない。例えば、木材片の形状としては、粉状、粒状、砂状、球状、板状、紙状、チップ状、棒状、筒状、柱状が挙げられるが、これらに限定されるものではない。木材片の具体的な例としては、リグノセルロース紛、木材単板、木材合板等が挙げられる。本発明の接着剤によれば、これらの木材片同士を強固に接着することができる。
一実施形態として、本発明は、グルコマンナンとアルカリ化合物とを含む、木材片用接着剤を提供する。本明細書において、「木材」とは木質材料を指し、「木質材料」とはリグノセルロースを主成分とする材料である。「木材片」とは木材から形成された断片を指し、木材片の大きさ及び形状は限定されない。例えば、木材片の形状としては、粉状、粒状、砂状、球状、板状、紙状、チップ状、棒状、筒状、柱状が挙げられるが、これらに限定されるものではない。木材片の具体的な例としては、リグノセルロース紛、木材単板、木材合板等が挙げられる。本発明の接着剤によれば、これらの木材片同士を強固に接着することができる。
(グルコマンナン)
本発明の接着剤には、グルコマンナンが用いられている。グルコマンナンは、コンニャク芋に多く含まれる水溶性多糖で、六炭糖のグルコースとマンノースがおよそ2:3の割合でβ−1,4−グリコシド結合したものであり、コンニャクの主成分である。本発明の接着剤には、食品の成分であるグルコマンナンを用いているため、食器、食品容器、料理道具、玩具等の木材製品において、接着剤成分が人の唾液、食品及び飲料中に溶け出しても、合成樹脂を接着剤成分として用いた場合に比べて、安全性が高い。本発明の接着剤には、接着剤の総量に対して、グルコマンナンが0.2〜36質量%含まれていることが好ましく、1〜23質量%含まれていることがより好ましく、1〜15質量%含まれていることがさらに好ましい。グルコマンナンが接着剤に上述の範囲で含まれていると、木材片同士をより強固に接着することができる。グルコマンナンの形態としては、具体的には、グルコマンナン粉、こんにゃく粉(精粉)等を使用することができる。
本発明の接着剤には、グルコマンナンが用いられている。グルコマンナンは、コンニャク芋に多く含まれる水溶性多糖で、六炭糖のグルコースとマンノースがおよそ2:3の割合でβ−1,4−グリコシド結合したものであり、コンニャクの主成分である。本発明の接着剤には、食品の成分であるグルコマンナンを用いているため、食器、食品容器、料理道具、玩具等の木材製品において、接着剤成分が人の唾液、食品及び飲料中に溶け出しても、合成樹脂を接着剤成分として用いた場合に比べて、安全性が高い。本発明の接着剤には、接着剤の総量に対して、グルコマンナンが0.2〜36質量%含まれていることが好ましく、1〜23質量%含まれていることがより好ましく、1〜15質量%含まれていることがさらに好ましい。グルコマンナンが接着剤に上述の範囲で含まれていると、木材片同士をより強固に接着することができる。グルコマンナンの形態としては、具体的には、グルコマンナン粉、こんにゃく粉(精粉)等を使用することができる。
(アルカリ化合物)
本発明の接着剤は、さらにアルカリ化合物を含む。本明細書において、「アルカリ化合物」とは、水に溶解すると水酸化物イオン(OH−)を生じるものである。本発明の接着剤に、グルコマンナンの他にアルカリ化合物が含まれることによって、木材片同士を接着する接着剤の耐水性がより向上する。具体的には、接着剤で接着した木材片を水に浸漬しても、接着剤が水に溶出しにくくなる。
本発明の接着剤は、さらにアルカリ化合物を含む。本明細書において、「アルカリ化合物」とは、水に溶解すると水酸化物イオン(OH−)を生じるものである。本発明の接着剤に、グルコマンナンの他にアルカリ化合物が含まれることによって、木材片同士を接着する接着剤の耐水性がより向上する。具体的には、接着剤で接着した木材片を水に浸漬しても、接着剤が水に溶出しにくくなる。
理論に拘束されるものではないが、本発明者は、接着剤において以下のような化学変化が起こっていると考えている。グルコマンナンに含まれるアセチル基が、アルカリ化合物の水酸化物イオンにより脱離することにより、グルコマンナンの分子鎖の凝集が起こり、グルコマンナンが木材片間に接着したまま三次元的網目構造(ゲル)を形成する。すなわち、接着剤に含まれるグルコマンナンが、木材片間に接着したままアルカリ変性して不可逆性のゲルを形成することにより、木材片を水に浸漬しても、木材片間を強固に接着したまま、水に溶解しにくくなる。
アルカリ化合物としては、水に溶解して水酸化物イオンを生じるものであればよく、特に限定されないが、例えば、水酸化カルシウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、アンモニア等を挙げることができる。これらの中でも、木材片同士を接着した際の接着剤の耐水性がより高まること、食器等の木材製品に適用しても安全性が高いことから、アルカリ化合物として水酸化カルシウム、炭酸ナトリウムを用いることが好ましい。
本発明の接着剤において、アルカリ化合物は、グルコマンナンの総量に対して、0.2〜50質量%含まれていることが好ましい。アルカリ化合物が接着剤に上述の範囲で含まれていると、木材片同士を接着した際の接着剤の耐水性をより向上させることができる。
(水)
本発明の接着剤は、グルコマンナンとアルカリ化合物の他に、さらに水を含むことが好ましい。接着剤が水を含むことにより、接着剤を木材片に適用する前にグルコマンナンがアルカリ化合物により変性して固まってしまうのを防ぐことができ、接着剤の取り扱い性がよくなる。水は、本発明の接着剤の総量に対して、64〜98質量%含まれていることが好ましい。水の含有量が上記範囲である場合に、接着剤の取り扱い性がより優れたものとなる。
本発明の接着剤は、グルコマンナンとアルカリ化合物の他に、さらに水を含むことが好ましい。接着剤が水を含むことにより、接着剤を木材片に適用する前にグルコマンナンがアルカリ化合物により変性して固まってしまうのを防ぐことができ、接着剤の取り扱い性がよくなる。水は、本発明の接着剤の総量に対して、64〜98質量%含まれていることが好ましい。水の含有量が上記範囲である場合に、接着剤の取り扱い性がより優れたものとなる。
(添加剤)
本発明の接着剤は、上述した材料の他に、必要に応じて添加剤を含んでいてもよい。このような添加剤としては、例えば、着色料、顔料、pH調整剤、保存料、防腐剤、粘度調整剤、界面活性剤、安定剤、酸化防止剤等が挙げられる。これらの添加剤も、接着剤の安全性を高めるためには、食品にも使用できるような安全性の高い成分の添加剤であることが好ましい。添加剤の含有量は、接着剤の総量に対して10質量%以下とすることができる。
本発明の接着剤は、上述した材料の他に、必要に応じて添加剤を含んでいてもよい。このような添加剤としては、例えば、着色料、顔料、pH調整剤、保存料、防腐剤、粘度調整剤、界面活性剤、安定剤、酸化防止剤等が挙げられる。これらの添加剤も、接着剤の安全性を高めるためには、食品にも使用できるような安全性の高い成分の添加剤であることが好ましい。添加剤の含有量は、接着剤の総量に対して10質量%以下とすることができる。
(接着剤の製造方法)
本発明の接着剤の製造方法は特に限定されず、上述した材料を混合することにより製造することができる。
本発明の接着剤の製造方法は特に限定されず、上述した材料を混合することにより製造することができる。
(接着剤の使用方法)
本発明の接着剤の使用方法は、特に限定されるものではないが、例えば以下の方法が挙げられる。接着しようとする木材片に本発明の接着剤を塗布又は含浸し、接着剤が塗布又は含浸された木材片同士を接触させ、接触させたまま木材片を乾燥することにより、木材片同士が接着する。
本発明の接着剤の使用方法は、特に限定されるものではないが、例えば以下の方法が挙げられる。接着しようとする木材片に本発明の接着剤を塗布又は含浸し、接着剤が塗布又は含浸された木材片同士を接触させ、接触させたまま木材片を乾燥することにより、木材片同士が接着する。
(塗布)
接着剤を木材片に塗布する方法は特に限定されず、従来公知の方法、例えば、刷毛、ローラー、コーター等により塗布することができる。なお、接着剤におけるグルコマンナンの濃度が低い場合には、接着剤の粘度も低くなり、木材片に塗布しにくくなったりすることがある。したがって、取り扱い性を向上させる観点から、接着剤を製造又は塗布する際に、加温してもよい。
接着剤を木材片に塗布する方法は特に限定されず、従来公知の方法、例えば、刷毛、ローラー、コーター等により塗布することができる。なお、接着剤におけるグルコマンナンの濃度が低い場合には、接着剤の粘度も低くなり、木材片に塗布しにくくなったりすることがある。したがって、取り扱い性を向上させる観点から、接着剤を製造又は塗布する際に、加温してもよい。
(含浸)
接着剤を木材片に含浸する方法は特に限定されず、例えば、接着剤に木材片を浸漬させる等、従来公知の方法によって含浸することができる。含浸する際に、含浸溶液ごと木材片を加熱してもよい。加熱することによって、より耐水性を向上させることができる。
接着剤を木材片に含浸する方法は特に限定されず、例えば、接着剤に木材片を浸漬させる等、従来公知の方法によって含浸することができる。含浸する際に、含浸溶液ごと木材片を加熱してもよい。加熱することによって、より耐水性を向上させることができる。
なお、木材片に接着剤を含浸した場合には、木材片の接着面以外の表面にも接着剤が塗布される。この場合、木材片の乾燥後に接着面以外の表面上にもグルコマンナンのアルカリ変性物の層が形成されるが、このグルコマンナンのアルカリ変性物の層により、接着剤だけでなく、木材片自体の耐水性を高めることができる。木材片自体の耐水性を高めるために、接着剤を木材片に塗布する場合も、木材片の接着面以外の表面にも接着剤を塗布してもよい。
(接触)
接着剤が塗布又は含浸された木材片同士を接触させる方法は、接着剤が塗布又は含浸された面同士が接触するのであれば特に限定されず、例えば、木材片が木粉である場合には木粉同士が接触するように混合したり、木材片が木材単板である場合には木材単板同士が接触するように積層したりすることができる。接触させる際に、木材片を加圧又は加熱してもよい。
接着剤が塗布又は含浸された木材片同士を接触させる方法は、接着剤が塗布又は含浸された面同士が接触するのであれば特に限定されず、例えば、木材片が木粉である場合には木粉同士が接触するように混合したり、木材片が木材単板である場合には木材単板同士が接触するように積層したりすることができる。接触させる際に、木材片を加圧又は加熱してもよい。
(乾燥)
木材片を乾燥する際の乾燥方法は特に限定されず、常温でも加熱下でも行うことができるが、加熱乾燥が好ましい。加熱乾燥することにより、木材片同士をより強固に接着することができる。加熱乾燥する温度としては、木材片の色調等に影響を与えない範囲であることが好ましく、例えば、50℃〜120℃の範囲であることが好ましい。加熱乾燥の種類としては、例えば、熱風乾燥、赤外線乾燥、ホットプレート乾燥等が挙げられる。
木材片を乾燥する際の乾燥方法は特に限定されず、常温でも加熱下でも行うことができるが、加熱乾燥が好ましい。加熱乾燥することにより、木材片同士をより強固に接着することができる。加熱乾燥する温度としては、木材片の色調等に影響を与えない範囲であることが好ましく、例えば、50℃〜120℃の範囲であることが好ましい。加熱乾燥の種類としては、例えば、熱風乾燥、赤外線乾燥、ホットプレート乾燥等が挙げられる。
乾燥により、接着した木材片中の水分量を20質量%以下とすることが好ましく、10質量%以下とすることがより好ましく、5質量%以下とすることがさらに好ましい。乾燥により木材片から水を除去することにより、木材片と、接着剤とを強固に結合することができる。
<リグノセルロース粉を含む組成物>
別の実施形態として、本発明は、上述した木材片用接着剤と、リグノセルロース粉とを含む組成物を提供する。本実施形態の組成物からは、安全性、耐水性及び成形性に優れた成形体を製造することができる。
別の実施形態として、本発明は、上述した木材片用接着剤と、リグノセルロース粉とを含む組成物を提供する。本実施形態の組成物からは、安全性、耐水性及び成形性に優れた成形体を製造することができる。
組成物には、上述した木材片用接着剤が含まれる。組成物中における木材片用接着剤の含有量は特に限定されないが、組成物の耐水性、取り扱い性及び成形性を向上させる観点から、木材片用接着剤の量を適宜調整することができる。
(リグノセルロース粉)
リグノセルロース粉とは、リグノセルロースを主成分とする粉である。リグノセルロースは、セルロース、ヘミセルロース、及び、リグニンを主要成分とする材料である。
リグノセルロース粉とは、リグノセルロースを主成分とする粉である。リグノセルロースは、セルロース、ヘミセルロース、及び、リグニンを主要成分とする材料である。
リグノセルロース粉の例は、木質バイオマス粉、草本バイオマス粉である。木質バイオマス粉の例は、木粉、竹粉である。木の例は、スギ、ヒノキ、マツ等の針葉樹、ブナ、ナラ、カバ等の広葉樹である。木粉、竹粉は、原木の粉砕等により製造してもよいが、廃材の粉砕等により製造してもよい。草本バイオマス粉の例は、トウモロコシの茎、イネの茎、イグサの茎を粉砕した粉である。
リグノセルロース粉の粒径は特に限定されないが、粒径の下限は、1μm、5μm、10μm、15μmであることができる。粒径の上限は、1000μm、500μm、400μm、300μm、200μmとすることができる。
粒径は、レーザ回折式の粒度分布計の体積基準の粒度分布のD50とすることができる。
組成物中におけるリグノセルロース粉の含有量は、特に限定されないが、組成物の取り扱い性及び成形性を向上させる観点から、適宜調整することができる。
(リグノセルロース粉を含む組成物の製造方法)
本実施形態の組成物の製造方法は特に限定されず、上述したリグノセルロース粉と、木材片用接着剤とを混合することにより、製造することができる。
本実施形態の組成物の製造方法は特に限定されず、上述したリグノセルロース粉と、木材片用接着剤とを混合することにより、製造することができる。
(リグノセルロース粉を用いた成形体の製造方法)
本実施形態の組成物を利用した成形体の製造方法は、上述した組成物を成形する工程と、成形した組成物を乾燥させて成形体を得る工程とを備える。
本実施形態の組成物を利用した成形体の製造方法は、上述した組成物を成形する工程と、成形した組成物を乾燥させて成形体を得る工程とを備える。
成形する工程において、成形方法は特に限定されず、手で成形してもよく、機械を用いて成形してもよい。手で成形する場合には、組成物の塊を手で所望の形に変形させたり、一つの塊を複数に分割(ちぎる等)したり、複数の塊を一つに合一させたりすることができ、容易に成形組成物を得ることができる。
機械を用いて成形する場合には、例えば、押出成形、射出成形、圧縮成形等の公知の方法を用いて成形組成物を得ることができる。押出成形としてチューブ成形を用いてストローなどを成形してもよい。
得られた成形組成物を乾燥して、乾燥した成形体を得ることができる。乾燥方法は上述の木材片用接着剤の使用方法で説明したのと同様である。
乾燥により、成形体中の水分量が20質量%以下、好ましくは、10質量%以下、より好ましくは5質量%以下になるように除去することが好適である。乾燥により成形組成物から水を除去することにより、リグノセルロース粉と、接着剤とが強固に結合し、耐水性の高い、所望の形状の成形体が完成する。
(リグノセルロース粉を用いた成形体の製造方法の別の実施形態)
リグノセルロース粉を用いた成形体の製造方法の別の実施形態として、本発明は、グルコマンナンとリグノセルロース粉とを含む組成物を成形する工程と、成形した組成物にアルカリ化合物を含むアルカリ溶液を塗布又は含浸する工程と、アルカリ溶液を塗布又は含浸された組成物を乾燥させて成形体を得る工程と、を備える、成形体の製造方法を提供する。
リグノセルロース粉を用いた成形体の製造方法の別の実施形態として、本発明は、グルコマンナンとリグノセルロース粉とを含む組成物を成形する工程と、成形した組成物にアルカリ化合物を含むアルカリ溶液を塗布又は含浸する工程と、アルカリ溶液を塗布又は含浸された組成物を乾燥させて成形体を得る工程と、を備える、成形体の製造方法を提供する。
本実施形態は、先にグルコマンナンとリグノセルロース粉とを含む組成物を成形して成形組成物を作製し、後からアルカリ溶液を塗布又は含浸して、成形組成物を乾燥することにより、リグノセルロース粉間がグルコマンナンのアルカリ変性物で接着された、耐水性の高い成形体を得るものである。
本実施形態においては、グルコマンナン、リグノセルロース粉、アルカリ化合物は上述した材料を同様に用いることができる。
グルコマンナンとリグノセルロース粉とを含む組成物において、グルコマンナンの量は、特に限定されないが、組成物の耐水性、取り扱い性及び成形性を向上させる観点から、適宜調整することができる。組成物中におけるリグノセルロース粉とグルコマンナンの質量比は、95:5〜50:50とすることができる。
グルコマンナンとリグノセルロース粉とを含む組成物は、取り扱い性及び成形性を向上させる観点から、水をさらに含むことが好ましい。水の量は、成形に適する粘度を有する範囲で適宜調整できる。
組成物の成形方法は、上述したのと同様の方法を用いることができる。
続いて、得られた成形組成物にアルカリ化合物を含むアルカリ溶液を塗布又は含浸する。アルカリ溶液中に含まれるアルカリ化合物の量は、特に限定されないが、成型組成物中のグルコマンナンの総量に対して、0.2〜50質量%含まれていることが好ましい。アルカリ溶液は、飽和水酸化カルシウム水溶液などの飽和水溶液であってもよい。
アルカリ溶液を成形組成物に塗布又は含浸する方法は、上述の木材片用接着剤の使用方法で説明したのと同様である。また、60〜100℃の水酸化カルシウム水溶液(例えば飽和水溶液)中に1〜60分程度で成形組成物を浸してもよい。
アルカリ溶液を塗布又は含浸された成形組成物を乾燥して、乾燥した成形体を得ることができる。乾燥方法は上述の木材片用接着剤の使用方法で説明したのと同様である。
<木材合板>
別の実施形態として、本発明は、上述の木材片用接着剤を介して複数の木材単板が積層された木材合板を提供する。
別の実施形態として、本発明は、上述の木材片用接着剤を介して複数の木材単板が積層された木材合板を提供する。
上記木材合板を構成する木材単板は、木質材料により形成される板であれば特に限定されないが、例えば、無垢材の板でもよく、木質材料の小片により形成されるパーティクルボードであってもよく、リグノセルロース粉を板状に固めたものであってもよい。このような木質材料は、例えば、スギ、ヒノキ、マツ等の針葉樹、ブナ、ナラ、カバ等の広葉樹、竹等から得ることができる。リグノセルロース粉は、上で説明したものを同様に用いることができる。
上記木材合板を構成する木材単板の厚さは特に限定されないが、例えば、0.1〜5mmとすることができる。また、積層される木材単板の枚数は、特に限定されず、2枚以上であればよく、その上限は特に限定されないが、例えば100枚とすることができる。
(木材合板の製造方法)
上記木材合板は、上述の木材片用接着剤を複数の木材単板に塗布又は含浸し、木材単板同士を接触させ、接触させたまま木材単板を乾燥することにより、製造することができる。木材合板の強度を向上させるために、木材単板同士を接触させた後、乾燥前にプレスしてもよい。プレスする際の圧力は、例えば、2〜5MPaの圧力とすることができる。プレスは常温で行ってもよいし、加温下で行ってもよい。加温する場合には、温度は100〜150℃とすることができる。
上記木材合板は、上述の木材片用接着剤を複数の木材単板に塗布又は含浸し、木材単板同士を接触させ、接触させたまま木材単板を乾燥することにより、製造することができる。木材合板の強度を向上させるために、木材単板同士を接触させた後、乾燥前にプレスしてもよい。プレスする際の圧力は、例えば、2〜5MPaの圧力とすることができる。プレスは常温で行ってもよいし、加温下で行ってもよい。加温する場合には、温度は100〜150℃とすることができる。
(木材合板の製造方法の別の実施形態)
木材合板の製造方法の別の実施形態として、本発明は、複数の木材単板にグルコマンナンを含む溶液を塗布又は含浸する工程と、該複数の木材単板同士を接触させる工程と、接触した複数の木材単板にアルカリ化合物を含むアルカリ溶液を塗布又は含浸する工程と、を備える方法によっても、上記木材合板を製造することができる。この方法は、先にグルコマンナン溶液を塗布又は含浸した木材単板同士を接触させた後、アルカリ溶液を塗布又は含浸することにより、木材単板同士がグルコマンナンのアルカリ変性物で接着された、耐水性の高い木材合板を得るものである。
木材合板の製造方法の別の実施形態として、本発明は、複数の木材単板にグルコマンナンを含む溶液を塗布又は含浸する工程と、該複数の木材単板同士を接触させる工程と、接触した複数の木材単板にアルカリ化合物を含むアルカリ溶液を塗布又は含浸する工程と、を備える方法によっても、上記木材合板を製造することができる。この方法は、先にグルコマンナン溶液を塗布又は含浸した木材単板同士を接触させた後、アルカリ溶液を塗布又は含浸することにより、木材単板同士がグルコマンナンのアルカリ変性物で接着された、耐水性の高い木材合板を得るものである。
アルカリ化合物及びアルカリ溶液の濃度は、上で説明したのと同様、特に限定されないが、用いるグルコマンナンの総量に対して、0.2〜50質量%とすることができる。グルコマンナン溶液の濃度は、特に限定されないが、グルコマンナン溶液の取り扱い性及び得られる木材合板の耐水性を向上させる観点から、グルコマンナン溶液の濃度を適宜調整することができる。
上記方法においては、アルカリ溶液を塗布又は含浸する工程の後に、アルカリ溶液が塗布又は含浸された複数の木材単板を乾燥する工程を含んでもよい。合板から成形体を製造する場合には、アルカリ溶液を塗布又は含浸する工程に続いて、アルカリ溶液が塗布又は含浸された複数の木材単板を成形して成形木材合板を作製した後に、該成形木材合板を乾燥する工程を行ってもよい。
(木材合板を用いた成形体の製造方法)
作製された木材合板を成形することにより、成形体を得ることができる。木材合板の成形方法は特に限定されず、公知の成形方法を用いることができる。例えば、凹型に合板をセットした後、凸型をプレスすることにより、型に合わせて成形することができる。プレスする際の圧力は、例えば、2〜5MPaの圧力とすることができる。プレスは常温で行ってもよいし、加温下で行ってもよい。加温する場合には、温度は100〜150℃とすることができる。
作製された木材合板を成形することにより、成形体を得ることができる。木材合板の成形方法は特に限定されず、公知の成形方法を用いることができる。例えば、凹型に合板をセットした後、凸型をプレスすることにより、型に合わせて成形することができる。プレスする際の圧力は、例えば、2〜5MPaの圧力とすることができる。プレスは常温で行ってもよいし、加温下で行ってもよい。加温する場合には、温度は100〜150℃とすることができる。
(木材合板を用いた成形体の製造方法の別の実施形態)
木材合板を用いた成形体の製造方法の別の実施形態として、本発明は、複数の木材単板を積層して木材合板を作製する工程と、該木材合板を成形する工程と、成形された木材合板に上述した木材片用接着剤を塗布又は含浸する工程と、木材片用接着剤が塗布又は含浸された木材合板を乾燥させて成形体を得る工程と、を備える、成形体の製造方法を提供する。この方法では、木材片用接着剤やグルコマンナン溶液を用いずに積層により木材合板を作製し、成形し、成形後に木材片用接着剤を用いるものである。
木材合板を用いた成形体の製造方法の別の実施形態として、本発明は、複数の木材単板を積層して木材合板を作製する工程と、該木材合板を成形する工程と、成形された木材合板に上述した木材片用接着剤を塗布又は含浸する工程と、木材片用接着剤が塗布又は含浸された木材合板を乾燥させて成形体を得る工程と、を備える、成形体の製造方法を提供する。この方法では、木材片用接着剤やグルコマンナン溶液を用いずに積層により木材合板を作製し、成形し、成形後に木材片用接着剤を用いるものである。
作製された木材合板を成形する工程、成形された木材合板に木材片用接着剤を塗布又は含浸する工程、木材片用接着剤が塗布又は含浸された木材合板を乾燥させて成形体を得る工程においては、それぞれ上述した成形方法、塗布又は含浸方法、乾燥方法を用いることができる。
こうして得られた成形体は、合板を形成する木材単板間に木材片用接着剤が浸透し、強度及び耐水性に優れたものとなる。
(木材合板を用いた成形体の製造方法の別の実施形態)
木材合板を用いた成形体の製造方法の別の実施形態として、本発明は、複数の木材単板にグルコマンナンを含む溶液を塗布又は含浸する工程と、前記複数の木材単板を積層して木材合板を作製する工程と、前記木材合板を成形する工程と、成形された木材合板にアルカリ化合物を含むアルカリ溶液を塗布又は含浸する工程と、アルカリ溶液が塗布又は含浸された木材合板を乾燥させて成形体を得る工程と、を備える、成形体の製造方法を提供する。この方法は、先にグルコマンナン溶液を塗布又は含浸した木材単板を積層し、成形した後、アルカリ溶液を塗布又は含浸し、乾燥することにより、木材単板同士がグルコマンナンのアルカリ変性物で接着された、強度及び耐水性の高い成形体を得るものである。用いる材料及び塗布、含浸、圧着、成形、乾燥方法は上述と同様である。
木材合板を用いた成形体の製造方法の別の実施形態として、本発明は、複数の木材単板にグルコマンナンを含む溶液を塗布又は含浸する工程と、前記複数の木材単板を積層して木材合板を作製する工程と、前記木材合板を成形する工程と、成形された木材合板にアルカリ化合物を含むアルカリ溶液を塗布又は含浸する工程と、アルカリ溶液が塗布又は含浸された木材合板を乾燥させて成形体を得る工程と、を備える、成形体の製造方法を提供する。この方法は、先にグルコマンナン溶液を塗布又は含浸した木材単板を積層し、成形した後、アルカリ溶液を塗布又は含浸し、乾燥することにより、木材単板同士がグルコマンナンのアルカリ変性物で接着された、強度及び耐水性の高い成形体を得るものである。用いる材料及び塗布、含浸、圧着、成形、乾燥方法は上述と同様である。
<成形体>
以上、各実施形態の製造方法により、グルコマンナンのアルカリ変性物を介して接着された複数の木材片を含む、木材成形体を得ることができる。
以上、各実施形態の製造方法により、グルコマンナンのアルカリ変性物を介して接着された複数の木材片を含む、木材成形体を得ることができる。
本発明の木材成形体は、食器、食品容器、料理道具、玩具、文具、家具、置物、装飾部材、自動車内装部品、家電部品、建材等の各種用途に利用可能である。
本発明の木材成形体は、ストローとしても利用可能である。近年、プラスチック製ストローが海洋生物の健康に悪影響を与えることが報道されて、各国でプラスチック製ストローの販売や店舗での提供が控えられる中、プラスチック製ストローに代替する木製ストローは利用価値が高い。
本発明の木材成形体から形成されるストローは、木材片同士がグルコマンナンのアルカリ変性物を介して強固に接着されているため、耐水性が高く、食品成分を用いているために安全性も高い。したがって、人間の口内で唾液に浸潤されたり、飲料に長時間浸漬されたりすることも多いストローの用途において、耐水性が高く安全性の高い本発明のストローは、特に効果を発揮する。
本発明で得られる、
本発明で得られる、
<ストローの製造方法>
別の実施形態として、本発明は木製ストローの製造方法を提供する。本実施形態の方法は、木製薄板に上述した木材片用接着剤を塗布又は含浸する工程と、木材片用接着剤を塗布又は含浸された木製薄板をストローの形に成形する工程と、ストローの形に成形された木製薄板を乾燥させて木製ストローを得る工程と、を備える。木材成形体から形成されるストローが複数の木材片から形成されるのに対し、本実施形態の方法では、木製薄板1枚からでも、木製ストローを製造することができる。
別の実施形態として、本発明は木製ストローの製造方法を提供する。本実施形態の方法は、木製薄板に上述した木材片用接着剤を塗布又は含浸する工程と、木材片用接着剤を塗布又は含浸された木製薄板をストローの形に成形する工程と、ストローの形に成形された木製薄板を乾燥させて木製ストローを得る工程と、を備える。木材成形体から形成されるストローが複数の木材片から形成されるのに対し、本実施形態の方法では、木製薄板1枚からでも、木製ストローを製造することができる。
本明細書において、「木製薄板」とは木材の薄い板を指し、その厚みは特に限定されないが、例えば、1mm以下とすることができる。成形後の強度を向上させる観点からは、木製薄板の厚みは、0.1mm以上であることが好ましい。
木製薄板に木材片用接着剤を塗布又は含浸する工程において、塗布及び含浸方法は上で説明したのと同様の方法を用いることができる。木製薄板をストローの形に成形する工程において、その成形方法はストローの形に成形するのであれば、特に限定されないが、例えば、以下のようにして、木製薄板をストローの形に成形することができる。
ストローの内径を直径とする棒に、木材片用接着剤が塗布又は含浸された細長い長方形の形状の木製薄板を、隙間ができないように貼り合わせ部分を重ねながら、らせん状(斜め)に巻きつける。らせん状(斜め)の木製薄板が適当な長さになるまで巻き付けた後、巻きつけた木製薄板を棒から引き抜くと、ストローの形に成形された木製薄板となる。また、木製薄板をストローの形に成形する方法の別の例として、木製薄板を棒に巻きつける際、長方形の形状の木製薄板の長辺を、棒の長手方向に沿って、木製薄板の長辺と棒の長手方向とが平行になるように、巻き付けてもよい。巻き付けた後、巻きつけた木製薄板を棒から引き抜くと、ストローの形に成形された木製薄板となる。成形された木製薄板を乾燥させることにより、木製ストローを得ることができる。乾燥方法は、上述した方法と同様の方法を用いることができる。乾燥前又は後に、木製薄板を、所望のストローの長さになるように適宜切断してもよい。
(木製ストローの製造方法の別の実施形態)
木製ストローの製造方法の別の実施形態として、本発明は、木製薄板をストローの形に成形する工程と、成形された木製薄板に上述した木材片用接着剤を塗布又は含浸する工程と、木材片用接着剤を塗布又は含浸された木製薄板を乾燥させて木製ストローを得る工程と、を備える、木製ストローの製造方法を提供する。本実施形態においては、先に木製薄板をストローの形に成形し、成形した後に木材片用接着剤を塗布又は含浸する。ストローの形に成形する方法は、木製薄板に木材片用接着剤が塗布又は含浸されていること以外は、上述の方法と同様である。塗布又は含浸方法、乾燥方法は上述の方法と同様である。
木製ストローの製造方法の別の実施形態として、本発明は、木製薄板をストローの形に成形する工程と、成形された木製薄板に上述した木材片用接着剤を塗布又は含浸する工程と、木材片用接着剤を塗布又は含浸された木製薄板を乾燥させて木製ストローを得る工程と、を備える、木製ストローの製造方法を提供する。本実施形態においては、先に木製薄板をストローの形に成形し、成形した後に木材片用接着剤を塗布又は含浸する。ストローの形に成形する方法は、木製薄板に木材片用接着剤が塗布又は含浸されていること以外は、上述の方法と同様である。塗布又は含浸方法、乾燥方法は上述の方法と同様である。
木製ストローの製造方法のさらに別の実施形態として、本発明は、木製薄板にグルコマンナンを含むグルコマンナン溶液を塗布又は含浸する工程と、グルコマンナン溶液を塗布又は含浸された木製薄板をストローの形に成形する工程と、成形された木製薄板にアルカリ化合物を含むアルカリ溶液を塗布又は含浸する工程と、アルカリ溶液を塗布又は含浸された木製薄板を乾燥させて木製ストローを得る工程と、を備える、木製ストローの製造方法を提供する。本実施形態においては、先にグルコマンナン溶液に塗布又は含浸させた木製薄板をストローの形に成形し、成形した後にアルカリ溶液を塗布又は含浸する。塗布又は含浸方法、成形方法、乾燥方法は上述の方法と同様である。
以上のようにして作製された木製ストローは、木製薄板がグルコマンナンのアルカリ変性物を介して強固に接着されているため、耐水性が高く、食品成分を用いているために安全性も高い。したがって、人間の口内で唾液に浸潤されたり、飲料に長時間浸漬されたりしても、本発明のストローは耐水性が高く安全性も高いので、使用者が安心して使用することができる。
なお、上記により得られる、木材片接着物、リグノセルロース粉を含む組成物の成形体(例えばストローなど)、木材合板及びその成形体、薄板ストロー等の各種木質製品の表面に、必要に応じて、耐水性向上等のための各種コーティングを行ってもよい。コーティングの例は、シェラック、蝋類(例えば、カルバナ蝋、キャンデラ蝋、ライス蝋、蜜蝋である。例えばストローの場合、コーティングは、外面のみでもよく、内面のみでもよいが、耐水性向上効果の観点から外面及び内面の両方をコーティングすることが好適である。
(作製例1、グルコマンナン溶液の作製)
3種類の温度(25℃、60℃、80℃)の水100gと、グルコマンナン3gとを混合して、グルコマンナン溶液を作製した。なお、以下の実施例でグルコマンナン溶液を使用する際には、3種類の温度の水で作製したもの全て、常温(25℃)で使用した。
3種類の温度(25℃、60℃、80℃)の水100gと、グルコマンナン3gとを混合して、グルコマンナン溶液を作製した。なお、以下の実施例でグルコマンナン溶液を使用する際には、3種類の温度の水で作製したもの全て、常温(25℃)で使用した。
(作製例2、アルカリ溶液の作製)
水酸化カルシウム1.5gと水100gとを常温(25℃)で混合して、アルカリ溶液(濃度15g/L)を作製した。
水酸化カルシウム1.5gと水100gとを常温(25℃)で混合して、アルカリ溶液(濃度15g/L)を作製した。
(実施例1、木材片用接着剤の作製)
3種類の温度(25℃、60℃、80℃)の水100gと、グルコマンナン3gと水酸化カルシウム0.3gとを混合して、木材片用接着剤を作製した。なお、以下の実施例で木材片用接着剤を使用する際には、3種類の温度の水で作製したもの全て、常温(25℃)で使用した。
3種類の温度(25℃、60℃、80℃)の水100gと、グルコマンナン3gと水酸化カルシウム0.3gとを混合して、木材片用接着剤を作製した。なお、以下の実施例で木材片用接着剤を使用する際には、3種類の温度の水で作製したもの全て、常温(25℃)で使用した。
(実施例2、木材片用接着剤の作製)
2種類の温度(60℃、80℃)の水100gと、グルコマンナン3gとを混合した。これに、15g/L(水酸化カルシウム7.5g/水500g)の濃度の水酸化カルシウム水溶液とで、木材片用接着剤を作製した。
2種類の温度(60℃、80℃)の水100gと、グルコマンナン3gとを混合した。これに、15g/L(水酸化カルシウム7.5g/水500g)の濃度の水酸化カルシウム水溶液とで、木材片用接着剤を作製した。
(実施例3、木粉と木材片用接着剤を用いた木製ストローの作製)
スギ粉(粒径20μm)と実施例1で作製した木材片用接着剤とをBEGO社の攪拌機Motova300で攪拌して、組成物を得た。組成物を押出機に充填した後、押出成形にて、直径6mm、長さ150mmのストローの形に成形した。成形後、成形組成物を60℃で3時間乾燥して、木製ストローを得た。
スギ粉(粒径20μm)と実施例1で作製した木材片用接着剤とをBEGO社の攪拌機Motova300で攪拌して、組成物を得た。組成物を押出機に充填した後、押出成形にて、直径6mm、長さ150mmのストローの形に成形した。成形後、成形組成物を60℃で3時間乾燥して、木製ストローを得た。
(実施例4、木材片用接着剤を用いた木材合板の作製)
スギの木材単板(厚さ0.15mm)を15枚用意し、各木材単板の片面に実施例1で作製した木材片用接着剤を塗布した。接着剤を塗布した木材単板同士を積層し、プレス機によって145℃、3.0MPaの圧力で15分間プレスして木材合板を得た。
スギの木材単板(厚さ0.15mm)を15枚用意し、各木材単板の片面に実施例1で作製した木材片用接着剤を塗布した。接着剤を塗布した木材単板同士を積層し、プレス機によって145℃、3.0MPaの圧力で15分間プレスして木材合板を得た。
(実施例5、木材片用接着剤を用いた木材合板の作製)
実施例1で作製した木材片用接着剤を含浸したスギの木材単板(厚さ0.15mm)を13枚用意し、木材単板同士を積層し、プレス機によって110℃、3.0MPaの圧力で15分間プレスして木材合板を得た。
実施例1で作製した木材片用接着剤を含浸したスギの木材単板(厚さ0.15mm)を13枚用意し、木材単板同士を積層し、プレス機によって110℃、3.0MPaの圧力で15分間プレスして木材合板を得た。
(実施例6、グルコマンナン溶液とアルカリ溶液を用いた木材合板の作製)
スギの木材単板(厚さ0.15mm)を10枚用意し、各木材単板の片面に作製例1で作製したグルコマンナン溶液を塗布した。グルコマンナン溶液を塗布した木材単板同士を積層し、プレス機によって145℃、4MPaの圧力で15分間プレスした。プレス後、積層された木材単板を、作製例2で作製したアルカリ溶液に含浸しながら加熱した。アルカリ溶液から積層された木材単板を取り出し、70℃で2時間乾燥して、木材合板を得た。
スギの木材単板(厚さ0.15mm)を10枚用意し、各木材単板の片面に作製例1で作製したグルコマンナン溶液を塗布した。グルコマンナン溶液を塗布した木材単板同士を積層し、プレス機によって145℃、4MPaの圧力で15分間プレスした。プレス後、積層された木材単板を、作製例2で作製したアルカリ溶液に含浸しながら加熱した。アルカリ溶液から積層された木材単板を取り出し、70℃で2時間乾燥して、木材合板を得た。
(実施例7、木材片用接着剤を用いた成形体の作製)
スギの木材単板(厚さ0.15mm)を13枚用意し、各木材単板の片面に実施例1で作製した木材片用接着剤を塗布した。接着剤を塗布した木材単板同士を積層し、金型に置き、プレス機によって145℃、2MPaの圧力で10分間プレスし、成形体を得た。
スギの木材単板(厚さ0.15mm)を13枚用意し、各木材単板の片面に実施例1で作製した木材片用接着剤を塗布した。接着剤を塗布した木材単板同士を積層し、金型に置き、プレス機によって145℃、2MPaの圧力で10分間プレスし、成形体を得た。
(実施例8、グルコマンナン溶液とアルカリ溶液を用いた成形体の作製)
スギの木材単板(厚さ0.15mm)を10枚用意し、各木材単板の片面に作製例1で作製したグルコマンナン溶液を塗布した。グルコマンナン溶液を塗布した木材単板同士を積層し、金型に置きプレス機によって145℃、4MPaの圧力で15分間プレスした。プレス後、積層された木材単板を、作製例2で作製したアルカリ溶液に含浸しながら加熱した。アルカリ溶液から積層された木材単板を取り出し、70℃で2時間乾燥して、成形体を得た。
スギの木材単板(厚さ0.15mm)を10枚用意し、各木材単板の片面に作製例1で作製したグルコマンナン溶液を塗布した。グルコマンナン溶液を塗布した木材単板同士を積層し、金型に置きプレス機によって145℃、4MPaの圧力で15分間プレスした。プレス後、積層された木材単板を、作製例2で作製したアルカリ溶液に含浸しながら加熱した。アルカリ溶液から積層された木材単板を取り出し、70℃で2時間乾燥して、成形体を得た。
(実施例9、木製薄板を用いたストローの作製)
スギの帯状薄板(厚さ0.1〜0.2mm、幅60mm、長さ220mm)を1枚用意した。この薄板を実施例1で作製した木材片用接着剤に含浸した。木材片用接着剤から薄板を取り出し、アルミ製の棒(直径6mm)を薄板上に、薄板の一辺に対して斜めになるように置き、棒に薄板の角から筒状になるように薄板を巻きつけ、薄板をストローの形に成形した。成形後、薄板を常温または60℃〜120℃で乾燥し、木製ストローを得た。
スギの帯状薄板(厚さ0.1〜0.2mm、幅60mm、長さ220mm)を1枚用意した。この薄板を実施例1で作製した木材片用接着剤に含浸した。木材片用接着剤から薄板を取り出し、アルミ製の棒(直径6mm)を薄板上に、薄板の一辺に対して斜めになるように置き、棒に薄板の角から筒状になるように薄板を巻きつけ、薄板をストローの形に成形した。成形後、薄板を常温または60℃〜120℃で乾燥し、木製ストローを得た。
(実施例10、木製薄板を用いたストローの作製)
スギの帯状薄板(厚さ0.1〜0.2mm、幅60mm、長さ220mm)を1枚用意した。アルミ製の棒(直径6mm)を薄板上に、薄板の一辺に対して斜めになるように置き、棒に薄板の角から筒状になるように薄板を巻きつけ、薄板をストローの形に成形した。成形後、薄板に実施例1で作製した木材片用接着剤を塗布した。塗布後、薄板を常温または60℃〜120℃で乾燥し、木製ストローを得た。
スギの帯状薄板(厚さ0.1〜0.2mm、幅60mm、長さ220mm)を1枚用意した。アルミ製の棒(直径6mm)を薄板上に、薄板の一辺に対して斜めになるように置き、棒に薄板の角から筒状になるように薄板を巻きつけ、薄板をストローの形に成形した。成形後、薄板に実施例1で作製した木材片用接着剤を塗布した。塗布後、薄板を常温または60℃〜120℃で乾燥し、木製ストローを得た。
(実施例11、木製薄板を用いたストローの作製)
スギの帯状薄板(厚さ0.1〜0.2mm、幅60mm、長さ220mm)を1枚用意した。この薄板を作製例1で作製したグルコマンナン溶液に含浸した。グルコマンナン溶液から薄板を取り出し、アルミ製の棒(直径6mm)を薄板上に、薄板の一辺に対して斜めになるように置き、棒に薄板の角から筒状になるように薄板を巻きつけ、薄板をストローの形に成形した。ストローの形に成形された薄板に作製例2で作製したアルカリ溶液を含浸させながら加熱した。含浸及び加熱後、薄板を常温または60℃〜120℃で乾燥し、木製ストローを得た。
スギの帯状薄板(厚さ0.1〜0.2mm、幅60mm、長さ220mm)を1枚用意した。この薄板を作製例1で作製したグルコマンナン溶液に含浸した。グルコマンナン溶液から薄板を取り出し、アルミ製の棒(直径6mm)を薄板上に、薄板の一辺に対して斜めになるように置き、棒に薄板の角から筒状になるように薄板を巻きつけ、薄板をストローの形に成形した。ストローの形に成形された薄板に作製例2で作製したアルカリ溶液を含浸させながら加熱した。含浸及び加熱後、薄板を常温または60℃〜120℃で乾燥し、木製ストローを得た。
(比較例1、木製薄板を用いたストローの作製)
実施例1で作製した木材片用接着剤の代わりに、作製例1で作製したグルコマンナン溶液を塗布したこと以外は、実施例10と同様の方法により、木製ストローを得た。
実施例1で作製した木材片用接着剤の代わりに、作製例1で作製したグルコマンナン溶液を塗布したこと以外は、実施例10と同様の方法により、木製ストローを得た。
(比較例2、木製薄板を用いたストローの作製)
ストローの形に成形後、アルカリ溶液を塗布せずに乾燥したこと以外は実施例11と同様の方法により、木製ストローを得た。
ストローの形に成形後、アルカリ溶液を塗布せずに乾燥したこと以外は実施例11と同様の方法により、木製ストローを得た。
(耐水性試験)
実施例9〜11及び比較例1、2で得られた木製ストローを、水に24時間浸漬した。浸漬後、木製ストローを取り出し、木製薄板の接着部分が剥がれているかどうかを目視で確認した。木製薄板の接着部分が剥がれていない場合は、手で剥がしたら剥がれるかどうか確認した。
実施例9〜11及び比較例1、2で得られた木製ストローを、水に24時間浸漬した。浸漬後、木製ストローを取り出し、木製薄板の接着部分が剥がれているかどうかを目視で確認した。木製薄板の接着部分が剥がれていない場合は、手で剥がしたら剥がれるかどうか確認した。
その結果、実施例9〜11の木製ストローは、水に24時間浸漬しても木製薄板の接着部分は剥がれておらず、手で剥がそうとしても剥がれなかった。一方、比較例1、2の木製ストローは、水に浸漬後、木製薄板の接着部分が剥がれていた。
したがって、グルコマンナンのアルカリ変性物が、木材薄板を長時間水に浸漬しても、木材薄板間を強固に接着したままであることが示された。
(実施例12、こんにゃく粉含有接着剤と木製薄板を用いたストローの作製)
グルコマンナンに代えてこんにゃく粉を含有する接着剤(ただし、接着剤におけるグルコマンナンの含有量は同等)を用いる以外は実施例9と同様にして木製ストローを得た。
グルコマンナンに代えてこんにゃく粉を含有する接着剤(ただし、接着剤におけるグルコマンナンの含有量は同等)を用いる以外は実施例9と同様にして木製ストローを得た。
実施例9及び実施例12で得られた木製ストロー(いずれも接着剤作成時の水の温度は25℃)に対して以下の溶出試験を行った。いずれのストローについても、ヒ素、重金属、フェノール、ホルムアルデヒドは検出されなかった。
ヒ素(As2O3として):溶媒(4V/V%酢酸):検出下限0.05μg/mL
重金属(Pbとして):溶媒(4V/V%酢酸):検出下限1μg/mL
フェノール類(フェノールとして):溶媒(水):検出下限0.5μg/mL
ホルムアルデヒド:溶媒(水):検出下限0.5μg/mL
ヒ素(As2O3として):溶媒(4V/V%酢酸):検出下限0.05μg/mL
重金属(Pbとして):溶媒(4V/V%酢酸):検出下限1μg/mL
フェノール類(フェノールとして):溶媒(水):検出下限0.5μg/mL
ホルムアルデヒド:溶媒(水):検出下限0.5μg/mL
<スギ粉、グルコマンナン粉、及び、水酸化カルシウムによるストロー>
(実施例A1)
リグノセルロース粉としてのスギ粉(粒径22μm)、及び、グルコマンナン粉を用意した。スギ粉90質量部、グルコマンナン10質量部、及び、水を、常温で(25℃)BEGO社の攪拌機Motova300で攪拌して、成形用組成物を得た。
(実施例A1)
リグノセルロース粉としてのスギ粉(粒径22μm)、及び、グルコマンナン粉を用意した。スギ粉90質量部、グルコマンナン10質量部、及び、水を、常温で(25℃)BEGO社の攪拌機Motova300で攪拌して、成形用組成物を得た。
(成形)
得られた成形用組成物を、押出し成型機の25mm×10mmの穴部から押出し、成形体を得た。この成形体は、成形後にその形状を維持することができた。また、成形用組成物の手による成形も可能であった。
得られた成形用組成物を、押出し成型機の25mm×10mmの穴部から押出し、成形体を得た。この成形体は、成形後にその形状を維持することができた。また、成形用組成物の手による成形も可能であった。
(アルカリ溶液の含浸)
常温25℃の3000cm3の水に、6gの水酸化カルシウムを溶解させて飽和水酸化カルシウム水溶液を調製した。その後、水酸化カルシウム水溶液を沸騰させた後、90℃に維持した。90℃に維持した水酸化カルシウム水溶液中に、成形体を投入して30分間放置し、水酸化カルシウムを成形体中に含浸させた。
常温25℃の3000cm3の水に、6gの水酸化カルシウムを溶解させて飽和水酸化カルシウム水溶液を調製した。その後、水酸化カルシウム水溶液を沸騰させた後、90℃に維持した。90℃に維持した水酸化カルシウム水溶液中に、成形体を投入して30分間放置し、水酸化カルシウムを成形体中に含浸させた。
(乾燥)
水溶液から取り出した成形体を常温24℃で自然乾燥(2日)して、乾燥成形体を得た。乾燥成形体の含水率は約9.2%であった。
水溶液から取り出した成形体を常温24℃で自然乾燥(2日)して、乾燥成形体を得た。乾燥成形体の含水率は約9.2%であった。
(比較例A1)
水酸化カルシウム水溶液の含浸を行わないで乾燥させた以外は、実施例A1と同様にして、乾燥成形体を得た。
水酸化カルシウム水溶液の含浸を行わないで乾燥させた以外は、実施例A1と同様にして、乾燥成形体を得た。
(実施例A2及び比較例A2)
スギ粉(粒径22μm)及びグルコマンナン粉の添加量比を、順に80質量部及び20質量部にすること、及び、含浸時の水酸化カルシウム水溶液の温度を100℃とする以外は、実施例A1及び比較例A1と同様として、それぞれ乾燥成形体を得た。実施例A1の乾燥成形体の含水率は約3.4%であった。
スギ粉(粒径22μm)及びグルコマンナン粉の添加量比を、順に80質量部及び20質量部にすること、及び、含浸時の水酸化カルシウム水溶液の温度を100℃とする以外は、実施例A1及び比較例A1と同様として、それぞれ乾燥成形体を得た。実施例A1の乾燥成形体の含水率は約3.4%であった。
(評価:3点曲げ強度試験)
乾燥成形体を高さ8.5mm、奥行き6mm、長さ70mmにレーザーカッターで切り抜いて試験用ワークを得た。その後、万能試験機でワークの3点曲げ試験を行い、最大応力を測定した。
乾燥成形体を高さ8.5mm、奥行き6mm、長さ70mmにレーザーカッターで切り抜いて試験用ワークを得た。その後、万能試験機でワークの3点曲げ試験を行い、最大応力を測定した。
(評価:圧縮強度試験)
乾燥成形体を高さ10mm、奥行き10mm、長さ10mmにレーザーカッターで切り抜いて試験用ワークを得た。その後、万能試験機でワークの圧縮試験を行い、最大応力を測定した。
乾燥成形体を高さ10mm、奥行き10mm、長さ10mmにレーザーカッターで切り抜いて試験用ワークを得た。その後、万能試験機でワークの圧縮試験を行い、最大応力を測定した。
(評価:硬さ試験)
デュロメータ硬さ試験機(タイプD)で乾燥成形体の硬さ試験を行い、硬さの測定をおこなった。
条件及び結果を、表1に示す。
デュロメータ硬さ試験機(タイプD)で乾燥成形体の硬さ試験を行い、硬さの測定をおこなった。
条件及び結果を、表1に示す。
<スギ粉、こんにゃく粉、及び、水酸化カルシウムを含む組成物>
(実施例B1)
リグノセルロース粉としてのスギ粉(粒径22μm)、及び、こんにゃく粉を用意した。スギ粉90質量部及びこんにゃく粉10質量部と水を、常温(25℃)でBEGO社の攪拌機Motova300で攪拌して、成形用組成物を得た。
その後は、実施例A1と同様に成形及びアルカリの含浸をして、乾燥成形体を得た。実施B1の乾燥成形体の含水率は約8.4%であった。
(実施例B1)
リグノセルロース粉としてのスギ粉(粒径22μm)、及び、こんにゃく粉を用意した。スギ粉90質量部及びこんにゃく粉10質量部と水を、常温(25℃)でBEGO社の攪拌機Motova300で攪拌して、成形用組成物を得た。
その後は、実施例A1と同様に成形及びアルカリの含浸をして、乾燥成形体を得た。実施B1の乾燥成形体の含水率は約8.4%であった。
(比較例B1)
水酸化カルシウム水溶液の含浸を行わない以外は、実施例B1と同様にして、乾燥成形体を得た。
水酸化カルシウム水溶液の含浸を行わない以外は、実施例B1と同様にして、乾燥成形体を得た。
(実施例B2、及び、比較例B2)
スギ粉(粒径22μm)及びこんにゃく粉の添加量比を、順に80質量部及び20質量部とすること、及び、含浸時の水酸化カルシウム水溶液の温度を100℃とする以外は、実施例B1及び比較例B1と同様として、それぞれ乾燥成形体を得た。実施例B2の乾燥成形体の含水率は約3.5%であった。
スギ粉(粒径22μm)及びこんにゃく粉の添加量比を、順に80質量部及び20質量部とすること、及び、含浸時の水酸化カルシウム水溶液の温度を100℃とする以外は、実施例B1及び比較例B1と同様として、それぞれ乾燥成形体を得た。実施例B2の乾燥成形体の含水率は約3.5%であった。
(実施例B3、及び、比較例B3)
スギ粉(粒径22μm)及びこんにゃく粉の添加量比を、順に70質量部及び30質量部にする以外は、実施例B2及び比較例B3と同様として、それぞれ乾燥成形体を得た。実施例B3の乾燥成形体の含水率は約2.1%であった。
スギ粉(粒径22μm)及びこんにゃく粉の添加量比を、順に70質量部及び30質量部にする以外は、実施例B2及び比較例B3と同様として、それぞれ乾燥成形体を得た。実施例B3の乾燥成形体の含水率は約2.1%であった。
実施例A1と同様にして、乾燥成形体の強度を評価した。結果を表2に示す。
<スギ粉、こんにゃく粉、及び、水酸化カルシウムを含む組成物>
(実施例C1)
リグノセルロース粉としてのスギ粉(粒径177μm)、及び、こんにゃく粉を用意した。スギ粉90質量部及びこんにゃく粉10質量部と水を、常温(25℃)でBEGO社の攪拌機Motova300で攪拌して、成形用組成物を得た。
その後は、実施例A1と同様に成形及びアルカリの含浸をして、乾燥成形体を得た。乾燥成形体の含水率は約7.6%であった。
(実施例C1)
リグノセルロース粉としてのスギ粉(粒径177μm)、及び、こんにゃく粉を用意した。スギ粉90質量部及びこんにゃく粉10質量部と水を、常温(25℃)でBEGO社の攪拌機Motova300で攪拌して、成形用組成物を得た。
その後は、実施例A1と同様に成形及びアルカリの含浸をして、乾燥成形体を得た。乾燥成形体の含水率は約7.6%であった。
(比較例C1)
水酸化カルシウム水溶液の含浸を行わない以外は、実施例C1と同様にして、乾燥成形体を得た。
水酸化カルシウム水溶液の含浸を行わない以外は、実施例C1と同様にして、乾燥成形体を得た。
(実施例C2、及び、比較例C2)
スギ粉(粒径177μm)及びこんにゃく粉の添加量比を、順に80質量部及び20質量部にすること、及び、含浸時の水酸化カルシウム水溶液の温度を100℃とする以外は、実施例C1及び比較例C1と同様として、それぞれ乾燥成形体を得た。実施例C2の乾燥成形体の含水率は約8.2%であった。
スギ粉(粒径177μm)及びこんにゃく粉の添加量比を、順に80質量部及び20質量部にすること、及び、含浸時の水酸化カルシウム水溶液の温度を100℃とする以外は、実施例C1及び比較例C1と同様として、それぞれ乾燥成形体を得た。実施例C2の乾燥成形体の含水率は約8.2%であった。
(実施例C3、及び、比較例C3)
スギ粉(粒径177μm)及びこんにゃく粉の添加量比を、順に70質量部及び30質量部にする以外は、実施例C2及び比較例C2と同様として、それぞれ乾燥成形体を得た。実施例C3の乾燥成形体の含水率は約8.7%であった。
スギ粉(粒径177μm)及びこんにゃく粉の添加量比を、順に70質量部及び30質量部にする以外は、実施例C2及び比較例C2と同様として、それぞれ乾燥成形体を得た。実施例C3の乾燥成形体の含水率は約8.7%であった。
実施例B1と同様にして、乾燥成形体の強度を評価した。結果を表3に示す。
アルカリ水溶液を含浸させた実施例では、含浸させなかった比較例に比べて、3つの強度試験の内の少なくとも1つ以上の評価方法で強度の有意な向上が確認された。
(実施例13:木粉と木材片用接着剤(グルコマンナン含有)を用いた木製ストローの作製)
実施例A2で作製した成形用組成物を押出機に充填した後、押出成形にて、直径6mm、長さ150mmのストローの形に成形した。成形後、実施例A2と同様に水酸化カルシウム水溶液を含浸させ、その後、成形組成物を60℃で3時間乾燥した。乾燥後に、成形ストローにシェラック溶液を含浸させてから乾燥させ、成形ストローの外面及び内面をシェラックでコートし、木粉由来のストローを得た。
実施例A2で作製した成形用組成物を押出機に充填した後、押出成形にて、直径6mm、長さ150mmのストローの形に成形した。成形後、実施例A2と同様に水酸化カルシウム水溶液を含浸させ、その後、成形組成物を60℃で3時間乾燥した。乾燥後に、成形ストローにシェラック溶液を含浸させてから乾燥させ、成形ストローの外面及び内面をシェラックでコートし、木粉由来のストローを得た。
(実施例14:木粉と木材片用接着剤(こんにゃく粉含)を用いた木製ストローの作製)
実施例B3の成形用組成物を用いる以外は実施例13と同様にして、シェラックで外面及び内面をコートした木粉由来のストローを得た。
実施例B3の成形用組成物を用いる以外は実施例13と同様にして、シェラックで外面及び内面をコートした木粉由来のストローを得た。
実施例13及び実施例14の各ストローについて上述と同様の溶出試験を行ったが、いずれのストロー共に、ヒ素、重金属、フェノール、ホルムアルデヒドは検出されなかった。
Claims (23)
- グルコマンナンとアルカリ化合物とを含む、木材片用接着剤。
- さらに水を含む、請求項1に記載の木材片用接着剤。
- 前記アルカリ化合物が、前記グルコマンナンの総量に対して、0.2〜50質量%である、請求項1又は2に記載の木材片用接着剤。
- 前記アルカリ化合物が、水酸化カルシウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、アンモニアからなる群より選択される1種以上である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の木材片用接着剤。
- 請求項1〜4のいずれか一項に記載の木材片用接着剤と、リグノセルロース粉とを含む、組成物。
- 前記リグノセルロース粉は、木質バイオマス粉及び草本バイオマス粉からなる群から選択される1種以上である、請求項5に記載の組成物。
- 前記リグノセルロース粉は、木粉及び竹粉からなる群から選択される1種以上である、請求項5又は6に記載の組成物。
- 請求項5〜7のいずれか一項に記載の組成物を成形する工程と、成形した組成物を乾燥させて成形体を得る工程と、を備える、成形体の製造方法。
- グルコマンナンとリグノセルロース粉とを含む組成物を成形する工程と、成形した組成物にアルカリ化合物を含むアルカリ溶液を塗布又は含浸する工程と、アルカリ溶液を塗布又は含浸された組成物を乾燥させて成形体を得る工程と、を備える、成形体の製造方法。
- 請求項1〜4のいずれか一項に記載の木材片用接着剤を介して複数の木材単板が積層された木材合板。
- 複数の木材単板にグルコマンナンを含む溶液を塗布又は含浸する工程と、前記複数の木材単板同士を接触させる工程と、接触した複数の木材単板にアルカリ化合物を含むアルカリ溶液を塗布又は含浸する工程と、を備える、木材合板の製造方法。
- 請求項10又は11に記載の木材合板を成形する工程を備える、成形体の製造方法。
- 複数の木材単板を積層して木材合板を作製する工程と、前記木材合板を成形する工程と、成形された木材合板に請求項1〜4のいずれか一項に記載の木材片用接着剤を塗布又は含浸する工程と、木材片用接着剤が塗布又は含浸された木材合板を乾燥させて成形体を得る工程と、を備える、成形体の製造方法。
- 複数の木材単板にグルコマンナンを含む溶液を塗布又は含浸する工程と、前記複数の木材単板を積層して木材合板を作製する工程と、前記木材合板を成形する工程と、成形された木材合板にアルカリ化合物を含むアルカリ溶液を塗布又は含浸する工程と、アルカリ溶液が塗布又は含浸された木材合板を乾燥させて成形体を得る工程と、を備える、成形体の製造方法。
- 前記成形体が食器、食品容器、料理道具、玩具、文具、家具、置物、装飾部材、自動車内装部品、家電部品、建材である、請求項8、9、12〜14のいずれか一項に記載の成形体の製造方法。
- 前記成形体がストローである、請求項15に記載の成形体の製造方法。
- 木製薄板に請求項1〜4のいずれか一項に記載の木材片用接着剤を塗布又は含浸する工程と、木材片用接着剤を塗布又は含浸された木製薄板をストローの形に成形する工程と、ストローの形に成形された木製薄板を乾燥させて木製ストローを得る工程と、備える、木製ストローの製造方法。
- 木製薄板をストローの形に成形する工程と、成形された木製薄板に請求項1〜4のいずれか一項に記載の木材片用接着剤を塗布又は含浸する工程と、木材片用接着剤を塗布又は含浸された木製薄板を乾燥させて木製ストローを得る工程と、を備える、木製ストローの製造方法。
- 木製薄板にグルコマンナンを含むグルコマンナン溶液を塗布又は含浸する工程と、グルコマンナン溶液を塗布又は含浸された木製薄板をストローの形に成形する工程と、成形された木製薄板にアルカリ化合物を含むアルカリ溶液を塗布又は含浸する工程と、アルカリ溶液を塗布又は含浸された木製薄板を乾燥させて木製ストローを得る工程と、を備える、木製ストローの製造方法。
- グルコマンナンのアルカリ変性物を介して接着された木製薄板から構成される、木製ストロー。
- グルコマンナンのアルカリ変性物を介して接着された複数の木材片を含む、木材成形体。
- 前記木材成形体が、食器、食品容器、料理道具、玩具、文具、家具、置物、装飾部材、自動車内装部品、家電部品、建材である、請求項21に記載の成形体。
- ストローである、請求項21又は22に記載の成形体。
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JP2020218481A Pending JP2021107551A (ja) | 2019-12-27 | 2020-12-28 | 木材片用接着剤 |
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2020
- 2020-12-28 JP JP2020218481A patent/JP2021107551A/ja active Pending
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