JP2021107351A - ポリビニルアルコール及び水溶性増粘剤を含む複合体 - Google Patents

ポリビニルアルコール及び水溶性増粘剤を含む複合体 Download PDF

Info

Publication number
JP2021107351A
JP2021107351A JP2019239105A JP2019239105A JP2021107351A JP 2021107351 A JP2021107351 A JP 2021107351A JP 2019239105 A JP2019239105 A JP 2019239105A JP 2019239105 A JP2019239105 A JP 2019239105A JP 2021107351 A JP2021107351 A JP 2021107351A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mass
less
polyvinyl alcohol
thickener
hair
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2019239105A
Other languages
English (en)
Inventor
充宏 荏原
Mitsuhiro Ebara
充宏 荏原
甲一郎 宇都
Koichiro Utsu
甲一郎 宇都
鳴薇 牟
Mingwei Mu
鳴薇 牟
マリーアドリン・マーリアク
Marliac Marie-Adeline
アドリヤン・ケゼール
Kaeser Adrien
モハメド・マイドゥル・アラム
Mydul Alam Mohammad
淳 笹井
Atsushi Sasai
淳 笹井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
LOreal SA
National Institute for Materials Science
Original Assignee
LOreal SA
National Institute for Materials Science
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by LOreal SA, National Institute for Materials Science filed Critical LOreal SA
Priority to JP2019239105A priority Critical patent/JP2021107351A/ja
Priority to PCT/JP2020/048612 priority patent/WO2021132530A1/en
Publication of JP2021107351A publication Critical patent/JP2021107351A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K8/00Cosmetics or similar toiletry preparations
    • A61K8/02Cosmetics or similar toiletry preparations characterised by special physical form
    • A61K8/04Dispersions; Emulsions
    • A61K8/042Gels
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K8/00Cosmetics or similar toiletry preparations
    • A61K8/18Cosmetics or similar toiletry preparations characterised by the composition
    • A61K8/72Cosmetics or similar toiletry preparations characterised by the composition containing organic macromolecular compounds
    • A61K8/73Polysaccharides
    • A61K8/737Galactomannans, e.g. guar; Derivatives thereof
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K8/00Cosmetics or similar toiletry preparations
    • A61K8/18Cosmetics or similar toiletry preparations characterised by the composition
    • A61K8/72Cosmetics or similar toiletry preparations characterised by the composition containing organic macromolecular compounds
    • A61K8/81Cosmetics or similar toiletry preparations characterised by the composition containing organic macromolecular compounds obtained by reactions involving only carbon-to-carbon unsaturated bonds
    • A61K8/8129Compositions of homopolymers or copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by an alcohol, ether, aldehydo, ketonic, acetal or ketal radical; Compositions of hydrolysed polymers or esters of unsaturated alcohols with saturated carboxylic acids; Compositions of derivatives of such polymers, e.g. polyvinylmethylether
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61QSPECIFIC USE OF COSMETICS OR SIMILAR TOILETRY PREPARATIONS
    • A61Q5/00Preparations for care of the hair
    • A61Q5/06Preparations for styling the hair, e.g. by temporary shaping or colouring

Abstract

【課題】高湿度条件下で長時間ヘアスタイルを維持できるだけでなく、容易に毛髪に適用することもできる、頭髪用化粧品に使用することができる、湿度応答性を有する材料を提供すること。【解決手段】本発明は、少なくとも1種のポリビニルアルコール及び少なくとも1種の水溶性増粘剤を含む複合体であって、増粘剤の濃度が複合体の総質量に対して40質量%以下である、複合体に関する。本発明はまた、少なくとも1種のポリビニルアルコール及び少なくとも1種の水溶性増粘剤を含む組成物であって、増粘剤の濃度が、ポリビニルアルコール及び増粘剤の総質量に対して40質量%以下であり、ポリビニルアルコール及び増粘剤が組み合わされて複合体を形成している、組成物にも関する。本発明による複合体又は組成物は、高湿度条件下でヘアスタイルを維持することができる。また、本発明による複合体又は組成物は、高湿度条件下でヘアスタイルを元のスタイルに戻すこともできる。更に、組成物は、毛髪への適用し易さを可能にするもの等の許容可能な質感を有する。【選択図】なし

Description

本発明は、少なくとも1種のポリビニルアルコール及び少なくとも1種の水溶性増粘剤を含む湿度応答性の複合体であって、増粘剤の濃度が、複合体の総質量に対して40質量%以下である、複合体に関する。
頭髪用化粧品の分野において、消費者は、高湿度条件下で長時間ヘアスタイルを維持できるヘアスタイリング製品を要望している。現在、ジェル、ミスト、ワックス、及びクリーム等の様々な形態を持つ多くのスタイリング製品が使用されているが、上記の要望を満たすことができる製品は存在しない。
相対湿度に応じてその特性が変化する湿度応答性材料は公知である。例えば、このような材料は、米国特許第6,627,673(B2)号及び米国特許第8,790,450(B2)号で開示されている。しかしながら、これらは、安全性の懸念があり、美容特性を欠くため、化粧品に使用することは困難である。
したがって、高湿度条件下でヘアスタイルを維持でき、毛髪への容易な適用を可能にするもの等の許容できる質感を有する、湿度応答性を有する頭髪用化粧品が必要とされている。
米国特許第6,627,673(B2)号 米国特許第8,790,450(B2)号 EP 503 853 FR 2 416 723 米国特許第2,798,053号 米国特許第2,923,692号
本発明の目的は、高湿度条件下で長時間ヘアスタイルを維持できるだけでなく、容易に毛髪に適用することもできる、頭髪用化粧品に使用することができる、湿度応答性を有する材料を提供することである。
上記の目的は、少なくとも1種のポリビニルアルコール及び少なくとも1種の水溶性増粘剤を含む複合体であって、増粘剤の濃度が、複合体の総質量に対して40質量%以下である、複合体によって達成することができる。
ポリビニルアルコールの加水分解度は、70%以上、好ましくは75%以上、より好ましくは80%以上、最も好ましくは85%以上、かつ100%未満、好ましくは98%以下、より好ましくは95%以下、最も好ましくは90%以下であってもよい。
ポリビニルアルコールの重合度は、150以上、好ましくは300以上、より好ましくは500以上、最も好ましくは700以上、かつ2500以下、好ましくは2200以下、より好ましくは2000以下、最も好ましくは1800以下であってもよい。
ポリビニルアルコールは、以下の単位(I):
Figure 2021107351
及び
以下の任意選択の単位(II):
Figure 2021107351
を有するポリマーであってもよく、単位(II)は存在しないか、又は1mol%以上、好ましくは5mol%以上、より好ましくは10mol%以上、かつ20mol%以下、好ましくは18mol%以下、より好ましくは15mol%以下の量で存在する。
水溶性増粘剤は、糖単位を有する増粘性ポリマーであってもよい。
糖単位を有する増粘性ポリマーは、カラギナン又はアラビアゴムであってもよい。
水溶性増粘剤の濃度は、複合体の総質量に対して、35質量%以下、好ましくは30質量%以下、より好ましくは25質量%以下、更により好ましくは20質量%以下、更により好ましくは15質量%以下、最も好ましくは10質量%以下、かつ1質量%以上、好ましくは3質量%以上、より好ましくは5質量%以上であってもよい。
本発明はまた、本発明の複合体を調製する方法であって、水等の水性媒体中でポリビニルアルコールと水溶性増粘剤を混合する工程を含む、方法にも関し得る。
本発明はまた、組成物の総質量に対して、1質量%以上、好ましくは2質量%以上、より好ましくは3質量%以上、かつ20質量%以下、好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下の量の本発明の複合体を含む組成物にも関し得る。
本発明はまた、少なくとも1種のポリビニルアルコール及び少なくとも1種の水溶性増粘剤を含む組成物であって、増粘剤の濃度が、ポリビニルアルコール及び増粘剤の総質量に対して40質量%以下であり、ポリビニルアルコール及び増粘剤が組み合わされて複合体を形成している、組成物にも関し得る。
本発明による組成物は、毛髪等のケラチン繊維のための化粧用組成物、好ましくはヘアスタイリング組成物であってもよい。
本発明はまた、毛髪をスタイリングする方法であって、本発明による複合体又は組成物を毛髪に適用する工程を含む、方法にも関し得る。
本発明はまた、高湿度条件下でヘアスタイルを元のスタイルに戻せるようにヘアスタイルを記憶する方法、又は高湿度条件下で長時間ヘアスタイルを維持する方法であって、本発明による複合体又は組成物を毛髪に適用する工程を含む、方法にも関し得る。
本発明はまた、少なくとも1種のポリビニルアルコールと少なくとも1種の水溶性増粘剤との組み合わせの使用であって、増粘剤の濃度が、ポリビニルアルコール及び増粘剤の総質量に対して40質量%以下であり、湿度応答性複合体を形成するための、使用にも関し得る。
鋭意検討の結果、本発明者らは、(i)高湿度条件下で長時間ヘアスタイルを維持する特性と(ii)毛髪等のケラチン物質に適用したときの良好な質感との間で良好なバランスを有する頭髪用化粧品が、少なくとも1種のポリビニルアルコール及び少なくとも1種の水溶性増粘剤を含む、増粘剤の濃度が複合体の総質量に対して40質量%以下である、複合体によって提供できることを発見した。
したがって、本発明の一態様は、少なくとも1種のポリビニルアルコール及び少なくとも1種の水溶性増粘剤を含む複合体であって、増粘剤の濃度が、複合体の総質量に対して40質量%以下である、複合体である。
以下に、本発明による複合体を、より詳細に説明する。
[複合体]
本発明の複合体は、少なくとも1種のポリビニルアルコール及び少なくとも1種の水溶性増粘剤を含み、増粘剤の濃度は、複合体の総質量に対して40質量%以下でなければならない。好ましくは、複合体は、少なくとも1種のポリビニルアルコール及び少なくとも1種の水溶性増粘剤から本質的になる、又はそれらからなる。
複合体は、水性媒体、すなわち、水及び任意選択により水溶性溶媒中にポリビニルアルコール及び水溶性増粘剤を含む溶液から調製することができる。例えば、複合体は、水等の水性媒体中でポリビニルアルコールと水溶性増粘剤とを混合することによって調製することができる。
水溶性溶媒の中でも、特に、アルコール、例えば、1から5個の炭素原子を含有する低級一価アルコール、例えばエタノール及びイソプロパノール、2から8個の炭素原子を含有するグリコール、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、及びジプロピレングリコール、C3及びC4ケトン並びにC2〜C4アルデヒドを挙げることができる。
本発明の複合体は、ポリビニルアルコールと水溶性増粘剤との凝集体、例えばポリビニルアルコールと水溶性増粘剤との共有結合された集合体と見なすことができる。
複合体は、湿度応答性を有する。したがって、複合体は、高湿度条件下で長時間ヘアスタイルを維持することができる。更に、複合体は、高湿度条件下でヘアスタイルを元のスタイルに戻せるようにヘアスタイルを記憶することができる。したがって、複合体を毛髪に適用した後、毛髪が乱れたとしても、高湿度条件下で毛髪は元のスタイルに戻る。
更に、良好なヘアスタイル維持特性に加えて、複合体は、良好な質感を化粧用組成物に付与することができる。したがって、非常に容易に複合体を毛髪に適用することができる。
加えて、複合体は水溶性のポリビニルアルコールを含むことにより、容易に複合体を毛髪から水で洗い落とすことができる。
ポリビニルアルコールと水溶性増粘剤の総濃度は、複合体の総質量に対して、70質量%以上、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、最も好ましくは100質量%であってもよい。
複合体は、組成物の総質量に対して、1質量%以上、好ましくは2質量%以上、より好ましくは3質量%以上、かつ20質量%以下、好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下の量で、組成物、好ましくは毛髪等のケラチン繊維のための化粧用組成物、より好ましくはヘアスタイリング組成物に含まれていてもよい。
[ポリビニルアルコール]
本発明の複合体は、少なくとも1種のポリビニルアルコールを含む。
ポリビニルアルコールは、以下の式のビニルアルコール単位を有するポリマーである:
Figure 2021107351
ポリビニルアルコールは、ビニルエステルを重合して周知の方法によってポリマーを得た後、ポリマーを加水分解することによって得ることができる。加水分解の工程において、一般的に、酸又は塩基を使用する。好ましくは、加水分解の工程において塩基が使用される。完全に加水分解されたポリマーを、本発明のポリビニルアルコールとして使用してよい。
任意の好適な重合法を用いてよい。重合法の例としては、溶液重合法、塊状重合法、及び懸濁重合法を挙げることができる。
ビニルエステルの例としては、酢酸ビニル、ギ酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ピバル酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、及び安息香酸ビニルを挙げることができる。
ポリビニルアルコールの加水分解度及び重合度は、目的とする用途に応じて適宜選択することができる。
加水分解度は、70%以上、好ましくは75%以上、より好ましくは80%以上、最も好ましくは85%以上、かつ100%未満、好ましくは98%以下、より好ましくは95%以下、最も好ましくは90%以下であってもよい。加水分解度は、任意の好適な周知の方法によって制御することができる。一般的に、加水分解度は、JIS K6726に従って測定することができる。
重合度は、150以上、好ましくは300以上、より好ましくは500以上、最も好ましくは700以上、かつ2500以下、好ましくは2200以下、より好ましくは2000以下、最も好ましくは1800以下であってもよい。一般的に、重合度は、JIS K6726に従って測定することができる。
最も好ましくは、ビニルエステルは、酢酸ビニルであってもよい。したがって、本発明の複合体に含まれるポリビニルアルコールは、酢酸ビニルを重合し、結果として得られた生成物を加水分解することによって調製されるポリマーであってもよい。そのため、ポリビニルアルコールは、以下の単位(I):
Figure 2021107351
及び
以下の任意選択の単位(II):
Figure 2021107351
を有するポリマーであってもよい。
好ましい実施形態において、単位(II)は存在しないか、又は1mol%以上、好ましくは5mol%以上、より好ましくは10mol%以上、かつ20mol%以下、好ましくは18mol%以下、より好ましくは15mol%以下の量で存在する。例えば、単位(II)が5mol%の量で存在する場合、加水分解度は95%である。ポリビニルアルコールは、10000以上、好ましくは12000以上、より好ましくは15000以上、かつ500000以下、好ましくは300000以下、より好ましくは200000以下の平均分子量(Mw)を有し得る。
アニオン変性ポリビニルアルコール及びカチオン変性ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコールの誘導体を、本発明において使用してもよい。アニオン変性ポリビニルアルコールの例としては、カルボン酸、ウンデシレン酸及び/又はスルホン酸によって修飾されたポリビニルアルコールを挙げることができる。例えば、カルボン酸変性ポリビニルアルコールは、任意の好適な周知の方法によってカルボキシ基を含む化合物をポリビニルアルコールに導入させることによって調製することができる。カチオン変性ポリビニルアルコールの例としては、アンモニウム、スルホニウム及び/又はアミノ基によって修飾されたポリビニルアルコールを挙げることができる。
最も好ましくは、SEKISUI社によって販売されている「SELVOL(商標)(Celvol(登録商標))ポリビニルアルコール」をポリビニルアルコールとして使用してもよい。
ポリビニルアルコールの濃度は、複合体の総質量に対して、60質量%以上、好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上、更により好ましくは90質量%以上、最も好ましくは95質量%以上、かつ99質量%以下、好ましくは97質量%以下、より好ましくは96質量%以下であってもよい。
[水溶性増粘剤]
本発明の複合体は、少なくとも1種の水溶性増粘剤を含む。
本発明によれば、「水溶性」という用語は、1%に等しい濃度で水に導入して巨視的に均一な溶液が生成される増粘剤であって、500nmに等しい波長で厚さ1cmの試料を通過するその光透過が、1.5未満の吸光度[abs=-log(透過率)]に相当する少なくとも10%である、増粘剤を意味すると理解される。
本発明によれば、「水溶性増粘剤」は、組成物の粘度を高めることができ、室温(25℃)、大気圧及び1s-1のせん断速度(粘度はコーン/プレート粘度計、Haake R600レオメーター等を使用して測定してもよい)で、少なくとも20cpsまで、好ましくは少なくとも50cpsまで組成物に導入される。
本発明の水溶性増粘剤は、糖単位を有する増粘性ポリマー及び糖単位を有さない増粘性ポリマー、並びにこれらの混合物から選択することができる。
1. 糖単位を有する増粘性ポリマー
本発明の目的のために、「糖単位」という用語は、いくつかのアルコール官能基を含み、アルデヒド又はケトン官能基を有し又は有さず、かつ少なくとも4個の炭素原子を含む、酸素含有炭化水素系化合物を意味する。
糖単位は、置換によって及び/又は酸化によって及び/又は脱水によって任意選択で変性されていてもよい。
本発明の水溶性増粘剤の組成物に含まれていてもよい糖単位は、好ましくは、以下の糖:グルコース、ガラクトース、アラビノース、ラムノース、マンノース、キシロース、フコース、無水ガラクトース、ガラクツロン酸、グルクロン酸、マンヌロン酸、ガラクトーススルフェート、無水ガラクトーススルフェート及びフルクトースに由来する。
本発明による糖単位を有する増粘性ポリマーは、特に、以下のような天然ゴムを挙げることができる:
a)以下のものを含む、高木又は低木の滲出液:
- アラビアゴム(ガラクトース、アラビノース、ラムノース及びグルクロン酸由来の分枝状ポリマーを含む);
- ガッチゴム(アラビノース、ガラクトース、マンノース、キシロース及びグルクロン酸由来のポリマーを含む);
- カラヤゴム(ガラクツロン酸、ガラクトース、ラムノース及びグルクロン酸由来のポリマーを含む);
- トラガカントゴム(又はトラガカント)(ガラクツロン酸、ガラクトース、フコース、キシロース及びアラビノース由来のポリマーを含む);
b)以下のものを含む、藻類から得られたゴム:
- 寒天(ガラクトース及び無水ガラクトース由来のポリマーを含む);
- アルギネート(マンヌロン酸及びグルクロン酸由来のポリマーを含む);
- カラギナン及びフルセララン(ガラクトーススルフェート及び無水ガラクトーススルフェート由来のポリマーを含む);
c)以下のものを含む、種子又は塊茎に由来するガム:
- グアーガム(マンノース及びガラクトース由来のポリマーを含む);
- ローカストビーンガム(マンノース及びガラクトース由来のポリマーを含む);
- フェヌグリークガム(マンノース及びガラクトース由来のポリマーを含む);
- タマリンドガム(ガラクトース、キシロース及びグルコース由来のポリマーを含む);
- コンニャクガム(グルコース及びマンノース由来のポリマーを含む);;
d)以下のものを含む微生物ガム:
- キサンタンガム(グルコース、酢酸マンノース、マンノース/ピルビン酸及びグルクロン酸由来のポリマーを含む);
- ゲランガム(部分的アシル化グルコース、ラムノース及びグルクロン酸由来のポリマーを含む);
- スクレログルカンガム(グルコースポリマーを含む);
e)以下のものを含む植物抽出物:
- セルロース(グルコースポリマー);
- デンプン(グルコースポリマー)及び
- イヌリン。
これらのポリマーは、物理的に又は化学的に変性することができる。物理的処理として、特に、加熱を挙げることができる。
列挙され得る化学的処理としては、エステル化、エーテル化、アミド化及び酸化反応がある。これらの処理は、特に、非イオン性、アニオン性又は両性であり得るポリマーをもたらすことができる。
これらの化学的又は物理的処理は、グアーガム、ローカストビーンガム、デンプン及びセルロースに適用され得る。本発明に従って用いることができる非イオン性グアーガムは、C1〜C6(ポリ)ヒドロキシアルキル基を用いて変性することができる。C1〜C6(ポリ)ヒドロキシアルキル基の中でも、例えば、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル及びヒドロキシブチル基を挙げることができる。
これらのグアーガムは、従来技術において周知であり、例えば、相当するアルケンオキシド、例えばプロピレンオキシドをグアーガムと反応させて、ヒドロキシプロピル基で変性されたグアーガムを得ることにより調製してもよい。
ヒドロキシアルキル化度は、好ましくは0.4から1.2までの範囲であり、グアーガムに存在する遊離ヒドロキシル官能基の数によって消費されるアルキレンオキシド分子の数に相当する。
ヒドロキシアルキル基で任意選択により変性されたこのような非イオン性グアーガムは、Rhodia Chimie社により販売されている「Jaguar HP8」、「Jaguar HP60」及び「Jaguar HP120」であってもよい。
本発明において使用してもよいデンプン分子の起源植物は、穀物又は塊茎であり得る。したがって、デンプンは、例えば、トウモロコシデンプン、コメデンプン、キャッサバデンプン、オオムギデンプン、ジャガイモデンプン、コムギデンプン、ソルガムデンプン及びエンドウデンプンから選択される。
デンプン類は、特に、次の反応:アルファ化、酸化、架橋、エステル化、エーテル化、アミド化、及び熱処理のうちの1種又は複数によって、化学的又は物理的に変性することができる。
ジスターチホスフェート又はジスターチホスフェートが豊富である化合物、例えば、Avebe社によって販売されている「Prejel VA-70-T AGGL」(ゼラチン化されたヒドロキシプロピルキャッサバジスターチホスフェート)、「Prejel TK1」(ゼラチン化されたキャッサバジスターチホスフェート)及び「Prejel 200」(ゼラチン化されたアセチルキャッサバジスターチホスフェート)、又はNational Starch社によって販売されている「Structure Zea」(ゼラチン化されたコーンジスターチホスフェート)を使用してもよい。
本発明によれば、両性デンプンを用いることもでき、これらの両性デンプンは、1つ又は複数のアニオン性基及び1つ又は複数のカチオン性基を含む。アニオン性基及びカチオン性基は、デンプン分子の同じ反応部位又は異なる反応部位に結合させてもよく;これらは、好ましくは、同じ反応部位に結合される。アニオン性基は、カルボキシル、ホスフェート又はスルフェートタイプのもの、好ましくはカルボキシルのものであり得る。カチオン性基は、第一級、第二級、第三級又は第四級アミンタイプのものであり得る。
デンプン分子は、特に、トウモロコシ、ジャガイモ、カラスムギ、コメ、タピオカ、ソルガム、オオムギ又はコムギ等の任意の植物デンプン源に由来し得る。上記で挙げられたデンプンの加水分解物を用いることも可能である。デンプンは、好ましくは、ジャガイモに由来し得る。
セルロースは、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース及びエチルヒドロキシエチルセルロース、並びに四級化セルロース誘導体等のセルロースポリマーであってもよい。
2. 糖単位を有さない増粘性ポリマー
本発明による糖単位を有さない増粘性ポリマーは、架橋アクリル酸若しくはメタクリル酸ホモポリマー若しくはコポリマー、架橋2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸ホモポリマー及びその架橋アクリルアミドコポリマー、アクリル酸アンモニウムホモポリマー、又はアクリル酸アンモニウムとアクリルアミドのコポリマーの、単独又はこれらの混合物であってもよい。
糖単位を有さない増粘性ポリマーの第1のファミリーは、架橋アクリル酸ホモポリマーによって代表され得る。
このタイプのホモポリマーの中でも、糖系のアリルアルコールエーテルで架橋されたもの、例えば、Noveon社によって販売されている「Carbopol 980、981、954、2984及び5984」、並びに3 VSA社によって販売されている「Synthalen M」及び「Synthalen K」を挙げることができる。これらのポリマーは、カルボマー(Carbomer)のINCI名を有する。
また、糖単位を有さない増粘性ポリマーは、Noveon社によって販売されている「Aqua SF1」等の架橋(メタ)アクリル酸コポリマーであってもよい。
糖単位を有さない増粘性ポリマーは、架橋2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸ホモポリマー及びその架橋アクリルアミドコポリマーから選択され得る。
2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸とアクリルアミドの、部分的に又は完全に中和された架橋コポリマーの中でも、特に文献EP 503 853の実施例1に記載の生成物を挙げることができ、これらのポリマーに関し前記文献を参照することができる。
アクリル酸アンモニウムホモポリマー又はアクリル酸アンモニウムとアクリルアミドのコポリマーを使用してもよい。
列挙され得るアクリル酸アンモニウムホモポリマーの中でも、Hoechst社によって販売されている「Microsap PAS 5193」がある。列挙され得るアクリル酸アンモニウムとアクリルアミドのコポリマーの中でも、Hoechst社によって販売されている「Bozepol C Nouveau」又は「PAS 5193」がある。このような化合物の説明及び調製に関して、特にFR 2 416 723、米国特許第2,798,053号及び米国特許第2,923,692号を参照してもよい。
また、アクリルタイプのカチオン性増粘性ポリマーを使用してもよい。
糖単位を有さない増粘性ポリマーの他の例としては、アクリル酸若しくはメタクリル酸のホモポリマー若しくはコポリマー又はこれらの塩及びエステル、特にAllied Colloid社によって販売されている「Versicol F(登録商標)」又は「Versicol K(登録商標)」、及びCiba-Geigy社によって販売されている「Ultrahold 8(登録商標)」;アクリル酸とアクリルアミドのコポリマー、例えばHercules社によって「Reten(登録商標)」の名称で、そのナトリウム塩の形態で販売されているもの、ポリメタクリル酸ナトリウム、例えばVanderbilt社によって「Darvan 7(登録商標)」の名称で販売されているもの、及びポリヒドロキシカルボン酸のナトリウム塩、例えばHenkel社によって「Hydagen F(登録商標)」の名称で販売されているもの;タンパク質、例えばコムギタンパク質及びダイズタンパク質等の植物起源のタンパク質;ケラチン等の動物起源のタンパク質、例えばケラチン加水分解物及びスルホン酸ケラチン;ビニルポリマー、例えばポリビニルピロリドン、メチルビニルエーテルと無水リンゴ酸のコポリマー、酢酸ビニルとクロトン酸のコポリマー、ビニルピロリドンと酢酸ビニルのコポリマー、及びビニルピロリドンとカプロラクタムのコポリマーを挙げることができる。
最も好ましくは、水溶性増粘剤として、糖単位を有する増粘性ポリマー(すなわち、多糖増粘剤)、例えばカラギナン及びアラビアゴムを使用してもよい。例えば、Cargill社によって販売されている「SATIAGEL(商標) VPC 508」をカラギナンとして使用してもよく、Nexira社によって販売されている「EFICACIA XE」をアラビアゴムとして使用してもよい。
水溶性増粘剤の濃度は、複合体の総質量に対して40質量%以下でなければならない。複合体が40質量%超の量の水溶性増粘剤を含む場合、複合体は、高湿度条件下で、毛髪を元の形態に戻すことができない、又は毛髪のカールを維持できない。
水溶性増粘剤の濃度は、複合体の総質量に対して、35質量%以下、好ましくは30質量%以下、より好ましくは25質量%以下、更により好ましくは20質量%以下、更により好ましくは15質量%以下、最も好ましくは10質量%以下、かつ1質量%以上、好ましくは3質量%以上、より好ましくは5質量%以上であってもよい。
[組成物]
本発明はまた、少なくとも1種のポリビニルアルコール及び少なくとも1種の水溶性増粘剤を含む組成物であって、増粘剤の濃度が、ポリビニルアルコール及び増粘剤の総質量に対して40質量%以下であり、ポリビニルアルコールと増粘剤が組み合わされて複合体を形成している、組成物にも関し得る。
組成物は、好ましくは、毛髪等のケラチン繊維のための化粧用組成物、好ましくはヘアスタイリング組成物であってもよい。
本発明による組成物は、ビタミン、香料、真珠光沢剤、増粘剤、ゲル化剤、微量元素、鎮痛剤、金属イオン封鎖剤、塩基性化剤若しくは酸性化剤、保存料、日焼け止め剤、界面活性剤、酸化防止剤、脱毛防止剤、フケ防止剤、噴射剤若しくはセラミド、又はこれらの混合物等の、化粧品に一般的に使用される成分も含んでもよい。当然ながら、当業者は、確実に、この、若しくはこれらの任意選択の追加化合物、及び/又はその量を、本発明による組成物の有利な特性が、想定される添加により損なわれない、又は実質的に損なわれないように選択するであろう。
本発明による組成物は、特に、水性、アルコール若しくは水性/アルコール溶液若しくは懸濁液の、油性懸濁液若しくは溶液の、水性相中に脂肪相を分散させること(O/W)若しくはその逆(W/O)によって得られる液体若しくは半液体粘度を有するエマルション若しくは分散体の、軟性粘度を有する分散体若しくはエマルションの、水性若しくは水性/アルコール若しくは油性(無水)ゲルの、又はマイクロカプセル若しくは微粒子の、又はイオン性及び/若しくは非イオン性タイプの小胞分散体の形態を有してもよい。
当業者は、一般知識に基づき、一方で使用する構成成分の性質を考慮し、他方で組成物に想定される用途を考慮して、適切な化粧品形態及びその調製方法を選択することができる。
特に、本発明による組成物は、毛髪の分野で、とりわけヘアスタイルの形態の保持又は毛髪整形に使用することができる。
毛髪組成物は、好ましくは、シャンプー、ジェル、整髪ローション、送風乾燥ローション、固定化及びスタイリング組成物(ラッカー又はスプレー等)であってもよい。ローションは、噴霧形態又は発泡形態の組成物の用途を提供するために、様々な形態、特にスプレー、ポンプ式ディスペンサー又はエアロゾル容器中に包装してよい。
[方法及び使用]
本発明による複合体は、毛髪等のケラチン繊維のための化粧用組成物、好ましくはヘアスタイリング組成物に使用することが意図されることが好ましい。
本発明による複合体又は組成物は、毛髪をスタイリングする方法であって、本発明による複合体又は組成物を毛髪に適用する工程を含む、方法に使用してもよい。
特に、本発明による複合体又は組成物は、高湿度条件下でヘアスタイルを元のスタイルに戻せるようにヘアスタイルを記憶する方法であって、本発明による複合体又は組成物を毛髪に適用する工程を含む、方法に使用してもよい。また、本発明による複合体又は組成物は、高湿度条件下でヘアスタイルを維持する方法であって、本発明による複合体又は組成物を毛髪に適用する工程を含む、方法に使用してもよい。また、本発明による複合体又は組成物は、高湿度条件下でヘアスタイルを元のスタイルに戻す方法であって、本発明による複合体又は組成物を毛髪に適用する工程と、毛髪を高湿度条件にして元に戻す工程とを含む、方法に使用してもよい。
本発明はまた、組成物の質感を改善する方法であって、本発明による複合体を組成物に添加する工程を含む、方法にも関し得る。
本発明はまた、少なくとも1種のポリビニルアルコールと少なくとも1種の水溶性増粘剤との組み合わせの使用であって、増粘剤の濃度が、ポリビニルアルコール及び増粘剤の総質量に対して40質量%以下である、湿度応答性複合体を形成するための、使用にも関し得る。本発明の別の態様は、少なくとも1種のポリビニルアルコールと少なくとも1種の水溶性増粘剤との組み合わせであって、増粘剤の濃度が、ポリビニルアルコール及び増粘剤の総質量に対して40質量%以下である、湿度応答性複合体の形成における使用のための、組み合わせである。
本発明はまた、毛髪をスタイリングするための、本発明による複合体又は組成物の使用にも関し得る。
特に、本発明はまた、(i)高湿度条件下でヘアスタイルを元のスタイルに戻せるようにヘアスタイルを記憶するための、又は(ii)高湿度条件下でヘアスタイルを維持するための、本発明による複合体又は組成物の使用にも関し得る。
本発明はまた、組成物の質感を改善するための、本発明による複合体の使用にも関し得る。
本発明による複合体又は組成物は、高湿度条件下でヘアスタイルを維持することができる。また、本発明による複合体又は組成物は、高湿度条件下でヘアスタイルを元のスタイルに戻すこともできる。更に、本発明による複合体は、例えば、容易に組成物を毛髪に適用できるように、組成物の質感を改善することができる。
本発明を、実施例によって、より詳細に説明することにする。しかしながら、これら実施例が本発明の範囲を限定するものとは解釈すべきでない。
(実施例)毛髪に適用したときの本発明及び比較例の複合体の効果
この実施例では、カラギナン及びAcacia Senegalゴム(アラビアゴム)を水溶性増粘剤として使用した。以下に説明するように、本発明の複合体を、ポリビニルアルコール(PVA)並びにカラギナン及びAcacia Senegalゴムから選択される1種の水溶性増粘剤を含む、水溶性増粘剤の濃度が本発明で規定された範囲内である、「本発明の配合物1」から「本発明の配合物3」から調製した。比較例の複合体を、PVAのみを含む「比較例の配合物1」から調製した。また、比較例の複合体は、PVA及び水溶性増粘剤を含む、水溶性増粘剤の濃度が本発明で規定された範囲外にある、「比較例の配合物2」及び「比較例の配合物3」から調製した。
本発明及び比較例の配合物それぞれを毛髪に適用し、形状記憶及びカール維持特性並びに質感に与えるそれらの効果を比較した。
1. ポリビニルアルコールを含む溶液の調製
ポリビニルアルコール(PVA)粉末12gを蒸留水188gに添加し、混合物を、ポリビニルアルコール粉末が完全に溶解するまで、水浴中、80℃で攪拌した。混合物を均一になるまで攪拌しながら冷却した。得られた6質量%のPVA溶液を、蓋をした瓶の中に保管し、1カ月以内に使用した。
2. 本発明及び比較例の配合物の調製
本発明及び比較例の配合物は、Table 1(表1)に示す量のPVA、カラギナン粉末又はアラビアゴム粉末及び水を含むようにカラギナン粉末又はアラビアゴム粉末及び水を6質量%のPVA溶液に添加し、後続して粉末が完全に溶解するまで混合することによって調製した。得られた均一な濃厚溶液を「本発明の配合物1」から「本発明の配合物3」及び「比較例の配合物1」から「比較例の配合物3」として使用した。
3. 形状回復を決定するための試験
本発明及び比較例の配合物それぞれ0.30gを中国人の脱色した毛髪見本1gに適用した。ヘアアイロンを180℃で30秒間使用して毛髪を乾燥し、熱を用いて形状を作った。毛髪見本に10〜15gの重りをクリップ付けし、終夜延伸した。延伸後、重りを取り除き、毛髪見本の長さを測定した(この長さは、「延伸後、加湿前の毛髪の長さ」に相当し、これを「L1」と称した)。延伸した毛髪見本を30℃の多湿室(湿度80%)中に6時間置いた。毛髪見本を室から取り出し、長さを測定した(この長さは、「加湿後の毛髪の長さ」に相当し、これを「Lt」と称した)。形状記憶特性の百分率(%SMP)を、以下の式によって算出した:
「[(L1-Lt)/L1]x100」。
4. カール維持を決定するための試験
中国人の脱色した毛髪見本の長さを測定した(ほぼ26.5cm)(この長さは、「処理なしの毛髪の長さ」に相当し、これを「L'」と称した)。本発明及び比較例の配合物それぞれ0.20gを毛髪見本2.7gに適用した。ヘアアイロンを180℃で20秒間使用して毛髪を乾燥し、熱を用いてカールを作った。毛髪見本の長さを測定した(この長さは、「適用後の毛髪の長さ」に相当し、これを「L0'」と称した)。毛髪見本を30℃の多湿室(湿度80%)中に6時間置いた。毛髪見本を室から取り出し、長さを測定した(この長さは、「加湿後の毛髪の長さ」に相当し、これを「Lt'」と称した)。カール維持特性の百分率を、以下の式によって算出した:
「[(L'-Lt')/(L'-L0')]x100」。
5. 質感を決定するための試験
本発明及び比較例それぞれの配合物の質感を、毛髪への適用し易さに基づいて評価した。基準は以下の通りであった:「非常に良好」は、質感が許容可能であり、非常に容易に配合物を毛髪に適用できることを意味し、「良好」は、質感が過度に流動性であるが、容易に配合物を毛髪に適用できることを意味し、「不良」は、質感に関しては、粘度が高過ぎであり、配合物を毛髪に均一に適用することが困難であることを意味する。
6. 結果
得られた結果をTable 1(表1)に示す。
Figure 2021107351
本発明の配合物1及び比較例の配合物2は、配合物中の複合体の濃度が同じだった(5質量%)。しかしながら、本発明の配合物1のみが、高湿度条件下で毛髪を元の形態に戻せるだけでなく(高い「SMPの%」)、高湿度条件下で毛髪のカールも維持できる(高い「カール維持特性の%」)。したがって、本発明の配合物1のみが湿度応答性複合体を形成できることが実証された。これは、PVAと水溶性増粘剤の間の比が重要であることを意味する。特に、水溶性増粘剤の濃度が、複合体の総質量に対して40質量%以下だった場合、高い「SMPの%」及び高い「カール維持特性の%」を達成することができた。これは、本発明の配合物2及び3並びに比較例の配合物3の結果によっても支持される。
更に、すべての本発明の配合物が優れた質感を有していた。したがって、本発明の配合物1から3のみが、高いヘアスタイル維持特性(すなわち、高い「SMPの%」及び高い「カール維持特性の%」)と優れた質感との間に良好なバランスを達成することができることが実証された。

Claims (14)

  1. 少なくとも1種のポリビニルアルコール及び少なくとも1種の水溶性増粘剤を含む複合体であって、前記増粘剤の濃度が、前記複合体の総質量に対して40質量%以下である、複合体。
  2. 前記ポリビニルアルコールの加水分解度が、70%以上、好ましくは75%以上、より好ましくは80%以上、最も好ましくは85%以上、かつ100%未満、好ましくは98%以下、より好ましくは95%以下、最も好ましくは90%以下である、請求項1に記載の複合体。
  3. 前記ポリビニルアルコールの重合度が、150以上、好ましくは300以上、より好ましくは500以上、最も好ましくは700以上、かつ2500以下、好ましくは2200以下、より好ましくは2000以下、最も好ましくは1800以下である、請求項1又は2に記載の複合体。
  4. 前記ポリビニルアルコールが、以下の単位(I):
    Figure 2021107351
    及び
    以下の任意選択の単位(II):
    Figure 2021107351
    を有するポリマーであり、前記単位(II)が存在しないか、又は1mol%以上、好ましくは5mol%以上、より好ましくは10mol%以上、かつ20mol%以下、好ましくは18mol%以下、より好ましくは15mol%以下の量で存在する、請求項1から3のいずれか一項に記載の複合体。
  5. 前記水溶性増粘剤が、糖単位を有する増粘性ポリマーである、請求項1から4のいずれか一項に記載の複合体。
  6. 前記糖単位を有する増粘性ポリマーが、カラギナン又はアラビアゴムである、請求項5に記載の複合体。
  7. 前記水溶性増粘剤の濃度が、前記複合体の総質量に対して、35質量%以下、好ましくは30質量%以下、より好ましくは25質量%以下、更により好ましくは20質量%以下、更により好ましくは15質量%以下、最も好ましくは10質量%以下、かつ1質量%以上、好ましくは3質量%以上、より好ましくは5質量%以上であってもよい、請求項1から6のいずれか一項に記載の複合体。
  8. 水等の水性媒体中で前記ポリビニルアルコールと前記水溶性増粘剤とを混合する工程を含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の複合体を調製する方法。
  9. 組成物の総質量に対して、1質量%以上、好ましくは2質量%以上、より好ましくは3質量%以上、かつ20質量%以下、好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下の量の、請求項1から7のいずれか一項に記載の複合体を含む組成物。
  10. 少なくとも1種のポリビニルアルコール及び少なくとも1種の水溶性増粘剤を含む組成物であって、前記増粘剤の濃度が、前記ポリビニルアルコール及び前記増粘剤の総質量に対して40質量%以下であり、前記ポリビニルアルコール及び前記増粘剤が組み合わされて複合体を形成している、組成物。
  11. 毛髪等のケラチン繊維のための化粧用組成物、好ましくはヘアスタイリング組成物である、請求項9又は10に記載の組成物。
  12. 請求項1から7のいずれか一項に記載の複合体又は請求項9から11のいずれか一項に記載の組成物を毛髪に適用する工程を含む、毛髪をスタイリングする方法。
  13. 高湿度条件下でヘアスタイルを元のスタイルに戻せるようにヘアスタイルを記憶する方法、又は高湿度条件下で長時間ヘアスタイルを維持する方法であって、請求項1から7のいずれか一項に記載の複合体又は請求項9から11のいずれか一項に記載の組成物を毛髪に適用する工程を含む、方法。
  14. 少なくとも1種のポリビニルアルコールと少なくとも1種の水溶性増粘剤との組み合わせの使用であって、前記増粘剤の濃度が、前記ポリビニルアルコール及び前記増粘剤の総質量に対して40質量%以下である、湿度応答性複合体を形成するための、使用。
JP2019239105A 2019-12-27 2019-12-27 ポリビニルアルコール及び水溶性増粘剤を含む複合体 Pending JP2021107351A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019239105A JP2021107351A (ja) 2019-12-27 2019-12-27 ポリビニルアルコール及び水溶性増粘剤を含む複合体
PCT/JP2020/048612 WO2021132530A1 (en) 2019-12-27 2020-12-18 Composite comprising polyvinyl alcohol and water-soluble thickener

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019239105A JP2021107351A (ja) 2019-12-27 2019-12-27 ポリビニルアルコール及び水溶性増粘剤を含む複合体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2021107351A true JP2021107351A (ja) 2021-07-29

Family

ID=74561965

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019239105A Pending JP2021107351A (ja) 2019-12-27 2019-12-27 ポリビニルアルコール及び水溶性増粘剤を含む複合体

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP2021107351A (ja)
WO (1) WO2021132530A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023247793A1 (en) * 2022-06-24 2023-12-28 Nouryon Chemicals International B.V. Polyvinyl alcohol film-forming polymers for alcohol-based hair fixing formulations and methods of using same

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US2798053A (en) 1952-09-03 1957-07-02 Goodrich Co B F Carboxylic polymers
NL88710C (ja) 1954-01-25
DE2806098C2 (de) 1978-02-14 1984-08-30 Hoechst Ag, 6230 Frankfurt Verwendung von vernetzten Polymeren zur Erhöhung der Viskosität bei kosmetischen, pharmazeutischen und technischen Präparaten
GB9104878D0 (en) 1991-03-08 1991-04-24 Scott Bader Co Thickeners for personal care products
US6627673B2 (en) 2001-07-24 2003-09-30 Kimberly-Clark Worldwide, Inc. Methods of making humidity activated materials having shape-memory
JP5739806B2 (ja) * 2008-08-15 2015-06-24 セキスイ・スペシャルティ・ケミカルズ・アメリカ・エルエルシー 個人用ケア製品
AU2010333702B2 (en) 2009-12-14 2013-07-04 Vm3 International Pty Ltd Humidity sensitive compositions
FR2961395B1 (fr) * 2010-06-17 2012-07-27 Oreal Composition cosmetique comprenant un polyester sulfonique ramifie et un epaississant particulier et utilisations en coiffage

Also Published As

Publication number Publication date
WO2021132530A1 (en) 2021-07-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU750250B2 (en) Nonionically derivatized starches and their use in low VOC, polyacrylic acid-containing hair cosmetic compositions
AU750238B2 (en) Nonionically derivatized starches and their use in non-aerosol low VOC hair cosmetic compositions
JP5511151B2 (ja) 毛髪固定剤としてのキサンタンガムの使用
CN100482205C (zh) 黄原胶作为头发定型剂的应用
US6344183B2 (en) Aerosol hair cosmetic compositions containing non-ionically derivatized starches
US6413505B1 (en) Nonionically derivatized starches and their use in non-aerosol, low VOC hair cosmetic compositions
CN107484411B (zh) 作为乳液稳定剂的生物聚合物共混物
AU750237B2 (en) Nonionically derivatized starches and their use in aerosol hair cosmetic compositions
US11234922B2 (en) Cosmetic agent for temporarily reshaping keratinous fibres with film former
EP0149249A2 (en) Polysaccharides and personal care products utilizing such polysaccharides
JP2021107351A (ja) ポリビニルアルコール及び水溶性増粘剤を含む複合体
US5804166A (en) Low VOC hair sprays containing cellulose ethers
JPS60170601A (ja) 多糖類及びそのような多糖類を使用する容姿ケア製品
JP6847113B2 (ja) 尿素またはその誘導体、ポリオールおよびアミノシリコーンを含んでなる組成物の適用を含んでなる、ケラチン繊維の処理方法
US20190388328A1 (en) Cosmetic composition for temporarily shaping keratinic fibers, based on renewable raw materials
RU2700697C1 (ru) Фиксаторы для волос, включающие полиглюкозные полимеры на основе сложных эфиров крахмала
JP2021181088A (ja) エマルジョン安定化剤としてのバイオポリマーブレンド
CN117940112A (en) Aqueous personal care compositions comprising carboxymethyl cellulose (CMC), methods of making and uses thereof
WO2019119079A1 (en) Hair care gel composition

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200212

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20221207

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20231016

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20240116

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20240325