JP2021106871A - 医用画像診断システム、超音波プローブ及び医用画像診断装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ネットワークを介してスキャナと画像処理サーバとの間でデータ通信を行う環境で診断状況や通信状況が変化した場合であっても安定した動作を実現すること。【解決手段】医用画像診断システムは、被検体の診断に用いる第1の信号を取得し、第1の信号から第2の信号を取得し、第1の信号又は前記第2の信号を出力する第1の装置と、第1の信号又は第2の信号を用いて画像データを生成する生成部を有する第2の装置と、第2の装置と少なくとも第1の装置との間で通信を確立し、第1の装置から出力された第1の信号又は第2の信号を第2の装置に転送する通信部と、通信に関する通信状況を通信部から検出する少なくとも一つの第1の検出部と、被検体に関する診断状況を第1の装置から検出する少なくとも一つの第2の検出部と、診断状況と通信状況とに基づいて、第1の装置からの出力及び通信部の通信速度のうちの少なくとも一方を制御する制御部とを備える。【選択図】図2
Description
本明細書等に開示の実施形態は、医用画像診断システム及び超音波プローブに関する。
近年、スキャナと医用診断データ処理を行うコンピュータとの間をネットワークで結び、両者の間で医用診断データを有線または無線で転送する医用画像診断システムが提案されている。
例えば、超音波プローブ若しくは携帯型超音波診断装置と、超音波信号処理を行う超音波診断画像サーバとの間をネットワークで結び、超音波プローブから超音波診断画像サーバに超音波信号を転送する超音波診断システムが知られている。この超音波診断システムにおいては、超音波受信信号を超音波プローブから超音波診断画像サーバへ無線通信を利用して転送する場合、通信速度の制約を考慮し、リアルタイムではなく、スキャン後にバッチデータ伝送方式で超音波受信信号を順次転送する。
一般に、撮像モードや使用するアプリケーション、超音波プローブが変われば、信号処理・画像処理・転送に必要なデータレートも変わる。例えば、超音波診断システムの場合、同一検査内において、Bモードからカラードプラモード、エラストグラフィモード、造影超音波(CEUS:Contrast Enhanced Ultrasonography)モードへと撮像モードを変更し、この撮像モードの変更に準じてアプリケーションを変更することがある。また使用する超音波プローブによって、超音波プローブの仕様、例えば中心周波数や周波数帯域も変わる。この様に撮像モードや使用されるアプリケーション、超音波プローブが変化し必要なデータレートが変化する場合であっても、診断機能を可能な限り安定的に継続、維持できることが求められる。
本明細書等に開示の実施形態が解決しようとする課題の一つは、ネットワークを介してスキャナと画像処理サーバとの間でデータ通信を行う環境において、診断状況や通信状況が変化した場合であっても、従来に比して安定した動作を実現することである。ただし、本明細書等に開示の実施形態により解決される課題は上記課題に限られない。後述する実施形態に示す各構成による各効果に対応する課題を、本明細書等に開示の実施形態が解決する他の課題として位置づけることもできる。
実施形態に係る医用画像診断システムは、第1の装置と、第2の装置と、通信部と、少なくとも一つの第1の検出部と、少なくとも一つの第2の検出部と、制御部と、を備える。前記第1の装置は、被検体の診断に用いる第1の信号を取得し、前記第1の信号から第2の信号を取得し、前記第1の信号又は前記第2の信号を出力する。前記第2の装置は、前記第1の信号又は前記第2の信号を用いて画像データを生成する生成部を有する。前記通信部は、前記第2の装置と少なくとも前記第1の装置との間で通信を確立し、前記第1の装置から出力された前記第1の信号又は前記第2の信号を前記第2の装置に転送する。前記少なくとも一つの第1の検出部は、前記通信に関する通信状況を前記通信部から検出する。前記少なくとも一つの第2の検出部は、前記被検体に関する診断状況を前記第1の装置から検出する。前記制御部は、前記診断状況と前記通信状況とに基づいて、前記第1の装置からの出力及び前記通信部の通信速度のうちの少なくとも一方を制御する。
以下、図面を参照しながら、実施形態に係る医用画像診断システム及び超音波プローブの実施形態について詳細に説明する。なお、以下の各実施形態においては、説明を具体的にするため、医用画像診断システムが超音波診断システムである場合を例に説明する。しかしながら、実施形態に係る医用画像診断システムは、超音波診断システム以外のものであってもよい。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る超音波診断システムSGを含む超音波診断システム群SGの構成を示した図である。図1に示す様に、超音波診断システム群SGは、複数の検査室(図1の例では、検査室R1〜RN)のそれぞれに設けられた撮像系S1〜SNと、サーバ室RSに設けられた超音波画像サーバ2によって構成される。各撮像系S1〜SNとサーバ室RSとは、ネットワークNを介して互いに通信可能である。なお、サーバ室RSは、必ずしも病院内に設置されている必要はなく、有線又は無線のネットワークNを介して撮像系S1〜SNと通信可能な環境であれば、どこに設置されていてもよい。
図1は、第1の実施形態に係る超音波診断システムSGを含む超音波診断システム群SGの構成を示した図である。図1に示す様に、超音波診断システム群SGは、複数の検査室(図1の例では、検査室R1〜RN)のそれぞれに設けられた撮像系S1〜SNと、サーバ室RSに設けられた超音波画像サーバ2によって構成される。各撮像系S1〜SNとサーバ室RSとは、ネットワークNを介して互いに通信可能である。なお、サーバ室RSは、必ずしも病院内に設置されている必要はなく、有線又は無線のネットワークNを介して撮像系S1〜SNと通信可能な環境であれば、どこに設置されていてもよい。
各撮像系S1〜SNは、スキャナ(撮像装置)としての超音波プローブを含み、スキャナを用いて取得された超音波データを、ネットワークNを介して超音波画像サーバ2へ転送する。また、各撮像系S1〜SNは、超音波画像サーバ2から転送された超音波画像データを受け取り、超音波画像をモニタに表示する。
なお、本実施形態においては、「超音波データ」とは、超音波プローブを用いて取得された受信信号に基づくデータを意味し、ビームフォーミング処理前の受信信号及びビームフォーミング処理後の受信信号のいずれであってもよい。また、「超音波画像データ」とは、超音波データを用いた信号処理によって生成された画像データを意味する。
超音波画像サーバ2は、各撮像系S1〜SNから転送された超音波データを、ネットワークNを介して受け取り、受け取った超音波データを用いて、撮像系S1〜SN毎の超音波画像データを生成する。超音波画像サーバ2は、生成された撮像系S1〜SN毎の超音波画像データを、ネットワークNを介してそれぞれ撮像系S1〜SNに転送する。
例えば、検査室R1において、撮像系S1を用いて超音波データを取得した場合、取得した超音波データは、ネットワークNを介してサーバ室RSにある超音波画像サーバ2に自動転送される。超音波画像サーバ2は、取得した超音波データを用いて超音波画像データを自動的に生成し、ネットワークNを介して、検査室R1の撮像系S1へ超音波画像データを転送する。検査室R1の撮像系S1は、転送された超音波画像データを受け取り、モニタに対応する超音波画像を表示する。
ユーザは、検査室R1において、撮像系S1を用いた撮像を実行した場合、サーバ室RSにある超音波画像サーバ2において生成された超音波画像データを検査室R1でリアルタイムに観察することができる。従って、ネットワークNを介して通信可能に接続された撮像系S1と超音波画像サーバ2との組合せを、一つの超音波診断システムということができる。同様に、他の撮像系S2〜SNのそれぞれと超音波画像サーバ2との組合せについても、一つの超音波診断システムということができる。なお、本実施形態においては、ネットワークNを介して通信可能に接続された撮像系S1と超音波画像サーバ2との組合せを「超音波診断システムSG」としている。
図2は、超音波診断システムSGに含まれる撮像系S1及び超音波画像サーバ2の構成を示したブロック図である。以下、図2を参照しながら撮像系S1及び超音波画像サーバ2の構成について説明する。なお、図2においては、撮像系S1のみの構成を示したが、他の撮像系S2〜SNの構成も撮像系S1と同様であるため、その説明は省略する。
まず、撮像系S1について説明する。撮像系S1は、図2に示した様に、超音波プローブ3、検査室側入力I/F(interface)回路40、検査室側表示回路50、制御用無線端末6、データ転送用無線端末7を備える。例えば、超音波プローブ3、検査室側入力I/F回路40、検査室側表示回路50は、検査室R1のベッド周辺に配置され、制御用無線端末6、データ転送用無線端末7は、検査室R1の壁や天井に設置される。
超音波プローブ3は、被検体に対し超音波を送信し、当該被検体内で反射した反射波を受信して超音波データを発生するスキャナである。より具体的には、超音波プローブ3は、振動子アレイ31、送受信回路32、受信処理回路33、データ転送用無線I/F34、制御用無線I/F35、プローブ制御回路36を備える。
振動子アレイ31は、送受信回路32を介して電気信号として印加される送信信号を超音波に変換して被検体に送信する機能と、超音波の送信によって被検体内において生じた反射波を受信して電気信号の受信信号に変換し、受信チャンネル毎に出力する機能を有する。振動子アレイ31には診断対象によって様々な特性と素子配置の態様があり、それらによって超音波プローブ3の中心周波数や周波数帯域等、超音波信号のデータレートに影響する仕様が規定される。
送受信回路32は、送信回路、送受信分離回路、高圧スイッチ、増幅器、A/D変換器、受信バッファメモリを備える。送信回路は、送信チャンネル毎に送信信号を発生すると共に、各送信信号に超音波送信ビームを形成するための遅延時間を与えて出力する。送信回路から出力された送信チャンネル毎の送信信号は、送受信分離回路、高圧スイッチを介して振動子アレイ31の各素子に印加され、振動子アレイ31から指向性を持った超音波送信ビームが送信される。
また、送受信回路32の増幅器は、受信チャンネル毎に取得された受信信号を増幅してA/D変換器に出力する。A/D変換器は、増幅器から出力された受信チャンネル毎のアナログ信号としての受信信号をディジタルの受信信号にA/D変換する。振動子アレイ31に対応するA/D変換後の複数の高周波(RF波:Radio Frequency wave)としての受信信号は、受信バッファメモリに保存される。
受信処理回路33は、送受信回路32から受け取った受信信号に対して、データ圧縮、ビームフォーミング等の受信処理を実行する。また、受信処理回路33は、ビームフォーミング処理前の超音波データ、ビームフォーミング処理後の超音波データを選択的に出力する。
図3は、受信処理回路33の構成を説明するための図である。図3に示した様に、受信処理回路33は、ビームフォーマ331、データ圧縮回路332、出力切替回路333を備える。
ビームフォーマ331は、送受信回路32の受信バッファメモリに保存された受信信号に対してビームフォーミング処理を実行する。
ここで、ビームフォーミング処理として、例えば、整相加算式ビームフォーミングと、適応的ビームフォーミングとがある。整相加算式ビームフォーミングとは、受信チャンネル毎の受信遅延時間を各受信信号に付与して加算する処理である。また、適応的ビームフォーミングとは、被検体内部の音速分布を考慮した遅延時間補正を施す方式である。一般的に、適応的ビームフォーミングは、様々な被検体における高画質化が期待できる。その一方で、データ処理量が非常に大きく、リアルタイムで処理するためには相当の電力を要する。従って、小型化が要求される超音波プローブで適応的ビームフォーミングを実行する場合、発生する熱エネルギーの放出が問題となる。
本実施形態においては、説明を具体的にするため、ビームフォーマ331は、整相加算式ビームフォーミングを行うものとする。しかしながら、ビームフォーマ331が実行するビームフォーミングを整相加算式ビームフォーミングに限定する趣旨ではなく、必要に応じて適応的ビームフォーミングを採用することもできる。
データ圧縮回路332は、送受信回路32の受信バッファメモリに保存された受信信号に対してデータ圧縮処理を行う。データ圧縮は、隣接する受信チャンネル間において受信信号が類似していることを利用する。本実施形態においては、3分の1程度の圧縮率の可逆圧縮を想定しており、受信チャンネル数、ビット深度、受信信号周波数の条件により圧縮率は、例えば8.3[Gbps]となる。
なお、ビームフォーマ331においてビームフォーミングを行わない場合、受信チャネル数を64チャネル、受信信号のビット深度を10ビット、受信信号の周波数を40MHzとすると、リアルタイムで転送を行うためには64チャネル×10ビット×40MHz≒25[Gbps]のデータレートが必要になる。一方、無線通信規格のうち、例えばWi−Fi(登録商標)通信向けのIEEE802.11ayにおいては最大100Gbpsのデータレートが想定されているものの、様々な通信状況を考慮して、本実施形態ではビームフォーミングを行わない信号に対してはデータ圧縮部302において圧縮を施すことにしている。
一方、超音波診断システムSGにおいて利用する通信規格上、ビームフォーミングを行わない信号を無圧縮で転送できる余裕が十分ある場合には、データ圧縮回路332から無圧縮なビームフォーミング処理前の受信信号を出力切替回路333に出力するようにしてもよい。さらに、データ圧縮回路332における圧縮処理を状況に応じてON/OFF制御するようにしてもよい。
出力切替回路333は、超音波画像サーバ2からの制御信号に応答して、ビームフォーマ331から受け取ったビームフォーミング処理後の受信信号、データ圧縮回路332から受け取ったデータ圧縮処理後の受信信号のうちのいずれか一方を超音波データとして出力する。この出力切替回路333からの出力の切替制御により、撮像系S1から超音波画像サーバ2へのデータ転送に関する転送レートを選択することができる。
図2に戻り、データ転送用無線I/F34は、受信処理回路33から取得した超音波データを、無線通信の規格に沿った無線信号に変換してデータ転送用無線端末7に送出する。なお、本実施形態においては、説明を簡単にするため、データ転送用無線端末7とデータ転送用無線I/F34の通信規格は単一である場合を例とする。
制御用無線I/F35は、プローブ制御回路36が生成するプローブ制御信号のうち超音波画像サーバ2に転送すべき制御信号を、無線通信の規格に沿った無線信号に変換して制御用無線端末6に送出する。
なお、本実施形態では、超音波受信信号とプローブ制御信号が互いに影響することがなるべくないように、各信号の無線通信インターフェースを独立させ、別個の通信規格を利用して転送することを想定している。例えば、超音波データの転送をWi−Fi(登録商標)で、プローブ制御信号の転送をBluetooth(登録商標)で実行する。他の通信規格、例えばUWB(Ultra Wide Band:超広帯域)等を用いることも可能である。
プローブ制御回路36は、送受信回路32、受信処理回路33、データ転送用無線I/F34、制御用無線I/F35を制御するプロセッサである。
検査室側入力I/F回路40は、ユーザからの各種の入力操作を受け付け、受け付けた入力操作を電気信号に変換してサーバ側通信I/F回路21に出力する。例えば、検査室側入力I/F回路40は、超音波データの収集条件や超音波画像に関する画像処理条件、画像表示条件等をユーザから受け付ける。具体的には、検査室側入力I/F回路40は、トラックボール、スイッチボタン、マウス、キーボード、操作面へ触れることで入力操作を行うタッチパッド、操作面へ触れることで入力操作を行うタッチパッド、表示画面とタッチパッドとが一体化されたタッチスクリーン、光学センサを用いた非接触入力I/F回路、及び音声入力I/F回路及び表示画面とタッチパッドとが一体化されたタッチパネルディスプレイ等によって実現される。
なお、検査室側入力I/F回路40は、マウス、キーボードなどの物理的な操作部品を備えるものだけに限られない。例えば、装置とは別体に設けられた外部の入力機器から入力操作に対応する電気信号を受け取り、この電気信号を制御回路へ出力する電気信号の処理回路もサーバ側入力I/F回路22の例に含まれる。
検査室側表示回路50は、液晶ディスプレイやCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイである。検査室側表示回路50は、ユーザが参照するモニタであり、各種の情報を表示する。例えば、検査室側表示回路50は、超音波画像サーバ2から受け取った超音波画像データに基づく超音波画像や、ユーザからの各種操作を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)等を出力する。なお、検査室側表示回路50に表示される超音波画像は、超音波画像サーバ2からネットワークNを経由して送られてくる。このため、検査室側表示回路50は、有線通信インターフェースを含む。
制御用無線端末6は、超音波画像サーバ2と超音波プローブ3との間で通信を確立し、制御信号等の送受信を行う。制御用無線端末6は、制御用無線I/F35と接続し、無線通信の規格に沿った無線信号に変換されたプローブ制御信号を送受信する。例えば、制御用無線端末6は、制御用無線I/F35から受信したプローブ制御信号を、ネットワークNを介して超音波画像サーバ2に送信する。また、制御用無線端末6は、ネットワークNを介して超音波画像サーバ2から受信したプローブ制御信号を、制御用無線I/F35に送信する。
データ転送用無線端末7は、超音波画像サーバ2と超音波プローブ3との間で通信を確立し、超音波プローブ3から出力された超音波データを超音波画像サーバ2に転送する。データ転送用無線端末7は、データ転送用無線I/F34と接続し、無線通信の規格に沿った無線信号に変換された超音波データを送受信する。例えば、データ転送用無線端末7は、データ転送用無線I/F34から受信した超音波データを、ネットワークNを介して超音波画像サーバ2に送信する。また、データ転送用無線端末7は、ネットワークNを介して超音波画像サーバ2から受信した超音波データや超音波画像データを、データ転送用無線I/F34に送信する。
なお、本実施形態においては、説明を具体的にするため、制御用無線端末6と制御用無線I/F35との間の無線通信規格は、データ転送用無線端末7とデータ転送用無線I/F34との間の無線通信の規格と異なるものである場合を想定している。
次に、超音波画像サーバ2の構成について説明する。超音波画像サーバ2は、超音波プローブ3によって取得された超音波データを用いて超音波画像を生成する。超音波画像サーバ2は、図2に示した様に、サーバ側通信I/F回路21、サーバ側入力I/F回路22、サーバ側表示回路23、サーバ側記憶回路24、サーバ側信号処理回路25、サーバ側制御回路26を備える。
サーバ側通信I/F回路21は、所定の通信規格に従って、ネットワークを介して外部装置との通信動作を行う。
サーバ側入力I/F回路22は、検査室側入力I/F回路40と同様の構成を有するため、その説明は省略する。
サーバ側表示回路23は、検査室側表示回路50と同様の構成を有するため、その説明は省略する。
サーバ側記憶回路24は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(flash memory)等の半導体メモリ素子、ハードディスク、光ディスク等によって構成される。サーバ側記憶回路24は、USB(Universal Serial Bus)メモリ及びDVD(Digital Video Disk)などの可搬型メディアによって構成されてもよい。サーバ側記憶回路24は、各種画像や情報、超音波プローブ3から転送された超音波データ、サーバ側信号処理回路25の出力等を記憶することができる。記憶の形態は、ライブ情報を一時的に保存する場合と、取得された患者情報のエビデンスのため長期にわたる記録のための保存の場合がある。またサーバ側記憶回路24は、診断情報(例えば、患者ID、医師の所見など)や、診断プロトコルや各種ボディーマークなどの各種データを記憶する。
また、記憶回路20は、サーバ側制御回路26において用いられる各種処理プログラム(アプリケーションプログラムの他、OS(Operating System)等、プログラムの実行に必要なデータ、ボリュームデータ及び医用画像を記憶する。また、OSに、操作者に対するサーバ側表示回路23への情報の表示にグラフィックを多用し、基礎的な操作をサーバ側入力I/F回路22によって行なうことができるGUIを含めることもできる。
サーバ側信号処理回路25は、超音波プローブ3からデータ転送用無線I/F34、データ転送用無線端末7、サーバ側通信I/F回路21を経由して取得した超音波データを用いて超音波画像を生成する。具体的には、サーバ側信号処理回路25は、ビームフォーミング処理前の超音波データに対し、適応的ビームフォーミング又は整相加算式ビームフォーミングを実行しビームフォーミング処理後の超音波データを生成する。また、サーバ側信号処理回路25は、ビームフォーミング処理後の超音波データに対して、位相検波、包絡線検波、対数圧縮の各処理を実行し、Bモードに対応する超音波画像を生成する。さらに、サーバ側信号処理回路25は、カラードプラ、造影、シアウェーブエラストグラフィ、減衰等の種々の撮像モードに対応する超音波画像を生成する。
なお、サーバ側信号処理回路25において実行される各種処理は、高速なプロセッサを用いて超音波画像処理プログラムとしてソフトウェア的に処理することが可能であり、特にビームフォーミングについては前述の適応的ビームフォーミングを適用できる。
サーバ側制御回路26は、プログラムをサーバ側記憶回路24から読み出し、実行することで各プログラムに対応する機能を実現するプロセッサである。サーバ側制御回路26は、サーバ側記憶回路24に格納されている各種制御プログラムを読み出してサーバ側制御機能261、サーバ側通信状況検出機能262、サーバ側診断状況検出機能263、サーバ側画像表示処理機能264を実現すると共に、サーバ側通信I/F回路21、サーバ側入力I/F回路22、サーバ側表示回路23、サーバ側記憶回路24における処理動作を統括的に制御する。換言すると、各プログラムを読み出した状態のサーバ側制御回路26は、図2のサーバ側制御回路26内に示された各機能を有することとなる。
また、サーバ側制御機能261は、超音波画像サーバ2の処理全体を制御する。具体的には、サーバ側入力I/F回路22を介した操作者から入力された各種設定要求や、各種制御プログラム及び各種データに基づき、サーバ側通信I/F回路21、サーバ側表示回路23、サーバ側記憶回路24、サーバ側信号処理回路25を制御する。
また、サーバ側制御機能261は、通信状況、診断状況(検査状況)に基づいて、受信処理回路33の出力切替回路333、及びデータ転送用無線I/F34とデータ転送用無線端末7との間の通信速度のうちの少なくとも一方を制御する。
ここで、「通信状況」とは、超音波プローブ3と超音波画像サーバ2との間の通信において、現在実現できる最大の通信速度を意味する。超音波プローブ3と超音波画像サーバ2との間の通信における最大速度は、例えばデータ転送用無線I/F34とデータ転送用無線端末7との間がWiFi接続である場合、データ転送用無線端末7にWiFi接続される他の超音波プローブの数や、データ転送用無線端末7の一次的な動作不良によって変化することがある。また、超音波プローブ3と超音波画像サーバ2との間の通信における最大速度は、電源供給手段として電池を用いる超音波プローブ3においては、例えば電池残量が一定以下になった場合に通信速度を遅くする等、電池の残量に応じて制御される場合がある。通信状況は、この様な通信速度が変化し得る環境において、実現できる最大の通信速度を意味するものである。
また、「診断状況」とは、超音波プローブ3を用いて現在どのような診断が実行されているのかを示す情報である。診断状況は、具体的には、超音波プローブ3の仕様(中心周波数、周波数帯域等)、当該超音波診断サーバ2において現在設定している撮像モード、撮像条件(超音波送受信におけるフレームレート、一フレームのビーム数等)、アプリケーションの種類を含む情報である。この診断状況を把握することにより、現在の状況において超音波プローブ3から超音波画像サーバ2へのデータ転送に必要なデータレートを算出することができる。
また、サーバ側制御機能261は、通信状況、診断状況に基づいて、出力切替回路333の切替えをx側とy側との間で切り替える。なお、サーバ側制御機能261は、制御回路の一例である。
サーバ側通信状況検出機能262は、データ転送用無線I/F34とデータ転送用無線端末7との間の通信状況、データ転送用無線端末7と超音波画像サーバ2のサーバ側通信I/F回路21との間の通信状況をモニタリングし、超音波プローブ3と超音波画像サーバ2との間の転送で実現可能なデータレートの上限を測定する。サーバ側通信状況検出機能262が実行する通信状況のモニタリングの具体例として、Wi−Fi無線通信規格のIEEE802.11における空きチャンネル判定(CCA:Clear Channel Assessment)機能のうち、電波平均受信強度検出(Enrtgy Detect)の閾値設定が挙げられる。なお、サーバ側通信状況検出機能262は、第1の検出回路の一例である。
サーバ側診断状況検出機能263は、超音波プローブ3の仕様(中心周波数、周波数帯域等)、超音波送受信におけるフレームレート、一フレームのビーム数、当該超音波診断サーバ2において現在設定している撮像モード、撮像条件、アプリケーションの種類から診断状況を検出し、超音波プローブ3から超音波画像サーバ2への転送に必要なデータレートを算出する。なお、サーバ側診断状況検出機能263は、第2の検出回路の一例である。
サーバ側画像表示処理機能264は、Bモードその他の走査方式を、表示に適した走査方式に変換(スキャン変換)し、表示画像としての超音波診断画像を生成する。各画像情報の合成や並立、表示位置を示す情報、さらに超音波診断装置の操作を補助するための各種情報や、患者情報などの超音波診断に必要な付帯情報も、超音波診断画像とともに生成される。
(診断状況、通信状況に応じた信号出力の制御)
次に、実施形態に係る超音波診断システムSGにおいて実行される、診断状況、通信状況に応じた信号出力の制御について説明する。
次に、実施形態に係る超音波診断システムSGにおいて実行される、診断状況、通信状況に応じた信号出力の制御について説明する。
一般に、超音波プローブ3や超音波画像サーバ2において実行される超音波データ処理に必要なデータレートは、使用する超音波プローブ3の仕様や撮像モード等、診断状況に依存する。一方、通信状況をリアルタイムに取得することで、超音波プローブ3と超音波画像サーバ2との間の通信において、現在実現できる最大の通信速度を把握することができる。
すなわち、サーバ側制御機能261は、診断状況と通信状況とを比較することにより、超音波プローブ3から超音波画像サーバ2へデータ転送がそのままで実現可能か否か、或いは、現在よりも高いレートでのデータ転送が実現可能か否かを判定する。サーバ側制御機能261は、判定結果に基づいて、通信状況、診断状況に基づいて、受信処理回路33の出力切替回路333、及びデータ転送用無線I/F34とデータ転送用無線端末7との間の通信速度のうちの少なくとも一方を制御する。
まず、通信状況が一定で診断状況が変化する場合を想定する。すなわち、撮像モードの変更によって超音波プローブ3から超音波画像サーバ2への転送に必要なデータレートが変わる場合である。このような場合は、超音波プローブ3を別の種類の超音波プローブに変更し、超音波プローブの仕様、例えば中心周波数や周波数帯域が変わったときにも発生する。
図4は、診断状況が変化した場合に必要とされる転送レートと通信状況との関係を説明するための図である。図4に示すように、診断状況Aにおいて、要求される転送レートが、ビームフォーミング処理前信号(すなわち、出力切替回路333の切替えがx)ではRAx、ビームフォーミング処理後信号(すなわち、出力切替回路333の切替えがy)ではRAyであるとする。また、診断状況Bにおいて、要求される転送レートが、ビームフォーミング処理前信号(すなわち、出力切替回路333の切替えがx)ではRBx、ビームフォーミング処理後信号(すなわち、出力切替回路333の切替えがy)ではRByであるとする。
診断状況Aでは、通信状況による上限RMAXに対し、ビームフォーミング処理前信号RAx、ビームフォーミング処理後信号RAyは低い値となっている。従って、診断状況Aでは、ビームフォーミング処理前信号RAxとビームフォーミング処理後信号RAyのいずれの信号も転送することができる。この様な場合には、超音波画像サーバ2側で適応的ビームフォーミングを実行すれば高画質が得られるため、ビームフォーミング処理前信号RAxを転送することにし、出力切替回路333の切替えをx側にする。
一方、図4において、診断状況Bでは、通信状況による上限RMAXに対し、ビームフォーミング処理前信号RBxは高い値となっており、ビームフォーミング処理後信号RByは低い値となっている。従って、診断状況Bでは、ビームフォーミング処理後信号RByはRMAXで転送可能である一方、ビームフォーミング処理後信号RByはRMAXで転送することができない。従って、診断状況Bでは、出力切替回路333の切替えをy側とし、超音波プローブ3から超音波画像サーバ2へビームフォーミング処理後信号RByを転送するようにする。これにより、適応的ビームフォーミングほどの高画質は得られないが、超音波プローブ3に内蔵されたビームフォーマ331を用いて、普及的な超音波診断装置相当の画質を担保することができる。
次に、診断状況が固定で通信状況が変化する場合を考える。すなわち、撮像モードやアプリケーションに変更は無く超音波データ処理に必要なデータレートは一定である場合でも、通信状況が環境によって変化することがありうる。
例えば、超音波信号を無線で転送できる超音波プローブ3の近傍にWi−Fi端末があり、Wi−Fi端末が複数の超音波プローブを接続できるようになっている場合、超音波プローブ3から超音波画像サーバ2への通信速度は、超音波プローブのWi−Fi端末への接続数により変化する。また、またWi−Fi端末の一時的動作不良等により、超音波プローブ3と超音波画像サーバ2との間で通信ができない場合も考えられる。さらに、例えば、超音波受信信号の転送のために、超音波プローブ3とデータ転送用無線端末7との間で無線通信の複数のストリームが確保されているときに、そのうち1つのストリームが、他の通信デバイスの影響で信号との干渉し、通信状況が悪化(低下)する場合がある。これらの場合には、通信速度の変化に応じて、通信状況も変化することになる。しかしながら、超音波診断システムSGは、この様に通信状況が変化する場合でも、可能な限り安定的に継続、維持できることが求められる。
図5は、通信状況が変化した場合に変化する転送レートの上限値と、診断状況Aにおけるビームフォーミング処理前信号RAx及びビームフォーミング処理後信号RAyとの関係を示した図である。図5に示すように、診断状況Aにおいて、要求される転送レートが、ビームフォーミング処理前信号(すなわち、出力切替回路333の切替えがx)ではRAx、ビームフォーミング処理後信号(出力切替回路333の切替えがy)ではRAyである場合を想定する。
転送レートの上限RMax1を確保できる通信状況であれば、ビームフォーミング処理前信号RAx及びビームフォーミング処理後信号RAyのいずれの信号も、超音波プローブ3から超音波画像サーバ2へ転送することができる。この様な通信状況では、超音波画像サーバ2側で適応的ビームフォーミングを実行すれば高画質が得られるため、ビームフォーミング処理前信号RAxを転送することにし、出力切替回路333の切替えをx側にする。
一方、転送レートの上限がRMax1からRMax2に下がり、通信状況が悪化した場合を想定する。係る場合、転送レートの上限RMax2がビームフォーミング処理前信号RAxを下回ることから、ビームフォーミング処理前信号を転送することはできないため、出力切替回路333の切替えをy側とし、超音波プローブ3から超音波画像サーバ2へビームフォーミング処理後信号RByを転送するようにする。これにより、適応的ビームフォーミングほどの高画質は得られないが、超音波プローブ3に内蔵されたビームフォーマ331を用いて、普及的な超音波診断装置相当の画質及びリアルタイムでの画像生成を担保することができる。なお、継続した通信状況の検出により、転送レートの上限がRMax2からRMax1に回復した場合には、出力切替回路333の切替えをy側からx側とし、超音波プローブ3から超音波画像サーバ2へビームフォーミング処理前信号RBxを転送するようにすることもできる。
(診断状況、通信状況に応じた通信速度の制御)
次に、実施形態に係る超音波診断システムSGにおいて実行される、診断状況、通信状況に応じた通信速度の制御について説明する。なお、以下に説明する診断状況、通信状況に応じた通信速度の制御は、上述した診断状況、通信状況に応じた信号出力の制御と組み合わせることもできる。
次に、実施形態に係る超音波診断システムSGにおいて実行される、診断状況、通信状況に応じた通信速度の制御について説明する。なお、以下に説明する診断状況、通信状況に応じた通信速度の制御は、上述した診断状況、通信状況に応じた信号出力の制御と組み合わせることもできる。
超音波診断において、診断処理が上手くいかないと、患者と医用機関にとって大きな負担となってしまうものがある。例えば、造影剤が高価で一回限りの造影超音波診断では、診断コストが比較的高い。この様な診断では、診断処理の安定性において高い優先度を設定されなければならず、従って、通信状況の変化に依存せず、超音波受信信号の転送レートを含む診断システムの諸条件を確保することが特に求められる。
そこで、本実施形態に係る超音波診断システムSGでは、診断モードに応じて診断の優先度優先度を設定し、設定された優先度に応じて、データ転送用無線端末7が使用する通信帯域の割り当てを変更することで、超音波プローブ3と超音波画像サーバ2との間の通信速度を制御する。
すなわち、サーバ側制御回路26のサーバ側制御機能261は、サーバ側診断状況検出機能263による診断状況の検出の結果、高優先度の診断を実行している場合には、検査室R1に設置されているデータ転送用無線端末7は、特定の超音波プローブ3以外とは接続しないような排他的制御を実行する。その結果、データ転送用無線端末7は、すべての通信帯域とストリームを超音波プローブ3に常に割り当てる。また、データ転送用無線端末7と超音波プローブ3との接続をP2P(Point−to−Point)接続とすることもできる。
なお、診断の優先度は、診断項目毎に有無を設定する代わりに、診断項目に関連するアプリケーションの優先度を数値で重み付け設定しておき、複数アプリケーションが同時に適用されている場合に、最も優先度の高いものに通信リソースを優先的に割り当てるようにしても良い。
また、優先度の高いものにすべての帯域を割り当てる排他的制御だけではなく、優先度の高いものにより多くの帯域を割り当てる等、優先度に応じて割り当てる帯域の比率を調整することもできる。
このようにすれば、データ転送用無線端末7は、検査室R1内の優先度の低い他の超音波プローブと接続しなくなり、或いは優先度の高いものにより多くの帯域を割り当てる。従って、周辺の通信端末の影響をなるべく受けず、可能な限り通信リソースを高優先度の診断に割り当てることができる。その結果、高優先度の診断を実行している場合において、通信状況の変化に依存せず、超音波受信信号の転送レートを含む診断システムの諸条件を確保することができる。
(動作)
次に、実施形態に係る超音波診断システムSGにおいて実行される、診断状況、通信状況に応じた信号出力・通信速度の制御の流れについて説明する。
次に、実施形態に係る超音波診断システムSGにおいて実行される、診断状況、通信状況に応じた信号出力・通信速度の制御の流れについて説明する。
図6は、診断状況、通信状況に応じた信号出力・通信速度の制御の流れを示したフローチャートである。なお、図6において、左列は超音波画像サーバ2における処理の流れを、右列は超音波プローブ3における処理の流れを、それぞれ示している。
図6に示す様に、サーバ側制御回路26は、サーバ側診断状況検出機能263により、診断状況を検出する(ステップSA1)。また、サーバ側制御回路26は、サーバ側通信状況検出機能262により、通信状況を検出する(ステップSA2)。なお、ステップSA1とSA2の処理は、順番が入れ替わってもよい。
次に、サーバ側制御回路26は、検出した診断状況及び通信状況に基づいて、サーバ側制御機能261により、超音波プローブ3の出力切替回路333の出力をx又はyの一方に切り替えるための制御信号、データ転送用無線端末7の帯域を割り当てを設定するための制御信号を出力する(ステップSA3)。例えば、撮像モードがBモードとして設定されている場合、サーバ側制御回路26は、サーバ側制御機能261により、超音波プローブ3の出力切替回路333の出力をx側に切り替えるための制御信号、データ転送用無線端末7の帯域の割り当てを通常の帯域に設定するための制御信号を出力する。
プローブ制御回路36は、超音波画像サーバ2からの制御信号に応答して、出力切替回路333の出力をx側に切り替える(ステップSB1)。また、データ転送用無線端末7は、超音波画像サーバ2からの制御信号に応答して、帯域の割り当てを制御する。
プローブ制御回路36は、超音波スキャンを実行する(ステップSB2)。超音波スキャンによって得られたチャンネル毎のビームフォーミング処理前の受信信号は、超音波データとして受信処理回路33から出力され、データ転送用無線端末7を介して超音波画像サーバ2へと転送される(ステップSB3)。
サーバ側制御回路26は、サーバ側診断状況検出機能263により、診断状況に変更が発生したか否かを判定する(ステップSA4)。サーバ側制御回路26は、診断状況の変更が発生した場合には(ステップSA4のYes)、サーバ側制御機能261により、超音波プローブ3の出力切替回路333の出力をx又はyの一方に切り替えるための新たな制御信号、データ転送用無線端末7の帯域を割り当てを設定するための新たな制御信号の出力が必要か否かを判定する(ステップSA5)。
判定の結果、新たな制御信号の発生が必要と判定した場合には(ステップSA5のYes)、サーバ側制御回路26は、サーバ側制御機能261により、超音波プローブ3の出力切替回路333の出力を切り替えるための新たな制御信号、データ転送用無線端末7の帯域の割り当てを変更するための新たな制御信号を出力する(ステップSA6)。例えば、撮像モードがBモードからカラードプラモードに変更された場合、サーバ側制御回路26は、サーバ側制御機能261により、超音波プローブ3の出力切替回路333の出力をx側からy側に切り替えるための新たな制御信号を出力する。
プローブ制御回路36は、超音波画像サーバ2からの制御信号に応答して、出力切替回路333の出力をx側からy側に切り替え(ステップSB4)、超音波スキャンを実行する(ステップSB5)。超音波スキャンによって得られたチャンネル毎のビームフォーミング処理後の受信信号は、超音波データとして受信処理回路33から出力され、データ転送用無線端末7を介して超音波画像サーバ2へと転送される(ステップSB6)。
一方、ステップSA4、SA5の判定の結果、新たな制御信号の発生が不要と判定した場合には(ステップSA4、SA5のNo)、サーバ側制御回路26は、ステップSA7へと移行する。
サーバ側制御回路26は、サーバ側通信状況検出機能262により、通信状況に変更が発生したか否かを判定する(ステップSA7)。サーバ側制御回路26は、通信状況の変更が発生した場合には(ステップSA7のYes)、サーバ側制御機能261により、超音波プローブ3の出力切替回路333の出力をx又はyの一方に切り替えるための新たな制御信号、データ転送用無線端末7の帯域を割り当てを設定するための新たな制御信号の出力が必要か否かを判定する(ステップSA8)。
判定の結果、新たな制御信号の発生が必要と判定した場合には(ステップSA8のYes)、サーバ側制御回路26は、サーバ側制御機能261により、例えば、例えば、超音波プローブ3と超音波画像サーバ2との間の通信に使用する帯域を割合をさらに増加させるための制御信号を出力する(ステップSA9)。データ転送用無線端末7は、超音波画像サーバ2からの制御信号に応答して、帯域の割り当てを変更する。
なお、ステップSA4〜SA9の各処理は、超音波スキャン中において繰り返し実行される。
以上述べた本実施形態に係る超音波診断システムは、第1の装置としての超音波プローブ3、第2の装置としての超音波画像サーバ2、通信部としてのデータ転送用無線端末7、第1の検出回路としてのサーバ側通信状況検出機能262、第2の検出回路としてのサーバ側診断状況検出機能263、制御回路としてのサーバ側制御機能261を備える。超音波プローブ3は、被検体の診断に用いる第1の信号としてのビームフォーミング処理前の受信信号を取得し、ビームフォーミング処理前の受信信号から第2の信号としてのビームフォーミング処理後の受信信号を取得し、ビームフォーミング処理前の受信信号又はビームフォーミング処理後の受信信号を出力する。超音波画像サーバ2は、ビームフォーミング処理前の受信信号又はビームフォーミング処理後の受信信号を用いて画像データを生成する。データ転送用無線端末7は、超音波画像サーバ2と少なくとも超音波プローブ3との間で通信を確立し、超音波プローブ3から出力されたビームフォーミング処理前の受信信号又はビームフォーミング処理後の受信信号を超音波画像サーバ2に転送する。超音波画像サーバ2のサーバ側通信状況検出機能262は、通信に関する通信状況をデータ転送用無線端末7からから検出する。サーバ側診断状況検出機能263は、被検体に関する診断状況を超音波プローブ3から検出する。サーバ側制御機能261は、診断状況と通信状況とに基づいて、超音波プローブ3からの出力及びデータ転送用無線端末7の通信速度のうちの少なくとも一方を制御する。
従って、診断状況と通信状況とを比較することにより、超音波プローブ3から超音波画像サーバ2へデータ転送がそのままで実現可能か否か、或いは、現在よりも高いレートでのデータ転送が実現可能か否か等を判定することができる。例えば、現在の最大通信速度が高くビームフォーミング処理前の受信信号を転送可能である場合には、サーバ側制御機能261は、超音波プローブ3から超音波画像サーバ2へビームフォーミング処理前の受信信号を転送する。超音波画像サーバ2においてはビームフォーミング処理前の受信信号を用いて適応的ビームフォーミングを実行し、画質の高い超音波画像を生成することができる。また、例えば、現在の最大通信速度が比較的低くビームフォーミング処理前の受信信号を転送不可能である場合には、サーバ側制御機能261は、超音波プローブ3から超音波画像サーバ2へビームフォーミング処理後の受信信号を転送する。超音波画像サーバ2においてはビームフォーミング処理後の受信信号を用いて、普及的な超音波診断装置相当の画質を担保した超音波画像を生成することができる。また、例えば、診断の優先度の低い他の超音波プローブと接続しなくなり、或いは優先度の高い超音波プローブにより多くの帯域を割り当てることができる。従って、周辺の通信端末の影響をなるべく受けず、可能な限り通信リソースを高優先度の診断に割り当てることができる。
その結果、診断状況や通信状況が変化する場合でも、診断機能を可能な限り継続、維持することができ、従来に比して安定した動作を実現することができる。
(変形例1)
上記実施形態においては、通信状況に依存して超音波受信信号の転送レートを下げる手法として、超音波プローブ3から超音波画像サーバ2へ転送するデータを、ビームフォーミング処理前のデータからビームフォーミング処理後のデータに切り替えるものを例示した。これに対し、通信状況に依存して超音波受信信号の転送レートを下げる他の方法として、超音波プローブ3において超音波データを間引き処理し、間引き処理後の超音波データを転送する手法を採用することができる。
上記実施形態においては、通信状況に依存して超音波受信信号の転送レートを下げる手法として、超音波プローブ3から超音波画像サーバ2へ転送するデータを、ビームフォーミング処理前のデータからビームフォーミング処理後のデータに切り替えるものを例示した。これに対し、通信状況に依存して超音波受信信号の転送レートを下げる他の方法として、超音波プローブ3において超音波データを間引き処理し、間引き処理後の超音波データを転送する手法を採用することができる。
図7は、変形例1に係る超音波プローブ3が備える受信処理回路33の構成を示したブロック図である。受信処理回路33は、図7に示した様に、図3に示した構成に加えてデータ間引き回路330を有する。
データ間引き回路330は、送受信回路32からの超音波データに対してデータ間引き処理を実行し、ビームフォーマ331、データ圧縮回路332へ出力する。すなわち、データ間引き回路330は、送受信回路32からの超音波データに対して、複数チャンネル毎に受信信号を位相補正して加算するサブアレイ処理、または複数時相毎に受信信号を加算することによるフレームレートの削減等を実行する。
なお、超音波プローブ3の受信帯域が送受信回路32のA/D変換器のサンプリング周波数の2分の1より相当に低い場合には、送受信回路32のA/D変換器において、サンプリング定理を満足する程度にサンプル方向にデータを削減することもできる。
上述したデータ間引き処理によっても、通信状況に依存して超音波受信信号の転送レートを下げることができる。また、必要に応じて、上述したデータ間引き処理と、ビームフォーミング処理前のデータからビームフォーミング処理後のデータに切り替え処理とを組み合わせるようにしてもよい。
(変形例2)
以上の例では、データ転送用無線端末7とデータ転送用無線I/F34の通信規格は単一である場合を例とした。これに対し、データ転送用無線端末7とデータ転送用無線I/F34との間で、双方に仕様の異なる複数の通信方式を搭載し、それらの一方、または両方で並列に通信を行ってもよい。
以上の例では、データ転送用無線端末7とデータ転送用無線I/F34の通信規格は単一である場合を例とした。これに対し、データ転送用無線端末7とデータ転送用無線I/F34との間で、双方に仕様の異なる複数の通信方式を搭載し、それらの一方、または両方で並列に通信を行ってもよい。
例えば、IEEE802.11ayで提案されている60GHz帯と、従来の通信方式の5GHz帯と両方通信できるようにすれば、一方の条件が悪くなっても、もう一方の条件で通信を継続できる。
(変形例3)
上述した実施形態においては、超音波プローブ3と、超音波画像サーバ2への中継装置としてのデータ転送用無線端末7との間の通信を無線で行う場合を例として説明した。これに対し、超音波プローブ3と超音波画像サーバ2への中継装置との間の通信を、有線、又は無線と有線との併用で行うようにしてもよい。
上述した実施形態においては、超音波プローブ3と、超音波画像サーバ2への中継装置としてのデータ転送用無線端末7との間の通信を無線で行う場合を例として説明した。これに対し、超音波プローブ3と超音波画像サーバ2への中継装置との間の通信を、有線、又は無線と有線との併用で行うようにしてもよい。
超音波プローブ3と超音波画像サーバ2への中継装置との間の通信を有線で行う場合には、データ転送用無線端末7はデータ転送用有線端末に、データ転送用無線I/F34はデータ転送用優先I/F回路にそれぞれ置き換えられる。また、超音波プローブ3と超音波画像サーバ2への中継装置との間の通信を有線及び無線の並列で行う場合には、検査室R1には、データ転送用無線端末7に加えてデータ転送用有線端末が設けられ、超音波プローブ3はデータ転送用無線I/F34に加えてデータ転送用有線I/Fをさらに備える構成となる。
なお、本変形例3の転送レートとして、前述のようなビームフォーミング処理前圧縮受信信号の(データレート8.3Gbps)が転送可能な有線通信の例として、イーサネット(登録商標)(10GBase−T以上)、USB(3.1Gen2以上)、InfiniBand(Quad Data Rate以上)が挙げられる。
(変形例4)
上記実施形態においては、診断状況と通信状況と基づいて、超音波プローブ3から転送されるデータの種類及び超音波プローブ3と中継装置との間の通信速度のうち少なくとも一方を制御する場合について説明した。
上記実施形態においては、診断状況と通信状況と基づいて、超音波プローブ3から転送されるデータの種類及び超音波プローブ3と中継装置との間の通信速度のうち少なくとも一方を制御する場合について説明した。
しかしながら、現実には、通信状況は様々な理由で悪化する可能性がある。また、通信状況の悪化の程度も、ネットワーク不具合や通信機器の異常により、診断に必要な最低限の通信速度をも確保できない状況、或いは全く通信ができなくなる状況もありうる。サーバ側制御回路26のサーバ側制御機能261は、サーバ側通信状況検出機能262による通信状況の検出の結果、診断に必要な最低限の通信速度をも確保できない状況、或いは全く通信ができない状況であると判別した場合には、超音波画像サーバ2及び超音波プローブ3の少なくとも一方において警告を出す、スキャンを止めるように超音波プローブ3を制御する、診断に必要な最低限の通信速度をも確保できない状況、或いは全く通信ができない状況になる直前の画像を静止画として検査室側表示回路50及びサーバ側表示回路23の少なくとも一方に表示する、スキャナから生体へのエネルギー送出を止めることのいずれかを実行する。また、サーバ側制御回路26のサーバ側制御機能261は、診断状況と前記通信状況とに基づいて、現在の撮像モード及びアプリケーションの少なくとも一方に関する利用可否を判定し、その結果を出力するようにしてもよい。
以上述べた構成によれば、通信状況が悪化し、診断に必要な最低限の通信速度をも確保できない状況、全く通信ができなくなる状況等に陥った場合であっても、その時点での最善の超音波画像表示を確保することができる。
(変形例5)
第1の実施形態において、超音波プローブ3が無線である場合に、超音波プローブへの電源供給手段として電池を内蔵することが求められる。このような場合、超音波プローブ3の電池残量がゼロに近いときに、通信状況の悪化とみなし、通信状況の悪化時と同様の制御をさせることよって、電池が切れて診断に必要な情報が全く通信できなくなる前に、その時点での最善の超音波画像表示を確保することができる。
第1の実施形態において、超音波プローブ3が無線である場合に、超音波プローブへの電源供給手段として電池を内蔵することが求められる。このような場合、超音波プローブ3の電池残量がゼロに近いときに、通信状況の悪化とみなし、通信状況の悪化時と同様の制御をさせることよって、電池が切れて診断に必要な情報が全く通信できなくなる前に、その時点での最善の超音波画像表示を確保することができる。
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、サーバ側通信状況検出機能262で、超音波画像サーバ2と、そこに接続されてデータ転送が行われている超音波プローブ3と双方の通信状況をモニタリングし、実効的に可能な転送データレートの上限を測定している。この場合、サーバ側通信状況検出機能262による検出は高頻度で行う必要がある。
第1の実施形態では、サーバ側通信状況検出機能262で、超音波画像サーバ2と、そこに接続されてデータ転送が行われている超音波プローブ3と双方の通信状況をモニタリングし、実効的に可能な転送データレートの上限を測定している。この場合、サーバ側通信状況検出機能262による検出は高頻度で行う必要がある。
一方、通信状況の多くは超音波プローブ3の位置に依存している。そこで、第2の実施形態に係る超音波診断システムSGは、超音波プローブ3の位置を測定し、その測定結果に基づいて通信状況を検出するものである。
検査室R1の内部における超音波プローブ3の位置毎の通信状況を通信情報として事前に取得し、記憶回路124に記憶しておく。サーバ側制御回路26は、リアルタイムに計測される超音波プローブ3の位置と、サーバ側制御機能261により、検査時に記憶回路124から読み出された通信情報とを参照することにより、超音波プローブ3とデータ転送用無線端末7とのの通信状況をリアルタイムに検出し、診断状況との比較に用いることが可能である。従って、通信状況の検出を高頻度で行う必要がなくなる。
なお、超音波プローブ3の測位は、例えば、制御用無線端末6にBluetooth(登録商標)のような測位機能のあるものを利用することで実現できる。この場合の測位の方式として例えば、発信機の電波強度から受信機の位置を推定するRSSI(信号強度)方式、電波強度だけでなく、電波到達の角度も測定するAoA(Angle of Arrival)方式、複数の発信機を使って三角測量の方法を使って測位する三角測位方式を採用することができる。
超音波プローブ3の測位の方法として他に、磁気発生装置を超音波プローブ3の近傍に置き、超音波プローブ3側に取り付けた磁気センサを用いる方法、加速度センサを用いる方法、または超音波プローブ3を光学カメラで撮像しその位置を算出する方法、GPS(Global Positioning System)を用いる方法などがあり、測位精度を上げるために、複数の方式を組み合わせることも可能である。また測位の次元としては、2次元にとどまらず高さも含めた3次元の空間としてもよい。
超音波プローブ3の測位が可能ならば、超音波プローブ3が所定の検査エリアにあるかどうかを位置によって判別し、検査エリアを外れたと判別された場合、警告を出す、スキャンを止める、判別直前の画像を静止画として表示手段に表示させる、またはスキャナから生体へのエネルギー送出を止めることのいずれかを行うことによって、その時点での最善の表示を得ることができる。
(第3の実施形態)
第1及び第2の実施形態では、ネットワークに接続された超音波プローブ3、超音波画像サーバ2、検査室側入力I/F回路40、検査室側表示回路50の組み合わせが一つの超音波診断システムSGを構成する場合を例として説明した。これに対し、第3の実施形態に係る超音波診断システムSGは、検査室側入力I/F回路40、検査室側表示回路50も機構的に本体に組み込まれた携帯型超音波診断装置と、超音波プローブとの組み合わせで、かつ装置が病院から遠隔の場所に持ち出されている場合について説明する。
第1及び第2の実施形態では、ネットワークに接続された超音波プローブ3、超音波画像サーバ2、検査室側入力I/F回路40、検査室側表示回路50の組み合わせが一つの超音波診断システムSGを構成する場合を例として説明した。これに対し、第3の実施形態に係る超音波診断システムSGは、検査室側入力I/F回路40、検査室側表示回路50も機構的に本体に組み込まれた携帯型超音波診断装置と、超音波プローブとの組み合わせで、かつ装置が病院から遠隔の場所に持ち出されている場合について説明する。
図8は、第3の実施形態に係る超音波診断システムSGの構成を示した図である。図8に示す様に、超音波診断システムSは、遠隔地LDに設けられた超音波プローブ3、携帯型超音波診断装置としての超音波診断装置4、遠隔地側ルータ5と、病院に設けられた病院側ルータ1、超音波画像サーバ2によって構成される。遠隔地側ルータ5と病院側ルータ1とは、公衆回線としてのネットワークNを介して互いに通信可能である。なお、病院側ルータ1及び超音波画像サーバ2は、必ずしも病院内に設置されている必要はなく、ネットワークNを介して遠隔地側ルータ5と通信可能な環境であれば、どこに設置されていてもよい。
図9は、第3の実施形態に係る超音波診断システムSGに含まれる超音波プローブ3、超音波診断装置4、超音波画像サーバ2の構成を示したブロック図である。以下、図9を参照しながら超音波診断装置4の構成について説明する。なお、超音波画像サーバ2、超音波プローブ3の構成については、図2に示した構成と同様であるのでその説明を省略する。
超音波診断装置4は、超音波プローブ3から例えば無線通信によって超音波データを受け取り、受け取った超音波データに対して信号処理等を実行して超音波画像を生成する。より具体的には、超音波診断装置4は、診断装置側通信I/F回路41、診断装置側入力I/F回路42、診断装置側表示回路43、診断装置側記憶回路44、診断装置側信号処理回路45、診断装置側制御回路46、制御用無線端末6、データ転送用無線端末8を備える。また、診断装置側制御回路46は、診断装置側制御機能461、診断装置側通信状況検出機能462、診断装置側診断状況検出機能463、診断装置側画像表示処理機能464を有する。
診断装置側通信I/F回路41、診断装置側入力I/F回路42、診断装置側表示回路43、診断装置側記憶回路44、診断装置側信号処理回路45、診断装置側制御回路46、診断装置側制御機能461、診断装置側診断状況検出機能463、診断装置側画像表示処理機能464は、それぞれ、サーバ側通信I/F回路21、検査室側入力I/F回路40、検査室側表示回路50、サーバ側記憶回路24、サーバ側信号処理回路25、サーバ側制御回路26、サーバ側制御機能261、サーバ側診断状況検出機能263、サーバ側画像表示処理機能264と実質的に同じ構成である。
超音波診断装置4の診断装置側通信状況検出機能462及び超音波画像サーバ2のサーバ側通信状況検出機能262は、超音波プローブ3と超音波診断装置4との間、超音波診断装置4と遠隔地側ルータ5との間、病院側ルータ1と超音波画像サーバ2との間、超音波診断装置4と超音波画像サーバ2との間(すなわち、遠隔地側ルータ5と病院側ルータ1との間)の通信速度を検出する。
超音波診断装置4の診断装置側制御機能461は、通信状況、診断状況に基づいて、受信処理回路33の出力切替回路333、超音波プローブ3と超音波診断装置4との間の通信速度、超音波診断装置4と遠隔地側ルータ5との間の通信速度のうちの少なくともいずれかを制御する。
超音波画像サーバ2のサーバ側制御機能261は、通信状況、診断状況に基づいて、受信処理回路33の出力切替回路333、超音波プローブ3と超音波診断装置4との間の通信速度、超音波診断装置4と遠隔地側ルータ5との間の通信速度、病院側ルータ1と超音波画像サーバ2との間の通信速度、超音波診断装置4と超音波画像サーバ2との間の通信速度のうちの少なくともいずれかを制御する。
制御用無線端末6は、制御用無線I/F35と接続し、無線通信の規格に沿った無線信号に変換された制御信号を送受信する。制御信号は、制御用無線端末6を介して、プローブ制御回路36と超音波診断装置4との間でやり取りが行われる。また超音波プローブ3の制御信号は超音波受信信号とは異なる無線通信方式で別途制御用無線端末6と通信できるようになっている。また、制御用無線端末6は、遠隔地側ルータ5、病院側ルータ1を介して超音波画像サーバ2と制御信号のやり取りを行う。
データ転送用無線端末8は、データ転送用無線I/F34と接続し、無線通信の規格に沿った無線信号に変換されたビームフォーミング処理前またはビームフォーミング処理後の超音波受信信号を受信する。また、データ転送用無線端末8は、遠隔地側ルータ5、病院側ルータ1を介して超音波画像サーバ2と超音波データ、超音波画像データのやり取りを行う。
超音波診断システムSGにおいて、例えば、通信条件は、超音波プローブ3と超音波診断装置4との間、超音波診断装置4と遠隔地側ルータ5との間、病院側ルータ1と超音波画像サーバ2との間、超音波診断装置4と超音波画像サーバ2との間(すなわち、遠隔地側ルータ5と病院側ルータ1との間)で異なる。一般的には、超音波診断装置4と超音波画像サーバ2との間の通信路に公衆通信が含まれているため、例えば第1の実施形態に係る超音波診断システムSGと比較して、データ転送に関わる条件は厳しくなる。
この様な通信環境においても、本実施形態に超音波診断システムSGによれば、診断状況及び通信状況の変化に応じて信号処理が出力する信号及び通信部の通信速度のうちの少なくとも一方を変更することができる。従って、第1及び第2の実施形態と同様に、検査や通信の状況が変化する場合でも、診断機能を可能な限り継続、維持できる。
(変形例5)
例えば、第3の実施形態のさらなる変形例として、超音波プローブ3と超音波診断装置4を機構的に一体とする構成例が考えられる。また、さらなる変形例として、超音波診断装置を携帯型ではなく据え置き型とし、遠隔地でなく検査室内に設置してもよい。
例えば、第3の実施形態のさらなる変形例として、超音波プローブ3と超音波診断装置4を機構的に一体とする構成例が考えられる。また、さらなる変形例として、超音波診断装置を携帯型ではなく据え置き型とし、遠隔地でなく検査室内に設置してもよい。
以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、ネットワークを介してスキャナと画像処理サーバとの間でデータ通信を行う環境において、診断状況や通信状況が変化した場合であっても、従来に比して安定した動作を実現することができる。
いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、実施形態同士の組み合わせを行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1 病院側ルータ
2 超音波画像サーバ
3 超音波プローブ
6 制御用無線端末
7 データ転送用無線端末
21 サーバ側通信I/F回路
22 サーバ側入力I/F回路
23 サーバ側表示回路
24 サーバ側記憶回路
25 サーバ側信号処理回路
26 サーバ側制御回路
31 振動子アレイ
32 送受信回路
33 受信処理回路
34 データ転送用無線I/F
35 制御用無線I/F
36 プローブ制御回路
40 検査室側入力I/F回路
50 検査室側表示回路
261 サーバ側制御機能
262 サーバ側通信状況検出機能
263 サーバ側診断状況検出機能
264 サーバ側画像表示処理機能
330 データ間引き回路
331 ビームフォーマ
332 データ圧縮回路
333 出力切替回路
S1〜SN 撮像系
2 超音波画像サーバ
3 超音波プローブ
6 制御用無線端末
7 データ転送用無線端末
21 サーバ側通信I/F回路
22 サーバ側入力I/F回路
23 サーバ側表示回路
24 サーバ側記憶回路
25 サーバ側信号処理回路
26 サーバ側制御回路
31 振動子アレイ
32 送受信回路
33 受信処理回路
34 データ転送用無線I/F
35 制御用無線I/F
36 プローブ制御回路
40 検査室側入力I/F回路
50 検査室側表示回路
261 サーバ側制御機能
262 サーバ側通信状況検出機能
263 サーバ側診断状況検出機能
264 サーバ側画像表示処理機能
330 データ間引き回路
331 ビームフォーマ
332 データ圧縮回路
333 出力切替回路
S1〜SN 撮像系
Claims (14)
- 被検体の診断に用いる第1の信号を取得し、前記第1の信号から第2の信号を取得し、前記第1の信号又は前記第2の信号を出力する第1の装置と、
前記第1の信号又は前記第2の信号を用いて画像データを生成する生成部を有する第2の装置と、
前記第2の装置と少なくとも前記第1の装置との間で通信を確立し、前記第1の装置から出力された前記第1の信号又は前記第2の信号を前記第2の装置に転送する通信部と、
前記通信に関する通信状況を前記通信部から検出する少なくとも一つの第1の検出部と、
前記被検体に関する診断状況を前記第1の装置から検出する少なくとも一つの第2の検出部と、
前記診断状況と前記通信状況とに基づいて、前記第1の装置からの出力及び前記通信部の通信速度のうちの少なくとも一方を制御する制御部と、
を備えた医用画像診断システム。 - 前記第1の装置は超音波プローブであり、
前記第2の装置は、前記第1の検出部、前記第2の検出部、前記制御部を有する超音波画像サーバである、
請求項1に記載の医用画像診断システム。 - 前記第1の装置は、超音波プローブと、前記第1の検出部、前記第2の検出部、前記制御部を有する超音波診断装置であり、
前記第2の装置は、前記第1の検出部、前記第2の検出部、前記制御部を有する超音波画像サーバである、
請求項1に記載の医用画像診断システム。 - 前記制御部は、
前記診断状況に基づいて、前記第1の装置から前記第2の装置へ前記第1の信号を転送するために必要な第1のデータレートと、前記第1の装置から前記第2の装置へ前記第2の信号を転送するために必要な第2のデータレートとを取得し、
前記通信状況に基づいて前記通信においける最大データレートを取得し、
前記第1のデータレートと、前記第2のデータレートと、前記最大データレートとに基づいて、前記第1の装置からの出力及び前記通信部の通信速度のうちの少なくとも一方を制御する、
請求項2又は3に記載の医用画像診断システム。 - 前記第1の検出部は、前記第1の装置における現在の撮像モード、前記超音波プローブの種類、撮像条件の少なくとも一つに基づいて、前記診断状況を検出する請求項2乃至4のうちいずれか一項に記載の医用画像診断システム。
- 前記第1の信号はビームフォーミング処理前の信号であり、
前記第2の信号はビームフォーミング処理後の信号である、
請求項2乃至5のうちいずれか一項に記載の医用画像診断システム。 - 前記制御部は、
前記診断状況に基づいて前記第1の装置と前記第2の装置との通信に関する優先度を判定し、
前記優先度に従って、前記第1の装置と前記第2の装置との間の前記通信を排他的に確立する、
請求項2乃至5のうちいずれか一項に記載の医用画像診断システム。 - 前記制御部は、前記診断状況と前記通信状況とに基づいて、前記第1の装置から前記第2の装置へ前記第2の信号を転送するための通信速度を確保できないと判定した場合には、警告の出力、前記第1の装置による撮像の中止、前記第1の装置からの前記被検体へのエネルギー送出の中止、のうちの少なくとも一つを実行する請求項2乃至6のうちいずれか一項に記載の医用画像診断システム。
- 前記超音波プローブの位置を計測する計測部をさらに備え、
前記第2の検出部は、前記超音波プローブの位置に基づいて前記通信状況を検出する、
請求項2乃至6のうちいずれか一項に記載の医用画像診断システム。 - 前記制御部は、前記診断状況と前記通信状況とに基づいて、現在の撮像モード及びアプリケーションの少なくとも一方に関する利用可否を判定し、その結果を出力する、
請求項8に記載の医用画像診断システム。 - 前記超音波プローブの位置を計測する計測部をさらに備え、
前記制御部は、前記超音波プローブの位置が前記被検体を撮像不可能な位置である場合には、警告の出力、前記第1の装置による撮像の中止、前記第1の装置からの前記被検体へのエネルギー送出の中止、のうちの少なくとも一つを実行する、
請求項2乃至9のうちいずれか一項に記載の医用画像診断システム。 - 超音波画像サーバとの間で通信を行う超音波プローブであって、
供給される駆動信号に従って被検体に超音波を送信し、前記被検体からの反射波を受信する複数の超音波振動子と、
複数の超音波振動子からの出力に基づいて第1の信号を生成する受信部と、
前記第1の信号から第2の信号を取得し、前記第1の信号又は前記第2の信号を出力する受信処理部と、
前記超音波画像サーバからの制御信号に基づいて、前記受信処理部の出力を切り替える切替部と、
前記受信処理部からの出力を前記超音波画像サーバへ転送する転送部と、
を備えた超音波プローブ。 - サーバと、
前記サーバに対して無線を介して接続された複数の超音波プローブと、を備えた医用画像診断システムであって、
前記サーバは、前記複数の超音波プローブにより実行されている診断に応じて前記複数の超音波プローブに対する通信帯域の割り当てを決定する、医用画像診断システム。 - 被検体の診断に用いる第1の信号を取得し、前記第1の信号から第2の信号を取得し、前記第1の信号又は前記第2の信号を出力する第1の装置との間で通信を確立し、前記第1の装置から出力された前記第1の信号又は前記第2の信号を第2の装置に転送する通信部と、
前記第1の信号又は前記第2の信号を用いて画像データを生成する生成部と、
前記通信に関する通信状況を前記通信部から検出する少なくとも一つの第1の検出部と、
前記被検体に関する診断状況を前記第1の装置から検出する少なくとも一つの第2の検出部と、
前記診断状況と前記通信状況とに基づいて、前記第1の装置からの出力及び前記通信部の通信速度のうちの少なくとも一方を制御する制御部と、
を備えた医用画像診断装置。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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US17/132,233 US20210196243A1 (en) | 2019-12-27 | 2020-12-23 | Medical image diagnostics system and ultrasonic probe |
CN202011546716.3A CN113040811A (zh) | 2019-12-27 | 2020-12-24 | 医用图像诊断系统以及超声波探头 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2019238694 | 2019-12-27 | ||
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JP2020213218A Pending JP2021106871A (ja) | 2019-12-27 | 2020-12-23 | 医用画像診断システム、超音波プローブ及び医用画像診断装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2023053693A1 (ja) * | 2021-09-30 | 2023-04-06 | 富士フイルム株式会社 | 超音波診断装置および超音波診断装置の制御方法 |
WO2023155907A1 (zh) * | 2022-02-21 | 2023-08-24 | 深圳迈瑞生物医疗电子股份有限公司 | 超声成像系统、医学影像系统、终端设备 |
-
2020
- 2020-12-23 JP JP2020213218A patent/JP2021106871A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2023053693A1 (ja) * | 2021-09-30 | 2023-04-06 | 富士フイルム株式会社 | 超音波診断装置および超音波診断装置の制御方法 |
WO2023155907A1 (zh) * | 2022-02-21 | 2023-08-24 | 深圳迈瑞生物医疗电子股份有限公司 | 超声成像系统、医学影像系统、终端设备 |
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