JP2021106474A - 回転電機の回転子及び回転電機 - Google Patents

回転電機の回転子及び回転電機 Download PDF

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Abstract

【課題】モータ効率を向上できる回転電機の回転子を提供する。【解決手段】一以上の永久磁石(2、3)により構成される一磁極(30)が周方向に複数配置された回転電機の回転子(6)であって、回転子(6)の外周に、回転子(6)の軸方向に沿って溝(60)を備え、溝(60)は、その最深部が、回転子(6)の表面磁束密度分布を示す波形に含まれる基本波成分の正負符号と高調波成分の正負符号とが一致する範囲に位置するように形成される。【選択図】図2

Description

本発明は、回転電機の回転子及び回転電機に関する。
電気自動車やハイブリッド車両等といった電動車両の駆動用電動機として、ロータコアに永久磁石が埋め込まれた埋め込み磁石型永久磁石式電動機(Interior Permanent Magnetモータ)が知られている。
IPMモータには、永久磁石の磁束によって生じる鉄損によって高回転域での効率が低下するという問題がある。また、電動機の振動や騒音を抑えるために、鉄損を低減させて、トルクリプルを低下させることも求められる。鉄損を低減させて、トルクリプルを低下させる技術として、特許文献1には、回転子の外周に溝を形成することによって、回転子の磁束波形を正弦波に近づけることができ、鉄損を低減してモータ効率を向上できる回転電機の回転子が開示されている。
国際公開第2018/235145号
回転子において、永久磁石の配置や形状、回転子の構造等により、磁束波形に高調波成分が含まれる。この高調波成分によっても鉄損が増加する場合があり、モータ効率が低下する場合があった。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、回転電機における磁束波形の高調波成分を抑制すことで鉄損を低減して、モータ効率を向上できる回転子及び回転電機を提供することを目的とする。
本発明の一実施態様は、一以上の永久磁石により構成される一磁極が周方向に複数配置された回転電機の回転子に適用される。この回転子は、その外周に、回転子の軸方向に沿って溝を備え、溝は、その最深部が、回転子の表面磁束密度分布を示す波形に含まれる基本波成分の正負符号と高調波成分の正負符号とが一致する範囲に位置するように形成される。
本発明によると、磁束密度分布の基本波成分と高調波成分との正負符号が一致する範囲に溝が形成されることで、高調波成分を抑制することができる。これにより、高調波成分に起因する鉄損を抑制でき、モータ効率を向上することが可能になる。
図1は、本発明の実施形態の回転子の説明図である。 図2は、本発明の実施形態の回転子表面の表面磁束密度分布の磁束波形と、この表面磁束密度分布に含まれる成分とを示す説明図である。 図3は、本発明の実施形態の第1変形例の回転子表面の表面磁束密度分布を示す磁束波形の説明図である。 図4は、本発明の実施形態の回転電機の鉄損低減効果を説明するための実験結果を示す図である。 図5は、本発明の実施形態の第2変形例の回転子表面の表面磁束密度分布を示す磁束波形の説明図である。 図6は、本発明の実施形態の第3変形例の回転子表面の表面磁束密度分布を示す磁束波形の説明図である。 図7は、本発明の実施形態の第4変形例に係る溝の形状の説明図である。 図8は、本発明の実施形態の第5変形例に係る溝の形状の説明図である。 図9は、本発明の実施形態の第6変形例に係る溝の形状の説明図である。 図10は、本発明の実施形態の第7変形例に係る溝の形状の説明図である。 図11は、本発明の実施形態の第8変形例に係る溝の形状の説明図である。
以下、図面等を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態の回転電機の回転子6の説明図である。図1は、回転子(ロータ)6を軸方向に垂直な断面から見た構成図であって、構成全体の一部(一極分)が示されている。本実施形態の回転電機は、ロータ6の内部に永久磁石が埋設された埋め込み磁石型永久磁石式電動機(Interior Permanent Magnet(IPMモータ))であり、一対の永久磁石2と、永久磁石3の計3枚の永久磁石からなる永久磁石グループ30により構成された一磁極を複数有するロータ6が、ステータ20の内部に回転自在に配置される。
本実施形態の回転電機は、例えば電動自動車に搭載され、車輪を駆動する電動機として機能する。また、車輪の回転による駆動力を受けて発電(回生)を行なう発電機として機能する。なお、回転電機は、自動車以外の装置、例えば各種電気機器又は産業機械の駆動装置として用いられてもよい。
本実施形態では、8極構造のロータを例に説明するが、極数にはこれに限定されるものではない。ただし、以下に説明する解析結果としては、8極構造のロータ6と、スロット数が48であって、固定子巻線が分布巻きによって巻き回されたステータ20とで構成された回転電機に本発明を適用して解析されたことを前提とする。
回転子(ロータ)6を構成する回転子コア(ロータコア)1は、円環状に打ち抜き加工された電磁鋼板が軸方向に積層して形成される。ロータコア1には、永久磁石2が埋設される磁石孔40と、永久磁石3が埋設される磁石孔50とが形成される。磁石孔40の周方向両端部には空隙4が、磁石孔50の周方向両端部には空隙5がそれぞれの磁石孔と連続して形成される。
磁石孔40は、周方向における中央部分であって最も回転中心側に位置する部分がd軸上に位置し、周方向両端部分はd軸から離れてq軸に近づくと共にロータ外周に近づく、いわゆるV字型に形成される。
磁石孔50は、外周方向に開くV字型に形成された磁石孔40の開いた部分に、ロータコア1の周方向に沿って直線的に設けられる。
磁石孔40に外周方向に開くV字型に配置された一対の永久磁石2(第1永久磁石)が埋設されると共に磁石孔50に一つの永久磁石3(第2永久磁石)が埋設されることで、永久磁石が略三角形状に配置された一つの永久磁石グループ30が形成される。このようにロータコア1に永久磁石2、3が埋設されて、ロータ6が構成される。本実施形態のロータ6は8極構造であるので、永久磁石グループ30が機械角45度毎に配置される。図1が示すのはその一極分である。一つの永久磁石グループ30による磁束の方向がd軸(磁極中心)であり、d軸に対して磁気的に直交する方向がq軸である。
磁石孔40は永久磁石2の長手方向の幅よりも大きく形成されており、永久磁石2が磁石孔40に埋設された状態で、永久磁石2の端部に空隙4が形成される。同様に磁石孔50は永久磁石3の長手方向の幅よりも大きく形成されており、永久磁石3が磁石孔50に埋設された状態で,永久磁石3の両端部に空隙5が形成される。これら空隙4、5が形成する空間部分は、電磁鋼板よりも透磁率が低く磁気抵抗が大きいため、磁気的障壁(フラックスバリア)として作用する。
本実施形態のロータ6の外周には、ロータ6の回転中心側に向かって凹となる形状を有する溝10及び溝60が形成される。これら溝10及び溝60は、ロータ6の軸方向に沿って形成される。
これら溝10及び溝60は、ロータ6の断面積が削減されることで磁気抵抗を増加させるので、ステータ20側に鎖交する磁石磁束の流れを調節することが可能となる。
溝10は、永久磁石グループ30のq軸付近に形成され、永久磁石グループ30における表面磁束密度分布の磁束波形を、より正弦波に近づけるような位置に形成される。
具体的には、溝10のd軸側の端部が、ロータ6の回転中心と空隙5のq軸側の端部とを通過する線分のロータコア1の外周と接する位置よりもq軸側にオフセットした位置に配置され、溝10のq軸側の端部が、ロータ6の回転中心と空隙4のd軸側の端部とを通過する線分のロータ6の外周と接する位置に配置されることが望ましい。
このような位置に溝10を形成することにより、磁束波形が正弦波に近づくので、鉄損を低減することができ、モータ効率を向上させることができる。
なお、ロータ6は、溝10が形成されていなくてもよい。
溝60は、永久磁石グループ30の表面磁束密度分布の磁束波形に含まれる高調波成分を抑制するような位置及び形状に構成される。
溝60は、ロータ6の永久磁石グループ30の外周側に、ロータ6の軸方向に沿って形成される。溝60は、ロータ6の回転中心と溝60とを通過する線分のうち、最も回転中心に近い(ロータ6の外周面から最も深い)点を最深部とし、最深部よりもd軸側の端点を開始点、最深部よりもq軸側の端部を終了点としたときに、これら開始点、最深部及び終了点を直線又は曲線で結んだ形状として構成される。
ここで、高調波成分とは、基本波成分に対してその周波数の整数倍の周波数の波形として発生するものである。V字型に配置された一対の永久磁石2及び一つの永久磁石3を略三角形状に配置することにより構成された永久磁石グループ30の表面磁束密度分布の磁束波形は、異なる方向の磁石磁束の合成となるため高調波成分が含まれる。磁束波形に高調波成分が含まれることで、磁束波形が理想的な波形とはならなくなり、鉄損が増加して、モータ効率が低下する。
そこで、本実施形態では、高調波成分を抑制して鉄損を低減させるように、溝60の形状を、次のように定義する。
図2は、本実施形態のロータ6の永久磁石グループ30と、回転子表面の表面磁束密度分布の磁束波形と、この表面磁束密度分布に含まれる成分とを示す説明図である。
表面磁束密度成分を示す磁束波形は、基本波成分と高調波成分とが合成された波形である。なお、これら基本波成分及び高調波成分は、主にロータ6の外周形状と永久磁石2、3の配置とに応じて発生するので、図示するようにd軸に対称の波形となる。
図2は、表面磁束密度分布の磁束波形を次数分解した場合の、基本波成分の磁石磁束の波形と、高調波成分(3次、5次、7次)の磁石磁束の波形を示す。なお、これら各磁束波形は、各永久磁石グループ30で同一であるため、一つの永久磁石グループ30(すなわちq軸からq軸までの一磁極)について説明する。
基本波成分は、永久磁石グループ30のd軸で磁石磁束がピークとなり、q軸に向かうに従って磁石磁束が減少する正弦波である。基本波成分は、回転電機のトルクに最も寄与する成分である。
3次の高調波成分は、基本波成分の3倍の周波数(波長が1/3)を有する正弦波である。5次の高調波成分は、基本波成分の5倍の周波数(波長が1/5)を有する正弦波である。7次の高調波成分は、基本波成分の7倍の周波数(波長が1/7)を有する正弦波である。なお、さらに高次(9次、11次、13次…)の高調波成分については省略する。
ここで、一の特定の高調波成分(例えば5次の高調波成分)を抑制する場合を説明する。
一の特定の高調波成分を抑制したい場合は、溝60を当該高調波成分の磁束波形に対応する位置に形成すると、溝60による磁気抵抗が増加してロータ6からステータ20に鎖交する磁束成分が抑制されると共に、溝60が存在しない箇所(例えば溝60よりもd軸側)へと磁束が流れやすくなることで、高調波成分の振幅を小さくすることができる。
図2に示す例では、溝60の最深部を、5次の高調波成分の波形のピークに対応する位置(図2の一点鎖線Aで示す)とする。この位置は、溝60を備えることにより基本波成分の正負符号と5次の高調波成分の正負符号とが一致する位置(共に正、ハッチングで示す)である。
そして、溝60の開始点を、一点鎖線よりもd軸側であって、かつ、基本波成分の正負符号と5次の高調波成分の正負符号とが一致する位置(共に正となる位置、実線Bで示す)に設定し、溝60の終了点を、一点鎖線よりもq軸側であって、かつ、基本波成分の正負符号と5次の高調波成分の正負符号とが一致する位置(共に正となる位置、実線Cで示す)に設定する。
なお、磁石磁束をd軸において対称とするために、溝60とd軸で対称となる位置に、最深部をA’、開始点をB’、終了点をC’とする溝60を形成する。
このように溝60を形成することにより、溝60の磁気抵抗によってロータ6からステータ20に鎖交する磁石磁束が低下すると共に、磁気抵抗の高い溝60を避けてd軸側に磁束が流れることで、溝60が形成される位置に対応する位置に振幅のピークを有する5次の高調波成分の振幅を小さくすることができる。その結果、例えば5次の高調波成分に起因する鉄損を低減できるので、モータ効率を向上することができる。
次に、本実施形態の他の変形例について説明する。
図3は、本実施形態の第1変形例のロータ6の永久磁石グループ30と、その表面磁束密度分布を示す磁束波形の説明図である。
前述の図2では、一の特定の高調波成分を抑制する場合を説明した。第1変形例では、複数の高調波成分(3次、5次及び7次の高調波成分)を共に抑制する場合について説明する。
このように、複数の高調波成分を抑制したい場合は、溝60の最深部を、複数の高調波成分の正負符号が、いずれも基本波成分の正負符号と一致する箇所であって、さらに、複数の高調波成分それぞれの振幅のピークに最も近い位置(例えば振幅の和が最大となるような位置)に配置する(図3の一点鎖線Dで示す)。
溝60の開始点及び終了点は、これら3次、5次及び7次の高調波成分を抑制できる位置及び形状に設定する。具体的には、図3に示すように、溝60の終了点が、3次、5次及び7次の高調波成分の正負符号と基本波成分の正負符号とが一致する領域に位置するように設定する(図3の実線Fで示す)。溝60の開始点は、ここでは、5次の高調波成分の正負符号と基本波成分の正負符号とが一致する領域に位置するように設定する。この領域は、3次及び7次の高調波成分の正負符号と基本波成分の正負符号とは異なっている(図3の実線Eで示す)。
溝60は、開始点から終了点に渡って高調波成分の正負符号と基本波成分の正負符号とが一致する領域に形成されることが好ましい。一方で、溝60の位置が高調波成分を抑制するのに適切な位置であれば、溝60の一部が、高調波成分の正負符号と基本波成分の正負符号とが異なる領域に位置してもよい(実線E)。
これは、溝60のうち、高調波成分の正負符号と基本波成分の正負符号とが異なっている領域が、溝60の最深部ではなく、溝60の最深部からd軸側の端部(開始点)に向かって緩やかにその深さが小さくなっている領域であるためである。このような領域では、高調波成分の振幅を増加させる働きが小さく、溝60の領域の多くは、基本波成分の正負符号と一致するので、結果として、溝60が高調波成分を抑制する方向に働くためである。
このように溝60を設定することによって、3次、5次及び7次の高調波成分を共に抑制することができる。図3において、点線で示す高調波成分の波形に対して、溝60を形成することにより、実線で示す高調波成分の波形に変化したことが示されている。すなわち、溝60を形成したことにより、実線で示すように、高調波成分の振幅が小さくなり、表面磁束密度分布の波形がより正弦波に近づいていることがわかる。
なお、磁石磁束をd軸において対称とするために、溝60とd軸で対称となる位置に、最深部をD’、開始点をE’、終了点をF’とする溝60を形成する。
図4は、図3に示すロータ6に溝10及び溝60を形成した場合の、回転電機の鉄損低減効果を説明するための実験結果を示す図である。
図4(a)は、表面磁束密度分布の磁束波形による鉄損について、溝10のみ形成された状態、溝10と溝60との双方が形成された状態、について、溝なしと比較した場合の総鉄損低減効果を示すグラフである。
図4(a)に示すように、ロータ6に溝10を形成することにより、溝を形成しない略真円状のロータ6と比較して、ロータ6からステータ20に鎖交する磁束の総鉄損が7%低減されたことが示されている。そして、溝10に加えて溝60を形成することにより、溝10のみを形成した場合と比較して、総鉄損がさらに15%低減されたことが示されている。
図4(b)は、3次の高調波成分、5次の高調波成分及び7次の高調波成分それぞれにおいて、溝を形成しない略真円状のロータ6、溝10のみ形成されたロータ6、溝10と溝60との双方が形成されたロータ6、についての鉄損低減効果を示すグラフである。
図4(b)において、特に5次の高調波成分が、溝10のみを形成した場合に鉄損がかえって増加していることが示されている。これに対して、溝60を形成したことにより、溝10により増加した鉄損を低減することができたことが示されている。
このように、高調波成分の波形に対応して溝60を形成することによって、高調波成分を抑制できるので、高調波成分に起因する鉄損を低減でき、モータ効率を向上することができる。
図5は、本実施形態の第2変形例のロータ6の永久磁石グループ30と、その表面磁束密度分布を示す磁束波形の説明図である。
前述の図3では、複数の高調波成分(3次、5次及び7次の高調波成分)を共に抑制する場合について、溝60の開始点を5次の高調波成分の正負符号と基本波成分の正負符号とが一致する領域に位置するように設定した例を示した。
図5に示す第2変形例では、溝60の開始点をd軸と一致する位置に設定した(図5の実線E2で示す)。そして、溝60の最深部から開始点(すなわちd軸)にかけて、最深部から終了点までと比較して、その距離が大きく、かつ、よりなだらかに変化するような形状となるように構成した。
なお、磁石磁束をd軸において対称とするために、溝60とd軸で対称となる位置に、最深部をD’、開始点をE2’、終了点をF’とする溝60を形成する。
溝60の最深部から開始点にかけてなだらかに変化するように構成した理由は、溝60の形状の変化が急峻である場合には、新たな高調波の発生源となる可能性があるからである。特に、回転電機のトルクに寄与するd軸付近の波形については、溝60の形状による影響が大きくなる。そこで、図5に示すように、溝60の最深部からd軸側にかけての距離をq軸側と比較して大きく取ると共に、その形状の変化がよりなだらかに(変化がより小さく)なるような形状とすることで、新たな高調波の発生を抑制して、表面磁束密度分布をより正弦波に近づけることができる。
図6は、本実施形態の第3の変形例のロータ6の永久磁石グループ30と、その表面磁束密度分布を示す磁束波形の説明図である。
図6に示す第3変形例は、永久磁石3’の長手方向の寸法が、前述の図1から図5に示す永久磁石3よりも短く構成された例を示す。また、第3変形例では、ロータ6に溝60のみを形成した場合について説明する。
第3変形例では、永久磁石の形状が異なることにより、高調波の波形が前述の図1から図5に示す構成とは異なっている。
この場合も前述の図3で説明したのと同様に、溝60の最深部を、これら複数の高調波成分の正負符号が、いずれも基本波成分の正負符号と一致する箇所に配置する(図6の一点鎖線Gで示す)。
また、溝60の終了点は、高調波成分の正負符号と基本波成分の正負符号とが一致する領域に位置するように(図6の実線Iで示す)に設定する。溝60の開始点は、前述の図5に示す第2変形例と同様に、d軸と一致する位置に設定する(図6の実線Hで示す)。そして、溝60の最深部から開始点(すなわちd軸)にかけて、最深部から終了点までと比較して、その距離が大きく、かつ、よりなだらかに変化するような形状に設定する。
このように溝60を設定することによっても、高調波成分を抑制することができる。
なお、磁石磁束をd軸において対称とするために、溝60とd軸で対称となる位置に、最深部をG’、開始点をH’、終了点をI’とする溝60を形成する。
以上説明したように、溝60の最深部を、高調波成分の正負符号が基本波成分の正負符号と一致する箇所に設定することにより、高調波成分を抑制することができる。これにより、鉄損を低減できて、モータ効率を向上することができる。
次に、本実施形態のロータ6に形成される溝60の形状についての変形例を説明する。以下で説明するような溝60の形状であっても、前述した特徴を有することで、本実施形態において説明したものと同様の技術的効果を得る。
図7は、本実施形態の第4変形例に係る溝60の形状の説明図である。図示するように、溝60の形状は必ずしも最深部を頂点とする三角形状に形成される必要はなく、矩形形状であってもよい。なおこの場合、溝60の最深部は、矩形形状の底辺が最深部であってもよいし、矩形形状の一つの角が最深部となるような形状としてもよい。
図8は、本実施形態の第5変形例に係る溝60の形状の説明図である。図示するように、溝60の形状の変化が、d軸側に急峻であって、q軸側になだらかな形状を有する三角形状であってもよい。
図9は、本実施形態の第6変形例に係る溝60の形状の説明図である。図示するように、溝60の形状は必ずしも最深部を頂点とする三角形状に形成される必要はなく、ロータ6の中心側に向かって円弧状に凹となる形状であってもよい。
図10は、本実施形態の第7変形例に係る溝60の形状の説明図である。図示するように、溝60の形状の変化が、d軸側に向かって直線状に変化させ、q軸側で急峻に変化するような形状であってもよい。
図11は、本実施形態の第8変形例に係る溝60の形状の説明図である。図示するように、溝60の形状の変化が、d軸側に向かって外側に凸となる曲面状に緩やかに変化し、q軸側で急峻に変化するような形状であってもよい。
次に、以上のように構成された本実施形態の効果を説明する。
本実施形態は、一以上の永久磁石2、3により構成される永久磁石グループ30の一磁極が周方向に複数配置された回転電機の回転子(ロータ)6であって、ロータ6の外周に、ロータ6の軸方向に沿って溝60を備え、溝60の最深部が、ロータ6の表面磁束密度分布を示す波形に含まれる基本波成分の正負符号と高調波成分の正負符号とが一致する範囲に位置するように形成される。
このように構成することによって、溝60により高調波成分を抑制することができる。これにより、高調波成分に起因する鉄損を低減できて、モータ効率を向上することができる。
また、本実施形態が対象とする高調波成分は、表面磁束密度分布に含まれる3次、5次及び7次の成分の少なくとも一つの成分であるので、鉄損の増加の原因となる高調波を適切に抑制できる。これにより、高調波成分に起因する鉄損を低減できて、モータ効率を向上することができる。
また、本実施形態では、溝60の周方向におけるq軸側の端部を終了点とした場合に、溝60の終了点は、ロータ6の表面磁束密度分布を示す波形に含まれる基本波成分の正負符号と高調波成分の正負符号とが一致する範囲に位置するように配置されるので、高調波成分の波形に対応して溝60が形成されることで、高調波成分を適切に抑制することができる。
また、本実施形態では、溝60の周方向におけるd軸側の端部を開始点とした場合に、溝60の開始点は、ロータ6の表面磁束密度分布を示す波形に含まれる基本波成分の正負符号と高調波成分の正負符号とが一致する範囲に位置するように配置されるので、高調波成分の波形に対応して溝60が形成されることで、高調波成分を適切に抑制することができる。
また、本実施形態では、溝60の周方向におけるd軸側の端部を開始点とした場合に、溝60の開始点は、d軸上に位置するように配置されるので、溝60の最深部からd軸側にかけての形状の変化(勾配)を小さくすることで、新たな高調波の発生を抑制できる。
また、本実施形態では、溝60の周方向におけるd軸側の端部を開始点とし、前記溝の周方向におけるq軸側の端部を終了点とした場合に、溝の前記最深部から前記開始点に向かう傾斜は、前記溝の前記最深部から前記終了点に向かう傾斜と比較して、距離が大きく、かつ、なだらかに変化するように形成されるので、溝60の最深部からd軸側の開始点にかけての変化がよりなだらかに(変化がより小さく)なるような形状とすることで、新たな高調波の発生を抑制できる。
また、本実施形態では、永久磁石グループ30の一磁極は、外周方向に開くV字型に配置された一対の第1永久磁石3と、V字型の開いた部分に配置された第2永久磁石2とで構成されるので、このように略三角形状に配置することにより構成された永久磁石グループ30の表面磁束密度分布の磁束波形に含まれる高調波成分を適切に抑制できる。
以上、本発明の実施形態、及びその変形例について説明したが、上記実施形態及び変形例は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
例えば、上述の実施形態において、空隙4、5は空間部分であると説明したが、必ずしも空間である必要はなく、例えば樹脂材料のような非磁性材料で充填されていてもよい。同様に溝10、溝60についても、非磁性材料が充填されたロータ6の外径形状が真円となるように形成されていてもよい。
また、上述の実施形態において、3次、5次、7次の高調波成分を抑制する例を示したが、さらに高次の高調波成分(9次、11次、13次…)に対応するように溝60を形成してもよい。なお、このような高次の高調波は振幅が小さく鉄損への影響も小さい。また、高次の高調波は波長が小さいためこれに対応する溝60を形成しようとした場合には、微少な幅の溝となり、3次、5次、7次に対応する溝を形成した場合には、その溝の範囲に包含されることとなる。
また、上述の実施形態において、永久磁石の個数、形状及び配置は、図示するものに限られず、様々な構成とすることができる。
1 ロータコア
2、3 永久磁石
4、5 空隙
6 ロータ
10 溝
20 ステータ
30 永久磁石グループ
60 溝

Claims (8)

  1. 一以上の永久磁石により構成される一磁極が周方向に複数配置された回転電機の回転子であって、
    前記回転子の外周に、前記回転子の軸方向に沿って溝を備え、
    前記溝は、その最深部が、前記回転子の表面磁束密度分布を示す波形に含まれる基本波成分の正負符号と高調波成分の正負符号とが一致する範囲に位置するように形成される
    回転電機の回転子。
  2. 請求項1に記載の回転電機の回転子であって、
    前記高調波成分は、前記表面磁束密度分布に含まれる3次、5次及び7次の成分の少なくとも一つの成分である
    回転電機の回転子。
  3. 請求項1又は2に記載の回転電機の回転子であって、
    前記溝の周方向におけるq軸側の端部を終了点とした場合に、
    前記溝の終了点は、前記回転子の表面磁束密度分布を示す波形に含まれる基本波成分の正負符号と高調波成分の正負符号とが一致する範囲に位置するように配置される
    回転電機の回転子。
  4. 請求項1から3のいずれか一つに記載の回転電機の回転子であって、
    前記溝の周方向におけるd軸側の端部を開始点とした場合に、
    前記溝の開始点は、前記回転子の表面磁束密度分布を示す波形に含まれる基本波成分の正負符号と高調波成分の正負符号とが一致する範囲に位置するように配置される
    回転電機の回転子。
  5. 請求項1から3のいずれか一つに記載の回転電機の回転子であって、
    前記溝の周方向におけるd軸側の端部を開始点とした場合に、
    前記溝の開始点は、d軸上に位置するように配置される
    回転電機の回転子。
  6. 請求項1から5のいずれか一つに記載の回転電機の回転子であって、
    前記溝の周方向におけるd軸側の端部を開始点とし、前記溝の周方向におけるq軸側の端部を終了点とした場合に、
    前記溝の前記最深部から前記開始点に向かう傾斜は、前記溝の前記最深部から前記終了点に向かう傾斜と比較して距離が大きく、かつ、なだらかに変化するように形成される
    回転電機の回転子。
  7. 請求項1から6のいずれか一つに記載の回転電機の回転子であって、
    前記一磁極は、外周方向に開くV字型に配置された一対の第1永久磁石と、前記V字型の開いた部分に配置された第2永久磁石とで構成される
    回転電機の回転子。
  8. 固定子巻線を有する固定子と、一以上の永久磁石により構成される一磁極が周方向に複数配置された回転子と、を備える回転電機であって、
    前記回転子の外周に、前記回転子の軸方向に沿って溝が形成され、
    前記溝は、その最深部が、前記回転子の表面磁束密度分布を示す波形に含まれる基本波成分の正負符号と高調波成分の正負符号とが一致する範囲に位置するように形成される
    回転電機。
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