JP2021106306A - 電子装置及び方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 送信信号や受信信号と干渉すること無くキャリブレーションを実施することができる電子装置及び方法を提供すること。【解決手段】 実施形態によれば、電子装置は、アンテナからの第1周波数帯域の受信信号が入力される受信部と、前記第1周波数帯域とは異なる第2周波数帯域のキャリブレーション信号を前記受信信号とともに前記受信部へ入力させる信号加算部と、を具備する。【選択図】図2

Description

本発明の実施形態は無線通信におけるキャリブレーションに関する。
無線通信においては、回路部品の特性の誤差を補償するキャリブレーションが行われている。例えば、送信部や受信部の増幅器は入力信号を歪みなく増幅することが望まれているが、増幅器の位相・振幅特性の誤差により出力信号が歪むことがある。そこで、送信信号や受信信号の代わりに既知のキャリブレーション信号を送信部や受信部に入力し、送信部や受信部により歪を受けたキャリブレーション信号と歪を受ける前のキャリブレーション信号とに基づいて特性の誤差を測定し、測定した誤差に基づいて信号の位相と振幅を調整することにより歪をキャンセルすること(これをキャリブレーションと称する)が行われている。
キャリブレーションは、単一の回路部品の誤差補償に限らず、複数の回路部品間の特定の相対的な誤差を補償するためにも行われている。例えば複数のアンテナ素子からなるアレイアンテナにおいて送受信するビームに指向性を持たせるビームフォーミング技術においても、複数のアンテナ素子毎の送信部や受信部の間の特性のバラツキが問題である。アレイアンテナにおいても、単一の回路部品の場合と同様に、キャリブレーション信号を用いて送信部間又は受信部間の相対的なバラツキが測定され、バラツキがキャンセルされる。
特開2004−208055号公報
Claire Masterson, "Massive MIMO and Beamforming: The Signal Processing Behind the 5G Buzzwords", Analog Dialogue, 51-06, June 2017
従来のキャリブレーションでは、キャリブレーション信号を送信部や受信部に入力するため、キャリブレーション信号が送信信号や受信信号に干渉を与える可能性がある。
本発明の目的は、送信信号や受信信号と干渉すること無くキャリブレーションを実施することができる電子装置及び方法を提供することである。
実施形態によれば、電子装置は、アンテナから出力される第1周波数帯域の受信信号が入力される受信部と、前記第1周波数帯域とは異なる第2周波数帯域のキャリブレーション信号を前記受信信号とともに前記受信部へ入力させる信号加算部と、を具備する。
第1実施形態の電子装置を含む無線通信システムの一例を示す図である。 第1実施形態による電子装置の一例を示すブロック図である。 第1実施形態による電子装置の他の例を示すブロック図である。 第1実施形態におけるキャリブレーション信号の一例を示す図である。 第1実施形態におけるキャリブレーション信号の他の例を示す図である。 第1実施形態におけるキャリブレーション信号の他の例を示す図である。 第1実施形態におけるキャリブレーション信号の他の例を示す図である。 第1実施形態による電子装置のサービスリンクの受信キャリブレーションに関する部分の一例を示すブロック図である。 第1実施形態による電子装置のサービスリンクの送信キャリブレーションに関する部分の詳細なブロック図である。 第1実施形態による電子装置の動作の一例を示すフローチャートである。 第1実施形態による電子装置のサービスリンクの受信系のキャリブレーションに関する部分の他の例を示すブロック図である。 第1実施形態による電子装置のサービスリンクの受信キャリブレーションに関する部分の他の例を示すブロック図である。 第1実施形態による電子装置のサービスリンクの受信キャリブレーションに関する部分の他の例を示すブロック図である。 第1実施形態による電子装置のサービスリンクの受信キャリブレーションに関する部分の他の例を示すブロック図である。 第1実施形態による電子装置のサービスリンクの受信キャリブレーションに関する部分の他の例を示すブロック図である。 第1実施形態による電子装置のサービスリンクの送信キャリブレーションに関する部分の他の例を示すブロック図である。 第1実施形態による電子装置のサービスリンクの送信キャリブレーションに関する部分の他の例を示すブロック図である。 第1実施形態による電子装置のサービスリンクの送信キャリブレーションに関する部分の他の例を示すブロック図である。 第1実施形態による電子装置のサービスリンクの送信ャリブレーションに関する部分の他の例を示すブロック図である。 第1実施形態による電子装置のサービスリンクの送信キャリブレーションに関する部分の他の例を示すブロック図である。 第2実施形態による電子装置の一例を示す回路図である。 第2実施形態による電子装置の他の例を示す回路図である。 第3実施形態による電子装置の一例を示す回路図である。 第3実施形態による電子装置の動作の一例を示すフローチャートである。 第4実施形態による電子装置の一例を示す回路図である。 第5実施形態による電子装置の一例を示す回路図である。 第6実施形態による電子装置の一例を示す回路図である。 第7実施形態による電子装置の一例を示す回路図である。
以下、図面を参照して、実施形態を説明する。以下の説明は、実施形態の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、実施形態の技術的思想は、以下に説明する構成要素の構造、形状、配置、材質等に限定されるものではない。当業者が容易に想到し得る変形は、当然に開示の範囲に含まれる。説明をより明確にするため、図面において、各要素のサイズ、厚み、平面寸法又は形状等を実際の実施態様に対して変更して模式的に表す場合もある。複数の図面において、互いの寸法の関係や比率が異なる要素が含まれることもある。複数の図面において、対応する要素には同じ参照数字を付して重複する説明を省略する場合もある。いくつかの要素に複数の呼称を付す場合があるが、これら呼称の例はあくまで例示であり、これらの要素に他の呼称を付すことを否定するものではない。また、複数の呼称が付されていない要素についても、他の呼称を付すことを否定するものではない。なお、以下の説明において、「接続」は直接接続のみならず、他の要素を介して接続されることも意味する。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態の電子装置を含む無線通信システムの一例を示す。第1実施形態による電子装置の一例は、中継装置13である。中継装置13は、ある無線装置から送信された信号を受信し、受信した信号を他の無線装置へ送信する、あるいはその反対に他の無線装置から送信された信号を受信し、受信した信号をある無線装置へ送信する。
無線通信システムは、固定無線装置と携帯可能無線装置を含む。固定無線装置の例は、単数又は複数の、図1の例では2つの基地局装置14a、14bあるいはそれに準ずる無線装置である。2つの基地局装置14a、14bは同一の携帯電話会社の基地局装置であってもよいし、別々の携帯電話会社の基地局装置であってもよい。2つの基地局装置14a、14bが送受信する信号の周波数帯域は同一であってもよいし、異なっていてもよい。さらに、複数の携帯電話会社が同一の基地局装置を共通に使用してもよい。携帯可能無線装置の例は、例えばスマートフォン18、携帯電話20等がある。スマートフォン18等の携帯可能無線装置は基地局装置14a、14b等の固定無線装置と無線通信することが可能な通信端末であればよい。携帯可能無線装置と固定無線装置が直接に通信することが不可能な場合、携帯可能無線装置と固定無線装置は中継装置13を介して通信する。
基地局装置14a、14bと中継装置13はともに恒久的な設備でもよいが、中継装置13は緊急時対応のための一時的な設備でもよい。基地局装置14a、14bは地上や、ビル、建物の屋上や、鉄塔の上に設置されてもよい。図1では、中継装置13は気球12に搭載されるが、搭載場所はこれに限られない。中継装置13は、例えばビルの屋上に配置されてもよいし、自動車の屋根、飛行機、飛行船又は人工衛星に搭載されてもよい。基地局装置14a、14bが故障した場合、あるいは催しの開催等により特定のエリア内の携帯可能無線装置の数が一時的に増えた場合、中継装置13を搭載した気球12(あるいは飛行船や自動車)が故障した基地局装置14a、14bの位置、あるいは特定のエリアに移動される。
基地局装置14a、14bと中継装置13との無線通信はフィーダーリンクと称され、中継装置13とスマートフォン18、携帯電話20等の携帯可能無線装置との無線通信はサービスリンクと称される。同一の携帯電話会社のフィーダーリンクとサービスリンクの周波数帯域は同じであってもよいし、異なっていてもよい。
中継装置13は、サービスリンク用のアンテナと無線装置及びフィーダーリンク用のアンテナと無線装置を備える。サービスリンク用の無線装置とフィーダーリンク用の無線装置は、互いに電気的に接続される。フィーダーリンク用のアンテナと無線装置により基地局装置14a、14bから受信した信号は、サービスリンク用の無線装置とアンテナによりスマートフォン18、携帯電話20等の携帯可能無線装置へ送信される。サービスリンク用の無線装置とアンテナによりスマートフォン18、携帯電話20等の携帯可能無線装置から受信した信号は、フィーダーリンク用のアンテナと無線装置により基地局装置14a、14bへ送信される。
フィーダーリンクの無線方式とサービスリンクの無線方式は同じでもよいし、異なっていてもよい。フィーダーリンクの周波数帯域とサービスリンクの周波数帯域は同じでもよいし、異なっていてもよい。例えば、フィーダーリンクとサービスリンクの電波は、波長が1ミリメートルから30ミリメートルの波を含んでもよい。なお、波長が1ミリメートルから10ミリメートルの電波はミリ波、波長が10ミリメートルから100ミリメートルの電波はマイクロ波とも称される。
中継装置13は、携帯可能無線装置のための多数の、図1の例では4つのセル16a、16b、16c、16dを形成するためにビームフォーミングを行い、地上に向いた多数のビームパターンを形成する。図1の例では、セルの数は4であるが、セルの数とセルのサイズは、必要となる通信エリアサイズ・通信品質・通信容量等に鑑みて自由に決めることができる。複数のセルは同一の携帯電話会社のセルであってもよいし、別々の携帯電話会社のセルであってもよい。中継装置13は、基地局装置14a、14bのためのビームフォーミングを行ってもよい。
[中継装置]
図2は中継装置13の一例を示すブロック図である。中継装置13は、複数のフィーダーリンク用アンテナ30、31、フィーダーリンク用受信機36a、36b及びフィーダーリンク用送信機104a、104bを備える。アンテナ30、31は送受信兼用アンテナであるが、送信用アンテナと受信用アンテナを別々に設けてもよい。アンテナ30、31は複数のアンテナ素子からなるアレイアンテナである。
中継装置13は、サービスリンク用アンテナ58−1、58−2、…58−n、サービスリンク用送信機及びサービスリンク用受信機を備える。nは2以上の任意の整数である。アンテナ58−1〜58−nは送受信兼用アンテナであるが、送信用アンテナと受信用アンテナを別々に設けてもよい。サービスリンク用送信機は、ビームフォーミング部38、送信部52−1、52−2、…52−n、受信部68及び特性推定部70からなる。サービスリンク用受信機は、キャリブレーション信号生成部72、キャリブレーション信号送信部74、受信部82−1、82−2、…82−n、キャンセル部84−1、84−2、…84−n、ビームフォーミング部88及び特性推定部76からなる。
アンテナ30はデュプレクサ(DUP)32を介して受信機36aと送信機104aに接続される。アンテナ31はデュプレクサ33を介して受信機36bと送信機104bに接続される。
図2では、アンテナ30、31から放射されるビームはそれぞれセルを形成するとする。2つのセルは異なる携帯電話会社用のセルであってもよいし、同じ携帯電話会社の異なるセルであってもよい。第1のセル用の受信機36aの出力信号は複数の乗算器44−1、44−2、…44−nにおいて送信ウェイト回路42により設定された送信ウェイト(移相量と増幅率を含む)と乗算され、位相と振幅が調整され、アンテナ58−1〜58−nから放射されるビームがセル16a〜16dのいずれかに対応するように指向性が与えられる。第2のセル用の受信機36bの出力信号は複数の乗算器46−1、46−2、…46−nにおいて送信ウェイト回路42により設定された送信ウェイトと乗算され、位相と振幅が調整され、ビームがセル16a〜16dのいずれかに対応するように指向性が与えられる。図2の各部分の周波数(無線周波数(RF)、中間周波数(IF)、ベースバンド周波数(BB))は図8、図9等を参照して後述する。
乗算器44−1、44−2、…44−nの出力信号と乗算器46−1、46−2、…46−nの出力信号が加算器48−1、48−2、…48−nで加算される。乗算器44−1〜44−n、46−1〜44−n、加算器48−1〜48−n及び送信ウェイト回路42はビームフォーミング部38を構成する。加算器48−1〜48−nの出力信号が特性推定部70に入力されるとともに、送信部52−1、52−2、…52−nにそれぞれ入力される。送信部52−1、52−2、…52−nは、ビームフォーミング部38の出力を送信処理し、RF帯域の送信信号を生成する。
送信部52−1、52−2、…52−nの出力信号はデュプレクサ54−1、54−2、…54−n及びカプラ(CPL)56−1、56−2、…56−nをそれぞれ介してアンテナ58−1、58−2、…58−nに供給され、アンテナ58−1〜58−nから放射されるとともに、デュプレクサ54−1、54−2、…54−n及びカプラ56−1、56−2、…56−nをそれぞれ介して、さらにアンテナスイッチ(SW(ant))62及び送受信スイッチ(SW(Tx/Rx))64を介して受信部68に入力される。アンテナスイッチ62は、カプラ56−1、56−2、…56−nからの信号のいずれかを選択する。
アンテナ58−1、58−2、…58−nの受信信号はカプラ56−1、56−2、…56−n及びデュプレクサ54−1、54−2、…54−nをそれぞれ介して受信部82−1、82−2、…82−nに入力される。
受信部68は、RF帯域の入力信号を受信処理し、入力信号をRF帯域より低い帯域の信号に変換して出力する。受信部68の出力信号は特性推定部70に入力される。特性推定部70は送信部52−1〜52−nの入力信号の位相・振幅と、該入力信号が送信部52−1〜52−n及び受信部68を介して送信処理、受信処理を受けた後の信号の位相・振幅と、を比較することにより、送信部52−1〜52−nと受信部68の位相・振幅特性の合成特性のバラツキを推定する。受信部68の位相・振幅特性は全ての送信部52−1〜52−nの位相・振幅特性に影響するので、特性推定部70は、送信部52−1〜52−nの間の位相・振幅特性のバラツキを推定する。このように特性推定部70は、キャリブレーション信号を用いずに、送信信号のみを用いて、送信部52−1〜52−nの位相・振幅特性のバラツキを推定するので、キャリブレーション信号の干渉を受けることなく、バラツキを推定できる。推定結果は送信ウェイト回路42に供給される。
ある瞬間の推定結果だけに基づいてもバラツキを推定できるが、複数の推定結果を総合的に用いることにより、推定精度が向上させることができる。例えば一定期間毎に推定値を求め、複数の推定値を平均してもよい。ただし、ある瞬間の推定値と比べて、それよりも過去の推定値の方が、その瞬間の真のバラツキに対する推定精度は低いと考えられる。そのため、より過去に推定した推定値に小さい重みを、より現在に近い時に推定した推定値に大きい重みをつけて複数の推定結果を重みづけ平均してもよい。
また、送信信号に基づく推定では、送信信号の電力が小さい時はノイズの影響が大きく、推定値の精度が低下する可能性がある。そのため、送信信号の電力が小さい時の推定値には小さい重みを、送信信号の電力が大きい時の推定値には大きい重みをつけて重みづけ平均化した方が推定精度がよくなる傾向がある。このため、特性推定部70は、一定期間毎の所定数の推定結果に送信電力に応じた重みづけしたものを用いて推定する。重みの他の例としては、送信電力が基準値以上の場合には第1の重みを、基準値未満の場合には第1の重みよりも値が小さい第2の重みを使うようにしてもよい。また、これらの重みを設定するにあたり、現在からの時間も併せて考慮してもよい。すなわち、現在の推定値の重みに最も大きい係数を掛けて、過去の推定値については、古いほど小さくなる係数を掛けてもよい。
推定の別の例として、IIRフィルタを用いる例もある。例えば、一定期間毎に推定値を求め、k番目の期間で推定した推定値E_kから、IIRフィルタによる処理で算出した処理後の推定値E_iir_kは次式であらわされる。
E_iir_k
=(1−α)×E_iir_k + α×E_k 式(1)
αは新たに推定された推定値に乗じられる重みである。送信電力が基準値以上の場合、αは第1の値とし、基準値未満の場合には第1の値よりも小さい第2の値を設定するようにしてもよい。また、例えばαは、送信電力を、想定される想定電力の最大値よりも大きな値に設定したα算出用基準電力で除算した値としてもよい。このようにすると、送信電力が大きいほどαは大きい値となり、送信電力が基準値未満の場合には、αはより小さくなる。
また、重みを小さくする条件として、送信信号の周波数帯域の下側半分と上側半分とで送信電力の差がある一定以上になった場合を用いてもよい。これにより、周波数帯域毎の送信電力のばらつきが大きくなった場合には、全体の送信電力が十分にあった場合でも、推定精度が低下する場合があることによる推定精度低下を避けることができるという効果が得られる。
さらに、送信電力が基準値未満の状態を一定時間以上継続した後、送信電力が基準値以上になった場合、送信電力が基準値未満の状態での推定値を一旦破棄してもよい。これは、精度の低い推定が一定期間以上実行された場合、それらの値に重みをつけて平均化するよりも、あらたに精度の高い推定で推定した値だけを用いた方が推定精度が高くなる場合があるからである。
このような特性推定部70の推定結果に基づいて、送信ウェイト回路42は、送信部52−1〜52−nの出力信号の位相・振幅のバラツキを予め補償するように乗算器44−1〜44−nの送信ウェイトを設定する。例えば、ある送信部52の位相が+A度ずれている場合は、その送信部に入力される信号の位相を−A度回転させるようなウェイトを設定し、振幅がB倍ずれている場合は、その送信部に入力される信号の振幅を(1/B)倍させるようなウェイトを設定する。これにより、全ての送信部52−1〜52−nの位相・振幅特性を所望の特性に揃える送信キャリブレーションが実施される。特性推定部70とビームフォーミング部38は送信キャリブレーション部を構成する。
キャリブレーション信号生成部72は、受信信号の周波数帯域とは異なる周波数帯域のキャリブレーション信号を生成する。キャリブレーション信号が特性推定部76とキャリブレーション信号送信部74に入力される。キャリブレーション信号送信部74は、キャリブレーション信号を送信処理し、入力信号をRF帯域のキャリブレーション信号に変換して出力する。キャリブレーション信号送信部74の出力信号は送受信スイッチ64、アンテナスイッチ62を介してカプラ56−1〜56−nにおいてアンテナ58−1〜58−nの受信信号に加えられる。
受信部82−1、82−2、…82−nの出力信号が特性推定部76に入力されるとともに、キャンセル部84−1、84−2、…84−nにそれぞれ入力される。
特性推定部76はキャリブレーション信号生成部72が出力するキャリブレーション信号の位相・振幅と、該キャリブレーション信号がキャリブレーション信号送信部74、受信部82−1〜82−nを介して送信処理、受信処理を受けた後の信号の位相・振幅とを比較することにより、受信部82−1〜82−nとキャリブレーション信号送信部74の位相・振幅特性の合成特性のバラツキを推定する。キャリブレーション信号送信74の位相・振幅特性は全ての受信部82−1〜82−nの位相・振幅特性に影響するので、特性推定部76は、受信部82−1〜82−nの間の位相・振幅特性のバラツキを推定する。なお、アンテナ58−1〜58−nからの受信信号がキャリブレーション信号に混信することがあるが、両信号は周波数帯域が異なっているので、フィルタを用いて受信部82−1〜82−nの出力からキャリブレーション信号のみを抽出してから推定すると、推定精度をさらに向上することができる。
このように、特性推定部76は、受信信号の周波数帯域と異なる周波数帯域のキャリブレーション信号を用いて、受信部82−1〜82−nの位相・振幅特性のバラツキを推定するので、受信中においてもキャリブレーション信号の干渉を受けることなく、推定できる。一般的な無線装置は、送受信タイミングを制御できるので、送受信動作が行われていない期間にキャリブレーション信号を送受信信号に混入させてキャリブレーションを実施できるが、他の無線装置からの信号を中継する中継装置は、送受信タイミングを制御できず、送受信動作が行われていない期間を特定することができず、キャリブレーション信号と送受信信号が混信する可能性がある。しかし、実施形態によれば、受信信号の周波数帯域と異なる周波数帯域のキャリブレーション信号を受信信号に混入させているので、他の無線装置からの信号を中継する中継装置でも混信なくバラツキが推定される。推定結果は受信ウェイト回路98及びキャンセル部84−1〜84−nに供給される。
キャンセル部84−1〜84−nにはキャリブレーション信号生成部72の出力と特性推定部76の出力信号も供給される。キャンセル部84−1〜84−nは受信部82−1〜82−nの出力からキャリブレーション信号をキャンセルし、アンテナ58−1〜58−nの受信信号のみをビームフォーミング部88の分配器92−1、92−2、…92−nに入力され、分配器92−1〜92−nで二分される。ここで二分されるとは、入力された信号と同じ信号が2つ生成されることを表している。キャンセル部84−1〜84−nは、フィルタを用いてキャリブレーション信号の周波数帯域をキャンセルしてもよい。フィルタは、デジタルフィルタでもよいし、アナログフィルタでもよい。
分配器92−1、92−2、…92−nの第1の出力信号は乗算器94−1、94−2、…94−nにおいて受信ウェイト回路98により設定された受信ウェイト(移相量と増幅率を含む)と乗算され、位相と振幅が調整され、アンテナ58−1〜58−nに入射するビームがセル16a〜16dのいずれかに対応するように指向性が与えられる。分配器92−1、92−2、…92−nの第2の出力信号は乗算器96−1、94−6、…96−nにおいて受信ウェイト回路98により設定された受信ウェイトと乗算され、位相と振幅が調整され、アンテナ58−1〜58−nに入射するビームがセル16a〜16dのいずれかに対応するよう指向性が与えられる。
乗算器94−1〜94−nの出力信号が加算器102aで加算される。乗算器96−1〜96−nの出力信号が加算器102bで加算される。分配器92−1〜92−n、乗算器94−1〜94−n、96−1〜96−n、加算器102a、102b及び受信ウェイト回路98はビームフォーミング部88を構成する。特性推定部76、ビームフォーミング部88及びキャンセル部84−1〜84−nは受信キャリブレーション部を構成する。
加算器102a、102bの出力信号が第1のセル用の送信機104aと第2のセル用の送信機104bにそれぞれ供給される。
図3は中継装置13の他の例を示す回路図である。図2では、第1のセル用のアンテナ30、受信機36a、送信機104aと、第2のセル用のアンテナ31、受信機36b、送信機104bが別々に設けられているが、図3では、1つのアンテナ30、受信機36、送信機104が第1のセル用と第2のセル用に共通とされている。そのため、受信機36の出力が合成部37を介して、図2の受信機36aの出力、受信機36bの出力としてビームフォーミング部38に入力される。ビームフォーミング部88の第1の出力と第2の出力が分離部103を介して送信機104に入力される。
[キャリブレーション信号の周波数帯域]
図4〜図7は、カプラ56−i(i=1〜nの正整数)でキャリブレーション信号が受信信号に加算される際のキャリブレーション信号と受信信号の周波数帯域の例を示す。
図4は、キャリブレーション信号の周波数帯域は受信信号の周波数帯域より低く設定されている例を示す。2つの信号の電力は等しくてもよいし、異なっていてもよい。キャリブレーション信号はCW(Continuous Wave)信号やその一部の信号であってもよい。すなわち、キャリブレーション信号は、周波数が異なる複数のCW信号の和あるいは和の一部の信号であってもよい。RF帯のキャリブレーション信号の周波数帯域は、受信部82−iで受信処理可能な周波数帯域であることが望ましい。
図5は、キャリブレーション信号が複数、例えば2つの周波数帯域を持つ例を示す。一般に、位相や振幅のずれは周波数毎に少しずつ異なる特性を持つ。そのため、特定の周波数帯域だけにキャリブレーション信号を纏めて配置すると、その周波数帯域以外のキャリブレーション精度が劣化してしまう。これを回避するために、複数の周波数帯域を持つキャリブレーション信号を用いる場合、キャリブレーション信号の周波数帯域は広く分散していることが望ましい。例えば図5に示すように、キャリブレーション信号の最も低い周波数帯域の最高周波数は受信信号の周波数帯域の最低周波数より低く、キャリブレーション信号の最も高い周波数帯域の最低周波数は受信信号の周波数大気の最高周波数より高くなるように設定してもよい。
また、キャリブレーション信号を用いた特性推定を行うにあたり、キャリブレーション信号の周波数方向の重心が受信信号の重心と大きく異なっていると、その差によって推定精度が劣化する場合がある。ここでいう重心とは、周波数毎の電力値に比例した重みを用いた重みづけ平均をとった際の周波数値を表している。図5の例では、キャリブレーション信号の周波数方向の重心が、受信信号の周波数帯域に含まれるので、推定精度が劣化することがない。さらに、図5の例では、受信信号以外の信号、例えばスマートフォン18や携帯電話20以外の他の無線装置からの信号が一方の周波数帯域のキャリブレーション信号に干渉したとしても、干渉されていない他方の周波数帯域のキャリブレーション信号に基づいてキャリブレーションを実施することができる。
図6は、図5の変形例である。図6は、キャリブレーション信号が複数の周波数帯域を持つ場合、受信信号の周波数帯域より高い周波数帯域のキャリブレーション信号の電力が受信信号の周波数帯域より低い周波数帯域のキャリブレーション信号の電力より小さい例を示す。なお、図6の反対に、受信信号の周波数帯域より高い周波数帯域のキャリブレーション信号の電力が受信信号の周波数帯域より低い周波数帯域のキャリブレーション信号の電力より大きくてもよい。
図7は、受信信号の周波数帯域が複数の周波数帯域に分かれている場合の例を示す。受信信号の隣接する2つの周波数帯域の間にキャリブレーション信号を配置してもよい。このようにすると、キャリブレーション信号の周波数帯域をより分散させることができるため、無線信号以外の干渉が生じても、キャリブレーション推定の精度を高くできる。
[サービスリンクの受信キャリブレーション]
図8は、図2のサービスリンクの受信キャリブレーションに関する部分の詳細なブロック図である。キャリブレーション信号生成部72はベースバンド周波数(BB)帯域のキャリブレーション信号CBB(t)を生成する。キャリブレーション信号送信部74は、BB帯域のキャリブレーション信号CBB(t)をアップコンバートし、第1の無線周波数(RF1)帯域のキャリブレーション信号CRF1(t)を生成する。
キャリブレーション信号CRF1(t)は、送受信スイッチ64、アンテナスイッチ62を介してカプラ56−iにおいて、サービスリンク用のアンテナ58−iから出力されたRF1帯域の受信信号SiRF1(t)に加算される。キャリブレーション信号CBB(t)の周波数帯域は、カプラ56−iにおいて受信信号SiRF1(t)にキャリブレーション信号CRF1(t)が加算される際に、両信号の周波数帯域が異なるように設定されている。
カプラ56−iによる加算結果の合成信号SiRF1(t)+CRF1(t)が受信部82−iに供給される。受信部82−iは、合成信号SiRF1(t)+CRF1(t)を増幅し、ダウンコンバートし、フィルタし、中間周波数(IF)帯域の合成信号ARi{SiIF(t)+CIF(t)}を出力する。IF帯域はRF1帯域より低く、BB帯域より高い。受信部82−iは、アンプ302、ダウンコンバータ304、フィルタ306等を備える。ARiは受信部82−iの位相・振幅特性であり、ARi=ARireal+j・ARiimagである。
A/D変換器308は、受信部82−iの出力をデジタル信号に変換する。デジタル周波数変換器312は、A/D変換器308の出力デジタル信号をBB帯域の信号にダウンコンバートする。デジタル周波数変換器312の出力ARi{SiBB(t)+CBB(t)}とBB帯域のキャリブレーション信号CBB(t)がキャリブレーション部314に入力される。
キャリブレーション部314は、次のようにして、受信部82−iの位相・振幅特性ARiのバラツキを推定し、推定結果に応じてビームフォーミング部88の受信ウェイトを調整し、位相、振幅のバラツキが無い受信信号SiBB(t)を出力する。
先ず、特性推定部76は受信信号ARi{SiBB(t)+CBB(t)}に対してCBB(t)/|CBB(t)|を乗算する。
ARi{SiBB(t)+CBB(t)}
×{CBB(t)/|CBB(t)|}
={ARi・SiBB(t)・CBB(t)/|CBB(t)|}
+ARi 式(2)
式(2)の右辺の第1項は受信信号を含んでいるので、時間が経過するにつれて平均値が0になり、右辺はARiになる。このため、特性推定部76は、受信部82−iの位相・振幅特性ARiのバラツキを推定することができる。受信信号とキャリブレーション信号の周波数帯域が異なっているので、特性推定部76は受信信号を減衰させるフィルタ処理を行うと、式(1)の右辺の第1項は平均化することなく0とすることができる。
次に、キャンセル部84−iはARi{SiBB(t)+CBB(t)}からキャリブレーション信号成分ARi・CBB(t)をキャンセルし、受信信号ARi・SiBB(t)をビームフォーミング部88に供給する。
そして、ビームフォーミング部88は受信信号ARi・SiBB(t)に対してARi/|ARi|を乗算する。
ARi・SiBB(t)・ARi/|ARi|
=SiBB(t) 式(3)
式(3)に示すように、ビームフォーミング部88は、受信部82−iの位相・周波数特性ARiのバラツキの影響を受けない受信信号SiBB(t)を求めることができる。
デジタル周波数変換器316は、キャリブレーション部314の出力SiBB(t)を第2の無線周波数(RF2)帯域の信号SiRF2(t)にアップコンバートする。RF1とRF2の周波数帯域は同じでもよい。
D/A変換器318は、デジタル周波数変換器316の出力SiRF2(t)をアナログ信号に変換する。アナログ信号は、フィーダーリンク用の送信機104a又は104bに供給される。送信機104a又は104bは、入力信号をアップコンバートせずに、増幅し、フィルタして出力する。送信機104a又は104bの出力信号はフィーダーリンク用のアンテナ30a又は30bに供給される。これにより、中継装置は、サービスリンクのアンテナ58−iで受信した信号をフィーダーリンクのアンテナ30a又は30bから送信する。
なお、フィーダーリンクもビームフォーミングを用いる場合は、フィーダーリンク用の受信機36a、36bも図8と同様に構成される。
[サービスリンクの送信キャリブレーション]
図9は、図2のサービスリンクの送信キャリブレーションに関する部分の詳細なブロック図である。フィーダーリンク用のアンテナ30a又は30bから出力されたRF2帯域の受信信号が受信機36a又は36bに入力される。受信機36a又は36bは信号をダウンコンバートせずに、増幅し、フィルタして出力する。A/D変換器404は、受信機36a又は36bの出力信号SiRF2(t)をデジタル信号に変換する。デジタル周波数変換器406は、A/D変換器404の出力デジタル信号をBB帯域の信号SiBB(t)にダウンコンバートする。デジタル周波数変換器406の出力SiBB(t)と受信部68の出力であるATi×SiBB(t)がキャリブレーション部408に入力される。ATiは送信部52−iの位相・振幅特性であり、ATi=ATireal+j・ATiimagである。
キャリブレーション部408は、次のようにして、送信部52−iの位相・振幅特性ATiのバラツキを推定し、推定結果に応じてビームフォーミング部38の送信ウェイトを調整し、位相・振幅のバラツキが無い送信信号SiBB(t)を出力する。
先ず、特性推定部70は送信信号AT×SiBB(t)に対してSiBB(t)/|SiBB(t)|を乗算する。
ATi×SiBB(t)×SiBB(t)/|SiBB(t)
=ATi 式(4)
特性推定部70は式(4)に示すように送信部52−iの位相・振幅特性ATを推定することができる。
次に、ビームフォーミング部38は送信信号ATi×SiBB(t)に対してATi/|ATi|を乗算する。
ATi×SiBB(t)×ATi/|ATi|=SiBB(t) 式(5)
式(5)に示すように、送信部52−iの特性の影響を受けない送信信号SiBB(t)と同等の信号が得られる。
デジタル周波数変換器412は、キャリブレーション部408の出力SiBB(t)をIF帯域の送信信号SiIF(t)にアップコンバートする。D/A変換器414は、デジタル周波数変換器412−iの出力信号をデジタル信号に変換する。アナログ信号は送信部52−iに供給される。
送信部52−iは、送信信号SIF(t)を増幅し、アップコンバートし、フィルタし、RF1帯域の送信信号ATi×SF1(t)を出力する。送信部52−iは、アンプ416、アップコンバータ418、フィルタ422等を備える。送信部52−iの出力信号はデュプレクサ54−i、カプラ56−i、アンテナスイッチ62、送受信スイッチ64、受信部68を介してキャリブレーション部408に供給される。
さらに、送信部52−iの出力信号は送信アンテナ58−iに供給される。これにより、中継装置は、フィーダーリンクのアンテナ30a又は30bで受信した信号をサービスリンクのアンテナ58−iから送信する。
なお、フィーダーリンクもビームフォーミングを用いる場合は、フィーダーリンク用の送信機104a、104bも図9と同様に構成される。
[キャリブレーション例]
図8、図9の動作を含む中継装置13のキャリブレーション動作の一例を図10に示すフローチャートを参照して説明する。中継装置13は、図10に示す処理を一定間隔で繰り返し実施してもよいし、連続的に繰り返してもよい。
ステップS12で、キャリブレーション信号生成部72は、キャリブレーション信号CBB(t)を生成する。
ステップS14で、送受信スイッチ64は受信側に切り替えられ、キャリブレーション信号送信部74の出力CRF1(t)が送受信スイッチ64、アンテナスイッチ62を介して、カプラ56−iにおいて受信信号SiRF1(t)に加えられる
ステップS16で、特性推定部76は、デジタル周波数変換器312でBB帯域の信号に変換された受信部82−iの出力ARi{SiBB(t)+CBB(t)}とキャリブレーション信号CBB(t)に基づいて、受信部82−iの振幅・位相特性ARiのバラツキを推定し、推定結果を受信ウェイト回路98に供給する。
ステップS18で、受信ウェイト回路98は、受信ウェイトを推定結果に基づいて補正する。これにより、ビームフォーミング部88は、受信部82−iの振幅・位相特性ARiのバラツキを補償した受信信号SiBB(t)を出力する。
ステップS22で、キャリブレーション信号生成部72は、キャリブレーション信号CBB(t)の生成を停止する。
ステップS24で、送受信スイッチ64は送信側に切り替えられ、送信部52−iの出力ATi×SiRF1(t)がデュプレクサ54−i、カプラ56−i、アンテナスイッチ62、送受信スイッチ64を介して受信部68に入力される。
ステップS26で、特性推定部70は、受信部68の出力ATi×SiBB(t)とビームフォーミング部38の出力信号SiBB(t)に基づいて、送信部52−iの振幅・位相特性ATiのバラツキを推定し、推定結果を送信ウェイト回路42に供給する。
ステップS28で、送信ウェイト回路42は、送信ウェイトを推定結果に基づいて補正する。これにより、ビームフォーミング部38は、送信部52−iの振幅・位相特性ATiのバラツキを補償した送信信号SiBB(t)を出力する。
なお、図10では、受信キャリブレーションの実施の後、送信キャリブレーションを実施する例を示したが、実施の順番はこの逆でもよいし、両方のキャリブレーションを同時に実施してもよい。
以上説明したように、第1実施形態によれば、受信信号とは異なる周波数帯域のキャリブレーション信号を受信信号に混入させ、キャリブレーション信号が混入された受信信号の位相・振幅とキャリブレーション信号の位相・振幅とを比較することにより、受信部の位相・周波数特定のバラツキを推定する。このため、受信信号とキャリブレーション信号が混信することなく、信号の受信中でもキャリブレーションを実施することができる。また、複数の推定値に送信信号の電力に応じた重み付けをして送信部の位相・周波数特定のバラツキを推定する。このため、送信電力が小さい時でも、推定精度が低下することがない。
[第1実施形態の変形例]
サービスリンクの受信キャリブレーションに関する図8では、サービスリンクの受信部82−iは、RF1帯域の信号を増幅し、一旦IF帯域の信号にダウンコンバートし、フィルタし、その後、デジタル周波数変換器312は、IF帯域のデジタル信号をBB帯域のデジタル信号にダウンコンバートする。デジタル周波数変換器316は、キャリブレーション後のBB帯域のデジタル信号をRF2帯域のデジタル信号にアップコンバートする。フィーダーリンクの送信機104a又は104bは入力信号をアップコンバートせずに、増幅し、フィルタする。しかし、各信号の帯域の例はこれに限らず、種々変形可能である。
図11の例では、受信部82−iは、カプラ56−iから出力されたRF1帯域の信号を増幅し、BB帯域の信号にダウンコンバートし、フィルタする。送信機104a又は104bは、D/A変換器318から出力されたBB帯域の信号を増幅し、RF2帯域の信号にアップコンバートし、フィルタする。
図12の例では、受信部82−iは、カプラ56−iから出力されたRF1帯域の受信信号を増幅し、IF帯域の受信信号にダウンコンバートし、フィルタする。キャリブレーション信号送信部74は、BB帯域のキャリブレーション信号を増幅し、RF1帯域のキャリブレーション信号とIF帯域のキャリブレーション信号の二種類の信号にアップコンバートし、フィルタする。キャリブレーション信号送信部74から出力されたIF帯域のキャリブレーション信号は、キャリブレーション部314に供給される。キャリブレーション部314は、IF帯域の信号を処理し、IF帯域の信号を出力する。送信機104a又は104bは、D/A変換器318から出力されたIF帯域の信号を増幅し、RF2帯域の信号にアップコンバートし、フィルタする。
図13の例では、受信部82−iは、カプラ56−iから出力されたRF1帯域の受信信号をダウンコンバートせずに、増幅し、フィルタして出力する。デジタル周波数変換器312は、A/D変換器308から出力されたRF1帯域のデジタル信号をBB帯域のデジタル信号にダウンコンバートする。デジタル周波数変換器316は、キャリブレーション部314から出力されたBB帯域のデジタル信号をRF2帯域のデジタル信号にアップコンバートする。送信機104a又は104bはD/A変換器318から出力されたRF2帯域の信号をアップコンバートせずに、増幅、フィルタして出力する。
図14の例では、受信部82−iは、カプラ56−iから出力されたRF1帯域の受信信号をダウンコンバートせずに、増幅、フィルタして出力する。デジタル周波数変換器312は、A/D変換器308から出力されたRF1帯域のデジタル信号をIF帯域のデジタル信号にダウンコンバートする。キャリブレーション信号送信部74は、BB帯域のキャリブレーション信号を増幅し、RF1帯域のキャリブレーション信号とIF帯域のキャリブレーション信号の二種類の信号にアップコンバートし、フィルタする。キャリブレーション信号送信部74から出力されたIF帯域のキャリブレーション信号は、キャリブレーション部314に供給される。キャリブレーション部314は、IF帯域の信号を処理し、IF帯域の信号を出力する。デジタル周波数変換器316は、キャリブレーション部314から出力されたIF帯域のデジタル信号をRF2帯域のデジタル信号にアップコンバートする。送信機104a又は104bは、D/A変換器318から出力されたRF2帯域の信号をアップコンバートせずに、増幅し、フィルタして出力する。
図15の例では、受信部82−iは、カプラ56−iから出力されたRF1帯域の受信信号を増幅し、IF1帯域の信号にダウンコンバートし、フィルタする。デジタル周波数変換器312は、A/D変換器308から出力されたIF1帯域のデジタル信号をBB帯域の信号にダウンコンバートする。デジタル周波数変換器316は、キャリブレーション部314から出力されたBB帯域のデジタル信号をIF2帯域のデジタル信号にアップコンバートする。送信機104a又は104bはD/A変換器318から出力されたIF2帯域の信号を増幅し、RF2帯域の信号にアップコンバートし、フィルタして、出力する。
サービスリンクの送信キャリブレーションに関する図9では、フィーダーリンクの受信機36a又は36bは、RF2帯域の信号をダウンコンバートせずに、増幅、フィルタし、その後、デジタル周波数変換器406は、RF2帯域のデジタル信号をBB帯域のデジタル信号にダウンコンバートする。デジタル周波数変換器412は、キャリブレーション後のBB帯域のデジタル信号をIF帯域のデジタル信号にアップコンバートする。サービスリンクの送信部52−iは、IF帯域の信号を増幅し、RF2帯域の信号にアップコンバートし、フィルタする。しかし、各信号の帯域の例はこれに限らず、種々変形可能である。
図16の例では、受信機36a又は36bは、アンテナ30a又は30bから出力されたRF2帯域の信号を増幅し、BB帯域の信号にダウンコンバートし、フィルタする。A/D変換器404は、BB帯域の信号をデジタル信号に変換し、BB帯域のデジタル信号をキャリブレーション部408に供給する。D/A変換器414は、キャリブレーション部408から出力されたBB帯域のデジタル信号をアナログ信号に変換する。送信部52−iは、D/A変換器414から出力されたBB帯域の信号を増幅し、RF1帯域の信号にアップコンバートし、フィルタする。
図17の例では、受信機36a又は36bは、アンテナ30a又は30bから出力されたRF2帯域の信号を増幅し、IF帯域の信号にダウンコンバートし、フィルタする。A/D変換器404は、IF帯域の信号をデジタル信号に変換し、IF帯域のデジタル信号をキャリブレーション部408に供給する。受信部68は、送信部52−iの出力を増幅し、IF帯域の信号にダウンコンバートし、フィルタする。キャリブレーション部408は、A/D変換器404から出力されたIF帯域のデジタル信号と、受信部68から出力されたIF帯域のデジタル信号を処理する。D/A変換器414は、キャリブレーション部408から出力されたIF帯域の信号をアナログ信号に変換する。送信部52−iは、D/A変換器414から出力されたIF帯域の信号を増幅し、FR1帯域の信号にアップコンバートし、フィルタする。
図18の例では、受信機36a又は36bは、アンテナ30a又は30bから出力されたRF2帯域の信号をダウンコンバートせずに、増幅し、フィルタして出力する。デジタル周波数変換器406は、RF2帯域のデジタル信号をBB帯域の信号にダウンコンバートし、BB帯域のデジタル信号をキャリブレーション部408に供給する。デジタル周波数変換器412は、キャリブレーション部408から出力されたBB帯域のデジタル信号をRF1帯域のデジタル信号にアップコンバートする。送信部52−iは、D/A変換器414から出力されたRF1帯域のアナログ信号をアップコンバートせずに、増幅し、フィルタして出力する。
図19の例では、受信機36a又は36bは、アンテナ30a又は30bから出力されたRF2帯域の信号をダウンコンバートせずに、増幅し、フィルタして出力する。デジタル周波数変換器406は、RF2帯域のデジタル信号をIF帯域の信号にダウンコンバートし、IF帯域のデジタル信号をキャリブレーション部408に供給する。受信部68は、送信部52−iの出力を増幅し、IF帯域の信号にダウンコンバートし、フィルタする。キャリブレーション部408は、デジタル周波数変換器406から出力されたIF帯域のデジタル信号と、受信部68から出力されたIF帯域のデジタル信号を処理する。デジタル周波数変換器412は、キャリブレーション部408から出力されたIF帯域のデジタル信号をRF1帯域のデジタル信号にアップコンバートする。送信部52−iは、D/A変換器414から出力されたRF1帯域のアナログ信号をアップコンバートせずに、増幅し、フィルタして出力する。
図20の例では、受信機36a又は36bは、アンテナ30a又は30bから出力されたRF2帯域の信号を増幅し、IF2帯域の信号にダウンコンバートし、フィルタして出力する。デジタル周波数変換器406は、IF2帯域のデジタル信号をBB帯域の信号にダウンコンバートし、BB帯域のデジタル信号をキャリブレーション部408に供給する。デジタル周波数変換器412は、キャリブレーション部408から出力されたBB帯域のデジタル信号をIF1帯域の信号にアップコンバートする。送信部52−iは、D/A変換器414から出力されたIF1帯域のアナログ信号を増幅し、RF1帯域の信号にアップコンバートし、フィルタして出力する。
[第2実施形態]
図21を参照して第2実施形態による電子装置の一例を説明する。図21は第2実施形態による電子装置の一例の回路図である。第2実施形態は、第1実施形態と略同じであり、特性推定部70の構成が異なる。図2では、ビームフォーミング部38の出力信号が特性推定部70に入力されているが、図21に示す第2実施形態では、ビームフォーミング部38の入力信号が特性推定部70に入力されている。そのため、特性推定部70は、ビームフォーミング前の送信信号の位相・振幅と該送信信号が送信部52−1〜52−n及び受信部68を介して送信処理、受信処理を受けた後の信号の位相・振幅とを比較することにより、送信部52−1〜52−nの間の位相・振幅特性の誤差、すなわちバラツキを推定する。
第2実施形態では、特性の推定値が0に収束する。推定値が0に収束すると、制御が不安定になる可能性があり、第1実施形態の方が制御が安定となる可能性がある。なお、図2のビームフォーミング部38をアナログ回路で構成するのは、困難である。しかし、図21のビームフォーミング部38は、アナログ回路で構成可能である。
図22は第2実施形態による電子装置の他の例の回路図である。図22では、図3と同様に、1つのアンテナ30、受信機36、送信機104が第1のセル用と第2のセル用に共通とされている。
[第3実施形態]
図23を参照して第3実施形態による電子装置の一例を説明する。図23は第3実施形態による電子装置の回路図の一例を示す。第1、第2実施形態では、サービスリンクのアンテナ58−iは送受信兼用アンテナから構成されるが、第3実施形態では、サービスリンクのアンテナは送信アンテナと受信アンテナから構成される。複数のアンテナ(122a、122bのみ示す)からなる送受信用アレイアンテナはデュプレクサ124を介して受信機36a、36bに接続される。複数のアンテナ(126a、126bのみ示す)からなる送受信用アレイアンテナはデュプレクサ128を介して送信機104a、104bに接続される。
第3実施形態が第1実施形態と異なる点は、送信部52−iの出力信号がカプラ132−iを介して送信アンテナ134−iに供給されるとともに、カプラ132−i、アンテナスイッチ136を介して受信部68に供給される点である。アンテナスイッチ136はカプラ132−iからの信号を選択する。また、キャリブレーション信号送信部74の出力信号がアンテナスイッチ146を介してカプラ144−iにおいて、受信アンテナ142−iからの信号に混入される点も第1実施形態と異なる。
第3実施形態のキャリブレーション動作の一例を図24に示すフローチャートを参照して説明する。図24に示す処理は一定間隔で繰り返し実施されてもよいし、連続的に繰り返されてもよい。
ステップS42で、キャリブレーション信号生成部72は、キャリブレーション信号CBB(t)を生成する。
ステップS44で、キャリブレーション信号送信部74の出力CRF1(t)がアンテナスイッチ146を介して、カプラ144−iにおいて受信信号SiRF1(t)に加えられる
ステップS46で、特性推定部76は、受信部82−iの出力ARi{SiBB(t)+CBB(t)}とキャリブレーション信号CBB(t)に基づいて、受信部82−iの振幅・位相特性ARiのバラツキを推定し、推定結果を受信ウェイト回路98に供給する。
ステップS48で、受信ウェイト回路98は、受信ウェイトを推定結果に基づいて補正する。これにより、ビームフォーミング部88は、受信部82−iの振幅・位相特性ARiのバラツキを補償した受信信号SiBB(t)を出力する。
ステップS54で、送信部52−iの出力ATi×SiRF1(t)がカプラ132−i、アンテナスイッチ136を介して受信部68に入力される。
ステップS56で、特性推定部70は、受信部68の出力ATi×SiBB(t)とビームフォーミング部38の出力信号SiBB(t)に基づいて、送信部52−iの振幅・位相特性ATiのバラツキを推定し、推定結果を送信ウェイト回路42に供給する。
ステップS58で、送信ウェイト回路42は、送信ウェイトを推定結果に基づいて補正する。これにより、ビームフォーミング部38は、送信部52−iの振幅・位相特性ATiのバラツキを補償した送信信号SiBB(t)を出力する。
なお、図24では、受信キャリブレーションの実施の後、送信キャリブレーションを実施する例を示したが、実施の順番はこの逆でもよいし、両方のキャリブレーションを同時に実施してもよい。
[第4実施形態]
図25は、第4実施形態による電子装置の一例を示す回路図である。第4実施形態は、第3実施形態と略同じであり、特性推定部70の構成が異なる。図23では、ビームフォーミング部38の出力信号が特性推定部70に入力されているが、図25に示す第4実施形態では、ビームフォーミング部38の入力信号が特性推定部70に入力されている。特性推定部70は、第2実施形態と同様に、ビームフォーミング前の送信信号の位相・振幅と該送信信号が送信部52−1〜52−n及び受信部68を介して送信処理、受信処理を受けた後の信号の位相・振幅とを比較することにより、送信部52−1〜52−nの間の位相・振幅特性の誤差、すなわちバラツキを推定する。
[第5実施形態]
第1実施形態から第4実施形態は、複数のアンテナを用いてビームフォーミングを行う際、複数のアンテナの送信信号、受信信号間の位相・振幅特性のバラツキを補正する例を示した。第5実施形態は、複数の送信信号、受信信号間の位相・振幅特性のバラツキではなく、単一の受信回路の特性と所望の特性との誤差を補正するキャリブレーションに関する。図26は、第5実施形態による電子装置の一例を示す回路図である。図26は、図2に示した第1実施形態、図21に示した第2実施形態、図23に示した第3実施形態、図25に示した第4実施形態の1つの受信部82−iに関するキャリブレーションに関する。
受信アンテナ202(第1実施形態のアンテナ58−iに対応)からの信号がカプラ204(第1実施形態のカプラ56に対応)を介して受信部206(第1実施形態の受信部82−iに対応)に入力される。受信部206は、入力信号を増幅し、ダウンコンバートし、フィルタする。キャリブレーション信号生成部218(第1実施形態のキャリブレーション信号生成部72に対応)から出力されたキャリブレーション信号がキャリブレーション信号送信部222(第1実施形態のキャリブレーション信号送信部74に対応)に入力される。キャリブレーション信号送信部222は、キャリブレーション信号生成部218から出力されたキャリブレーション信号を増幅し、アップコンバートし、増幅し、フィルタする。キャリブレーション信号送信部222の出力信号は、カプラ204において受信アンテナ202からの信号に混入される。
受信部206の出力信号は、キャンセル部208(第1実施形態のキャンセル部84−iに対応)を介してキャリブレーション部212(第1実施形態のビームフォーミング部88に対応)に供給される。受信部206の出力信号は、特性推定部216(第1実施形態の特性推定部76に対応)にも供給される。特性推定部216にはキャリブレーション信号生成部218の出力信号も供給される。キャリブレーション部212の出力信号と受信信号処理部214に入力される。受信信号処理部214は、第1実施形態のフィーダーリンクの送信機104a又は104b、スイッチ34、32、アンテナ30a又は30bでもよい。
特性推定部216は、受信部206から出力されたキャリブレーション信号が混入された受信信号の位相・振幅とキャリブレーション信号の位相・振幅とを比較することにより、受信部206の位相・振幅特性を推定することができる。
キャンセル部208は、キャリブレーション信号と受信部206の位相・振幅特性の推定結果に基づいて、受信部206の出力からキャリブレーション信号をキャンセルする。キャリブレーション部212は、アンテナ202からの信号を受信処理した受信部206の位相・振幅特性を補償するように、入力された信号の位相・振幅を調整する。これにより、受信部206の位相・振幅特性と所望の特性とのズレが補償される。
[第6実施形態]
第6実施形態は、単一の送信回路の特性と所望の特性との誤差を補正するキャリブレーションに関する。図27は、第6実施形態による電子装置の一例を示す回路図である。図27は、図2に示した第1実施形態、図23に示した第3実施形態の1つの送信部52−iに関するキャリブレーションに関する。
送信信号生成部232の出力信号は、キャリブレーション部234(第1実施形態のビームフォーミング部38に対応)に入力される。送信信号生成部232は、第1実施形態のアンテナ30a又は30b、スイッチ32、34、送信機104a又は104bでもよい。
キャリブレーション部234の出力信号は、送信部236(第1実施形態の送信部52−iに対応)、カプラ238(第1実施形態のカプラ56−iに対応)を介して送信アンテナ242(第1実施形態のアンテナ58−iに対応)に入力される。キャリブレーション部234の出力信号は、送信部236、カプラ238を介して受信部244(第1実施形態の受信部68に対応)にも入力される。
受信部244の出力信号は、特性推定部246(第1実施形態の特性推定部70に対応)に入力される。特性推定部246にはキャリブレーション部234の出力信号(すなわち、送信部236の入力信号)も供給される。特性推定部246は、送信部236の入力信号の位相・振幅と、受信部244で受信処理された送信部236の出力信号の位相・振幅とを比較することにより、送信部236の位相・振幅特性を推定することができる。
キャリブレーション部234は、送信部236の位相・振幅特性のズレを補償するように、入力された信号の位相・振幅を調整する。これにより、送信部236の位相・振幅特性と所望の特性とのズレが補償される。
[第7実施形態]
図28は、第7実施形態による電子装置の一例を示す回路図である。
第7実施形態は、単一の送信回路の特性と所望の特性との誤差を補正するキャリブレーションに関する。図28は、第7実施形態による電子装置の一例を示す回路図である。図28は、図21に示した第2実施形態、図25に示した第4実施形態の1つの送信部52−iに関するキャリブレーションに関する。
第7実施形態が第6実施形態と異なるのは、特性推定部の構成が異なる。図27では、キャリブレーション部234の出力信号が特性推定部246に入力されているが、図28に示す第7実施形態では、キャリブレーション部234の入力信号が特性推定部252に入力されている。そのため、特性推定部252は、キャリブレーション前の送信信号の位相・振幅と該送信信号が送信部236及び受信部244を介して送信処理、受信処理を受けた後の信号の位相・振幅とを比較することにより、送信部236の位相・振幅特性を推定することができる。
キャリブレーション部234は、送信部236の位相・振幅特性のズレを補償するように、入力された信号の位相・振幅を調整する。これにより、送信部236の位相・振幅特性と所望の特性とのズレが補償される。
なお、実施形態は、中継装置として実現した例を説明したが、実施形態は、他の無線装置と無線通信を行う無線装置として実現することもできる。この場合、フィーダーリンクの受信機の代わりに送信信号生成部が接続され、フィーダーリンクの送信機の代わりに受信信号処理部が接続される。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
14a、14b…基地局装置、13…中継装置、18…スマートフォン、20携帯電話、38…ビームフォーミング部、52−1〜52−n…送信部、54−1〜54−n…デュプレクサ、56−1〜56−n…カプラ、58−1〜58−n…アンテナ、68…受信部、70…特性推定部、72…キャリブレーション信号生成部、74…キャリブレーション信号送信部、76…特性推定部、82−1〜82−n…受信部、84−1〜84−n…キャンセル部、88…ビームフォーミング部

Claims (16)

  1. アンテナからの第1周波数帯域の受信信号が入力される受信部と、
    前記第1周波数帯域とは異なる第2周波数帯域のキャリブレーション信号を前記受信信号とともに前記受信部へ入力させる信号加算部と、
    を具備する電子装置。
  2. 前記受信部の出力信号と前記キャリブレーション信号に基づいて前記受信部の特性を推定する推定部をさらに具備する請求項1記載の電子装置。
  3. 前記推定部の推定結果に基づいて前記受信部の出力信号を補正する補正部をさらに具備する請求項2記載の電子装置。
  4. 前記受信部は、前記アンテナにより第1の通信装置からの電波を受信し、
    前記補正部の出力を第2の通信装置へ送信する送信部をさらに具備する請求項3記載の電子装置。
  5. 前記アンテナは複数のアンテナ素子からなり、
    前記受信部は複数の受信ユニットからなり、
    前記信号加算部は前記キャリブレーション信号を前記複数の受信ユニットへ入力させ、
    前記推定部は前記複数の受信ユニットの位相・振幅特性のバラツキを推定する、請求項2乃至請求項4のいずれか一項記載の電子装置。
  6. 前記受信部の出力信号から前記キャリブレーション信号を取り除く信号除去部と、
    前記推定部の推定結果に基づいて前記信号除去部の出力信号を補正する補正部と、
    をさらに具備する請求項2記載の電子装置。
  7. 前記受信部は、増幅器を具備し、
    前記電子装置は、
    前記受信部の出力信号と前記キャリブレーション信号に基づいて前記増幅器の位相特性と振幅特性を推定する推定部と、
    前記受信部の出力信号から前記キャリブレーション信号を取り除く信号除去部と、
    前記推定部の推定結果に基づいて前記信号除去部の出力信号の位相と振幅を補正する補正部と、
    をさらに具備する請求項1記載の電子装置。
  8. 前記キャリブレーション信号は1又は複数の周波数帯域を含む、請求項1乃至請求項7のいずれか一項記載の電子装置。
  9. 前記キャリブレーション信号の周波数方向の電力重心は前記受信信号の周波数帯域に含まれる、請求項1乃至請求項8のいずれか一項記載の電子装置。
  10. 前記キャリブレーション信号の周波数帯域の最高周波数は前記受信信号の周波数帯域の最高周波数より高く、前記キャリブレーション信号の周波数帯域の最低周波数は前記受信信号の周波数帯域の最低周波数より低い、請求項1乃至請求項9のいずれか一項記載の電子装置。
  11. 前記受信信号は複数の周波数帯域を含み、
    前記キャリブレーション信号の周波数帯域は前記受信信号の隣接する2つの周波数帯域の間にある、請求項1乃至請求項10のいずれか一項記載の電子装置。
  12. 第1信号に対して送信処理を行い送信信号を生成し、前記送信信号を送信アンテナに供給する送信部と、
    前記送信信号に対して受信処理を行い第2信号を生成する受信部と、
    前記第1信号と前記第2信号との比較に基づいて前記送信部の特性を推定する推定部と、
    を具備し、
    前記推定部は、前記送信信号の電力に応じた方式に基づいて、前記送信部の特性を推定する、電子装置。
  13. 前記方式は、前記送信信号の電力が第1電力以上の場合は、前記送信部の推定の変化量が第1値となる第1方式であり、前記送信信号の電力が第1電力未満の場合は、前記送信部の推定の変化量が前記第1値よりも小さい第2値となる第2方式である、請求項12記載の電子装置。
  14. 前記推定部は、前記送信部の特性を複数回推定する、請求項12又は請求項13記載の電子装置。
  15. アンテナからの第1周波数帯域の受信信号を受信部に入力することと、
    前記第1周波数帯域とは異なる第2周波数帯域のキャリブレーション信号を前記受信信号とともに前記受信部へ入力させることと、
    を具備する方法。
  16. 送信部により第1信号に対して送信処理を行い送信信号を生成することと、
    前記送信信号を送信アンテナに供給することと、
    前記送信信号に対して受信処理を行い第2信号を生成することと、
    前記第1信号と前記第2信号との比較に基づいて前記送信部の特性を推定することと、
    を具備し、
    前記推定することは、前記送信信号の電力に応じた方式に基づいて、前記送信部の特性を推定する、方法。
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