JP2021104693A - 電動アシスト台車用駆動装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】比較的小型でシンプルな構成で、廉価にて供給でき、しかも、種々のタイプの電動アシスト台車に適用可能な電動アシスト台車用駆動装置を提供することを課題とする。【解決手段】荷台に対する固定部Aと、固定部Aに取り付けられる軸支フレーム6と、軸支フレーム6に軸支される駆動輪5と、駆動輪5を回転駆動する駆動モーター7とを含み、軸支フレーム6は固定部Aに揺動自在に支持される。駆動モーター7は、ワイパーモーターであり、駆動輪5の主軸21にワンウェイクラッチ31が組み込まれる。【選択図】図1
Description
本発明は電動アシスト台車用駆動装置に関するものであり、より詳細には、重量物搬送の際の初動操作を補助する種々のタイプの電動アシスト台車に適用可能な電動アシスト台車用駆動装置に関するものである。
例えば、一般的な自動車製造工場における自動車組立作業は、主にロボットを用いた流れ作業により行われるが、そのために、多岐に渡る組立工程を含む組立ラインが形成される。そして、各組立工程において、組み付けるパーツの受け渡しが行われるが、その受け渡しに先立って当該パーツを受け渡し場所に移送するために、人力による手押し台車が用いられることが少なくない。しかし、パーツの中にはかなり重量の嵩むものがあり、これを台車に載せて手押しで運ぶ作業はかなりの重労働となる。
このような重量物の搬送に対処するため、従来、電動駆動輪を付加した、所謂電動アシスト台車が種々提案されている(特開平10−109647号公報、特開2006−290319号公報等)。これらの電動アシスト台車はいずれも、荷台の下に一般的なキャスター構造を有する車輪(従動輪)を備えると共に、荷台の下又は荷台を外れた部分に電動の駆動輪を備え、また、その駆動輪を駆動するモーターと当該モーターの電源となるバッテリーを搭載して成る。
しかるに、これら従来の電動アシスト台車におけるモーターやバッテリーを含む駆動装置は、比較的大型の複雑な構成のものであって、荷台から外れた、作業者が台車を押す際に握持するハンドル部の下部に設けられることが多いため、邪魔になるだけでなく、その分荷台の載置面積が減少するという問題がある。
上述したように、従来の電動アシスト台車におけるモーターやバッテリーを含む駆動装置は、比較的大型の複雑な構成のものであって、コストが嵩むとか、邪魔になるとかいった問題があった。
本発明は、このような問題を解決するためになされたもので、比較的小型でシンプルな構成で、廉価にて供給でき、しかも、種々のタイプの電動アシスト台車に適用可能な電動アシスト台車用駆動装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するための請求項1に記載の発明は、荷台に対する固定部と、前記固定部に取り付けられる軸支フレームと、前記軸支フレームに軸支される駆動輪と、前記駆動輪を回転駆動する駆動モーターとを含み、前記軸支フレームは前記固定部に揺動自在に支持されていることを特徴とする電動アシスト台車用駆動装置である。
一実施形態においては、前記駆動モーターは、ワイパーモーターである。また、一実施形態においては、前記駆動輪の主軸にワンウェイクラッチが組み込まれる。
一実施形態においては、前記駆動輪は、その軸に固定された小径ギアが、前記駆動モーターの駆動軸に固定された大径ギアに噛合することにより回転駆動される。その場合の前記駆動モーターの駆動軸に対する前記大径ギアの固定は、螺設した前記駆動軸の先端部を前記大径ギアに嵌合したアダプターに嵌入し、その先端露出部にナットをネジ付けることにより行われる。また、前記駆動軸の前記アダプター嵌入部がテーパ形状ににされ、その部分に設けた孔に回り止めピンが差し込まれ、あるいは、前記駆動軸の前記アダプター嵌入部がテーパ形状にされ、その部分と前記アダプターの嵌入孔との間がスプライン結合により結合される。
一実施形態においては、前記軸支フレームは、前記固定部を形成する固定プレートにヒンジを介して取り付けられることにより揺動自在にされる。また、前記固定プレートの下部に、長孔を設けた支持板が水平状態に固定され、前記軸支フレームに前記長孔内に遊挿される支持杆が突設され、前記支持板と前記軸支フレームとの間に、前記支持杆を取り巻くようにクッションスプリングが配装される。また、一実施形態においては、 前記固定部は、前記固定プレートと一対のU字ボルトで形成される、
本発明は上記のとおりであって、比較的小型でシンプルな構成で、廉価にて供給でき、しかも、荷台の下にコンパクトに装備できるために、荷台上に広い載置スペースを確保することができ、また、固定部を介して種々のタイプの電動アシスト台車に適用可能という効果がある。
本発明を実施するための形態につき、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本発明に係る電動アシスト台車用駆動装置は、荷台に対する固定部Aと、固定部Aに取り付けられる軸支フレーム6と、軸支フレーム6に軸支される駆動輪5と、駆動輪5を回転駆動する駆動モーター7とを含んで構成され、軸支フレーム6は固定部Aに揺動自在に支持されることを特徴とするものである。
好ましくは、駆動モーター7としてワイパーモーターが用いられる。ワイパーモーター7は自動車部品であって、比較的安価に入手できるメリットがある。なお、同じく自動車部品であるウィンドーモーター等の使用も考えられるが、ウィンドーモーターはワイパーモーター7と異なり、抵抗がかかると停止する機能があり、連続運転の妨げになるため、好ましくない。
駆動輪5は、その主軸21に固定された小径ギア22が、駆動モーター7の駆動軸23に固定された大径ギア24に噛合することにより回転駆動される。駆動モーター7の駆動軸23に対する大径ギア24の固定は、螺設した駆動軸23の先端部を大径ギア24に嵌合したアダプター25に嵌入し、その先端露出部にナット26をネジ付けることにより行われる(図5参照)。好ましくは、駆動軸23のアダプター嵌入部をテーパ形状にし、そのテーパ形状部27に設けた孔に、回り止めピン28が差し込まれる。あるいは、そのテーパ形状部27とアダプター25の嵌入孔との間が、スプライン結合により結合される、
駆動輪5の主軸21は、軸支フレーム6の側板の外側に固定される軸受30によって軸支される(図1,4,6参照)。駆動輪5には、中心にワンウェイクラッチ31を具備した円板32が取り付けられ、ワンウェイクラッチ31に主軸21が挿通される(図1,6参照)。
かかる構成において、駆動モーター7の回転は、その駆動軸23から大径ギア24に伝達され、次いで大径ギア24からそれに噛合する小径ギア22に伝達され、主軸21が回転駆動される。そして、主軸21の回転が、円板32を介して駆動輪5に伝達される。ここで、円板32はワンウェイクラッチ31を介して主軸21に取り付けられているため、主軸21の回転は、一回転方向、即ち、前進回転方向のみ円板32に伝達される。かくして駆動輪5は、前進方向にのみ回転駆動される。
軸支フレーム6は、固定部Aを形成する固定プレート9にヒンジ10を介して取り付けられることにより揺動自在にされる。即ち、軸支フレーム6の上面に揺動板8が固定され、固定プレート9の下部に、長孔12を設けた支持板11が水平状態に取り付けられ、揺動板8の天面に、垂直方向に伸びて長孔12内に遊挿される支持杆13が設置される(特に図4〜6参照)。
そして、揺動板8の天面と支持板11の裏面との間に、支持杆13を取り巻くようにクッションスプリング14が配設される。クッションスプリング14は、後述するように、常時駆動輪5を下方に付勢するよう作用し、駆動輪5はヒンジ10を介して揺動しつつ、路面から受ける衝撃を緩衝する(図3参照)。また、支持杆13は、長孔12の範囲内において揺動し、揺動板8の揺動範囲を規制する。
本発明に係る電動アシスト台車用駆動装置は、種々のタイプの電動アシスト台車に設置して利用することができる。図7に示される電動アシスト台車は、四隅に従動輪4を取り付けた荷台1の後端部に、ハンドルスタンド3を介して操作ハンドル2を配置したタイプのもので、本駆動装置は荷台1の前端部に設置される。
固定プレート9の荷台1への設置には、例えば、U字ボルト15が用いられる。その場合は、荷台1の前端面中央部に切除部16が形成され、切除部16の両内側面間に差渡し材17が設けられる。そして、この差渡し材17に一対のU字ボルト15を嵌め付け、U字ボルト15の端部を固定プレート9を通して露出させ、ナット18を締付けることにより、固定プレート9を差渡し材17に固定する(図2〜5参照)。
図8、9に示される電動アシスト台車は、ローラーコンベア40を備えた比較的大型のもので、長尺のローラーコンベア装置との間で物品の受け取り、受け渡しを行うものである。この場合の駆動装置は、荷台を形成する縦フレーム41間に渡された架橋フレーム42に取り付けられる。この場合も、上記タイプの電動アシスト台車の差渡し材17への固定と同様に、一対のU字ボルト15を介して固定プレート9が架橋フレーム42に固定されることにより設置される。
本駆動装置を装備した電動アシスト台車の基本的操作は、一般の電動アシスト台車の場合と変わらないが、本駆動装置を装備した電動アシスト台車の場合は、駆動輪5を軸支する軸支フレーム6が、荷台1の前端部にヒンジ10を介して取り付けられ、また、常時クッションスプリング14によって下方に付勢されているため、駆動輪5は、走行路面の状況に応じ、ヒンジ10を軸に上下に枢動し、常時路面に接触する(図3参照)。即ち、路面の駆動輪5が接触する部分と従動輪4が接触する部分に高低差があっても、駆動輪5は、路面に倣って上下動して常時路面に接触し、空転することはない。そのため、本駆動装置を装備した電動アシスト台車は、路面の状態に影響されることなく、安定した走行が可能となる。
本発明は上述したとおりであって、本発明に係る駆動装置は、比較的小型でシンプルな構成で、廉価にて供給でき、しかも、荷台の下にコンパクトに装備できるために、荷台上に広い載置スペースを確保することができ、また、固定部を介して種々のタイプの電動アシスト台車に適用可能なものであり、その産業上の利用可能性は大である。
5 駆動輪
6 軸支フレーム
7 ワイパーモーター
8 揺動板
9 固定プレート
10 ヒンジ
11 支持板
12 長孔
13 支持杆
14 クッションスプリング
15 U字ボルト
18 ナット
21 主軸
22 小径ギア
24 大径ギア
31 ワンウェイクラッチ
32 円板
6 軸支フレーム
7 ワイパーモーター
8 揺動板
9 固定プレート
10 ヒンジ
11 支持板
12 長孔
13 支持杆
14 クッションスプリング
15 U字ボルト
18 ナット
21 主軸
22 小径ギア
24 大径ギア
31 ワンウェイクラッチ
32 円板
Claims (10)
- 荷台に対する固定部と、前記固定部に取り付けられる軸支フレームと、前記軸支フレームに軸支される駆動輪と、前記駆動輪を回転駆動する駆動モーターとから成り、
前記軸支フレームは前記固定部に揺動自在に支持されていることを特徴とする電動アシスト台車用駆動装置。 - 前記駆動モーターは、ワイパーモーターである、請求項1に記載の電動アシスト台車用駆動装置。
- 前記駆動輪の主軸にワンウェイクラッチが組み込まれている、請求項1又は2に記載の電動アシスト台車用駆動装置。
- 前記駆動輪は、その軸に固定された小径ギアが、前記駆動モーターの駆動軸に固定された大径ギアに噛合することにより回転駆動される、請求項1乃至3のいずれかに記載の電動アシスト台車用駆動装置。
- 前記駆動モーターの駆動軸に対する前記大径ギアの固定は、螺設した前記駆動軸の先端部を前記大径ギアに嵌合したアダプターに嵌入し、その先端露出部にナットをネジ付けることにより行う、請求項4に記載の電動アシスト台車用駆動装置。
- 前記駆動軸の前記アダプター嵌入部がテーパ形状にされ、その部分に設けた孔にピンが差し込まれる、請求項5に記載の電動アシスト台車用駆動装置。
- 前記駆動軸の前記アダプター嵌入部がテーパ形状にされ、その部分と前記アダプターの嵌入孔との間がスプライン結合により結合される、請求項5に記載の電動アシスト台車用駆動装置。
- 前記軸支フレームは、前記固定部を形成する固定プレートにヒンジを介して取り付けられることにより揺動自在にされる、請求項1乃至7のいずれかに記載の電動アシスト台車用駆動装置。
- 前記固定プレートの下部に、長孔を設けた支持板が水平状態に固定され、前記軸支フレームに前記長孔内に遊挿される支持杆が突設され、前記支持板と前記軸支フレームとの間に、前記支持杆を取り巻くようにクッションスプリングが配装される、請求項8に記載の電動アシスト台車用駆動装置。
- 前記固定部は、前記固定プレートと一対のU字ボルトで形成される、請求項1乃至9のいずれかに記載の電動アシスト台車用駆動装置。
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Citations (4)
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JP2000043731A (ja) * | 1998-07-29 | 2000-02-15 | Tokico Ltd | 搬送装置 |
CN206983619U (zh) * | 2017-07-18 | 2018-02-09 | 东旭(昆山)显示材料有限公司 | 减震万向轮和玻璃搬运车 |
CN108974062A (zh) * | 2018-07-03 | 2018-12-11 | 西安思源学院 | 一种安全保护小车 |
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